電子回路ユニットの製造方法、及び、製造装置
【課題】回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続する電子回路ユニットの製造方法・製造装置につき、新規な技術を提案する。
【解決手段】回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6とを、リード端子等の端子部材1を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、吸引保持具22にて、予め規定の形状に構成された端子部材1を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対しセットする工程と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、前記各端子部を、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、を有する。
【解決手段】回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6とを、リード端子等の端子部材1を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、吸引保持具22にて、予め規定の形状に構成された端子部材1を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対しセットする工程と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、前記各端子部を、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ECU(ECU:Electronic Control Unit)等の電子回路ユニットにおける端子の接合の技術に関するものであり、より詳しくは、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子とを、リード端子等の端子部材を介して電気的に接続して電子回路ユニットを製造する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子(バスバー)とを、ワイヤ形状やリード形状の第三の端子を介して電気的に接続する、「端子接合方法」に関する技術は周知となっており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、まず、ロール状に巻き取られた第三の端子を送出する機構を備え、第三の端子の先端をパッケージの外部引出し用端子に接合した後、第三の端子を湾曲させてループを描くように成形するとともに、第三の端子を回路基板上の接続電極に接合させ、その後、第三の端子を切断するといった一連の工程により行う端子接合方法(ボンディング方法)について開示されている。
【0004】
また、前記第三の端子と外部引出し用端子、接続電極との接合は、それぞれ、レーザー接合により実施される構成としている。
【特許文献1】特許第2783125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1の技術では、第三の端子を送出する工程、第三の端子を外部引出し用端子に接合する工程、第三の端子の湾曲・成形工程、第三の端子を接続電極に接合する工程といったように、多くの工程があり、各工程を実施するための装置構成が必要で、装置構成が複雑なものであるといえる。また、各工程を実施するために、時間を要することになり、特に、第三の端子によりボンディングする箇所が多い場合には、ボンディング開始から、全ての端子のボンディングを終了するまでには長時間を要することとなった。
【0006】
また、前述の各工程は、並行して実施することができないものとなっている。例えば、第三の端子の湾曲・成形工程が終了するまでは、次の工程である第三の端子と接続電極とのレーザー接合を実施することができず、高価なレーザー発信器の稼働率が悪いという問題がある。
【0007】
また、近年では、前記外部引出し用端子と接続電極とのピッチ(平面視における水平方向の距離)は、コンパクト化の観点からより狭く設計される傾向があり、特許文献1のような複雑な装置では、狭いピッチに対応することができなくなることが懸念される。
【0008】
また、装置構成が複雑であると、メンテナンス頻度が高くなるという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子とを、リード端子を介して電気的に接続する電子回路ユニットの製造方法・製造装置につき、上記の課題を解決すべく、新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
吸引保持具にて前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法とする。
【0012】
また、請求項2に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対しセットする吸引保持具と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、
を有する、電子回路ユニットの製造装置とする。
【0013】
また、請求項3に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具にて、前記各端子部を吸引保持する工程と、
前記吸引保持具にて前記各端子部を吸引保持しつつ、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対して当着させつつ、レーザー照射手段にて、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法とする。
【0014】
また、請求項4に記載のごとく、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具にセットする工程と、
前記吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段にて、前記端子部材を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、を有することとする。
【0015】
また、請求項5に記載のごとく、
前記端子部材保持手段にて前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形する工程を有し、
前記端子部材保持手段は、端子部材のプレス成形後に、前記端子部材を吸引保持することとする。
【0016】
また、請求項6に記載のごとく、
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段とを用い、
前記第一の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、を有することとする。
【0017】
また、請求項7に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具を複数具備する端子部材保持手段と、
前記各吸引保持具にて前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射するレーザー照射手段と、を具備する、電子回路ユニットの製造装置とする。
【0018】
また、請求項8に記載のごとく、
前記各吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段と、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具と、を具備し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させることとする。
【0019】
また、請求項9に記載のごとく、
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段と、が備えられ、
前記レーザー照射手段は、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射することとする。
【0020】
また、請求項10に記載のごとく、
前記各吸引保持具は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材を具備し、
前記各ノズル部材は、前記各吸引保持具の本体部に対し、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持され、
前記各ノズル部材は、前記本体部の内部に設けられるスプリングにより、常時突出する方向に付勢されていることとする。
【0021】
また、請求項11に記載のごとく、
前記各ノズル部材と前記本体部の相対位置を認識する機構を備えていることとする。
【0022】
また、請求項12に記載のごとく、
前記端子部材保持手段にて、前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形し、
前記端子部材保持手段は、プレス成形後の端子部材を吸引保持することとする。
【発明の効果】
【0023】
以上の請求項1に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明では、
一度に複数の端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、これにより、レーザー照射手段を常時稼動させてレーザー接合を実施することができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
また、前記端子部材仮置治具によって端子部材が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明では、
製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具から端子部材を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明では、
レーザー光を通過させない吸引用穴の穴断面積を小さくすることで、一組の吸引用穴間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極と外部引出し用端子の間のピッチが短い構成に対応することができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項8に記載の発明では、
一度に複数の端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、これにより、レーザー照射手段を常時稼動させてレーザー接合を実施することができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
また、前記端子部材仮置治具によって端子部材が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【0031】
また、請求項9に記載の発明では、
レーザー光を通過させない吸引用穴の穴断面積を小さくすることで、一組の吸引用穴間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極と外部引出し用端子の間のピッチが短い構成に対応することができる。
【0032】
また、請求項10に記載の発明では、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、前記接続電極、前記外部引出し用端子に対し、規定の圧力で当接させることできる。そして、これにより、各端子間での隙間をなくし、接合不良の発生を防止することができる。
【0033】
また、請求項11に記載の発明では、
前記各ノズル部材の先端部と前記端子部材の各端子部の間の異物の存在や、前記ノズル部材の先端部の摩耗を検知することができ、これらの不具合に基づく接合不良を防止することができる。
【0034】
また、請求項12に記載の発明では、
製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具から端子部材を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施形態について、以下の実施例により説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の概要を示すものであり、
本発明は、回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6(バスバー)とを、リード端子等の端子部材1を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法である。
そして、吸引保持具22にて、予め規定の形状に構成された端子部材1・1・・・を吸引保持して、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対しセットする工程と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射することで、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、を有するものである。
【0037】
また、以上を実施するための製造装置の構成として、前記端子部材1・1・・・を吸引保持して、前記端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対しセットする吸引保持具22と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射して、記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、を具備する構成とするものである。
【0038】
そして、以上においては、端子部材1が予め規定の形状に構成されているので、該端子部材1の接続作業には、端子部材1の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0039】
以下詳細について説明すると、図1及び図3に示すごとく、前記端子部材1・1・・・は、略「へ」字状に予め成形加工されて、両端部に水平方向の端子部1a・1bが構成される。
また、前記端子部1a・1bの間の中途部には、ループ状の湾曲部1cが成形されている。この湾曲部1cは弾性変形可能に構成されているため、端子部材1の変形が許容され、レーザー接合における前記端子部1a・1bでの応力集中による接続不良や、端子部材1の残留応力に基づく不具合の発生が防止される。
【0040】
また、図2に示すごとく、前記端子部材仮置治具2は厚板部材に構成されるものであり、その上面には、複数の端子部材1・1・・・をそれぞれ個別に設置するための複数の凹凸部2a・2a・・・が形成されている。
また、前記凹凸部2a・2a・・・の配置は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置とされており、これにより、各端子部材1・1・・・は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で、端子部材仮置治具2上にセットされることになる。
【0041】
また、図2のA−A線断面図に示すごとく、前記各凹凸部2a・2a・・・には、前記端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを載置するための設置面2b・2cが上下方向にずらして設けられている。上側に配置される設置面2bには、端子部1bが載置され、下側に配置される設置面2cには、端子部1aが載置される。
【0042】
また、図2のB−B線断面図に示すごとく、前記設置面2cの幅(B−B線断面図において上下方向の幅)は、前記端子部材1・1・・・の幅(B−B線断面図において上下方向の幅)と略同一に設定されることとし、これにより、凹凸部2a・2a・・・に端子部材1・1・・・を載置すると、各端子部材1・1・・・が規定の位置、即ち、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の位置に、確実にセットされるようになっている。
【0043】
また、前記設置面2cに、前記端子部1aを導くべく、前記凹凸部2aの側面を傾斜面2dで構成することとし、端子部材1の凹凸部2aへの位置合わせを容易にする、いわゆる、セルフアライメント機能が呈される構成としている。
【0044】
また、図1及び図3に示すごとく、
前記端子部材保持手段20は、
レーザー光Bの通過部21a・21bを有する板状のフレーム21と、
前記フレーム21に対し、前記端子部材仮置治具2における前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で固定される吸引保持具22・22・・・と、を具備するものであり、
前記吸引保持具22・22・・・は、
前記端子部材1の前記接続電極7に対する端子部1aを吸引保持し、かつ、レーザー光Bを通過させるための吸引用穴33が形成される第一のノズル部材31と、
前記端子部材1の前記外部引出し用端子6に対する端子部1bを吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴43が形成される第二のノズル部材41と、を有する構成としている。
尚、このように、本実施例では、前記第一のノズル部材31と、第二のノズル部材41によって、吸引保持具22に、一対の吸引用穴24・25が形成されるようになっている。
【0045】
また、図3に示すごとく、前記フレーム21は、本実施例では、レーザー光の透過性を有する一枚のガラス部材により構成される。尚、このガラス部材の例の他、透明樹脂部材等、他の透明部材でフレーム21を構成することも可能である。
また、前記フレーム21は、図示せぬロボットアーム等の移動装置に取り付けられ、図1に示すごとく、前記端子部材仮置治具2が配置される位置において、後述の構成により端子部材1・1・・・を吸引保持した後、前記回路基板8及びパッケージ4からなるワーク3が配置される位置へと移動される構成となっている。
【0046】
また、前記フレーム21を移動させる移動装置には、前記フレーム21の前記端子部材仮置治具2に対する位置補正を行う機能、及び、前記フレーム21の前記ワーク3に対する位置補正を行う機能が実装されており、これにより、前記端子部材仮置治具2にて規定の位置に配置された端子部材1・1・・・を、その配置を保ったまま、前記ワーク3の規定の位置にセットできるようにしている。
【0047】
また、図1に示すごとく、前記各吸引保持具22・22・・・は、前記端子部材1・1・・・と同数設けられるものであり、各吸引保持具22・22・・・が、前記フレーム21の一側表面(本実施例では下面)に固定される構成としている。
【0048】
また、図3に示すごとく、前記吸引保持具22は、前記フレーム21に固定される本体部23から、二つの第一・第二のノズル部材31・41が突出される構成とするものであり、前記第一・第二のノズル部材31・41は、その先端が、前記端子部材1の端子部1a・1bにそれぞれ到着するように配置されている。
【0049】
尚、図3において、前記吸引保持具22は、左右反転させた状態でフレーム21に対して固定されるものであってもよく、接続電極7と外部引出し用端子6の配置に応じて、適宜、吸引保持具22のフレーム21に対する適切な固定方法が採用される。
また、前記第一・第二のノズル部材31・41の形状は、その断面を円形とする他、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0050】
また、前記第一・第二のノズル部材31・41には、それぞれ、筒軸方向(図において上下方向)に、断面視略V字状に構成される吸引用穴33・43が構成されており、また、前記本体部23には、前記吸引用穴33・43と連通し、その開放部が前記フレーム21に対向する吸引用穴24・25が設けられている。
以上の吸引用穴33・43・24・25の構成により、レーザー光を通過させる通路が図において上下方向に形成され、前記フレーム21を挟んで前記吸引保持具22の反対側に配置されるレーザー照射手段30から照射されるレーザー光が、前記端子部材1の各端子部1a・1bへ到達可能に構成される。
尚、各吸引用穴33・43・24・25の穴断面の形状は、円形とするほか、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0051】
また、前記本体部23には、前記吸引用穴24・25と連通する吸気穴26・27が設けられており、図示せぬ減圧ポンプ等の吸引装置により、前記吸気穴26・27を介して前記吸引用穴24・25内の空気が吸引される構成となっている。
尚、本実施例では、前記本体部23と前記フレーム21との間に板状のスペーサ23aを介設し、前記スペーサ23aに前記吸気穴26・27を設ける構成としている。
【0052】
そして、以上の構成により、前記第一・第二のノズル部材31・41の先端部に前記端子部材1の端子部1a・1bを当接させた状態で、前記吸引装置による吸引が行なわれると、前記吸引用穴24・25、及び、第一・第二のノズル部材31・41の吸引用穴33・43内が減圧され、前記端子部1a・1bが第一・第二のノズル部材31・41の各先端部に吸引される。
このように端子部材1を前記第一・第二のノズル部材31・41に吸引させる構成とすることで、前記端子部材保持手段20にて端子部材1を傷つけることなく、かつ、確実に保持できるようになっている。
【0053】
また、前記各吸引保持具22・22は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材31・41を具備し、前記第一・第二のノズル部材31・41は、前記フレーム21に固定される本体部23に対し、前記吸引用穴24・25内において、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持されている。
また、前記第一・第二のノズル部材31・41は、本体部23の内部に設けられるスプリング34・44により、常時突出する方向、即ち、図において下方側へと付勢されており、第一・第二のノズル部材31・41の各先端部と、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6の間に、前記端子部1a・1bが挟まれた状態では、前記端子部1a・1bを、それぞれ、前記接続電極7、前記外部引出し用端子6に対し、規定の圧力で当接させることが可能となっている。そして、これにより、各端子間での隙間の発生をなくし、接合不良の発生を防止することができる。
尚、図3に示すごとく、端子部材1を接続電極7、外部引出し用端子6に当着させた状態では、前記吸引装置による端子部材1の第一・第二のノズル部材31・41への吸引は解除されるものとする。
【0054】
また、図3に示すごとく、端子部材1を接続電極7、外部引出し用端子6に当着させた状態、即ち、接合準備状態において、前記レーザー照射手段30からレーザー光Bを照射することにより、端子部1aの接続電極7に対する接合、端子部1bの外部引出し用端子6に対する接合が、順次行われる。
このレーザー照射手段30による各端子部1a・1bの接合作業は、各吸引保持具22・22・・・によって接合準備状態となった端子部材1・1・・・について、順次実施させるものである。
そして、以上の構成では、複数の端子部材1・1・・・が同時に接合準備状態となっており、この状態から、レーザー照射手段30を常時稼動させて接合作業を実施することができ、高価なレーザー発信器の稼働率を高いものとして、効率のよい作業プロセスを実現することができる。
【0055】
また、前記レーザー照射手段30の具体的な構成については特に限定されるものではなく、例えば、ロボットアーム等の移動装置にレーザー発信器を取り付けて、このレーザー発信器を前記各吸引保持具22・22・・・の位置に移動させる構成や、反射ミラーを利用して各吸引保持具22・22・・・の位置にレーザー光を誘導させる構成を採用することができる。
【0056】
また、前記レーザー照射手段30に、前記第一・第二のノズル部材31・41の先端の穴位置を基準に、レーザー照射位置を補正する照射位置補正機能を設けることにより、実際の第一・第二のノズル部材31・41の穴位置に合わせてレーザー照射を実施することにより、より確実にレーザー接合を実施することができる。
【0057】
以上のように、実施例1では、図1乃至図3に示すごとく、
端子部材1・1・・・の両側に形成される端子部1a・1bを、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴24・25が形成された吸引保持具22にて、前記各端子部1a・1bを吸引保持する工程と、
前記吸引保持具22にて前記各端子部1a・1bを吸引保持しつつ、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対して当着させつつ、レーザー照射手段30にて、前記各吸引用穴24・25を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射して、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程とを有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0058】
また、回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6とを、端子部材1を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材1の両側に形成される端子部1a・1bを、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴24・25が形成された吸引保持具22を複数具備する端子部材保持手段20と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴24・25を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射するレーザー照射手段30と、を具備する電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0059】
これにより、一度に複数の端子部材1・1・・・をワーク3の規定の位置にセットすることができ、次のレーザー接合を実施する段階においては、レーザー照射手段30を常時稼動させることができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
【0060】
また、図1乃至図3に示すごとく、
前記端子部材1を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具2にセットする工程と、
前記吸引保持具22が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段20にて、前記端子部材1を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記回路基板8上の前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させる工程と、を有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0061】
また、前記各吸引保持具22・22・・・が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段20と、
前記端子部材1を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具2と、を具備し、
前記各吸引保持具22にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させる電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0062】
これにより、端子部材仮置治具2によって端子部材1・1・・・が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材1・1・・・をワーク3の規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【実施例2】
【0063】
本実施例2は、図5及び図6に示すごとく、回路基板8上の接続電極7と、パッケージ4の外部引出し用端子6との間のピッチL(距離)が短い構成に対して適用されるものであり、一組のノズル部材31A・41Aについて、その吸引用穴33A・43A・33B・43Bの穴断面積の大きさを異ならせることにより、ピッチLの短い構成に対応しようとするものである。
【0064】
即ち、前記端子部材保持手段として、
図5に示すごとく、一対の吸引用穴33A・43Aのうち、一方の吸引用穴33Aの穴断面積が、他方の吸引用穴43Aの穴断面積より大きい吸引保持具22Aを具備した第一の端子部材保持手段20Aと、
図6に示すごとく、一対の吸引用穴33B・43Bのうち、他方の吸引用穴43Bの穴断面積が、一方の吸引用穴33Bの穴断面積より大きい吸引保持具22Bを具備した第二の端子部材保持手段20Bとを用い、
前記第一の端子部材保持手段20Aを用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴33Aを介して前記端子部1bにレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段20Bを用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴43Bを介して前記端子部にレーザー光を照射する工程とを有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0065】
また、前記端子部材保持手段として、
図5に示すごとく、一対の吸引用穴33A・43Aのうち、一方の吸引用穴33Aの穴断面積が、他方の吸引用穴43Aの穴断面積より大きい吸引保持具22Aを具備した第一の端子部材保持手段20Aと、
図6に示すごとく、一対の吸引用穴33B・43Bのうち、他方の吸引用穴43Bの穴断面積が、一方の吸引用穴33Bの穴断面積より大きい吸引保持具22Bを具備した第二の端子部材保持手段20Bと、が備えられ、
前記レーザー照射手段30は、穴断面積が大きい方の吸引用穴33A・43Bを介して前記端子部にレーザー光を照射する、電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0066】
そして、以上の構成によれば、図5及び図6に示すごとく、回路基板8上の接続電極7と、パッケージ4の外部引出し用端子6との間のピッチLが短い場合に、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対し、個別にレーザー接合を実施すべく、前記端子部材保持手段20A・20Bを専用の設計とすることにより、前記ピッチLの短い構成に対応することが可能となる。
つまり、レーザー光を通過させないノズル部材(43A・33B)の吸引用穴33B・43Aの穴断面積を小さくすることで、その外径寸法(ノズル部材41A・31B)を小さくすることができ、一組のノズル部材31A・41A(31B・41B)の間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極7と外部引出し用端子6のピッチLが短い構成に対応できる。
【0067】
そして、図8に示すごとく、第一セット工程においては、第一の端子部材保持手段20Aを用い、丸印120A・120A・・・で囲んだ箇所についてレーザー接合を実施し、第二セット工程においては、第二の端子部材保持手段20Bを用い、第一セット工程でレーザー接合がされていない、丸印120B・120B・・・で囲んだ箇所について、レーザー接合が実施されるものである。このようにして、各端子部材1・1・・・の端子部1a・1bについて、第一セット工程、第二セット工程に分けて、順番に(チドリ状に)レーザー接合が実施されるものである。
【0068】
以下、詳細について説明すると、図5及び図6に示すごとく、前記端子部材保持手段20A・20Bは、
レーザー光の通過部21a・21bを有する板状のフレーム21A・21Bと、
前記フレーム21に対し、前記端子部材仮置治具2における前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で固定される第一・第二の吸引保持具22A・22Bと、をそれぞれ具備するものであり、
前記第一の吸引保持具22A(図5)は、
前記端子部材1の一側端子部(端子部1a)を吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴33Aが形成される第一のノズル部材31Aと、
前記端子部材1の他側端子部(端子部1b)を吸引保持するための吸引用穴43Aが形成される第二のノズル部材41Aと、を有し、
前記第二の吸引保持具22B(図6)は、
前記端子部材1の他側端子部(端子部1b)を吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴43Bが形成される第三のノズル部材41Bと、
前記端子部材1の一側端子部(端子部1a)を吸引保持するための吸引用穴33Bが形成される第四のノズル部材31Bと、を有する構成とするものである。
【0069】
また、図5に示すごとく、前記第一のノズル部材31Aの吸引用穴33A、及びフレーム21Aの通過部21aによって、前記第一の端子部材保持手段20Aに、前記端子部材1の一側端子部1aをレーザー接合させるレーザー光Bの通路が形成され、同様に、図6に示すごとく、前記第三のノズル部材41Bの吸引用穴43B、及びフレーム21Bの通過部21bによって、前記第一の端子部材保持手段20Bに、前記端子部材1の一側端子部1aをレーザー接合させるレーザー光Bの通路が形成される。
尚、図5及び図6において、図3に示す符号と同一符号のものの構成・機能は、図3に示すものと同じである。
【0070】
また、図7に示すごとく、
前記第一の端子部材保持手段20Aにおける前記第一の吸引保持具22Aの配置は、
前記第二の端子部材保持手段20Bにおける前記第二の吸引保持具22Bの配置と同一とし、
前記第一の端子部材保持手段20Aにおける前記第二の吸引保持具22Bの配置は、
前記第二の端子部材保持手段20Bにおける前記第一の吸引保持具22Aの配置と同一とする構成となっている。
例えば、図7において、前記第一の端子部材保持手段20Aの位置P1に第一の吸引保持具22Aが配置されるとすると、前記第一の端子部材保持手段20Bの位置P1には第二の吸引保持具22Bが配置されることとなる。
【0071】
また、図5及び図6に示すごとく、前記第二のノズル部材41Aの吸引用穴43Aの穴断面積は、前記第一のノズル部材31Aの吸引用穴33Aの穴断面積よりも小さく構成され(図5)、前記第四のノズル部材31Bの吸引用穴33Bの穴断面積は、前記第三のノズル部材41Bの吸引用穴43Bの穴断面積よりも小さく構成されることとする。
尚、各吸引用穴33A・43A・33B・43Bの穴断面の形状は、円形とするほか、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0072】
そして、この構成では、図5に示すごとく、前記第二のノズル部材41Aの吸引用穴43Aにはレーザー光を通過させないこととし、穴断面積を小さく構成し、これにより、前記第二のノズル部材41Aの外形寸法を小さく構成するものである。
このように、第二のノズル部材41Aの外形寸法を小さく構成することにより、前記両ノズル部材31A・41Aの先端部の穴ピッチ(吸引用穴33A・43Aの中心線距離;ピッチL)を短く構成することができる。
同様に、図6に示すごとく、前記第四のノズル部材31Bの吸引用穴33Bにはレーザー光を通過させないこととし、穴断面積を小さく構成し、これにより、前記第四のノズル部材31Bの外形寸法を小さく構成するものである。このように、第四のノズル部材31Bの外形寸法を小さく構成することにより、前記両ノズル部材31B・41Bの先端部の穴ピッチ(吸引用穴33B・43Bの中心線距離;ピッチL)を短く構成することができる。
【0073】
そして、以上のように各吸引用穴33A・43A、吸引用穴33B・43Bにおける穴ピッチ(中心線距離)を小さくすることを可能とすることで、前記接続電極7と、前記外部引出し用端子6との間のピッチLが短い構成に対応することができる。
【0074】
また、本実施例2の実施に際し、図8に示すごとく、前記端子部材保持手段20A・20Bをライン70に沿って配置し、前記回路基板8及びパッケージ4からなるワーク3をライン70上で移動させることにより、順次レーザー接合を実施させることとする他、ロボットアーム等の移動装置にて前記端子部材保持手段20A・20Bを順次ワーク3の位置まで移動させ、レーザー接合を実施させることとすることもできる。
【実施例3】
【0075】
本実施例3では、図9に示すごとく、前記各ノズル部材31・41と前記本体部23の相対位置を認識する機構を備えることにより、各ノズル部材31・41の先端部31a・41aと前記各端子部1a・1bの間の異物の存在や、前記ノズル部材31・41の先端部31a・41aの摩耗を検知することとするものである。
【0076】
仮に、端子部1a・1b上に異物が存在すると、ノズル部材31・41の先端部31a・41aによって、端子部1a・1bを接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して、規定の圧力で当接さえることができなくなり、接合面に隙間が生じ、接合不良を招くことになる。
また、前記ノズル部材31・41の先端部31a・41aが摩耗した場合には、前記スプリング34・44の付勢力による規定の圧力を、端子部1a・1bと接続電極7、又は、外部引出し用端子6の間の接合面に付与できないこととなる。
【0077】
そこで、本実施例3では、前記ノズル部材31・41と前記本体部23の相対位置を認識することによって、前述の不具合をなくそうとするものである。
図9に示す例では、位置センサー60を前記フレーム21の上方で順次移動させ、該位置センサー60によって、該位置センサー60から前記本体部23(又は、フレーム21でもよい)までの距離M1を計測する。
次に、位置センサー60により、該位置センサー60から、前記フレーム21、及び、吸引用穴24・25を介して、ノズル部材31・41の後端部31b・41bまでの距離M2を計測する。
そして、図示せぬ演算装置により前記距離M1・M2の差分Mを算出し、前記差分Mが規定の値と一致しない場合に、エラー信号等を出力させる構成としている。
【0078】
尚、位置センサー60は、周知の非接触式の光学センサーにより構成されるものであり、特に、具体的な構成は限定されるものではない。
【実施例4】
【0079】
本実施例4では、図10に示すごとく、前記端子部材仮置治具2において端子部材1・1・・・をセットする表面2f(凹凸部2a)を、前記端子部材1・1・・・の一側表面と接触し、前記端子部材1・1・・・を規定の形状にプレス成形するためのプレス面として形成することで、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させることとするものである。
また、前記端子部材仮置治具2に対向する可動プレス金型として機能する押圧具5を用意し、前記押圧具5の表面5fを前記端子部材1・1・・・の他側表面を押圧するためのプレス面として形成する。
そして、前記端子部材仮置治具2の凹凸部2aの位置に、成形前の平板状の端子部材1をセットし、前記押圧具5を移動させて、端子部材1を両表面2f・5fで挟み込むことにより、端子部材1を前記表面2f・5fに沿った規定の形状に成形することとする。
【0080】
そして、このように、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させることとすれば、この端子部材仮置治具2にセットする前工程における端子部材1の成形加工の工程を省略することができ、加工時間の短縮を図ることができる。
また、端子部材1のプレス加工後は、端子部材仮置治具2上に規定の位置に配置されている成形後の端子部材1を、そのまま端子部材保持手段20によって吸引保持することができ、端子部材1の置き換え等の作業を必要とせずに、短時間で、次の工程に移ることができる。
【実施例5】
【0081】
本実施例5では、図11に示すごとく、前記端子部材保持手段50につき、端子部材仮置治具2との間で、端子部材1をプレス成形する機能を持たせた構成とするものである。
即ち、前記端子部材保持手段50にて前記端子部材仮置治具2にセットされた端子部材1・1・・・をプレス成形する工程を有し、前記端子部材保持手段50は、端子部材1・1・・・のプレス成形後に、前記端子部材1・1・・・を吸引保持することとするものである。
【0082】
以上の製造方法によれば、製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材1・1・・・を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具2から端子部材1・1・・を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【0083】
また、以上の製造方法の実施においては、前記端子部材保持手段50と、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させるものであり、前記端子部材保持手段50にて、前記端子部材仮置治具2にセットされた端子部材1・1・・・をプレス成形し、前記端子部材保持手段50は、プレス成形後の端子部材1・1・・・を吸引保持することとするものである。
【0084】
また、前記端子部材保持手段50は、一つのブロック状の部材から構成され、その下側の表面50aがプレス面とされている。また、前記端子部材仮置治具2の表面2f(凹凸部2a)は、前記端子部材保持手段50の表面50fに対するプレス面とされており、両表面2f・50aの間で、成形前の平板状の端子部材1を挟み込むことにより、端子部材1を前記表面50a・2fに沿った規定の形状に成形させることとしている。
【0085】
また、前記端子部材保持手段50において、複数箇所に、一対の吸引用穴52a・52bが形成された吸引保持部51・51・・・を構成し、各吸引保持部51・51・・・の吸引用穴52a・52bにて、端子部材1の端子部1a・1bをそれぞれ吸引保持する構成とするものである。
尚、この吸引保持部51・51・・・は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように形成されている。また、各吸引保持部51・51・・・の表面がプレス面として機能することとなる。
【0086】
また、前記端子部材保持手段50において、前記各吸引用穴52a・52bにて端子部材1・1・・・を吸引保持した状態で、前記端子部材保持手段50を端子部材仮置治具2から離して、前記端子部材1・1・・・を脱型する。
そして、前記端子部材保持手段50をスライド装置やロータリー装置等で、回路基板8の上方へと移動、降下させ、前記各端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを、回路基板8の接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して当着させるようになっている。
この端子部材1の脱型、回路基板8上へのセットの一連の工程においては、プレス成形した端子部材1の位置を維持しながら行うことができるので、回路基板8の接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対する端子部材1の位置精度を高くすることができる、つまりは、端子部材1を規定の位置に確実にセットすることができるようになる。
【0087】
また、前記吸引用穴52a・52bの少なくとも一方は、レーザー照射手段30からのレーザー光を通過させるべく構成しており、これにより、レーザー照射手段30によって、順次、吸引用穴52a・52bを介してレーザー光を照射し、各端子部1a・1bを、接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して接合するものである。
尚、前述の実施例2と同様に、前記吸引用穴52a・52bの穴断面積を大小異なる設計とし、吸引用穴52a・52bの間の肉厚を薄くして、吸引用穴52a・52bの間の距離を短くした一組の端子部材保持手段を用意することで、本実施例5の構成においても、前記接続電極7と、前記外部引出し用端子6との間のピッチが短い構成に対応するができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例1の電子回路ユニットの製造方法について示す図。
【図2】端子部材仮置治具の構成について示す図。
【図3】実施例1の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図4】実施例2の電子回路ユニットの製造方法について示す図。
【図5】実施例2の第一の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図6】実施例2の第二の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図7】第一・第二の吸引保持具の配置関係について示す図。
【図8】実施例2においてワークを移動させてレーザー接合をする例について示す図。
【図9】実施例3の位置センサーにてノズル部材の摩耗等の不具合の検知等を行う構成について示す図。
【図10】実施例4の端子部材のプレス成形について示す図。
【図11】実施例5の端子部材保持手段の構成等について示す図。
【符号の説明】
【0089】
1 端子部材
2 端子部材仮置治具
3 ワーク
4 パッケージ
6 外部引出し用端子
7 接続電極
8 回路基板
20 端子部材保持手段
22 吸引保持具
30 レーザー照射手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、ECU(ECU:Electronic Control Unit)等の電子回路ユニットにおける端子の接合の技術に関するものであり、より詳しくは、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子とを、リード端子等の端子部材を介して電気的に接続して電子回路ユニットを製造する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子(バスバー)とを、ワイヤ形状やリード形状の第三の端子を介して電気的に接続する、「端子接合方法」に関する技術は周知となっており、これについて開示する文献も存在する(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
特許文献1では、まず、ロール状に巻き取られた第三の端子を送出する機構を備え、第三の端子の先端をパッケージの外部引出し用端子に接合した後、第三の端子を湾曲させてループを描くように成形するとともに、第三の端子を回路基板上の接続電極に接合させ、その後、第三の端子を切断するといった一連の工程により行う端子接合方法(ボンディング方法)について開示されている。
【0004】
また、前記第三の端子と外部引出し用端子、接続電極との接合は、それぞれ、レーザー接合により実施される構成としている。
【特許文献1】特許第2783125号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1の技術では、第三の端子を送出する工程、第三の端子を外部引出し用端子に接合する工程、第三の端子の湾曲・成形工程、第三の端子を接続電極に接合する工程といったように、多くの工程があり、各工程を実施するための装置構成が必要で、装置構成が複雑なものであるといえる。また、各工程を実施するために、時間を要することになり、特に、第三の端子によりボンディングする箇所が多い場合には、ボンディング開始から、全ての端子のボンディングを終了するまでには長時間を要することとなった。
【0006】
また、前述の各工程は、並行して実施することができないものとなっている。例えば、第三の端子の湾曲・成形工程が終了するまでは、次の工程である第三の端子と接続電極とのレーザー接合を実施することができず、高価なレーザー発信器の稼働率が悪いという問題がある。
【0007】
また、近年では、前記外部引出し用端子と接続電極とのピッチ(平面視における水平方向の距離)は、コンパクト化の観点からより狭く設計される傾向があり、特許文献1のような複雑な装置では、狭いピッチに対応することができなくなることが懸念される。
【0008】
また、装置構成が複雑であると、メンテナンス頻度が高くなるという問題もある。
【0009】
そこで、本発明は、回路基板上の接続電極と、パッケージの外部引出し用端子とを、リード端子を介して電気的に接続する電子回路ユニットの製造方法・製造装置につき、上記の課題を解決すべく、新規な技術を提案するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0011】
即ち、請求項1に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
吸引保持具にて前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法とする。
【0012】
また、請求項2に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対しセットする吸引保持具と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、
を有する、電子回路ユニットの製造装置とする。
【0013】
また、請求項3に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具にて、前記各端子部を吸引保持する工程と、
前記吸引保持具にて前記各端子部を吸引保持しつつ、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対して当着させつつ、レーザー照射手段にて、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法とする。
【0014】
また、請求項4に記載のごとく、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具にセットする工程と、
前記吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段にて、前記端子部材を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、を有することとする。
【0015】
また、請求項5に記載のごとく、
前記端子部材保持手段にて前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形する工程を有し、
前記端子部材保持手段は、端子部材のプレス成形後に、前記端子部材を吸引保持することとする。
【0016】
また、請求項6に記載のごとく、
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段とを用い、
前記第一の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、を有することとする。
【0017】
また、請求項7に記載のごとく、
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具を複数具備する端子部材保持手段と、
前記各吸引保持具にて前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射するレーザー照射手段と、を具備する、電子回路ユニットの製造装置とする。
【0018】
また、請求項8に記載のごとく、
前記各吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段と、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具と、を具備し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させることとする。
【0019】
また、請求項9に記載のごとく、
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段と、が備えられ、
前記レーザー照射手段は、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射することとする。
【0020】
また、請求項10に記載のごとく、
前記各吸引保持具は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材を具備し、
前記各ノズル部材は、前記各吸引保持具の本体部に対し、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持され、
前記各ノズル部材は、前記本体部の内部に設けられるスプリングにより、常時突出する方向に付勢されていることとする。
【0021】
また、請求項11に記載のごとく、
前記各ノズル部材と前記本体部の相対位置を認識する機構を備えていることとする。
【0022】
また、請求項12に記載のごとく、
前記端子部材保持手段にて、前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形し、
前記端子部材保持手段は、プレス成形後の端子部材を吸引保持することとする。
【発明の効果】
【0023】
以上の請求項1に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0024】
また、請求項2に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0025】
また、請求項3に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0026】
また、請求項4に記載の発明では、
一度に複数の端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、これにより、レーザー照射手段を常時稼動させてレーザー接合を実施することができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
また、前記端子部材仮置治具によって端子部材が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【0027】
また、請求項5に記載の発明では、
製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具から端子部材を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【0028】
また、請求項6に記載の発明では、
レーザー光を通過させない吸引用穴の穴断面積を小さくすることで、一組の吸引用穴間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極と外部引出し用端子の間のピッチが短い構成に対応することができる。
【0029】
また、請求項7に記載の発明では、
端子部材を予め規定の形状としておくことで、該端子部材の接続作業には、端子部材の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、吸引保持具でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0030】
また、請求項8に記載の発明では、
一度に複数の端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、これにより、レーザー照射手段を常時稼動させてレーザー接合を実施することができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
また、前記端子部材仮置治具によって端子部材が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材をワークの規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【0031】
また、請求項9に記載の発明では、
レーザー光を通過させない吸引用穴の穴断面積を小さくすることで、一組の吸引用穴間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極と外部引出し用端子の間のピッチが短い構成に対応することができる。
【0032】
また、請求項10に記載の発明では、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、前記接続電極、前記外部引出し用端子に対し、規定の圧力で当接させることできる。そして、これにより、各端子間での隙間をなくし、接合不良の発生を防止することができる。
【0033】
また、請求項11に記載の発明では、
前記各ノズル部材の先端部と前記端子部材の各端子部の間の異物の存在や、前記ノズル部材の先端部の摩耗を検知することができ、これらの不具合に基づく接合不良を防止することができる。
【0034】
また、請求項12に記載の発明では、
製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具から端子部材を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
本発明の実施形態について、以下の実施例により説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は、本発明の概要を示すものであり、
本発明は、回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6(バスバー)とを、リード端子等の端子部材1を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法である。
そして、吸引保持具22にて、予め規定の形状に構成された端子部材1・1・・・を吸引保持して、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対しセットする工程と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射することで、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、を有するものである。
【0037】
また、以上を実施するための製造装置の構成として、前記端子部材1・1・・・を吸引保持して、前記端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対しセットする吸引保持具22と、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射して、記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、を具備する構成とするものである。
【0038】
そして、以上においては、端子部材1が予め規定の形状に構成されているので、該端子部材1の接続作業には、端子部材1の湾曲・成形工程が存在せず、接続作業のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
また、前記吸引保持具22の吸引用穴33・43でセットした位置に、直接レーザー光を照射してレーザー接合を実施することができ、接合位置精度の向上を図ることができる。
【0039】
以下詳細について説明すると、図1及び図3に示すごとく、前記端子部材1・1・・・は、略「へ」字状に予め成形加工されて、両端部に水平方向の端子部1a・1bが構成される。
また、前記端子部1a・1bの間の中途部には、ループ状の湾曲部1cが成形されている。この湾曲部1cは弾性変形可能に構成されているため、端子部材1の変形が許容され、レーザー接合における前記端子部1a・1bでの応力集中による接続不良や、端子部材1の残留応力に基づく不具合の発生が防止される。
【0040】
また、図2に示すごとく、前記端子部材仮置治具2は厚板部材に構成されるものであり、その上面には、複数の端子部材1・1・・・をそれぞれ個別に設置するための複数の凹凸部2a・2a・・・が形成されている。
また、前記凹凸部2a・2a・・・の配置は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置とされており、これにより、各端子部材1・1・・・は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で、端子部材仮置治具2上にセットされることになる。
【0041】
また、図2のA−A線断面図に示すごとく、前記各凹凸部2a・2a・・・には、前記端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを載置するための設置面2b・2cが上下方向にずらして設けられている。上側に配置される設置面2bには、端子部1bが載置され、下側に配置される設置面2cには、端子部1aが載置される。
【0042】
また、図2のB−B線断面図に示すごとく、前記設置面2cの幅(B−B線断面図において上下方向の幅)は、前記端子部材1・1・・・の幅(B−B線断面図において上下方向の幅)と略同一に設定されることとし、これにより、凹凸部2a・2a・・・に端子部材1・1・・・を載置すると、各端子部材1・1・・・が規定の位置、即ち、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・・の位置に、確実にセットされるようになっている。
【0043】
また、前記設置面2cに、前記端子部1aを導くべく、前記凹凸部2aの側面を傾斜面2dで構成することとし、端子部材1の凹凸部2aへの位置合わせを容易にする、いわゆる、セルフアライメント機能が呈される構成としている。
【0044】
また、図1及び図3に示すごとく、
前記端子部材保持手段20は、
レーザー光Bの通過部21a・21bを有する板状のフレーム21と、
前記フレーム21に対し、前記端子部材仮置治具2における前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で固定される吸引保持具22・22・・・と、を具備するものであり、
前記吸引保持具22・22・・・は、
前記端子部材1の前記接続電極7に対する端子部1aを吸引保持し、かつ、レーザー光Bを通過させるための吸引用穴33が形成される第一のノズル部材31と、
前記端子部材1の前記外部引出し用端子6に対する端子部1bを吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴43が形成される第二のノズル部材41と、を有する構成としている。
尚、このように、本実施例では、前記第一のノズル部材31と、第二のノズル部材41によって、吸引保持具22に、一対の吸引用穴24・25が形成されるようになっている。
【0045】
また、図3に示すごとく、前記フレーム21は、本実施例では、レーザー光の透過性を有する一枚のガラス部材により構成される。尚、このガラス部材の例の他、透明樹脂部材等、他の透明部材でフレーム21を構成することも可能である。
また、前記フレーム21は、図示せぬロボットアーム等の移動装置に取り付けられ、図1に示すごとく、前記端子部材仮置治具2が配置される位置において、後述の構成により端子部材1・1・・・を吸引保持した後、前記回路基板8及びパッケージ4からなるワーク3が配置される位置へと移動される構成となっている。
【0046】
また、前記フレーム21を移動させる移動装置には、前記フレーム21の前記端子部材仮置治具2に対する位置補正を行う機能、及び、前記フレーム21の前記ワーク3に対する位置補正を行う機能が実装されており、これにより、前記端子部材仮置治具2にて規定の位置に配置された端子部材1・1・・・を、その配置を保ったまま、前記ワーク3の規定の位置にセットできるようにしている。
【0047】
また、図1に示すごとく、前記各吸引保持具22・22・・・は、前記端子部材1・1・・・と同数設けられるものであり、各吸引保持具22・22・・・が、前記フレーム21の一側表面(本実施例では下面)に固定される構成としている。
【0048】
また、図3に示すごとく、前記吸引保持具22は、前記フレーム21に固定される本体部23から、二つの第一・第二のノズル部材31・41が突出される構成とするものであり、前記第一・第二のノズル部材31・41は、その先端が、前記端子部材1の端子部1a・1bにそれぞれ到着するように配置されている。
【0049】
尚、図3において、前記吸引保持具22は、左右反転させた状態でフレーム21に対して固定されるものであってもよく、接続電極7と外部引出し用端子6の配置に応じて、適宜、吸引保持具22のフレーム21に対する適切な固定方法が採用される。
また、前記第一・第二のノズル部材31・41の形状は、その断面を円形とする他、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0050】
また、前記第一・第二のノズル部材31・41には、それぞれ、筒軸方向(図において上下方向)に、断面視略V字状に構成される吸引用穴33・43が構成されており、また、前記本体部23には、前記吸引用穴33・43と連通し、その開放部が前記フレーム21に対向する吸引用穴24・25が設けられている。
以上の吸引用穴33・43・24・25の構成により、レーザー光を通過させる通路が図において上下方向に形成され、前記フレーム21を挟んで前記吸引保持具22の反対側に配置されるレーザー照射手段30から照射されるレーザー光が、前記端子部材1の各端子部1a・1bへ到達可能に構成される。
尚、各吸引用穴33・43・24・25の穴断面の形状は、円形とするほか、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0051】
また、前記本体部23には、前記吸引用穴24・25と連通する吸気穴26・27が設けられており、図示せぬ減圧ポンプ等の吸引装置により、前記吸気穴26・27を介して前記吸引用穴24・25内の空気が吸引される構成となっている。
尚、本実施例では、前記本体部23と前記フレーム21との間に板状のスペーサ23aを介設し、前記スペーサ23aに前記吸気穴26・27を設ける構成としている。
【0052】
そして、以上の構成により、前記第一・第二のノズル部材31・41の先端部に前記端子部材1の端子部1a・1bを当接させた状態で、前記吸引装置による吸引が行なわれると、前記吸引用穴24・25、及び、第一・第二のノズル部材31・41の吸引用穴33・43内が減圧され、前記端子部1a・1bが第一・第二のノズル部材31・41の各先端部に吸引される。
このように端子部材1を前記第一・第二のノズル部材31・41に吸引させる構成とすることで、前記端子部材保持手段20にて端子部材1を傷つけることなく、かつ、確実に保持できるようになっている。
【0053】
また、前記各吸引保持具22・22は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材31・41を具備し、前記第一・第二のノズル部材31・41は、前記フレーム21に固定される本体部23に対し、前記吸引用穴24・25内において、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持されている。
また、前記第一・第二のノズル部材31・41は、本体部23の内部に設けられるスプリング34・44により、常時突出する方向、即ち、図において下方側へと付勢されており、第一・第二のノズル部材31・41の各先端部と、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6の間に、前記端子部1a・1bが挟まれた状態では、前記端子部1a・1bを、それぞれ、前記接続電極7、前記外部引出し用端子6に対し、規定の圧力で当接させることが可能となっている。そして、これにより、各端子間での隙間の発生をなくし、接合不良の発生を防止することができる。
尚、図3に示すごとく、端子部材1を接続電極7、外部引出し用端子6に当着させた状態では、前記吸引装置による端子部材1の第一・第二のノズル部材31・41への吸引は解除されるものとする。
【0054】
また、図3に示すごとく、端子部材1を接続電極7、外部引出し用端子6に当着させた状態、即ち、接合準備状態において、前記レーザー照射手段30からレーザー光Bを照射することにより、端子部1aの接続電極7に対する接合、端子部1bの外部引出し用端子6に対する接合が、順次行われる。
このレーザー照射手段30による各端子部1a・1bの接合作業は、各吸引保持具22・22・・・によって接合準備状態となった端子部材1・1・・・について、順次実施させるものである。
そして、以上の構成では、複数の端子部材1・1・・・が同時に接合準備状態となっており、この状態から、レーザー照射手段30を常時稼動させて接合作業を実施することができ、高価なレーザー発信器の稼働率を高いものとして、効率のよい作業プロセスを実現することができる。
【0055】
また、前記レーザー照射手段30の具体的な構成については特に限定されるものではなく、例えば、ロボットアーム等の移動装置にレーザー発信器を取り付けて、このレーザー発信器を前記各吸引保持具22・22・・・の位置に移動させる構成や、反射ミラーを利用して各吸引保持具22・22・・・の位置にレーザー光を誘導させる構成を採用することができる。
【0056】
また、前記レーザー照射手段30に、前記第一・第二のノズル部材31・41の先端の穴位置を基準に、レーザー照射位置を補正する照射位置補正機能を設けることにより、実際の第一・第二のノズル部材31・41の穴位置に合わせてレーザー照射を実施することにより、より確実にレーザー接合を実施することができる。
【0057】
以上のように、実施例1では、図1乃至図3に示すごとく、
端子部材1・1・・・の両側に形成される端子部1a・1bを、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴24・25が形成された吸引保持具22にて、前記各端子部1a・1bを吸引保持する工程と、
前記吸引保持具22にて前記各端子部1a・1bを吸引保持しつつ、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対して当着させつつ、レーザー照射手段30にて、前記各吸引用穴24・25を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射して、前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し、それぞれレーザー接合させる工程とを有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0058】
また、回路基板8上の接続電極7と、前記回路基板8が設置されるパッケージ4の外部引出し用端子6とを、端子部材1を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材1の両側に形成される端子部1a・1bを、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴24・25が形成された吸引保持具22を複数具備する端子部材保持手段20と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて前記各端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴24・25を介して、前記各端子部1a・1bにレーザー光を照射するレーザー照射手段30と、を具備する電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0059】
これにより、一度に複数の端子部材1・1・・・をワーク3の規定の位置にセットすることができ、次のレーザー接合を実施する段階においては、レーザー照射手段30を常時稼動させることができこととなるので、高価なレーザー発信器の稼働率を高めることができ、効率のよい端子部材の接合作業を実施することができる。
【0060】
また、図1乃至図3に示すごとく、
前記端子部材1を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具2にセットする工程と、
前記吸引保持具22が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段20にて、前記端子部材1を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記回路基板8上の前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させる工程と、を有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0061】
また、前記各吸引保持具22・22・・・が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1・1・・の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段20と、
前記端子部材1を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材1の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具2と、を具備し、
前記各吸引保持具22にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具22・22・・・にて、前記端子部材仮置治具2上にセットされた前記各端子部材1・1・・・の配置を保ったまま、前記端子部材1の端子部1a・1bを、前記接続電極7、又は、前記外部引出し用端子6に対し当着させる電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0062】
これにより、端子部材仮置治具2によって端子部材1・1・・・が規定の位置にセットされ、その規定の位置を保ったまま、端子部材1・1・・・をワーク3の規定の位置にセットすることができ、位置精度の高い構成とすることができる。
【実施例2】
【0063】
本実施例2は、図5及び図6に示すごとく、回路基板8上の接続電極7と、パッケージ4の外部引出し用端子6との間のピッチL(距離)が短い構成に対して適用されるものであり、一組のノズル部材31A・41Aについて、その吸引用穴33A・43A・33B・43Bの穴断面積の大きさを異ならせることにより、ピッチLの短い構成に対応しようとするものである。
【0064】
即ち、前記端子部材保持手段として、
図5に示すごとく、一対の吸引用穴33A・43Aのうち、一方の吸引用穴33Aの穴断面積が、他方の吸引用穴43Aの穴断面積より大きい吸引保持具22Aを具備した第一の端子部材保持手段20Aと、
図6に示すごとく、一対の吸引用穴33B・43Bのうち、他方の吸引用穴43Bの穴断面積が、一方の吸引用穴33Bの穴断面積より大きい吸引保持具22Bを具備した第二の端子部材保持手段20Bとを用い、
前記第一の端子部材保持手段20Aを用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴33Aを介して前記端子部1bにレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段20Bを用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴43Bを介して前記端子部にレーザー光を照射する工程とを有する電子回路ユニットの製造方法とするものである。
【0065】
また、前記端子部材保持手段として、
図5に示すごとく、一対の吸引用穴33A・43Aのうち、一方の吸引用穴33Aの穴断面積が、他方の吸引用穴43Aの穴断面積より大きい吸引保持具22Aを具備した第一の端子部材保持手段20Aと、
図6に示すごとく、一対の吸引用穴33B・43Bのうち、他方の吸引用穴43Bの穴断面積が、一方の吸引用穴33Bの穴断面積より大きい吸引保持具22Bを具備した第二の端子部材保持手段20Bと、が備えられ、
前記レーザー照射手段30は、穴断面積が大きい方の吸引用穴33A・43Bを介して前記端子部にレーザー光を照射する、電子回路ユニットの製造装置とするものである。
【0066】
そして、以上の構成によれば、図5及び図6に示すごとく、回路基板8上の接続電極7と、パッケージ4の外部引出し用端子6との間のピッチLが短い場合に、前記接続電極7、及び、前記外部引出し用端子6に対し、個別にレーザー接合を実施すべく、前記端子部材保持手段20A・20Bを専用の設計とすることにより、前記ピッチLの短い構成に対応することが可能となる。
つまり、レーザー光を通過させないノズル部材(43A・33B)の吸引用穴33B・43Aの穴断面積を小さくすることで、その外径寸法(ノズル部材41A・31B)を小さくすることができ、一組のノズル部材31A・41A(31B・41B)の間の距離を短く構成することが可能となり、接続電極7と外部引出し用端子6のピッチLが短い構成に対応できる。
【0067】
そして、図8に示すごとく、第一セット工程においては、第一の端子部材保持手段20Aを用い、丸印120A・120A・・・で囲んだ箇所についてレーザー接合を実施し、第二セット工程においては、第二の端子部材保持手段20Bを用い、第一セット工程でレーザー接合がされていない、丸印120B・120B・・・で囲んだ箇所について、レーザー接合が実施されるものである。このようにして、各端子部材1・1・・・の端子部1a・1bについて、第一セット工程、第二セット工程に分けて、順番に(チドリ状に)レーザー接合が実施されるものである。
【0068】
以下、詳細について説明すると、図5及び図6に示すごとく、前記端子部材保持手段20A・20Bは、
レーザー光の通過部21a・21bを有する板状のフレーム21A・21Bと、
前記フレーム21に対し、前記端子部材仮置治具2における前記端子部材1・1・・・の配置と同一の配置で固定される第一・第二の吸引保持具22A・22Bと、をそれぞれ具備するものであり、
前記第一の吸引保持具22A(図5)は、
前記端子部材1の一側端子部(端子部1a)を吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴33Aが形成される第一のノズル部材31Aと、
前記端子部材1の他側端子部(端子部1b)を吸引保持するための吸引用穴43Aが形成される第二のノズル部材41Aと、を有し、
前記第二の吸引保持具22B(図6)は、
前記端子部材1の他側端子部(端子部1b)を吸引保持し、かつ、レーザー光を通過させるための吸引用穴43Bが形成される第三のノズル部材41Bと、
前記端子部材1の一側端子部(端子部1a)を吸引保持するための吸引用穴33Bが形成される第四のノズル部材31Bと、を有する構成とするものである。
【0069】
また、図5に示すごとく、前記第一のノズル部材31Aの吸引用穴33A、及びフレーム21Aの通過部21aによって、前記第一の端子部材保持手段20Aに、前記端子部材1の一側端子部1aをレーザー接合させるレーザー光Bの通路が形成され、同様に、図6に示すごとく、前記第三のノズル部材41Bの吸引用穴43B、及びフレーム21Bの通過部21bによって、前記第一の端子部材保持手段20Bに、前記端子部材1の一側端子部1aをレーザー接合させるレーザー光Bの通路が形成される。
尚、図5及び図6において、図3に示す符号と同一符号のものの構成・機能は、図3に示すものと同じである。
【0070】
また、図7に示すごとく、
前記第一の端子部材保持手段20Aにおける前記第一の吸引保持具22Aの配置は、
前記第二の端子部材保持手段20Bにおける前記第二の吸引保持具22Bの配置と同一とし、
前記第一の端子部材保持手段20Aにおける前記第二の吸引保持具22Bの配置は、
前記第二の端子部材保持手段20Bにおける前記第一の吸引保持具22Aの配置と同一とする構成となっている。
例えば、図7において、前記第一の端子部材保持手段20Aの位置P1に第一の吸引保持具22Aが配置されるとすると、前記第一の端子部材保持手段20Bの位置P1には第二の吸引保持具22Bが配置されることとなる。
【0071】
また、図5及び図6に示すごとく、前記第二のノズル部材41Aの吸引用穴43Aの穴断面積は、前記第一のノズル部材31Aの吸引用穴33Aの穴断面積よりも小さく構成され(図5)、前記第四のノズル部材31Bの吸引用穴33Bの穴断面積は、前記第三のノズル部材41Bの吸引用穴43Bの穴断面積よりも小さく構成されることとする。
尚、各吸引用穴33A・43A・33B・43Bの穴断面の形状は、円形とするほか、長方形等であってもよく、特に限定されるものではない。
【0072】
そして、この構成では、図5に示すごとく、前記第二のノズル部材41Aの吸引用穴43Aにはレーザー光を通過させないこととし、穴断面積を小さく構成し、これにより、前記第二のノズル部材41Aの外形寸法を小さく構成するものである。
このように、第二のノズル部材41Aの外形寸法を小さく構成することにより、前記両ノズル部材31A・41Aの先端部の穴ピッチ(吸引用穴33A・43Aの中心線距離;ピッチL)を短く構成することができる。
同様に、図6に示すごとく、前記第四のノズル部材31Bの吸引用穴33Bにはレーザー光を通過させないこととし、穴断面積を小さく構成し、これにより、前記第四のノズル部材31Bの外形寸法を小さく構成するものである。このように、第四のノズル部材31Bの外形寸法を小さく構成することにより、前記両ノズル部材31B・41Bの先端部の穴ピッチ(吸引用穴33B・43Bの中心線距離;ピッチL)を短く構成することができる。
【0073】
そして、以上のように各吸引用穴33A・43A、吸引用穴33B・43Bにおける穴ピッチ(中心線距離)を小さくすることを可能とすることで、前記接続電極7と、前記外部引出し用端子6との間のピッチLが短い構成に対応することができる。
【0074】
また、本実施例2の実施に際し、図8に示すごとく、前記端子部材保持手段20A・20Bをライン70に沿って配置し、前記回路基板8及びパッケージ4からなるワーク3をライン70上で移動させることにより、順次レーザー接合を実施させることとする他、ロボットアーム等の移動装置にて前記端子部材保持手段20A・20Bを順次ワーク3の位置まで移動させ、レーザー接合を実施させることとすることもできる。
【実施例3】
【0075】
本実施例3では、図9に示すごとく、前記各ノズル部材31・41と前記本体部23の相対位置を認識する機構を備えることにより、各ノズル部材31・41の先端部31a・41aと前記各端子部1a・1bの間の異物の存在や、前記ノズル部材31・41の先端部31a・41aの摩耗を検知することとするものである。
【0076】
仮に、端子部1a・1b上に異物が存在すると、ノズル部材31・41の先端部31a・41aによって、端子部1a・1bを接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して、規定の圧力で当接さえることができなくなり、接合面に隙間が生じ、接合不良を招くことになる。
また、前記ノズル部材31・41の先端部31a・41aが摩耗した場合には、前記スプリング34・44の付勢力による規定の圧力を、端子部1a・1bと接続電極7、又は、外部引出し用端子6の間の接合面に付与できないこととなる。
【0077】
そこで、本実施例3では、前記ノズル部材31・41と前記本体部23の相対位置を認識することによって、前述の不具合をなくそうとするものである。
図9に示す例では、位置センサー60を前記フレーム21の上方で順次移動させ、該位置センサー60によって、該位置センサー60から前記本体部23(又は、フレーム21でもよい)までの距離M1を計測する。
次に、位置センサー60により、該位置センサー60から、前記フレーム21、及び、吸引用穴24・25を介して、ノズル部材31・41の後端部31b・41bまでの距離M2を計測する。
そして、図示せぬ演算装置により前記距離M1・M2の差分Mを算出し、前記差分Mが規定の値と一致しない場合に、エラー信号等を出力させる構成としている。
【0078】
尚、位置センサー60は、周知の非接触式の光学センサーにより構成されるものであり、特に、具体的な構成は限定されるものではない。
【実施例4】
【0079】
本実施例4では、図10に示すごとく、前記端子部材仮置治具2において端子部材1・1・・・をセットする表面2f(凹凸部2a)を、前記端子部材1・1・・・の一側表面と接触し、前記端子部材1・1・・・を規定の形状にプレス成形するためのプレス面として形成することで、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させることとするものである。
また、前記端子部材仮置治具2に対向する可動プレス金型として機能する押圧具5を用意し、前記押圧具5の表面5fを前記端子部材1・1・・・の他側表面を押圧するためのプレス面として形成する。
そして、前記端子部材仮置治具2の凹凸部2aの位置に、成形前の平板状の端子部材1をセットし、前記押圧具5を移動させて、端子部材1を両表面2f・5fで挟み込むことにより、端子部材1を前記表面2f・5fに沿った規定の形状に成形することとする。
【0080】
そして、このように、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させることとすれば、この端子部材仮置治具2にセットする前工程における端子部材1の成形加工の工程を省略することができ、加工時間の短縮を図ることができる。
また、端子部材1のプレス加工後は、端子部材仮置治具2上に規定の位置に配置されている成形後の端子部材1を、そのまま端子部材保持手段20によって吸引保持することができ、端子部材1の置き換え等の作業を必要とせずに、短時間で、次の工程に移ることができる。
【実施例5】
【0081】
本実施例5では、図11に示すごとく、前記端子部材保持手段50につき、端子部材仮置治具2との間で、端子部材1をプレス成形する機能を持たせた構成とするものである。
即ち、前記端子部材保持手段50にて前記端子部材仮置治具2にセットされた端子部材1・1・・・をプレス成形する工程を有し、前記端子部材保持手段50は、端子部材1・1・・・のプレス成形後に、前記端子部材1・1・・・を吸引保持することとするものである。
【0082】
以上の製造方法によれば、製品配置と同配置でプレス成形した状態を保ったまま、端子部材1・1・・・を吸引保持して搬送・レーザー接合することができるので、端子部材仮置治具2から端子部材1・1・・を吸引保持する際の保持位置精度が向上し、接合位置精度をさらに向上することができる。
【0083】
また、以上の製造方法の実施においては、前記端子部材保持手段50と、前記端子部材仮置治具2をプレス金型として機能させるものであり、前記端子部材保持手段50にて、前記端子部材仮置治具2にセットされた端子部材1・1・・・をプレス成形し、前記端子部材保持手段50は、プレス成形後の端子部材1・1・・・を吸引保持することとするものである。
【0084】
また、前記端子部材保持手段50は、一つのブロック状の部材から構成され、その下側の表面50aがプレス面とされている。また、前記端子部材仮置治具2の表面2f(凹凸部2a)は、前記端子部材保持手段50の表面50fに対するプレス面とされており、両表面2f・50aの間で、成形前の平板状の端子部材1を挟み込むことにより、端子部材1を前記表面50a・2fに沿った規定の形状に成形させることとしている。
【0085】
また、前記端子部材保持手段50において、複数箇所に、一対の吸引用穴52a・52bが形成された吸引保持部51・51・・・を構成し、各吸引保持部51・51・・・の吸引用穴52a・52bにて、端子部材1の端子部1a・1bをそれぞれ吸引保持する構成とするものである。
尚、この吸引保持部51・51・・・は、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように形成されている。また、各吸引保持部51・51・・・の表面がプレス面として機能することとなる。
【0086】
また、前記端子部材保持手段50において、前記各吸引用穴52a・52bにて端子部材1・1・・・を吸引保持した状態で、前記端子部材保持手段50を端子部材仮置治具2から離して、前記端子部材1・1・・・を脱型する。
そして、前記端子部材保持手段50をスライド装置やロータリー装置等で、回路基板8の上方へと移動、降下させ、前記各端子部材1・1・・・の端子部1a・1bを、回路基板8の接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して当着させるようになっている。
この端子部材1の脱型、回路基板8上へのセットの一連の工程においては、プレス成形した端子部材1の位置を維持しながら行うことができるので、回路基板8の接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対する端子部材1の位置精度を高くすることができる、つまりは、端子部材1を規定の位置に確実にセットすることができるようになる。
【0087】
また、前記吸引用穴52a・52bの少なくとも一方は、レーザー照射手段30からのレーザー光を通過させるべく構成しており、これにより、レーザー照射手段30によって、順次、吸引用穴52a・52bを介してレーザー光を照射し、各端子部1a・1bを、接続電極7、又は、外部引出し用端子6に対して接合するものである。
尚、前述の実施例2と同様に、前記吸引用穴52a・52bの穴断面積を大小異なる設計とし、吸引用穴52a・52bの間の肉厚を薄くして、吸引用穴52a・52bの間の距離を短くした一組の端子部材保持手段を用意することで、本実施例5の構成においても、前記接続電極7と、前記外部引出し用端子6との間のピッチが短い構成に対応するができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】実施例1の電子回路ユニットの製造方法について示す図。
【図2】端子部材仮置治具の構成について示す図。
【図3】実施例1の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図4】実施例2の電子回路ユニットの製造方法について示す図。
【図5】実施例2の第一の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図6】実施例2の第二の端子部材保持手段の構成について示す図。
【図7】第一・第二の吸引保持具の配置関係について示す図。
【図8】実施例2においてワークを移動させてレーザー接合をする例について示す図。
【図9】実施例3の位置センサーにてノズル部材の摩耗等の不具合の検知等を行う構成について示す図。
【図10】実施例4の端子部材のプレス成形について示す図。
【図11】実施例5の端子部材保持手段の構成等について示す図。
【符号の説明】
【0089】
1 端子部材
2 端子部材仮置治具
3 ワーク
4 パッケージ
6 外部引出し用端子
7 接続電極
8 回路基板
20 端子部材保持手段
22 吸引保持具
30 レーザー照射手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
吸引保持具にて前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法。
【請求項2】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対しセットする吸引保持具と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、
を有する、電子回路ユニットの製造装置。
【請求項3】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具にて、前記各端子部を吸引保持する工程と、
前記吸引保持具にて前記各端子部を吸引保持しつつ、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対して当着させつつ、レーザー照射手段にて、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具にセットする工程と、
前記吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段にて、前記端子部材を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
を有する、ことを特徴とする、請求項3に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記端子部材保持手段にて前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形する工程を有し、
前記端子部材保持手段は、端子部材のプレス成形後に、前記端子部材を吸引保持することとする、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項6】
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段とを用い、
前記第一の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
を有する、ことを特徴とする、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項7】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具を複数具備する端子部材保持手段と、
前記各吸引保持具にて前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射するレーザー照射手段と、を具備する、
電子回路ユニットの製造装置。
【請求項8】
前記各吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段と、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具と、を具備し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる、
ことを特徴とする、請求項7に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項9】
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段と、が備えられ、
前記レーザー照射手段は、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する、
ことを特徴とする、請求項7、又は、請求項8に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項10】
前記各吸引保持具は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材を具備し、
前記各ノズル部材は、前記各吸引保持具の本体部に対し、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持され、
前記各ノズル部材は、前記本体部の内部に設けられるスプリングにより、常時突出する方向に付勢されている、
ことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項11】
前記各ノズル部材と前記本体部の相対位置を認識する機構を備えている、
ことを特徴とする、請求項10に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項12】
前記端子部材保持手段にて、前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形し、
前記端子部材保持手段は、プレス成形後の端子部材を吸引保持することとする、
ことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項1】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
吸引保持具にて前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射することで、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法。
【請求項2】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材を吸引保持して、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対しセットする吸引保持具と、
前記吸引保持具の吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させるレーザー照射手段と、
を有する、電子回路ユニットの製造装置。
【請求項3】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続し、電子回路ユニットを製造するための、電子回路ユニットの製造方法であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具にて、前記各端子部を吸引保持する工程と、
前記吸引保持具にて前記各端子部を吸引保持しつつ、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれ、当着させる工程と、
前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対して当着させつつ、レーザー照射手段にて、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射して、前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し、それぞれレーザー接合させる工程と、
を有する、電子回路ユニットの製造方法。
【請求項4】
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための凹凸部を有する端子部材仮置治具にセットする工程と、
前記吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される端子部材保持手段にて、前記端子部材を吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持する工程と、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる工程と、
を有する、ことを特徴とする、請求項3に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項5】
前記端子部材保持手段にて前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形する工程を有し、
前記端子部材保持手段は、端子部材のプレス成形後に、前記端子部材を吸引保持することとする、
ことを特徴とする、請求項4に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項6】
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段とを用い、
前記第一の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
前記第二の端子部材保持手段を用いて、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する工程と、
を有する、ことを特徴とする、請求項3乃至請求項5のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造方法。
【請求項7】
回路基板上の接続電極と、前記回路基板が設置されるパッケージの外部引出し用端子とを、端子部材を介して電気的に接続するための電子回路ユニットの製造装置であって、
前記端子部材の両側に形成される端子部を、それぞれ、吸引保持するための一対の吸引用穴が形成された吸引保持具を複数具備する端子部材保持手段と、
前記各吸引保持具にて前記各端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させた状態において、前記各吸引用穴を介して、前記各端子部にレーザー光を照射するレーザー照射手段と、を具備する、
電子回路ユニットの製造装置。
【請求項8】
前記各吸引保持具が、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置される前記端子部材保持手段と、
前記端子部材を、製品状態の電子回路ユニットにおける前記端子部材の配置と同一の配置となるように配置するための端子部材仮置治具と、を具備し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま吸引保持し、
前記各吸引保持具にて、前記端子部材仮置治具上にセットされた前記各端子部材の配置を保ったまま、前記端子部材の端子部を、前記接続電極、又は、前記外部引出し用端子に対し当着させる、
ことを特徴とする、請求項7に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項9】
前記端子部材保持手段として、
一対の吸引用穴のうち、一方の吸引用穴の穴断面積が、他方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第一の端子部材保持手段と、
一対の吸引用穴のうち、他方の吸引用穴の穴断面積が、一方の吸引用穴の穴断面積より大きい吸引保持具を具備した第二の端子部材保持手段と、が備えられ、
前記レーザー照射手段は、穴断面積が大きい方の吸引用穴を介して前記端子部にレーザー光を照射する、
ことを特徴とする、請求項7、又は、請求項8に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項10】
前記各吸引保持具は、それぞれ、前記吸引用穴が形成される一対のノズル部材を具備し、
前記各ノズル部材は、前記各吸引保持具の本体部に対し、一定の範囲内で、前記端子部材に当接する方向へ摺動自在に支持され、
前記各ノズル部材は、前記本体部の内部に設けられるスプリングにより、常時突出する方向に付勢されている、
ことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項11】
前記各ノズル部材と前記本体部の相対位置を認識する機構を備えている、
ことを特徴とする、請求項10に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【請求項12】
前記端子部材保持手段にて、前記端子部材仮置治具にセットされた端子部材をプレス成形し、
前記端子部材保持手段は、プレス成形後の端子部材を吸引保持することとする、
ことを特徴とする、請求項7乃至請求項9のいずれか一項に記載の電子回路ユニットの製造装置。
【図1】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【図4】
【図6】
【図8】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図5】
【図7】
【図9】
【公開番号】特開2007−134583(P2007−134583A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−327626(P2005−327626)
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年11月11日(2005.11.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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