説明

電子機器、情報付き撮像画面表示方法及びプログラム

【課題】利用者が直感的に指定し易く、同時に必要な空間情報を重畳表示する。
【解決手段】現実空間を撮影するとき、撮像装置の画角内かつ被写体に対して所定の奥行き範囲にある空間に関する情報だけを自動的に絞り込み、撮像画面上に重畳的に表示する。すなわち、ピントの合った範囲にある事物に関する情報のみを重畳可能な情報として絞り込み、撮像画面上の事物の像に重ねて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器、情報付き撮像画面表示方法及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、拡張現実と呼ばれる技術の応用が活発となっている。例えばカメラ技術への応用が進んでいる。昨今では、カメラで撮像された画像上に、仮想の物体、現実空間そのもの、現実空間上の物体等に関する補足説明を、あたかも現実空間上に存在するかのように重畳表示できる電子機器も存在する(特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2000−512781号公報
【特許文献2】特開平10−267671号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
拡張現実技術の普及に伴い、近い将来には、仮想情報としての補足説明が付された実空間の氾濫が予測される。このような状況下で、実空間を撮影した画像に含まれる全ての補足説明(空間情報)を重畳表示すると、表示情報数が多くなりすぎ、画面が見辛くなるおそれがある。また、表示される空間情報の増加に伴い、空間情報の受信や処理に要する負荷が増大するおそれもある。
【0005】
これらを解決するための方法の一つとして、表示対象とする空間情報の絞り込みが考えられる。しかしながら、従来提案されている技術の場合、表示対象とする空間の範囲の指定が固定であり、そのために所望の空間情報を適切に表示させることができないという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで、本発明者らは、撮像装置の画角内かつ被写体に対して所定の奥行き範囲にある空間に関する情報だけを、撮像画面上に重畳的に表示する仕組みを発明した。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、利用者にとってより利便性の高い電子機器、情報付き撮像画面表示方法及びプログラムの提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】情報付き拡張現実を実現する機能を搭載する電子機器の構成例を示す図。
【図2】電子機器と周辺環境の位置関係を説明する図。
【図3】空間情報テーブルのデータ構造の一例を示す図。
【図4】撮像パラメータの一例を示す図。
【図5】奥行き情報を考慮したデータの抽出と重畳表示を実現する処理手順例を説明するフローチャート。
【図6】奥行き情報を考慮しない撮像画面の表示例を示す図。
【図7】奥行き情報を考慮した撮像画面の表示例を示す図。
【図8】情報付き拡張現実を実現する機能を搭載する電子機器の他の構成例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面に基づいて、本発明の形態例を説明する。なお、以下に説明する形態例は、発明を実現するための一例であり、実製品においては、形態例に係る装置構成の一部を周知又は公知の技術と置換しても良い。
【0010】
(電子機器のシステム構成例)
図1に、形態例に係る電子機器のシステム構成例を示す。なお、電子機器には、例えば携帯電話機、携帯情報端末、デジタルカメラ等がある。
【0011】
図1に示すように、電子機器は、カメラ101、ディスプレイ102、カメラ制御装置103、空間データ記憶装置104、カメラ位置検出装置105、カメラ方向検出装置106、操作装置107、計算装置108、記憶装置109、被写体距離測定装置110により構成される。
【0012】
カメラ101には、例えばCMOSイメージセンサ、CCDイメージセンサその他の撮像装置が用いられる。この形態例の場合、被写体の撮像には1個のカメラ101だけが用いられる。ディスプレイ102には、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイその他の表示装置が用いられる。
【0013】
カメラ制御装置103は、被写体距離や撮像環境(例えば明るさ、撮像モード等)に応じ、被写体の撮像に適した撮像パラメータを自動的に設定する装置である。カメラ制御装置103には、現在、撮像機能を搭載する様々な電子機器に実装されているものを使用することができる。
【0014】
空間データ記憶装置104は、予め又は通信機能(不図示)を通じて取得した地物に関する位置データ(空間データ(例えば経度、緯度、高度))及び地物に付されている補足説明(空間情報)を格納する記憶装置である。
【0015】
カメラ位置検出装置105は、GPS受信機や無線基地局からの受信信号に基づいてカメラ101(すなわち電子機器)の位置を検出する装置である。当該装置の機能は、ハードウェア又はソフトウェアとして実現される。
【0016】
カメラ方向検出装置106は、カメラの光軸方向を検出する装置である。カメラ方向検出装置106は、例えば2軸以上の地磁気センサと3軸ジャイロセンサ、又は、3軸加速度センサの検出信号に基づいてカメラの光軸方向を検出する。
【0017】
操作装置107には、電子機器の筺体表面に配置された各種のボタンやスイッチだけでなく、ディスプレイ102の画面上に表示されるGUI上のボタンやスイッチも含まれる。この形態例の場合、操作装置107は、撮像に使用する被写体距離の入力にも使用される。
【0018】
計算装置108は、電子機器全体の処理機能を制御するコンピュータであり、CPU、RAM、ROM等で構成される。計算装置108は、空間情報をディスプレイ102に表示する機能もプログラムの実行を通じて提供する。
【0019】
記憶装置109は、カメラ101により撮像された画像データの他、被写体の撮像時に使用する撮像パラメータ等を格納する外部記憶装置である。例えばフラッシュメモリ、ハードディスク装置等が用いられる。
【0020】
被写体距離測定装置110は、レーザー計測、ソナー、ステレオ視、検出物体スケール等により、被写体までの距離を測定又は推定する装置のいずれかを搭載する。もっとも、撮像のたび、操作装置107より数値として入力することもできる。被写体距離を直接入力する場合、被写体距離測定装置110は不要である。また、この形態例では、カメラ101が1台であるのでステレオ視(視差)による距離の測定機能は搭載しない。ステレオ視(視差)による距離の測定機能を搭載する電子機器については後述する。
【0021】
(情報付き撮像画面の表示処理と奥行き情報の算出処理の概要)
計算装置108は、カメラ位置検出装置105で検出されたカメラ位置座標とカメラ方向検出装置106で検出されたカメラの光軸方向ベクトルとを用い、撮像方向に関係する空間情報を空間データ記憶装置104から抽出する。次に、計算装置108は、抽出された空間情報を撮像画面上に投影変換し、撮像画像(ライブ画像)に重畳するようにディスプレイ102に表示する。カメラ制御装置103は、カメラ101、カメラ位置検出装置105、カメラ方向検出装置106の各センサを同期制御する。
【0022】
計算装置108は、地物の空間情報を抽出する範囲(空間)を撮像パラメータを用いて算出する。空間情報を抽出する範囲のうち、奥行き情報の算出には、撮像パラメータとして例えば被写界深度と被写体距離の情報が必要である。被写界深度内に存在する空間情報のみをディスプレイ102に表示するためである。
【0023】
奥行き情報を、このように定義することにより、撮像者が現在注目していると思われる被写体の近辺に位置する地物の空間情報のみを撮像画面上に表示させることが可能になる。なお、被写界深度は、カメラ方向について撮影対象物(被写体)の前後でピントが合う範囲を与える撮像パラメータであり、過焦点距離、焦点距離、レンズ絞り値、許容散乱円直径、被写体距離等の他の撮像パラメータから算出することができる。算出の詳細については後述する。
【0024】
(被写体距離と被写界深度の関係)
図2に、電子機器の位置(カメラ位置200)と被写体周辺の物体との間の位置関係を示す。図中、206はピントを合わせる対象である被写体たる物体、207はカメラの光軸方向を示すカメラ方向、208は被写体206にピントがあった状態での被写界深度、209はカメラ位置200から被写体206までの距離(被写体距離)である。被写体距離は、カメラ位置200からカメラ方向207への距離として測定又は算出される。なお、θは、カメラ101の画角である。画角内にある物体が画像として取り込まれる。
【0025】
この形態例の場合、画角θの範囲に存在し、カメラ101によって撮像される物体のうちディスプレイ102中に表示する地物の空間情報を、被写体206に対してカメラ方向207に所定の奥行き範囲に限定する。この形態例では、この奥行き範囲として被写界深度208を使用する。
【0026】
図2の場合、画角内には、4つの空間情報が存在する。1つは、被写体206よりもカメラ位置200に近い側に位置し、かつ、被写界深度208内に位置する空間情報201である。1つは、被写体206に対してカメラ位置200の反対側に位置し、かつ、被写界深度208内に位置する空間情報202である。1つは、被写体206に対してカメラ位置200の反対側に位置し、かつ、被写界深度208の外側に位置する空間情報203である。1つは、被写体206よりもカメラ位置200に近い側に位置し、かつ、被写界深度208の外側に位置する空間情報204である。図2では、画角外の空間情報205も表している。
【0027】
(空間データ)
図3に、空間データ記憶装置104に格納されている情報の一例を示す。空間データ記憶装置104は、空間情報レコードを一意に決めるID300、空間情報の名称301、空間情報の3次元位置を表す緯度302、経度303、標高304で構成される。例えばID300のうち「201」には、空間情報201の名称が付されており、緯度にはlon_a、経度にはlat_a、標高にはh_aがそれぞれ格納されている。
【0028】
(記憶装置に保存される情報)
図4に、空間情報の絞り込み用に記憶装置109に読み込まれる情報を示す。図4の場合、カメラ位置の経度400とその値lon_cam、カメラ位置の緯度401とその値lat_cam、カメラ位置の標高402とその値h_cam、カメラ画角の対角線403とその値angle_of_view、カメラ姿勢のロール404とその値r_cam、カメラ姿勢のピッチ405とその値p_cam、カメラ姿勢のヨー406とその値y_cam、装置ID407とその値id_cam、過焦点距離408とその値H、焦点距離409とその値f、レンズ絞り値410とその値N、許容散乱円直径411とその値c、被写体距離412とその値s、近(側)被写界深度413、遠(側)被写界深度414、被写界深度415とその値D、奥行き絞込みフラグ416とその値(図では「0」)からなる。奥行き絞込みフラグ416は、「0」のとき「偽」、「1」のとき「真」を意味する。ここで、「偽」とは、空間情報の表示範囲を絞り込まないことを意味する。従って、「真」はその反対に、空間情報の表示範囲を絞り込むことを意味する。
【0029】
(被写界深度の算出)
計算装置108は、次式に基づいて被写界深度を算出する。
【数1】

【0030】
ここで、Nはレンズ絞り値であり、cは許容散乱円直径であり、fは焦点距離であり、Hは過焦点距離であり、sは被写体距離である。レンズ絞り値、許容散乱円直径、焦点距離は図1のカメラ101、及び、カメラ制御装置103より取得し、記憶装置109に保存する。被写体距離は図1の被写体距離測定装置110より取得し、記憶装置109に保存する。さらに、計算装置108は、焦点距離409、レンズ絞り値410、許容散乱円直径411の各値を使用して過焦点距離408の値Hを算出する。さらに、計算装置108は、過焦点距離408と被写体距離412を利用して近被写界深度413、遠被写界深度414、被写界深度415の各値を計算する。
【0031】
(情報付き撮像画面表示プログラム)
図5に、カメラ101で撮像された画像の表示画面中に空間情報を重畳的に表示する際に用いて好適な処理手順(プログラム)の概要を示す。この形態例の場合、図5に示す手順で特定されるプログラムは、撮像モードが選択されたとき、計算装置108において実行される。なお、このプログラムが起動される前には、空間情報の画面表示に際して奥行き方向の絞込みを行うか否かの設定が既に完了しているものとする。もっとも、画面表示中に絞込みの実行の有無を切り換えても良い。
【0032】
(ステップ501)
まず、ユーザがカメラ101を被写体に向け、撮影を行う。撮像画像(データ)は、記憶装置109に保存される。この保存と同時に、プログラムは、カメラ画角403、焦点距離409、レンズ絞り値410、許容散乱円直径411等の撮像パラメータの値をカメラ101及びカメラ制御装置103から取得し、取得した値を記憶装置109に保存する。
【0033】
(ステップ502)
次に、プログラムは、被写体距離測定装置110から被写体距離を取得する。レーザー、ソナーといったアクティブセンサを用いた距離測定方法を採用する場合、被写体距離測定装置110は、光や電波の送信装置、その受信装置、計算処理装置といった部材を含み、光軸上で最も近い空間情報までの距離を計測する。なお、特開2009−31870号公報のように撮影対象の画像平面上のピクセルサイズを推定し、物体の実寸サイズとの比較により撮影対象までの被写体距離を計測する方法を適用することもできる。
【0034】
なお、電子機器のスペックによっては、被写体距離を自動的に取得ができない場合も考えられる。このような場合は、事前に、ユーザが操作装置107を通じて入力しておいた被写体距離を使用する。被写体距離の入力方法には、近(5m)、中(10m)、遠(20m)といった段階的な距離選択方法や値を直接入力する方法等を用意する。
【0035】
(ステップ503)
次に、プログラムは、カメラ位置に関する情報を取得する。具体的には、プログラムは、カメラ位置検出装置105からカメラ位置(経度)400、カメラ位置(緯度)401、カメラ位置(標高)402を取得し、記憶装置109に保存する。
【0036】
(ステップ504)
同様に、プログラムは、カメラの撮像方向に関する情報を取得する。具体的には、プログラムは、カメラ方向検出装置106からカメラ姿勢(ロール)404、カメラ姿勢(ピッチ)405、カメラ姿勢(ヨー)406を取得し、記憶装置109に保存する。
【0037】
(ステップ505)
次に、プログラムは、奥行き絞込みフラグ416の設定状態を判定する。ここで、奥行き絞込みフラグ416が「偽」のとき、プログラムは、奥行きを考慮しない絞り込み範囲を計算すべく、そのままステップ510に進む。一方、奥行き絞込みフラグ416が「真」のとき、プログラムは、奥行きを考慮した絞り込み範囲を計算すべく、ステップ506に進む。
【0038】
(ステップ510)
ここで、奥行きを考慮しない絞り込み範囲は、図2の画角内に対応する範囲として計算される。この場合、プログラムは、カメラ位置400、401及び402、カメラ画角403、カメラ姿勢404、405及び406に基づいて、対応範囲を特定するための境界線(ベクトル)や座標値等を計算する。
【0039】
(ステップ506)
一方、奥行きを考慮した絞り込み範囲は、図2の画角内であり、かつ、被写界深度内の範囲として計算される。この場合、プログラムは、カメラ位置400、401及び402、カメラ画角403、カメラ姿勢404、405及び406、被写界深度415に基づいて、対応範囲を特定するための境界線(ベクトル)や座標値等を計算する。
【0040】
(ステップ507)
絞り込み範囲が計算されると、プログラムは、計算された範囲内にある空間情報を図3に示す空間情報テーブルより抽出する。
【0041】
(ステップ508)
次に、プログラムは、抽出された空間情報を、カメラ101で撮影された画像とを重畳した画面をディスプレイ102上に表示するために、各空間情報について登録されている3次元情報と図4に示す撮像パラメータとに基づいて、投影変換を実行する。この処理自体は既知である。
【0042】
(ステップ509)
最後に、プログラムは、カメラ101で撮影された画像と投影変換された空間情報をディスプレイ102上で重畳した撮像画面を構成し、当該撮像画面をディスプレイ102に表示する。なお、空間情報の表示同士が画面上で重なる場合、プログラムは、相対的にカメラ101(電子機器)の近くに位置する空間情報ほど手前側に表示する。この処理自体は既知である。
【0043】
(撮像画面の表示例)
以下では、形態例に係る情報付き撮像画面表示機能を搭載する電子機器を用いる場合の表示画面例を示す。
【0044】
まず図6に、奥行き絞込みフラグが「偽」の場合の撮像画面600を示す。この場合、図2の画角内にある全ての空間情報201、空間情報202、空間情報203、空間情報204が撮影された画像に対して重畳表示される。なお、画角内にない空間情報205は重畳表示されない。
【0045】
続いて図7に、奥行き絞込みフラグが「真」の場合の撮像画面700を示す。この場合、図2の画角内、かつ、被写界深度内にある空間情報201、空間情報202だけが撮影された画像に対して重畳表示される。この場合、画角内であっても、被写界深度内にない空間情報203や空間情報204は、画角内にない空間情報205と同様に重畳表示されない。
【0046】
即ち、空間情報を、所定の奥行き範囲に限定して撮像画面に重畳的に表示する表示画面と、空間情報を、所定の奥行き範囲を用いることなく撮像画像に重畳的に表示する表示画面とを、奥行き絞込みフラグに応じて切り替えることが可能である。
【0047】
(まとめ)
以上のように、形態例に係る電子機器を用いれば、実空間を撮影した画像のうちピントの合った範囲にある空間情報だけを絞り込むことが可能となる。すなわち、撮像範囲内に空間情報が数多く存在する場合でも、撮影者が注目している被写体近傍のピントのあった範囲内にある空間情報を画面上に重畳表示することができる。しかも、この手法の場合、単に表示される空間情報の数を減らして画面の視認性を高めているのではなく、撮影者の視野範囲と被写界深度内にある事物について過不足なく情報を提示できる。また、同時に処理する情報量が削減されるため、画面表示までの処理効率が向上する。さらに、形態例に係る電子機器の場合には、当該絞込みを被写体距離とカメラ撮影時の撮像パラメータを利用して実現し、新たな部材を必要としないため、低コストで同機能を実現できる。さらに、空間情報に付随する情報を別途、絞り込みに用いることで、より空間情報の数を減らすことができる。このとき、あらかじめ絞り込み項目と条件を入力するインタフェースを用意する。
【0048】
(他の形態例)
前述の形態例においては、被写界深度範囲内の空間情報に絞る検索条件を例に挙げて説明したが、被写体距離の前後所定範囲を絞込み範囲とする方法、(被写体距離+遠被写界深度)で与えられる範囲(被写体距離から遠被写界深度までの範囲)のうち所定範囲を絞込み範囲とする方法、(被写体距離−近被写界深度)で与えられる範囲(被写体距離から近被写界深度までの範囲)のうち所定範囲を絞込み範囲とする方法等を採用しても良い。
【0049】
なお、絞込み範囲は、ユーザ操作により、絞り範囲を微調整又は切り替え制御できるようにしても良い。
【0050】
また、図1においては、電子機器にカメラ101が1台だけ搭載されている場合について説明したが、図8に示すように、3次元撮影用にカメラ101が2台搭載されている場合にも適用できる。この場合、2台のカメラ101の視差を利用して被写体距離を自動測定することができる。
【符号の説明】
【0051】
101…カメラ、102…ディスプレイ、103…カメラ制御装置、104…空間データ記憶装置、105…カメラ位置検出装置、106…カメラ方向検出装置、107…操作装置、108…計算装置、109…記憶装置、110…被写体距離測定装置、200…カメラ位置、201…空間情報、202…空間情報、203…空間情報、204…空間情報、205…空間情報、206…被写体、207…カメラ方向、208…被写界深度、209…被写体距離、300…ID、301…名称、302…軽度、303…緯度、304…標高、400…カメラ位置(経度)、401…カメラ位置(緯度)、402…カメラ位置(標高)、403…カメラ画角(対角線)、404…カメラ姿勢(ロール)、405…カメラ姿勢(ピッチ)、406…カメラ姿勢(ヨー)、407…装置ID、408…過焦点距離、409…焦点距離、410…レンズ絞り値、411…許容散乱円直径、412…被写体距離、413…近被写界深度、414…遠被写界深度、415…被写界深度、416…奥行き絞込みフラグ、600…撮像画面、700…撮像画面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置と、
表示装置と、
前記撮像装置の撮像位置を検出する装置と、
前記撮像装置の撮像方向を検出する装置と、
地物の三次元位置情報と地物に関する情報を記憶する装置、
前記撮像位置、前記撮像方向及び撮像パラメータに基づいて、前記撮像装置の画角内かつ被写体に対して所定の奥行き範囲にある地物の三次元位置情報のみを前記記憶する装置から取得する装置と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物の三次元位置情報に基づいて、当該地物に関する情報を撮像画面に表示するための位置座標を計算する装置と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物に関する情報を、前記位置座標に基づいて、撮像画面上に重畳的に表示させる装置と
を有する電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記所定の奥行き範囲は、被写体距離に対して前後方向に所定範囲として与えられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項3】
請求項1に記載の電子機器において、
前記所定の奥行き範囲は、被写界深度として与えられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項4】
請求項1に記載の電子機器において、
前記所定の奥行き範囲は、被写体距離と近被写界深度の間又は被写体距離と遠被写界深度の間の範囲として与えられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項5】
請求項1に記載の電子機器において、
前記所定の奥行き範囲は、ユーザ操作により調整可能である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
請求項1に記載の電子機器において、
所定の奥行き範囲は、ユーザ操作により切り替え可能である
ことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
請求項2又は4に記載の電子機器は、前記撮像装置を2台搭載し、
2台の撮像装置でそれぞれ撮像された撮像画面に基づいて前記被写体距離を自動的に算出する
ことを特徴とする電子機器。
【請求項8】
請求項1に記載の電子機器は、
表示画面の切り替えを受け付ける装置を有し、
切り替えの受け付けにより、前記所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物に関する情報を、撮像画面に対して重畳的に表示する第1の表示画面と、所定の奥行き範囲を用いることなく、各地物に関する情報を撮像画像に対して重畳的に表示する第2の表示画面とが切り替えられる
ことを特徴とする電子機器。
【請求項9】
撮像装置と、表示装置と、地物の三次元位置情報と地物に関する情報を記憶する装置とを有する電子機器に搭載されるコンピュータに、
前記撮像装置の撮像位置を検出する処理と、
前記撮像装置の撮像方向を検出する処理と、
前記撮像位置、前記撮像方向及び撮像パラメータに基づいて、前記撮像装置の画角内かつ被写体に対して所定の奥行き範囲にある地物の三次元位置情報のみを前記記憶する装置から取得する処理と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物の三次元位置情報に基づいて、当該地物に関する情報を撮像画面に表示するための位置座標を計算する処理と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物に関する情報を、前記位置座標に基づいて、撮像画面上に重畳的に表示させる処理と
を実行させるプログラム。
【請求項10】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記所定の奥行き範囲は、被写体距離に対して前後方向に所定範囲として与えられる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項11】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記所定の奥行き範囲は、被写界深度として与えられる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項12】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記所定の奥行き範囲は、被写体距離と近被写界深度の間又は被写体距離と遠被写界深度の間の範囲として与えられる
ことを特徴とするプログラム。
【請求項13】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
前記所定の奥行き範囲は、ユーザ操作により調整可能である
ことを特徴とするプログラム。
【請求項14】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
所定の奥行き範囲は、ユーザ操作により切り替え可能である
ことを特徴とするプログラム。
【請求項15】
請求項10又は12に記載のプログラムにおいて、
前記被写体距離を、前記電子機器に搭載された2台の撮像装置でそれぞれ撮像された撮像画面に基づいて自動的に算出する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項16】
請求項9に記載のプログラムにおいて、
表示画面の切り替えを受け付けたとき、前記所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物に関する情報を、撮像画面に対して重畳的に表示する第1の表示画面と、所定の奥行き範囲を用いることなく、各地物に関する情報を撮像画像に対して重畳的に表示する第2の表示画面を切り替え処理を実行する
ことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
撮像装置と、表示装置と、地物の三次元位置情報と地物に関する情報を記憶する装置とを有する電子機器の撮影画面を表示する方法において、
前記撮像装置の撮像位置を検出する処理と、
前記撮像装置の撮像方向を検出する処理と、
前記撮像位置、前記撮像方向及び撮像パラメータに基づいて、前記撮像装置の画角内かつ被写体に対して所定の奥行き範囲にある地物の三次元位置情報のみを前記記憶する装置から取得する処理と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物の三次元位置情報に基づいて、当該地物に関する情報を撮像画面に表示するための位置座標を計算する処理と、
所定の奥行き範囲に限定して取得された各地物に関する情報を、前記位置座標に基づいて、撮像画面上に重畳的に表示させる処理と
を有する情報付き撮像画面表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−80236(P2012−80236A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222006(P2010−222006)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000233055)株式会社日立ソリューションズ (1,610)
【Fターム(参考)】