説明

電子機器、電子機器の制御方法、およびプログラム

【課題】使い勝手を悪くすることなく、不正に認証または課金されることを防止又は抑制することができる電子機器を提供する。
【解決手段】撮像装置200に認証または課金動作が発生した場合、撮像装置200が記録動作を開始して、その場合の状況を撮影する。警告音声出力設定がなされている場合はスピーカ216より認証または課金動作の発生時に警告音または音声メッセージが発せられる。ストロボ発光設定がされている場合はストロボ発光部226を認証または課金動作発生時に発光させる。これらの設定は操作キー212の操作により設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、課金手段を備えたデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置や、携帯電話等の電子機器、該電子機器の制御方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
非接触ICカードやカード機能を内蔵した携帯電話に電子マネーを記録し、カードや携帯電話があればいつでもどこでも支払いが可能な電子マネー決済システムがある。このシステムは、事前に特定の口座に入金して、レジ、改札、自動販売機などで専用端末にカードや携帯電話かざすだけで支払いができる。
【0003】
電子マネー決済システムに関しては、半導体組込カードと、半導体組込カードから情報を読み出す端末と、該端末を介して前記情報に基づいてサービスを提供するサ―ビス事業システムと、を備えたものが提案されている。この提案では、サービス事業システムには、ネットワークを介して電子マネー決済機構が接続されている。また、半導体組込カードは、電子マネーを充当する電子財布であるとともに、サービスを実行するために必要なデータ及び手順をサービス事業システムから取得する演算処理装置であるとされている。サービス事業システムは、前記サービスの実行完了毎に、電子マネー決済機構から対価を受領する(特許文献1)。
【0004】
しかし、半導体組込カードに、無線通信を用いた非接触ICカードを使用する場合には、第三者による決済行為の問題がある。この行為は、他人のクレジットカードやキャッシュカードなどの磁気記録情報を不正に読み出して複製を作成し、使用するという犯罪行為で、一般的にスキミングと言われている。これを防止するために、カード収納部を有するケースにおいて、カード収納部に収納されるカードの所要部分を覆う磁気シールド層を設けたものが提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2001−291039号公報
【特許文献2】特開2005−198694号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献2のようにカード収納部に磁気シールド層を施さない場合は、スキミングの可能性が非常に高くなる。また、ICチップ自体にアクセスするために厳しい暗号鍵を施すことは、使い勝手が悪くなる。さらに、仕様限度金額をチャージ方式で制限することも、チャージに手間がかかり、高価な品物を購入できないため使い勝手が悪くなる。さらに、電子マネーの使用頻度が増えるにしたがって、いつ使用したかの実績や、どのように使用したかの状況の把握が困難になってくる。
【0006】
そこで、本発明の目的は、使い勝手を悪くすることなく、不正に認証または課金されることを防止又は抑制することができる電子機器、該電子機器の制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【0007】
また、本発明の他の目的は、正規に課金する場合の購入履歴として使用実績と状況を後日、容易に把握することができる電子機器、該電子機器の制御方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の電子機器は、課金手段を備える電子機器であって、前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告手段を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の電子機器は、課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器であって、前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御手段を備えることを特徴とする。
【0010】
本発明の電子機器の制御方法は、課金手段を備える電子機器の制御方法であって、前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告ステップを備える、ことを特徴とする。
【0011】
本発明の電子機器の制御方法は、課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器の制御方法であって、前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御ステップを備える、ことを特徴とする。
【0012】
本発明のプログラムは、課金手段を備える電子機器のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告モジュールを前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【0013】
本発明のプログラムは、課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御モジュールを前記コンピュータに実行させる、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、不正に認証または課金された場合に、操作者に警告が出されるので、使い勝手を悪くすることなく、不正に認証または課金されることを防止又は抑制することができる。
【0015】
また、本発明によれば、認証または課金時の前後の所定時間、記録動作を行なうことによって、不正に認証または課金された場合の履歴となるため、正規に課金する場合の購入履歴として使用実績と状況を後日、容易に把握することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。なお、この実施形態では、電子機器として、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置を例に採る。
【0017】
図1は、本発明の第1の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図である。
【0018】
この撮像装置200は、映像を取り込むレンズ201、映像を電気信号に変換する固体センサ202、電気信号をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ203、アイリス205、レンズ201とアイリス205を駆動するモータ204を備える。
【0019】
また、撮像装置200は、音声を取り込むマイク209、音声を増幅するマイクアンプ210、音声をデジタルデータに変換するA/Dコンバータ211、撮像装置200を操作する操作キー212、映像を表示形式にする表示ドライバ213を備える。
【0020】
さらに、撮像装置200は、映像を表示するためのLCD、EVF等の表示器214、音声を出力するためのスピーカドライバ215、スピーカ216、諸情報を入出力する外部入出力端子217、各種のセンサ224、ストロボ発光部226を備える。
【0021】
さらに、撮像装置200は、記録媒体250、記録媒体250を収納するソケット225、記録再生制御回路223、システムを制御するCPU230、CPU230とシステムのためのメモリ222、無線送受信部235、電源221を備える。
【0022】
ここで、図2に、課金サーバー720にネットワーク705を介して接続された課金端末750と撮像装置200との接続例を示す。なお、図において、符号800は不正機器である。また、図3に、図2の課金端末750および撮像装置200の無線送受信部235の詳細を示す。
【0023】
撮像装置200の無線送受信部235は、図3に示すように、電源711、メモリ712、制御回路713、アンテナ714、およびインターフェイス715を備える。一方、課金端末750は、インターフェイス702、制御回路703、およびアンテナ704を備える。
【0024】
次に、図1に戻って、撮像装置200の記録動作について説明する。
【0025】
まず、レンズ201を通って入射した被写体光は、固体センサ202で電気信号に変換された後、A/Dコンバータ203によってサンプリングされてデジタルデータに変換される。このデジタルデータは、輝度Y、色差Cr、Cbまたは、RGBなどのデジタル映像信号として、CPU230に入力される。レンズ201は、オートフォーカス機能とズーム機能により、CPU230の制御命令によるモータ204の駆動で移動する。固体センサ202からデータを引き出すためのタイミング信号は、CPU230により生成される。
【0026】
アイリス205は、CPU230よりモータ204の駆動で制御がなされる。また、レンズ201が、防振機能(加速度センサ、防振アクチュエータ等)を備える場合の動作は、加速度センサと防振アクチュエータの位置センサの信号がCPU230に入力され、防振制御出力信号として防振アクチュエータをモータ204で駆動制御する。マイク209より得られた音声信号はマイクアンプ210で増幅された後、A/Dコンバータ211によりサンプリングされてデジタルデータに変換され、CPU230に入力される。
【0027】
デジタル映像信号には、CPU230により、色分離、白バランス、ガンマ補正、アパーチャ補正などの基本処理と、撮像装置200の操作キー212で設定された、画像サイズ、画質調整、位置調整などの付加処理が施される。さらに、設定された圧縮方法と圧縮パラメータによってMPEG2の画像圧縮処理がなされ、画像圧縮データを得る。音声データは、撮像装置200の操作キー212で設定された、音質調整などの付加処理が施され、設定された圧縮方法と圧縮パラメータによって音声圧縮データを得る。
【0028】
本実施形態では、画像圧縮データと音声圧縮データはMPEG規格を採用し、ストリーム形式は、制御データと共にMPEG規格で定められる、プログラムストリームとしてデータストリームを形成する。そして、動画はDVD−VR,DVD−Video規格など所定の動画規格で記録し、静止画はDCF規格などの静止画規格で記録する。
【0029】
また、記録媒体250としては、DVD−Rとするが、MMC、SSFDC、SD、コンパクトフラッシュ(登録商標)、PCカード等のメモリカードの他に、ハードディスク、CD−RW、FD、MD、DVD−RAM等の磁気(又は光磁気)記録メディア等でもよい。
【0030】
次に、図2および図3を参照して、課金動作について説明する。図2に示すように、撮像装置200と課金端末750とは無線通信で接続される。課金端末750は、インターネット等のネットワーク705に接続されており、そのネットワーク705上に課金を管理する課金サーバー720が存在する。
【0031】
図3に示すように、撮像装置200内の無線送受信部235は、撮像装置200に対してCPU230とインターフェイス715を介して通信を行なう。電源711は、撮像装置200内の電源221から供給される場合と、アンテナ714から電磁誘導などの起電力で動作する場合がある。電源711で制御回路713とバックアップ、ワークメモリ712を動作させる。撮像装置200内の情報を無線送受信部235のアンテナ714を介して課金端末750と無線通信する。
【0032】
一方、課金端末750は、アンテナ704、制御回路703、インターフェイス702によりネットワーク705を介して課金サーバー720に通信接続される。なお、無線送受信部235の制御回路713および課金端末750の制御回路703は、ゲート回路またはCPUのどちらでもよい。
【0033】
そして、撮像装置200の操作者が、商品を購入して決済を行なった場合、撮像装置200または操作者の登録コードと暗証番号、決済金額などの情報を伴っての決済要求が、課金端末750とネットワーク705を介して、課金サーバー720に送られる。課金サーバーでは、撮像装置200と課金端末750の認証を行ない、認証が正常ならば、前記決済要求を受理して決済処理を行ない、決済完了通知を、ネットワーク705を介して課金端末750と撮像装置200に送信する。決済は、操作者がチャージした銀行口座から自動引き落としすると同時に、操作者にその旨を郵送などにより通知する。
【0034】
以上は課金端末750においての正規の課金動作であるが、図2に示すように、課金端末を装った不正機器800が撮像装置200に対して不正に通信を行ない、データをコピーまたは課金操作を行なう場合がある。その場合、撮像装置200の操作者の個人データが悪用され、該操作者の意図しない課金または、情報の漏洩が行なわれてしまう。
【0035】
そこで、本実施形態では、撮像装置200に認証または課金動作が発生した場合、撮像装置200が記録動作を開始して、その場合の状況を撮影する。また、警告音声出力設定がなされている場合は、認証または課金動作が発生時、警告音をスピーカ216から出力したり、「認証が行なわれました」、「課金されました」等の音声メッセージをスピーカ216から出力する。さらに、ストロボ発光設定をされている場合は、認証または課金動作の発生時、ストロボ発光部226を発光する。なお、これらの設定は、例えば、操作キー212の操作、あるいは表示器214上での操作キー212による操作で設定する。
【0036】
次に、図4を参照して、撮像装置200の動作例について説明する。ここで、図4の各処理は、記憶手段(ROM等)に記憶されたプログラムがRAMにロードされて、CPU230により実行される。
【0037】
まず、ステップS101でタスクを起動する。ステップS102にて、外部無線端末との通信を確立する。ステップS103にて、外部無線端末から認証または課金要求があるか判定する。要求がなければ、ステップS102に戻る。認証または課金要求があった場合はステップS104にて、撮像装置200の記録動作を開始してその状況を撮影する。
【0038】
次に、ステップS105にて課金処理を行ない、ステップS106で音声出力設定がされているか判定する。
【0039】
ステップS106で、音声出力設定がされていなければ、ステップS108に移行し、設定されている場合は、ステップS107に移行する。ステップS107では、警告音または、課金されたことを通知する音をスピーカドライバ215を介してスピーカ216から出力してステップS108に移行する。ステップS108では、ストロボ発光が設定されているか判定する。
【0040】
ステップS108で、ストロボ発光の設定がされていなければ、ステップS110に移行し、設定されている場合は、ステップS109に移行する。ステップS109では、ストロボ発光部226を発光してステップS110に移行する。ステップS110では、撮像装置200の記録動作を停止して、ステップS111に移行する。ステップS111では、タスクを終了するか判定し、終了ならばタスクを終了して、終了でなければステップS102に戻る。
【0041】
なお、図4のステップS102の前に、図5に示す認識動作処理を実行するようにしてもよい。
【0042】
この場合、ステップS301にてタスクを起動し、ステップS302にて個人認証を行なう。個人認証は、操作者が撮像装置200の正規のユーザであり、課金を行なう権利があるかを認証するもので、指紋認証、音声認証、虹彩、静脈などの個人特定の認証方法や、操作者が認証キーを入力するなどして認証を行なう。ステップS302で認証が正常に行なわれればステップS303に移行して、通信確立動作に移行する。ステップS302で認証できなければタスクを終了する。
【0043】
以上説明したように、この実施形態では、不正に認証または課金された場合に、警告音または、音声メッセージを出力することができるので、使い勝手を悪くすることなく、不正に認証または課金されることを防止又は抑制することができる。
【0044】
また、不正に認証または課金された場合に、ストロボを発光させることにより、不正に認証または課金されることをより効果的に防止又は抑制することができる。
【0045】
次に、図6〜図9を参照して、本発明の第2の実施形態である撮像装置について説明する。なお、上記第1の実施形態に対して重複又は相当する部分については、符号を流用して説明する。
【0046】
この実施形態の撮像装置200は、操作者が決済を行なう場合、認証または課金動作開始の許可操作を行なうようになっている。この許可操作は、操作キー212の任意のキーを操作することで開始するか、撮像装置200の記録開始キー(トリガーキー)を操作した場合の操作とする。この許可操作により認証または課金の有効期間が設定され、この有効期間内に課金が発生した場合、課金処理が実行される。また、撮像装置200の記録動作は、課金処理が実行される期間または、前記トリガーキーが操作されてから課金処理の期間とする。ことときの記録動作は、後述するディレクトリ、ファイルの管理方法で行なう。また、認証または課金時に、上記第1の実施形態と同様に、音声出力制御、ストロボ発光制御を実行することも可能である。
【0047】
図6は、記録媒体250に課金前後の所定期間記録される、動画ファイルと静止画ファイルとのフォルダ例である。
【0048】
図6に示すように、ROOTフォルダの下には、動画規格のディレクトリとしてVIDEOフォルダ、静止画規格のディレクトリとしてDCIMフォルダ、印刷設定用のディレクトリとしてMISCフォルダが存在する。また、ROOTフォルダの下には、本実施形態の撮像装置200で記録されるディレクトリとしてCHARGフォルダが存在する。
【0049】
VIDEOフォルダの下には、管理用のMANAGフォルダがある。MANAGフォルダの下には、記録媒体250の属性などが記述されたファイルdisk.001.inf、記録媒体250に記録される動画コンテンツファイルの全体を管理するファイルmgri001.infがある。
【0050】
また、VIDEOフォルダ下のPRG0001フォルダ以下には、動画コンテンツファイル群imgxxxx.mpg(xxxxは任意の通し番号)と、imgxxxx.inf(xxxxは任意の通し番号)とが一対になって保存される。imgxxxx.inf(xxxxは任意の通し番号)は、記録媒体250に記録される動画コンテンツファイル群のタイトル、検索用のテーブル、属性付加情報、メインテナンス情報、MPEGデータストリームのタイムスタンプ、構造情報などである。PRG0001フォルダ以下の動画ファイルが、所定数以上になった場合、PRG0002のフォルダが新規作成され、その下に動画ファイルが保存されていく。
【0051】
DCIMフォルダの下には、100CANONのフォルダがあり、100CANONフォルダの下には、静止画コンテンツファイル群imgxxxx.jpg(xxxxは任意の通し番号)が保存される。100CANONのフォルダ以下の静止画ファイルが、所定数以上になった場合、101CANONのフォルダが新規作成され、その下に静止画ファイルが保存されていく。
【0052】
また、ROOTフォルダの下には、Digital Print Order Format(DPOF)で規定さるMISCフォルダがあり、MISCフォルダの下には、同規格で規定されるautprint.mrkファイルが配置されている。ROOTフォルダには、一般的に、任意の規格構成のフォルダやファイルを置くことが可能である。
【0053】
CHARGフォルダの下には、管理用のファイルcharge.infと、動画コンテンツファイルimg0001.mpg、img0002.mpg、img0001.img…とが保存される。管理ファイルcharge.infは、各動画コンテンツファイルの記録撮影日時、撮影環境情報、課金情報などの付加情報を記録保存するものである。
【0054】
また、この実施形態では、認証または課金時に動画コンテンツを記録する例を説明したが、認証または課金時に動画、および/または静止画を撮影、記録することも可能である。
【0055】
次に、静止画を記録した場合のディレクトリ、ファイル管理について説明する。静止画コンテンツは、図6のDCIM/100CANONフォルダの下にimg0011.jpxなどのファイル名で記録される。ファイル構成を図7に示す。ファイルはExif形式で記録され、Exifヘッダー、jpeg形式のサムネイル画像、Jpeg形式の本画像を記録する。Exifヘッダー内に一般の撮影情報のほか、プライベート情報として課金情報を記載する。また、本ファイルを図6の管理ファイルcharge.infに登録することも考えられる。
【0056】
次に、図8を参照して、撮像装置200の動作例を説明する。ここで、図8の各処理は、記憶手段(ROM等)に記憶されたプログラムがRAMにロードされて、CPU230により実行される。
【0057】
まず、ステップS201でタスクを起動し、ステップS202にて、外部無線端末との通信を確立する。次に、ステップS203にて、操作者の操作により課金端末750との決済が行なう否かを判断する。決済を行なわない場合はステップS202に戻り、決済を行なう場合はステップS204に移行し、ステップS204で、操作者により認証または課金許可操作が行なわれると、ステップS205に移行する。認証または課金許可操作は、撮像装置200の操作キー212に配置されたキー操作、または、撮像装置200の記録開始操作キー(トリガーキー)等を用いる。トリガーキーを用いる場合は、ステップS204にて記録動作を開始することも有効である。
【0058】
次に、ステップS205では、課金端末750より認証または課金要求があるか判定する。要求があればステップS209に移行し、要求がなければステップS206に移行する。
【0059】
ステップS206では、タイマーTをカウントアップし、ステップS207でタイムオーバーしたかを判定する。タイムオーバーしていなければステップS205に戻り、タイムオーバーした場合は、ステップS208で、タイマー動作、認証または課金許可動作をキヤンセルしてステップS212に移行する。
【0060】
一方、ステップS209では、撮像装置200の記録動作を開始して、画像情報と管理情報を記録する。次に、ステップS210では、課金処理を行ない、ステップS211にて課金されたことを表示器214に表示する。なお、表示以外に音声出力など、操作者に課金を通知する手段も考えられる。次に、ステップS212にて記録を停止する。ステップS213にてタスクを終了するか判定する。終了ならばタスクを終了して、終了でなければステップS202に戻る。なお、ステップS202の通信確立の前に、上記第1の実施形態と同様の認証動作(図5)を行なうようにしてもよい。
【0061】
また、ステップS204の課金許可操作の処理において、図9に示す商品認識動作を行なうようにしてもよい。
【0062】
この場合、まず、ステップS401で、操作者が、課金対象となる商品に付随するバーコードなどの認識マークまたは、商品そのものを撮像装置200で撮影する。そして、撮影情報を基に、ステップS402で決済の可否を判定し、決済可能ならばステップS403で課金を行い、決済不可ならば、ステップS404で課金せずに記録停止する。ステップS402での決済の可否判定は、事前に撮像装置200に決済可否情報を登録して判定することや、対象商品の撮影情報から取得した決済金額が所定金額以上であるかどうかで判定する手法が考えられる。
【0063】
以上説明したように、この実施形態では、認証または課金時の前後の所定時間、記録動作を行なうことによって、不正に認証または課金された場合の履歴となるため、正規に課金する場合の購入履歴として使用実績と状況を後日、容易に把握することができる。
【0064】
また、操作者の決済操作が行なわれてから所定の期間、認証または課金を有効にすることによって、不正な課金を事前に防ぐことができる。
【0065】
さらに、決済操作を記録開始操作と兼用して記録を行なうことによって、不正な認証または課金を防ぐことができ、また、使用実績と状況を把握することができる。
【0066】
さらに、撮像情報によって認証を行ない、課金を有効と判定することによって、より確実な課金を行なうことができる。
【0067】
さらに、認証または課金時に記録された画像情報に加えて、課金情報を記録することによって、不正に課金された場合の履歴となり、また、正規に課金する場合の購入履歴として使用実績と状況を後日、画像情報と合わせて、容易に把握することができる。
【0068】
なお、本発明は上記実施形態に例示したものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0069】
例えば、上記実施形態では、電子機器としてデジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の撮像装置を例示したが、これに代えて、電話通信機能を加えた携帯電話等に本発明を適用してもよい。
【0070】
また、上記実施形態では、記録機能を備えた撮像装置を例示したが、記録機能を備えていない撮像装置やその他の電子機器に本発明を適用してもよい。
【0071】
また、本発明の目的は、以下の処理を実行することによって達成される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出す処理である。
【0072】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード及び該プログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0073】
また、プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、次のものを用いることができる。例えば、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、CD−RW、DVD−ROM、DVD−RAM、DVD−RW、DVD+RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等である。または、プログラムコードをネットワークを介してダウンロードしてもよい。
【0074】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上記実施形態の機能が実現される場合も本発明に含まれる。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれる。
【0075】
更に、前述した実施形態の機能が以下の処理によって実現される場合も本発明に含まれる。即ち、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行う場合である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の第1の実施形態である撮像装置を説明するためのブロック図である。
【図2】課金端末と撮像装置の接続例を説明するためのブロック図である。
【図3】図2の詳細を説明するためのブロック図である。
【図4】本発明の第1の実施形態である撮像装置の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【図5】認識動作処理を説明するためのフローチャート図である。
【図6】本発明の第2の実施形態である撮像装置を説明するためのディレクトリの説明図である。
【図7】静止画ファイルの説明図である。
【図8】本発明の第2の実施形態である撮像装置の動作例を説明するためのフローチャート図である。
【図9】商品認識動作を説明するためのフローチャート図である。
【符号の説明】
【0077】
200 撮像装置(電子機器)
201 レンズ
202 固体センサ
203 A/Dコンバータ
204 モータ
205 アイリス
209 マイク
210 マイクアンプ
211 A/Dコンバータ
212 操作キー
213 表示ドライバ
214 表示器
215 スピーカドライバ
216 スピーカ
217 外部入出力端子
221 電源
222 メモリ
223 記録再生制御回路
224 各種センサ
225 ソケット
226 ストロボ発光部
230 CPU
235 無線送受信部
250 記録媒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
課金手段を備える電子機器であって、
前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告手段を備える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記警告手段を有効にするか無効にするかを設定する設定手段を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記警告手段は、ストロボ発光部と、前記課金手段の認証または課金時に、前記ストロボ発光部を発光させる制御手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記警告手段は、音声出力部と、前記課金手段の認証または課金時に、前記音声出力部から音声を出力させる制御手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項5】
課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器であって、
前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御手段を備える、
ことを特徴とする電子機器。
【請求項6】
前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告手段を備える、
ことを特徴とする請求項5に記載の電子機器。
【請求項7】
前記警告手段を有効にするか無効にするかを設定する設定手段を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記警告手段は、ストロボ発光部と、前記課金手段の認証または課金時に、前記ストロボ発光部を発光させる制御手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項6または7に記載の電子機器。
【請求項9】
前記警告手段は、音声出力部と、前記課金手段の認証または課金時に、前記音声出力部から音声を出力させる制御手段と、を備える、
ことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記撮像手段からの画像情報によって認証を行ない、前記課金手段を有効と判定する判定手段を備え、前記記録手段が前記記録動作を開始して、前記判定手段で前記課金手段が有効と判定された場合、または、該判定が行なわれてから所定の期間、前記課金手段を有効にする、
ことを特徴とする請求項5〜9いずれか一項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記記録手段の前記記録動作の際に、前記撮像手段による画像情報を記録するとともに、課金情報を記録する、
ことを特徴とする請求項5〜10のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項12】
決済操作がされた場合、または前記決済操作がされてから所定の期間、前記課金手段を有効にする、
ことを特徴とする請求項5〜11のいずれか一項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記決済操作を、前記記録手段への記録開始操作と兼用する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電子機器。
【請求項14】
課金手段を備える電子機器の制御方法であって、
前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告ステップを備える、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項15】
課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器の制御方法であって、
前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御ステップを備える、
ことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項16】
課金手段を備える電子機器のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
前記課金手段の認証または課金時に、操作者に警告する警告モジュールを前記コンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項17】
課金手段と、撮像手段と、該撮像手段によって撮像された画像情報を記録する記録手段と、を備える電子機器のコンピュータに所定の処理を実行させるプログラムであって、
前記課金手段の認証または課金時の前後の所定時間、前記記録手段が前記記録動作を行なうように制御する制御モジュールを前記コンピュータに実行させる、
ことを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−129806(P2008−129806A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−313368(P2006−313368)
【出願日】平成18年11月20日(2006.11.20)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】