説明

電子機器

【課題】本発明は、発熱体の熱を効率良く放出することができ、発熱体の冷却性能を高めることができる電子機器の提供を目的とする。
【解決手段】電子機器は、機器本体(2)に収容された受熱ヘッド(26)と、表示パネル(10)を有する表示ユニット(3)に収容された放熱器(27)と、機器本体と表示ユニットとの間に跨って配置され、受熱ヘッドの冷媒流路(31)と放熱器の冷媒流路(40)との間で冷却液を循環させる循環経路(28)とを備えている。上記表示ユニットに電動ファン(29)が収容されている。電動ファンは、放熱部と表示パネルとの間に空気を送り、放熱部を強制的に冷やす。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば半導体パッケージのような発熱体を液状の冷媒を用いて冷却する液冷式の電子機器に係り、特に加熱された冷媒の放熱性能を高めるための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】ノート形のポータブルコンピュータに用いられるマイクロプロセッサは、処理速度の高速化や多機能化に伴い動作中の発熱量が急速に増加する傾向にある。このため、従来の電動ファンを用いた空冷式の冷却システムでは、マイクロプロセッサの発熱量の増大に対応しきれなくなり、このマイクロプロセッサの冷却性能が不足したり、限界に達することが懸念される。
【0003】この対策として、最近、空気よりも遥かに高い比熱を有する冷却液を用いてマイクロプロセッサの熱を吸収する、いわゆる液例式の冷却システムを塔載したポータブルコンピュータが試されている。
【0004】米国特許第5,383,340号は、ポータブルコンピュータに用いる液冷式の冷却システムの一例を開示している。この冷却システムを搭載したポータブルコンピュータは、機器本体と表示ユニットとを有している。機器本体は、上記発熱するマイクロプロセッサを収容している。表示ユニットは、表示パネルを内蔵しており、上記機器本体に回動可能に支持されている。
【0005】上記冷却システムは、蒸発器、凝縮器および冷却液を循環させる管路とを備えている。蒸発器は、ポータブルコンピュータの機器本体に収容され、上記マイクロプロセッサに熱的に接続されている。凝縮器は、表示ユニットに収容されている。管路は、蒸発器と凝縮器とを接続しており、蒸発器で気化された冷却液を凝縮器に移送する。凝縮器に移された冷却液は、ここでの熱交換により液化され、管路を通じて蒸発器に戻される。そのため、冷却液は、蒸発器と凝縮器との間で循環を繰り返し、これによりマイクロプロセッサの熱が表示ユニット内の凝縮器を通じて放出される。
【0006】この液冷式の冷却システムによれば、マイクロプロセッサの熱を冷却液の流れに乗じて効率良く凝縮器に移送することができる。そのため、空冷式の冷却システムに比べてマイクロプロセッサの冷却性能を高めることができるといった優位点がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記液冷式の冷却システムに用いられる凝縮器は、冷却液が流れるパイプと、このパイプに熱的に接続された放熱板とを備えている。この凝縮器によると、冷却液の熱は、パイプ内を流れる過程でこのパイプから放熱板への熱伝導により拡散され、この放熱板から大気中に放出される。
【0008】しかしながら、上記凝縮器では、冷却液の熱をパイプから放熱板への拡散による自然空冷により放出しているので、この凝縮器を収容する表示ユニットの表面温度が例えば60℃を超えないようにすると、凝縮器の放熱量は高く見積もっても十数Wが限度となる。
【0009】近い将来、ポータブルコンピュータ用のマイクロプロセッサは、更なる性能の向上が予測され、このマイクロプロセッサの発熱量も飛躍的な増加が見込まれる。したがって、液冷による冷却システムを採用した場合に、凝縮器に要求される放熱性能は数十Wにも達し、現状の凝縮器では放熱性能が不足するといった問題が生じてくる。
【0010】本発明は、このような事情にもとづいてなされたもので、発熱体から放熱部に移送された熱を効率良く放出することができ、発熱体の冷却性能を高めることができる電子機器の提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明に係る電子機器は、機器本体に設置された受熱部と、表示パネルを有する表示ユニットに設置された放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路との間で液状の冷媒を循環させる循環経路とを備えている。そして、本発明では、上記表示ユニットにファンを設け、このファンを介して上記放熱部と上記表示パネルとの間に空気を送るようにしたことを特徴としている。
【0012】この構成によれば、発熱体の熱は、受熱部において液状の冷媒に吸収される。受熱部での熱交換により加熱された冷媒は、循環経路を通じて放熱部に移送され、この放熱部の冷媒流路を通過する。このため、冷媒に吸収された発熱体の熱は、冷媒が冷媒流路を過程で放熱部への熱伝導により拡散され、この放熱部の表面から放出される。
【0013】放熱部での熱交換により冷やされた冷媒は、循環経路を通じて受熱部に戻され、ここで再び発熱体の熱を吸収する。このようなサイクルを繰り返すことで、発熱体の熱を冷媒の流れに乗じて効率良く放熱部に移送することができる。
【0014】ところで、上記構成によると、表示ユニットの放熱部は、ファンから送られる空気との接触により強制的に冷やされる。このため、放熱部の放熱性能が向上し、発熱体の熱を効率良く放出することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下本発明の第1の実施の形態を、図1ないし図8にもとづいて説明する。
【0016】図1は、電子機器としてのポータブルコンピュータ1を開示している。ポータブルコンピュータ1は、機器本体2と表示ユニット3とで構成されている。機器本体2は、偏平な箱形の第1の筐体4を含んでいる。第1の筐体4は、底壁4a、上壁4b、前壁4c、左右の側壁4dおよび後壁4eを備えている。上壁4bは、キーボード5を支持している。さらに、上壁4bは、キーボード5の背後にディスプレイ支持部6を有している。ディスプレイ支持部6は、上壁4bの後端部から上向きに張り出すとともに、第1の筐体4の幅方向に延びている。ディスプレイ支持部6は、一対の凹部7a,7bを有している。凹部7a,7bは、第1の筐体4の幅方向に互いに離間している。
【0017】図6に示すように、表示ユニット3は、液晶表示パネル10と、偏平な箱形の第2の筐体11とを備えている。液晶表示パネル10は、その前面に画像を表示する画面10aを有している。第2の筐体11は、開口部12が形成された前壁13、後壁14および四つの側壁15とを有している。後壁14は、前壁13や開口部12と向かい合っている。前壁13、後壁14および側壁15は、液晶表示パネル10を取り囲んでいる。液晶表示パネル10の画面10aは、開口部12を通じて第2の筐体11の外方に露出されている。
【0018】図2および図3に示すように、第2の筐体11は、その一端部から突出する一対の脚部16a,16bを有している。脚部16a,16bは、中空状をなすとともに、第2の筐体11の幅方向に互いに離間している。これら脚部16a,16bは、第1の筐体4の凹部7a,7bに挿入されているとともに、図示しないヒンジ装置を介して第1の筐体4に連結されている。
【0019】そのため、表示ユニット3は、キーボード5を上方から覆うように倒される閉じ位置と、キーボード5や画面10aを露出させるように起立する開き位置とに亘って回動可能となっている。
【0020】図1および図3に示すように、第1の筐体4は、プリント配線板18、パック状機器としてのハードディスク駆動装置19およびCD-ROM駆動装置20を収容している。プリント配線板18、ハードディスク駆動装置19およびCD-ROM駆動装置20は、第1の筐体4の底壁4aの上に並べて配置されている。
【0021】図4に示すように、プリント配線板18の上面に発熱体としての半導体パッケージ21が実装されている。半導体パッケージ21は、ポータブルコンピュータ1の中枢となるマイクロプロセッサを構成するものであり、プリント配線板18の後部に位置されている。半導体パッケージ21は、ベース基板22と、このベース基板22の上面の中央部に配置されたICチップ23とを有している。ICチップ23は、処理速度の高速化や多機能化に伴って動作中の発熱量が非常に大きく、安定した動作を維持するために冷却を必要としている。
【0022】図1および図3に示すように、ポータブルコンピュータ1は、半導体パッケージ21を冷却する液冷式の冷却ユニット25を搭載している。冷却ユニット25は、受熱部としての受熱ヘッド26、放熱部としての放熱器27、循環経路28および電動ファン29を備えている。
【0023】受熱ヘッド26は、第1の筐体4に収容されている。図4および図5に最も良く示されるように、受熱ヘッド26は、偏平な箱形であり、プリント配線板18の上面に複数のねじを介して固定されている。受熱ヘッド26は、半導体パッケージ21よりも一回り大きな平面形状を有している。受熱ヘッド26の下面は、平坦な受熱面30となっている。受熱面30は、図示しない熱伝導性グリース又は熱伝導シートを介して半導体パッケージ21のICチップ23に熱的に接続されている。
【0024】さらに、受熱ヘッド26の内部に冷媒流路31が形成されている。冷媒流路31は、受熱面30を介してICチップ23に熱的に接続されているとともに、複数のガイド壁32によって複数のセクション33に仕切られている。
【0025】受熱ヘッド26は、冷媒入口34と冷媒出口35とを有している。冷媒入口34は、冷媒流路31の上流端に位置され、冷媒出口35は、冷媒流路31の下流端に位置されている。
【0026】図1、図3および図6に示すように、放熱器27は、第2の筐体11に収容されている。放熱器27は、第2の筐体11の後壁14と液晶表示パネル10との間に介在されている。放熱器27は、後壁14と略同等の大きさを有する長方形の板状をなしている。図8に示すように、放熱器27は、第1の放熱板37と第2の放熱板38とを備えている。第1および第2の放熱板37,38は、例えばアルミニウム合金のような熱伝導性に優れた金属材料にて構成されている。これら第1および第2の放熱板37,38は、互いに重ね合わせて圧着されている。
【0027】第1の放熱板37は、第2の放熱板38の反対側に張り出すように膨らむ膨出部39を有している。膨出部39は、第1の放熱板37の略全面に亘って蛇行状に形成されているとともに、第2の放熱板38との合面に開口されている。この膨出部39の開口端は、第2の放熱板38によって閉じられている。そのため、第1の放熱板37の膨出部39は、第2の放熱板38との間に冷媒流路40を構成している。冷媒流路40は、第2の筐体11の幅方向に延びる複数の直管部41を有している。これら直管部41は、第2の筐体11の高さ方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。
【0028】放熱器27は、冷媒入口42と冷媒出口43とを有している。冷媒入口42は、冷媒流路40の上流端に連なっている。この冷媒入口42は、放熱器27の左端部に位置されているとともに、第2の筐体11の左側の脚部16aに隣接されている。冷媒出口43は、冷媒流路40の下流端に連なっている。この冷媒出口43は、放熱器27の右端部に位置されているとともに、第2の筐体11の右側の脚部16bに隣接されている。このため、冷媒入口42と冷媒出口43とは、第2の筐体11の幅方向に互いに離れている。
【0029】膨出部39を有する第1の放熱板37は、第2の筐体11の後壁14と向かい合っている。この第1の放熱板37の膨出部39と後壁14との間には、僅かな隙間が形成されている。第2の筐体11の後壁14は、複数の通気孔44を有している。通気孔44は、図2R>2に示すように、後壁14の略全面に亘って配置されているとともに、第1の放熱板37と向かい合っている。
【0030】放熱器27の第2の放熱板38は、液晶表示パネル10と向かい合っている。これら第2の放熱板38と液晶表示パネル10との間に冷却風通路46が形成されている。第2の放熱板38に複数の放熱用のフィン47が取り付けられている。フィン47は、第2の放熱板38とは別のアルミ板にて構成され、上記冷却風通路46に露出されている。フィン47は、細長い板状であり、その一側縁に直角に折り返された立ち上がり部47aを有している。フィン47は、第2の放熱板38に接着されて、この第2の放熱板38に熱的に接続されている。これらフィン47は、表示ユニット3の高さ方向に延びるとともに、この表示ユニット3の幅方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。
【0031】冷却風通路46およびフィン47は、表示ユニット3を上記開き位置に回動させた時に、表示ユニット3に沿って縦方向に延びている。この際、フィン47の上端は、第2の筐体11の上端に位置された一つの側壁15と向かい合っている。この側壁15は、複数の排気口48を有している。これら排気口48は、表示ユニット3が上記開き位置にある限り、冷却風通路46の上端に位置されている。
【0032】図1および図3に示すように、上記循環経路28は、第1の管路50と第2の管路51とを備えている。第1および第2の管路50,51は、第1の筐体4と第2の筐体11との間に跨っている。
【0033】第1の管路50は、受熱ヘッド26の冷媒出口35と放熱器27の冷媒入口42とを接続している。第1の管路50は、上流部50a、下流部50bおよび管継手50cとを含んでいる。第1の管路50の上流部50aは、受熱ヘッド26の冷媒出口35に接続されて、第1の筐体4に収められている。第1の管路50の下流部50bは、放熱器27の冷媒入口42に接続されて、第2の筐体11の左端部に収められている。管継手50cは、上流部50aと下流部50bとを回動可能に接続している。この管継手50cは、左側の凹部7aと脚部16aとを貫通しているとともに、表示ユニット3の回動中心線上に位置されている。
【0034】第2の管路51は、放熱器27の冷媒出口43と受熱ヘッド26の冷媒入口34とを接続している。第2の管路51は、上流部51a、下流部51bおよび管継手51cとを含んでいる。第2の管路51の上流部51aは、放熱器27の冷媒出口43に接続されて、第2の筐体11の右端部に収められている。第2の管路51の下流部51bは、受熱ヘッド26の冷媒入口34に接続されて、第1の筐体4に収められている。管継手51cは、上流部51aと下流部51bとを回動可能に接続している。この管継手51cは、右側の凹部7bと脚部16bとを貫通しているとともに、表示ユニット3の回動中心線上に位置されている。
【0035】受熱ヘッド26の冷媒流路31、放熱器27の冷媒流路40および循環経路28には、液状の冷媒としての冷却液が封入されている。冷却液としては、例えば水にエチレングリコール溶液および必要に応じて腐蝕防止剤を添加した不凍液が用いられる。
【0036】図1および図3に示すように、循環経路28は例えば小型の遠心ポンプ53を含んでいる。遠心ポンプ53は、上記冷却液を受熱ヘッド26と放熱器27との間で強制的に循環させるためのものである。この遠心ポンプ53は、例えばポータブルコンピュータ1の電源投入時あるいは半導体パッケージ21の温度が予め決められた値に達した時に駆動される。
【0037】遠心ポンプ53は、第1の管路50の下流部50bに設置されて、第2の筐体11に収められている。この際、第2の筐体11内の放熱器27は、左側の脚部16aに隣接した端部に切り欠き54を有し、この切り欠き54に上記遠心ポンプ53が入り込んでいる。このため、遠心ポンプ53は、第2の筐体11の前壁13と後壁14との間に介在されている。
【0038】さらに、遠心ポンプ53は、表示ユニット3を上記開き位置に回動させた時に、この表示ユニット3の高さ方向に沿う中間位置よりも下方、好ましくは放熱器27の冷媒流路40の最下部に位置されている。そのため、遠心ポンプ53は、表示ユニット3の内部において、上記中間位置よりも機器本体2に近い領域に位置されている。
【0039】図1、図3および図6に示すように、上記電動ファン29は、放熱器27に冷却風を強制的に送風するためのものであり、第2の筐体11に収容されている。電動ファン29は、放熱器27の切り欠き54に入り込んでいる。このため、電動ファン29および上記遠心ポンプ53は、切り欠き54内で第2の筐体11の幅方向に並んでいる。
【0040】電動ファン29は、遠心式の羽根車57と、この羽根車57を収容するファンケーシング58とを備えている。羽根車57は、例えば半導体パッケージ21の温度が予め決められた値に達した時に、図示しないモータによって駆動される。ファンケーシング58は、偏平な箱形であり、第2の筐体11の前壁13と後壁14との間に介在されている。
【0041】ファンケーシング58は、第1および第2の吸込口60a,60bと吐出口61とを有している。第1および第2の吸込口60a,60bは、羽根車57を間に挟んで同軸状に配置されている。第1の吸込口60aは、前壁13に開口された複数の第1の吸気孔62と向かい合っている。第2の吸込口60bは、後壁14に開口された複数の第2の吸気孔63と向かい合っている。吐出口61は、第2の筐体11の内部において、その右側方を指向するように開口されている。
【0042】電動ファン29は、表示ユニット3を上記開き位置に回動させた時に、放熱器27の下端部に位置されている。そのため、ファンケーシング58の吐出口61は、表示ユニット3が開き位置にある限り、上記フィン47の下端よりも下方に位置されている。
【0043】このような構成において、半導体パッケージ21のICチップ23は、ポータブルコンピュータ1の使用中に発熱する。このICチップ23の熱は、受熱ヘッド26の受熱面30に伝えられる。受熱ヘッド26は、冷却液が封入された冷媒流路31を有するので、受熱面30に伝えられた熱の多くを冷却液が吸収する。
【0044】半導体パッケージ21の温度が規定値に達すると、遠心ポンプ53が駆動を開始する。これにより冷却液が受熱ヘッド26から放熱器27に向けて圧送され、受熱ヘッド26の冷媒流路31と放熱器27の冷媒流路40との間で冷却液が強制的に循環される。
【0045】すなわち、受熱ヘッド26での熱交換により加熱された冷却液は、第1の管路50を通じて遠心ポンプ53に導かれる。この遠心ポンプ53で加圧された冷却液は第1の管路50を通じて放熱器27に導かれ、蛇行状に屈曲された長い冷媒流路40を冷媒入口42から冷媒出口43に向けて流れる。この流れの過程で冷却液に吸収されたICチップ23の熱が第1および第2の放熱板37,38に拡散され、放熱器27の表面から第2の筐体11内に放出される。
【0046】それとともに、放熱器27に拡散された熱の一部は、第2の放熱板38からフィン47に伝わり、これらフィン47の表面から冷却風通路46に放出される。この結果、熱くなった冷却液が放熱器27での熱交換により冷やされる。
【0047】さらに、半導体パッケージ21の温度が規定値に達した時点で、電動ファン29が駆動を開始する。電動ファン29の羽根車57が回転すると、図6に矢印で示すように、表示ユニット3の外部の空気が第2の筐体11の吸気孔62,63からファンケーシング58の吸込口60a,60bに吸い込まれる。この吸い込まれた空気は、羽根車57の外周部から吐き出されるとともに、ファンケーシング58の吐出口61から放熱器27に向けて放出される。
【0048】これにより、第2の筐体11の内部に冷却風の流れが形成される。この冷却風は、図3および図7に矢印で示すように、冷却風通路46を下から上に向けて流れ、フィン47の間を通り抜ける過程で放熱器27を強制的に冷却する。このため、放熱器27に伝えられたICチップ23の熱は、冷却風の流れに乗じて持ち去られる。放熱器27との熱交換により暖められた冷却風は、第2の筐体11の上端の排気口48を通じて表示ユニット3の外部に排出される。
【0049】放熱器27を通過する過程で冷やされた冷却液は、第2の管路51を通じて受熱ヘッド26の冷媒流路31に戻される。この冷却液は、冷媒流路31を流れる過程で再びICチップ23の熱を吸収した後、放熱器27に導かれる。このようなサイクルを繰り返すことで、ICチップ23の熱が表示ユニット3を通じてポータブルコンピュータ1の外部に放出される。
【0050】このような構成によれば、表示ユニット3に収容された放熱器27は、電動ファン29から送られる冷却風によって強制的に冷やされる。加えて、放熱器27は、冷却風通路46に露出する複数のフィン47を有するので、放熱器27の表面積ひいては冷却風との接触面積が増える。このため、放熱器27の放熱性能が向上し、数十Wクラスの放熱が可能となる。よって、放熱器27に移送されたICチップ23の熱を効率良く放出することができ、ICチップ23の発熱量の増大にも無理なく対応することができる。
【0051】さらに、上記構成によると、放熱器27と向かい合う第2の筐体11の後壁14に複数の通気孔44が開口されている。このため、放熱器27の表面から放出される熱気を通気孔44から第2の筐体11の外部に放出することができ、放熱器27と後壁14との間に熱が篭り難くなる。したがって、後壁14の表面の温度上昇を防止することができ、ユーザが第2の筐体11に触れた時の体感温度を低く抑えることができる。
【0052】加えて、電動ファン29は、表示ユニット3が開き位置に回動されている限り、放熱器27の下端部に位置されている。このため、電動ファン29の吐出口61から吐き出される冷却風は、冷却風通路46の下端に流れ込み、放熱器27を万遍なく包み込むようにして第2の筐体11の内部を流通する。この結果、第2の筐体11の内部において冷却風の流通経路に偏りが生じることはなく、放熱器27を効率良く冷却することができる。
【0053】それとともに、CD−ROM駆動装置20を搭載したポータブルコンピュータ1では、表示ユニット3を閉じ位置に回動させた状態で音楽CDを再生することがある。このように表示ユニット3が閉じていると、第2の筐体11の前壁13が第1の筐体4の上壁4bやキーボード5と向かい合い、この前壁13に開口された第1の吸気孔62がキーボード5によって塞がれた状態となる。
【0054】しかるに、第2の筐体11に収容された電動ファン29は、第1および第2の二つの吸込口60a,60bを有し、その第2の吸込口60bは、第2の筐体11の後壁15に開口された第2の吸気孔63と向かい合っている。このため、上記のように表示ユニット3が閉じている状態で電動ファン29が駆動を開始しても、第2の吸気孔63を通じて表示ユニット3の外部の空気を吸い込むことができる。よって、放熱器27に供給される冷却風が不足する虞はなく、放熱器27の本来の放熱性能を充分に発揮することができる。
【0055】その上、上記構成によると、第2の筐体11の内部に冷却液を循環させる遠心ポンプ53を収容したので、ハードディスク駆動装置19やCD−ROM駆動装置20のようなポータブルコンピュータ1の主要な構成要素が高密度に実装された第1の筐体4の内部に遠心ポンプ53を収める専用のスペースを確保する必要はない。したがって、液冷式の冷却ユニット25を搭載したにも拘わらず、第1の筐体11の厚み寸法を薄くすることができ、ポータブルコンピュータ1の薄形化に寄与するといった利点がある。
【0056】なお、本発明は上記第1の実施の形態に特定されるものではなく、図9および図10に本発明の第2の実施の形態を示す。
【0057】この第2の実施の形態は、放熱器27の構成が上記第1の実施の形態と相違しており、それ以外のポータブルコンピュータ1の基本的な構成は、上記第1の実施の形態と同様である。このため、第2の実施の形態において、第1の実施の形態と同一の構成部分には同一の参照符号を付して、その説明を省略する。
【0058】図9に示すように、放熱器27は、冷却液が流れる冷媒流路71を備えている。冷媒流路71は、複数の第1の通路部72と一対の第2の通路部73a,73bとを含んでいる。第1の通路部72は、表示ユニット3の高さ方向に延びているとともに、この表示ユニット3の幅方向に間隔を存して互いに平行に配置されている。第2の通路部73a,73bは、表示ユニット3の幅方向に延びているとともに、この表示ユニット3の高さ方向に離間して互いに平行に配置されている。第1の通路部72は、第2の通路部73a,73bの間に位置され、夫々の一端と他端が第2の通路部73a,73bに接続されている。
【0059】図10に示すように、放熱器27の第2の放熱板38は、第1の放熱板37の反対側に張り出すように膨らむ複数の第1および第2の膨出部74,75を有している。第1の膨出部74は、第1の通路部72を構成するためのものであり、第1の放熱板37との合面に開口されている。第2の膨出部75は、第2の通路部73a,73bを構成するためのものであり、第1の放熱板37との合面に開口されている。これら第1および第2の膨出部74,75の開口端は、夫々第1の放熱板37によって閉じられている。そのため、第1および第2の通路部72,73a,73bは、第1の放熱板37と第2の放熱板38との間に形成されている。
【0060】図10に示すように、第1の膨出部74の張り出し高さH1は、第2の膨出部75の張り出し高さH2よりも高く設定されている。背が高い第1の膨出部74は、冷却風通路46に張り出すフィン76を兼ねており、上記表示ユニット3を開き位置に回動させた時に、この表示ユニット3の高さ方向に延びている。
【0061】このような構成によれば、電動ファン29から冷却風通路46に送風された冷却風は、第1の膨出部74の間を通って流れ、この流れの過程で放熱器27を冷却する。このため、第1の膨出部74の膨らみをフィン76として利用することができ、フィン用の格別な構成要素を省略することができる。よって、放熱器27の部品点数を削減することができ、軽量化やコストの低減が可能となる。
【0062】しかも、冷却風は、背の高い第1の膨出部74の表面に沿って流れるので、放熱器27と冷却風との接触範囲が広がる。このため、冷媒流路71を流れる冷却液の熱を効率良く奪うことができ、放熱器27の放熱性能がより一層向上する。
【0063】図11は、本発明の第3の実施の形態を開示している。
【0064】この第3の実施の形態は、放熱器27の構成が上記第1の実施の形態と相違している。図11に示すように、放熱器27の第1および第2の放熱板37,38は、夫々反対側に向けて張り出す膨出部81,82を有している。第1の放熱板37の膨出部81は、第2の放熱板38との合面に開口されている。第2の放熱板38の膨出部82は、第1の放熱板37との合面に開口されている。これら膨出部81,82の開口端は、互いに突き合わされている。
【0065】したがって、膨出部81,82は、互いに協働して冷媒通路83を構成しており、この冷媒通路83は、冷却風通路46および放熱器27と第2の筐体11の後壁14との間に張り出している。
【0066】このような構成によれば、放熱器27の表面積が増大し、放熱範囲が広くなる。そのため、放熱器27の放熱性能が向上し、ICチップ23の熱を効率良く放出することができる。
【0067】図12は、本発明の第4の実施の形態を開示している。
【0068】この第4の実施の形態では、遠心ポンプ53が第2の管路51の下流部51bに設置されて、第1の筐体4に収められている。そのため、遠心ポンプ53は、放熱器27で冷やされた冷却液を受熱ヘッド26に向けて圧送するようになっており、それ以外の構成は、上記第1の実施の形態と同様である。
【0069】さらに、図13は、本発明の第5の実施の形態を開示している。
【0070】この第5の実施の形態は、第2の筐体11に収容された遠心ポンプ53によって冷却液を強制的に循環させるとともに、第2の筐体11内の放熱器27を自然空冷により冷却するようにしたものである。遠心ポンプ53は、第2の筐体11の左側の脚部16aの近傍に位置されている。そのため、遠心ポンプ53は、表示ユニット3が開き位置に回動された時に、表示ユニット3の高さ方向に沿う中心位置よりも下方、望ましくは放熱器27の冷媒流路40の最下部に位置されている。
【0071】このような構成によると、受熱ヘッド26でICチップ23の熱を吸収した冷却液は、遠心ポンプ53を介して放熱器27に強制的に送り込まれ、この放熱器27に形成された蛇行状の冷媒流路40を所定の流速で流れる。この流れの過程で冷却液に吸収されたICチップ23の熱が第1および第2の放熱板37,38に拡散され、放熱器27の表面から第2の筐体11内に放出される。この結果、熱くなった冷却液が放熱器27での熱交換により冷やされる。
【0072】この構成によれば、冷却液が受熱ヘッド26と放熱器27との間で強制的に循環されるので、ICチップ23の熱を放熱器27に効率良く移送して、この放熱器27から放出することができる。
【0073】さらに、冷却液中に気泡が混じり合って循環するような場合に、この気泡は冷却液の流れ経路のうち最も高い箇所に滞留する傾向にある。しかるに、遠心ポンプ53は、表示ユニット3を開き位置に回動させた時に、放熱器27の冷媒流路40の最下部に位置するので、冷却液中の気泡が遠心ポンプ53に残留し難くなる。よって、キャビテーションによる遠心ポンプ53の損傷を防止することができる。
【0074】図14は、本発明の第6の実施の形態を開示している。
【0075】この第6の実施の形態は、放熱器27と遠心ポンプ53とを一体化したものであり、それ以外のポータブルコンピュータ1の基本的な構成は上記第1の実施の形態と同様である。
【0076】図14に示すように、放熱器27は、ポンプ支持部91を有している。ポンプ支持部91は、電動ファン29の左隣りに設置されており、表示ユニット3を上記開き位置に回動させた時に、冷媒流路40の冷媒入口42の下方に位置される。インペラ53aを有する遠心ポンプ53は、ポンプ支持部91に一体的に組み込まれている。この遠心ポンプ53の吸入口は、第1の管路50の下流部50bに接続されているとともに、遠心ポンプ53の吐出口は、冷媒入口42に直接連なっている。
【0077】このような構成によれば、放熱器27に遠心ポンプ53を組み込んだサブアッセンブリの状態で、これら放熱器27および遠心ポンプ53を表示ユニット3の第2の筐体11に収容することができる。そのため、放熱器27と遠心ポンプ53とを個々に第2の筐体11に収容する場合に比べて、組立時の作業性が向上する。
【0078】さらに、遠心ポンプ53をポンプ支持部91に組み付けることで、その吐出口が冷媒入口42に連なるので、遠心ポンプ53の吐出口と冷媒入口42とを結ぶ配管を省略することができる。このため、部品点数が少なくなるのは勿論のこと、表示ユニット3に放熱器27を組み込む際の作業工数を削減することができ、ポータブルコンピュータ1の製造コストを低減することができる。
【0079】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、放熱部の放熱性能が向上するので、発熱体の熱を効率良く放出することができ、この発熱体の発熱量の増大にも無理なく対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器、遠心ポンプを有する循環経路および電動ファンの位置関係を示すポータブルコンピュータの斜視図。
【図2】本発明の第1の実施の形態において、表示ユニットを開き位置に回動させた状態を示すポータブルコンピュータの斜視図。
【図3】本発明の第1の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器、遠心ポンプを有する循環経路および電動ファンの位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図4】本発明の第1の実施の形態において、半導体パッケージと受熱ヘッドとの位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図5】本発明の第1の実施の形態において、半導体パッケージに熱的に接続された受熱ヘッドの断面図。
【図6】本発明の第1の実施の形態において、電動ファンと第2の筐体の吸気孔との位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図7】図3のF7-F7線に沿う断面図。
【図8】図3のF8-F8線に沿う断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器、遠心ポンプを有する循環経路および電動ファンの位置関係を示すポータブルコンピュータの斜視図。
【図10】(A)は、図9のF10A-F10A線に沿う断面図。(B)は、図9のF10B-F10B線に沿う断面図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る放熱器の断面図。
【図12】本発明の第4の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器、遠心ポンプを有する循環経路および電動ファンの位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図13】本発明の第5の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器および遠心ポンプを有する循環経路の位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【図14】本発明の第6の実施の形態において、受熱ヘッド、放熱器、遠心ポンプを有する循環経路および電動ファンの位置関係を示すポータブルコンピュータの断面図。
【符号の説明】
2…機器本体
3…表示ユニット
4…第1の筐体
10…表示パネル(液晶表示パネル)
11…第2の筐体
21…発熱体(半導体パッケージ)
26…受熱部(受熱ヘッド)
27…放熱部(放熱器)
28…循環経路
29…ファン(電動ファン)
31,71,83…冷媒流路
40,71,83…冷媒流路
53…ポンプ(遠心ポンプ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】 発熱体を有する機器本体と、上記機器本体に設けられ、上記発熱体に熱的に接続されるとともに、冷媒流路を有する受熱部と、上記機器本体に支持されるとともに、表示パネルを有する表示ユニットと、上記表示ユニットに設置され、冷媒流路を有する放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路との間で液状の冷媒を循環させる循環経路と、上記表示ユニットに設けられ、上記放熱部と上記表示パネルとの間に空気を送るファンと、を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項2】 請求項1の記載において、上記表示ユニットは、上記表示パネルを収容する筐体を含み、さらに、上記表示ユニットは、上記機器本体の上面を覆うように倒される閉じ位置と、上記機器本体に対し起立する開き位置とに亘って回動可能であり、上記ファンは、上記表示ユニットを上記開き位置に回動させた時に、上記放熱部の下端に位置されることを特徴とする電子機器。
【請求項3】 請求項2の記載において、上記表示ユニットの筐体は、上記表示パネルを間に挟んで向かい合う前壁と後壁とを有し、これら前壁および後壁に夫々吸気孔が開口されているとともに、上記ファンは、羽根車を収容したファンケーシングを有し、このファンケーシングは、上記前壁の吸気孔に連なる第1の吸込口と、上記後壁の吸気孔に連なる第2の吸込口と、上記羽根車の外周部から吐き出された空気を上記放熱部に供給する吐出口とを有することを特徴とする電子機器。
【請求項4】 請求項3の記載において、上記放熱部は、上記筐体の後壁と上記表示パネルとの間に配置され、上記後壁は、上記放熱部と向かい合う複数の通気孔を有することを特徴とする電子機器。
【請求項5】 請求項1ないし請求項4の記載において、上記放熱部は、複数の放熱用のフィンを有することを特徴とする電子機器。
【請求項6】 請求項5の記載において、上記フィンは、上記表示ユニットの幅方向に互いに間隔を存して並んでいるとともに、上記表示ユニットを開き位置に回動させた時に、この表示ユニットに沿うように起立されることを特徴とする電子機器。
【請求項7】 請求項5又は請求項6の記載において、上記フィンは、上記放熱部とは別の熱伝導性材料にて構成されているとともに、上記放熱部に熱的に接続されていることを特徴とする電子機器。
【請求項8】 請求項5又は請求項6の記載において、上記放熱部は、互いに積層された第1の放熱板と第2の放熱板とを有し、これら第1および第2の放熱板の間に上記冷媒流路が形成されていることを特徴とする電子機器。
【請求項9】 請求項8の記載において、上記第1および第2の放熱板の少なくともいずれか一方は、上記放熱部の外側に張り出すように膨らむ複数の膨出部を有し、これら膨出部は上記冷媒通路を構成するとともに、夫々の膨出部が上記フィンを兼ねていることを特徴とする電子機器。
【請求項10】 請求項1の記載において、上記循環経路は、冷媒を圧送するためのポンプを含み、このポンプは上記表示ユニットに収容されていることを特徴とする電子機器。
【請求項11】 発熱体を有する機器本体と、上記機器本体に収容され、上記発熱体に熱的に接続されるとともに、冷媒流路を有する受熱部と、上記機器本体に支持された表示ユニットと、上記表示ユニットに収容され、冷媒流路を有する放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路とを結ぶ循環経路と、上記循環経路に設置され、上記受熱部と上記放熱部との間で液状の冷媒を循環させるポンプと、を具備し、上記表示ユニットに、上記放熱部に冷却風を送風するファンおよび上記ポンプを収容したことを特徴とする電子機器。
【請求項12】 請求項11の記載において、上記放熱部は、複数の放熱用のフィンを有することを特徴とする電子機器。
【請求項13】 請求項11又は請求項12の記載において、上記表示ユニットは、表示パネルと、この表示パネルを収容する筐体とを含み、さらに、上記表示ユニットは、上記機器本体の上面を覆うように倒される閉じ位置と、上記機器本体に対し起立する開き位置とに亘って回動可能であり、上記ポンプは、上記表示ユニットを上記開き位置に回動させた時に、上記表示ユニットの高さ方向に沿う中間位置よりも下方に位置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項14】 請求項11ないし請求項13のいずれかの記載において、上記ポンプと上記ファンは、上記表示ユニットの幅方向に互いに並んでいることを特徴とする電子機器。
【請求項15】 請求項13の記載において、上記表示ユニットの筐体は、上記表示パネルを間に挟んで向かい合う前壁と後壁とを有し、上記放熱部は、上記筐体の後壁と上記表示パネルとの間に介在されているとともに、上記ポンプおよび上記ファンは、上記筐体の前壁と後壁との間に収められていることを特徴とする電子機器。
【請求項16】 発熱体を有する機器本体と、上記機器本体に収容され、上記発熱体に熱的に接続されるとともに、冷媒流路を有する受熱部と、上記機器本体に支持された表示ユニットと、上記表示ユニットに収容され、冷媒流路を有する放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路とを結ぶとともに、液状の冷媒が流れる循環経路と、を具備し、上記循環経路は、上記受熱部と上記放熱部との間で上記冷媒を循環させるポンプを有し、このポンプは上記表示ユニットに収容されていることを特徴とする電子機器。
【請求項17】 請求項16の記載において、上記表示ユニットは、上記機器本体の上面を覆うように倒される閉じ位置と、上記上面を露出させるように起立する開き位置とに亘って回動可能であり、上記ポンプは、上記表示ユニットを上記開き位置に回動させた時に、上記表示ユニットの高さ方向に沿う中間位置よりも下方に位置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項18】 請求項16又は請求項17の記載において、上記機器本体は、上記発熱体が実装されたプリント配線板と複数のパック状機器を内蔵していることを特徴とする電子機器。
【請求項19】 請求項16ないし請求項18のいずれかの記載において、上記表示ユニットは、表示パネルと、この表示パネルを収容する筐体とを含み、この筐体は、上記表示パネルを間に挟んで向かい合う前壁と後壁とを有し、上記放熱部は、上記筐体の後壁と上記表示パネルとの間に介在されているとともに、上記ポンプは、上記筐体の前壁と後壁との間に収められていることを特徴とする電子機器。
【請求項20】 発熱体を有する機器本体と、上記機器本体に収容され、上記発熱体に熱的に接続されるとともに、冷媒流路を有する受熱部と、上記機器本体に支持された表示ユニットと、上記表示ユニットに収容され、冷媒流路を有する放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路とを結ぶとともに、液状の冷媒が流れる循環経路と、上記放熱部に一体的に組み込まれ、上記受熱部と上記放熱部との間で上記冷媒を循環させるポンプと、を具備したことを特徴とする電子機器。
【請求項21】 請求項20の記載において、上記表示ユニットは、表示パネルと、この表示パネルを収容する筐体とを含み、この筐体は、上記表示パネルを間に挟んで向かい合う前壁と後壁とを有し、上記放熱部は、上記筐体の後壁と上記表示パネルとの間に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項22】 請求項21の記載において、上記表示ユニットの筐体は、上記放熱部と上記表示パネルとの間に風を送るファンを内蔵していることを特徴とする電子機器。
【請求項23】 発熱体を有する機器本体と、上記機器本体に収容され、上記発熱体に熱的に接続されるとともに、冷媒流路を有する受熱部と、上記機器本体に支持された表示ユニットと、上記表示ユニットに収容され、冷媒流路を有する放熱部と、上記機器本体と上記表示ユニットとの間に跨って配置され、上記受熱部の冷媒流路と上記放熱部の冷媒流路とを結ぶとともに、液状の冷媒が流れる循環経路と、上記表示ユニットに収容され、上記受熱部と上記放熱部との間で上記冷媒を循環させるポンプと、を具備し、上記ポンプは、上記表示ユニットの高さ方向に沿う中間位置よりも上記機器本体に近い領域に配置されていることを特徴とする電子機器。
【請求項24】 請求項23の記載において、上記表示ユニットは、上記機器本体の上面を覆うように倒される閉じ位置と、上記表示ユニットに対し起立する開き位置とに亘って回動可能であることを特徴とする電子機器。
【請求項25】 請求項23又は請求項24の記載において、上記表示ユニットは、表示パネルと、この表示パネルを収容する筐体とを含み、上記放熱部および上記ポンプは、上記筐体に収容されていることを特徴とする電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2003−324174(P2003−324174A)
【公開日】平成15年11月14日(2003.11.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−128821(P2002−128821)
【出願日】平成14年4月30日(2002.4.30)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】