電子装置の製造方法
【課題】セラミック積層基板上に電子部品を搭載し、これらをモールド樹脂で封止してなる電子装置の製造方法において、セラミック積層基板に貫通孔を設けることなく、当該基板とモールド樹脂との密着性を向上させる。
【解決手段】セラミック積層基板20の一面21の外周端部に位置する端面26には凹凸部27が設けられ、この凹凸部27は、端面26に位置するセラミック層2自体に形成された突出部により構成され、個片化されたセラミック積層基板20を形成する分断工程にて形成される。
【解決手段】セラミック積層基板20の一面21の外周端部に位置する端面26には凹凸部27が設けられ、この凹凸部27は、端面26に位置するセラミック層2自体に形成された突出部により構成され、個片化されたセラミック積層基板20を形成する分断工程にて形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックよりなる積層回路基板上に電子部品を搭載し、これらをモールド樹脂で封止してなる電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の電子装置としては、一般に、板状をなすとともにその一面側から他面側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層が積層されてなる積層回路基板と、この積層回路基板の一面上に搭載された電子部品と、これら積層回路基板および電子部品を封止するモールド樹脂とを備えて構成されている。
【0003】
ここで、セラミックよりなる積層回路基板のサイズが大きくなった場合に、モールド樹脂と積層回路基板との間の応力が増大し、モールド樹脂の剥離が発生する。この樹脂剥離が発生すると、たとえば、搭載されている電子部品と基板との間のワイヤボンド部の信頼性や樹脂クラックによる封止性の低下などが問題となる。
【0004】
一方、従来では、セラミックの積層基板ではないが、プリント基板などの一般的な印刷回路基板に対して貫通孔を設けることにより、当該基板とモールド樹脂との密着性を高めるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平3−302069号公報
【特許文献2】特開平2−275655号公報
【特許文献3】特開平2−40938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、セラミックよりなる積層回路基板は、一般に、セラミックよりなる複数のグリーンシートに配線などの導体部を形成し、これらシートを積層して積層体を形成し、この積層体を焼成することにより、製造される。
【0006】
このようなセラミックよりなる積層回路基板の場合、上記した印刷回路基板と同じように貫通孔を設けようとすると、焼成前に貫通穴を開ける必要がある。すると、焼成時には基板が不均一な収縮を起こすため、多層の回路が分断されて実装密度が低下するなどの問題が生じ、基板に回路を形成することが困難になる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、セラミックよりなる積層回路基板上に電子部品を搭載し、これらをモールド樹脂で封止してなる電子装置の製造方法において、セラミックよりなる積層回路基板に貫通孔を設けることなく、当該基板とモールド樹脂との密着性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を行い、積層回路基板において、基板表面の凹凸にてモールド樹脂と機械的な噛み合わせを行うことにより、密着性の向上を図ることを考えた。ここで、特に、基板の端面も含む基板の周辺部では、モールド樹脂との界面に加わる応力が高いため、モールド樹脂の剥離が発生しやすいことを考慮した。
【0009】
本発明は、板状をなすとともにその一面(21)側から他面(22)側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層(2)が積層されてなる積層回路基板(20)と、積層回路基板(20)の一面(21)上に搭載された電子部品(40、41)と、積層回路基板(20)および電子部品(40、41)を封止するモールド樹脂(30)とを備える電子装置の製造方法において、複数のセラミック層(2)を積層し、積層回路基板(20)が多連の状態である積層体を形成する積層工程と、積層体に対してプレス加工を施して分割溝(2d)を形成するプレス工程と、分割溝(2d)に沿って積層体を分断することにより、個片化された積層回路基板(20)を形成する分断工程と、積層回路基板(20)に電子部品(40、41)を実装する実装工程と、積層回路基板(20)および電子部品をモールド樹脂(30)による封止工程と、を備え、分断工程では、積層回路基板(20)の一面(21)の外周端部に位置する端面(26)の切断部分に、端面(26)に位置するセラミック層(2)自体に形成された突出部により構成される凹凸部(27)が形成されるように分断しており、封止工程では、凹凸部(27)とモールド樹脂(30)とが噛み合った状態で封止していることを特徴とする。
【0010】
それによれば、積層回路基板(20)の一面(21)における周辺部に設けた凹凸部(27)とモールド樹脂(30)とが噛み合ったものとなるため、積層回路基板(20)に貫通孔を形成することなく、積層回路基板(20)とモールド樹脂(30)との密着性を向上させることができる。
【0011】
ここで、積層回路基板(20)の端面(26)に設けられた凹凸部(27)を第1の凹凸部(27)としたとき、積層回路基板(20)の一面(21)に、凹凸をなす第2の凹凸部(25)を設け、この第2の凹凸部(25)とモールド樹脂(30)とも噛み合わせるようにしてもよい。
【0012】
それによれば、積層回路基板(20)とモールド樹脂(30)との密着性を、より向上させることができる。この場合、第2の凹凸部(25)を、積層回路基板(20)の一面(21)における周辺部に配置してもよい。
【0013】
また、この場合、第2の凹凸部(25)を、積層回路基板(20)の一面(21)において当該一面(21)に位置する導体部(23)の周辺に配置するようにしてもよい。
【0014】
それによれば、積層回路基板(20)の端面(26)だけでなく、比較的モールド樹脂(30)が剥離しやすい積層回路基板(20)の一面(21)上の導体部(23)の近傍にも、第2の凹凸部(27)を設けているため、モールド樹脂(30)の剥離抑制という点で好ましい。
【0015】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0017】
なお、本発明を説明する実施形態は、第6、7実施形態であり、第1〜5、8実施形態は、参考例である。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置100の概略断面構成を示す図であり、図2は、図1に示される電子装置100における積層回路基板20の概略上面図である。また、図3は、図1中の積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、図2では、ボンディングワイヤ50は省略してある。
【0019】
本実施形態の電子装置100は、大きくは、板状をなすヒートシンク10の一面11上に積層回路基板20を搭載し、ヒートシンク10の一面11側および積層回路基板20を、モールド樹脂30にて封止するとともに、ヒートシンク10の一面11とは反対側の他面12をモールド樹脂30から露出させてなる。
【0020】
ヒートシンク10は、積層回路基板20の熱を放熱する板状のものであり、放熱性に優れた銅、モリブデン、アルミニウム、鉄などの材料よりなる。
【0021】
積層回路基板20は板状をなすセラミック積層基板20である。このセラミック積層基板20は、図3に示されるように、その一面(図1中の上面)21側から他面(図1中の下面)22側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層2が積層されてなる。このセラミック層2は、後述するように、アルミナなどよりなるグリーンシートを焼成してなるものである。
【0022】
また、図1、図2に示されるように、セラミック積層基板20の一面21には、電子部品40、41を搭載したり、ボンディングワイヤ50が接続されたりする導体部23が設けられている。この導体部23は、たとえばモリブデンやタングステンなどの導体ペーストよりなるものである。
【0023】
また、セラミック積層基板20の内部には、通常のセラミック積層基板と同様に、一面21の導体部23と電気的に接続された図示しない内層配線が設けられている。この内層配線は、モリブデンやタングステンなどの導体ペーストにより形成されたもので、各セラミック層2の間に位置する配線や各セラミック層2に設けられたスルーホールなどにより構成されている。
【0024】
そして、セラミック積層基板20は、ヒートシンク10の一面11との間に接着剤60を介して搭載され、接着されている。この接着剤60としては、この種の電子装置に用いられる一般的な接着剤を採用できるが、本実施形態ではシリコーン系樹脂よりなる接着剤を用いている。
【0025】
また、セラミック積層基板20には、ICチップ40、コンデンサ41といった電子部品40、41が搭載されている。なお、セラミック積層基板20の一面21上に搭載される電子部品としては、これらの部品40、41以外にも抵抗素子などの電子部品を採用することができる。
【0026】
これら電子部品40、41は、はんだや導電性接着剤などよりなる図示しないダイマウント材を介してセラミック積層基板20の一面21上に固定され、必要に応じてボンディングワイヤ50を介してセラミック積層基板20の一面21の導体部23と接続されている。
【0027】
また、モールド樹脂30の内部にてセラミック積層基板20の周囲には、銅などよりなるリードフレーム70が配置され、セラミック積層基板20とリードフレーム70のインナーリードとは、ボンディングワイヤ50により電気的に接続されている。
【0028】
ここで、上記ボンディングワイヤ50は、一般的なAuやアルミニウムなどよりなるもので、通常のワイヤボンディングにより形成される。そして、本電子装置100は、リードフレーム70のアウターリードを、図示しない外部配線などに接続することにより、外部との電気的なやりとりが可能となっている。
【0029】
ここで、モールド樹脂30は、通常、この種の電子装置に用いられるモールド材料、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などを採用できる。そして、この電子装置100は、図示しないケースなどの基材に搭載されて使用されるが、このとき、モールド樹脂30から露出するヒートシンク10の他面12を当該基材に接触させ、放熱を図るようにしている。
【0030】
このような電子装置100において、図1〜図3に示されるように、本実施形態では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部には、凹凸をなす凹凸部24が設けられ、この凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合っている。
【0031】
ここで、セラミック積層基板20の一面21における周辺部とは、セラミック積層基板20の一面21に存在する導体部23のうち最も外側すなわち外周端部に位置する導体部23よりも外側の部位のことである。そして、本実施形態では、このような導体部23よりも外側の一面21上の部位に凹凸部24が配置されている。
【0032】
本実施形態の凹凸部24は、図1〜図3に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に環状に設けられた断面矩形の溝部として構成されている。
【0033】
また、本実施形態では、図3に示されるように、凹凸部24は、複数のセラミック層2のうちセラミック積層基板20の一面21側の最表層となるセラミック層2に、形成されている。ここでは、凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2の途中部まで凹んだ溝部として構成されている。
【0034】
なお、図4は、本実施形態の溝部としての凹凸部24の他の例を示す断面図であるが、この図4に示されるように、本実施形態の凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2の1層分の厚さ全体を貫通する凹部であってもよい。
【0035】
ここで、限定するものではないが、本実施形態のセラミック積層基板20における1層のセラミック層2の厚さはおおよそ200μm程度である。また、図3に示される各寸法Wおよびdすなわち、溝部としての凹凸部24の幅Wおよび凹凸部24の深さdは、ともに100μmからセラミック層2の1層の厚さ程度までの大きさとする。
【0036】
次に、本実施形態の電子装置100の製造方法について述べる。本製造方法は、大きくは、ヒートシンク10の一面11に、接着剤60を介して、電子部品40、41が搭載されたセラミック積層基板20を固定し、これとリードフレーム70とをボンディングワイヤ50にて接続した後、これを、通常のトランスファーモールド法などにてモールド樹脂30で封止するものである。
【0037】
ここで、本実施形態では、セラミック積層基板20の形成工程において、セラミック積層基板20に上記凹凸部24を形成する。このセラミック積層基板20の形成工程について、図5の工程図を参照して述べる。
【0038】
まず、図5(a)に示されるように、最終的に各セラミック層2となるグリーンシート2aを複数枚用意する。各グリーンシート2aは、アルミナなどのセラミックよりなるもので、ドクターブレード法などにより形成されたものである。
【0039】
次に、図示しないが、各グリーンシート2aについて、上記した導体部23や上記内層配線を形成する導体パターンやスルーホールなどを形成する。導体パターンは、たとえば上記導体ペーストを印刷することで形成し、スルーホールはパンチなどによる穴あけ加工により形成する。
【0040】
その後、図5(b)に示されるように、各グリーンシート2aを積層し、これを加圧するなどにより積層体2bを形成する。続いて、図5(c)に示されるように、パンチK1を用いて、セラミック積層基板20の一面21となる積層体2bの一面にプレス加工を施すことにより凹凸部24を形成する。
【0041】
その後、積層体2bをたとえば1600℃程度の温度で焼成する。それにより、上記図3に示したように、板状をなすとともにその一面21側から他面22側へ向かって複数のセラミック層2が積層されてなり、且つ、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板20ができあがる。
【0042】
そして、このセラミック積層基板20に対して、上述したように、電子部品40、41を実装し、これをヒートシンク10に搭載し、モールド樹脂30で封止すれば、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0043】
ところで、本実施形態の電子装置100によれば、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に、凹凸部24を設け、この凹凸部24とモールド樹脂30を噛み合わせているため、従来のセラミック積層基板に比べて、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性が向上する。
【0044】
また、本実施形態では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に、凹凸部24を設ければよいため、セラミック積層基板20を厚さ方向の全体に貫通する貫通孔を設けることが不要となり、上記した内層配線の分断などの不具合もなくなる。特に、本実施形態では、最表層のセラミック層2のみに凹凸部24を設けており、内部のセラミック層2には凹凸部形成の影響が実質及ばないため、好ましい。
【0045】
また、上記した本実施形態の電子装置100の製造方法によれば、図1〜図3に示される電子装置100を適切に製造できる。ここで、図6は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程の他の例を示す工程図である。
【0046】
上記図5に示される例では、パンチK1を用いて積層体2bの一面にプレス加工を施すことにより凹凸部24を形成し、その後、積層体2bを焼成したが、図6に示されるように、パンチK1を用いて積層体2bの一面に凹凸部24を形成した後、パンチK1を密着させたまま積層体2bを焼成し、焼成後にパンチK1を外すようにしてもよい。この場合も、上記同様に、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板
20ができあがる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、上記図1に示される電子装置100の製造方法のもう一つの例を示すものである。図7は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程を示す工程図である。
【0048】
本実施形態は、上記第1実施形態の製造方法と同様に、セラミック積層基板20の形成工程、電子部品40、41の搭載工程、ヒートシンク10へのセラミック積層基板20の搭載工程、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程を行うものであるが、本実施形態では、セラミック積層基板20の形成工程が相違するものである。
【0049】
本実施形態のセラミック積層基板20の形成工程では、図7(a)、(b)に示されるように、複数枚のグリーンシート2aを積層して積層体2bを形成するところまでは、上記第1実施形態と同様である。
【0050】
続いて、本実施形態では、この積層体2bをそのまま焼成する。そして、本実施形態では、この焼成された積層体2bの一面すなわちセラミック積層基板20の一面21に対して、エッチング加工を行うことによって、図7(c)に示されるように、凹凸部24を形成する。
【0051】
ここで、エッチング加工としては、ホトリソグラフ法などによりマスクを形成し、酸やアルカリなどのウェットエッチング、あるいはドライエッチング、さらにはレーザーによるエッチングなど、この種のセラミック積層基板に適用可能な通常のエッチング加工方法が採用される。
【0052】
こうして、本実施形態によっても、上記図3に示したものと同様に、板状をなすとともにその一面21側から他面22側へ向かって複数のセラミック層2が積層されてなり、且つ、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板20ができあがる。
【0053】
そして、このセラミック積層基板20に対して、上記同様に、電子部品40、41を実装し、ヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0054】
また、本実施形態の製造方法においては、積層体2bのうちあらかじめエッチングされる表面部分を、エッチングしやすい構成とするようにしてもよい。たとえば、セラミック層2は、アルミナに少量のガラス成分を混合させたものよりなるが、このガラス成分が多くなるとエッチングされやすくなる。
【0055】
そこで、具体的には、上記グリーンシート2aのうちエッチングされる部位を、上記したガラス成分の多い部位としておき、それによって積層体2bを形成し、これを焼成する。そして、その後、エッチングを行えば、上記したガラス成分の多い部位が容易にエッチングされるため、より短時間で凹凸部24が形成できる。
【0056】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上記図1に示される電子装置100の製造方法のさらにもう一つの例を示すものである。図8は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程を示す工程図である。本実施形態の製造方法も、上記第1実施形態の製造方法に比べて、セラミック積層基板20の形成工程が相違するものであり、この相違点を中心に述べることとする。
【0057】
本実施形態のセラミック積層基板20の形成工程では、図8(a)に示されるように、用意するグリーンシート2aのうち最終的に凹凸部24としての溝部となる部位を、積層体2bの焼成により揮発する揮発材料2cにて構成する。具体的には、グリーンシート2aのうち凹凸部24となる部位に、上記同様にパンチを用いて凹みを形成し、そこに揮発材料2cを埋め込む。
【0058】
この揮発材料2cとしては、積層体2bの焼成温度、たとえば1600℃程度にて揮発するような低沸点のものであればよく、たとえばSnやZnなどの金属やガラスなどが挙げられる。このような揮発材料2cはペーストやブロックの状態で埋め込まれる。
【0059】
その後は、図8(b)に示されるように、複数のグリーンシート2aを積層してなる積層体2bを形成した後、これを焼成して、セラミック積層基板20を作製する。このとき、この焼成によって揮発材料2cが揮発して、セラミック積層基板20から除去されるため、図8(c)に示されるように、揮発材料2cが揮発した跡としての凹部が凹凸部24として形成される。
【0060】
その後は、本実施形態の製造方法においても、このセラミック積層基板20に対する電子部品40、41の実装、基板20のヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、上記第1実施形態と同様に、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0061】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図9に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0062】
本実施形態では、図9に示されるように、凹凸部24は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に複数個設けられている。この場合、当該一面21における周辺部において、当該一面21の外周端部から内周側に沿って複数個の凹凸部24が配置されている。
【0063】
特に、ここでは、複数個の凹凸部24は、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど配置密度が密になっており、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど配置密度が疎になっている。
【0064】
つまり、図9に示されるように、複数個の凹凸部24における隣り合う凹凸部24同士の間隔L1、L2、L3、L4は、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど小さく、当該一面21の中央部に近いほど大きくなっている。つまり、図9中の間隔L1〜L4は、L1<L2<L3<L4の大小関係となっている。
【0065】
セラミック積層基板20の外周端部に近いほど、モールド樹脂30との界面に加わる応力が高くなり、セラミック積層基板20の一面21の中央部に近いほど当該応力が小さくなるため、このような凹凸部24の配置とすれば、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性の向上のためには好ましい。
【0066】
また、セラミック積層基板20の一面21の中央部に近いほど、上記導体部23や電子部品40、41の実装密度も高くなることから、上記配置のように、当該一面21の中央部に近いほど凹凸部24の配置密度を疎にすることにより、部品実装に対する凹凸部24の影響が低減され、基板サイズの増大を極力抑制することができる。
【0067】
(第5実施形態)
図10は、本発明の第5実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、本電子装置におけるセラミック積層基板20およびその一面21上の構成を示す図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図10に示されない部分、たとえばヒートシンクやモールド樹脂、リードフレームなどについては、上記第1実施形態の電子装置と同様のものにできる。
【0068】
本実施形態では、図10に示されるように、凹凸部24は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられており、それによる作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0069】
ここで、本実施形態では、図10に示されるように、このセラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24を第1の凹凸部24としたとき、さらに、この第1の凹凸部24よりも当該一面21における内周側にも、凹凸をなす第2の凹凸部25が設けられている。
【0070】
この第2の凹凸部25は、セラミック積層基板20の一面24に位置する導体部23の周辺に設けられている。また、この第2の凹凸部25の平面形状は、導体部23と干渉しない位置にあるならば、特に限定されないが、たとえば第1の凹凸部24の平面形状(上記図2参照)を一回り小さくしたような環状のものでもよいし、不連続的に設けられたものでもよい。
【0071】
そして、図10ではモールド樹脂30は省略してあるが、この第2の凹凸部25とモールド樹脂30とは、上記図1における凹凸部24とモールド樹脂30と同様に、噛み合っている。
【0072】
このように、本実施形態の電子装置においては、凹凸部24、25は、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に位置する第1の凹凸部24と、この第1の凹凸部24よりも一面21における内周側においてセラミック積層基板20の導体部23の周辺に位置する第2の凹凸部25とよりなる。
【0073】
そして、本実施形態によれば、セラミック積層基板20の一面21における周辺部だけでなく、モールド樹脂30が剥離しやすい導体部23の近傍においても、第2の凹凸部25を設け、モールド樹脂30との密着性を向上させているため、さらなるモールド樹脂30の剥離抑制が期待できる。
【0074】
(第6実施形態)
図11は、本発明の第6実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図11に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0075】
本実施形態では、図11に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に凹凸部は設けられておらず、セラミック積層基板20の一面21の外周端部に位置する端面26に、凹凸をなす凹凸部27が設けられている。ここでは、テーパ状の凸形状を有する凹凸部27となっている。そして、この凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合っている。
【0076】
図12は、この端面26の凹凸部27を形成する方法を示す工程図である。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、複数のグリーンシートを積層して積層体を形成し、これを焼成するところまでは同様である。
【0077】
ここで、この種のセラミック積層基板においては、焼成工程までは多連の状態で行うのが通常であり、焼成後は、予め形成されている分割溝に沿って基板を分断することにより、個片化されたセラミック積層基板を形成するようにしている。このとき、上記分割溝は、積層体に対して刃具を用いたプレス加工を施すことにより形成される。
【0078】
そこで、図12(a)、(b)に示されるように、刃具として、凹凸部27が形成できるような形状のものを用いて分割溝2dを形成し、セラミック積層基板20の分断後は、その端面26の切断部分に凹凸部27が形成されるようにする。
【0079】
こうして、本実施形態において、セラミック積層基板20の端面26に凹凸部27が形成される。その後は、本実施形態においても、電子部品40、41の実装、基板20のヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置ができあがる。
【0080】
そして、本実施形態の電子装置によれば、セラミック積層基板20の端部26に、凹凸部27を設け、この凹凸部27とモールド樹脂30を噛み合わせているため、上記第1実施形態と同様に、セラミック積層基板20に貫通孔を形成することなく、従来に比べて、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性が向上する。
【0081】
ここで、図13は、本実施形態のもう一つの例としての端面26の凹凸部27を形成する方法を示す工程図である。この場合も、図13(a)、(b)に示されるように、凹凸部27の形状となるように分割溝2dを形成し、焼成後の分断を行うことにより、端面26に凹凸部27を有するセラミック積層基板20ができあがる。その後、上記同様に、モールド樹脂による封止まで行えば、図13(c)に示されるように、凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置ができあがる。
【0082】
なお、この図13に示される凹凸部27は、上記図11、図12に示されるものとは断面形状が異なり、段差を持った凸形状を有する凹凸部27であるが、その効果は上記同様である。
【0083】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、本電子装置におけるセラミック積層基板20およびその一面21上の構成を示す図である。
【0084】
なお、本実施形態の電子装置は、上記第6実施形態と同様に、セラミック積層基板20の端部26に凹凸部27を設けたものであるが、この図14に示されない部分、たとえばヒートシンクやモールド樹脂、リードフレームなどについては、上記第1実施形態の電子装置と同様のものにできる。
【0085】
本実施形態においても、図14に示されるように、凹凸部27は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の端面26に設けられており、それによる作用効果は上記第6実施形態と同様である。
【0086】
ここで、本実施形態では、図14に示されるように、このセラミック積層基板20の端面26に設けられた凹凸部27を第1の凹凸部27としたとき、さらに、セラミック積層基板20の一面21にも、第2の凹凸部25が設けられている。ここでは、第2の凹凸部25は、セラミック積層基板20の一面21に位置する導体部23の周辺に設けられている。
【0087】
それによれば、セラミック積層基板20の端面26の凹凸部27の効果に加えて、上記図10に示されるものと同様に、モールド樹脂30が剥離しやすいセラミック積層基板20の一面21上の導体部23の近傍にも、第2の凹凸部25を設けているため、さらなるモールド樹脂の剥離抑制が図れる。
【0088】
なお、図14に示される電子装置において、セラミック積層基板20の一面21に設けられる第2の凹凸部25は、上記第1実施形態と同様に、当該一面21における周辺部に設けられていてもよい。そうすれば、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性向上について、上記第1実施形態による効果と上記した本実施形態の効果とを組み合わせた効果が期待できる。
【0089】
(第8実施形態)
図15は、本発明の第8実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図15に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0090】
上記した各実施形態では、セラミック積層基板20自身をプレスやエッチングなどにより成形して、凹凸部24、27を作製していたが、本実施形態では、セラミック積層基板20とは別体の突出部材28により上記の凹凸部24、27を形成する。
【0091】
図15に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部には、当該一面21から突出するように、突出部材28が取り付けられており、この突出部材28により形成される凹凸により凹凸部24が構成されている。
【0092】
ここでは、突出部材28は、樹脂や金属よりなる棒状のピン28であり、セラミック積層基板20との熱膨張係数差が5ppm以下のものであることが望ましい。そして、このピン28は、図15に示されるように、セラミック積層基板20に対して圧入されたり、接着されるなどにより取り付けられている。
【0093】
また、このピン28は、セラミック積層基板20の端面26に取り付けて、端面26における凹凸部27として構成してもよい。また、突出部材としては、棒状のピン28に限定されるものではなく、それ以外の形状であってもよい。
【0094】
(他の実施形態)
なお、セラミック積層基板20の一面21の周辺部に設けられた凹凸部24の断面形状は、上記各実施形態にて各図に示した形状に限定されるものではない。凹凸部24の断面形状は上記した矩形、三角形以外にも、レの字形状、半円形状、U字形状、台形など種々の形状が可能である。
【0095】
また、当該一面21の周辺部に設けられた凹凸部24としては溝でなくてもよく、突起でもよく、さらには、突起と溝との組合せでもよい。図16(a)〜(e)は、他の実施形態として、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24の種々の断面形状の一例を示す概略断面図である。
【0096】
また、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24の配置パターンすなわち平面形状としては、上記図2に示される例に限定されるものではなく、種々の形状が可能である。
【0097】
たとえば、図17に示されるように、凹凸部24としては、矩形状をなすセラミック積層基板20の一面21においてコーナー部に位置する部分が面取りされた矩形状となるように環状に配置されていてもよい。また、凹凸部24は、平面形状が曲線状や波線状となるように配置されたものでもよい。
【0098】
また、上記図2に示した凹凸部24では、その平面形状が連続した環状のものであったが、図18に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、不連続に設けられていてもよい。
【0099】
図18(a)では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、当該基板の四隅に部分的に凹凸部24を設けている。この基板の四隅は、特に応力が大きい箇所であり、この箇所に選択的に凹凸部24を設けることで、省スペース化が図れる。
【0100】
また、図18(b)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、複数個の凹凸部24を設けてもよく、このように複数個にすることで、部分的な剥離が発生した際に、他部への剥離の進行を抑制できる。
【0101】
また、図19は、他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に複数個設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略平面図である。この図19の場合、上記第4実施形態に示したように(上記図9参照)、セラミック積層基板20の一面21における周辺部において当該一面21の外周端部から内周側に沿って複数個の凹凸部24を、配置している。
【0102】
ここで、図19(a)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど凹凸部24を構成する溝幅を大きくし、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど当該溝幅を小さくしてもよい。セラミック積層基板20の一面21の外周端部ほど応力が大きく、凹凸部24への応力集中を防止できる。
【0103】
また、図19(b)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど凹凸部24を構成する溝の深さを大きくし、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど当該溝深さを小さくしてもよい。セラミック積層基板20の一面21の外周端部ほど応力が大きく、剥離防止効果を高める。
【0104】
また、セラミック積層基板20の端面26に設けられた凹凸部27としても、上記各図に示したような凸形状のものに限定されるものではなく、種々の形状をとることができ、可能ならば、切削加工などにより凹部としてもよい。また、当該端面26の凹凸部27も可能ならば複数個設けてもよい。
【0105】
また、セラミック積層基板20の一面21に設けられる凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2に形成されたものとしたが、セラミック積層基板20全体を貫通するものでなければよく、凹凸部24としては、2層目あるいは3層目のセラミック層2にまで到達する溝などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図2】図1に示される電子装置における積層回路基板の概略上面図である。
【図3】図1中の積層回路基板の一面における周辺部を示す拡大断面図である。
【図4】上記第1実施形態の溝部としての凹凸部の他の例を示す断面図である。
【図5】上記第1実施形態に係るセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図6】上記第1実施形態に係るセラミック積層基板の形成工程の他の例を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電子装置の製造方法におけるセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電子装置の製造方法におけるセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図12】上記第6実施形態に係るセラミック積層基板の端面の凹凸部の形成方法を示す工程図である。
【図13】上記第6実施形態に係るセラミック積層基板の端面の凹凸部の形成方法のもう一つの例を示す工程図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図16】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略断面図である。
【図17】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に設けられた凹凸部の平面形状を示す概略平面図である。
【図18】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に不連続に設けられた凹凸部の種々の平面形状を示す概略断面図である。
【図19】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に複数個設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0107】
2…セラミック層、2a…グリーンシート、2b…積層体、2c…揮発材料、
20…積層回路基板としてのセラミック積層基板、
21…セラミック積層基板の一面、22…セラミック積層基板の他面、
23…導体部、24、27…凹凸部、25…第2の凹凸部、
28…突出部材としてのピン、30…モールド樹脂、
40…電子部品としてのICチップ、41…電子部品としてのコンデンサ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミックよりなる積層回路基板上に電子部品を搭載し、これらをモールド樹脂で封止してなる電子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種の電子装置としては、一般に、板状をなすとともにその一面側から他面側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層が積層されてなる積層回路基板と、この積層回路基板の一面上に搭載された電子部品と、これら積層回路基板および電子部品を封止するモールド樹脂とを備えて構成されている。
【0003】
ここで、セラミックよりなる積層回路基板のサイズが大きくなった場合に、モールド樹脂と積層回路基板との間の応力が増大し、モールド樹脂の剥離が発生する。この樹脂剥離が発生すると、たとえば、搭載されている電子部品と基板との間のワイヤボンド部の信頼性や樹脂クラックによる封止性の低下などが問題となる。
【0004】
一方、従来では、セラミックの積層基板ではないが、プリント基板などの一般的な印刷回路基板に対して貫通孔を設けることにより、当該基板とモールド樹脂との密着性を高めるようにしたものが提案されている(たとえば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照。)。
【特許文献1】特開平3−302069号公報
【特許文献2】特開平2−275655号公報
【特許文献3】特開平2−40938号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、セラミックよりなる積層回路基板は、一般に、セラミックよりなる複数のグリーンシートに配線などの導体部を形成し、これらシートを積層して積層体を形成し、この積層体を焼成することにより、製造される。
【0006】
このようなセラミックよりなる積層回路基板の場合、上記した印刷回路基板と同じように貫通孔を設けようとすると、焼成前に貫通穴を開ける必要がある。すると、焼成時には基板が不均一な収縮を起こすため、多層の回路が分断されて実装密度が低下するなどの問題が生じ、基板に回路を形成することが困難になる。
【0007】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、セラミックよりなる積層回路基板上に電子部品を搭載し、これらをモールド樹脂で封止してなる電子装置の製造方法において、セラミックよりなる積層回路基板に貫通孔を設けることなく、当該基板とモールド樹脂との密着性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明者は鋭意検討を行い、積層回路基板において、基板表面の凹凸にてモールド樹脂と機械的な噛み合わせを行うことにより、密着性の向上を図ることを考えた。ここで、特に、基板の端面も含む基板の周辺部では、モールド樹脂との界面に加わる応力が高いため、モールド樹脂の剥離が発生しやすいことを考慮した。
【0009】
本発明は、板状をなすとともにその一面(21)側から他面(22)側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層(2)が積層されてなる積層回路基板(20)と、積層回路基板(20)の一面(21)上に搭載された電子部品(40、41)と、積層回路基板(20)および電子部品(40、41)を封止するモールド樹脂(30)とを備える電子装置の製造方法において、複数のセラミック層(2)を積層し、積層回路基板(20)が多連の状態である積層体を形成する積層工程と、積層体に対してプレス加工を施して分割溝(2d)を形成するプレス工程と、分割溝(2d)に沿って積層体を分断することにより、個片化された積層回路基板(20)を形成する分断工程と、積層回路基板(20)に電子部品(40、41)を実装する実装工程と、積層回路基板(20)および電子部品をモールド樹脂(30)による封止工程と、を備え、分断工程では、積層回路基板(20)の一面(21)の外周端部に位置する端面(26)の切断部分に、端面(26)に位置するセラミック層(2)自体に形成された突出部により構成される凹凸部(27)が形成されるように分断しており、封止工程では、凹凸部(27)とモールド樹脂(30)とが噛み合った状態で封止していることを特徴とする。
【0010】
それによれば、積層回路基板(20)の一面(21)における周辺部に設けた凹凸部(27)とモールド樹脂(30)とが噛み合ったものとなるため、積層回路基板(20)に貫通孔を形成することなく、積層回路基板(20)とモールド樹脂(30)との密着性を向上させることができる。
【0011】
ここで、積層回路基板(20)の端面(26)に設けられた凹凸部(27)を第1の凹凸部(27)としたとき、積層回路基板(20)の一面(21)に、凹凸をなす第2の凹凸部(25)を設け、この第2の凹凸部(25)とモールド樹脂(30)とも噛み合わせるようにしてもよい。
【0012】
それによれば、積層回路基板(20)とモールド樹脂(30)との密着性を、より向上させることができる。この場合、第2の凹凸部(25)を、積層回路基板(20)の一面(21)における周辺部に配置してもよい。
【0013】
また、この場合、第2の凹凸部(25)を、積層回路基板(20)の一面(21)において当該一面(21)に位置する導体部(23)の周辺に配置するようにしてもよい。
【0014】
それによれば、積層回路基板(20)の端面(26)だけでなく、比較的モールド樹脂(30)が剥離しやすい積層回路基板(20)の一面(21)上の導体部(23)の近傍にも、第2の凹凸部(27)を設けているため、モールド樹脂(30)の剥離抑制という点で好ましい。
【0015】
なお、特許請求の範囲およびこの欄で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0017】
なお、本発明を説明する実施形態は、第6、7実施形態であり、第1〜5、8実施形態は、参考例である。
【0018】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子装置100の概略断面構成を示す図であり、図2は、図1に示される電子装置100における積層回路基板20の概略上面図である。また、図3は、図1中の積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、図2では、ボンディングワイヤ50は省略してある。
【0019】
本実施形態の電子装置100は、大きくは、板状をなすヒートシンク10の一面11上に積層回路基板20を搭載し、ヒートシンク10の一面11側および積層回路基板20を、モールド樹脂30にて封止するとともに、ヒートシンク10の一面11とは反対側の他面12をモールド樹脂30から露出させてなる。
【0020】
ヒートシンク10は、積層回路基板20の熱を放熱する板状のものであり、放熱性に優れた銅、モリブデン、アルミニウム、鉄などの材料よりなる。
【0021】
積層回路基板20は板状をなすセラミック積層基板20である。このセラミック積層基板20は、図3に示されるように、その一面(図1中の上面)21側から他面(図1中の下面)22側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層2が積層されてなる。このセラミック層2は、後述するように、アルミナなどよりなるグリーンシートを焼成してなるものである。
【0022】
また、図1、図2に示されるように、セラミック積層基板20の一面21には、電子部品40、41を搭載したり、ボンディングワイヤ50が接続されたりする導体部23が設けられている。この導体部23は、たとえばモリブデンやタングステンなどの導体ペーストよりなるものである。
【0023】
また、セラミック積層基板20の内部には、通常のセラミック積層基板と同様に、一面21の導体部23と電気的に接続された図示しない内層配線が設けられている。この内層配線は、モリブデンやタングステンなどの導体ペーストにより形成されたもので、各セラミック層2の間に位置する配線や各セラミック層2に設けられたスルーホールなどにより構成されている。
【0024】
そして、セラミック積層基板20は、ヒートシンク10の一面11との間に接着剤60を介して搭載され、接着されている。この接着剤60としては、この種の電子装置に用いられる一般的な接着剤を採用できるが、本実施形態ではシリコーン系樹脂よりなる接着剤を用いている。
【0025】
また、セラミック積層基板20には、ICチップ40、コンデンサ41といった電子部品40、41が搭載されている。なお、セラミック積層基板20の一面21上に搭載される電子部品としては、これらの部品40、41以外にも抵抗素子などの電子部品を採用することができる。
【0026】
これら電子部品40、41は、はんだや導電性接着剤などよりなる図示しないダイマウント材を介してセラミック積層基板20の一面21上に固定され、必要に応じてボンディングワイヤ50を介してセラミック積層基板20の一面21の導体部23と接続されている。
【0027】
また、モールド樹脂30の内部にてセラミック積層基板20の周囲には、銅などよりなるリードフレーム70が配置され、セラミック積層基板20とリードフレーム70のインナーリードとは、ボンディングワイヤ50により電気的に接続されている。
【0028】
ここで、上記ボンディングワイヤ50は、一般的なAuやアルミニウムなどよりなるもので、通常のワイヤボンディングにより形成される。そして、本電子装置100は、リードフレーム70のアウターリードを、図示しない外部配線などに接続することにより、外部との電気的なやりとりが可能となっている。
【0029】
ここで、モールド樹脂30は、通常、この種の電子装置に用いられるモールド材料、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂などを採用できる。そして、この電子装置100は、図示しないケースなどの基材に搭載されて使用されるが、このとき、モールド樹脂30から露出するヒートシンク10の他面12を当該基材に接触させ、放熱を図るようにしている。
【0030】
このような電子装置100において、図1〜図3に示されるように、本実施形態では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部には、凹凸をなす凹凸部24が設けられ、この凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合っている。
【0031】
ここで、セラミック積層基板20の一面21における周辺部とは、セラミック積層基板20の一面21に存在する導体部23のうち最も外側すなわち外周端部に位置する導体部23よりも外側の部位のことである。そして、本実施形態では、このような導体部23よりも外側の一面21上の部位に凹凸部24が配置されている。
【0032】
本実施形態の凹凸部24は、図1〜図3に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に環状に設けられた断面矩形の溝部として構成されている。
【0033】
また、本実施形態では、図3に示されるように、凹凸部24は、複数のセラミック層2のうちセラミック積層基板20の一面21側の最表層となるセラミック層2に、形成されている。ここでは、凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2の途中部まで凹んだ溝部として構成されている。
【0034】
なお、図4は、本実施形態の溝部としての凹凸部24の他の例を示す断面図であるが、この図4に示されるように、本実施形態の凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2の1層分の厚さ全体を貫通する凹部であってもよい。
【0035】
ここで、限定するものではないが、本実施形態のセラミック積層基板20における1層のセラミック層2の厚さはおおよそ200μm程度である。また、図3に示される各寸法Wおよびdすなわち、溝部としての凹凸部24の幅Wおよび凹凸部24の深さdは、ともに100μmからセラミック層2の1層の厚さ程度までの大きさとする。
【0036】
次に、本実施形態の電子装置100の製造方法について述べる。本製造方法は、大きくは、ヒートシンク10の一面11に、接着剤60を介して、電子部品40、41が搭載されたセラミック積層基板20を固定し、これとリードフレーム70とをボンディングワイヤ50にて接続した後、これを、通常のトランスファーモールド法などにてモールド樹脂30で封止するものである。
【0037】
ここで、本実施形態では、セラミック積層基板20の形成工程において、セラミック積層基板20に上記凹凸部24を形成する。このセラミック積層基板20の形成工程について、図5の工程図を参照して述べる。
【0038】
まず、図5(a)に示されるように、最終的に各セラミック層2となるグリーンシート2aを複数枚用意する。各グリーンシート2aは、アルミナなどのセラミックよりなるもので、ドクターブレード法などにより形成されたものである。
【0039】
次に、図示しないが、各グリーンシート2aについて、上記した導体部23や上記内層配線を形成する導体パターンやスルーホールなどを形成する。導体パターンは、たとえば上記導体ペーストを印刷することで形成し、スルーホールはパンチなどによる穴あけ加工により形成する。
【0040】
その後、図5(b)に示されるように、各グリーンシート2aを積層し、これを加圧するなどにより積層体2bを形成する。続いて、図5(c)に示されるように、パンチK1を用いて、セラミック積層基板20の一面21となる積層体2bの一面にプレス加工を施すことにより凹凸部24を形成する。
【0041】
その後、積層体2bをたとえば1600℃程度の温度で焼成する。それにより、上記図3に示したように、板状をなすとともにその一面21側から他面22側へ向かって複数のセラミック層2が積層されてなり、且つ、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板20ができあがる。
【0042】
そして、このセラミック積層基板20に対して、上述したように、電子部品40、41を実装し、これをヒートシンク10に搭載し、モールド樹脂30で封止すれば、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0043】
ところで、本実施形態の電子装置100によれば、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に、凹凸部24を設け、この凹凸部24とモールド樹脂30を噛み合わせているため、従来のセラミック積層基板に比べて、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性が向上する。
【0044】
また、本実施形態では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に、凹凸部24を設ければよいため、セラミック積層基板20を厚さ方向の全体に貫通する貫通孔を設けることが不要となり、上記した内層配線の分断などの不具合もなくなる。特に、本実施形態では、最表層のセラミック層2のみに凹凸部24を設けており、内部のセラミック層2には凹凸部形成の影響が実質及ばないため、好ましい。
【0045】
また、上記した本実施形態の電子装置100の製造方法によれば、図1〜図3に示される電子装置100を適切に製造できる。ここで、図6は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程の他の例を示す工程図である。
【0046】
上記図5に示される例では、パンチK1を用いて積層体2bの一面にプレス加工を施すことにより凹凸部24を形成し、その後、積層体2bを焼成したが、図6に示されるように、パンチK1を用いて積層体2bの一面に凹凸部24を形成した後、パンチK1を密着させたまま積層体2bを焼成し、焼成後にパンチK1を外すようにしてもよい。この場合も、上記同様に、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板
20ができあがる。
【0047】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態は、上記図1に示される電子装置100の製造方法のもう一つの例を示すものである。図7は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程を示す工程図である。
【0048】
本実施形態は、上記第1実施形態の製造方法と同様に、セラミック積層基板20の形成工程、電子部品40、41の搭載工程、ヒートシンク10へのセラミック積層基板20の搭載工程、ワイヤボンディング工程、樹脂封止工程を行うものであるが、本実施形態では、セラミック積層基板20の形成工程が相違するものである。
【0049】
本実施形態のセラミック積層基板20の形成工程では、図7(a)、(b)に示されるように、複数枚のグリーンシート2aを積層して積層体2bを形成するところまでは、上記第1実施形態と同様である。
【0050】
続いて、本実施形態では、この積層体2bをそのまま焼成する。そして、本実施形態では、この焼成された積層体2bの一面すなわちセラミック積層基板20の一面21に対して、エッチング加工を行うことによって、図7(c)に示されるように、凹凸部24を形成する。
【0051】
ここで、エッチング加工としては、ホトリソグラフ法などによりマスクを形成し、酸やアルカリなどのウェットエッチング、あるいはドライエッチング、さらにはレーザーによるエッチングなど、この種のセラミック積層基板に適用可能な通常のエッチング加工方法が採用される。
【0052】
こうして、本実施形態によっても、上記図3に示したものと同様に、板状をなすとともにその一面21側から他面22側へ向かって複数のセラミック層2が積層されてなり、且つ、一面21における周辺部に凹凸部24が設けられたセラミック積層基板20ができあがる。
【0053】
そして、このセラミック積層基板20に対して、上記同様に、電子部品40、41を実装し、ヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0054】
また、本実施形態の製造方法においては、積層体2bのうちあらかじめエッチングされる表面部分を、エッチングしやすい構成とするようにしてもよい。たとえば、セラミック層2は、アルミナに少量のガラス成分を混合させたものよりなるが、このガラス成分が多くなるとエッチングされやすくなる。
【0055】
そこで、具体的には、上記グリーンシート2aのうちエッチングされる部位を、上記したガラス成分の多い部位としておき、それによって積層体2bを形成し、これを焼成する。そして、その後、エッチングを行えば、上記したガラス成分の多い部位が容易にエッチングされるため、より短時間で凹凸部24が形成できる。
【0056】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態は、上記図1に示される電子装置100の製造方法のさらにもう一つの例を示すものである。図8は、本実施形態の製造方法におけるセラミック積層基板20の形成工程を示す工程図である。本実施形態の製造方法も、上記第1実施形態の製造方法に比べて、セラミック積層基板20の形成工程が相違するものであり、この相違点を中心に述べることとする。
【0057】
本実施形態のセラミック積層基板20の形成工程では、図8(a)に示されるように、用意するグリーンシート2aのうち最終的に凹凸部24としての溝部となる部位を、積層体2bの焼成により揮発する揮発材料2cにて構成する。具体的には、グリーンシート2aのうち凹凸部24となる部位に、上記同様にパンチを用いて凹みを形成し、そこに揮発材料2cを埋め込む。
【0058】
この揮発材料2cとしては、積層体2bの焼成温度、たとえば1600℃程度にて揮発するような低沸点のものであればよく、たとえばSnやZnなどの金属やガラスなどが挙げられる。このような揮発材料2cはペーストやブロックの状態で埋め込まれる。
【0059】
その後は、図8(b)に示されるように、複数のグリーンシート2aを積層してなる積層体2bを形成した後、これを焼成して、セラミック積層基板20を作製する。このとき、この焼成によって揮発材料2cが揮発して、セラミック積層基板20から除去されるため、図8(c)に示されるように、揮発材料2cが揮発した跡としての凹部が凹凸部24として形成される。
【0060】
その後は、本実施形態の製造方法においても、このセラミック積層基板20に対する電子部品40、41の実装、基板20のヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、上記第1実施形態と同様に、凹凸部24とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置100ができあがる。
【0061】
(第4実施形態)
図9は、本発明の第4実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図9に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0062】
本実施形態では、図9に示されるように、凹凸部24は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に複数個設けられている。この場合、当該一面21における周辺部において、当該一面21の外周端部から内周側に沿って複数個の凹凸部24が配置されている。
【0063】
特に、ここでは、複数個の凹凸部24は、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど配置密度が密になっており、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど配置密度が疎になっている。
【0064】
つまり、図9に示されるように、複数個の凹凸部24における隣り合う凹凸部24同士の間隔L1、L2、L3、L4は、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど小さく、当該一面21の中央部に近いほど大きくなっている。つまり、図9中の間隔L1〜L4は、L1<L2<L3<L4の大小関係となっている。
【0065】
セラミック積層基板20の外周端部に近いほど、モールド樹脂30との界面に加わる応力が高くなり、セラミック積層基板20の一面21の中央部に近いほど当該応力が小さくなるため、このような凹凸部24の配置とすれば、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性の向上のためには好ましい。
【0066】
また、セラミック積層基板20の一面21の中央部に近いほど、上記導体部23や電子部品40、41の実装密度も高くなることから、上記配置のように、当該一面21の中央部に近いほど凹凸部24の配置密度を疎にすることにより、部品実装に対する凹凸部24の影響が低減され、基板サイズの増大を極力抑制することができる。
【0067】
(第5実施形態)
図10は、本発明の第5実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、本電子装置におけるセラミック積層基板20およびその一面21上の構成を示す図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図10に示されない部分、たとえばヒートシンクやモールド樹脂、リードフレームなどについては、上記第1実施形態の電子装置と同様のものにできる。
【0068】
本実施形態では、図10に示されるように、凹凸部24は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられており、それによる作用効果は上記第1実施形態と同様である。
【0069】
ここで、本実施形態では、図10に示されるように、このセラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24を第1の凹凸部24としたとき、さらに、この第1の凹凸部24よりも当該一面21における内周側にも、凹凸をなす第2の凹凸部25が設けられている。
【0070】
この第2の凹凸部25は、セラミック積層基板20の一面24に位置する導体部23の周辺に設けられている。また、この第2の凹凸部25の平面形状は、導体部23と干渉しない位置にあるならば、特に限定されないが、たとえば第1の凹凸部24の平面形状(上記図2参照)を一回り小さくしたような環状のものでもよいし、不連続的に設けられたものでもよい。
【0071】
そして、図10ではモールド樹脂30は省略してあるが、この第2の凹凸部25とモールド樹脂30とは、上記図1における凹凸部24とモールド樹脂30と同様に、噛み合っている。
【0072】
このように、本実施形態の電子装置においては、凹凸部24、25は、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に位置する第1の凹凸部24と、この第1の凹凸部24よりも一面21における内周側においてセラミック積層基板20の導体部23の周辺に位置する第2の凹凸部25とよりなる。
【0073】
そして、本実施形態によれば、セラミック積層基板20の一面21における周辺部だけでなく、モールド樹脂30が剥離しやすい導体部23の近傍においても、第2の凹凸部25を設け、モールド樹脂30との密着性を向上させているため、さらなるモールド樹脂30の剥離抑制が期待できる。
【0074】
(第6実施形態)
図11は、本発明の第6実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図11に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0075】
本実施形態では、図11に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に凹凸部は設けられておらず、セラミック積層基板20の一面21の外周端部に位置する端面26に、凹凸をなす凹凸部27が設けられている。ここでは、テーパ状の凸形状を有する凹凸部27となっている。そして、この凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合っている。
【0076】
図12は、この端面26の凹凸部27を形成する方法を示す工程図である。本実施形態においても、上記第1実施形態と同様に、複数のグリーンシートを積層して積層体を形成し、これを焼成するところまでは同様である。
【0077】
ここで、この種のセラミック積層基板においては、焼成工程までは多連の状態で行うのが通常であり、焼成後は、予め形成されている分割溝に沿って基板を分断することにより、個片化されたセラミック積層基板を形成するようにしている。このとき、上記分割溝は、積層体に対して刃具を用いたプレス加工を施すことにより形成される。
【0078】
そこで、図12(a)、(b)に示されるように、刃具として、凹凸部27が形成できるような形状のものを用いて分割溝2dを形成し、セラミック積層基板20の分断後は、その端面26の切断部分に凹凸部27が形成されるようにする。
【0079】
こうして、本実施形態において、セラミック積層基板20の端面26に凹凸部27が形成される。その後は、本実施形態においても、電子部品40、41の実装、基板20のヒートシンク10への搭載、モールド樹脂30による封止を行えば、凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置ができあがる。
【0080】
そして、本実施形態の電子装置によれば、セラミック積層基板20の端部26に、凹凸部27を設け、この凹凸部27とモールド樹脂30を噛み合わせているため、上記第1実施形態と同様に、セラミック積層基板20に貫通孔を形成することなく、従来に比べて、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性が向上する。
【0081】
ここで、図13は、本実施形態のもう一つの例としての端面26の凹凸部27を形成する方法を示す工程図である。この場合も、図13(a)、(b)に示されるように、凹凸部27の形状となるように分割溝2dを形成し、焼成後の分断を行うことにより、端面26に凹凸部27を有するセラミック積層基板20ができあがる。その後、上記同様に、モールド樹脂による封止まで行えば、図13(c)に示されるように、凹凸部27とモールド樹脂30とが噛み合った電子装置ができあがる。
【0082】
なお、この図13に示される凹凸部27は、上記図11、図12に示されるものとは断面形状が異なり、段差を持った凸形状を有する凹凸部27であるが、その効果は上記同様である。
【0083】
(第7実施形態)
図14は、本発明の第7実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、本電子装置におけるセラミック積層基板20およびその一面21上の構成を示す図である。
【0084】
なお、本実施形態の電子装置は、上記第6実施形態と同様に、セラミック積層基板20の端部26に凹凸部27を設けたものであるが、この図14に示されない部分、たとえばヒートシンクやモールド樹脂、リードフレームなどについては、上記第1実施形態の電子装置と同様のものにできる。
【0085】
本実施形態においても、図14に示されるように、凹凸部27は、積層回路基板としてのセラミック積層基板20の端面26に設けられており、それによる作用効果は上記第6実施形態と同様である。
【0086】
ここで、本実施形態では、図14に示されるように、このセラミック積層基板20の端面26に設けられた凹凸部27を第1の凹凸部27としたとき、さらに、セラミック積層基板20の一面21にも、第2の凹凸部25が設けられている。ここでは、第2の凹凸部25は、セラミック積層基板20の一面21に位置する導体部23の周辺に設けられている。
【0087】
それによれば、セラミック積層基板20の端面26の凹凸部27の効果に加えて、上記図10に示されるものと同様に、モールド樹脂30が剥離しやすいセラミック積層基板20の一面21上の導体部23の近傍にも、第2の凹凸部25を設けているため、さらなるモールド樹脂の剥離抑制が図れる。
【0088】
なお、図14に示される電子装置において、セラミック積層基板20の一面21に設けられる第2の凹凸部25は、上記第1実施形態と同様に、当該一面21における周辺部に設けられていてもよい。そうすれば、セラミック積層基板20とモールド樹脂30との密着性向上について、上記第1実施形態による効果と上記した本実施形態の効果とを組み合わせた効果が期待できる。
【0089】
(第8実施形態)
図15は、本発明の第8実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図であり、積層回路基板20の一面21における周辺部を示す拡大断面図である。なお、本実施形態の電子装置において、この図15に示されない部分については、上記第1実施形態の電子装置と同様である。
【0090】
上記した各実施形態では、セラミック積層基板20自身をプレスやエッチングなどにより成形して、凹凸部24、27を作製していたが、本実施形態では、セラミック積層基板20とは別体の突出部材28により上記の凹凸部24、27を形成する。
【0091】
図15に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部には、当該一面21から突出するように、突出部材28が取り付けられており、この突出部材28により形成される凹凸により凹凸部24が構成されている。
【0092】
ここでは、突出部材28は、樹脂や金属よりなる棒状のピン28であり、セラミック積層基板20との熱膨張係数差が5ppm以下のものであることが望ましい。そして、このピン28は、図15に示されるように、セラミック積層基板20に対して圧入されたり、接着されるなどにより取り付けられている。
【0093】
また、このピン28は、セラミック積層基板20の端面26に取り付けて、端面26における凹凸部27として構成してもよい。また、突出部材としては、棒状のピン28に限定されるものではなく、それ以外の形状であってもよい。
【0094】
(他の実施形態)
なお、セラミック積層基板20の一面21の周辺部に設けられた凹凸部24の断面形状は、上記各実施形態にて各図に示した形状に限定されるものではない。凹凸部24の断面形状は上記した矩形、三角形以外にも、レの字形状、半円形状、U字形状、台形など種々の形状が可能である。
【0095】
また、当該一面21の周辺部に設けられた凹凸部24としては溝でなくてもよく、突起でもよく、さらには、突起と溝との組合せでもよい。図16(a)〜(e)は、他の実施形態として、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24の種々の断面形状の一例を示す概略断面図である。
【0096】
また、セラミック積層基板20の一面21における周辺部に設けられた凹凸部24の配置パターンすなわち平面形状としては、上記図2に示される例に限定されるものではなく、種々の形状が可能である。
【0097】
たとえば、図17に示されるように、凹凸部24としては、矩形状をなすセラミック積層基板20の一面21においてコーナー部に位置する部分が面取りされた矩形状となるように環状に配置されていてもよい。また、凹凸部24は、平面形状が曲線状や波線状となるように配置されたものでもよい。
【0098】
また、上記図2に示した凹凸部24では、その平面形状が連続した環状のものであったが、図18に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、不連続に設けられていてもよい。
【0099】
図18(a)では、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、当該基板の四隅に部分的に凹凸部24を設けている。この基板の四隅は、特に応力が大きい箇所であり、この箇所に選択的に凹凸部24を設けることで、省スペース化が図れる。
【0100】
また、図18(b)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21における周辺部にて、複数個の凹凸部24を設けてもよく、このように複数個にすることで、部分的な剥離が発生した際に、他部への剥離の進行を抑制できる。
【0101】
また、図19は、他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に複数個設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略平面図である。この図19の場合、上記第4実施形態に示したように(上記図9参照)、セラミック積層基板20の一面21における周辺部において当該一面21の外周端部から内周側に沿って複数個の凹凸部24を、配置している。
【0102】
ここで、図19(a)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど凹凸部24を構成する溝幅を大きくし、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど当該溝幅を小さくしてもよい。セラミック積層基板20の一面21の外周端部ほど応力が大きく、凹凸部24への応力集中を防止できる。
【0103】
また、図19(b)に示されるように、セラミック積層基板20の一面21のうち当該一面21の外周端部に近いほど凹凸部24を構成する溝の深さを大きくし、内周側すなわち一面21の中央部に行くほど当該溝深さを小さくしてもよい。セラミック積層基板20の一面21の外周端部ほど応力が大きく、剥離防止効果を高める。
【0104】
また、セラミック積層基板20の端面26に設けられた凹凸部27としても、上記各図に示したような凸形状のものに限定されるものではなく、種々の形状をとることができ、可能ならば、切削加工などにより凹部としてもよい。また、当該端面26の凹凸部27も可能ならば複数個設けてもよい。
【0105】
また、セラミック積層基板20の一面21に設けられる凹凸部24は、当該一面21側の最表層となるセラミック層2に形成されたものとしたが、セラミック積層基板20全体を貫通するものでなければよく、凹凸部24としては、2層目あるいは3層目のセラミック層2にまで到達する溝などであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0106】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子装置の概略断面図である。
【図2】図1に示される電子装置における積層回路基板の概略上面図である。
【図3】図1中の積層回路基板の一面における周辺部を示す拡大断面図である。
【図4】上記第1実施形態の溝部としての凹凸部の他の例を示す断面図である。
【図5】上記第1実施形態に係るセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図6】上記第1実施形態に係るセラミック積層基板の形成工程の他の例を示す工程図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る電子装置の製造方法におけるセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る電子装置の製造方法におけるセラミック積層基板の形成工程を示す工程図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図10】本発明の第5実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図11】本発明の第6実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図12】上記第6実施形態に係るセラミック積層基板の端面の凹凸部の形成方法を示す工程図である。
【図13】上記第6実施形態に係るセラミック積層基板の端面の凹凸部の形成方法のもう一つの例を示す工程図である。
【図14】本発明の第7実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図15】本発明の第8実施形態に係る電子装置の要部を示す概略断面図である。
【図16】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略断面図である。
【図17】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に設けられた凹凸部の平面形状を示す概略平面図である。
【図18】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に不連続に設けられた凹凸部の種々の平面形状を示す概略断面図である。
【図19】他の実施形態としてセラミック積層基板の一面における周辺部に複数個設けられた凹凸部の種々の断面形状を示す概略平面図である。
【符号の説明】
【0107】
2…セラミック層、2a…グリーンシート、2b…積層体、2c…揮発材料、
20…積層回路基板としてのセラミック積層基板、
21…セラミック積層基板の一面、22…セラミック積層基板の他面、
23…導体部、24、27…凹凸部、25…第2の凹凸部、
28…突出部材としてのピン、30…モールド樹脂、
40…電子部品としてのICチップ、41…電子部品としてのコンデンサ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状をなすとともにその一面(21)側から他面(22)側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層(2)が積層されてなる積層回路基板(20)と、
前記積層回路基板(20)の一面(21)上に搭載された電子部品(40、41)と、
前記積層回路基板(20)および前記電子部品(40、41)を封止するモールド樹脂(30)とを備える電子装置の製造方法において、
前記複数のセラミック層(2)を積層し、前記積層回路基板(20)が多連の状態である積層体を形成する積層工程と、
前記積層体に対してプレス加工を施して分割溝(2d)を形成するプレス工程と、
前記分割溝(2d)に沿って前記積層体を分断することにより、個片化された前記積層回路基板(20)を形成する分断工程と、
前記積層回路基板(20)に前記電子部品(40、41)を実装する実装工程と、
前記積層回路基板(20)および前記電子部品を前記モールド樹脂(30)による封止工程と、を備え、
前記分断工程では、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)の外周端部に位置する端面(26)の切断部分に、前記端面(26)に位置する前記セラミック層(2)自体に形成された突出部により構成される凹凸部(27)が形成されるように分断しており、
前記封止工程では、前記凹凸部(27)と前記モールド樹脂(30)とが噛み合った状態で封止していることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項2】
前記プレス工程では、前記積層回路基板(20)の前記端面(26)に設けられた前記凹凸部(27)を第1の凹凸部(27)としたとき、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)に、凹凸をなす第2の凹凸部(25)を形成しており、
前記封止工程では、この第2の凹凸部(25)と前記モールド樹脂(30)とも噛み合った状態で封止していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
【請求項3】
前記プレス工程では、前記第2の凹凸部(25)が、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)における周辺部に配置されるように形成していることを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【請求項4】
前記プレス工程では、前記第2の凹凸部(25)が、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)において当該一面(21)に位置する導体部(23)の周辺に配置されるように形成していることを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【請求項1】
板状をなすとともにその一面(21)側から他面(22)側へ向かって複数のセラミックよりなるセラミック層(2)が積層されてなる積層回路基板(20)と、
前記積層回路基板(20)の一面(21)上に搭載された電子部品(40、41)と、
前記積層回路基板(20)および前記電子部品(40、41)を封止するモールド樹脂(30)とを備える電子装置の製造方法において、
前記複数のセラミック層(2)を積層し、前記積層回路基板(20)が多連の状態である積層体を形成する積層工程と、
前記積層体に対してプレス加工を施して分割溝(2d)を形成するプレス工程と、
前記分割溝(2d)に沿って前記積層体を分断することにより、個片化された前記積層回路基板(20)を形成する分断工程と、
前記積層回路基板(20)に前記電子部品(40、41)を実装する実装工程と、
前記積層回路基板(20)および前記電子部品を前記モールド樹脂(30)による封止工程と、を備え、
前記分断工程では、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)の外周端部に位置する端面(26)の切断部分に、前記端面(26)に位置する前記セラミック層(2)自体に形成された突出部により構成される凹凸部(27)が形成されるように分断しており、
前記封止工程では、前記凹凸部(27)と前記モールド樹脂(30)とが噛み合った状態で封止していることを特徴とする電子装置の製造方法。
【請求項2】
前記プレス工程では、前記積層回路基板(20)の前記端面(26)に設けられた前記凹凸部(27)を第1の凹凸部(27)としたとき、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)に、凹凸をなす第2の凹凸部(25)を形成しており、
前記封止工程では、この第2の凹凸部(25)と前記モールド樹脂(30)とも噛み合った状態で封止していることを特徴とする請求項1に記載の電子装置の製造方法。
【請求項3】
前記プレス工程では、前記第2の凹凸部(25)が、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)における周辺部に配置されるように形成していることを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【請求項4】
前記プレス工程では、前記第2の凹凸部(25)が、前記積層回路基板(20)の前記一面(21)において当該一面(21)に位置する導体部(23)の周辺に配置されるように形成していることを特徴とする請求項2に記載の電子装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2013−42156(P2013−42156A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−220327(P2012−220327)
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2007−11168(P2007−11168)の分割
【原出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月2日(2012.10.2)
【分割の表示】特願2007−11168(P2007−11168)の分割
【原出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】
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