説明

電子輸送特性を有する化合物、それらの調製および使用

本発明は、とりわけ光学発光ダイオード(OLED)における電子輸送材料としての有用性を有する式(I)、(II)または(III)の化合物を提供する。この化合物の態様は、OLEDにおける電子輸送層として組み込まれたとき、電子輸送材料がアルミニウムキノレートである対応のデバイスよりも、所定の電圧に対して高い電流密度を示す。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、新規化合物、それらの調製方法、およびそれらの電気光学または光電子工学デバイスの層における、たとえば光学発光デバイスにおける、たとえばフラットパネルディスプレイの一部を形成する有機発光ダイオード(OLED)デバイスの電子輸送層および/または照明における、またはたとえば電子写真における電子輸送層としての使用に関する。
【発明の背景】
【0002】
Kulkarni et al., Chem. Mater. 2004, 16, 4556-4573 (この内容は、参照により本明細書に組み込まれる) は、OLEDの性能を向上させるために使用される電子輸送材料(ETM)に関する文献を概説した。彼らは、多数の有機材料に加えて、アルミニウムキノレートを含む金属キレートを議論し、彼らは、その優れた特性、たとえば高いEA (〜 -3.0 eV; 本出願人により-2.9 eV と測定される) およびIP (〜 -5.95 eV; 本出願人により約-5.7 eVと測定される)、優れた熱安定性 (Tg 〜172℃) および真空蒸着によるピンホールのない薄膜の容易な蒸着のために、残りの人々は金属キレートを最も広く研究したと説明する。アルミニウムキノレートは、エレクトロルミネセンス層を提供するために種々の蛍光または燐光材料をドープされるホストとして使用するため、および電子輸送層として使用するための好ましい材料のままである。本発明の目的は、たとえばOLEDの電子輸送層で使用されたときにアルミニウムキノレートの代替物を提供し、幾つかの態様で、少なくとも幾つかの側面において優れた性能、たとえば所定の電圧において高い電流密度を提供し得る、追加の電子輸送材料を提供することである。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、式I、IIまたはIIIの化合物を提供する。
【化1】

【0004】
ここで
Mは、Li、Na、Mg、Al、Ti、Zr、Hf、Cu、Zn、Siまたはランタニドを表し、式IIにおいてMは、更にバナジウムであってもよく;
Xは、酸素または硫黄を表し;
mおよびpは、独立に0〜4であり;
qは、Mの原子価に依存して、1〜4であり;
R1およびR2は、独立に、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、シクロアルキルまたはシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、フルオロ、シアノ、以下から選択される一または複数の基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを表し:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ、あるいは、mまたはpが2〜4であるとき、縮合シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、これは、以下から選択される一または複数の基で更に置換されていてもよく:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ;
R3およびR4は、独立に、C1〜C4アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルまたはナフチルを表し、これは、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノから選択される一または複数の基を有していてもよい。
【0005】
本発明は、更に、上述の式I、IIまたはIIIの何れかの化合物および少なくとも一つのn-ドーパントおよび/または電子輸送材料を含む組成物を提供する。
【0006】
本発明は、更に、上述の式I、IIまたはIIIの何れかの化合物を含む層を有するOLEDを含む。
【0007】
本発明は、更に、上述の式I、IIまたはIIIの何れかの化合物を含む層を有する電気光学または光電子デバイスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明は、図面を参照して更に説明される。
【図1】図1は、本発明のOLEDおよびアルミニウムキノレート電子輸送層を有するOLED(リファレンス)の性能グラフである。
【図2】図2は、本発明のOLEDおよびアルミニウムキノレート電子輸送層を有するOLED(リファレンス)の性能グラフである。
【図3】図3は、本発明のOLEDおよびアルミニウムキノレート電子輸送層を有するOLED(リファレンス)の性能グラフである。
【図4】図4は、OLEDの態様に組み込まれた幾つかの化合物の式を示す。
【0009】

【好ましい態様の説明】
【0010】
先に説明したとおり、本発明は、式I、IIまたはIIIの化合物を含む。
【化2】

【0011】
上記式において:
Mは、Li、Na、Mg、Al、Ti、Zr、Hf、Cu、Zn、Siまたはランタニドの何れかを表し、式IIにおいてMは、更にバナジウムであってもよい。ランタニドは、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、プロメチウム(Pm)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、およびルテチウム(Lu)の何れかを意味し、イットリウム(Y)およびスカンジウム(Sc)とともに、時々、希土類元素のグループに含まれる;
Xは、酸素または硫黄を表す;
mおよびpは、独立に0〜4であり、態様において、1または2価を有する;
qは、Mの原子価に依存して、1〜4である;
R1およびR2は、独立に、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、シクロアルキルまたはシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、フルオロ、シアノ、以下から選択される一または複数の基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを表し:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ、あるいは、mまたはpが2〜4であるとき、縮合シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、これは、以下から選択される一または複数の基で更に置換されていてもよく:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ。
【0012】
アルキルは、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチルおよびt-ブチルを含む。アルコキシは、たとえばメトキシを含む。シクロアルキルは、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含む。フルオロアルキルは、トリフルオロメチルを含み、フルオロアルコキシは、トリフルオロメトキシを含む。縮合アリールまたはヘテロアリールは、最も一般には、化学式に示される芳香族環とともに、二環または三環構造を含み、かかる二環または三環構造は、化学式に示される芳香族環の何れかまたは両方に存在し得る。R3およびR4は、独立に、C1〜C4アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、またはフェニルまたはナフチルを表し、これは、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノから選択される一または複数の置換基、たとえばt-ブチルまたはフェニルを有していてもよい。
【0013】
特別なリガンドは、2-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェノール、2-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ナフタレン-1-オール、2-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ナフタレン-1-オール、2-(ナフト[1,2-d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェノールおよび2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ナフタレン-1-オールを含む。上記定義内に含まれるリガンドと混合された式I、IIまたはIIIの化合物も、本発明の範囲内である。
【0014】
本明細書で使用されるアリールの用語は、5〜60のC原子を含む芳香族基と定義される。本明細書で使用されるヘテロアリール基の用語は、2〜60のC原子および少なくとも一つのヘテロ原子を含み、C原子とヘテロ原子の合計が少なくとも5である芳香族基と定義される。ヘテロ原子は、好ましくはSi、N、P、O、SおよびSeから選択され、特に好ましくはN、P、O、およびSから選択される。アリール基もヘテロアリール基も、単環式、たとえばベンゼン、ピリジン、ピリミジン、およびチオフェン、または多環式、たとえばナフタレン、アントラセン、フェナントレン、キノリン、イソキノリン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、およびインドールとすることができる。
【0015】
セル構造
本発明のOLEDは、とりわけフラットパネルディスプレイで有用であり、態様において、陽極と陰極とその間に挟まれたエレクトロルミネセンス層、電子注入および/または輸送層、正孔注入および/または輸送層、および任意に補助層を含む多数の薄層を含む。正孔注入および正孔輸送層などの一または複数の層を、スピンコーティングまたはインクジェットプリンティングなどの他の方法により形成することが簡便であるかもしれないが、これらの層は、態様において、連続的な真空蒸着の操作により構築される。本発明のデバイスは、2つより多い電極を含むこともできる。
【0016】
デバイスは、幾つかの態様において、その上に、陽極層、正孔注入(バッファー)層、正孔輸送層、エレクトロルミネセンス層、電子輸送層、電子注入層、および陰極層が連続的に形成された透明基板を含み、これらは、順に第二の透明基板へと積層され得る。トップエミッティングOLEDも可能であり、ここでは、アルミニウムまたは他の金属基板が、ITO層、正孔注入層、正孔輸送層、エレクトロルミネセンス層、電子輸送層、電子注入層、およびITOまたは他の透明陰極を担持し、光は、陰極を通って放出される。更なる可能性は、インバーテッドOLEDであり、ここでは、アルミニウムまたは低い仕事関数の金属と合金にしたアルミニウムの陰極が、電子注入層、電子輸送層、エレクトロルミネセンス層、正孔輸送層、正孔注入層、およびITOまたは他の透明導電性陽極を連続的に担持し、発光は陽極を通ってなされる。所望の場合、正孔ブロッキング層が、たとえばエレクトロルミネセンス層と電子輸送層との間に挿入されていてもよい。本発明のOLEDは、小分子OLED、ポリマー発光ダイオード (p-OLED)、蛍光により発光するOLED、燐光により発光するOLED (PHOLED)、およびイオン蛍光(希土類錯体)により発光するOLEDを含み、シングルカラーまたはマルチカラーのアクティブまたはパッシブマトリクスディスプレイを含む。
【0017】
OLEDは、アクティブマトリクスタイプまたはパッシブマトリクスタイプの何れでもよい。周知のとおり、アクティブマトリクスデバイスにおいて、各ピクセルは、当該ピクセルと結び付いた一または複数のトランジスターによりコントロールされる。代表的なアクティブマトリクスOLEDアレイは、US-A-5929474 (Huang, Motorola) に記載され、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。この明細書は、以下のものを含むアクティブマトリクス有機発光デバイスアレイを記載する:
(a)その上に規定されたアレイ領域を有する半導体基板;
(b)複数の電界効果トランジスターであって、それぞれが、半導体基板上のアレイ領域に列(row)および行(column)をなして形成された第一および第二の導電ターミナルおよび制御ターミナルを含み、行のそれぞれが、当該行における各電界効果トランジスターの第一の導電ターミナルに連結された行のバスを含み、列のそれぞれが、当該カラムにおける各電界効果トランジスターの制御ターミナルに連結された列のバスを含むもの;
(c)アレイ領域における複数の電界効果トランジスター上に配置され、実質的に平坦な表面を規定する絶縁材料の平坦化層;
(d)アレイ領域における平坦化層の平坦な表面上に列および行をなして形成された複数の導体パッドであって、複数の導体パッドの各導体パッドが、複数の電界効果トランジスターの一つの電界効果トランジスターと結合し、結合した電界効果トランジスターの第二の導電ターミナルに、平坦層を介して形成されたコンダクターにより連結しているもの;
(e)アレイ領域における導体パッド上に重なる関係で連続的に形成された有機材料の複数の層であって、各導体パッド上の有機発光デバイスを、上に重なる有機発光デバイスの第一ターミナルとして機能する各導体パッドにより規定するもの;および
(f)アレイ領域における有機材料の層の上に重なる関係で配置された電気および光の伝導材料であって、有機発光デバイスの共通の第二ターミナルとして機能するもの。
【0018】
アクティブマトリクスデバイスを説明する更なる参考文献は、EP-A-0717446 (Tang et al., Kodak) およびWO 99/65012 (Knapp et al., Philips) であり、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。アクティブまたはパッシブマトリクス駆動の選択は、電極材料の選択に影響を及ぼし得るが、基本的に、電極の間の層の材料選択に影響を及ぼす必要はない。
【0019】
陽極
多くの態様において、陽極は、ガラスまたは他の透明基板上に被覆された錫酸化物またはインジウム錫酸化物の層により形成される。使用され得る他の材料は、アンチモン錫酸化物およびインジウム亜鉛酸化物を含む。所望の場合、たとえばITO表面を酸素プラズマで引き続き処理することにより、改変された陽極が作成され、その後、プラズマ処理チャンバーにおいてCHF3ガスを分解して1 nmの厚みのCFx層を蒸着することにより、改変された陽極として調整され得る。アクティブマトリクスの態様において、陽極は、高い仕事関数の金属または合金、たとえば金またはプラチナであっても、結晶、多結晶、連続粒子またはアモルファスシリコンであってもよく、これは、p−ドープされてもよい。
【0020】
正孔注入材料
単一の層が、陽極とエレクトロルミネセンス材料との間に設けられてもよいが、多くの態様では、少なくとも二つの層が存在し、その一つは、正孔注入層(バッファー層)であり、もう一つは、正孔輸送層であり、二つの層構造は、幾つかの態様では、改善された安定性およびデバイス寿命を与える(US-A-4720432 (VanSlyke et al., Kodak)参照)。正孔注入層は、後に続く有機層のフィルム形成特性を改善し、正孔輸送層への正孔の注入を容易にすることに役立ち得る。
【0021】
材料およびセルのタイプに依存して、たとえば0.1〜200 nmの厚さであり得る正孔注入層のための適切な材料は、正孔注入ポルフィリン化合物(US-A-4356429 (Tang, Eastman Kodak)参照)、たとえば、亜鉛フタロシアニン銅フタロシアニンおよびZnTpTPを含み、その式は以下に示される。
【化3】

【0022】
特に良好なデバイス効率、ターン/オン電圧および/または寿命は、正孔注入層がZnTpTPである場合に得られ得る。使用され得る更なる材料は、以下の構造のヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(CHATP)である。
【化4】

【0023】
正孔注入層は、フルオロカーボンガスのプラズマ重合により形成されるフルオロカーボン系電導性ポリマー(US-A-6208075 (Hung et al; Eastman Kodak)参照)、トリアリールアミンポリマー(EP-A-0891121 (Inoue et al., TDK Corporation)参照)、またはフェニレンジアミン誘導体(EP-A-1029909 (Kawamura et al., Idemitsu)参照)、またはUS-A-6436559 (Ueno, Canon) および 6720573 (Se-Hwan, LG Chemical Co., Ltd.) に記載される材料であってもよい。また、溶解処理が可能な正孔注入ポリマー、たとえばPEDOT/PSS (ポリ(スチレンスルホネート)でドープされたポリ-3,4-エチレンジオキシチオフェン、またはPEDOTのブロック共重合体およびフレキシブルポリマー、たとえばポリエーテル、ポリシロキサン、ポリエステル、またはポリアクリレートであってもよい。かかる材料を適用する方法は、薄い正孔注入層が望ましい場合、たとえば比較的薄い溶液の溶解処理方法、たとえばスピンコーティング、マスクを通したプリンティングおよびインクジェットプリンティングを含む。また、正孔注入材料は、US 2008/0102311 A1に記載される芳香族アミン、たとえばN,N’-ジフェニル-N,N’-ジ(3-トリル)ベンジジン(= 4,4’-ビス[N-3-メチルフェニル]-N-フェニルアミノ)ビフェニル, NPD) (US 5061569)、N,N’-ビス(N,N’-ジフェニル-4-アミノフェニル)-N,N-ジフェニル-4,4’-ジアミノ-1,1’-ビフェニル (TPD 232)、および4,4’,4”-トリス[3-メチルフェニル)フェニルアミノ]-トリフェニルアミン (MTDATA) (JP Heisei 4 (1992) 308688)、またはUS 7399537 B2 (HIL 1)、US 2006/0061265 A1、EP 1661888 B1 (HIL2)、およびJP 08292586 A (HIL 3)に記載される芳香族アミンであってもよい。
【化5】

【0024】
正孔輸送層
使用され得る正孔輸送層は、幾つかの態様において、好ましくは20〜200nmの厚さを有する。
【0025】
正孔輸送材料の一つのクラスは、溶解処理方法、たとえばスピンコーティングまたはインクジェットプリンティングにより層として蒸着され得るポリマー材料を含む。このようなポリマー正孔輸送材料は、ポリ(N-ビニルカルバゾール)(PVK)、ポリチオフェン、ポリピロール、およびポリアニリンを含む。他の正孔輸送材料は、共役ポリマー、たとえばポリ(p-フェニレンビニレン)(PPV)、およびPPVを含む共重合体である。他の好ましいポリマーは、ポリ(2,5-ジアルコキシフェニレンビニレン)、たとえばポリ(2-メトキシ-5-(2-メトキシペンチルオキシ-1,4-フェニレンビニレン)、ポリ(2-メトキシペンチルオキシ)-1,4-フェニレンビニレン)、ポリ(2-メトキシ-5-(2-ドデシルオキシ-1,4-フェニレンビニレン)、およびアルコキシ基の少なくとも一つが長鎖可溶性アルコキシ基である他のポリ(2,5-ジアルコキシフェニレンビニレン);ポリフルオレンおよびオリゴフルオレン;ポリフェニレンおよびオリゴフェニレン;ポリアントラセンおよびオリゴアントラセン;並びにポリチオフェンおよびオリゴチオフェンである。
【0026】
正孔輸送材料の更なるクラスは、昇華可能な小分子を含む。たとえば、芳香族第三級アミンは、好ましい正孔輸送材料のクラス、たとえば、少なくとも二つの芳香族第三級アミン部分を有する芳香族第三級アミン(たとえば、ビフェニルジアミン系のもの、または「スターバースト」立体配置のもの)を提供する。
【0027】
たとえば、芳香族アミンは、以下の一般式(i)〜(xii)のものが使用され得る。
【化6】

【化7】

【化8】

【0028】
ここで
(i)〜(xii)の式の何れかにおいてR基は、同一であっても異なっていてもよく、水素;置換および無置換の脂肪族基;置換および無置換の芳香族、ヘテロ環式および多環式の環構造;ハロゲン;およびチオフェニル基から選択され;
ここで
式(i)において、メチル基は、C1〜C4アルキルまたは単環式または多環式アリールまたはヘテロアリールに置き換わってもよく、これは、たとえばアルキル、アリールまたはアリールアミノで更に置換されていてもよい。
【0029】
更なる正孔輸送材料は、以下のものを含む。
【化9】

【0030】
ここで
R1〜R4基は、上記式の一方に現れる場合、同一であっても異なっていてもよく、水素;置換および無置換の脂肪族基;置換および無置換の芳香族、ヘテロ環式および多環式の環構造;ハロゲン;およびチオフェニル基から選択される。
【0031】
特に好ましい正孔輸送材料は、少なくとも二つの芳香族第三級アミン部分を含む芳香族第三級アミン(たとえば、ビフェニルジアミン系のもの、または「スターバースト」立体配置のもの)であり、以下のものが代表的である。
【化10】

【化11】

【0032】
更に可能な材料は、4,4’,4”-トリス(カルバゾリル)-トリフェニルアミン (TCTA) であり、これは、α-NPBより広いバンドギャップを備えた正孔輸送材料であり、幾つかの態様において、発光層に励起を限定するのを助けることができる。
【0033】
それは、更に、芳香族アミンであるスピロ結合分子、たとえば、スピロ-TAD(2,2’,7,7’-テトラキス-(ジフェニルアミノ)-スピロ-9,9’-ビフルオレンン)を含む:
小分子正孔輸送材料の更なるクラスは、WO 2006/061594 (Kathirgamanathan et al)に開示されており、ジアミノジアントラセン系である。かかる化合物は、以下のものを含む。
【0034】
9-(10-(N-(ナフタレン-1-イル)-N-フェニルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-(ナフタレン-1-イル)-N-フェニルアントラセン-10-アミン;
9-(10-(N-(ビフェニル-N-2-m-トリルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-ビフェニル-N-2-m-トリルアミノ-アントラセン-10-アミン;および
9-(10-(N-(フェニル-N-m-トリルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-フェニル-N-m-トリルアントラセン-10-アミン。
【0035】
正孔輸送層は、たとえばアクセプタータイプの有機分子、たとえばテトラフルオロテトラシアノキノジメタン(F4-TCNQ)でp-ドープされていてもよく、たとえばF4-TCNQでドープされたスターバースト m-MTDATAであり得る。
【0036】
エレクトロルミネセンス材料
原則として、任意のエレクトロルミネセンス材料が使用されてよく、蛍光染料、たとえば、ペリレン染料、金属錯体、たとえば、Alq3、いわゆるAlq2Lタイプの「ブルー」アルミニウムキノレート(ここでqはキノレートを表し、Lはモノアニオンアリールオキシリガンド、たとえばビス(2-メチル-8-キノリノラート)(4-フェニル-フェノラートAl(III)))、Ir(III)L3、希土類キレート、たとえば、Tb(III)錯体、デンドリマーおよびオリゴマー、たとえば、セクシチオフェン、またはポリマー発光材料であり得る分子固体を含む。エレクトロルミネセンス層は、ルミネセンス材料として、金属キノレート、イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、パラジウムまたはプラチナ錯体、ホウ素錯体またはは希土類錯体を含んでいてもよい。
【0037】
エレクトロルミネセンス材料の一つの好ましいクラスは、蛍光性、燐光性またはイオン燐光性(希土類)であり得る一または複数の染料または錯体でドープされたホスト材料を含む。「エレクトロルミネセンスデバイス」の用語は、電子燐光性デバイスを含む。
【0038】
好ましくは、ホストは、ドーパントとして微量の、好ましくはドープ混合物の0.01〜25重量%の量の蛍光または燐光材料でドープされる。その内容が参照により含まれるUS-A-4769292 (Tang et al., Kodak)で検討されたとおり、蛍光または燐光材料の存在は、広範囲な幅の発光波長からの選択を許容する。特に、US-A-4769292に開示されるとおり、正孔-電子再結合に応答して発光することができる微量の蛍光材料を有機金属錯体と混合することにより、ルミネセンスゾーンから放出された光の色合いを改変することができる。理論的には、ホスト材料および蛍光材料が、正孔-電子再結合のための正確に同じ親和性を有する混合で見出され得る場合、各材料は、ルミネセンスゾーンでの正孔と電子の注入により発光するはずである。知覚される発光の色合いは、両発光の視覚的統合であるだろう。しかしながら、ホスト材料と蛍光材料のこのようなバランスを課すことは、限定的であるため、発光のために有利なサイトを提供するように、蛍光材料を選択することが好ましい。発光のために有利なサイトを提供する蛍光材料のほんの少量が存在するときには、ホスト材料に典型的なピーク強度波長発光は、蛍光材料に起因しうる新たなピーク強度波長発光に有利なように、完全に排除することができる。
【0039】
この効果を達成するのに十分な蛍光または燐光材料の最小割合は変動するが、ホスト材料を基準にして約10モル%を超える蛍光または燐光材料を使用する必要はなく、1モル%を超える蛍光または燐光材料を使用する必要はほとんどない。一方、存在する蛍光または燐光材料を極端に少量に、幾つかの態様ではホスト材料を基準にして10-3モルパーセント未満に制限することは、ホスト材料に特有な波長での発光を保持するという結果につながり得る。したがって、発光のために有利なサイトを提供することのできる蛍光または燐光材料の割合を選択することにより、発光波長の完全なまたは部分的なシフトを実現することができる。これにより、ELデバイスのスペクトル発光は、使用される用途に適合するように選択され、バランスをとることが可能になる。蛍光染料の場合、幾つかの態様において量は、0.01〜5 wt%、たとえば2〜3 wt%である。燐光染料の場合、幾つかの態様において量は、0.1〜15 wt%である。イオン燐光材料の場合、幾つかの態様において量は、0.01〜25 wt%または100 wt%までである。
【0040】
発光のために有利なサイトを提供することができる蛍光材料を選択することは、必然的に蛍光材料の特性をホスト材料の特性に関連付けることを含む。ホストは、発光のための分子サイトを提供する蛍光材料とともに、注入された正孔と電子のための集電体とみなすことができる。ホストに存在するときに、発光の色合いを改変することができる蛍光材料を選択するための一つの重要な関係は、二つの材料の還元ポテンシャルの比較である。発光波長をシフトすることが実証された蛍光材料は、ホストよりも低い負の還元ポテンシャルを示した。電子ボルトで測定された還元ポテンシャルは、それらの測定のための種々な技術とともに広く文献で報告されている。望まれるのは、その絶対値よりもむしろ還元ポテンシャルの比較であるから、蛍光およびホストの両方の還元ポテンシャルが同様に測定されるならば、還元ポテンシャル測定のための任意の容認されている技術を使用できることは明らかである。好ましい酸化還元ポテンシャル測定技術は、R. J. Cox, Photographic Sensitivity, Academic Press, 1973, Chapter 15に報告されている。
【0041】
ホストに存在するときに、発光の色合いを改変することができる蛍光材料を選択するための第二の重要な関係は、二つの材料のバンドギャップポテンシャルの比較である。発光波長をシフトすることが実証された蛍光材料は、ホストよりも低いバンドギャップポテンシャルを示した。分子のバンドギャップポテンシャルは、その基底状態と第一の一重項状態とを隔てる電子ボルト(eV)のポテンシャル差とみなされる。バンドギャップポテンシャルおよびそれらの測定のための技術は、広く文献で報告されている。ここで報告されるバンドギャップポテンシャルは、吸収ピークに対して深色性で、吸収ピークの大きさの10分の1の大きさである吸収波長において、電子ボルト(eV)で測定されたものである。望まれるのは、その絶対値よりもむしろバンドギャップポテンシャルの比較であるから、蛍光およびホストのバンドギャップの両方が同様に測定されるならば、バンドギャップ測定のための任意の容認されている技術を使用できることは明らかである。一つの実例的測定技術は、F. Gutman and L. E. Lyons, Organic Semiconductors, Wiley, 1967, Chapter 5に開示されている。
【0042】
蛍光材料がなくともそれ自体発光することができるホスト材料により、ホスト単独に特有の発光波長での発光の抑制、および蛍光材料に特有の波長での発光の増強が、ホストと蛍光材料のスペクトルカップリングが達成されたときに生じることが観察された。「スペクトルカップリング」によって、ホスト単独に特有の発光波長とホストがないときの蛍光材料の光の吸収波長との間に重複が存在することが意味される。最適なスペクトルカップリングは、ホストの発光波長が、蛍光材料単独の最大吸収の±25nm以内であるときに生じる。実際に、有利なスペクトルカップリングは、ピークの幅とそれらの浅色および深色勾配に依存して、100nmまたはそれ以上までの異なるピーク発光および吸収波長で起こり得る。ホストと蛍光材料との間で最適とはいえないスペクトルカップリングが考えられるところでは、深色性は、蛍光材料の浅色変位と比べると、より効率的な結果を生み出す。
【0043】
有効な蛍光材料は、ホストと混合され、本発明のELデバイスのルミネセンスゾーンを形成する上記の厚さ範囲を満足する薄膜に製造され得るものである。結晶性有機金属錯体は、それ自体薄膜形成に向いていないが、ホストに存在する限定された量の蛍光材料は、単独で薄膜を形成することができない蛍光材料の使用を許容する。好ましい蛍光材料は、ホストと共通の相を形成するものである。蛍光染料は、染料がホストでの分子レベルの分配に向いていることから、蛍光材料の好ましいクラスを構成する。ホストで蛍光染料を分散させるための任意の簡便な技術を使用することができるが、好ましい蛍光染料は、ホスト材料とともに真空蒸着することができるものである。
【0044】
ホスト材料の一つのクラスは、特許出願WO 2004/058913に開示されるとおり、金属錯体、たとえば金属キノレート、たとえばリチウムキノレート、アルミニウムキノレート、チタンキノレート、ジルコニウムキノレートまたはハフニウムキノレートを含み、これらは、蛍光材料または染料でドープされていてもよい。
【0045】
キノレート、たとえばアルミニウムキノレートまたは“ブルー”キノレートを含むホストの場合、たとえば、J.C. Deaton et al., Inorg. Chim. Acta (2007), doi:10.1016/j.ica.2007.07.008が参照され、この内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0046】
(a)以下の化合物は、たとえば、赤色ドーパントとして機能し得る:
【化12】

【0047】
(b)以下の化合物は、たとえば、緑色ドーパントとして機能し得る:
【化13】

【0048】
ここで
Rは、C1-C4アルキル、単環状アリール、二環状アリール、単環状ヘテロアリール、二環状ヘテロアリール、アラルキルまたはチエニルであり、好ましくはフェニルである;および
(c)ビフェニルオキシアルミニウムビス-キノレート(BAlQ2)またはアルミニウムキノレートのためには、化合物ぺリレンおよび9-(10-(N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアントラセン-10-アミンが、青色ドーパントとして機能する。
【0049】
ホストの別の好ましいクラスは、置換基、たとえばアルキル(特にメチル)、アルコキシおよびフッ素を有していてもよく、蛍光材料または染料でドープされていてもよい、たとえば4〜10個のアリールまたはヘテロアリール環を備えた共役芳香族系を組み込んだ小分子である。
【0050】
上記種類の系の例は、ホストとしての以下の化合物(化合物H)
【化14】

【0051】
およびドーパントとしてのペリレンまたは9-(10-(N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアミノ)アントラセン-9-イル)-N-(ナフタレン-8-イル)-N-フェニルアントラセン-10-アミンに基づく青色発光材料である。
【0052】
小芳香族分子であるホスト材料の更なる例は、以下に示される:
【化15】

【0053】
上記説明したとおりの、2,9-ビス(2-チオフェン-2-イル-ビニル)-[1,10]フェナントロリンは、ホストとしてエレクトロルミネセンス層に使用されてもよいし、或いはそれ自体で存在していてもよい。
【0054】
青色発光材料は、有機ホスト(たとえば、上記示したとおりの共役芳香族化合物)およびドーパントとしてのWO 2006/090098 (Kathirgamanathan et al.)に開示されるジアリールアミンアントラセン化合物を基礎とし得る。たとえば、CBPは、青色発光置換アントラセン、とりわけ
9,10-ビス-(4-メチルベンジル)-アントラセン、
9,10-ビス-(2,4-ジメチルベンジル)-アントラセン、
9,10-ビス-(2,5-ジメチルベンジル)-アントラセン、
1,4-ビス-(2,3,5,6-テトラメチルベンジル)-アントラセン、
9,10-ビス-(4-メトキシベンジル)-アントラセン、
9,10-ビス-(9H-フルオレン-9-イル)-アントラセン
2,6-ジ-t-ブチルアントラセン、
2,6-ジ-t-ブチル-9.10-ビス-(2,5-ジメチルベンジル)-アントラセン、
2,6-ジ-t-ブチル-9.10-ビス-(ナフタレン-1-イルメチル)-アントラセン
でドープされていてもよい。
【0055】
更なる青色発光材料は、ホストとしてTCTAを使用してもよく、以下に提示される青色燐光材料でドープされていてもよい(WO 2005/080526 (Kathirgamanathan et al.)参照):
青色燐光材料
【化16】

【化17】

【0056】
CBPまたはTAZとともに使用され得る緑色燐光材料の例は、以下に提示される(WO 2005/080526参照):
緑色燐光材料
【化18】

【0057】
CBPまたはTAZとともに使用され得る赤色燐光材料の例は、以下に提示される(WO 2005/080526参照):
赤色燐光材料
【化19】

【0058】
更なるドーパントとして、蛍光レーザー染料は、本発明の有機ELデバイスでの使用のための特に有効な蛍光材料であると認識されている。使用することができるドーパントは、ジフェニルアクリジン、クマリン、ペリレンおよびそれらの誘導体を含む。有効な蛍光ドーパントは、US 4769292に開示されている。好ましいドーパントの一つのクラスは、クマリンである。以下のものは、レーザー染料として有効であることが知られた例示的な蛍光クマリン染料である:
FD-1 7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン、
FD-2 4,6-ジメチル-7-エチルアミノクマリン、
FD-3 4-メチルウンベリフェロン、
FD-4 3-(2’-ベンゾチアゾリル)-7-ジエチルアミノクマリン、
FD-5 3-(2’-ベンズイミダゾリル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、
FD-6 7-アミノ-3-フェニルクマリン、
FD-7 3-(2’-N-メチルベンズイミダゾリル)-7-N,N-ジエチルアミノクマリン、
FD-8 7-ジエチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、
FD-9 2,3,5,6-1H,4H-テトラヒドロ-8-メチルキノラジノ[9,9a,1-gh]クマリン、
FD-10 シクロペンタ[c]ジュロリンジノ(julolindino)[9,10-3]-11H-ピラン-11-オン、
FD-11 7-アミノ-4-メチルクマリン、
FD-12 7-ジメチルアミノシクロペンタ[c]クマリン、
FD-13 7-アミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、
FD-14 7-ジメチルアミノ-4-トリフルオロメチルクマリン、
FD-15 1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ-8-トリフルオロメチル[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジン-10-オン、
FD-16 4-メチル-7-(スルホメチルアミノ)クマリンナトリウム塩、
FD-17 7-エチルアミノ-6-メチル-4-トリフルオロメチルクマリン、
FD-18 7-ジメチルアミノ-4-メチルクマリン、
FD-19 1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ-カルベトキシ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、
FD-20 9-アセチル-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、
FD-21 9-シアノ-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、
FD-22 9-(t-ブトキシカルボニル)-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、
FD-23 4-メチルピペリジノ[3,2-g]クマリン、
FD-24 4-トリフルオロメチルピペリジノ[3,2-g]クマリン、
FD-25 9-カルボキシ-1,2,4,5,3H,6H,10H-テトラヒドロ[1]ベンゾピラノ[9,9a,1-gh]キノリジノ-10-オン、
FD-26 N-エチル-4-トリフルオロメチルピペリジノ[3,2-g]。
【0059】
他のドーパントは、ビスベンゼンスルホン酸の塩(昇華よりもむしろスピンコーティングによる蒸着を必要とする)、たとえば
【化20】

【0060】
およびペリレンおよびペリレン誘導体およびドーパントを含む。他のドーパントは、染料、たとえば蛍光4-ジシアノメチレン-4H-ピランおよび4-ジシアノメチレン-4H-チオピラン、たとえば蛍光ジシアノメチレンピランおよびチオピラン染料である。有効な蛍光染料は、公知のポリメチン染料の中から選択することもでき、これは、シアニン、錯体シアニンおよびメロシアニン(すなわち、三-、四-および多-核シアニンおよびメロシアニン)、オキソノール、ヘミオキソノール、スチリル、メロスチリル、およびストレプトシアニンを含む。シアニン染料は、メチン結合により結合され、2個の塩基性ヘテロ環核、たとえばアゾリウムまたはアジニウム核、たとえば、ピリジニウム、キノリニウム、イソキノリニウム、オキサゾリウム、チアゾリウム、セレナゾリウム、インダゾリウム、ピラゾリウム、ピロリウム、インドリウム、3H-インドリウム、イミダゾリウム、オキサジアゾリウム、チアジオキサゾリウム、ベンゾオキサゾリウム、ベンゾチアゾリウム、ベンゾセレナゾリウム、ベンゾテルラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、3H-または1H-ベンゾインドリウム、ナフトキサゾリウム、ナフタチアゾリウム、ナフトセレナゾリウム、ナフトテルラゾリウム、カルバゾリウム、ピロロピリジニウム、フェナントロチアゾリウム、およびアセナフトチアゾリウム四級塩から誘導されるものを含む。他の有効な蛍光染料のクラスは、4-オキソ-4H-ベンズ-[d,e]アントラセンおよびピリリウム、チアピリリウム、セレナピリリウム、およびテルロピリリウム染料である。
【0061】
更なる青色発光材料は、以下の特許、出願および公報に開示されており、その内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0062】
US-A-5141671 (Bryan, Kodak) − フェノレート配位子と2個の8-キノリノレート配位子を含むアルミニウムキレート。
【0063】
WO 00/32717 (Kathirgamanathan) − 真空蒸着可能であるリチウムキノレート、および他の置換リチウムキノレートであって、置換基は、2、3、4、5、6および7位において同一であっても異なっていてもよく、アルキル、アルコキシ、アリール、アリールオキシ、スルホン酸、エステル、カルボン酸、アミノおよびアミド基から選択されるか、または、芳香族、ポリ環状またはヘテロ環状基である。
【0064】
US 2006/0003089 (Kathirgamanathan) − リチウムアルキルまたはアルコキシドと8-ヒドロキシキノリン基とをアセトニトリル中で反応させることにより製造されるリチウムキノレート。
【0065】
Misra A. et al U.R.S.I. GA 2005,“Synthesis and characterisation of blue organic electroluminescent bis (2-methyl 8-quinolinolato) (triphenyl Siloxy) aluminium for OLEDs applications”;以下のウェブサイトを参照:http://www.ursi.org/Proceedings/ProcGA05/pdf/D04.5(01720).pdf − 青色有機エレクトロルミネセンス材料、1 x 10-5 Torrで真空蒸着可能なビス-(2-メチル8-キノリノラート)(トリフェニルシロキシ)アルミニウム(III)。
【0066】
WO 03/006573 (Kathirgamanathan et al) − 金属ピラゾロン。
【0067】
WO 2004/084325 (Kathirgamanathan et al) − ホウ素錯体。
【0068】
WO 2005/080526 (Kathitgamanathan et al) − 青色燐光イリジウム系錯体。
【0069】
Ma et al., Chem. Comm. 1998, 2491-2492 架橋配位子として7-アザインドレートを有する四核亜鉛(II)化合物[Zn4O(AlD)6]の調製および結晶構造。とりわけ、薄い均質なフィルムを形成するためにインジウム-錫酸化物で被覆されたガラス基板上へのこの化合物の真空蒸着(<200℃、2×10-6 Torr)による単層LEDの製造が、報告されている。
【0070】
使用することができる更なるエレクトロルミネセンス材料は、金属キノレート、たとえばアルミニウムキノレート、リチウムキノレート、チタンキノレート、ジルコニウムキノレート、ハフニウムキノレートなどを含む。使用され得る多くの更なるエレクトロルミネセンス材料は、WO 2004/050793 (ピラゾロン)、WO 2004/058783 (ジイリジウム金属錯体)、WO 2006/016193 (ジベンゾチオフェニル金属錯体)およびWO 2006/024878 (チアントレン金属錯体)に開示されており、その内容が参照により本明細書に組み込まれるWO 2006/ 040593も参照されたい。希土類キレートは、特に、緑色および赤色エミッターとして使用され得る。更に、以下に示されるとおりの電導性ポリマー、たとえばフェニレンビニレンポリマー、フルオレンホモポリマーおよびコポリマー、フェニレンポリマーが、エレクトロルミネセンス材料として使用され得る。
【0071】
電導性ポリマー
【化21】

【0072】
混合ホスト材料も文献に開示されており、本発明のOLEDデバイスに使用され得る。種々の参照文献は、更に特性を改良する目的で、OLEDのための添加剤および混合ホストを開示する。Jarikov et al., J. Appl. Phys., 100, 014901 (2006) は、LEL添加剤として、平坦で硬い多環式芳香族炭化水素 (PAHs)、たとえばペリレンを開示する。Jarikov et al.は、J. Appl. Phys., 100, pp. 094907-094907-7 (2006) で、有機発光ダイオード(OLEDs)における発光層(LEL)添加剤としてのペリレン誘導体を更に報告する。これら分子は、LELに添加されたときに、容易に発光(emissive)凝集物を形成する。これら多環式芳香族炭化水素の添加は、たとえばAlq3+ジベンゾ[b,k]ペリレン混合ホストにおいて、ドープおよび非ドープOLEDsの半減期 (t50) を30〜150倍増大させる。この著者は、J. Appl. Phys., 102, 104908 (2007)で、有機発光ダイオード(OLEDs)における寿命延長発光層 (LEL) 添加剤および改良された電子注入および輸送の相乗効果を更に報告する。ジ-(2-ナフチル)ペリレン (DNP) は、OLEDsの動作寿命を二桁を超える程度に延長するLEL添加剤としての役割を果たす。この著者は、電子輸送層(ETL)として2-フェニル-9,10-ジ(2-ナフチル)アントラセン(PADN)を用い、電子注入層(EIL)として別個の層の4,7-ジフェニル-1,10-フェナントロリン(BPhen)を用いると、トリス(8-キノリノレート)アルミニウム (Alq) からつくられた従来のETLと比べて、電荷再結合ゾーンへの電子デリバリーが有意に改良されると主張した。その開示が参照により本明細書に組み込まれるUS-A-7175922 (Jarikov et al) も参照されたい。J.C. Deaton et al (同上) は、共同ホストとして“青色”アルミニウムキノレートを備えたα-NPBホストおよびイリジウムドーパントを開示する。非常に優れた収率は、燐光デバイス用の低濃度のドーパントを用いて得られ、混合ホストデバイスは、電力効率を増大させることが見出された。その説明は、エネルギーバリアの減少であり、5.40 eVのイオン化ポテンシャルを有する正孔輸送NPBを、6.02 eVの高いイオン化ポテンシャルを有する電子輸送“青色”アルミニウムキノレートに混合することにより、発光層に正孔を注入すると仮説をたてた。
【0073】
US-A-6392250 (Aziz et al、その開示は参照により本明細書に組み込まれる) は、正孔輸送材料、たとえば芳香族第三級アミン、電子輸送材料、たとえばキノレート、およびドーパント材料の混合物を含む混合領域を含む有機発光デバイスを開示する。たとえば、N,N’-ジ-1-ナフチル-N,N’-ジフェニル-1,1’-ビフェニル-1,1’-ビフェニル-4,4’-ジアミン (NPB)、およびトリス(8-ヒドロキシキノリン)アルミニウム (Alq3) は、それぞれ正孔輸送材料および電子輸送材料として使用され得、N,N’-ジメチルキナクリドン (DMQ)、5,6,11,12-テトラフェニルナフタセン (Rubrene)、およびナイルレッドNile-red dye (Aldrich Chemicals of Milwaukee, Wis.から入手可能) は、ドーパントとして使用され得る。
【0074】
また、US 2002/0074935 (Kwong et al) は、ドーパントとしてのPtOEPまたはビス(ベンゾチエニル-pyridinato-NΛC)イリジウム(III)(アセチルアセトネート)およびホスト材料としての等比率のNPBおよびAlqを含有する発光層を備えたデバイスを開示する。混合ホストエレクトロルミネセンス混合層は、ヘテロ構造デバイスのヘテロ接合境界面に通常存在する電荷の蓄積を実質的に低減する役割を果たし、これにより有機材料の分解を低減し、デバイスの安定性および効率を向上させると説明される。
【0075】
US 2004/0155238 (Thompson et al.) において、OLEDデバイスの発光層は、大きなバンドギャップの不活性ホストマトリクスを、電荷担持材料および燐光エミッターとともに含有する。電荷担持化合物は、正孔または電子を輸送することができ、電荷担持材料および燐光エミッターが反対極性の電荷を輸送するように選択される。
【0076】
M. Furugori et al.は、US 2003/0141809において、ホスト材料が発光層で別の正孔または電子輸送材料と混合された燐光デバイスを開示する。この文献は、複数のホスト化合物を利用するデバイスが、所定の電圧で、より高い電流およびより高い効率を示すことを開示する。
【0077】
T. Igarashi et al.は、WO 2004/062324において、少なくとも一つの電子輸送化合物、少なくとも一つの正孔輸送化合物、および燐光ドーパントを含有する発光層を備えた燐光デバイスを開示する。
【0078】
WO 2006/076092 (Kondakova et al.、その内容は参照により本明細書に組み込まれる) は、陰極、陽極、およびそれらの間に位置する発光層(LEL)を含むOLEDデバイスであって、発光層が、少なくとも一つの正孔輸送共同ホスト、たとえば芳香族第三級アミン、たとえば4,4’-ビス[N-(l-ナフチル)-N-フェニルアミノ]ビフェニル (NPB)、4,4’-ビス[N-(l-ナフチル)-N-(2-ナフチル)アミノ]ビフェニル(TNB)、4,4’-ビス[N-(3-メチルフェニル)-N-フェニルアミノ-]ビフェニル(TPD)、4,4’-ビス-ジフェニルアミノ-テルフェニルまたは2,6,2’,6’-テトラメチル-N,N,N’,N’-テトラフェニル-ベンジジン、および少なくとも一つの電子輸送共同ホスト、たとえば置換された1,2,4-トリアゾール、たとえば3-フェニル-4-(l-ナフチル)-5-フェニル-l,2,4-トリアゾールまたは置換された1,3,5-トリアジン、たとえば2,4,6-トリス(ジフェニルアミノ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリカルバゾロ-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(N-フェニル-2-ナフチルアミノ)-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリス(N-フェニル-1-ナフチルアミノ)-1,3,5-トリアジン、および4,4’,6,6’-テトラフェニル-2,2’-ビ-1,3,5-トリアジンを、燐光エミッターと一緒に含み、共同ホスト材料のそれぞれのトリプレットエネルギーが、燐光エミッターのトリプレットエネルギーより大きく、更に、陽極側で発光層に隣接した2.5 eV以上のトリプレットエネルギーを備えた正孔輸送材料を含む励起ブロッキング層を含有し、これが、置換されたトリアリールアミン、たとえば4,4’,4”-トリス[(3-メチルフェニル)フェニルアミノ]トリフェニルアミン(MTDATA)、4,4’,4”-トリス(N,N-ジフェニル-アミノ)トリフェニルアミン(TDATA)、N,N-ビス[2,5-ジメチル-4-[(3-メチルフェニル)-フェニルアミノ]フェニル]-2,5-ジメチル-N'-(3-メチルフェニル)-N’-フェニル-l,4-ベンゼンジアミンであり得る、OLEDデバイスを開示する。このデバイスは、改良された効率および低下した駆動電圧を示すと考えられる。
【0079】
US-A-7045952 (Lu, Universal Display Corporation) は、陽極と陰極の間に配置され、陽極と陰極に電気的に接続された発光領域を含む有機発光デバイスであって、発光領域が、(i)第一のホスト材料を含む第一の単一ホスト発光層;および(ii)第一の単一ホスト発光層と直接接触している混合ホスト発光層を含み、混合ホスト発光層が、第一のホスト材料および第二のホスト材料を含み、第一の単一ホスト発光層および混合ホスト発光層が、それぞれ燐光発光材料を更に含む有機発光デバイスを開示する。
電子輸送材料
本発明の化合物は、電子輸送層の完全性(totality)であってもよいし、実質的に完全性であってもよい。本発明の化合物は、上述の化合物を含む同時蒸着材料の混合物の構成要素であってもよい。この層は、たとえば蛍光または燐光染料またはイオン蛍光材料で、たとえばエレクトロルミネセンス層に対して上述のとおり、たとえばドープされる混合物の重量に基づいて0.01〜25 wt%の量で、ドープされ得る。他のドーパントは、低い電圧で高い輝度を提供することができる金属を含む。付加的または択一的に、上述の化合物は、別の電子輸送層と混合して使用され得る。かかる材料は、三価または五価の状態で金属の錯体を含んでいてもよく、これは、更に電子の移動度を増大させ、これにより電気伝導度を増大させる。上述の化合物は、周期表のグループ1、2、3、13または14の金属のキノレート、たとえばリチウムキノレートまたは亜鉛キノレートと混合されていてもよい。付加的に、電子輸送材料は、たとえばドナータイプの有機分子で、n-ドープされていてもよい。好ましくは、上述の化合物は、電子輸送層の少なくとも30 wt%、より好ましくは少なくとも50 wt%を含む。
【0080】
電子注入材料
上記一般式の以下の電子注入材料を調製した。調製の詳細については、実施例を参照されたい。
【表A−1】

【表A−2】

【表A−3】

【表A−4】

【表A−5】

【0081】
任意の公知の電子注入材料が使用されてもよく、LiFが典型的である。他に可能なものは、BaF2、CaF2およびCsF2を含む。電子注入材料の更なるクラスは、電子注入特性を備えた、昇華可能またはコーティング可能、たとえばスピンコーティング可能な小分子を含む。小分子電子注入材料の層の態様は、約0.3〜2 nmの厚みであり、幾つかの特定の態様では、約0.3 nmの厚みであり、他の態様では、約0.5〜1 nmの厚みであり、好ましくは、マグネシウム3.7 eV未満の仕事関数を有し、これは、本発明の目的のための低い仕事関数とみなされる。幾つかの態様において、電子注入材料は、低い仕事関数の金属、たとえばリチウム、カリウムまたはセシウムでドープされ得る。リチウムベースの小分子電子注入材料の場合、ドーピングは、金属性リチウムにより為され得る。
【0082】
金属キノレートは、陰極の仕事関数を低下させ、エレクトロルミネセンスデバイスを低電圧で作動させ、デバイスの寿命および性能を改善することができる。幾つかの態様において、キノレートおよびその誘導体は、以前に使用されていたフッ化リチウムより優れていることが見出された。これらは、以下の表から明らかなとおり、有意に低い蒸発温度を有する(qはキノレートを表す):
【表B】

【0083】
適切な金属キノレートは、アルカリ金属キノレートおよびアルカリ土類キノレートを含む。好ましい金属キノレートは、以下の式を有する:
【化22】

【0084】
ここで
Mは、金属(態様においてリチウム)であり;
nは、キノレートと錯体を形成した場合、Mの価の状態であり;
R1およびR2は、同一であっても異なっていてもよく、C1〜C4アルキルおよび置換または無置換の単環式または多環式アリールまたはヘテロアリール、アラルキル(C1〜C4)またはアリールオキシから選択される。
【0085】
リチウムキノレートおよびリチウム2-メチルキノレートは、好ましい化合物であり、好ましくは、アセトニトリルを含む溶媒中でリチウムアルキルまたはアルコキシドと置換または無置換の8-ヒドロキシキノリンとを反応させた結果である。上述のとおり作成されたリチウムキノレートは、高い純度を有し、容易に昇華可能である。
【0086】
陰極上に直接蒸着される電子注入層は、代わりに、以下の式の化合物を含んでいてもよい:
【化23】

【0087】
ここで
R1は、1〜5環のアリール (多環式アリールまたはアリール置換の多環式アリールを含む)、アラルキルまたはヘテロアリール基であり、これは、一または複数のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ置換基で置換されていてもよく;
R2およびR3は、一緒に、1〜5環のアリール (多環式またはアリール置換の多環式アリールを含む)、アラルキルまたはヘテロアリール基を形成し、これは、一または複数のC1〜C4アルキルまたはアルコキシ置換基で置換されていてもよい。上記式の化合物は、単独で、あるいは別の電子注入材料、たとえばキノレート、たとえばリチウムまたはジルコニウムキノレートと組み合わせて使用され得る。シッフ塩基は、好ましくは、電子注入層の少なくとも30 wt%、より好ましくは少なくとも50 wt%を含む。
【0088】
上記式において、R1は、多環式アリール、たとえばナフチル、アントラセニル、テトラセニル、ペンタセニル、またはペリレンまたはピレン化合物であってもよいし、鎖に配置された5個までの芳香族環、たとえばビフェニルを有していてもよい。R1は、好ましくは、フェニルまたは置換フェニルである。R2およびR3は、一緒に、R1と同じ基を形成してもよく、好ましくは、フェニルまたは置換フェニルである。置換基が存在する場合、これらは、メチル、エチル、プロピルまたはブチル(置換されたt-ブチルを含む)、あるいは、メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはブトキシ(置換されたt-ブトキシを含む)であり得る。特定の化合物は、以下のものを含む:
【化24】

【0089】
上記式のリチウム化合物は、上記式の2〜8分子が、たとえば三量体、四量体、六量体または八量体オリゴマーの形態で結合した、クラスター化合物またはオリゴマーを形成することができるとMS測定から考えられる。かかるリチウム化合物は、幾つかの態様で、六員環に交互の(alternating)LiおよびO原子を有するコア構造を有する三量体ユニットで結合し得る、およびこれら三量体ユニットは、更にペアで結合し得ると考えられる。リチウムキノレートにおけるかかる構造の存在は、結晶学により検出された。Begley et al., Hexakis(μ-quinolin-8-olato)hexalithium (I): a centrosymmetric doubly stacked trimer, Acta Cryst. (2006), E62, m1200-m1202が参照され、その開示は、参照により本明細書に組み込まれる。また、このタイプのオリゴマー構造の形成は、Li-O結合に大きな共有結合特性を付与し、これは、本発明の化合物の多くの揮発性を担い、これにより、真空昇華により比較的低温で蒸着することが可能であると考えられる。しかし、他の構造も可能であり、たとえば立方体構造であってもよい。
【0090】
陰極
その上に電子注入材料の層が存在する陰極は、幾つかの態様では、低い仕事関数の金属である。金属電極は、複数の金属層から構成してもよく;たとえば、より高い仕事関数の金属、たとえばアルミニウムを基板上に蒸着し、より低い仕事関数の金属、たとえばカルシウムまたはリチウムまたはセシウムを、より高い仕事関数の金属の上に蒸着する。
【0091】
幾つかの金属の仕事関数を、以下に表1に示す。
【表1】

【0092】
多くの態様において、アルミニウムが、それ自体で、あるいは、マグネシウムまたは銀などの元素と合金化されて、陰極として使用されるが、幾つかの態様では、他の陰極金属、たとえばカルシウムが使用されてもよい。一つの態様において、陰極は、電子注入または電子輸送層に近接した第1の合金層、たとえばLi-Ag、Mg-AgまたはAl-Mg、および電子注入または電子輸送層から離れた純粋なアルミニウムの第2の層を含み得る。更なる態様において、陰極材料は、AgまたはMgAgまたはMgInであり得る。また、陰極材料は、透明板状材料上に存在してもよく、これは、ガラスから成り得るか、硬質または軟質であってよく、光学的に透明であってよいプラスチックから成り得る。プラスチック基板については、硬質または軟質の透明プラスチック材料、好ましくは、比較的高いTgを有する寸法的に安定で、水(水蒸気を含む)不透過性である材料が使用され得る。PENが好ましい材料であるが、使用されてもよい他の材料は、PES、PEEKおよびPETを含む。プラスチックは、導電性フィルムで被覆されてもよいし、作業条件下で遭遇し得る湿気、たとえば、大気水蒸気に対する抵抗性を改善するためにバリア被覆を有していてもよい。更なる態様において、陰極は、結晶、多結晶、連続粒子またはアモルファスシリコンであってもよく、これは、n−ドープされてもよい。
【0093】
本発明が如何に実施され得るかは、以下の例を参照して説明される。
【実施例】
【0094】
例1 − Be(BO)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)ベリリウム錯体の合成
【化25】

【0095】
メタノール(40 mL)中の硫酸ベリリウム(2.5 g, 14.11 mmol)の攪拌懸濁液に、メタノール(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.96 g, 28.23 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。当初の薄茶色の懸濁液は、1M 水酸化ナトリウム(50 mL)をゆっくり添加した後、白色の懸濁液へとゆっくり変化し、窒素雰囲気下において室温で一晩激しく攪拌したまま置いた。白色の沈殿物を濾過して分離し、メタノール(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、生成物6.66 g (100% 収率)を得た。これは、紫色/青色の蛍光を発した。昇華(240℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(26.5 gから13.3 g)を得た;268℃の融点(DSCピーク)。
【0096】
例2 − Be(BT)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)ベリリウム錯体の合成
【化26】

【0097】
メタノール(40 mL)中の硫酸ベリリウム(2.5 g, 14.11 mmol)の攪拌懸濁液に、メタノール(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(6.42 g, 28.23 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。当初の白色の懸濁液は、1M 水酸化ナトリウム(50 mL)をゆっくり添加した後、黄色がかった懸濁液へとゆっくり変化し、窒素雰囲気下において室温で一晩激しく攪拌したまま置いた。黄色の沈殿物を濾過して分離し、メタノール(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、生成物7.30 g (100% 収率)を得た。これは、青色の蛍光を発した。昇華(280℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(26.0 gから9.3 g)を得た;330℃の融点(DSCピーク)。
【0098】
例3 − Be(5MeBO)2
2-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾールの合成
【化27】

【0099】
2-アミノ-p-クレゾール (10.0 g, 0.081モル)およびサリチル酸フェニル (17.4 g, 0.08モル) の混合物を、窒素雰囲気下においてオイルバスで200℃で1 1/2 hの間加熱した。冷却した反応混合物に、エタノールを添加し、生成物を吸引下で濾過して分離した。生成物を真空下において75℃で乾燥させ、その後、カラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン)により精製した。生成物を含有する溶離液を濃縮し、エタノールを残渣に添加して、鮮やかな白色の結晶固体を得た。生成物を吸引濾過し、真空下において75℃で乾燥させた。収率7.4 g (40 %)。M.p 138 ℃ (DSC, オンセット)。元素分析:実測, C 74.62, H 4.86およびN 6.32 %。C14H11NO2は、C 74.65, H 4.92およびN 6.22%を必要とする。
【0100】
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール)ベリリウム錯体の合成
【化28】

【0101】
メタノール(30 mL)中の硫酸ベリリウム(2.1 g, 11.86 mmol)の攪拌懸濁液に、メタノール(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール(5.5 g, 24.41 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。当初の薄茶色の懸濁液は、1M 水酸化ナトリウム(70 mL)をゆっくり添加した後、乳白色の懸濁液へとゆっくり変化し、窒素雰囲気下において室温で一晩激しく攪拌したまま置いた。白色の沈殿物を濾過して分離し、メタノール(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、6.40 gの生成物 (100% 収率)を得た。これは、紫色/青色の蛍光を発した。昇華(235℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(6.4 gから1.5 g)を得た;292℃の融点(DSCピーク)。
【0102】
例4 − Sc(BO)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)スカンジウム錯体の合成
【化29】

【0103】
アセトニトリル(40 mL)中のスカンジウムイソプロポキシド(2.00 g, 9.00 mmol)の攪拌溶液に、アセトニトリル(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.70 g, 27.00 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、乳白色の懸濁液を観察し、これを4時間還流させ、室温で一晩攪拌した。乳白色の固体を濾過して分離し、アセトニトリルで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、3.7 gの生成物(62% 収率)を得た。昇華(235℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(5.8 gから4.8 g)を得た;339℃の融点(DSCピーク)。
【0104】
例5 − Sc(BT)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)スカンジウム錯体の合成
【化30】

【0105】
アセトニトリル(40 mL)中のスカンジウムイソプロポキシド(2.00 g, 9.00 mmol)の攪拌溶液に、アセトニトリル(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(6.14 g, 27.01 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、黄色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、室温で一晩攪拌した。黄色の固体を濾過して分離し、アセトニトリルで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、6.5 gの生成物(100% 収率)を得た。昇華(350℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(6.3 gから4.3 g)を得た;395℃の融点(DSCピーク)。
【0106】
例6 − Mg(BO)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)マグネシウム錯体の合成
【化31】

【0107】
THF(40 mL)中のアセチルアセトナトマグネシウム(3.16 g, 14.20 mmol)の攪拌溶液に、THF(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(6.00 g, 28.40 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、クリーム色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、室温で一晩攪拌した。溶液の体積を約10 mLに低減し、乳白色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、5.57 gの生成物(88% 収率)を得た。昇華(370℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(5.4 gから1.9 g)を得た;融点はDSCから観察されなかった。
【0108】
例7 − Zr(BO)4
テトラ(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)ジルコニウム錯体の合成
【化32】

【0109】
THF(40 mL)中のジルコニウムイソプロポキシド(2.7 g, 6.96 mmol)の攪拌溶液に、THF(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(6.0 g, 28.40 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、薄黄色の懸濁液を観察し、これを4時間還流させ、室温で一晩攪拌した。薄黄色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、3.8 gの生成物(58% 収率)を得た。昇華(290℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(3.6 gから2.5 g)を得た;328℃の融点(DSCピーク)。
【0110】
例8 − Zr(BT)4
テトラ(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)ジルコニウム錯体の合成
【化33】

【0111】
THF(40 mL)中のジルコニウムイソプロポキシド(5.0 g, 12.90 mmol)の攪拌溶液に、THF(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(11.7 g, 51.48 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、黄色の懸濁液を観察し、これを2時間還流させ、室温で一晩攪拌した。黄色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、4.6 gの生成物(36% 収率)を得た。昇華は成功しなかった(370℃, 10-6 Torr.);昇華しなかった生成物の391℃の融点(DSCピーク)。
【0112】
例9 − Zr(5MeBO)4
テトラ(2-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール)ジルコニウム錯体の合成
【化34】

【0113】
THF(30 mL)中のジルコニウムイソプロポキシド(3.0 g, 7.76 mmol)の攪拌懸濁液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)-5-メチル-ベンゾオキサゾール(7.0 g, 31.07 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。当初の薄茶色の懸濁液は、乳白色の懸濁液へとゆっくり変化し、2時間還流させ、窒素雰囲気下において室温で一晩激しく攪拌したまま置いた。乳白色の沈殿物を濾過して除去し、THF(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、2.92 gの生成物(38% 収率)を得た。これは、紫色/青色の蛍光を発した。昇華(315℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(2.9 gから2.7 g)を得た;351℃の融点(DSCピーク)。
【0114】
例10 − Ba(BO)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)バリウム錯体の合成
【化35】

【0115】
ドライアセトニトリル(30 mL)中のアセチルアセトナトバリウム(2.5 g, 9.78 mmol)の攪拌懸濁液に、ドライアセトニトリル(20 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(4.13 g, 19.57 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。薄茶色の懸濁液を2時間還流させ、週末にかけて激しく攪拌したまま置いた。乳白色の沈殿物を濾過して分離し、アセトニトリル(3 x 20 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、4.8 gの生成物(88% 収率)を得た。昇華は成功しなかった。227℃の融点(DSCピーク)。
【0116】
例11 − Ba(BT)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)バリウム錯体の合成
【化36】

【0117】
ドライアセトニトリル(30 mL)中のアセチルアセトナトバリウム(2.5 g, 9.78 mmol)の攪拌懸濁液に、ドライアセトニトリル(20 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(4.45 g, 19.58 mmol)の溶液を窒素雰囲気で添加した。薄黄色の懸濁液を2時間還流させ、週末にかけて激しく攪拌したまま置いた。薄黄色の沈殿物を濾過して分離し、アセトニトリル(3 x 20 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、5.0 gの生成物(87% 収率)を得た。昇華は成功しなかった(420℃, 10-6 Torr.)。408℃の融点(DSCピーク)。
【0118】
例12 − Hf(BO)4
テトラキス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)ハフニウム錯体の合成
【化37】

【0119】
エタノール(40 mL)中の塩化ハフニウム(2.27 g, 7.10 mmol)の攪拌溶液に、エタノール(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(6.00 g, 28.40 mmol)の溶液を窒素雰囲気下で添加した。反応混合液のpHは、ピペリジン(〜15 mL)の添加により増大した。数分の攪拌後、薄黄色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。薄黄色の沈殿物を濾過して分離し、エタノール(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間以上かけて真空オーブンで乾燥させ、6.04 gの生成物(95% 収率)を得た。昇華は成功しなかった(260℃, 10-6 Torr.)。〜280℃の融点(ブロードDSCピーク)。
【0120】
例13 − Hf(BT)4
テトラキス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)ハフニウム錯体の合成
【化38】

【0121】
エタノール(40 mL)中の塩化ハフニウム(2.11 g, 6.60 mmol)の攪拌溶液に、エタノール(40 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(6.00 g, 26.40 mmol)の溶液を窒素雰囲気下で添加した。反応混合液のpHは、ピペリジン(〜15 mL)の添加により増大した。数分の攪拌後、淡黄色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。薄黄色の沈殿物を濾過して分離し、エタノール(3 x 30 mL)で十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、6.2 gの生成物(98% 収率)を得た。〜320℃の融点(ブロードDSCピーク)。
【0122】
例14 − Cu(BO)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)銅錯体の合成
【化39】

【0123】
THF(30 mL)中のアセチルアセトナト銅(3.09 g, 11.83 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.00 g, 23.67 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、茶色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、室温で一晩攪拌した。光沢のある茶色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、5.6 gの生成物(98% 収率)を得た。325℃の融点(DSCピーク)。昇華(295℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(5.4 gから4.2 g)を得た;329℃の融点(DSCピーク)。
【0124】
例15 − Y(BO)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)イットリウム錯体の合成
【化40】

【0125】
アセトニトリル(30 mL)中のアセチルアセトナトイットリウム(3.04 g, 7.89 mmol)の攪拌溶液に、アセトニトリル(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.00 g, 23.67 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、乳白色の懸濁液を観察し、これを4時間還流させ、室温で一晩攪拌した。乳白色の固体を濾過して分離し、アセトニトリルで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、4.4 gの生成物(78% 収率)を得た。昇華(305℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(4.4 gから1.5 g)を得た; ℃の融点(DSCピーク)。
【0126】
例16 − Y(BT)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)イットリウム錯体の合成
【化41】

【0127】
アセトニトリル(30 mL)中のアセチルアセトナトイットリウム(2.83 g, 7.33 mmol)の攪拌溶液に、アセトニトリル(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(5.00 g, 22.00 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、薄黄色の溶液を観察し、これを6時間還流させ、室温で一晩攪拌した。薄い白色の固体を濾過して分離し、アセトニトリルで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、4.9 gの生成物(87% 収率)を得た。昇華(350℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(4.9 gから1.4 g)を得た;融点はDSCから観察されなかった。
【0128】
例17 − La(BO)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)ランタン錯体の合成
【化42】

【0129】
THF(30 mL)中のアセチルアセトナトランタン(3.44g, 7.89 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.00 g, 23.67 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、茶色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。薄い白色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、0.65 gの生成物(11% 収率)を得た。
【0130】
例18 − La(BT)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)ランタン錯体の合成
【化43】

【0131】
THF(30 mL)中のアセチルアセトナトランタン(3.19 g, 7.33 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(5.00 g, 22.00 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、薄緑がかった懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。薄い乳白色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、1.37 gの生成物(23% 収率)を得た。
【0132】
例19 − VO(BO)2
ビス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)バナジウム錯体の合成
【化44】

【0133】
THF(30 mL)中のアセチルアセトナトバナジル(3.13 g, 11.80 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(5.00 g, 23.67 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、茶色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。茶色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、4.7 gの生成物(82% 収率)を得た。昇華(250℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(4.7 gから3.9 g)を得た;N/A℃の融点(DSCピーク)。
【0134】
例20 − VO(BT)2
ビス-(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール)バナジル錯体の合成
【化45】

【0135】
THF(30 mL)中のアセチルアセトナトバナジル(2.91 g, 10.97 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(5.00 g, 22.00 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後に、茶色の懸濁液を観察し、これを6時間還流させ、週末にかけて室温で攪拌した。茶色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、3.1 gの生成物(78% 収率)を得た。昇華(250℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(3.1 gから2.6 g)を得た;402℃の融点(DSCピーク)。
【0136】
例21 − Al(BO)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)アルミニウム錯体の合成
【化46】

【0137】
THF(30 mL)中のアルミニウムイソプロポキシド(5.0 g, 24.48 mmol)の攪拌溶液に、THF(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(15.51 g, 73.43 mmol)の懸濁液を窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後に、黄色がかった茶色の懸濁液を観察し、これを2時間還流させて、室温で一晩攪拌した。乳白色の固体を濾過して分離し、THFで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させ、10.18 gの生成物(63% 収率)を得た。昇華(340℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(10.0 gから2.6 g)を得た;298℃の融点(DSCピーク)。
【0138】
例22 − Yb(BO)3
トリス(2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール)イッテルビウム錯体の合成
【化47】

【0139】
エタノール(30 mL)中の塩化イッテルビウム(2.00 g, 5.16 mmol)の攪拌溶液に、エタノール(30 mL)中の2-(2-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(3.27 g, 15.48 mmol)の懸濁液、その後ピペリジン(5 mL)を、窒素雰囲気下で添加した。数分の攪拌後、乳白色の懸濁液を観察し、これを3時間還流させ、室温で一晩攪拌した。乳白色の固体を濾過して分離し、エタノールで十分に洗浄し、80℃で8時間かけて真空オーブンで乾燥させた。3.81 gの生成物(92% 収率)を得た。昇華(350℃, 10-6 Torr.)により、分析サンプル(3.8 gから3.2 g)を得た;413℃の融点(DSCピーク)。
【0140】
例23 − BO-Ph-DPB
2-(2-ジフェニルボロキシフェニル)ベンゾオキサゾールの合成
【化48】

【0141】
テトラヒドロフラン(20 ml)中のジフェニルボリン酸無水物(5.0 g; 0.014モル)の溶液を、テトラヒドロフラン(10 ml)中の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾール(3.1 g; 0.014モル)の溶液に添加した。反応混合液を窒素下で2h還流させ、室温に冷却し、その後、冷蔵庫に18h保存した。生成物を吸引濾過して分離し、メタノールで洗浄し、真空下において80℃で6h乾燥させた。収率4.4 g (84 %)。生成物を、昇華により更に精製した(85 %)。M.p 195 ℃ (DSC, オンセット);Tg 59 ℃。元素分析:
【表C】

【0142】
例24 − BT-Ph-DPB
2-(2-ジフェニルボロキシフェニル)ベンゾチアゾールの合成
【化49】

【0143】
テトラヒドロフラン(10 ml)中の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾール(3.25 g; 0.014モル)の溶液に、ジフェニルボリン酸無水物(5.0 g; 0.014モル)を一度に添加した。溶液は黄色になり、すぐに固体が析出した。更に、テトラヒドロフラン(20 ml)を添加し、反応混合液を窒素雰囲気下で2h還流させた。反応混合液を冷却し、少量のメタノールを反応混合液に添加した。冷蔵庫で一晩冷却した後、黄色の蛍光結晶固体を吸引濾過して分離し、メタノールおよび少量のジエチルエーテルで洗浄した。生成物を真空下において80℃で乾燥させた。定量的収率。生成物を、昇華により更に精製した(92 %)。M.p 222 ℃ (DSC, オンセット);Tg 76 ℃。元素分析:
【表D】

【0144】
例25 − 5-MeBO-Np-DPB
2-(5-メチルベンゾオキサゾール-2-イル)-ナフタレン-1-オールの合成
【化50】

【0145】
化合物は、溶媒なしで上記反応により調製した。収率 84%;M.p 175 ℃ (DSC, オンセット)。それを、カラムクロマトグラフィーにより更に精製した(シリカゲル-CH2Cl2)。元素分析:
【表E】

【0146】
2-(2-ジフェニルボロキシナフチル)-5-メチルベンゾオキサゾールの合成
【化51】

【0147】
2-(2’-ヒドロキシ-1-ナフチル)-5-メチルベンゾオキサゾール(4.0; 0.0145モル)を、溶液を50℃に温めることにより、テトラヒドロフラン(30 ml)に溶解した。その透明溶液に、ジフェニルボリン酸無水物(5.0 g; 0.014モル)を一度に添加した。溶液は黄色になり、すぐに固体が析出した。反応混合液を窒素雰囲気下で2h還流させ、室温に冷却した。少量のメタノールを添加し、反応混合液を冷蔵庫に保存した。結晶生成物を吸引濾過し、メタノールで洗浄し、真空下において80℃で乾燥させた。収率 5.8 g (91 %)。生成物を、昇華により更に精製した(95 %)。M.p 276 ℃ (DSC, オンセット);Tg 89 ℃。元素分析:
【表F】

【0148】
例26 − BT-Np-DPB
2-ベンゾチアゾール-2-イル-ナフタレン-1-オールの合成
【化52】

【0149】
化合物は、溶媒なしで上記反応により調製し、シリカゲルを通したカラムクロマトグラフィー後に薄緑がかった黄色の固体として単離した(ジクロロメタン−石油エーテル 40-60 ℃ 3:2)。収率 37%。M.p 181 ℃ (DSC, オンセット)。元素分析:
【表G】

【0150】
2-(2-ジフェニルボロキシナフチル)-ベンゾチアゾールの合成
【化53】

【0151】
2-(1-ヒドロキシ-2-ナフチル)ベンゾチアゾール(4.0 g; 0.014モル)を、溶液を温めることにより、テトラヒドロフラン(30 ml)に溶解した。窒素下で磁気的に攪拌した溶液に、ジフェニルボリン酸無水物(5.0 g; 0.014モル)、その後、テトラヒドロフラン(10 ml)を一度に添加した。すぐに黄色の固体が析出した。反応混合液を磁気的に攪拌し、2h還流させ、室温に冷却した。少量のメタノール(〜5 ml)を添加し、反応混合液を冷蔵庫で2h冷却した。生成物を吸引濾過して分離し、メタノールで洗浄し、真空下において80℃で8h乾燥させた。収率 5.9 g (93 %)。生成物を、昇華により更に精製した(92 %)。M.p 269 ℃ (DSC, オンセット)。元素分析:
【表H】

【0152】
例27
緑色、青色および赤色発光デバイスを以下のとおり作成した。予めエッチング加工されたITO被覆ガラス片(10 x 10cm2)を使用した。デバイスは、Solciet Machine, ULVAC Ltd. Chigacki, Japanを用いた真空蒸着によりITO上に連続的に層を形成することにより加工した。各ピクセルのアクティブ領域は3mm×3mmであった。被覆電極は、ガラスバックプレートを用いてUV-硬化接着剤で不活性雰囲気(窒素)でカプセル化した。エレクトロルミネセンス研究は、ITO電極を正極に常に接続して実施した。電圧に対する電流密度の研究は、コンピューター制御されたKeithly 2400ソースメーターで実施した。
【0153】
上述の方法により、デバイスは、陽極層、バッファー層、正孔輸送層、エレクトロルミネセンス層(ドープ材料)、電子輸送層、電子注入層および陰極層から構成され、層構成は図1〜3に示され、フィルム厚みはnmである。CIEカラーコーディネートおよび他の特性が図示される。これらセルで使用された化合物は、図4に示される。式I、IIおよびIIIの化合物の態様は、OLEDに電子輸送層として組み込まれたとき、電子輸送材料がアルミニウムキノレートである対応のデバイスより、所定の電圧に対して高い電流密度を示したことが認められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I、IIまたはIIIの化合物
【化1】

ここで
Mは、Li、Na、Mg、Al、Ti、Zr、Hf、Cu、Zn、Siまたはランタニドを表し、式IIにおいてMは、更にバナジウムであってもよく;
Xは、酸素または硫黄を表し;
mおよびpは、独立に0〜4であり;
qは、Mの原子価に依存して、1〜4であり;
R1およびR2は、独立に、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、シクロアルキルまたはシクロアルコキシ、アリール、ヘテロアリール、フルオロ、シアノ、以下から選択される一または複数の基で置換されたアリールまたはヘテロアリールを表し:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ、あるいは、mまたはpが2〜4であるとき、縮合シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを表し、これは、更に以下から選択される一または複数の基で置換されていてもよく:C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノ;
R3およびR4は、独立に、C1〜C4アルキル、シクロペンチル、シクロヘキシル、アリールまたはヘテロアリールを表し、このアリールまたはヘテロアリールの置換基は、C1〜C4アルキルまたはアルコキシ、フッ素置換のアルキルまたはアルコキシ、フルオロアルキル、フルオロアルコキシ、フルオロまたはシアノから選択される一または複数の基で任意に置換される。
【請求項2】
リガンドが、2-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェノール、2-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ナフタレン-1-オール、2-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)ナフタレン-1-オール、2-(ナフト[1,2-d]オキサゾール-2-イル)フェノール、2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)フェノールおよび2-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ナフタレン-1-オールから選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
規定されるリガンドの混合物を有する、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
第一の電極、請求項1〜3の一または複数に記載の化合物を含む少なくとも一つの層、および第二の電極を有する光学発光デバイス。
【請求項5】
以下の特徴の一または複数を有する、請求項4に記載のデバイス:
(a) ポルフィリン化合物を含む正孔注入層;
(b) ZnTpTPを含む正孔注入層;
(c) NPD、TPD 232、 MTDATA、HIL1、HIL2、HIL3、およびCHATPから選択される芳香族アミンを含む正孔輸送層。
【請求項6】
以下の特徴の一または複数を有する、請求項4または5に記載のデバイス:
(a) 少なくとも一つの芳香族第三級アミンを含む正孔輸送層;
(b) 以下の少なくとも一つを含む正孔輸送層
【化2】

【化3】

【化4】

ここで
(i)〜(xii)における式の何れかにおいてR基は、同一であっても異なっていてもよく、水素;置換および無置換の脂肪族基;置換および無置換の芳香族、ヘテロ環式および多環式の環構造;ハロゲン;およびチオフェニル基から選択され;
式(i)において、メチル基は、C1〜C4アルキルまたは単環式または多環式アリールまたはヘテロアリールに置き換わってもよく、これは、たとえばアルキル、アリールまたはアリールアミノで更に置換されていてもよい;
(c) 以下の式の少なくとも一つの化合物を含む正孔含む正孔輸送層
【化5】

ここで、R1〜R4基は、上記式の一方に現れる場合、同一であっても異なっていてもよく、水素;置換および無置換の脂肪族基;置換および無置換の芳香族、ヘテロ環式および多環式の環構造;ハロゲン;およびチオフェニル基から選択される;
(d) α-NPBを含む正孔輸送層。
【請求項7】
エレクトロルミネセンス層が、以下の特徴の一または複数を有することを特徴とする、請求項4〜6の一または複数に記載のデバイス:
(a) 金属またはメタロイド錯体の少なくとも一つを含む;
(b) ドーパントをドープされたホスト材料としてジルコニウムキノレートを含む;
(c) ドーパントをドープされたホスト材料としてアルミニウムキノレートを含む;
(d) イリジウム、ルテニウム、オスミウム、ロジウム、パラジウムまたはプラチナ錯体、ホウ素錯体または希土類錯体の少なくとも一つを含む;
(e) 少なくとも一つのドーパントをドープされたホスト材料として芳香族第三級アミンの少なくとも一つを含む;
(f) 発光共役ポリマーまたはコポリマーまたはデンドリマーの少なくとも一つを含む;
(g) カルバゾール、ケトン、ホスフィンオキシド、スルホキシド、バイポーラホスト、およびアントラセン、ジナフチルアントラセン、ベンズアントラセンアントラセン、テトラフェニルスピロビフルオレンから選択されるオリゴアリーレンから選択されるホスト材料の少なくとも一つを含む;
(h) 燐光エミッター、ジフェニルアクリジン、クマリン、ペリレン、キノレート、ポルホリン(porphoryin)、ポルフィン、ピラザロンおよびその誘導体、アリールアミン、好ましくはインデノフルオレンモノアミンおよび−ジアミン、ベンゾフルオレンモノアミンおよび−ジアミン、およびジベンゾインデノフルオレンモノアミンおよび−ジアミンから選択されるドーパントの少なくとも一つを含む;
(i) 有機金属錯体のモルに基づいて、10モルパーセントまで、好ましくは1モルパーセントまで、特に好ましくは10-3モルパーセント未満の蛍光材料が存在する。
【請求項8】
請求項1〜3の一または複数に記載の化合物を含む電子輸送層を有する、請求項4〜7の一または複数に記載のデバイス。
【請求項9】
無機リチウム化合物またはリチウム錯体をベースとした電子注入層を有する、請求項4〜8の一または複数に記載のデバイス。
【請求項10】
フラットパネルディスプレイである、請求項4〜9の一または複数に記載のデバイス。
【請求項11】
パッシブマトリクスディスプレイである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項12】
アクティブマトリクスディスプレイである、請求項10に記載のデバイス。
【請求項13】
請求項1〜3の一または複数に記載の少なくとも一つの化合物を含む、静電潜像を作成するためのイメージング部材。
【請求項14】
エレクトロルミネセンス材料および電子輸送材料としての請求項1〜3の一または複数に記載の少なくとも一つの化合物を含むランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−500235(P2012−500235A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523331(P2011−523331)
【出願日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005708
【国際公開番号】WO2010/020352
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(597035528)メルク パテント ゲーエムベーハー (209)
【Fターム(参考)】