説明

電子部品、電子装置、電子機器および電子装置の製造方法

【課題】虫等のリードへの侵入を防止することができ、湿気等によるリードのトラッキングを防止でき、低コストかつ組立て容易な電子部品、電子装置、電子機器および電子装置の製造方法を提供する。
【解決手段】電子部品1は、回路部2と、回路部2を封止する第1樹脂3と、回路部2に電気的に接続され、かつ第1樹脂3から突出するように延びる端部4aを有するリード4と、リード4より小さいヤング率を有する第2樹脂5とを備えている。第2樹脂5は、端部4aの先端部分4b以外を接して覆うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リードを有する電子部品およびそれを備えた電子装置、電子機器ならびに電子装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リードを有する電子部品では、虫等の接触によってリード間のショート破壊が発生することがある。たとえば、特開2009−138961号公報(特許文献1)には、虫等の侵入によるリード間のショート破壊を防止可能な空気調和機が提案されている。この空気調和機は、プリント基板と、プリント基板上に搭載するモジュールと、プリント基板とモジュールを固定可能な固定スペーサとを有している。固定スペーサは、モジュールのリード部を覆う箱型形状の枠を有している。この固定スペーサがリード部を覆うことによって、虫等の接触によるリード間のショート破壊が防止され得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−138961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記公報に記載された空気調和機では、空気調和機の内部で温度変化が生じると、プリント基板、モジュールおよび固定スペーサの熱膨張率がそれぞれ異なるため、各々が伸縮することで隙間が発生する。この隙間から虫、小動物等がモジュールのリード部へ侵入するため、虫等のモジュールのリード部への侵入を防止することができない。したがって、温度変化が生じた場合にモジュールのリード部に虫等が接触し、リードショートによる部品破壊に繋がるという問題がある。
【0005】
また、空気調和機の内部の急激な温度変化により発生する湿気などがモジュールのリード部へ付着することによってモジュールのリード部にトラッキングが発生するという問題がある。
【0006】
また、プリント基板とモジュールとの間に搭載された固定スペーサは、それぞれの空気調和機に応じて最適な形状に変更する必要がある。このため固定スペーサの変更に伴う製品のコスト増加および組立加工費増加を生じるという問題がある。
【0007】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、虫等のリードへの侵入を防止することができ、湿気等によるリードのトラッキングを防止でき、低コストかつ組立て容易な電子部品、電子装置、電子機器および電子装置の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電子部品は、回路部と、回路部を封止する第1樹脂と、回路部に電気的に接続され、かつ第1樹脂から突出するように延びる端部を有するリードと、リードより小さいヤング率を有する第2樹脂とを備えている。第2樹脂は、端部の先端部分以外を接して覆うように構成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の電子部品によれば、リードより小さいヤング率を有する第2樹脂は、リードの端部の先端部分以外を接して覆うように構成されている。このため、温度変化によってリードが伸縮しても、リードより小さいヤング率を有する第2樹脂がリードに合わせて伸縮することによって隙間が生じることを抑制することができる。これにより、隙間から虫等がリード部へ侵入することを防止することができる。
【0010】
また、急激な温度変化が発生しても、第2樹脂はリードの端部の先端部以外を接して覆っているため、リードの端部の先端部以外に湿気などが付着することを防止することができる。これにより、湿気等によるリードのトラッキングを防止することができる。
【0011】
また、第2樹脂はリードの端部の先端部以外を接して覆えばよいため、モジュールのリードを覆う箱型形状の枠を形成する場合に比べて低コストを実現することができる。また、第2樹脂は樹脂成型で成型可能であるため、組立てが容易である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における電子部品の概略斜視図である。
【図2】本発明の実施の形態1における回路部の一例を示す回路図である。
【図3】本発明の実施の形態1における電子部品がプリント基板に載置された状態での図1のIII−III線に沿う概略断面図である。
【図4】本発明の実施の形態1における電子部品の変形例1を示す概略断面図である。
【図5】本発明の実施の形態1における電子部品の変形例2を示す概略断面図である。
【図6】本発明の実施の形態1における電子部品の変形例3を示す概略断面図である。
【図7】本発明の実施の形態1における電子部品の変形例4を示す概略断面図である。
【図8】本発明の実施の形態1における第2樹脂の概略分解斜視図である。
【図9】本発明の実施の形態1における電子装置の製造方法において、プリント基板に電子部品がフロー半田付けされる様子を示す概略断面図である。
【図10】本発明の実施の形態1における電子装置の製造方法において、プリント基板に電子部品がフロー半田付けされた状態を示す概略断面図である。
【図11】本発明の実施の形態1における電子装置の製造方法において、プリント基板にコーティング材が塗布された状態を示す概略断面図である。
【図12】本発明の実施の形態1における電子部品が実装された電子装置の概略斜視図である。
【図13】本発明の実施の形態1における電子装置を備えた電子機器の概略斜視図である。
【図14】比較例の高温時の概略断面図である。
【図15】本発明の実施の形態1における電子部品の高温時の概略断面図である。
【図16】比較例の低温時の概略断面図である。
【図17】本発明の実施の形態1における電子部品の低温時の概略断面図である。
【図18】本発明の実施の形態2における電子部品の概略斜視図である。
【図19】本発明の実施の形態2における電子部品がプリント基板に載置された状態での図18のXIX−XIX線に沿う概略断面図である。
【図20】本発明の実施の形態2における電子部品が実装された電子装置の概略断面図であって、図19に対応する断面を示す図である。
【図21】本発明の実施の形態2における電子部品が実装された電子装置の概略平面図である。
【図22】本発明の実施の形態3における電子部品の概略斜視図である。
【図23】本発明の実施の形態3における電子部品がプリント基板に載置された状態での図22のXXIII−XXIII線に沿う概略断面図である。
【図24】本発明の実施の形態3における電子部品が実装された電子装置の概略断面図であって、図23に対応する断面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
(実施の形態1)
最初に本発明の実施の形態1の電子部品の構成について説明する。
【0014】
図1〜図3を参照して、本実施の形態の電子部品1は、回路部2と、第1樹脂3と、リード4と、第2樹脂5とを有している。図2に示すように回路部2は、たとえばダイオードなどであってもよい。
【0015】
第1樹脂3は、回路部2を封止している。リード4は、回路部2に電気的に接続されている。リード4は、第1樹脂3から突出するように延びる端部4aを有している。第2樹脂5は、リード4より小さいヤング率を有している。ヤング率が小さいと物体に力が加えられたときに変形しやすいため、第2樹脂5はリード4よりも変形しやすい。つまり、第2樹脂5はリード4よりも柔軟である。第2樹脂5は、端部4aの先端部分4b以外を接して覆うように構成されている。第2樹脂5はリード4の端部4aの先端部分4b以外を封止(モールド)している。第2樹脂5は、図3に示すようにたとえば十字型の断面形状を有するように形成されている。
【0016】
第2樹脂5の材料には、はんだ融点よりも低い軟化点を有する材料が使用される。たとえば、鉛フリーはんだSn(錫)−3.0Ag(銀)−0.5Cu(銅)組成の場合、はんだ融点が220℃付近のため、それ未満の温度で溶融(軟化)する樹脂材料とする。第2樹脂5の材料には、たとえばアロン社製テルメルト867およびヘンケル社製OM673が用いられる。アロン社製テルメルト867およびヘンケル社製OM673は、表1に示す特性値を有している。
【0017】
【表1】

【0018】
第2樹脂5は、リード4の全体を覆うわけではなく、リード4の端から先端部分長さLを除いた部分からリード4と第1樹脂5との界面までを覆っている。つまり、第2樹脂5は第1樹脂5の端面までリード4を覆っている。先端部分長さLは、先端部分長さL=第1の長さT+第2の長さD+第3の長さMの関係式を持ち、第1の長さTははんだ付け後のフィレット形状を作るために必要な長さ(通常、たとえば1mm〜4mm)である。第2の長さDはプリント基板21の厚みの長さである。第3の長さMははんだ付け時のブローホールを回避するためのクリアランスの長さである。
【0019】
図3に示すように第2樹脂5は、プリント基板21に搭載されたときにプリント基板21に当接するための凸部5aを有している。電子部品1はプリント基板21に載置された際に凸部5aでプリント基板21に支持され得る。また、第2樹脂5は、熱可塑性を有する絶縁体で構成されている。第2樹脂5は、たとえばゴムなどで構成されていてもよい。
【0020】
なお、第2樹脂5の形状は上記の形状に限定されず様々な形状を適用することができる。図4を参照して、第2樹脂5は末広がりの十字型の断面形状を有するように形成されていてもよい。また。図5を参照して、第2樹脂5はT字型の断面形状を有するように形成されていてもよい。また、図6を参照して、第2樹脂5はU字型の断面形状を有するように形成されていてもよい。
【0021】
また、図7および図8を参照して、第2樹脂5はリード4に取り付け可能に構成されていてもよい。第2樹脂5は、第1部材51と、第2部材52と、第3部材53とを有している。第1部材51、第2部材52および第3部材53は、それぞれがリード4に組みつけられた状態で、孔53,54に突起55が挿入されて孔53,54と突起55とが嵌合することによって、リード4に固定されるように構成されている。この場合、リード4を第2樹脂5で射出成型によってモールドする工程が必要ない。
【0022】
次に、本実施の形態の電子部品が実装された電子装置の製造方法について説明する。
図9を参照して、本実施の形態の電子装置の製造方法では、プリント基板21に電子部品1がフロー半田付けされる。
【0023】
まず、回路部2と、回路部2を封止する第1樹脂3と、回路部2に電気的に接続され第1樹脂3から突出するように伸びる端部4aを有するリード4と、リード4より小さいヤング率を有し端部4aの先端部分4b以外を接して覆う第2樹脂5とを有する電子部品1を準備する。
【0024】
続いて、プリント基板21のスルーホールにリード4が挿入される。この際、電子部品1は凸部5aでプリント基板21に支持される。この状態で、プリント基板21の下面側において噴流する溶融半田22によってフロー半田付け(噴流半田付け)が行われる。溶融半田22は図示しない噴流はんだ槽から噴流される。溶融半田22にリード4の端部4aの先端部分4bが浸漬される。溶融半田の温度はたとえば、鉛フリーはんだSn(錫)−3.0Ag(銀)−0.5Cu(銅)組成の場合、240℃以上255℃以下に設定される。
【0025】
プリント基板21と第2樹脂5との間には第3の長さMのクリアランスがあるため、プリント基板21が吸湿しフロー半田付けにおける急激な温度変化で気化した水分がクリアランスから抜ける。このため、図10に示す半田23におけるブローホールおよびボイドの発生が抑制される。これにより、リード4はプリント基板21の上下面において半田23で確実に接合されるので、リード4とプリント基板21との半田接合面の品質が向上する。
【0026】
図10を参照して、溶融半田22はプリント基板21の下面側からスルーホール内を這い上がりプリント基板21の上面(部品実装面)側に突出する。このフロー半田付けする工程において、溶融半田22によってリード4が加熱される。溶融半田22の半田融点よりも第2樹脂5の溶融温度(軟化点)は低いため、リード4を伝わる溶融半田22からの熱によって、リード4と密着している第2樹脂5は溶融(軟化)する。溶融した第2樹脂5は、リード4およびリード4周辺のプリント基板21の上面を覆う。本実施の形態の電子装置の製造方法では、リード4を伝わる熱によって第2樹脂5を少なくとも流動させて第2樹脂5がリード4に沿ってプリント基板21の上面に達する。この状態で固化することで第2樹脂5はプリント基板21と第1樹脂3との隙間を埋めるように固まる。
【0027】
プリント基板21の下面側にはリード4の先端に半田フィレットが形成される。リード4に付着した溶融半田22が冷却された半田23によってリード4がプリント基板21に固定される。このようにして、リード4がプリント基板21にフロー半田付けされる。
【0028】
図11を参照して、プリント基板21の下面および半田23を覆うようにコーティング材24が塗布される。その後、コーティング材24が固化する。上述のように電子部品1が実装されることにより電子装置10が製造される。
【0029】
次に、図11および図12を参照して、本実施の形態の電子部品1が実装された電子装置10の構成について説明する。本実施の形態の電子装置10は、本実施の形態の電子部品1と、プリント基板21と、半田23と、コーティング材24と、他電子部品25とを有している。
【0030】
電子部品1のリード4がプリント基板21に半田23を介して接続されている。これにより、電子部品1とプリント基板21とが電気的に接続されている。電子部品1の第2樹脂5は、プリント基板21と第1樹脂3との間で、リード4の端部4aの先端部b以外を接して覆うように構成されている。第2樹脂5は、プリント基板21の上面側に突出した半田23を覆っている。半田23はプリント基板21のスルーホールを充填し、プリント基板21の下面側にも突出している。
【0031】
プリント基板21の下面側に突出した半田23はコーティング材24によって覆われている。コーティング材24によってプリント基板21の下面のパターンおよび半田23が保護されている。他電子部品25もプリント基板21に実装されている。他電子部品25は、たとえば、電解コンデンサ、マイクロコンピュータ、リレー等である。
【0032】
次に、図13を参照して、本実施の形態の電子部品1が実装された電子装置10を備えた電子機器20の構成について説明する。
【0033】
本実施の形態の電子機器20は、本実施の形態の電子装置10と、電子装置10に電気的に接続された本体部aとを有している。電子装置10は本体部20aを制御可能に構成されている。電子機器20としては、たとえば、空気調和機の室外機、空気調和機の室内機および給湯器などが適用され得る。たとえば電子機器20が空気調和機の室外機である場合、本体部20aは筐体内に、たとえば図示しない圧縮機、ファンなどを有している。
【0034】
次に本実施の形態の作用効果について比較例と対比して説明する。
図14を参照して、比較例の電子装置ではプリント基板21と放熱板31とがビス32で固定されている。樹脂スペーサ33はプリント基板21と放熱板31との間に配置されており、プリント基板21に固定されている。高温時には樹脂スペーサ33の熱膨張率が他の材質よりも大きいため図中破線で示す部分に応力がかかる。一方、図15を参照して、本実施の形態の電子装置では、高温時には第2樹脂5は第1樹脂3の下面およびプリント基板21の上面で固定されており図中破線で示す部分に隙間が生じない。
【0035】
図16を参照して、比較例の電子装置は低温時には樹脂スペーサ33の熱収縮率が他の部材より大きいため図中破線で示す部分に隙間が生じる。これに対して、図17を参照して、本実施の形態の電子装置では、低温時にも第2樹脂5は第1樹脂3の下面およびプリント基板21の上面で固定されており図中破線で示す部分に隙間が生じない。
【0036】
つまり、本実施の形態の電子部品1によれば、リード4より小さいヤング率を有する第2樹脂5は、リード4の端部4aの先端部分4b以外を接して覆うように構成されている。このため、温度変化によってリード4が伸縮しても、リード4より小さいヤング率を有する第2樹脂5がリード4に合わせて伸縮することによって隙間が生じることを抑制することができる。これにより、隙間から虫等がリード4へ侵入することを防止することができる。
【0037】
また、急激な温度変化が発生しても、第2樹脂5はリード4の端部4aの先端部分4b以外を接して覆っているため、リード4の端部4aの先端部分4b以外に湿気などが付着することを防止することができる。これにより、湿気等によるリード4のトラッキングを防止することができる。
【0038】
また、第2樹脂5はリード4の端部4aの先端部分4b以外を接して覆えばよいため、モジュールのリード部を覆う箱型形状の枠を形成する場合に比べて、材料費を抑制できるので低コストを実現することができる。また、本実施の形態では、モジュール毎に枠を形成する必要がないため低コストを実現することができる。また、箱型形状の枠を形成する場合には実装面積が増大してしまうが、本実施の形態では、実装面積が増大しないので小型化することができる。小型化することによって低コスト化を実現することもできる。
【0039】
また、第2樹脂5は樹脂成型で成型可能であるため、組立てが容易である。また、樹脂成型のため、同一形状のものを成型するだけでよいので低コストを実現できる。
【0040】
本実施の形態の電子部品1によれば、第2樹脂5は、プリント基板21に搭載されたときにプリント基板21に当接するための凸部5aを含むため、凸部5aによって電子部品1をプリント基板21に支持することができる。凸部5aによって電子部品1をプリント基板21に支持した状態で電子部品1を実装することができるので、電子部品1を正確に実装することができる。これにより、品質を向上することができる。
【0041】
本実施の形態の電子部品1によれば、第2樹脂5は、熱可塑性を有する絶縁体で構成されているため、リード4の絶縁性を保ちつつ、加熱工程において第2樹脂5を流動させてリード4を覆うことができる。
【0042】
本実施の形態の電子装置10によれば、電子部品1の第2樹脂5は、プリント基板21と第1樹脂3との間で、リード4の端部4aの先端部分4b以外を接して覆うように構成されている。プリント基板21と第1樹脂3との間に隙間が生じることを抑制することができる。これにより、隙間から虫等がリード4へ侵入すること防止することができる。
【0043】
本実施の形態の電子機器20によれば、電子装置10は、電子装置10に電気的に接続された本体部20aを制御可能に構成されているため、虫等のリードへの侵入を防止することができ、湿気等によるリードのトラッキングを防止でき、低コストかつ組立て容易な電子機器20を提供することができる。
【0044】
本実施の形態の電子装置の製造方法によれば、リード4をプリント基板21にフロー半田付けする工程において、リード4を伝わる熱によって第2樹脂5を少なくとも流動させて第2樹脂5がリード4に沿ってプリント基板21の上面に達するため、フロー半田付けの際の溶融半田22から伝わる熱を利用して第2樹脂5でリード4を覆うことができる。このため、第2樹脂5とプリント基板21との間に隙間が生じることを抑制することができる。また、第2樹脂5とプリント基板21との間でリード4が露出しないように第2樹脂5でリード4を覆うことができる。また、低コストかつ組立て容易な製造方法を提供することができる。
【0045】
(実施の形態2)
図18および図19を参照して、本発明の実施の形態2では、電子部品1に放熱板31がねじ41で取り付けられている。放熱板31は、電子部品1の発熱量が大きい場合に効率的に発熱を外部に放熱する役割を有している。
【0046】
本実施の形態では、電子部品1に放熱板31がねじ41で取り付けられた後、電子部品1はプリント基板21に搭載される。電子部品1がプリント基板21に搭載される際、第2樹脂5の凸部5aで支えることで放熱板31の自重によって電子部品1が倒れることを防ぐことができる。
【0047】
また、凸部5aで支えることによって、図20および図21を参照してフロー半田付け工程後においても電子部品1をプリント基板21に対して垂直に維持することもできる。これにより、放熱板31が傾いてプリント基板21に実装された他の部品にあたることを防止することができる。なお、フロー半田付け工程時には、リード4近傍の第2樹脂5は熱により溶融するが、リード4から離れた凸部5aはリード4の熱の影響を直接受けないため溶融しない。そのため、電子部品1は、第2樹脂5によってプリント基板21に対して垂直に維持することができる。
【0048】
本実施の形態の電子部品1によれば、放熱板31の自重によって電子部品1が倒れることを防ぐことができるので、電子部品1をプリント基板21に対して垂直に挿入することができる。また、フロー半田付け工程後も電子部品1はプリント基板21に対して垂直に維持されるため、放熱板31がプリント基板21に実装された他の部品にあたることはないので品質を向上することができる。
【0049】
(実施の形態3)
図22および図23を参照して、本発明の実施の形態3では、電子部品1の両側面からリード4が突出している。第2樹脂5が第1樹脂3の側面および底面と接するように形成されている。第2樹脂5はY字型の断面形状を有している。第1樹脂3とプリント基板21の上面との間隔は、第2樹脂5の凸部5aによって長さHで保たれている。第2樹脂5の凸部5aによって電子部品1はプリント基板21に対して平行に維持することができる。
【0050】
図24を参照して、フロー半田付け工程時には、リード4近傍の第2樹脂5は熱により溶融するが、リード4から離れた凸部5aはリード4の熱の影響を直接受けないため溶融しない。そのため、電子部品1は、第2樹脂5によってプリント基板21に対して平行に維持することができる。
【0051】
また、電子部品1とプリント基板21との間隔を一定距離に保ちたい場合には、第2樹脂5の凸部5aで高さを調整して成型すればよいため、高さ調整用の別機構の部品は不要となる。このため、低コストかつ組立て容易な電子部品1を提供することができる。
【0052】
上記の各実施の形態は、適時組み合わせることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0053】
1 電子部品、2 回路部、3 第1樹脂、4 リード、4a 端部、4b 先端部分、5 第2樹脂、5a 凸部、10 電子装置、20 電子機器、20a 本体部、21 プリント基板、22 溶融半田、23 半田、24 コーティング材、25 他電子部品、31 放熱板、32 ビス、33 樹脂スペーサ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回路部と、
前記回路部を封止する第1樹脂と、
前記回路部に電気的に接続され、かつ前記第1樹脂から突出するように延びる端部を有するリードと、
前記リードより小さいヤング率を有する第2樹脂とを備え、
前記第2樹脂は、前記端部の先端部分以外を接して覆うように構成されている、電子部品。
【請求項2】
前記第2樹脂は、プリント基板に搭載されたときに前記プリント基板に当接するための凸部を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第2樹脂は、熱可塑性を有する絶縁体で構成されている、請求項1または2のいずれかに記載の電子部品。
【請求項4】
回路部と、
前記回路部を封止する第1樹脂と、
前記回路部に電気的に接続され、かつ前記第1樹脂から突出するように延びる端部を有するリードと、
前記リードより小さいヤング率を有する第2樹脂と、
前記リードが接続されたプリント基板とを備え、
前記第2樹脂は、前記プリント基板と前記第1樹脂との間で、前記端部の先端部分以外を接して覆うように構成されている、電子装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電子装置と、
前記電子装置に電気的に接続された本体部とを備え、
前記電子装置が前記本体部を制御可能に構成されている、電子機器。
【請求項6】
プリント基板に電子部品がフロー半田付けされる電子装置の製造方法であって、
回路部と、前記回路部を封止する第1樹脂と、前記回路部に電気的に接続され前記第1樹脂から突出するように伸びる端部を有するリードと、前記リードより小さいヤング率を有し前記端部の先端部分以外を接して覆う第2樹脂とを有する前記電子部品を準備する工程と、
前記リードを前記プリント基板にフロー半田付けする工程とを備え、
前記フロー半田付けする工程において、前記リードを伝わる熱によって前記第2樹脂を少なくとも流動させて前記第2樹脂が前記リードに沿って前記プリント基板に達する、電子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2013−115408(P2013−115408A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−263428(P2011−263428)
【出願日】平成23年12月1日(2011.12.1)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】