説明

電子部品の装着方法、電子部品装着装置及び電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法

【課題】一方の側のビームの装着ヘッドが部品供給装置から取り出す部品の数が少ない場合でも、一方の側のビームの稼動状況を向上させて生産効率の向上を図ること。
【解決手段】1枚のプリント基板を生産するときに、ビーム7に設けられた装着ヘッド10によるトレイフィーダ5から電子部品を取り出すステップが終了すると、その後のステップでは、ビーム7は部品供給装置3側に乗り込み、装着ヘッド10は装着ヘッド11と同様に搬送装置2上のプリント基板Pと部品供給装置3との間を移動し、各装着ヘッド10、11に設けられた吸着ノズルにより部品供給装置3から電子部品を取出してプリント基板P上に装着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品を部品供給装置より吸着ノズルにより吸着して取出し、位置決めされたプリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法、電子部品装着装置及び電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法に関する。特に、プリント基板を搬送する搬送装置と、この搬送装置を挟んで設けられて電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備えた電子部品装着装置の電子部品の装着方法、電子部品装着装置及び電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電子部品装着装置は、例えば、特許文献1などに開示されている。一般に、電子部品を供給する部品供給装置はプリント基板を搬送する搬送装置の両外方にそれぞれ設けられ、装着ヘッドを備えたビームは前記各部品供給装置に対応して一対設けられる。即ち、各ビームと各部品供給装置は対応しており、一方のビームの装着ヘッドは対応する部品供給装置のみから電子部品を取出してプリント基板上に装着するのが一般的である。
【特許文献1】特開2006−286707号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、搬送装置の両外方に部品供給装置を設けた場合、特に一方の部品供給装置としてトレイ上に電子部品を載置して吸着ノズルにより取り出せるようにするトレイフィーダを使用する場合にあっては、このトレイフィーダから取り出し一種類の基板種のプリント基板に装着すべき電子部品の数が少ない場合には、対応するビームの稼動状況が悪くなり、生産効率が悪いものとなっていた。
【0004】
そこで、本発明はトレイフィーダなどの部品供給装置から取り出す電子部品が少ない場合でも、ビームの稼動状況を向上させて生産効率の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため第1の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記一対のビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の側の装着ヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の一方の外方側と他方の外方側とに設け、前記各駆動源を駆動して一方の外方側に設けられた前記装着ヘッドと他方の外方側に設けられた前記装着ヘッドとを前記搬送装置上のプリント基板と一方の外方側の前記部品供給装置と他方の外方側の前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着装置において、一方の外方側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の外方側の吸着ヘッドが他方の外方側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、前記トレイフィーダから供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、第4の発明において、前記トレイフィーダから供給されてプリント基板に装着する電子部品が無くなったときには、装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着する。
【0010】
第6の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な一方の装着ヘッド及び他方の装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記一方の装着ヘッド及び他方の装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、前記トレイフィーダから供給されて装着すべき部品が無い前記一方のヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする。
【0011】
第7の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給するもので前記搬送装置の両外方にそれぞれ設けられた部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記各駆動源を駆動して前記各ビームに設けられた装着ヘッドの吸着ノズルによりいずれの前記部品供給装置からも電子部品を取出せるようにし、且つ、一方のビームの前記吸着ノズルが一方の外方に設けられた前記部品供給装置から取り出し前記プリント基板に装着する電子部品が少ないときには、一方のビームの前記吸着ノズルは他方の外方に設けられた前記部品供給装置から部品を取り出し前記プリント基板に装着することを特徴とする。
【0012】
第8の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の一方の外方側と他方の外方側とに設け、前記各駆動源を駆動して一方の外方側に設けられた前記装着ヘッドと他方の外方側に設けられた前記装着ヘッドとを前記搬送装置上のプリント基板と一方の外方側の前記部品供給装置と他方の外方側の前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、一方の外方側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の外方側の吸着ヘッドが他方の外方側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする。
【0013】
第9の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする
第10の発明は、プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、前記トレイフィーダから供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、トレイフィーダなどの部品供給装置から取り出す電子部品が少ない場合でも、ビームの稼動状況を向上させて生産効率の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下図1乃至図4に基づいて、プリント基板上に電子部品を装着する電子部品装着装置について、第1の実施の形態を説明する。電子部品装着装置1には、プリント基板PをX方行に搬送する搬送装置2と、この搬送装置2の一方の側、即ち奥側(図1においては上)に設けられトレイフィーダ5と、搬送装置2の他方の側、即ち手前側(図1においては下)に設けられ電子部品を供給する例えば複数の部品供給ユニットを着脱自在に並べたカートなどの部品供給装置3と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビーム7、8と、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビーム7、8に沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッド10、11とが設けられている。
【0016】
トレイフィーダ30は、電子部品を供給する例えば多数個の電子部品を整列配置したトレイ4が載置されたパレット44を上下方向に収納すると共に、パレット44を収納部と部品供給位置との間で入れ換えるようにした部品供給装置であり、パレット44を複数段収納するマガジンと、このマガジンの所定のパレット44を引き出す引き出し機構と、この引き出し機構が引き出したパレット44を電子部品供給位置まで上昇させるエレベータ機構とを備えているが、これに限らず、トレイ4を使用して電子部品を供給する部品供給装置であれば、構造は問わない。
【0017】
前記搬送装置2は電子部品装着装置1の中間部に配設され、上流側装置からプリント基板Pを受け継ぐ基板供給部と、前記各装着ヘッド10、11の各吸着ノズル100、110に吸着保持された電子部品を装着するために基板供給部から供給されたプリント基板Pを位置決め固定する位置決め部と、この位置決め部で電子部品が装着されたプリント基板Pを受け継いで下流側装置に搬送する排出部とから構成される。
【0018】
また、前記部品供給装置3はフィーダベース12を備え、このフィーダベース12上に複数の部品供給ユニットである部品供給ユニット13が着脱自在に並べられており、種々の電子部品を夫々その部品取出し部(部品吸着位置)に1個ずつ供給する。
【0019】
X方向に長い前後一対の一方の側(トレイフィーダ7側)のビーム7と、他方の側(部品供給装置3側)のビーム8は、各Y方向リニアモータ9の駆動により左右一対の前後に延びたガイドに沿って前記各ビームに固定されたスライダが摺動して個別にY方向に移動する。前記Y方向リニアモータは、左右一対の基体1A、1Bに沿って固定された上下一対の固定子と、前記ビーム7、8の両端部に設けられた取付板の下部に固定された可動子9aとから構成される。
【0020】
また、前記ビーム7、8にはその長手方向(X方向)にX方向リニアモータ23(図2参照)によりガイドに沿って移動する装着ヘッド10、11が夫々内側に設けられており、前記X方向リニアモータは各ビーム7、8に固定された前後一対の固定子と、各固定子の間に位置して前記装着ヘッド10、11に設けられた可動子とから構成される。
【0021】
従って、各装着ヘッド10、11は向き合うように各ビーム7、8の内側に設けられ、前記搬送装置2の位置決め部上のプリント基板Pや部品供給ユニット13やトレイ4の部品取出し位置上方を移動する。
【0022】
そして、各装着ヘッド10、11には例えば4本の各バネにより下方へ付勢されている吸着ノズルが円周上に所定間隔を存して配設されており、各装着ヘッド10、11の3時と9時の位置に位置する吸着ノズルにより並設された複数の部品供給ユニット13から電子部品を同時に取出しすることも可能である。この吸着ノズルは上下軸モータ25(図2参照)により昇降可能であり、またθ軸モータ26(図2参照)により装着ヘッド10、11を鉛直軸周りに回転させることにより、結果として各装着ヘッド10、11の各吸着ノズル5はX方向及びY方向に移動可能であり、垂直線回りに回転可能で、且つ上下動可能となっている。
【0023】
また、各装着ヘッド10、11には基板認識カメラ14、14が設けられ、位置決めされているプリント基板Pに付された位置決めマークを撮像する。また、部品認識カメラ15で、各吸着ノズルに吸着保持された電子部品を一括して撮像する。
【0024】
図2は電子部品装着装置1の電子部品装着に係る制御のための制御ブロックであり、以下説明する。電子部品装着装置1の各要素はCPU(セントラル・プロセッシング・ユニット)16が統括制御しており、この制御に係るプログラムを格納するROM(リ−ド・オンリー・メモリ)36及び各種データを格納するRAM(ランダム・アクセス・メモリ)17がバスライン18を介して接続されている。また、CPU16には操作画面等を表示するモニタ20及びこのモニタ20の表示画面に形成された入力手段としてのタッチパネルスイッチ21がインターフェース22を介して接続されている。また、前記Y方向リニアモータ9等が駆動回路24、インターフェース22を介して前記CPU16に接続されている。
【0025】
前記RAM17には、プリント基板Pの種類(基板種)毎にNCデータが格納されているが、このNCデータはオペレーションデータ、段取りデータ、装着データ、部品配置データ等から構成される。前記オペーレーションデータはNCデータ名であるコメント、プリント基板のX方向及びY方向のサイズ、プリント基板の厚み、先付部品の有無、先付部品の高さ、基板仕上げモードから構成される。トレイフィーダ5から供給する電子部品の数が多いプリント基板である例えば基板種Aの装着データは図3に示すとおりである。この装着データでは、電子部品装着装置1で基板種Aのプリント基板Pを生産するときに、極力効率よく電子部品を部品供給装置3或いはトレイフィーダ5から交互に取り出してプリント基板に装着するために、部品供給装置3及びトレイフィーダ5から電子部品を取り出す順番を最適化して予め設定される。
【0026】
また、前記各部品供給ユニット13の部品供給ユニット配置番号に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報、即ち部品配置データは図4に示し、トレイフィーダ5でのトレイ4の配置番号に対応した各電子部品の種類(部品ID)の情報、即ち部品配置データは図5に示す。更に、RAM17には、図6に示したトレイフィーダ5においてどの段にどのトレイ(FDR)が収納されているかを表す段データが格納されている。
【0027】
また、基板種Aの次に生産するプリント基板でありトレイフィーダ5から供給する電子部品の数が少ない基板種Bについて、予め設定された図7に示した装着データがRAM17に格納されている。この装着データでは、電子部品装着装置1で基板種Bのプリント基板Pを生産するときに、極力効率よく電子部品を部品供給装置3或いはトレイフィーダ5から取り出してプリント基板に装着するために、部品供給装置3及びトレイフィーダ5から電子部品を取り出す順番を最適化して予め設定される。例えば、一方の側であり装着する部品が少ないトレイフィーダ5側にある(即ち、装着する部品数が少ない一方の側である)装着ヘッド10(ヘッドNo.1)を例えばステップ番号「0009」〜「0012」等では装着する部品数が多い他方の供給装置側から吸着するようにして決定するステップを経て設定されている。また、部品供給ユニットについての図8に示した部品配置データ、トレイフィーダについての図9に示した部品配置データ及び図10に示した段データがRAM17に格納されている。更に、基板種Bの次に生産するプリント基板でありトレイフィーダ5から供給する電子部品が無い基板種Cについて予め設定された図11に示した装着データ、部品供給ユニットについての図12に示した部品配置データがRAM17に格納されている。例えば、一方の側であり装着する部品が無いトレイフィーダ5側にある(即ち、装着する部品が無い一方の側である)装着ヘッド10(ヘッドNo.1)を例えばステップ番号「0005」〜「0008」、「0013」〜「0016」等では装着する部品数が多い他方の供給装置側から吸着するようにして決定するステップを経て設定されている。
【0028】
図3に示した装着データは、その装着順序毎(ステップ番号毎)に、夫々のプリント基板Pの左側上部のコーナーを原点とした各プリント基板P内での各電子部品の装着座標のX方向(図1では右方向がプラス)、Y方向(図1では下方向がプラス)及び装着角度情報や吸着ノズルの番号情報(「1」〜「4」で表示)、各部品供給ユニットの配置番号情報(FDR)、装着ヘッド10、11の番号情報(奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10は「1」、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11は「2」で表示)等が格納されている。
【0029】
この装着データによれば、ステップ番号「0001」〜「0004」及び「0009」〜「0012」・・・は、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10(ヘッド番号「1」)を使用して、プリント基板Pに電子部品を装着することを意味し、ステップ番号「0005」〜「0008」及び「0013」〜「0016」は、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11(ヘッド番号「2」)を使用して、プリント基板Pに電子部品を装着することを意味する。
【0030】
また、前記RAM13には、形状データ・認識データ・制御データ・部品供給データから構成して各電子部品の特徴を表す部品ライブラリデータ等も格納されている。
【0031】
27はインターフェース17を介して前記CPU16に接続される認識処理装置で、前記基板認識カメラ14や部品認識カメラ15により撮像して取込まれた画像の認識処理が認識処理装置27にて行われ、CPU16に処理結果が送出される。即ち、CPU16は基板認識カメラ14や部品認識カメラ15により撮像された画像を認識処理(位置ずれ量の算出など)するように指示を認識処理装置27に出力すると共に、認識処理結果を認識処理装置27から受取るものである。
【0032】
以上の構成により、以下動作について説明する。
【0033】
先ず、作業者はモニタ20に表示されたタッチパネルスイッチ21を押圧操作し、これから生産するプリント基板Pの種類を基板種Aと指定し、運転スイッチを押圧することにより、電子部品装着装置1は生産運転を開始させる。
【0034】
そして、矢印33に示したように、プリント基板Pが上流側装置(図示せず)より受継がれて搬送装置2の供給部上に存在すると、供給部上のプリント基板Pを位置決め部へ移動させ、このプリント基板Pの平面方向及び上下方向における位置決めがなされて固定する。
【0035】
そして、プリント基板Pの位置決めがされると、奥側のビーム7がY方向リニアモータ9の駆動により前後に延びたガイドに沿ってスライダが摺動してY方向に移動すると共にX方向リニアモータ23により装着ヘッド10がX方向に移動し、トレイ4の部品取出し位置上方まで移動して上下軸モータの駆動により吸着ノズル101を下降させてトレイ4から電子部品を取り出す。この場合、装着ヘッド10をX方向に移動させると共に回転させ、更に吸着ノズル101を昇降させることにより、複数の吸着ノズル101がトレイ4から電子部品を取り出すことができる。
【0036】
そして、プリント基板Pの位置決めがされると、CPU16はRAM17に格納された基板種Aの装着データ(図3参照)に従って、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11がトレイ4及び部品供給ユニット13から電子部品を同時(「同期」ではない。)に取出して、各プリント基板P上に同時に装着するように制御する。この場合、Y方向については両ビーム7、8が必要以上に近づかないように制御されると共にX方向については両装着ヘッド10、11が必要以上に近づかないように制御されて、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11の衝突が防止される。
【0037】
初めに、ステップ番号「0001」から「0004」まで、トレイ4から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10(図3におけるヘッド番号「1」)により電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0005」から「0008」まで、部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11(図3におけるヘッド番号「2」)により電子部品が順に取出される。即ち、ステップ番号「0001」において、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101のノズル番号「1」が配置番号「301」のトレイ4から電子部品を取り出すと同時に、ステップ番号「0005」において、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11のノズル番号「1」の吸着ノズル111が配置番号「211」の部品供給ユニット13から電子部品を取り出すというように、それぞれの装着ヘッド10、11が対応するステップ番号に従って4個の電子部品を吸着して取り出す。このとき、手前側の装着ヘッド11による部品吸着の開始と奥側の装着ヘッド10による部品吸着の開始とが、また手前側の装着ヘッド11による全ての部品の吸着の終了と奥側の装着ヘッド10による全ての部品の吸着の終了とがずれるときもある。
【0038】
また、この取出した後は、両装着ヘッド10、11の吸着ノズル101、111を上昇させて、装着ヘッド10、11を部品認識カメラ15上方を通過させ、この移動中に両装着ヘッド10、11の4本の吸着ノズル101、111に吸着保持されたそれぞれ4個の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置27が認識処理して各吸着ノズル101、111に対する電子部品の位置ズレを把握する。
【0039】
その後、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11に設けられた基板認識カメラ8を各プリント基板P上方へ移動させて、搬送装置2上で位置決めされているプリント基板Pに付された位置決めマークを撮像し、この撮像された画像を認識処理装置27が認識処理して各プリント基板Pの位置を把握する。そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。
【0040】
即ち、ステップ番号「0001」から「0004」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101はトレイ4から供給され吸着保持した電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0005」から「0008」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11の吸着ノズル111は部品供給ユニット13から供給されて吸着保持した電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。この場合にも、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11が衝突しないように対応するY方向リニアモータ9及びX方向リニアモータ23がCPU16により制御される。このとき、手前側の装着ヘッド11による部品装着の開始と奥側の装着ヘッド10による部品装着の開始とが、また手前側の装着ヘッド11による全ての部品の装着の終了と奥側の装着ヘッド10による全ての部品の装着の終了とがずれるときもある。
【0041】
次に、ステップ番号「0009」から「0012」まで、奥側トレイ4から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10により電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」まで、手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0042】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10に設けられた吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11に設けられた吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0043】
このように、ステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品がトレイ4から取り出された後、装着され、装着ヘッド10がトレイ4の上方へ到達するまでの間に、トレイフィーダ5はCPU16からの信号に基づいて動作し、搬送装置2側に位置したトレイ4が配置番号「301」のトレイ4に入れ替わる。
【0044】
そして、ステップ番号「0017」から「0020」まで、奥側トレイ4から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10により電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0021」から「0024」まで、手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0045】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0017」から「0020」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10に設けられた吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0021」から「0024」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11に設けられた吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0046】
次に、同様に、ステップ番号「0025」から「0028」まで、電子部品が奥側トレイ4から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10により順に取出されると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」まで、電子部品が手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により取出される。そして、ステップ番号「0025」から「0028」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0047】
以後、トレイ4と部品供給ユニット13とに収納された電子部品が奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッドとによって併行して取り出され、順次プリント基板P上に装着され、1枚のプリント基板Pへの電子部品の装着が終了すると、そのプリント基板Pは搬送装置2によって搬出され、また、新たなプリント基板が上流側から搬入され、上述したように電子部品がプリント基板上に装着される。このように、トレイ4と部品供給ユニット13とに収納された電子部品を奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッド11とによって分担して吸着保持し、プリント基板上に順次装着するので、装着タクトを極力短くすることができる。
【0048】
そして、基板種Aのプリント基板の生産が終了した後、次に、作業者はモニタ20に表示されたタッチパネルスイッチ21を押圧操作し、これから生産するプリント基板Pの種類を、トレイフィーダ5から取り出して装着する電子部品の数が少ない基板種Bと指定し、運転スイッチを押圧することにより、基板種Bのプリント基板の生産運転を開始させる。
【0049】
そして、基板種Bのプリント基板Pが上流側装置(図示せず)より受継がれて搬送装置2の供給部上に存在すると、供給部上のプリント基板Pを位置決め部へ移動させ、このプリント基板Pの平面方向及び上下方向における位置決めがなされて固定する。
【0050】
そして、プリント基板Pの位置決めがされると、CPU16はRAM17に格納された図7に記載した基板種Bの装着データに従って、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11がトレイ4及び部品供給ユニット13から電子部品を同時(「同期」ではない。)に取出して、各プリント基板P上に装着するように制御する。
【0051】
基板種Bの装着データでは、電子部品装着装置1で基板種Bのプリント基板Pを生産するときに、トレイフィーダ5から取り出して装着する電子部品の数と部品供給装置3から取り出し装着する電子部品の数とのバランスに差がある場合に、この実施の形態では、トレイフィーダ5から取り出して装着する電子部品の数が部品供給装置3から取り出し装着する電子部品の数より少ない場合に、装着ヘッド10と装着ヘッド11とにそれぞれ同じ吸着ノズルが取り付けられ、装着ヘッド10が取り出して装着する電子部品の数と装着ヘッド11が取り出して装着する電子部品の数のバランスが極力同じになるように、即ち、最適化して各装着ヘッド10、11の各吸着ヘッド101、111が取り出す電子部品を割り振り、各ステップを割り振る。
【0052】
また、ビーム7はビーム8を追い越して手前側の部品装着装置3側に乗り入れることができないため、トレイフィーダ5には極力多くの電子部品を割り振り、部品供給装置3に割り振る電子部品を極力少なくすることによって、装着ヘッド10の稼働率を極力向上することができる。
【0053】
この場合、Y方向については両ビーム7、8が必要以上に近づかないように制御されると共にX方向については両装着ヘッド10、11が必要以上に近づかないように制御されて、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11の衝突が防止される。
【0054】
初めに、図7に示した装着データのステップ番号「0001」から「0004」まで、トレイ4から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10(図3におけるヘッド番号「1」)により電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0005」から「0008」まで、部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11(図3におけるヘッド番号「2」)により電子部品が順に取出される。即ち、ステップ番号「0001」において、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101のノズル番号「1」が配置番号「301」のトレイ4から電子部品を取り出すと同時に、ステップ番号「0005」において、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11のノズル番号「1」の吸着ノズル111が配置番号「201」の部品供給ユニット13から電子部品を取り出すというように、それぞれの装着ヘッド10、11が対応するステップ番号に従って4個の電子部品を吸着して取り出す。このとき、基板種Aの生産時と同様に、手前側の装着ヘッド11による部品吸着の開始と奥側の装着ヘッド10による部品吸着の開始とが、また手前側の装着ヘッド11による全ての部品の吸着の終了と奥側の装着ヘッド10による全ての部品の吸着の終了とがずれるときもある。
【0055】
また、この取出した後は、上述した基板種Aの生産時と同様に、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0056】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0001」から「0004」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10に設けられた吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0005」から「0008」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11に設けられた吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0057】
トレイフィーダ5から供給する電子部品が上述したステップ番号「0001」から「0004」までの電子部品のみであり、上述した電子部品の取出し及び装着動作が終了した後のプリント基板Pへの電子部品の装着動作について、以下に説明する。
【0058】
図7に示した部品装着データには、トレイフィーダ5からの電子部品の供給が終了した後の電子部品の装着ステップも設定されている。この装着ステップに基づいてステップ番号「0009」から「0032」までの電子部品がプリント基板Pに装着される。
【0059】
即ち、図13に示したように、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10が手前側の部品供給ユニット13の上方へ移動し、ステップ番号「0009」から「0012」まで、装着ヘッド10により部品供給ユニット13から電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」まで、部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11を手前側に並んで設けられた部品認識カメラ15、15上方を通過させ、この移動中に両装着ヘッド10、11の4本の吸着ノズル101、111に吸着保持されたそれぞれ4個の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置27が認識処理して各吸着ノズル101、111に対する電子部品の位置ズレを把握する。
【0060】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11の吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0061】
このように、1枚のプリント基板を生産するとき、トレイフィーダ5から供給される電子部品の数が少ないとき、トレイフィーダ5と同じ側、即ち奥側に設けられたビーム7の装着ヘッド10によるトレイフィーダ5から電子部品を取り出してのプリント基板Pへの装着運転が終了した以降、ビームは部品供給ユニット13の方向へ移動し、装着ヘッド10は、プリント基板Pを越えて手前側へ乗り入れ、装着ヘッド11と同様に部品供給ユニット13から電子部品をと取り出し、プリント基板P上に装着するので、トレイフィーダ5側の装着ヘッド10をプリント基板の生産に利用することができ、この結果、ビーム7、即ち、装着ヘッド10の稼動状況を向上させてプリント基板Pの生産効率を向上することができる。
【0062】
そして、次に、ステップ番号「0017」から「0020」まで、奥側のビーム7はステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品と同様に部品供給ユニット13の側へ乗り入れ、装着ヘッド10により電子部品が部品供給ユニット13から順に取出されると同時に、ステップ番号「0021」から「0024」まで、手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0063】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0017」から「0020」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0021」から「0024」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11に設けられた吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0064】
次に、同様に、ステップ番号「0025」から「0028」まで、電子部品が手前側の部品供給ユニット13から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10により順に取出されると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」まで、電子部品が手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により取出される。そして、ステップ番号「0025」から「0028」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着し、電子部品装着装置1でプリント基板Pが1枚ずつ生産される。
【0065】
このように、基板種Bのプリント基板Pを生産するときには、予め設定されている図7に示した装着データに従い、トレイフィーダ5側のビーム7に設けられた装着ヘッド10はトレイフィーダ5からの電子部品の供給が終了した以降は、トレイフィーダ5とは反対側の部品供給ユニット13側へ乗り入れ、ビーム8に設けられた装着ヘッド11と同様に、部品供給ユニット13から電子部品の供給を受け、プリント基板Pに電子部品を継続して装着するので、ビーム7、即ち、装着ヘッド10の稼動状況を一層向上させてプリント基板Pの生産効率を極力向上することができる。
【0066】
以後、基板種Bのプリント基板Pの生産時には、1枚のプリント基板Pを生産する毎に、トレイフィーダ5からの電子部品の取り出しが終わると、部品供給ユニット13からの電子部品が奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッド11とによって併行して取り出され、順次プリント基板P上に装着され、1枚のプリント基板Pへの電子部品の装着が終了すると、そのプリント基板Pは搬送装置2によって搬出され、また、新たなプリント基板が上流側から搬入され、上述したように電子部品がプリント基板上に装着される。このように、トレイ4からの電子部品の取り出し数が少ないときには、部品供給ユニット13に収納された電子部品を奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッド11とによって分担して吸着保持し、プリント基板上に順次装着するので、装着タクトを極力短くすることができる。
【0067】
なお、基板種Bのプリント基板Pの生産時に、図7に示した装着データのように、装着ヘッド10が電子部品をトレイフィーダ5から取り出して装着するステップを最初のステップ番号「0001」から「0004」までとし、電子部品をトレイフィーダ5から取り出して装着した後、部品供給装置3から電子部品を取り出して装着したが、基板種Bの1枚のプリント基板Pを生産するときに、生産途中のどこで装着ヘッド10が電子部品をトレイフィーダ5から取り出して装着してもよい。即ち、装着ヘッド10が電子部品をトレイフィーダ5から取り出して装着するステップを装着データのステップのどこに設けてもプリント基板Pの生産効率を極力向上することができる。
【0068】
そして、基板種Bのプリント基板の生産が終了した後、次に、作業者はモニタ20に表示されたタッチパネルスイッチ21を押圧操作し、これから生産するプリント基板Pの種類を例えばトレイフィーダ5から供給する電子部品が無い基板種Cと指定し、運転スイッチを押圧することにより、基板種Cのプリント基板の生産運転を開始させる。
【0069】
そして、基板種Cのプリント基板Pが上流側装置(図示せず)より受継がれて搬送装置2の供給部上に存在すると、供給部上のプリント基板Pを位置決め部へ移動させ、このプリント基板Pの平面方向及び上下方向における位置決めがなされて固定する。
【0070】
そして、プリント基板Pの位置決めがされると、CPU16はRAM17に格納された図11に記載した基板種Cの装着データ及び図12に示した部品配置データに従って、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11が部品供給ユニット13から電子部品を同時(「同期」ではない。)に取出して、各プリント基板P上に装着するように制御する。この場合も、Y方向については両ビーム7、8が必要以上に近づかないように制御されると共にX方向については両装着ヘッド10、11が必要以上に近づかないように制御されて、両ビーム7、8の装着ヘッド10、11の衝突が防止される。
【0071】
初めに、図11に示した装着データのステップ番号「0001」から「0004」まで、及びステップ番号「0005」から「0008」まで、部品供給ユニット13から奥側及び手前側のビーム7、8に設けられた装着ヘッド10、11(図11におけるヘッド番号「2、1」)の双方により電子部品が順に取出される。即ち、ステップ番号「0001」において、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101のノズル番号「1」が配置番号「201」の部品供給ユニット13から電子部品を取り出すと同時に、ステップ番号「0005」において、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11のノズル番号「1」の吸着ノズル111が配置番号「231」の部品供給ユニット13から電子部品を取り出すというように、それぞれの装着ヘッド10、11が対応するステップ番号に従って4個の電子部品を部品供給ユニット13から吸着して取り出す。このとき、上述した各基板種の生産時と同様に、手前側の装着ヘッド11による部品吸着の開始と奥側の装着ヘッド10による部品吸着の開始とが、また手前側の装着ヘッド11による全ての部品の吸着の終了と奥側の装着ヘッド10による全ての部品の吸着の終了とがずれるときもある。
【0072】
また、この取出した後は、上述した基板種の生産時と同様に、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0073】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。
【0074】
図11に示した部品装着データには、ステップ番号「0009」以降の装着ステップも設定されている。この装着ステップに基づいてステップ番号「0009」から「0032」までの電子部品がプリント基板Pに装着される。
【0075】
即ち、図13に示したように、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10が手前側の部品供給ユニット13の上方へ移動し、ステップ番号「0009」から「0012」まで、装着ヘッド10により部品供給ユニット13から電子部品が順に取出されると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」まで、部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11を手前側に並んで設けられた部品認識カメラ15、15上方を通過させ、この移動中に両装着ヘッド10、11の4本の吸着ノズル101、111に吸着保持されたそれぞれ4個の電子部品を一括して撮像して、この撮像された画像を認識処理装置27が認識処理して各吸着ノズル101、111に対する電子部品の位置ズレを把握する。
【0076】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。即ち、ステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品について、奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10の吸着ノズル101に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0013」から「0016」までの電子部品について、手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11の吸着ノズル111に吸着保持された電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着する。
【0077】
そして、次に、ステップ番号「0017」から「0020」まで、奥側のビーム7はステップ番号「0009」から「0012」までの電子部品と同様に部品供給ユニット13の側へ乗り入れ、装着ヘッド10により電子部品が部品供給ユニット13から順に取出されると同時に、ステップ番号「0021」から「0024」まで、手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により電子部品が取出される。また、この取出した後は、上述したように、両装着ヘッド10、11が移動し、この間に認識処理装置22が認識処理して吸着されている電子部品の吸着ノズルに対する位置ズレを把握する。
【0078】
そして、装着データの装着座標にそれぞれのプリント基板Pの位置認識結果及び各部品認識処理結果を加味して、各吸着ノズル101、111が位置ずれを補正しつつ、それぞれ電子部品を各プリント基板P上に装着する。
【0079】
次に、同様に、ステップ番号「0025」から「0028」まで、電子部品が手前側の部品供給ユニット13から奥側のビーム7に設けられた装着ヘッド10により順に取出されると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」まで、電子部品が手前側の部品供給ユニット13から手前側のビーム8に設けられた装着ヘッド11により取出される。そして、ステップ番号「0025」から「0028」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着すると同時に、ステップ番号「0029」から「0032」までの電子部品をプリント基板P上に補正しつつ順次装着し、電子部品装着装置1でプリント基板Pが1枚ずつ生産される。
【0080】
このように、基板種Cのプリント基板Pを生産するときには、予め設定されている図11に示した装着データに従い、トレイフィーダ5からの電子部品の取り出しが無い場合にもビーム7に設けられた装着ヘッド10はトレイフィーダ5とは反対側の部品供給ユニット13側へ乗り入れ、ビーム8に設けられた装着ヘッド11と同様に、部品供給ユニット13から電子部品の供給を受け、プリント基板Pに電子部品を継続して装着するので、ビーム7、即ち、装着ヘッド10の稼動状況を一層向上させてプリント基板Pの生産効率を極力向上することができる。
【0081】
また、基板種Bのプリント基板Pを生産した後、基板種Cのプリント基板Pを生産するとき、トレイフィーダ5を外して部品供給ユニットを備えた部品供給装置を取り付ける段取り作業を無くしても上述したように、装着ヘッド10を基板種Cのプリント基板Pの生産に使用でき、生産効率が落ちることを回避できる。
【0082】
以後、基板種Cのプリント基板Pの生産時には、1枚のプリント基板Pを生産する毎に、部品供給ユニット13からの電子部品が奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッド11とによって併行して取り出され、順次プリント基板P上に装着され、1枚のプリント基板Pへの電子部品の装着が終了すると、そのプリント基板Pは搬送装置2によって搬出され、また、新たなプリント基板が上流側から搬入され、上述したように電子部品がプリント基板上に装着される。このように、トレイ4からの電子部品の取り出し数が少ないときには、部品供給ユニット13に収納された電子部品を奥側の装着ヘッド10と手前側の装着ヘッド11とによって分担して吸着保持し、プリント基板上に順次装着するので、装着タクトを極力短くすることができる。
また、トレイフィーダ5に限らず、1枚のプリント基板を生産するとき、一方の側、即ち奥側のトレイフィーダ5以外の部品供給装置3などの部品供給装置が設けられている場合でも、この部品供給装置からの部品取り出し数が少ないときに、この部品供給装置からの部品取り出しのステップが終わってから、或いはこの部品供給装置からの部品取り出しのステップの間に、一方の側のビーム7に設けられた装着ヘッド10によって他方の側である部品供給ユニット13から電子部品を取り出すステップを設け、プリント基板に装着するようにすることによって、装着ヘッド10の稼働率を向上することができ、この結果、プリント基板Pの生産効率を極力向上することができる。
【0083】
更に、前記ビーム7、8に対応するY方向リニアモータ及びX方向リニアモータがCPU16によって制御され、前記各ビーム7、8に設けられた装着ヘッド10、11の吸着ノズル101、111により部品供給装置3或いはトレイフィーダ5のいずれからも電子部品を取り出すことが可能である。このため、生産するプリント基板の基板種によっては各装着ヘッド10、11によってトレイフィーダ5から電子部品を取り出し、各装着ヘッドの稼働率を向上させることも可能である。
【0084】
上述した第1の実施の形態では、1台の電子部品実装装置1について、電子部品をプリント基板に装着する例について説明したが、図14は電子部品装着装置1の上流側に、2台の電子部品装着装置31、32を連結した実装ラインLの概略平面図である。電子部品実装装置31、32において、電子部品実装装置1のトレイフィーダの換わりに部品供給ユニット3を奥側に接続してあり、その他の機構は、電子部品実装装置1と同様である。
【0085】
このように、複数の電子部品実装装置1、31及び32を連結して構成された実装ラインLに、矢印33で示したように、プリント基板Pを送り、電子部品実装装置31、32で各部品供給装置13から部品を供給し、各ビーム7、8に設けられた装着ヘッド10、11によって電子部品を取り出してプリント基板Pに装着する。また、電子部品実装装置1では、電子部品実装装置31、32を経て電子部品が装着されたプリント基板P上に、上述した第1の実施の形態で説明したように、トレイフィーダ5のトレイ4から電子部品を供給して装着ヘッド10によって取り出すと共に、装着ヘッド11が部品供給装置3から電子部品を取り出してプリント基板Pに装着し、トレイフィーダ5からの電子部品の取り出しが少ないときには、装着ヘッド10は部品供給装置3側に乗り入れて部品供給装置3から電子部品を取り出して装着するので、トレイフィーダ5から取り出して装着する電子部品の数が少ない基板種のプリント基板Pを生産するときのトレイフィーダ5側の装着ヘッド10の稼働率を向上することができる。
【0086】
この結果、電子部品装着装置1の運転効率を向上させることができ、上流側の電子部品装着装置32にて生産されたプリント基板Pが電子部品実装装置1へ搬送されるときに、電子部品装着装置1での生産が遅れていて搬送待ちが発生することを極力回避することができ、実装ライン全体の生産効率を向上させることができる。
【0087】
実装ラインでの装着データとしては、実装ライン全体の装着データを作成しても、或いは、電子部品装着装置1、31、32毎に割り振られた装着する電子部品について装着データを作成してもよい。
【0088】
なお、装着ヘッド10に取り付けられた各吸着ノズル101と装着ヘッド11に設けられた各吸着ノズル111とは共通にすることが前提であり、共通にすることによって、装着ヘッド10によって部品供給装置13から電子部品を取り出すことが可能になる。
【0089】
また、装着ヘッド10に取り付けられた吸着ノズル101がトレイ用の吸着ノズル、即ち、トレイ4に収納された電子部品用の吸着ノズル(トレイ用吸着ノズルという。)であった場合でも、この吸着ノズルによって反対側の部品供給装置3から電子部品を取り出せればよい。また、装着ヘッド10にトレイ用吸着ノズル以外の部品供給装置3用の吸着ノズルを取り付けておいてもよく、このとき、装着ヘッド10に4本より多い本数の吸着ノズルが取り付けられるようにすることによって、装着ヘッド10に取り付けられる吸着ノズル101の種類を増やすことができる。
【0090】
また、上述した各実施の形態において、各電子部品装着装置31、32、及び1に1枚のプリント基板Pを位置決めして電子部品を装着したが、これに限らず、2枚のプリント基板Pを位置決めして装着してもよく、更には2つの搬送装置2を設けて1枚又は2枚のプリント基板Pを位置決めして電子部品を装着してもよい。
【0091】
2枚のプリント基板Pを位置決めして電子部品を装着するときには、2枚のプリント基板を電子部品装着装置1に同時に搬入して搬出してもよく、特に、2枚のプリント基板が同一基板種の場合には、同時に搬入して搬出することによって生産効率を向上することができる。また、2枚のプリント基板を1枚のプリント基板としてみなし、部品の取り出し順序或いは装着順序を最適化し、電子部品をプリント基板に装着することによって一層効率良くプリント基板を生産することができる。
【0092】
更に、上述した実施の形態において、電子部品装着装置1の各装着ヘッド10、11は各ビーム7、8に内側に向き合うように設けられているが、図15、図16及び図17に示した他の実施の形態の電子部品装着装置50のように、ビーム51とこのビーム51より幅が広く両端がビームの外側に位置したビーム52とを左右の両支持却61、62に支持され、それぞれの高位置が異なりY方向にスライド自在に設ける。そして、各装着ヘッド10、11を各ビーム51、52の下にX方向にスライド自在に且つ上下動可能に吊り下げて設けてもよい。このとき、高い側のビーム52に設けられたヘッド11の上下ストローク或いは吸着ノズル111の昇降ストロークは、ビーム51のヘッド10の上下ストローク或いは吸着ノズル111の昇降ストロークより大きい。なお、図15、図16及び図17において、図1に示した電子部品装着装置1と同様な機構には、同じ符号を付しその詳細な説明は省略する。
【0093】
このような構成にすることによって、電子部品装着装置1と同様にビーム51に設けられた装着ヘッド10は取り出される電子部品の数が少ない奥側の部品供給装置であるトレイフィーダ5のみでなく、手前側の部品供給装置3にも乗り入れることが可能になり(図16参照)、電子部品装着装置1と同様に、装着ヘッド10の稼働率を向上することができる。また、ビーム51はビーム52を追い越して装着ヘッド10は装着ヘッド11より手前側、即ち、部品供給装置側に位置することが可能になり、一層装着ヘッド10の稼働率を向上することができる。
【0094】
この結果、電子部品装着装置50の運転効率を向上させることができる。
【0095】
また、図15、図16及び図17に示した他の実施の形態の電子部品装着装置50のように、各ビーム51、52の高さを異ならせ、各装着ヘッドは装着ヘッド10、11と同様に各ビーム51、52の側面に対向するように設けても良く、このような構成にすることによって、装着ヘッドを各ビームに吊り下げた場合と比較して各ビーム51、52の高さの差を小さく抑えることができ、この結果、電子部品装着装置の高さを極力小さくすることができる。
【0096】
更に、上述した電子部品装着装置1の各ビーム7、8のように、高さを同じ或いは略等しくした各ビームの下に装着ヘッドを吊り下げてもよく、このように各装着ヘッドを高さが同じ或いは略等しい各ビームに吊り下げることによって、各ビームからの各装着ヘッドの水平方向のはみ出しを極力少なくすることができ、この結果、各ビーム同士を接近させることができ、また、各装着ヘッド同士の衝突を極力回避することができる。
【0097】
また、電子部品装着装置1或いは電子部品装着装置50のように奥側と手前側の双方に電子部品の供給手段を設けなく、いずれか一方に供給手段を設け、設けられた供給手段に相互乗り入れ可能なように各ビームをその高さを変えて設けても、また、各ビームの下にそれぞれ装着ヘッドを設けてもよい。
【0098】
以上のように本発明の実施態様について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1の実施の形態の電子部品装着装置の概略平面図である。
【図2】制御ブロック図である。
【図3】基板種Aの装着データを示す図である。
【図4】基板種Aの部品供給装置の部品配置データを示す図である。
【図5】基板種Aのトレイフィーダの部品配置データを示す図である。
【図6】基板種Aのトレイフィーダでの段データを示す図である。
【図7】基板種Bの装着データを示す図である。
【図8】基板種Bの部品供給装置の部品配置データを示す図である。
【図9】基板種Bのトレイフィーダの部品配置データを示す図である。
【図10】基板種Bのトレイフィーダでの段データを示す図である。
【図11】基板種Cの装着データを示す図である。
【図12】基板種Cの部品供給装置の部品配置データを示す図である。
【図13】第1の実施の形態で、トレイフィーダ側のビームが部品供給装置側に乗り入れたときの電子部品装着装置の概略平面図である。
【図14】トレイフィーダを備えた電子部品装着装置を含む複数の電子部品供給装置を連結した実装ラインの概略平面図である。
【図15】他の実施の形態の電子部品装着装置の概略平面図である
【図16】他の実施の形態で、トレイフィーダ側のビームが部品供給装置側に乗り入れたときの電子部品装着装置の概略平面図である
【図17】他の実施の形態の電子部品装着装置の要部の概略平面図である
【符号の説明】
【0100】
1 電子部品装着装置
2 搬送装置
3 部品供給装置
4 トレイ
5 トレイフィーダ
7、8 ビーム
10、11 装着ヘッド
13 部品供給ユニット
P プリント基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記一対のビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の側の装着ヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項2】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の一方の外方側と他方の外方側とに設け、前記各駆動源を駆動して一方の外方側に設けられた前記装着ヘッドと他方の外方側に設けられた前記装着ヘッドとを前記搬送装置上のプリント基板と一方の外方側の前記部品供給装置と他方の外方側の前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着装置において、一方の外方側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の外方側の吸着ヘッドが他方の外方側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項3】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項4】
プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、前記トレイフィーダから供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項5】
前記トレイフィーダから供給されてプリント基板に装着する電子部品が無くなったときには、装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着する請求項4に記載の電子部品の装着方法。
【請求項6】
プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な一方の装着ヘッド及び他方の装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記一方の装着ヘッド及び他方の装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置の電子部品の装着方法において、前記トレイフィーダから供給されて装着すべき部品が無い前記一方のヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着することを特徴とする電子部品の装着方法。
【請求項7】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給するもので前記搬送装置の両外方にそれぞれ設けられた部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記各駆動源を駆動して前記各ビームに設けられた装着ヘッドの吸着ノズルによりいずれの前記部品供給装置からも電子部品を取出せるようにし、且つ、一方のビームの前記吸着ノズルが一方の外方に設けられた前記部品供給装置から取り出し前記プリント基板に装着する電子部品が少ないときには、一方のビームの前記吸着ノズルは他方の外方に設けられた前記部品供給装置から部品を取り出し前記プリント基板に装着することを特徴とする電子部品装着装置。
【請求項8】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の一方の外方側と他方の外方側とに設け、前記各駆動源を駆動して一方の外方側に設けられた前記装着ヘッドと他方の外方側に設けられた前記装着ヘッドとを前記搬送装置上のプリント基板と一方の外方側の前記部品供給装置と他方の外方側の前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、一方の外方側の前記部品供給装置から供給されて装着する部品数が少ない一方の外方側の吸着ヘッドが他方の外方側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法。
【請求項9】
プリント基板を搬送する搬送装置と、電子部品を供給する部品供給装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドとを備え、前記部品供給装置を前記搬送装置の両外方に設け、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、一方の側の前記部品供給装置から供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが他方の側の部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法。
【請求項10】
プリント基板を搬送する搬送装置と、駆動源により一方向に移動可能な一対のビームと、それぞれ吸着ノズルを備えて前記各ビームに沿った方向に各駆動源により移動可能な装着ヘッドと、前記搬送装置を挟み一方の外方に設けられトレイに収納された電子部品供給するトレイフィーダ及び他方の外方に設けられ収納された電子部品を供給する部品供給装置とを備え、前記各駆動源を駆動して前記両ビームに設けられた各装着ヘッドを前記搬送装置上のプリント基板と前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置との間を移動させて、前記各装着ヘッドに設けられた吸着ノズルにより前記トレイフィーダ及び前記部品供給装置から電子部品を取出して前記プリント基板上に装着する電子部品装着装置において、前記トレイフィーダから供給されて一種類の基板種のプリント基板に装着すべき部品数が少ないヘッドが前記部品供給装置から供給された電子部品を吸着して装着するように決定するステップを有することを特徴とする電子部品装着装置の電子部品装着順序決定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−109291(P2010−109291A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282329(P2008−282329)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】