説明

電子部品パッケージ

【課題】パッケージ内部の気密性を保持できる電子部品パッケージを提供する。
【解決手段】本発明の圧電振動子1は、互いに接合された複数の基板の間に形成されたキャビティ30内に、電子部品4を封入可能な電子部品パッケージであって、ベース基板2内部に、ベース基板2の底面(外部電極6)とベース基板2の上面(内部電極9)とを導通するための基板内配線電極5を密封形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子部品は小型化が進んでおり、電子部品を収納するパッケージ(電子部品パッケージ)にも小型化と低コスト化が求められている。例えば、携帯電話や携帯情報端末機器の時刻源や制御信号などのタイミング源、リファレンス信号源などとして使用されている圧電振動子には、2層構造タイプの表面実装型にパッケージされたものが知られている。
【0003】
このタイプのパッケージは、ある基板と他の基板とが直接接合されることでパッケージ化された2層構造になっており、両基板の間に形成されたキャビティ内に電子部品が収納されている。このような2層構造タイプのパッケージの1つとして、ベース部材(ベース基板)に形成された貫通電極により、キャビティの内側に封入された電子部品(圧電振動片)と、ベース基板の外側に形成された外部電極とを導通させたものが知られている(特許文献1参照)。当該特許文献1において、ベース基板やベース基板と接合されて電子部品を封止するリッド基板のパッケージ材料としては、ガラス材料が使用される。つまり、ベース基板やリッド基板は、ガラス材料を使用するので、セラミックスを使用した場合と比べて成形が容易であり、製造コストを下げることができる。また、ガラス材料は熱伝導率が小さいので断熱性に優れ、内部の圧電振動子を温度変化から保護することができる。ここで、当該ガラス材料からなるベース基板には2つの貫通電極が形成されており、外部から圧電振動子に駆動電力を供給することができる。また、貫通電極は銀ペーストを固化したものや、金属部材が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−124845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、周波数特性に優れさまざまなデバイスに使用されている水晶振動子等の電子部品パッケージにおいては、安定して動作させるためにパッケージ内を気密に保つ必要がある。しかしながら、特許文献1記載の発明のごとく、銀ペースト製の貫通電極による電極取り出し方法を利用した電子部品パッケージでは、焼成工程において、銀ペースト中の樹脂等の有機物が除去されて体積が縮小し、貫通電極に孔が開いたり、貫通孔の周辺にクラックが形成されやすかったりする。そのため、特許文献1記載の発明は、キャビティ内の気密性が低下したり、導通不良を生じたりするという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、パッケージ内部の気密性を保持できる電子部品パッケージを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、上下に接合された二つの基板の間に形成されるキャビティ内部へ電子部品を封入可能な電子部品パッケージであって、前記二つの基板のうち下方に配設される第一基板は、上面に形成され端子を介して前記電子部品と接続された第一電極と、底面に形成され上面視において前記第一電極の位置と相違する位置に設けられた第二電極と、内部に設けられた基板内配線電極と、前記第一電極と前記基板内配線電極の一方の端部とを連接する第一接続電極と、前記第二電極と前記基板内配線電極の他方の端部とを連接する第二接続電極と、を備えることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、キャビティ内部に封入されて端子を介して第一電極に接続された電子部品は、第一基板の内部に設けられた基板内配線電極の、一方の端部と連接された第一接続電極に接続される。さらに、第一基板の底面で上面視において第一電極の位置と相違する位置に設けられた第二電極は、基板内配線電極の他方の端部と連接された第二接続電極に接続される。つまり、本発明に係る電子部品パッケージは、外部電極としての第二電極と電子部品(第一電極)との平面位置が相違し、双方が第一基板内に設けられた基板内配線電極(及び第一接続電極,第二接続電極)を介して接続される構成である。したがって、本発明によると、外部電極と電子部品(内部電極)とが鉛直方向に配置されて、双方が第一基板を上下に貫通する孔(貫通電極)によって接続される従来構成と比べて、パッケージ内部の気密性を確保することができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品パッケージにおいて、前記基板内配線電極は、上面視において前記他方の端部が前記一方の端部よりも当該第一基板の外方に位置するように、前記他方の端部近傍が屈曲してなることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、従来技術のごとくベース基板に2つの外部電極を形成する構成とした(例えば、上面視において、第一基板の幅方向の長さを二分する中心線に対称な位置に一対の基板内配線電極を設けた)場合において、電子部品の電極間ピッチ(第一電極と連接される第一接続電極の電極間ピッチ)よりも、第二電極と連接される第二接続電極の電極間ピッチを広くすることができる。つまり、本発明は、従来の電子部品パッケージにおける、小型化の要求に応じて外部電極の電極間ピッチを狭くせざるを得ないという難点を解消できる。なお、外部電極の電極間ピッチを狭くした場合の難点とは、例えば、ハンダ等を用いて電子機器に電子部品パッケージを実装する場合に、リフロー時に各外部電極間にハンダが付着して複数の外部電極が短絡し、電子機器の製造不良が発生することなどである。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の電子部品パッケージにおいて、前記基板内配線電極は、前記一方の端部から前記他方の端部に向かうにつれて幅が広くなるように形成されることを特徴とする。
本発明によれば、従来技術のごとくベース基板に2つの外部電極を形成する構成とした場合において、電子部品の電極間ピッチ(第一電極と連接される第一接続電極の電極間ピッチ)よりも、第二電極と連接される第二接続電極の電極間ピッチを広くすることができるので、請求項2記載の発明と同様に、パッケージ実装時の製造不良を抑制できる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の電子部品パッケージであって、前記基板内配線電極は、前記他方の端部近傍が複数に分岐した形状からなることを特徴とする。
本発明によれば、分岐した基板内配線電極により第一の基板の応力に対する機械的強度を向上できるためパッケージ実装時の製造不良を抑制できる。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品パッケージであって、前記第一基板は、前記基板内配線電極の長手方向に沿って、強度補助用の補助部材を内部に備えることを特徴とする。
本発明によれば、第一の基板の応力に対する機械的強度を向上できるためパッケージ実装時の製造不良を抑制できる。
【0014】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の電子部品パッケージであって、前記第一基板は、ガラス材からなることを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の電子部品パッケージであって、前記電子部品は圧電振動片であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、キャビティ内部に封入されて端子を介して第一電極に接続された電子部品は、第一基板の内部に設けられた基板内配線電極の、一方の端部と連接された第一接続電極に接続される。さらに、第一基板の底面で上面視において第一電極の位置と相違する位置に設けられた第二電極は、基板内配線電極の他方の端部と連接された第二接続電極に接続される。つまり、本発明に係る電子部品パッケージは、外部電極としての第二電極と電子部品(第一電極)との平面位置が相違し、双方が第一基板内に設けられた基板内配線電極(及び第一接続電極,第二接続電極)を介して接続される構成である。したがって、本発明によると、外部電極と電子部品(内部電極)とが鉛直方向に配置されて、双方が第一基板を上下に貫通する孔(貫通電極)によって接続される従来構成と比べて、パッケージ内部の気密性を確保することができる。したがって、本発明は、パッケージ内部の気密性を保持できる電子部品パッケージを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態1における圧電振動子の外観斜視図である。
【図2】図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】図1に示す圧電振動子の内部構成図であって、リッド基板を取り外した状態を模式的に表す。
【図4】図2のB−B線に沿う断面図である。
【図5】図4に示す断面において、本発明の実施形態2にかかわるパッケージ部材を表す図である。
【図6】図4に示す断面において、本発明の変形例1にかかわるパッケージ部材を表す図である。
【図7】図4に示す断面において、本発明の変形例2にかかわるパッケージ部材を表す図である。
【図8】図4に示す断面において、本発明の実施形態3にかかわるパッケージ部材を表す図である。
【図9】図4に示す断面において、本発明の変形例3にかかわるパッケージ部材を表す図である。
【図10】本発明に係るベース基板の製造方法を説明するための図である。
【図11】本発明に係るベース基板の別の製造方法を説明するための図である。
【図12】図11に示す製造方法に基づき生成されたベース基板を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
(実施形態1)
図1から図4に示すように、本実施形態1に係る圧電振動子1は、上下に配置されたベース基板2(第一基板)およびリッド基板3が接合膜20を介して陽極接合され、キャビティ30に収納された圧電振動片4(電子部品)を備えた表面実装型の電子部品パッケージである。
【0018】
なお、以下の説明では、ベース基板2におけるリッド基板3との接合面を上面Uとする。また、以下の説明では、図1に示す圧電振動子1の前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向、と便宜上定める。
【0019】
図1に示すように、圧電振動子1は矩形形状のベース基板2とその上に接合した矩形形状のリッド基板3を備えている。ベース基板2はその外表面(底面)に互いに電気的に分離した外部電極6、16(第二電極)及びダミー電極61、161を備えている。ベース基板2とリッド基板3は、ガラス材(例えば、ソーダ石灰ガラス)を使用する。つまり、ベース基板2とリッド基板3とに同じ材料を使用しているので、温度変化に対する双方の基板の熱膨張差を小さくすることができ、基板間の剥がれ、これに伴う気密性の低下を防止することができる。
【0020】
図2に示すように、リッド基板3はその底面に凹部を有している。そして、当該凹部は、リッド基板3がベース基板2と接合層20を介して接合されることでキャビティ30を構成し、圧電振動片4を収納(封入)する。また、図2、図3に示すように、ベース基板2は、その上面Uに2つの内部接続電極8,81(第一接続電極)が露出している。そして、内部接続電極8,81の上面には、内部電極9,91(第一電極)が形成されている。当該内部電極9,91は、図3に示すように、XY平面視で外部電極6、16と相違する位置に設けられる。さらに、内部電極9,91の上面には、金(Au)等からなるバンプ10,11(端子)が形成される。そして、そのバンプ10,11の上には、フリップチップボンディングによって圧電振動片4が実装される。つまり、内部電極9,91は、バンプ10,11を介して圧電振動片4と電気的に接続される。また、バンプ10,11は圧電振動片4を片持ち状態で保持する。なお、バンプ10,11としては導電性接着材を使用して接着形成してもよい。
【0021】
ここで、圧電振動片4としては、水晶、タンタル酸リチウムやニオウブ酸リチウムなどからなる圧電材料を使用できる。なお、圧電振動片4の上面及びその反対側の下面には、励振電極(図示せず)が形成される。そして、圧電振動片4に形成された一方の励振電極は、バンプ10、内部電極9、内部接続電極8、内部配線電極5および外部接続電極7を介して外部電極6と電気的に接続され、他方の励振電極は、バンプ11、内部電極91、内部接続電極81、内部配線電極51および外部接続電極71を介して外部電極61と電気的に接続される。ところで、励振電極、内部電極9,91、外部電極6,61は、例えば、金(Au)の被膜で形成する。なお、これらの膜は、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、アルミニウム(Al)やチタン(Ti)などの導電性膜の被膜あるいはこれら導電性膜のいくつかを組み合わせた積層膜により形成してもよい。
【0022】
内部接続電極8、81および外部接続電極7、71(第二接続電極)は、内部配線電極5と内部電極9,91および外部電極6,61とをそれぞれ連接するように形成された貫通孔に設けられる。当該内部接続電極8、81および外部接続電極7、71は導電性接着剤を貫通孔内に充填することで形成される。なお、内部接続電極8、81および外部接続電極7、71は、例えばめっき法などで充填形成するか、金属ピンなどを貫通孔にさしこみ、間隙を接着剤などで充填して形成しても良い。
【0023】
内部配線電極5、51は、図2、3に示すように、一方の端部が内部接続電極8、81の下端に連接するように、他方の端部が外部接続電極7、71の上端に連接するように、X軸と平行に配置され、ベース基板2の内部に密封形成された板状の部材である。ここで、内部配線電極5、51は、図3に示すように、ベース基板2のY軸方向の長さを二分する中心線(図示省略)に対して対称な位置に、それぞれ配置される。当該内部配線電極5、51は、例えばステンレスや銀(Ag)、ニッケル(Ni)合金、アルミニウム(Al)等の金属材料により形成された導電性の部材である。特に、内部配線電極5、51は、鉄(Fe)を58重量パーセント、ニッケル(Ni)を42重量パーセント含有する合金(42アロイ)で形成することが望ましい。なお、内部配線電極5、51の形状は板状に限定されるものではなく、例えば、棒状などであっても勿論よい。
【0024】
このように構成された圧電振動子1を作動させる場合には、ベース基板2に形成された外部電極6,61に対して、所定の駆動電圧を印加する。これにより、圧電振動片4の励振電極に電流が流れるので、圧電振動片4を所定の周波数で振動させることができる。そして、圧電振動片4は、当該振動を利用して、制御信号のタイミング源やリファレンス信号源などとして利用することができる。
【0025】
本実施形態によれば、外部電極6,61と圧電振動片4がベース基板2に密封形成された内部配線電極5を介して接続されるため、パッケージ30内部の気密不良を抑制できる。
【0026】
(実施形態2)
次いで、本発明の実施形態2に係る圧電振動子について説明する。図5は本発明の実施形態2に係る圧電振動子1aの部分断面図である。なお、圧電振動子1aに備わる構成のうち、実施形態1に係る圧電素子1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0027】
本実施形態では、圧電振動子1aにおいて、ベース基板2に形成された内部配線電極5aと51aを、XY平面視において、外部電極6,61(外部接続電極7、71)と連接される他方の端部が内部電極9,91(内部接続電極8、81)と連接される一方の端部よりもベース基板2の外方(Y軸方向端部)に位置するように、一方の端部が屈曲するように構成した。つまり、外部電極6,61は、図5に示されるとおり、当該内部配線電極5aと51aの屈曲部分の下方に配設される。
【0028】
本実施形態によれば、ベース基板2の外側に形成した外部電極6,61の電極間ピッチが、ベース基板2の内部に形成した内部電極9,91の電極間ピッチよりも広くなるように形成されるので、パッケージ内の圧電振動片4の電極間ピッチよりも、ベース基板2外側に形成した外部電極6,61の電極間ピッチを広くすることができる。これにより、圧電振動片4をパッケージ実装する際の製造不良を抑制できる。
【0029】
(変形例1)
次いで、実施形態2の変形例1について説明する。図6は本実施形態2の変形例1(圧電振動子1b)を示す図である。図6に示すように、ベース基板2に形成された内部配線電極5bと51bの間隔が、内部電極9,91(内部接続電極8、81)と連接される一方の端部から部電極6,61(外部接続電極7、71)と連接される他方の端部にむかって、段階的に広くなるように形成してもよい。
【0030】
(変形例2)
次いで、実施形態2の変形例2について説明する。図7は本実施形態2の変形例2(圧電振動子1c)を示す図である。図7に示すように、内部配線電極5cと51cの幅(Y軸方向の厚み)が、内部電極9,91(内部接続電極8、81)と連接される一方の端部から外部電極6,61(外部接続電極7、71)と連接される他方の端部にむかうにつれて段階的に広くなるように形成してもよい。つまり、本変形例によると、実施形態2と同様の効果が得られることは勿論、内部配線電極5cと51cのXY平面における面積が広くなるので、ベース基板2の機械的強度を向上させることができる。
【0031】
(実施形態3)
次いで、本発明の実施形態3に係る圧電振動子について説明する。図8は本発明の実施形態3に係る圧電振動子1dの部分断面図である。なお、圧電振動子1dに備わる構成のうち、実施形態1に係る圧電素子1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
本実施形態では、ベース基板2に形成された内部配線電極5d,51dを、外部電極6,61(外部接続電極7、71)と連接される他方の端部近傍が複数に分岐した形状となるように構成した。この場合、圧電振動子1dは、図8に示すように、分岐した部分のうちベース基板2の外方(Y軸方向端部)側に、外部電極6,61(外部接続電極7、71)が設けられる。
【0033】
本実施形態によれば、外部電極6,61の電極間ピッチが、ベース基板2の上面に形成した内部電極9,91の電極間ピッチよりも広くなるように形成される。そのため、パッケージ内の圧電振動片4の電極間ピッチよりも、外部電極6,61の電極間ピッチを広くすることができる。これにより、パッケージ実装時の製造不良を抑制できる。また、内部配線電極5d、51dの分岐した部分のうち内方側は、ベース基板2の機械的強度を向上させることができる。
【0034】
(変形例3)
次いで、実施形態3の変形例3について説明する。ここで、図9は、本実施形態3の変形例3(圧電振動子1e)を示す図である。図9に示すように、内部配線電極5e,51eの長手方向(X軸方向)に沿うように、ベース基板2の機械的強度を向上するための内部配線5e,51e(強度補助用の補助部材)が形成されていることとしてもよい。
【0035】
(内部配線電極を備えたベース基板の製造について)
内部配線電極5、51を備えたベース基板2は、例えば、ソーダライムガラス板から多数個取りを行うことで生成する。具体的には、まず、図10に示すように、第一ガラス板21に内部配線電極5,51を形成するための凹部201をプレスあるいはエッチングによって形成する。次いで、形成した凹部201のXY位置と一致するように位置合わせを行った状態で、内部配線電極5,51を配置する。次いで、第二ガラス板22を第一ガラス板21上に配置し、ガラスの軟化点以上の温度で加熱しながらプレス加工を行うことで、第一ガラス板21および第二ガラス板22が内部配線電極5,51を内包する状態に一体化され、ベース基板2が生成される。
【0036】
なお、ベース基板2を生成する方法は、上述の方法に限られない。具体的には、まず、図11に示すように、内部配線電極5,51に少なくとも1つの突起部501を形成する。次いで、第一ガラス板21に設けた凹部201に少なくとも1つのくぼみ部202を形成する。そして、内部配線電極5,51を、突起部501のXY位置が凹部201と一致するように位置合わせをしてプレスすることで、図12に示すベース基板2を形成することとしても良い。これにより、ガラスを軟化点以上に加熱しながらプレスする際に内部配線電極5,51のベース基板2に対する相対位置をより正確に決めることが可能となる。
【0037】
ここで、上記ベース基板2を生成する方法では、第二ガラス板22に換えて、溶融したガラス材料を投入することとしても良い。
【符号の説明】
【0038】
1 圧電振動子(電子部品パッケージ)
2 ベース基板(第一基板)
4 圧電振動片(電子部品)
5,51 内部配線電極(基板内配線電極)
6,61 外部電極(第二電極)
7,71 外部接続電極(第二接続電極)
8,81 内部接続電極(第一接続電極)
9,91 内部電極(第一電極)
10,11 バンプ(端子)
20 接合層
30 キャビティ
61,161 ダミー電極
1a 圧電振動子(電子部品パッケージ)
5a,51a 内部配線電極(基板内配線電極)
1b 圧電振動子(電子部品パッケージ)
5b,51b 内部配線電極(基板内配線電極)
1c 圧電振動子(電子部品パッケージ)
5c,51c 内部配線電極(基板内配線電極)
1d 圧電振動子(電子部品パッケージ)
5d,51d 内部配線電極(基板内配線電極)
1e 圧電振動子(電子部品パッケージ)
5e,51e 内部配線電極(基板内配線電極)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に接合された二つの基板の間に形成されるキャビティ内部へ電子部品を封入可能な電子部品パッケージであって、前記二つの基板のうち下方に配設される第一基板は、上面に形成され端子を介して前記電子部品と接続された第一電極と、底面に形成され上面視において前記第一電極の位置と相違する位置に設けられた第二電極と、内部に設けられた基板内配線電極と、前記第一電極と前記基板内配線電極の一方の端部とを連接する第一接続電極と、前記第二電極と前記基板内配線電極の他方の端部とを連接する第二接続電極と、を備えることを特徴とする電子部品パッケージ。
【請求項2】
前記基板内配線電極は、上面視において前記他方の端部が前記一方の端部よりも当該第一基板の外方に位置するように、前記他方の端部近傍が屈曲してなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項3】
前記基板内配線電極は、前記一方の端部から前記他方の端部に向かうにつれて幅が広くなるように形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品パッケージ。
【請求項4】
前記基板内配線電極は、前記他方の端部近傍が複数に分岐した形状からなることを特徴とする請求項1に記載の電子部品パッケージ。
【請求項5】
前記第一基板は、前記基板内配線電極の長手方向に沿って、強度補助用の補助部材を内部に備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項6】
前記第一基板は、ガラス材からなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の電子部品パッケージ。
【請求項7】
前記電子部品は圧電振動片であることを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の電子部品パッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−209691(P2012−209691A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−72734(P2011−72734)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000002325)セイコーインスツル株式会社 (3,629)
【Fターム(参考)】