説明

電子部品ユニット

【課題】FPC上に接着・載置した電子部品がFPCから剥離・脱落し難い電子部品ユニットを提供することを目的とする。
【解決手段】外部と電気的な接続を図る端子14を有する電子部品10と、可撓性を有するフィルム25と金属製のランド部22を有する回路と金属製のランド部22の周辺部を被覆するレジスト26とを積層したFPC20とを有し、電子部品10がFPC20上に載置されると共に端子14とランド部22とが電気的に接続され、FPC20の電子部品が載置された領域に近接して設けられ、レジスト26に形成された開口部から第1の金属部24を露出させ、電子部品10と第1の金属部24とを跨設するよう設けられた接着剤よりなる第1の接着部30を有するので、電子部品10とFPC20間の接着力が従来よりも強く、電子部品10がFPC20から剥離・脱落しに難い電子部品ユニットを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、携帯電話に取り付けられる電子部品ユニットに関し、特に画像撮影に
用いられるカメラモジュールを可撓性のあるフレキシブルプリント基板(Flexibl
e Printed Circuits以降、FPCと記す。)に接着した電子部品ユニ
ットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
昨今、携帯電話やポータブルオーディオなどの携帯機器内では、FPC上に電子部品を載
置し、接着剤を用いて固定することが多くなっている。FPCは屈曲させて使用されるこ
とが多く、屈曲部近くに電子部品を載置した場合には、屈曲による影響で接着部が剥離し
、電子部品が脱落する事があることから、電子部品とFPCをしっかりと接着固定する必
要がある。
【0003】
従来、電子部品をFPCに接着した電子部品ユニットは、例えば、特許文献1に開示され
るレンズや撮像素子を備えたカメラモジュールをFPCに接着した電子部品ユニットが知
られている。特許文献1には、図12の様に、カメラモジュール100の底面外周部に接
着剤110を塗布し、FPC120上に載置する技術が記載されている。このようにカメ
ラモジュール100の底面外周部に接着剤110を塗布することによって、FPC120
表面に接着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−300428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
FPCはフィルム上に電気的に導通可能な配線を施し、その上にレジストを塗布し固化し
て保護した基板である。またFPCは可撓性があり、引き回しが容易であることから携帯
機器に用いられることが多い。さらに昨今の携帯機器の小型化・薄型化に伴い、FPCは
これまでよりも複雑な引き回しが行われ、屈曲させて使われることが多くなっている。
【0006】
特許文献1では、図12の様に、カメラモジュール100の底面外周部に接着剤110を
塗布し、FPC120のレジスト層130上に接着する構造が記載されている。特許文献
1に記載の技術によるカメラモジュール100とレジスト層130間の接着強度はカメラ
モジュール100を固定するに十分な接着強度がある。
【0007】
しかし、昨今は小型化・薄型化が進み、進む前と比較するとレジスト層130の塗布面積
が小さくなり、レジスト層130とフィルム140間の接着力が弱くなったことから、レ
ジスト層130がフィルム140から剥離しやすくなっており、FPC120を屈曲させ
た際にレジスト層130に亀裂が入ると、カメラモジュール100を接着したままレジス
ト層130が剥離し、脱落することがあった。
【0008】
本発明は、上述した課題を解決して、載置した電子部品がFPCから剥離・脱落し難い電
子部品ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、外部と電気的な接続を図る端子を有する電子部品と、可撓性を有するフィルム
と金属製のランド部を有する回路と少なくとも前記金属製のランド部の周辺部を被覆する
レジストとを積層したFPCとを有し、前記電子部品が前記FPC上に載置されると共に
前記端子と前記ランド部とが電気的に接続されている電子部品ユニットにおいて、前記F
PCの前記電子部品が載置された領域に近接して設けられ、前記レジストに形成された開
口部から第1の金属部を露出させ、前記電子部品と前記第1の金属部とを跨設するよう設
けられた接着剤よりなる第1の接着部を有しているという特徴を有する。
【0010】
これにより、本発明によれば、前記第1の金属部を前記FPCに設け、前記第1の金属部
と前記電子部品を接着することで、従来、前記電子部品と前記レジストを接着した場合に
比べて前記電子部品と前記FPC間の接着力が増し、従来技術で接着した場合に比べて前
記電子部品が前記FPCから脱落しにくくなるという効果を奏する。
【0011】
また、本発明は、前記第1の金属部は前記電子部品とは電気的に接続されないよう配線さ
れているという特徴を有する。これにより、本発明によれば、前記第1の金属部と前記電
子部品を接着することで、外部との電気的な接続に影響を与えることなく接着できるとと
もに、前記電子部品が前記FPCから脱落しにくくなるという効果を奏する。
【0012】
また、本発明は、前記第1の金属部は前記回路と同一の層に同一の材料で形成されている
という特徴を有する。これにより、本発明によれば、前記FPCの積層数を増やすことな
く、前記ランド部の形成と同時に、前記第1の金属部を形成することができ、前記FPC
の厚さを従来技術と同等にでき、電子部品ユニットの薄型化に寄与するとともに、前記F
PCの作成工数を増やさずに作成できるという効果を奏する。
【0013】
また、本発明は、前記第1の接着部が、前記電子部品の側面部と前記第1の金属部とを跨
設するようフィレットを形成しているという特徴を有する。これにより、本発明によれば
、前記第1の接着部と前記電子部品の接合箇所が前記電子部品の底面だけでなく、側面ま
で広がることから、さらに前記電子部品が前記FPCから脱落しにくくなるという効果を
奏する。
【0014】
また、本発明は、前記電子部品が載置された領域に、前記レジストに形成された開口部か
ら前記第1の金属部と同一の層に同一の材料で形成された第2の金属部を露出させ、前記
第2の金属部と前記電子部品とを接着する前記接着剤からなる第2の接着部を有するとい
う特徴を有する。
【0015】
これにより、本発明によれば、前記第2の金属部を設けることで、前記第1の金属と同様
に接着力強化の効果が得られ、前記電子部品が前記FPCから脱落しにくくなるという効
果を奏する。さらに、前記ランド部の形成と同時に、前記第2の金属部を形成することが
でき、前記FPCの厚さを従来技術と同等にでき、電子部品ユニットの薄型化に寄与する
とともに、前記FPCの作成工数を増やさずに作成できるという効果を奏する。
【0016】
また、本発明は、前記第1の金属部と前記第2の金属部とをつなぐ第3の金属部が設けら
れているという特徴を有する。これにより、本発明によれば、前記電子部品と前記FPC
の接合面積が広がり、前記電子部品と前記FPCの接着力が強くなり、さらに前記電子部
品が前記FPCから脱落しにくくなるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明は、前記FPCに設けられた前記第1の金属部の色調を、前記接着剤の有無
を判別可能となるよう前記FPCの色調および前記第1の接着部の色調と異なる色調とし
たという特徴を有する。
【0018】
これにより、本発明によれば、前記接着部への接着剤の塗布忘れや塗布不足などの塗布ミ
スを目視やセンサー等で確認する際に、前記接着剤に覆われていない前記第1の金属部の
色調が違うことで人の目に付きやすく、また、センサーや画像認識による識別等もやり易
くなり、接着剤の塗布ミスによる電子部品の脱落を防止するという効果を奏する。
【0019】
また、本発明は、前記第1の金属部は、前記電子部品と接着した際に、第1の接着部によ
って全面を覆われるという特徴を有する。これにより、本発明によれば、接着剤の塗布ミ
スの有無の識別がさらに容易になり、接着剤の塗布ミスによる電子部品の脱落を防止する
という効果を奏する。
【0020】
また、本発明は、前記電子部品の外周の一部分に沿って前記第1の金属部を複数設けたと
いう特徴を有する。これにより、本発明によれば、前記第1の金属部をFPC上に電子部
品を載置する際の目印とすることで、載置位置精度が向上すると共に、載置位置ズレの有
無確認を容易にするという効果を奏する。
【0021】
また、本発明は、前記電子部品は撮像素子を有するカメラモジュールであるという特徴を
有する。これにより、本発明によれば、カメラモジュールユニットにおいて、従来技術よ
りも前記カメラモジュールが脱落しにくいという効果を奏する。
【0022】
また、本発明は、前記カメラモジュールは平面視で略矩形状であり、前記カメラモジュー
ルの対向する二辺に沿って前記第1の金属部を設けたという特徴を有する。これにより、
本発明によれば、前記レジスト上に前記カメラモジュールの全周を接着した場合と同等以
上の接着力が得られるとともに、接着剤塗布作業を簡易化でき、接着剤の使用量を削減で
きるという効果を奏する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の電子部品ユニットは、その少なくとも一部が前記電子部品を臨むよう露出した
第1の金属部を、前記FPCの前記電子部品が載置された領域に近接して設け、前記電子
部品と前第1の金属部とを跨設するように第1の接着部を設けたことで、従来技術よりも
強い接着力の得られる接着面を確保し、前記電子部品が前記FPCから脱落しにくくなる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る第1実施形態の電子部品ユニットの構造を示す外観図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態のカメラモジュールの構造を示す外観図である。
【図3】本発明に係る第1実施形態のFPCの構造を示す外観図である。
【図4】本発明に係る第1実施形態のFPCの構造を示す構造図である。
【図5】本発明に係る第1実施形態の電子部品ユニットの構造を示す構造図である。
【図6】本発明に係る第1実施形態における接着剤塗布ミスの例を示す外観図である。
【図7】本発明に係る第2実施形態の電子部品ユニットの構造を示す構造図である。
【図8】本発明に係る第2実施形態のFPCの構造を示す外観図である。
【図9】本発明に係る第3実施形態の電子部品ユニットの構造を示す構造図である。
【図10】本発明に係る第3実施形態のFPCの構造を示す外観図である。
【図11】第1の金属部、第2の金属部および第3の金属部の配置バリエーション例を示す配置図である。
【図12】従来例の電子部品ユニットの構造を示す構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下において、本発明の実施形態に係る電子部品ユニットを具体的に説明するが、本発明
は下記の実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施
することが可能である。
【0026】
<第1実施形態>
以下、本発明の電子部品ユニットを具体化した第1実施形態について図1ないし図6を参
照して説明する。図2(a)は、図1と同じ角度で示したカメラモジュール10の外観図
で、図2(b)はカメラモジュール10を撮像素子11側から示した外観図である。
【0027】
本実施形態の電子部品ユニットは、図1に示すように、カメラモジュール10とFPC2
0と第1の接着部30から構成される。カメラモジュール10はFPC20上に載置され
、カメラモジュール10とFPC20は第1の接着部30によって接着される。
【0028】
カメラモジュール10は、図2に示すように、概して直方体に円筒を重ねた形状に形成さ
れている。
【0029】
カメラモジュール10は、光(映像)を電気に変換する撮像素子11と、光を集めて撮像
素子11に投影するレンズユニット12と、レンズユニット12を保持するホルダ13を
有する。
【0030】
撮像素子11は、詳細は図示しないが、矩形状の薄い絶縁基板の表面側にセンサチップが
設けられ、裏面側にFPC20に半田接続される平面状の電極が多数設けられ、接点群1
4を形成している。接点群14は前記絶縁基板の4辺にそれぞれ平行に一列状に並んで配
列されている。
【0031】
ホルダ13は、濃灰色の樹脂材で形成され、概して直方体の上に円筒を重ねた形状に形成
されている。また、ホルダ13は、内部は空洞で、円筒部上面と直方体部底面を開放させ
て形成され、前記直方体部底面側を撮像素子11の前記センサチップ側に重ねて固定され
、内部にレンズユニット12を保持している。
【0032】
レンズユニット12は、詳細は図示しないが、樹脂材で形成され、外部の映像を取り入れ
るための2枚のレンズで構成される。
【0033】
これにより、カメラモジュール10は、レンズユニット12から光(映像)を取り込み、
取り込んだ光(映像)の焦点を合せ、撮像素子11の前記センサチップ上に結像し、光(
映像)を電気に変換し、接点群14から出力する。
【0034】
FPC20は、図3および図4に示すように、絶縁体(ポリイミド)をシート状に形成し
たフィルム25と、一端にカメラモジュール10と接続するランド部22を有し、他端に
は外部と接続する外部接続端子23を有する回路21と、第1の接着部30によりカメラ
モジュール10と接着する第1の金属部24と、緑色の感光型のレジスト剤から形成され
回路21と第1の金属部24とを被覆し保護するレジスト26とを有する。
【0035】
回路21は、金メッキを施され光沢を持った銅箔から形成されている。
【0036】
第1の金属部24は、回路21と同じ金メッキを施され光沢を持った銅箔から形成されて
いる。しかし、回路21と第1の金属部24とは電気的に接続はされていない。
【0037】
回路21と第1の金属部24はフィルム25上の同一面に接着され、その上面をレジスト
26で被覆され、異物付着等によるショートや悪影響を及ぼすガスなどから保護されてい
る。
【0038】
カメラモジュール10を載置する領域27には、図3のように、カメラモジュール10の
接点群14の配置にあわせてレジスト26の一部が開口し、ランド部22が露出している
。また、FPC20の端部には、レジスト26の一部が開口し、外部接続端子23が露出
している。
【0039】
また、カメラモジュール10を載置する領域27の外周部では、カメラモジュール10の
外形に沿って、対向する2辺分のレジスト26が開口し、第1の金属部24が露出してい
る。
【0040】
カメラモジュール10をFPC20上に載置する際には、図5のように、接点群14とラ
ンド部22が接触し半田付けされ、カメラモジュール10とFPC20は導通する。
【0041】
第1の接着部30は、黒色の熱硬化性の接着剤で形成され、図5で示すように、カメラモ
ジュール10の底面端部と第1の金属部24とを跨設し、第1の金属部24の露出面全面
を被覆すると共に、カメラモジュール10の側面部にフィレット31を形成し、接着して
いる。
【0042】
第1の金属部24と第1の接着部30との接着力は、レジスト26とフィルム25との接
着力より強く、かつ第1の金属部24とフィルム25の接着力は、レジスト26とフィル
ム25との接着力より強い。
【0043】
本実施形態によれば、カメラモジュール10の底面端部および側面部と第1の金属部24
とを接着することで、カメラモジュール10の底面端部とレジスト26とを接着する従来
の接着方法よりも強い接着力が得られ、カメラモジュール10がFPC20から脱落しに
くくなるという効果を奏する。
【0044】
また、接着箇所をカメラモジュール10の底面端部全周とレジスト26ではなく、カメラ
モジュール10の対向する2辺の底面端部と対向する2辺分の第1の金属部24としたこ
とで、従来技術と同等以上の接着力を得られると共に、接着剤の使用量を削減できるとい
う効果を奏する。
【0045】
また、第1の金属部24はレジスト26よりもフィルム25から剥離しにくいため、第1
の金属部24とフィルム25の剥離によるカメラモジュール10の脱落は、レジスト26
とフィルム25の剥離によるカメラモジュール10の脱落よりも発生しにくく FPC2
0の各層の剥離によるカメラモジュール10の脱落は従来技術よりも発生しにくくなると
いう効果を奏する。
【0046】
また、第1の金属部24と回路21は電気的な接続が無い為、接着作業や接着後に加わる
応力により回路21を断線させるなどの悪影響を与えずに接着を行なえるという効果を奏
する。
【0047】
また、回路21と第1の金属部24とを同一の層に同一の材料で形成することで、FPC
20の厚さを従来技術と同等にでき、カメラモジュールユニットの薄型化に寄与するとと
もに、FPC20の作成工数を増やさずに作成できるという効果を奏する。
【0048】
また、第1の金属部24が金メッキによる光沢のある色調であるのに対し、その周囲にあ
る第1の接着部30は黒色、レジスト26は緑色、カメラモジュール10は濃灰色とし、
第1の金属部24は第1の接着部30によって全面を被覆されるとしたことで、図6の様
な第1の金属部24への接着剤の塗布忘れや塗布不足などの接着剤塗布ミス箇所70の有
無を確認する際に、接着剤塗布ミス箇所70は目視やセンサー等での識別が容易になり、
接着剤の塗布ミスによるカメラモジュール10の脱落を防止するという効果を奏する。
【0049】
また、第1の接着部30が第1の金属部24の全面を被覆するとしたことで、塗布ミスが
有るか無いかの判断をより容易に行なうことができるという効果を奏する。
【0050】
<第2実施形態>
以下、本発明の電子部品ユニットを具体化した第2実施形態について図7および図8を参
照して説明する。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説
明は省略する。
【0051】
本実施形態の電子部品ユニットは、図7および図8に示すように、第1実施形態の電子部
品ユニットにおいて、FPC20に第2の金属部28と、第2の金属部28とカメラモジ
ュール10とを接着する第2の接着部40を追加した構成である。
【0052】
第2の金属部28は第1の金属部24および回路21と同一の層に同一の材料で形成され
、カメラモジュール10を載置する領域27内に配置されているが、第2の金属部28、
第1の金属部24および回路21は電気的に接続されていない。また、第2の金属部28
は第1の金属部24と同様にレジスト26によって被覆されているが、レジスト26の一
部は開口し、第2の金属部28の一部が露出している。
【0053】
第2の接着部40は、第1の接着部30と同じ熱硬化性の接着剤で形成され、カメラモジ
ュール10の底面部と第2の金属部28とを接着し、第1の接着部30と一体化している

【0054】
本実施形態によれば、第2の金属部28を設けることで、第1の金属部24と協働しさら
に接着力強化の効果が得られ、カメラモジュール10がFPC20から脱落しにくくなる
という効果を奏する。さらに、回路21および第1の金属部24と同時に、第2の金属部
28を形成することができ、FPC20の厚さを従来技術と同等にでき、電子部品ユニッ
トの薄型化に寄与するとともに、FPC20の作成工数を増やさずに作成できるという効
果を奏する。
【0055】
<第3実施形態>
以下、本発明の電子部品ユニットを具体化した第3実施形態について図9および図10を
参照して説明する。なお、第2実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な
説明は省略する。
【0056】
本実施形態の電子部品ユニットは、図9および図10に示すように、第2実施形態の電子
部品ユニットにおいて、第3の金属部50および第3の接着部60を追加した構成である

【0057】
第3の金属部50は第1の金属部24、第2の金属部28および回路21と同一の層に同
一の材料で形成され、第1の金属部24と第2の金属部28との間に配置され、第1の金
属部24および第2の金属部28と一体に形成されている。また、第3の金属部50はレ
ジスト26に被覆されているが、レジスト26の一部が開口し、第3の金属部50の一部
が露出している。
【0058】
第3の接着部60は、第1の接着部30および第2の接着部40と同じ熱硬化性の接着剤
で形成され、カメラモジュール10の底面部と第3の金属部50を接着し、第1の接着部
30および第2の接着部40と一体化して形成される。
【0059】
本実施形態によれば、第3の金属部50を設けることで、第1の金属部24および第2の
金属部28と協働しさらに接着力強化の効果が得られ、カメラモジュール10がFPC2
0から脱落しにくくなるという効果を奏する。さらに、回路21、第1の金属部24およ
び第2の金属部28と同時に第3の金属部50を形成することができ、FPC20の厚さ
を従来技術と同等にでき、電子部品ユニットの薄型化に寄与するとともに、FPC20の
作成工数を増やさずに作成できるという効果を奏する。
【0060】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実
施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
(1)上記実施形態では、カメラモジュールをFPCに接着するとしたが、例えば、マイ
クやスイッチや可変抵抗器などの電子部品を接着する場合でも良い。
(2)上記実施形態で、第1の金属部24が設けられている位置は、カメラモジュール1
0を載置する領域27の対向する2辺に相当する部分としたが、より強い接着強度が必要
な場合には、それ以上に増やしても良い。
(3)上記実施形態では、図10のように第1の金属部24、第2の金属部28および第
3の金属部50のそれぞれの長手方向長さを同じとしたが、図11のようにそれぞれの長
さを違えても良い。
(4)上記実施形態では、第1の接着部30とカメラモジュール10との接着範囲をカメ
ラモジュール10の底面端部としたが、電子部品ユニットの機能を損なわない範囲でカメ
ラモジュール10の底面部の接着範囲を拡げても良い。
(5)上記実施形態では、第1の金属部24が金メッキによる光沢のある色調、第1の接
着部30は黒色、レジスト26は緑色、カメラモジュール10は濃灰色としたが、接着剤
塗布ミス箇所70を目視やセンサー等で容易に識別できる色調の組み合わせであれば、別
の色であっても良く、特に補色関係になっていれば識別しやすい。
その他、本発明は要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施することができる。
【符号の説明】
【0061】
10 カメラモジュール
11 撮像素子
12 レンズユニット
13 ホルダ
14 接点群
20 FPC
21 回路
22 ランド部
23 外部接続端子
24 第1の金属部
25 フィルム
26 レジスト
27 カメラモジュール10を載置する領域
28 第2の金属部
30 第1の接着部
31 フィレット
40 第2の接着部
50 第3の金属部
60 第3の接着部
70 接着剤塗布ミス箇所
100 カメラモジュール
110 接着剤
120 FPC
130 レジスト層
140 フィルム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部と電気的な接続を図る端子を有する電子部品と、
可撓性を有するフィルムと金属製のランド部を有する回路と少なくとも前記金属製のラン
ド部の周辺部を被覆するレジストとを積層したフレキシブルプリント基板とを有し、
前記電子部品が前記フレキシブルプリント基板上に載置されると共に前記端子と前記ラン
ド部とが電気的に接続されている電子部品ユニットにおいて、
前記フレキシブルプリント基板の前記電子部品が載置された領域に近接して設けられ、
前記レジストに形成された開口部から第1の金属部を露出させ、前記電子部品と前記第1
の金属部とを跨設するよう設けられた接着剤よりなる第1の接着部を有していることを特
徴とする電子部品ユニット。
【請求項2】
前記第1の金属部は前記電子部品とは電気的に接続されないよう配線されていることを特
徴とする請求項1に記載の電子部品ユニット。
【請求項3】
前記第1の金属部は前記回路と同一の層に同一の材料で形成されていることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の電子部品ユニット。
【請求項4】
前記第1の接着部が、前記電子部品の側面部と前記第1の金属部とを跨設するようフィレ
ットを形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の電
子部品ユニット。
【請求項5】
前記電子部品が載置された領域に、前記レジストに形成された開口部から前記第1の金属
部と同一の層に同一の材料で形成された第2の金属部を露出させ、前記第2の金属部と前
記電子部品とを接着する前記接着剤からなる第2の接着部を有することを特徴とする請求
項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の電子部品ユニット。
【請求項6】
前記第1の金属部と前記第2の金属部とをつなぐ第3の金属部が設けられていることを特
徴とする請求項5に記載の電子部品ユニット。
【請求項7】
前記フレキシブルプリント基板に設けられた前記第1の金属部の色調を、前記接着剤の有
無を判別可能となるよう前記フレキシブルプリント基板の色調および前記第1の接着部の
色調と異なる色調としたことを特徴とする請求項1に記載の電子部品ユニット。
【請求項8】
前記第1の金属部は、前記電子部品と接着した際に、第1の接着部によって全面を覆われ
ることを特徴とする請求項1に記載の電子部品ユニット。
【請求項9】
前記電子部品の外周の一部分に沿って前記第1の金属部を複数設けたことを特徴とする請
求項1または請求項7に記載の電子部品ユニット。
【請求項10】
前記電子部品は撮像素子を有するカメラモジュールであることを特徴とする請求項9に記
載の電子部品ユニット。
【請求項11】
前記カメラモジュールは平面視で略矩形状であり、前記カメラモジュールの対向する二辺
に沿って前記第1の金属部を設けたことを特徴とする請求項10に記載の電子部品ユニッ
ト。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−33698(P2012−33698A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−171809(P2010−171809)
【出願日】平成22年7月30日(2010.7.30)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】