説明

電子部品検査システム

【課題】本発明は、電子部品供給部と整列機との間に無振動区間を形成し、電子製品が無振動状態で整列機に移送され得るようにする電子製品整列装置及び電子部品検査システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電子部品検査システムは、電子部品を供給する電子部品供給部、電子部品を無振動状態で移送して整列する電子部品整列部、電子部品が配置されるガラス円板、トリガー信号とエンコーダ値を生成する電子部品位置検出部、電子部品の4面を撮影する電子部品撮影部、圧縮空気を噴射して電子部品を排出する電子部品排出部及びトリガー信号とエンコーダ値及び撮影映像を用いて、電子部品の良否判定を行った後、判定された結果に基づいて、電子部品排出部を制御する制御部を含む。本発明によれば、電子部品の安定的な整列、選別性能の向上、電子部品の排出反応速度の向上という効果がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品検査システムに関し、より詳しくは、電子部品を自動的に整列して良否判定を行い、判定結果に基づいて、電子製品を排出して分類する電子部品整列装置、電子部品排出装置及び電子部品検査システムに関する。
【背景技術】
【0002】
ここで、電子部品検査システムとは、積層型セラミックキャパシタ(MLCC:multilayer ceramic capacitor)、またはこれに類似した種類の電子部品を整列して映像を撮影し、撮影された映像で電子部品の良否を判定した後、圧縮空気を噴射し、判定の結果に基づいて、電子部品を自動に分類するシステムのことをいう。
【0003】
一般に、MLCC等の電子部品は、市販される前に、大きさ、クラック、メッキ量及びメッキ面積等の電子部品に対する良否判定が必須的に要求される。
【0004】
一方、このような電子部品の検査に用いられる従来の電子部品検査システムの例として、特許文献1及び特許文献2に開示されている。
【0005】
しかしながら、従来用いられた電子部品検査システムは、電子部品を整列する過程において電子部品が振動する状態のまま電子製品を整列させるため、電子部品を安定した状態で整列し難いという問題点があった。
【0006】
また、対象の電子部品に対して1回の撮影映像により電子部品の良否を判断するため、電子製品の良否判定の選別能力が劣るという問題点があった。
【0007】
さらに、電子製品の良否判定の結果に基づいて電子製品を排出するために、圧縮空気を噴射する際に別のノズルを用いるため空気の移動経路が長くなり、圧縮空気がソレノイド弁から電子部品に到達するまでの遅延時間が発生するという問題点があった。
【特許文献1】韓国特許出願公開第2002−73957号明細書
【特許文献2】韓国特許出願公開第2004−82564号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであって、電子部品供給部と整列機との間に無振動区間を形成し、電子製品が無振動状態で整列機に移送され得るようにする電子製品整列装置及び電子部品検査システムを提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、同一の電子部品を異なる角度と照明とから連続して2回以上撮影した映像に基づいて、電子製品の良否を判定する電子部品検査システムを提供することを目的とする。
【0010】
さらに、本発明は、圧縮空気を噴射するノズルを除去して、ソレノイド弁から電子部品に至る圧縮空気の移動経路を最小化する電子製品排出装置及び電子部品検査システムを提供することを目的とする。
【0011】
本発明の他の目的及び利点は、本発明の実施例によって後述する。また、本発明の目的及び利点は、特許請求の範囲に示した手段及び組合せによって実現され得る。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するための本発明の電子部品検査システムは、良否判定の対象となる多数の電子部品を収容するホッパーと前記ホッパーから供給される電子製品を振動によって順次移送させる少なくとも一つのフィーダーとを含む電子部品供給部、前記電子部品供給部から供給された電子部品を、電子部品供給部から供給される他の電子部品の移動力によって、無振動状態で移送して整列する電子部品整列部と、前記電子部品整列部を通じて整列される電子部品が配置され、モータによって回転するガラス円板及び前記ガラス円板に配置された電子部品が通過する時にトリガー信号を生成し、前記ガラス円板の回転に従って変化するエンコーダ値を実時間で生成する電子部品位置検出部と、前記ガラス円板に配置された電子部品の上下左右の4面を撮影するカメラと前記カメラのそれぞれに取り付けられ撮影対象の電子部品に照明を提供する照明手段とを含む電子部品撮影部と、排出ブロックに形成された貫通孔をガラス円板に配置された電子部品に隣接させ、圧縮空気を前記貫通孔から選択的に噴射させ、ガラス円板から離脱する電子部品を分類して収集する電子部品排出部と、前記電子部品位置検出部から受信されるトリガー信号とエンコーダ値とを用いて、当該電子部品が電子部品撮影部の各カメラの位置に到達すると電子部品の4面を順次撮影可能なように、電子部品撮影部の各カメラを制御し、電子部品の4面撮影映像を獲得し、獲得された映像から電子部品の良否判定を行った後、判定された結果に基づいて電子部品を分類し得るように前記電子部品排出部を制御する制御部とを含む。
【0013】
ここで、前記電子部品整列部は、前記電子部品供給部から電子部品を供給されるライン溝が形成された無振動シュートと、前記無振動シュートから移送される電子部品をガイドして整列するように、水平方向に間隔を置いて対向する二つの治具とで構成される整列機とを含む。
【0014】
また、前記治具間の間隔は、前記電子部品の大きさに応じて調節される。
【0015】
また、前記整列機の治具は、対向面がガラス円板の曲率と同一の曲率を有する整列段と、前記無振動シュートから移送される電子部品を整列段にガイドし得るように、対向面側の終端に前記整列段がなす間隔より大きいガイド面が形成された案内段とを含む。
【0016】
また、前記電子部品撮影部の照明手段は、中空に形成された半球状反射板と、前記反射板の内部の中空を取り囲む同心円に沿って複数の発光素子が配置された複数個の発光素子段とを含む。
【0017】
また、前記電子部品撮影部の照明手段のうち、ガラス円板の外周の外側に位置されたカメラに取り付けられる照明手段は、ガラス円板を基準にして下段に位置される反射板部分が、上段に位置される反射板部分より後方に位置することが好ましい。
【0018】
また、前記発光素子段は、赤色LED、白色LED及び青色LEDから選択される一つの色相LEDで構成され得る。
【0019】
また、前記制御部は、2(n=発光素子段の数)通りの照明状態を有するように、前記電子部品撮影部の照明手段を制御することができる。
【0020】
また、前記制御部は、回転するガラス円板に配置された電子部品を異なる角度から連続して2回以上撮影するように、前記電子部品撮影部の各カメラを制御することができる。
【0021】
また、前記制御部は、連続撮影時毎に異なる照明状態を有するように、前記電子部品撮影部の照明手段を制御することができる。
【0022】
また、前記電子部品排出部は、圧縮空気の流れを断続する少なくとも一つのソレノイド弁と、前記ソレノイド弁に連結されるエアホースと、入口は前記エアホースに連結され、出口は前記ガラス円板に配置された電子部品に圧縮空気を噴射する貫通孔が形成される排出段と、前記排出ブロックの圧縮空気によってガラス円板から離脱する電子部品を収集する収納筒とを含む。
【0023】
上記の目的を達成するための本発明の電子部品整列装置は、電子部品検査システムにおいて、回転するガラス円板に電子部品を整列する電子部品整列装置である。そして、該装置は、振動によって移送される電子部品を供給されるライン溝が形成された無振動シュートと前記無振動シュートから移送される電子部品をガイドして整列するように水平方向に間隔を置いて対向する二つの治具で構成される整列機とを含み、前記ライン溝に位置される電子部品は、振動によって移送される他の電子部品の移動力によって無振動状態で移送され得る。
【0024】
上記の目的を達成するための本発明の電子部品排出装置は、電子部品検査システムにおいて、電子製品に対する良否判定の結果に基づいて、配列板に位置された電子部品を排出する電子部品排出装置であって、圧縮空気の流れを断続する少なくとも一つのソレノイド弁と、前記ソレノイド弁に連結されるエアホースと、入口は前記エアホースに連結され、出口は前記配列板に位置された電子部品に圧縮空気を噴射する貫通孔が形成される排出段とを含む排出ブロックが、二つ以上統合されて構成され、前記排出段に形成された貫通孔を前記配列板に配置された電子部品に隣接させ、圧縮空気を前記貫通孔から選択的に噴射することができる。
【発明の効果】
【0025】
上述した本発明の電子部品整列装置、電子部品排出装置及び電子部品検査システムには、下記のような効果がある。
【0026】
第一に、電子部品供給部と整列機との間に無振動区間を形成し、電子製品を無振動状態で整列機に移送し得るので、より安定的な状態で整列が行われ、電子部品の撮影及び排出等の電子部品に対する良否の判定を容易にできるという効果がある。
【0027】
第二に、同一の電子部品を異なる角度及び照明から連続して2回以上撮影した映像により電子製品の良否を判定するので、電子製品に対する良否の判定の選別力を高めるという効果がある。
【0028】
第三に、圧縮空気を噴射するノズルを除去して、ソレノイド弁から電子部品に至る圧縮空気の移動経路を最小化することにより、排出反応速度が向上して安定的に電子部品を排出して収集することができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施例について詳細に説明する。これに先立って、本願明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的または辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自身の発明を最善の方法で説明するために、用語の概念を適宜定義することができるという原則に即して、本発明の技術的思想に符合する意味と概念として解釈しなければならない。
【0030】
したがって、本願明細書に記載された実施例と図面とに示された構成は、本願発明の最も好ましい一実施例に過ぎず、本発明の技術的思想を全て表わしたものではないので、本出願の時点における代替できる様々な均等物と変形例も含まれる点に留意すべきである。
【0031】
図1は、本発明の一実施例による電子部品検査システムの平面構成図である。図1に示すように、電子部品検査システムは、電子部品供給部100、電子部品整列部200、ガラス円板300、電子部品位置検出部、電子部品撮影部500、電子部品排出部600及び制御部(図示せず)を含む。
【0032】
ここで、電子部品は、積層型セラミックキャパシタ(MLCC:multilayer ceramic capacitor)及びこれに類似したチップ種類のセラミック素子であってもよい。また、検査とは、チップアウト(chip outs)、クラック(cracks)のようなセラミック欠陥(ceramic defects)、スクラッチ(scratches)のようなターミネーション欠陥(termination defects)並びに長さ、厚さ及び幅の誤差により発生するディメンジョン欠陥(dimension defects)等、電子部品に存在する欠陥の有無に基づいて電子部品の良否を判定して分類する作業を意味する。
【0033】
前記電子部品供給部100は、良否判定の対象となる多数の電子部品を順次供給(feeding)する構成要素であって、多数の電子部品を収容するホッパー(hopper)100と、ホッパー100から供給される電子製品を振動によって順次移送させる一つ以上のフィーダー(feeder)120,130とを含んで構成され得る。
【0034】
本実施例では、磁石の引力及び斥力により振動するボールフィーダー(Bowl feeder)120とラインフィーダー(Linear feeder)130を含む電子部品供給部100を例示するが、これに限定されるものではなく、多数の電子部品を順次供給することができる他の供給(feeding)手段を利用し得る。ラインフィーダー130は、電子部品が移動時の振動等によって離脱することを防止する覆い132を含むことが好ましい。
【0035】
前記電子部品整列部120は、電子部品供給部100から供給された電子部品を無振動状態でガラス円板300に整列配置する構成要素であって、無振動シュート(図2において210)と二つの治具で構成される整列機(図2において220)とを含む。本実施例では、一つの電子部品整列部120が設置された場合を例示するが、電子部品の整列に精密性が要求される場合には、一つ以上の電子部品整列部120が設置され得る。電子部品整列部の構造及び動作は、下記の図2及び図3において詳細に説明する。
【0036】
前記ガラス円板300は、電子部品整列部120を通じて整列された電子部品が配置される構成要素であって、モータ(図示せず)によって一定の回転速度で回転する。したがって、ガラス円板300が回転することにより、ガラス円板300に配列された電子部品も一緒に回転するようになり、ガラス円板300に配置された電子部品の上下左右の4面の状態を適切な位置に設置された電子部品撮影部500によって撮影することができる。
【0037】
ここで、電子部品の下面はガラス円板300に当接する電子部品面を言い、電子部品の上面は下面の反対側面を言い、電子部品の左面はガラス円板300の外周の外側から観察される電子部品面を言い、電子部品の右面は左面の反対側面を言う。
【0038】
前記電子部品位置検出部はガラス円板300に配置された電子部品の位置を判断することができる信号を生成して制御部に伝送する構成要素であって、トリガー信号を生成するトリガーセンサ400とエンコーダ値を実時間で生成するエンコーダ(図示せず)とを含むことができる。
【0039】
ここで、エンコーダ値は、ガラス円板300の回転角度に対応して予め割り当てられたパルス数であって、電子部品の位置、電子部品を撮影するカメラの位置及び電子部品を排出する貫通孔の位置を判断することができる情報を提供する。例えば、トリガーセンサ400を基準にして、ガラス円板300の回転角度が増加するにつれてパルス数を次第に増加させることができる。パルス数が割り当てられた回転角度は、電子部品の大きさに応じて調節することができる。
【0040】
一方、電子部品撮影部500のカメラの位置及び電子部品排出部600の貫通孔(出口)の位置は、オフセット(offset)パルス数で定義することができる。例えば、第1のカメラの位置は、トリガーセンサ400を基準にして、100パルス数のオフセットを有することができる。
【0041】
さらに説明すると、トリガーセンサ400は、電子部品のガラス円板300に配置された電子部品がトリガーセンサ400を通過する時にトリガー信号を生成して制御部に伝送し、エンコーダは実時間でガラス円板300の回転された角度に当該するパルス数を制御部に伝送する。
【0042】
前記電子部品撮影部500は、ガラス円板300に配置された電子部品の上下左右の4面を撮影する構成要素であって、四つのカメラ及びカメラのそれぞれに取り付けられ撮影対象の電子部品に照明を提供する照明手段(図4において520)を含む。電子部品撮影部500は、電子部品の上下左右の4面を撮影するのに適したところに設置されることが好ましい。
【0043】
カメラは、秒当たり120フレームの撮影能力があり、電子部品の当該面を2回連続して高速撮影することができる高速撮影カメラであることが好ましい。この際、連続撮影は、回転するガラス円板300に配置された電子部品の当該面を異なる角度から撮影した映像を提供する。すなわち、連続撮影された映像は、電子部品に対する良品判定の選別力を向上させる効果がある。
【0044】
カメラは、例えば、640×480ピクセル(pixels)の電荷結合素子(CCD:charge coupled device)により実現することができる。しかし、カメラは、これに限定されるものではなく、電子部品の大きさ及びガラス円板300の回転速度に応じて、適宜選択され得る。照明手段の構造及び動作は、下記の図4及び図5において詳細に説明する。
【0045】
前記電子部品排出部600は、制御部の良否判定の結果に基づいて電子部品を圧縮空気で排出して分類する構成要素であって、圧縮空気(air)の流れを断続するソレノイド弁(図7において612)、エアホース(図7において614)、貫通孔が形成された排出段616及び排出される電子部品を収集する収納筒(図6において618)を含んで構成され得る。電子部品排出部の構造及び動作は、下記の図6乃至図8において詳細に説明する。
【0046】
前記制御部(図示せず)は、電子部品位置検出部から受信した信号に基づいて、電子部品撮影部500のカメラ、照明手段及び電子部品排出部600のソレノイド弁を制御する構成要素であって、カメラを制御して撮影された映像を獲得する映像処理機、トリガー信号を受信し、ガラス円板300を回転させるモータ(図示せず)、フィーダー120,130、照明手段及びソレノイド弁を制御する入出力(I/O)制御器、エンコーダからエンコーダ値を受信して処理するエンコーダカウンタ部、ユーザーインターフェースを提供するモニタ等とを含むコンピュータであってもよい。
【0047】
制御部は、電子部品位置検出部から受信されるトリガー信号とエンコーダ値とを用いて、当該電子部品が電子部品撮影部500の各カメラの位置に到達すると、電子部品の4面を順次撮影することができるように電子部品撮影部500の各カメラを制御して、電子部品の4面撮影映像を獲得し、獲得された映像から電子部品の良否判定を行った後、判定された結果により電子部品の収納筒にそれぞれ収集されて分類され得るように、電子部品排出部600のソレノイド弁を制御する。
【0048】
カメラの制御をより詳しく説明すると、制御部は、電子部品位置検出部からトリガー信号を受信する時のエンコーダ値を当該電子部品に対するエンコーダ値に設定し、設定された当該電子部品に対するエンコーダ値から電子部品撮影部500の各カメラの位置に割り当てられたオフセット(offset)エンコーダ値だけ増加させる場合に撮影可能なように電子部品撮影部500を制御する。
【0049】
これと同一の方法により、ソレノイド弁も制御することができる。すなわち、制御部は、当該電子部品に対するエンコーダ値から電子部品排出部600の各貫通孔の出口の位置に割り当てられたオフセット(offset)エンコーダ値だけ増加させる場合に当該貫通孔の出口に圧縮空気を噴射するように電子部品排出部600のソレノイド弁を制御する。
【0050】
次は、電子部品整列部の構造及び動作について詳細に説明する。
【0051】
図2は、本発明の一の実施例による電子部品整列部を示す。図2に示すように、電子部品整列部200はガラス円板の上面側に位置して、無振動シュート210は整列機220に隣接して設置される。整列機220の治具221,222は、無振動シュート210のライン溝212より低く(ガラス円板面に近く)位置することが好ましい。
【0052】
無振動シュート210と整列機220とは、XYZの3軸方向に移動されて位置が選定されるため、3軸方向の移動を調節する調節ねじをさらに含んでいてもよい。
【0053】
無振動シュート210のライン溝212は、振動によって移送される電子部品を電子部品供給部から供給される。この際、無振動シュート210のライン溝212に位置する電子部品は、電子部品供給における従来方法とは異なり無振動状態で移送される。
【0054】
さらに説明すると、ライン溝212に位置された電子部品は、電子部品供給部から順次移送される他の電子部品、すなわち、電子部品供給部に位置する電子部品の移動力によって無振動状態で移送される。無振動状態の電子部品移送は、振動状態の電子部品移送より電子部品を整列機220に安定的に供給可能にする。
【0055】
後から供給される電子部品に押されて無振動シュート210のライン溝212を通過した電子部品は、ライン溝212より低い位置にあるガラス円板に落下し、ガラス円板が回転することにより整列機220を通過する。
【0056】
整列機220は、無振動シュート210から移送される電子部品をガイドして整列させるために、水平方向に間隔を置いて対向する二つの治具221,222を含んで構成される。治具221,222の間隔は、検査の対象となる電子部品の大きさに応じて調節することができる。
【0057】
整列機の構造及び整列機を通過した電位部品が整列される過程について、より詳細に説明する。
【0058】
図3は、整列機を構成する二つの治具を示す横断面図である。図3に示すように、整列機の治具221,222は、落下した電子部品10をガイドする案内段225,226と電子部品を整列する整列段223,224とを含むことができる。
【0059】
案内段225,226は、電子部品10を整列段223,224にガイドするために、対向面側の終端に整列段223,224が為す間隔より大きいガイド面が形成されることが好ましい。無振動シュートからガラス円板300に落下した電子部品10は、ガラス円板300が回転することによって、整列機の案内段225,226に到達するが、案内段225,226のガイド面は、落下により正常の軌道を離脱した電子部品10を整列段223、224に案内する役割を担う。
【0060】
また、整列段223,224においては、対向面がガラス円板300の曲率と同一の曲率を有することが好ましい。したがって、電子部品10は、整列段223,224を通過しながら、ガラス円板300と同一の曲率を有する軌道に沿って、ガラス円板300に整列されて配置される。
【0061】
次に、電子部品撮影部中の照明手段の構造及び動作について詳細に説明する。
【0062】
図4は、図1の電子部品検査システムの電子部品撮影部中の照明手段を示す図である。図4に示すように、照明手段520は、中空528に形成された半球状反射板527と反射板527の内部に配置された複数個の発光素子段521乃至526とで構成され得る。ここで、発光素子段521乃至526は、反射板527の内部の中空528を取り囲む同心円に沿って、LEDのような複数の発光素子が配置されたものをいう。
【0063】
発光素子段521乃至526は、複数個のLEDにより形成される。発光素子段521乃至526のLEDは、赤色LED、白色LED、または青色LEDであってもよい。発光素子段521乃至526を赤色LED、白色LED、または青色LEDで構成した場合に、検査対象の電子部品の色相及び欠陥が、特定の色相の照明において際立って見られるようにするために、各発光素子段521乃至526が相違する色相の照明を生成可能にする。
【0064】
例えば、電子部品10の胴体の色相が白色または灰色系統である場合には、赤色照明の状態で欠陥がより容易に観察される。また、電子部品10の胴体の色相が黒色である場合には、白色照明の状態で欠陥がより容易に観察される。
【0065】
本実施例では、外周から中空528側へ1段から6段までの発光素子段521乃至526が形成された場合を例示して説明する。6段の発光素子段521乃至526が備えられた照明手段の場合、各発光素子段521乃至526が、オン/オフされて組み合わされる照明の状態は、2=64(2,n=発光素子段の数)通りである。ここで、照明の状態とは、各発光素子段521乃至526のオン/オフの組合せで現れ得る照明の明るさ及び色相等の状態を言う。
【0066】
照明手段の照明状態は、ボリュームタイプの手動調節方式と制御部による自動調節方式とで制御することができて、実験値によって検査対象の電子部品10に合わせて最適の状態を選択することができる。
【0067】
一方、制御部は、回転するガラス円板300に配置された電子部品10を異なる角度から連続して2回以上撮影するようにカメラを制御する場合、撮影時毎に異なる照明の状態を有するように照明手段を制御することができる。
【0068】
次に、電子部品撮影部の照明手段中のガラス円板の外周の外側(電子部品の右側)に位置する照明手段について説明する。この場合、照明手段は、ガラス円板より下段に位置する反射板部分が、上段に位置する反射板部分より後方に押された状態の形状を有することが好ましい。これは、ガラス円板の下側の反射板部分の照明による光は、ガラス円板を透過して電子部品を照らして、ガラス円板を透過した光が屈折する現象を補正するためである。図5は、電子部品撮影部の照明手段中のガラス円板の外周の外側(電子部品の右側)に位置された照明手段を例示して図示している。ここで、Lは、下段の反射板部分が、上段の反射板部分より後方に離隔した距離を示す。
【0069】
次に、電子部品排出部の構成及び動作について詳細に説明する。
【0070】
図6は、本発明の一の実施例による電子部品排出部の斜視図であり、図7は、本発明の一の実施例による電子部品排出部の正面図である。さらに、図8は、図7の電子部品排出部のA−A’断面図である。図6乃至図8を参照すると、電子部品排出部600は、良品または不良品にそれぞれ割り当てられるように、二つ以上の排出ブロック610が含まれていてもよい。排出ブロック610は、ソレノイド弁612、排出段616、エアホース614及び収納筒618を含む。
【0071】
ソレノイド弁612は、外部から提供される圧縮空気(air)の流れを断続する。排出段616には貫通孔617が形成され、形成された貫通孔617の入口はエアホース614を介してソレノイド弁612に連結され、貫通孔617の出口はガラス円板300に配置された電子部品10に隣接させて位置する。貫通孔617の出口には、排出される電子部品を収集する収納筒618が配置される。
【0072】
制御部(図示せず)は、当該電子部品10に割り当てられたエンコーダ値、貫通孔617の出口に割り当てられたオフセットエンコーダ値及び当該電子部品10に対する良否判定の結果に基づいて、選択的にソレノイド弁612を制御する。制御部の制御によってソレノイド弁612が開放されるとすぐに、圧縮空気はエアホース614に沿って貫通孔616の入口に流入され、出口に噴射される。圧縮空気が噴射される時に貫通孔の出口の前に位置された電子部品10は、当該収納筒618に収集される。
【0073】
一方、本実施例における排出段616は、従来とは異なり、別途に備えられたノズルから圧縮空気を噴射せず、排出段616に形成された貫通孔617から直接圧縮空気を噴射する構造を有する。貫通孔617の出口がガラス円板300に配置された電子部品10に隣接して位置する場合、従来に比べてノズルを含む長さだけ圧縮空気が移動する経路が短くなる。すなわち、ソレノイド弁612から対象の電子部品10に至るまでの圧縮空気の到達遅延時間を最小化することができる。
【0074】
これにより、ソレノイド弁612が開放されるとすぐに圧縮空気が噴射され、当該電子部品10を排出可能となるので、排出速度及び排出の正確性が向上する。
【0075】
排出段616に形成された貫通孔617の大きさは、電子部品10の大きさに応じて適宜選択することができる。さらに、貫通孔617の出口側の端部は、貫通孔を穴開けする作業の容易性を考慮して、ガラス円板300を基準にして20°以内の角度を有することができる。
【0076】
排出ブロック610の個数は、対象の電子部品10に対する制御部の判定結果、すなわち、再検査(1個の排出ブロック)、不良(2個の排出ブロック)、良好(1個の排出ブロック)に、それぞれ排出ブロックが1以上割り当てられるようにすることが好ましい。また、使用者の選択によって、強制排出のための排出ブロックをさらに備えてもよい。
【0077】
一方、不良または良好と判定された電子部品の排出の円滑化のために、不良または良好に割り当てられた排出ブロックは、一つ以上のソレノイド弁を有してもよい。排出ブロックが二つのソレノイド弁を備える場合、一つまたは二つのソレノイド弁を選択的に断続することにより、噴射される空気の圧力を調節することができ、また安定的な空気の圧力を維持することができる。
【0078】
以上のように、本発明は、限定された実施例と図面によって説明されたが、本発明はこれに限定されず、本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者によって、本発明の技術的思想と特許請求の範囲の均等範囲内で様々な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の一実施例による電子部品検査システムの平面構成図である。
【図2】図1の電子部品検査システムの電子部品整列部を示す図である。
【図3】図2の電子部品整列部の二つの治具の横断面図である。
【図4】図1の電子部品検査システムの電子部品撮影部のうち、照明手段を示す図である。
【図5】図4の照明手段のうち、電子部品の右側に位置する照明手段を示す図である。
【図6】図1の電子部品検査システムの電子部品排出部の斜視図である。
【図7】図1の電子部品検査システムの電子部品排出部の正面図である。
【図8】図7の電子部品検査システムの電子部品排出部のA−A’断面図である。
【符号の説明】
【0080】
100:電子部品供給部
200:電子部品整列部
300:ガラス円板
400:トリガーセンサ
500:電子部品撮影部
600:電子部品排出部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
良否判定の対象となる多数の電子部品を収容するホッパーと、前記ホッパーから供給される電子製品を振動によって順次移送させる少なくとも一つのフィーダーとを含む供給部と、
前記供給部から電子部品を供給され、ライン溝が形成され、他の電子部品の移動力によって無振動状態で移送する無振動シュートと、前記無振動シュートから移送される電子部品をガイドして整列するように、間隔を置いて対向する二つの治具で形成された整列機とを含む整列部と、
前記整列部を通じて整列される電子部品が配置され、モータによって回転するガラス円板と、
前記ガラス円板に配置された電子部品が通過する時にトリガー信号を生成し、前記ガラス円板の回転に従って変化するエンコーダ値を実時間で生成する位置検出部と、
前記ガラス円板に配置された電子部品の上下左右の4面を撮影するカメラと、中空に形成された反射板と、前記反射板の内部の中空を取り囲む複数の色相の発光素子を備え、連続撮影される電子部品に異なる色相の照明を提供するように前記カメラに取り付けられる照明手段とを含む撮影部と、
貫通孔が形成された排出段を電子部品に隣接させ、圧縮空気を前記貫通孔から選択的に噴射して、ガラス円板から離脱する電子部品を分類して収集する排出部と、
前記電子部品位置検出部から受信されるトリガー信号とエンコーダ値を用いて、当該電子部品が電子部品撮影部の各カメラの位置に到達すると、電子部品の4面を順次撮影できるように前記カメラを制御し、当該電子部品を各面に対して相違した角度から連続して2回以上撮影するように前記カメラを制御し、連続撮影時、前記発光素子の色相の組合せを変更して相違した照明状態を有するように前記照明手段を制御し、電子部品の各面に対して相違した角度及び相違した照明状態で連続撮影された映像に基づいて電子部品の良否判定を行った後、判定された結果に基づいて前記排出部を制御して電子部品を分類する制御部とを含むことを特徴とする電子部品検査システム。
【請求項2】
前記照明手段のうち、ガラス円板の外周の外側に位置されたカメラに取り付けられる照明手段において、ガラス円板を基準にして下段に位置する反射板部分が上段に位置する反射板部分よりも後方に位置することを特徴とする請求項1に記載の電子部品検査システム。
【請求項3】
前記発光素子は、赤色LED、白色LED及び青色LEDを組み合わせた複数の発光素子段で構成されることを特徴とする請求項2に記載の電子部品検査システム。
【請求項4】
前記制御部は、2通り(n=発光素子段の数)の照明状態を有するように、前記照明手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の電子部品検査システム。
【請求項5】
前記排出部は、
圧縮空気の流れを断続する少なくとも一つのソレノイド弁と、
前記ソレノイド弁に連結されるエアホースと、
入口は前記エアホースに連結され、出口は前記ガラス円板に配置された電子部品に圧縮空気を噴射する貫通孔が形成される排出段と、
前記圧縮空気によってガラス円板から離脱する電子部品を収集する収納筒とを含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品検査システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−242952(P2006−242952A)
【公開日】平成18年9月14日(2006.9.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−51224(P2006−51224)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【出願人】(504398638)ウィンテック株式会社 (2)
【Fターム(参考)】