説明

電子部品照明装置

【課題】あらゆる対象電子部品に対して適切に照明することにより、時間をかけずに電極部を認識してサイクルタイムを短縮化する。
【解決手段】撮像装置71によって撮像される電子部品Pを照明する電子部品照明装置において、電子部品Pに対向して配置され、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ、面発光する発光パネル72cと、発光パネル72cを保持し、駆動装置によって姿勢が変化されることにより、発光パネル72cの形状を変化させる保持変形機構72bと、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子部品照明装置の一形式として、特許文献1に示されているものが知られている。特許文献1の図4,8に示されているように、電子部品照明装置においては、対象物である電子部品10を中心とする円形状もしくは多角形状に対象物方向に照明光を放つ複数の発光体1a〜1dを配置し、電子部品10の形状特性データをあらかじめ定めた関数により処理し、発光体1a〜1dの点灯、照射角度、照明位置、発光強度を制御する構成を有するようになっている。
【0003】
電子部品照明装置の他の一形式として、特許文献2に示されているものが知られている。特許文献2の図2,3に示されているように、電子部品照明装置においては、部品走査方向に対して水平方向の照明手段14、15は、対象電子部品12の中心に対して角度φ1 .φ2 を保って照明を行うように取り付けられており、また、部品走査方向に対して鉛直方向の照明手段16、17、18、19、20は、対象電子部品12の中心に対して半径rの円周上で、角度φ3 .φ4 .φ5 .φ6 .φ7 を保って照明を行うように取り付けられている。この構成でラインセンサ撮像ライン22に光を集め、部品把持ノズル11によって把持された対象電子部品12の撮像ラインごとの画像情報をラインセンサで撮像しそれを集合体として1つの画像データを生成するようになっている。また、電子部品照明装置においては、光源の輝度、角度および波長を可変にするようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平04−364404号公報
【特許文献2】特開平09−293999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の電子部品照明装置において、複数の発光体1a〜1dが、対象物である電子部品10を中心とする円形状もしくは多角形状に配置され、対象物方向に照明光を放つようになっているとともに、光源の輝度、角度および波長を可変にするようになっている。これにより、光反射特性の異なる電子部品に対して最適な光源を適用して画像を撮像することが可能となっている。しかし、その取得した画像において電子部品の電極部の輪郭が十分に現れないため、電極部を認識するのに時間がかかり、サイクルタイムが長くなるという問題があった。
【0006】
特許文献2に記載の電子部品照明装置において、部品走査方向に対して鉛直方向の照明手段16、17、18、19、20は、対象電子部品12の中心に対して半径rの円周上で、角度φ3 .φ4 .φ5 .φ6 .φ7 を保って照明を行うようになっている。これにより、特許文献1に記載の電子部品照明装置に比べて、対象電子部品12に対しいろいろな角度から照明することが可能となるが、取得した画像において電子部品の電極部の輪郭が十分に現れない場合があるため、電極部を認識するのに時間がかかり、サイクルタイムが長くなるという問題があった。
【0007】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、あらゆる対象電子部品に対して適切に照明することにより、時間をかけずに電極部を認識してサイクルタイムを短縮化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、撮像装置によって撮像される電子部品を照明する電子部品照明装置において、電子部品に対向して配置され、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ、面発光する発光パネルと、発光パネルを保持し、駆動装置によって姿勢が変化されることにより、発光パネルの形状を変化させる保持変形機構と、を備えたことである。
【0009】
また、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1において、発光パネルは、放射状に配置された複数の分割発光パネルで構成されていることである。
【0010】
また、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2において、保持変形機構は、各分割発光パネルの一端が固定され、一端以外の部分が剥離しない状態で相対移動可能に保持されるように構成され、各分割発光パネルが当該保持変形機構の姿勢の変化に応じて変化されることである。
【0011】
また、請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、発光パネルは、有機ELで構成されたことである。
【0012】
また、請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る電子部品照明装置は、部品移載装置が電子部品を部品供給装置から採取して基板に装着する電子部品実装機において、部品移載装置によって部品供給装置から採取され基板に装着される前の電子部品を照明することである。
【0013】
また、請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項5の何れか一項において、電子部品のデータの情報の一つとして電子部品照明装置の姿勢を加え、電子部品毎に照明の方法を管理し、その照明を実行することである。
【0014】
また、請求項7に係る発明の構成上の特徴は、請求項1乃至請求項6の何れか一項において、撮像装置によって撮像された画像の画像処理において該画像処理の結果が異常と判定された電子部品に対して画像処理の結果が正常となるように発光パネルの形状を変化させることである。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した請求項1に係る発明によれば、発光パネルは、電子部品に対向して配置され、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ面発光する。また、保持変形機構は、発光パネルを保持するとともに、駆動装置によって姿勢が変化されることにより発光パネルの形状を変化させる。したがって、保持変形機構の姿勢を変形させることにより、発光パネルの形状を所望の形状に変化させることで、対象物である電子部品の撮像装置の方向からの照明光(落射光)を照射することができるとともに、撮像装置の方向とは異なる対象物の側方からの照明光(側射光)を照射することができる。これにより、電子部品の電極部の形状に応じて適切な方向から照明光を照射することにより、電極部から反射される照明光を適切に集光することができる。よって、あらゆる対象電子部品に対して適切に照明することにより、取得した画像において電極部の輪郭が十分に現れるため、電極部の形状、位置を短時間で認識することができ、ひいてはサイクルタイムを短縮化することができる。
【0016】
上記のように構成した請求項2に係る発明によれば、請求項1において、発光パネルは、放射状に配置された複数の分割発光パネルで構成されている。これにより、放射状に配置された分割発光パネルの中心に撮像装置を配置することが可能となり、電子部品の電極部の形状に応じてより適切な方向から照明光を照射することにより、電極部から反射される照明光をより適切に集光することができる。
【0017】
上記のように構成した請求項3に係る発明によれば、請求項2において、保持変形機構は、各分割発光パネルの一端が固定され、一端以外の部分が剥離しない状態で相対移動可能に保持されるように構成され、各分割発光パネルが当該保持変形機構の姿勢の変化に応じて変化される。これにより、分割発光パネルを、保持変形機構の姿勢の変化に応じてスムーズに変化させるとともに、所望の照射方向に向けた状態で的確に位置決め固定することができる。
【0018】
上記のように構成した請求項4に係る発明によれば、請求項1乃至請求項3の何れか一項において、発光パネルは、有機ELで構成されているため、簡便な構成かつ低コストにて電子部品照明装置を構成することができる。
【0019】
上記のように構成した請求項5に係る発明によれば、請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る電子部品照明装置は、部品移載装置が電子部品を部品供給装置から採取して基板に装着する電子部品実装機において、部品移載装置によって部品供給装置から採取され基板に装着される前の電子部品を照明する。これにより、電子部品の位置状態を正確かつ短時間に把握することができ、また電子部品の電極部の不良判定を正確かつ短時間に実施することができる。
【0020】
上記のように構成した請求項6に係る発明によれば、請求項1乃至請求項5の何れか一項において、電子部品のデータの情報の一つとして電子部品照明装置の姿勢を加え、電子部品毎に照明の方法を管理し、その照明を実行する。これにより、電子部品を的確に認識することができ、画像処理の短縮化、サイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0021】
上記のように構成した請求項7に係る発明によれば、請求項1乃至請求項6の何れか一項において、撮像装置によって撮像された画像の画像処理において該画像処理の結果が異常と判定された電子部品に対して画像処理の結果が正常となるように発光パネルの形状を変化させる。これにより、画像処理能力を向上させることで、部品不良判定の短時間化を図るとともに不良部品とみなされる部品の数(部品廃棄率)の低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明に係る電子部品実装システムを示す概要図である。
【図2】図1に示す電子部品実装機の全体構造を示す斜視図である。
【図3】図2に示す電子部品撮像ユニットを示す分解斜視図である。
【図4】(a)は、電子部品照明装置を示す部分拡大上面図であり、(b)は4b−4b線に沿った断面図である。
【図5】(a)は、電子部品照明装置が平面状に展開された状態を示す断面図であり、(b)は、電子部品照明装置が碗状にされた状態を示す断面図である。
【図6】BGAタイプの電子部品を照明する状態を示す断面図である。
【図7】LGAタイプの電子部品を照明する状態を示す断面図である。
【図8】図1に示す電子部品実装機を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明による電子部品照明装置を適用した電子部品実装システムの一実施の形態について説明する。図1はこの電子部品実装システムAの概要を示しており、図2は電子部品実装機の全体構造を示している。なお図2は2台の電子部品実装機を一つの架台に搭載した状態を示している。
【0024】
電子部品実装システムAは、複数台の電子部品実装機20、すなわち本実施形態では4台の第1〜第4電子部品実装機11〜14を基板Sの搬送方向に沿って直列に並べて構成されている。電子部品実装システムAは、基板Sへの電子部品P(部品)の実装を各電子部品実装機20(第1〜第4電子部品実装機11〜14)により分担して行うものである。
【0025】
電子部品実装システムAは、搬入用シフト装置15、搬出用シフト装置16、ローカルネットワーク(以下、LANという。)17およびホストコンピュータ18をさらに備えている。搬入用シフト装置15は、第1電子部品実装機11の上流に配置され第1電子部品実装機11に基板Sを搬入する。搬出用シフト装置16は、第4電子部品実装機14の下流に配置され第4電子部品実装機14から基板Sを搬出する。LAN17は、各電子部品実装機11〜14の各制御装置80、およびホストコンピュータ18を互いに通信可能に接続するものである。
【0026】
電子部品実装機20は、図2に示すように、いわゆるダブルトラックコンベヤ方式の電子部品実装機であり、基板搬送装置30、バックアップ装置40、部品供給装置50、部品移載装置60、基板撮像装置66、電子部品撮像ユニット70および制御装置80を備えている。
【0027】
基板搬送装置30は、基台21上に設けられて基板Sを搬送して部品実装位置に位置決め支持する。部品実装位置は、基板Sに電子部品Pを実装するために該基板Sが位置決め固定される位置である。
【0028】
基板搬送装置30は、基板Sを所定方向(図2においてX方向)に搬送するものであり、基台21上に互いに並列に組み付けられた第1および第2コンベヤ31,32を備えている。
【0029】
第1コンベヤ31は、図2に示すように、搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置された第1および第2ガイドレール31a,31bを備えており、第1および第2ガイドレール31a,31bは、基板Sを搬送方向にそれぞれ案内する。第1コンベヤ31には、第1および第2ガイドレール31a,31bの直下に互いに平行に設けられた第1および第2コンベヤベルト(図示省略)が並設されている。第1および第2コンベヤベルトは、基板Sを下方から支持して搬送方向に搬送する。
【0030】
第1コンベヤ31の第1ガイドレール31aおよび第1コンベヤベルトは、下端が基台21に固定された一対の固定支持フレーム31eの上端に両端が固定されたX軸方向に延在する細長い第1取付フレーム31fに取り付けられている。また、第1コンベヤ31の第2ガイドレール31bおよび第2コンベヤベルトは、下端が基台21に固定された一対のレール22上を移動可能なスライダ31kに固定された移動支持フレーム31gの上端に両端が固定されたX軸方向に延在する細長い第2取付フレーム31hに取り付けられている。これにより、第2ガイドレール31bは、直下の第2コンベヤベルトとともに搬送方向と直交する方向(Y方向)に沿って移動して位置決め固定されるので、第1コンベヤ31は搬送する基板Sの基板幅に対応してコンベヤ幅を変更できる。
【0031】
第2コンベヤ32は、第1取付フレーム32fが移動可能である点が異なるだけであり、第1コンベヤ31とほぼ同様な構造となっている。すなわち、第2コンベヤ32は、図2に示すように、搬送方向に延在しかつ互いに平行に対向して配置された第1および第2ガイドレール32a,32bを備えており、第1および第2ガイドレール32a,32bは、基板Sを搬送方向にそれぞれ案内する。また、第2コンベヤ32には、第1および第2ガイドレール32a,32bの直下に互いに平行に設けられた第1および第2コンベヤベルト(図示省略)が並設されている。第1および第2コンベヤベルトは、基板Sを支持して搬送方向に搬送する。
【0032】
第2コンベヤ32の第1ガイドレール32aおよび第1コンベヤベルトは、図2に示すように、下端が基台21に固定された一対のレール22上を移動可能なスライダ32kに固定された移動支持フレーム32eの上端に両端が固定されたX軸方向に延在する細長い第1取付フレーム32fに取り付けられている。また、第1コンベヤ31の第2ガイドレール32bおよび第2コンベヤベルトは、下端が基台21に固定された一対のレール22上を移動可能なスライダ32kに固定された移動支持フレーム32gの上端に両端が固定されたX軸方向に延在する細長い第2取付フレーム32hに取り付けられている。これにより、第1および第2ガイドレール32a,32bは、直下の第1および第2コンベヤベルトとともに搬送方向と直交する方向(Y方向)に移動して位置決め固定されるので、第2コンベヤ32は搬送する基板Sの基板幅に対応してコンベヤ幅を変更できる。
【0033】
バックアップ装置40は、基台21上に設けられて部品実装位置に搬送された基板Sを基板搬送装置30と協働して位置決め固定する。バックアップ装置40は、基板搬送装置30によって部品実装位置まで搬送された基板Sを押し上げてクランプ(位置決め支持)する。
【0034】
バックアップ装置40は、基板Sを支持する基板支持ユニット41と、基板支持ユニット41を昇降させる昇降装置(図示省略)を備えている。基板支持ユニット41は上面に多数の植立穴41a1が形成された方形状のバックアッププレート41aと、植立穴41a1に挿脱可能に植立されて基板Sを支持する支持部であるバックアップピン(図示省略)とから構成されている。昇降装置は、エアシリンダにて構成されており、バックアッププレート41aの4隅が離脱可能に組み付けられるロッド(図示省略)と、該ロッドを進退させるシリンダ本体(図示省略)とからなる。
【0035】
部品供給装置50は、基台21上であって基板搬送装置30の一側に設けられて基板Sに装着する電子部品Pを供給する。部品供給装置50は着脱可能な多数のカセット式フィーダ(部品供給カセット)51を並設してなるものである。カセット式フィーダ51は、本体51aと、本体51aの後部に設けた供給リール51bと、本体51aの先端に設けた部品取出部51cを備えている。供給リール51bには電子部品Pが所定ピッチで封入された細長いテープ(図示省略)が巻回保持され、このテープがスプロケット(図示省略)により所定ピッチで引き出され、電子部品Pが封入状態を解除されて部品取出部51cに順次送り込まれるようになっている。なお部品供給装置50は、カセット式のものだけでなくトレイ上に電子部品Pが並べられているトレイ式のものもある。
【0036】
部品移載装置60は、各装置30,40,50の上方に基台21に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持されている。部品移載装置60は、部品供給装置50により供給された電子部品Pを装着ヘッド64により吸着保持して(採取して)基板搬送装置30により部品実装位置に位置決め支持された基板S上に装着(実装)する。
【0037】
本実施形態では、部品移載装置60は、XYロボットタイプのものであり、Y軸サーボモータ61によりY方向に移動されるY方向移動スライダ62を備えている。このY方向移動スライダ62には、X軸サーボモータ(図示省略)によりY方向に直交する水平なX方向に移動されるX方向移動スライダ63が備えられている。X方向移動スライダ63には、X方向およびY方向と直角なZ方向に昇降可能に支持されてボールねじを介してサーボモータにより昇降が制御される装着ヘッド64が取り付けられている。装着ヘッド64には、装着ヘッド64から下方に突出して設けられて下端に電子部品Pを吸着保持する吸着ノズル65(図1参照)が取り付けられている。
【0038】
基板撮像装置66は、基台21に対しX方向およびY方向の2方向に移動可能に支持され基板Sを撮像する。本実施形態では、基板撮像装置66は、図2に示すように、装着ヘッド64とともにX方向移動スライダ63に取り付けられている。基板撮像装置66は、基板位置(例えば基板に設けられたフィデューシャルマーク)を認識するため基板を撮像するものである。基板撮像装置66は、下方に向けて照射するように配置されているライトおよびレンズを下方に向けて配置されているカメラ(何れも図示省略)を備えている。
【0039】
電子部品撮像ユニット70は、図2に示すように、部品移載装置60の下方に配置され、かつ基台21に位置決め固定されている。電子部品撮像ユニット70は、吸着ノズル65に吸着された電子部品Pを下方から撮像するものであり(図5参照)、電子部品Pの吸着状態(部品の水平方向の回転角度、ノズルに対する位置、斜めに吸着されているなど)や電子部品Pの状態(電極部の欠損など)を撮像するものである。
【0040】
電子部品撮像ユニット70は、図3に示すように、電子部品Pを撮像する電子部品撮像装置(以下、撮像装置という。)71と、撮像装置71により撮像される電子部品Pを照明する電子部品照明装置(以下、照明装置という。)72とを備えている。
【0041】
撮像装置71は、取付用フレーム71a、カメラ本体71b、および開口部71cを備えている。取付用フレーム71aは、基台21に固定されており、取付用フレーム71aの中央には貫通穴が設けられている。その貫通穴にはカメラ本体71bが貫設されて固定されている。カメラ本体71bは、例えばCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)などの固体撮像素子を備えたCCDカメラを備えている。カメラ本体71bの上部にはレンズに臨む開口部71cが設けられている。
【0042】
照明装置72は、部品移載装置60が電子部品Pを部品供給装置50から採取して基板Sに装着する電子部品実装機20において、部品移載装置60によって部品供給装置50から採取され基板Sに装着される前の電子部品Pを照明するものである。
【0043】
照明装置72は、ユニット本体72a、保持変形機構72bおよび発光パネル72cを備えている。
ユニット本体72aは、箱状に形成されたケーシング72a1を有している。ケーシング72a1の中央には貫通穴72a2が形成されている。貫通穴72a2は撮像装置71の開口部71cに臨んで配設されている。
【0044】
保持変形機構72bは、発光パネル72cを保持し、駆動装置72dによって姿勢が変化されることにより、発光パネル72cの形状を変化させるものである。
【0045】
保持変形機構72bは、放射状に配置された複数(本実施形態では8個)の分割保持変形機構72b1で構成されている。分割保持変形機構72b1は、後述する分割発光パネル72c1に対応して形成されており、台形状に形成されかつ撮像装置71の開口部71cを中心に放射状に配設されている。
【0046】
分割保持変形機構72b1(90)は、図4に示すように、第1〜第3フレーム91〜93、第1〜第3カバー94〜96を備えている。第1フレーム91は、上面から見て台形状に形成された箱状に形成されている。第1フレーム91の上面には隙間をおいてその上面全部を覆う無色透明な第1カバー94が設けられている。第1カバー94は断面コ字状に形成されており、第1カバー94の両側板部が第1フレーム91の両側端部に固定されている。この隙間に分割発光パネル72c1が挿通され、分割発光パネル72c1が第1フレーム91と第1カバー94と(の隙間)により相対移動可能に支持されている。
【0047】
第1フレーム91の内端部には、内側(貫通穴72a2)に向けて凸設され、第2フレーム92と連接させる可動性の結合部である第1結合部91aが形成されている。第1結合部91aの両側端部に設けられている一対の軸部91a1,91a1は、ケーシング72a1の上面から凸設されている一対の支承部72a3,72a3に回転可能にそれぞれ支承されている。なお、分割保持変形機構90において、内端または内側は貫通穴72a2方向のことをいい、外端または外側は貫通穴72a2方向の反対方向のことをいう。
【0048】
第1結合部91aには、第1フレーム用第1歯車G1−1が回転禁止された状態(第1結合部91aと一体的に回転するように固定された状態)で取り付けられている。第1フレーム用第1歯車G1−1は、第1電動モータM1の出力歯車M1aと第1フレーム用第2歯車G1−2を介して噛合している。なお、第1電動モータM1は、ケーシング72a1内部に固定されている。よって、第1電動モータM1が回転するとその回転に応じて第1フレーム91が軸部91a1を回転軸として揺動する。
【0049】
また、第1結合部91aには、第2フレーム用第1歯車G2−1が回転可能に取り付けられている。第2フレーム用第1歯車G2−1は、第2電動モータM2の出力歯車M2aと第2フレーム用第2歯車G2−2を介して噛合している。なお、第2電動モータM2は、ケーシング72a1内部に固定されている。よって、第2電動モータM2が回転するとその回転に応じて第2フレーム用第1歯車G2−1が回転する。
【0050】
また、第1結合部91aには、第3フレーム用第1歯車G3−1が回転可能に取り付けられている。第3フレーム用第1歯車G3−1は、第3電動モータM3の出力歯車M3aと第3フレーム用第2歯車G3−2を介して噛合している。なお、第3電動モータM3は、ケーシング72a1内部に固定されている。よって、第3電動モータM3が回転するとその回転に応じて第3フレーム用第1歯車G3−1が回転する。
【0051】
第1フレーム91内には、第2フレーム用第1タイミングベルトTB2−1が装架されている。第2フレーム用第1タイミングベルトTB2−1は、第2フレーム用第1歯車G2−1と第2フレーム用第3歯車G2−3とに噛合している。さらに、第1フレーム91内には、第3フレーム用第1タイミングベルトTB3−1が装架されている。第3フレーム用第1タイミングベルトTB3−1は、第3フレーム用第1歯車G3−1と第3フレーム用第3歯車G3−3とに噛合している。
【0052】
第2フレーム92は、上面から見て台形状に形成された箱状に形成されている。第2フレーム92の内端辺は、第1フレーム91の外端辺とほぼ同じ長さである。第2フレーム92の上面には隙間をおいてその上面全部を覆う無色透明な第2カバー95が設けられている。第2カバー95は断面コ字状に形成されており、第2カバー95の両側板部が第2フレーム92の両側端部に固定されている。この隙間に分割発光パネル72c1が挿通され、分割発光パネル72c1が第2フレーム92と第2カバー95と(の隙間)により相対移動可能に支持されている。
【0053】
第2フレーム92の内端部には、内側(貫通穴72a2)に向けて凸設された第2結合部92aが形成されている。第2結合部92aの両側端部に設けられている一対の軸部92a1,92a1は、第1フレーム91の外端部から外側に向けて凸設されている一対の支承部91b,91bに回転可能にそれぞれ支承されている。
【0054】
第2結合部92aには、第2フレーム用第3歯車G2−3が回転禁止された状態で取り付けられている。第2フレーム用第3歯車G2−3は、第2フレーム用第1タイミングベルトTB2−1に噛合している。よって、第2電動モータM2が回転すると、その回転に応じて第2フレーム92が軸部92a1を回転軸に揺動する。
【0055】
また、第2結合部91bには、第3フレーム用第3歯車G3−3が回転可能に取り付けられている。第3フレーム用第3歯車G3−3は、第3フレーム用第1タイミングベルトTB3−1に噛合している。よって、第3電動モータM3が回転すると、その回転に応じて第3フレーム用第3歯車G3−3が回転する。
【0056】
第2フレーム92内には、第3フレーム用第2タイミングベルトTB3−2が装架されている。第3フレーム用第2タイミングベルトTB3−2は、第3フレーム用第3歯車G3−3と第3フレーム用第4歯車G3−4とに噛合している。
【0057】
第3フレーム93は、上面から見て台形状に形成された箱状に形成されている。第3フレーム93の内端辺は、第2フレーム92の外端辺とほぼ同じ長さである。第3フレーム93の上面には隙間をおいてその上面全部を覆う無色透明な第3カバー96が設けられている。第3カバー96は断面コ字状に形成されており、第3カバー96の両側板部が第3フレーム93の両側端部に固定されている。この隙間に分割発光パネル72c1が挿通され、分割発光パネル72c1が第3フレーム93と第3カバー96と(の隙間)により相対移動可能に支持されている。
【0058】
第3フレーム93の内端部には、内側(貫通穴72a2)に向けて凸設された第3結合部93aが形成されている。第3結合部93aの両側端部に設けられている一対の軸部93a1,93a1は、第2フレーム92の外端部から外側に向けて凸設されている一対の支承部92b,92bに回転可能にそれぞれ支承されている。
【0059】
第3結合部93aには、第3フレーム用第4歯車G3−4が回転禁止された状態で取り付けられている。第3フレーム用第4歯車G3−4は、第3フレーム用第2タイミングベルトTB3−2に噛合している。よって、第3電動モータM3が回転すると、その回転に応じて第3フレーム93が軸部93a1を回転軸として揺動する。
【0060】
駆動装置72dは、上述した各モータM1〜M3、各歯車G1−1〜G3−4、各タイミングベルトTB2−1〜TB3−2から構成されている。駆動装置72dは、第1フレーム91を駆動させるための第1駆動装置72d1、第2フレーム92を駆動させるための第2駆動装置72d2、および第3フレーム93を駆動させるための第3駆動装置72d3から構成されている。
【0061】
第1駆動装置72d1は、上述した第1モータM1、各歯車G1−1,G1−2から構成されている。第2駆動装置72d2は、上述した第2モータM2、各歯車G2−1〜G2−3、タイミングベルトTB2−1から構成されている。第3駆動装置72d3は、上述した第3モータM3、各歯車G3−1〜G3−4、各タイミングベルトTB3−1,TB3−2から構成されている。
【0062】
発光パネル72cは、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ、面発光するものである。発光パネル72cは、例えば、有機ELで構成されている。有機ELは、蛍光体に電圧をかけると発光するエレクトロルミネセンス現象を利用した発光体であり、蛍光体にジアミン類などの有機物を使用したものである。発光パネル72cは、カラー発光するものが好ましい。発光パネル72cは、有機ELに限定されず、薄板状に形成されかつ変形可能であれば無機ELや他の面発光体で構成するようにしてもよい。
【0063】
この発光パネル72cは、電子部品Pに対向して配置されている(図5参照)。発光パネル72cは、図3に示すように、放射状に配置された複数(本実施形態では8枚)の分割発光パネル72c1で構成されている。分割発光パネル72c1は、図4に示すように、台形状に形成され、分割保持変形機構72b1の上面全体の外形(輪郭)より若干小さいサイズである。分割発光パネル72c1は、撮像装置71の開口部71cを中心に放射状に配設されている。
【0064】
発光パネル72cの一端(本実施形態では内端)は、保持変形機構72bに固定されている。すなわち、分割発光パネル72c1の一端(本実施形態では内端)は保持固定部材97に固定されている。保持固定部材97は分割変形機構72b1の一端部(第1フレーム91の一端部)に固定されている。
【0065】
分割発光パネル72c1(および分割保持変形機構72b1)は、隣接する分割発光パネル72c1と隙間をおいて配設するようにしてもよい。分割発光パネル72c1(および分割保持変形機構72b1)は、台形状でなく、長方形状に形成するようにしてもよい。
【0066】
図5に示すように、保持変形機構72bは、発光パネル72cを保持し、駆動装置72dによって姿勢が変化されることにより、発光パネル72cの形状を変化させるものである。
【0067】
保持変形機構72bの姿勢は、図5(a)に示すように、駆動装置72dにより平面状に変化される。このとき、分割発光パネル72c1は各フレーム91〜93と各カバー94〜96とにより剥離しない状態で相対移動可能に保持されている。よって、発光パネル72cの形状も平面状に変化される。また、保持変形機構72bの姿勢は、図5(b)に示すように、駆動装置72dにより碗状に変化される。このとき、分割発光パネル72c1は各フレーム91〜93と各カバー94〜96とにより剥離しない状態で相対移動可能に保持されている。よって、発光パネル72cの形状も碗状に変化される。第1〜第3フレーム91〜93の各上面の角度はケーシング72a1上面に対して任意に設定することができるため、電子部品Pに対する照射角度を任意に設定することができる。
【0068】
なお、碗状になったとき、分割発光パネル72c1は分割保持変形機構72b1の内側に位置しているため、分割発光パネル72c1の他端部(外端部)は分割保持変形機構72b1の外端からはみ出るものの、分割発光パネル72c1にしわなど生じることなくかつ保持変形機構72bの姿勢変化を支障なく行うことができる。
【0069】
次に、このように構成された電子部品撮像装置70の動作について図6および図7参照して説明する。
【0070】
最初に、BGA(Ball grid array)タイプの電子部品Pの場合について説明する。BGAタイプの電子部品P1は、パッケージ底面に半田による小さいボール状電極(バンプともいう)P1aを格子状に並べたものである。
【0071】
例えば、側斜光による照射がなく落射光による照射のみである場合には、バンプP1aの中央部には、落射光が照射され、その反射光は撮像装置71の開口部71cに入射する。しかし、バンプP1aの縁部に落射光が照射されても、バンプP1aが球状であるためその反射光は散乱して撮像装置71の開口部71cに入射しない。よって、撮像装置71によって撮像されたバンプP1aは、中央部だけ鮮明であり輪郭がぼやけている画像となる。
【0072】
これに対して、本実施形態による電子部品撮像装置70によれば、図6に示すように、バンプP1aの縁部外側には、外側方向からの側斜光L1が照射され、その反射光L1aは撮像装置71の開口部71cに入射する。バンプP1aの縁部内側には、内側方向からの側斜光L2が照射され、その反射光L2aは撮像装置71の開口部71cに入射する。バンプP1aの中央部には、開口部71cからの落射光L3が照射され、その反射光L3aは撮像装置71の開口部71cに入射する。したがって、撮像装置71によって撮像されたバンプP1aは、中央部だけでなく輪郭も鮮明である画像となる。
なお、落射光より側斜光の光量を比較的大きくすると、バンプP1aの輪郭がより鮮明となる。
【0073】
次に、LGA(Land grid array)タイプの電子部品Pの場合について説明する。LGAタイプの電子部品P2は、パッケージ底面に、BGAのはんだボールの代わりに平面電極パッド(以下パッドという。)P2aを格子状に並べたものである。
【0074】
例えば、側斜光による照射がなく落射光による照射のみである場合には、パッドP2aの平面部には、落射光が照射され、その反射光は撮像装置71の開口部71cに入射する。しかし、パッドP2aの平面角部に落射光が照射されても、パッドP2aが角部であるためその反射光は散乱して撮像装置71の開口部71cに入射しない。しかも、落射光はパッケージ底面に反射されて撮像装置71の開口部71cに入射する。よって、撮像装置71によって撮像されたパッドP2aは、部品全体の輪郭は鮮明であるがパッドP2aの輪郭が不鮮明である画像となる。
【0075】
これに対して、本実施形態による電子部品撮像装置70によれば、図7に示すように、パッドP2aの外側角部には、外側方向からの側斜光L4が照射され、その反射光L4aは撮像装置71の開口部71cに入射する。パッドP2aの内側角部には、内側方向からの側斜光L5が照射され、その反射光L5aは撮像装置71の開口部71cに入射する。パッドP2aの中央部には、開口部71cからの落射光L6が照射され、その反射光L6aは撮像装置71の開口部71cに入射する。したがって、撮像装置71によって撮像されたパッドP2aは、中央部だけでなく輪郭も鮮明である画像となる。
なお、落射光より側斜光の光量を比較的大きくすると、パッドP2aの輪郭がより鮮明となる。
【0076】
また、いずれの場合も、分割発光パネル72c1の姿勢を変化させて、対象物である電子部品Pに照射する角度を変えることにより、撮像された電子部品P(P1,P2)の画像(特に電極部の画像)を鮮明にして、その画像から電極部を認識できるようにすることが好ましい。また、分割発光パネル72c1の発光量や発光色を任意の部分で異ならせることにより、落射光と側斜光との発光量や発光色を異ならせて、撮像された電子部品P(P1,P2)の画像(特に電極部の画像)を鮮明にして、その画像から電極部を認識できるようにすることが好ましい。
【0077】
制御装置80はマイクロコンピュータ(図示省略)を有しており、マイクロコンピュータは、バスを介してそれぞれ接続された入出力インターフェース、CPU、RAMおよびROM(いずれも図示省略)を備えている。CPUは、所定のプログラムを実行して基板への電子部品Pの実装を制御する。RAMは同プログラムの実行に必要な変数を一時的に記憶するものであり、ROMは前記プログラムを記憶するものである。
【0078】
制御装置80には、図8に示すように、入力装置81、基板撮像装置66、撮像装置71、照明装置72、通信装置82、記憶装置83、基板搬送装置30、バックアップ装置40、部品供給装置50、部品移載装置60および出力装置84が接続されている。撮像装置71は、撮像した電子部品の画像を制御装置80に送信する。照明装置72は、制御装置80からの指令を受けて所望の姿勢に保持変形機構72bを変形させ位置決め固定されたり、発光パネル72cを所望の輝度、色で発光されたりする。入力装置81は、電子部品実装機20の運転を開始させる開始スイッチ、停止させる停止スイッチなどを備えている(図2参照)。通信装置82は、外部の機器と互いに接続して互いにデータを入出力するためのものであり、LAN17を介してホストコンピュータ18に接続されている。記憶装置83は、電子部品実装機20全体を制御するシステムプログラム、そのシステムプログラム上で装置の各要素をそれぞれ個別に制御する制御プログラムを記憶するものである。出力装置84は、電子部品実装機20の状態情報、警告などを表示するものである。
【0079】
制御装置80は、撮像装置71によって撮像された電子部品の画像の画像処理を行う。制御装置80は、画像処理の結果(特に電極の位置)から電子部品の位置決めを行う。制御装置80は、撮像装置71によって撮像された画像の画像処理において該画像処理の結果が異常と判定した場合、その異常と判定された電子部品Pに対して画像処理の結果が正常となるように発光パネル72cの形状を変化させるのが好ましい。
【0080】
ホストコンピュータ18は、各電子部品実装機20の最適化された生産プログラムを作成したり、各電子部品実装機20の運転を統括して制御したり、各電子部品実装機20の生産情報(例えば、実装時間などを含む。)を受信したりするものである。
【0081】
また、制御装置80またはホストコンピュータ18は、部品データを記憶する。部品データの情報の一つとして、照明装置72の姿勢を加えることが好ましい。部品毎に照明の方法を適切に管理し、照明を実行することができるため、部品を的確に認識することができ、画像処理の短縮化、サイクルタイムの短縮化を図ることができる。
【0082】
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、発光パネル72cは、電子部品Pに対向して配置され、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ面発光する。また、保持変形機構72bは、発光パネル72cを保持するとともに、駆動装置72dによって姿勢が変化されることにより発光パネル72cの形状を変化させる。したがって、保持変形機構72bの姿勢を変形させることにより、発光パネル72cの形状を所望の形状に変化させることで、対象物である電子部品Pの撮像装置71の方向からの照明光(落射光)を照射することができるとともに、撮像装置71の方向とは異なる対象物の側方からの照明光(側射光)を照射することができる。これにより、電子部品Pの電極部P1a,P2aの形状に応じて適切な方向から照明光を照射することにより、電極部P1a,P2aから反射される照明光を適切に集光することができる。よって、あらゆる対象電子部品に対して適切に照明することにより、取得した画像において電極部P1a,P2aの輪郭が十分に現れるため、電極部P1a,P2aの形状、位置を短時間で認識することができ、ひいてはサイクルタイムを短縮化することができる。さらに、電極部を認識する時間を短縮することができ、サイクルタイムを短縮することができるため、不良部品と認識する率が低くなり、部品の廃棄率を低く抑制することができる。
【0083】
また、発光パネル72cは、放射状に配置された複数の分割発光パネル72c1で構成されている。これにより、放射状に配置された分割発光パネル72c1の中心に撮像装置71を配置することが可能となり、電子部品Pの電極部P1a,P2aの形状に応じてより適切な方向から照明光を照射することにより、電極部P1a,P2aから反射される照明光をより適切に集光することができる。
【0084】
また、保持変形機構72bは、各分割発光パネル72c1の一端が固定され、一端以外の部分が剥離しない状態で相対移動可能に保持されるように構成され、各分割発光パネル72c1が当該保持変形機構72bの姿勢の変化に応じて変化される。これにより、分割発光パネル72c1を、保持変形機構72bの姿勢の変化に応じてスムーズに変化させるとともに、所望の照射方向に向けた状態で的確に位置決め固定することができる。
【0085】
また、発光パネル72cは、有機ELで構成されているため、簡便な構成かつ低コストにて電子部品照明装置を構成することができる。
【0086】
また、部品移載装置60が電子部品Pを部品供給装置50から採取して基板Sに装着する電子部品実装機20において、部品移載装置60によって部品供給装置50から採取され基板Sに装着される前の電子部品Pを照明する。これにより、電子部品Pの位置状態を正確かつ短時間に把握することができ、また電子部品Pの電極部の不良判定を正確かつ短時間に実施することができる。
【0087】
また、撮像装置71によって撮像された画像の画像処理において該画像処理の結果が異常と判定された電子部品Pに対して画像処理の結果が正常となるように発光パネル72cの形状を変化させる。これにより、画像処理能力を向上させることで、部品不良判定の短時間化を図るとともに不良部品とみなされる部品の数(部品廃棄率)の低減化を図ることができる。
【符号の説明】
【0088】
11〜14…第1〜第4電子部品実装機、18…ホストコンピュータ、20…電子部品実装機、30…基板搬送装置、40…バックアップ装置、50…部品供給装置、60…部品移載装置、65…装着ノズル、66…撮像装置、70…電子部品撮像ユニット、71…電子部品撮像装置(撮像装置)、72…電子部品照明装置(照明装置)、72b…保持変形機構、72b1…分割保持変形機構、72c…発光パネル、72c1…分割発光パネル、72d…駆動装置、80…制御装置、A…電子部品実装システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像装置によって撮像される電子部品を照明する電子部品照明装置において、
前記電子部品に対向して配置され、薄板状に形成され、変形可能であり、かつ、面発光する発光パネルと、
前記発光パネルを保持し、駆動装置によって姿勢が変化されることにより、前記発光パネルの形状を変化させる保持変形機構と、を備えたことを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項2】
請求項1において、前記発光パネルは、放射状に配置された複数の分割発光パネルで構成されていることを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項3】
請求項2において、前記保持変形機構は、前記各分割発光パネルの一端が固定され、前記一端以外の部分が剥離しない状態で相対移動可能に保持されるように構成され、前記各分割発光パネルが当該保持変形機構の姿勢の変化に応じて変化されることを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3の何れか一項において、前記発光パネルは、有機ELで構成されたことを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4の何れか一項に係る電子部品照明装置は、部品移載装置が前記電子部品を部品供給装置から採取して基板に装着する電子部品実装機において、前記部品移載装置によって前記部品供給装置から採取され前記基板に装着される前の前記電子部品を照明することを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れか一項において、前記電子部品のデータの情報の一つとして前記電子部品照明装置の姿勢を加え、前記電子部品毎に照明の方法を管理し、その照明を実行することを特徴とする電子部品照明装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6の何れか一項において、前記撮像装置によって撮像された画像の画像処理において該画像処理の結果が異常と判定された電子部品に対して前記画像処理の結果が正常となるように前記発光パネルの形状を変化させることを特徴とする電子部品照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−174888(P2012−174888A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35568(P2011−35568)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000237271)富士機械製造株式会社 (775)
【Fターム(参考)】