電子部品装置、ガラス防曇用ヒータ装置、及び、ガラスアンテナ装置
【課題】単純な作業かつ低コストで製造でき、形状を損なうことなく確実にガラスに取り付けることのできる電子部品装置を提供することを目的とする。
【解決手段】コネクタ80(電子部品)と、コネクタ80の端部に設けられた接続端子脚86、及び、略平行な間隙90を有し、リアガラス1に設けられたバスバー2R,2L(導電体)に接続されうる接続板85、より成る接続端子装置84と、を備え、接続板85の間隙90に、接続端子脚86がスライドされることにより、接続板85と接続端子脚86とが着脱自在に取り付け可能である電子部品装置を提供する。
【解決手段】コネクタ80(電子部品)と、コネクタ80の端部に設けられた接続端子脚86、及び、略平行な間隙90を有し、リアガラス1に設けられたバスバー2R,2L(導電体)に接続されうる接続板85、より成る接続端子装置84と、を備え、接続板85の間隙90に、接続端子脚86がスライドされることにより、接続板85と接続端子脚86とが着脱自在に取り付け可能である電子部品装置を提供する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用リアガラス等のガラスに形成された導電体に接続される電子部品装置、ガラス面に設けられるガラス防曇用ヒータ装置、及び、ガラス面に設けられるガラスアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用リアガラス等のガラスに設けられたアンテナパターンの端部に形成された給電部に、半田付けによって接続された電子部品装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
この種の電子部品装置は、高周波コイルや、コンデンサ等を有した電子部品と、電子部品と電気的に接続された接続端子脚と、が一体的に形成されている。電子部品装置をガラスに取り付ける際は、ガラスの加工工程において、約300℃の高温半田加工にて、接続端子脚を給電部に半田付けすることによって、電子部品装置をガラスに取り付けている。
【特許文献1】特開平8−316719号公報
【特許文献2】特開2001−167937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電子部品装置の取り付け方法では、高温半田加工時に、熱によって電子部品の形状が変形してしまう危険があった。例えば、電子部品が樹脂製の筐体で覆われた形状をしている場合、高温半田加工時に、この樹脂が溶解し、筐体の形状が変形してしまう危険があった。
また、従来は、ガラスの加工工程において、ガラスに電子部品を取り付けた後に、例えば、電子部品が故障した場合、電子部品と接続端子脚とが半田付けによって一体的にガラスに接着されているため、ガラスから故障した電子部品を含む電子部品装置を取り外すのが非常に困難であり、ガラスの加工工程における作業の煩雑化及びコストの増大を招いていた。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、単純な作業かつ低コストで製造でき、形状を損なうことなく確実にガラスに取り付けることのできる電子部品装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を解決するために、本発明は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、ガラスに設けられた導電体に接続されうる接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導電体に固着されるため、高温半田加工時に、電子部品や電子部品を収納する筐体の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
ここで、導電体とは、ガラス面に形成されたバスバーや、給電部を含んでいる。
【0006】
また、上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
また、上記発明において、前記接続板及び前記接続端子脚間に、前記接続端子脚の抜け防止機構を備えてもよい。この場合、抜け防止機構は、前記接続板に形成された第1の貫通孔又は第1の突起と、前記端子脚に形成され、前記第1の貫通孔又は第1の突起と嵌合する第2の突起又は第2の貫通孔と、を備えてもよい。
この構成によれば、接続板が接続端子脚から抜け落ちるのを確実に防止することができる。
【0007】
また、上記目的を達成するために、ガラス防曇用ヒータ装置において、ガラスに設けた防曇用ヒータ線と、該防曇用ヒータ線に接続されたバスバーと、該バスバーに接続される電子部品装置と、を備え、前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記バスバーに接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ガラス防曇用ヒータ装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導体パターンに固着されるため、高温半田加工時に、電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、ガラスアンテナ装置において、ガラスに設けたアンテナパターンと、該アンテナパターンに接続された給電部と、該給電部に接続される電子部品装置と、を備え、前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記給電部に接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ガラスアンテナ装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導体パターンに固着されるため、高温半田加工時に、接続端子脚と連結された電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子部品装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導電体に固着されるため、高温半田加工時に、接続端子脚と連結された電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態において、上下、前後及び左右は、図面中矢印で示す上下、前後及び左右を基準とするものとする。
図1は、自動車のリアガラス1を車内から見た図である。
この図に示すように、リアガラス1の下部には、ガラス防曇用ヒータ装置7が形成されており、このガラス防曇用ヒータ装置7は、リアガラス1の内部の左右において上下に延在する帯状のバスバー2R,2L(導電体)と、この左右のバスバー2R,2Lの間に形成され、両端がバスバー2R,2Lに電気的に接続された、左右に延在する複数の防曇用ヒータ線3と、バスバー2Rに取り付けられた電子部品装置83と、を備えている。
また、リアガラス1の上部には、ガラスアンテナ装置8が形成されており、このガラスアンテナ装置8は、左右に延在したFM検知用アンテナ5(アンテナパターン)と、このFM検知用アンテナ5の右端に形成された給電部6(導電体)と、この給電部6に取り付けられた電子部品装置30と、を備えている。
【0011】
上記右のバスバー2Rに取り付けられた電子部品装置83は、図2に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体81と、この筐体81の内部に収納されたコネクタ80(電子部品)を有し、このコネクタ80には、リード線82が接続され、このリード線82は、バッテリ(不図示)に接続されており、バッテリ(不図示)は、必要に応じて、リード線82、コネクタ80及びバスバー2Rを介して、防曇用ヒータ線3に電力を供給し、電力を供給された防曇用ヒータ線3は、熱せられ、リアガラス1の曇りを除去する。
【0012】
上記電子部品装置83には、図2に示すように、一対の接続端子装置84a,84bが設けられており、一方の接続端子装置84aは、バスバー2Rに半田付けによって接続された接続板85aと、この接続板85aに取り付け自在であり、コネクタ80の端部に電気的に接続された接続端子脚86aとを有し、他方の接続端子装置84bは、同じくバスバー2Rに半田付けによって接続された接続板85bと、この接続板85bに取り付け自在であり、コネクタ80の端部に電気的に接続された接続端子脚86bと、を有している。
【0013】
図3(B)は、図2におけるB−B断面図である。
接続板85aは、導電性を有した金属板であり、バスバー2Rに半田付けによって接着された接続部87aと、この接続部87aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部88aと、この湾曲部88aに連続して形成され、前記接続部87aの上方を覆う押圧部89aと、を有している。接続部87aと、押圧部89aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部90aが形成されている。
接続部87aの左辺の上方には、コネクタ80が接続されたときにこのコネクタ80の左右方向への動きを規制するための位置決め用ストッパ91aが前方に向かって突出した形状で形成されており、また、接続部87aにおいて押圧部89aが覆っている箇所には、突起92aがエンボス加工によって前方に突出した形状で設けられている(図3(B)参照)。
接続板85bは、接続板85aと同一の構成をしており、接続部87b、湾曲部88b、押圧部89b、間隙部90b、位置決め用ストッパ91b、突起92bを有している。
この接続板85aと、接続板85bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、バスバー2Rに接着されている。
【0014】
図3(A)は、図2におけるA−A断面図である。
接続端子脚86aは、上述したように、直方体の形状をした樹脂製の筐体81の内部において、コネクタ80と接続されており、筐体81からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部93aと、この立ち上がり部93aに連続して形成された連結部94aと、を有し、この連結部94aの略中央には貫通孔95aが形成され(図3(A)参照)、この貫通孔95aの周りに3つの接圧ダボ96a(図3(A)参照)が前方へ向かって突出した形状で形成されている。連結部94aの左右の端には、右左方向へ向かって切り欠かれた位置決め用ストッパ受け溝97a,97aが形成されている。この位置決め用ストッパ受け溝97a,97aは、テーパ形状となっており、連結部94aの中心へ向かうほど、上下方向の幅が狭くなっている。
接続端子脚86bは、接続端子脚86aと同一の構成をしており、立ち上がり部93b、連結部94b、貫通孔95b、接圧ダボ96b、及び、位置決め用ストッパ受け溝b,97bを有している。
【0015】
前記接続板85a,85bと、前記接続端子脚86a,86bとを連結する際は、図4に示すように、筐体81の略中央を中心点として反時計回り(図4の矢印参照)にコネクタ80を回転させ、接続板85aの右側方から接続端子脚86aを、接続板85bの左側方から接続端子脚86bを、それぞれスライドさせる。
その際、接続端子脚86aの連結部94aを、接続板85aの間隙部90aに潜り込ませ、接続板85aの位置決め用ストッパ91aに、接続端子脚86aの位置決め用ストッパ受け溝97aの奥が係止し、かつ、突起92aと貫通孔95aとが嵌合するまでスライドさせ、接続板85aと接続端子脚86aとを連結する。
なお、本実施形態では、位置決め用ストッパ受け溝97aは、テーパ形状のため、位置決め用ストッパ91aを位置決め用ストッパ受け溝97aにさそい込みやすく、また、接続端子脚86aの回転に応じて容易に位置決め用ストッパ受け溝97aを位置決め用ストッパ91aの奥に係止させることができる。
さらに、同様の手順にて、接続板85bと接続端子脚86bとを連結する。
【0016】
図5は、接続板85a,85bと、接続端子脚86a,86bとが連結された状態を示す図である。この図に示すように、貫通孔95a,95bと、突起92a,92bとが嵌合しており、これによって、接続端子脚86a,86bの上下及び左右の動きが規制されている。
また、接続板85a,85bの押圧部89a,89bの後面が、接続端子脚86a,86bの接圧ダボ96a,96bの先端と接触し、押圧部89a,89bが弾性力によって接圧ダボ96a,96bを絶えず後方に向かって押圧(付勢)しており、これによって、接続端子脚86a、86bの前後方向の動きが規制されている。
また、位置決め用ストッパ91a,91bに位置決め用ストッパ受け溝97a,97bが係止しており、これによって、接続端子脚86a,86bの左右方向への動き、特に、反時計回り方向への動きが規制されている。
このように、本実施形態では、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができる。また、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bに取り付けた後は、接続板85a,85bによって、接続端子脚86a,86bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ80がリアガラス1から外れない。
【0017】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子部品装置83の接続端子装置84a,84bにおいて、接続板85a,85bと、接続端子脚86a,86bが別体で構成されており、リアガラス1の加工時においては、接続板85a,85bのみが、半田付けによって、リアガラス1に接着される。このため、リアガラス1の高温半田加工時に、樹脂製の筐体81の形状が変形してしまう、ということがない。
さらに、高温半田加工時に、例えば熱によって、電子部品であるコネクタ80が故障してしまったり、劣化してしまったりする、ということがない。
【0018】
また、本実施の形態によれば、コネクタ80は、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができると共に、取り外しも容易に行うことができる。このため、例えば、車両にリアガラス1を取り付けた後、コネクタ80が破損した場合や経年劣化した場合は、この破損したコネクタ80をリアガラス1から取り外し、正常なコネクタを接続端子脚86a,86b及び接続板85a,85bを介してリアガラス1に取り付けることによって、容易にコネクタ80の交換ができる。
【0019】
また、リアガラス1のみが破損した場合にも、接続端子脚86a,86bを接続板85a,85bから外すことによって、コネクタ80をリアガラス1から取り外し、破損したリアガラス1と、接続板が取り付けられた正常なリアガラスとを交換し、この交換したリアガラスに、コネクタ80を接続端子脚86a,86b及び接続板を介して取り付けることにより、容易にリアガラス1の交換ができる。
このように、本実施形態では、コネクタ80及びリアガラス1の保守、交換が容易である。上記では、リアガラス1を車両に取り付けた後のことを例として挙げたが、これに限らず、リアガラス1加工時及び車両組立時においても、コネクタ80及びリアガラス1の保守、交換が容易である。
【0020】
また、本実施の形態によれば、コネクタ80のリアガラス1への装着は、ガラス加工時に行う必要がない。このため、コネクタ80のリアガラス1への装着を、作業工程のうち、最も信頼性の高い装着を行える工程において行うことができる。上記工程の例としては、静電気対策環境においてなされる車両組立工程等が存在する。また、本実施の形態によれば、上述したように、リアガラス1の製造に係る作業を簡易化でき、製造に係るコストを削減することができ、かつ、生産能率を向上することができるため、リアガラス1自体の安価化を図ることができる。
【0021】
図6に示す電子部品装置10は、上述した電子部品装置83の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置83と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0022】
この実施の形態では、図6に示すように、電子部品装置10が右のバスバー2Rに取り付けられている。
この電子部品装置10は、図6に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体13と、この筐体13の内部に収納されたコネクタ29を有し、このコネクタ29には、リード線9が接続され、このリード線9は、バッテリ(不図示)に接続されており、このバッテリは、必要に応じて、リード線9、コネクタ29、及びバスバー2Rを介して、防曇用ヒータ線3に電力を供給し、電力を供給された防曇用ヒータ線3は、熱せられ、リアガラス1の曇りを除去する。
【0023】
上記電子部品装置10には、図6に示すように、一対の接続端子装置10a、10bが設けられており、一方の接続端子装置10aは、バスバー2Rに半田付けによって接続された接続板11aと、この接続板11aに取り付け自在であり、コネクタ29の端部に電気的に接続された接続端子脚12aとを有し、他方の接続端子装置10bは、同じくバスバー2Rに半田付けによって接続された接続板11bと、この接続板11bに取り付け自在であり、コネクタ29の端部に電気的に接続された接続端子脚12bと、を有している。
【0024】
上記接続板11aは、導電性を有した金属板であり、バスバー2Rに半田付けによって接着された接続部14aと、この接続部14aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部15aと、この湾曲部15aに連続して形成され、前記接続部14aの上方を覆う押圧部16aと、を有している。接続部14aと、押圧部16aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部17aが形成されており、また、押圧部16aの略中央には、貫通孔18aが形成されている。
接続板11bは、接続板11aと同一の構成をしており、接続部14b、湾曲部15b、押圧部16b、間隙部17b、及び、貫通孔18bを有している。
この接続板11aと、接続板11bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、バスバー2Rに接着されている。
【0025】
接続端子脚12aは、上述したように、直方体の形状をした樹脂製の筐体13の内部において、コネクタ29と接続され、筐体13からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部19aと、この立ち上がり部19aに連続して形成された連結部20aと、を有しており、この連結部20aの上面には突起21aが形成されている。
接続端子脚12bは、接続端子脚12aと同一の構成をしており、立ち上がり部19b、連結部20b、及び、突起21bを有している。
【0026】
前記接続板11a,11bと、前記接続端子脚12a、12bとを連結する際は、接続板11aの側方から接続端子脚12aをスライドさせ、接続端子脚12aの連結部20aを、接続板11aの間隙部17aに潜り込ませ、接続板11aの押圧部16aに形成された貫通孔18aに、接続端子脚12aの連結部20aに形成された突起21aを嵌合させて、接続板11aと接続端子脚12aとを連結する。さらに、同様の手順で、接続板11bと接続端子脚12bとを連結する。
【0027】
図7は、接続板11a,11bと、接続端子脚12a、12bとが連結された状態を示す図である。この図に示すように、貫通孔18a,18bに、突起21a,21bが、嵌合しており、これによって、接続端子脚12a、12bの上下及び左右の動きが規制されている。また、接続板11a,11bの押圧部16a,16bが、弾性力によって、接続端子脚12a,12bの連結部20a,20bを絶えず後方に向かって押圧(付勢)しており、接続端子脚12a、12bの前後方向の動きが規制されている。
本実施形態では、接続端子脚12a、12bを、接続板11a,11bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができる。また、接続端子脚12a、12bを、接続板11a,11bに取り付けた後は、接続板11a,11bによって、接続端子脚12a、12bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ29がリアガラス1から外れない。
以上、電子部品装置10の実施の形態について説明したが、この構成によっても、上述した電子部品装置83と同様の効果を得ることができる。
【0028】
図8に示す電子部品装置50は、上述した電子部品装置10の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置10と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
この図に示すように、電子部品装置50では、接続板11a,11bにおいて、接続部14a,14bの上面に突起51a,51bを設け、押圧部16a,16bには、貫通孔を設けない。また、接続端子脚12a,12bの連結部20a,20bに突起を形成せず、貫通孔52a,52bを設けている。
この構成であっても、電子部品装置10と同様、接続端子脚12a,12bを、接続板11a,11bにスライドさせることによって、容易に、筐体13をリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚12a,12bを、接続板11a,11bに取り付けた後は、接続板11a,11bによって、接続端子脚12a,12bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ29がリアガラス1から外れる心配がない。
【0029】
つぎに、別の実施の形態を示す。
上述したFM検知用アンテナ5(図1)の右端には、給電部6が形成されており、この給電部6には、電子部品装置30が取り付けられている。
この電子部品装置30は、図9に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体33と、この筐体33の内部に収納され、インピーダンスマッチング回路、共振回路、前置増幅回路等のアンテナ周辺回路が実装された回路基板49とを有している。筐体33の前面42の下部からは、回路基板49と電気的に接続されたカプラ取付部43が延出し、このカプラ取付部43には、カプラ31が取り付けられ、このカプラ31には、ケーブル32が接続され、このケーブル32は、車両に搭載された車載オーディオ(不図示)の受信器と接続されており、FM検知用アンテナ5が検知した電波に係る信号は、電子部品装置30及びケーブル32を介して受信機に出力される。
【0030】
上記電子部品装置30には、図9に示すように、一対の接続端子装置30a、30bが設けられ、一方の接続端子装置30aは、給電部6に半田付けによって接続された接続板31aと、この接続板31aに着脱自在に取り付けられ、回路基板49の端部に設けられた接続端子脚32aと、を有し、同様に、他方の接続端子装置30bは、給電部6に半田付けによって接続された接続板31bと、この接続板31bに着脱自在に取り付けられ、回路基板49の端部に設けられた接続端子脚32bと、を有している。
【0031】
接続板31aは、導電性を有した金属板であり、給電部6に半田付けによって接着された接続部34aと、この接続部34aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部35aと、この湾曲部35aに連続して形成され、前記接続部34aの上方を覆う押圧部36aと、を有している。接続部34aと、押圧部36aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部37aが形成されており、また、押圧部36aの略中央には、貫通孔38aが形成されている。
接続板31bは、接続板31aと同一の構成をしており、接続部34b、湾曲部35b、押圧部36b、間隙部37b、及び、貫通孔38bを有している。
この接続板31aと、接続板31bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、給電部6に接着されている。
【0032】
接続端子脚32aは、筐体33からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部39aと、この立ち上がり部39aに連続して形成された連結部40aと、を有しており、この連結部40aの上面には突起41aが形成されている。また、接続端子脚32bは、接続端子脚32aと同一の構成をしており、立ち上がり部39b、連結部40b、及び、突起41bを有している。
【0033】
前記接続板31a,31bと、前記接続端子脚32a,32bとを連結する際は、接続板31aの側方から接続端子脚32aをスライドさせ、接続端子脚32aの連結部40aを、接続板31aの間隙部37aに潜り込ませ、接続板31aの押圧部36aに形成された貫通孔38aに、接続端子脚32aの連結部40aに形成された突起41aを嵌合させて、接続板31aと接続端子脚32aとを連結し、さらに、同様の手順で、接続板31bと接続端子脚32bとを連結する。
【0034】
図10は、接続板31a,31bと、接続端子脚32a,32bとが連結され、かつ、カプラ取付部43とカプラ31とが連結された状態を示す図である。
この図に示すように、貫通孔38a,38bに、突起41a,41bが、嵌合しており、これによって、接続端子脚32a,32bの上下及び左右の動きが規制されている。また、接続板31a,31bの押圧部36a,36bが、弾性力によって、接続端子脚32a,32bの連結部40a,40bを絶えず、後方に向かって押圧(付勢)しており、これによって、接続端子脚32a,32bの前後方向の動きが規制されている。
このように、本実施形態にかかる電子部品装置30は、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bに取り付けた後は、接続板31a,31bによって、接続端子脚32a,32bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、回路基板49がリアガラス1から外れる心配がない。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子部品装置30において、接続板31a,31bと、接続端子脚32a,32bとが別体で構成されており、接続板31a,31bのみが半田付けによってリアガラス1に接着され、さらに、回路基板49は、接続端子脚32a、32bを介して、容易に接続板31a,31bに脱着自在に構成されているため、リアガラス1の加工時に、回路基板49が故障した場合、簡単に故障していない回路基板と交換することが可能であり、ガラス加工工程における作業の単純化、コストの削減を図ることができる。
さらに、高温半田加工時に、例えば熱によって、電子部品である回路基板49が故障してしまったり、劣化してしまったりする、ということがなく、製品に対する信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
また、回路基板49は、外的な静電気の発生により静電気破損する可能性があるため、リアガラス1の加工工程において、回路基板49をリアガラス1に取り付ける際は、静電気に十分対応した環境で取り付ける必要がある。
しかしながら、現在のガラスの加工工程においては、静電気対策加工環境が実現できていないため、従来のように、回路基板49等の電子部品を有した接続端子装置を直接リアガラスに取り付けるやり方では、電子部品が静電気によって破損する可能性があり、非常に危険であった。
また、仮に、ガラス加工を、静電気対策環境において行う場合、その静電気対策環境を実現するために余分な投資をする必要があり、さらに、その分作業が、複雑化する。
しかしながら、本実施形態では、回路基板49を有した筐体33は、直接、リアガラス1に半田付けしないため、ガラス加工工程において、静電気対策環境を実現する必要がなく、したがって、コストの削減及び、作業の単純化、簡易化、を図ることができる。
【0037】
図11示す電子部品装置60は、上述した電子部品装置30の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置30と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
この図に示すように、電子部品装置60では、接続板31a,31bにおいて、接続部34a,34bの上面に突起61a,61bを設け、押圧部36a,36bには、貫通孔を設けない。また、接続端子脚32a,32bの連結部40a,40bに突起を形成せず、貫通孔62a,62bを設けている。
この構成であっても、電子部品装置30と同様、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bにスライドさせることによって、容易に、電子部品装置60をリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bに取り付けた後は、接続板31a,31bによって、接続端子脚32a,32bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、回路基板49がリアガラス1から外れる心配がない。
【0038】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、リアガラス1に形成されるアンテナは、FM検知用アンテナ5のみならず、AMやテレビ放送を検知するものであってもよく、また、防曇用ヒータ線3がアンテナの機能を兼ねる構成としてもよい。また、筐体13,33に内蔵される電子部品は、本実施形態で挙げたものに限らず、電子部品装置10,30,50,60,83の機能に応じて適宜内蔵することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】リアガラスを車内から見た状態を示す図である。
【図2】本実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図3】(A)は、図2におけるA−A断面図、(B)は、図3におけるB−B断面図である。
【図4】本実施形態に係る電子部品装置を前方から見た図である。
【図5】本実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図6】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図7】別の実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図8】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図9】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図10】別の実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図11】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 リアガラス
2R,2L バスバー(導電体)
3 防曇用ヒータ線
5 FM検知用アンテナ(アンテナパターン)
6 給電部(導電体)
7 ガラス防曇用ヒータ装置
8 ガラスアンテナ装置
10,30,50,60,83 電子部品装置
10a,10b,30a,30b,84a,84b 接続端子装置
11a,11b,31a,31b,85a,85b 接続板
12a,12b,32a,32b,86a,86b 接続端子脚
17a,17b,37a,37b,90a,90b 間隙部
18a,18b,38a,38b,52a,52b,62a,62b,95a,95b 貫通孔
21a,21b,41a,41b,51a,51b,61a,61b,92a,92b 突起
29,80 コネクタ(電子部品)
49 回路基板(電子部品)
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用リアガラス等のガラスに形成された導電体に接続される電子部品装置、ガラス面に設けられるガラス防曇用ヒータ装置、及び、ガラス面に設けられるガラスアンテナ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両用リアガラス等のガラスに設けられたアンテナパターンの端部に形成された給電部に、半田付けによって接続された電子部品装置が知られている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照。)。
この種の電子部品装置は、高周波コイルや、コンデンサ等を有した電子部品と、電子部品と電気的に接続された接続端子脚と、が一体的に形成されている。電子部品装置をガラスに取り付ける際は、ガラスの加工工程において、約300℃の高温半田加工にて、接続端子脚を給電部に半田付けすることによって、電子部品装置をガラスに取り付けている。
【特許文献1】特開平8−316719号公報
【特許文献2】特開2001−167937号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の電子部品装置の取り付け方法では、高温半田加工時に、熱によって電子部品の形状が変形してしまう危険があった。例えば、電子部品が樹脂製の筐体で覆われた形状をしている場合、高温半田加工時に、この樹脂が溶解し、筐体の形状が変形してしまう危険があった。
また、従来は、ガラスの加工工程において、ガラスに電子部品を取り付けた後に、例えば、電子部品が故障した場合、電子部品と接続端子脚とが半田付けによって一体的にガラスに接着されているため、ガラスから故障した電子部品を含む電子部品装置を取り外すのが非常に困難であり、ガラスの加工工程における作業の煩雑化及びコストの増大を招いていた。
【0004】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、単純な作業かつ低コストで製造でき、形状を損なうことなく確実にガラスに取り付けることのできる電子部品装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を解決するために、本発明は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、ガラスに設けられた導電体に接続されうる接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導電体に固着されるため、高温半田加工時に、電子部品や電子部品を収納する筐体の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
ここで、導電体とは、ガラス面に形成されたバスバーや、給電部を含んでいる。
【0006】
また、上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
また、上記発明において、前記接続板及び前記接続端子脚間に、前記接続端子脚の抜け防止機構を備えてもよい。この場合、抜け防止機構は、前記接続板に形成された第1の貫通孔又は第1の突起と、前記端子脚に形成され、前記第1の貫通孔又は第1の突起と嵌合する第2の突起又は第2の貫通孔と、を備えてもよい。
この構成によれば、接続板が接続端子脚から抜け落ちるのを確実に防止することができる。
【0007】
また、上記目的を達成するために、ガラス防曇用ヒータ装置において、ガラスに設けた防曇用ヒータ線と、該防曇用ヒータ線に接続されたバスバーと、該バスバーに接続される電子部品装置と、を備え、前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記バスバーに接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ガラス防曇用ヒータ装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導体パターンに固着されるため、高温半田加工時に、電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明は、ガラスアンテナ装置において、ガラスに設けたアンテナパターンと、該アンテナパターンに接続された給電部と、該給電部に接続される電子部品装置と、を備え、前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記給電部に接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であることを特徴とする。
この構成によれば、ガラスアンテナ装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導体パターンに固着されるため、高温半田加工時に、接続端子脚と連結された電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
上記発明において、前記ガラスが自動車のリアガラスであってもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電子部品装置において、接続端子脚と、接続板とが別体に構成され、接続板のみが、半田付けによって導電体に固着されるため、高温半田加工時に、接続端子脚と連結された電子部品や電子部品を収納する筐体等の形状が変形することがない。さらに、接続端子脚及び接続板を介して、電子部品をガラス面に容易に脱着することができるため、ガラスの加工工程において、電子部品が故障した場合も、この故障した電子部品を簡単に交換することができ、ガラスの加工工程における作業の単純化及びコストの削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本実施形態において、上下、前後及び左右は、図面中矢印で示す上下、前後及び左右を基準とするものとする。
図1は、自動車のリアガラス1を車内から見た図である。
この図に示すように、リアガラス1の下部には、ガラス防曇用ヒータ装置7が形成されており、このガラス防曇用ヒータ装置7は、リアガラス1の内部の左右において上下に延在する帯状のバスバー2R,2L(導電体)と、この左右のバスバー2R,2Lの間に形成され、両端がバスバー2R,2Lに電気的に接続された、左右に延在する複数の防曇用ヒータ線3と、バスバー2Rに取り付けられた電子部品装置83と、を備えている。
また、リアガラス1の上部には、ガラスアンテナ装置8が形成されており、このガラスアンテナ装置8は、左右に延在したFM検知用アンテナ5(アンテナパターン)と、このFM検知用アンテナ5の右端に形成された給電部6(導電体)と、この給電部6に取り付けられた電子部品装置30と、を備えている。
【0011】
上記右のバスバー2Rに取り付けられた電子部品装置83は、図2に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体81と、この筐体81の内部に収納されたコネクタ80(電子部品)を有し、このコネクタ80には、リード線82が接続され、このリード線82は、バッテリ(不図示)に接続されており、バッテリ(不図示)は、必要に応じて、リード線82、コネクタ80及びバスバー2Rを介して、防曇用ヒータ線3に電力を供給し、電力を供給された防曇用ヒータ線3は、熱せられ、リアガラス1の曇りを除去する。
【0012】
上記電子部品装置83には、図2に示すように、一対の接続端子装置84a,84bが設けられており、一方の接続端子装置84aは、バスバー2Rに半田付けによって接続された接続板85aと、この接続板85aに取り付け自在であり、コネクタ80の端部に電気的に接続された接続端子脚86aとを有し、他方の接続端子装置84bは、同じくバスバー2Rに半田付けによって接続された接続板85bと、この接続板85bに取り付け自在であり、コネクタ80の端部に電気的に接続された接続端子脚86bと、を有している。
【0013】
図3(B)は、図2におけるB−B断面図である。
接続板85aは、導電性を有した金属板であり、バスバー2Rに半田付けによって接着された接続部87aと、この接続部87aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部88aと、この湾曲部88aに連続して形成され、前記接続部87aの上方を覆う押圧部89aと、を有している。接続部87aと、押圧部89aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部90aが形成されている。
接続部87aの左辺の上方には、コネクタ80が接続されたときにこのコネクタ80の左右方向への動きを規制するための位置決め用ストッパ91aが前方に向かって突出した形状で形成されており、また、接続部87aにおいて押圧部89aが覆っている箇所には、突起92aがエンボス加工によって前方に突出した形状で設けられている(図3(B)参照)。
接続板85bは、接続板85aと同一の構成をしており、接続部87b、湾曲部88b、押圧部89b、間隙部90b、位置決め用ストッパ91b、突起92bを有している。
この接続板85aと、接続板85bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、バスバー2Rに接着されている。
【0014】
図3(A)は、図2におけるA−A断面図である。
接続端子脚86aは、上述したように、直方体の形状をした樹脂製の筐体81の内部において、コネクタ80と接続されており、筐体81からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部93aと、この立ち上がり部93aに連続して形成された連結部94aと、を有し、この連結部94aの略中央には貫通孔95aが形成され(図3(A)参照)、この貫通孔95aの周りに3つの接圧ダボ96a(図3(A)参照)が前方へ向かって突出した形状で形成されている。連結部94aの左右の端には、右左方向へ向かって切り欠かれた位置決め用ストッパ受け溝97a,97aが形成されている。この位置決め用ストッパ受け溝97a,97aは、テーパ形状となっており、連結部94aの中心へ向かうほど、上下方向の幅が狭くなっている。
接続端子脚86bは、接続端子脚86aと同一の構成をしており、立ち上がり部93b、連結部94b、貫通孔95b、接圧ダボ96b、及び、位置決め用ストッパ受け溝b,97bを有している。
【0015】
前記接続板85a,85bと、前記接続端子脚86a,86bとを連結する際は、図4に示すように、筐体81の略中央を中心点として反時計回り(図4の矢印参照)にコネクタ80を回転させ、接続板85aの右側方から接続端子脚86aを、接続板85bの左側方から接続端子脚86bを、それぞれスライドさせる。
その際、接続端子脚86aの連結部94aを、接続板85aの間隙部90aに潜り込ませ、接続板85aの位置決め用ストッパ91aに、接続端子脚86aの位置決め用ストッパ受け溝97aの奥が係止し、かつ、突起92aと貫通孔95aとが嵌合するまでスライドさせ、接続板85aと接続端子脚86aとを連結する。
なお、本実施形態では、位置決め用ストッパ受け溝97aは、テーパ形状のため、位置決め用ストッパ91aを位置決め用ストッパ受け溝97aにさそい込みやすく、また、接続端子脚86aの回転に応じて容易に位置決め用ストッパ受け溝97aを位置決め用ストッパ91aの奥に係止させることができる。
さらに、同様の手順にて、接続板85bと接続端子脚86bとを連結する。
【0016】
図5は、接続板85a,85bと、接続端子脚86a,86bとが連結された状態を示す図である。この図に示すように、貫通孔95a,95bと、突起92a,92bとが嵌合しており、これによって、接続端子脚86a,86bの上下及び左右の動きが規制されている。
また、接続板85a,85bの押圧部89a,89bの後面が、接続端子脚86a,86bの接圧ダボ96a,96bの先端と接触し、押圧部89a,89bが弾性力によって接圧ダボ96a,96bを絶えず後方に向かって押圧(付勢)しており、これによって、接続端子脚86a、86bの前後方向の動きが規制されている。
また、位置決め用ストッパ91a,91bに位置決め用ストッパ受け溝97a,97bが係止しており、これによって、接続端子脚86a,86bの左右方向への動き、特に、反時計回り方向への動きが規制されている。
このように、本実施形態では、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができる。また、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bに取り付けた後は、接続板85a,85bによって、接続端子脚86a,86bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ80がリアガラス1から外れない。
【0017】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子部品装置83の接続端子装置84a,84bにおいて、接続板85a,85bと、接続端子脚86a,86bが別体で構成されており、リアガラス1の加工時においては、接続板85a,85bのみが、半田付けによって、リアガラス1に接着される。このため、リアガラス1の高温半田加工時に、樹脂製の筐体81の形状が変形してしまう、ということがない。
さらに、高温半田加工時に、例えば熱によって、電子部品であるコネクタ80が故障してしまったり、劣化してしまったりする、ということがない。
【0018】
また、本実施の形態によれば、コネクタ80は、接続端子脚86a,86bを、接続板85a,85bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができると共に、取り外しも容易に行うことができる。このため、例えば、車両にリアガラス1を取り付けた後、コネクタ80が破損した場合や経年劣化した場合は、この破損したコネクタ80をリアガラス1から取り外し、正常なコネクタを接続端子脚86a,86b及び接続板85a,85bを介してリアガラス1に取り付けることによって、容易にコネクタ80の交換ができる。
【0019】
また、リアガラス1のみが破損した場合にも、接続端子脚86a,86bを接続板85a,85bから外すことによって、コネクタ80をリアガラス1から取り外し、破損したリアガラス1と、接続板が取り付けられた正常なリアガラスとを交換し、この交換したリアガラスに、コネクタ80を接続端子脚86a,86b及び接続板を介して取り付けることにより、容易にリアガラス1の交換ができる。
このように、本実施形態では、コネクタ80及びリアガラス1の保守、交換が容易である。上記では、リアガラス1を車両に取り付けた後のことを例として挙げたが、これに限らず、リアガラス1加工時及び車両組立時においても、コネクタ80及びリアガラス1の保守、交換が容易である。
【0020】
また、本実施の形態によれば、コネクタ80のリアガラス1への装着は、ガラス加工時に行う必要がない。このため、コネクタ80のリアガラス1への装着を、作業工程のうち、最も信頼性の高い装着を行える工程において行うことができる。上記工程の例としては、静電気対策環境においてなされる車両組立工程等が存在する。また、本実施の形態によれば、上述したように、リアガラス1の製造に係る作業を簡易化でき、製造に係るコストを削減することができ、かつ、生産能率を向上することができるため、リアガラス1自体の安価化を図ることができる。
【0021】
図6に示す電子部品装置10は、上述した電子部品装置83の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置83と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
【0022】
この実施の形態では、図6に示すように、電子部品装置10が右のバスバー2Rに取り付けられている。
この電子部品装置10は、図6に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体13と、この筐体13の内部に収納されたコネクタ29を有し、このコネクタ29には、リード線9が接続され、このリード線9は、バッテリ(不図示)に接続されており、このバッテリは、必要に応じて、リード線9、コネクタ29、及びバスバー2Rを介して、防曇用ヒータ線3に電力を供給し、電力を供給された防曇用ヒータ線3は、熱せられ、リアガラス1の曇りを除去する。
【0023】
上記電子部品装置10には、図6に示すように、一対の接続端子装置10a、10bが設けられており、一方の接続端子装置10aは、バスバー2Rに半田付けによって接続された接続板11aと、この接続板11aに取り付け自在であり、コネクタ29の端部に電気的に接続された接続端子脚12aとを有し、他方の接続端子装置10bは、同じくバスバー2Rに半田付けによって接続された接続板11bと、この接続板11bに取り付け自在であり、コネクタ29の端部に電気的に接続された接続端子脚12bと、を有している。
【0024】
上記接続板11aは、導電性を有した金属板であり、バスバー2Rに半田付けによって接着された接続部14aと、この接続部14aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部15aと、この湾曲部15aに連続して形成され、前記接続部14aの上方を覆う押圧部16aと、を有している。接続部14aと、押圧部16aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部17aが形成されており、また、押圧部16aの略中央には、貫通孔18aが形成されている。
接続板11bは、接続板11aと同一の構成をしており、接続部14b、湾曲部15b、押圧部16b、間隙部17b、及び、貫通孔18bを有している。
この接続板11aと、接続板11bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、バスバー2Rに接着されている。
【0025】
接続端子脚12aは、上述したように、直方体の形状をした樹脂製の筐体13の内部において、コネクタ29と接続され、筐体13からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部19aと、この立ち上がり部19aに連続して形成された連結部20aと、を有しており、この連結部20aの上面には突起21aが形成されている。
接続端子脚12bは、接続端子脚12aと同一の構成をしており、立ち上がり部19b、連結部20b、及び、突起21bを有している。
【0026】
前記接続板11a,11bと、前記接続端子脚12a、12bとを連結する際は、接続板11aの側方から接続端子脚12aをスライドさせ、接続端子脚12aの連結部20aを、接続板11aの間隙部17aに潜り込ませ、接続板11aの押圧部16aに形成された貫通孔18aに、接続端子脚12aの連結部20aに形成された突起21aを嵌合させて、接続板11aと接続端子脚12aとを連結する。さらに、同様の手順で、接続板11bと接続端子脚12bとを連結する。
【0027】
図7は、接続板11a,11bと、接続端子脚12a、12bとが連結された状態を示す図である。この図に示すように、貫通孔18a,18bに、突起21a,21bが、嵌合しており、これによって、接続端子脚12a、12bの上下及び左右の動きが規制されている。また、接続板11a,11bの押圧部16a,16bが、弾性力によって、接続端子脚12a,12bの連結部20a,20bを絶えず後方に向かって押圧(付勢)しており、接続端子脚12a、12bの前後方向の動きが規制されている。
本実施形態では、接続端子脚12a、12bを、接続板11a,11bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができる。また、接続端子脚12a、12bを、接続板11a,11bに取り付けた後は、接続板11a,11bによって、接続端子脚12a、12bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ29がリアガラス1から外れない。
以上、電子部品装置10の実施の形態について説明したが、この構成によっても、上述した電子部品装置83と同様の効果を得ることができる。
【0028】
図8に示す電子部品装置50は、上述した電子部品装置10の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置10と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
この図に示すように、電子部品装置50では、接続板11a,11bにおいて、接続部14a,14bの上面に突起51a,51bを設け、押圧部16a,16bには、貫通孔を設けない。また、接続端子脚12a,12bの連結部20a,20bに突起を形成せず、貫通孔52a,52bを設けている。
この構成であっても、電子部品装置10と同様、接続端子脚12a,12bを、接続板11a,11bにスライドさせることによって、容易に、筐体13をリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚12a,12bを、接続板11a,11bに取り付けた後は、接続板11a,11bによって、接続端子脚12a,12bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、コネクタ29がリアガラス1から外れる心配がない。
【0029】
つぎに、別の実施の形態を示す。
上述したFM検知用アンテナ5(図1)の右端には、給電部6が形成されており、この給電部6には、電子部品装置30が取り付けられている。
この電子部品装置30は、図9に示すように、直方体の形状をした樹脂製の筐体33と、この筐体33の内部に収納され、インピーダンスマッチング回路、共振回路、前置増幅回路等のアンテナ周辺回路が実装された回路基板49とを有している。筐体33の前面42の下部からは、回路基板49と電気的に接続されたカプラ取付部43が延出し、このカプラ取付部43には、カプラ31が取り付けられ、このカプラ31には、ケーブル32が接続され、このケーブル32は、車両に搭載された車載オーディオ(不図示)の受信器と接続されており、FM検知用アンテナ5が検知した電波に係る信号は、電子部品装置30及びケーブル32を介して受信機に出力される。
【0030】
上記電子部品装置30には、図9に示すように、一対の接続端子装置30a、30bが設けられ、一方の接続端子装置30aは、給電部6に半田付けによって接続された接続板31aと、この接続板31aに着脱自在に取り付けられ、回路基板49の端部に設けられた接続端子脚32aと、を有し、同様に、他方の接続端子装置30bは、給電部6に半田付けによって接続された接続板31bと、この接続板31bに着脱自在に取り付けられ、回路基板49の端部に設けられた接続端子脚32bと、を有している。
【0031】
接続板31aは、導電性を有した金属板であり、給電部6に半田付けによって接着された接続部34aと、この接続部34aに連続して形成され、大きく湾曲した湾曲部35aと、この湾曲部35aに連続して形成され、前記接続部34aの上方を覆う押圧部36aと、を有している。接続部34aと、押圧部36aとの間には、リアガラス1の面と略平行に延在する間隙部37aが形成されており、また、押圧部36aの略中央には、貫通孔38aが形成されている。
接続板31bは、接続板31aと同一の構成をしており、接続部34b、湾曲部35b、押圧部36b、間隙部37b、及び、貫通孔38bを有している。
この接続板31aと、接続板31bとは、所定の間隔をあけて、向き合った状態で、給電部6に接着されている。
【0032】
接続端子脚32aは、筐体33からリアガラス1方向へ向かって延出した立ち上がり部39aと、この立ち上がり部39aに連続して形成された連結部40aと、を有しており、この連結部40aの上面には突起41aが形成されている。また、接続端子脚32bは、接続端子脚32aと同一の構成をしており、立ち上がり部39b、連結部40b、及び、突起41bを有している。
【0033】
前記接続板31a,31bと、前記接続端子脚32a,32bとを連結する際は、接続板31aの側方から接続端子脚32aをスライドさせ、接続端子脚32aの連結部40aを、接続板31aの間隙部37aに潜り込ませ、接続板31aの押圧部36aに形成された貫通孔38aに、接続端子脚32aの連結部40aに形成された突起41aを嵌合させて、接続板31aと接続端子脚32aとを連結し、さらに、同様の手順で、接続板31bと接続端子脚32bとを連結する。
【0034】
図10は、接続板31a,31bと、接続端子脚32a,32bとが連結され、かつ、カプラ取付部43とカプラ31とが連結された状態を示す図である。
この図に示すように、貫通孔38a,38bに、突起41a,41bが、嵌合しており、これによって、接続端子脚32a,32bの上下及び左右の動きが規制されている。また、接続板31a,31bの押圧部36a,36bが、弾性力によって、接続端子脚32a,32bの連結部40a,40bを絶えず、後方に向かって押圧(付勢)しており、これによって、接続端子脚32a,32bの前後方向の動きが規制されている。
このように、本実施形態にかかる電子部品装置30は、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bにスライドさせて取り付けることにより、簡単にリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bに取り付けた後は、接続板31a,31bによって、接続端子脚32a,32bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、回路基板49がリアガラス1から外れる心配がない。
【0035】
以上説明したように、本実施の形態によれば、電子部品装置30において、接続板31a,31bと、接続端子脚32a,32bとが別体で構成されており、接続板31a,31bのみが半田付けによってリアガラス1に接着され、さらに、回路基板49は、接続端子脚32a、32bを介して、容易に接続板31a,31bに脱着自在に構成されているため、リアガラス1の加工時に、回路基板49が故障した場合、簡単に故障していない回路基板と交換することが可能であり、ガラス加工工程における作業の単純化、コストの削減を図ることができる。
さらに、高温半田加工時に、例えば熱によって、電子部品である回路基板49が故障してしまったり、劣化してしまったりする、ということがなく、製品に対する信頼性の向上を図ることができる。
【0036】
また、回路基板49は、外的な静電気の発生により静電気破損する可能性があるため、リアガラス1の加工工程において、回路基板49をリアガラス1に取り付ける際は、静電気に十分対応した環境で取り付ける必要がある。
しかしながら、現在のガラスの加工工程においては、静電気対策加工環境が実現できていないため、従来のように、回路基板49等の電子部品を有した接続端子装置を直接リアガラスに取り付けるやり方では、電子部品が静電気によって破損する可能性があり、非常に危険であった。
また、仮に、ガラス加工を、静電気対策環境において行う場合、その静電気対策環境を実現するために余分な投資をする必要があり、さらに、その分作業が、複雑化する。
しかしながら、本実施形態では、回路基板49を有した筐体33は、直接、リアガラス1に半田付けしないため、ガラス加工工程において、静電気対策環境を実現する必要がなく、したがって、コストの削減及び、作業の単純化、簡易化、を図ることができる。
【0037】
図11示す電子部品装置60は、上述した電子部品装置30の他の実施の形態を示す図である。なお、この図において、電子部品装置30と同一の部材については、同一の符号を用い、その説明を省略する。
この図に示すように、電子部品装置60では、接続板31a,31bにおいて、接続部34a,34bの上面に突起61a,61bを設け、押圧部36a,36bには、貫通孔を設けない。また、接続端子脚32a,32bの連結部40a,40bに突起を形成せず、貫通孔62a,62bを設けている。
この構成であっても、電子部品装置30と同様、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bにスライドさせることによって、容易に、電子部品装置60をリアガラス1に取り付けることができると共に、接続端子脚32a,32bを、接続板31a,31bに取り付けた後は、接続板31a,31bによって、接続端子脚32a,32bの上下、前後、及び、左右の動きが完全に規制されるため、回路基板49がリアガラス1から外れる心配がない。
【0038】
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
例えば、リアガラス1に形成されるアンテナは、FM検知用アンテナ5のみならず、AMやテレビ放送を検知するものであってもよく、また、防曇用ヒータ線3がアンテナの機能を兼ねる構成としてもよい。また、筐体13,33に内蔵される電子部品は、本実施形態で挙げたものに限らず、電子部品装置10,30,50,60,83の機能に応じて適宜内蔵することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】リアガラスを車内から見た状態を示す図である。
【図2】本実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図3】(A)は、図2におけるA−A断面図、(B)は、図3におけるB−B断面図である。
【図4】本実施形態に係る電子部品装置を前方から見た図である。
【図5】本実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図6】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図7】別の実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図8】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図9】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【図10】別の実施形態に係る電子部品装置の側面図である。
【図11】別の実施形態に係る電子部品装置の斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
1 リアガラス
2R,2L バスバー(導電体)
3 防曇用ヒータ線
5 FM検知用アンテナ(アンテナパターン)
6 給電部(導電体)
7 ガラス防曇用ヒータ装置
8 ガラスアンテナ装置
10,30,50,60,83 電子部品装置
10a,10b,30a,30b,84a,84b 接続端子装置
11a,11b,31a,31b,85a,85b 接続板
12a,12b,32a,32b,86a,86b 接続端子脚
17a,17b,37a,37b,90a,90b 間隙部
18a,18b,38a,38b,52a,52b,62a,62b,95a,95b 貫通孔
21a,21b,41a,41b,51a,51b,61a,61b,92a,92b 突起
29,80 コネクタ(電子部品)
49 回路基板(電子部品)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、
該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、ガラスに設けられた導電体に接続されうる接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とする電子部品装置。
【請求項2】
前記ガラスが自動車のリアガラスであること
を特徴とする請求項1に記載の電子部品装置。
【請求項3】
前記接続板及び前記接続端子脚間に、前記接続端子脚の抜け防止機構を備えること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品装置。
【請求項4】
前記抜け防止機構は、前記接続板に形成された第1の貫通孔又は第1の突起と、前記端子脚に形成され、前記第1の貫通孔又は第1の突起と嵌合する第2の突起又は第2の貫通孔と、を備えること
を特徴とする請求項3に記載の電子部品装置。
【請求項5】
ガラスに設けた防曇用ヒータ線と、該防曇用ヒータ線に接続されたバスバーと、該バスバーに接続される電子部品装置と、を備え、
前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記バスバーに接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とするガラス防曇用ヒータ装置。
【請求項6】
前記ガラスが自動車のリアガラスであることを特徴とする請求項5に記載のガラス防曇用ヒータ装置。
【請求項7】
ガラスに設けたアンテナパターンと、該アンテナパターンに接続された給電部と、該給電部に接続される電子部品装置と、を備え、
前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記給電部に接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とするガラスアンテナ装置。
【請求項8】
前記ガラスが自動車のリアガラスであることを特徴とする請求項7に記載のガラスアンテナ装置。
【請求項1】
電子部品と、
該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、ガラスに設けられた導電体に接続されうる接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とする電子部品装置。
【請求項2】
前記ガラスが自動車のリアガラスであること
を特徴とする請求項1に記載の電子部品装置。
【請求項3】
前記接続板及び前記接続端子脚間に、前記接続端子脚の抜け防止機構を備えること
を特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品装置。
【請求項4】
前記抜け防止機構は、前記接続板に形成された第1の貫通孔又は第1の突起と、前記端子脚に形成され、前記第1の貫通孔又は第1の突起と嵌合する第2の突起又は第2の貫通孔と、を備えること
を特徴とする請求項3に記載の電子部品装置。
【請求項5】
ガラスに設けた防曇用ヒータ線と、該防曇用ヒータ線に接続されたバスバーと、該バスバーに接続される電子部品装置と、を備え、
前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記バスバーに接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とするガラス防曇用ヒータ装置。
【請求項6】
前記ガラスが自動車のリアガラスであることを特徴とする請求項5に記載のガラス防曇用ヒータ装置。
【請求項7】
ガラスに設けたアンテナパターンと、該アンテナパターンに接続された給電部と、該給電部に接続される電子部品装置と、を備え、
前記電子部品装置は、電子部品と、該電子部品の端部に設けられた接続端子脚、及び、略平行な間隙を有し、前記給電部に接続された接続板、より成る接続端子装置と、を備え、
前記接続板の間隙に、前記接続端子脚がスライドされることにより、前記接続板と前記接続端子脚とが着脱自在に取り付け可能であること
を特徴とするガラスアンテナ装置。
【請求項8】
前記ガラスが自動車のリアガラスであることを特徴とする請求項7に記載のガラスアンテナ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−243758(P2008−243758A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−86401(P2007−86401)
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]