説明

電気器具用の操作装置と電気器具の操作方法

【課題】従来技術の問題を回避することができる操作装置および方法、特に操作性または操作方法に関して従来技術より優れる電気器具用操作装置を提供する。
【解決手段】 電気こんろ用操作装置は、磁気回転式の態様で前記こんろの外面上において支持される回転式制御装置を操作部として有する。前記回転式制御装置上には、切替操作の信号を前記外面の下に取り付けられる制御部に送信する接触スイッチが設けられる。この接触スイッチは、前記外面を介した容量結合を有する接触スイッチである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転式または摺動式制御装置からなる操作部を有する電気器具用の操作装置、たとえば電気加熱器具用の操作装置に関する。前記操作部は、電気器具のパネルまたは外面上に取り付けられ、この取付けは、特に回転式または摺動式の態様で行なわれる。さらにまた、本発明は、このような電気器具を操作する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
独国特許第19833983A1号に、一般に、電気器具用、たとえばこんろ用の出力制御装置または操作装置としての回転式制御装置が開示されている。
【0003】
独国実用新案第29605163U1号には、回転式制御装置として構成される操作部の回転位置を伝送するために、光導波路を有する回転式制御装置の構成が提案されている。この光導波路は、回転位置の関数として下方向に、回転式制御装置の回転軸に近接して下方から前記制御装置内に送り込まれる光を発する。回転式制御装置の回転軸に近接して外面の下に、この目的のために、光源と前記光源のまわりに配置される感光センサとが配設される。前記センサは、異なる位置における回転式制御装置の回転位置の関数として、光導波路を通過するとともに操作部の裏側において発せられる光を記録する。独国特許第10212954A1号には、回転式トッグルが取り付けられる角度的に安定な支持装置または外面に対する操作部の前記回転式トッグルの回転位置を記録するとともに、前記位置を前記外面の下に配置される受信器に中継するマイクロプロセッサを有する操作部の使用が説明されている。これらの操作装置は、ガラスセラミック板上に、該板に開口を設ける必要なしに配設される操作部を手段として、電気加熱器具の操作を行なうことを可能にするため、外面を有する電気加熱器具に特に適する。
【0004】
周知の操作装置においては、各々の場合に、1つの角位置または1回の位置変更を記録することしかできないことが欠点であると考えられる。このため、たとえばこんろの出力制御より複雑な機能を行なうことは困難である。
【特許文献1】独国特許第19833983A1号
【特許文献2】独国実用新案第29605163U1号
【特許文献3】独国特許第10212954A1号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の問題を回避することができる操作装置および方法、特に操作性または操作方法に関して従来技術より優れる電気器具用操作装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有する操作装置と、請求項14または16の特徴を有する方法とによって達成される。本発明の有利かつ好適な開発形態は、さらに他の請求項の主題を構成するとともに、以下により詳細に説明される。これらの請求項の記載事項は、本明細書の内容の一部分とされる。以下に説明される特徴のいくつかは、一度しか引用されない。しかしながら、それとは無関係に、これらの特徴は、操作装置と、さらにまた相応に行なわれる操作方法との両方に適用される。
【発明の実施の形態】
【0007】
本発明によれば、以下では一般に回転式制御装置と呼ばれる回転式または摺動式制御装置上に、外面の下に配置される制御部に対して切替操作の信号送信を行なうように構成される少なくとも1個のまた他の切替手段が設けられる。操作部は、単品として構成されて、操作部全体が回転式制御装置を形成するとともに、該回転式制御装置の回転操作において該操作部全体が回転せしめられるようにされうる。これに代わる方法として、操作部を2個の部分として構成することも可能であり、操作時において、電気器具の外面上に載置される支持装置は、好ましくは、位置的に安定または角度的に安定な態様、特に角度的に安定な態様で配置される。このような実施形態において、回転式制御装置の回転は、前記支持装置に対する主回転軸のまわりにおける前記制御装置の回転をもたらす。切替手段は、ごく容易に接近可能な、回転式制御装置の最上部に近接する位置または前記制御装置上に配置されることが有利である。一般に回転式制御装置の操作は、その側壁部の軸を介して行なわれるため、特定の切替手段が偶然に解除されることを危惧する必要はない。しかし、切替手段を前記位置に配置することは可能である。支持装置を有する操作部の構成において、回転式制御装置は、前記支持装置に対して回転せしめられうるため、切替手段が支持装置に対して角度的に安定な態様に構成され、その結果として回転が回転式制御装置とともに行なわれないことが特に有利であると考えられる。特に、複雑な切替手段、たとえば各々が異なる機能を割り当てられるいくつかの押しボタンまたはノブからなる切替手段の場合は、そうである。さらに他の開発形態において、周知の態様で、回転式制御装置は、出力制御部等の制御部の旋回軸上に配置されうる。
【0008】
回転式制御装置上に切替手段を有する本発明の操作装置を使用することにより、電気器具を確実かつ容易に操作することが可能になる。これにより、角位置または操作部の位置のみによらずにこんろを動作状態に制御することが可能になるが、むしろ、本発明により提供される切替手段は、電気こんろ用のオンオフスイッチとして構成されうる。このため、異なる操作レベルまたは異なる操作モードに移ること、または特別な機能を起動させることが可能になる。これにより、たとえば、回転式制御装置の偶然の回転の結果として電気こんろが動作状態になることが防がれる。本発明にしたがった切替手段のさらに他の機能は、パーボイリング・サージの開始、または制御装置により判断されるとともに表示装置上に表示される選択肢、たとえば選択された電気こんろの動作開始の確認でありうる。この他の切替手段または相応に行なわれる操作方法により、回転式制御装置にさらに他の機能性を与えることができると、非常に有利である。
【0009】
本発明のまた他の開発形態によれば、前記切替手段は、押しボタンとして構成される。このような押しボタンは、切替手段の最も単純な形態を構成する。回転式制御装置と組み合わせられると、押しボタンなしの回転式制御装置を有する操作部と比べて、操作の可能性が有意に拡大する。特に、より大きい出力手段を有する電気器具は、このような押しボタンを備えた回転式制御装置を用いて完全に操作されうる。回転式制御装置は、選択肢間における交番または変更を達成するために、押しボタンは、個別の選択肢を確認するために供せられうる。
【0010】
切替手段としての押しボタンは、角度的に安定な支持装置を有さない操作部において特に有利である。このような操作部においては、支持装置の欠如により、回転式制御装置の回転が、必然的に、外面に対する切替手段の回転を招くため、このような操作部においては、切替手段は、自身の相対位置を変更するのにあまり適さず、操作者は、常に同じ機能を同じ位置において見出すことができなくなる。回転式制御装置が、外面に対して回転せしめられうるとともに、前記外面に対して垂直に押圧されうる完全な押しボタンまたは圧力スイッチを形成することは可能である。これにより、回転装置と押しボタンとの間の隙間に汚染物が入り込むことが防がれる。
【0011】
本発明のさらに他の開発形態において、押しボタンは、動作時において、電気接点を閉じる。この押しボタンは、2個の接点を連結して制御部に信号送信を行なう従来式のマイクロスイッチでありうる。適切には、さらにまた、操作者側のコンデンサ極板上において機械的作動により押下されるとともに、然る後に容量結合をもたらす導電性かつ好ましくは金属性の押しボタンも設けられうる。前記コンデンサ極板は、支持側のコンデンサ極板から固定間隔を有して配置される。この極板は、たとえば欧州特許第859467A1号により周知のような受信器に信号または前記極板の下の接触を送信して、容量接触検出を行なう。外面の下の受信器または容量センサ素子もまた前記特許に記載のように、すなわち可撓性の導電体として構成されうる。
【0012】
本発明のさらに他の開発形態によれば、前記切替手段は、接触スイッチを構成する。接触スイッチは、特に経済的に有利であるとともに、さらにまた、たとえば操作部における押しボタン用の支持体を必要としないという利点を有する。接触スイッチは、外面の下に配置されるセンサとしてのコンデンサ極板に対する影響が操作者による接触によって左右される、操作部に堅固に一体化される金属コアまたは金属部分として構成されうる。対応する操作部は、いかなる電気部品または可動部品も必要とされないため、実質的に完全に摩耗を免れる。特にこのような支持部および支持体の汚染に関しては、このことは大きな利点となる。本発明の特に有利な開発形態において、追加の切替手段は、さらに他の可動部品を必要とせず、これにより費用が削減されるとともに、操作の信頼性が高まる。
【0013】
本発明のまた他の開発形態によれば、操作装置は、好ましくは回転式制御装置とともに回転するように接続される磁気アーマチュアを有する操作部の側部上において回転式制御装置の回転位置を記録するように構成される。外面の側部上に、前記磁気アーマチュアの動きを記録する磁気センサが配置され、切替手段の操作の結果として、前記アーマチュアと支持用の外面との間における距離が変化する。これは、代案として、回転式トッグルの裏側を異なる設計にすることと、反射光バリヤ等の光センサとによって光学的に行なわれうる。また他の代案は、外面の上および下において回転式トッグルに、容量的に対応かつ作用するとともに、回転位置の関数として異なる範囲を有する面を設けることによって構成される。
【0014】
磁気アーマチュアとホールセンサとを用いて回転式制御装置の回転を記録する方法の原理は、この目的のために、磁化された金属スパイダが前記アーマチュアとして提案されている独国特許第10212953A1号により周知である。切替手段の操作時において、磁気アーマチュアが外面の方向または外面から離れる方向に変位することにより、従来技術と比較して、操作装置の底部分を変化させる必要がないことが保証される。ホールセンサは、制御部とともに、回転式制御装置の回転移動時において、ホール電圧を手段として前記回転移動が切替手段のいかなる切替状態において行なわれるかを検出しうる。このため、たとえば、このような操作装置を手段として、温度と調理終了時間とを、いずれの値も回転式制御装置により設定されるとともに、前記制御装置を下方に押圧して前記終了時間を設定することができるという点において、迅速に設定することが可能になる。下方に押圧する代わりに、ここで、一般に他の切替手段を操作することも可能である。
【0015】
本発明のさらに他の開発形態によれば、操作装置は、外面の下における磁界および/または電界の強さの変化を手段として、切替手段の切替操作の信号送信を行なうように構成される。この変化は、操作部の一部分を傾斜させるといったような位置の変化によって達成され得、該操作部を特に単純に構成することが可能になる。切替手段の切替または調節操作は、外面の下において対応するセンサにより判断されうる変位、水平または垂直軸のまわりにおける傾斜、または水平方向の変位または回転をもたらす。押しボタンに結合される金属要素が外面の方向に移動せしめられ、押しボタンと、押しボタンと前記金属要素との接続部との両方が導電作用を有するように構成される構成にすることが特に有利である。
【0016】
これにより、操作時において、操作者と前記金属要素との間において直接的な導電接続が創出される。前記金属要素の変位は、外面の下に配置されるコンデンサ極板によって、該コンデンサ極板のキャパシタンスが結果的に変化することを手段として判断されうる。このような構成は、外面から前記金属要素までの間隔が選択されるスイッチ位置に従属するという点において、2つを上回る切替位置を有するスイッチに関して同様の態様で予期されうる。この場合は、切替位置に関する結論は、コンデンサ極板のキャパシタンスから導かれうる。この切替手段を操作部側において純粋に機械的に実施することは、費用の削減と高信頼性とにより、特に有利である。
【0017】
本発明のさらに他の開発形態によれば、操作部は、切替手段の切替操作を検出するとともに、これを無線の態様で電気器具に送信するマイクロプロセッサからなる。このような構成は、さらにまた、より複雑な追加の切替手段を制御部上において使用することを可能にする。マイクロプロセッサにより、いくつかの切替手段に呼びかけること、または切替手段の最大変動位置を記録することが可能になる。マイクロプロセッサの電力供給は、好ましくは、操作要素内かつ外面下において誘導コイルにより電力を誘導的に送給することによって行なわれる。切替状態は、任意の態様で、たとえば無線により、電気器具に送信されうる。しかしながら、独国特許第10212954A1号に記載のように、操作部への電力供給と操作部からのデータ通信との両方に用いられる1対の誘導コイルを用いることが好ましい。
【0018】
回転式制御装置は、有利には切替手段に近接する位置において、該切替手段の標識のために照明されるか、または照明手段を有しうる。この照明手段は、LEDとされうる。電力供給は、好ましくは、非接触電力伝送により、好ましくは誘導的に、または誘導コイルを用いて前記に記載の態様で行なわれる。
【0019】
取外し可能な回転式制御装置に代わるものとして、操作装置または回転式制御装置は、固定された旋回軸により保持されうる。この軸は、電気器具のパネルまたは外面の対応する穴を貫通する。前記軸は、電位差計、グレイコードスイッチまたは出力制御装置等の設定装置上に配置されうる。電力伝送は、前記軸を手段とするか、または前記軸を介して行なわれうる。この目的のために、導体、たとえば前記軸に沿って延在する電線または導線が配設され得、前記導体は、さらにまた、成形時に埋め込まれうる。
【0020】
好ましくは、回転式制御装置の旋回軸は、前記制御装置内の切替手段に、好ましくは直接的な電気接続を手段として接続される。このような切替手段は、前記に記載の態様で構成されうる。
【0021】
前記軸上の導体は、下側端部において、対向コンデンサ極板とともにコンデンサ極板に接続されうる。前記軸上の導体は、中央部分において、第1のコンデンサ面と軸周に沿って接続されうる。この第1のコンデンサ面は、制限された距離において、さらに他の第2のコンデンサ面によって取り巻かれて、このような方法で容量信号送信が行なわれうるようになる。
【0022】
また他の開発形態によれば、回転式制御装置は、相違または漸減する直径を有する多段的態様に構成されうる。前記回転式制御装置は、有利には、大直径の第1のトッグル部分を下側部分として、より小直径の第2のトッグル部分を上側部分として有する。これにより、微設定は、大きい第1のトッグル部分において行なわれうる。迅速な粗設定は、より小さい第2のトッグル部分において行われうる。各々のトッグル部分が異なる切替手段に接続されるか、または異なる切替手段を有する場合は、この方法で各々の場合に弁別可能な操作を行なうことが可能になる。
【0023】
さらに他の開発形態において、回転式制御装置は、好ましくは入れ子状の態様に互いに係合しうる2部分形旋回軸を手段として、電気器具のパネルまたは外面に面一に取り付けられうる。挿入状態において、回転式制御装置は、有利な点として、パネルまたは外面から突出しない。回転式制御装置は、旋回軸を手段として、残りの機能性を維持しうる。
【0024】
前記およびさらに他の特徴は、特許請求の範囲と詳細な説明と図面とから得られ得、個別の特徴は、いずれの場合も、単独または組み合わされた形態で本発明の一実施形態またはその他の分野において実施されうるとともに、ここに主張される保護の対象となる、独立して保護される有利な構成を表しうる。本出願が個別の項に細分されていることと小見出しが付けられていることとは、その下に記載されている内容の一般的な有効性をいかなる形でも制限するものではない。
【0025】
本発明の実施例を以下に図面を参照してより詳細に説明する。
【実施例】
【0026】
図1に、本発明にしたがった操作装置の第1の実施例が示されている。この操作装置10は、ガラスセラミック板12上に、特にこんろ用の操作装置として設けられる。前記操作装置は、ガラスセラミック板12の裏側に固定される固定装置部14と、上から取り付けられる操作部16とからなる。操作部16は、ガラスセラミック板12上の明確に限定される位置において、図示されない磁石によって生じしめられうる磁力作用により保持されるとともに、回転軸26のまわりにおいて回転せしめられうる。ここで、たとえば、いずれの場合も中央磁石を配設することが可能である。これに代わる方法として、前記操作部は、以下に説明されるように、支持装置を有しうる。
【0027】
磁化された金属スパイダ30は、回転式制御装置24により形成されるケーシング内部28において固定的な態様に配置される。金属スパイダ30は、内側リング32と、内側リング32から外方かつ下方に延在する5個の伸長部34とからなる。伸長部34は、磁気作用を有するか、または小型磁石を備えて、金属スパイダの動きがホールセンサによって記録されうるようになっている。ラッチ接続部が設けられて、金属スパイダ30が回転式制御装置24に固定されており、これに代わる方法として接合または回転式制御装置全体の成形が可能である。
【0028】
回転式制御装置24の中央には、凹部24cが設けられ、該凹部内に下方から金属性押しボタン38が挿入される。押しボタン38は、押しボタン38がケーシング内部28に保持されるような態様に回転式制御装置24の停止面24dと協働する半径方向拡幅部28aを有する。裏側22には、押しボタン38を下方から押圧して回転式制御装置24の最上部に当接させる巻きばね40が配設される。
【0029】
これにより、図1の操作装置16は、2つの操作可能性を有する。第1の可能性によれば、回転式制御装置24は、回転可能となり、金属スパイダ30もまた回転せしめられる。磁化された伸長部34の動きは、ガラスセラミック板12の下に配置されるホールセンサ42により記録される。評価のために、ホールセンサ42は、略図に示される制御部57に接続され、この制御部は、作動を調理器具またはこんろの出力調節または機能変更という意味において変換する。
【0030】
第2の作動可能性は、押しボタン38がばね40に抗して下方に押圧されて、支持装置22上に実質的に係合するようになることによって構成される。これにより、特に金属性押しボタン38が操作者の指を前記コンデンサ極板に電気的に結合させるという点において、前記ガラスセラミック板の下のコンデンサ極板44のキャパシタンスが変化する。この変化は、これに接続されるとともにコンデンサ極板44に接続される制御部57により記録される。欧州特許第859467A1号の評価方法は、この目的に適合化せしめられうる。別個の半径方向内方の押しボタンの代わりに、回転式制御装置24の上側部分全体をばね張力等に抗して下方に押圧して、コンデンサ極板44への接近をもたらすことができる。
【0031】
また別の代案として、前記押しボタンは、複数個、たとえば2個の部分により構成されうる。このような二分割を半径方向または同心的に行なって、2個以上の部分、たとえば2個の半分体にすることができる。前記コンデンサ極板の上のさまざまに大きい押圧面を手段として、前記制御部は、いずれの部分または何個の部分が下方に押圧されたかを検出することができる。
【0032】
図示された操作装置10は、操作部24とガラスセラミック板12上に堅固に設けられる操作装置要素14とからなるとともに、非常に好ましい構造と確実な操作とを有する。押しボタン38の切替機能が、切替手段を機械的に操作することにより実行されることによって、電気こんろのスイッチオンおよびオフまたはパーボイリング・サージの起動等の機能性は、その他の入力と同様に、容易に実行されうる。
【0033】
制御部のまた他の切替手段の信号送信の変形態様において、光学的な反射光バリヤが、ガラスセラミック板12の下に配置されるとともに、ノブ38の裏側からの距離を検出しうる。前記ノブが最上部にある場合は、ある動作状態と見なされる。前記ノブが下方に押圧されている場合は、また別の動作状態と見なされる。これにより、さらに他の切替えが、この方法で行なわれうる。近接センサは、光学的な反射光バリヤに代わるものとして用いられうる。
【0034】
図2に、図1と同様の構成の変形態様が示されている。操作装置110は、ガラスセラミック板112上に設けられる。この場合も、操作部116は、一種の回転式トッグル124として構成されるとともに、回転軸126のまわりにおいて回転せしめられうる。支持部は、前記回転式トッグル内の中央磁石118とガラスセラミック板112の下の対向する磁石120とによって得られる。板金または金属スパイダ130は、回転式トッグル124内において磁石118の上に配置されるとともに、たとえば5本のアームを有する形態とされて、金属スパイダ130の個別のアームも磁気を有するように、磁石118に接続される。回転位置は、前記ガラスセラミック板の下のホールセンサ142によって判断されうる。
【0035】
磁石118は、さまざまな導電性または金属性の扁平な接触覚センサ152a〜cを有する、破線の形態で示される3つの導電接続部150a〜cに接続される。この図は、単なる略図であって、接触覚センサ152の異なる構成を例証することを意図している。実際には、一般に1個の接触覚センサ152のみが対応する接続部150とともに配設される。
【0036】
下側の磁石120は、弾性の導電性プラスチック部材156を手段として、プリント基板158上の制御部157に電気的に接続され、ホールセンサ142もまた前記制御部157に接続される。
【0037】
操作者が1個の接触覚センサ152に接触すると、電気接続が、前記接触覚センサと中央磁石118との間において形成される。これは、導電面として作用する磁石118および120間における容量結合と制御部157への電気接続部156とによってもたらされうる。その結果として、たとえば欧州特許第859467A1号に記載のように、容量性接触覚センサの動作原理にしたがって、1個の接触覚センサの接触がガラスセラミック板112を介して検出されうる。回転式トッグル124は、常に自身の中央軸126のまわりにおいて回転し、その結果として、2個の磁石118、120は、互いの方向または互いに離反する方向に移動することはないため、関連性が常に同一となり、接触検出が常に機能する。このため、この場合は、磁石118と協働する接触覚センサ152は、本発明の切替手段、すなわちいわゆる接触スイッチを構成する。
【0038】
意図される使用方法により、回転式トッグル124上の図示された点のいずれにおいて接触覚センサ152が取り付けられるかが支配されうる。接触覚センサ152aの場合のような半径方向外方かつ最上部の凹部153の利点は、指との係合が前記凹部153において行なわれ得、然る後に、回転式トッグル124は、小さい角度およびさらには任意の大きい角度で、ある一定の状況においては数回転も回転せしめられうるところにある。また別の凹部153’から同じ半径方向の間隔を有して配置されるが、前記凹部はいかなる機能または接触覚センサも有さない場合は、前記2個の凹部の一方を手段として、回転は、切替機能を始動させるか否かを選択して行なわれうる。
【0039】
中央における接触覚センサ152bの配設は、回転移動を伴わない通常の接触スイッチと同様の非常に良好な別個の作動の他にも、小さい回転角の場合に、作動と同時の回転とが可能になるという利点を有する。同じことは、外側に取り付けられる接触角センサ152cについても当てはまる。ある一定の状況において、本発明の変形態様では、異なる点に取り付けられる2個の接触覚センサを有することも可能である。いずれの接触覚センサが接触されたかに関する弁別は、前記に説明されたように、また別の配線によって行なわれうる。
【0040】
このような構成の回転式トッグル124の利点は、いかなる可動部品も用いる必要がなく、内部全体が、たとえばプラスチックを用いて完全に成形され得、これにより、費用効果的に製造される頑丈な回転式トッグルが得られるところにある。
【0041】
図2にしたがった操作装置110の図3の平面図において、LED7セグメント表示装置160a〜dにより、ガラスセラミック板112上の対応するこんろ位置における4個の電気こんろに関する調理段階表示の表示方法を理解することができる。表示装置160aおよび160dの下に、さらに他の二位式LED7セグメント表示装置161がタイマ機能用に設けられる。回転式トッグル124上の斜線で示される接触スイッチ152aは、相対的な回転だけではなしに、絶対的な角位置も示す。切替手段としての接触覚センサ152により、個別の機能のスイッチオンまたはオフのいずれもが可能となり、またはトッグル124を回転させながら同時にセンサ152に接触すると、第1のモードにおいて、1個の電気こんろを選択することができる。このように、ある一定の状況では、このような回転時において、回転角度に対応して、表示装置160a〜dが連続的に選択モードに切り換えられ得、これは、点滅により表示される。これは、接触覚センサ152aが接触されるまで続き、この接触は、図2に関して説明された接触スイッチ構成を手段として検出されうる。
【0042】
接触スイッチ152aがもはや接触されなくなると、このことは、制御部157により検出されるとともに、特に選択された電気こんろの出力設定用の異なるモードに切り替わる。これにより、接触覚センサ面152に接触することなしに回転式トッグル124を回転させることによって、選択された電気こんろの出力が増加または低下せしめられ得、このことは、対応する表示装置160上において示される。所望の出力を設定すると、自動的に、または必然的に追随する態様で、電気こんろの動作が、この出力段階で開始されうる。これに代わる方法として、スイッチ152aが、回転を伴わずに、再び短時間だけ接触されて、制御部157に進行信号が供給されて、設定された出力段階での動作が開始されるようにすることが可能である。
【0043】
表示装置161により表示されるタイマ機能を作動させるためには、回転による加熱点の選択操作時において、交番的に、表示装置161が、たとえば点滅により作動せしめられうる。接触覚センサ152aの接触解除後に、そのレベルを調節することができる。代案および前記の方法の変形態様として、接触覚センサ152aへの再接触と回転とにより出力レベルを設定し終えると、自動的に、タイマ機能が、その機能に関して設定されたばかりの電気こんろに関して設定される。
【0044】
異なる接触覚センサの異なる作動の検出が可能である場合は、前記の異なるレベルにおいて、回転式トッグル124を回転させ、かつ所定の接触覚センサに接触することにより設定を交番させることが可能である。
【0045】
図4に、本発明の操作装置210の第3の実施例が示されており、この場合も、前記操作装置の構成要素214は、ガラスセラミック板212上に設けられる。図1〜3の操作装置10および110の場合のように、操作装置210もまた、磁石218および220によりガラスセラミック板212上に固着的に保持される操作部216を有する。図1〜4にしたがった操作装置の実施形態の場合とは異なって、図4に示される操作部は、操作部の各部分の位置の変化を直接検出するガラスセラミック板側の信号手段の代わりに、操作部内においてマイクロプロセッサケーシング217内にマイクロプロセッサを有する。このマイクロプロセッサは、第1に、マイクロプロセッサケーシング216が堅固に接続される支持装置222に対する回転式制御装置224の回転位置を記録するとともに、第2に、作動状態においてマイクロスイッチ231を作動させる押しボタン230の切替状態を記録する。
【0046】
前記マイクロプロセッサは、該マイクロプロセッサに下方から誘導的に電力を供給する2個のコイル248および250を手段として電力供給される。これらのコイルは、さらにまた、マイクロプロセッサから図示されない電気器具制御装置に信号を送信する役割を果たす。このような電力および信号の伝送は、根本的に当業者には周知である。これに関しては、交番モードが、特に有利であると考えられ、このモード時において、マイクロプロセッサへの電力供給とマイクロプロセッサ送信モードとが交番的に行なわれる。送信モード時にマイクロプロセッサに電力を供給するために、マイクロプロセッサケーシング217は、コンデンサまたはまた他の蓄電装置を内蔵しうる。図4に示される実施形態は、切替手段として単一の押しボタンを有するのみであるが、操作部側のマイクロプロセッサを有する本実施形態は、より複雑な切替手段の場合に、電気器具制御装置への切替状態の信号送信を行なうのに特に適する。コイルを手段とする電力供給は、回転式制御装置224内の図示されない照明手段への電力供給にも用いられうる。これらの照明手段は、異なる表示装置用のLEDでありうるとともに、さらにまた、前記マイクロプロセッサを手段として、たとえば切替手段としての押しボタンの作動状態の関数として制御されうる。
【0047】
一部の状況においては、図2にしたがった接触覚センサ152aに関して、従来的に回転式トッグルとともに用いられる標識にしたがって、選択される電気こんろに関する表示装置が正確に指示されることが望ましい。このためには、相対的な回転だけではなしに、絶対的な回転角または位置を検出しうることが必要である。これは、図5の略図に示される構成によって達成されうる。図2にしたがった回転位置の磁気的検出の代わりに、この場合は、回転式トッグル324の裏側が上側表面部分371において黒色または非反射性とされており、このことは、対応する斜線によって図示されている。はるかに小さい約145°の角度を描く下側表面部分372において、回転式トッグル321の裏側は、白色または反射性とされる。5個の光センサ342が、ガラスセラミック板の下において図示される位置にホールセンサの代わりに配設されるとともに、たとえば反射光バリヤとして作用する。これらの光センサ342は、自身の上に暗部分371または明部分372のいずれがあるかを検出しうる。センサ342の配設と細分化された表面371、372とにより、回転式トッグル324の角位置は、特に正確には検出され得ないが、それでもなお十分に正確に検出される。図4にしたがって接触覚センサを回転式トッグル324上において明瞭に配置することにより、制御部は、特定の点または表示装置160を指示する接触覚センサまたはその他の標識を正確に識別することが認められうる。これにより、さらに一層迅速かつ容易に、対応する電気こんろを選択し、かつその出力レベルを設定することが可能になる。
【0048】
前記実施例において示される異なる反射性の2個の面への細分化の代わりに、より微細な細分化または異なる設計の細分化も行なわれうる。これは、ある一定の場合に、別々に検出可能な回転位置の個数と意図される使用方法とに基づく。
【0049】
図6に、図2の実施例の変形態様の略図が示されている。図示されないガラスセラミック板上において、操作装置410は、回転式トッグル424の形態をとる操作部416を有する。実線の形態で、回転式トッグル424内の中央磁石418と、導電面としての2個の外側電極472a、472bとが示されている。金属面として、外側電極472は、有利には、回転式トッグル424の裏側に可能な限り接近して、たとえば対応する金属部分として設けられる。外側電極472は、中央磁石418と同様に、図2および3にしたがって、回転式トッグル424の最上部における接触覚センサに接続される。これにより、左下の凹部内の接触面452は、外側電極472aに接続され、右上の凹部内の接触面452bは、外側電極472bと中央磁石418とに接続される。磁石418と外側電極472bとは、保持部かつ電気接続部としての同じ金属部分上に配置されうる。
【0050】
ガラスセラミック板の下の操作装置410の部分は、破線の形態で示されている。これらは、また他の中央磁石420と、外側電極472bと協働する下側の外側電極473a〜eとである。これらは、有利には、対応する個数で、同心的な周方向の環状体を形成して、回転式トッグル424を回転させると、上側の電極472aおよびbが常に下側の外側電極473a〜eの上において循環するようになっている。
【0051】
機能は、次のとおりである:図2に関してすでに説明されたように、中央磁石418に接続される接触覚センサ452bとの接触は、常に下側の磁石420に伝送されるとともに、この方法によって検出されうる。
【0052】
回転時において、上側の外側電極472aは、常に1個の下側の外側電極473a〜eの上に位置する。このため、下側部分の全ての電極473を評価することによって、いずれが自身の上に位置する上側の外側電極472から対応する信号を受信しているかを確認することができる。これにより、回転位置の検出および判断が、図5の場合とは異なって容量的に行なわれうる。人が外側電極472aに接続される接触覚センサ452aに接触するとともに、これを図5にしたがって電気こんろの表示装置まで回転させると、このことは、この回転位置にある下側の外側電極473を介して検出される。これにより、たとえば操作過程において、この電気こんろが、回転式トッグル424の正確な回転位置を介して選択されうる。このような選択の利点は、標識等としての接触覚センサが対応する電気こんろの表示装置を指示するだけではなしに、同時にこの接触覚センサに当てられる指が前記電気こんろの表示装置の方へと向けられ、これによって、特に直覚的な的確な操作が可能になる。
【0053】
その後、指を用いてまた他の接触覚センサ452bに変更することが可能であり、このことは、1個の下側の外側電極473において検出されるとともに、下側の磁石420上にの中央磁石418への接続部を介して容量的に検出されうる。この場合も、特に、選択されたばかりの電気こんろに関する出力設定として、回転を検出することが可能であり、この回転時において、追加的に中央の接触覚センサが接触されて作動せしめられる。これにより、2個の接触覚センサが作動せしめられ、このこともまた、前記の形態で容量的に検出されうる。
【0054】
前記構成の上側の外側電極452aおよびbと下側の外側電極473a〜eとにより、一般に、回転位置が決め手となる、回転式トッグル424を用いた全ての設定に関する回転位置の検出を行なうことも可能になる。これにより、ある一定の状況においては、金属スパイダと、特に図2にしたがった高費用の複雑なホールセンサとが不要となる。
【0055】
たとえば図2にしたがった接触覚センサを有する切替手段の作動の検出のため、さらにまた容量性接触覚センサ用の評価回路が必要とされる場合でも、複数の同様に動作する接触覚センサの評価にはわずかな労力および費用しか必要とされず、これは、マルチプレクサによって容易に達成されうる。したがって、図2に対応する凹部153内に存在する接触覚センサ152が、図6にしたがって、上側の外側電極452に接続される場合は、指が前記凹部内に置かれて回転式トッグル424が回転せしめられると、回転位置が、したがってさらにまた回転操作または回転角が検出可能となる。操作方法のまた他のレベルへの切替えまたは選択された機能の確認等のさらに他の機能は、接触覚センサ452aおよびb間における変更を手段として行なわれうる。
【0056】
また他の変形態様において、回転式トッグルにいくつかの接触覚センサを配設し、かつ前記センサを図6の外側電極452と同様のさらに他の外側電極に接続することが可能である。この場合は、これらのさらに他の外側電極は、2倍、3倍または4倍の幅を有するという点、すなわちはるかに大きいという点において、図示されている電極とは異なりうる。このため、この場合も、下側の外側電極473a〜eの範囲または同時作動を検出することにより、信号を異ならせることが可能となって、この場合もまた追加の接触覚センサの形態をとる複数個の追加の切替手段が創出されうるようになる。評価は、相対的に確実かつ単純に行なわれうる。
【0057】
図7に、図6にしたがった実施例の変形態様の略図が示されている。図示されないガラスセラミック板上において、操作装置510は、回転式トッグル524の形態をとる操作部516を有する。実線の形態で、回転式トッグル524内の中央磁石518と、同心的に配置される導電性の環状電極570とが示されている。環状電極570は、有利には回転式トッグル524の裏側に可能な限り近接する金属面であるが、下方向およびたとえば対応する金属部分としての磁石518に対して絶縁される。環状電極570は、接触覚センサ552aと、接触覚センサ552bにより中央磁石518とに接続される。接触覚センサは、回転式トッグルの最上部において凹部内に配置されている。
【0058】
ガラスセラミック板の下に配置される操作装置510の部分は、破線の形態で示されている。これらは、また他の中央磁石520と、回転式トッグル内の第1の環状電極570といくらか重複する第2の下側の環状電極571とによって構成される。
【0059】
機能は、次のとおりである:すでに説明されたように、中央磁石518に接続される接触覚センサ552bの接触は、下側の磁石420に伝送されるとともに、この方法により検出されうる。上側の環状電極570は、常に下側の環状電極571と一致するため、2個の磁石と略同じ態様で、上側の環状電極570に接続される接触覚センサ552aの接触もまた、下方に伝送されうる。その結果として、中央磁石518および上側の環状電極570を介した伝送は、常に回転式トッグル524の回転位置と無関係に行なわれる。
【0060】
操作時において、回転により、いわば機能全体にわたってスクロールが行なわれ、その後、接触覚センサ552aまたはbの一方を手段として、入力が切替機能として行なわれる。回転時において、接触覚センサ552aの作動を接触により維持することが可能である。交番的に、接触覚センサ552bを用いて確認が行なわれうる。
【0061】
図5にしたがって、回転位置の検出は、光学的に行なわれうる。これに代わる方法として、検出は、図2にしたがって行なわれうる。特に複雑な構成においては、図6と組み合わせることもできて、さらに他の切替機能を有する回転位置とさらに他の切替機能を有さない回転位置とを検出すること、および環状電極を手段として位置と無関係のさらに他の切替機能を得ることが可能になる。
【0062】
また他の開発形態において、回転式トッグル内にいくつかの接触覚センサを設けるとともに、これらのセンサをさらに他の環状電極に接続することも可能である。さらにまた、追加の接触覚センサの形態をとる複数個の追加の切替手段を設けることもできる。これにより、相対的に確実かつ単純な評価が可能になる。
【0063】
図1〜3にしたがった対応する切替手段の切替作動としての接触の検出とガラスセラミック板の下の制御部への前記切替作動の伝送との可能性に代わるものとして、図4に対応する機械的スイッチを手段として、回転式トッグル内の電気共振回路を、たとえば該回路の共振周波数から異なる周波数に、またはまた他の周波数前後に離調させること、すなわちキャパシタンスへの同調または同調解除の切替えを行なうことも可能である。これは、たとえば下側の結合共振回路のダムシャフトの変化として、従来式の共振回路の呼掛けまたはポーリングによりガラスセラミック面の下から周知の態様で判断されうるとともに、接触覚センサまたは切替手段の接触および作動として評価されうる。このような構成においては、異なる切替可能なキャパシタンスを有する異なる機械的スイッチを介して、共振回路の異なる強さの離調を達成することが可能であり、これは、ガラスセラミック板の下から対応する態様で異なる作動として検出および区別されうる。これにより、さらに一層多数の異なる作動が、特に電気こんろの選択、電気こんろの出力設定、多回路接続および電気こんろのタイマ設定という前記の機能に関して可能になる。
【0064】
図8に、ガラスセラミック板612または任意のパネル上において操作部616を有する本発明のさらに他の操作装置610が示されている。回転式制御装置624は、図2と略同様の薄型ノブの態様に構成される。この回転式制御装置624は、たとえば独国特許第19833983A1号に記載のように、制御部600内で終端する制御軸または旋回軸626に固定される。旋回軸626は、ガラスセラミック板612内の対応する開口を貫通して突出する。回転式制御装置624を回転させることにより、この回転移動は、たとえば電気器具またはこんろの出力設定用のその他の操作装置の場合とほとんど同じ方法で、旋回軸626を介して制御部600に伝達される。
【0065】
図2にしたがった構成の場合のように、回転式制御装置624は、異なる金属性または扁平な導電性の接触覚センサ652を有する。第1の接触覚センサ652は、回転式制御装置624の最上部において左側の凹部内に配設される。このセンサは、旋回軸626との導電接続部650aを有するとともに、前記接続部から、旋回軸626に外部的に取り付けられる軸としての導電性外囲体または金属管651aへと変化する。この金属管は、実際の軸を形成するとともに、導電接続部650bをさらに自身の内部に延在させる絶縁プラスチックによって満たされうる適度な安定性の金属管とされうる。旋回軸626から制御部600へと移行する直前に、旋回軸626と管651aとを取り巻く、電気的に分離される環状またはスリーブ状の電極673aが配置される。使用者が接触スイッチ652aに接触すると、前記の導電接続部650aと管651aとを手段として、このことは、ガラスセラミック板612の裏側において旋回軸626に沿って伝達されて、前記ガラスセラミック板の裏側において信号が電極673aにより検出されてさらなる処理が行なわれうる。このように、スリーブ651aと電極673aとは、周方向に構成されて、いかなる回転位置における伝達または伝送も図7に関して前記に記載の態様で行なわれるようになる。右側の凹部内には、視覚障害者である操作者のための触知支援装置としての役割を果たす小さい突起610が設けられる。
【0066】
また他の接触覚センサ652bは、回転式制御装置624の最上部の中央に配設される。該センサの導電接続部650bは、旋回軸626の中心を貫通して、旋回軸626に固定される下側の導電面651bに達する。前記導電面から限られた距離において、旋回軸626により貫通される固定環状電極673bが設けられる。前記の説明と略同様に、接触スイッチ652bとの接触は、電極637bにおいてピックオフまたは検出されて、図示されない制御手段によりさらに利用されうる。
【0067】
ある種の第3の接触覚センサ652cは、回転式制御装置624の周方向側部上において、1個の部分からなる、好ましくは全周状の導電被覆または導電面を設けるという点において形成される。このセンサは、電極面651cとして、下方に回転式制御装置624の裏側まで扁平に引き伸ばされる。ガラスセラミック板612の下には、大きい円環状の環状電極673cが設けられて、電極面651cを介して接触覚センサ652cの接触を容量的に検出し、このことは、制御手段に伝送される。電極651cと環状電極673cとのいずれもが、周状または可能な限り全面形とされる。ひとつの実施形態において、接触覚センサ652cと電極面651cとは、完全または実質的に完全に外側方かつ下方に導かれる態様で回転式制御装置624を覆う一種のビーカーまたは鉢を形成する。この構成の拡張態様において、回転式制御装置624の帯状の外側縁部上に互いに分離される異なる接触覚センサを設けることも可能である。これらの接触覚センサは、さらに、回転式制御装置624の裏側において異なる半径方向距離を有して設けられる電極面まで案内されうる。図6および7の場合と略同様に、これらは、回転経路を形成するが、異なる半径を有する。これにより、常に、ガラスセラミック板612の下の異なる半径を有する環状電極を手段として信号を捕捉することが可能になる。
【0068】
回転式制御装置624と旋回軸626との間における接続部は、固定されうるとともに解除不能とされ、このことは、電気接続部にも当てはまる。しかしながら、旋回軸626を回転式制御装置624内に挿入することも可能であり、対応する接触手段は、導電接続部650a、650bと外囲体651aとの間において設けられ、さらにまた接続部650bの一部分、すなわち面651bとの接続部は、旋回軸626内に設けられる。接触部は、頻繁に解除されるわけではないため、一般に単純な接触面を有すると十分である。
【0069】
2個の接触覚センサ652a、652bの一方のみが設けられる場合は、代案として、旋回軸626全体を導電性、たとえば金属にすることが可能であり、これにより、前記旋回軸が信号送信を担うとともに、より単純な構成が可能になる。さらにまた、電極673a、673bを介した容量的な信号の捕捉の代わりに、電気ワイパを配設することも可能であり、これにより、前記ワイパが最終的に容量性接触信号を前記接触覚センサの一方に送信する。
【0070】
図9に、操作部716を有する操作装置710のまた他の変形態様が示されている。この場合の重要な相違点は、回転式制御装置724が、より薄型のより幅広の下側部分724aと、前記下側部分の上に配置されるはるかに幅狭の上側部分724bとからなるところにある。ここで、下側部分724aと上側部分724bとのいずれもが、導電性または金属製とされるが、互いに電気的に絶縁される。ガラスセラミック板712の下には、旋回軸726のまわりにおいて環状電極773aが設けられて、金属製の下側部分724aの接触に伴う信号を捕捉する。完全に導電性の下側部分724aの代わりに、導電面を有する図8にしたがった構成を採用することも可能である。
【0071】
上側部分724bは、たとえばプラスチックの絶縁部780により下側部分724aに接続される。スイッチ軸または旋回軸726は、金属により製作されるとともに、対応する穴を有するガラスセラミック板712と、さらにまた上側部分724b内へと絶縁部780との両方を貫通して延在する。前記軸は、特に前記上側部分もまた金属により製作されるため、機械的かつ電気的に上側部分724bに接続される。外側電極773bは、旋回軸726からの信号の捕捉を担う。旋回軸726の下端部は、前記に説明されたように構成されうる制御部700内まで延在する。無垢の金属により製作される代わりに、上側部分724bは、図8にしたがって、接触覚センサおよびプラスチック本体への導電接続部としての導電面を有して構成されうる。
【0072】
図9にしたがった実施形態において、下側部分724aの外側全体が、第1の接触覚センサ752aを形成する。上側部分724b全体は、第2の接触覚センサ752bを形成する。旋回軸726と回転式制御装置724または少なくとも上側部分724bとの接続は、クラムシャフト取付けによって行なわれうる。同じ方法で、図8と同様に、旋回軸726もまた、プラスチックにより、下方の金属性または導電性の挿入部材を有して製作されうる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】切替手段が操作されていない状態にある本発明の操作装置の第1の実施例の断面図である。
【図2】本発明の操作装置の第2の実施例の断面図である。
【図3】本発明の操作装置の第2の実施例の平面図である。
【図4】切替手段が操作されていない状態にある本発明の操作装置の第3の実施例の部分断面図である。
【図5】光学的回転位置検出機能を有する、図2にしたがった実施例の変形態様を示す図である。
【図6】回転式トッグルからガラスセラミック板の裏側への異なる切替信号送信機能を、前記ガラスセラミック板の上における回転位置の検出機能とともに有する、図2の実施例の変形態様としての第4の実施例の平面図である。
【図7】2つの回転位置独立切替信号の送信機能を有する、図6の実施例の変形態様としての第5の実施例を示す図である。
【図8】回転式制御装置とカバーを貫通する固定旋回軸と容量性の接触検出機能とを有するさらに他の変形態様としての第6の実施例を示す図である。
【図9】目盛付き回転式トッグルを有する、図8にしたがった操作装置の変形態様を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルまたは外面を有し、操作部を有し、かつ前記パネルまたは前記外面の下に配置される制御部を有する電気加熱器具のような電気器具用操作装置において、前記操作部は、回転式または摺動式制御装置からなるとともに、前記パネルまたは前記外面上において回転可能または摺動可能な態様に支持され、前記回転式または摺動式制御装置上に、使用者の切替操作の信号を前記制御部に送信する機能を有する少なくとも1個の他の切替手段が設けられる操作装置。
【請求項2】
前記他の切替手段は、電気接点を有する押しボタンであり、第1の共振回路が前記外面の上に、第2の共振回路が前記外面の下に設けられ、前記2個の共振回路は、結合され、前記押しボタンを作動させることにより、前記第1の共振回路が変化し、または閉じられて、その結果として前記第1の共振回路内および前記第2の共振回路内においてダムシャフトが変化し、前記第2の共振回路内におけるダムシャフトの変化が検出されて、前記押しボタンの操作が評価される請求項1に記載の操作装置。
【請求項3】
前記他の切替手段は、前記回転式制御装置上に接触面を有する、容量に基づく接触スイッチまたは接触覚センサである請求項1に記載の操作装置。
【請求項4】
磁気アーマチュアが、前記回転式制御装置内に設けられ、前記回転式制御装置の前記回転位置を記録するために、操作装置は、前記操作部内において前記磁気アーマチュアに接続され、前記外面の下に、磁気センサが設けられて、前記磁気アーマチュアの動きを記録し、前記他の切替手段の作動により、前記磁気アーマチュアと前記外面との間における距離が変化する請求項1に記載の操作装置。
【請求項5】
前記操作部は、前記外面の下における磁界の変化を手段として、前記他の切替手段の切替操作の信号送信を行なうように構成され、前記磁界の前記変化は、前記操作部の一部分の位置変化によって引き起こされる請求項1に記載の操作装置。
【請求項6】
前記操作部は、前記外面の下における電界の変化を手段として、前記他の切替手段の切替操作の信号送信を行なうように構成され、前記電界の前記変化は、前記操作部の一部分の位置変化によって引き起こされる請求項1に記載の操作装置。
【請求項7】
前記操作部は、前記外面の下における電界の強さの変化を手段として、前記他の切替手段の切替え操作の信号送信を行なうように構成され、前記電界の前記変化は、前記他の切替手段に操作者が接触することによって引き起こされる請求項1に記載の操作装置。
【請求項8】
前記操作部は、前記電気器具のパネルまたは外面上に解除可能に取り付けられるように構成される請求項1に記載の操作装置。
【請求項9】
前記操作部または回転式制御装置は、前記電気器具のパネルまたは外面を貫通して延在する固定回転軸を手段として支持され、前記軸は、前記電気器具のパネルまたは外面の下の設定装置上に配置され、導体が、前記軸上に配設されるとともに、前記軸に沿って長手方向に導かれ、信号送信は、前記導体によって行なわれる請求項1に記載の操作装置。
【請求項10】
コンデンサ極板が、前記回転式制御装置内に設けられ、前記導体は、前記コンデンサ極板に接続され、前記コンデンサ極板は、操作装置内に設けられる対向コンデンサ極板との容量結合を創出する請求項9に記載の操作装置。
【請求項11】
前記軸の軸周に沿った第1のコンデンサ面は、限られた間隔を有して、さらに他の第2のコンデンサ面により取り巻かれて設けられ、前記導体は、中央部分において、前記第1のコンデンサと接続される請求項9に記載の操作装置。
【請求項12】
前記回転式制御装置の前記回転位置の容量検出が行われ、少なくとも1個の容量性要素が前記回転式トッグル内に、複数個の対応する容量性要素が前記外面の下に設けられて、前記回転式制御装置の前記回転位置の前記容量検出が行なわれ、前記回転式トッグル内の前記容量性要素は、前記回転式トッグル上の接触覚センサに電気的に接続され、また他の容量性要素は、前記回転式トッグル上のまた他の接触覚センサに電気的に接続される請求項1に記載の操作装置。
【請求項13】
前記回転式制御装置内の少なくとも1個の容量性要素は、前記回転式制御装置上の接触覚センサに接続されるとともに、前記回転位置と無関係に、前記容量性要素が前記外面の下の少なくとも1個の対応する容量性要素の上に突出するような態様に構成される請求項1に記載の操作装置。
【請求項14】
請求項1に記載の操作装置を用いて調理器のような電気器具を操作する方法において、前記他の切替手段を操作することにより、前記回転式または摺動式制御装置を移動させることによる設定が、前記切替手段が作動解除されているときと比べて異なる切替機能をもたらす方法。
【請求項15】
少なくとも特別な操作モードにおいて、前記他の切替手段が作動せしめられるとともに、前記作動状態に維持され、同時に、前記操作装置の操作のために前記回転式制御装置が作動または動作せしめられる請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1に記載の操作装置を用いて調理器のような電気器具を操作する方法において、前記他の切替手段を作動させることにより、単一の切替機能がもたらされる方法。
【請求項17】
前記単一の切替機能は、前記回転式制御装置を移動させることによって与えられる指示にしたがって前記器具の機能部の動作を開始させることである請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記他の切替手段を作動させることにより、前記操作装置の現在の選択機能が選択または達成される請求項14または16に記載の方法。
【請求項19】
前記回転式制御装置を特定の位置に移動させることにより、ある一定の機能が選択され、前記切替手段による作動または切替手段による前記操作モードの変更のいずれかの後に、前記電気器具のさらに他の機能が設定される請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−109649(P2007−109649A)
【公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−275204(P2006−275204)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【出願人】(597022218)エーゲーオー エレクトロ・ゲレーテバウ ゲーエムベーハー (64)
【Fターム(参考)】