説明

電気泳動式に液体現像するための装置および方法

液体現像剤による、画像支持エレメント(F)、たとえば感光ドラムに取り付けられた電荷像の現像が、現像ステーション(E)によって行われ、現像ステーション(E)が、現像ローラ(203)とラスタローラ(202)と場合によってはチャンバ型ドクタ(201)とを備えている。現像ステーションのこのような構成では、同一構造の複数の印刷装置を記録支持体に沿って設けることができる。さらに印刷装置は可変速度で運転することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な材料、たとえば紙、薄いプラスチックシートもしくは金属シートから成る記録支持体、たとえば個別シート、または帯状の記録支持体を単色または多色印刷するために、電位像支持体、たとえば感光体に、画像に関連する電位像(電荷像)を形成することが公知であり、電位像は、着色範囲と非着色範囲とから成る印刷しようとする画像に相当するものである。電位像の着色範囲(以下に画像箇所とも記載する)は、現像ステーション(着色ステーション)を用いてトナーによって可視化される。次いでトナー像は、記録支持体(被印刷物または最終画像支持体とも記載する)に転写される。
【0002】
画像箇所を着色するために、乾燥トナー、またはトナーを含有する液体現像剤を使用することができる。
【0003】
デジタル印刷システムにおける電気泳動式の液体現像(エレクトログラフィ式の現像)方法は、たとえば欧州特許第0756213号明細書または欧州特許第0727720号明細書から公知である。そこに記載の方法は、HVT(High Viscosity Technology)の名前でも知られている。ここでは液体現像剤として、着色粒子(トナー粒子)の分散する、シリコーン油を含有する液体キャリアが用いられる。トナー粒子は、典型的には1ミクロンより小さな粒子サイズを有している。これについての詳細は、欧州特許第0756213号明細書または欧州特許第0727720号明細書から理解することができ、本発明は、これらの明細書の開示内容を含むものとする。前掲明細書には、トナー粒子の分散した、液体キャリアとしてのシリコーン油を用いた、前述の形式の電気泳動式の液体現像法が記載されていて、しかも画像支持エレメント上の電位像に応じて画像支持エレメントを液体現像剤で湿潤させるための単数または複数の現像ローラから成る現像ステーションが記載されている。単数または複数の転写ローラを介して、現像された電位像は記録支持体に転写される。
【0004】
したがって本発明の課題は、全体課題として、電気泳動式の液体現像のための装置および方法を提供することであり、この場合全体課題は様々な見解を有しており、これらについては以下に個々の課題として分割記載する。
【0005】
a)本発明によって解決しようとする第1の課題は、画像支持エレメントへの液体現像剤の供給を簡単にする装置および方法を提供することである。
【0006】
この課題は、請求項1の特徴部に記載した装置ならびに請求項38に記載の方法によって解決される。
【0007】
本発明の利点は以下の通りである。
−装置(現像ステーション)の内側におけるチャンバ型ドクタのフレキシブルな使用形式および/または配置形式;
−装置は、(デジタル)静電式(電気泳動式)印刷法の技術分野で用いるのに適しており;
−たとえばコンパクトな印刷装置の主要構成部材としての装置のコンパクトな構造形式;
−装置は、印刷機構における様々な組付位置で同一仕様であり、ひいては様々な印刷機構造を実現する。
【0008】
液体現像剤の気泡のない搬送を保証するために、有利には、チャンバ型ドクタは、調量ドクタが液体現像剤に浸漬(溢流)されるように配置されている。これと同じ結果は、液体現像剤がチャンバ型ドクタ内で正圧にさらされている場合でも達成されるので、調量ドクタは液体現像剤に溢流されている。
【0009】
反転した残像を有する液体現像剤を現像手段から除去するために、現像手段に隣接してクリーニング装置を配置することができ、クリーニング装置は残像を受け取る。クリーニング装置は、クリーニングローラと、クリーニングエレメント、たとえばドクタとを備えており、クリーニングエレメントはクリーニングローラから液体現像剤を掻き落として除去する。
【0010】
現像手段は、現像ベルト、有利には現像ローラであってよい。ラスタ手段(調量手段)は、有利にはラスタローラであり、またラスタベルトであってもよい。
【0011】
現像ローラに搬送される液体現像剤量は、簡単な形式でラスタローラのラスタによって影響させることができる。有利には、ラスタローラはラスタを備えており、ラスタは、1〜40cm/m、有利には5〜20cm/m(ローラ表面に関して)の容量の液体現像剤の搬送を実現する。この場合ラスタローラによる液体現像剤の搬送は、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であるので、それぞれ異なる印刷速度でも、常に面積単位あたり同量の液体現像剤が現像ローラに案内される。
【0012】
有利には、現像ローラとラスタローラとクリーニングローラとは、一定の速度比(表面速度)で回転することができ、有利には1:1:1の比で回転することができる。この場合現像ローラの表面の運動方向と画像支持エレメントの表面の運動方向とは正逆であってよく、現像ローラとラスタローラとは互いに正逆方向で回転し、現像ローラとクリーニングローラとは互いに正逆方向で回転する。
【0013】
液体現像剤の移行に有利な影響を与えるために、現像ローラおよび画像支持エレメントに、帯電したトナー粒子に作用する所望の電界効果のための電位を印加することができる。このことは現像ローラとクリーニングローラとの間、ならびにラスタローラと現像ローラとの間でも有効である。
【0014】
さらに液体現像剤の移行に有利な影響を与えるために、有利には、現像ローラが弾性的な被覆体を備えており、これによって隣接するエレメントに対する規定の作用域を形成することができる。作用域は、現像ローラの弾性的な被覆体の規定の変形によって、有利には隣接するエレメント(画像支持エレメント、クリーニングローラ、ラスタローラ)に対する弾性力調節に関して形成される。また作用域は、液体現像剤の非圧縮性の層によっても形成され、非圧縮性の層は、現像ローラと画像支持エレメントとの間の間隔、現像ローラとクリーニングローラとの間の間隔、ならびに現像ローラとラスタローラとの間の間隔を規定する。
【0015】
チャンバ型ドクタは、ラスタローラの周面に装着されたチャンバと、チャンバをシールする2つのドクタ、つまりラスタローラの回転方向でみてチャンバの入口に設けられた閉鎖ドクタおよびラスタローラの回転方向でみてチャンバの出口に設けられた調量ドクタと、ラスタローラの側縁部に接触する側方の2つのシールとを備えている。チャンバへの液体現像剤の供給は、単数または複数の流入開口を通って、有利にはポンプを介して行うことができ、チャンバからの液体現像剤の流出は、流入または流出開口を通って行うことができ、この場合流入または流出開口は、ラスタローラに対する組付位置に応じて交換可能であるよう所望される。
【0016】
不都合な組付位置(たとえば調量ドクタが重力方向で閉鎖ドクタの上方に位置する)において気泡の形成を防止するため、かつ比較的高粘度の液体現像剤(たとえば1000mPa*S)を処理するために、幾分かの正圧をチャンバに形成することができる。
【0017】
有利には、ラスタローラに沿ったチャンバ型ドクタの組付位置が可変に形成されている。同様に現像ローラに沿ったクリーニング装置の組付位置も可変に形成することができる。
【0018】
装置が現像ステーションとして電気泳動式の印刷機構に使用されると特に有利である。特に有利には、現像ステーションにおいて、現像ローラとラスタローラとクリーニグローラとは、互いに一定の角度を成して配置することができるので、たとえばローラ状の画像支持エレメントの周りの現像ステーションの配置形式は様々な角度位置で実現され、それも現像ローラとラスタローラとクリーニングローラとの相対配置形式を変化させることなく実現され、要するに同一構造を有する複数の現像ステーションを、変化させることなく、画像支持エレメントに沿った様々な位置に配置することができる。このような利点は、ラスタローラに沿ったチャンバ型ドクタの角度位置が可変である場合に高められる。
【0019】
このような構成によって、それぞれ現像ステーションと画像支持エレメントとを備えた印刷モジュールを形成することができ、印刷モジュールは、変向される記録支持体に沿って様々な角度位置で配置することができ、この場合チャンバ型ドクタとラスタローラと現像ローラとの相対配置は、現像ステーション内で維持される。印刷モジュールは、追加的に転写ローラを有することができ、転写ローラはたとえばトナー像を画像支持エレメントから記録支持体に転写する。
【0020】
本発明の利点は以下の通りである。
−ラスタローラを介する液体現像剤の供給によって、現像速度は、使用目的、始動、停止に応じてフレキシブルに適合可能である。
−簡単な構造(たとえば単に3つのローラ)によって、コンパクトな構造形式ひいてはコンパクトな印刷装置構成が実現される。
−チャンバ型ドクタの調量特性は、広範囲で実質的に粘性とは無関係であり(0.5〜1000mPa*S)、これによって、
・様々な濃度の液体現像剤の安定した処理ひいては比較的高いプロセス安定性;
・様々な液体現像剤のための(たとえば様々なアプリケーションのため)同一構造の現像ステーションの利用、
が得られる。
【0021】
b)本発明によって解決しようとする第2の課題は、モジュール構造の印刷機構を提供することであり、これによってプロフェッショナル的なデジタル高速印刷用の、比較的複雑で様々な印刷機のための印刷システムが提供される。
【0022】
この課題は、請求項39の特徴部に記載した印刷機構によって解決される。
【0023】
被印刷物を印刷するための印刷機構は、単数または複数の印刷装置と、共通の被印刷物案内装置と、印刷装置、被印刷物案内装置ならびに場合によっては接続された、被印刷物前処理または後処理用の機器における進行を調節するための中央制御装置との組み合わせから成る。
【0024】
印刷機構に関して、実質的に同一構造(横断面配置構造で同一、処理しようとする被印刷物幅に応じた奥行き)の、取扱の容易でコンパクトな印刷モジュールと、「Continuous Feet」(エンドレス−被印刷物ウェブに対する印刷)にも、「Cut Sheet」(個別シートもしくは枚葉紙印刷)にも適した、様々な被印刷物案内装置との組み合わせによって、様々な印刷機構のフレキシブルな構成:(S/W(黒schwarz/白weiss)−シンプレックス−印刷機(Simplex-Drucker)、S/W−デュープレッスク−印刷機(Duplex-Drucker)、YMCK(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)−フルカラー−シンプレックス−印刷機から、各被印刷物面に4つまたは5つ以上の印刷装置を備えた複雑なフルカラー−デュープレックス−印刷機まで)が得られる。製造側における複雑な印刷機構の簡単な組立以外に、顧客側における所有する印刷機構の、比較的簡単な装備変更および装備追加が得られる。特に印刷装置における同一構造のモジュールの使用によって、追加的に、大量生産による経済的な製造が実現される。
【0025】
印刷装置の有利な特性は以下の通りである。
−比較的大きな速度範囲(たとえば0.3〜3m/s);
−有利には最小22インチまでの被印刷物幅、しかもこれより狭幅にすることもできる;
−速度範囲全体における印刷運転中の調整可能な速度;
−印刷装置のコンパクトな構造形式(たとえば(50×100)cmの横断面、被印刷物幅に応じた奥行き);
−場合によっては適当な補助印刷機構による、存在する印刷機構に対する組付および取外における印刷装置の簡単な取扱。
【0026】
c)本発明によって解決しようとする第3の課題は、電気泳動式の印刷機構および印刷方法を提供することであり、これによって一定の印刷品質で可変の印刷速度を実現することができる。
【0027】
この課題は、請求項72の特徴部に記載した印刷機構ならびに請求項101記載の特徴部に記載した印刷方法によって解決される。
【0028】
印刷機構の有する利点によれば、印刷速度変化が、無段階式に、かつ印刷品質の低下を招くことなく広範囲で実現される。
【0029】
本発明によれば、画像形成システムから成る印刷機構が設けられており、画像形成システムは画像支持エレメント(たとえば感光体)に電子的な電荷像を形成し、電荷像は、現像ステーションを用いて、帯電した着色剤粒子(トナー粒子)によって可視化され、次いで記録支持体または最終画像支持体(たとえば紙)に転写されて、定着される。
【0030】
そのような印刷機構では、
−0から限界速度までの画像支持エレメントの速度を連続的に変化させることができる;
−電子式のキャラクタ発生および場合によっては帯電強さを画像支持エレメントの速度に適合させることができ(情報および面積あたりのエネルギに関して)、その結果電気泳動式のプロセスでは、電荷像は、形状および電位値に関して、画像支持エレメントの速度とは無関係で常に同じ形式で生じる;
−画像支持エレメント上の信号分布を画像支持エレメントの速度とは無関係に現像することのできる方法によって電荷像の現像を行うことができる(エレクトログラフィ式のプロセスでは、現像プロセスの間画像支持エレメント上の同じ電位分布が、電荷像に常に同じトナー分布を形成する)。
【0031】
電荷像の現像が画像支持エレメントの速度とは完全には無関係でない場合、プロセスパラメータ(たとえば感光体電位、光エネルギ、現像ギャップ上の補助電位、トナー濃度、もしくは最終画像支持体に転写するための補助電位)を変化させることができ、それも画像支持エレメントもしくは最終画像支持体におけるトナー像堆積が、それぞれ異なる速度でもほぼ同一になるように変化させることができる。影響を及ぼすパラメータは、有利には単数または複数の調整プロセスを介して互いに結合することができる。
【0032】
有利には、元々画像支持エレメントの限界速度まで影響を受けないトナー堆積を形成する現像方法が用いられる。このことはたとえば液体現像によって行われ、ここでは高粘度の液体キャリア(たとえばシリコーン油)に微細なトナー粒子(有利には1μmまたはそれより小さい直径)が分散されており、この場合トナー粒子の濃度は次の高さに選択可能であり、それも現像ギャップに存在する全てのトナー粒子が完全に(もしくはほぼ完全に)堆積した状態で画像支持エレメントに所望の着色(光学濃度もしくは色濃度)が行われるような程度の量のトナー粒子が画像支持エレメントと現像ローラとの間の薄い現像ギャップ(有利には5〜10μm)に存在するような高さに選択可能である。さらに機能に関する前提条件によれば、現像ギャップにおけるトナー粒子の運動性は少なくとも次の程度の大きさであり、つまり現像ギャップにトナー粒子が存在する間、全て(またはほとんど全て)のトナー粒子が、画像支持エレメントの着色領域上に形成される電界強さの影響下で現像ギャップを完全に移行して、画像エレメントの表面の着色領域に堆積され、ならびに画像支持エレメントの非着色領域上に形成される電界強さの影響下で画像支持エレメントの表面に堆積されないか、またはほとんど堆積されない程度の大きさである。
【0033】
このような方法では、液体現像剤におけるトナー濃度の所望の調節に関連して、達成可能な最大着色を予め選択するか、もしくは調節することができる。これによって印刷プロセスにおいて、可変の印刷速度でも、調節された特定の最大着色を一定に維持することができる。
【0034】
そのような現像ステーションは現像ローラを備えており、現像ローラは、液体現像剤を画像支持エレメントに搬送し、それも画像支持エレメント上のトナー堆積が画像支持エレメントの速度とは無関係であるように搬送する。
【0035】
現像ステーションは、次のように形成することができる。
−画像支持エレメントに隣接して現像ローラが設けられており、現像ローラは、トナー粒子を含有する液体現像剤を画像支持エレメントに案内し、液体現像剤から、トナー粒子が、予め形成された画像支持エレメントに応じて画像支持エレメントに移行し、
−現像ローラに隣接してラスタローラが配置されており、ラスタローラのラスタで液体現像剤は現像ローラに搬送され、
−ラスタローラに隣接して、調量ドクタを備えたチャンバ型ドクタが配置されており、チャンバ型ドクタからラスタローラが調量ドクタを介して液体現像剤を受け取り、ラスタローラに対するチャンバ型ドクタの位置は調節可能であり、チャンバ型ドクタは、調量ドクタが液体現像剤に溢流されるように形成されている。
【0036】
溢流は、液体現像剤の重力に基づいて、または正圧の使用によって達成される。
【0037】
有利には、ラスタローラから搬送される液体現像剤の量は、ラスタローラのラスタによって規定することができる。この場合ラスタローラによる液体現像剤の搬送は、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であるので、それぞれ異なる印刷速度でも、常に面積単位あたり同量の液体現像剤が現像ローラに案内される。
【0038】
有利には、ラスタローラがラスタを有しており、ラスタは、1〜40cm/m、有利には5〜20cm/m(ローラ表面に関して)の容量の液体現像剤の搬送を実現する。
【0039】
さらに有利には、現像ローラが弾性的な被覆体を備えており、被覆体は、画像支持エレメントおよびラスタローラに接触する。
【0040】
チャンバ型ドクタは、チャンバをシールする2つのドクタ、つまりラスタローラの回転方向でみてチャンバの入口に設けられた閉鎖ドクタおよびラスタローラの回転方向でみてチャンバの出口に設けられた調量ドクタと、ラスタローラの縁部に接触する側方の2つのシールとを備えた、ラスタローラの周面に装着されたチャンバであってよい。この場合チャンバへの液体現像剤の供給は、単数または複数の流入開口を通って、有利にはポンプを介して行うことができ、チャンバからの液体現像剤の流出は、流入または流出開口を通って行うことができる。
【0041】
次に図面につき本発明の実施例を詳しく説明する。
【0042】
a)本発明の第1の観点:電気泳動式のデジタル印刷において画像支持エレメントに液体現像剤を搬送するための装置。
【0043】
図1に示した、本発明による構成を有する現像ステーションEの構造:
図1に示した現像ステーションEは以下の構成部材:
−弾性的な被覆体206を有する現像ローラ203;もちろん複数の現像ステーションを設けてもよい;
−凹部(セル)の配置されたラスタ(網目パターン)を有する、調量ローラとしてのラスタローラ(アニロックスローラ)202、複数のラスタローラを使用することもでき;ラスタは使用状況によって様々な形式で実施することができる;
−ラスタローラに対して位置変化可能なチャンバ型ドクタ201;
−クリーニングローラ204とクリーニングエレメント205とを有するクリーニング装置、
を備えている。
【0044】
現像ローラ203は、画像支持エレメントF、たとえば感光ベルトまたは感光層の配置されたローラから成る感光体に接触する。さらに液体トナーで着色されたトナー像を画像支持エレメントFから帯状の記録支持体1もしくはシート状の記録支持体に転写するための転写ローラ121(図5参照)を設けることができる。
【0045】
たとえば欧州特許第0756213号明細書または欧州特許第0727720号明細書から公知のように、着色剤(トナー粒子)の分散した、電子泳動式の現像に適した液体現像剤を使用することができる。
【0046】
画像に応じて画像支持エレメントをトナー粒子で着色するための液体現像剤の供給は、チャンバ型ドクタ201およびラスタローラ(セルから成る網目パターンを有するラスタを備えたローラ)202を介して現像ローラ203に向かって行われる。現像ローラ202からの反転残像の除去(クリーニング)は、残像をクリーニングローラ204に転写して、クリーニングエレメント205、たとえばドクタを用いてクリーニングローラ204から液体現像剤を除去することによって行われる。クリーニング装置204,205から、除去された液体現像剤は、液体現像剤のための貯蔵容器に戻し案内することができる(図示せず)。
【0047】
現像ローラ203とラスタローラ202とクリーニングローラ204とは、有利には、互いに一定の速度比(表面速度)で、有利には1:1:1の比で回転する。現像ローラ203の回転方向と画像支持エレメントの回転方向とは正逆であってよく、現像ローラ203の回転方向とラスタローラ202の回転方向とは正逆であってよく、ならびに現像ローラ203の回転方向とクリーニングローラ204の回転方向とは正逆であってよい。現像ローラ203に、帯電したトナー粒子に作用する所望の電界効果のための規定の電位を印加することができる。
【0048】
現像ローラ203は、弾性的な被覆体206を備えていて、かつ画像支持エレメントF、ラスタローラ202およびクリーニングローラ204に接触している。
【0049】
ラスタローラ202は、ラスタで、1〜40cm/m、有利には5〜20cm/m(ローラ表面に関して)の容量の液体現像剤を搬送するのに適合されている。
【0050】
さらに液体現像剤の搬送は、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であり、つまりそれぞれ異なる印刷速度でも、常に面積単位あたり同量の液体現像剤を現像ローラ203に供給することができる。
【0051】
現像ローラ203と画像支持エレメントFとの間、現像ローラ203とクリーニングローラ204との間、ならびに画像ローラ203とクリーニングローラ204との間の移行部に関する規定の作用域の形成は、種々異なる形式で:
−有利には隣接するエレメント、たとえば画像支持エレメントF、ラスタローラ202またはクリーニングローラ204に対する弾性力調節に関する、現像ローラ203の弾性的な被覆体206の規定の変形によって、
−現像ローラ203と画像支持エレメントFとの間、現像ローラ203とクリーニングローラ204との間、または現像ローラ203とラスタローラ202との間における液体現像剤の非圧縮性の層によって、
達成することができる。
【0052】
特に図4に示した、チャンバ型ドクタの構造および配置形式:
チャンバ型ドクタ201は、「Kipphan,Handbuch der Printmedien,Springer Verlag,2000」によって公知である。画像支持エレメントFに対する現像ステーション114の様々な位置での、電気泳動式のデジタル印刷用のチャンバ型ドクタ201の使用形式については、図1〜図4示した。
【0053】
チャンバ型ドクタ201は、ラスタローラ202の周面に装着されたチャンバ207を備えており、チャンバ207は、2つのドクタ(ラスタローラ202の回転方向でみてチャンバ207の入口に設けられた閉鎖ドクタR1、ラスタローラ202の回転方向でみてチャンバ207の出口に設けられた調量ドクタR2)と、ラスタローラ202の側縁に対してシールするための2つのシール(図面では看取できない)とによってシールされている。チャンバ型ドクタ201のチャンバ207への液体現像剤の供給は、単数または複数の開口を通って、有利にはポンプを介して行われる。たとえば有利には液体現像剤を良好に混合するための、チャンバ207からの液体現像剤の排出と、チャンバ207の液抜きとは、流入開口または流出開口を介して行うことができる。ここではチャンバ型ドクタ201(図2、図3および図4)の組付状態に応じて流入開口または流出開口の交換が可能である(図2および図3において、符号gで、重力の作用方向ひいてはチャンバ型ドクタ201における液面に対する重力の影響を示した)。
【0054】
ラスタローラ202に対するチャンバ型ドクタ201の角度位置は、調量ドクタR2が常に液体現像剤の液面下に位置しなければならないことによって制限されている(このことはラスタローラ202のラスタのセルを気泡なく充填するのに役立つ)。
【0055】
選択的に、チャンバ型ドクタ201における僅かな正圧の形成は、調量ドクタR2を液面下で維持するのに利用することができる。さらにこのような構造は、比較的高い粘性を有する液体現像剤を処理するのに適している(たとえば1000mPa*s)。
【0056】
図4に示したように、ラスタローラ202に対するチャンバ型ドクタ201の組付位置は選択可能である。ラスタローラ202は、チャンバ型ドクタ201と共に、現像ローラ203の組付位置に応じて現像ローラ203に対して次のように配置することができ、つまり調量ドクタR2が液体現像剤で浸漬されるように配置することができる(図1〜図4参照)。以下の実施例が有利である。:
−1実施例では、現像ローラ203とクリーニングローラ204とラスタローラ202との間の角度が一定に設定されており、画像支持エレメントFを様々な角度で取り囲む配置構造が得られる。
−組付位置の拡張は、ラスタローラ202に沿ってチャンバ型ドクタ201の角度位置を変化できる追加的な構成によって得られる(図4参照)。
【0057】
図5には、たとえばデジタルカラー印刷機構における複数の印刷モジュールPMの配置構造を示した。ここではそれぞれ画像支持エレメントFと現像ステーション(図5において符号Eを付した)と転写ローラ121(転写ローラ121はトナー像を画像支持エレメントFから記録支持エレメント1に転写する)とを備えた印刷モジュールPMは、変向ローラ2によって変向される記録支持体1の周りに配置されている。図1〜図4に応じた現像ステーションEの構成によって、記録支持体1の変向領域に様々な角度下で同一構造の印刷モジュールPMを配置することができる。このことは特に画像支持エレメントFに液体現像剤を供給するためにチャンバ型ドクタ201を使用することによって達成される。なぜならばこれによって印刷機構の様々な組付位置(シンプレックス;Simplex、デュープレックス;Duplex、水平、垂直、サテライト型構造における120度を超える角度範囲)で、同一構造の現像ステーションEを使用することができるからである(所望の色分解に応じて複数の現像ステーションE1〜E5を備えたデジタルカラー印刷機構について示した図5参照)。ここでは角度範囲は、調節装置を介して追加的に調節可能なチャンバ型ドクタ201(およびクリーニング装置204,205)の位置決めによって、またはチャンバ型ドクタ201およびクリーニング装置204,205(図2および図3)の調節可能な構成によって変化させることができる。
【0058】
b)本発明の第2の観点:モジュール構造の印刷機構。
【0059】
以下において、印刷システムは、共通の被印刷材料案内装置200と、相前後して配置された複数の印刷装置100との組み合わせから成っている。印刷システムに、被印刷物前処理もしくは後処理用の機器を接続することができる。追加的に印刷装置100および被印刷物案内装置200における進行を調整するための中央制御装置400が設けられている。
【0060】
印刷装置100は、同一構造を有し、コンパクトで簡単に取扱可能で、かつ相互的に組み合わせ可能なモジュールとして形成されている。印刷装置100は被印刷物1の幅に適合可能である。
【0061】
個々のモジュール=印刷装置100の構造:
本発明の実施例では、印刷装置100は、たとえば欧州特許第0727720号明細書から公知の、エレクトログラフィ式の印刷装置として形成されている。印刷装置100は、画像形成エレメント111と帯電ステーション112と画像露光ステーション113と現像ステーション114と画像形成エレメント−クリーニング装置115とを備えた印刷ユニット110を有している。画像形成エレメント111は、感光ドラムまたは感光ベルトのような感光体を備えることができる。露光ステーション113は、LED−キャラクタジェネレータ(LED-Zeichengenerator)またはレーザであってよい。現像ステーション114は、電気泳動式の液体現像ステーションとして実現することができる。
【0062】
たとえば現像ステーション114は現像ローラを備えており、現像ローラ114は液体現像剤を画像形成エレメント111に搬送し、それも画像形成エレメント111上のトナー堆積(被着)が画像形成エレメント111の速度とは無関係であるように搬送する。液体現像剤として高抵抗の液体キャリア(Traegerfluessigkeit;液体支持剤)を設けることができ、液体キャリアにトナー粒子が分散されている。たとえばこのような液体キャリアはシリコーン油である。トナー粒子は、有利には約0.1μmの直径を有することができる。
【0063】
さらに液体現像剤におけるトナー濃度は、現像ローラと画像形成エレメント111との間の現像ギャップで以下の程度のトナー粒子が存在するように選択されていて、つまり現像ギャップに存在する全てまたはほぼ全てのトナー粒子が完全に被着した状態で、電荷像の所望の着色が行われる程度のトナー粒子が存在するように選択されている。有利には現像ギャップは5〜10μmが望ましく、現像ギャップにおけるトナー粒子の運動性は次のようになっていて、つまり現像ギャップにトナー粒子が存在する間、できるだけ全てのトナー粒子が、着色しようとする画像形成エレメント111上に発生される電界強さの影響下で、現像ギャップを移行して、画像形成エレメント111の着色しようとする表面に堆積されるようになっている。
【0064】
有利な現像ステーション114は、以下の構造(図4参照)を有している。
−画像形成エレメント111(F)に隣接して現像ローラ203が配置されており、現像ローラ203は、トナー粒子を含有する液体現像剤を、画像形成エレメント111(F)に案内して、液体現像剤から、予め形成された電荷像に応じて、画像形成エレメント111(F)にトナー粒子が移行する。
−現像ローラ203に隣接してラスタローラ202が配置されており、ラスタローラ202のラスタで液体現像剤は現像ローラ203に搬送される。
−ラスタローラ202に隣接して、調量ドクタR2を備えたチャンバ型ドクタ201が配置されており、ラスタローラ202は、調量ドクタR2を介してチャンバ型ドクタ201から液体現像剤を受け取る。ラスタローラ202に対するチャンバ型ドクタ201の位置は調節可能であり、チャンバ型ドクタ201は、調量ドクタR2が液体現像剤に浸漬されるように形成されている。
【0065】
さらに印刷装置100は、転写エレメント121、有利には転写ローラまたは転写ベルトと、単数または複数のローラを備えた転写ステーション123とから成る転写ユニット120を備えている。転写ステーション123は、転写補助手段、有利にはコロナ放電装置と組み合わせることができる。
【0066】
さらに転写ユニット120は、トナー像−状態調整ステーション122、有利には転写エレメント121と接触する、場合によっては電気的に調節可能であるか、または温度調整可能であるローラまたはベルトを備えることができる。さらに転写ユニット120は、転写エレメント121をクリーニング(除電)するためのクリーニングステーション124を備えることができ、クリーニングステーション124は、たとえばブレード式、ローラ式または不織布式−クリーナとして実現される。
【0067】
さらに印刷装置100は、パワーエレクトロニクス131およびデジタルエレクトロニクス132を備えた印刷装置−制御ユニット130を備えている。パワーエレクトロニクス131は、印刷ユニット110もしくは転写ユニット120のモータ制御装置および高電圧供給部に対応配置されており、デジタルエレクトロニクス132、たとえばマイクロプロセッサ制御装置は、中央制御装置400(図7参照)と協働して、プロセス調整を実現するのに役立ち、有利には印刷ユニット110もしくは転写ユニット120のセンサに対するインタフェイス制御を含んだ信号処理に役立つ。
【0068】
さらに印刷装置100は、着色剤−供給ステーション141および/または有利には紙湿潤のための被印刷物−状態調整ステーション142および/または有利には現像ステーションまたはコロナ放電装置のためのフィルタ−吸着ステーション143を備えた副−補助プロセスユニット140を有している。
【0069】
さらに印刷装置100は、画像データ処理ユニット150、コントローラを備えている。
【0070】
モジュール構造化された印刷装置の構成
エンドレス−被印刷物ウェブ1(Continuous Feet)を印刷するための印刷機構の構造は、図7に示した。ここでは印刷装置100は、満たすべき役割に応じた数で可変に相前後して配置されている。複数の印刷装置100にとって共通の被印刷物案内装置200が設けられている。被印刷物案内装置200は、印刷装置100の内側における被印刷物案内ユニット220および/または被印刷物ウェブ−張力形成ステーション211および/または被印刷物ウェブ−方向調整ステーション212および/または被印刷物ウェブ−排出ステーション213を備えている。
【0071】
被印刷物ウェブ−張力形成ステーション211は、負圧制動装置(Unterdruckbremse)またはオメガ−引張装置(Omega-Zug)であってよく、これは印刷システムの入口に配置されている。被印刷物ウェブ−方向調整ステーション212は、旋回枠(Schwenkrahmen)として実現することができ、これも同様に印刷システムの入口に配置されている。被印刷物ウェブ−排出ステーション213は、搬送ローラ対であってよく、これは印刷システムの出口に配置されている。
【0072】
印刷装置100の間および/または印刷システムの出口に、少なくとも1つの印刷画像状態調整ユニットを設けることができる。印刷装置100の間に、印刷画像状態調整ユニットとして、それぞれ中間定着装置231に関するユニットを配置することができ、印刷システムの出口に定着ステーション232、有利には赤外放射定着装置または熱−圧力−定着装置を配置することができる。中間定着装置231に関するユニットは、たとえば電気泳動原理に基づいて作動する印刷装置100では、省略することもできる。
【0073】
さらに印刷システムの出口に光沢化ステーション233を設けることもできる。
【0074】
被印刷物案内装置200を制御するために、少なくとも1つの電子制御装置240が設けられおり、
−有利には被印刷物案内装置200の内側における高電圧供給部およびモータ制御装置のためのパワーエレクトロニクス241を備えており、
−かつ/または中央制御装置400と協働して被印刷物案内の制御または調整に関する調整進行を実現するため、かつ/または被印刷物案内装置200、転写ユニット123ならびに印刷画像−状態調整ユニット231,232,233のセンサに対するインタフェイスの制御を含む信号処理のためのデジタルエレクトロニクス242(たとえばマイクロプロセッサ制御装置)を備えている。
【0075】
個別シート(Cut Sheet)を印刷するためのモジュール構造の印刷装置の構成は、図8から理解することができる。図7とは異なる構成要素についてのみ以下に説明する。同一構成要素については、図7に関する記載を参照されたい。ここで述べておくと、200番台の符号の代わりに300番台の符号で、対応する構成要素を示した。
【0076】
図7との1相違点は、被印刷物案内装置300にみられる。被印刷物案内装置300は、個別シート/枚葉紙印刷に適するものとなっている。被印刷物案内装置300は、搬送ベルト311を備えた被印刷物案内ユニット310を有しており、搬送ベルト311に個別シートまたは枚葉紙1が載設され、搬送ベルト311によって個別シートまたは枚葉紙1は印刷システムを通って運動される。さらに制御ユニット340が設けられており、制御ユニット340の役割は制御ユニット240に相当する。制御ユニット240の記載を参照されたい。
【0077】
図7に示した印刷機構と同様に、図8に示した印刷機構でも中央制御装置400が設けられている。中央制御装置400は、
−中央パワーエレクトロニクス410、
−中央電子印刷−制御ユニット420、
を備えている。
【0078】
中央制御ユニット420は、
−被印刷物−前処理および後処理装置に対するインタフェイス、
−および/または印刷装置100に対するインタフェイス、
−および/または被印刷物案内装置200または300に対するインタフェイス、
−および/または印刷システムにおける全ての進行ならびに共通の印刷経路を時間正しく調整するための中央印刷制御装置、
を制御する。
【0079】
中央パワーエレクトロニクス410は、回路網電圧−スイッチシステム、安全システムならびに印刷システムの中央電流供給装部を備えている。
【0080】
C)本発明の第3の観点:可変の印刷速度を有するエレクトログラフィ式の印刷機構
図6に示した実施例では、印刷装置100は、欧州特許第0727720号明細書から公知のような、エレクトログラフィ式の印刷装置として形成されている。印刷装置は、画像形成エレメント111と帯電ステーション112と画像露光ステーション113と現像ステーション114と画像形成エレメント−クリーニングステーション115とを備えた印刷ユニット110を有している。画像形成エレメント111は、感光体、たとえば感光ドラムまたは感光ベルトを備えることができる。露光ステーション113は、LED−キャラクタジェネレータまたはレーザであってよい。現像ステーション114は、図2に示した電気泳動式の液体現像ステーションとして実現することができる。
【0081】
さらに印刷装置100は、転写エレメント121、有利には転写ローラまたは転写ベルトと、単数または複数のローラを備えた転写ステーション123とから成る転写ユニット120を備えている。転写ステーション123は、転写補助手段、有利にはコロナ放電装置と組み合わせることができる。
【0082】
さらに転写ユニット120は、トナー像−状態調整ステーション122を備えており、有利にはトナー像−状態調整ステーション122は、転写エレメント121と接触するローラまたはベルトであり、場合によっては電気的に調節可能であるか、または温度調整可能である。さらに転写ユニット120は、転写エレメント121をクリーニングするためのクリーニングステーション124を備えており、クリーニングステーション124は、たとえばブレード式−、ローラ式−または不織布式−クリーニング装置として実現可能である。
【0083】
さらに印刷装置100は、パワーエレクトロニクス131とデジタルエレクトロニクス132とを備えた印刷装置−制御ユニット130を有している。パワーエレクトロニクス131は、印刷ユニット110もしくは転写ユニット120の高電圧供給部およびモータ制御装置に対応配置されており、デジタルエレクトロニクス132、たとえばマイクロプロセッサ制御装置は、中央制御装置400と協働して、プロセス調整を実現するため(有利には印刷ユニット110もしくは転写ユニット120のセンサに対するインタフェイス制御を含んだ信号処理)に役立つ。
【0084】
さらに印刷装置100は、着色剤−供給ステーション141および/または有利には紙湿潤のための被印刷物−状態調整装置142および/または有利には現像ステーションまたはコロナ放電装置のためのフィルタ−吸着ステーション143を備えた副−補助プロセス−ユニット140を備えることができる。
【0085】
さらに印刷装置100は、画像データ処理ユニット150(コントローラ)を備えている。
【0086】
図4に示した現像ステーションEは、以下の構成要素を備えていて、つまり
−弾性的な被覆体206を有する現像ローラ203;
−凹部(セル)の配置されたラスタを有するラスタローラ202、複数のラスタローラを使用することもでき、ラスタは使用状況によって種々異なる形式で形成することができ;
−ラスタローラに対して位置変化可能なチャンバ型ドクタ201;
−クリーニングローラ204とクリーニングエレメント205とを有するクリーニング装置;
を備えている。
【0087】
現像ローラ203は、感光層の配置された画像支持エレメントF、たとえば感光ベルトまたはローラから成る感光体に接触する。画像支持エレメントFに電荷像が形成され、電荷像はトナー粒子で着色される。
【0088】
たとえば欧州特許第0756213号明細書または欧州特許第0727720号明細書から公知のように、着色剤(トナー粒子)の分散した、電子泳動式の現像に適した液体現像剤を使用することができる。液体現像剤は、現像ローラ203によって、画像支持エレメントFと現像ローラ203との間に形成される現像ギャップを通って搬送される。そこでトナー粒子は、前述の現像方法に応じて画像支持エレメントFに移行する。
【0089】
画像支持エレメントFを画像に応じてトナー粒子で着色するための液体現像剤の供給は、チャンバ型ドクタ201およびラスタローラ202を介して現像ローラ203に向かって行われる。現像ローラ203からの反転した残像の除去は、残像をクリーニングローラ204に転写して、クリーニングエレメント205、たとえばドクタを用いてクリーニングローラ204から液体現像剤を除去することによって行われる。クリーニング装置204,205から、除去された液体現像剤は、液体現像剤のための貯蔵容器に戻し案内することができる(図示せず)。
【0090】
現像ローラ203とラスタローラ202とクリーニングローラ204とは、有利には互いに一定の速度比(表面速度)で、有利には1:1:1の比で回転する。現像ローラ203の回転方向と画像支持エレメントFの回転方向とは正逆であってよく、現像ローラ203の回転方向とラスタローラ202の回転方向とは正逆であってよく、ならびに現像ローラ203の回転方向とクリーニングローラ204の回転方向とは正逆であってよい。現像ローラ203に、帯電したトナー粒子に対する所望の電界効果のための規定の電位を印加することができる。
【0091】
現像ローラ203は、弾性的な被覆体206を備えていて、かつ画像支持エレメントFとラスタローラ202とクリーニングローラ204とに接触する。
【0092】
ラスタローラ202は、ラスタで、画像支持エレメントFの速度に適合した、1〜40cm/m(ローラ表面に関して)の容量の液体現像剤を搬送するのに実現されている。液体現像剤の搬送は、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であり、つまりそれぞれ異なる印刷速度でも、面積単位あたり同量の液体現像剤を現像ローラ203に供給することができる。
【0093】
現像ローラ203と画像支持エレメントFとの間、現像ローラ203とクリーニングローラ204との間ならびに画像ローラ203とラスタローラ202との間の液体現像剤の移行に関する規定の作用域の形成は、種々異なる形式で達成することができ、つまり、
−有利には隣接するエレメント、たとえば画像支持エレメントF、ラスタローラ202またはクリーニングローラ204に対する弾性力調節に関する現像ローラ203の弾性的な被覆体206の規定の変形によって、
−現像ローラ203と画像支持エレメントFとの間、現像ローラ203とクリーニングローラ204との間ならびに現像ローラ203とラスタローラ202との間における液体現像剤の非圧縮性の層によって、
達成することができる。
【0094】
画像支持エレメントF上で現像された電荷像は、直接的に、または転写ローラを介して記録支持体に転写される。この過程については、たとえば欧州特許第0727720号明細書に記載されたような公知の形式で行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】画像支持エレメントに対する第1の位置における現像ステーションを示す図である。
【図2】画像支持エレメントに対する第2の位置における現像ステーションを示す図である。
【図3】画像支持エレメントに対する第3の位置における現像ステーションを示す図である。
【図4】ラスタローラに対するチャンバ型ドクタの様々な配置形式で現像ステーションを示す図である。
【図5】記録支持体の周りに設けられた複数の現像ステーションを備えた印刷モジュールを示す図である。
【図6】モジュールとして1印刷機構に統合することのできる個々の印刷装置を示す図である。
【図7】エンドレス−被印刷物ウェブを印刷するための印刷機構を示すである。
【図8】個々のシート(カットシート)を印刷するための印刷機構を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
F 画像支持エレメント
PM 印刷モジュール
E 印刷モジュールPMにおける現像ステーション
R1 チャンバ型ドクタの閉鎖ドクタ
R2 チャンバ型ドクタの調量ドクタ
1 記録支持体、最終画像支持体、被印刷物
2 変向ローラ
201 チャンバ型ドクタ
202 ラスタローラ
203 現像ローラ
204 クリーニングローラ
205 クリーニングエレメント
206 現像ローラの弾性的な被覆体
207 チャンバ型ドクタのチャンバ
300 転写ローラ
100 印刷装置
110 印刷ユニット(たとえば電気泳動式の印刷ユニット)
111 画像形成エレメント(たとえば感光体、OPC a−Si)
112 帯電ステーション(たとえばコロナ放電装置)
113 画像露光ステーション(たとえばLED−キャラクタジェネレータまたはレーザ)
114 現像ステーション(たとえば電気泳動式の液体現像ステーション)
115 画像形成エレメント−クリーニングステーション(たとえばブレード式−、ローラ式−および/または不織布式−クリーナ)
120 転写ユニット
121 転写エレメント(たとえば転写ローラまたは転写ベルト)
122 トナー像−状態調整ステーション(たとえば転写エレメントに接触するローラまたはベルト、場合によっては電気的に調節可能、場合によっては温度調整可能;コロナ放電装置;赤外放射ヒータ)
123 転写ステーション(場合によっては転写補助手段、たとえばコロナ放電装置と組み合わされた、たとえば単数または複数のローラ)
124 転写エレメント−クリーニングステーション(たとえばブレード式−、ローラ−式−および/または不織布式−クリーナ)
130 パワーエレクトロニクス(たとえばモータ制御装置および/または高電圧供給部)
131 デジタルエレクトロニクス(たとえば中央制御装置400と協働して複雑なプロセス調整を実現するため、場合によっては印刷ユニット110もしくは転写ユニット120のセンサに対するインタフェイスを含む信号処理のためのマイクロプロセッサ制御装置(HWおよびSW))
140 副−補助プロセス−ユニット、
141 着色剤−供給ステーション(たとえば電気泳動式の現像ステーション用)、
142 被印刷物−調整ステーション(たとえば紙湿潤用)
143 フィルタ−吸着ステーション(たとえば現像ステーション用またはコロナ放電装置用)
150 画像データ−処理ユニット(コントローラ)
200 エンドレス−被印刷物ウェブ(Continuous Feet)のための被印刷物案内装置
211 被印刷物ウェブ−張力形成ステーション(たとえば負圧制動装置またはオメガ−引張装置)
212 被印刷物ウェブ−方向調整ステーション(たとえば旋回枠)
213 被印刷物ウェブ−排出ステーション(たとえば搬送ローラ対)
220 被印刷物案内ユニット
221 転写ステーション(123と同じ)
230 印刷画像−状態調整ユニット
231 中間状態調整−ステーション(たとえば中間定着装置、シリコーン油除去装置)
232 定着ステーション(たとえば赤外放射定着装置、熱−圧力−定着装置)
233 光沢化−ステーション
240 被印刷物案内装置−電子制御ユニット
241 パワーエレクトロニクス(たとえばモータ制御装置および高電圧供給部)
242 デジタルエレクトロニクス(たとえば中央制御装置400と協働して被印刷物案内の制御および/または調整に関する調整進行を実現するため、場合によっては被印刷物案内ユニット220ならびに印刷画像−状態調整−ユニット230のセンサに対するインタフェイスを含む信号処理のためのマイクロプロセッサ制御装置(HWおよびSW))
300 個別シート/枚葉紙(Cut Sheet)印刷のための被印刷物案内装置
310 被印刷物案内ユニット
311 個別シート−搬送エレメント(場合によっては規定の形式で調節された電気式の案内性を有するたとえば搬送ベルト)
320 転写ユニット、
321 転写ステーション(123と同じ)
330 印刷画像−状態調整ユニット
331 中間状態調整−ステーション(たとえば中間定着装置、シリコーン油−除去装置)
332 定着ステーション(たとえば赤外放射定着装置、熱−圧力−定着装置)
333 光沢化−ステーション
340 被印刷物案内装置−電子制御ユニット
341 パワーエレクトロニクス(たとえばモータ制御装置および高電圧供給部)
342 デジタルエレクトロニクス(中央制御装置400と協働して被印刷物案内の制御および/または調整に関する調整進行を実現するため、場合によっては被印刷物案内ユニット310、転写ユニット320ならびに印刷画像−状態調整−ユニット330のセンサに対するインタフェイスを含む信号処理のためのたとえばマイクロプロセッサ制御装置(HWおよびSW))
400 中央制御装置
410 中央パワーエレクトロニクス
411 回路網電圧−スイッチおよび安全システム
412 印刷装置および被印刷物案内装置200,300のための中央給電部
420 印刷機−中央電子制御ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動式のデジタル印刷において画像支持エレメントに液体現像剤を搬送するための装置において、
−画像支持エレメント(F)に隣接して現像手段(203)が配置されており、該現像手段(203)が、トナー粒子を含有する液体現像剤を画像支持エレメント(F)に案内するようになっており、液体現像剤から、予め形成された電位像に応じて、トナー粒子が、画像支持エレメント(F)に移行するようになっており、
−現像手段(203)に隣接してラスタ手段(202)が配置されており、該ラスタ手段のラスタで、液体現像剤が、現像手段(203)に搬送されるようになっており、
−ラスタ手段(202)に隣接して、調量ドクタ(R2)を有するチャンバ型ドクタ(201)が配置されており、チャンバ型ドクタ(201)によって、ラスタ手段(202)が、調量ドクタ(R2)を介して液体現像剤を受け取るようになっており、ラスタ手段(202)に対するチャンバ型ドクタ(201)の位置が調節可能になっており、調量ドクタ(R2)が液体現像剤に溢流されるように、チャンバ型ドクタ(201)が形成されていることを特徴とする、電気泳動式のデジタル印刷において画像支持エレメントに液体現像剤を搬送するための装置。
【請求項2】
調量ドクタ(R2)が重力に基づいて液体現像剤に溢流されるように、チャンバ型ドクタ(201)が、ラスタ手段(202)に対して配置されている、請求項1記載の装置。
【請求項3】
液体現像剤が、チャンバ型ドクタ(201)内で正圧にさらされており、調量ドクタ(R2)が、液体現像剤に溢流されている、請求項1記載の装置。
【請求項4】
現像手段(203)に隣接して、反転した残像を有する液体現像剤を現像手段(203)から除去するために、クリーニング装置(204,205)が配置されており、該クリーニング装置(204,205)が、残像を受け取るようになっている、請求項1から3までのいずれか1項記載の装置。
【請求項5】
クリーニング装置が、クリーニングローラ(204)を備えている、請求項4記載の装置。
【請求項6】
液体現像剤が、クリーニングローラ(204)から、クリーニングエレメント(205)、たとえばドクタによって、除去されるようになっている、請求項5記載の装置。
【請求項7】
現像手段(203)が、現像ローラである、請求項1から6までのいずれか1項記載の装置。
【請求項8】
調量手段(202)が、ラスタローラである、請求項1から7までのいずれか1項記載の装置。
【請求項9】
ラスタローラから搬送される液体現像剤の量が、ラスタローラ(202)のラスタによって規定されている、請求項8記載の装置。
【請求項10】
現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とが、一定の速度比(表面速度)で回転するようになっている、請求項7から9までのいずれか1項記載の装置。
【請求項11】
現像ローラ(203)と、ラスタローラ(202)と、クリーニングローラ(204)とが、1:1:1の比で回転するようになっている、請求項10記載の装置。
【請求項12】
現像ローラ(203)の表面の運動方向と画像支持エレメント(F)の表面の運動方向とが、正方向または逆方向である、請求項7から11までのいずれか1項記載の装置。
【請求項13】
現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とが、互いに正方向または逆方向で回転するようになっている、請求項7から12までのいずれか1項記載の装置。
【請求項14】
現像ローラ(203)とクリーニングローラ(204)とが、互いに正方向または逆方向で回転するようになっている、請求項7から13までのいずれか1項記載の装置。
【請求項15】
現像ローラ(203)および画像支持エレメント(F)に、それぞれ帯電したトナー粒子に作用する所望の電界効果のための電位が印加されるようになっている、請求項7から14までのいずれか1項記載の装置。
【請求項16】
現像ローラ(203)およびクリーニングローラ(204)に、それぞれ帯電したトナー粒子に作用する所望の電界効果のための電位が印加されるようになっている、請求項7から15までのいずれか1項記載の装置。
【請求項17】
現像ローラ(203)が、弾性的な被覆体(206)を備えており、該被覆体(206)が、画像支持エレメント(F)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とに接触している、請求項7から16までのいずれか1項記載の装置。
【請求項18】
ラスタローラ(202)による液体現像剤の搬送が、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であり、それぞれ異なる印刷速度でも、常に面積単位あたり同量の液体現像剤が、現像ローラ(203)に案内されるようになっている、請求項7から17までのいずれか1項記載の装置。
【請求項19】
ラスタローラ(202)が、ラスタを有しており、該ラスタが、ローラ表面に関して1cm/m〜40cm/m、有利には5cm/m〜20cm/mの容量の液体現像剤の搬送を実現している、請求項18記載の装置。
【請求項20】
現像ローラ(203)と画像支持エレメント(F)とが、もしくは現像ローラ(203)とクリーニングローラ(204)とが、もしくは現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とが、互いに液体現像剤の規定の作用域を成すように配置されている、請求項7から19までのいずれか1項記載の装置。
【請求項21】
現像ローラ(203)の弾性的な被覆体(206)における規定の変形による作用域が、有利には隣接するエレメント(画像支持エレメント(F)、クリーニングローラ(204);ラスタローラ(202))に対する弾性力調節に関して形成されるようになっている、請求項20記載の装置。
【請求項22】
液体現像剤の非圧縮性の層が、現像ローラ(203)と画像支持エレメント(F)との間の間隔、もしくは現像ローラ(203)とクリーニングローラ(204)との間の間隔、もしくは現像ローラ(203)とラスタローラ(202)との間の間隔を規定している、請求項20記載の装置。
【請求項23】
チャンバ型ドクタ(201)が、ラスタローラ(202)の周面に装着されたチャンバ(207)と、チャンバ(207)をシールする2つのドクタ(R1,R2)、つまりラスタローラ(202)の回転方向でみてチャンバ(207)の入口に設けられた閉鎖ドクタ(R1)およびラスタローラ(202)の回転方向でみてチャンバ(207)の出口に設けられた調量ドクタ(R2)と、ラスタローラ(202)の縁部に接触する側方の2つのシールとを備えている、請求項7から22までのいずれか1項記載の装置。
【請求項24】
チャンバ(207)への液体現像剤の供給が、単数または複数の流入開口を通って、有利にはポンプを介して行われるようになっている、請求項23記載の装置。
【請求項25】
チャンバ(207)からの液体現像剤の流出が、流入開口または流出開口を通って行われるようになっている、請求項23または24記載の装置。
【請求項26】
流入開口または流出開口が、ラスタローラ(202)に対する組付位置で交換可能になっている、請求項25記載の装置。
【請求項27】
調量ドクタ(R2)がチャンバ(207)内で液体現像剤の表面下に位置するように、ラスタローラ(202)に対するチャンバ型ドクタ(201)の角度位置が制限されている、請求項23から26までのいずれか1項記載の装置。
【請求項28】
チャンバ(207)における幾分かの正圧の形成によって、高粘度の液体現像剤(たとえば1000mPa*S)の処理が簡単化されるようになっている、請求項23から27までのいずれか1項記載の装置。
【請求項29】
ラスタローラ(202)に沿ってチャンバ型ドクタ(201)の組付位置が可変である、請求項23から28までのいずれか1項記載の装置。
【請求項30】
現像ローラ(203)に沿ってクリーニング装置(204,205)の組付位置が可変である、請求項23から29までのいずれか1項記載の装置。
【請求項31】
電気泳動式の印刷機構において、
画像支持エレメント(F)に電位像を現像するために、請求項1から30までのいずれか1項記載の少なくとも1つの装置(現像ステーションE)が設けられていることを特徴とする、電気泳動式の印刷機構。
【請求項32】
現像ステーション(E)に、現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とが、互いに一定の角度を成して配置されており、現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)との相対配置形式を変えずに、画像支持エレメント(F)の周りに様々な角度位置で現像ステーション(E)が配置できるようになっている、請求項31記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項33】
−印刷モジュール(PM)が、現像ステーション(E)と画像支持エレメント(F)とを備えており、
−現像ステーション(E)に、現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とが、互いに一定の角度を成して配置されており、
−変向される記録支持体(1)に沿って、複数の印刷モジュール(PM)が、様々な角度位置で配置されており、チャンバ型ドクタ(201)とラスタローラ(202)と現像ローラ(203)との相対配置形式が、各現像ステーション(E)内で維持されている、請求項31または32記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項34】
印刷モジュール内で、画像支持エレメント(F)と記録支持体(1)との間に転写ローラ(121)が配置されている、請求項33記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項35】
画像支持エレメント(F)に対する現像ステーション(E)の角度位置もしくは記録支持体(1)に対する印刷モジュールの角度位置が、追加的に、ラスタローラ(202)に沿ってチャンバ型ドクタ(201)の角度位置が可変であることによって、拡張されている、請求項32、33または34記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項36】
複数の現像ステーション(E)が、デジタルカラー印刷機構に配置されている、請求項31から35までのいずれか1項記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項37】
同形に形成された複数の現像ステーション(E1,E2,E3,E4,E5)が、それぞれ異なる液体現像剤(たとえばそれぞれ異なるアプリケーション用)のために使用されるようになっている、請求項31から36までのいずれか1項記載の電気泳動式の印刷機構。
【請求項38】
電気泳動式のデジタル印刷において画像支持エレメントに液体現像剤を搬送する方法において、
画像支持エレメント(F)への液体現像剤の供給を、請求項1から30までのいずれか1項記載の搬送装置を用いて行うことを特徴とする、電気泳動式のデジタル印刷において画像支持エレメントに液体現像剤を搬送する方法。
【請求項39】
プロフェッショナルデジタル高速印刷のための、比較的複雑で様々な印刷機の構成を実現するのに適した、モジュール構造の印刷機構において、
−相前後して配置された複数の印刷装置(100)と共通の被印刷物案内装置(200,300)との組み合わせから成る印刷システムが設けられており、
−被印刷物前処理もしくは後処理用の機器が、印刷システムの上流側もしくは印刷システムの下流側に接続されており、
−印刷装置(100)および被印刷物案内装置(200,300)における進行を調整するための中央制御装置(400)が設けられている、
ことを特徴とする、モジュール構造の印刷機構。
【請求項40】
印刷装置(100)が、相互的に組み合わせ可能で、かつ簡単に取扱可能で同一構造のコンパクトなモジュールとして形成されている、請求項39記載の印刷機構。
【請求項41】
印刷装置(100)が、被印刷物(1)の幅に適合されている、請求項39または40記載の印刷機構。
【請求項42】
印刷装置(100)が、電気泳動式の印刷装置として形成されている、請求項39、40または41記載の印刷機構。
【請求項43】
印刷装置(100)が、それぞれ画像形成エレメント(111)と帯電ステーション(112)と画像露光ステーション(113)と現像ステーション(114)と画像形成エレメント−クリーニングステーション(115)とを備えた印刷ユニット(110)を有している、請求項42記載の印刷機構。
【請求項44】
画像形成エレメント(111)が、感光体、たとえば感光ドラム、感光ベルトを備えている、請求項43記載の印刷機構。
【請求項45】
画像露光エレメント(113)が、LED−キャラクタジェネレータまたはレーザである、請求項43または44記載の印刷機構。
【請求項46】
現像ステーション(114)が、電気泳動式の液体現像ステーションである、請求項43から45までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項47】
現像ステーション(114)が、現像ローラ(202)を備えており、該現像ローラ(203)が、液体現像剤を画像形成エレメント(111)に搬送するようになっており、それも画像形成エレメント(111)上のトナー堆積が画像形成エレメント(111)の速度とは無関係であるように搬送するようになっている、請求項46記載の印刷機構
【請求項48】
液体現像剤として、高抵抗の液体キャリアが設けられており、該液体キャリア内にトナー粒子が分散されている、請求項47記載の印刷機構。
【請求項49】
液体キャリアが、シリコーン油である、請求項48記載の印刷機構。
【請求項50】
現像ステーションが設けられており、
−画像形成エレメント(111)に隣接して現像ローラ(203)が配置されており、該現像剤ローラ(203)が、トナー粒子を含有する液体現像剤を、画像形成エレメント(111)に案内するようになっており、液体現像剤から、トナー粒子が、予め形成された電荷像に応じて、画像形成エレメント(111)に移行するようになっており、
−現像剤ローラ(203)に隣接してラスタローラ(202)が配置されており、該ラスタローラ(202)のラスタで、液体現像剤が現像剤ローラ(203)に搬送されるようになっており、
−ラスタローラ(202)に隣接して、調量ドクタ(R2)を備えたチャンバ型ドクタ(201)が配置されており、チャンバ型ドクタ(201)から、ラスタローラ(202)が、調量ドクタ(R2)を介して液体現像剤を受け取るようになっており、ラスタローラ(202)に対するチャンバ型ドクタ(201)の位置が調節可能であり、調量ドクタ(R2)が液体現像剤に溢流されるように、チャンバ型ドクタ(201)が形成されている、請求項39から49までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項51】
印刷装置(100)が、転写ユニット(120)を備えており、
−転写エレメント(121)、有利には転写ローラまたは転写ベルトが設けられており、
−単数または複数のローラを備えた転写ステーション(123)が設けられている、
請求項39から50までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項52】
転写ステーション(123)が、転写補助手段、有利にはコロナ放電装置と組み合わされている、請求項51記載の印刷機構。
【請求項53】
転写ユニット(120)が、トナー像−状態調整ステーション(122)、有利には転写エレメント(121)に接触し、場合によっては電気的に調節可能であるか、または温度調整可能であるローラまたはベルトを備えている、請求項51または52記載の印刷機構。
【請求項54】
転写ユニット(120)が、転写エレメント(121)をクリーニングするためのクリーニングステーション(124)を備えており、該クリーニングステーション(124)が、ブレード式−、ローラ式−または不織布式−クリーナを備えている、請求項51から54までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項55】
印刷装置(100)が、印刷装置−制御ユニット(130)を備えており、
−パワーエレクトロニクス(131)が設けられており、該パワーエレクトロニクス(131)が、印刷ユニット(110)もしくは転写ユニット(120)の高電圧供給部およびにモータ制御装置に対応配置されており、
−中央制御装置(400)と協働してプロセス調整を実現するため、有利には印刷ユニット(110)もしくは転写ユニット(120)のセンサに対するインタフェイス制御を含んだ信号処理のためのデジタルエレクトロニクス(132、たとえばマイクロプロセッサ制御装置)が設けられている、
請求項39から54までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項56】
印刷装置(100)が、副−補助プロセス−ユニット(140)を備えており、
−着色剤−供給ステーション(141)が設けられており、
−かつ/または有利には紙湿潤のための被印刷物−状態調整ステーション(142)が設けられており、
−かつ/または有利には現像ステーションまたはコロナ放電装置のためのフィルタ−吸着ステーション(143)が設けられている、
請求項39から55までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項57】
印刷装置(100)が、画像データ−処理ユニット(150、コントローラ)を備えている、請求項39から56までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項58】
被印刷物案内装置(200)が、エンドレス−被印刷物ウェブ(Continuous Feet)に適しており、
−被印刷物ウェブ−張力形成ステーション(211)が設けられており、
−かつ/または被印刷物ウェブ−方向調整ステーション(212)が設けられており、
−かつ/または被印刷物ウェブ−排出ステーション(213)が設けられている、
請求項39から57までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項59】
被印刷物ウェブ−張力形成ステーション(211)が、印刷システムの入口に配置された負圧制動装置またはオメガ−引張装置である、請求項58記載の印刷機構。
【請求項60】
被印刷物ウェブ−方向調整ステーション(212)が、印刷システムの入口に配置された旋回枠である、請求項58または59記載の印刷機構。
【請求項61】
被印刷物ウェブ−排出ステーション(213)が、印刷システムの出口に配置された搬送ローラ対である、請求項58から60までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項62】
少なくとも1つの印刷画像−状態調整ユニット(230)が設けられている、請求項39から61までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項63】
複数の印刷装置(100)の間に、印刷画像−状態調整ユニットとして、中間定着装置(231)に関するユニットが配置されている、請求項62記載の印刷機構。
【請求項64】
印刷システムの出口に、定着ステーション(232)、有利には赤外放射定着装置または熱−圧力−定着装置が設けられている、請求項62または63記載の印刷機構。
【請求項65】
印刷システムの出口に、光沢化ステーション(233)が設けられている、請求項39から64までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項66】
被印刷物案内装置(200)が、少なくとも1つの電子制御ユニット(240)を備えており、
−有利にはモータ制御装置および高電圧供給部のためのパワーエレクトロニクス(241)が設けられており、
−中央制御装置(400)と協働して被印刷物案内を制御または調整するための調整進行を実現するため、かつ/または被印刷物案内装置(200)、被印刷物案内ユニット(220)、転写ユニット(221)ならびに印刷画像−状態調整ユニット(230)を含んだ印刷物案内ユニット(220)のセンサに対するインタフェイスの制御を含んだ信号処理のためのデジタルエレクトロニクス(242,たとえばマイクロプロセッサ制御装置)が設けられている、
請求項39から65までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項67】
個別シート/枚葉印刷用の少なくとも1つの被印刷物案内装置(300)が設けられている、請求項39から66までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項68】
個別シート/枚葉印刷用の被印刷物案内装置(300)が、個別的なシートまたは枚葉紙の載設される搬送ベルト(311)を備えている、請求項67記載の印刷機構。
【請求項69】
中央制御装置(400)が設けられている、請求項39から68までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項70】
中央制御装置(400)が設けられており、
−中央パワーエレクトロニクス(410)が設けられており、
−少なくとも1つの印刷機−電子制御ユニット(420)が設けられており、
−かつ/または被印刷物−前処理および後処理装置に対するインタフェイス(421)が設けられており、
−かつ/または印刷装置(100)に対するインタフェイス(422)が設けられており、
−かつ/または被印刷物案内装置(200,300)に対するインタフェイス(424)が設けられており、
−かつ/または印刷システムにおける全ての進行ならびに印刷経路全体を時間正しく調整するための中央印刷機制御装置(425)が設けられている、
請求項69記載の印刷機構
【請求項71】
中央パワーエレクトロニクス(410)が、回路網電圧システム、スイッチシステム、安全システム、ならびに印刷システムの中央給電部を備えている、請求項70記載の印刷機構。
【請求項72】
電気泳動式の印刷機構において、
該印刷機構が、画像形成システムから成っており、該画像形成システムが、画像支持エレメント上に電子的な電荷像を形成するようになっており、電荷像が、現像ステーションによって、帯電した着色剤粒子(トナー粒子)により可視化され、可視化のあとで最終画像支持体に転写されて、画像支持体に定着されるようになっており、画像支持エレメント(F)の速度が、連続的に0から最終画像支持体(1)における印刷品質を損なうことのない限界速度までの速度で可変であることを特徴とする、電気泳動式の印刷機構。
【請求項73】
帯電強さが、画像支持エレメント(F)の速度に関して適合されている、請求項72記載の印刷機構。
【請求項74】
電子式のキャラクタ形成が、情報箇所および面積あたりのエネルギに関して、画像支持エレメント(F)の速度に適合されており、エレクトログラフィ式のプロセスでは、電荷像が、形状および電位値に関して、画像支持エレメント(F)の速度とは無関係に常に同一に形成されるようになっている、請求項72または73記載の印刷機構。
【請求項75】
画像支持エレメント(F)上の信号分布が画像支持エレメントの速度とは無関係に現像されるように、現像ステーションが形成されており、現像プロセスの間、画像支持エレメント(F)上の同じ電位分布が、電荷像に常に同じトナー分布を形成するようになっている、請求項72から74までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項76】
電荷像の現像が画像支持エレメントの速度とは完全には無関係でない場合、プロセスパラメータ、たとえば感光体電位、光エネルギ、現像剤ギャップ上の補助電位、トナー濃度が可変であり、それも画像支持エレメント(F)上のトナー像堆積がそれぞれ異なる速度でもほとんど同じになるように可変である、請求項75記載の印刷機構。
【請求項77】
直接的もしくは中間支持体を介する最終画像支持体(1)へのトナー像の転写が画像支持エレメント(F)の速度とは完全には無関係でない場合、プロセスパラメータ、たとえば画像支持エレメント(F)と最終画像支持体(1)との間、画像支持エレメント(F)と中間支持体との間、中間支持体と最終画像支持体(1)との間の補助電位が可変であり、それも最終支持エレメント上のトナー像堆積がそれぞれ異なる速度でもほぼ同じになるように可変である、請求項71から76までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項78】
影響を及ぼすプロセスパラメータが、単数または複数の調整プロセスを介して互いに結合されている、請求項76または77記載の印刷機構。
【請求項79】
画像支持体(F)の着色が、電気泳動原理に基づいて現像ステーションによって行われるようになっている、請求項72から78までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項80】
現像ステーション(200)に現像ローラ(203)が設けられており、該現像ローラ(203)が、液体現像剤を画像支持エレメントに搬送するようになっており、それも画像エレメント(F)上のトナー堆積が画像エレメントの速度とは無関係になるように搬送するようになっている、請求項79記載の印刷機構。
【請求項81】
液体現像剤として、高抵抗の液体キャリアが設けられており、液体キャリア内にトナー粒子が分散されている、請求項80記載の印刷機構。
【請求項82】
液体キャリアが、シリコーン油である、請求項81記載の印刷機構
【請求項83】
トナー粒子が、有利には約1μmの直径を有している、請求項81または82記載の印刷機構。
【請求項84】
現像剤ギャップに存在する全てのトナー粒子が完全に堆積した状態で電荷像の所望の着色が行われるような量のトナー粒子が現像剤ローラ(203)と画像支持エレメント(F)との間の現像ギャップに存在するように、液体現像剤のトナー濃度が選択されている、請求項72から83までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項85】
現像ギャップが、有利には5μmから10μmまでである、請求項84記載の印刷機構。
【請求項86】
現像ギャップにトナー粒子が存在する間に、できるだけ全てのトナー粒子が、着色しようとする画像支持エレメント上に形成される電界強さの影響下で現像剤ギャップを移行して、画像支持エレメントの着色しようとする表面に堆積されるように、現像剤ギャップにおけるトナー粒子の運動性が所与されている、請求項84または85記載の印刷機構。
【請求項87】
現像ステーションが設けられており、
−画像支持エレメント(F)に隣接して現像ローラ(203)が配置されており、該現像ローラ(203)が、トナー粒子を含有する液体現像剤を画像支持エレメント(F)に案内して、液体現像剤から、トナー粒子が、予め形成された電荷像に応じて、画像支持エレメント(F)に移行するようになっており、
−現像ローラ(203)に隣接してラスタローラ(202)が配置されており、該ラスタローラ(202)のラスタで、液体現像剤が、現像ローラ(203)に搬送されるようになっており、
−ラスタローラ(202)に隣接して、調量ドクタ(R2)を有するチャンバ型ドクタ(201)が配置されており、該チャンバ型ドクタ(201)から、ラスタローラ(202)が、調量ドクタ(R2)を介して液体現像剤を受け取るようになっており、ラスタローラ(202)に対するチャンバ型ドクタ(201)の位置が調節可能であり、調量ドクタ(R2)が液体現像剤に溢流されるように、チャンバ型ドクタ(201)が形成されている、請求項72から86までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項88】
調量ドクタ(R2)が重力に基づいて液体現像剤に溢流されるように、ラスタローラ(202)に対してチャンバ型ドクタ(201)が配置されている、請求項87記載の印刷機構。
【請求項89】
チャンバ型ドクタ(201)における液体現像剤が、正圧にさらされており、調量ドクタ(R2)が、液体現像剤に溢流されている、請求項87または88記載の印刷機構。
【請求項90】
現像ローラ(203)に隣接して、現像ローラ(203)から、反転した残像を有する液体現像剤を除去するために、クリーニングローラ(204,205)が配置されており、該クリーニングローラ(204,205)が、残像を受け取るようになっている、請求項80から89までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項91】
クリーニング装置が、クリーニングローラ(204)と、クリーニングエレメント(205)たとえばドクタとを備えており、該クリーニングエレメント(205)が、液体現像剤を、クリーニングローラから除去するようになっている、請求項90記載の印刷機構。
【請求項92】
ラスタローラ(202)による液体現像剤の搬送が、面積に関連していて、ひいては印刷速度とは無関係であり、それぞれ異なる印刷速度でも、常に面積あたり同量の液体現像剤が、現像ローラ(203)に案内されるようになっている、請求項87から91までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項93】
ラスタローラから搬送される液体現像剤量が、ラスタローラ(202)のラスタによって規定されている、請求項92記載の印刷機構。
【請求項94】
ラスタローラ(202)が、ラスタを有しており、該ラスタによって、ローラ表面に関して1cm/mから40cm/mまでの液体現像剤の容量の搬送が実現されるようになっている、請求項93記載の印刷機構。
【請求項95】
現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とが、一定速度比(表面速度)で回転するようになっている、請求項87から94までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項96】
現像ローラ(203)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とが、1:1:1の比で回転するようになっている、請求項95記載の印刷機構。
【請求項97】
現像ローラ(203)が、弾性的な被覆体(206)を備えており、該被覆体(206)が、画像支持エレメント(F)とラスタローラ(202)とクリーニングローラ(204)とに接触している、請求項87から96までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項98】
チャンバ型ドクタ(201)が、ラスタローラ(202)の周面に装着されたチャンバ(207)と、チャンバ(207)をシールするドクタ2つの(R1,R2)、つまりラスタローラ(202)の回転方向でみてチャンバ(207)の入口に設けられた閉鎖ドクタ(R1)およびラスタローラ(202)の回転方向でみてチャンバ(207)の出口に設けられた調量ドクタ(R2)と、ラスタローラ(202)の縁部に接触する側方の2つのシールとを備えている、請求項87から97までのいずれか1項記載の印刷機構。
【請求項99】
チャンバ(207)への液体現像剤の供給が、単数または複数の流入開口を通って、有利にはポンプを介して行われるようになっている、請求項98記載の印刷機構。
【請求項100】
チャンバ(207)からの液体現像剤の排出が、流入開口または流出開口を通って行われるようになっている、請求項98または99記載の印刷機構。
【請求項101】
請求項72から100までのいずれか1項記載の印刷機構を使用して、可変の速度で電気泳動式の印刷機構を運転する方法。
【請求項102】
電子式のキャラクタ発生を、画像支持エレメント(F)の速度に適合させ、エレクトログラフィ式のプロセスで、電荷像を、形状および電位値に関して、画像支持エレメント(F)の速度とは無関係に、常に一定の形式で形成する、請求項101記載の方法。
【請求項103】
面積あたりのエネルギおよび情報箇所に関して、帯電強さを、画像形成エレメント(F)の速度に適合させる、請求項101または102記載の方法。
【請求項104】
画像支持エレメント(F)上の信号分布を、画像支持エレメントの速度とは無関係に現像し、現像プロセスの間、画像支持エレメント(F)上の同じ電位分布が、常に電荷像に同じトナー分布を形成するように、現像ステーションを形成する、請求項101から103までのいずれか1項記載の方法。
【請求項105】
電荷像の現像が画像支持エレメント(F)の速度とは完全には無関係でない場合、プロセスパラメータ、たとえば感光体電位、光エネルギ、現像ギャップ上の補助電位、トナー濃度を変化させ、それもそれぞれ異なる画像支持エレメント(F)の速度でもトナー像堆積が実質的に同じであるように変化させる、請求項104記載の方法。
【請求項106】
直接的もしくは中間支持体を介する最終画像支持体へのトナー像の転写が画像支持エレメント(F)の速度とは完全には無関係でない場合、プロセスパラメータ、たとえば画像支持エレメント(F)と最終画像支持体との間、画像支持エレメント(F)と中間支持体との間、中間支持体と最終画像支持体との間の補助電位を変化させ、それもそれぞれ異なる速度でも最終画像支持体上のトナー像堆積が実質的に同じであるように変化させる、請求項101から105までのいずれか1項記載の方法。
【請求項107】
影響を及ぼす複数のパラメータを、単数または複数の調整プロセスを介して、互いに結合する、請求項105または106記載の方法。
【請求項108】
画像支持エレメント(F)上の電位像を、電気泳動原理に基づいて現像する、請求項101から107までのいずれか1項記載の方法。
【請求項109】
現像ステーション(E)において、現像ローラ(203)が、液体現像剤を画像支持エレメント(F)に搬送し、それも画像支持エレメント(F)上のトナー堆積が画像支持エレメントの速度とは無関係であるように搬送する、請求項108記載の方法。
【請求項110】
現像ギャップに存在する全てのトナー粒子が堆積した状態で電荷像の所望の着色が行われるような量のトナー粒子が現像ローラ(203)と画像支持エレメント(F)との間の現像ギャップに存在するように、液体現像剤におけるトナー濃度を選択する、請求項109記載の方法。
【請求項111】
現像ギャップにトナー粒子が存在する間、できるだけ全てのトナー粒子が、着色しようとする画像支持エレメント(F)上に形成される電界強さの影響下で、現像ギャップを移行して、画像支持エレメント(F)の着色しようとする表面に堆積されるように、現像ギャップにおけるトナー粒子の運動性を選択する、請求項109または110記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2007−534976(P2007−534976A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−521535(P2006−521535)
【出願日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008530
【国際公開番号】WO2005/013013
【国際公開日】平成17年2月10日(2005.2.10)
【出願人】(397018925)オーセ プリンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (68)
【氏名又は名称原語表記】Oce Printing Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Siemensallee 2, D−85586 Poing, Germany
【Fターム(参考)】