説明

電池の製造方法、電池、車両および電子機器

【課題】各機能層間における剥離を防止しつつ、かつ特性の良好な電池を製造するための技術およびこれにより製造される電池および該電池を備える各種機器を提供する。
【解決手段】基材の表面に、それぞれ当該機能層の材料を含む塗布液を塗布することにより、負極集電体層(ステップS101)、負極活物質層(ステップS102)、高分子電解質層(ステップS103)、正極活物質層(ステップS104)および正極集電体層(ステップS105)を順次積層する。各層がいずれも塗布によって形成されるので、各層間の密着性が良好で、層間の剥離を生じにくい。また、活物質層を所定の立体的構造を有するパターンに塗布することにより、活物質の使用量に対する表面積を大きくして電池としての特性を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、活物質層間に電解質層を介在させてなる電池の製造方法、該構造を有する電池および該電池を備える機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えばリチウムイオン電池のような化学電池を製造する方法としては、従来より、正極活物質および負極活物質をそれぞれ付着させた集電体としての金属箔をセパレータを介して重ね合わせ、セパレータに電解液を含浸させる技術が知られている。このような電池においては、互いに異なる各機能層間の密着性が電池の性能に影響を及ぼす。特に、集電体となる金属箔と、主に小粒子の形態で供給される活物質材料との間では密着性があまり良くなく、これに起因して集電体層と活物質層との間における電気伝導性が低下したり、これらの層の間で剥離が生じやすいなどの問題がある。
【0003】
この問題に対応するため、例えば特許文献1には、活物質材料に添加することで集電体箔との密着性を向上させるための各種のバインダ材料が開示されている。また、特許文献2に記載の技術では、集電体層と活物質層との間に剥離防止のための密着層を設けている。また、特許文献3に記載の技術では、金属箔集電体表面に活物質を含むペーストを塗布して活物質層を形成し、その後これをロールプレスすることで金属箔と活物質とを密着させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−009917号公報(例えば、段落0012)
【特許文献2】特開2002−304997号公報(例えば、図1)
【特許文献3】特開平11−185736号公報(例えば、図10)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1および2に記載の技術では、電池としての機能に直接寄与しない材料を活物質層に多く混入させることになるため、完成後の電池としての性能という点で必ずしも十分なものが得られない。また、この種の電池構造においては活物質層の表面に凹凸パターンのような立体的構造を設けることで表面積を増大させて充放電特性を向上させようとする技術思想があるが、特許文献3に記載の技術ではこのような立体的構造が破壊されてしまうため、このような技術思想に適用することが困難である。
【0006】
このように、従来の技術においては、集電体層と活物質層との間における剥離を防止しつつ、かつ特性の良好な電池を製造するための技術が確立されるには至っていなかった。
【0007】
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、各機能層間における剥離を防止しつつ、かつ特性の良好な電池を製造するための技術およびこれにより製造される電池および該電池を備える各種機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明にかかる電池の製造方法は、上記目的を達成するため、基材の表面に第1集電体の材料を含む塗布液を塗布して第1集電体層を形成する第1集電体層形成工程と、前記第1集電体層の表面に第1活物質の材料を含む塗布液を塗布して第1活物質層を形成する第1活物質層形成工程と、前記第1活物質層の表面に固体電解質の材料を含む塗布液を塗布して電解質層を形成する電解質層形成工程と、前記電解質層の表面に第2活物質の材料を含む塗布液を塗布して第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、前記第2活物質層の表面に第2集電体の材料を含む塗布液を塗布して第2集電体層を形成する第2集電体層形成工程とを備えることを特徴としている。
【0009】
このように構成された発明では、電池を構成するために必須の構成である、第1集電体層、第1活物質層、電解質層、第2活物質層および第2集電体層の各機能層がいずれも塗布によって形成される。つまり、各機能層が、当該層の材料物質を含む塗布液を順次塗り重ねることによって形成される。このため、上記した金属箔と塗布による層との間で生じる密着性の問題はほとんどなく、各機能層間における剥離を防止しつつ、かつ特性の良好な電池を製造することができる。
【0010】
また、この発明では、塗布のパターンを変えることによって様々な形状や大きさの電池を製造することが可能であり、このような塗布パターンの変更をプログラム等によって行うようにすれば、種々の形状の電池を同一の装置構成で製造することが可能である。このため、種々のニーズに応える電池を低コストで製造することができる。
【0011】
ここで、例えば、第1活物質層形成工程では、第1集電体層の表面にライン状に第1活物質の材料を含む塗布液を塗布してライン状の第1活物質層を形成するようにしてもよい。このようにすると、その表面に凹凸形状を持たせた第1活物質層を形成することができ、第1活物質の使用量に対する表面積を増大させて、電池としての充放電特性を向上させることができる。この場合、第1集電体層に対する第1活物質層の接触面積が小さくなるため、特に上記のような剥離の問題が顕著となり得る。しかしながら、この発明では第1集電体層も塗布により形成したものであるため、第1集電体層と第1活物質層との密着性は良好でありこのような問題は生じない。
【0012】
この場合において、例えば第1集電体層の表面に対して相対移動するノズルから第1活物質の材料を含む塗布液を吐出させるようにしてもよい。このような、いわゆるノズルスキャン方式の塗布方法によれば、微細なパターンを塗布により形成する技術が確立されており、この技術を適用することで微細な立体的構造を有する第1活物質層を形成することが可能である。これにより、第1活物質層の表面積を大きくして電池性能を向上させることができる。
【0013】
また、例えば、電解質層形成工程では、表面が第1活物質層表面の凹凸に倣った凹凸を有する電解質層を形成するようにしてもよい。このようにすると、その後に電解質層に積層される第2活物質層が、電解質層を介して第1活物質層と広い面積で対向することとなるので、電池としての性能、特に充放電特性をさらに向上させることができる。
【0014】
この発明においては、例えば、第1集電体層形成工程では、基材の表面に互いに離隔した複数の第1集電体層を形成するようにしてもよい。こうして形成された複数の第1集電体層のそれぞれに対し、第1活物質層以降の各機能層を順次形成してゆくことで、基材表面に複数の電池(ユニットセル)を同時に形成することができる。これらのユニットセルは必要に応じて基材上で相互に接続したり切り離して使用することが可能であり、この意味において本発明は電池の大量生産に適した技術である。
【0015】
また、電子機器の筐体を本発明の基材として電池を製造するようにしてもよい。このようにすると、電子機器の筐体に電池を直接作り込むことが可能である。例えばICカードのキャリアのようなカード状あるいはシート状の基材に直接塗布液を塗布して電池を組み込むことが可能となり、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。
【0016】
ところで、上記したような金属箔と塗布による層との剥離の問題は、箔の表面に塗布液を塗布した場合よりも、塗布により形成された層に後から箔を積層した場合に特に顕著である。この意味においては、特に第2活物質層に第2集電体層を積層するプロセスにおいて、両者間の密着性を高めることが重要である。
【0017】
そこで、この発明にかかる電池の製造方法の他の態様は、上記目的を達成するため、第1集電体層、第1活物質層および電解質層を積層してなる積層体の前記電解質層側表面に、第2活物質の材料を含む塗布液を塗布して第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、前記第2活物質層の表面に第2集電体の材料を含む塗布液を塗布して第2集電体層を形成する第2集電体層形成工程とを備えることを特徴としている。
【0018】
このように構成された発明では、塗布により形成された第2活物質層の表面に、第2集電体層が塗布により形成される。このため、第2活物質層の表面に金属箔を積層して第2集電体層を形成する場合に比べて、第2活物質層と第2集電体層との間の剥離やそれに起因する問題の発生を大幅に低減することが可能である。
【0019】
また、この発明にかかる電池は、上記目的を達成するため、第1集電体層、第1活物質層、電解質層、第2活物質層および第2集電体層を積層してなる構造を有し、上記したいずれかの電池の製造方法により製造されたことを特徴としている。このように構成された電池では、集電体層と活物質層との間で剥離が起こりにくいため、剥離に起因する特性の低下が防止される。また、このような構造は折り曲げや巻回に対する耐久性があるので、小型でエネルギー密度の高い電池を構成することができる。
【0020】
また、この発明にかかる車両は、上記目的を達成するため、上記した構造の電池を搭載したことを特徴としている。さらに、この発明にかかる電子機器は、上記目的を達成するため、上記構造の電池と、該電池を電源として動作する回路部とを備えることを特徴としている。これらの発明では、小型で高性能な電池を搭載した種々の車両または電子機器を構成することができる。また、特に、回路部を保持する筐体を有する電子機器において、電池が筐体を基材として製造された場合には、機器の小型化および低コスト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、いずれも塗布により形成した活物質層と集電体層とを積層しているので、金属箔集電体と活物質との密着性の悪さにより生じる剥離の問題がなく、剥離に起因する問題を抑えて特性の良好な電池を製造することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明にかかる電池の一実施形態を示す図である。
【図2】この実施形態におけるリチウムイオン二次電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。
【図3】スプレーコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図4】ナイフコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図5】ノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図6】ノズルスキャン法による負極活物質層形成の様子を模式的に示す図である。
【図7】スピンコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。
【図8】ナイフコート法による正極活物質塗布の様子を模式的に示す図である。
【図9】本発明にかかる電池を搭載した機器の一例としての車両を模式的に示す図である。
【図10】本発明にかかる電池を搭載した機器の他の例としての電子機器を模式的に示す図である。
【図11】基材上に複数の電池モジュールを構成した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1はこの発明にかかる電池の一実施形態を示す図である。より詳しくは、図1(a)は、この発明にかかる電池の一実施形態としてのリチウムイオン二次電池モジュール1の概観斜視図であり、図1(b)はその断面構造を示す図である。このリチウムイオン二次電池モジュール1は、例えばガラス基板、樹脂シート等の基材10の表面に、負極集電体層11、負極活物質層12、固体電解質層13、正極活物質層14および正極集電体層15を順番に積層した構造を有している。この明細書では、X、YおよびZ座標方向をそれぞれ図1(a)に示すように定義する。
【0024】
図1(b)に示すように、負極集電体層11は基材10上に形成された一様な薄膜である一方、負極活物質層12はY方向に沿って延びるライン状のパターン121がX方向に一定間隔を空けて多数並んだ、ラインアンドスペース構造となっている。各ライン状パターン121の寸法としては、その幅、高さとも例えば20μmないし200μmとすることができる。
【0025】
一方、固体電解質層13は固体電解質によって形成された連続する薄膜であり、上記のように負極集電体11上に負極活物質層12が形成されてなる積層体表面の凹凸に倣う(追従する)ように、該積層体上面のほぼ全体を一様に覆っている。固体電解質層13の厚さについては任意であるが、正負の活物質層間が確実に分離され、また内部抵抗が許容値以下となるような厚さであることが必要である。例えば20μmないし50μmとすることができる。なお、表面積を増大させるために設けた負極活物質層12の凹凸の意義を滅却しない、という観点からは、固体電解質層13の厚さt13が負極活物質層12の凹凸の高低差t12よりも小さいことが望ましい。
【0026】
また、正極活物質層14は、その下面側は固体電解質層13上面の凹凸に倣った凹凸構造を有するが、その上面は略平坦となっている。正極活物質層14の厚さとしては、例えば20μmないし100μmとすることができる。そして、このように略平坦に形成された正極活物質層14の上面に正極集電体15が積層されて、リチウムイオン二次電池モジュール1が形成される。このリチウムイオン二次電池モジュール1に適宜タブ電極が設けられたり、複数のモジュールが積層されてリチウムイオン二次電池が構成される。
【0027】
ここで、各層を構成する材料としては、リチウムイオン電池の構成材料として公知のものを用いることが可能であり、負極集電体層11、正極集電体層15としては、例えば銅、アルミニウムをそれぞれ用いることができる。また、正極活物質としては例えばLiCoO2(LCO)を主体とするものを、負極活物質としては例えばLi4Ti512(LTO)を主体としたものをそれぞれ用いることができる。また、固体電解質層13としては、例えばポリエチレンオキサイドおよびポリスチレンを用いることができる。なお、各機能層の材質についてはこれらに限定されるものではない。
【0028】
このような構造を有するリチウムイオン二次電池モジュール1は、薄型で折り曲げ容易である。また、負極活物質層12を図示したような凹凸を有する立体的構造として、その体積に対する表面積を大きくしているので、薄い固体電解質層13を介した正極活物質層14との対向面積を大きく取ることができ、高効率・高出力が得られる。このように、上記構造を有するリチウムイオン二次電池は小型で高性能を得ることができるものである。
【0029】
次に、上記したリチウムイオン二次電池モジュール1を製造する方法について説明する。従来、この種のモジュールは各機能層に対応する薄膜材料を積層することによって形成されてきたが、この製造方法ではモジュールの高密度化に限界がある。以下に説明する製造方法では、少ない工程で、上記のような優れた構造を持つリチウムイオン二次電池モジュール1を製造することが可能である。
【0030】
図2はこの実施形態におけるリチウムイオン二次電池モジュールの製造方法を示すフローチャートである。なお、この実施形態では基材10上に各機能層を順次塗布により形成することでリチウムイオン二次電池モジュール1を製造するが、各層を形成するための塗布技術自体は公知のものを適用することができるので、以下では塗布方法の概念を簡単に説明するに留め、塗布装置の詳しい構成についての説明を省略する。この製造方法では、まず基材10となるガラス基板や樹脂シートなどの適宜の平板材料を用意し、その表面に例えばスプレーコート法により負極集電体材料を含む塗布液を塗布して(ステップS101)、基材10の表面に負極集電体層11を形成する。
【0031】
図3はスプレーコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。スプレーコート法では、塗布対象物である基材10の上方に配置したノズル20から、負極集電体11の材料となる例えば銅粉末を含む塗布液(例えば導電性ペースト)の飛沫20pを噴射させ、これを基材10の表面に均一に付着させることで、厚さが略一定の負極集電体層11を形成する。負極集電体層の形成方法はスプレーコート法に限定されず、例えば以下に例示するように、ナイフコート法、ノズルスキャン法などの塗布方法も用いることができる。
【0032】
図4はナイフコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。ナイフコート法によって塗布液を塗布するための塗布装置(ナイフコータ)は、X方向に移動自在に構成されて塗布液を吐出する吐出ノズル21と、吐出ノズル21から吐出された塗布液21pを基材10の表面に沿って均すナイフ状のブレード22と、該ブレード22を支持する支持ブロック23をY方向に水平移動させる移動機構24とを備えている。X方向に移動する吐出ノズル21が塗布液21pを基材10上に吐出すると、下端部が基材10表面と所定のギャップを隔てて支持されたブレード22が支持ブロック23と共に移動機構24の作動によりY方向に水平移動することで、塗布液が基材10上で平らに均されて、基材10の上面に薄く均一な負極集電体層11が形成される。ナイフコータとしては、例えば特開平07−289973号公報に記載のものを用いることができる。
【0033】
図5はノズルスキャン法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。ノズルスキャン法による塗布では、負極集電体材料を含む塗布液を連続的に吐出する吐出ノズル27を基材10上でY方向に往復走査移動させながら、1走査ごとにX方向に少しずつ位置を変えてゆく。このとき、X方向への吐出ノズル27の送りピッチは、該吐出ノズル27から吐出される塗布液27pの幅とほぼ等しくなるようにする。吐出ノズル27の吐出口径としては、例えば0.2mm〜1mm程度とすることができる。こうすることによっても、基材10のほぼ全面に、厚さが略一定な負極集電体層11を形成することが可能である。
【0034】
次に、こうして基材10の表面に負極集電体層11が形成されてなる積層体に対して、負極活物質材料を含む塗布液をノズルスキャン法によりライン状に塗布して負極活物質層12を形成する(ステップS102)。前記したように、負極活物質層12は、略平坦な負極集電体層11の表面に形成された、互いに平行な複数のライン状パターン121からなっている。このようなライン状パターンを形成するための塗布方法としては、ノズルスキャン法が最も適している。
【0035】
塗布液としては、例えば、前記した負極活物質を含む有機系LTO材料(有機・無機複合材料)を用いることができる。塗布液には、負極活物質の他に、導電助剤としてのアセチレンブラックまたはケッチェンブラック、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)、スチレンブタジエンラバー(SBR)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)またはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、溶剤としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などを混合したものを用いることができる。なお、負極活物質材料としては上記したLTOの他に例えば黒鉛、金属リチウム、SnO2、合金系などを用いることが可能である。
【0036】
図6はノズルスキャン法による負極活物質層形成の様子を模式的に示す図である。より詳しくは、図6(a)はノズルスキャン法による負極活物質材料を含む塗布液の塗布の様子をX方向から見た図、図6(b)および図6(c)は同じ様子をそれぞれY方向、斜め上方から見た図である。
【0037】
この場合のノズルスキャン法では、上記有機系LTO材料を塗布液として吐出するための吐出口312を有する吐出ノズル311をX方向に沿って複数配設されたシリンジポンプ31を塗布対象物の上方に配置する。この場合の塗布対象物は、基材10に負極集電体層11が積層されてなる積層体100であり、塗布対象面はそのうち負極集電体層11が形成された側の面である。吐出ノズル311を積層体100の上方に配置し、吐出口312から一定量の塗布液31pを吐出させながら、吐出ノズル311を積層体100に対し相対的に矢印方向Dn2(Y方向)に一定速度で走査移動させる。
【0038】
こうすることで、積層体100上には塗布液31pがY方向に沿ったライン状に塗布される。シリンジポンプ31に複数の吐出ノズル311を設けることで1回の走査移動で複数のストライプを形成することができ、必要に応じて走査移動を繰り返すことで、積層体100の全面にライン状に塗布液を塗布することができる。これを乾燥硬化させることで、積層体100の上面に負極活物質によるライン状パターン121が形成される。また、塗布後に加熱して乾燥を促進したり、塗布液に光硬化性樹脂を添加し塗布後に光照射して硬化させるようにしてもよい。
【0039】
この時点では、略平坦な負極集電体層11の表面に対して負極活物質層12を部分的に盛り上げた状態となっており、単に上面が平坦となるように塗布液を塗布する場合に比べて、活物質の使用量に対する表面積を大きくすることができるので、後に形成される正極活物質との対向面積を大きくして高出力を得ることができる。
【0040】
図2のフローチャートの説明を続ける。こうして形成された、負極集電体層11に負極活物質層12を積層してなる積層体の上面に対し、適宜の塗布方法、例えばスピンコート法により電解質材料を含む電解質塗布液を塗布する(ステップS103)。電解質塗布液としては、前記した高分子電解質材料、例えばポリエチレンオキシド、ポリスチレンなどの樹脂、支持塩としての例えばLiPF6(六フッ化リン酸リチウム)および溶剤としての例えばジエチレンカーボネートなどを混合したものを用いることができる。
【0041】
図7はスピンコート法による材料塗布の様子を模式的に示す図である。基材10上の負極集電体層11にライン状パターン121からなる負極活物質層12を積層した積層体101は、鉛直方向(Z方向)の回転軸周りを所定の回転方向Drに回転自在の回転ステージ42に略水平に載置される。そして、回転ステージ42が所定の回転速度で回転し、回転ステージ42の回転軸上の上部位置に設けられたノズル41から高分子電解質材料を含む塗布液41pが積層体101に向かって吐出される。積層体101に滴下された塗布液は遠心力によって周囲に広がり、余分な液は積層体101の端部から振り切られる。こうすることで、積層体101の上面は薄く均一な塗布液によって覆われる。スピンコート法では、塗布液の粘度および回転ステージ42の回転速度によって膜厚を制御することができ、また本件積層体101のような表面に凹凸構造を有する被処理物に対してもその凹凸に沿った厚さの均一な薄膜を形成することについても十分な実績がある。
【0042】
再び図2に戻って、フローチャートの説明を続ける。こうして形成された、負極集電体層11、負極活物質層12、固体電解質層13を積層してなる積層体に対して、適宜の方法、例えば前記したナイフコート法により正極活物質を含む正極活物質塗布液が塗布されて、正極活物質層14が形成される(ステップS104)。正極活物質を含む塗布液としては、例えば、前記した正極活物質と、導電助剤としての例えばアセチレンブラック、結着剤としてのSBR、分散剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)および溶剤としての純水などを混合した水系LCO材料を用いることができる。正極活物質材料としては、上記したLCOの他、LiNiO2またはLiFePO4、LiMnPO4、LiMn24、またLiMeO2(Me=Mxyz;Me、Mは遷移金属、x+y+z=1)で代表的に示される化合物、例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/32、LiNi0.8Co0.15Al0.052などを用いることができる。また、塗布方法としては、ここに例示するナイフコート法のほか、バーコート法やスピンコート法のように、平面上に平坦な膜を形成することが可能な公知の塗布方法を適宜採用することができる。
【0043】
図8はナイフコート法による正極活物質塗布の様子を模式的に示す図である。基材10、負極集電体層11、負極活物質層12および固体電解質層13を積層してなる積層体102の表面に対して、正極活物質を含む塗布液52pが図示しないノズルから吐出される。積層体102の上面に近接配置されたブレード52はその下端を塗布液に接触させながら積層体上面を矢印方向Dn3に移動する。これにより、塗布液52pの上面が平らに均される。
【0044】
このようにして正極活物質を含む塗布液52pをブレード52により均しながら積層体102に塗布することで、下面が固体電解質層13の凹凸に沿った凹凸を有する一方、上面が略平坦な正極活物質層14が、基材10、負極集電体11、負極活物質層12、固体電解層13を積層してなる積層体102上に形成される。正極活物質層14の厚さとしては20μm〜100μmが適当である。
【0045】
図2に戻って、こうして形成された正極活物質層14の上面に、正極集電体15となる金属粉末、例えばアルミニウム粉末を含む塗布液を適宜の塗布方法、例えばスプレーコート法により塗布する(ステップS105)。負極集電体層11と同様に、ナイフコート法やノズルスキャン法により塗布を行ってもよい。これにより、正極活物質層14の上面に略均一の正極集電体層15が形成される。
【0046】
以上のように、この実施形態では、基材10の表面に、電池を構成する各機能層、すなわち負極集電体層11、負極活物質層12、固体電解質層13、正極活物質層14および正極集電体層15を積層するのに際して、これらの各層をいずれも塗布により形成している。より具体的には、各機能層の材料を含む塗布液を、当該機能層の形状に適した塗布方法でそれぞれ塗布することにより、図1に示す構造のリチウムイオン二次電池モジュール1を形成している。このように各機能層をいずれも塗布により形成することで、例えば集電体層として金属箔を用いた場合に比べて、各層間の密着度が高くなる。このため、各層間での電荷やイオンの移動がスムーズであり、このことは電池としての充放電特性の向上に寄与する。また、例えばモジュールを折り曲げた場合でも各層間での剥離が起こりにくく、剥離に起因する特性の低下を抑制して、優れた特性を安定して得ることができる。
【0047】
また、ノズルスキャン法によりラインアンドスペース構造を有する負極活物質層12を形成することにより、材料の体積に対して表面積の大きな負極活物質層12を構成することができる。ノズルスキャン法を用いた塗布によれば、例えば公知のインクジェット法に比べてはるかに多量の塗布液を連続的に吐出することができるので、高低差の大きな凹凸パターンを有する負極活物質層12を短時間で形成することができる。
【0048】
また、負極集電体層11表面のうち負極活物質層12に覆われない露出表面と負極活物質層12の表面とを塗布により形成した薄い固体電解質層13により覆い、さらにその表面に正極活物質層14を塗布により形成することで、負極活物質層12と正極活物質層14とが薄い電解質層13を介して広い面積で対向した構造を実現することができる。これにより、電解質層13を介したイオンおよび電荷の移動が高速で行われるので、イオン伝導度があまり高くない固体電解質を用いた場合でも良好な充放電特性を得ることができる。
【0049】
これらのことから、こうして製造されるリチウムイオン二次電池モジュール1は薄型で電気化学特性が良好である。そして、これを用いて構成される電池は有機溶剤を含まない全固体電池であり、取り扱いが容易であるとともに、小型で優れた性能を有するものである。このような電池は、電気自動車、電動アシスト自転車、電動工具、ロボットなどの機械類や、パーソナルコンピュータ、携帯電話や携帯型音楽プレイヤー、デジタルカメラやビデオカメラなどのモバイル機器、スマートICカード、ゲーム機、ポータブル型の測定機器、通信機器や玩具など各種の電子機器に使用することが可能である。
【0050】
以下に、本発明にかかる電池を搭載した機器の例について説明するが、これらは本実施形態の電池を応用しうる機器の態様の一部を例示するものであって、本発明にかかる電池の適用範囲がこれらに限定されるものではない。
【0051】
図9は本発明にかかる電池を搭載した機器の一例としての車両、具体的には電気自動車を模式的に示す図である。この電気自動車70は、車輪71と、該車輪71を駆動するモータ72と、該モータ72に電力を供給する電池73とを備えている。この電池73として、上記したリチウムイオン二次電池モジュール1を多数直並列接続した構成を採用することができる。このように構成された電池73は、高い電流供給能力を有するとともに短時間での充電が可能であるため、電気自動車70のような車両の駆動用電源として好適なものである。
【0052】
図10は本発明にかかる電池を搭載した機器の他の例としての電子機器、具体的にはICカード(スマートカード)を模式的に示す図である。より具体的には、図10は電子機器の一例としての電池内蔵型のICカードの外観斜視図である。このICカード80は、薄いプラスチック製のカード本体81に、本発明にかかる電池800、ICを含む回路ブロック82およびループ状のアンテナ83が作り込まれた構造となっている。
【0053】
アンテナ83は外部機器との間で電波を送受信して、外部機器と回路ブロック82とのデータ通信を担う。回路ブロック82は外部機器から受信したデータに対し所定のデータ処理を施したり、該データを記憶したり、送信すべきデータをアンテナ83に送出したりする。電池800は回路ブロック82が動作するための電源として機能する。
【0054】
電池800は前記したリチウムイオン二次電池モジュール1(図1)と同様の構成を有するものであり、カード本体81の内部に収容することができるほか、該カード本体81の表面に作り込むことが可能である。すなわち、カード本体81を基材として、その表面に負極集電体層を塗布により形成し、その上に活物質層、電解質層等の機能層を順次積層してゆくことで、カード本体81の表面に電池800を構成することができる。このような利用形態においては、電池の形成後に電池表面を覆う絶縁保護層をさらに設けることが望ましい。
【0055】
このような構成によれば、それ自身は電源を有さない一般的なICカードに比べて、外部機器との通信可能距離を拡張することができ、またより複雑な処理を行うことが可能となる。本発明にかかる電池800は小型・薄型で大容量を得ることができるので、このようなカード型の機器に好適に適用することができる。
【0056】
この他に、例えば温度センサや圧力センサ等の種々のセンサと電池とを一体的にモジュール化する場合にも本発明にかかる電池を好適に適用することが可能である。この場合、センサを動作させるためのみでなく、例えばセンサ出力を増幅する増幅器の電源として本発明にかかる電池を用いるようにすれば、小型で高出力であり雑音に強いセンサモジュールを構成することが可能となる。
【0057】
また、上記のようにして製造される電池は、各機能層がいずれも塗布により形成されるため、塗布方法を適宜に選択することにより、各機能層の塗布パターンや塗布面積を比較的自由に設定することが可能である。このことは、電池を種々の形状に形成することができることを意味しており、例えば当該電池が収容される筐体の寸法や形状に応じて種々の形状を有する電池モジュールを製造することが可能である。また、電池モジュールを工業的に生産するに際して、例えば次のような応用も考えられる。
【0058】
図11は基材上に複数の電池モジュールを構成した例を示す図である。図11(a)に示すように、例えばノズルスキャン法を用いて、1枚の基材10a上に複数の負極集電体層11aを形成し、同様のパターンで他の各機能層を順次積層してゆくことで、図11(b)に示すように、1枚の基材10a上にそれぞれ単独で電池(ユニットセル)として動作する複数の電池モジュール1aを同時に形成することが可能である。そして、必要に応じて基材10aを裁断し各電池モジュール1aを切り離すことで、多数の電池モジュール1aを短時間で製造することが可能となる。
【0059】
また、負極および/または正極集電体層の塗布パターンを他の層とは異なる形状とし、隣接するモジュールが基材10a上で集電体を介して電気的に接続されるようにすれば、基材10a上において各電池モジュール1aを直列あるいは並列に予め接続した状態で製造することも可能である。
【0060】
集電体として金属箔を使用した場合、このような複雑なパターンの集電体層を形成することが困難であり、形状や寸法の自由度という点でも、各機能層を塗布により形成することの利点がある。
【0061】
ところで、前記した金属箔集電体と活物質との間の剥離の問題は、金属箔に塗布液を塗布して活物質層を形成する場合よりも、塗布により形成された活物質層に金属箔を積層する場合において特に深刻である。例えば、図1に示したようなリチウムイオン二次電池モジュールの正負集電体層を金属箔により実現する場合について考える。この場合、負極集電体としては例えば銅箔を、また正極集電体としては例えばアルミニウム箔を用いることができる。
【0062】
ここで、負極集電体たる銅箔の表面に負極活物質材料を塗布する場合には、ノズルから吐出される塗布液は直接銅箔に付着するため、負極集電体と負極活物質との密着性は比較的良好である。これに対して、固体電解質層の表面に塗布液が塗布されてなる正極集電体層に正極集電体たるアルミニウム箔を貼り付ける場合には、塗布液の表面が乾燥し始めていたり、界面に気泡が入り込むなどの原因により、集電体と活物質との密着性はより劣る可能性が高い。このように、塗布により形成された活物質層に集電体箔を積層する場合に、これらの間の剥離の問題が特に深刻である。
【0063】
したがって、層間の剥離防止という観点からは、形成済みの活物質層に集電体層を積層する際に、該集電体を塗布により形成することが必須であると言える。一方、集電体層に活物質層を積層する際には、集電体が塗布により形成されたものであることが好ましいが必須とまでは言えない。この意味では、上記実施形態における負極集電体11については金属箔等の平板状のものであっても構わない。ただし、正極集電体15については、正極活物質層14との密着性を確保するため塗布によるものとすることが望ましい。
【0064】
なお、上記説明では負極集電体層11を最初に形成することを想定しているが、上記とは反対の順番で正極集電体層から順に積層して電池を形成してもよく、この場合には正極集電体として箔または平板状の材料を使用することができる一方、負極集電体については塗布により形成されることが望ましい。
【0065】
集電体を塗布により形成する、との技術思想については、例えば特開2009−181874号公報にも記載されている。ただし、当該公報に記載の技術は、それぞれ焼成により薄板状に形成された正極活物質層および負極活物質層のそれぞれに集電体材料を含むスラリーを塗布してそれぞれ正極および負極とし、これらを薄板状の固体電解質を挟んで貼り合わせる、というものである。したがって、焼成により形成された活物質と集電体との密着性の問題が依然として残されている。この問題を軽減するために、この公知技術では活物質層に粘弾性材料を含有させている。
【0066】
このような技術に比べて、本実施形態の製造方法では、活物質と集電体とをいずれも塗布により形成して積層する、という工程を採用しているので、活物質と集電体との密着性は遥かに良好であり、層間における剥離のおそれがより少なくなっている。また、性能に寄与しない材料を加える必要がないので、電池としての特性も良好である。特に、一方極の活物質層をラインアンドスペース構造とすれば、活物質の使用量に対する表面積を大きくして、充放電特性をさらに向上させることができる。
【0067】
以上説明したように、この実施形態では、負極集電体が本発明の「第1の集電体」に相当しており、負極集電体11が本発明の「第1の集電体層」として機能している。そして、図2のステップS101が本発明の「第1集電体層形成工程」に相当する。また、負極活物質が本発明の「第1の活物質」に相当しており、負極活物質層12が「第1の活物質層」として機能し、図2のステップS102が本発明の「第1活物質層形成工程」に相当している。そして、シリンジポンプ31に設けられた吐出ノズル311が、本発明の「ノズル」として機能している。
【0068】
また、この実施形態では、図2のステップS103が本発明の「電解質層形成工程」に相当している。また、正極活物質が本発明の「第2の活物質」に相当しており、正極活物質層14が「第2の活物質層」として機能するとともに、図2のステップS104が本発明の「第2活物質層形成工程」に相当している。また、正極集電体が本発明の「第2の集電体」に相当しており、正極集電体15が本発明の「第2の集電体層」として機能している。そして、図2のステップS105が本発明の「第2集電体層形成工程」に相当している。
【0069】
また、図10のICカード80が本発明の「電子機器」の一例であり、カード本体81が本発明の「筐体」として機能する一方、回路ブロック82が本発明の「回路部」として機能している。
【0070】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、上記実施形態では負極活物質層12を多数のライン状パターン121からなるラインアンドスペース構造としているが、負極活物質層の塗布パターンはこのような形状に限定されず任意である。ただし、表面積を増大させるとの観点からは、何らかの立体的構造を持つ層とすることが好ましい。また、これに代えて、あるいはこれに加えて、正極活物質層をそのような立体的構造としてもよい。
【0071】
また、上記実施形態では負極集電体上に負極活物質層、固体電解質層、正極活物質層および正極集電体を順次積層しているが、これとは反対に、正極集電体上に正極活物質層、固体電解質層、負極活物質層および負極集電体をこの順番に積層するようにしてもよい。また各層の塗布方法は例示したものに限定されない。
【0072】
また、上記実施形態で例示した集電体、活物質、電解質等の材料はその一例を示したものであってこれに限定されず、リチウムイオン電池の構成材料として用いられる他の材料を使用してリチウムイオン電池を製造する場合においても、本発明の製造方法を好適に適用することが可能である。また、リチウムイオン電池に限らず、他の材料を用いた電池全般に本発明を適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明は、リチウムイオン二次電池のような電池、特に固体電解質を用いた全固体電池を製造する技術に好適に適用することができる。
【符号の説明】
【0074】
10 基材
11 負極集電体(第1の集電体、第1の集電体層)
12 負極活物質層(第1の活物質、第1の活物質層)
13 電解質層
14 正極活物質層(第2の活物質、第2の活物質層)
15 正極集電体(第2の集電体、第2の集電体層)
80 ICカード(電子機器)
81 カード本体(筐体)
82 回路ブロック(回路部)
311 吐出ノズル(ノズル)
S101 第1集電体層形成工程
S102 第1活物質層形成工程
S103 電解質層形成工程
S104 第2活物質層形成工程
S105 第2集電体層形成工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の表面に第1集電体の材料を含む塗布液を塗布して第1集電体層を形成する第1集電体層形成工程と、
前記第1集電体層の表面に第1活物質の材料を含む塗布液を塗布して第1活物質層を形成する第1活物質層形成工程と、
前記第1活物質層の表面に固体電解質の材料を含む塗布液を塗布して電解質層を形成する電解質層形成工程と、
前記電解質層の表面に第2活物質の材料を含む塗布液を塗布して第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、
前記第2活物質層の表面に第2集電体の材料を含む塗布液を塗布して第2集電体層を形成する第2集電体層形成工程と
を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項2】
前記第1活物質層形成工程では、前記第1集電体層の表面にライン状に前記第1活物質の材料を含む塗布液を塗布してライン状の前記第1活物質層を形成する請求項1に記載の電池の製造方法。
【請求項3】
前記第1活物質層形成工程では、前記第1集電体層の表面に対して相対移動するノズルから前記第1活物質の材料を含む塗布液を吐出させる請求項2に記載の電池の製造方法。
【請求項4】
前記電解質層形成工程では、表面が前記第1活物質層表面の凹凸に倣った凹凸を有する前記電解質層を形成する請求項2または3に記載の電池の製造方法。
【請求項5】
前記第1集電体層形成工程では、前記基材の表面に互いに離隔した複数の前記第1集電体層を形成する請求項1ないし4のいずれかに記載の電池の製造方法。
【請求項6】
電子機器の筐体を前記基材とする請求項1ないし5のいずれかに記載の電池の製造方法。
【請求項7】
第1集電体層、第1活物質層および電解質層を積層してなる積層体の前記電解質層側表面に、第2活物質の材料を含む塗布液を塗布して第2活物質層を形成する第2活物質層形成工程と、
前記第2活物質層の表面に第2集電体の材料を含む塗布液を塗布して第2集電体層を形成する第2集電体層形成工程と
を備えることを特徴とする電池の製造方法。
【請求項8】
第1集電体層、第1活物質層、電解質層、第2活物質層および第2集電体層を積層してなる構造を有し、請求項1ないし7のいずれかに記載の電池の製造方法により製造されたことを特徴とする電池。
【請求項9】
請求項8に記載の電池を搭載したことを特徴とする車両。
【請求項10】
請求項8に記載の電池と、
前記電池を電源として動作する回路部と
を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項11】
前記回路部を保持する筐体を有し、前記電池が前記筐体を前記基材として製造される請求項10に記載の電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−64487(P2012−64487A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208863(P2010−208863)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(000207551)大日本スクリーン製造株式会社 (2,640)
【Fターム(参考)】