電池システム用の2種類の金属で成るバスバー・ジャンパ及び関連した溶接方法
順番に並べられた複数の電池セルであって、各電池セルは第1の電圧端子と第2の電圧端子とを有し、複数の第1の電圧端子は列を成して配置されている、電池セルと;第2セグメントに接合された第1セグメントを有する2種類の金属で成るバスバーであって、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、バスバーと、を備え、前記第1セグメントは、前記複数の電池セルのうちの1つの前記第1の端子が内部に配置される第1チャンネルを形成する第1のU字状屈曲部を含み、前記バスバーは前記屈曲部の近傍に反射性低減処理部を有しており、レーザビームが前記屈曲部に方向付けられ、該屈曲部で前記バスバーを溶融し、当該バスバーと前記第1の電圧端子の上端部との間に冶金学的な結合部を形成する、電池システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2009年1月12日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えたプリズム状電池モジュール」と題する米国仮出願第61/143,976号;2009年12月1日に出願された「電池システム用の2種類の金属で成るバスバー・ジャンパ」と題する米国特許出願第12/628,780号;2009年12月1日に出願された「電池端子を溶接する方法」と題する米国特許出願第12/628,699号、に基づく優先権を主張するものであり、それらの内容全体は、参照することによりここに組み込まれる。
【0002】
また、この出願は、本願と共に一斉に出願された以下の出願にも関連しており、それらの内容全体は、参照することによりここに組み込まれる:
・2009年12月1日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えた角柱状(プリズム状:prismatic)電池モジュールの構造」と題する米国特許出願第12/628,733号
・2009年12月1日に出願された「電池用の安全ベント機構」と題する米国特許出願第12/628,713号
・2009年12月1日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えたプリズム状電池モジュール」と題する米国特許出願第12/628,809号
・2009年12月1日に出願された「電池セル用ヒューズ」と題する米国特許出願第12/628,796号
・2009年12月1日に出願された「電池システム用のバスバー支持体およびその使用方法」と題する米国特許出願第12/628,786号
【0003】
(技術分野)
本発明は、電池モジュール、及び電池モジュールを製造するための拡張縮小可能な構造に関する。
【背景技術】
【0004】
「電池モジュール」は、典型的には、地上,海洋あるいは空の輸送手段に据え付けられる組立体(アッセンブリ)である「電池パック」の内部に装備される部分組立体(サブアッセンブリ)である。これらの輸送手段は、典型的には、例えば、輸送手段の推進あるいは何らかの形態での機械的動作に用いられる電気モータを駆動する、コンピュータ制御の電力変換器(パワーインバータ)など、様々な高出力の電気負荷を有している。
【0005】
地域送電網(ネットワーク)の最悪の場合の供給変動事象の平準化を助けるために、多数の1群の電池モジュールが、電力会社によって用いられることもある。モジュールは「電池ステーション」の内部に装備されるものであり、この電池ステーションは、コンクリートの基礎に動かないように固定され、大きくて堅固で静止した、耐候性があり、環境制御されている、囲い(エンクロージャ:enclosure)である。これらモジュールは、何れのモジュールも迅速に接続でき或いは接続を断つことができるように、棚部(ラック:rack)を介して、格納部(ドック:dock)に取り付けられ電気的に接続されている。
【0006】
電池パック及び電池ステーションは、典型的には、完成した電池パック最終製品を輸送手段の製造業者に納入するために、或いは、完成した電池ステーション最終製品を電力会社に納入するために、その内部に据え付けられる別のサブアッセンブリ及び構成要素を有している。これらサブアッセンブリ及び構成要素は、電子式センサモジュール,電子式制御モジュール,電気的充電モジュール,電気的インタフェース接続具(コネクタ),電気的ヒューズ(fuse),電気的ワイヤハーネス、及び温度管理手段を含むものである。
【発明の概要】
【0007】
概して言えば、或る態様では、電池システムは、順番に並べられた複数の電池セルであって、各電池セルは第1の電圧端子と第2の電圧端子とを有し、複数の第1の電圧端子は列を成して配置されている、電池セルと;第2セグメントに接合された第1セグメントを有する2種類の金属で成るバスバーであって、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、バスバーと、を備え、前記第1セグメントは、前記複数の電池セルのうちの1つの前記第1の端子が内部に配置される第1チャンネルを形成する第1のU字状屈曲部を含み;前記第2セグメントは、前記複数の電池セルのうちの他の1つの前記第1の端子が内部に配置される第2チャンネルを形成する第2のU字状屈曲部を含んでいる。
【0008】
他の実施形態は、次の特徴の1つ若しくはそれ以上を含んでいる。ここにおいて、前記第1のU字状屈曲部は、前記第1チャンネルの底部に第1底部内側角部を形成し、前記第1チャンネル内の第1の端子は、金属の再凝固層により、前記第1底部内側角部で前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられており、幾つかの実施形態では、前記第1端子は、レーザ溶接によって前記第1セグメントに取り付けられている。
また、前記2種類の金属で成るバスバーは、少なくとも前記第1及び第2の屈曲部の範囲内に表面処理部を含んでおり、該処理部は、前記2種類の金属で成るバスバーの反射性を低減する役割を果たし、幾つかの実施形態では、前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されており、幾つかの実施形態では、前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている。また、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている。前記第1セグメントは、超音波溶接によって前記第2セグメントに接合されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記バスバーの前記第1セグメントに取り付けられた配線用クリップを更に備え、前記配線用クリップは、当該配線用クリップに接合されたワイヤを含んでいる。かかる実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップは、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記配線用クリップは一つ若しくはそれ以上の歯部を有しており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記バスバーに食い込む一つ若しくはそれ以上の歯部により、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持され、一方、他の実施形態においては、前記配線用クリップは締まり嵌め構造を備えて設計されており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記締まり嵌めにより、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される。幾つかの実施形態では、前記配線用クリップはU字状の側面形状を有しており、一方、他の実施形態においては、前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している。
【0010】
概して言えば、今一つの態様では、電池製造方法は、チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有するバスバーを供給するステップと;単一の電池端子を、当該端子の上端部が前記屈曲角部に近接するように、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に位置決めするステップと;前記U字状部分の屈曲角部にレーザビームを指向させるステップと;前記レーザビームを用いて、前記屈曲角部で前記バスバーを溶融し、当該バスバーと前記単一の端子との間に冶金学的な結合部を形成するステップと、を備えている。
【0011】
或る実施形態では、前記バスバーはレーザ溶接を用いて前記電池セル端子に取り付けられ、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる。これらの実施形態の或るものにおいては、前記レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられる。また、これらの実施形態の或るものにおいては、前記レーザビームは、前記チャンネルと平行な進行方向に移動することができ、幾つかの実施形態では、前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記反射性低減処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
【0013】
他の実施形態は、第1バスバー・セグメントを第2バスバー・セグメントに接合することによって前記バスバーを形成するステップを更に備え、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作される。これらの実施形態の或るものにおいては、前記バスバーを前記端子に取り付けるに先立って、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接される。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成される。これらの或る実施形態の他のものにおいては、前記第1セグメントは主として銅で製作される一方、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作され、これらの実施形態は、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されるものを含んでいる。
これらの或る実施形態の更に他のものにおいては、前記電池端子を前記チャンネル内に位置決めする前記ステップは、前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと;バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと;前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、を備えている。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記電池セルはプリズム状の電池セルである。
【0015】
或る実施形態は、前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、レーザ溶接を用いて同時に取り付けられ、また、前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えていてもよい。
或る実施形態では、前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えており、当該実施形態は、前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えてもよく、加えて、前記ワイヤは、超音波溶接を用いて前記配線用クリップに取り付けられてもよい。
【0016】
追加的な実施形態は、前記電池端子を前記チャンネル内に位置決めする前記ステップは、前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと;バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと;前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、を含んでいる。
【0017】
また、概して言えば、或る態様においては、電池は、電圧端子を有する電池セルと;チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有しており、前記電池端子は、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に延び、前記屈曲角部に近接した上端部を有している、バスバーと;前記屈曲角部で、前記端子の上端部と前記チャンネル内のバスバーとの間に形成された冶金学的な結合部と、を備えている。電池は、以下の各々を含む様々の実施形態を有している。
【0018】
或る実施形態では、前記冶金学的な結合部はレーザ溶接を用いて形成され、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる。これらの実施形態の或るものにおいては、レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられた。また、これらの実施形態の或るものにおいては、前記冶金学的な結合部は、前記チャンネルと平行な進行方向に移動させられるレーザビームによって形成され、また、幾つかの実施形態では、前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられたものであってもよい。
【0019】
幾つかの実施形態では、前記反射性低減処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
【0020】
更に他の実施形態では、前記バスバーは、第2バスバー・セグメントに接合される第1バスバー・セグメントを備えており、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接されている。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている。これらの或る実施形態の他のものにおいては、前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されており、また、これらの実施形態は、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方が押出形成されているものを含んでいる。これらの或る実施形態の更に他のものは、前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記電池セルはプリズム状の電池セルである。
【0022】
或る実施形態は、前記バスバーに固定された配線用クリップを更に備えている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、同じ冶金学的接合部に取り付けられており、また、かかる実施形態の幾つかは、前記配線用クリップに取り付けられたワイヤを更に備えていてもよい。或る実施形態では、前記ワイヤは、超音波を用いて前記配線用クリップに溶接されていてもよい。
【0023】
本発明の1つ若しくはそれ以上の実施形態の詳細が、添付図面および以下の記載において説明される。本発明の他の特徴,目的および利点は、前記記載および図面から、また、クレームから明らかになることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、電池モジュールを示している。
【図2】図2は、バスバー・カバー及びバスバーが取り除かれた状態で、また、セル・サブアッセンブリが露出した状態で、電池モジュールを示している。
【図3】図3は、プリズム状の電池セルを示している。
【図4】図4は、プリズム状電池セルのジッパヒューズを示している。
【図5】図5は、セル・サブアッセンブリのより詳細な図を示している。
【図6】図6は、セル・サブアッセンブリの別の図を示している。
【図7】図7は、代替的な放熱板およびセル・サブアッセンブリを示している。
【図8】図8は、別の代替的な放熱板およびセル・サブアッセンブリを示している。
【図9】図9は、圧力開放歯部が取り付けられた放熱板を示している。
【図10】図10は、電池モジュール圧力板の図を示している。
【図11】図11は、電池モジュールのバンド要素の一部分を示している。
【図12】図12は、高さを抑えたセル・サブアッセンブリを含む、電池モジュール内のセル・サブアッセンブリに取り付けられた、幾つかのバスバー支持体を示している。
【図13A】図13Aは、放熱板に取り付けられたバスバー支持体を示している。
【図13B】図13Bは、1つの電池セルを支持する代替的なバスバー支持体を示している。
【図14】図14は、電池モジュール内のセル・サブアッセンブリに取り付けられた幾つかのバスバー支持体であって、バスバー・ジャンパの少なくとも一部分を保有するバスバー支持体を示している。
【図15】図15は、バスバー・ジャンパの側面を示している。
【図16】図16は、圧力板およびセル・サブアッセンブリに関連したバスバー端子を示している。
【図17】図17は、圧力板およびバスバー・ブリッジに取り付けられたバスバー端子を示している。
【図18】図18は、ワイヤ取付用クリップの2つのバリエーションを備えたバスバー端子を示している。
【図19】図19は、ワイヤ取付用クリップの側面図を示している。
【図20】図20は、サーミスタ取付用の支持クリップを示している。
【図21】図21は、バスバー・カバーの切り取り図を示している。
【図22】図22は、拡張縮小構造を組み込んだ電池モジュール群を示している。
【図23】図23は、圧力開放歯部を示している。
【図24】図24は、電池モジュールの様々な形態を実現するのに用いることができる、バスバー要素の幾つかの配置を示している。
【図25】図25は、バスバー要素に関する溶接レーザの形態の図を示している。
【図26】図26は、電池セル端子へのバスバー要素の取付前後の図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の特質および目的のより十分な理解のために、以下の詳細な説明が添付図面と関連付けて述べられる。これら図面においては、同一もしくは類似の部品を示すのに同一の参照番号が用いられる。
【0026】
電池モジュールは、各々角柱状(プリズム状:prismatic)の電池セルを収容したセル・サブアッセンブリの組立体(アッセンブリ)から成り、セルはモジュール内の他のセルに電気的に接続されてモジュールを形成している。用語「プリズム状(角柱状)」は、ここに記載された電池セルの形状を指すもので、本モジュールを、円柱状の(シリンドリカル:cylindrical)電池セルを備えた他のモジュールと区別するものである。
【0027】
図1は、負極20と正極21とを備えた電池モジュール10を示している。電池モジュール10は、1つ若しくはそれ以上のセル・サブアッセンブリ30を収容している。以下により詳しく説明されるように、セル・サブアッセンブリは、任意の尺度の電池モジュールを構成することができる基本構成要素である。セル・サブアッセンブリはプリズム状電池セル(不図示)を収容している、その各々が電池の電力および蓄電容量の一部分をもたらしている。
セル・サブアッセンブリ30は、圧力板50及び帯状体(バンド:band)51によって一つに纏められている。圧力板50は、電池モジュールのための取付機構としての役割を果たし、1つ若しくはそれ以上の取付通路52を包含しており、電池モジュール10を、例えば、様々の方位において、電池パック・エンクロージャ内に取り付け、或いは電池ステーションの棚部(ラック:rack)上に取り付けるための、ハードウェア(不図示)を受容できるようにしている。
個々の電池セルは、(以下に説明する)母線(バスバー:busbar)によって、並列に及び/又は直列に電気的に接続されている。バスバーは、セルをお互いに及び電池の端子に接続するもので、その全てが電池モジュールの片側にある。電池モジュール10のこの側は、1つ若しくはそれ以上のバスバー・カバー40で覆われている。
【0028】
図2は、セル・サブアッセンブリ30の内部の眺めを露出させるために、バスバーおよびバスバー・カバーが取り除かれた状態で、電池モジュール10を示している。各サブアッセンブリは、1つ若しくは2つのプリズム状電池セル300を含んでおり、各セルは、正極301と負極302とを有している。端子301及び302は、バスバー・ジャンパ(不図示)によって直列に及び/又は並列に電気的に接続されている。バスバー端子(やはり不図示)は、電池端子の幾つかを電池モジュールの負極20または正極21の何れかに接続している。
【0029】
ここに説明されるプリズム状電池モジュールは、同一セルのグループを有している。モジュール当たりのセルの数量およびモジュールの電気接続構造(平行カウント対直列カウント:parallel count versus series count)が、モジュールの電気的特性および評価を定めることになる。例えば、「23S3P」構造のモジュールは、69個のセルと、直列に電気的接続がされた23のサブグループと、各サブグループ内で並列に電気的接続がされた3個のセルと、を有している。電池モジュールは、この構造に応じて、偶数または奇数の電池セルを包含することができる。
【0030】
<プリズム状電池セル>
図3は、プリズム状電池セル300を示している。プリズム状セルは、上面306及び底面307(視認できない)の2つの広い平坦面を有しており、これら平坦面は、基本的に互いに平行で、機械的保持とモジュール内部の熱的管理のために用いられる。
セルの覆い(エンクロージャ)は、「小袋(ポーチ:pouch)」と呼ばれるかも知れない。というのは、エンクロージャは、折り畳まれ接合されて、費用効率の高い、周囲に対して密閉されたハウジング(housing)を構成する、非剛体の柔軟なシート(フレキシブル・シート:flexible sheet)だからである。ポーチの材料は、両面に高分子化合物の被覆(ポリマー・コーティング:polymer coating)が施された薄いアルミニウム箔(フォイル:foil)である。ポーチは、シール境界(seal boundary)303を与える底縁部で折り畳まれている。
ポリマー・コーティングされたポーチは、2つの側部で熱的に接合されたフランジ部を形成し、それらは2つの更なるシール境界304及び305を構成する。この配置構成は、正味性能の低下を伴うことなく、モジュールの物理的体積を低減するものである。側部フランジ部の寸法は、長期間にわたる頑健性を確保するように選定される。セルの側部フランジ部はコンパクトな幅を構成するために折り畳まれる。
【0031】
セルの2つの平らな電極、正極301及び負極302は、ポーチの1つの縁部から突出し、これら電極は、電気絶縁性のあるポリマー製の周辺シールを用いて周囲に対して密封されている。ポーチの末端縁部の残りの部分は、熱的に接合されて第4の周囲に対して密閉された境界を形成しており、これが、セルの周辺シールを完成させている。
端子は中心軸線315に関して対称に位置しており、また、端子は、好ましくは、電池セルの中央面にある。従って、電池セル300は、中心軸線315を中心にして180度「反転」される(flipped)ことができ、その結果、各端子は、(セル端子を含む縁部に面した、軸線315に沿ってセルを視認することに関して)セルを「反転(flipping)」させる前は逆性の端子が保持されていたのと同じ位置になる。この対称性は、負極が(中心軸線315に沿って見て)左側または右側の何れにあるかを考慮することなく、1個が一連のセルに積み重なることができるようにし、何れの方位においても、結果として得られた端子の列が各々真っ直ぐな列として並び、従って、互いに容易に相互結合されることができる。
特に、電池モジュールは、(1)隣接した電池セルの同じ左側/右側の端子が同じ極性または逆の極性の何れかを有するように、電池セルを選択的に指向させること、及び(2)これら隣接した端子が、直列構造を形成する逆極性の端子間の接続と並列構造を形成する同一極性の端子間の接続とを備えた、(以下に説明する)バスバー要素(busbar component)を用いること、により、直列接続および並列接続の異なる組み合わせを備えて、構成されることができる。
セルの化学的性質と内部構造のために、負極の材料は銅であり、正極の材料はアルミニウムである。端子の長さは、他の市販の設計のものに比して短くなっている。コンパクトな端子を用いる機会については、「バスバー要素」と題した項目において明確にされる。説明目的のために、補足的な負の記号および正の記号が、図3のセルに追記されている。
【0032】
電池セルの非剛体で柔軟なポーチは、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合には、物理的に膨張することになる。電気的な過負荷事象の間の圧力解放(ガス抜きとしても知られている)は、圧力解放ベント(vent)機構309に代えて、若しくはこれと組み合わせて、セルに対し外部に取り付けられた「歯部(tooth)」の使用を通じてもたらされる。セルが膨張して歯部に接触した場合には、歯部は、制御されたやり方でセルに孔をあけることになる。この歯部については、以下において更に説明する。
【0033】
図4は、電池セル300の電気端子302に組み込まれたジッパヒューズ(zipper fuse)308を示している。ジッパヒューズ308には2つの列があり、各列は、当該列の一端にある細長い溝穴(スロット:slot)状の穴部310と、このスロット状穴部310と列の他端との間にある円形穴部311とで構成されている。このヒューズは、ジッパ(ファスナー)のように見えるので、「ジッパ」ヒューズと呼ばれる。ジッパヒューズは、セルの負極に組み込まれる。
ジッパヒューズのスロット穴310及び円形穴311の幾何学形状,数および位置は、当該ヒューズが、隣接するセルへの、或いは可能性があるモジュール内の全てのセルへの、カスケード損傷モード(cascading failure mode)を防止する、所定の時間的期間内で作動するように、選定される。特に、ヒューズのスロット穴は、電流の「ホットスポット(hot spot)」を当該穴部の周囲領域の付近に集中させることにより、ヒューズ活性化の一貫したパターンを確保し、前述の領域内でヒューズ活性化が始まることを助長するのに役立つ。スロット穴に加えて円形穴を用いることは、とりわけ、ヒューズ活性化に先立って構造的な完全性を維持するのに役立つ。
スロット穴と円形穴の平行な2つの列の位置調整は、列と列との間に、端子の残余部分から部分的に熱的遮蔽された領域312を形成し、そのことは、ヒューズ活性化中に生じた熱を集中させて、活性化をより完全で一貫性があるものにする助けとなる。
【0034】
<電池サブアッセンブリ>
図5は、サブアッセンブリ30a及び30bを含む一群のセル・サブアッセンブリを示している。サブアッセンブリ30aには、やはり2つの広い平坦面を有する電池セル300aと同様に、2つの広い平坦面を有する放熱板(ヒートシンク:heat sink)400aがある。電池セル300aは、当該電池セル300aの第2の広い平坦面が放熱板400aの第1の広い平坦面に隣接するように、放熱板400aに対して隣接して取り付けられている。
サブアッセンブリ30aは、また、2つの広い平坦面を有する柔軟性のある当て物(柔軟パッド:compliant pad)401a、及び2つの広い平坦面を有する第2の電池セル310aを包含している。柔軟パッド401aは、電池セル310aの第1の広い平坦面が当該柔軟パッド401aの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル300aに対して隣接して取り付けられている。柔軟パッド401aは、また、当該柔軟パッド401aの第1の広い平坦面が第2の電池セル310aの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル310aに対して隣接して取り付けられている。
この配置は、電池セル,放熱板,もう一つの電池セル及び柔軟パッドの「カセット(cassette)」構造の後に、電池セル,放熱板,もう一つの電池セル及び柔軟パッドの別のグループなどが続く、繰り返しのカセット構造を形成している。柔軟パッド401aは、使用中にセルが膨張/収縮できるようにするだけでなく、サブアッセンブリが圧力板の間に互いにバンドで縛られた場合に、サブアッセンブリ間に圧力を分散させるのに役立つ。
同様に、サブアッセンブリ30bは、サブアッセンブリ30aに隣接して取り付けられている。サブアッセンブリ30bには、やはり2つの広い平坦面を有する電池セル300bと同様に、2つの広い平坦面を有する放熱板400bがある。放熱板400bは、電池セル310aの第1の広い平坦面が当該放熱板400bの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル310aに対して隣接して取り付けられている。電池セル300bは、当該電池セル300bの第2の広い平坦面が放熱板400bの第1の広い平坦面に隣接するように、放熱板400bに対して隣接して取り付けられている。
サブアッセンブリ30bは、また、2つの広い平坦面を有する柔軟パッド401b、及び2つの広い平坦面を有する第2の電池セル310bを包含している。柔軟パッド401bは、電池セル300bの第1の広い平坦面が当該柔軟パッド401bの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル300bに対して隣接して取り付けられている。
【0035】
図5及び図2に示されるように、全ての放熱板は、柔軟パッドを隣接したセルに接合するのにも用いられる、組立後に硬化する分布された接着剤により、モジュール組立工程中に、隣接するセルに接合される。セルとパッドと放熱板のグループは、各モジュールにとって主要な積み重ね体(主スタック:main stack)のサブアッセンブリを構成しており、これが、拡張縮小可能な構造(scalable architecture)を促進している。換言すれば、同じサブアッセンブリを単に追加あるいは取り去るだけで、モジュールのサイズを容易に変更することができる。
サブアッセンブリは、それ自体を事前組み立てし、その後に、サブユニット(sub-unit)として一緒に電池モジュールの主スタック内に組み込まれてもよく、或いはそうでなくてもよい。主スタックの組立は、全ての電池セルと放熱板と柔軟パッドとが1工程で一緒に組み立てられる1ステップ工程として成し遂げられることができる。「サブアッセンブリ」という概念は、電池モジュールの構造全体を説明するときには、構成要素の論理グループに対する便宜上の標識(ラベル:label)として用いられる。
【0036】
また、図5に示されるように、電池セル(例えば、300a,310a,300b及び310b)の各々は、それぞれの正極が、端子で終焉するように見て左方または右方を指向した状態で、個別の放熱板(例えば、400a及び400b)に取り付けられている。例えば、図5においては、電池セル300a,310a及び300bは、各々、負極が図5の視点から右方を指向しており、一方、電池セル310bは、正極を右方に向けて取り付けられている。
電池セルのグループの他の方位性(例えば、電池セル310bを180度反転させて、その正極と負極とを位置変換する)は、端子に隣接したどのグループが、以下に説明するバスバー・ジャンパ及び端子によって電気的に接続されるかに応じて、端子間の直列または並列の接続の異なる組み合わせを許容する。
【0037】
図6は、セル・サブアッセンブリ30の眺望を示しており、電池モジュール10はこのセル・サブアッセンブリから組み立てられる。図6は、電池セル300に接合された放熱板400を示しており、電池セルは順繰りに柔軟パッド401に接合されている。図6は、先に述べられ、また、図5に示されたように、柔軟パッドに接合されることになる隣接したセルは表示していない。
更に図6を参照すれば、サブアッセンブリ30が別のサブアッセンブリに隣接して積み重ねられた場合に、金属製の放熱板400は、2つのセル300及び310に接する。各セルは、伝導熱伝達または強制対流熱伝達によって熱管理を容易にするために、当該セルの2つの平坦面の1つを介して放熱板と接している。この結果、各セルについて放熱板を用いる場合に比して、モジュール毎に約半数の放熱板が必要とされるだけになる。幾つかのものは、より大きくてより複雑で手の込んだ放熱板を有している、他の市販のモジュールと比べて、出力対物理的体積の比が改善されたコンパクトなモジュール、が得られることが利点である。
【0038】
放熱板は、アルミニウムの板材から製作され、標準的な工具実務(tooling practice)を用いて打ち抜かれて(stamped)形成される。放熱板は電気絶縁性の被覆(コーティング)を有しており、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合でも、放熱板の何れか若しくは全てに対する電気的な短絡経路を許容することがないことを、確かなものにしている。コーティング厚さは、好ましくは、熱の伝達を実質的に阻害することがないように選ばれている。保護コーティング及び適用工程は、電気的な過負荷事象の間の電気的な短絡防止を同時にもたらし、効果的な伝熱とコスト低減とを可能にしている。
【0039】
放熱板の別の機能は、激しい車両衝突の際に、セルを異物から保護することである。先に議論したように、放熱板の形成された翼部(ウイング:wing)403は、隣接する放熱板の輪郭を入れ子状に重ね入れ、複雑性,コスト及びモジュールの物理的体積に関して、満足のいくレベルのセルの保護をもたらす。これらの翼部は、放熱板の3つの縁部を放熱板の広い平坦面に対して直角に折り曲げることによって形成される。
【0040】
図5を参照すれば、隣接する放熱板の翼部の一部分を受け合うために、放熱板の広い平坦面に出会う翼部の領域付近を追加的に曲げることにより、窪み(404a,404b)が放熱板から形成されている。例えば、窪み404bは、翼部403aの一部分を受け合うように形成されている。このことは、内部部品を備えた放熱板が、より容易に、互いに上部に積み重なるようにしている。電池パックの覆い(エンクロージャ)は衝突時の主要な保護防壁であり、従って、放熱板は、電池モジュールの安全能力を更に向上させる今一つの防壁(バリヤ:barrier)である。
【0041】
モジュールが端数のあるセル数(odd cell count)を有する場合には、(2つのセルを包む「全高さ(full-height)」放熱板と反対に)ただ1つの電池セルのみを包む短い形成翼部を備えた第2のタイプの放熱板が用いられ、その場合には、この第2のタイプの放熱板はサブアッセンブリの積み重ね体(スタック)の一端部に配置される。これらの端数のあるセル数の形態では、図5に示されるように、最底部の放熱板の底部には、電池セルが取り付けられることはない。
【0042】
図7は、隣接する電池サブアッセンブリ421内に入れ子になる第2のタイプの放熱板420を示している。放熱板420は、全高さ放熱板が隣接するセルに取り付けられるのと同じやり方で、電池セル320に接合される。また、図7は、2つの柔軟パッド422a及び422bの使用も示しており、それらは、圧力板によって主スタックに加えられるクランプ力を分散させ均等化するために、モジュールの主スタックの両端部に用いられる。この第2のタイプの放熱板は、たとえモジュールが端数のないセル数(even cell count)を有する場合でも用いられるが、端数のないセル数のモジュールは、第3のタイプの放熱板も使用する。
【0043】
モジュールが端数のないセル数を有している場合には、ただ1つの電池セルのみを包む中間的な高さ(medium-height)の形成翼部を備えた第3のタイプの放熱板が用いられてもよく、その場合には、第3のタイプの放熱板は、第2のタイプの放熱板を備えた端部と反対の、サブアッセンブリのスタックの一端部に配置される。これらの端数のないセル数の形態では、この第3のタイプの放熱板は、さもなければ露出した電池セルを有することになる放熱板に隣接して入れ子にされる。
例えば、図8を参照すれば、この第3のタイプの放熱板430は、最も下方の放熱板429の下側にあって、放熱板429と放熱板430との間に位置する単一の電池セル321を保護するのに役立っている。2つの柔軟パッド(不図示)は互いに隣接して取り付けられ、柔軟パッドの1つの片側は、モジュールのサブアッセンブリ主スタックの端部で、放熱板430に隣接して取り付けられる。
【0044】
これらの追加的なタイプの放熱板は、追加の構成要素が公にされ製造工程において製作されるようにするけれども、それらは、放熱板がセルの2つの広い平坦面の1つを介して各セルに接するという原則(principal)、及び、全てのセルは激しい車両衝突の際に異物から保護されるという原則を、十分に遵守するものである。
【0045】
図9は、放熱板の穴部を介して取り付けられた圧力解放歯部410及び411を備えた放熱板400を示している。一方の歯部410は、その尖った先端部が放熱板の取り付けられた電池セルの方に向くように方向付けられ、また、当該放熱板に第2のセルが接合されている場合には、他方の歯部411は第2のセルの方に向けられている。追加的な歯部の対が、放熱板400の他の箇所あるいは放熱板に結合されたバスバー支持体に配置されてもよい。歯部の材質は成形されたプラスチックであり、歯部は、打ち抜かれたアルミニウム製の放熱板の簡素な穴部に対して、熱を用いて杭打ちされるか(heat-staked)若しくは超音波を用いて溶着される。
電気的な過負荷事象が起こった場合、セルの非剛体で柔軟なポーチは、急激な内部ガス発生により物理的に膨張することになる。ポーチが膨張するとき、内圧による力がポーチを歯部に対して押圧し、セルを穿刺し、制御された内圧解放をもたらす。電池セルは、その中でポーチが膨張することができる特定の領域を形成するのに役立つ穴部(ポート:port)を有しており、歯部の尖った先端もしくは縁部は、その領域の範囲内で、膨張時のポーチを少なくとも部分的に穿刺するように位置が定められている。
電池セルは多数の膨張経路に沿って膨張することができるけれども、前記ポートは、それらの経路の少なくとも1つに沿って膨張を規定し促進するのに役立つ。ポーチの膨張は、電池セルの残余の部分に対して膨張性が高められたポーチの領域を創り出すことにより、部分的に制御することもできる。幾つかの実施形態では、前記ポートは膨張性が高められた領域を露出させる。これらの実施形態の何れにおいても、歯部の尖った先端は、ポーチの膨張経路の少なくとも1つに沿って位置が定められる。
【0046】
図23は、圧力解放歯部の2つの追加的で代替的な実施形態を示している。歯部450には、先端部451と2つの溝部(チャンネル:channel)452とがある。歯部455には、2つの先端部456と、この先端部の領域から離れるように延びる2つのチャンネル457とがある。歯部450の構造は、(先端部の代わりに尖った縁部を用いる他の実施形態と同様に)ガス抜けを促進するためにポーチに「破れ(tear)」つまり裂け目(rip)の形成を促進するのに役立つことができる。
これらのタイプの歯部の各々において、チャンネルは、電池セルからガスが抜け出る経路をもたらすのに役立ち、ポーチが(穿刺にも拘わらず)不用意に自身を再封止して歯部に対して閉じることがないことを確実にするのに役立つ。また、尖った先端部とチャンネルの方位性および組み合わせも用いることができ、同様に、尖った縁部および/またはチャンネルの他の組み合わせも用いることができる。
【0047】
電池セルの内部と放熱板との間の短絡の防止に役立つように、歯部は非導電性の材料から製作されている。
【0048】
図5及び6に示されたように、柔軟パッド401は、セルの2つの広い平坦面の1つを介して各セルに接して、以下の機能をもたらしている:(a)セルの寿命および性能のために、均一な圧力分布を与える、(b)セルの全寿命を通じてセルの作動領域(active area)に一定の圧力を与える、(c)充電および放電サイクル中に固有の性質のために電池の厚さが変化することを補償する、(d)電池並びに放熱板,圧力板および締め付けバンド等の他のモジュール構成要素の熱膨張および熱収縮のために、モジュールの長さが変化することを補償する。
【0049】
<圧力板要素>
図10は、圧力板50を示している。圧力板50は、モジュールのセルの主スタック,柔軟パッド及び放熱板に静的なクランプ力を加える剛構造(rigid structure)である。この構造は、また、モジュールが電池パックのエンクロージャの内部に取り付けられることができるための手段を与えるものである。この構成要素は、主要な作用を強調するために、「圧力板」と呼ばれることができる。圧力板の材料は、規定の温度暴露の等級(レーティング:rating)及び可燃性のレーティングを備えた、成形されたプラスチック・ポリマーである。圧力板は、モジュールの主スタックの一端と対になるために、周囲より高くなった平坦面を有しており、モジュールの主スタックは、両端部に2つの柔軟パッドを有しクランプ力を分散させて均一化するのに役立っている。
【0050】
サブアッセンブリとは離間して面する圧力板50の側部は、構造上の剛性を高め、また、均一な肉厚を目指す成形部品の設計実務を補完するために、補強リブ520の列(マトリックス:matrix)を有している。マトリックスは非画一的なパターン(non-uniform pattern)を有している。というのは、前記リブは、また、モジュールの作動制御用のプリント回路基板(PCB)サブアッセンブリ(不図示)にはんだ付けされる多数の電子部品を収容するポケット部を形成するからである。
PCBサブアッセンブリは回路の基板および部品を含んでおり、部品の大多数は基板の片側にある。PCBサブアッセンブリは、部品側を下向きにして圧力板50に取り付けられる。電子部品の入れ子(nesting)は、貴重な空間(スペース:space)を確保し、圧力板でのコンパクトなモジュール長さに貢献し、このことは、優れた出力対物理的体積の比を達成するのに役立つ。
圧力板のポケット部は、また、モジュールの作動制御用PCBサブアッセンブリにはんだ付けされる多数の電子部品の上面をしっかりつかむ、振動緩衝エレメント用の容器として用いることができるので、この点においても貴重である。前記エレメントは、PCB上のはんだ接合部での過度の応力や疲労を防止する。好ましい振動緩衝エレメントとしては、エラストマ系の閉細胞型(closed-cell)で非含水性ポリウレタンフォーム材料および片側に感圧性の粘着材料を備え、両者は規定の温度暴露および可燃性のレーティングを有している、打ち抜きパッド(die-cut pad)が挙げられる。
【0051】
PCBアッセンブリは、受動型でも能動型でもよい。受動型のPCBアッセンブリは、より小型の電池モジュールに対して十分であるが、より大きなモジュールは、1つ若しくは2つの能動型PCBアッセンブリを使用し、1つのアッセンブリは、モジュールの各端部で圧力板の各々に取り付けられる。能動型PCB制御サブアッセンブリは、PCB内の業界標準のメッキが施された貫通穴に選択的にはんだ付けされた、3つの直角をなすPCB電気コネクタ・ヘッダ(connector header)を有している。他の全ての電子部品は、PCBの両側にある業界標準のパッドにリフローはんだ付け(reflow-soldered)がされたSMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)装置である。
モジュールの鋼製バンドが近辺を通っているので、バンドとPCBとの間での適切な電気的絶縁性を確保するために、予防措置がとられる。PCBの配線,貫通穴,部品を入れる区域(ゾーン:zone)及び部品を入れない区域は、電気的な干渉を回避するために、PCBの両側について注意深く定められる。モジュールの寿命性能は、隣接する低電流高インピーダンスの銅配線間での樹枝状結晶(デンドライト:dendrite)の成長を抑制する、シリコンをベースにした若しくはポリウレタンをベースにしたコンフォーマル・コーティング(conformal coating)をPCBの両側に施すことにより、改善し得る。
【0052】
圧力板50の側部510は、補強リブ520のマトリックスを備えた側部と反対側にあり、サブアッセンブリのスタックに面している。側部510は平坦であってもよく、或いは、モジュールの主スタック内の力の分散を更に最適化するために、非平坦な浅い凸状または凹状のドーム型の輪郭形状であってもよい。
【0053】
圧力板50は、モジュールの主スタックに静的なクランプ力を加える薄肉の鋼製保持バンドを受け合う、2本の浅い軌道501を有している。軌道は、クランプ力を分散させ均一化するのに役立つように、ドーム型の輪郭形状を有している。好適なドーム型輪郭形状は、特にこの種の計測用途向けに開発され市販されている既存の検出製品を用いて行われる測定により、定めることができる。
圧力板50は、また、柔軟性のある取付戦略を助長するために、円筒状スリーブ,座金(ワッシャ),ブッシング及び保持ボルトなどの締結要素を受け合う、(カウンターボア(counter-bore)とも呼ばれる)凹状の受け口(ソケット:socket)を備えた4つの通路を有している。この構成は、3つの取付方位の1つを通じて、電池パックのエンクロージャの内部または電池ステーションの棚部(ラック)の上に、モジュールを取り付けることができるようにし、このことは、既存の用途および予測される用途さらには顧客の要求の大多数に対して要求を満たす。
【0054】
圧力板は、振動溶着で一体にされる2つの別々の部分から形成されてもよい。各部分は、取付穴部および凹状ソケット部の半分を有することになろう。溶着後に、完全な円形穴部およびソケット部が形成されることになる。この手法の利点は、成形型分離の主方向に直交する型内での長距離の摺動動作を伴うことなく、2つの部分を成形できることであろう。
【0055】
圧力板50は、鋼製のバスバーナット(busbar nut)若しくはナット(不図示)を受容するために、2つの凹所領域508を有している。費用対効果の高い解決のために、ナットの設計は意図的に簡素である。ナットは、3つの取付用ネジ孔部を有している。中央の孔部は、バスバーナットを圧力板に保持する鋼製の留め具(ファスナー:fastener)を握持(グリップ:grip)する。他の2つの孔部は、外部の電力用突出部(パワーラグ:power lug)及びワイヤハーネスを、後続する欄にて説明するモジュールの負極または正極のバスバーに取り付ける鋼製の留め具を握持する。
【0056】
<バンド要素>
図11は、モジュールのセルの主スタック,柔軟パッド,放熱板および圧力板をくるむのに用いられる2本の鋼製バンド(steel band)の1つである、鋼製バンド530を示している。各構成バンド530は、圧力板50の浅い軌道501の1つ内に位置している。モジュールが76個もしくはそれよりも少ない個数のセルを有している場合には、2本のバンドで十分であり、3本ものバンドは不必要である。所望であれば、もっと多くのバンドを用いることもできる。
鋼製バンド530の長さは、主スタック内の全ての柔軟パッドを適切に圧縮するのに必要とされるクランプ力が定められ、バンド上に恒久的に圧着された、発売され要件を満たす既存の鋼製の締め金(バックル:buckle)531を介して維持される。バンドを引っ張りバックル531を圧着するのに、空圧アクチュエータを備えた手持ち式の空圧アプリケータ(applicator)を用いてもよく、また、このアプリケータは、バックル531が圧着された後に、バンドの余分な尾部(tail)を切り取る機構も有していてもよい。
非常に長い鋼製の締め付け金具(タイロッド:tie rod)と両端の保持ナットとを用いる代替的な手法と比べて、バンドとバックルとを用いるのは、よりコンパクトな手法である。全てのモジュールに対して同じバンド及びバックル更には同じ取付工程を用いることは、拡張縮小可能な構造を促進する。今一つの手法は、圧着されたバックルを用いる代わりに、バンドを引っ張り溶接することである。
圧力板50は、締め付けバンドバックルを収容し、バックルの領域で圧力をより一様に分散させるために、浅い軌道501内に平坦もしくは窪みのついた領域を包含していてもよい。圧力板50は、また、2本のバンドの真っ直ぐな部分で引張力が均等化されることを確かなものとするために、各軌道501に沿って4つの角丸み部を有していてもよい。
【0057】
標準的な空圧アクチュエータの代わりに、発売され要件を満たす、既存の手持ち式の、閉ループのサーボ制御を備えたコンピュータ制御の電子式アプリケータが用いられてもよい。これにより、加えられる静的なクランプ力の精度が高められ、また、バンド取付およびバックル圧着工程のサイクルタイム(cycle time)を短くすることができる。圧力板およびバンドが電池モジュールを物理的に一体保持するのに役立つ一方、(次に説明する)モジュールのバスバーは、システムを電気的に接続する。
【0058】
<バスバー支持体要素>
モジュールの隣接するセル間の電気的な相互接続は、重要な特徴であり、柔軟で壊れやすいセル端子の互いに関連した登録を含み、意図された用途のために電気的に接続されていない、隣接した端子間の偶発的な接触を防止することを含むものである。図2は、例えばセル端子101及び102を除いて、モジュールの主スタックにおいて、全てのセルが、どの様に互いに関連してしっかりと保持され登録されるかを示している。
【0059】
図12は、成形されたプラスチック部品を用いた、堅牢でコンパクトで費用効率の高い解決法を示している。この部品は、その主要な機能を強調して「バスバー支持体(サポート:support)」と称されてもよい。標準的なバスバー支持体600aは、或る1つの放熱板400aの上縁部と結合する共に、2つのセル300a及び310aを包んでいる。セル300a及び310aは、各々、それぞれの放熱板の側部に添付され、また、各々、バスバー支持体の孔部を通って延びる2つの電気端子(図12には、各電池セル300a及び310aの負端子が示されている)を有している。バスバー支持体は、全てのサブアッセンブリに用いられ、拡張縮小可能な構造を助長している。例えば、バスバー支持体600bは、第2のタイプの放熱板である放熱板400bの縁部と結合している。
【0060】
図13Aは、放熱板400に取り付けられたバスバー支持体600の別の図を示している。標準的なバスバー支持体は、9つの特徴/機能を有している。
1.7個の可撓タブ(フレックスタブ:flex tab)608(4個が示されている)、及び放熱板の2つのスロット部(図5における構成要素406)を掴むための2つの楔形の掛け金(ラッチ:latch)。
2.オーバモールドされた(over-molded)エラストマー製のグリップ部(grip)を有するサーミスタ(thermistor)605と結合する四角形の中央ポート部(central port)604。
3.4つのセル端子の同時の挿入および登録を許容する、4つのテーパ付きポート部601。
4.セルのジッパヒューズ活性化事象中にバスバーを支持する本体部610。あらゆる残りの端子とバスバーとの間の分離性を維持することにより、バスバー支持体は、隣接するセルとカスケード損傷モード(cascading failure mode)を引き起こす可能性がある、間違ったセルのバスバーへの偶発的な接続を防止する。
5.セル端子へのバスバーのレーザ溶接中に2つの分離したバスバー要素を掴むための、2つの固定ラッチ602及び2つのフレックスラッチ603。この特徴は、特別なレーザ溶接用具の必要性を無くするのに役立つ。以下に説明するように、この特徴は、溶接前および溶接中に、セル端子と共に登録されているバスバー要素を動かないようにする組立治具として機能する。これらのラッチは、各バスバー要素を、放熱板および取り付けられた電池セルに関して実質的に固定された位置に保持する。テーパ付きのポート部および本体部は、電池セルの各々の端子を、放熱板およびバスバー要素に関して実質的に固定された位置に保持する。
6.任意のバスバーの電気的な接続リベットに対して適切な間隙を確保するための18個の浮き彫り部(レリーフ:relief)607。
7.モジュールの電圧検知ワイヤハーネス及びサーミスタのワイヤハーネスの経路を許容する中央の通路(チャンネル:channel)606。
8.バスバーの覆い(カバー:cover)が装着される前に、2つのワイヤハーネス(不図示)を保持する4つのフレックス・フィンガー部611。
9.バスバー・カバーの取付のための、端末部にある2個のネジ用ボス部612。
【0061】
更に、図13B及び16は、モジュールが端数のあるセル数(odd cell count)を有する場合には、唯一つのセルを包むために開発された第2のバスバー支持体650を示している。この決定は、別の部品が公にされ製作されるようにするけれども、それは、全てのセル端子が、登録され、隣接する端子との偶発的な接触から保護されるという原則を、十分に遵守するものである。中央付近の放熱板の2つ若しくはそれ以上の追加スロットを追加すること、及び/又はバスバー支持体に2つ若しくはそれ以上の楔形ラッチを追加することにより、モジュールの振動耐性の頑強さを向上させることができる。
【0062】
<バスバー要素>
バスバー要素(busbar component)は、モジュールの隣接するセルに電気的に繋がるバスバー・ジャンパと、1つ若しくはそれ以上の電池セル端子を電池モジュールの外部端子の各々に電気的に接続するバスバー端子と、で構成されている。図14は、モジュールの寿命性能を高めるためにこれらのバスバー要素を用いた、堅牢でコンパクトで費用効率の高い内部接続手法を示している。この手法は、あらゆる電気的接続のためにネジ付きの締結具を用いることを回避し、その代わりに、適応可能な自動コンピュータ制御プロセスでもって創成される精密溶接を用いるものである。
【0063】
図14は、各々バスバー支持体600によって保持された数多くのバスバー・ジャンパ(busbar jumper)700を示している。電池セルの端子が挿通して延びるバスバー支持体の各々に対して、前記端子に接続されたバスバー・ジャンパが、支持体の固定ラッチとそれに対向する可撓性ラッチとの間に握持されている。これらのラッチは、端子に対してバスバー・ジャンパを保持し、その動きを防止している。
【0064】
図15は、2種類の金属で成る(バイメタリック:bimetallic)バスバー・ジャンパ700を示している。電池モジュールは一群のバスバー・ジャンパ700を用いており、その各々は、銅材料で製作されたセル負極群に対してレーザ溶接される銅部分701と、アルミニウム材料で製作されたセル正極群に対してレーザ溶接されるアルミニウム部分702とを有している。バスバー・ジャンパの180度の屈曲部703は、組立中にセル端子が入り込む内面部704を形成している。バスバーの前記屈曲部を有する部分は、金属の連続片である。
セル端子に余りに多量のエネルギを加え、ひいてはセル内部の電気的な接続に損傷を及ぼす可能性がある超音波溶接の使用を回避する目的で、部分的に溶融させてバスバー・ジャンパを端子に冶金学的に接続するために、精密レーザ溶接が用いられる。バスバー・ジャンパの屈曲部703の外表面(内面部704の反対側)には、液体溶接処理が適用される。溶接中には、この面にレーザエネルギが当てられることになる。
この処理は、高い反射性表面を有するアルミニウム及び銅の両方についてレーザ溶接中の、レーザビーム(laser beam)の反射性を低減する表面仕上げを創り出す。この処理は、Nd−YAGレーザビーム波長のより良好な吸収性をもたらす、ニッケル若しくは錫(ティン:Tin)コーティングであってもよい。このことは、溶接に必要とされるエネルギを最小限にとどめることができるようにし、また、セル端子のシール(seal)の最高温度制限値を越えることなく、セル端子の溶接が行えるようにする。
レーザビームのエネルギはバスバーの180度の屈曲部703に浸透し、バスバー屈曲部の内面部704とセル端子(不図示)の先端部に溶融ビード(bead)を創り出す。溶接レーザは、電池端子の端末部に対し実質的に真正面の角度で、アタック(attack)708の角度によって図に示されるように屈曲部の外表面に向けて、バスバーの屈曲部に当てられる。
【0065】
図25は、電池端子の端末部に対し実質的に真正面であるアタック708の角度でバスバーの屈曲部を指向したレーザビーム733を備えた、溶接レーザ730と2種類の金属で成るバスバー・ジャンパ700の構成の追加的な図を示している。第2の眺望740は、参照線(reference line)736に沿って見た眺望735(つまり、鉛直z軸を中心にして90度回転した図735)の構成を示している。
眺望740は、バスバーの屈曲部742の右側端部から左側へ移動するレーザ730を示しており、そこでは、レーザビーム733が屈曲部742に関して僅かな角度741をもって指向した状態で、また、レーザビームがレーザ光学系内に後方反射(backreflecting)して損傷を及ぼすことを防止するために、角度741がレーザ730の進行方向と反対に向けられた状態で、レーザビーム733がチャンネル部に平行な進行方向に移動している。この結果、レーザビーム733が、当該レーザビームの進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられる。
溶接中、レーザ730は溶接されるバスバー及び電池端子に対して動くことができ、バスバー及び電池端子の組立体(アッセンブリ)はレーザに対して動くことができ、或いは、両者は互いに相対的に動くことができる。どの場合でも、バスバーと電池端子とは、当該電池端子が存するチャンネル部の長さに沿って、互いに取り付けられる結果となる。
【0066】
図26は、取付前および取付後の両方について、バスバー要素の電池セル端子への取付部の側面図を示している。図770は、電池端子771が内部に配置されるチャンネル部を形成する、バスバー700の屈曲部704を示している。図775は溶接後のこれらの要素を示しており、そこでは、電池端子776が、金属の再凝固層(プール:pool)778によって、バスバー777の屈曲部の内側角部に取り付けられている。
【0067】
レーザ溶接のような溶接法あるいは他の従来の溶接法は、2種類の金属で成るジャンパ・バスバーの2つの部分どうしを接合するのに用いるには、異種材料のため、及び公知の冶金学的制約のために、実用的でないかも知れない。その代わりに、バスバー・ジャンパ700では、線形溶接705を創成するのに、超音波ローラ・シーム溶接法を採用している。ジャンパ・バスバーの2つの部分の超音波溶接は、超音波エネルギがセル端子内に導かれ、ひいてはセル内部の電気的な接続を損なう危険性を及ぼすことがないように、モジュールから離れて行われる。
以前に注記したように、バスバー支持体は溶接治具として作用する。このバスバー支持体は、バスバーが上述のように端子にレーザ溶接されるまで、バスバーの屈曲部によって形成されたスロット内にセル端子が入れられた状態で、バスバー要素を所定の位置に保持する。
【0068】
2種類の金属で成るジャンパの電流特性を更にバランス良くし最適化するために、−その材料がアルミニウムと銅である−ジャンパ・バスバーの2つの部分の断面,幅および/または厚さを、各部分を通じて類似した抵抗を達成するように、独立して調整してもよい。バスバー・ジャンパを製造するに際しては、コストを低減するために、板材の打ち抜き(スタンピング:stamping)及び成形(フォーミング:forming)の代わりに、2種類の金属で成るジャンパ・バスバーの2つの部分の一方もしくは両方について、押出形成され所定長さに切った形状(extruded cut-to-length profile)が用いられてもよい。或る形態では、バスバー・ジャンパの銅製の部分が打ち抜かれ、アルミニウム製の部分は押出形成されている。
【0069】
図16は、一部分においてバスバー支持体600及び650に固定されたバスバー端子750を示している。バスバー支持体は、当該支持体がバスバー・ジャンパを保持するのと同様の手法でバスバー端子を保持している。バスバー端子750は、対応する電池セル300a,310a及び300の端子にレーザ溶接されている。電池モジュールは、モジュールの主スタックの一端に銅材料の単一金属で成る負のバスバー端子を用い、モジュールの主スタックの他端にアルミニウム材料の単一金属で成る正のバスバー端子を用いている。
バスバー端子は、圧力板50のソケット部508に取り付けられた鋼製のバスバーナットによって固定される。バスバー端子750は、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合にモジュールのヒューズとしての役割を果たす、傾斜(テーパ:taper)が付いた中央部分751を有している。ヒューズは、電流密度が最高になると、狭い部分で溶ける傾向がある。モジュールの安全機能は、ジッパーのヒューズが電池セルの端子に一体化されている方法と同様の手法で、ジッパーのヒューズの穴部およびスロットをバスバー端子に追加して、2つのモジュール・ヒューズの作動応答時間を調節することにより、向上させることができる。
【0070】
図17は、圧力板50に対するバスバー端子750の設置状態を示している。バスバー端子750は、鋼製のバスバーナット(図17では、バスバー端子の下側にあり視認できない)に取り付けられている。バスバーナットは、圧力板のソケット部508aの1つに取り付けられている。バスバー端子750は、以前に述べたように、外部のパワーラグ(power lug)及びワイヤハーネス(不図示)に接続されている。
更に、打ち抜き形成された銅製のバスバーナット架橋部(ブリッジ:bridge)780が、バスバー端子750に接続されてもよく、また、バスバーナット760bを介して圧力板のソケット部508bにも接続されてもよい。バスバーナット760bは、圧力板のソケット部508b内に配置された鋼製の留め具を握持する中央穴部を介して、圧力板50に固定されている。前記ブリッジ部は、モジュール対モジュール(module-to-module)の高出力ワイヤハーネス用の随意的な取付部位を許容する付属品(アクセサリ:accessory)である。
【0071】
<配線用付属品>
図18は、例えば電圧検知用ワイヤハーネスなどの配線を、バスバー端子およびバスバー・ジャンパに取り付けるのに用いられる、2つの形態が異なる留め具(クリップ:clip)を備えたバスバー端子750を示している。片側から見れば、クリップ791はU字形で実質的に凸状であり、一方、クリップ790はW字形である。クリップ790及び791の何れか一方もしくは両方は、配線を接続するのに用いることができる。電圧検知用配線(ワイヤ:wire)は、クリップをバスバー構成要素に取り付ける前に、当該クリップに超音波を用いて溶接される。
クリップは、バスバー・ジャンパ或いは端子に食い込む1つ若しくはそれ以上の歯部793を有しており、レーザ溶接作業がクリップをバスバーに留めるまで、当該クリップを所定の位置に位置決めして保持することができる。クリップは、それが取り付けられることになるバスバーのタイプに対応した互換性のある、打ち抜き形成された銅製もしくはアルミニウム製のものである。クリップは、自動視認システム(automatic vision system)を用いた製造用に、クリップのタイプを表すために、1つの金属タイプ用のノッチ部792を有している。
これらのクリップは、バスバー要素が電池セルに溶接されるのと同時に、バスバー要素に対してレーザ溶接され、共通の溶接部を分有する。バスバー要素を電池端子に取り付けるための前述の溶接技法と同様の溶接技法を用いて、レーザは、クリップとその下側にあるバスバー要素とを通って方向付けられ、バスバー要素のU字形の曲げ部内に在る端子の端末部に向けられる。そうする中で、単一の溶接作業が、3つの全ての部品(クリップ,バスバー要素および電池端子)を同時に溶接する。U字形のクリップが、共通の溶接部を分有することなく、バスバー要素に対してレーザ溶接されるようにしてもよい。
【0072】
図19は、バスバー上への設置用に僅かに内方へ曲げられたクリップ歯部793を備えたW字形のクリップ790の側面図を示している。保持作用をもたらす締まり嵌めを備えてクリップが設計されている場合には、歯部は、溶接されるまで当該クリップをバスバーに固定することが求められてもよく、或いは求められなくてもよい。
【0073】
図20は、サーミスタ795をバスバー端子に取り付けるためのクリップ794を備えたバスバー端子750を示している。サーミスタの頭部は、組立後に硬化する塗布されたエポキシ接着剤を用いて、クリップの保持部の内側に接着結合されている。サーミスタ頭部の首(ネック:neck)部は、前記頭部が定められた位置の再現性を有するように、隣接タブ796に接している。前記保持部の上縁に形成された面取り部797は、サーミスタの頭部が装着される際に損傷することを防止するのに役立つ。
【0074】
<バスバー・カバー>
図1は、3つのバスバー・カバー40を示している。電池モジュールは、一群の成形されたプラスチック製のカバーを使用しており、モジュールのバスバー、並びに、電圧検知用のワイヤハーネス及びサーミスタ用のワイヤハーネス等の他の内部の構成要素を、特にそれらが金属製のものである場合に、外部の異物とのあらゆる偶発的な接触から保護している。
【0075】
図21は、相対的な取り合い(フィット:fit)が目の当たりにすることができるように、カバーの平坦な主表皮部を伴っていないバスバー・カバー40aを示している。カバーの平坦な主表皮部を含んだバスバー・カバー40bも示されている。各々のカバーは、その構造上の剛性を高めるために、また、バスバー端子750,バスバー・ジャンパ700及び/又はセル端子の代わりに、モジュールのバスバー支持体および放熱板へのあらゆる不都合な外力の方向を変え分散させるために、リブ801,802及び803を含む補強リブのマトリックスを有している。
バスバー・カバーはモジュールのバスバーを包んでおり、電気的な過負荷事象の最悪のケース或いは激しい車両衝突の間に、隣接するバスバーが互いに接触して電気的な短絡経路を生じさせることを防止するのに役立っている。或るリブ、例えばリブ802は、他のリブよりも深く電池モジュール内へ延びており、また、バスバー・ジャンパ間では、リブ803が隣接するバスバー間の接触を防止するのに役立っており、一方、例えばリブ803などのリブは、バスバー端子,バスバー・ジャンパ又はセル端子への力の分配を回避するために、深さがより浅い。この代わりに、電池モジュールは、重なり継ぎ手を有し上下方向の接触タブがより少ない、低コストでより簡素なカバーを用いるようにしてもよい。この後者の手法の不利な点は、上下方向の外力に耐えるモジュールの頑健さが低下するかも知れないことである。
【0076】
<拡張縮小可能な構造>
上述の特徴は、拡張縮小可能な構造(scalable architecture)をもたらす。「拡張縮小可能な構造」なる用語は、数量が異なる電池セル,並列に電気的接続をされたセルを備えたサブグループ、及び直列に電気的接続をされたサブグループを有する電池モジュールの、迅速なエンジニアリング(engineering),開発,認定および製作を容易にする、柔軟性のある(フレキシブル:flexible)構造を指称するものである。この柔軟性は、電池供給業者が、数多くの異なるモジュールの電気的特性を調整し、多様な顧客の性能上の仕様を満足させることを可能にする。
例えば、「3P」構造を備えたA123システムのプリズム状電池モジュール・ファミリ(family)が、図22に示されている。このファミリの7つの要素(メンバー:member)は、23S3P,22S3P,16S3P,13S3P,11S3P,6S3P及び1S3Pモジュールであり、図22においては、それぞれ符号907,906,905,904,903,902及び901で特定されている。
【0077】
図24は、図23において、それぞれ符号950,951,952及び953で特定されている、A123システムのプリズム状電池モジュール・ファミリの要素13S3P,23S2P,4S2P及び4S6P用の、様々なバスバー要素の形態を示している。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2009年1月12日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えたプリズム状電池モジュール」と題する米国仮出願第61/143,976号;2009年12月1日に出願された「電池システム用の2種類の金属で成るバスバー・ジャンパ」と題する米国特許出願第12/628,780号;2009年12月1日に出願された「電池端子を溶接する方法」と題する米国特許出願第12/628,699号、に基づく優先権を主張するものであり、それらの内容全体は、参照することによりここに組み込まれる。
【0002】
また、この出願は、本願と共に一斉に出願された以下の出願にも関連しており、それらの内容全体は、参照することによりここに組み込まれる:
・2009年12月1日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えた角柱状(プリズム状:prismatic)電池モジュールの構造」と題する米国特許出願第12/628,733号
・2009年12月1日に出願された「電池用の安全ベント機構」と題する米国特許出願第12/628,713号
・2009年12月1日に出願された「拡張縮小可能な構造を備えたプリズム状電池モジュール」と題する米国特許出願第12/628,809号
・2009年12月1日に出願された「電池セル用ヒューズ」と題する米国特許出願第12/628,796号
・2009年12月1日に出願された「電池システム用のバスバー支持体およびその使用方法」と題する米国特許出願第12/628,786号
【0003】
(技術分野)
本発明は、電池モジュール、及び電池モジュールを製造するための拡張縮小可能な構造に関する。
【背景技術】
【0004】
「電池モジュール」は、典型的には、地上,海洋あるいは空の輸送手段に据え付けられる組立体(アッセンブリ)である「電池パック」の内部に装備される部分組立体(サブアッセンブリ)である。これらの輸送手段は、典型的には、例えば、輸送手段の推進あるいは何らかの形態での機械的動作に用いられる電気モータを駆動する、コンピュータ制御の電力変換器(パワーインバータ)など、様々な高出力の電気負荷を有している。
【0005】
地域送電網(ネットワーク)の最悪の場合の供給変動事象の平準化を助けるために、多数の1群の電池モジュールが、電力会社によって用いられることもある。モジュールは「電池ステーション」の内部に装備されるものであり、この電池ステーションは、コンクリートの基礎に動かないように固定され、大きくて堅固で静止した、耐候性があり、環境制御されている、囲い(エンクロージャ:enclosure)である。これらモジュールは、何れのモジュールも迅速に接続でき或いは接続を断つことができるように、棚部(ラック:rack)を介して、格納部(ドック:dock)に取り付けられ電気的に接続されている。
【0006】
電池パック及び電池ステーションは、典型的には、完成した電池パック最終製品を輸送手段の製造業者に納入するために、或いは、完成した電池ステーション最終製品を電力会社に納入するために、その内部に据え付けられる別のサブアッセンブリ及び構成要素を有している。これらサブアッセンブリ及び構成要素は、電子式センサモジュール,電子式制御モジュール,電気的充電モジュール,電気的インタフェース接続具(コネクタ),電気的ヒューズ(fuse),電気的ワイヤハーネス、及び温度管理手段を含むものである。
【発明の概要】
【0007】
概して言えば、或る態様では、電池システムは、順番に並べられた複数の電池セルであって、各電池セルは第1の電圧端子と第2の電圧端子とを有し、複数の第1の電圧端子は列を成して配置されている、電池セルと;第2セグメントに接合された第1セグメントを有する2種類の金属で成るバスバーであって、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、バスバーと、を備え、前記第1セグメントは、前記複数の電池セルのうちの1つの前記第1の端子が内部に配置される第1チャンネルを形成する第1のU字状屈曲部を含み;前記第2セグメントは、前記複数の電池セルのうちの他の1つの前記第1の端子が内部に配置される第2チャンネルを形成する第2のU字状屈曲部を含んでいる。
【0008】
他の実施形態は、次の特徴の1つ若しくはそれ以上を含んでいる。ここにおいて、前記第1のU字状屈曲部は、前記第1チャンネルの底部に第1底部内側角部を形成し、前記第1チャンネル内の第1の端子は、金属の再凝固層により、前記第1底部内側角部で前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられており、幾つかの実施形態では、前記第1端子は、レーザ溶接によって前記第1セグメントに取り付けられている。
また、前記2種類の金属で成るバスバーは、少なくとも前記第1及び第2の屈曲部の範囲内に表面処理部を含んでおり、該処理部は、前記2種類の金属で成るバスバーの反射性を低減する役割を果たし、幾つかの実施形態では、前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されており、幾つかの実施形態では、前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている。また、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている。前記第1セグメントは、超音波溶接によって前記第2セグメントに接合されている。
【0009】
幾つかの実施形態では、前記バスバーの前記第1セグメントに取り付けられた配線用クリップを更に備え、前記配線用クリップは、当該配線用クリップに接合されたワイヤを含んでいる。かかる実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップは、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記配線用クリップは一つ若しくはそれ以上の歯部を有しており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記バスバーに食い込む一つ若しくはそれ以上の歯部により、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持され、一方、他の実施形態においては、前記配線用クリップは締まり嵌め構造を備えて設計されており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記締まり嵌めにより、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される。幾つかの実施形態では、前記配線用クリップはU字状の側面形状を有しており、一方、他の実施形態においては、前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している。
【0010】
概して言えば、今一つの態様では、電池製造方法は、チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有するバスバーを供給するステップと;単一の電池端子を、当該端子の上端部が前記屈曲角部に近接するように、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に位置決めするステップと;前記U字状部分の屈曲角部にレーザビームを指向させるステップと;前記レーザビームを用いて、前記屈曲角部で前記バスバーを溶融し、当該バスバーと前記単一の端子との間に冶金学的な結合部を形成するステップと、を備えている。
【0011】
或る実施形態では、前記バスバーはレーザ溶接を用いて前記電池セル端子に取り付けられ、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる。これらの実施形態の或るものにおいては、前記レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられる。また、これらの実施形態の或るものにおいては、前記レーザビームは、前記チャンネルと平行な進行方向に移動することができ、幾つかの実施形態では、前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態では、前記反射性低減処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
【0013】
他の実施形態は、第1バスバー・セグメントを第2バスバー・セグメントに接合することによって前記バスバーを形成するステップを更に備え、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作される。これらの実施形態の或るものにおいては、前記バスバーを前記端子に取り付けるに先立って、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接される。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成される。これらの或る実施形態の他のものにおいては、前記第1セグメントは主として銅で製作される一方、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作され、これらの実施形態は、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されるものを含んでいる。
これらの或る実施形態の更に他のものにおいては、前記電池端子を前記チャンネル内に位置決めする前記ステップは、前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと;バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと;前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、を備えている。
【0014】
幾つかの実施形態では、前記電池セルはプリズム状の電池セルである。
【0015】
或る実施形態は、前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、レーザ溶接を用いて同時に取り付けられ、また、前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えていてもよい。
或る実施形態では、前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えており、当該実施形態は、前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えてもよく、加えて、前記ワイヤは、超音波溶接を用いて前記配線用クリップに取り付けられてもよい。
【0016】
追加的な実施形態は、前記電池端子を前記チャンネル内に位置決めする前記ステップは、前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと;バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと;前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、を含んでいる。
【0017】
また、概して言えば、或る態様においては、電池は、電圧端子を有する電池セルと;チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有しており、前記電池端子は、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に延び、前記屈曲角部に近接した上端部を有している、バスバーと;前記屈曲角部で、前記端子の上端部と前記チャンネル内のバスバーとの間に形成された冶金学的な結合部と、を備えている。電池は、以下の各々を含む様々の実施形態を有している。
【0018】
或る実施形態では、前記冶金学的な結合部はレーザ溶接を用いて形成され、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる。これらの実施形態の或るものにおいては、レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられた。また、これらの実施形態の或るものにおいては、前記冶金学的な結合部は、前記チャンネルと平行な進行方向に移動させられるレーザビームによって形成され、また、幾つかの実施形態では、前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられたものであってもよい。
【0019】
幾つかの実施形態では、前記反射性低減処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成っている。
【0020】
更に他の実施形態では、前記バスバーは、第2バスバー・セグメントに接合される第1バスバー・セグメントを備えており、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接されている。
これらの実施形態の幾つかにおいては、前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている。これらの或る実施形態の他のものにおいては、前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されており、また、これらの実施形態は、前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方が押出形成されているものを含んでいる。これらの或る実施形態の更に他のものは、前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている。
【0021】
幾つかの実施形態では、前記電池セルはプリズム状の電池セルである。
【0022】
或る実施形態は、前記バスバーに固定された配線用クリップを更に備えている。これらの実施形態の或るものにおいては、前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、同じ冶金学的接合部に取り付けられており、また、かかる実施形態の幾つかは、前記配線用クリップに取り付けられたワイヤを更に備えていてもよい。或る実施形態では、前記ワイヤは、超音波を用いて前記配線用クリップに溶接されていてもよい。
【0023】
本発明の1つ若しくはそれ以上の実施形態の詳細が、添付図面および以下の記載において説明される。本発明の他の特徴,目的および利点は、前記記載および図面から、また、クレームから明らかになることであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】図1は、電池モジュールを示している。
【図2】図2は、バスバー・カバー及びバスバーが取り除かれた状態で、また、セル・サブアッセンブリが露出した状態で、電池モジュールを示している。
【図3】図3は、プリズム状の電池セルを示している。
【図4】図4は、プリズム状電池セルのジッパヒューズを示している。
【図5】図5は、セル・サブアッセンブリのより詳細な図を示している。
【図6】図6は、セル・サブアッセンブリの別の図を示している。
【図7】図7は、代替的な放熱板およびセル・サブアッセンブリを示している。
【図8】図8は、別の代替的な放熱板およびセル・サブアッセンブリを示している。
【図9】図9は、圧力開放歯部が取り付けられた放熱板を示している。
【図10】図10は、電池モジュール圧力板の図を示している。
【図11】図11は、電池モジュールのバンド要素の一部分を示している。
【図12】図12は、高さを抑えたセル・サブアッセンブリを含む、電池モジュール内のセル・サブアッセンブリに取り付けられた、幾つかのバスバー支持体を示している。
【図13A】図13Aは、放熱板に取り付けられたバスバー支持体を示している。
【図13B】図13Bは、1つの電池セルを支持する代替的なバスバー支持体を示している。
【図14】図14は、電池モジュール内のセル・サブアッセンブリに取り付けられた幾つかのバスバー支持体であって、バスバー・ジャンパの少なくとも一部分を保有するバスバー支持体を示している。
【図15】図15は、バスバー・ジャンパの側面を示している。
【図16】図16は、圧力板およびセル・サブアッセンブリに関連したバスバー端子を示している。
【図17】図17は、圧力板およびバスバー・ブリッジに取り付けられたバスバー端子を示している。
【図18】図18は、ワイヤ取付用クリップの2つのバリエーションを備えたバスバー端子を示している。
【図19】図19は、ワイヤ取付用クリップの側面図を示している。
【図20】図20は、サーミスタ取付用の支持クリップを示している。
【図21】図21は、バスバー・カバーの切り取り図を示している。
【図22】図22は、拡張縮小構造を組み込んだ電池モジュール群を示している。
【図23】図23は、圧力開放歯部を示している。
【図24】図24は、電池モジュールの様々な形態を実現するのに用いることができる、バスバー要素の幾つかの配置を示している。
【図25】図25は、バスバー要素に関する溶接レーザの形態の図を示している。
【図26】図26は、電池セル端子へのバスバー要素の取付前後の図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の特質および目的のより十分な理解のために、以下の詳細な説明が添付図面と関連付けて述べられる。これら図面においては、同一もしくは類似の部品を示すのに同一の参照番号が用いられる。
【0026】
電池モジュールは、各々角柱状(プリズム状:prismatic)の電池セルを収容したセル・サブアッセンブリの組立体(アッセンブリ)から成り、セルはモジュール内の他のセルに電気的に接続されてモジュールを形成している。用語「プリズム状(角柱状)」は、ここに記載された電池セルの形状を指すもので、本モジュールを、円柱状の(シリンドリカル:cylindrical)電池セルを備えた他のモジュールと区別するものである。
【0027】
図1は、負極20と正極21とを備えた電池モジュール10を示している。電池モジュール10は、1つ若しくはそれ以上のセル・サブアッセンブリ30を収容している。以下により詳しく説明されるように、セル・サブアッセンブリは、任意の尺度の電池モジュールを構成することができる基本構成要素である。セル・サブアッセンブリはプリズム状電池セル(不図示)を収容している、その各々が電池の電力および蓄電容量の一部分をもたらしている。
セル・サブアッセンブリ30は、圧力板50及び帯状体(バンド:band)51によって一つに纏められている。圧力板50は、電池モジュールのための取付機構としての役割を果たし、1つ若しくはそれ以上の取付通路52を包含しており、電池モジュール10を、例えば、様々の方位において、電池パック・エンクロージャ内に取り付け、或いは電池ステーションの棚部(ラック:rack)上に取り付けるための、ハードウェア(不図示)を受容できるようにしている。
個々の電池セルは、(以下に説明する)母線(バスバー:busbar)によって、並列に及び/又は直列に電気的に接続されている。バスバーは、セルをお互いに及び電池の端子に接続するもので、その全てが電池モジュールの片側にある。電池モジュール10のこの側は、1つ若しくはそれ以上のバスバー・カバー40で覆われている。
【0028】
図2は、セル・サブアッセンブリ30の内部の眺めを露出させるために、バスバーおよびバスバー・カバーが取り除かれた状態で、電池モジュール10を示している。各サブアッセンブリは、1つ若しくは2つのプリズム状電池セル300を含んでおり、各セルは、正極301と負極302とを有している。端子301及び302は、バスバー・ジャンパ(不図示)によって直列に及び/又は並列に電気的に接続されている。バスバー端子(やはり不図示)は、電池端子の幾つかを電池モジュールの負極20または正極21の何れかに接続している。
【0029】
ここに説明されるプリズム状電池モジュールは、同一セルのグループを有している。モジュール当たりのセルの数量およびモジュールの電気接続構造(平行カウント対直列カウント:parallel count versus series count)が、モジュールの電気的特性および評価を定めることになる。例えば、「23S3P」構造のモジュールは、69個のセルと、直列に電気的接続がされた23のサブグループと、各サブグループ内で並列に電気的接続がされた3個のセルと、を有している。電池モジュールは、この構造に応じて、偶数または奇数の電池セルを包含することができる。
【0030】
<プリズム状電池セル>
図3は、プリズム状電池セル300を示している。プリズム状セルは、上面306及び底面307(視認できない)の2つの広い平坦面を有しており、これら平坦面は、基本的に互いに平行で、機械的保持とモジュール内部の熱的管理のために用いられる。
セルの覆い(エンクロージャ)は、「小袋(ポーチ:pouch)」と呼ばれるかも知れない。というのは、エンクロージャは、折り畳まれ接合されて、費用効率の高い、周囲に対して密閉されたハウジング(housing)を構成する、非剛体の柔軟なシート(フレキシブル・シート:flexible sheet)だからである。ポーチの材料は、両面に高分子化合物の被覆(ポリマー・コーティング:polymer coating)が施された薄いアルミニウム箔(フォイル:foil)である。ポーチは、シール境界(seal boundary)303を与える底縁部で折り畳まれている。
ポリマー・コーティングされたポーチは、2つの側部で熱的に接合されたフランジ部を形成し、それらは2つの更なるシール境界304及び305を構成する。この配置構成は、正味性能の低下を伴うことなく、モジュールの物理的体積を低減するものである。側部フランジ部の寸法は、長期間にわたる頑健性を確保するように選定される。セルの側部フランジ部はコンパクトな幅を構成するために折り畳まれる。
【0031】
セルの2つの平らな電極、正極301及び負極302は、ポーチの1つの縁部から突出し、これら電極は、電気絶縁性のあるポリマー製の周辺シールを用いて周囲に対して密封されている。ポーチの末端縁部の残りの部分は、熱的に接合されて第4の周囲に対して密閉された境界を形成しており、これが、セルの周辺シールを完成させている。
端子は中心軸線315に関して対称に位置しており、また、端子は、好ましくは、電池セルの中央面にある。従って、電池セル300は、中心軸線315を中心にして180度「反転」される(flipped)ことができ、その結果、各端子は、(セル端子を含む縁部に面した、軸線315に沿ってセルを視認することに関して)セルを「反転(flipping)」させる前は逆性の端子が保持されていたのと同じ位置になる。この対称性は、負極が(中心軸線315に沿って見て)左側または右側の何れにあるかを考慮することなく、1個が一連のセルに積み重なることができるようにし、何れの方位においても、結果として得られた端子の列が各々真っ直ぐな列として並び、従って、互いに容易に相互結合されることができる。
特に、電池モジュールは、(1)隣接した電池セルの同じ左側/右側の端子が同じ極性または逆の極性の何れかを有するように、電池セルを選択的に指向させること、及び(2)これら隣接した端子が、直列構造を形成する逆極性の端子間の接続と並列構造を形成する同一極性の端子間の接続とを備えた、(以下に説明する)バスバー要素(busbar component)を用いること、により、直列接続および並列接続の異なる組み合わせを備えて、構成されることができる。
セルの化学的性質と内部構造のために、負極の材料は銅であり、正極の材料はアルミニウムである。端子の長さは、他の市販の設計のものに比して短くなっている。コンパクトな端子を用いる機会については、「バスバー要素」と題した項目において明確にされる。説明目的のために、補足的な負の記号および正の記号が、図3のセルに追記されている。
【0032】
電池セルの非剛体で柔軟なポーチは、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合には、物理的に膨張することになる。電気的な過負荷事象の間の圧力解放(ガス抜きとしても知られている)は、圧力解放ベント(vent)機構309に代えて、若しくはこれと組み合わせて、セルに対し外部に取り付けられた「歯部(tooth)」の使用を通じてもたらされる。セルが膨張して歯部に接触した場合には、歯部は、制御されたやり方でセルに孔をあけることになる。この歯部については、以下において更に説明する。
【0033】
図4は、電池セル300の電気端子302に組み込まれたジッパヒューズ(zipper fuse)308を示している。ジッパヒューズ308には2つの列があり、各列は、当該列の一端にある細長い溝穴(スロット:slot)状の穴部310と、このスロット状穴部310と列の他端との間にある円形穴部311とで構成されている。このヒューズは、ジッパ(ファスナー)のように見えるので、「ジッパ」ヒューズと呼ばれる。ジッパヒューズは、セルの負極に組み込まれる。
ジッパヒューズのスロット穴310及び円形穴311の幾何学形状,数および位置は、当該ヒューズが、隣接するセルへの、或いは可能性があるモジュール内の全てのセルへの、カスケード損傷モード(cascading failure mode)を防止する、所定の時間的期間内で作動するように、選定される。特に、ヒューズのスロット穴は、電流の「ホットスポット(hot spot)」を当該穴部の周囲領域の付近に集中させることにより、ヒューズ活性化の一貫したパターンを確保し、前述の領域内でヒューズ活性化が始まることを助長するのに役立つ。スロット穴に加えて円形穴を用いることは、とりわけ、ヒューズ活性化に先立って構造的な完全性を維持するのに役立つ。
スロット穴と円形穴の平行な2つの列の位置調整は、列と列との間に、端子の残余部分から部分的に熱的遮蔽された領域312を形成し、そのことは、ヒューズ活性化中に生じた熱を集中させて、活性化をより完全で一貫性があるものにする助けとなる。
【0034】
<電池サブアッセンブリ>
図5は、サブアッセンブリ30a及び30bを含む一群のセル・サブアッセンブリを示している。サブアッセンブリ30aには、やはり2つの広い平坦面を有する電池セル300aと同様に、2つの広い平坦面を有する放熱板(ヒートシンク:heat sink)400aがある。電池セル300aは、当該電池セル300aの第2の広い平坦面が放熱板400aの第1の広い平坦面に隣接するように、放熱板400aに対して隣接して取り付けられている。
サブアッセンブリ30aは、また、2つの広い平坦面を有する柔軟性のある当て物(柔軟パッド:compliant pad)401a、及び2つの広い平坦面を有する第2の電池セル310aを包含している。柔軟パッド401aは、電池セル310aの第1の広い平坦面が当該柔軟パッド401aの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル300aに対して隣接して取り付けられている。柔軟パッド401aは、また、当該柔軟パッド401aの第1の広い平坦面が第2の電池セル310aの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル310aに対して隣接して取り付けられている。
この配置は、電池セル,放熱板,もう一つの電池セル及び柔軟パッドの「カセット(cassette)」構造の後に、電池セル,放熱板,もう一つの電池セル及び柔軟パッドの別のグループなどが続く、繰り返しのカセット構造を形成している。柔軟パッド401aは、使用中にセルが膨張/収縮できるようにするだけでなく、サブアッセンブリが圧力板の間に互いにバンドで縛られた場合に、サブアッセンブリ間に圧力を分散させるのに役立つ。
同様に、サブアッセンブリ30bは、サブアッセンブリ30aに隣接して取り付けられている。サブアッセンブリ30bには、やはり2つの広い平坦面を有する電池セル300bと同様に、2つの広い平坦面を有する放熱板400bがある。放熱板400bは、電池セル310aの第1の広い平坦面が当該放熱板400bの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル310aに対して隣接して取り付けられている。電池セル300bは、当該電池セル300bの第2の広い平坦面が放熱板400bの第1の広い平坦面に隣接するように、放熱板400bに対して隣接して取り付けられている。
サブアッセンブリ30bは、また、2つの広い平坦面を有する柔軟パッド401b、及び2つの広い平坦面を有する第2の電池セル310bを包含している。柔軟パッド401bは、電池セル300bの第1の広い平坦面が当該柔軟パッド401bの第2の広い平坦面に隣接するように、電池セル300bに対して隣接して取り付けられている。
【0035】
図5及び図2に示されるように、全ての放熱板は、柔軟パッドを隣接したセルに接合するのにも用いられる、組立後に硬化する分布された接着剤により、モジュール組立工程中に、隣接するセルに接合される。セルとパッドと放熱板のグループは、各モジュールにとって主要な積み重ね体(主スタック:main stack)のサブアッセンブリを構成しており、これが、拡張縮小可能な構造(scalable architecture)を促進している。換言すれば、同じサブアッセンブリを単に追加あるいは取り去るだけで、モジュールのサイズを容易に変更することができる。
サブアッセンブリは、それ自体を事前組み立てし、その後に、サブユニット(sub-unit)として一緒に電池モジュールの主スタック内に組み込まれてもよく、或いはそうでなくてもよい。主スタックの組立は、全ての電池セルと放熱板と柔軟パッドとが1工程で一緒に組み立てられる1ステップ工程として成し遂げられることができる。「サブアッセンブリ」という概念は、電池モジュールの構造全体を説明するときには、構成要素の論理グループに対する便宜上の標識(ラベル:label)として用いられる。
【0036】
また、図5に示されるように、電池セル(例えば、300a,310a,300b及び310b)の各々は、それぞれの正極が、端子で終焉するように見て左方または右方を指向した状態で、個別の放熱板(例えば、400a及び400b)に取り付けられている。例えば、図5においては、電池セル300a,310a及び300bは、各々、負極が図5の視点から右方を指向しており、一方、電池セル310bは、正極を右方に向けて取り付けられている。
電池セルのグループの他の方位性(例えば、電池セル310bを180度反転させて、その正極と負極とを位置変換する)は、端子に隣接したどのグループが、以下に説明するバスバー・ジャンパ及び端子によって電気的に接続されるかに応じて、端子間の直列または並列の接続の異なる組み合わせを許容する。
【0037】
図6は、セル・サブアッセンブリ30の眺望を示しており、電池モジュール10はこのセル・サブアッセンブリから組み立てられる。図6は、電池セル300に接合された放熱板400を示しており、電池セルは順繰りに柔軟パッド401に接合されている。図6は、先に述べられ、また、図5に示されたように、柔軟パッドに接合されることになる隣接したセルは表示していない。
更に図6を参照すれば、サブアッセンブリ30が別のサブアッセンブリに隣接して積み重ねられた場合に、金属製の放熱板400は、2つのセル300及び310に接する。各セルは、伝導熱伝達または強制対流熱伝達によって熱管理を容易にするために、当該セルの2つの平坦面の1つを介して放熱板と接している。この結果、各セルについて放熱板を用いる場合に比して、モジュール毎に約半数の放熱板が必要とされるだけになる。幾つかのものは、より大きくてより複雑で手の込んだ放熱板を有している、他の市販のモジュールと比べて、出力対物理的体積の比が改善されたコンパクトなモジュール、が得られることが利点である。
【0038】
放熱板は、アルミニウムの板材から製作され、標準的な工具実務(tooling practice)を用いて打ち抜かれて(stamped)形成される。放熱板は電気絶縁性の被覆(コーティング)を有しており、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合でも、放熱板の何れか若しくは全てに対する電気的な短絡経路を許容することがないことを、確かなものにしている。コーティング厚さは、好ましくは、熱の伝達を実質的に阻害することがないように選ばれている。保護コーティング及び適用工程は、電気的な過負荷事象の間の電気的な短絡防止を同時にもたらし、効果的な伝熱とコスト低減とを可能にしている。
【0039】
放熱板の別の機能は、激しい車両衝突の際に、セルを異物から保護することである。先に議論したように、放熱板の形成された翼部(ウイング:wing)403は、隣接する放熱板の輪郭を入れ子状に重ね入れ、複雑性,コスト及びモジュールの物理的体積に関して、満足のいくレベルのセルの保護をもたらす。これらの翼部は、放熱板の3つの縁部を放熱板の広い平坦面に対して直角に折り曲げることによって形成される。
【0040】
図5を参照すれば、隣接する放熱板の翼部の一部分を受け合うために、放熱板の広い平坦面に出会う翼部の領域付近を追加的に曲げることにより、窪み(404a,404b)が放熱板から形成されている。例えば、窪み404bは、翼部403aの一部分を受け合うように形成されている。このことは、内部部品を備えた放熱板が、より容易に、互いに上部に積み重なるようにしている。電池パックの覆い(エンクロージャ)は衝突時の主要な保護防壁であり、従って、放熱板は、電池モジュールの安全能力を更に向上させる今一つの防壁(バリヤ:barrier)である。
【0041】
モジュールが端数のあるセル数(odd cell count)を有する場合には、(2つのセルを包む「全高さ(full-height)」放熱板と反対に)ただ1つの電池セルのみを包む短い形成翼部を備えた第2のタイプの放熱板が用いられ、その場合には、この第2のタイプの放熱板はサブアッセンブリの積み重ね体(スタック)の一端部に配置される。これらの端数のあるセル数の形態では、図5に示されるように、最底部の放熱板の底部には、電池セルが取り付けられることはない。
【0042】
図7は、隣接する電池サブアッセンブリ421内に入れ子になる第2のタイプの放熱板420を示している。放熱板420は、全高さ放熱板が隣接するセルに取り付けられるのと同じやり方で、電池セル320に接合される。また、図7は、2つの柔軟パッド422a及び422bの使用も示しており、それらは、圧力板によって主スタックに加えられるクランプ力を分散させ均等化するために、モジュールの主スタックの両端部に用いられる。この第2のタイプの放熱板は、たとえモジュールが端数のないセル数(even cell count)を有する場合でも用いられるが、端数のないセル数のモジュールは、第3のタイプの放熱板も使用する。
【0043】
モジュールが端数のないセル数を有している場合には、ただ1つの電池セルのみを包む中間的な高さ(medium-height)の形成翼部を備えた第3のタイプの放熱板が用いられてもよく、その場合には、第3のタイプの放熱板は、第2のタイプの放熱板を備えた端部と反対の、サブアッセンブリのスタックの一端部に配置される。これらの端数のないセル数の形態では、この第3のタイプの放熱板は、さもなければ露出した電池セルを有することになる放熱板に隣接して入れ子にされる。
例えば、図8を参照すれば、この第3のタイプの放熱板430は、最も下方の放熱板429の下側にあって、放熱板429と放熱板430との間に位置する単一の電池セル321を保護するのに役立っている。2つの柔軟パッド(不図示)は互いに隣接して取り付けられ、柔軟パッドの1つの片側は、モジュールのサブアッセンブリ主スタックの端部で、放熱板430に隣接して取り付けられる。
【0044】
これらの追加的なタイプの放熱板は、追加の構成要素が公にされ製造工程において製作されるようにするけれども、それらは、放熱板がセルの2つの広い平坦面の1つを介して各セルに接するという原則(principal)、及び、全てのセルは激しい車両衝突の際に異物から保護されるという原則を、十分に遵守するものである。
【0045】
図9は、放熱板の穴部を介して取り付けられた圧力解放歯部410及び411を備えた放熱板400を示している。一方の歯部410は、その尖った先端部が放熱板の取り付けられた電池セルの方に向くように方向付けられ、また、当該放熱板に第2のセルが接合されている場合には、他方の歯部411は第2のセルの方に向けられている。追加的な歯部の対が、放熱板400の他の箇所あるいは放熱板に結合されたバスバー支持体に配置されてもよい。歯部の材質は成形されたプラスチックであり、歯部は、打ち抜かれたアルミニウム製の放熱板の簡素な穴部に対して、熱を用いて杭打ちされるか(heat-staked)若しくは超音波を用いて溶着される。
電気的な過負荷事象が起こった場合、セルの非剛体で柔軟なポーチは、急激な内部ガス発生により物理的に膨張することになる。ポーチが膨張するとき、内圧による力がポーチを歯部に対して押圧し、セルを穿刺し、制御された内圧解放をもたらす。電池セルは、その中でポーチが膨張することができる特定の領域を形成するのに役立つ穴部(ポート:port)を有しており、歯部の尖った先端もしくは縁部は、その領域の範囲内で、膨張時のポーチを少なくとも部分的に穿刺するように位置が定められている。
電池セルは多数の膨張経路に沿って膨張することができるけれども、前記ポートは、それらの経路の少なくとも1つに沿って膨張を規定し促進するのに役立つ。ポーチの膨張は、電池セルの残余の部分に対して膨張性が高められたポーチの領域を創り出すことにより、部分的に制御することもできる。幾つかの実施形態では、前記ポートは膨張性が高められた領域を露出させる。これらの実施形態の何れにおいても、歯部の尖った先端は、ポーチの膨張経路の少なくとも1つに沿って位置が定められる。
【0046】
図23は、圧力解放歯部の2つの追加的で代替的な実施形態を示している。歯部450には、先端部451と2つの溝部(チャンネル:channel)452とがある。歯部455には、2つの先端部456と、この先端部の領域から離れるように延びる2つのチャンネル457とがある。歯部450の構造は、(先端部の代わりに尖った縁部を用いる他の実施形態と同様に)ガス抜けを促進するためにポーチに「破れ(tear)」つまり裂け目(rip)の形成を促進するのに役立つことができる。
これらのタイプの歯部の各々において、チャンネルは、電池セルからガスが抜け出る経路をもたらすのに役立ち、ポーチが(穿刺にも拘わらず)不用意に自身を再封止して歯部に対して閉じることがないことを確実にするのに役立つ。また、尖った先端部とチャンネルの方位性および組み合わせも用いることができ、同様に、尖った縁部および/またはチャンネルの他の組み合わせも用いることができる。
【0047】
電池セルの内部と放熱板との間の短絡の防止に役立つように、歯部は非導電性の材料から製作されている。
【0048】
図5及び6に示されたように、柔軟パッド401は、セルの2つの広い平坦面の1つを介して各セルに接して、以下の機能をもたらしている:(a)セルの寿命および性能のために、均一な圧力分布を与える、(b)セルの全寿命を通じてセルの作動領域(active area)に一定の圧力を与える、(c)充電および放電サイクル中に固有の性質のために電池の厚さが変化することを補償する、(d)電池並びに放熱板,圧力板および締め付けバンド等の他のモジュール構成要素の熱膨張および熱収縮のために、モジュールの長さが変化することを補償する。
【0049】
<圧力板要素>
図10は、圧力板50を示している。圧力板50は、モジュールのセルの主スタック,柔軟パッド及び放熱板に静的なクランプ力を加える剛構造(rigid structure)である。この構造は、また、モジュールが電池パックのエンクロージャの内部に取り付けられることができるための手段を与えるものである。この構成要素は、主要な作用を強調するために、「圧力板」と呼ばれることができる。圧力板の材料は、規定の温度暴露の等級(レーティング:rating)及び可燃性のレーティングを備えた、成形されたプラスチック・ポリマーである。圧力板は、モジュールの主スタックの一端と対になるために、周囲より高くなった平坦面を有しており、モジュールの主スタックは、両端部に2つの柔軟パッドを有しクランプ力を分散させて均一化するのに役立っている。
【0050】
サブアッセンブリとは離間して面する圧力板50の側部は、構造上の剛性を高め、また、均一な肉厚を目指す成形部品の設計実務を補完するために、補強リブ520の列(マトリックス:matrix)を有している。マトリックスは非画一的なパターン(non-uniform pattern)を有している。というのは、前記リブは、また、モジュールの作動制御用のプリント回路基板(PCB)サブアッセンブリ(不図示)にはんだ付けされる多数の電子部品を収容するポケット部を形成するからである。
PCBサブアッセンブリは回路の基板および部品を含んでおり、部品の大多数は基板の片側にある。PCBサブアッセンブリは、部品側を下向きにして圧力板50に取り付けられる。電子部品の入れ子(nesting)は、貴重な空間(スペース:space)を確保し、圧力板でのコンパクトなモジュール長さに貢献し、このことは、優れた出力対物理的体積の比を達成するのに役立つ。
圧力板のポケット部は、また、モジュールの作動制御用PCBサブアッセンブリにはんだ付けされる多数の電子部品の上面をしっかりつかむ、振動緩衝エレメント用の容器として用いることができるので、この点においても貴重である。前記エレメントは、PCB上のはんだ接合部での過度の応力や疲労を防止する。好ましい振動緩衝エレメントとしては、エラストマ系の閉細胞型(closed-cell)で非含水性ポリウレタンフォーム材料および片側に感圧性の粘着材料を備え、両者は規定の温度暴露および可燃性のレーティングを有している、打ち抜きパッド(die-cut pad)が挙げられる。
【0051】
PCBアッセンブリは、受動型でも能動型でもよい。受動型のPCBアッセンブリは、より小型の電池モジュールに対して十分であるが、より大きなモジュールは、1つ若しくは2つの能動型PCBアッセンブリを使用し、1つのアッセンブリは、モジュールの各端部で圧力板の各々に取り付けられる。能動型PCB制御サブアッセンブリは、PCB内の業界標準のメッキが施された貫通穴に選択的にはんだ付けされた、3つの直角をなすPCB電気コネクタ・ヘッダ(connector header)を有している。他の全ての電子部品は、PCBの両側にある業界標準のパッドにリフローはんだ付け(reflow-soldered)がされたSMT(Surface Mount Technology:表面実装技術)装置である。
モジュールの鋼製バンドが近辺を通っているので、バンドとPCBとの間での適切な電気的絶縁性を確保するために、予防措置がとられる。PCBの配線,貫通穴,部品を入れる区域(ゾーン:zone)及び部品を入れない区域は、電気的な干渉を回避するために、PCBの両側について注意深く定められる。モジュールの寿命性能は、隣接する低電流高インピーダンスの銅配線間での樹枝状結晶(デンドライト:dendrite)の成長を抑制する、シリコンをベースにした若しくはポリウレタンをベースにしたコンフォーマル・コーティング(conformal coating)をPCBの両側に施すことにより、改善し得る。
【0052】
圧力板50の側部510は、補強リブ520のマトリックスを備えた側部と反対側にあり、サブアッセンブリのスタックに面している。側部510は平坦であってもよく、或いは、モジュールの主スタック内の力の分散を更に最適化するために、非平坦な浅い凸状または凹状のドーム型の輪郭形状であってもよい。
【0053】
圧力板50は、モジュールの主スタックに静的なクランプ力を加える薄肉の鋼製保持バンドを受け合う、2本の浅い軌道501を有している。軌道は、クランプ力を分散させ均一化するのに役立つように、ドーム型の輪郭形状を有している。好適なドーム型輪郭形状は、特にこの種の計測用途向けに開発され市販されている既存の検出製品を用いて行われる測定により、定めることができる。
圧力板50は、また、柔軟性のある取付戦略を助長するために、円筒状スリーブ,座金(ワッシャ),ブッシング及び保持ボルトなどの締結要素を受け合う、(カウンターボア(counter-bore)とも呼ばれる)凹状の受け口(ソケット:socket)を備えた4つの通路を有している。この構成は、3つの取付方位の1つを通じて、電池パックのエンクロージャの内部または電池ステーションの棚部(ラック)の上に、モジュールを取り付けることができるようにし、このことは、既存の用途および予測される用途さらには顧客の要求の大多数に対して要求を満たす。
【0054】
圧力板は、振動溶着で一体にされる2つの別々の部分から形成されてもよい。各部分は、取付穴部および凹状ソケット部の半分を有することになろう。溶着後に、完全な円形穴部およびソケット部が形成されることになる。この手法の利点は、成形型分離の主方向に直交する型内での長距離の摺動動作を伴うことなく、2つの部分を成形できることであろう。
【0055】
圧力板50は、鋼製のバスバーナット(busbar nut)若しくはナット(不図示)を受容するために、2つの凹所領域508を有している。費用対効果の高い解決のために、ナットの設計は意図的に簡素である。ナットは、3つの取付用ネジ孔部を有している。中央の孔部は、バスバーナットを圧力板に保持する鋼製の留め具(ファスナー:fastener)を握持(グリップ:grip)する。他の2つの孔部は、外部の電力用突出部(パワーラグ:power lug)及びワイヤハーネスを、後続する欄にて説明するモジュールの負極または正極のバスバーに取り付ける鋼製の留め具を握持する。
【0056】
<バンド要素>
図11は、モジュールのセルの主スタック,柔軟パッド,放熱板および圧力板をくるむのに用いられる2本の鋼製バンド(steel band)の1つである、鋼製バンド530を示している。各構成バンド530は、圧力板50の浅い軌道501の1つ内に位置している。モジュールが76個もしくはそれよりも少ない個数のセルを有している場合には、2本のバンドで十分であり、3本ものバンドは不必要である。所望であれば、もっと多くのバンドを用いることもできる。
鋼製バンド530の長さは、主スタック内の全ての柔軟パッドを適切に圧縮するのに必要とされるクランプ力が定められ、バンド上に恒久的に圧着された、発売され要件を満たす既存の鋼製の締め金(バックル:buckle)531を介して維持される。バンドを引っ張りバックル531を圧着するのに、空圧アクチュエータを備えた手持ち式の空圧アプリケータ(applicator)を用いてもよく、また、このアプリケータは、バックル531が圧着された後に、バンドの余分な尾部(tail)を切り取る機構も有していてもよい。
非常に長い鋼製の締め付け金具(タイロッド:tie rod)と両端の保持ナットとを用いる代替的な手法と比べて、バンドとバックルとを用いるのは、よりコンパクトな手法である。全てのモジュールに対して同じバンド及びバックル更には同じ取付工程を用いることは、拡張縮小可能な構造を促進する。今一つの手法は、圧着されたバックルを用いる代わりに、バンドを引っ張り溶接することである。
圧力板50は、締め付けバンドバックルを収容し、バックルの領域で圧力をより一様に分散させるために、浅い軌道501内に平坦もしくは窪みのついた領域を包含していてもよい。圧力板50は、また、2本のバンドの真っ直ぐな部分で引張力が均等化されることを確かなものとするために、各軌道501に沿って4つの角丸み部を有していてもよい。
【0057】
標準的な空圧アクチュエータの代わりに、発売され要件を満たす、既存の手持ち式の、閉ループのサーボ制御を備えたコンピュータ制御の電子式アプリケータが用いられてもよい。これにより、加えられる静的なクランプ力の精度が高められ、また、バンド取付およびバックル圧着工程のサイクルタイム(cycle time)を短くすることができる。圧力板およびバンドが電池モジュールを物理的に一体保持するのに役立つ一方、(次に説明する)モジュールのバスバーは、システムを電気的に接続する。
【0058】
<バスバー支持体要素>
モジュールの隣接するセル間の電気的な相互接続は、重要な特徴であり、柔軟で壊れやすいセル端子の互いに関連した登録を含み、意図された用途のために電気的に接続されていない、隣接した端子間の偶発的な接触を防止することを含むものである。図2は、例えばセル端子101及び102を除いて、モジュールの主スタックにおいて、全てのセルが、どの様に互いに関連してしっかりと保持され登録されるかを示している。
【0059】
図12は、成形されたプラスチック部品を用いた、堅牢でコンパクトで費用効率の高い解決法を示している。この部品は、その主要な機能を強調して「バスバー支持体(サポート:support)」と称されてもよい。標準的なバスバー支持体600aは、或る1つの放熱板400aの上縁部と結合する共に、2つのセル300a及び310aを包んでいる。セル300a及び310aは、各々、それぞれの放熱板の側部に添付され、また、各々、バスバー支持体の孔部を通って延びる2つの電気端子(図12には、各電池セル300a及び310aの負端子が示されている)を有している。バスバー支持体は、全てのサブアッセンブリに用いられ、拡張縮小可能な構造を助長している。例えば、バスバー支持体600bは、第2のタイプの放熱板である放熱板400bの縁部と結合している。
【0060】
図13Aは、放熱板400に取り付けられたバスバー支持体600の別の図を示している。標準的なバスバー支持体は、9つの特徴/機能を有している。
1.7個の可撓タブ(フレックスタブ:flex tab)608(4個が示されている)、及び放熱板の2つのスロット部(図5における構成要素406)を掴むための2つの楔形の掛け金(ラッチ:latch)。
2.オーバモールドされた(over-molded)エラストマー製のグリップ部(grip)を有するサーミスタ(thermistor)605と結合する四角形の中央ポート部(central port)604。
3.4つのセル端子の同時の挿入および登録を許容する、4つのテーパ付きポート部601。
4.セルのジッパヒューズ活性化事象中にバスバーを支持する本体部610。あらゆる残りの端子とバスバーとの間の分離性を維持することにより、バスバー支持体は、隣接するセルとカスケード損傷モード(cascading failure mode)を引き起こす可能性がある、間違ったセルのバスバーへの偶発的な接続を防止する。
5.セル端子へのバスバーのレーザ溶接中に2つの分離したバスバー要素を掴むための、2つの固定ラッチ602及び2つのフレックスラッチ603。この特徴は、特別なレーザ溶接用具の必要性を無くするのに役立つ。以下に説明するように、この特徴は、溶接前および溶接中に、セル端子と共に登録されているバスバー要素を動かないようにする組立治具として機能する。これらのラッチは、各バスバー要素を、放熱板および取り付けられた電池セルに関して実質的に固定された位置に保持する。テーパ付きのポート部および本体部は、電池セルの各々の端子を、放熱板およびバスバー要素に関して実質的に固定された位置に保持する。
6.任意のバスバーの電気的な接続リベットに対して適切な間隙を確保するための18個の浮き彫り部(レリーフ:relief)607。
7.モジュールの電圧検知ワイヤハーネス及びサーミスタのワイヤハーネスの経路を許容する中央の通路(チャンネル:channel)606。
8.バスバーの覆い(カバー:cover)が装着される前に、2つのワイヤハーネス(不図示)を保持する4つのフレックス・フィンガー部611。
9.バスバー・カバーの取付のための、端末部にある2個のネジ用ボス部612。
【0061】
更に、図13B及び16は、モジュールが端数のあるセル数(odd cell count)を有する場合には、唯一つのセルを包むために開発された第2のバスバー支持体650を示している。この決定は、別の部品が公にされ製作されるようにするけれども、それは、全てのセル端子が、登録され、隣接する端子との偶発的な接触から保護されるという原則を、十分に遵守するものである。中央付近の放熱板の2つ若しくはそれ以上の追加スロットを追加すること、及び/又はバスバー支持体に2つ若しくはそれ以上の楔形ラッチを追加することにより、モジュールの振動耐性の頑強さを向上させることができる。
【0062】
<バスバー要素>
バスバー要素(busbar component)は、モジュールの隣接するセルに電気的に繋がるバスバー・ジャンパと、1つ若しくはそれ以上の電池セル端子を電池モジュールの外部端子の各々に電気的に接続するバスバー端子と、で構成されている。図14は、モジュールの寿命性能を高めるためにこれらのバスバー要素を用いた、堅牢でコンパクトで費用効率の高い内部接続手法を示している。この手法は、あらゆる電気的接続のためにネジ付きの締結具を用いることを回避し、その代わりに、適応可能な自動コンピュータ制御プロセスでもって創成される精密溶接を用いるものである。
【0063】
図14は、各々バスバー支持体600によって保持された数多くのバスバー・ジャンパ(busbar jumper)700を示している。電池セルの端子が挿通して延びるバスバー支持体の各々に対して、前記端子に接続されたバスバー・ジャンパが、支持体の固定ラッチとそれに対向する可撓性ラッチとの間に握持されている。これらのラッチは、端子に対してバスバー・ジャンパを保持し、その動きを防止している。
【0064】
図15は、2種類の金属で成る(バイメタリック:bimetallic)バスバー・ジャンパ700を示している。電池モジュールは一群のバスバー・ジャンパ700を用いており、その各々は、銅材料で製作されたセル負極群に対してレーザ溶接される銅部分701と、アルミニウム材料で製作されたセル正極群に対してレーザ溶接されるアルミニウム部分702とを有している。バスバー・ジャンパの180度の屈曲部703は、組立中にセル端子が入り込む内面部704を形成している。バスバーの前記屈曲部を有する部分は、金属の連続片である。
セル端子に余りに多量のエネルギを加え、ひいてはセル内部の電気的な接続に損傷を及ぼす可能性がある超音波溶接の使用を回避する目的で、部分的に溶融させてバスバー・ジャンパを端子に冶金学的に接続するために、精密レーザ溶接が用いられる。バスバー・ジャンパの屈曲部703の外表面(内面部704の反対側)には、液体溶接処理が適用される。溶接中には、この面にレーザエネルギが当てられることになる。
この処理は、高い反射性表面を有するアルミニウム及び銅の両方についてレーザ溶接中の、レーザビーム(laser beam)の反射性を低減する表面仕上げを創り出す。この処理は、Nd−YAGレーザビーム波長のより良好な吸収性をもたらす、ニッケル若しくは錫(ティン:Tin)コーティングであってもよい。このことは、溶接に必要とされるエネルギを最小限にとどめることができるようにし、また、セル端子のシール(seal)の最高温度制限値を越えることなく、セル端子の溶接が行えるようにする。
レーザビームのエネルギはバスバーの180度の屈曲部703に浸透し、バスバー屈曲部の内面部704とセル端子(不図示)の先端部に溶融ビード(bead)を創り出す。溶接レーザは、電池端子の端末部に対し実質的に真正面の角度で、アタック(attack)708の角度によって図に示されるように屈曲部の外表面に向けて、バスバーの屈曲部に当てられる。
【0065】
図25は、電池端子の端末部に対し実質的に真正面であるアタック708の角度でバスバーの屈曲部を指向したレーザビーム733を備えた、溶接レーザ730と2種類の金属で成るバスバー・ジャンパ700の構成の追加的な図を示している。第2の眺望740は、参照線(reference line)736に沿って見た眺望735(つまり、鉛直z軸を中心にして90度回転した図735)の構成を示している。
眺望740は、バスバーの屈曲部742の右側端部から左側へ移動するレーザ730を示しており、そこでは、レーザビーム733が屈曲部742に関して僅かな角度741をもって指向した状態で、また、レーザビームがレーザ光学系内に後方反射(backreflecting)して損傷を及ぼすことを防止するために、角度741がレーザ730の進行方向と反対に向けられた状態で、レーザビーム733がチャンネル部に平行な進行方向に移動している。この結果、レーザビーム733が、当該レーザビームの進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられる。
溶接中、レーザ730は溶接されるバスバー及び電池端子に対して動くことができ、バスバー及び電池端子の組立体(アッセンブリ)はレーザに対して動くことができ、或いは、両者は互いに相対的に動くことができる。どの場合でも、バスバーと電池端子とは、当該電池端子が存するチャンネル部の長さに沿って、互いに取り付けられる結果となる。
【0066】
図26は、取付前および取付後の両方について、バスバー要素の電池セル端子への取付部の側面図を示している。図770は、電池端子771が内部に配置されるチャンネル部を形成する、バスバー700の屈曲部704を示している。図775は溶接後のこれらの要素を示しており、そこでは、電池端子776が、金属の再凝固層(プール:pool)778によって、バスバー777の屈曲部の内側角部に取り付けられている。
【0067】
レーザ溶接のような溶接法あるいは他の従来の溶接法は、2種類の金属で成るジャンパ・バスバーの2つの部分どうしを接合するのに用いるには、異種材料のため、及び公知の冶金学的制約のために、実用的でないかも知れない。その代わりに、バスバー・ジャンパ700では、線形溶接705を創成するのに、超音波ローラ・シーム溶接法を採用している。ジャンパ・バスバーの2つの部分の超音波溶接は、超音波エネルギがセル端子内に導かれ、ひいてはセル内部の電気的な接続を損なう危険性を及ぼすことがないように、モジュールから離れて行われる。
以前に注記したように、バスバー支持体は溶接治具として作用する。このバスバー支持体は、バスバーが上述のように端子にレーザ溶接されるまで、バスバーの屈曲部によって形成されたスロット内にセル端子が入れられた状態で、バスバー要素を所定の位置に保持する。
【0068】
2種類の金属で成るジャンパの電流特性を更にバランス良くし最適化するために、−その材料がアルミニウムと銅である−ジャンパ・バスバーの2つの部分の断面,幅および/または厚さを、各部分を通じて類似した抵抗を達成するように、独立して調整してもよい。バスバー・ジャンパを製造するに際しては、コストを低減するために、板材の打ち抜き(スタンピング:stamping)及び成形(フォーミング:forming)の代わりに、2種類の金属で成るジャンパ・バスバーの2つの部分の一方もしくは両方について、押出形成され所定長さに切った形状(extruded cut-to-length profile)が用いられてもよい。或る形態では、バスバー・ジャンパの銅製の部分が打ち抜かれ、アルミニウム製の部分は押出形成されている。
【0069】
図16は、一部分においてバスバー支持体600及び650に固定されたバスバー端子750を示している。バスバー支持体は、当該支持体がバスバー・ジャンパを保持するのと同様の手法でバスバー端子を保持している。バスバー端子750は、対応する電池セル300a,310a及び300の端子にレーザ溶接されている。電池モジュールは、モジュールの主スタックの一端に銅材料の単一金属で成る負のバスバー端子を用い、モジュールの主スタックの他端にアルミニウム材料の単一金属で成る正のバスバー端子を用いている。
バスバー端子は、圧力板50のソケット部508に取り付けられた鋼製のバスバーナットによって固定される。バスバー端子750は、電気的な過負荷事象の最悪のケースが起こった場合にモジュールのヒューズとしての役割を果たす、傾斜(テーパ:taper)が付いた中央部分751を有している。ヒューズは、電流密度が最高になると、狭い部分で溶ける傾向がある。モジュールの安全機能は、ジッパーのヒューズが電池セルの端子に一体化されている方法と同様の手法で、ジッパーのヒューズの穴部およびスロットをバスバー端子に追加して、2つのモジュール・ヒューズの作動応答時間を調節することにより、向上させることができる。
【0070】
図17は、圧力板50に対するバスバー端子750の設置状態を示している。バスバー端子750は、鋼製のバスバーナット(図17では、バスバー端子の下側にあり視認できない)に取り付けられている。バスバーナットは、圧力板のソケット部508aの1つに取り付けられている。バスバー端子750は、以前に述べたように、外部のパワーラグ(power lug)及びワイヤハーネス(不図示)に接続されている。
更に、打ち抜き形成された銅製のバスバーナット架橋部(ブリッジ:bridge)780が、バスバー端子750に接続されてもよく、また、バスバーナット760bを介して圧力板のソケット部508bにも接続されてもよい。バスバーナット760bは、圧力板のソケット部508b内に配置された鋼製の留め具を握持する中央穴部を介して、圧力板50に固定されている。前記ブリッジ部は、モジュール対モジュール(module-to-module)の高出力ワイヤハーネス用の随意的な取付部位を許容する付属品(アクセサリ:accessory)である。
【0071】
<配線用付属品>
図18は、例えば電圧検知用ワイヤハーネスなどの配線を、バスバー端子およびバスバー・ジャンパに取り付けるのに用いられる、2つの形態が異なる留め具(クリップ:clip)を備えたバスバー端子750を示している。片側から見れば、クリップ791はU字形で実質的に凸状であり、一方、クリップ790はW字形である。クリップ790及び791の何れか一方もしくは両方は、配線を接続するのに用いることができる。電圧検知用配線(ワイヤ:wire)は、クリップをバスバー構成要素に取り付ける前に、当該クリップに超音波を用いて溶接される。
クリップは、バスバー・ジャンパ或いは端子に食い込む1つ若しくはそれ以上の歯部793を有しており、レーザ溶接作業がクリップをバスバーに留めるまで、当該クリップを所定の位置に位置決めして保持することができる。クリップは、それが取り付けられることになるバスバーのタイプに対応した互換性のある、打ち抜き形成された銅製もしくはアルミニウム製のものである。クリップは、自動視認システム(automatic vision system)を用いた製造用に、クリップのタイプを表すために、1つの金属タイプ用のノッチ部792を有している。
これらのクリップは、バスバー要素が電池セルに溶接されるのと同時に、バスバー要素に対してレーザ溶接され、共通の溶接部を分有する。バスバー要素を電池端子に取り付けるための前述の溶接技法と同様の溶接技法を用いて、レーザは、クリップとその下側にあるバスバー要素とを通って方向付けられ、バスバー要素のU字形の曲げ部内に在る端子の端末部に向けられる。そうする中で、単一の溶接作業が、3つの全ての部品(クリップ,バスバー要素および電池端子)を同時に溶接する。U字形のクリップが、共通の溶接部を分有することなく、バスバー要素に対してレーザ溶接されるようにしてもよい。
【0072】
図19は、バスバー上への設置用に僅かに内方へ曲げられたクリップ歯部793を備えたW字形のクリップ790の側面図を示している。保持作用をもたらす締まり嵌めを備えてクリップが設計されている場合には、歯部は、溶接されるまで当該クリップをバスバーに固定することが求められてもよく、或いは求められなくてもよい。
【0073】
図20は、サーミスタ795をバスバー端子に取り付けるためのクリップ794を備えたバスバー端子750を示している。サーミスタの頭部は、組立後に硬化する塗布されたエポキシ接着剤を用いて、クリップの保持部の内側に接着結合されている。サーミスタ頭部の首(ネック:neck)部は、前記頭部が定められた位置の再現性を有するように、隣接タブ796に接している。前記保持部の上縁に形成された面取り部797は、サーミスタの頭部が装着される際に損傷することを防止するのに役立つ。
【0074】
<バスバー・カバー>
図1は、3つのバスバー・カバー40を示している。電池モジュールは、一群の成形されたプラスチック製のカバーを使用しており、モジュールのバスバー、並びに、電圧検知用のワイヤハーネス及びサーミスタ用のワイヤハーネス等の他の内部の構成要素を、特にそれらが金属製のものである場合に、外部の異物とのあらゆる偶発的な接触から保護している。
【0075】
図21は、相対的な取り合い(フィット:fit)が目の当たりにすることができるように、カバーの平坦な主表皮部を伴っていないバスバー・カバー40aを示している。カバーの平坦な主表皮部を含んだバスバー・カバー40bも示されている。各々のカバーは、その構造上の剛性を高めるために、また、バスバー端子750,バスバー・ジャンパ700及び/又はセル端子の代わりに、モジュールのバスバー支持体および放熱板へのあらゆる不都合な外力の方向を変え分散させるために、リブ801,802及び803を含む補強リブのマトリックスを有している。
バスバー・カバーはモジュールのバスバーを包んでおり、電気的な過負荷事象の最悪のケース或いは激しい車両衝突の間に、隣接するバスバーが互いに接触して電気的な短絡経路を生じさせることを防止するのに役立っている。或るリブ、例えばリブ802は、他のリブよりも深く電池モジュール内へ延びており、また、バスバー・ジャンパ間では、リブ803が隣接するバスバー間の接触を防止するのに役立っており、一方、例えばリブ803などのリブは、バスバー端子,バスバー・ジャンパ又はセル端子への力の分配を回避するために、深さがより浅い。この代わりに、電池モジュールは、重なり継ぎ手を有し上下方向の接触タブがより少ない、低コストでより簡素なカバーを用いるようにしてもよい。この後者の手法の不利な点は、上下方向の外力に耐えるモジュールの頑健さが低下するかも知れないことである。
【0076】
<拡張縮小可能な構造>
上述の特徴は、拡張縮小可能な構造(scalable architecture)をもたらす。「拡張縮小可能な構造」なる用語は、数量が異なる電池セル,並列に電気的接続をされたセルを備えたサブグループ、及び直列に電気的接続をされたサブグループを有する電池モジュールの、迅速なエンジニアリング(engineering),開発,認定および製作を容易にする、柔軟性のある(フレキシブル:flexible)構造を指称するものである。この柔軟性は、電池供給業者が、数多くの異なるモジュールの電気的特性を調整し、多様な顧客の性能上の仕様を満足させることを可能にする。
例えば、「3P」構造を備えたA123システムのプリズム状電池モジュール・ファミリ(family)が、図22に示されている。このファミリの7つの要素(メンバー:member)は、23S3P,22S3P,16S3P,13S3P,11S3P,6S3P及び1S3Pモジュールであり、図22においては、それぞれ符号907,906,905,904,903,902及び901で特定されている。
【0077】
図24は、図23において、それぞれ符号950,951,952及び953で特定されている、A123システムのプリズム状電池モジュール・ファミリの要素13S3P,23S2P,4S2P及び4S6P用の、様々なバスバー要素の形態を示している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
順番に並べられた複数の電池セルであって、各電池セルは第1の電圧端子と第2の電圧端子とを有し、複数の第1の電圧端子は列を成して配置されている、電池セルと、
第2セグメントに接合された第1セグメントを有する2種類の金属で成るバスバーであって、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、バスバーと、
を備え、
前記第1セグメントは、前記複数の電池セルのうちの1つの前記第1の端子が内部に配置される第1チャンネルを形成する第1のU字状屈曲部を含み、
前記第2セグメントは、前記複数の電池セルのうちの他の1つの前記第1の端子が内部に配置される第2チャンネルを形成する第2のU字状屈曲部を含む、
ことを特徴とする電池システム。
【請求項2】
前記第1のU字状屈曲部は、前記第1チャンネルの底部に第1底部内側角部を形成しており、前記第1チャンネル内の第1の端子は、金属の再凝固層により、前記第1底部内側角部で前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項3】
前記2種類の金属で成るバスバーは、少なくとも前記第1及び第2の屈曲部の範囲内に表面処理部を含んでおり、該処理部は、前記2種類の金属で成るバスバーの反射性を低減する役割を果たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項4】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項3に記載の電池システム。
【請求項5】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項6】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている、ことを特徴とする請求項5に記載の電池システム。
【請求項7】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項8】
前記第1セグメントは、超音波溶接によって前記第2セグメントに接合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項9】
前記第1端子は、レーザ溶接によって前記第1セグメントに取り付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の電池システム。
【請求項10】
前記バスバーの前記第1セグメントに取り付けられた配線用クリップを更に備え、前記配線用クリップは、当該配線用クリップに接合されたワイヤを含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項11】
前記配線用クリップは、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項12】
前記配線用クリップは、前記第1のU字状屈曲部の範囲内において、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の電池システム。
【請求項13】
前記配線用クリップは一つ若しくはそれ以上の歯部を有しており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記バスバーに食い込む一つ若しくはそれ以上の歯部により、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項14】
前記配線用クリップはU字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項13に記載の電池システム。
【請求項15】
前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項13に記載の電池システム。
【請求項16】
前記配線用クリップは締まり嵌め構造を備えて設計されており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記締まり嵌めにより、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項17】
前記配線用クリップはU字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項16に記載の電池システム。
【請求項18】
前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項16に記載の電池システム。
【請求項19】
チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有するバスバーを供給するステップと、
単一の電池端子を、当該端子の上端部が前記屈曲角部に近接するように、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に位置決めするステップと、
前記U字状部分の屈曲角部にレーザビームを指向させるステップと、
前記レーザビームを用いて、前記屈曲角部で前記バスバーを溶融し、当該バスバーと前記単一の端子との間に冶金学的な結合部を形成するステップと、
を備える、ことを特徴とする電池製造方法。
【請求項20】
前記バスバーはレーザ溶接を用いて前記電池セル端子に取り付けられ、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項21】
前記レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられる、ことを特徴とする請求項20に記載の電池製造方法。
【請求項22】
前記レーザビームは、前記チャンネルと平行な進行方向に移動する、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項23】
前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられる、ことを特徴とする請求項22に記載の電池製造方法。
【請求項24】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項25】
第1バスバー・セグメントを第2バスバー・セグメントに接合することによって前記バスバーを形成するステップを更に備え、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作される、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項26】
前記バスバーを前記端子に取り付けるに先立って、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接される、ことを特徴とする請求項25に記載の電池製造方法。
【請求項27】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成される、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項28】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作される、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項29】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成される、ことを特徴とする請求項28に記載の電池製造方法。
【請求項30】
前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項31】
前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、レーザ溶接を用いて同時に取り付けられる、ことを特徴とする請求項30に記載の電池製造方法。
【請求項32】
前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項31に記載の電池製造方法。
【請求項33】
前記ワイヤは、超音波溶接を用いて前記配線用クリップに取り付けられる、ことを特徴とする請求項30に記載の電池製造方法。
【請求項34】
前記単一の電池端子を前記チャンネル内に位置決めするステップは、
前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと、
バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと、
前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、
を備えている、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項35】
前記単一の電池端子を前記チャンネル内に位置決めするステップは、
前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと、
バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと、
前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、
を備えている、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項36】
前記電池セルはプリズム状の電池セルである、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項37】
電圧端子を有する電池セルと、
チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有しており、前記電池端子は、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に延び、前記屈曲角部に近接した上端部を有している、バスバーと、
前記屈曲角部で、前記端子の上端部と前記チャンネル内のバスバーとの間に形成された冶金学的な結合部と、
を備える、ことを特徴とする電池。
【請求項38】
前記冶金学的な結合部はレーザ溶接を用いて形成され、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【請求項39】
前記冶金学的な結合部は、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられたレーザビームによって形成されている、ことを特徴とする請求項38に記載の電池。
【請求項40】
前記冶金学的な結合部は、前記チャンネルと平行な進行方向に移動させられるレーザビームによって形成されている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項41】
前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられている、ことを特徴とする請求項40に記載の電池。
【請求項42】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項43】
前記バスバーは、第2バスバー・セグメントに接合される第1バスバー・セグメントを備えており、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項44】
前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接されている、ことを特徴とする請求項43に記載の電池。
【請求項45】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項46】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項47】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている、ことを特徴とする請求項46に記載の電池。
【請求項48】
前記バスバーに固定された配線用クリップを更に備えている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項49】
前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、同じ冶金学的接合部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項48に記載の電池。
【請求項50】
前記配線用クリップに取り付けられたワイヤを更に備えている、ことを特徴とする請求項49に記載の電池。
【請求項51】
前記ワイヤは、超音波を用いて前記配線用クリップに溶接されている、ことを特徴とする請求項50に記載の電池。
【請求項52】
前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【請求項53】
前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項54】
前記電池セルはプリズム状の電池セルである、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【請求項1】
順番に並べられた複数の電池セルであって、各電池セルは第1の電圧端子と第2の電圧端子とを有し、複数の第1の電圧端子は列を成して配置されている、電池セルと、
第2セグメントに接合された第1セグメントを有する2種類の金属で成るバスバーであって、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、バスバーと、
を備え、
前記第1セグメントは、前記複数の電池セルのうちの1つの前記第1の端子が内部に配置される第1チャンネルを形成する第1のU字状屈曲部を含み、
前記第2セグメントは、前記複数の電池セルのうちの他の1つの前記第1の端子が内部に配置される第2チャンネルを形成する第2のU字状屈曲部を含む、
ことを特徴とする電池システム。
【請求項2】
前記第1のU字状屈曲部は、前記第1チャンネルの底部に第1底部内側角部を形成しており、前記第1チャンネル内の第1の端子は、金属の再凝固層により、前記第1底部内側角部で前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項3】
前記2種類の金属で成るバスバーは、少なくとも前記第1及び第2の屈曲部の範囲内に表面処理部を含んでおり、該処理部は、前記2種類の金属で成るバスバーの反射性を低減する役割を果たす、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項4】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項3に記載の電池システム。
【請求項5】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項6】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている、ことを特徴とする請求項5に記載の電池システム。
【請求項7】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項8】
前記第1セグメントは、超音波溶接によって前記第2セグメントに接合されている、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項9】
前記第1端子は、レーザ溶接によって前記第1セグメントに取り付けられている、ことを特徴とする請求項2に記載の電池システム。
【請求項10】
前記バスバーの前記第1セグメントに取り付けられた配線用クリップを更に備え、前記配線用クリップは、当該配線用クリップに接合されたワイヤを含んでいる、ことを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
【請求項11】
前記配線用クリップは、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項12】
前記配線用クリップは、前記第1のU字状屈曲部の範囲内において、金属の再凝固層により、前記第1セグメントに冶金学的に取り付けられている、ことを特徴とする請求項11に記載の電池システム。
【請求項13】
前記配線用クリップは一つ若しくはそれ以上の歯部を有しており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記バスバーに食い込む一つ若しくはそれ以上の歯部により、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項14】
前記配線用クリップはU字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項13に記載の電池システム。
【請求項15】
前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項13に記載の電池システム。
【請求項16】
前記配線用クリップは締まり嵌め構造を備えて設計されており、前記配線用クリップは、少なくとも一部において、前記締まり嵌めにより、前記バスバーの前記第1セグメントに対して所定の位置に保持される、ことを特徴とする請求項10に記載の電池システム。
【請求項17】
前記配線用クリップはU字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項16に記載の電池システム。
【請求項18】
前記配線用クリップはW字状の側面形状を有している、ことを特徴とする請求項16に記載の電池システム。
【請求項19】
チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有するバスバーを供給するステップと、
単一の電池端子を、当該端子の上端部が前記屈曲角部に近接するように、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に位置決めするステップと、
前記U字状部分の屈曲角部にレーザビームを指向させるステップと、
前記レーザビームを用いて、前記屈曲角部で前記バスバーを溶融し、当該バスバーと前記単一の端子との間に冶金学的な結合部を形成するステップと、
を備える、ことを特徴とする電池製造方法。
【請求項20】
前記バスバーはレーザ溶接を用いて前記電池セル端子に取り付けられ、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項21】
前記レーザビームは、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられる、ことを特徴とする請求項20に記載の電池製造方法。
【請求項22】
前記レーザビームは、前記チャンネルと平行な進行方向に移動する、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項23】
前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられる、ことを特徴とする請求項22に記載の電池製造方法。
【請求項24】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項25】
第1バスバー・セグメントを第2バスバー・セグメントに接合することによって前記バスバーを形成するステップを更に備え、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作される、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項26】
前記バスバーを前記端子に取り付けるに先立って、前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接される、ことを特徴とする請求項25に記載の電池製造方法。
【請求項27】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成される、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項28】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作される、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項29】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成される、ことを特徴とする請求項28に記載の電池製造方法。
【請求項30】
前記バスバーを前記電池セル端子に取り付けるに先立って、配線用クリップを前記バスバーに固定するステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項21に記載の電池製造方法。
【請求項31】
前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、レーザ溶接を用いて同時に取り付けられる、ことを特徴とする請求項30に記載の電池製造方法。
【請求項32】
前記配線用クリップを前記バスバーに固定するに先立って、ワイヤを前記配線用クリップに取り付けるステップを更に備えている、ことを特徴とする請求項31に記載の電池製造方法。
【請求項33】
前記ワイヤは、超音波溶接を用いて前記配線用クリップに取り付けられる、ことを特徴とする請求項30に記載の電池製造方法。
【請求項34】
前記単一の電池端子を前記チャンネル内に位置決めするステップは、
前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと、
バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと、
前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、
を備えている、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項35】
前記単一の電池端子を前記チャンネル内に位置決めするステップは、
前記電池セルを放熱板に取り付けるステップと、
バスバー支持体を前記放熱板に取り付けるステップと、
前記バスバーを前記バスバー支持体に取り付けるステップと、
を備えている、ことを特徴とする請求項26に記載の電池製造方法。
【請求項36】
前記電池セルはプリズム状の電池セルである、ことを特徴とする請求項19に記載の電池製造方法。
【請求項37】
電圧端子を有する電池セルと、
チャンネルを形成するU字状部分を有し、該U字状部分の一端の屈曲角部によって特徴付けられるバスバーであって、少なくとも前記屈曲角部の近傍において反射性低減処理部を有しており、前記電池端子は、前記U字状部分によって形成された前記チャンネル内に延び、前記屈曲角部に近接した上端部を有している、バスバーと、
前記屈曲角部で、前記端子の上端部と前記チャンネル内のバスバーとの間に形成された冶金学的な結合部と、
を備える、ことを特徴とする電池。
【請求項38】
前記冶金学的な結合部はレーザ溶接を用いて形成され、前記レーザビームは、主として、反射性が低減された領域に向けられる、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【請求項39】
前記冶金学的な結合部は、前記電池セル端子の端末部に対して実質的に真正面の角度で方向付けられたレーザビームによって形成されている、ことを特徴とする請求項38に記載の電池。
【請求項40】
前記冶金学的な結合部は、前記チャンネルと平行な進行方向に移動させられるレーザビームによって形成されている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項41】
前記レーザビームは、前記進行方向に対する垂直よりも僅かに小さい角度で方向付けられている、ことを特徴とする請求項40に記載の電池。
【請求項42】
前記処理部は、ニッケル及び錫の一つ若しくはそれ以上のコーティングで成る、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項43】
前記バスバーは、第2バスバー・セグメントに接合される第1バスバー・セグメントを備えており、前記第1セグメントは第1の金属で製作され、前記第2セグメントは、前記第1の金属とは異なる第2の金属で製作されている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項44】
前記第1バスバー・セグメントは、超音波を用いて、前記第2バスバー・セグメントに溶接されている、ことを特徴とする請求項43に記載の電池。
【請求項45】
前記第1セグメントは打ち抜き形成され、前記第2セグメントは押出形成されている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項46】
前記第1セグメントは主として銅で製作され、前記第2セグメントは主としてアルミニウムで製作されている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項47】
前記第1セグメントと前記第2セグメントの少なくとも一方は押出形成されている、ことを特徴とする請求項46に記載の電池。
【請求項48】
前記バスバーに固定された配線用クリップを更に備えている、ことを特徴とする請求項39に記載の電池。
【請求項49】
前記配線用クリップ,前記バスバー及び前記電池セル端子は、一緒に、同じ冶金学的接合部に取り付けられている、ことを特徴とする請求項48に記載の電池。
【請求項50】
前記配線用クリップに取り付けられたワイヤを更に備えている、ことを特徴とする請求項49に記載の電池。
【請求項51】
前記ワイヤは、超音波を用いて前記配線用クリップに溶接されている、ことを特徴とする請求項50に記載の電池。
【請求項52】
前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【請求項53】
前記放熱板に取り付けられたバスバー支持体を更に備え、前記バスバーは前記バスバー支持体に取り付けられている、ことを特徴とする請求項44に記載の電池。
【請求項54】
前記電池セルはプリズム状の電池セルである、ことを特徴とする請求項37に記載の電池。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13A】
【図13B】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2012−515418(P2012−515418A)
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−545489(P2011−545489)
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/020636
【国際公開番号】WO2010/081085
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510327507)エー123 システムズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月11日(2010.1.11)
【国際出願番号】PCT/US2010/020636
【国際公開番号】WO2010/081085
【国際公開日】平成22年7月15日(2010.7.15)
【出願人】(510327507)エー123 システムズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
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