説明

電池パック真贋判定機能付き携帯端末

【課題】携帯端末本体の製造容易化を図りつつ、金属製の部材で挟まれた微小空間でも電池パックの識別情報を確実に管理できる電池パック真贋判定機能付き携帯端末を提供する。
【解決手段】電池パック50は、金属製の外装に取付けられるRFIDタグ90を備え、携帯端末本体は、電池パックの格納部30と、装着された電池パックに対向して携帯端末本体内のノイズを遮蔽する金属製のシールド板40と、シールド板によってアンテナ通信感度が低められる位置に配置されたリーダ/ライタ用アンテナ81と、そのアンテナ部82を載置するアンテナ用基板83と、電池パックの真贋判定を実施可能な回路基板46と、格納部とシールド板との間に形成され、このアンテナ用基板を受容する隙間47とを備え、アンテナ用基板は、アンテナ部の裏側から隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて回路基板に当接して電気的に接続される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯端末本体に対して着脱可能な電池パックの真贋判定機能付き携帯端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の携帯端末、例えば携帯電話などの持ち運び可能なモバイル電子機器は、二次電池(電池パック)から供給された電力で駆動することができ、そのモバイル性の発揮には電池パックが不可欠である。この電池パックは、携帯端末本体に対して着脱可能に構成されており、例えば寿命に達した電池パックを新たな電池パックに交換できる。
【0003】
ここで、この新たな電池パックが携帯端末の製造者(或いはその許可を得た者)によって正規に設計された純正品である場合には、この携帯端末の使用者は、安全性が保証された駆動用電源として当該電池パックを使用できる。
これに対し、純正品ではない場合、仮に出力電圧や容量が規格外であったときには、その使用は電池パックの充電ミス、携帯端末の誤動作や、その内部の電子部品を損傷させる可能性が高くなる。
【0004】
一方、仮に出力電圧や容量が規格内であれば充電可能であるため、上記電池パックの充電ミスなどの可能性は低い。しかし、規格内であっても純正品ではないときには、充放電時における電池パックの安全性については保証されていない。
このように、携帯端末使用者の安全を確保するためには、純正品ではない電池パックを使用させないことが望ましく、当該電池パックの使用を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
詳しくは、当該技術の電池パックには、RFID(Radio Frequency IDentification)用のアンテナ部や真贋判別ICチップが設けられている。そして、この電池パック側のアンテナ部と外部のリーダ/ライタのアンテナ部との無線通信によって電池パックの識別情報を管理し、使用者の安全を確保する。
【0006】
また、この技術には、リーダ/ライタを携帯端末本体に設置する具体的な手法については開示されていないが、これらリーダ/ライタのアンテナ部と携帯端末本体内の回路基板との電気的な接続に関する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−168406号公報
【特許文献2】特開2004−38552号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術では、携帯端末本体の製造が困難になるという問題がある。
すなわち、特許文献2に記載のリーダ/ライタのアンテナ部は、携帯端末本体の金属ケースの表面側に、回路基板はこの金属ケースの底面側に互いに離間して配置される。そして、これらアンテナ部と回路基板とを被覆ケーブルで接続しており、これでは、被覆ケーブルの他、当該ケーブル両端の各コネクタが必要になって部品点数が増えるし、また、このケーブルを湾曲させた複雑な構造になるからである。
【0009】
この問題の解決にあたり、携帯端末本体側のリーダ/ライタのアンテナ部と電池パック側のアンテナ部との無線通信は、金属製の部材で挟まれた微小空間で行われる点にも留意しなければならない。
より具体的には、一般に使用される13.56MHz帯や125kHz帯のRFIDでは電池パック側のアンテナ部の背面に、電池パックの外観をなす金属製の外装が存在すると、この外装がリーダ/ライタのアンテナ部から照射された電磁波を反射したり、若しくは吸収して反磁束を生じさせ、アンテナ通信感度を低下させるのである。
【0010】
一方、このリーダ/ライタのアンテナ部の周囲にも、携帯端末内で生じたノイズを遮蔽する金属製のシールド板が存在する。つまり、このシールド板も上記金属製の外装と同様に無線通信の阻害要因になり、これでは、仮に携帯端末本体について複雑な構造も回避できたとしても、電池パックの識別情報を管理できなくなるからである。
【0011】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解消し、携帯端末本体の製造容易化を図りつつ、金属製の部材で挟まれた微小空間でも電池パックの識別情報を確実に管理できる電池パック真贋判定機能付き携帯端末を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するための第1の発明は、電池パック側のRFIDタグと携帯端末本体側のリーダ/ライタとの無線通信を行う携帯端末であって、電池パックは、金属製の外装と、この外装に取付けられるRFIDタグとを具備する一方、携帯端末本体は、電池パックを装着させる凹所が形成され、この電池パックの周面に対向する側面を有した格納部と、凹所の底部分に配置されており、装着された電池パックに対向し、携帯端末本体内のノイズを遮蔽する金属製のシールド板とを具備する。
【0013】
また、当該携帯端末本体は、このシールド板によってそのアンテナ通信感度が低められる位置に配置されたリーダ/ライタのリーダ用アンテナと、このリーダ用アンテナのアンテナ部を載置するアンテナ用基板と、格納部の周辺に配置され、電池パックの真贋判定を実施可能な回路基板と、格納部とシールド板との間に形成され、アンテナ用基板を受容する隙間とを具備している。
【0014】
そして、当該アンテナ用基板は、アンテナ部の裏側から隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて回路基板に当接して電気的に接続されている。
本発明は、電池パックのID管理によって携帯端末使用者の安全を確保する点に着目したものである。
第1の発明によれば、携帯端末は、携帯端末本体と、この携帯端末本体に着脱可能に構成された電池パックとを具備する。電池パックは、金属製の外装を備え、この外装の内側には二次電池として機能する各種部材が納められる。一方、この外装の外側にはRFIDタグが取付けられている。
【0015】
携帯端末本体には、電池パックを装着させる凹所が形成され、この凹所が電池パックの格納部として機能する。詳しくは、当該格納部は、電池パックの周面に対向する側面を有し、また、この格納部の底部分には金属製のシールド板が配置されている。このシールド板は、装着された電池パックに対向し、携帯端末本体内で生じたノイズを遮蔽できる。
【0016】
ここで、格納部に装着された電池パックが純正品であるか否かは、電池パック側のRFIDタグと携帯端末本体側のリーダ/ライタとの無線通信が行われた結果を、格納部の周辺に配置された回路基板にて判定して実施される(電池パックの真贋判定)。
ところで、上記従来の如く、リーダ用アンテナと回路基板とが間接的、より具体的には、被覆ケーブルを介して電気的に接続させると、部品点数が増える他、このケーブルを湾曲させた複雑な構造になって携帯端末本体の製造が困難になるという問題がある。
【0017】
しかしながら、本発明では、リーダ用アンテナが、格納部とシールド板との間に形成される隙間を利用して回路基板に直に接触しているため、従来に比して携帯端末を容易に製造可能になる。
より詳しくは、このリーダ用アンテナのアンテナ用基板は、そのアンテナ部を載置しており、このアンテナ部の裏側から隙間に入り込み、この隙間を超えた位置にて回路基板に当接している。このように、格納部とシールド板との隙間を利用すれば、リーダ用アンテナのアンテナ用基板は、折り曲げられることなく回路基板にそのまま接触して導通できる。この結果、上述したケーブルなどが不要になるし、また、複雑な構造も回避できるのである。
【0018】
第2の発明は、第1の発明の構成において、タグ用アンテナは、電池パックの周面に配置され、リーダ用アンテナは、シールド板に近接した格納部の側面に配置される一方、隙間は、この格納部の側面の電池パック対向面部分とシールド板の周縁部分との間に形成されており、アンテナ用基板は、アンテナ部の裏側から格納部の側面に沿って当該隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて回路基板に当接していることを特徴とする。
【0019】
第2の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、タグ用アンテナは、外装によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、電池パックの周面に配置されるのに対し、リーダ用アンテナは、シールド板によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、シールド板に近接した格納部の側面に配置されており、これら各アンテナは格納部の幅方向で対峙する。
【0020】
そして、この格納部の側面の電池パック対向面部分とシールド板の周縁部分との間に形成された隙間を利用すれば、リーダ用アンテナのアンテナ用基板は、折り曲げられることなく回路基板に確実に接触できる。
第3の発明は、第1の発明の構成において、タグ用アンテナは、シールド板の表面に対向する電池パックの裏面に配置され、リーダ用アンテナは、このシールド板の表面に配置される一方、隙間は、格納部の側面の最深部分とシールド板の表面部分との間に形成されており、アンテナ用基板は、アンテナ部の裏側からシールド板の表面に沿って当該隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて回路基板に当接していることを特徴とする。
【0021】
第3の発明によれば、第1の発明の作用に加えてさらに、タグ用アンテナは、外装によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、シールド板の表面に対向する電池パックの裏面に配置されるのに対し、リーダ用アンテナは、シールド板によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、シールド板の表面に配置されており、これら各アンテナは格納部の深さ方向で対峙する。
【0022】
そして、この格納部の側面の最深部分とシールド板の表面部分との間に形成された隙間を利用すれば、リーダ用アンテナのアンテナ用基板は、折り曲げられることなく回路基板に確実に接触できる。
第4の発明は、第3の発明の構成において、電池パックは、外装に2箇所突設され、格納部の窪み部にそれぞれ係合して電池パックを格納部に固定させる突起を有する一方、タグ用アンテナは、これら各突起を結んだ直線の中点を通る直線上にて、外装に取付けられてリーダ用アンテナに対峙していることを特徴とする。
【0023】
第4の発明によれば、第3の発明の作用に加えてさらに、格納部に装着された電池パックはバランスの採れた三点で支持される。詳しくは、この電池パックは、2箇所の突起と、タグ用アンテナ及びリーダ用アンテナの接点との三点支持で格納部に固定され、これら各アンテナは二等辺三角形(最適には正三角形)のうち長さの等しい二辺の交点に位置する。したがって、電池パックは格納部に対して傾かず、双方のアンテナが安定した平行状態で対向するため、通信感度が向上する。
【0024】
第5の発明は、第3や第4の発明の構成において、シールド板のうちリーダ用アンテナの配置箇所は、格納部から離間する方向に凹んでいることを特徴とする。
第5の発明によれば、第3や第4の発明の作用に加えてさらに、シールド板に対して凹みを設け、この凹みにリーダ用アンテナを配置すれば、面一のシールド板上にリーダ用アンテナを単に配置させた場合に比して、リーダ用アンテナが格納部に向けて突出し難くなり、電池パックとシールド板との空間が少なくて済む。よって、アンテナの位置ずれを確実に防止でき、通信感度が向上する。
【0025】
第6の発明は、第1から第5の発明の構成において、アンテナ用基板は、アンテナ部を載置する絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムを挟んでアンテナ部の反対側に積層された磁性膜と、これら各磁性膜間に介在する絶縁膜とを備える一方、タグ用アンテナは、そのアンテナ部を載置するアンテナ用基板を有しており、このアンテナ用基板もまた、当該アンテナ部を載置する絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムを挟んでアンテナ部の反対側に積層された磁性膜と、これら各磁性膜間に介在する絶縁膜とを備えることを特徴とする。
【0026】
第6の発明によれば、第1から第5の発明の作用に加えてさらに、上述した外装及びシールド板は、リーダ用アンテナ及びタグ用アンテナによる無線通信の阻害要因になるが、各アンテナ用基板に磁性膜を設ければ、この阻害要因が存在してもアンテナ通信感度が飛躍的に向上する。
しかも、この磁性膜を少なくとも2層に分断し、その間に絶縁膜の層を挟んだRFID磁性部材をベースフィルムに設ければ、上記アンテナ通信感度の向上に加え、薄いアンテナを得ることができる。よって、上記隙間に受容され易く、また、携帯端末の薄型化の要求にも対応できる。
【0027】
第7の発明は、第3から第5の発明の構成において、リーダ用アンテナは、シールド板の表面に設けられた絶縁シールで覆われることを特徴とする。
第7の発明によれば、第3から第5の発明の作用に加えてさらに、リーダ用アンテナを絶縁シールで覆えば、このアンテナがむき出しの状態よりも衝撃に耐えることができ、リーダ用アンテナの保護に寄与する。また、このリーダ用アンテナを隠せるので、携帯端末使用者に違和感を与え難い電池パックのID管理が可能になる。
【0028】
第8の発明は、第1から第7の発明の構成において、RFIDタグは、電池パックの外装に設けられた絶縁シールで覆われることを特徴とする。
第8の発明によれば、第1から第7の発明の作用に加えてさらに、RFIDタグを絶縁シールで覆えば、このアンテナがむき出しの状態に比して衝撃に耐えることができ、RFIDタグの保護に寄与する。また、このRFIDタグを隠せるため、携帯端末の使用者に違和感を与え難い電池パックのID管理が可能になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、リーダ用及びタグ用アンテナの各アンテナ用基板にRFID磁性部材を設け、また、リーダ用アンテナが、格納部とシールド板との間の隙間を利用して回路基板に直に接触しているため、携帯端末本体の製造容易化を図るとともに、金属製の部材で挟まれた微小空間でも電池パックの識別情報を確実に管理できる電池パック真贋判定機能付き携帯端末を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本実施例における電池パックの真贋判定機能を備えた携帯電話の外観斜視図である。
【図2】図1の携帯電話を折り畳み、その裏側を上方に向けた斜視図である。
【図3】図2から電池パックカバーを取り外した図である。
【図4】図3における電池パックの取り出し状態を示す図である。
【図5】図3から電池パックを取り出した図である。
【図6】図5のVI−VI線に沿う格納部周辺の断面図である。
【図7】図6のリーダ用アンテナを説明する図である。
【図8】図4の電池パックの外観斜視図である。
【図9】図3のIX−IX線に沿う格納部周辺の断面図である。
【図10】図9のタグ用アンテナを説明する図である。
【図11】(a)は図9の電池パックの支持状態を説明する図であり、(b)は他の例における電池パックの支持状態を説明する図である。
【図12】第2実施例の格納部周辺の断面図であり、図3のIX−IX線に沿う格納部周辺の断面図である。
【図13】第3実施例の格納部周辺の断面図であり、図3のXIII−XIII線に沿う格納部周辺の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、電池パック真贋判定機能を備えた携帯電話(携帯端末)1が示されている。この携帯電話1は、ディスプレイ側と操作側とに分離された電話本体(携帯端末本体)2を備える。
詳しくは、まず、ディスプレイ側には薄型で平たいハウジング3が配置され、このハウジング3は例えば名刺よりもやや大きな内面4を有する。
【0032】
この内面4の中央にはメイン画面5が設けられており、使用者の操作内容等の各種情報を表示できる。また、図1でみてメイン画面5の上方には受話口6や照度センサ(不図示)が設けられる。
ハウジング3は内面4の裏側にて外面7に連なり、この外面7には時刻等を表示するサブ画面8が設置される。なお、ハウジング3のうち受話口6の裏側には通話時等に利用するアンテナ(不図示)が内蔵されている。
【0033】
ハウジング3は、メイン画面5を挟んで受話口6の反対側にて操作側に連結される。
この操作側にはヒンジ9を有したハウジング10が配置され、上記ハウジング3はヒンジ9を介してハウジング10に回動自在に連結される。このハウジング10は、ハウジング3よりもやや長いが、同じく薄型で平たく形成されており、例えば名刺よりもやや大きな内面14を有する。
【0034】
この内面14には使用者の各種操作に供される複数の操作キー15が配置され、図1でみて操作キー15の下方には送話口16が設置されている。
ハウジング10もまた内面14の裏側にて外面17に連なり、図1の状態からハウジング3がハウジング10に向けて回動し、内面4と内面14とが対峙すると、電話本体2は約半分の長さに折り畳まれた状態になる(図2)。
【0035】
図2に示されるように、ハウジング10の外面17のうちヒンジ9の周辺には、スピーカ18、カメラのレンズ部19やカメラ起動ランプ20が設けられる。また、ヒンジ9の裏側にも通話時等に利用するアンテナ(不図示)がハウジング10に内蔵される。なお、参照符号21は、ACアダプタやUSBケーブルなどに接続可能な外部接続端子を覆うキャップ21である。
【0036】
外面17において、このキャップ21とカメラ起動ランプ20との間には電池パックカバー22が設けられている。電池パックカバー22は、図2に図3を加えると容易に理解できるように、ハウジング10に装着された電池パック50の表面を覆う。電池パックカバー22の周縁には凸部(不図示)が複数形成され、これら凸部が図3,5に示す凹部33a,34aなどに係合すると、電池パックカバー22の外面は外面17と面一になる。
【0037】
また、電池パックカバー22は充電端子23を有し(図2,3)、この充電端子23は卓上ホルダーを利用して電池パック50を充電する場合に用いられる。
一方、図3の状態、つまり、電池パックカバー22がハウジング10から取り外された状態にて、電池パック50も図4に示される如くハウジング10から取り出すと、格納部30の他、平板状のシールド板40等が外部から視認可能になる(図5)。
【0038】
詳しくは、本実施例の格納部30は、電池パックカバー22に対峙する矩形状の開口を有し、この開口には4つの格納部側面31〜34が連なり、ハウジング3に向けて窪んだ筒状の凹所を形成している。
まず、端子側の格納部側面31とタブ受容側の格納部側面32とがハウジング10の長手方向に交差して配置され、角形状の電池パック50の長さに相当する空間を挟んで対向する。
【0039】
一方、図5でみて右側の格納部側面33と左側の格納部側面34とがハウジング10の長手方向に沿って配置され、これらは角形状の電池パック50の幅に相当する空間を挟んで対向する。
より具体的には、端子側の格納部側面31は、カメラ起動ランプ20の近傍に位置し、その左右両端にて右側の格納部側面33や左側の格納部側面34にそれぞれ交差する。これら右側や左側の格納部側面33,34との交差部分には、電池パック50のための固定用穴(窪み部)36,36が上記ヒンジ9に向けて窪んでいる。
【0040】
また、この端子側の格納部側面31のうち図5でみて右側の格納部側面33寄りには、本体側端子37が設置される。この本体側端子37は格納部30に装着された電池パック50に電気的に接続する。さらに、端子側の格納部側面31のうち左側の格納部側面34寄りには、使用者ICカード39を収納するホルダー38が設けられている。
【0041】
次に、これら右側や左側の格納部側面33,34は、図5にも示される如く、その中央部分が格納部30の外側に向けて若干膨出している。なお、これら各膨出部分の周囲には上述した凹部33a,34aが形成され、電池パックカバー22の上記凸部に係合する。
そして、右側や左側の格納部側面33,34は、ハウジング10の長手方向に延びてタブ受容側の格納部側面32にもそれぞれ交差する。
【0042】
タブ受容側の格納部側面32はキャップ21の近傍に配置されており、これら4つの格納部側面31〜34で図8の電池パック50の電池側面(電池パック周面)61〜64を囲繞する。なお、タブ受容側の格納部側面32は、端子側の格納部側面31から離間する方向に向けてやや窪んだ湾曲部32aを有し(図5)、図4に示した電池パック50のタブ78を納めることができ、また、電池パック50の取り出し時には使用者の指先も受容できる。
【0043】
続いて、本実施例のシールド板40は、ハウジング10内にて格納部30の底部分に配置され、そのシールド板表面42が電池パック50の裏面に対向する。なお、図5に示される如く、当該シールド板表面42には、樹脂製若しくは紙製の絶縁シール44が貼付されるため、格納部30の上方からはシールド板表面42の一部分が見える。この絶縁シール44には、電話本体2の型名や製造年月日などの情報が記載されている。
【0044】
また、シールド板40は、図6に示されるように、端子側の格納部側面31やタブ受容側の格納部側面32の下方を跨ぎ、上記ハウジング10の長手方向に沿って延びており、ハウジング10内で生じた放射ノイズが格納部30から外部に放射されないように遮蔽している。
この図6でみて左側、換言すれば、端子側の格納部側面31を挟んで格納部30の反対側には、回路基板46が設置される。
【0045】
本実施例の回路基板46には、携帯電話1を動作させるCPUやメモリ、チップ等の電子部品が実装されているとともに、格納部30に装着された電池パック50が純正品であるか否かを判定する制御部も搭載されている。
具体的には、この制御部はリーダ/ライタ80の構成要素であり、このリーダ/ライタ80のリーダ用アンテナ81と後述するRFIDタグ90との無線通信の結果に基づいて電池パック50の真贋判定を実施できる。
【0046】
ここで、本実施例のリーダ用アンテナ81は、シールド板表面42に配置されている(図6)。
詳しくは、リーダ用アンテナ81は、螺旋状に巻回された複数ターンの導体を有したループアンテナ(アンテナ部)82と、このループアンテナ82を載置するアンテナ用基板83とから構成される。
【0047】
ループアンテナ82は、電磁誘導方式、例えば13.56MHzの周波数帯(短波:HF帯)による短距離無線通信を行い、RFIDタグ90に向けて電磁波を放射する磁界型のアンテナである。
ループアンテナ82は、アンテナ用基板83に転写法などで形成され、その敷設範囲はシールド板表面42の面積よりも小さな面積(例えば10mm×10mm)で設けられている。本実施例では、電池パック50の裏面に対向するシールド板表面42のうち、端子側の格納部側面31寄りであって、右側の格納部側面33と左側の格納部側面34との中間位置に配置される。
【0048】
アンテナ用基板83もまたループアンテナ82と同じ位置に配置されるが、本実施例のアンテナ用基板83はハウジング10の長手方向に沿ってさらに延びている(図6)。具体的には、このアンテナ用基板83は、ループアンテナ82の裏側から端子側の格納部側面31を超えた位置までの長さで形成されている。このアンテナ用基板83は、その端部分に回路基板当接部84を有し、後述の如く回路基板46に直接に接触する。
【0049】
このように、本実施例のリーダ用アンテナ81は、そのループアンテナ82の背面にシールド板40が配置され、かつ、その敷設範囲もシールド板表面42の面積よりも小さいことから、そのアンテナ通信感度はシールド板40によって低められることになる。
しかし、本実施例では、RFID用磁性部材がアンテナ通信感度の低下を防止する。
【0050】
具体的には、アンテナ用基板83は、図7に示されるように、ループアンテナ82を載置する絶縁性の樹脂シート(ベースフィルム)85を有し、この樹脂シート85の裏側に、上記RFID用磁性部材が設けられている。
このRFID用磁性部材は、少なくともループアンテナ82の敷設範囲に設けられており、例えば2層の磁性膜86,88を有し、絶縁膜87をこれら磁性膜86,88の間に介在させる。
【0051】
この図7では、アンテナ用基板83の構造の理解を助けるために、樹脂シート85から磁性膜88までの厚みを特に大きく強調して示している。
樹脂シート85は、例えば熱可塑性樹脂で平板状に構成され、その厚さは10μm〜100μm(1μm=1×10−6m)程度で形成されている。
次に、磁性膜86,88や絶縁膜87は、平板状の膜が交互に積層された形態をなす。
【0052】
これら磁性膜86,88や絶縁膜87は、物理蒸着法によって成膜されることが好ましく、この物理蒸着法には、例えば、RF又はDC平行平板マグネトロンスパッタ法(MT法)、DC対向ターゲットスパッタ法(FTS法)、RF対向ターゲットスパッタ法、RFコンベンショナルスパッタ法、蒸着法や、反応性プラズマ蒸着法などが挙げられる。
【0053】
より具体的には、まず、磁性膜86,88は、元素A、元素M、及び元素Xを有する(A−M−Xにて形成)。この元素Aが主成分であって、Fe、若しくはCo又はその混合物を表している。次に、元素Mは、Hf,Ti,Zr,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Mg,Zn,Ca,Ce,Yのうち少なくとも1種を表し、元素Xは、O,Nのうち少なくとも1種を表している。
【0054】
磁性膜86,88は、成膜中、或いは成膜後に熱処理を施すことなく形成され、この非熱処理によって形成しても、元素Mと元素Xの化合物を含むアモスファス相と、このアモスファス相中に点在する元素Aを主体とした微結晶相とを有した混相構造で形成されている。この微結晶相の平均粒径は30nm以下である。この磁性膜86,88は、高抵抗軟磁性膜であり、軟磁気特性に優れる。
【0055】
本実施例の磁性膜86,88はFe−Al−Oにて形成されている。これら磁性膜86,88の各膜厚は0.5μm〜5μmの範囲の薄さで形成されており、この多層構成によれば、磁性膜86,88の総厚を少なくしつつも、高い通信出力を得ることが可能になる。
なお、本実施例の磁性膜86,88は同じ膜厚で構成されるが、異なる膜厚にも構成できる。
【0056】
続いて、絶縁膜87は、磁性膜86,88の間を電気的に絶縁する機能を有し、本実施例の絶縁膜87は例えばSiOで構成され、その膜厚は、0.2μm〜2μmの範囲の薄さで形成されている。
また、本実施例のリーダ用アンテナ81のインダクタンスLは、シールド板40や回路基板46の電子部品等を含めた状態で設計されており、0.5μH〜2.0μH(1μH=1×10−6H)の範囲に設定されている。
【0057】
これは、金属をリーダ用アンテナ81の背面に配置すると、そのインダクタンスは減少する。一方、磁性材をリーダ用アンテナ81の背面に配置すると、そのインダクタンスは増加することになるが、本実施例の磁性膜86,88は導電性を有するため、この導電性成分がシールド板40と同様にインダクタンスを減少させてしまう。
【0058】
さらに、上述の如くリーダ用アンテナ81のアンテナ通信感度は、シールド板40の影響を特に大きく受ける。
そこで、本実施例では、これらシールド板40等を含めてインダクタと擬制(アンテナとして捉える)し、シールド板40、上記電子部品、上記RFID用磁性部材や、ループアンテナ82を総合したインダクタンスが得られるように設計している。
【0059】
再び図6に戻り、リーダ用アンテナ81は、ループアンテナ82の上方から絶縁シール44で覆われ、シールド板表面42に固定されている。なお、この図6でも、構造の理解を容易にすべく絶縁シール44の湾曲状態を強調して示す。
よって、リーダ用アンテナ81は、シールド板表面42から若干盛り上がるものの、電話本体2の型名などの情報が記載された絶縁シール44で隠されており、仮に、電池パック50を格納部30から取り外したとしても、視認困難になる。
【0060】
本実施例の電池パック50は、格納部30に着脱可能に構成されたリチウムイオン電池である。
電池パック50は、図8に示されるように、角形状のケース(外装)51を備えている。このケース51は、金属製(例えばアルミラミネート材)で構成され、その装着時には電池パックカバー22に対峙する幅広の電池表面52を有する。
【0061】
ケース51は、図8でみて電池表面52の下側にも幅広の電池裏面53も有し、この電池裏面53が、格納部30への装着時にはシールド板表面42に対峙する。
これら電池表面52や電池裏面53の周縁は、4つの電池側面61〜64にそれぞれ連なり、その装着時には4つの格納部側面31〜34に対向する。
【0062】
具体的には、端子側の電池側面61とタブ側の電池側面62とが電池パック50の長さ方向にて対向し、一方、図4でみて右側の電池側面63と左側の電池側面64とが電池パック50の幅方向にて対向する。また、端子側の電池側面61やタブ側の電池側面62の両端は、右側の電池側面63や左側の電池側面64にそれぞれ交差する。
【0063】
本実施例の電池パック50は、図8にも示される如く、端子側の電池側面61からタブ側の電池側面62までの長さが、右側の電池側面63から左側の電池側面64までの幅よりも小さく形成されている。
端子側の電池側面61は、右側の電池側面63寄りに、電池側端子77を有し、格納部30への装着時には上記端子側の格納部側面31の本体側端子37を介して回路基板46に電気的に接続される。
【0064】
さらに、端子側の電池側面61は、右側の電池側面63や左側の電池側面64との交差部分に、樹脂製の固定用爪(突起)76,76を有しており、これら固定用爪76,76は、格納部30への装着時に固定用穴36,36に係合する。
タブ側の電池側面62は、上記タブ受容側の格納部側面32の上記湾曲部32aに受容される樹脂製のタブ78を有する。
【0065】
そして、ケース51の内部には、例えばグラファイト製の負極部材、リチウム遷移金属酸化物製(例えばマンガンとニッケルの複合材など)の正極部材や、電解質(有機溶媒、或いはゲル状や固体のポリマー電解質)が納められており、放電時には、リチウムイオンが負極から正極に向けて移動して電池反応が進む一方、充電時には、リチウムイオンが正極から負極に向けて移動して電池反応が進む。
【0066】
なお、上記のように、ケース51にアルミラミネート材を用いれば、電池パック50の製造コストを抑えることができるが、これら負極部材、正極部材や電解質は、アルミニウム製や鉄製の缶に納めることも可能である。
また、図8に示されるように、ケース51には、樹脂製若しくは紙製の絶縁シール74が貼付されている。
【0067】
この絶縁シール74は、電池パック50の幅方向に沿って1周分巻き付けられており、現物で云えば電池表面52、右側の電池側面63、電池裏面53や、左側の電池側面64は、絶縁シール74に覆われていない一部分が見えている。この絶縁シール74には、電池パック50の型名、出力電圧や容量の情報の他、格納部30への装着方向なども記載されている。なお、この図8では省略するが、端子側の電池側面61やタブ側の電池側面62の一部分にも絶縁シールが貼付される。
【0068】
ここで、この電池パック50はRFIDタグ90を備えている(図9)。
詳しくは、本実施例のRFIDタグ90は、電源を有しないパッシブタイプであり、ICチップ(不図示)が埋め込まれている。当該チップは、メモリへのデータの書き換え・追記機能を有し、タグ用アンテナ91に接続されている。
本実施例のタグ用アンテナ91は電池裏面53に配置される。
【0069】
このタグ用アンテナ91は、螺旋状に巻回された複数ターンの導体を有したループアンテナ(アンテナ部)92と、このループアンテナ92を載置するアンテナ用基板93とから構成される。
ループアンテナ92も磁界型のアンテナであり、アンテナ用基板93に転写法などで形成され、その敷設範囲は電池裏面53の面積よりも小さな面積(例えば10mm×10mm)で設けられている。
【0070】
具体的には、ループアンテナ92は、上記リーダ用アンテナ81のループアンテナ82に完全に重なり合う位置であり、本実施例で云えば、電池裏面53のうち、端子側の電池パック周面61寄りであって、右側の電池パック周面63と左側の電池パック周面64との中間位置に配置されている。また、アンテナ用基板93もループアンテナ92と同じ位置に配置される。
【0071】
なお、これらループアンテナ82,92は完全に重なり合うことが最も好適であるが、ループアンテナ82,92が部分的に重なり合えば通信は可能である。
このように、本実施例のタグ用アンテナ91は、そのループアンテナ92の背面にケース51が配置され、かつ、その敷設範囲も電池裏面53の面積よりも小さいことから、そのアンテナ通信感度もまたケース51によって低められるが、本実施例では、RFID用磁性部材がアンテナ通信感度の低下を防止する。
【0072】
具体的には、アンテナ用基板93は、図10に示される如く、ループアンテナ92を載置する絶縁性の樹脂シート(ベースフィルム)95を有し、この樹脂シート95の裏側に、上記RFID用磁性部材が設けられる。
このRFID用磁性部材は、少なくともループアンテナ92の敷設範囲に設けられ、例えば2層の磁性膜96,98を有し、絶縁膜97をこれら磁性膜96,98の間に介在させる。
【0073】
この図10においても、アンテナ用基板93の構造の理解を助けるために、樹脂シート95から磁性膜98までの厚みを特に大きく強調して示している。
樹脂シート95は、例えば熱可塑性樹脂で平板状に構成され、その厚さは10μm〜100μm程度で形成されている。
次に、磁性膜96,98や絶縁膜97は、平板状の膜が交互に積層された形態をなす。
【0074】
これら磁性膜96,98や絶縁膜97もまた、磁性膜86,88や絶縁膜87と同様に上述した物理蒸着法によって成膜されることが好ましい。
磁性膜96,98は、上述した元素A、元素M、及び元素Xを有し(A−M−Xにて形成)、この元素Aが主成分であって、Fe、若しくはCo又はその混合物を表している。次に、元素Mは、Hf,Ti,Zr,V,Nb,Ta,Mo,W,Al,Mg,Zn,Ca,Ce,Yのうち少なくとも1種を表し、元素Xは、O,Nのうち少なくとも1種を表している。
【0075】
この磁性膜96,98も、元素Mと元素Xの化合物を含むアモスファス相と、このアモスファス相中に点在する元素Aを主体とした微結晶相とを有した混相構造で形成されており、高抵抗軟磁性膜であり、軟磁気特性に優れている。
本実施例の磁性膜96,98もまたFe−Al−Oにて形成され、これら磁性膜96,98の各膜厚も0.5μm〜5μmの範囲の薄さで形成されており、本実施例の磁性膜96,98は同じ膜厚で構成される。この多層構成によれば、磁性膜96,98の総厚を少なくしつつも、高い通信出力を得ることが可能になる。なお、本実施例の磁性膜96,98も異なる膜厚にも構成できる。
【0076】
次に、絶縁膜97は、絶縁膜87と同様に例えばSiOで構成され、その膜厚は、0.2μm〜2μmの範囲の薄さで形成されている。
本実施例のタグ用アンテナ91のインダクタンスLは、ケース51を含めた状態で設計されており、0.5μH〜2.0μHの範囲に設定される。磁性膜96,98の導電性成分がケース51と同様にインダクタンスを減少させる方向に作用し、また、タグ用アンテナ91のアンテナ通信感度は、ケース51の影響を特に大きく受けるからである。
【0077】
そこで、本実施例では、ケース51を含めてインダクタと擬制(アンテナとして捉える)し、ケース51、上記RFID用磁性部材や、ループアンテナ92を総合したインダクタンスが得られるように設計している。
図9に戻り、タグ用アンテナ91は、ループアンテナ92の下方から絶縁シール74で覆われ、電池裏面53に固定されている。なお、この図9でも、構造の理解を容易にすべく絶縁シール74の湾曲状態を強調して示す。
【0078】
よって、タグ用アンテナ91は、電池裏面53から若干盛り上がるが、電池パック50などの情報が記載された絶縁シール74で隠されており、仮に、格納部30から取り外された電池パック50の電池裏面53側を見ても、RFIDタグ90を視認できない。
一方、電池パック50が格納部30に装着されると、ループアンテナ82とループアンテナ92との間には絶縁シール44,74が介在し、電池パック50は三点支持される。
【0079】
より具体的には、電池パック50を図3や図9の上方からみた図11に示されるように、ループアンテナ82,92の各中心位置が、少なくとも二等辺三角形のうち長さの等しい二辺の交点になる(図11(a))。ループアンテナ82,92の各中心位置が固定用爪76,76を結んだ直線(図中に2点鎖線で示す)の中点を通る直線上に配置されるため、この図でみて左側の固定用爪76とループアンテナ82,92の中心位置とを結んだ直線(図中に2点鎖線で示す)の長さは、右側の固定用爪76とループアンテナ82,92の中心位置とを結んだ直線(図中に2点鎖線で示す)の長さに等しくなるからである。
【0080】
なお、仮に、上記固定用爪76,76が、上記端子側の電池側面61ではなく、タブ側の電池側面62に設けられていた場合には、図11(b)に示される如く、ループアンテナ82,92の各中心位置は二等辺三角形のうち長さの等しい二辺の交点になるし、その二等辺三角形の面積が大きくなって電池パック50をより安定して固定可能になる。
【0081】
そして、RFIDタグ90においては、上記RFID用磁性部材を有したアンテナ用基板93がループアンテナ92と電池裏面53との間に挿入され、また、リーダ/ライタ80においては、上記RFID用磁性部材を有したアンテナ用基板83がループアンテナ82とシールド板表面42との間に挿入され、そのインダクタンスLを調整すれば、約3mmを超える通信距離が得られる。
【0082】
つまり、リーダ用アンテナ81からの磁束は、タグ用アンテナ91のアンテナ用基板93内を通り、ループアンテナ82とループアンテナ92との間で磁界結合が生じて還流磁束を形成でき、このループアンテナ92にて受信した信号出力の減衰量を小さくできる。
この結果、電池裏面53とシールド板表面42とで挟まれた微小空間にて無線通信を行っても、リーダ用アンテナ81とタグ用アンテナ91との間に電気的な共振が生じ、そのループアンテナ92に電磁誘導による電流が生じてICチップが起動する。
【0083】
一方、このICチップからのアンサー信号はリーダ用アンテナ81で受信されて回路基板46の制御部に向けて出力される。これにより、電話本体2側のリーダ/ライタ80と電池パック50側のRFIDタグ90との間で非接触の無線通信が可能になり、この制御部は、電池パック50のID認証によって、格納部30に装着された電池パック50が純正品であるか否かを判定できる。
【0084】
ここで、リーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、格納部30とシールド板40との間に形成された空間を利用して回路基板46に当接する。
詳しくは、再び図9に戻り、本実施例では、端子側の格納部側面31の最深部分31aとシールド板表面42との間に、約0.1mm程度の隙間47が形成されている。
【0085】
そして、アンテナ用基板83のうち、本実施例で云えば樹脂シート85が、ループアンテナ82の裏側からシールド板表面42に沿ってこの図9でみて左方向に延び、隙間47に受容される。樹脂シート85はさらに回路基板46に向けて延びており、回路基板当接部84がこの隙間47を超えた位置にて回路基板46に直接に接触し、アンテナ用基板83と回路基板46とが導通している。
【0086】
なお、本実施例の隙間47は、電話本体2の製造段階で設けられる空間であり、アンテナ用基板83を受容するために設計して設けた空間ではないが、当該空間を予め設計して設けることも可能である。
ところで、シールド板40は、平板状ではなく、段付き形状で構成されていても良い。
【0087】
詳しくは、図12に示された電池パック50もまたタグ用アンテナ91を電池裏面53に配置し、リーダ用アンテナ81もシールド板表面42に配置されており、図9の実施例と同じ機能を奏する構成には同じ符号を付してその説明を省略すると、図12に示されたシールド板40はリーダ用アンテナ81の配置箇所に凹み41を有し、この凹み41が格納部30から離間する方向に凹んでいる。
【0088】
本実施例においても、端子側の格納部側面31の最深部分31aとシールド板表面42との間に、約0.1mm程度の隙間47が形成されている。
そして、アンテナ用基板83が、ループアンテナ82の裏側からシールド板表面42に沿って延びて隙間47に受容され、回路基板当接部84がこの隙間47を超えた位置にて回路基板46に直接に接触している。
【0089】
一方、上述のリーダ用アンテナ81は、シールド板40ではなく、格納部30に設置しても良い。
すなわち、図13の実施例についても図9の実施例と同じ機能を奏する構成には同じ符号を付してその説明を省略すれば、図13に示されたリーダ用アンテナ81は、シールド板40に近接した右側の格納部側面33に配置されている。
【0090】
そのループアンテナ82の敷設範囲はシールド板表面42の面積よりも小さな面積(例えば4mm×25mm)で設けられている。
また、そのアンテナ用基板83はハウジング10の深さ方向に沿って延びており、ループアンテナ82の裏側からシールド板40の周縁43を超えた位置までの長さで形成される。
【0091】
リーダ用アンテナ81は、ループアンテナ82の上方から電話本体2の型名などの情報が記載された絶縁シール44aで覆われ、右側の格納部側面33に固定される。なお、この図13でも、構造の理解を容易にすべく絶縁シール44aの湾曲状態を強調して示している。
これに対し、この実施例の場合には、タグ用アンテナ91は右側の電池側面63に配置される。
【0092】
そのループアンテナ92の敷設範囲は右側の電池側面63等のケース51の面積よりも小さな面積(例えば4mm×25mm)で設けられている。
タグ用アンテナ91は、ループアンテナ92の上方から電池パック50などの情報が記載された絶縁シール74で覆われ、右側の電池側面63に固定されている。
【0093】
このように、本実施例のリーダ用アンテナ81は、そのループアンテナ82の直ぐ下方にシールド板40が配置され、かつ、その敷設範囲もシールド板表面42の面積よりも小さく、また、本実施例のタグ用アンテナ91は、そのループアンテナ92の背面にケース51が配置され、かつ、その敷設範囲も右側の電池側面63等のケース51の面積よりも小さいことから、これらのアンテナ通信感度はシールド板40やケース51によって低められるが、本実施例では、リーダ用アンテナ81やタグ用アンテナ91に設けた上述のRFID用磁性部材がアンテナ通信感度の低下を防止している。
【0094】
ここで、リーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、格納部30とシールド板40との間に形成された空間、より詳しくは、右側の格納部側面33の電池パック対向面部分とシールド板40の周縁43との間に形成された隙間48を利用して回路基板46に当接する。
具体的には、本実施例の隙間48もまた、約0.1mm程度の電話本体2の製造段階で設けられた空間である。
【0095】
このアンテナ用基板83は、その端部分に回路基板当接部84を有している。そして、アンテナ用基板83は、ループアンテナ82の裏側から右側の格納部側面33に沿ってこの図13でみて下方向に延び、隙間48に受容される。アンテナ用基板83はさらに回路基板46に向けて延びており、回路基板当接部84がこの隙間48を超えた位置にて回路基板46に直接に接触し、アンテナ用基板83と回路基板46とが導通する。
【0096】
以上のように、上記各実施例によれば、携帯電話1は、電話本体2と、この電話本体2に着脱可能に構成された角形状の電池パック50とを具備する。電池パック50は、金属製のケース51を備え、ケース51の内側には二次電池として機能する各種部材が納められる。一方、このケース51の外側にはRFIDタグ90が取付けられている。
【0097】
電話本体2には、その操作側のハウジング10に電池パック50を装着させる凹所が形成され、この凹所が電池パック50の格納部30として機能する。詳しくは、格納部30は、電池側面61〜64に対向する格納部側面31〜34を有し、また、この格納部30の底部分には金属製のシールド板40が配置されている。つまり、このシールド板40は、そのシールド板表面42が装着された電池パック50の電池裏面53に対向し、電話本体2内で生じたノイズを遮蔽できる。
【0098】
ここで、格納部30に装着された電池パック50が純正品であるか否かは、電池パック50側のRFIDタグ90と電話本体2側のリーダ/ライタ80との無線通信が行われた結果を、格納部30の周辺に配置された回路基板46にて判定して実施される(電池パックの真贋判定)。
しかし、RFIDタグ90は、そのループアンテナ92の敷設範囲が金属製のケース51の面積よりも小さいため、このケース51によってそのループアンテナ92のアンテナ通信感度が低められる。
【0099】
これに対し、リーダ/ライタ80のループアンテナ82は、金属製のシールド板40によってそのアンテナ通信感度が低められる位置に配置されるし、さらに、そのループアンテナ82の敷設範囲がシールド板40の面積よりも小さい。よって、これらケース51及びシールド板40は無線通信の阻害要因になり、これでは、携帯電話1の使用者の安全を確保するための電池パック50のID管理が困難になってしまう。
【0100】
ところで、当該通信に関する課題の解決に先立ち、従来の如く、リーダ用アンテナと回路基板とを間接的、具体的には、被覆ケーブルを介して電気的に接続させると、部品点数が増える他、このケーブルを湾曲させた複雑な構造になって電話本体2の製造が困難になるという問題がある。
しかしながら、本実施例では、リーダ用アンテナ81が、格納部30とシールド板40との間に形成される隙間47(48)を利用して回路基板46に直に接触しているため、従来に比して電話本体2を容易に製造可能になる。
【0101】
より詳しくは、このリーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、そのループアンテナ82を載置しており、このループアンテナ82の裏側から隙間47(48)に入り込み、この隙間47(48)を超えた位置にて回路基板46に当接している。
このように、格納部30とシールド板40との隙間47(48)を利用すれば、リーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、折り曲げられることなく回路基板46にそのまま接触して導通できる。この結果、上述したケーブルなどが不要になるし、また、複雑な構造も回避できるのである。
【0102】
そして、上述のように、ケース51及びシールド板40は、リーダ用アンテナ81及びタグ用アンテナ91による無線通信の阻害要因になるが、各アンテナ用基板83,93に磁性膜86,88や磁性膜96,98を設ければ、この阻害要因が存在してもアンテナ通信感度が飛躍的に向上する。磁性膜86,88や磁性膜96,98が磁束を引き寄せ、各ループアンテナ82,92間に磁束を貫通させることができるからである。
【0103】
これにより、例えば、純正品であると判定された電池パック50のみを携帯電話1の駆動用電源として使用可能になり、その使用者の安全を確保できる。
しかも、磁性膜86,88や磁性膜96,98のように、少なくとも2層に分断し、その間に絶縁膜87や絶縁膜97の層を挟んだRFID用磁性部材を樹脂シート85や樹脂シート95にそれぞれ設ければ、上記アンテナ通信感度の向上に加え、薄いアンテナを得ることができる。よって、上記隙間47(48)に受容され易く、また、携帯電話1の薄型化の要求にも対応できる。
【0104】
また、図9,12の各実施例のタグ用アンテナ91は、ケース51によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、そのループアンテナ92がシールド板表面42に対向する電池パック50の電池裏面53に配置されるのに対し、リーダ用アンテナ81は、シールド板40によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、そのループアンテナ82がシールド板表面42に配置されており、これら各ループアンテナ82,92は格納部30の深さ方向で対峙する。
【0105】
そして、端子側の格納部側面31の最深部分31aとシールド板表面42との間に形成された隙間47を利用すれば、リーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、折り曲げられることなく回路基板46に確実に接触できる。
さらに、この格納部30に装着された電池パック50はバランスの採れた三点で支持される。
【0106】
詳しくは、この電池パック50は、2箇所の固定用爪76,76と、タグ用アンテナ91及びリーダ用アンテナ81の接点との三点支持で格納部30に固定され、これら各ループアンテナ82,92の中心位置は二等辺三角形のうち長さの等しい二辺の交点に位置する。したがって、電池パック50は格納部30に対して傾かず、双方のループアンテナ82,92が安定した平行状態で対向するため、通信感度が向上する。
【0107】
さらにまた、図12の実施例のように、シールド板40に対して凹み41を設け、この凹み41にリーダ用アンテナ81を配置すれば、面一のシールド板上にリーダ用アンテナ81を単に配置させた場合に比して、リーダ用アンテナ81が格納部30に向けて突出し難くなり、電池パック50とシールド板40との空間が少なくて済む。よって、この場合にも電池パック50は格納部30に対して傾斜せず、ループアンテナ82,92の位置ずれを確実に防止でき、通信感度がより一層向上する。
【0108】
また、図13の実施例のタグ用アンテナ91は、ケース51によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、そのループアンテナ92が電池パック50の右側の電池側面63に配置されるのに対し、リーダ用アンテナ81は、シールド板40によってそのアンテナ通信感度が低められる位置、具体的には、そのループアンテナ82がシールド板40に近接した格納部30の右側の格納部側面33に配置されており、これら各ループアンテナ82,92は格納部30の幅方向で対峙する。
【0109】
そして、この右側の格納部側面33の電池パック対向面部分とシールド板40の周縁43との間に形成された隙間48を利用すれば、リーダ用アンテナ81のアンテナ用基板83は、折り曲げられることなく回路基板46に確実に接触できる。
さらに、リーダ用アンテナ81を絶縁シール44(44a)で覆えば、ループアンテナ82がむき出しの状態よりも衝撃に耐えることができ、リーダ用アンテナ81の保護に寄与する。また、このリーダ用アンテナ81を隠せるので、携帯電話1の使用者に違和感を与え難い電池パック50のID管理が可能になる。
【0110】
さらにまた、RFIDタグ90を絶縁シール74で覆えば、ループアンテナ92がむき出しの状態に比して衝撃に耐えることができ、RFIDタグ90の保護に寄与する。また、このRFIDタグ90を隠せることから、この場合にも、携帯電話1の使用者に違和感を与え難い電池パック50のID管理が可能になる。
【0111】
本発明は、上記各実施例に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。
例えば、上記図13の実施例のタグ用アンテナ91は、そのループアンテナ92が電池パック50の右側の電池側面63に配置されているものの、タブ側の電池側面62、或いは左側の電池側面64に配置することもできる。
【0112】
また、上述した電池パック50には、固定用爪76,76が端子側の電池パック周面61に形成されているが、本発明の電池パックは固定用爪76,76を備えていなくても良い。それは、電池側端子を備えた凹部が電池裏面53に形成されており、この凹部がシールド板表面42から突出した本体側端子に係合できる場合には、上記固定用爪76,76を設けなくても電池パック50を格納部30に固定できるからである。
【0113】
さらに、上記各実施例は、携帯電話1に具現化した例で説明されている。しかし、使用者の安全を確保するために、電池パック50のID管理が必要である限り、PHSやPDAなどのモバイル用途の電子機器にも当然に適用可能である。
そして、これらいずれの場合にも上記と同様に、携帯端末本体の製造容易化を図りつつ、金属製の部材で挟まれた微小空間でも電池パックの識別情報を確実に管理できるとの効果を奏する。
【符号の説明】
【0114】
1 携帯電話(携帯端末)
2 電話本体(携帯端末本体)
30 格納部
31〜34 格納部側面
36 固定用穴(窪み部)
40 シールド板
41 凹み
43 周縁
44,44a 絶縁シール
46 回路基板
47,48 隙間
50 電池パック
51 ケース(外装)
52 電池表面
61〜64 電池側面(電池パック周面)
74 絶縁シール
76 固定用爪(突起)
80 リーダ/ライタ
81 リーダ用アンテナ
82 ループアンテナ(アンテナ部)
83 アンテナ用基板
85 樹脂シート(ベースフィルム)
86 磁性膜
87 絶縁膜
88 磁性膜
90 RFIDタグ
91 タグ用アンテナ
92 ループアンテナ(アンテナ部)
93 アンテナ用基板
95 樹脂シート(ベースフィルム)
96 磁性膜
97 絶縁膜
98 磁性膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池パック側のRFIDタグと携帯端末本体側のリーダ/ライタとの無線通信を行う携帯端末であって、
電池パックは、
金属製の外装と、
この外装に取付けられる前記RFIDタグのタグ用アンテナとを具備する一方、
携帯端末本体は、
前記電池パックを装着させる凹所が形成され、この電池パックの周面に対向する側面を有した格納部と、
前記凹所の底部分に配置されており、装着された前記電池パックに対向し、前記携帯端末本体内のノイズを遮蔽する金属製のシールド板と、
このシールド板によってそのアンテナ通信感度が低められる位置に配置された前記リーダ/ライタのリーダ用アンテナと、
このリーダ用アンテナのアンテナ部を載置するアンテナ用基板と、
前記格納部の周辺に配置され、前記電池パックの真贋判定を実施可能な回路基板と、
前記格納部と前記シールド板との間に形成され、前記アンテナ用基板を受容する隙間とを具備しており、
当該アンテナ用基板は、前記アンテナ部の裏側から前記隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて前記回路基板に当接して電気的に接続されていることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項2】
請求項1に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記タグ用アンテナは、前記電池パックの周面に配置され、前記リーダ用アンテナは、前記シールド板に近接した前記格納部の側面に配置される一方、前記隙間は、この格納部の側面の電池パック対向面部分と前記シールド板の周縁部分との間に形成されており、
前記アンテナ用基板は、前記アンテナ部の裏側から前記格納部の側面に沿って当該隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて前記回路基板に当接していることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項3】
請求項1に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記タグ用アンテナは、前記シールド板の表面に対向する前記電池パックの裏面に配置され、前記リーダ用アンテナは、このシールド板の表面に配置される一方、前記隙間は、前記格納部の側面の最深部分と前記シールド板の表面部分との間に形成されており、
前記アンテナ用基板は、前記アンテナ部の裏側から前記シールド板の表面に沿って当該隙間に向けて延伸し、この隙間を超えた位置にて前記回路基板に当接していることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項4】
請求項3に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記電池パックは、前記外装に2箇所突設され、前記格納部の窪み部にそれぞれ係合して前記電池パックを前記格納部に固定させる突起を有する一方、
前記タグ用アンテナは、これら各突起を結んだ直線の中点を通る直線上にて、前記外装に取付けられて前記リーダ用アンテナに対峙していることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記シールド板のうち前記リーダ用アンテナの配置箇所は、前記格納部から離間する方向に凹んでいることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記アンテナ用基板は、前記アンテナ部を載置する絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムを挟んで前記アンテナ部の反対側に積層された磁性膜と、これら各磁性膜間に介在する絶縁膜とを備える一方、
前記タグ用アンテナは、そのアンテナ部を載置するアンテナ用基板を有しており、このアンテナ用基板もまた、当該アンテナ部を載置する絶縁性のベースフィルムと、このベースフィルムを挟んで前記アンテナ部の反対側に積層された磁性膜と、これら各磁性膜間に介在する絶縁膜とを備えることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項7】
請求項3から5のいずれか一項に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記リーダ用アンテナは、前記シールド板の表面に設けられた絶縁シールで覆われることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の電池パック真贋判定機能付き携帯端末であって、
前記RFIDタグは、前記電池パックの外装に設けられた絶縁シールで覆われることを特徴とする電池パック真贋判定機能付き携帯端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−99893(P2012−99893A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243434(P2010−243434)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】