説明

電源システムおよびそれを備えた車両、ならびに充放電制御方法

【課題】蓄電部のSOCの推定精度を高めることのできる電源システムおよびそれを備える車両、ならびに充放電制御方法を提供する。
【解決手段】車両は、まずEV走行モードで走行を開始する(時刻t1)。ここで、第1蓄電部に対するリセット要求(SOC1リセット要求)が発せられると、第1蓄電部を積極的に放電するように電流制御が行われる。外部電源により充電可能な状態になる時刻t2以降では、リセット対象の第1蓄電部の放電電流が一定電流値に維持されるとともに、リセット対象ではない第2蓄電部は、少なくとも第1蓄電部の放電電流を含む充電電流で充電される。その後、時刻t3において第1蓄電部の電池電圧(放電電圧)に特徴点が現れたとすると、この時刻t3のタイミングにおいて、第1蓄電部のSOCの推定値は、予め定められた基準値にリセットされる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、充放電可能な複数の蓄電部を搭載した電源システムおよびそれを備える車両、ならびにその電源システムに対する充放電制御方法に関し、特に充電状態値の推定精度を高精度に維持するための構成に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を考慮して、内燃機関と電動機とを効率的に組み合わせて走行するハイブリッド車両が実用化されている。このようなハイブリッド車両は、充放電可能な蓄電部を搭載し、発進時や加速時などに電動機へ電力を供給して駆動力を発生する一方で、下り坂や制動時などに車両の運動エネルギーを電力として回収する。
【0003】
このようなハイブリッド車両において、搭載する蓄電部を商用電源などの外部電源からの電力によって充電するための構成が提案されている。このように外部電源により蓄電部を予め充電することにより、通勤や買い物などの比較的短距離の走行であれば、内燃機関を停止状態に保ったまま走行することができるため、総合的な燃料消費効率を向上させることが可能となる。このような走行モードは、EV(Electric Vehicle)走行モードとも称される。
【0004】
このようなEV走行モードにおける走行性能を高めるためには、蓄電部の充放電能力をより高めることが望ましい。蓄電部の充放電能力を高めるための一つの方法として、複数の蓄電部を搭載する構成が提案されている。このような構成では、各蓄電部の充放電電流を制御するための電力変換部(コンバータなど)が各蓄電部に対応付けて設けられる。これは、各蓄電部に対する充放電を独立に行なうことで、各々を適正な充電状態値(SOC:State Of Charge;以下、単に「SOC」とも称す)に維持し、過放電や過充電などを回避することができる。
【0005】
各蓄電部に対する充放電を独立に実行可能な構成の一例として、特開2002−010502号公報(特許文献1)には、複数の蓄電池(蓄電部)の充電と放電を同時に行なうことが可能な蓄電池用充放電装置が開示されている。
【特許文献1】特開2002−010502号公報
【特許文献2】特開平10−066267号公報
【特許文献3】特開平10−051906号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、各蓄電部のSOCの推定方法として、蓄電部のSOCが開放端電圧と一定の関係を有することを利用する方法が知られている。より具体的には、対象となる蓄電部の開放端電圧を測定し、予め実験的に取得された関係特性を参照して、測定された開放端電圧に対応するSOCを決定する方法である。
【0007】
しかしながら、ハイブリッド車両に搭載される蓄電部の代表例であるニッケル水素電池などでは、実用範囲のSOCにおける開放端電圧の変化が相対的に小さい。すなわち、蓄電部のSOCの変化に比較して開放端電圧の変化が少ない。そのため、開放端電圧の測定だけでは十分な推定精度を得ることができない。
【0008】
そこで、SOCの推定精度をより高めるために、上記のような開放端電圧の測定によって得られたSOCを、蓄電部の充放電量の積算値に基づいて順次補正することがよく行なわれている。
【0009】
一方、このように蓄電部の充放電量の積算値で順次補正すると、センサ誤差などに起因して本来のSOCから徐々にずれる場合があるという問題があった。
【0010】
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、蓄電部のSOCの推定精度を高めることのできる電源システムおよびそれを備える車両、ならびに充放電制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明のある局面に従う電源システムは、充放電可能な複数の蓄電部と、複数の蓄電部にそれぞれ対応付けられた複数の電圧変換部と、複数の電圧変換部が互いに並列接続された電力線対と、外部電源からの電力を受けて複数の蓄電部を外部充電するための充電部と、複数の蓄電部の各々についての充電状態値を推定する状態推定部と、複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御部とを備える。状態推定部は、各蓄電部の充放電量の積算値に基づいて、対応の蓄電部の充電状態値を順次演算し、制御部は、複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、複数の蓄電部のうち第1の蓄電部から放電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、残余の蓄電部が少なくとも第1の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御し、状態推定部は、複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、第1の蓄電部の電圧値に基づいて第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットする。
【0012】
この発明によれば、外部電源により充電可能な状態にされたときに、対応の電圧変換部を制御して、第1の蓄電部から所定電流を放電する。そして、この放電電流によって生じる第1の蓄電部の電圧値に基づいて、状態推定部で順次演算される第1の蓄電部の充電状態値が基準値にリセットする。このため、たとえ第1の蓄電部の充電状態値に充放電量の積算値に起因する誤差が生じても、外部充電前にリセット(校正)を行なうことができる。これにより、蓄電部のSOCの推定精度を高めることができる。
【0013】
好ましくは、状態推定部は、第1の蓄電部の放電電圧の時間的変化に基づく所定タイミングで、第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットする。
【0014】
好ましくは、制御部は、状態推定部が第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットすると、第1の蓄電部が充電部からの充電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、第1の蓄電部に対する充電電流が残余の蓄電部に対する充電電流に比較して大きくなるように対応の電圧変換部を制御する。
【0015】
好ましくは、充電部は、第1の蓄電部と第1の蓄電部に対応する電力変換部との間に電気的に接続される。
【0016】
好ましくは、電源システムは、第1の蓄電部の充放電頻度に基づいて、第1の蓄電部に対するリセット要求を発生する要求発生部をさらに備え、制御部は、リセット要求に応答して、外部充電中に第1の蓄電部からの放電を開始する。
【0017】
さらに好ましくは、要求発生部は、複数の蓄電部の各々についての充電頻度に基づいて、リセット要求の対象とする蓄電部を選択可能である。
【0018】
またさらに好ましくは、電源システムは、電力線対を介して電気的に接続された負荷装置に電力を供給可能に構成され、制御部は、リセット要求に応答して、複数の蓄電部に対する外部充電の開始前に、第1の蓄電部から負荷装置への放電電流が残余の蓄電部の各々から負荷装置への放電電流に比較して多くなるように、複数の電力変換部を制御する。
【0019】
この発明の別の局面に従えば、内燃機関を搭載した車両であって、上記の電源システムと、負荷装置として、複数の蓄電部からの電力を受けて駆動力を発生可能な電動機と、内燃機関からの駆動力を受けて発電可能な発電部とを備える。複数の蓄電部は、発電部からの電力を受けて内部充電可能に構成され、車両は、発電部による複数の蓄電部に対する内部充電が制限される第1の走行モードと、各蓄電部の充電状態値が所定の範囲内に維持されるように発電部による複数の蓄電部に対する内部充電を制御する第2の走行モードとを選択して走行可能であり、制御部は、第1の走行モードの選択中に、第1の蓄電部から電動機への放電電流が残余の蓄電部の各々から電動機への放電電流に比較して多くなるように、複数の電力変換部を制御する。
【0020】
この発明のさらに別の局面に従えば、充放電可能な複数の蓄電部を備える電源システムの充放電制御方法であって、電源システムは、複数の蓄電部にそれぞれ対応付けられた複数の電圧変換部と、複数の電圧変換部が互いに並列接続された電力線対と、外部電源からの電力を受けて複数の蓄電部を外部充電するための充電部とを備える。充放電制御方法は、各蓄電部の充放電量の積算値に基づいて対応の蓄電部の充電状態値を順次演算することで、複数の蓄電部の各々についての充電状態値を推定するステップと、複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、複数の蓄電部のうち第1の蓄電部から放電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、残余の蓄電部が少なくとも第1の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御するステップと、複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、第1の蓄電部の電圧値に基づいて第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットするステップとを備える。
【発明の効果】
【0021】
この発明によれば、蓄電部のSOCの推定精度を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰返さない。
【0023】
(全体構成)
図1は、この発明の実施の形態に従う電源システムを備える車両100に対して外部電源による充電を行なうための全体構成図である。
【0024】
図1を参照して、この発明の実施の形態に従う車両100は、代表的にハイブリッド車両であり、後述するように内燃機関(エンジン)と電動機(モータジェネレータ)とを搭載し、それぞれからの駆動力を最適な比率に制御して走行する。さらに、車両100は、このモータジェネレータに電力を供給するための複数の蓄電部を搭載する。これらの蓄電部は、車両100のシステム起動状態(以下、「IGオン状態」とも記す)において、エンジンの作動により生じる動力を受けて充電可能であるとともに、車両100のシステム停止中(以下、「IGオフ状態」とも記す)において、コネクタ部350を介して外部電源と電気的に接続されて充電可能である。以下の説明では、それぞれの充電動作を区別するために、外部電源による蓄電部の充電を「外部充電」とも記し、エンジンの作動による蓄電部の充電を「内部充電」とも記す。
【0025】
コネクタ部350は、代表的に商用電源などの外部電源を車両100に供給するための連結機構を構成し、キャブタイヤケーブルなどからなる電力線PSLを介して充電ステーション300と接続される。そして、コネクタ部350は、外部充電時に車両100と連結され、外部電源と車両100に搭載された充電部(図示しない)とを電気的に接続する。一方、車両100には、コネクタ部350と連結され、外部電源を受入れるためのコネクタ受入部(図示しない)が設けられる。
【0026】
充電ステーション300は、商用電源供給線PSを介して住宅302に供給される商用電源の一部をコネクタ部350へ供給する。充電ステーション300は、コネクタ部350の収納機構やコネクタ部350と繋がる電力線PSLの巻取機構(いずれも図示しない)を備えていてもよい。また、充電ステーション300には、使用者に対するセキュリティ機構や課金機構などを備えてもよい。さらに、充電ステーション300は、車両100との間で通信をするための機構を備えていてもよい。
【0027】
なお、コネクタ部350を介して車両100に供給される外部電源は、商用電源に代えて、もしくはこれに加えて住宅302の屋根などに設置された太陽電池パネルによる発電電力などであってもよい。
【0028】
(車両の概略構成)
図2は、この発明の実施の形態に従う電源システムを備える車両100の概略構成図である。なお、図2には、複数の蓄電部を備える車両の代表例として、2個の蓄電部4−1,4−2を備える車両100を示す。なお、以下の説明では、蓄電部4−1および4−2をそれぞれBAT1およびBAT2とも記す。
【0029】
図2を参照して、車両100は、エンジン(ENG)18と、第1モータジェネレータMG1と、第2モータジェネレータMG2とを駆動力源として備え、これらは動力分割機構22を介して機械的に連結される。そして、車両100の走行状況に応じて、動力分割機構22を介して上記3者の間で駆動力の分配および結合が行なわれ、その結果として駆動輪24Fが駆動される。
【0030】
車両100の走行時(すなわち、非外部充電時)において、動力分割機構22は、エンジン18の作動によって発生する駆動力を二分割し、その一方を第1モータジェネレータMG1側へ配分するとともに、残部を第2モータジェネレータMG2へ配分する。動力分割機構22から第1モータジェネレータMG1側へ配分された駆動力は発電動作に用いられる一方、第2モータジェネレータMG2側へ配分された駆動力は、第2モータジェネレータMG2で発生した駆動力と合成されて、駆動輪24Fの駆動に使用される。
【0031】
このとき、モータジェネレータMG1およびMG2にそれぞれ対応付けられた第1インバータ(INV1)8−1および第2インバータ(INV2)8−2は、直流電力と交流電力とを相互に変換する。主として、第1インバータ8−1は、制御装置2からのスイッチング指令PWM1に応じて、第1モータジェネレータMG1で発生する交流電力を直流電力に変換し、正母線MPLおよび負母線MNLへ供給する。一方、第2インバータ8−2は、制御装置2からのスイッチング指令PWM2に応じて、正母線MPLおよび負母線MNLを介して供給される直流電力を交流電力に変換して、第2モータジェネレータMG2へ供給する。すなわち、車両100は、負荷装置として、蓄電部4−1,4−2からの電力を受けて駆動力を発生可能な第2モータジェネレータMG2を備えるとともに、エンジン18からの駆動力を受けて発電可能な発電部である第1モータジェネレータMG1を備える。
【0032】
第1蓄電部4−1および第2蓄電部4−2は、いずれも充放電可能な電力貯蔵要素であり、代表的にリチウムイオン電池やニッケル水素電池などの二次電池、もしくは電気二重層キャパシタなどの蓄電素子で構成される。第1蓄電部4−1と第1インバータ8−1との間には、直流電圧を相互に電圧変換可能な第1コンバータ(CONV1)6−1が配置されており、蓄電部4−1の入出力電圧と、正母線MPLと負母線MNLとの間の線間電圧とを相互に昇圧または降圧する。同様に、第2蓄電部4−2と第2インバータ8−2との間には、直流電圧を相互に電圧変換可能な第2コンバータ(CONV2)6−2が配置されており、蓄電部4−2の入出力電圧と、正母線MPLと負母線MNLとの間の線間電圧とを相互に昇圧または降圧する。すなわち、コンバータ6−1,6−2は、電力線対である正母線MPLおよび負母線MNLに対して並列接続される。コンバータ6−1,6−2における昇降圧動作は、制御装置2からのスイッチング指令PWC1,PWC2に従ってそれぞれ制御される。
【0033】
制御装置2は、代表的に、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)などの記憶部と、入出力インターフェイス部とを主体として構成された電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)からなる。そして、制御装置2は、予めROMなどに格納されたプログラムをCPUがRAMに読み出して実行することによって、車両走行(内部充電を含む)および外部充電に係る制御を実行する。
【0034】
制御装置2に入力される情報の一例として、図2には、正線PL1,PL2に介挿された電流センサ10−1,10−2からの電池電流Ibat1,Ibat2、正線PL1と負線NL1との線間に配置された電圧センサ12−1からの電池電圧Vbat1、正線PL2と負線NL2との線間に配置された電圧センサ12−2からの電池電圧Vbat2、蓄電部4−1,4−2に近接して配置された温度センサ11−1,11−2からの電池温度Tbat1,Tbat2、正母線MPLに介挿された電流センサ14からの母線電流IDC、正母線MPLと負母線MNLとの線間に配置された電圧センサ16からの母線電圧VDCを例示する。
【0035】
また、制御装置2は、蓄電部4−1,4−2の充電状態(SOC:State Of Charge;以下、単に「SOC」とも称す)を連続的に推定する。SOCは、蓄電部の充電量の絶対値(単位[A・h]など)としても表すことができるが、本明細書においては、SOCは蓄電部の充電容量に対する充電量の比率(0〜100%)として表す。より具体的には、制御装置2は、蓄電部4−1の充放電量の積算値に基づいて蓄電部4−1のSOCを順次演算するとともに、蓄電部4−2の充放電量の積算値に基づいて蓄電部4−2のSOCを順次演算する。なお、充放電量の積算値は、対応する蓄電部の電池電圧と電池電流との積(電力)を時間的に積分することで得られる。
【0036】
車両100は、蓄電部4−1,4−2を外部充電するための構成として、コネクタ受入部150と、充電部30とをさらに備える。蓄電部4−1,4−2に対して外部充電を行なう場合には、コネクタ部350がコネクタ受入部150に連結されることで、正充電線CPLおよび負充電線CNLを介して外部電源からの電力が充電部30へ供給される。また、コネクタ受入部150は、コネクタ受入部150とコネクタ部350との連結状態を検出するための連結検出センサ150aを含んでおり、この連結検出センサ150aからの連結信号CONによって制御装置2は、外部電源より充電可能な状態となったことを検出する。なお、本実施の形態においては、外部電源として単相交流の商用電源が用いられる場合について例示する。
【0037】
また、本明細書において、「外部電源により充電可能な状態」とは、代表的に、コネクタ部350がコネクタ受入部150に物理的に挿入されている状態を意味する。なお、図1および図2に示す構成に代えて、外部電源と車両とを非接触のまま電磁的に結合して電力を供給する構成、具体的には外部電源側に一次コイルを設けるとともに、車両側に二次コイルを設け、一次コイルと二次コイルとの間の相互インダクタンスを利用して電力供給を行なう構成では、「外部電源より充電可能な状態」とは、一次コイルと二次コイルとが位置あわせされた状態を意味する。
【0038】
充電部30は、外部電源からの電力を受けて蓄電部4−1,4−2を外部充電するための装置であり、正線PL1および負線NL1と正充電線CPLおよび負充電線CNLとの間に配置される。すなわち、充電部30は、第1蓄電部4−1と第1蓄電部4−1に対応する第1コンバータ6−1との間に電気的に接続される。
【0039】
また、充電部30は、電流制御部30aと、電圧変換部30bとを含み、外部電源からの電力を蓄電部4−1,4−2の充電に適した電力に変換する。具体的には、電圧変換部30bは、外部電源の供給電圧を蓄電部4−1,4−2の充電に適した電圧に変換するための装置であり、代表的に所定の変圧比を有する巻線型の変圧器や、AC−ACスイッチングレギュレータなどからなる。また、電流制御部30aは、電圧変換部30bによる電圧変換後の交流電圧を整流して直流電圧を生成するとともに、制御装置2からの充電電流指令Ichに従って、蓄電部4−1,4−2に供給する充電電流を制御する。電流制御部30aは、代表的に単相のブリッジ回路などからなる。なお、電流制御部30aおよび電圧変換部30bからなる構成に代えて、AC−DCスイッチングレギュレータなどによって充電部30を実現してもよい。
【0040】
特に、本実施の形態に従う制御装置2は、蓄電部4−1,4−2の充放電頻度に基づいて、蓄電部4−1,4−2に対するリセット要求(以下、それぞれ「SOC1リセット要求」および「SOC2リセット要求」とも記す)の発生要否を判断する。そして、蓄電部4−1,4−2のいずれかのSOCをリセットする必要があると判断すると、外部電源により充電可能な状態にされたときに、SOCのリセット動作を実行する。具体的には、制御装置2は、リセット対象の蓄電部(たとえば、第1蓄電部4−1)が放電されるように対応のコンバータ(たとえば、第1コンバータ6−1)を制御するととともに、残余の蓄電部(たとえば、第2蓄電部4−2)が少なくともリセット対象の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応のコンバータ(たとえば、第2コンバータ6−2)を制御する。なお、残余の蓄電部の充電許容電流がリセット対象の蓄電部からの放電電流より大きい場合には、その差分を補償するように充電部30から充電電流を供給するようにしてもよい。そして、上記リセット対象の蓄電部の電圧に基づいて、上記リセット対象の蓄電部についてのSOCを基準値(たとえば、5%)にリセットする。より具体的には、リセット対象の蓄電部における放電電圧の時間的変化に基づく所定タイミングで、SOCが基準値にリセットされる。この放電電圧の時間的変化の一例としては、後述するように、蓄電部の放電に伴って変化(低下)する電池電圧の特徴点である。これに代えて、リセット対象の蓄電部の電圧が予め定められたしきい値を下回った時点で、SOCを基準値にリセットしてもよい。
【0041】
なお、この基準値は、蓄電部の特性値などに基づいて予め設定しておいてもよいし、電池の使用状況などに応じて動的に設定してもよい。
【0042】
このように、各蓄電部のSOCを所定頻度でリセットすることで、電流センサ10−1,10−2や電圧センサ12−1,12−2などにおける検出誤差の影響を排除して、SOCを高精度で推定できる。
【0043】
さらに、リセット対象の蓄電部のSOCが予め定められた基準値にリセットすると、制御装置2は、リセット対象の蓄電部を充電部30からの充電電流で充電(外部充電)を行なうとともに、その充電電流が残余の蓄電部に対する充電電流に比較して大きくなるように対応のコンバータを制御する。これは、蓄電部4−1,4−2がほぼ同時に外部充電を完了できるように、それぞれに対する充電電流を最適化するものである。
【0044】
ところで、本実施の形態に従う車両100はハイブリッド車両であり、エンジン18からの駆動力によって、走行および蓄電部4−1,4−2の充電が可能である。一方、蓄電部4−1,4−2を外部充電して使用する態様においては、エンジン18を可能な限り停止状態に維持して走行することが好ましい。そのため、車両100は、EV(Electric Vehicle)走行モードと、HV(Hybrid Vehicle)走行モードとを選択して走行可能に構成される。
【0045】
すなわち、EV走行モードにおいては、車両100は、蓄電部4−1,4−2のSOCが所定値を下回るまでの間、主として第2モータジェネレータMG2からの駆動力のみで走行する。このEV走行モードでは、エンジン18の駆動力を受けた第1モータジェネレータMG1での発電動作は行われず、蓄電部4−1,4−2に対する内部充電が制限される。なお、EV走行モードは、エンジン18を停止状態に維持して燃料消費効率を向上させることを目的としているが、運転者から急加速などの駆動力要求が与えられた場合、触媒暖機時や空調要求などの駆動力要求とは無関係な要求が与えられた場合、およびその他の条件が成立した場合などにおいては、エンジン18を始動してもよい。
【0046】
EV走行モード中に蓄電部4−1,4−2のSOCが所定値を下回ると、走行モードはHV走行モードに切替わる。HV走行モードにおいては、車両100は、蓄電部4−1,4−2のSOCがいずれも予め定められた制御中心値を中心とする所定の範囲内に維持されるように、第1モータジェネレータMG1による発電動作が制御される。この第1モータジェネレータMG1での発電動作に応じて、エンジン18も作動を開始する。なお、エンジン18の作動によって生じる駆動力の一部は車両100の走行にも用いられる。
【0047】
ところで、外部充電に要する時間を短縮するためには、上述したリセット動作の開始前に予めリセット対象の蓄電部を低充電状態にしておくことが望ましい。そこで、本実施の形態に従う制御装置2は、いずれかの蓄電部をリセットする必要があると判断すると、外部充電前の車両100がEV走行モードで走行中に、リセット対象の蓄電部を積極的に放電を行なう。具体的には、制御装置2は、リセット対象の蓄電部から第2モータジェネレータMG2への放電電流が、残余の蓄電部から第2モータジェネレータMG2への放電電流に比較して多くなるように各コンバータを制御する。EV走行モードでは、基本的に蓄電部4−1,4−2から電力が放電されるので、いずれか一方の蓄電部を優先的に放電することで、リセット動作をより迅速化できる。
【0048】
図2に示すこの発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、蓄電部4−1,4−2が「複数の蓄電部」に相当し、コンバータ6−1,6−2が「複数の電圧変換部」に相当し、正母線MPLおよび負母線MNLが「電力線対」に相当し、充電部30が「充電部」に相当し、第2モータジェネレータMG2が「負荷装置」および「電動機」に相当し、エンジン(ENG)18が「内燃機関」に相当し、第1モータジェネレータMG1が「発電部」に相当する。また、「EV走行モード」が「第1の走行モード」に相当し、「HV走行モード」が「第2の走行モード」に相当する。
【0049】
(制御構造)
次に、図3を参照して、本実施の形態に従う電源システムにおけるリセット動作を実現するための制御構造について説明する。
【0050】
図3は、この発明の実施の形態に従う制御装置2における制御構造を示すブロック図である。図3に示す各機能ブロックは、代表的に制御装置2が予め格納されたプログラムを実行することで実現されるが、その機能の一部または全部を専用のハードウェアとして実装してもよい。
【0051】
図3を参照して、制御装置2は、要求発生部202と、状態推定部204と、総合出力演算部206と、配分部208と、コンバータ制御部210と、インバータ制御部212とをその機能として含む。
【0052】
要求発生部202は、蓄電部4−1,4−2の各々の充電頻度に基づいて、蓄電部4−1,4−2に対するリセット要求を発生する。
【0053】
図4は、図3に示す要求発生部202におけるより詳細な制御構造を示すブロック図である。
【0054】
図4を参照して、要求発生部202は、第1蓄電部4−1に対するSOC1リセット要求を発生するための機能ブロックとして、リセット要求判断部221と積算部222とを含む。また、要求発生部202は、蓄電部4−2に対するSOC2リセット要求を発生するための機能ブロックとして、リセット要求判断部231と積算部232とを含む。
【0055】
リセット要求判断部221は、代表的に外部充電開始の積算回数や走行距離に基づいて、SOC1リセット要求を発生するか否かを判断する。具体的には、連結検出センサ150a(図2)からの連結信号CONに基づく外部充電開始の信号が積算部222で積算され、その積算回数がリセット要求判断部221へ入力される。また、リセット要求判断部221は、図示しない車速センサなどから走行距離が入力される。そして、リセット要求判断部221は、前回のSOC1リセット要求を発生してからの積算回数や走行距離が所定のしきい値(たとえば、外部充電10回や100km走行など)を超過しているか否かを判断し、所定のしきい値を超過していればSOC1リセット要求を発生する。
【0056】
なお、蓄電部のSOCに対する誤差は充電回数が大きくなるほど蓄積するので、リセット要求判断部221は、外部充電の積算回数に基づいて外部充電による誤差の影響を評価するとともに、走行距離に基づいて内部充電による誤差の影響を評価する。
【0057】
また、リセット要求判断部231および積算部232における動作についても同様であるので、詳細な説明は繰返さない。なお、SOC1リセット要求とSOC2リセット要求とが同時に発生しないように、リセット要求判断部221とリセット要求判断部231との間で協調動作するようにしてもよい。さらに、SOC1リセット要求とSOC2リセット要求とが交互に発生するようにしてもよい。
【0058】
再度、図3を参照して、状態推定部204は、電池温度Tbat1,Tbat2、電池電流Ibat1,Ibat2、電池電圧Vbat1,Vbat2などに基づいて、蓄電部4−1,4−2の各々についてのSOCを推定する。より詳細には、状態推定部204は、第1蓄電部4−1のSOC1を演算するSOC1演算部204aと、第2蓄電部4−2のSOC2を演算するSOC2演算部204bとを含む。
【0059】
図5は、図3に示す状態推定部204におけるより詳細な制御構造を示すブロック図である。
【0060】
図5を参照して、SOC1演算部204aは、掛算部241と、積算部242と、割算部243と、加算部244と、レジスタ部245と、遅延部246と、検出部247とを含む。また、SOC2演算部204bは、掛算部251と、積算部252と、割算部253と、加算部254と、レジスタ部255と、遅延部256と、検出部257とを含む。SOC1演算部204aおよびSOC2演算部204bは、それぞれ対応する蓄電部の充放電量の積算値に基づいて、各蓄電部のSOCを順次演算する。
【0061】
具体的には、掛算部241が電池電圧Vbat1と電池電流Ibat1とを掛算して蓄電部4−1の充放電量(電力)を演算し、積算部242がこの充放電量を演算周期Δtにわたって積分する。さらに、割算部243がこの積算部242で積分された充放電量の積算値∫Ibat1・Vbat1・Δtを蓄電部4−1の充電容量Cb1で除算する。すなわち、割算部243から出力される演算結果は、直近の演算周期ΔtにおけるSOC1の変化率を意味する。
【0062】
一方、レジスタ部245は、各演算周期における蓄電部4−1のSOCであるSOC1(t)を保持出力する。また、遅延部256は、このレジスタ部245から保持出力されるSOC1(t)を演算周期Δtだけ遅延させたSOC1(t−Δt)を保持出力する。
【0063】
そして、加算部244が割算部243から出力されるSOC1の変化率に、1演算周期前のSOC1(t−Δt)を加算することで、今回の演算周期におけるSOC1(t)を演算する。
【0064】
このように、SOC1演算部204aは、第1蓄電部4−1の充放電量の積算値に基づいて第1蓄電部4−1のSOC1を順次演算する。また、SOC2演算部204bについてもSOC1演算部204aと同様に、第2蓄電部4−2の充放電量の積算値に基づいて第2蓄電部4−2のSOC2を順次演算する。
【0065】
さらに、検出部247は、要求発生部202(図3)からのSOC1リセット要求に応答して、第1蓄電部4−1の電池電圧Vbat1(放電時)の時間的変化に基づく所定タイミングで、順次演算するSOC1を予め定められた基準値であるSOC1(基準)にリセットする。より具体的には、SOC1リセット要求が発せられると、第1蓄電部4−1に対する積極的な放電が開始されるので、第1蓄電部4−1の電池電圧Vbat1は時間的に低下する。検出部247は、この電池電圧Vbat1が時間的に低下するときに生じる特徴的な変化を検出して、SOC1(基準)をレジスタ部245に強制的に入力する。
【0066】
また、検出部257についても同様に、要求発生部202(図3)からのSOC2リセット要求に応答して、第2蓄電部4−2の電池電圧Vbat2(放電時)の時間的変化に基づく所定タイミングで、順次演算するSOC2を予め定められた基準値であるSOC2(基準)にリセットする。
【0067】
図6は、図5に示す検出部247,257が検出する電池電圧Vbat1,Vbat2の特徴的な変化の一例を示す図である。なお、図6では、電池電圧Vbat1,Vbat2を総称して「Vbat」と記し、SOC1,SOC2を総称して「SOC」と記す。
【0068】
図6を参照して、代表的にニッケル水素電池などからなる蓄電部4−1,4−2におけるSOCと電池電圧Vbatとの間には、一定の対応関係を有する。しかしながら、特にニッケル水素電池などでは、SOCの変化に対して電池電圧Vbatの変化が小さい平坦領域280が存在する。この平坦領域280は、上述したHV走行モードにおいて蓄電部4−1,4−2のSOCを維持する範囲であるHV制御範囲と重複する。そのため、この平坦領域280においては、蓄電部4−1,4−2の特徴的な変化を検出することが難しい。
【0069】
これに対して、SOCが相対的に低い領域(過放電側)において、SOCの変化に対して電池電圧Vbatが相対的に大きく変化する領域(特徴領域270)が現れる。この特徴領域270は常にほぼ同一のSOCにおいて生じるので、予め実験的にこの特徴領域270に対応するSOCを取得しておくことで、蓄電部4−1,4−2のSOCをリセットすることができる。
【0070】
より具体的には、検出部247,257は、対応する蓄電部4−1,4−2の放電によって時間的に変化する電池電圧Vbat1,Vbat2を連続的に監視するとともに、電池電圧Vbat1,Vbat2の時間的な変化量を随時演算する。そして、随時演算される電池電圧Vbat1,Vbat2の時間的な変化量が所定の負のしきい値を下回ると、すなわち電池電圧Vbat1,Vbat2が急激に減少を開始すると、検出部247,257は、そのタイミングにおいて対応するSOC1,SOC2を対応のSOC(基準)にリセットする。
【0071】
なお、後述するように、電池電圧Vbat1,Vbat2の特徴的な変化をより正確に検出するために、蓄電部4−1,4−2からの放電電流は一定値であることが好ましい。
【0072】
再度、図3を参照して、総合出力演算部206は、運転者要求および走行状況に応じて、車両100の走行に必要な総合出力を演算する。なお、運転者要求には、アクセルペダルの踏込量、ブレーキペダルの踏込量、シフトレバーのポジション(いずれも図示しない)などが含まれる。また、走行状況には、車両100が加速中や減速中であることを示す情報などが含まれる。そして、総合出力演算部206は、総合出力を実現するために必要なエンジン18の駆動力に応じて、エンジン回転数などを決定する。また、総合出力演算部206における演算結果は、配分部208へも伝達される。
【0073】
配分部208は、総合出力演算部206からの演算結果に応じて、モータジェネレータMG1,MG2のトルクや回転数を演算し、その制御指令をインバータ制御部212へ出力すると同時に、車両100内における電力需給に応じた制御指令をコンバータ制御部210へ出力する。
【0074】
インバータ制御部212は、配分部208からの制御指令に応じて、モータジェネレータMG1およびMG2を駆動するためのスイッチング指令PWM1およびPWM2を生成する。このスイッチング指令PWM1およびPWM2は、それぞれインバータINV1およびINV2へ出力される。
【0075】
コンバータ制御部210は、配分部208からの制御指令に応じて、蓄電部4−1,4−2から第2モータジェネレータMG2へ所定の放電電力が供給されるように、状態推定部204で演算されるSOC1,SOC2を参照して、放電電力の分担比率を決定する。そして、コンバータ制御部210は、蓄電部4−1および4−2からそれぞれ分担すべき電力が放電されるように、スイッチング指令PWC1およびPWC2を生成する。このスイッチング指令PWC1およびPWC2に従って、それぞれコンバータ6−1および6−2が電圧変換動作を行なうことで、蓄電部4−1および4−2の放電電力(放電電流)が制御される。
【0076】
特に、コンバータ制御部210は、蓄電部4−1または4−2におけるリセット動作の実行時に、コンバータ6−1および6−2での電圧変換動作を制御する。具体的には、要求発生部202でSOC1リセット要求またはSOC2リセット要求が発生すると、コンバータ制御部210は、リセット要求の対象となった蓄電部を積極的に放電させる。
【0077】
リセット動作中においては、コンバータ制御部210は、まず、リセット対象の蓄電部から所定電流が放電されるように対応のコンバータを制御するとともに、残余の蓄電部が少なくとも当該リセット対象の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応のコンバータを制御する。
【0078】
図7は、リセット動作中の電流の流れを説明するための図である。
図7(a)は、SOC1リセット要求が発生した場合を示す。
【0079】
図7(b)は、SOC2リセット要求が発生した場合を示す。
図7(a)を参照して、SOC1リセット要求が発生し、かつ外部電源により充電可能な状態になると、第1コンバータ6−1は、少なくとも第1蓄電部4−1からの放電電流Idis1によって第2蓄電部4−2が充電されるように電圧変換動作を行なう。すなわち、第1コンバータ6−1は、放電電流Idis1を電流目標値として昇圧動作を行なう。一方、第2コンバータ6−2は、第1コンバータ6−1を流れる電流値と実質的に同一の電流値が第2蓄電部4−2へ供給されるように、降圧動作を行なう。
【0080】
このようにして、第1蓄電部4−1は、その電池電圧Vbat1に特徴的な時間的変化が生じるまで、すなわちSOC1がリセットされるまで放電を継続する。なお、第2蓄電部4−2の充電許容電流が放電電流Idis1より大きい場合には、その差分を充電部30からの充電電流Ichで補償してもよい。この場合には、充電部30が充電電流Ichを供給するとともに、第1コンバータ6−1が(Idis1+Ich)を電流目標値として昇圧動作を行なう。ここで、(Idis1+Ich)は、第2蓄電部4−2の充電許容電流に相当する。これにより、第2蓄電部4−2は、(Idis1+Ich)で充電される。
【0081】
また、図7(b)を参照して、SOC2リセット要求が発生し、かつ外部電源により充電可能な状態になると、第2コンバータ6−2は、少なくとも第2蓄電部4−2からの放電電流Idis2によって第1蓄電部4−1が充電されるように電圧変換動作を行なう。すなわち、第2コンバータ6−2は、Idis2を電流目標値として昇圧動作を行なう。一方、第1コンバータ6−1は、第2コンバータ6−2を流れる電流値と実質的に同一の電流値が第1蓄電部4−1へ供給されるように、降圧動作を行なう。
【0082】
このようにして、第2蓄電部4−2は、その電池電圧Vbat2に特徴的な時間的変化が生じるまで、すなわちSOC2がリセットされるまで放電を継続する。なお、図7(a)と同様に、第1蓄電部4−1の充電許容電流が放電電流Idis2より大きい場合には、その差分を充電部30からの充電電流Ichで補償してもよい。
【0083】
なお、図7(a)および図7(b)に示すように、リセット動作中においては、第1蓄電部4−1の充電電力が第2蓄電部4−2へ移動し、もしくは第2蓄電部4−2の充電電力が第1蓄電部4−1へ移動する。そのため、第1蓄電部4−1と第2蓄電部4−2との合計のSOCが100%以下であることをリセット動作の開始条件としてもよい。すなわち、リセット対象の蓄電部の残存する充電電力が残余の蓄電部に蓄えられることが可能であるとの条件下で、リセット動作を開始するようにしてもよい。これは、リセット対象の蓄電部の充電電力が残余の蓄電部で充電しきれなければ、何らかの負荷で消費しなければならないためである。なお、このような場合には、たとえば車室内の空調などで電力を消費するようにしてもよい。
【0084】
再度、図3を参照して、このようにリセット対象の蓄電部がリセットされた後、蓄電部4−1,4−2に対する外部充電が開始される。具体的には、コンバータ制御部210は、それぞれの蓄電部の外部電源による充電完了がほぼ同時となるように、当該リセット対象の蓄電部が充電部30からの充電電流で充電されるように対応のコンバータを制御するとともに、その充電電流が残余の蓄電部に対する充電電流に比較して大きくなるように対応のコンバータを制御する。すなわち、コンバータ制御部210は、リセット後において、リセット対象の蓄電部をより多くの充電電流で充電することで、リセット対象ではなかった残余の蓄電部との間で充電完了時間に差ができることを抑制する。
【0085】
これに対して、車両100の走行中にSOC1リセット要求またはSOC2リセット要求が発生し、そのときの車両100がEV走行モードである場合には、コンバータ制御部210は、リセット対象の蓄電部からの放電電流が残余の蓄電部からの放電電流に比較して多くなるように、コンバータ6−1,6−2を制御する。これは、外部充電開始時に、予めリセット対象の蓄電部のSOCを低下させておくことで、リセット動作を迅速に行なうためである。
【0086】
図8および図9を参照して、上記のEV走行中、リセット動作中、およびリセット動作後における蓄電部4−1,4−2における充放電動作について説明する。
【0087】
図8は、蓄電部4−1,4−2のSOCの時間的変化の一例を示す図である。
図9は、図8に対応する、蓄電部4−1,4−2の電池電流の時間的変化の一例を示す図である。
【0088】
図8を参照して、まず時刻t1において車両100の走行が開始されたとする。この時刻t1においては、蓄電部4−1,4−2がいずれも十分に外部充電されており、いずれのSOCも満充電となっている場合を示す。すると、車両100は、まずEV走行モードで走行を開始する(時刻t1〜時刻t2)。
【0089】
ここで、第1蓄電部4−1に対するリセット要求(SOC1リセット要求)が発せられると、第1蓄電部4−1を積極的に放電するように電流制御が行われる。具体的には、図9に示すように、時刻t1〜時刻t2の期間において、第1蓄電部4−1の放電電流の目標値はIdisCに設定され、第2蓄電部4−2の放電電流の目標値はIdisAに設定される。ここで、|IdisC|>|IdisA|である。
【0090】
すると、図8に示すように、第1蓄電部4−1のSOCは、第2蓄電部4−2のSOCに比較してより大きな減少量を示す。
【0091】
続いて、時刻t2において、車両100の走行が終了し、外部電源により充電可能な状態になったとする。この時刻t2では、電池電圧に特徴点が現れる基準のSOC(たとえば、5%)より高いSOCに維持される。これは、リセット動作自体は、外部電源により充電可能な状態において実行されるようにするためであり、たとえば、EV走行モード中、またはEV走行モードからHV走行モードに切替わった後には、リセット対象の蓄電部(この場合には、第1蓄電部4−1)のSOCは基準のSOCより高い状態に維持される。
【0092】
外部電源により充電可能な状態になった時刻t2以降では、図9に示すようにリセット対象の第1蓄電部4−1の放電電流が一定電流値disBに維持されるとともに、リセット対象ではない第2蓄電部4−2は、少なくとも第1蓄電部4−1の放電電流IdisBを含む充電電流IchBで充電される。なお、この充電電流IchBには、第1蓄電部4−1からの放電電流IdisBに加えて、充電部30からの充電電流も含まれてもよい。
【0093】
このように第1蓄電部4−1に対して一定電流値disBで放電を継続すると、時刻t3において第1蓄電部4−1の電池電圧(放電電圧)に特徴点が現れたとする。すると、この時刻t3のタイミングにおいて、第1蓄電部4−1のSOCの推定値は、予め定められた基準値(たとえば、5%)にリセットされる。
【0094】
このリセット動作後(時刻t3以降)、本来の外部充電が開始される。図9に示すように、第1蓄電部4−1は充電電流IchCで充電されるとともに、第2蓄電部4−2の充電電流はIchBからIchAに変更される。ここで、|IchC|>|IchA|であり、充電電流IchCおよびIchAの値は、蓄電部4−1および4−2がいずれも時刻t4で充電完了(満充電状態)となるように予め演算される。
【0095】
このように、時刻t3〜時刻t4の期間において、第1蓄電部4−1が充電電流IchCで充電を継続し、第2蓄電部4−2が充電電流IchAで充電を継続することで、両者は時刻t4において、ほぼ同時に外部充電を完了することができる。
【0096】
図3に示すこの発明の実施の形態と本願発明との対応関係については、状態推定部204が「状態推定部」に相当し、コンバータ制御部210が「制御部」に相当し、要求発生部202が「要求発生部」に相当する。
【0097】
以上の処理は、図10に示すような処理フローにまとめることができる。
(フローチャート)
図10は、この発明の実施の形態に従うリセット動作の処理手順を示すフローチャートである。なお、図10に示す各ステップの処理は、制御装置2(図2)が図3に示す各制御ブロックとして機能することで実現される。
【0098】
図3および図10を参照して、要求発生部202として機能する制御装置2は、蓄電部4−1,4−2の各々の充電頻度に基づいて、蓄電部4−1または4−2に対するリセット要求の発生が必要であるか否かを判断する(ステップS100)。
【0099】
蓄電部4−1および4−2のいずれに対してもリセット要求の発生が必要ない場合(ステップS100においてNOの場合)には、処理は最初に戻る。
【0100】
これに対して、蓄電部4−1または4−2に対してリセット要求の発生が必要である場合(ステップS100においてYESの場合)には、要求発生部202として機能する制御装置2は、リセット対象の蓄電部を特定してリセット要求を発生する(ステップS102)。
【0101】
次に、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、車両100がEV走行中であるか否かを判断する(ステップS104)。車両100がEV走行中である場合(ステップS104においてYESの場合)には、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、リセット対象の蓄電部からの放電電力の分担比率を残余の蓄電部からの放電電力の分担比率に比較して大きく設定する(ステップS106)。そして、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、ステップS106で設定した分担比率に従って、コンバータ6−1,6−2における電圧変換動作を制御する(ステップS108)。
【0102】
さらに、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、車両100が停止状態(IGオフ状態)になったか否かを判断する(ステップS110)。車両100が停止状態(IGオフ状態)でない場合(ステップS110においてNOの場合)には、処理はステップS104に戻される。
【0103】
これに対して、車両100が停止状態(IGオフ状態)になった場合(ステップS110においてYESの場合)には、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、コネクタ部350が車両100に連結されるまで待つ(ステップS112)。そして、コネクタ部350が車両100に連結されると、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、外部電源により充電可能な状態になったと判断し、リセット対象の蓄電部が所定電流で放電されるように対応のコンバータを制御するとともに、残余の蓄電部が少なくともリセット対象の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応のコンバータにおける電圧変換動作を制御する(ステップS114)。さらに、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、リセット対象の蓄電部の電池電圧(放電電圧)に特徴的な時間的変化が生じたか否かを判断する(ステップS116)。
【0104】
リセット対象の蓄電部の電池電圧(放電電圧)に特徴的な時間的変化が生じていない場合(ステップS116においてNOの場合)には、処理はステップS114に戻される。
【0105】
これに対して、リセット対象の蓄電部の電池電圧(放電電圧)に特徴的な時間的変化が生じた場合(ステップS116においてYESの場合)には、状態推定部204として機能する制御装置2は、順次演算するリセット対象の蓄電部のSOCを予め定められた基準値にリセットする(ステップS118)。
【0106】
このリセット動作後、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、すべての蓄電部に対する充電がほぼ同時に完了するように、各蓄電部に対する充電電流の比率を決定し(ステップS120)、当該決定した電流比率に従って、コンバータ6−1,6−2における電圧変換動作を制御する(ステップS122)。
【0107】
さらに、コンバータ制御部210として機能する制御装置2は、状態推定部204で順次演算されるSOCに基づいて、各蓄電部の外部充電が完了したか否かを判断する(ステップS124)。いずれかの蓄電部の外部充電が完了していない場合(ステップS124においてのNOの場合)には、処理はステップS122に戻される。
【0108】
これに対して、すべての蓄電部に対する外部充電が完了した場合(ステップS124においてYESの場合)には、リセット動作に係る処理は終了する。
【0109】
なお、上述の説明においては、複数の蓄電部を備える車両の代表例として、2個の蓄電部4−1,4−2を備える車両100について例示したが、本願発明は、3個以上の蓄電部を備える車両についても適用できることは自明である。
【0110】
また、上述の説明においては、基本的に各蓄電部の充電容量がほぼ同一である場合について例示したが、本願発明は各蓄電部の充電容量が互いに異なる場合であっても適用できる。
【0111】
この発明の実施の形態によれば、外部電源により充電可能な状態になったときに、対応のコンバータを制御してリセット対象の蓄電部を放電する。そして、この放電電流によって生じるリセット対象の蓄電部における放電電圧の時間的変化に基づいて、状態推定部で順次演算される当該リセット対象の蓄電部の充電状態値(SOC)の推定値を所定タイミングで予め定められた基準値にリセットする。このため、たとえリセット対象の蓄電部のSOCに充放電量の積算値に起因する誤差が生じても、外部電源により充電可能な状態になったときにリセット(校正)を行なうことができる。これにより、各蓄電部のSOCの推定精度を高めることができる。
【0112】
また、この発明の実施の形態によれば、外部充電前にリセット要求が発生している場合には、車両がEV走行モードで走行中に、リセット対象の蓄電部を積極的に放電させる。これにより、車両の走行が終了し、外部電源により充電可能な状態になった時点において、リセット対象の蓄電部のSOCを残余の蓄電部のSOCに比較して低い値に維持できる。これにより、リセット対象の蓄電部に対するリセット動作を迅速に行なうことができる。
【0113】
また、この発明の実施の形態によれば、リセット動作の終了後において、残余の蓄電部に対する充電電流に比較して多い充電電流でリセット対象の蓄電部を外部充電する。これにより、リセット動作の終了時点において相対的にSOCが低くなっているリセット対象の蓄電部に対する外部充電を残余の蓄電部に対する外部充電の終了とほぼ同時に完了することができる。そのため、リセット対象の蓄電部と残余の蓄電部との間で、充電状態がアンバランス(不均衡)となることを抑制できる。
【0114】
また、この発明の実施の形態によれば、リセット動作に伴って対象の蓄電部が十分に放電されるので、SOCの推定精度を高めることができるとともに、蓄電部自体のリフレッシュを行なうこともできる。
【0115】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】この発明の実施の形態に従う電源システムを備える車両に対して外部電源による充電を行なうための全体構成図である。
【図2】この発明の実施の形態に従う電源システムを備える車両の概略構成図である。
【図3】この発明の実施の形態に従う制御装置における制御構造を示すブロック図である。
【図4】図3に示す要求発生部におけるより詳細な制御構造を示すブロック図である。
【図5】図3に示す状態推定部におけるより詳細な制御構造を示すブロック図である。
【図6】図5に示す検出部が検出する電池電圧の特徴的な変化の一例を示す図である。
【図7】リセット動作中の電流の流れを説明するための図である。
【図8】蓄電部のSOCの時間的変化の一例を示す図である。
【図9】図8に対応する、蓄電部の電池電流の時間的変化の一例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態に従うリセット動作の処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0117】
2 制御装置、4−1 第1蓄電部(BAT1)、4−2 第2蓄電部(BAT2)、6−1 第1コンバータ(CONV1)、6−2 第2コンバータ(CONV2)、8−1 第1インバータ(INV1)、8−2 第2インバータ(INV2)、10−1,10−2 電流センサ、11−1,11−2 温度センサ、12−1,12−2 電圧センサ、14−1,14−2 電流センサ、16−1,16−2 電圧センサ、18 エンジン(ENG)、22 動力分割機構、24F 駆動輪、30 充電部、30a 電流制御部、30b 電圧変換部、100 車両、150 コネクタ受入部、150a 連結検出センサ、202 要求発生部、204 状態推定部、204a SOC1演算部、204b SOC2演算部、206 総合出力演算部、208 配分部、210 コンバータ制御部、212 インバータ制御部、221,231 リセット要求判断部、222,232,242,252 積算部、241,251 掛算部、243,253 割算部、244,254 加算部、245,255 レジスタ部、246,256 遅延部、247,257 検出部、270 特徴領域、280 平坦領域、300 充電ステーション、302 住宅、350 コネクタ部、CNL 負充電線、CPL 正充電線、INV1 第1インバータ、INV2 第2インバータ、MG1 第1モータジェネレータ、MG2 第2モータジェネレータ、MNL 負母線、MPL 正母線、NL1,NL2 負線、PL1,PL2 正線、PS 商用電源供給線、PSL 電力線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
充放電可能な複数の蓄電部と、
前記複数の蓄電部にそれぞれ対応付けられた複数の電圧変換部と、
前記複数の電圧変換部が互いに並列接続された電力線対と、
外部電源からの電力を受けて前記複数の蓄電部を外部充電するための充電部と、
前記複数の蓄電部の各々についての充電状態値を推定する状態推定部と、
前記複数の電圧変換部における電圧変換動作を制御する制御部とを備え、
前記状態推定部は、各蓄電部の充放電量の積算値に基づいて、対応の蓄電部の充電状態値を順次演算し、
前記制御部は、前記複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、前記複数の蓄電部のうち第1の蓄電部から放電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、残余の前記蓄電部が少なくとも前記第1の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御し、
前記状態推定部は、前記複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、前記第1の蓄電部の電圧値に基づいて前記第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットする、電源システム。
【請求項2】
前記状態推定部は、前記第1の蓄電部の放電電圧の時間的変化に基づく所定タイミングで、前記第1の蓄電部の充電状態値を前記基準値にリセットする、請求項1に記載の電源システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記状態推定部が前記第1の蓄電部の充電状態値を前記基準値にリセットすると、前記第1の蓄電部が前記充電部からの充電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、前記第1の蓄電部に対する充電電流が残余の前記蓄電部に対する充電電流に比較して大きくなるように対応の電圧変換部を制御する、請求項1または2に記載の電源システム。
【請求項4】
前記充電部は、前記第1の蓄電部と前記第1の蓄電部に対応する電力変換部との間に電気的に接続される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電源システム。
【請求項5】
前記第1の蓄電部の充放電頻度に基づいて、前記第1の蓄電部に対するリセット要求を発生する要求発生部をさらに備え、
前記制御部は、前記リセット要求に応答して、外部充電中に前記第1の蓄電部からの放電を開始する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電源システム。
【請求項6】
前記要求発生部は、前記複数の蓄電部の各々についての充電頻度に基づいて、前記リセット要求の対象とする蓄電部を選択可能である、請求項5に記載の電源システム。
【請求項7】
前記電源システムは、前記電力線対を介して電気的に接続された負荷装置に電力を供給可能に構成され、
前記制御部は、前記リセット要求に応答して、前記複数の蓄電部に対する外部充電の開始前に、前記第1の蓄電部から前記負荷装置への放電電流が前記残余の蓄電部の各々から前記負荷装置への放電電流に比較して多くなるように、前記複数の電力変換部を制御する、請求項5または6に記載の電源システム。
【請求項8】
内燃機関を搭載した車両であって、
請求項7に記載の前記電源システムと、
前記負荷装置として、前記複数の蓄電部からの電力を受けて駆動力を発生可能な電動機と、
前記内燃機関からの駆動力を受けて発電可能な発電部とを備え、
前記複数の蓄電部は、前記発電部からの電力を受けて内部充電可能に構成され、
前記車両は、前記発電部による前記複数の蓄電部に対する内部充電が制限される第1の走行モードと、各蓄電部の充電状態値が所定の範囲内に維持されるように前記発電部による前記複数の蓄電部に対する内部充電を制御する第2の走行モードとを選択して走行可能であり、
前記制御部は、前記第1の走行モードの選択中に、前記第1の蓄電部から前記電動機への放電電流が前記残余の蓄電部の各々から前記電動機への放電電流に比較して多くなるように、前記複数の電力変換部を制御する、車両。
【請求項9】
充放電可能な複数の蓄電部を備える電源システムの充放電制御方法であって、
前記電源システムは、
前記複数の蓄電部にそれぞれ対応付けられた複数の電圧変換部と、
前記複数の電圧変換部が互いに並列接続された電力線対と、
外部電源からの電力を受けて前記複数の蓄電部を外部充電するための充電部とを備え、
前記充放電制御方法は、
各蓄電部の充放電量の積算値に基づいて対応の蓄電部の充電状態値を順次演算することで、前記複数の蓄電部の各々についての充電状態値を推定するステップと、
前記複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、前記複数の蓄電部のうち第1の蓄電部から放電されるように対応の電圧変換部を制御するとともに、残余の前記蓄電部が少なくとも前記第1の蓄電部からの放電電流で充電されるように対応の電圧変換部を制御するステップと、
前記複数の蓄電部が外部電源により充電可能な状態にされたときに、前記第1の蓄電部の電圧値に基づいて前記第1の蓄電部の充電状態値を基準値にリセットするステップとを備える、充放電制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−312381(P2008−312381A)
【公開日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−158727(P2007−158727)
【出願日】平成19年6月15日(2007.6.15)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】