説明

電源回路

【課題】本発明は、電源回路を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電源回路は、複数のロードに電力を供給するために用いられ、複数の制御端を有する制御回路、第一電力供給回路、第二電力供給回路及び第三電力供給回路を備え、各々の電力供給回路は、それぞれ制御回路の1つの制御端に接続され、各々の電力供給回路は、全てスイッチングユニットを備え、スイッチングユニットは、第一端、第二端、第一端と第二端との間の接続及び切断を制御するスイッチング端を備え、第一端は、電源に接続され、第二端は、1つのロードに接続され、スイッチング端は、制御端に接続され、第二電力供給回路及び第三電力供給回路は、全て遅延回路をさらに備え、遅延回路は、制御回路の制御端とスイッチングユニットのスイッチング端との間に接続され、第三電力供給回路の遅延回路の遅延時間は、第二電力供給回路の遅延回路の遅延時間より大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電源回路は複数のロードに同時に電力を供給し、複数のロードに同時に電源が入られる瞬間に電流スパイクが電源回路の中で生成されて、電流スパイクは電源回路を破損する可能性があり、さらに電源回路に電力を供給する送電網に電流スパイクによる電圧フリッカが発生し、送電網は電圧フリッカによって破損される可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、前記課題を解決し、複数のロードを時間別にパワーオンさせる電源回路を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に係る電源回路は、複数のロードに電力を供給するために用いられ、複数の制御端を有する制御回路、第一電力供給回路、第二電力供給回路及び第三電力供給回路を備え、各々の電力供給回路は、それぞれ前記制御回路の1つの制御端に接続され、各々の電力供給回路は、全てスイッチングユニットを備え、前記スイッチングユニットは、第一端、第二端、前記第一端と前記第二端との間の接続及び切断を制御するスイッチング端を備え、前記第一端は、電源に接続され、前記第二端は、1つの前記ロードに接続され、前記スイッチング端は、前記制御端に接続され、前記第二電力供給回路及び前記第三電力供給回路は、全て遅延回路をさらに備え、前記遅延回路は、前記制御回路の制御端と前記スイッチングユニットのスイッチング端との間に接続され、前記第三電力供給回路の遅延回路の遅延時間は、前記第二電力供給回路の遅延回路の遅延時間より大きい。
【発明の効果】
【0005】
従来の技術に比べて、本発明の電源回路は、第二電力供給回路及び第三電力供給回路に異なる遅延時間の遅延回路をそれぞれに設置して、前記第一電力供給回路、前記第二電力供給回路及び前記第三電力供給回路に接続されたロードを時間別にパワーオンさせて、複数のロードを同時にパワーオンする場合での、電流スパイクが電源回路の中で生成されることによる電源回路の破損を免れる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態に係る電源回路のブロック図である。
【図2】図1に示す電源回路の遅延回路の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0008】
図1を参照すると、本発明の実施形態に係る電源回路100は、複数のロード200に電力を供給するために用いられる。前記電源回路100は、制御回路10、第一電力供給回路20、第二電力供給回路30及び第三電力供給回路40を備える。
【0009】
前記制御回路10は、マイクロコントローラ(MCU)であり、複数の制御端11を備える。前記制御回路10の制御端11から制御信号を出力する。本実施形態において、前記制御信号は、高電圧信号であり、例えば+5Vである。
【0010】
前記第一電力供給回路20は、スイッチングユニット21を備える。前記スイッチングユニット21は、第一端211と、第二端212と、前記第一端211と前記第二端212との間の接続及び切断を制御するスイッチング端213と、を備える。前記第一端211は、電源Vccに接続され、前記第二端212は、前記ロード200に接続され、前記スイッチング端213は、前記制御端11に接続される。本実施形態において、前記スイッチングユニット21は、NPN型のトランジスターであり、前記第一端211はコレクタであり、前記第二端212はエミッタであり、前記スイッチング端213はベースである。
【0011】
図1を参照すると、前記第二電力供給回路30及び前記第三電力供給回路40は、全てスイッチングユニット21及び遅延回路31を備える。前記遅延回路31は、前記制御回路10及び制御端11と前記スイッチングユニット21のスイッチング端213との間に接続される。図2を参照すると、前記遅延回路31は、遅延集積回路(IC)U1と、第一レジスターR1と、第一キャパシターC1と、第二キャパシターC2と、第二レジスターR2と、第三レジスターR3と、第三キャパシターC3と、を備える。前記遅延集積回路U1は、基準端SENSEと、入力端MRと、検出端CTと、出力端RESETと、電源端VDDと、接地端GNDと、を備える。前記入力端MRは、前記制御端11に接続されて、前記制御回路10からの制御信号を受信する。前記出力端RESETは、前記スイッチングユニット21のスイッチング端213に接続されて、前記スイッチング端213に制御信号を出力する。前記接地端GNDは接地する。前記検出端CTは、前記第二キャパシターC2を介して接地される。前記基準端SENSEは、基準電圧を提供するために用いられる。前記電源端VDDは、電源P3V3に接続される。前記第一レジスターR1の一端は、前記電源P3V3に接続され、前記第一レジスターR1の他端は、前記基準端SENSEに接続される。前記第一キャパシターC1の一端は、前記基準端SENSEに接続され、前記第一キャパシターC1の他端は接地する。前記第二キャパシターC2の一端は、前記検出端CTに接続され、前記第二キャパシターC2の他端は接地する。前記第二レジスターR2は、前記入力端MRと前記電源端VDDとの間に接続される。前記第三レジスターR3は、前記出力端RESETと前記電源端VDDとの間に接続される。前記第三キャパシターC3の一端は、前記電源端VDDに接続され、前記第三キャパシターC3の他端は接地する。
【0012】
前記遅延回路31は、前記第二キャパシターC2のキャパシタンスを変更することにより、前記遅延回路31の遅延時間を変える。前記入力端MRが制御信号を受信すると、前記検出端CTに接続された前記第二キャパシターC2は充電して、前記検出端CTの電圧が前記基準端SENSEの電圧より大きい時、前記入力端MRと前記出力端RESETは導通されて、制御信号は前記出力端RESETから出力される。
【0013】
前記第三電力供給回路40の遅延回路31の遅延時間は、前記第二電力供給回路30の遅延回路31の遅延時間より大きく、即ち、前記第三電力供給回路40の第二キャパシターC2のキャパシタンスは、前記第二電力供給回路30の第二キャパシターC2のキャパシタンスより大きい。
【0014】
前記電源回路100は、第四電力供給回路、第五電力供給回路をさらに備え、且つ前記第四電力供給回路の遅延回路の遅延時間は、前記第三電力供給回路40の遅延回路31の遅延時間より大きく、前記第五電力供給回路の遅延回路の遅延時間は、前記第四電力供給回路の遅延回路31の遅延時間より大きくし、複数のロード200を時間別にパワーオンすることができる。
【0015】
使用する場合、前記制御回路10の制御端11から前記第一電力供給回路20、前記第二電力供給回路30、前記第三電力供給回路40に同時に制御信号を送信する。前記第一電力供給回路20のスイッチングユニット21のスイッチング端213は、前記制御信号を受信してから、前記第一電力供給回路20のスイッチングユニット21の第一端211及び第二端212が導通されて、前記電源Vccは、前記第一電力供給回路20のスイッチングユニット21の第二端212に接続された前記ロード200に電力を供給する。同時に、前記第二電力供給回路30の遅延集積回路U1の入力端MRが前記制御信号を受信すると、前記第二電力供給回路30の遅延回路31の第二キャパシターC2は充電して、前記第二電力供給回路30の遅延集積回路U1の検出端CTの電圧が基準端SENSEの電圧より大きい時、前記第二電力供給回路30の遅延集積回路U1の入力端MRと出力端RESETは導通されて、前記制御信号は前記第二電力供給回路30の遅延集積回路U1の出力端RESETから出力され、且つ前記制御信号は前記第二電力供給回路30のスイッチングユニット21のスイッチング端213に遅延して入力されて、前記第一電力供給回路20に比べて遅延して前記第二電力供給回路30に接続された前記ロード200に電力を供給する。同じ原理によって、前記第三電力供給回路40の遅延時間は前記第二電力供給回路30の遅延時間より大きいので、前記第三電力供給回路40は前記第二電力供給回路30に比べて遅延して前記第三電力供給回路40に接続された前記ロード200に電力を供給する。
【0016】
本発明の電源回路100は、前記第二電力供給回路30及び第三電力供給回路40に異なる遅延時間の遅延回路31をそれぞれに設置して、前記第一電力供給回路20、前記第二電力供給回路30及び前記第三電力供給回路40に接続されたロードを時間別にパワーオンさせて、複数のロードを同時にパワーオンする場合での、電流スパイクが電源回路の中で生成されて、電源回路を破損することを免れる。
【0017】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変更が可能であることは勿論であって、本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲によって決まる。
【符号の説明】
【0018】
10 制御回路
11 制御端
20 第一電力供給回路
21 スイッチングユニット
30 第二電力供給回路
31 遅延回路
40 第三電力供給回路
100 電源回路
200 ロード
211 第一端
212 第二端
213 スイッチング端
C1 第一キャパシター
C2 第二キャパシター
C3 第三キャパシター
CT 検出端
GND 接地端
MR 入力端
P3V3 電源
R1 第一レジスター
R2 第二レジスター
R3 第三レジスター
RESET 出力端
SENSE 基準端
Vcc 電源
VDD 電源端
U1 遅延集積回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のロードに電力を供給するために用いられ、複数の制御端を有する制御回路、第一電力供給回路、第二電力供給回路及び第三電力供給回路を備えてなる電源回路であって、
各々の電力供給回路は、それぞれ前記制御回路の1つの制御端に接続され、
各々の電力供給回路は、全てスイッチングユニットを備え、前記スイッチングユニットは、第一端、第二端、前記第一端と前記第二端との間の接続及び切断を制御するスイッチング端を備え、前記第一端は、電源に接続され、前記第二端は、1つの前記ロードに接続され、前記スイッチング端は、前記制御端に接続され、
前記第二電力供給回路及び前記第三電力供給回路は、全て遅延回路をさらに備え、前記遅延回路は、前記制御回路の制御端と前記スイッチングユニットのスイッチング端との間に接続され、
前記第三電力供給回路の遅延回路の遅延時間は、前記第二電力供給回路の遅延回路の遅延時間より大きいことを特徴とする電源回路。
【請求項2】
前記遅延回路は、遅延集積回路、第一レジスター、第一キャパシター及び第二キャパシターを備え、
前記遅延集積回路は、基準端、検出端、入力端及び出力端を備え、
前記第一レジスターの一端は、電圧源に接続され、前記第一レジスターの他端は、前記基準端に接続され、
前記第一キャパシターの一端は、前記基準端に接続され、前記第一キャパシターの他端は接地し、
前記第二キャパシターの一端は、前記検出端に接続され、前記第二キャパシターの他端は接地し、
前記入力端は、前記制御端に接続されて、前記制御回路からの制御信号を受信し、
前記出力端は、前記スイッチングユニットのスイッチング端に接続されて、前記スイッチング端に制御信号を出力し、
前記検出端の電圧が前記基準端の電圧より大きい時、前記入力端と前記出力端は導通されることを特徴とする請求項1に記載の電源回路。
【請求項3】
前記遅延回路は、第二レジスター、第三レジスター及び第三キャパシターをさらに備え、
前記遅延集積回路は、電源に接続される電源端及び接地する接地端をさらに備え、
前記第二レジスターは、前記入力端と前記電源端との間に接続され、
前記第三レジスターは、前記出力端と前記電源端との間に接続され、
前記第三キャパシターの一端は、前記電源端に接続され、前記第三キャパシターの他端は接地することを特徴とする請求項2に記載の電源回路。
【請求項4】
前記遅延回路は、前記第二キャパシターのキャパシタンスを変更することにより、前記遅延回路の遅延時間を変えることを特徴とする請求項2に記載の電源回路。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−231662(P2012−231662A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92704(P2012−92704)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(503023069)鴻富錦精密工業(深▲セン▼)有限公司 (399)
【出願人】(500080546)鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司 (1,018)
【Fターム(参考)】