説明

電源装置,及びレーダシステム

【課題】レーダ装置において、スイッチングクロックの周波数に対応する周波数ピークを物体として誤検出することを、より確実に防止可能とすること。
【解決手段】レーダシステムは、レーダ波(連続波)を送受信し、そのレーダ波の受信信号に、レーダ波の送信信号を混合することで生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換(通常、FFT)した結果に基づいて物体情報を生成するレーダ装置と、レーダ装置に電力を供給する電源装置とを備えている。そのレーダシステムでは、物体を検出するために規定された周波数帯域の上限の周波数(即ち、上限周波数fb_max1)よりも高い周波数がナイキスト周波数fNとなるように、ビート信号BTのサンプリング周波数fsを設定する。その上で、電源装置におけるスイッチング周波数fswを、特定帯域、及び折返帯域のうち、いずれか一つの周波数帯域内の周波数に予め設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビート信号をフーリエ変換した結果に基づいて物体を検出するレーダ装置に電力を供給する電源装置、及びその電源装置とレーダ装置とを備えたレーダシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、連続波を送受信し、その連続波を受信した受信信号に、送信信号を混合することで生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換(通常、FFT)した結果に基づいて物体を検出するレーダ装置と、そのレーダ装置に電力を供給する電源装置とを備え、自動車に搭載して用いられるレーダシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、特許文献1に記載されたレーダシステムにおける電源装置は、いわゆるスイッチング電源として構成されており、スイッチングクロックによってスイッチング部がオンオフされることで、車載バッテリから供給される電力を、予め規定された電圧範囲の電力へと変換してレーダ装置へと供給する。
【0004】
なお、特許文献1に記載された電源装置には、異なる周波数に規定された複数のスイッチングクロックの中から、一つのスイッチングクロックを選択してスイッチング部に出力する信号選択部が設けられている。
【0005】
具体的に、特許文献1に記載された信号選択部には、レーダシステムの外部に設けられた基準クロック発生回路で生成された基準クロック、及びレーダ装置に設けられたスイッチングクロック発生部にて生成され、ナイキスト周波数(即ち、ビート信号のサンプリング周波数の1/2の周波数)に周波数が設定されたクロック信号が、それぞれスイッチングクロックとして入力されている。そして、信号選択部では、レーダシステム全体に対して電力供給が開始されてから、予め規定された時間(以下、規定期間とする)が経過するまでは、基準クロックをスイッチングクロックとして出力し、規定期間が経過すると、クロック信号をスイッチングクロックとして出力する。
【0006】
つまり、特許文献1に記載されたレーダシステムでは、ビート信号をフーリエ変換した結果であるビート信号の周波数分布において、スイッチング周波数(ここでは、クロック信号に対応する周波数)に対応する周波数ピークが、該周波数分布の端部に表れる。この結果、レーダ装置において、スイッチング周波数に対応する周波数ピークを物体として誤検出することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−264952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、一般的なスイッチングクロック発生部にて生成されるクロック信号の周波数は、精度が悪く、本来生成したい周波数に対する誤差が大きくなる(例えば、100[kHz]程度の誤差が生じることがある)。
【0009】
このような誤差が生じると、特許文献1に記載のレーダシステムでは、物体として検出したい周波数帯域の中に、クロック信号の周波数が含まれる可能性が高くなり、このクロック信号の周波数に対応する周波数ピークを、物体として誤検出してしまうという問題があった。
【0010】
よって、特許文献1に記載されたレーダシステムに比べて、スイッチングクロックの周波数に対応する周波数ピークを物体として誤検出することを、より確実に防止可能なレーダシステムが求められている。
【0011】
そこで、本発明は、レーダ装置において、スイッチングクロックの周波数に対応する周波数ピークを物体として誤検出することを、より確実に防止可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するためになされた本発明は、連続波を反射した物体を検出するレーダ装置に電力を供給する電源装置に関するものである。なお、レーダ装置は、連続波を送受信し、受信した受信信号に、送信に用いる送信信号を混合してビート信号を生成する送受信部と、送受信部が生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換した結果に基づいて、連続波を反射した物体を検出する信号処理部とを備えている。さらに、レーダ装置において、ビート信号をサンプリングするサンプリング周波数は、ビート信号の上限周波数よりも高い周波数がナイキスト周波数となるように設定されている。
【0013】
なお、ここで言う「ビート信号の上限周波数」とは、レーダ装置において、検出可能な物体までの最大の距離に対応するビート信号の周波数である。
また、ここで言う「連続波」は、無変調であっても良いし、変調されていても良い。連続波が無変調である場合、レーダ装置から送信される連続波は、複数の周波数の各々による連続波であっても良いし、単数の周波数による連続波であっても良い。また、連続波が変調されている場合、その変調の方式は、周波数変調であることが好ましい。
【0014】
例えば、レーダ装置からの連続波が、図8に示すような時間軸に沿って三角波状に周波数を変調した電磁波であれば、ビート信号の上限周波数は、検知可能な最大の距離Rmax(=(c/4)×(T/(F×Ts)))に対応した周波数として決定される(ただし、c:電波伝播速度,F:周波数の変調幅,T:周波数の変調時間,Ts:ビート信号のサンプリング周期)。
【0015】
そして、本発明の電源装置では、入力されたスイッチング信号の信号レベルが変化する周期の逆数であるスイッチング周波数に従って、スイッチング部が、オンオフされると、電力供給部が、予め規定された電圧範囲の電力を生成してレーダ装置に供給する。
【0016】
さらに、本発明の電源装置では、スイッチング信号出力部が、上限周波数からナイキスト周波数までの周波数帯域である特定帯域、及びビート信号のサンプリングの際に特定帯域に折り返される全ての周波数帯域のうち、いずれか一つの周波数帯域である設定可能帯域に設定したスイッチング周波数のスイッチング信号を出力する。
【0017】
つまり、本発明の電源装置では、ビート信号をオーバーサンプリングした上で、スイッチング部をスイッチングする際のスイッチング周波数を、特定帯域、及びビート信号をサンプリングする際に特定帯域に折り返される全ての周波数帯域の中でいずれか一つの帯域に設定している。
【0018】
このため、レーダ装置にてビート信号をフーリエ変換した結果であるビート信号の周波数分布において、スイッチング周波数に対応する周波数ピークは、レーダ装置から物体までの距離として検出可能な周波数帯域(即ち、ビート信号の下限周波数からビート信号の上限周波数まで帯域)の外側にて検出される。
【0019】
したがって、本発明の電源装置から電力が供給されるレーダ装置によれば、スイッチング周波数に対応する周波数ピークを、物体として誤検出することを、上記特許文献1に記載されたレーダシステムに比べ、より確実に防止できる。
【0020】
そして、このような本発明の電源装置によれば、特許文献1に記載の電源装置と異なり、信号選択部を設ける必要がないため、電源装置の構成を、特許文献1に記載の電源装置に比べて、小型化することができると共に、簡易なものとすることができる。
【0021】
また、レーダ装置の中には、時間軸に沿って三角波状に周波数を変調した連続波を出力するものがある。このような連続波を送受信するレーダ装置においては、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンにて変調した連続波を送信するように構成されたものがある。
【0022】
このように、複数の変調パターンにて動作可能なレーダ装置に対して電力を供給する電源装置のスイッチング信号出力部では、変調パターン毎に規定される設定可能帯域の中で、全ての変調パターンに共通する設定可能帯域に設定したスイッチング周波数のスイッチング信号を出力しても良い(請求項2)。
【0023】
また、複数の変調パターンにて動作可能なレーダ装置に電力を供給する電源装置のスイッチング信号出力部では、変調パターン毎に規定される設定可能帯域の中で、通知出力部からのパターン通知に対応する変調パターンに規定された設定可能帯域に設定したスイッチング周波数のスイッチング信号を出力しても良い(請求項3)。ただし、この場合、レーダ装置には、当該レーダ装置が動作中の変調パターンを表すパターン通知を出力する通知出力部が設けられている必要がある。
【0024】
これらの(請求項2,3に係る)電源装置によれば、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンにて動作可能なレーダ装置において、動作中の変調パターンがどのようなものであっても、スイッチング周波数に対応する周波数ピークを物体として誤検出することを防止できる。
【0025】
特に前者の場合、レーダ装置に通知出力部を設ける必要がないため、レーダ装置の構成を簡易なものとすることができる。
本発明において、スイッチング信号出力部は、各変調パターンに規定された設定可能帯域に設定したスイッチング周波数の信号を生成する信号生成部を、個々の変調パターン毎に備えていても良い。この場合、スイッチング信号出力部は、通知出力部からのパターン通知に従って、該パターン通知に対応する変調パターンの信号生成部にて生成したスイッチング周波数のスイッチング信号を出力しても良い(請求項4)。
【0026】
このような電源装置によれば、通知出力部からのパターン通知に従ってスイッチング周波数を切り替えることで、各変調パターンに最適なスイッチング周波数のスイッチング信号をスイッチング部に入力することができる。
【0027】
ところで、本発明は、レーダ装置と、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の電源装置とを備え、電源装置からレーダ装置に電力を供給するレーダシステムとしてなされていても良い(請求項5)。
【0028】
本発明がレーダシステムとしてなされている場合、レーダシステムにおけるレーダ装置は、連続波を送受信し、受信した受信信号に、送信に用いる送信信号を混合してビート信号を生成する送受信部と、送受信部が生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換した結果に基づいて、連続波を反射した物体を検出する信号処理部とを備えていることが好ましい。
【0029】
このようなレーダシステムによれば、レーダ装置において、スイッチング周波数に対応する周波数ピークを、物体として誤検出することを、より確実に防止可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】第一実施形態,第二実施形態におけるレーダシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】第一実施形態,第二実施形態における電源装置の構成を示す図である。
【図3】第一実施形態の電源装置においてスイッチング周波数を設定可能な周波数帯域を説明する説明図である。
【図4】第二実施形態,第三実施形態のレーダ装置が送信する連続波を示す説明図である。
【図5】第二実施形態、及び第三実施形態の電源装置においてスイッチング周波数を設定可能な周波数帯域を説明する説明図である。
【図6】第三実施形態におけるレーダシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図7】第三実施形態の電源装置におけるスイッチング信号出力部の概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明における連続波の一例を示す説明図である。
【図9】受信系の変形例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第一実施形態]
〈レーダシステムについて〉
図1は、本発明が適用されたレーダシステムを示すブロック図である。以下、レーダシステム1が搭載された自動車を自車両と称す。
【0032】
そのレーダシステム1は、先行車両や路側物などの物体を検出し、その物体の位置(自車両からの距離及び方位)、及び物体の速度(ここでは相対速度も含む)を含む物体情報を、電子制御装置(いわゆるECU、図示せず)へと送出するものである。なお、レーダシステム1からの物体情報を取得する電子制御装置は、周知のクルーズコントロールやプリクラッシュセーフティ制御を実行するものである。
【0033】
具体的には、レーダシステム1は、レーダ波(連続波)を送受信し、そのレーダ波の受信信号Srに、レーダ波の送信信号Ssを混合することで生成したビート信号BTをサンプリングしてフーリエ変換(通常、FFT)した結果に基づいて物体情報を生成するレーダ装置10と、レーダ装置10に電力を供給する電源装置50とを備えている。
【0034】
このうち、レーダ装置10は、いわゆるFMCWレーダであり、変調指令に従って、三角波状の変調信号を生成するD/A変換器21と、D/A変換器21にて生成された変調信号に従って変調されたミリ波帯の高周波信号を生成する発振器22と、発振器22が生成する高周波信号を増幅する増幅器23と、増幅器23の出力を送信信号Ssとローカル信号Lとに電力分配する分配器24と、送信信号Ssに応じたレーダ波を放射する送信アンテナ25と、レーダ波を受信するn個の受信アンテナからなる受信側アンテナ部30とを備えている。
【0035】
また、レーダ装置10は、受信側アンテナ部30を構成するアンテナのいずれかを順次選択し、選択されたアンテナからの受信信号Srを後段に供給する受信スイッチ31と、受信スイッチ31から供給される受信信号Srにローカル信号Lを混合してビート信号BTを生成するミキサ32と、ミキサ32が生成したビート信号BTを増幅する増幅器33と、増幅器33にて増幅されたビート信号BTから不要な信号成分を除去するフィルタ34と、フィルタ34の出力をサンプリングしてデジタルデータに変換するA/D変換器35と、変調指令の出力や、発振器22の制御(例えば、起動,停止)を実行すると共に、A/D変換器35を介して取り込んだデータ(以下、サンプリングデータとも称す)をフーリエ変換した結果に基づいて物体情報を生成する信号処理部40とを備えている。
【0036】
このうち、信号処理部40は、サンプリングデータに対して、FFT等を実行するための演算処理装置(例えば、DSP、図示略)と、発振器22やA/D変換器35を制御すると共に、FFTの結果を用いた周知の処理によって得られる物体情報を生成するマイクロコンピュータ(図示略)とを備えている。なお、マイコンやDSPは、基準クロックに従って動作するものであり、レーダ装置10には、基準クロック発生回路80にて生成された基準クロックClが入力される。
【0037】
その信号処理部40が出力する変調指令は、時間に対して周波数が直線的に増加する上り区間、及び周波数が直線的に減少する下り区間を一つのサイクルとして、予め規定された時間間隔毎に出力される。このような変調指令に基づいて送信アンテナ25から放射される連続波は、時間軸に沿って周波数が三角波状に変調されたものとなる(図8参照)。
【0038】
なお、レーダ装置10におけるビート信号BTの周波数は、レーダ波を反射した物体までの距離に比例する。このため、ビート信号BTの上限の周波数(以下、上限周波数とする)fb_maxは、レーダ装置10において物体を検知可能な最大の距離Rmax(=(c/4)×(T/(F×Ts)))に対応する周波数として決定される(ただし、c:電波伝播速度,F:周波数の変調幅,T:周波数の変調時間,Ts:ビート信号のサンプリング周期)。
【0039】
そして、A/D変換器35では、そのビート信号BTをサンプリングするサンプリング周波数fsが、ビート信号BTの上限周波数fb_maxよりも高い周波数がナイキスト周波数fNとなるように設定されている。つまり、A/D変換器35では、ビート信号BTをサンプリングする際に、レーダ装置10において物体を検知するために必要なビート信号BTの周波数よりも、高い周波数でオーバーサンプリングする。ただし、本実施形態では、受信スイッチ31において受信チャンネルCHi(i=1〜n)を切り替える周波数は、A/D変換器35におけるサンプリング周波数fsよりも十分に高い周波数である。
【0040】
次に、レーダ装置10の動作について説明する。
このようなレーダ装置10では、発振器22が振動すると、その発振器22で生成され、増幅器23で増幅した高周波信号を、分配器24が電力分配することにより、送信信号Ss及びローカル信号Lを生成する。このように生成した信号のうち、送信信号Ssを送信アンテナ25を介してレーダ波として送信する。
【0041】
そして、送信アンテナ25から送出され物体に反射されたレーダ波(即ち、反射波)は、受信側アンテナ部30を構成する全ての受信アンテナにて受信され、受信スイッチ31によって選択されている受信チャンネルCHi(i=1〜n)の受信信号Srのみが、ミキサ32に供給される。すると、ミキサ32では、この受信信号Srに分配器24からのローカル信号L(即ち、送信信号Ss)を混合することによりビート信号BTを生成する。そして、このビート信号BTは、増幅器33で増幅され、フィルタ34にて不要な信号成分が除去された後、信号処理部40に取り込まれる。そして、信号処理部40は、取り込んだビート信号BTに対してFFTを実行し、ビート信号BTの周波数分布から検出した周波数ピークに基づいて物体情報を生成する。
【0042】
なお、実施形態において、物体情報を生成する手法は、FMCWレーダにおいて周知の手法であるため詳しい説明は省略するが、一般的には、以下の手順で物体情報が生成される。
【0043】
まず、サンプリングデータについてフーリエ変換(通常、FFT処理)を実行し、受信チャンネルCH1〜CHn毎かつ上り/下り区間毎に求めた、ビート信号BTのパワースペクトル上に存在する各周波数ピークを、上り区間、及び下り区間のそれぞれについて検出する。さらに、周知のMUSIC法などにより、ビート信号のパワースペクトルから、物体である可能性がある物体候補が存在する方位を推定する方位解析を実行する。
【0044】
続いて、上り区間のビート信号BTから求められた周波数ピークと、下り区間のビート信号BTから求められた周波数ピークとを、レーダ波を同一物体にて反射したとみなせるもの同士でマッチングして登録するペアマッチングを実行する。
【0045】
なお、ペアマッチングでは、登録された周波数ピークのペアに対して、FMCW方式のレーダ装置における周知の手法により、レーダ装置から物体候補までの距離、物体候補と自車両との相対速度を導出する。このとき、物体候補と自車両との相対速度、及び自車両の車速に基づいて、各物体候補の速度を導出すると共に、その物体候補が、停止物であるか移動物であるかを判定する。そして、導出された距離及び相対速度(速度)に、物体候補が存在する方位を加えた情報を、物体情報として生成する。
〈電源装置について〉
次に、電源装置について説明する。
【0046】
ここで、図2は、電源装置50の概略構成を示した図面である。
この図2に示すように、電源装置50は、自車両に搭載されたバッテリに接続されたスイッチング素子(本実施形態では、MOSFET)を含むスイッチング部62と、スイッチング部62から出力される電圧を、予め規定された電圧範囲内の安定した平均電圧Voutに変換する平滑回路63と、スイッチング部62をオンオフするスイッチング信号を生成するスイッチング信号出力部65とを備えた、いわゆるスイッチングレギュレータ(電源)として構成されている。
【0047】
このうち、平滑回路63は、環流ダイオードDと、チョークコイルLと、コンデンサCとから構成されている。
また、スイッチング信号出力部65は、スイッチング部62をスイッチングするスイッチング周波数fswを設定する周波数設定部66と、周波数設定部66にて設定されたスイッチング周波数fswを有したクロック信号(即ち、スイッチング信号)を生成するクロック生成部69とを備えている。
【0048】
本実施形態において、スイッチング周波数fswは、スイッチング信号の信号レベルが変化する周期(即ち、スイッチング部62をオンオフする周期)の逆数であり、設定可能帯域のうちの一つに予め設定されている。この設定可能帯域は、図3に示すように、ビート信号BTの上限周波数fb_max1から、ビート信号BTをサンプリングする際のナイキスト周波数fNまでの周波数帯域(以下、特定帯域とする、図3中、fb_max1からfN)を含むものである。さらに、設定可能帯域には、A/D変換器35においてビート信号BTをサンプリングする際に特定帯域に折り返される全ての周波数帯域(以下、折返帯域とする、図3中、折返帯域1(fN〜fa1),折返帯域2(fa2〜fa3),折返帯域3(fa4〜fa5),折返帯域4(fa6〜fa7)…)が、それぞれ含まれる。
【0049】
以上説明したように、本実施形態のレーダシステム1では、レーダ装置10にて物体を検出するために規定されたビート信号BTの周波数帯域の上限の周波数(即ち、上限周波数fb_max1)よりも高い周波数がナイキスト周波数fNとなるように、ビート信号BTのサンプリング周波数fsを設定する。その上で、電源装置50におけるスイッチング周波数fswを、特定帯域、及び全ての折返帯域のうち、いずれか一つの周波数帯域内に予め設定する。
[第一実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態のレーダシステム1によれば、レーダ装置10にてビート信号BTをFFTした結果であるビート信号BTの周波数分布において、スイッチング周波数fswに対応する周波数ピークが、レーダ装置10から物体までの距離として検出可能な周波数帯域(即ち、ビート信号BTの下限周波数からビート信号の上限周波数fb_maxまで帯域)の外側にて検出される。
【0050】
したがって、レーダシステム1によれば、レーダ装置10において、スイッチング周波数fswに対応する周波数ピークを、物体として誤検出することを、上記特許文献1に記載されたレーダシステムに比べ、より確実に防止できる。
【0051】
そして、このようなレーダシステム1によれば、特許文献1に記載の電源装置に比べて、電源装置50の構成を、小型化することができると共に、簡易なものとすることができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態について、第一実施形態と同様、図1,2を参照して説明する。
【0052】
本実施形態におけるレーダシステム3は、第一実施形態におけるレーダシステム1と、レーダ装置13の信号処理部43が出力する変調指令、及び電源装置53の周波数設定部66にて設定されるスイッチング周波数fswが異なる。このため、本実施形態におけるレーダシステム3では、第一実施形態におけるレーダシステム1と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、第一実施形態におけるレーダシステム1とは異なる構成を中心に説明する。
【0053】
まず、本実施形態のレーダ装置13において、信号処理部43が出力する変調指令は、図4に示すように、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数(本実施形態では、2つ)の変調パターンを含むものである。本実施形態における複数の変調パターンは、第一変調パターンと、その第一変調パターンよりも時間に対する周波数の変調幅(即ち、F1<F2)が大きい第二変調パターンとである。
【0054】
そして、変調指令は、第一変調パターンと、その第一変調パターンに連続する第二変調パターンとの2つの変調パターンを一つのサイクルとして、予め規定された時間間隔毎に出力される。
【0055】
なお、これら第一変調パターン、第二変調パターンそれぞれは、時間に対してレーダ波の周波数が直線的に増加する上り区間、及びレーダ波の周波数が直線的に減少する下り区間が一つの変調周期として規定されている。
【0056】
なお、第一変調パターンと第二変調パターンとの間で、時間に対する周波数の変調幅Fを変更する方法としては、両パターンの間で、変調時間Tを固定した上で、変調幅Fを変更しても良いし、変調幅Fを固定した上で、変調時間Tを変更しても良い。さらには、両パターンの間で、変調時間T及び変調幅Fの両方を変更しても良い。なお、本実施形態では、第一変調パターンにおける変調時間T1が、第二変調パターンにおける変調時間T2よりも長く、第一変調パターンにおける変調幅F1が、第二変調パターンにおける変調幅F2よりも小さいものとしている。
【0057】
このような変調指令に基づき送信アンテナ25から放射される連続波は、第一変調パターンと第二変調パターンとの間で、時間に対する周波数の変調幅(即ち、変調の傾き)が異なるものとなる。このため、第一変調パターンにおけるビート信号BTの上限周波数fb_max1と、第二変調パターンにおけるビート信号BTの上限周波数fb_max2とは、異なる周波数となる。
【0058】
したがって、本実施形態のA/D変換器35では、第一変調パターンにおけるビート信号の上限周波数fb_max1と、第二変調パターンにおけるビート信号の上限周波数fb_max2とのうち、周波数が高い上限周波数(ここでは、fb_max2)よりも高い周波数がナイキスト周波数fNとなるように、ビート信号BTをサンプリングするサンプリング周波数fsが設定されている。つまり、本実施形態においても、A/D変換器35では、ビート信号BTをサンプリングする際に、レーダ装置10において物体を検知するために必要なビート信号BTの周波数よりも、高い周波数でオーバーサンプリングする。
【0059】
なお、変調の傾きが異なる複数の変調パターンにて、レーダ波を送受信する目的としては、それぞれの変調パターンにて、物体を検出可能な範囲を変更することや、レーダ装置13から物体までの距離分解能を変更することが挙げられる。
〈電源装置について〉
次に、本実施形態の電源装置53について説明する。
【0060】
本実施形態の電源装置53は、第一実施形態の電源装置50と、周波数設定部66にて設定されるスイッチング周波数fswが異なる。
本実施形態において、周波数設定部66にて設定されるスイッチング周波数fswは、スイッチング信号の信号レベルが変化する周期(即ち、スイッチング部62をオンオフする周期)の逆数である。本実施形態におけるスイッチング周波数fswは、第一変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域、及び第二変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域のうち、両方の変調パターンに共通する設定可能帯域に設定されている。
【0061】
すなわち、例えば、図5(A),(B)に示すように、第二変調パターンにおける設定可能帯域が、第一変調パターンにおける設定可能帯域に包含されるように規定されている場合、第二変調パターンにおける設定可能帯域(即ち、特定帯域2,折返帯域2A,折返帯域2B,折返帯域2C,折返帯域2D)のいずれか一つに、スイッチング周波数fswが設定される。
[第二実施形態の効果]
以上、説明したように、本実施形態のレーダシステム3によれば、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンの両方に対して、最適なスイッチング周波数fswでスイッチング部62をスイッチングすることができる。この結果、レーダ装置13にて、連続波の変調を実行している変調パターンがどのようなものであっても、スイッチング周波数fswに対応する周波数ピークを物体として誤検出することを防止できる。
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態について説明する。
【0062】
図6は、本実施形態のレーダシステムの概略構成を示すブロック図である。
本実施形態のレーダシステム5は、第二実施形態のレーダシステム3と、レーダ装置15の信号処理部45、及び電源装置55のスイッチング信号出力部70の構成が異なる。このため、本実施形態におけるレーダシステム5では、第二実施形態におけるレーダシステム3と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略し、第二実施形態におけるレーダシステム3とは異なる構成を中心に説明する。
【0063】
まず、本実施形態における信号処理部45は、第二実施形態の信号処理部43と同様、第一変調パターンと、その第一変調パターンに連続する第二変調パターンとの2つの変調パターンを一つのサイクルとした変調指令を、予め規定された時間間隔毎に出力するように構成されている。
【0064】
そして、信号処理部45は、送信アンテナ25から出射中のレーダ波の変調パターンが第一変調パターンであるか、第二変調パターンであるかを表すパターン通知を、電源装置55へと出力する通知出力部46を備えている。
【0065】
一方、本実施形態の電源装置55におけるスイッチング信号出力部70は、図7(A)に示すように、スイッチング部62をスイッチングするスイッチング周波数fswを変更可能に設定する周波数可変設定部71と、周波数可変設定部71にて設定されたスイッチング周波数fswを有したクロック信号(即ち、スイッチング信号)を生成するクロック生成部75とを備えている。
【0066】
本実施形態の周波数可変設定部71は、例えば、自身が出力する信号の周波数を変更可能なRC回路などによって構成されており、信号処理部45の通知出力部46からのパターン通知に基づいて、スイッチング周波数fswを設定する。
【0067】
すなわち、周波数可変設定部71は、信号処理部45の通知出力部46からのパターン通知が、送信アンテナ25から出射中のレーダ波の変調パターンが第一変調パターンであることを表していれば、第一変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域のいずれか一つにスイッチング周波数fswを設定する。なお、ここで言う第一変調パターンに対して規定された設定可能帯域には、例えば、図5(A)に示す例であれば、特定帯域1,折返帯域1A,折返帯域1B,折返帯域1C、及び折返帯域1Dそれぞれが含まれる。
【0068】
また、周波数可変設定部71は、信号処理部45の通知出力部46からのパターン通知が、送信アンテナ25から出射中のレーダ波の変調パターンが第二変調パターンであることを表していれば、第二変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域のいずれか一つにスイッチング周波数fswを設定する。ここで言う第二変調パターンに対して規定された設定可能帯域には、例えば、図5(B)に示す例であれば、特定帯域2,折返帯域2A,折返帯域2B,折返帯域2C、及び折返帯域2Dそれぞれが含まれる。
【0069】
なお、周波数可変設定部71は、図7(B)に示すように、第一変調パターンに対して予め規定された一つのスイッチング周波数fswの信号を出力する第一周波数生成部72と、第二変調パターンに対して予め規定された一つのスイッチング周波数fswの信号を出力する第二周波数生成部73と、通知出力部46からのパターン通知に基づいて、当該周波数可変設定部71から出力するスイッチング周波数fswの信号を、パターン通知によって表された変調パターンに対応するものに切り替える周波数選択部74とを備えるように構成しても良い。
【0070】
ただし、この場合の第一周波数生成部72及び第二周波数生成部73は、それぞれ、第一変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域(即ち、図5(A)に示す特定帯域1,折返帯域1A,折返帯域1B,折返帯域1C、及び折返帯域1D)のいずれか一つ、及び第二変調パターンに対して予め規定された設定可能帯域(即ち、図5(B)に示す特定帯域2,折返帯域2A,折返帯域2B,折返帯域2C、及び折返帯域2D)のいずれか一つに、スイッチング周波数fswが設定されている。
【0071】
また、本実施形態においては、クロック生成部75は、スイッチング周波数fswに拘わらず、クロックのデューティー比を一定に維持したクロック信号(スイッチング信号)を出力するように構成されている。クロック生成部75を、このように構成することで、レーダ装置15に対して供給する電力の電圧を、所定の電圧に維持することができる。
[第三実施形態の効果]
以上説明したように、本実施形態のレーダシステム5によれば、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンのそれぞれに対して、最適なスイッチング周波数fswを選択して、スイッチング部62をスイッチングすることができる。この結果、レーダシステム5によれば、レーダ装置15において、送信アンテナ25から出射中の連続波の変調パターンがどのようなものであっても、スイッチング周波数fswに対応する周波数ピークを物体として誤検出することを防止できる。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、様々な態様にて実施することが可能である。
【0072】
例えば、上記第三実施形態では、電源装置55の周波数可変設定部71における周波数選択部74を、通知出力部46からのパターン通知に基づいて、クロック生成部75へ出力する信号の周波数を切り替えるように構成していたが、周波数選択部74は、モード通知に基づいて、第一周波数生成部72、及び第二周波数生成部73のうちのいずれかを、動作させるように構成しても良い。
【0073】
また、上記実施形態(ここでは、第一実施形態から第三実施形態)では、スイッチング部62に設けられるスイッチング素子として、MOSFETを例示していたが、スイッチング素子は、MOSFETに限るものではなく、その他の素子であっても良い。すなわち、スイッチング信号によってオンオフされる素子であれば、どのような素子であっても良い。
【0074】
さらに、第一実施形態及び第二実施形態のスイッチング信号出力部65における周波数設定部66、及び第三実施形態のスイッチング信号出力部70における周波数可変設定部71は、電源装置50,53内、及び電源装置55内に設けられていたが、これら周波数設定部66、及び周波数可変設定部71は、電源装置50,53,55の外部に設けられていても良い。
【0075】
なお、上記実施形態においては、電源装置50(53,55)を、ダウンコンバート型の電源装置として説明したが、電源装置50(53,55)は、スイッチング装置であって、予め規定された電圧範囲の電力を生成して供給可能であれば、昇圧型であっても良いし、昇降圧型であっても良いし、その他の方式であっても良い。
【0076】
また、上記実施形態のレーダ装置10,13,15では、受信側アンテナ部30から信号処理部40,43,45までの構成(以下、受信系と称す)として、n個の受信アンテナと、一つの受信スイッチ31、ミキサ32、増幅器33、フィルタ34、及びA/D変換器35とを備えていたが、本発明における受信系は、受信スイッチ31を備えていなくとも良い。つまり、受信系は、図9に示すように、受信側アンテナ部30を構成するアンテナ901nそれぞれについて、個々のアンテナ901nから供給される受信信号Srにローカル信号Lを混合してビート信号BTを生成するミキサ911nと、ミキサ911nそれぞれが生成したビート信号BTを増幅する増幅器921nと、増幅器921nそれぞれにて増幅されたビート信号BTから不要な信号成分を除去するフィルタ931nと、フィルタ931nの出力をサンプリングしてデジタルデータに変換するA/D変換器941nとを備えていても良い。
【0077】
さらに、上記実施形態では、いわゆるFMCWレーダに本発明を適用していたが、本発明は、周波数変調していない(即ち、無変調である)CW方式のミリ波レーダ装置に適用しても良い。この場合、レーダ装置から送信される連続波は、複数の周波数の各々による連続波(即ち、2周波CWレーダに代表される複数周波CWレーダ)であっても良いし、単数の周波数による連続波(いわゆるCWレーダ)であっても良い。
[実施形態と特許請求の範囲との対応関係]
最後に、上記実施形態の記載と、特許請求の範囲の記載との対応関係を説明する。
【0078】
上記実施形態のレーダ装置10(13,15)におけるD/A変換器21,発振器22,分配器24,送信アンテナ25,受信側アンテナ部30,及びミキサ32などが、本発明の送受信部に相当し、A/D変換器35,及び信号処理部40(43,45)が、本発明の信号処理部に相当する。
【0079】
さらに、上記実施形態の電源装置50(53,55)におけるスイッチング部62が、本発明のスイッチング部に相当し、平滑回路63が、本発明の電力供給部に相当し、スイッチング信号出力部65(70)が、本発明のスイッチング信号出力部に相当する。
【0080】
また、第三実施形態の信号処理部45における通知出力部46が、本発明の通知出力部に相当し、第三実施形態の電源装置55における第一周波数生成部72及び第二周波数生成部73が、本発明の信号生成部に相当する。
【符号の説明】
【0081】
1,3,5…レーダシステム 10,13,15…レーダ装置 21…D/A変換器 22…発振器 23…増幅器 24…分配器 25…送信アンテナ 30…受信側アンテナ部 31…受信スイッチ 32,91…ミキサ 33,92…増幅器 34,93…フィルタ 35,94…A/D変換器 40,43,45…信号処理部 46…通知出力部 50,53,55…電源装置 62…スイッチング部 63…平滑回路 65,70…スイッチング信号出力部 66…周波数設定部 69…クロック生成部 71…周波数可変設定部 72…第一周波数生成部 73…第二周波数生成部 74…周波数選択部 75…クロック生成部 90…アンテナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続波を送受信し、受信した受信信号に、送信に用いる送信信号を混合してビート信号を生成する送受信部と、前記送受信部が生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換した結果に基づいて、前記連続波を反射した物体を検出する信号処理部とを備えたレーダ装置に電力を供給する電源装置であって、
入力されたスイッチング信号の信号レベルが変化する周期の逆数であるスイッチング周波数に従って、オンオフされるスイッチング部と、
前記スイッチング部がオンオフされることで、予め規定された電圧範囲の電力を生成して前記レーダ装置に供給する電力供給部とを備え、
前記ビート信号の上限周波数よりも高い周波数がナイキスト周波数となるように、前記ビート信号をサンプリングするサンプリング周波数を設定した上で、
前記上限周波数から前記ナイキスト周波数までの周波数帯域である特定帯域、及び前記ビート信号のサンプリングの際に前記特定帯域に折り返される全ての周波数帯域のうち、いずれか一つの周波数帯域である設定可能帯域に設定した前記スイッチング周波数の前記スイッチング信号を出力するスイッチング信号出力部を、さらに
備えることを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記連続波は、時間軸に沿って三角波状に周波数が変調されるものであり、
前記レーダ装置は、
前記連続波を、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンにて変調可能に構成され
前記電源装置のスイッチング信号出力部は、
変調パターン毎に規定される前記設定可能帯域の中で、全ての変調パターンに共通する前記設定可能帯域に設定した前記スイッチング周波数の前記スイッチング信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記連続波は、時間軸に沿って三角波状に周波数が変調されるものであり、
前記レーダ装置は、
前記連続波を、時間に対する周波数の変調幅が異なる複数の変調パターンにて変調可能に構成され
当該レーダ装置が動作中の変調パターンを表すパターン通知を出力する通知出力部を備え、
前記電源装置のスイッチング信号出力部は、
変調パターン毎に規定される前記設定可能帯域の中で、前記通知出力部からのパターン通知に対応する変調パターンに規定された前記設定可能帯域に設定した前記スイッチング周波数の前記スイッチング信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング信号出力部は、
各変調パターンに規定された前記設定可能帯域に設定した前記スイッチング周波数の信号を生成する信号生成部を、個々の変調パターン毎に備え、
前記通知出力部からのパターン通知に従って、該パターン通知に対応する変調パターンの前記信号生成部にて生成したスイッチング周波数のスイッチング信号を出力させることを特徴とする請求項3に記載の電源装置。
【請求項5】
連続波を送受信し、受信した受信信号に、送信に用いる送信信号を混合してビート信号を生成する送受信部と、前記送受信部が生成したビート信号をサンプリングしてフーリエ変換した結果に基づいて、前記連続波を反射した物体を検出する信号処理部とを備えたレーダ装置と、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された電源装置とを備え、
該電源装置から前記レーダ装置に電力を供給することを特徴とするレーダシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−189383(P2012−189383A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51766(P2011−51766)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】