電源装置
【課題】電力会社からの系統電力が停電状態になったとき、あるいは系統電力の消費制限が求められるとき、個々の家庭等で求められる通常時と同様の電力需要に応えることが可能な電源装置を提供する。
【解決手段】代替電源装置10は、停電時等に入力切替スイッチ11により太陽電池パネル1の接続をパワーコンディショナー2からスイッチング電源回路13側に切り替えられ、出力切替スイッチ21により電力負荷4への接続が系統電力の給電線からオートトランス19側に切り替えられる。スイッチング電源回路13は、制御装置15の制御のもとに、直流入力電圧を所定電圧に昇圧し、単相インバータ16はこれを交流電力に変換し、オートトランス19は交流電力を電力負荷4に合わせて変換して出力する。充電装置14は、制御装置15の制御により、太陽電池パネル1あるいは系統電力により蓄電池23に充電し、蓄電池23はスイッチング電源回路13に給電可能である。
【解決手段】代替電源装置10は、停電時等に入力切替スイッチ11により太陽電池パネル1の接続をパワーコンディショナー2からスイッチング電源回路13側に切り替えられ、出力切替スイッチ21により電力負荷4への接続が系統電力の給電線からオートトランス19側に切り替えられる。スイッチング電源回路13は、制御装置15の制御のもとに、直流入力電圧を所定電圧に昇圧し、単相インバータ16はこれを交流電力に変換し、オートトランス19は交流電力を電力負荷4に合わせて変換して出力する。充電装置14は、制御装置15の制御により、太陽電池パネル1あるいは系統電力により蓄電池23に充電し、蓄電池23はスイッチング電源回路13に給電可能である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル等の簡易発電装置や蓄電池からの電力を、電力会社の系統電力の停電時や、電力会社等から系統電力の消費制限が求められる電力消費制限時に活用することができる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新たな電力源として期待されている太陽電池パネル等の簡易発電装置を用いた電力利用システムは、家屋等に設置された太陽電池パネルで発電された直流電力をパワーコンディショナーで交流電力に変換して電力会社に売却し、家庭等では別途電力会社から給電される系統電力を使用するようになっている。その結果、停電時には系統電力の給電が停止されるため、太陽電池パネルで発電が行われていても直ちにその電力を使用できないという問題がある。この場合、例えば特許文献1等に示すように、パワーコンディショナーに設けた非常用電源コンセントに電力ケーブルを接続することにより、通常より低い電流容量の範囲での電力の使用は可能であったが、必要な電力全部がまかなわれず家庭用電気機器の一部しか使用することができなかった。そのため、種々の電気機器が電力不足のため停止するという不具合が発生した。特に、一時的に電力供給が停止することにより、連続通電が必要になるパソコン等の機器には重大な問題が生じることもあった。
【0003】
また、非常用電源コンセントについては、停電時に別途電力ケーブルをパワーコンディショナーに接続する必要があり、手続きが煩雑であるため、停電時の代替電源用として使い勝手が非常に悪かった。さらに、夏季のように電力需要が増加する場合には、電力会社等から電力消費制限の要請即ち節電要請が出されることがあるが、これに対して一般家庭等ではどの電気製品を通電したり通電停止したりすればよいかの判断は容易ではなく、そのため電力消費制限に対する適正な対応が困難であり、無用の混乱が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするものであり、電力会社からの系統電力が停電状態になったり、系統電力の消費制限が求められるようなとき、個々の家庭や事業所等で求められる通常時と同様の電力需要に応えることが可能な電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴(請求項1の発明に相当)は、簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、簡易発電装置の接続をパワーコンディショナーとスイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、を備えたことにある。
【0007】
ここで、簡易発電装置とは、一般家庭や工場等に設置される太陽電池パネル、小規模水力発電装置、風力発電装置等のような小電力を発電するものである。また、上記電力利用システムとは、簡易発電装置の所有者と電力会社との間に適用されるもので、簡易発電装置で発電された電力は専ら電力会社に送電して売却され、所有者の家庭等で使用する電力は電力会社からの系統電力が利用されるようになっている。
【0008】
本発明においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常はスイッチ接続制御手段の制御により、入力切替スイッチがパワーコンディショナーに接続されており、出力切替スイッチが系統電力の給電線に接続されている。そのため、簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、直ちに入力切替スイッチがスイッチング電源回路に切り替えられ、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられる。
【0009】
これにより、簡易発電装置の発電電力は、入力切替スイッチを通してスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、出力切替スイッチを経て電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、停電時に系統電力から簡易発電装置で発電された電力に自動的に切り替えられるため、中断することなく簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に効率よく活用することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0010】
本発明において、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段により入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させることができる(請求項2の発明に相当)。
【0011】
これにより、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、この入力内容に合わせて入力及び出力切替スイッチが切り替えられ、スイッチング電源回路及びインバータの動作が開始される。その結果、本発明によれば、接続条件入力手段により入力され接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に該当するときは、系統電力の代わりに簡易発電装置からの電力を利用して電力負荷を駆動させることができる。そのため、簡易発電装置の所有者がどの電気機器を使用するかについて考慮するまでもなく、通常通り電力負荷に安定した給電を行うことができるので、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0012】
本発明において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項3の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0013】
本発明において、スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、駆動制御手段の制御により、通常状態においては系統電力により蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間においては簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電可能な充電装置とを設けることが好ましい(請求項4の発明に相当)。これにより、蓄電池には、駆動制御手段の制御に基づいて充電装置により、通常状態と停電状態に限らず系統電力や簡易発電装置からの余剰電力による充電が可能である。そのため、停電状態が夜間や悪天候のときに生じた場合に、簡易発電装置が太陽電池パネルのように発電できないものでも、蓄電池に充電された電力によりスイッチング電源回路、インバータ等を経て電力負荷に給電することができる。その結果、本発明によれば、停電時や接続条件入力手段による接続の時期及び期間において、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池に充電された電力により電力負荷への給電を絶やすことなく行うことができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0014】
本発明の第2の特徴(請求項5の発明に相当)は、簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、簡易発電装置の接続をパワーコンディショナーとスイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、を備えたことにある。
【0015】
第2の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常は上述したように簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、入力切替スイッチがスイッチング電源回路に切り替えられ、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータと単相三線中性発振回路とが駆動を開始する。これにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成されて、これが電力負荷側に給電される。
【0016】
その結果、第2の特徴においても、停電状態になったときは、電力負荷への給電が系統電力から簡易発電装置で発電された電力に自動的に切り替えられるため、簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランスを用いた場合と同様に単相三線の交流電力が生成されて電力負荷に入力される。また、第2の特徴においては、単相三線中性発振回路を用いることにより、オートトランスを用いた場合に比べて、電力の変換効率がやや低くなるが、非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になると共に装置が安価に提供されるという効果が得られる。
【0017】
第2の特徴において、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることができる(請求項6の発明に相当)。このように、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0018】
第2の特徴おいては、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることが好ましい(請求項7の発明に相当)。これにより、単相三線中性発振回路においては、信号生成回路から第1及び第2トランジスタの制御端子にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタをオンとオフさせ、続いて第1及び第2トランジスタをオフとオンにさせることにより、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電圧が平滑回路で平均化されてスイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされる。このスイッチング電源回路からの直流電圧が、インバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧とその半分の大きさの交流電圧とからなる単相三線式電圧が出力され、電力負荷側に給電される。
【0019】
第2の特徴において、スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、駆動制御手段の制御により、通常状態においては系統電力により蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間においては簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電可能な充電装置とを設けることが好ましい(請求項8の発明に相当)。これにより、停電時あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間において、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池に充電された電力により電力負荷に絶やすことなく給電することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0020】
本発明の第3の特徴(請求項9の発明に相当)は、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御に基づいて系統電力により蓄電池に充電可能な充電装置と、を備えたことにある。
【0021】
第3の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常はスイッチ接続制御手段の制御により、出力切替スイッチが系統電力の給電線に接続されているため、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。さらに、蓄電池には、充電装置により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、直ちに出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、さら駆動制御手段の制御により、スイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。これにより、蓄電池の充電電力は、スイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、出力切替スイッチを経て電力負荷に入力される。その結果、本発明においては、停電時に系統電力から蓄電池の充電電力に自動的に切り替えられるため、昼夜や天候を問わずに中断することなく電力負荷を駆動することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0022】
第3の特徴において、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させることができる(請求項10の発明に相当)。これにより、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0023】
第3の特徴において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項11の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0024】
本発明の第4の特徴(請求項12の発明に相当)は、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて出力切替スイッチの接続をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に切り替えさせるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御に基づいて系統電力により蓄電池を充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0025】
第4の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、上述したように、家庭等の電力負荷には系統電力が給電され、蓄電池には、充電装置により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始する。これにより、蓄電池の充電電力がスイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成され、これが電力負荷側に給電される。
【0026】
その結果、第4の特徴においても、停電時に系統電力から蓄電池で充電された電力に自動的に切り替えられるため、電力負荷の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランスを用いた場合と同様に単相三線出力を電力負荷に給電できる。また、第4の特徴においては、単相三線中性発振回路を用いることにより、オートトランスを用いた場合に比べて、電力の変換効率がやや低くなるが、非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になると共に装置が安価に提供されるという効果が得られる。
【0027】
第4の特徴において、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることができる(請求項13の発明に相当)。このように、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0028】
第4の特徴おいては、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることが好ましい(請求項14の発明に相当)。これにより、上述したように単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされ、この直流電圧がインバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧と合わせて単相三線電圧が形成され、電力負荷側に給電される。
【0029】
本発明の第5の特徴(請求項15の発明に相当)は、簡易発電装置からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、蓄電池と、簡易発電装置あるいは蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に給電するインバータと、スイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御により、簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0030】
第5の特徴においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているとき、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータの出力側を電力負荷に接続することにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換され、変換された交流電力は電力負荷に給電される。また、簡易発電装置で発電された電力の内の余剰電力については、駆動制御手段の制御により、充電装置によって蓄電池に充電される。それにより、簡易発電装置が発電できないときは、蓄電池に充電された電力により、電力負荷へ給電することができる。その結果、本発明においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているときでも、電力負荷に交流電力を安定して給電することができる。
【0031】
第5の特徴において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項16の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0032】
本発明の第6の特徴(請求項17の発明に相当)は、簡易発電装置からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、蓄電池と、簡易発電装置あるいは蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成して電力負荷に給電する単相三線中性発振回路と、スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御により、簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0033】
第6の特徴においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているとき、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側を電力負荷に接続することにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータと単相三線中性発振回路が駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成され、その出力が電力負荷側に給電される。また、簡易発電装置で発電された電力の内の余剰電力については、駆動制御手段の制御により、充電装置によって蓄電池に充電される。それにより、簡易発電装置が発電できないときは、蓄電池に充電された電力により、電力負荷へ給電することができる。その結果、本発明においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているときでも、電力負荷に単相三線交流電力を安定して給電することができる。
【0034】
第6の特徴において、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものである(請求項18の発明に相当)。これにより、上述したように、単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされてインバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧とその半分の大きさの交流電圧とからなる単相三線式電圧が出力され、電力負荷側に給電される。
【発明の効果】
【0035】
本発明においては、系統電力の給電が行われている通常時には、上記電力利用システムにより、簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電される。一方、停電時や電力消費制限が求められる時には、入力切替スイッチと出力切替スイッチの切り替えにより、簡易発電装置がスイッチング電源回路に接続されると共にインバータの出力側が電力負荷に接続され、さらに、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始し、発電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に入力される。その結果、本発明においては、停電状態になった時や接続条件入力手段により入力され接続条件記憶手段に記憶された入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間に該当するときは、簡易発電装置の発電電力を自動的に電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。さらに、本発明においては、蓄電池と充電装置を加えることにより、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池の充電電力により電力負荷に給電することができる。
【0036】
また、本発明においては、系統電力の給電が行われている通常状態においては、上記電力活用システムにより、家庭等の電力負荷には系統電力が給電され、蓄電池には充電装置により系統電力から充電される。停電時や電力消費制限が求められる時には、出力切替スイッチの切り替えにより、インバータの出力側が電力負荷に接続され、さらに、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始し、蓄電池の充電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、停電状態になった時や接続条件記憶手段に記憶された出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間に該当するときは、蓄電池の充電電力を自動的に電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。
【0037】
また、本発明においては、系統電力の停電時や電力消費制限が求められる時には、簡易発電装置と電源装置を用いて、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータの出力側を電力負荷に接続し、その後、駆動制御手段の制御により、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータの駆動を開始させることができる。これにより、簡易電源装置の発電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、簡易発電装置の発電電力を有効に活用して、系統電力の停電時や電力消費制限が求められる時でも、簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】代替電源装置のスイッチング電源回路の概略構成を示す回路図である。
【図3】実施例1の変形例1である代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図4】実施例1の変形例2である代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図5】実施例2である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図6】代替電源装置の単相三線中性発振回路の概略構成を示す回路図である。
【図7】単相インバータと単相三線中性発振回路との関係を説明する説明図である。
【図8】実施例3である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図9】実施例4である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図10】実施例5である停電時等に対応可能な電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図11】実施例6である停電時等に対応可能な電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施例1である太陽電池パネルを設置した一般家庭の電力利用システムに適用され、電力会社からの系統電力の停電時や、電力会社等から電力消費制限の要請を受けた時(以下、電力消費制限時と記す)に対応可能な代替電源装置(電源装置)の概略構成をブロック回路図により示したものである。上記電力利用システムは、図1に示すように、簡易発電装置である太陽電池パネル1の出力がパワーコンディショナー2に接続されて、太陽電池パネル1で発電された直流電力がパワーコンディショナー2において商用電源の周波数の交流電力に変換されて、電力会社3に送電されるいわゆる売電が行われる。また、太陽電池パネル1が設置された一般家庭では電力会社3から給電される系統電力により各種電気製品である電力負荷4が駆動される。
【0040】
代替電源装置10は、太陽電池パネル1とパワーコンディショナー2の間に介装された入力切替スイッチ11を設けている。入力切替スイッチ11は、固定端子が太陽電池パネル1に接続されると共に、切替接点11a,11bがパワーコンディショナー2側と昇圧型のスイッチング電源回路13側に接続されている。入力切替スイッチ11は、後述する制御装置15の制御により両切替接点11a,11bへの電気的な切り替えが可能になっており、通常はパワーコンディショナー2側の切替接点11aに接続されている。スイッチング電源回路13側の切替接点11bは、逆流防止ダイオード12を介して昇圧型のスイッチング電源回路13に接続されると共に、これに並列に充電装置14に接続されている。
【0041】
スイッチング電源回路13は、図2に示すように、トランジスタTのコレクタ端子にコイルLが接続されており、コイルLの反対端が電源入力(太陽電池パネル1)の入力端子となっている。ベース端子には、制御装置15の制御により信号を生成する信号生成部13aが接続されており、その入力側が制御端子となっている。エミッタ端子側が、アースに接続されたアース端子となっている。コレクタ端子にはコイルLと並列でダイオードDが接続されており、ダイオードDの反対端側が出力端子となっており、さらに出力端子とアース端子間にコンデンサCが接続されている。なお、トランジスタTについては、バイポーラ型の代わりに電界効果トランジスタFET、IGBT等でもよい。
【0042】
スイッチング電源回路13は、制御装置15の制御により信号生成部13aから制御信号を出力してトランジスタTをオン・オフに切り替えるようになっており、それにより太陽電池パネル1からの直流電力のコンデンサCへの充電とコンデンサCからの放電をコントロールし、入力電圧を昇圧して所定の出力電圧になるように制御するものである。本実施例1では、太陽電池パネル1からの直流電圧140v〜320vを、320vの出力電圧になるように制御している。スイッチング電源回路13には単相インバータ16が接続されている。単相インバータ16は、スイッチング電源回路13からの電圧320vの直流電力を単相200vの交流電力に変換して出力するものである。
【0043】
単相インバータ16の出力端子側には電流を検出する電流センサ17が接続されており、電流センサ17には電路遮断器18が接続されている。電流センサ17の他の出力は制御装置15に接続されている。制御装置15は電流センサ17からの電流入力に応じて、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を制御するようになっている。電路遮断器18は、単相インバータ16からの出力電流が所定の上限値を超えたとき、回路を遮断するものである。電路遮断器18にはオートトランス19が接続されている。オートランス19は単巻変圧器であり、単相インバータ16からの単相200vの交流電力を単相三線200v用として変換し、単相100vと200vの交流電力として出力できるものである。
【0044】
オートトランス19の出力側には、電力負荷4に接続された出力切替スイッチ21が設けられている。出力切替スイッチ21は、固定端子が電力負荷4に接続されると共に、切替接点21aが電力会社3の系統電力の給電線に接続され、切替接点21bがオートトランス19の出力側に接続されている。出力切替スイッチ21は、制御装置15の制御により両切替接点21a,21bのいずれか一方への接続を電気的に切り替えるようになっており、通常は給電線側の切替接点21aに接続されている。
【0045】
充電装置14の入力側には切替接点11bの他に電力会社3の給電線が接続されており、入出力側には畜電池23が接続されている。蓄電池23は逆流防止ダイオード24を介してスイッチング電源回路13に接続されている。また、充電装置14の入出力端子は制御装置15に接続されている。充電装置14は、制御装置15の指令により、太陽電池パネル1からの電力あるいは電力会社3の給電線からの系統電力のいずれか一方を用いて蓄電池23を充電量を監視しながら充電させる充電機能を有する。また、充電装置14は、電力会社3からの給電状態に応じて電力会社3が通常状態か停電状態かを制御装置15に送信する停電状態検知手段としても機能する。
【0046】
制御装置15の入力側には、接続条件入力手段であるキーボードスイッチ形式等の接続条件入力部26が接続されている。接続条件入力部26は、停電のない通常時において、入力切替スイッチ11によりパワーコンディショナーナー2側の接点11aからスイッチング電源回路13側の接点11bに切り替え接続させると共に、出力切替スイッチ21により電力会社3側の接点21aから単相インバータ16側の接点21bに切り替え接続させるための接続の時期及び接続の期間(以下、スイッチ接続条件と記す)を入力できるものである。例えば電力会社から系統電力の消費制限が求められたようなとき、予め接続条件入力部26により、電力消費制限の条件に合わせて入出力切替スイッチ11,21のスイッチ接続条件を入力することができる。
【0047】
制御装置15は、I/O,CPU,RAM,ROM等を含むマイクロコンピュータ等により構成されており、接続条件記憶部としても機能するRAMに接続条件入力部26からのスイッチ接続条件等の入力内容が記憶されている。制御装置15は、充電装置14からの停電状態を示す信号に応じて、また接続条件入力部26から入力されてRAMに記憶されたスイッチ接続条件に応じて、入力切替スイッチ11をスイッチング電源13側の切替接点11bに切り替え、出力切替スイッチ21をオートトランス19側の切替接点21bに切り替えるように制御するスイッチ接続制御手段として機能する。また、制御装置15は、停電状態あるいはスイッチ接続条件に応じて、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を開始させ、上述したように蓄電池23の充電状態に応じて、太陽電池パネル1からの電力あるいは電力会社3の給電線からの系統電力のいずれか一方を用いて充電装置14を通して蓄電池23に充電させるように制御する駆動制御手段としても機能する。
【0048】
また、制御装置15は、停電状態が終了したり、接続期間が終了した場合には、入力切替スイッチ11をスイッチング電源回路13からパワーコンディショナー2側の切替接点11aに切り替え、出力切替スイッチ21を単相インバータ16側から電力会社系統電力4の系統電力側の切替接点21aに切り替え、同時にスイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を停止させるようになっている。ただし、停電状態や電力消費制限時の終了後の入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の接続切り替えや、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作の停止については、制御装置15によらず、別途切り替え手段や停止手段を設けてもよい。
【0049】
上記構成の実施例1においては、系統電力が給電されている通常状態では、制御装置15の制御により、入力切替スイッチ11がパワーコンディショナー2側の接点11aに接続されており、出力切替スイッチ21が系統電力の給電線側の接点21aに接続されている。そのため、太陽電池パネル1で発電された直流電力はパワーコンディショナー2で交流電力に変換されて電力会社3に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷4には電力会社3から系統電力が給電されている。また、代替電源装置10では、系統電力例えば安価な深夜電力を利用して、制御装置15の制御に基づいて、充電装置14により蓄電池23に充電を行わせることも可能である。
【0050】
一方、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、充電装置14からの信号を受けて制御装置15の制御により、入力切替スイッチ11がスイッチング電源回路13側の切替接点11bに切り替えられ、出力切替スイッチ21がオートトランス19側の切替接点21bに切り替えられる。また、電力会社等から系統電力の消費制限が求められたとき、接続条件入力部26により電力消費制限に応じたスイッチ接続条件が入力されてRAMに記憶されていると、これに応じて非停電状態でも、制御装置15の制御により、同様に入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の切替接点11b,21bへの切り替え接続が行われる。
【0051】
これにより、太陽電池パネル1で発電された直流電力がスイッチング電源回路13に入力され、さらに、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始し、スイッチング電源回路13において発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力される。単相インバータ16においては、直流電力が200vの単相交流電力に変換される。変換された交流電力は、オートトランス19において単相100vと200vの単相三線出力に変換されて、電力負荷4に給電される。その結果、実施例1においては、停電状態になったとき、あるいは接続条件入力部26により入力されて制御装置15のRAMに記憶された電力消費制限に応じたスイッチ接続条件に該当するときは、系統電力から太陽電池パネル1で発電された電力に自動的に切り替えられるため、太陽電池パネル1の発電電力を電力負荷4の連続した駆動に効率よく活用することができる。
【0052】
また、実施例1においては、蓄電池23には、制御装置15の制御に基づいて充電装置14により通常状態においては系統電力により充電が行われ、停電状態や上記スイッチ接続条件に該当するときは、太陽電池パネル1からの発電電力の内の電力負荷4で使用されていない余剰電力により充電が行われる。そのため、停電時や上記スイッチ接続条件の入力による接続の時期及び接続の期間において、夜間や悪天候時のように太陽電池パネル1が発電できなかったりあるいは発電量が不十分なような場合でも、蓄電池23に充電された電力により上述したようにスイッチング電源回路13、単相インバータ16等を経て電力負荷4に給電することができる。その結果、実施例1によれば、停電時や接続条件入力部26により入力された接続の時期及び接続の期間においても電力負荷4への給電を絶やすことなく確実に行うことができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0053】
つぎに、上記実施例1の変形例1について図3を用いて説明する。
変形例1は、代替電源装置10Aを、上記実施例1のような小電力の一般家庭用ではなく工場等のような三相200vの大容量電源用として使用する場合である。代替電源装置10Aは、図3に示すように、実施例1の単相インバータ16の代わりに三相インバータ28を用い、また三相200v出力のみであるため不要なオートトランス19を除いたものであり、その他の構成については実施例1と同様である。変形例1においても、実施例1と同様の動作により、停電時における工場等の大電力用の代替電源装置として有効に活用できる。
【0054】
つぎに、上記実施例1の変形例2について図4を用いて説明する。
変形例2の代替電源装置10Bは、図4に示すように、上記実施例1の代替電源装置10において蓄電池23及び充電装置14を削除したものである。変形例2においては、夜間や悪天候のように太陽電池パネル1による発電が出来ないような場合を除いて、停電状態の発生時や入出力切替スイッチによる接続の時期及び接続の期間に、代替電源装置10Bを実施例1と同様に有効に活用できる。また、代替電源装置10Bは、蓄電池23及び充電装置14がない分、代替電源装置10に比べて非常に安価に提供される。なお、上記変形例1においても、蓄電池23及び充電装置14を削除することは可能である。
【0055】
つぎに、実施例2について説明する。図5は、実施例2である太陽電池パネルを設置した一般家庭の電力利用システムに適用され、系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置30の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置30は、上記代替電源装置10においてオートトランス19を省き、代わりにスイッチング電源回路13の出力側と出力切替スイッチ21の切替接点21bとの間に単相インバータ16と並列に単相三線中性発振回路31を接続したものであり、その他の構成については代替電源装置10と同様である。
【0056】
単相三線中性発振回路31は、図6に示すように、トランジスタT1のエミッタ端子とトランジスタT2のコレクタ端子が直列接続されており、トランジスタT1のコレクタ端子がスイッチング電源回路13に接続される入力端子となっており、トランジスタT2のエミッタ端子がアースに接続されるアース端子となっている。また、両トランジスタT1,T2の接続部分にコイルLが接続されており、コイルLの反対端側が出力端子となっている。出力端子とアース端子間にコンデンサCが接続されており、コイルLとコンデンサCにより平滑回路が構成されている。両トランジスタT1,T2のベース端子には、信号生成部31aが接続されており、信号生成部31aの入力側が制御装置15が接続される制御端子となっている。
【0057】
信号生成部31aは、所定のパルス幅でデューティ比1/2でオン・オフのずれた2つのパルス信号を生成し、トランジスタT1,T2のベース端子にそれぞれ入力して、トランジスタT1,T2を交互にオン・オフに切り替えるものである。トランジスタT1とトランジスタT2がデューティ比1/2でオン・オフを交互に繰り返すことにより、入力端子に入力されたスイッチング電源回路13からの直流電圧が平滑回路で平均化されて半分の大きさの直流電圧にされる。図7に単相インバータ16と単相三線中性発振回路31の関係を示すように、単相三線中性発振回路31からの直流電圧が、単相インバータ16が出力する2線の中間電位となる。その結果、単相インバータ16からの200vの交流電圧とその半分の大きさの100vの交流電圧からなる単相三線電圧が切替接点21bに出力されるようになる。
【0058】
以上のように、実施例2においては、単相三線中性発振回路31による100vの電圧出力が、単相インバータ16の2線の中間電位となるため、実施例1のようにオートトランス19を用いたと同様の200vと100vの単相三線の交流電力が得られ、実施例1と同様の効果が得られる。単相三線中性発振回路31と単相インバータ16による単相三線交流電力の形成は、オートトランス19を用いた場合に比べて、変換効率がやや低くなるが、代替電源装置30が非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になるという効果が得られ、さらに装置コストも安価になる。なお、実施例2においても、実施例1の変形例2のように、蓄電池23及び充電装置14を削除した形態とすることが可能である。
【0059】
つぎに、実施例3について説明する。図8は、実施例3である電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用され、系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置40の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置40は、太陽電池パネル1等の簡易発電装置及びパワーコンディショナー2を用いないものであり、上記代替電源装置10において入力切替スイッチ11を省いたものである。代替電源装置40のその他の構成については、代替電源装置10と同様であり、説明を省略する。
【0060】
実施例3においては、系統電力が給電されている通常状態では、制御装置15の制御により、出力切替スイッチ21が系統電力の給電線側の切替接点21aに接続されているため、家庭等の電力負荷4には系統電力が給電されている。さらに、蓄電池23には、制御装置15の制御に基づいて、充電装置14により系統電力を用いて充電が行われる。系統電力としては安価な深夜電力を使用するのが好適である。一方、事故等により系統電力が給電されない停電状態になったり、あるいは電力消費制限に応じて接続条件入力部26によりスイッチ接続条件が入力され制御装置15のRAMに記憶されていると、制御装置15の制御により、直ちに出力切替スイッチ21が単相インバータ16の出力側の切替接点21bに切り替えられ、さらにスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始する。
【0061】
これにより、蓄電池23の充電電力は、スイッチング電源回路13に入力され、充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力され、単相インバータ16において直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、オートトランス19において三相単線電圧出力に変換され、出力切替スイッチ21を経て電力負荷4に給電される。その結果、実施例3においては、停電時やスイッチ接続条件に該当した時には、系統電力から蓄電池23の充電電力に自動的に切り替えられるため、蓄電池23を充電容量の範囲内で昼夜や天候を問わずに中断することなく電力負荷4の駆動に効率よく活用することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。なお、実施例3においても、代替電源装置として三相交流電力を出力させる場合は、上記実施例1の変形例1のように、単相インバータ16とオートトランス19の代わりに三相インバータを用いることができる。
【0062】
つぎに、実施例4について説明する。図9は、実施例4に係る系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置50の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置50は、太陽電池パネル1等の簡易発電装置及びパワーコンディショナー2を用いないものであり、上記代替電源装置30において入力切替スイッチ11を省いたものである。代替電源装置50のその他の構成については、代替電源装置30と同様であり、説明を省略する。
【0063】
実施例4においては、系統電力が給電されている通常状態では、上述したように、家庭等の電力負荷4には系統電力が給電され、蓄電池23には、充電装置14により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になったり、電力消費制限時に応じて接続条件入力部26によりスイッチ接続条件が入力されていると、制御装置15の制御により、出力切替スイッチ21が単相インバータ16の出力側の切替接点21bに切り替えられる。これにより、蓄電池23の充電電力がスイッチング電源回路13に入力され、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相三線中性発振回路31と単相インバータ16とが駆動を開始する。スイッチング電源回路13においては、蓄電池23からの直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力され、単相インバータ16において直流電力が単相交流電力に変換される。単相三線中性発振回路31においては、スイッチング電源回路13からの直流電力が、単相インバータ16の交流出力の半分の大きさの直流電力として出力され、単相インバータ16が出力する2線の中間電位となる。その結果、単相インバータ16からの200vの交流電圧とその半分の大きさの100vの交流電圧からなる単相三線電圧が出力され、切替接点21bを通して電力負荷4側に給電される。
【0064】
その結果、実施例4においても、停電時やスイッチ接続条件に該当した時には、系統電力から蓄電池23で充電された電力に自動的に切り替えられるため、蓄電池23を充電容量の範囲内で電力負荷4の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランス19を用いた場合と同様に単相三線出力を電力負荷に給電できる。また、実施例4においては、単相三線中性発振回路31を用いることにより、オートトランス19を用いた実施例3に比べて電力の変換効率がやや低くなるが、電源装置50が非常に軽量になるため、装置の取り扱いが容易になるという効果が得られ、さらに装置コストも安価になる。
【0065】
なお、上記実施例1、変形例1,2、実施例2〜4の代替電源装置10,10A,10B,30,40,50については、制御装置15の入力側に接続条件入力部26が接続されており、電力会社等から系統電力の消費制限が求められたような電力消費制限時においても、停電時と同様に、入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の各切替接点が切り替えられ、スイッチング電源回路13、単相インバータ16、単相三線中性発振回路31等の動作が開始されるようになっているが、これに代えて、接続条件入力部26を省き、代替電源装置を停電時のみに対応可能なようにすることも可能である。また、代替電源装置10,10A,10B,30,40,50については、接続条件入力部26によって接続時期と接続期間が入力され、この入力データが制御装置15のRAMに記憶されるようになっているが、これに代えて接続条件入力部としてパソコン等を用いて入力データをCDROM等の記憶装置に記憶しておき、この記憶装置を制御装置15に接続させるようにしてもよい。
【0066】
つぎに、実施例5について説明する。図10は、実施例5に係る停電時や電力消費制限時に対応可能な電源装置60の概略構成をブロック回路図により示したものである。電源装置60は、電力会社3の系統電力とは無関係なもので、パワーコンディショナー2も不要であり、太陽電池パネル1等の簡易発電装置のみと組み合わせて使用されるものである。電源装置60は、上記実施例1に係る代替電源装置10において入力切替スイッチ11が切替接点11bに接続され、出力切替スイッチ21が切替接点21bに接続されるようになっている。従って、入力切替スイッチ11、出力切替スイッチ21を単なるオンオフスイッチに代えてもよく、スイッチに代えて単に太陽電池パネル1と電力負荷4に直接接続するのみでもよい。また、蓄電池23も太陽電池パネル1からの発電電力のみにより充電可能になっている。また、代替電源装置10に設けられた接続条件入力部26についても省かれる。制御装置15についても、充電装置14の制御と、スイッチング電源回路13とインバータ16の制御のみとなる。制御装置15については、図示しない電源スイッチをオンさせることにより制御が開始される。
【0067】
実施例5においては、系統電力の停電発生時や、上記電力消費制限時に、入力切替スイッチ11によってスイッチング電源回路13を太陽電池パネル1に接続し、出力切替スイッチ21によって単相インバータ16の出力側を電力負荷4に接続することにより、太陽電池パネル1の発電電力がスイッチング電源回路13に入力される。制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始し、スイッチング電源回路13からの直流出力が単相インバータ16において交流出力に変換されて、電力負荷4に給電される。また、太陽電池パネル1で発電された電力の内の余剰電力については、制御装置15の制御により、充電装置14によって蓄電池23に充電される。一方、太陽電池パネル1が発電できないときは、蓄電池23充電された電力により、電力負荷4へ給電することができる。その結果、実施例5においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限時においても、太陽電池パネル1と電源装置60の組み合わせにより、電力負荷4に交流電力を安定して給電することができる。
【0068】
つぎに、実施例6について説明する。図11は、実施例6に係る停電時や電力消費制限時に対応可能な電源装置70の概略構成をブロック回路図により示したものである。電源装置70は、電力会社3の系統電力とは無関係なもので、パワーコンディショナー2も不要であり、太陽電池パネル1等の簡易発電装置と組み合わせて使用されるものである。電源装置70は、上記実施例2に係る代替電源装置30において入力切替スイッチ11が切替接点11bに接続され、出力切替スイッチ21が切替接点21bに接続されるようになっている。従って、入力切替スイッチ11、出力切替スイッチ21をオンオフスイッチに代えてもよく、スイッチに代えて単に太陽電池パネル1と電力負荷4に直接接続するのみでもよい。また、蓄電池23も太陽電池パネル1のみにより充電可能になっている。制御装置15についても、充電装置14の制御と、スイッチング電源回路13と単相インバータ16と単相三線中世発振回路31の制御のみとなる。
【0069】
実施例6においても、実施例5と同様、系統電力の停電発生時や電力消費制限時に、スイッチング電源回路13を太陽電池パネル1に接続し、単相インバータ16の出力側を電力負荷4に接続することにより、太陽電池パネル1の発電電力がスイッチング電源回路13に入力されると共に、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16と単相三線中性発振回路31が駆動を開始する。また、太陽電池パネル1で発電された電力の内の余剰電力については、制御装置15の制御により、充電装置14によって蓄電池23に充電される。それにより、太陽電池パネル1が発電できないときは、蓄電池23充電された電力により、電力負荷4へ給電することができる。その結果、実施例6においても、実施例5と同様の効果が得られる。なお、実施例5,6の電源装置60,70については、太陽光パネルと合わせて停電時や電力消費制限時において電力負荷4への非常電源として対応可能であるが、これに限らず、山間等の系統電力のない地域における電源装置としても使用可能である。
【0070】
なお、上記実施例2、4及び6において用いられる単相三線中性発振回路31については、単相インバータ16との組み合わせにより、直流入力電圧を単相三線出力電圧に変換することができるものである。従って、単相三線中性発振回路31と単相インバータ16との組み合わせに関しては、実施例2、4、6のように太陽電池パネル等の簡易発電装置や蓄電池の直流電力を単相三線交流電力に変換して電力負荷に給電する用途に限らず、その他の直流電力を単相三線交流電力に変換して出力するような種々の用途にも使用可能である。その他、上記各実施例及び変形例については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1…太陽電池パネル、2…パワーコンディショナー、3…電力会社、4…電力負荷、10,10A,10B,30,40,50…代替電源装置、11…入力切替スイッチ、13…スイッチング電源回路、14…充電装置、15…制御装置、16…単相インバータ、19…オートトランス、21…出力切替スイッチ、23…蓄電池、26…接続条件入力部、28…三相インバータ、31…単相三線中性発振回路、60,70…電源装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池パネル等の簡易発電装置や蓄電池からの電力を、電力会社の系統電力の停電時や、電力会社等から系統電力の消費制限が求められる電力消費制限時に活用することができる電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
新たな電力源として期待されている太陽電池パネル等の簡易発電装置を用いた電力利用システムは、家屋等に設置された太陽電池パネルで発電された直流電力をパワーコンディショナーで交流電力に変換して電力会社に売却し、家庭等では別途電力会社から給電される系統電力を使用するようになっている。その結果、停電時には系統電力の給電が停止されるため、太陽電池パネルで発電が行われていても直ちにその電力を使用できないという問題がある。この場合、例えば特許文献1等に示すように、パワーコンディショナーに設けた非常用電源コンセントに電力ケーブルを接続することにより、通常より低い電流容量の範囲での電力の使用は可能であったが、必要な電力全部がまかなわれず家庭用電気機器の一部しか使用することができなかった。そのため、種々の電気機器が電力不足のため停止するという不具合が発生した。特に、一時的に電力供給が停止することにより、連続通電が必要になるパソコン等の機器には重大な問題が生じることもあった。
【0003】
また、非常用電源コンセントについては、停電時に別途電力ケーブルをパワーコンディショナーに接続する必要があり、手続きが煩雑であるため、停電時の代替電源用として使い勝手が非常に悪かった。さらに、夏季のように電力需要が増加する場合には、電力会社等から電力消費制限の要請即ち節電要請が出されることがあるが、これに対して一般家庭等ではどの電気製品を通電したり通電停止したりすればよいかの判断は容易ではなく、そのため電力消費制限に対する適正な対応が困難であり、無用の混乱が生じるおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−295133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記問題を解決しようとするものであり、電力会社からの系統電力が停電状態になったり、系統電力の消費制限が求められるようなとき、個々の家庭や事業所等で求められる通常時と同様の電力需要に応えることが可能な電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために本発明の特徴(請求項1の発明に相当)は、簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、簡易発電装置の接続をパワーコンディショナーとスイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、を備えたことにある。
【0007】
ここで、簡易発電装置とは、一般家庭や工場等に設置される太陽電池パネル、小規模水力発電装置、風力発電装置等のような小電力を発電するものである。また、上記電力利用システムとは、簡易発電装置の所有者と電力会社との間に適用されるもので、簡易発電装置で発電された電力は専ら電力会社に送電して売却され、所有者の家庭等で使用する電力は電力会社からの系統電力が利用されるようになっている。
【0008】
本発明においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常はスイッチ接続制御手段の制御により、入力切替スイッチがパワーコンディショナーに接続されており、出力切替スイッチが系統電力の給電線に接続されている。そのため、簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、直ちに入力切替スイッチがスイッチング電源回路に切り替えられ、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられる。
【0009】
これにより、簡易発電装置の発電電力は、入力切替スイッチを通してスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、出力切替スイッチを経て電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、停電時に系統電力から簡易発電装置で発電された電力に自動的に切り替えられるため、中断することなく簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に効率よく活用することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0010】
本発明において、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段により入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させることができる(請求項2の発明に相当)。
【0011】
これにより、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、この入力内容に合わせて入力及び出力切替スイッチが切り替えられ、スイッチング電源回路及びインバータの動作が開始される。その結果、本発明によれば、接続条件入力手段により入力され接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に該当するときは、系統電力の代わりに簡易発電装置からの電力を利用して電力負荷を駆動させることができる。そのため、簡易発電装置の所有者がどの電気機器を使用するかについて考慮するまでもなく、通常通り電力負荷に安定した給電を行うことができるので、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0012】
本発明において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項3の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0013】
本発明において、スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、駆動制御手段の制御により、通常状態においては系統電力により蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間においては簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電可能な充電装置とを設けることが好ましい(請求項4の発明に相当)。これにより、蓄電池には、駆動制御手段の制御に基づいて充電装置により、通常状態と停電状態に限らず系統電力や簡易発電装置からの余剰電力による充電が可能である。そのため、停電状態が夜間や悪天候のときに生じた場合に、簡易発電装置が太陽電池パネルのように発電できないものでも、蓄電池に充電された電力によりスイッチング電源回路、インバータ等を経て電力負荷に給電することができる。その結果、本発明によれば、停電時や接続条件入力手段による接続の時期及び期間において、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池に充電された電力により電力負荷への給電を絶やすことなく行うことができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0014】
本発明の第2の特徴(請求項5の発明に相当)は、簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、簡易発電装置の接続をパワーコンディショナーとスイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、を備えたことにある。
【0015】
第2の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常は上述したように簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、入力切替スイッチがスイッチング電源回路に切り替えられ、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータと単相三線中性発振回路とが駆動を開始する。これにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成されて、これが電力負荷側に給電される。
【0016】
その結果、第2の特徴においても、停電状態になったときは、電力負荷への給電が系統電力から簡易発電装置で発電された電力に自動的に切り替えられるため、簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランスを用いた場合と同様に単相三線の交流電力が生成されて電力負荷に入力される。また、第2の特徴においては、単相三線中性発振回路を用いることにより、オートトランスを用いた場合に比べて、電力の変換効率がやや低くなるが、非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になると共に装置が安価に提供されるという効果が得られる。
【0017】
第2の特徴において、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、入力切替スイッチにより簡易発電装置をスイッチング電源回路に接続させると共に出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることができる(請求項6の発明に相当)。このように、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0018】
第2の特徴おいては、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることが好ましい(請求項7の発明に相当)。これにより、単相三線中性発振回路においては、信号生成回路から第1及び第2トランジスタの制御端子にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタをオンとオフさせ、続いて第1及び第2トランジスタをオフとオンにさせることにより、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電圧が平滑回路で平均化されてスイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされる。このスイッチング電源回路からの直流電圧が、インバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧とその半分の大きさの交流電圧とからなる単相三線式電圧が出力され、電力負荷側に給電される。
【0019】
第2の特徴において、スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、駆動制御手段の制御により、通常状態においては系統電力により蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間においては簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電可能な充電装置とを設けることが好ましい(請求項8の発明に相当)。これにより、停電時あるいは接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間において、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池に充電された電力により電力負荷に絶やすことなく給電することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0020】
本発明の第3の特徴(請求項9の発明に相当)は、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御に基づいて系統電力により蓄電池に充電可能な充電装置と、を備えたことにある。
【0021】
第3の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、通常はスイッチ接続制御手段の制御により、出力切替スイッチが系統電力の給電線に接続されているため、家庭等の電力負荷には系統電力が給電されている。さらに、蓄電池には、充電装置により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、直ちに出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、さら駆動制御手段の制御により、スイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。これにより、蓄電池の充電電力は、スイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、出力切替スイッチを経て電力負荷に入力される。その結果、本発明においては、停電時に系統電力から蓄電池の充電電力に自動的に切り替えられるため、昼夜や天候を問わずに中断することなく電力負荷を駆動することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0022】
第3の特徴において、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータの出力側に接続させると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータの動作を開始させることができる(請求項10の発明に相当)。これにより、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0023】
第3の特徴において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項11の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0024】
本発明の第4の特徴(請求項12の発明に相当)は、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、電力負荷の接続を系統電力の給電線とインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて出力切替スイッチの接続をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に切り替えさせるスイッチ接続制御手段と、停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じてスイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御に基づいて系統電力により蓄電池を充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0025】
第4の特徴においては、系統電力が給電されている通常状態では、上述したように、家庭等の電力負荷には系統電力が給電され、蓄電池には、充電装置により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、スイッチ接続制御手段の制御により、出力切替スイッチがインバータの出力側に切り替えられ、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始する。これにより、蓄電池の充電電力がスイッチング電源回路に入力され、スイッチング電源回路において充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成され、これが電力負荷側に給電される。
【0026】
その結果、第4の特徴においても、停電時に系統電力から蓄電池で充電された電力に自動的に切り替えられるため、電力負荷の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランスを用いた場合と同様に単相三線出力を電力負荷に給電できる。また、第4の特徴においては、単相三線中性発振回路を用いることにより、オートトランスを用いた場合に比べて、電力の変換効率がやや低くなるが、非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になると共に装置が安価に提供されるという効果が得られる。
【0027】
第4の特徴において、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、接続条件入力手段に入力された接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、接続条件記憶手段に記憶された接続の時期及び接続の期間に応じて、スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、出力切替スイッチにより電力負荷をインバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることができる(請求項13の発明に相当)。このように、電力消費制限が求められる時期等に合わせて、接続条件入力手段により入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間を入力して接続条件記憶手段に記憶させておくことにより、上述したと同様の作用効果が得られ、電力消費制限の要請等に適切に応えることができる。
【0028】
第4の特徴おいては、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることが好ましい(請求項14の発明に相当)。これにより、上述したように単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされ、この直流電圧がインバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧と合わせて単相三線電圧が形成され、電力負荷側に給電される。
【0029】
本発明の第5の特徴(請求項15の発明に相当)は、簡易発電装置からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、蓄電池と、簡易発電装置あるいは蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に給電するインバータと、スイッチング電源回路とインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御により、簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0030】
第5の特徴においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているとき、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータの出力側を電力負荷に接続することにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータが駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換され、変換された交流電力は電力負荷に給電される。また、簡易発電装置で発電された電力の内の余剰電力については、駆動制御手段の制御により、充電装置によって蓄電池に充電される。それにより、簡易発電装置が発電できないときは、蓄電池に充電された電力により、電力負荷へ給電することができる。その結果、本発明においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているときでも、電力負荷に交流電力を安定して給電することができる。
【0031】
第5の特徴において、インバータを単相インバータとし、単相インバータの出力側に、単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けることができる(請求項16の発明に相当)。これにより、家庭用の場合のように電力負荷が単相100vと200vの2種類のときは、単相インバータからの単相交流電力をオートトランスにより変換して2種類の電圧の単相三線交流電力を給電することができる。
【0032】
本発明の第6の特徴(請求項17の発明に相当)は、簡易発電装置からの直流電力を交流電力に変換して、交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、蓄電池と、簡易発電装置あるいは蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、スイッチング電源回路からの直流電力をインバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成して電力負荷に給電する単相三線中性発振回路と、スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させる駆動制御手段と、駆動制御手段の制御により、簡易発電装置からの余剰電力により蓄電池に充電させる充電装置と、を備えたことにある。
【0033】
第6の特徴においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているとき、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側を電力負荷に接続することにより、簡易発電装置の発電電力がスイッチング電源回路に入力されると共に、駆動制御手段の制御によりスイッチング電源回路とインバータと単相三線中性発振回路が駆動を開始する。スイッチング電源回路においては、発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されてインバータに出力され、インバータにおいて直流電力が交流電力に変換される。単相三線中性発振回路においては、入力端子に入力されたスイッチング電源回路からの直流電力が、インバータの交流出力の半分の大きさの直流電力として出力される。単相三線中性発振回路からの直流電力をインバータの出力に合わせて単相三線出力が形成され、その出力が電力負荷側に給電される。また、簡易発電装置で発電された電力の内の余剰電力については、駆動制御手段の制御により、充電装置によって蓄電池に充電される。それにより、簡易発電装置が発電できないときは、蓄電池に充電された電力により、電力負荷へ給電することができる。その結果、本発明においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限が求められているときでも、電力負荷に単相三線交流電力を安定して給電することができる。
【0034】
第6の特徴において、単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側がスイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものである(請求項18の発明に相当)。これにより、上述したように、単相三線中性発振回路においては、スイッチング電源回路からの直流電圧の半分の大きさの直流電圧にされてインバータが出力する2線の中間電位となり、これによりインバータからの交流電圧とその半分の大きさの交流電圧とからなる単相三線式電圧が出力され、電力負荷側に給電される。
【発明の効果】
【0035】
本発明においては、系統電力の給電が行われている通常時には、上記電力利用システムにより、簡易発電装置で発電された電力はパワーコンディショナーで交流電力に変換されて電力会社に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷には系統電力が給電される。一方、停電時や電力消費制限が求められる時には、入力切替スイッチと出力切替スイッチの切り替えにより、簡易発電装置がスイッチング電源回路に接続されると共にインバータの出力側が電力負荷に接続され、さらに、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始し、発電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に入力される。その結果、本発明においては、停電状態になった時や接続条件入力手段により入力され接続条件記憶手段に記憶された入力及び出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間に該当するときは、簡易発電装置の発電電力を自動的に電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。さらに、本発明においては、蓄電池と充電装置を加えることにより、簡易発電装置が発電できないような場合でも、蓄電池の充電電力により電力負荷に給電することができる。
【0036】
また、本発明においては、系統電力の給電が行われている通常状態においては、上記電力活用システムにより、家庭等の電力負荷には系統電力が給電され、蓄電池には充電装置により系統電力から充電される。停電時や電力消費制限が求められる時には、出力切替スイッチの切り替えにより、インバータの出力側が電力負荷に接続され、さらに、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータとが駆動を開始し、蓄電池の充電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、停電状態になった時や接続条件記憶手段に記憶された出力切替スイッチの接続の時期及び接続の期間に該当するときは、蓄電池の充電電力を自動的に電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。
【0037】
また、本発明においては、系統電力の停電時や電力消費制限が求められる時には、簡易発電装置と電源装置を用いて、スイッチング電源回路を簡易発電装置に接続し、インバータの出力側を電力負荷に接続し、その後、駆動制御手段の制御により、スイッチング電源回路とインバータ、あるいはスイッチング電源回路と単相三線中性発振回路とインバータの駆動を開始させることができる。これにより、簡易電源装置の発電電力が交流電力に変換されて、電力負荷に給電される。その結果、本発明においては、簡易発電装置の発電電力を有効に活用して、系統電力の停電時や電力消費制限が求められる時でも、簡易発電装置の発電電力を電力負荷の駆動に効率よく活用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施例1である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図2】代替電源装置のスイッチング電源回路の概略構成を示す回路図である。
【図3】実施例1の変形例1である代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図4】実施例1の変形例2である代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図5】実施例2である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図6】代替電源装置の単相三線中性発振回路の概略構成を示す回路図である。
【図7】単相インバータと単相三線中性発振回路との関係を説明する説明図である。
【図8】実施例3である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図9】実施例4である停電時等における代替電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図10】実施例5である停電時等に対応可能な電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【図11】実施例6である停電時等に対応可能な電源装置の概略構成を示すブロック回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、実施例1である太陽電池パネルを設置した一般家庭の電力利用システムに適用され、電力会社からの系統電力の停電時や、電力会社等から電力消費制限の要請を受けた時(以下、電力消費制限時と記す)に対応可能な代替電源装置(電源装置)の概略構成をブロック回路図により示したものである。上記電力利用システムは、図1に示すように、簡易発電装置である太陽電池パネル1の出力がパワーコンディショナー2に接続されて、太陽電池パネル1で発電された直流電力がパワーコンディショナー2において商用電源の周波数の交流電力に変換されて、電力会社3に送電されるいわゆる売電が行われる。また、太陽電池パネル1が設置された一般家庭では電力会社3から給電される系統電力により各種電気製品である電力負荷4が駆動される。
【0040】
代替電源装置10は、太陽電池パネル1とパワーコンディショナー2の間に介装された入力切替スイッチ11を設けている。入力切替スイッチ11は、固定端子が太陽電池パネル1に接続されると共に、切替接点11a,11bがパワーコンディショナー2側と昇圧型のスイッチング電源回路13側に接続されている。入力切替スイッチ11は、後述する制御装置15の制御により両切替接点11a,11bへの電気的な切り替えが可能になっており、通常はパワーコンディショナー2側の切替接点11aに接続されている。スイッチング電源回路13側の切替接点11bは、逆流防止ダイオード12を介して昇圧型のスイッチング電源回路13に接続されると共に、これに並列に充電装置14に接続されている。
【0041】
スイッチング電源回路13は、図2に示すように、トランジスタTのコレクタ端子にコイルLが接続されており、コイルLの反対端が電源入力(太陽電池パネル1)の入力端子となっている。ベース端子には、制御装置15の制御により信号を生成する信号生成部13aが接続されており、その入力側が制御端子となっている。エミッタ端子側が、アースに接続されたアース端子となっている。コレクタ端子にはコイルLと並列でダイオードDが接続されており、ダイオードDの反対端側が出力端子となっており、さらに出力端子とアース端子間にコンデンサCが接続されている。なお、トランジスタTについては、バイポーラ型の代わりに電界効果トランジスタFET、IGBT等でもよい。
【0042】
スイッチング電源回路13は、制御装置15の制御により信号生成部13aから制御信号を出力してトランジスタTをオン・オフに切り替えるようになっており、それにより太陽電池パネル1からの直流電力のコンデンサCへの充電とコンデンサCからの放電をコントロールし、入力電圧を昇圧して所定の出力電圧になるように制御するものである。本実施例1では、太陽電池パネル1からの直流電圧140v〜320vを、320vの出力電圧になるように制御している。スイッチング電源回路13には単相インバータ16が接続されている。単相インバータ16は、スイッチング電源回路13からの電圧320vの直流電力を単相200vの交流電力に変換して出力するものである。
【0043】
単相インバータ16の出力端子側には電流を検出する電流センサ17が接続されており、電流センサ17には電路遮断器18が接続されている。電流センサ17の他の出力は制御装置15に接続されている。制御装置15は電流センサ17からの電流入力に応じて、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を制御するようになっている。電路遮断器18は、単相インバータ16からの出力電流が所定の上限値を超えたとき、回路を遮断するものである。電路遮断器18にはオートトランス19が接続されている。オートランス19は単巻変圧器であり、単相インバータ16からの単相200vの交流電力を単相三線200v用として変換し、単相100vと200vの交流電力として出力できるものである。
【0044】
オートトランス19の出力側には、電力負荷4に接続された出力切替スイッチ21が設けられている。出力切替スイッチ21は、固定端子が電力負荷4に接続されると共に、切替接点21aが電力会社3の系統電力の給電線に接続され、切替接点21bがオートトランス19の出力側に接続されている。出力切替スイッチ21は、制御装置15の制御により両切替接点21a,21bのいずれか一方への接続を電気的に切り替えるようになっており、通常は給電線側の切替接点21aに接続されている。
【0045】
充電装置14の入力側には切替接点11bの他に電力会社3の給電線が接続されており、入出力側には畜電池23が接続されている。蓄電池23は逆流防止ダイオード24を介してスイッチング電源回路13に接続されている。また、充電装置14の入出力端子は制御装置15に接続されている。充電装置14は、制御装置15の指令により、太陽電池パネル1からの電力あるいは電力会社3の給電線からの系統電力のいずれか一方を用いて蓄電池23を充電量を監視しながら充電させる充電機能を有する。また、充電装置14は、電力会社3からの給電状態に応じて電力会社3が通常状態か停電状態かを制御装置15に送信する停電状態検知手段としても機能する。
【0046】
制御装置15の入力側には、接続条件入力手段であるキーボードスイッチ形式等の接続条件入力部26が接続されている。接続条件入力部26は、停電のない通常時において、入力切替スイッチ11によりパワーコンディショナーナー2側の接点11aからスイッチング電源回路13側の接点11bに切り替え接続させると共に、出力切替スイッチ21により電力会社3側の接点21aから単相インバータ16側の接点21bに切り替え接続させるための接続の時期及び接続の期間(以下、スイッチ接続条件と記す)を入力できるものである。例えば電力会社から系統電力の消費制限が求められたようなとき、予め接続条件入力部26により、電力消費制限の条件に合わせて入出力切替スイッチ11,21のスイッチ接続条件を入力することができる。
【0047】
制御装置15は、I/O,CPU,RAM,ROM等を含むマイクロコンピュータ等により構成されており、接続条件記憶部としても機能するRAMに接続条件入力部26からのスイッチ接続条件等の入力内容が記憶されている。制御装置15は、充電装置14からの停電状態を示す信号に応じて、また接続条件入力部26から入力されてRAMに記憶されたスイッチ接続条件に応じて、入力切替スイッチ11をスイッチング電源13側の切替接点11bに切り替え、出力切替スイッチ21をオートトランス19側の切替接点21bに切り替えるように制御するスイッチ接続制御手段として機能する。また、制御装置15は、停電状態あるいはスイッチ接続条件に応じて、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を開始させ、上述したように蓄電池23の充電状態に応じて、太陽電池パネル1からの電力あるいは電力会社3の給電線からの系統電力のいずれか一方を用いて充電装置14を通して蓄電池23に充電させるように制御する駆動制御手段としても機能する。
【0048】
また、制御装置15は、停電状態が終了したり、接続期間が終了した場合には、入力切替スイッチ11をスイッチング電源回路13からパワーコンディショナー2側の切替接点11aに切り替え、出力切替スイッチ21を単相インバータ16側から電力会社系統電力4の系統電力側の切替接点21aに切り替え、同時にスイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作を停止させるようになっている。ただし、停電状態や電力消費制限時の終了後の入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の接続切り替えや、スイッチング電源回路13と単相インバータ16の動作の停止については、制御装置15によらず、別途切り替え手段や停止手段を設けてもよい。
【0049】
上記構成の実施例1においては、系統電力が給電されている通常状態では、制御装置15の制御により、入力切替スイッチ11がパワーコンディショナー2側の接点11aに接続されており、出力切替スイッチ21が系統電力の給電線側の接点21aに接続されている。そのため、太陽電池パネル1で発電された直流電力はパワーコンディショナー2で交流電力に変換されて電力会社3に送電されるいわゆる売電が行われ、一方、家庭等の電力負荷4には電力会社3から系統電力が給電されている。また、代替電源装置10では、系統電力例えば安価な深夜電力を利用して、制御装置15の制御に基づいて、充電装置14により蓄電池23に充電を行わせることも可能である。
【0050】
一方、事故等により系統電力が給電されない停電状態になると、充電装置14からの信号を受けて制御装置15の制御により、入力切替スイッチ11がスイッチング電源回路13側の切替接点11bに切り替えられ、出力切替スイッチ21がオートトランス19側の切替接点21bに切り替えられる。また、電力会社等から系統電力の消費制限が求められたとき、接続条件入力部26により電力消費制限に応じたスイッチ接続条件が入力されてRAMに記憶されていると、これに応じて非停電状態でも、制御装置15の制御により、同様に入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の切替接点11b,21bへの切り替え接続が行われる。
【0051】
これにより、太陽電池パネル1で発電された直流電力がスイッチング電源回路13に入力され、さらに、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始し、スイッチング電源回路13において発電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力される。単相インバータ16においては、直流電力が200vの単相交流電力に変換される。変換された交流電力は、オートトランス19において単相100vと200vの単相三線出力に変換されて、電力負荷4に給電される。その結果、実施例1においては、停電状態になったとき、あるいは接続条件入力部26により入力されて制御装置15のRAMに記憶された電力消費制限に応じたスイッチ接続条件に該当するときは、系統電力から太陽電池パネル1で発電された電力に自動的に切り替えられるため、太陽電池パネル1の発電電力を電力負荷4の連続した駆動に効率よく活用することができる。
【0052】
また、実施例1においては、蓄電池23には、制御装置15の制御に基づいて充電装置14により通常状態においては系統電力により充電が行われ、停電状態や上記スイッチ接続条件に該当するときは、太陽電池パネル1からの発電電力の内の電力負荷4で使用されていない余剰電力により充電が行われる。そのため、停電時や上記スイッチ接続条件の入力による接続の時期及び接続の期間において、夜間や悪天候時のように太陽電池パネル1が発電できなかったりあるいは発電量が不十分なような場合でも、蓄電池23に充電された電力により上述したようにスイッチング電源回路13、単相インバータ16等を経て電力負荷4に給電することができる。その結果、実施例1によれば、停電時や接続条件入力部26により入力された接続の時期及び接続の期間においても電力負荷4への給電を絶やすことなく確実に行うことができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。
【0053】
つぎに、上記実施例1の変形例1について図3を用いて説明する。
変形例1は、代替電源装置10Aを、上記実施例1のような小電力の一般家庭用ではなく工場等のような三相200vの大容量電源用として使用する場合である。代替電源装置10Aは、図3に示すように、実施例1の単相インバータ16の代わりに三相インバータ28を用い、また三相200v出力のみであるため不要なオートトランス19を除いたものであり、その他の構成については実施例1と同様である。変形例1においても、実施例1と同様の動作により、停電時における工場等の大電力用の代替電源装置として有効に活用できる。
【0054】
つぎに、上記実施例1の変形例2について図4を用いて説明する。
変形例2の代替電源装置10Bは、図4に示すように、上記実施例1の代替電源装置10において蓄電池23及び充電装置14を削除したものである。変形例2においては、夜間や悪天候のように太陽電池パネル1による発電が出来ないような場合を除いて、停電状態の発生時や入出力切替スイッチによる接続の時期及び接続の期間に、代替電源装置10Bを実施例1と同様に有効に活用できる。また、代替電源装置10Bは、蓄電池23及び充電装置14がない分、代替電源装置10に比べて非常に安価に提供される。なお、上記変形例1においても、蓄電池23及び充電装置14を削除することは可能である。
【0055】
つぎに、実施例2について説明する。図5は、実施例2である太陽電池パネルを設置した一般家庭の電力利用システムに適用され、系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置30の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置30は、上記代替電源装置10においてオートトランス19を省き、代わりにスイッチング電源回路13の出力側と出力切替スイッチ21の切替接点21bとの間に単相インバータ16と並列に単相三線中性発振回路31を接続したものであり、その他の構成については代替電源装置10と同様である。
【0056】
単相三線中性発振回路31は、図6に示すように、トランジスタT1のエミッタ端子とトランジスタT2のコレクタ端子が直列接続されており、トランジスタT1のコレクタ端子がスイッチング電源回路13に接続される入力端子となっており、トランジスタT2のエミッタ端子がアースに接続されるアース端子となっている。また、両トランジスタT1,T2の接続部分にコイルLが接続されており、コイルLの反対端側が出力端子となっている。出力端子とアース端子間にコンデンサCが接続されており、コイルLとコンデンサCにより平滑回路が構成されている。両トランジスタT1,T2のベース端子には、信号生成部31aが接続されており、信号生成部31aの入力側が制御装置15が接続される制御端子となっている。
【0057】
信号生成部31aは、所定のパルス幅でデューティ比1/2でオン・オフのずれた2つのパルス信号を生成し、トランジスタT1,T2のベース端子にそれぞれ入力して、トランジスタT1,T2を交互にオン・オフに切り替えるものである。トランジスタT1とトランジスタT2がデューティ比1/2でオン・オフを交互に繰り返すことにより、入力端子に入力されたスイッチング電源回路13からの直流電圧が平滑回路で平均化されて半分の大きさの直流電圧にされる。図7に単相インバータ16と単相三線中性発振回路31の関係を示すように、単相三線中性発振回路31からの直流電圧が、単相インバータ16が出力する2線の中間電位となる。その結果、単相インバータ16からの200vの交流電圧とその半分の大きさの100vの交流電圧からなる単相三線電圧が切替接点21bに出力されるようになる。
【0058】
以上のように、実施例2においては、単相三線中性発振回路31による100vの電圧出力が、単相インバータ16の2線の中間電位となるため、実施例1のようにオートトランス19を用いたと同様の200vと100vの単相三線の交流電力が得られ、実施例1と同様の効果が得られる。単相三線中性発振回路31と単相インバータ16による単相三線交流電力の形成は、オートトランス19を用いた場合に比べて、変換効率がやや低くなるが、代替電源装置30が非常に軽量になるため、電源装置の取り扱いが容易になるという効果が得られ、さらに装置コストも安価になる。なお、実施例2においても、実施例1の変形例2のように、蓄電池23及び充電装置14を削除した形態とすることが可能である。
【0059】
つぎに、実施例3について説明する。図8は、実施例3である電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用され、系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置40の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置40は、太陽電池パネル1等の簡易発電装置及びパワーコンディショナー2を用いないものであり、上記代替電源装置10において入力切替スイッチ11を省いたものである。代替電源装置40のその他の構成については、代替電源装置10と同様であり、説明を省略する。
【0060】
実施例3においては、系統電力が給電されている通常状態では、制御装置15の制御により、出力切替スイッチ21が系統電力の給電線側の切替接点21aに接続されているため、家庭等の電力負荷4には系統電力が給電されている。さらに、蓄電池23には、制御装置15の制御に基づいて、充電装置14により系統電力を用いて充電が行われる。系統電力としては安価な深夜電力を使用するのが好適である。一方、事故等により系統電力が給電されない停電状態になったり、あるいは電力消費制限に応じて接続条件入力部26によりスイッチ接続条件が入力され制御装置15のRAMに記憶されていると、制御装置15の制御により、直ちに出力切替スイッチ21が単相インバータ16の出力側の切替接点21bに切り替えられ、さらにスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始する。
【0061】
これにより、蓄電池23の充電電力は、スイッチング電源回路13に入力され、充電電力の直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力され、単相インバータ16において直流電力が交流電力に変換される。変換された交流電力は、オートトランス19において三相単線電圧出力に変換され、出力切替スイッチ21を経て電力負荷4に給電される。その結果、実施例3においては、停電時やスイッチ接続条件に該当した時には、系統電力から蓄電池23の充電電力に自動的に切り替えられるため、蓄電池23を充電容量の範囲内で昼夜や天候を問わずに中断することなく電力負荷4の駆動に効率よく活用することができ、常時通電が必要な電気機器の安定した使用が可能になる。なお、実施例3においても、代替電源装置として三相交流電力を出力させる場合は、上記実施例1の変形例1のように、単相インバータ16とオートトランス19の代わりに三相インバータを用いることができる。
【0062】
つぎに、実施例4について説明する。図9は、実施例4に係る系統電力の停電時や上記電力消費制限時に対応可能な代替電源装置50の概略構成をブロック回路図により示したものである。代替電源装置50は、太陽電池パネル1等の簡易発電装置及びパワーコンディショナー2を用いないものであり、上記代替電源装置30において入力切替スイッチ11を省いたものである。代替電源装置50のその他の構成については、代替電源装置30と同様であり、説明を省略する。
【0063】
実施例4においては、系統電力が給電されている通常状態では、上述したように、家庭等の電力負荷4には系統電力が給電され、蓄電池23には、充電装置14により系統電力を用いて充電が行われる。これに対して、事故等により系統電力が給電されない停電状態になったり、電力消費制限時に応じて接続条件入力部26によりスイッチ接続条件が入力されていると、制御装置15の制御により、出力切替スイッチ21が単相インバータ16の出力側の切替接点21bに切り替えられる。これにより、蓄電池23の充電電力がスイッチング電源回路13に入力され、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相三線中性発振回路31と単相インバータ16とが駆動を開始する。スイッチング電源回路13においては、蓄電池23からの直流電圧が所定の電圧に昇圧されて単相インバータ16に出力され、単相インバータ16において直流電力が単相交流電力に変換される。単相三線中性発振回路31においては、スイッチング電源回路13からの直流電力が、単相インバータ16の交流出力の半分の大きさの直流電力として出力され、単相インバータ16が出力する2線の中間電位となる。その結果、単相インバータ16からの200vの交流電圧とその半分の大きさの100vの交流電圧からなる単相三線電圧が出力され、切替接点21bを通して電力負荷4側に給電される。
【0064】
その結果、実施例4においても、停電時やスイッチ接続条件に該当した時には、系統電力から蓄電池23で充電された電力に自動的に切り替えられるため、蓄電池23を充電容量の範囲内で電力負荷4の駆動に中断なく効率よく活用することができると共に、オートトランス19を用いた場合と同様に単相三線出力を電力負荷に給電できる。また、実施例4においては、単相三線中性発振回路31を用いることにより、オートトランス19を用いた実施例3に比べて電力の変換効率がやや低くなるが、電源装置50が非常に軽量になるため、装置の取り扱いが容易になるという効果が得られ、さらに装置コストも安価になる。
【0065】
なお、上記実施例1、変形例1,2、実施例2〜4の代替電源装置10,10A,10B,30,40,50については、制御装置15の入力側に接続条件入力部26が接続されており、電力会社等から系統電力の消費制限が求められたような電力消費制限時においても、停電時と同様に、入力切替スイッチ11と出力切替スイッチ21の各切替接点が切り替えられ、スイッチング電源回路13、単相インバータ16、単相三線中性発振回路31等の動作が開始されるようになっているが、これに代えて、接続条件入力部26を省き、代替電源装置を停電時のみに対応可能なようにすることも可能である。また、代替電源装置10,10A,10B,30,40,50については、接続条件入力部26によって接続時期と接続期間が入力され、この入力データが制御装置15のRAMに記憶されるようになっているが、これに代えて接続条件入力部としてパソコン等を用いて入力データをCDROM等の記憶装置に記憶しておき、この記憶装置を制御装置15に接続させるようにしてもよい。
【0066】
つぎに、実施例5について説明する。図10は、実施例5に係る停電時や電力消費制限時に対応可能な電源装置60の概略構成をブロック回路図により示したものである。電源装置60は、電力会社3の系統電力とは無関係なもので、パワーコンディショナー2も不要であり、太陽電池パネル1等の簡易発電装置のみと組み合わせて使用されるものである。電源装置60は、上記実施例1に係る代替電源装置10において入力切替スイッチ11が切替接点11bに接続され、出力切替スイッチ21が切替接点21bに接続されるようになっている。従って、入力切替スイッチ11、出力切替スイッチ21を単なるオンオフスイッチに代えてもよく、スイッチに代えて単に太陽電池パネル1と電力負荷4に直接接続するのみでもよい。また、蓄電池23も太陽電池パネル1からの発電電力のみにより充電可能になっている。また、代替電源装置10に設けられた接続条件入力部26についても省かれる。制御装置15についても、充電装置14の制御と、スイッチング電源回路13とインバータ16の制御のみとなる。制御装置15については、図示しない電源スイッチをオンさせることにより制御が開始される。
【0067】
実施例5においては、系統電力の停電発生時や、上記電力消費制限時に、入力切替スイッチ11によってスイッチング電源回路13を太陽電池パネル1に接続し、出力切替スイッチ21によって単相インバータ16の出力側を電力負荷4に接続することにより、太陽電池パネル1の発電電力がスイッチング電源回路13に入力される。制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16が駆動を開始し、スイッチング電源回路13からの直流出力が単相インバータ16において交流出力に変換されて、電力負荷4に給電される。また、太陽電池パネル1で発電された電力の内の余剰電力については、制御装置15の制御により、充電装置14によって蓄電池23に充電される。一方、太陽電池パネル1が発電できないときは、蓄電池23充電された電力により、電力負荷4へ給電することができる。その結果、実施例5においては、系統電力の停電発生時や、電力消費制限時においても、太陽電池パネル1と電源装置60の組み合わせにより、電力負荷4に交流電力を安定して給電することができる。
【0068】
つぎに、実施例6について説明する。図11は、実施例6に係る停電時や電力消費制限時に対応可能な電源装置70の概略構成をブロック回路図により示したものである。電源装置70は、電力会社3の系統電力とは無関係なもので、パワーコンディショナー2も不要であり、太陽電池パネル1等の簡易発電装置と組み合わせて使用されるものである。電源装置70は、上記実施例2に係る代替電源装置30において入力切替スイッチ11が切替接点11bに接続され、出力切替スイッチ21が切替接点21bに接続されるようになっている。従って、入力切替スイッチ11、出力切替スイッチ21をオンオフスイッチに代えてもよく、スイッチに代えて単に太陽電池パネル1と電力負荷4に直接接続するのみでもよい。また、蓄電池23も太陽電池パネル1のみにより充電可能になっている。制御装置15についても、充電装置14の制御と、スイッチング電源回路13と単相インバータ16と単相三線中世発振回路31の制御のみとなる。
【0069】
実施例6においても、実施例5と同様、系統電力の停電発生時や電力消費制限時に、スイッチング電源回路13を太陽電池パネル1に接続し、単相インバータ16の出力側を電力負荷4に接続することにより、太陽電池パネル1の発電電力がスイッチング電源回路13に入力されると共に、制御装置15の制御によりスイッチング電源回路13と単相インバータ16と単相三線中性発振回路31が駆動を開始する。また、太陽電池パネル1で発電された電力の内の余剰電力については、制御装置15の制御により、充電装置14によって蓄電池23に充電される。それにより、太陽電池パネル1が発電できないときは、蓄電池23充電された電力により、電力負荷4へ給電することができる。その結果、実施例6においても、実施例5と同様の効果が得られる。なお、実施例5,6の電源装置60,70については、太陽光パネルと合わせて停電時や電力消費制限時において電力負荷4への非常電源として対応可能であるが、これに限らず、山間等の系統電力のない地域における電源装置としても使用可能である。
【0070】
なお、上記実施例2、4及び6において用いられる単相三線中性発振回路31については、単相インバータ16との組み合わせにより、直流入力電圧を単相三線出力電圧に変換することができるものである。従って、単相三線中性発振回路31と単相インバータ16との組み合わせに関しては、実施例2、4、6のように太陽電池パネル等の簡易発電装置や蓄電池の直流電力を単相三線交流電力に変換して電力負荷に給電する用途に限らず、その他の直流電力を単相三線交流電力に変換して出力するような種々の用途にも使用可能である。その他、上記各実施例及び変形例については一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々変更して実施することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
1…太陽電池パネル、2…パワーコンディショナー、3…電力会社、4…電力負荷、10,10A,10B,30,40,50…代替電源装置、11…入力切替スイッチ、13…スイッチング電源回路、14…充電装置、15…制御装置、16…単相インバータ、19…オートトランス、21…出力切替スイッチ、23…蓄電池、26…接続条件入力部、28…三相インバータ、31…単相三線中性発振回路、60,70…電源装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、
直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記簡易発電装置の接続を前記パワーコンディショナーと前記スイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段により入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、
前記駆動制御手段の制御により、通常状態においては前記系統電力により前記蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間においては前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置とを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、
直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、
前記簡易発電装置の接続を前記パワーコンディショナーと前記スイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項6】
前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の電源装置。
【請求項8】
前記スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、
前記駆動制御手段の制御により、通常状態においては前記系統電力により前記蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間においては前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置とを設けたことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項9】
電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、該系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、
前記蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御に基づいて前記系統電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項10】
前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させると共に、前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させることを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項9又は10に記載の電源装置。
【請求項12】
電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、該系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、
前記蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記出力切替スイッチの接続を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に切り替えさせるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したときは、これに応じて前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御に基づいて前記系統電力により前記蓄電池を充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項13】
前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることを特徴とする請求項12に記載の電源装置。
【請求項14】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項12又は13に記載の電源装置。
【請求項15】
簡易発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換して、該交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、
蓄電池と、
前記簡易発電装置あるいは前記蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に給電するインバータと、
前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御により、前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項16】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項15に記載の電源装置。
【請求項17】
簡易発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換して、該交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、
蓄電池と、
前記簡易発電装置あるいは前記蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成して電力負荷に給電する単相三線中性発振回路と、
前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御により、前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項18】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項17に記載の電源装置。
【請求項1】
簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、
直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記簡易発電装置の接続を前記パワーコンディショナーと前記スイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段により入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させることを特徴とする請求項1に記載の電源装置。
【請求項3】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電源装置。
【請求項4】
前記スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、
前記駆動制御手段の制御により、通常状態においては前記系統電力により前記蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間においては前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置とを設けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項5】
簡易発電装置で発電された直流電力をパワーコンディショナーを通して交流電力に変換して電力会社に送電し、電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させる電力利用システムに適用される電源装置であって、
直流入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、
前記簡易発電装置の接続を前記パワーコンディショナーと前記スイッチング電源回路のいずれか一方に切り替え可能な入力切替スイッチと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項6】
前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記入力切替スイッチにより前記簡易発電装置を前記スイッチング電源回路に接続させると共に前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることを特徴とする請求項5に記載の電源装置。
【請求項7】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項5又は6に記載の電源装置。
【請求項8】
前記スイッチング電源回路に直流電力を給電可能な蓄電池と、
前記駆動制御手段の制御により、通常状態においては前記系統電力により前記蓄電池に充電可能であり、停電状態あるいは前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間においては前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置とを設けたことを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の電源装置。
【請求項9】
電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、該系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、
前記蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換するインバータと、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータの出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御に基づいて前記系統電力により前記蓄電池に充電可能な充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項10】
前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータの出力側に接続させると共に、前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させることを特徴とする請求項9に記載の電源装置。
【請求項11】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項9又は10に記載の電源装置。
【請求項12】
電力会社からの系統電力により電力負荷を駆動させると共に、該系統電力を用いて蓄電池に充電可能な電力活用システムに適用される電源装置であって、
前記蓄電池から給電される直流電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成する単相三線中性発振回路と、
前記電力負荷の接続を前記系統電力の給電線と前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側のいずれか一方に切り替え可能な出力切替スイッチと、
前記系統電力が停電状態であるか否かを検知する停電状態検知手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したとき、これに応じて前記出力切替スイッチの接続を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に切り替えさせるスイッチ接続制御手段と、
前記停電状態検知手段が停電状態を検知したときは、これに応じて前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御に基づいて前記系統電力により前記蓄電池を充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項13】
前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させるための接続の時期及び接続の期間を入力する接続条件入力手段と、
前記接続条件入力手段に入力された前記接続の時期及び接続の期間を記憶する接続条件記憶手段とを設け、
前記接続条件記憶手段に記憶された前記接続の時期及び接続の期間に応じて、前記スイッチ接続制御手段の制御に基づいて、前記出力切替スイッチにより前記電力負荷を前記インバータ及び単相三線中性発振回路の出力側に接続させ、さらに前記駆動制御手段の制御により前記スイッチング電源回路、単相三線中性発振回路及びインバータの動作を開始させることを特徴とする請求項12に記載の電源装置。
【請求項14】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部分に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項12又は13に記載の電源装置。
【請求項15】
簡易発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換して、該交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、
蓄電池と、
前記簡易発電装置あるいは前記蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を交流電力に変換して電力負荷に給電するインバータと、
前記スイッチング電源回路と前記インバータの動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御により、前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項16】
前記インバータを単相インバータとし、該単相インバータの出力側に、該単相インバータからの交流電力を単相三線出力に変換するオートトランスを設けたことを特徴とする請求項15に記載の電源装置。
【請求項17】
簡易発電装置で発電された直流電力を交流電力に変換して、該交流電力により電力負荷を駆動させる電源装置であって、
蓄電池と、
前記簡易発電装置あるいは前記蓄電池からの直流電力の入力電圧を所定電圧に昇圧して出力するスイッチング電源回路と、
該スイッチング電源回路からの直流電力を単相交流電力に変換するインバータと、
前記スイッチング電源回路からの直流電力を前記インバータからの交流電力の半分の大きさの直流電力として出力し、該インバータの出力と合わせて単相三線出力を形成して電力負荷に給電する単相三線中性発振回路と、
前記スイッチング電源回路、インバータ及び単相三線中性発振回路の動作を開始させる駆動制御手段と、
前記駆動制御手段の制御により、前記簡易発電装置からの余剰電力により前記蓄電池に充電させる充電装置と、
を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項18】
前記単相三線中性発振回路が、第1及び第2トランジスタが直列接続されて、一端側が前記スイッチング電源回路からの入力端子で他端側がアース端子となっており、該第1トランジスタと第2トランジスタの接続部に平滑回路が接続されて出力端子につなげられ、該第1及び第2トランジスタの制御端子側にそれぞれデューティ比1/2のパルス信号を入力して該第1及び第2トランジスタを交互にオン・オフさせる信号生成回路が接続されたものであることを特徴とする請求項17に記載の電源装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−63010(P2013−63010A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−92832(P2012−92832)
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(508362310)八和エレック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年4月16日(2012.4.16)
【出願人】(508362310)八和エレック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】
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