説明

電磁弁

【解決手段】この発明は、バルブハウジング(6)内に圧力媒体ダクトを接続するか、または分離するために、マグネットアーマチャ(3)と相互に作用し、かつマグネットアーマチャ(3)を作動するためのマグネットコイル(1)を有するバルブハウジング(6)内に留められる弁座スリーブ(26)に配置される弁座(8)に対して整列されるバルブ閉塞部材(14)を保持する電磁弁に関する。前記マグネットコイル(1)は、磁束を導かず、磁気的に導通可能なバルブハウジング(6)のスリーブ区分(15)に対して押圧される。
この発明は、前記マグネットアーマチャ(3)が、弁座スリーブ(26)の中心に位置し、その目的のために、前記弁座スリーブ(26)は、閉塞部材(14)が固定されるマグネットアーマチャ(3)の盲穴(22)内に延びている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特許請求項1の前文による電磁弁に関する。
【背景技術】
【0002】
ドイツ特許再公表 DE 102 54 342 A1 は、既に、そのバルブハウジングが、マグネットアーマチャと相互作用し、かつ、バルブハウジング内の弁座に対して導かれるバルブ閉塞部材(closing element)を収容するこのタイプの電磁弁を開示している。スリーブ状のバルブハウジング区分の外部で配置されるマグネットコイルは、前記マグネットアーマチャを動作するために設けられる。中心におかれる本体(centering body)は、バルブ閉塞部材が入っており、弁座に関してバルブ閉塞部材を正確に位置づけるために、弁座スリーブにおいて明瞭に相互に関連された方法で配置される。
【0003】
弁座スリーブにおける中心におかれる本体の配置は、追加の構造コストを構成する。さらに、このことは、電磁弁の全高を増加し、さらに、マグネットアーマチャは、また、望ましくない摩擦条件を考慮してバルブハウジングにおけるそのアウターケーシングに沿って案内されなければならない。
【発明の開示】
【0004】
したがって、この発明の目的は、上述した不利益が生じないような方法で、特定のタイプの電磁弁を改良することである。
【0005】
この発明によれば、この目的は、特許請求項1の特徴をなす特徴によって特定されたタイプの電磁弁のために達成される。
【0006】
この発明のさらなる特徴および利点は、代表的な実施例の記述において、以下に見出すことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、縦断面において描かれている電磁弁を示しており、この電磁弁は、2/2ウェイ・シートバルブとして設計され、かつカートリッジとして設計されているバルブハウジング6を有しており、また、マグネットアーマチャ3によって動作することができ、さらにはバルブハウジング6内における弁座8で同心的に配置されるバルブ閉塞部材14を収容している。
【0008】
マグネットコイル1は、マグネットアーマチャ3を作動するために、バルブハウジング6の壁の薄いスリーブ区分15の外部に配置され、前記マグネットコイルは、磁束を導くヨークプレート5によって囲まれている。バルブハウジング6のスリーブ区分7は、磁束を導かず、スリーブ区分15とマグネットコア25との間の永続的な接続を確立する溶接シーム21とともに、マグネットコア25によって閉塞される。さらなる溶接シーム21は、非磁性のスリーブ区分15と、磁束を導くバルブカートリッジとの間の必要な接続を確実にする。
【0009】
マグネットコア25とマグネットアーマチャ3との間に軸方向ギャップ2があり、この軸方向のギャップは、マグネットアーマチャ3の横方向表面とバルブハウジング6との間に設けられる放射方向のギャップ4と同様に、電磁気励起の間、磁力線によってブリッジされる。
バルブハウジング6の下方部は、磁束を導くものであり、その上側表面において磁気ヨークプレート5が安置するバルブカートリッジを形成する。このバルブカートリッジの下側領域は、圧力媒体ダクト9、およびさらなる圧力媒体ダクト10を備えている弁座スリーブ26を備えている(accommodates)。このヨークプレート5は、マグネットコイル1を収容するためにマグネットコイル外形に相応して一致する。
【0010】
マグネットコイル1に電気エネルギーを供給するために、マグネットコイル1を収容するヨークプレート5は、マグネットコイル1に接続される電気接点23が、液密の方法でそれを通して導かれる通路開口13を備えている。
【0011】
可能な限り有効なマグネットアーマチャ3における磁力効果をなし、かつ、可能な限り低い電磁弁の全高を維持するために、マグネットアーマチャ3は、1と同等か、それ以下である高さ対幅の比を有し、その結果、実際上、マグネットアーマチャ3の高さは、マグネットアーマチャ3の外径を超えることができない。
【0012】
可能な限りコスト効率の良い生産を可能にするために、ヨークプレート5およびスリーブ区分15は、深絞りされた部品として形成され、また、マグネットアーマチャ3およびマグネットコア25は、冷間成形、または押出し成形された部品として形成される。バルブカートリッジも、その外側輪郭が、バルブブロック11の材料が、バルブカートリッジよりも柔軟であって、バルブブロック11内のバルブハウジング6を固定し、かつシールするために、柔軟に(plastically)置き換えられる環状溝12を備えたハウジングステージを有している管状材料(blank)からの冷間成形部品として生産される。
【0013】
さらに、その描かれた電磁弁は、バルブカートリッジの下側突出部7であって、それは栓(peg)の態様で段を付けられて(stepped)、そこに配置され、環状のフィルタ素子として設計されて、汚れが通常に調整される圧力媒体ダクト9に入るのを防止するフィルタ素子19を有している。バルブの全高を減少するために、圧力媒体ダクト9は、バルブハウジング6であって、栓の方法で段を付けられるものの上の中間ベース内に圧力媒体ダクト10に正確に平行に、形成され、そして、前記中間ベースの下側栓状の端部の直径は、それがバルブ収容穴18のベースにおける比較的低い圧迫力(press-in force)によってダクト穴(バルブ接続24)内にシールするやり方で延びるような程度に寸法において減少する。
【0014】
図1における基本位置において閉塞している電磁弁は、マグネットコア25内に盲(blind)孔16を有しており、この盲孔には、マグネットアーマチャ3まで延びる圧縮バネ17が挿入される。この圧縮バネ17から背く(averted)マグネットアーマチャ3の端面は、圧縮バネ17の動作の下、じょうご状の弁座8において押圧される球形弁閉塞部材14も収容される盲孔22を備えている。弁座8は、バルブハウジング6内に押され、事実上、盲孔22の全深さを超えてマグネットアーマチャ3内に延びる弁座スリーブ26の上部端に配置される。したがって、マグネットアーマチャ3は、弁座スリーブ26に沿って、単純で、特にコンパクトなやり方で正確に導かれ、その結果相応して中心に位置される(centered)。その結果、バルブハウジング壁に沿ったマグネットアーマチャ3の複雑な外部のセンタリングは、省略することができる。
【0015】
バルブ閉塞部材14は、それがコンデンサ放電溶接によって中心に受入れられるような単純なやり方で、マグネットアーマチャ3内の盲孔22のベースに堅固に固定される。弁座8に関するバルブ閉塞部材14を正確に中心に置くために、弁座スリーブ26は、盲孔22内に小さな遊びをもって延びており、その結果、マグネットアーマチャ3は、弁座スリーブ26において低レベルの摩擦をもって、内部で中心に置かれる。盲孔22の横方向側面は、縦方向の溝20を有しており、その結果、充分に大きな横断面を有する低抵抗の液圧接続は、それが電磁的に開放されるバルブの位置におけるバルブブロック11内の2バルブ接続27間に確実にされる。
【0016】
ダクト穴(垂直のバルブ接続27)の栓状突出部7の望ましい密封をし、かつ固定する効果は、管状突出部7における鋸歯状、またはモミの球果状の輪郭のように設計によって支援される。代案として、突出部7の周面上の複数のチャンネルは、さらに必要な固定をし、さらにシールする効果を確実にすることができる。
【0017】
図示された電磁弁は、好ましくは、スリップ制御される自動車両ブレーキ装置において使用され、その区分だけが描かれているが、そのために、バルブブロック11は、電力なしで開放される電磁弁を収容するために複数の列におけるバルブブロック11内に作られる多数のバルブ収容穴18を有している。このことは、そのバルブブロック11が、描かれた電磁弁の低い全高のための、全体として非常に平担な構造である特別にコンパクトなブレーキ装置を提供する。各車輪ブレーキの下流に配置されるさらなる電磁弁とともに、適切な制御電子装置が、スリップ制御の場合には車輪ブレーキにおけるブレーキ圧力の増加または減少を制御することができる。
【0018】
要約するために、バルブ閉塞部材14も、必然的に弁座8に関して常に正確に位置付けられる結果として、この発明による提案された特徴は、特別に小さな電磁弁に、今までに知られているバルブと比較して、特別に正確である弁座スリーブ26におけるマグネットアーマチャ3の低摩擦センタリングを提供する。
【0019】
図1に示されるように、全ての引用された部品は、バルブの長手方向軸に関して回転対称の仕方で、位置付けされ、このことは、その部品の機械による生産および組立てを支援する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】縦断面である。
【符号の説明】
【0021】
1 マグネットコイル 2 軸方向ギャップ 3 マグネットアーマチャ
4 放射方向のギャップ 5 ヨークプレート 6 バルブハウジング
7 突出部 8 弁座 9、10 圧力媒体ダクト 11 バルブブロック 12 環状溝 13 通路開口 14 バルブ閉塞部材 15 スリーブ区分 16、22 盲孔 17 圧縮バネ 18 バルブ収容穴 19 フィルタ素子 20 縦方向溝 21 溶接シーム 23 接点 24 バルブ接続 25 マグネットコア 26 弁座スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧力媒体ダクトを接続し、または分離するために、バルブハウジング内に、 マグネットアーマチャと相互に作用しかつ前記バルブハウジング内に固定される弁座スリーブに配置される弁座に向かって導かれるバルブ閉塞部材を収容し、マグネットコイルが前記バルブハウジングのスリーブ区分において、押圧されるマグネットアーマチャを作動するためのマグネットコイルを有する電磁弁であって、前記バルブ閉塞部材(14)が配置されるマグネットアーマチャ(3)内の盲孔(22)内に、前記弁座スリーブ(26)が延びるために、前記マグネットアーマチャ(3)は、前記弁座スリーブ(26)において中心に位置することを特徴とする電磁弁。
【請求項2】
充分に大きく、低抵抗の液圧接続が、前記弁座スリーブ(26)を通過する圧力媒体ダクト(10)と、それが前記弁座から離れて上げられる前記バルブ閉塞部材(14)の位置におけるバルブハウジング(6)を通過する圧力媒体ダクト(9)との間で確実にされることによって、前記盲孔(22)の横方向外側面は、縦方向の溝(20)を有することを特徴とする請求項1記載の電磁弁。
【請求項3】
前記弁座スリーブ(26)の領域において、前記バルブハウジング(6)は、下方端部で、バルブブロック(11)内のバルブ収容穴(18)内に押圧することができる管状の突出部(7)を有するバルブカートリッジとして設計されていることを特徴する請求項1または請求項2記載の電磁弁。
【請求項4】
前記バルブカートリッジは、個別の部品として設計される前記スリーブ区分(15)に統合して接続され、前記突出部(7)から背く端面で、前記バルブカートリッジから背くスリーブ区分の端部は、前記盲孔(16)を備え、かつ前記スリーブ端部に統合して接続されるマグネットコア(25)によって閉塞されることを特徴とする請求項3記載の電磁弁。
【請求項5】
圧縮バネ(17)は、盲孔(16)から突出するそのバネ端部経由でマグネットアーマチャ(3)において支持されて、前記盲孔(16)内に挿入されることを特徴とする請求項4記載の電磁弁。
【請求項6】
前記マグネットアーマチャ(3)の外径は、少なくとも前記マグネットアーマチャ(3)の高さと同じくらいの大きさに選択されていることを特徴とする前記請求項のいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項7】
前記マグネットアーマチャ(3)および前記マグネットコア(25)は、冷間成形されるか、押出成形される部品の形態であり、さらに、前記スリーブ区分(15)は、深絞りされた部品の形態であることを特徴とする前記請求項のいずれか1項記載の電磁弁。
【請求項8】
前記バルブ閉塞部材(14)は、好ましくは球状であり、かつ、好ましくはコンデンサ放電溶接によって、盲孔(22)のベースに統合して固定されることを特徴とする前記請求項のいずれか1項記載の電磁弁。

【図1】
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【公表番号】特表2009−530560(P2009−530560A)
【公表日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−500824(P2009−500824)
【出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【国際出願番号】PCT/EP2007/052387
【国際公開番号】WO2007/107486
【国際公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【出願人】(500030596)コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー (126)
【Fターム(参考)】