説明

電磁放射光を反射及び検出する装置

2個の導電性電極間に挟まれた絶縁性の焦電及び/又は圧電材料の薄層で形成される、電磁放射光を同時に検出し反射する装置。最も上部の電極は、放射光を反射部分と吸収される非反射部分とに分離することができ、絶縁層は、最も上部の電極によって吸収される電磁放射光の強度に依存する電気的特性を有している。2個の電極間で測定される電圧及び/又は電流は、絶縁層の電気的特性に敏感であって、吸収された電磁放射光の強度を表す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入射電磁放射光を反射及び検出する装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の電磁放射光の検出器は、その活性領域上に入射するすべての電磁放射光を吸収し、これを表す出力を供給するべく設計及び最適化されている。このような検出器は、正確には、エンドポイント検出器と呼ばれ、計器又は分析器内の光学経路の端部において光の強度を計測することを目的とするものである。これらの装置を使用することにより、パルス状の電磁放射光又は連続波(CW)の電磁放射光を検出可能である。
【0003】
一方、光の経路に沿った複数のポイントにおいて、レーザーからの光パルスを計測することにより、複数中間ポイント検出タイプのシステムを提供する必要がある場合には、別のタイプの装置を使用することになる。現時点において利用可能な装置は、複数の別個のコンポーネント(即ち、電磁放射光透過基板上の高反射率の表面から構成されるミラーと、別個の検出器)から構成されている。検出器は、ミラーによって反射されず、ミラーを通過した電磁放射光のエネルギーを計測する。このタイプの装置は、キャビティリングダウン(Cavity Ring Down:CRD)分光法の高感度分析法に使用されている。この分析法の場合には、単一の小さな面積の検出器(1〜20mm2)を使用しており、光共振器を使用することによって、光パルスを検出器に周期的に戻している。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、電磁放射光を同時に反射及び検出する装置が提供され、この装置は、層表面に入射した電磁放射光を同時に反射および吸収する導電性材料から製造された第1の層であって、入射電磁放射光を反射部分と非反射部分に分離し、反射部分の電磁放射光を装置から離れるように反射すると共に、非反射部分の電磁放射光を吸収する効力を有する第1の層と;第1の層の下部に位置し、第1の層によって吸収された電磁放射光の強度に依存する電気特性を具備する材料から製造された第2の層と;第2の層の下部に位置し、導電性材料から製造された第3の層と;を有し、第1の層と第2の層は、第1電極と第2電極をそれぞれ形成しており、これらの電極間において計測される電圧及び/又は電流は、電気特性に応答すると共に、吸収された電磁放射光の強度を表している。
【0005】
検出表面は、実際には、組み合わされたミラーと検出器(検出ミラー)を画定している。この目的とするところは、入射電磁波の既定の比率を反射しつつ、入射電磁放射光の非反射部分を効率的に計測することにある。従来技術による装置と比べた場合のこの装置の利点は、この装置では光学経路から装置基板が除去されることである。この利点は、電磁スペクトルの赤外領域の放射光を検出する際に、特に重要である(赤外領域においては、透過成分に、しばしば、光学的及び機械的パラメータ間における不可避な妥協が伴っており、この結果、性能が理想の性能から大幅に低下することになる)。
【0006】
本発明による装置は、高速の応答特性を具備可能であり、従って、短いパルスレーザー信号及びリングダウン信号の検出に適している。
【0007】
本発明は、特に赤外放射光の検出に適用可能である(但し、これに限定されるものではない)。吸収バンドが強いのみならず、その構造がより単純であることから、分光法のアプリケーションには、赤外放射光を使用することが望ましい。この結果、高感度の計測を実行可能であり、スペクトルの曖昧さが大幅に低減する。
【0008】
電磁スペクトルの赤外領域での使用に適した従来技術による検出器の多くは、一般に、高速の時間応答特性を具備しておらず、又、高速なものの場合には、通常、放射光検出用の小さな活性領域しか具備していない(1〜20mm2)。
【0009】
これとは対照的に、本発明による装置は、大きな活性領域を具備可能であり(通常、500mm2)、且つ、サブナノ秒レベルの応答特性(通常、0.5〜2ナノ秒)を実現することができる。これは、従来の装置を使用しては、費用効率の高い方式で実現することができない重要な特徴である。又、この装置の時間応答特性と感度は、活性領域の全体にわたって均一であり、この装置は、ハイレベルな物理的及び光学的な安定性を具備している。
【0010】
吸収プロセスは、通常、第1の層内において、フェムト秒レベルの時間尺度で実行され、従って、この装置のサブナノ秒レベルの応答時間は、主に第2の層の絶縁材料の応答時間に依存することになる。通常、PVDFやPVDF/TrFEコポリマーなどの絶縁材料を使用しているが、この代わりに、更に高速の応答時間を具備するその他の材料を使用することも可能であろう。
【0011】
又、前述のように、既存の装置は、いくつかの別個のコンポーネント部品から構成されているが、本発明による装置は、これとは対照的に、統合された構造を具備する単一の装置である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、一例として、添付の図面を参照し、本発明の実施例について説明する。
【0013】
図1は、短いレーザーパルスを検出及び反射するのに特に適した高速応答大活性領域電磁放射光検出装置を示している。この装置は、焦電及び/又は圧電活性絶縁材料の薄い層3の両側に配設された金属電極のペア1、2から構成されている。これらの電極1、2及び絶縁層3は、プレフォームされた基板4上に取り付けられている。この基板は、電極1、2と層3が適合する所望の形状を具備するようにプレフォームされている。そして、この基板は、通常、プリント回路基板(Printed Circuit Board:PCB)5の上面に直接取り付けられており、このPCBの裏面には、前置増幅器電子回路6が取り付けられている。尚、必要に応じて、遮蔽された容器(図示されてはいない)の内部にこの装置を取り付けることにより、外部で生成される高周波(Radio−Frequency:RF)干渉に対する露出を極小化することができる。
【0014】
上部金属電極1は、電磁放射光が入射する表面を提供している。この電極1は、光学的に不透明な導電性材料の薄い層によって製造されている。この層は、本装置内において、いくつかの異なる機能を実行する。
【0015】
即ち、第1に、この層は、反射鏡面を具備しており(即ち、これは、スネルの反射法則に従って機能する)、従って、入射電磁放射光の中の一定比率を反射するミラーとして機能する。このために、この層の上部表面は、望ましい光学的な平坦さを具備している。前述のように、このミラーの形状は、所望の光学的な仕上げを具備する基板4の形状によって決定される。この例においては、ミラーは凹面である。又、この層は、反射されない電磁放射光のエネルギーを吸収し、この吸収したエネルギーを絶縁層3に伝達する。そして、最後に、この層は、電極としても機能し、この電極は、電極2と協働して、絶縁層3を横断して生成される電流又は電圧の計測を可能にしている。尚、この第1の層は、拡散反射表面を具備することも可能である。
【0016】
この上部金属電極1に使用する材料は、第一義的には、その光学的及び電気的特性の観点において選択されるが、その化学的特性の観点においても、同様に選択可能である。通常、この金属電極1は、銀、金、アルミニウム、又は銅から製造されるが、この代わりに、その他の金属を使用することも可能である。又、この上部金属電極1は、その上部表面上に被覆として提供される追加層10を具備することも可能である。この層10は、特定範囲の波長に対して透明であってよく、高域、低域、又は帯域通過フィルタとして機能するものであってよい。或いは、この代わりに(又は、これに加えて)、層10は、例えば、金属層1を酸化から保護するための化学的な保護層として機能することも可能である。この追加層10は、特に1つ又は複数の帯域の波長に対して反射性を有すると共に、その他のすべての波長に対しては、光学的な透過性を有するものであってよい。この場合には、この追加層10を使用することにより、上部電極1に到達する電磁放射光の強度を効率的に減衰させることが可能であり、この結果、上部電極1の反射/吸収比率を微細に制御することできる。尚、この追加層10は、単一の層であってもよく、或いは、複数の層から構成することも可能である。又、この追加層10は、金属電極1の形状に適合していることが好ましいが、その他の形状も考えられる。
【0017】
上部金属電極1の許容可能な最低厚さは、その装置の導電性及び光学的な不透明性要件によって定義され、上部金属電極1の最大厚さは、望ましくない機械的及び電磁的な共振を抑圧するためのニーズによって定義されることになる。通常、この電極1は、0.5μm〜100μmの均一な厚さを具備しているが、この範囲を超えるその他の厚さを使用することも可能である。
【0018】
この上部電極1は、好適な実施例においては、圧電及び/又は焦電活性絶縁層3上に、連続した均一な金属薄膜を堆積することによって形成される。
【0019】
2つの金属電極1、2間に提供されている絶縁層3は、これらを分離していると共に、上部金属電極1によって吸収されたエネルギー用の検出媒体としても機能している。吸収されたエネルギーは、絶縁層3の焦電及び誘電特性を監視することによって検出される。具体的には、絶縁層3の材料の電気特性は、電極1の材料によって吸収される電磁放射光の強度に依存し、この結果、電極1、2間において、絶縁層を横断して計測される電圧及び/又は電流は、入射放射光の非反射部分における電磁放射光の強度を表すことになる。層1の導電性材料が電磁放射光を吸収することにより、圧電及び/又は焦電活性材料の分極及び誘電特性が変化し、この結果、電極1、2において計測可能な電荷が生成されるものと考えられる。この絶縁層3は、通常、ポリ(ビニリデンジフロライド)(PVDF)やポリ(ビニリデンジフロライド)/トリフルオロエチレン(PVDF/TrFE)コポリマーなどの焦電及び圧電活性ポリマー薄膜から製造されている。尚、このような材料に、焦電及び圧電活性を付与するには、分極処理(Poling)が必要である。この手順を実行する方法及び技法については、周知であり、Miranda他による「Appl.Phys.A」(第50巻、431〜438頁、1990年)に、その例が記載されている。
【0020】
下部電極2も、導電性材料から製造されており、第2出力電極を提供している。この第2電極2は、絶縁基板4上に堆積された薄い金属層(0.5〜100μm)であってよく、或いは、この代わりに、これを基板4から構成することも可能である。
【0021】
本装置は、伝送路の要件とHF及びUHFでの動作に適した出力インピーダンスを考慮して電気的に終端されており、プリント回路基板(PCB)5の裏面には、前置増幅器電子回路6が取り付けられている。この電気的な端子は、受動的又は能動的な電気抵抗装置であってよい。受動装置は、通常、50Ωの抵抗値を具備する電気抵抗装置である。一方、能動装置は、50Ωの出力インピーダンスを有するFET入力高周波前置増幅器であることが好ましいが、この代わりに、その他の能動端子装置を使用することも可能であろう。尚、最適な動作を確保するべく、この電気的な端子と検出装置間の距離は、相対的に短く維持されている(通常、5mm未満である)。
【0022】
この装置の場合には、上部金属電極1は、効率的な伝導に必要とされる最小の厚さにおいて、電磁放射光に対して光学的に不透明であり、従って、非反射電磁放射光は、透過することなく、金属電極1によって吸収される。これは、電磁放射光の相対的に長い波長(例:赤外放射光)を検出する際に、この装置が、特に効果的且つ理想的なソリューションを提供することを意味している。従来の構成においては、ミラーと検出器間に通常配置されている放射光透過材料が、機械的な安定性を欠いていたり、或いは、独自の吸収帯域を具備し、この結果、相対的に長い波長の検出の際に、その構造の全体的な有効性が制限されていた。この本装置における反射層の使用は、電磁放射光の非反射入射エネルギーの計測を可能にするための効率的且つ光学的に単純な方法である。
【0023】
本装置の主なアプリケーションは、キャビティリングダウン分光法などのマルチパスガス分子分光法に使用する反射器と検出器の組み合わせとしてのものであり、その使用の容易性と単純さの両方の観点において、本装置は、特に、キャビティリングダウン分光法に適している。又、本装置のその他のアプリケーションには、インラインビームモニタやレーザーキャビティモニタとしての使用が含まれる。
【0024】
本装置の有用な波長範囲は、上部金属電極1の反射特性と同一であり、これは、軟X線/深紫外(Deep Ultra Violet:DUV)から、可視、そして、赤外から遠赤外にまで及んでいる。この波長範囲は、0.15μm〜1cmである。又、上部金属電極1の反射率を変化させることにより、所望の反射/吸収比率特性を付与することができる。この反射率の変更は、キャビティリングダウン分光法において、所与のアプリケーション用の最適な出力感度と最大光学経路長を得るのに特に有益である。
【0025】
尚、本装置は、図面を参照して説明した特定の幾何学的構成に限定されるものではないことを理解されたい。例えば、図2に示されている装置は、円形の活性領域を具備しているが、本装置は、この代わりに、正方形や矩形の活性領域を具備することも可能であろう。
【0026】
同様に、本装置は、凹面の上部表面を具備しているが、この上部表面を、その他の幾何学的構成にすることも可能である。例えば、本装置は、完全に平坦な表面を具備することも可能であり、或いは、表面を複雑な形にすることも可能である。究極的には、本装置の形状は、絶縁層3を堆積するのに使用する製造プロセスの制限によって定義されることになる。
【0027】
又、セグメント化された第1及び/又は第3導電性層によって本装置を形成することにより、互いに電気的に絶縁された複数の導電性領域を提供することも可能であることを理解されたい。この結果、このセグメント化された層は、n個の要素のアレイ(ここで、nは、1よりも大きい)として機能することができる。尚、通常、第1の層がセグメント化されている場合には、第3の層は連続的な層となる(又は、この逆である)。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明による電磁放射光を検出及び反射する装置の横断面図を示している。
【図2】図1に示されている装置の平面図を示している。
【図3】図1に示されている装置の底面図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射光を同時に反射及び検出する装置において、
層表面に入射する電磁放射光を同時に反射及び吸収する導電性材料から製造された第1の層であって、入射電磁放射光を反射部分と非反射部分に同時に分離し、前記反射部分の電磁放射光を前記装置から離れるように反射すると共に、前記非反射部分の電磁放射光を吸収する第1の層と、
前記第1の層の下部に位置し、前記第1の層によって吸収された電磁放射光の強度に依存する電気特性を具備する材料から製造された第2の層と、
前記第2の層の下部に位置し、導電性材料から製造された第3の層であって、前記第1の層及び前記第2の層は、それぞれ第1電極及び第2電極を形成しており、前記電極間において計測される電圧及び/又は電流は、前記電気特性に応答すると共に、前記吸収された電磁放射光の強度を表している、第3の層と、
を有する装置。
【請求項2】
前記第1の層の前記表面は、反射鏡面である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1の層の前記表面は、拡散反射面である請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1の層の上部面上に位置し、入射電磁放射光に対して透明である第4の層を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第4の層は、入射電磁放射光の特定の波長範囲に対して透明であり、高域、低域、又は帯域通過フィルタとしての効力を有する請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第4の層は、1つ又は複数の波長帯域内の電磁放射光に対して少なくとも部分的に反射性を有しており、これにより、前記第1の層の前記表面に入射する電磁放射光の強度を減衰させる請求項4又は5記載の装置。
【請求項7】
前記第4の層は、化学的保護層である請求項4〜6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第4の層は、複数の層を有し、これらの層は、組み合わせとして、所望の光学的及び/又は化学的な追加特性を実現する効力を有している請求項4〜7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第4の層は、前記第1の層の形状に適合している請求項4〜8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
高周波数における電圧及び/又は電流の計測を可能にする電気的な端子を具備する請求項1〜9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記電気的な端子は、50Ωの受動的電気抵抗素子である請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記電気的な端子は、50Ωの出力インピーダンスを有する前記装置のインピーダンスに理想的に整合した入力インピーダンスを有する能動素子である請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記能動素子は、FET入力高周波前置増幅器である請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記第2の層の材料は、圧電及び/又は焦電活性材料である請求項1〜13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の層の前記材料は、圧電及び/又は焦電活性ポリマーである請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記材料は、ポリ(ビニリデンジフロライド)(PVDF)又はポリ(ビニリデンジフロライド)/トリフルオロエチレン(PVDF/TrFE)コポリマーである請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記第1、第2、及び第3の層は、電気的絶縁基板の支持表面内において支持されている請求項1〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記支持表面は、前記第1、第2、及び第3の層が適合するプレフォームされた形状を具備している請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記支持表面は、凹面である請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記第3の層は、前記第1及び第2の層が適合すると共に、前記第1及び第2の層を支持するプレフォームされた形状を具備している請求項1〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記第3の層は、凹面である請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記電気的絶縁基板の下側表面上に取り付けられたプリント回路基板(PCB)を含んでいる請求項17〜19の何れか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記第3の層の下側表面上に取り付けられたプリント回路基板(PCB)を含んでいる請求項20又は21記載の装置。
【請求項24】
前記PCB上に取り付けられた電気回路を含む請求項22又は23記載の装置。
【請求項25】
前記電気回路は、前置増幅器電子回路を含む請求項24記載の装置。
【請求項26】
外部において生成された高周波干渉に対する前記装置の露出を防止する遮蔽手段を含む請求項1〜25の何れか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記遮蔽手段は、入射電磁放射光が前記装置に進入可能であると共に、反射した電磁放射光が前記装置を離れることができる開口部を具備する遮蔽容器を有している請求項26記載の装置。
【請求項28】
前記第1の層は、銀、金、アルミニウム、及び銅から選択された1つ又は複数の金属から製造されている請求項1〜27の何れか1項に記載の装置。
【請求項29】
0.15μm〜1.0cmの波長範囲の電磁放射光を検出するのに適している請求項1〜28の何れか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の層は、0.5μm〜100μmの範囲の厚さを具備している請求項1〜29の何れか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記第3の層は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性領域を提供するべくセグメント化されて、n個の要素のアレイを提供しており、ここで、nは、1よりも大きく、前記第1の層は、連続した金属層である請求項1〜30の何れか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の層は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性領域を提供するべくセグメント化されて、n個の要素のアレイを提供しており、ここで、nは、1よりも大きく、前記第3の層は、連続した金属層である請求項1〜30の何れか1項に記載の装置。
【請求項33】
添付の図面を参照し、本明細書において説明したものと実質的に同一の装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射光を同時に反射及び検出する装置において、
層の表面に入射する電磁放射光を同時に反射及び吸収する導電性材料から製造された第1の層であって、入射電磁放射光を反射部分と非反射部分に同時に分離し、前記反射部分の電磁放射光を前記装置から離れるように反射すると共に、前記非反射部分の電磁放射光を吸収する効力を有する第1の層と、
前記第1の層の下部に位置し、前記第1の層によって吸収された電磁放射光の強度に依存する電気特性を具備する材料から製造された第2の層と、
前記第2の層の下部に位置し、導電性材料から製造された第3の層であって、前記第1の層及び前記第3の層は、それぞれ第1電極及び第2電極を形成しており、前記電極間において計測される電圧及び/又は電流は、前記電気特性に応答すると共に、前記吸収された電磁放射光の強度を表している、第3の層と、
を有する装置。
【請求項2】
前記第1の層の前記表面は、反射鏡面である請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記第1の層の前記表面は、拡散反射面である請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記第1の層の上部面上に位置し、入射電磁放射光に対して透明である第4の層を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の装置。
【請求項5】
前記第4の層は、入射電磁放射光の特定の波長範囲に対して透明であり、高域、低域、又は帯域通過フィルタとしての効力を有する請求項4記載の装置。
【請求項6】
前記第4の層は、1つ又は複数の波長帯域内の電磁放射光に対して少なくとも部分的に反射性を有しており、これにより、前記第1の層の前記表面に入射する電磁放射光の強度を減衰させる請求項4又は5記載の装置。
【請求項7】
前記第4の層は、化学的保護層である請求項4〜6の何れか1項に記載の装置。
【請求項8】
前記第4の層は、複数の層を有し、これらの層は、組み合わせとして、所望の光学的及び/又は化学的な追加特性を実現する効力を有している請求項4〜7の何れか1項に記載の装置。
【請求項9】
前記第4の層は、前記第1の層の形状に適合している請求項4〜8の何れか1項に記載の装置。
【請求項10】
高周波数における電圧及び/又は電流の計測を可能にする電気的な端子を具備する請求項1〜9の何れか1項に記載の装置。
【請求項11】
前記電気的な端子は、50Ωの受動的電気抵抗素子である請求項10記載の装置。
【請求項12】
前記電気的な端子は、50Ωの出力インピーダンスを有する前記装置のインピーダンスに理想的に整合した入力インピーダンスを有する能動素子である請求項10記載の装置。
【請求項13】
前記能動素子は、FET入力高周波前置増幅器である請求項12記載の装置。
【請求項14】
前記第2の層の材料は、圧電及び/又は焦電活性材料である請求項1〜13の何れか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記第2の層の前記材料は、圧電及び/又は焦電活性ポリマーである請求項14記載の装置。
【請求項16】
前記材料は、ポリ(ビニリデンジフロライド)(PVDF)又はポリ(ビニリデンジフロライド)/トリフルオロエチレン(PVDF/TrFE)コポリマーである請求項15記載の装置。
【請求項17】
前記第1、第2、及び第3の層は、電気的絶縁基板の支持表面内において支持されている請求項1〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項18】
前記支持表面は、前記第1、第2、及び第3の層が適合するプレフォームされた形状を具備している請求項17記載の装置。
【請求項19】
前記支持表面は、凹面である請求項18記載の装置。
【請求項20】
前記第3の層は、前記第1及び第2の層が適合すると共に、前記第1及び第2の層を支持するプレフォームされた形状を具備している請求項1〜16の何れか1項に記載の装置。
【請求項21】
前記第3の層は、凹面である請求項20記載の装置。
【請求項22】
前記電気的絶縁基板の下側表面上に取り付けられたプリント回路基板(PCB)を含んでいる請求項17〜19の何れか1項に記載の装置。
【請求項23】
前記第3の層の下側表面上に取り付けられたプリント回路基板(PCB)を含んでいる請求項20又は21記載の装置。
【請求項24】
前記PCB上に取り付けられた電気回路を含む請求項22又は23記載の装置。
【請求項25】
前記電気回路は、前置増幅器電子回路を含む請求項24記載の装置。
【請求項26】
外部において生成された高周波干渉に対する前記装置の露出を防止する遮蔽手段を含む請求項1〜25の何れか1項に記載の装置。
【請求項27】
前記遮蔽手段は、入射電磁放射光が前記装置に進入可能であると共に、反射した電磁放射光が前記装置を離れることができる開口部を具備する遮蔽容器を有している請求項26記載の装置。
【請求項28】
前記第1の層は、銀、金、アルミニウム、及び銅から選択された1つ又は複数の金属から製造されている請求項1〜27の何れか1項に記載の装置。
【請求項29】
0.15μm〜1.0cmの波長範囲の電磁放射光を検出するのに適している請求項1〜28の何れか1項に記載の装置。
【請求項30】
前記第1の層は、0.5μm〜100μmの範囲の厚さを具備している請求項1〜29の何れか1項に記載の装置。
【請求項31】
前記第3の層は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性領域を提供するべくセグメント化されて、n個の要素のアレイを提供しており、ここで、nは、1よりも大きく、前記第1の層は、連続した金属層である請求項1〜30の何れか1項に記載の装置。
【請求項32】
前記第1の層は、互いに電気的に絶縁された複数の導電性領域を提供するべくセグメント化されて、n個の要素のアレイを提供しており、ここで、nは、1よりも大きく、前記第3の層は、連続した金属層である請求項1〜30の何れか1項に記載の装置。
【請求項33】
添付の図面を参照し、本明細書において説明したものと実質的に同一の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2006−504943(P2006−504943A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547774(P2004−547774)
【出願日】平成15年10月28日(2003.10.28)
【国際出願番号】PCT/GB2003/004630
【国際公開番号】WO2004/040249
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(500344585)シマヅ リサーチ ラボラトリー(ヨーロッパ)リミティド (8)
【出願人】(501393391)インペリアル カレッジ イノベーションズ リミテッド (1)
【Fターム(参考)】