説明

電話端末装置およびその制御方法、電話端末装置制御プログラム、ならびに該プログラムを記録した記録媒体

【課題】電話回線に常時接続している電話機を利用し、少ない設置面積でファクシミリを受信することができる電話端末装置を提供する。
【解決手段】受信したファクシミリデータを記憶する着脱自在なUSBメモリ7と、電話網と接続してファクシミリデータの送受信を行うモデム部15およびNCU16と、受信したファクシミリの信号を検知するファクシミリ受信信号確認部31と、USBメモリ7の装着の有無を確認するUSBメモリ有無確認部33と、ファクシミリの信号を検知した場合にUSBメモリ7の装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつUSBメモリ7の装着有のときには受信したファクシミリデータをUSBメモリ7に記録させる電話端末制御部32とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ファクシミリデータを受信し、該ファクシミリデータを外部メモリに記憶する電話端末装置およびその制御方法、電話端末装置制御プログラム、ならびに該プログラムを記録した記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、電話端末装置は、通話機能のみを備え、ファクシミリ等のデータ受信機能を備えていない。
【0003】
一般的に、従来のファクシミリ端末装置は、ファクシミリを受信するデータ受信機能と共に、格納したデータを印字するプリント機能とを備えており、ファクシミリを受信すると、受信したデータを付属のプリンタで印字するようになっている。
【0004】
一方、パーソナルコンピュータに専用のファックスモデムを装着することにより、ファクシミリを受信する方法も一般的に知られている。この方法では、ファックスモデムを介してパーソナルコンピュータを電話回線に接続し、ファクシミリデータを受信するようになっている。
【0005】
また、電話端末装置の機能を改良した例として、外部メモリを装着することにより、この外部メモリの装着を検知して、留守番電話用応答メッセージを標準装備メモリに記憶されたものから外部メモリに記憶されたものに切り替える留守番電話機が報告されている。
【0006】
例えば特許文献1には、「オプションメモリの装着を検知して電話回線へのメッセージ出力を標準装備メモリからオプションメモリに切り替える」と、記載されている。
【0007】
さらに、拡張カードを用いて、通信データ処理機能に関する内部制御プログラムの追加や変更を容易に行うことのできる電話端末装置が報告されている。例えば、特許文献2には、「拡張カードを用いて、通信データ処理機能の追加や、変更を容易に行うことのできる電話端末装置」と記載されている。
【特許文献1】特開平3−237848号公報(1991年10月23日公開)
【特許文献2】特開平7−107144号公報(1995年4月21日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来のファクシミリ受信装置では、受信したデータを出力するためのプリンタを備えているので、ファクシミリ装置が大きくならざるを得ず、一定以上の大きさの設置場所が必要であるという問題点を有している。
【0009】
また、ファックスモデムを使用してファクシミリデータを受信する方法では、パーソナルコンピュータを電話回線に接続する必要があるため、電話回線がある場所までパーソナルコンピュータ自体を移動しなければならないという問題点を有している。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、電話回線に常時接続している電話機を利用し、少ない設置面積でファクシミリを受信することができる電話端末装置およびその制御方法、電話端末装置制御プログラム、ならびに該プログラムを記録した記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の電話端末装置は、上記課題を解決するために、受信したファクシミリデータを記憶する着脱自在な外部メモリと、電話網と接続し、ファクシミリデータの送受信を行う通信手段と、上記通信手段を介して受信したファクシミリの信号を検知するファクシミリ受信検知手段と、上記外部メモリの装着の有無を確認する外部メモリ有無確認手段と、上記ファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検知した場合に、上記外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリの装着有のときには、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させる電話端末制御手段とを備えていることを特徴としている。
【0012】
本発明の電話端末装置の制御方法は、上記課題を解決するために、受信したファクシミリデータを記憶する着脱自在な外部メモリと、電話網と接続し、ファクシミリデータデータの送受信を行う通信手段と、上記通信手段を介して受信したファクシミリの信号を検知するファクシミリ受信検知手段とを備えている電話端末装置の制御方法において、上記外部メモリの装着の有無を確認するステップと、上記ファクシミリの信号を検知した場合に、上記外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリの装着有のときには、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させるステップとを備えていることを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、電話端末装置は、電話網を介してファクシミリデータを受信し、該ファクシミリデータを受信した時に、外部メモリが装着されているか否かを確認する。外部メモリの有無を確認した上記電話端末装置は、外部メモリが装着されているか否かに応じ、予めプログラムされた処理を行う。そして、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリの装着有のときには、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させる。
【0014】
したがって、ファクシミリデータを受信したとき、外部メモリが装着されている場合には、電話端末制御手段によって、上記データを外部メモリに記憶することができる。外部メモリに記憶されたファクシミリデータは、任意のパーソナルコンピュータ等で閲覧、印刷、保存、および編集を行うことが可能である。また、上記電話端末装置は、外部メモリが装着されていない場合にも、電話端末制御手段が、予めプログラムされた処理を行うことにより、任意の対応をすることができる。
【0015】
すなわち、上記電話端末装置では、ファクシミリデータを外部メモリに記憶することができ、また、外部メモリに記憶されたファクシミリデータは、任意のパーソナルコンピュータで閲覧することができるので、ファクシミリデータの出力手段としてプリンタを必要としない。
【0016】
この結果、電話回線に常時接続している電話機を利用し、少ない設置面積でファクシミリを受信することができる電話端末装置およびその制御方法を提供することができる。
【0017】
また、本発明の電話端末装置では、上記電話端末制御手段は、ファクシミリの受信時に、外部メモリの有無に応じたメッセージをファクシミリの送信元に送信する外部メモリ有無通知手段を備えていることが好ましい。
【0018】
上記の構成によると、ファクシミリの受信時に、外部メモリが装着されている場合には、データ受信が可能である旨をファクシミリの送信元に通知する一方、外部メモリが装着されていない場合には、データ受信が不可能である旨をファクシミリの送信元に通知する。したがって、ファクシミリの送信元は、ファクシミリデータ送信の可否を明確に認識することができる。
【0019】
また、本発明の電話端末装置では、上記電話端末制御手段は、ファクシミリの受信時に外部メモリが装着されていない場合、上記電話端末装置が呼出音を鳴らし続けるように制御する呼出音制御手段を備えていることが好ましい。
【0020】
上記の構成によると、電話端末制御手段の呼出音制御手段は、ファクシミリの受信時に外部メモリが装着されていない場合には、上記電話端末装置のユーザが上記電話端末装置の受話器を取るなどの応答を行うまで、呼出音を鳴らし続ける。
【0021】
したがって、ファクシミリの送信元は、呼出音が鳴り続けていることによって、ファクシミリを送信することができない状態であると認識することができる。また、上記ユーザは、呼出音によって電話またはファクシミリの着信が来ていることを認識することができる。
【0022】
また、本発明の電話端末装置では、上記電話端末制御手段は、ファクシミリの受信時に外部メモリが装着されていない場合、外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間内に外部メモリが装着された場合、受信したデータを該外部メモリに記憶させる外部メモリ装着待機処理手段を備えていることが好ましい。
【0023】
上記構成によると、電話端末制御手段の外部メモリ装着待機処理手段は、ファクシミリを受信した場合、外部メモリが装着されていないときは外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間内に外部メモリが装着されたときにはファクシミリを受信し、受信したファクシミリデータを外部メモリに記憶する。
【0024】
したがって、外部メモリを該電話端末装置に装着していない状態でファクシミリを受信した場合でも、上記電話端末装置には外部メモリの装着待ち時間が設定されているので、上記電話端末装置のユーザは、該待ち時間内に外部メモリを装着することによりファクシミリを受信することができる。
【0025】
また、本発明の電話端末装置では、上記電話端末制御手段は、ファクシミリの受信時に上記外部メモリが装着されていない場合、上記外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間後に上記外部メモリが装着されていない場合、上記外部メモリが装着されていない旨を報知する外部メモリ装着待機報知手段とを備えていることが好ましい。
【0026】
上記構成によれば、電話端末制御手段の外部メモリ装着待機報知手段は、ファクシミリを受信した時、外部メモリが装着されていない場合は、外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間内に外部メモリが装着された場合、ファクシミリを受信し、受信したファクシミリデータを外部メモリに記憶する。そして、一定時間が経過しても外部メモリが装着されない場合、本電話端末装置は、予め記憶している音声情報などを再生し、本電話端末装置のユーザに、外部メモリが装着されていない旨を報知する。
【0027】
したがって、ユーザは、データ受信要求が来ているが、外部メモリが装着されていないという状況を明確に認識することができる。そして、音声情報に気付いたユーザは、上記電話端末装置に外部メモリを装着し、ファクシミリデータを受信することができる。
【0028】
また、本発明の電話端末装置では、受信したファクシミリデータを記憶する内部記憶手段と、上記内部記憶手段に受信したファクシミリデータが格納されている状態にて外部メモリが装着された場合に、内部記憶手段内の上記ファクシミリデータを上記外部メモリに移動させる受信データ移動手段とをさらに備えていることが好ましい。
【0029】
また、本発明の電話端末装置では、受信したファクシミリデータを記憶する内部記憶手段と、上記内部記憶手段に受信したファクシミリデータが格納されている状態にて外部メモリが装着された場合に、内部記憶手段内の上記ファクシミリデータを上記外部メモリに複写させる受信データ複写手段とをさらに備えていることが好ましい。
【0030】
上記構成によれば、電話端末装置は、受信したファクシミリデータを内部記憶手段に記憶する。また、内部記憶手段に記憶したファクシミリデータは、上記電話端末装置に外部メモリが装着された場合に、該外部メモリに記録される。
【0031】
したがって、電話端末装置は、外部メモリ装着の有無に関わらず、ファクシミリを受信し、受信したファクシミリデータを記憶することができる。そして、上記電話端末装置は、内部記憶手段に記憶されたデータを外部メモリに記録することができる。
【0032】
すなわち、上記電話端末装置では、外部メモリが装着されていないためにファクシミリを受信できないということがない。
【0033】
また、ファクシミリデータを外部メモリに複写する場合、外部メモリにファクシミリデータが記録されると共に、内部記憶手段内にも上記ファクシミリデータが残ることになる。これは、例えば、内部記憶手段内に格納されているファクシミリデータを閲覧する機能を備えた電話端末装置に本発明を適用したときに、外部メモリにデータを記録した後も、電話端末装置から上記ファクシミリデータを閲覧できるので利便性が高い。
【0034】
また、本発明の電話端末装置は、上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータが残っている状態にて該記録済みデータに対して一定のデータ記憶期間を設定する記憶期間設定手段と、上記記憶期間経過後に上記内部記憶手段内に存在する上記記憶期間が経過したファクシミリデータを消去する第1記録済みデータ消去手段を備えていることが好ましい。
【0035】
上記構成によれば、記憶期間設定手段は、上記記録済みデータに記憶期間を設定し、第1記録済みデータ消去手段は、該記憶期間を経過した後に、上記記録済みデータを消去する。
【0036】
したがって、上記記録済みデータが内部記憶手段内にいつまでも残っていることによって内部記憶手段の記憶容量を圧迫し、新たに受信するファクシミリデータが記録できなくなることを防ぐことができる。
【0037】
また、本発明の電話端末装置では、上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータが残っている状態にて上記ファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検知した場合、上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータを自動的に消去する第2記録済みデータ消去手段を備えていることが好ましい。
【0038】
上記構成によれば、内部記憶手段内に上記記録済みデータが存在する状態でファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検出した場合、第2記録済みデータ消去手段は記録済みデータを自動的に消去する。
【0039】
したがって、記憶済みデータが存在することによって内部記憶手段の記憶容量が圧迫され、新たに受信するファクシミリデータが記憶できなくなることを防ぐことができる。
【0040】
なお、上記電話端末装置における各手段を電話端末装置制御プログラムによりコンピュータに機能させることができる。
【0041】
さらに、上記電話端末装置制御プログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で電話端末装置制御プログラムを機能させることができる。
【発明の効果】
【0042】
本発明の電話端末装置は、以上のように、ファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検知した場合に、外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリの装着有のときには、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させる電話端末制御手段とを備えているものである。
【0043】
本発明の電話端末装置の制御方法は、以上のように、上記外部メモリの装着の有無を確認するステップと、ファクシミリの信号を検知した場合に、上記外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリの装着有のときには、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させるステップとを備えている方法である。
【0044】
それゆえ、電話回線に常時接続している電話機を利用し、少ない設置面積でファクシミリを受信することができる電話端末装置の制御方法を提供するという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0046】
本実施の形態の電話端末装置10の外観を図3に示す。電話端末装置10は、図3に示すように、ハンドセット1、液晶ディスプレイ2、留守/再生ボタン3、ダイヤルボタン4、拡張カードスロット5、およびUSBスロット6を備えている。
【0047】
電話端末装置10は、図示していないが電話回線と接続している。電話端末装置10は、電話回線を介して、他の電話端末装置との通話を可能にするものであり、また、電話回線を介して、ファクシミリデータを受信するものである。さらに、電話端末装置10は、留守番電話機能を備えている。そして、電話端末装置10は、USBスロット6を介してUSBメモリ(外部メモリ)7を接続することができる構成となっている。
【0048】
USBスロット6は、USBメモリ7の接続を受け付けるものである。USBメモリ7は、USBスロット6に接続し、電話端末装置10が受信したファクシミリデータを記憶するものである。
【0049】
なお、本実施の形態では、USBメモリ7をUSBスロット6に接続する構成を示しているが、例えば、電話端末装置10に、IEEE1394スロットを設け、IEEE1394によって外部メモリを接続する構成としてもよい。
【0050】
また、ハンドセット1、液晶ディスプレイ2、留守/再生ボタン3、ダイヤルボタン4、および拡張カードスロット5は、従来技術であり、本発明の特徴とするところではないので、その説明を省略する。
【0051】
電話端末装置10は、ファクシミリデータを受信すると、USBメモリ7がUSBスロット6に装着されているか否かに応じた処理を行う。なお、この処理については、後に詳しく説明する。
【0052】
上記構成の電話端末装置10は、プリンタを備えていないので、従来の電話機と同程度のスペースに設置することができる。すなわち、従来のファクシミリ装置と比して小型であり、狭いスペースにも設置することができる。また、受信したファクシミリデータは、USBメモリ7に記録し、任意のパーソナルコンピュータ上で閲覧、保存、印刷などの処理を、ユーザの意のままに行うことができる。
【0053】
次に、電話端末装置10が行う処理の詳細について図1および図2に基づいて以下に説明する。図1は電話端末装置10の概略構成を、図2は、制御部30の概略構成を示している。
【0054】
図1に示すように、電話端末装置10は、操作部11、スピーカー制御部12、スピーカー8、USBスロット6、通信I/F(インターフェイス)部13、制御部30、モデム部15、NCU(Network Control Unit)16、クロック17、および記憶部18を備えている。電話端末装置10は、電話回線19aを介して電話網19に接続している。なお、図1は、USBメモリ7が電話端末装置10に装着されている状態を示している。
【0055】
操作部11は、電話端末装置10の表面に設けられた、ダイヤルボタン4、留守/再生ボタン3、およびハンドセット1などをユーザが操作することによって、操作データを作成し、制御部30に送信する。
【0056】
スピーカー制御部12は、モデム部15からの指示に従って、着信音や、応答メッセージなどを発生させるように、スピーカー8に指示を送る。また、スピーカー8は、上記スピーカー制御部12の指示に対応する音声を発する。
【0057】
通信I/F部13は、制御部30からの指示に従って、USBメモリ7が装着されているか否かを検出し、制御部30に該検出結果を送信する。また、受信したファクシミリデータは、通信I/F部13がモデム部15から取得し、USBスロット6を介してUSBメモリ7に記録する。
【0058】
制御部30は、電話端末装置10内の各種構成を統括的に制御するものである。制御部30の機能は、記憶部18に記憶されたプログラムをCPU(Central Processing Unit)が実行することによって実現される。
【0059】
モデム部15は、通話時には、電話回線19aを介して送られてくるアナログ信号を受信してデジタル信号に変換し、電話端末装置10から出力されるデジタル信号をアナログ信号に変換する。また、モデム部15は、制御部30の指示に従って、留守番電話の応答メッセージを再生する情報をスピーカー制御部12に送信する。さらに、モデム部15は、電話回線19aおよび電話網19を介して、相手通信装置から送られてくるデータ受信要求信号、およびファクシミリ識別信号を検出し、該検出結果を制御部30に送信する。なお、データ受信要求信号の例としてはCI等が、ファクシミリ識別信号の例としてはCNG(CalliNG)等が挙げられる。
【0060】
NCU16は、データ転送において、電話回線19aに対する発信および着信を制御するものである。NCU16は、制御部30から送られてくる回線接続要求に従って、モデムを電話回線19aに接続する。
【0061】
電話回線19aは、電話端末装置10を電話網19に接続するものである。電話網19には、電話端末装置10および他の複数の電話機、ファクシミリ装置など様々な装置が接続している。電話端末装置10は、電話回線19aおよび電話網19を介して通話要求、データ受信要求信号、ファクシミリ識別信号、およびファクシミリデータ等を送受信する。
【0062】
クロック17は、制御部30の指示する時間を計測し、該時間が経過した時に制御部30にその旨を通知する。
【0063】
記憶部18は、例えばRAM(random access memory)やHDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置を備えて、各種データおよび各種プログラムを記憶するものである。本実施の形態では、記憶部18は、後に述べるユーザ設定などを記憶している。
【0064】
制御部30の詳細な構成を、図2に基づいて説明する。図2に示すように、制御部30は、ファクシミリ受信確認部31、電話端末制御部32、およびUSBメモリ有無確認部33を備えている。
【0065】
ファクシミリ受信確認部31は、ファクシミリを受信したか否かを報告するようにモデム部15に要求し、該報告結果をモデム部15から受け取る。ファクシミリ受信確認部31は、データ受信要求信号確認部31aおよびファクシミリ識別信号確認部31bを備えている。
【0066】
データ受信要求信号確認部31aは、モデム部15に、データ受信要求信号の検出有無を報告するように要求し、要求した結果をモデム部15から受け取る。なお、データ受信要求信号とは、ファクシミリの送信元が、電話端末装置10のファクシミリ番号をダイヤルしたときに、電話網19、電話回線19a、およびNCU16を介してモデム部15に送信される信号である。データ受信要求信号の例としては、CI等が挙げられる。
【0067】
また、ファクシミリ識別信号確認部31bは、モデム部15に、ファクシミリ識別信号の検出有無を報告するように要求し、該報告結果をモデム部15から受け取る。なお、ファクシミリ識別信号とは、データ受信要求信号確認部31aがデータ受信要求信号の受信を確認した後に、上記ファクシミリの送信元から送信される信号である。ファクシミリ識別信号の例としては、CNG等が挙げられる。
【0068】
電話端末制御部32は、USBメモリ有無確認部33から伝達されるUSBメモリ7の装着有無に応じた処理を行う。電話端末制御部32は、USBメモリ有無通知部32a、呼出音制御部32b、USBメモリ装着待機処理部32c、およびUSBメモリ装着待機報知部32dをそなえている。
【0069】
USBメモリ有無通知部32aは、ファクシミリ受信確認部31からファクシミリを受信したという報告を受けると、USBメモリ有無確認部33にUSBメモリ7装着の有無を確認する。確認後、所定の時間が経過すると、モデム部15に指示を送り、USBメモリ7の装着の有無、すなわちファクシミリの受信が可能か否かをファクシミリの送信元に報知する。
【0070】
呼出音制御部32bは、ファクシミリ受信確認部31からファクシミリを受信したという報告を受けると、USBメモリ有無確認部33にUSBメモリ7装着の有無を確認する。ここで、USBメモリ7が装着されていないことが確認された場合、モデム部15に指示を送り、電話端末装置10のユーザが応答する、もしくは、ファクシミリの送信元がファクシミリの送信を中止するまでの間、スピーカー8から呼出音を鳴らし続ける。
【0071】
USBメモリ装着待機処理部32cは、ファクシミリ受信確認部31からファクシミリを受信したという報告を受けると、USBメモリ有無確認部33にUSBメモリ7装着の有無を確認する。ここで、USBメモリ7が装着されていないことが確認された場合、USBメモリ装着待機処理部32cは、所定の時間待ち、所定の時間内にUSBメモリ7が装着された場合、モデム部15に指示を出し、ファクシミリデータを受信する。一方、所定の時間が経過してもUSBメモリ7が装着されない場合、モデム部15に指示を出し、留守番応答メッセージをファクシミリの送信元に送信させる。なお、本実施の形態では、留守番応答メッセージを送信させる構成を示したが、留守番応答メッセージを送信させず、モデム部15に電話回線19aとの接続を切断するように指示を送る構成としてもよい。
【0072】
USBメモリ装着待機報知部32dは、ファクシミリ受信確認部31からファクシミリを受信したという報告を受けると、USBメモリ有無確認部33にUSBメモリ7装着の有無を確認する。ここで、USBメモリ7が装着されていないことが確認された場合、USBメモリ装着待機報知部32dは、所定の時間が経過した後にモデム部15に指示を送る。モデム部15は、スピーカー制御部12、およびスピーカー8を介してUSBメモリ7が装着されていない旨を示すメッセージを再生し、電話端末装置10のユーザにUSBメモリ7の装着を促す。
【0073】
USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13に対してUSBメモリ7が装着されているか否かを報告するように要求し、該要求に応じて送信されるUSBメモリ7の装着有無を電話端末制御部32に伝達する。
【0074】
留守番電話機能制御部34は、モデム部15に指示を出して、電話端末制御部32が指定するメッセージをファクシミリの送信元に送信させるとともに、スピーカー制御部12、およびスピーカー8を介して電話端末装置10のユーザに伝達する。
【0075】
上記構成において、電話端末装置10がファクシミリを受信したときの動作を以下に説明する。まず、電話端末装置10に被呼があったときに、電話端末装置10が行う処理の詳細について、図1、図2、図4のフローチャート、および図5(a)(b)(c)に基づいて説明する。
【0076】
ファクシミリの送信元が、電話端末装置10のファクシミリ番号をダイヤルすると、データ受信要求信号が電話端末装置10に送られる。上記データ受信要求信号は、NCU16を介してモデム部15に送られる。モデム部15は、データ受信要求信号を受信すると、スピーカー制御部12に指示し、スピーカー8から被呼を鳴らす。また、同時に、モデム部15は、制御部30にデータ受信要求信号の検出を報告する。このデータ受信要求信号検出の報告は、制御部30のデータ受信要求信号確認部31aに送られる。すなわち、制御部30は、データ受信要求信号の検出報告があるか否かによって、被呼の有無を判断する(S1)。被呼がない場合、S1に戻る。一方、被呼が有る場合、制御部30は、留守設定になっているか否かを確認する(S2)。留守設定になっていない場合、S1に戻る。一方、留守設定になっている場合、制御部30は、着信音の鳴った回数が所定の数を経過したか否かを確認する(S3)。着信音が鳴った回数が、所定の数を超えていない場合はS1に戻る。一方、所定の数を経過している場合、制御部30のUSBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13に、USBメモリ7が装着済みか否かを報告するように要求する(S4)。報告の結果、USBメモリ7が装着済みであった場合、図5(a)に示すような、ファクシミリの受信が可能である旨を示す応答メッセージ1が再生される(S5)。一方、USBメモリ有無確認部33が、USBメモリ7が装着されていないという報告を受けた場合、図5(b)に示すようなファクシミリの受信ができない旨を示す応答メッセージ2を再生する(S6)。なお、S5およびS6では、制御部30は、スピーカー制御部12に、上記メッセージを再生するように指示を送るとともに、モデム部15に指示を送り、ファクシミリの送信元に対して上記応答メッセージ1、または応答メッセージ2を送信させる。そして、指示を受けたスピーカー制御部12は、スピーカー8からメッセージを再生し、モデム部15は、再生されているメッセージをファクシミリの送信元に送信する。
【0077】
ところで、S2およびS3は、ファクシミリを受信するときの受信設定を満たしているか否かの確認である。この受信設定は、電話端末装置10に予め設定されており、受信設定を満たしたときにファクシミリを受信する構成となっている。受信設定は記憶部18に記憶されており、ユーザは受信設定を任意に変更することができる。データ受信要求信号が検出された場合、制御部30は、受信設定を読み出して、この受信設定が満たされているか否かを判断する。なお、本実施の形態では、受信設定は、留守設定がONになっており、かつ、着信呼び出し回数が所定の回数を経過した場合に、ファクシミリデータを受信するというものを示しているが、必ずしもこれに限られず、留守設定がOFFの状態で、ファクシミリデータを受信する設定に変更すること等も可能である。
【0078】
続いて、上記応答メッセージ1または応答メッセージ2が再生された後に制御部30が行う処理の詳細について、図6のフローチャート、および図2に基づいて説明する。
【0079】
まず、制御部30は、再生された応答メッセージが、応答メッセージ1であるか否かを判別する(S11)。応答メッセージ1である場合、制御部30のファクシミリ識別信号確認部31bは、モデム部15に、ファクシミリ識別信号の検出の有無を確認する(S12)。ファクシミリ識別信号の検出が報告された場合、受信フェーズに移行する(S13)。なお、受信フェーズ、および受信フェーズ以降の処理は、後に詳しく説明する。
【0080】
一方、S12においてファクシミリ識別信号の検出が報告されない場合、ファクシミリ識別信号確認部31bは、ファクシミリ識別信号の検出結果をモデム部15に要求してから所定の時間が経過したか否か、すなわちタイムアップか否かを判断する(S14)。タイムアップではない場合、S12に戻る。一方、タイムアップの場合、留守録音等を行い、電話回線19aとの接続を切る(S15)。
【0081】
また、S11において応答メッセージ2が再生された場合、すなわち応答メッセージ1ではない場合には、USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13にUSBメモリ7の装着を確認させる(S16)。USBメモリ7の装着が報告された場合、上記S12に進んでファクシミリ識別信号の検出の有無を確認する。
【0082】
ここで、ファクシミリの送信元が手動送信、すなわち受話器をとってメッセージを聞ける状態である場合、上記ファクシミリの送信元は、電話端末装置10にUSBメモリ7が装着されたことがわからないので、ファクシミリの送信の可否を認識することができないということも考えられる。そこで、S16からS12に移行するときに、図5(c)に示すような、ファクシミリの受信準備ができたことを報知するメッセージを上記ファクシミリの送信元に流してもよい。
【0083】
一方、S16においてUSBメモリ7の装着が報告されない場合、USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13にUSBメモリ7の装着有無確認を要求してから所定の時間が経過したか否か、すなわちタイムアップか否かを判断する(S17)。タイムアップではない場合、S16に戻る。一方、タイムアップである場合、上記S15に移行し、留守録音等を行い、電話回線19aとの接続を切る。
【0084】
以上の処理によって、USBメモリ7がファクシミリ識別信号検出時に装着されている場合、またはタイムアップまでにUSBメモリ7が装着された場合には、上記受信フェーズに移行することができる。一方、USBメモリ7が装着されずにタイムアップを迎えた場合には、留守録音等を行い、電話回線19aとの接続を切る。
【0085】
ところで、制御部30が、データ受信要求信号を検出し、ユーザ設定を満たされていることを確認した(図4のS3でYES)後の処理は、図7のフローチャートに示すようなプロセスとしてもよい。
【0086】
すなわち、図7に示すように、上記ユーザ設定が満たされていることを確認したファクシミリ識別信号確認部31bは、モデム部15にファクシミリ識別信号の検出報告を要求し、検出報告を受け取る(S21)。制御部30がファクシミリ識別信号の検出を確認した場合、USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13に対して、USBメモリ7が装着済みか否かを確認するように要求する(S22)。そして、通信I/F部13は、USBメモリ7が装着済みか否かを確認し、確認した結果をUSBメモリ有無確認部33に報告する。ここで、USBメモリ有無確認部33が、USBスロット6にUSBメモリ7が装着されていることを確認した場合、受信フェーズに移行する(S23)。
【0087】
一方、S21においてファクシミリ識別信号が検出されない場合、ファクシミリ識別信号確認部31bは、ファクシミリ識別信号の検出報告をモデム部15に要求してから所定の時間が経過したか否か、すなわちタイムアップか否かを判断する(S24)。タイムアップの場合、留守録音等を行い、電話回線19aとの接続を切る(S25)。タイムアップではない場合、S21に戻る。
【0088】
また、S22において、USBメモリ有無確認部33が、USBメモリ7の装着を確認できなかった場合、USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13にUSBメモリ7の装着有無の報告を要求してから所定の時間が経過したか否か、すなわちタイムアップか否かを判断する(S26)。タイムアップの場合、留守録音等を行い、電話回線19aとの接続を切る(S25)。一方、タイムアップでない場合、電話端末制御部32のUSBメモリ装着待機報知部32dは、USBメモリ7の装着をユーザに促す要求メッセージの再生を、スピーカー制御部12に指示する。該指示を受けたスピーカー制御部12は、スピーカー8を介して要求メッセージを再生する(S27)。要求メッセージは、例えば図5(d)で示されるようなメッセージが考えられる。
【0089】
上述したように、本実施の形態では、USBメモリ7が装着されていない場合には、電話端末装置10のユーザに、USBメモリ7の装着を促す要求メッセージが再生される。したがって、上記ユーザは、ファクシミリの送信要求が来ているが、USBメモリ7が装着されていない状況を、明確に把握することができる。そして、要求メッセージに気付いたユーザは、USBメモリ7を電話端末装置10に装着し、ファクシミリデータを受信することができる。
【0090】
ここで、受信フェーズについて図1に基づいて説明する。受信フェーズに入ると、制御部30は、モデム部15にファクシミリ受信可能信号をファクシミリの送信元に送信するように指示する。指示を受けたモデム部15は、上記ファクシミリ受信可能信号を、NCU16、電話回線19a、および電話網19を介して、ファクシミリの送信元に送る。ファクシミリの送信元は、ファクシミリ受信可能信号を受け取ると、ファクシミリデータを送信する。そして、該ファクシミリデータは、電話網19、電話回線19a、およびNCU16を介してモデム部15に渡される。通信I/F部13は、上記ファクシミリデータをモデム部15から取得し、USBスロット6を介してUSBメモリ7に送り、ここに記録する。
【0091】
次に、USBメモリ7に記録されたファクシミリデータの閲覧方法について説明する。電話端末装置10のユーザは、ファクシミリデータが記録されたUSBメモリ7を取り外し、任意のパーソナルコンピュータのUSBスロットにUSBメモリ7を接続することによって、ファクシミリデータを閲覧、保存、印刷等の任意の処理を行うことができる。なお、ファクシミリ送信元から送られてくるファクシミリデータの画像フォーマットは、例えば、MMR、MR、MH、JBIG等である。本実施の形態では、これらの画像フォーマットの変換は行わず、パーソナルコンピュータで閲覧するときに、閲覧ソフトを使用して閲覧する構成である。しかし、受信したファクシミリデータをUSBメモリ7に記憶する前に、上記のMMR、MR、MH、JBIG等の画像フォーマットからTIFF(Tagged-Image File Format)やPDF(Portable Document Format)(登録商標)等の画像フォーマットに変換する変換手段をさらに備える構成とすることも可能である。TIFFやPDF形式のファイルは、広く普及しており、多くのパーソナルコンピュータで閲覧が可能である。したがって、上記変換手段を備えた構成とした場合、ユーザは、閲覧ソフトを使用する必要がないので、ユーザの利便性が向上する。
【0092】
以上のように、電話端末装置10は、USBメモリ7の有無に対応する処理を行い、ファクシミリデータを受信することができる。
【0093】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図8ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、上記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、上記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0094】
本実施の形態の電話端末装置は、上記実施の形態1の電話端末装置10の構成に加えて、受信したファクシミリデータを記憶部に格納する手段を備えている。
【0095】
本実施の形態の電話端末装置20の詳細について図8に基づいて説明する。図8は、電話端末装置20の概略構成を示している。
【0096】
まず、図1において、制御部40は、電話端末装置20内の各種構成を統括的に制御する。制御部40の機能は、記憶部48に記憶されたプログラムをCPUが実行することによって実現される。
【0097】
記憶部48は、例えば図示しないRAMやハードディスクドライブなどの記憶装置を備えて、各種データおよび各種プログラムを記憶する。本実施の形態では、記憶部48は、受信データ格納領域48aを備えている。
【0098】
次に、電話端末装置20の制御部40の詳細について説明する。図9は、制御部40の概略構成を示している。電話端末装置20がファクシミリを受信したときの動作を図9に基づいて説明する。
【0099】
受信データ移動/複写部41は、通信I/F部13に指示を送り、記憶部48内の受信データ格納領域48aに格納されているファクシミリデータを、USBメモリ7に移動または複写させる。
【0100】
記憶期間設定部42は、受信データ移動/複写部41から、ファクシミリデータをUSBメモリ7に移動させたという報告を受けると、クロック17に任意の時間のタイマーをセットする。
【0101】
記録済みデータ消去部43は、受信データ格納領域48a内のファクシミリデータのうち、USBメモリ7に複写済みのファクシミリデータ、すなわち記録済みデータを消去する。記録済みデータ消去部43は、第1記録済みデータ消去部43aと、第2記録済みデータ消去部43bとを備えている。
【0102】
第1記録済みデータ消去部43aは、クロック17から、タイマーにセットされた時間が経過したとの報告を受け、受信データ格納領域48a内の上記記録済みデータを消去する。
【0103】
第2記録済みデータ消去部43bは、タイマーセットの有無に関わらず、受信データ格納領域48a内に、USBメモリ7に記録済みデータが残っている状態で、ファクシミリ識別信号確認部31bからファクシミリ識別信号の検出を確認したという報告を受けたときに上記記録済みデータを消去する。
【0104】
また、第1記録済みデータ消去部43aと第2記録済みデータ消去部43bとを併用することもできる。この場合、上記タイマーにセットされた時間が経過したときには、第1記録済みデータ消去部43aが上記記録済みデータを消去し、上記タイマーにセットされた時間が経過するまでにファクシミリ識別信号の検出が報告されたときには、第2記録済みデータ消去部43bが上記記録済みデータを消去する。
【0105】
電話端末装置20がファクシミリを受信したときに行う処理の概略について、図8および図9に基づいて説明すると以下の通りである。
【0106】
ファクシミリの送信元が、電話端末装置20のファクシミリ番号をダイヤルしてから、モデム部15がファクシミリデータを受け取るまでの処理は実施の形態1と同様であるからその説明を省略する。
【0107】
本実施の形態のモデム部15は、ファクシミリデータを受け取ると、上記ファクシミリデータを記憶部48の受信データ格納領域48aに格納する。制御部40は、受信データ格納領域48aに上記ファクシミリデータが格納されると、該データをUSBメモリ7に書き込む処理を行う。
【0108】
該書き込み処理について、図10のフローチャートおよび図9に基づいて説明する。
【0109】
まず、受信データ移動/複写部41は、受信データ格納領域48aにファクシミリデータが格納されているか否か、すなわち受信データの有無を判定する(S31)。ファクシミリデータが格納されていない場合、受信データ移動/複写部41は、データ書き込み処理を行わずに処理を終了する。一方、ファクシミリデータが格納されている場合、ファクシミリ受信確認部31は、電話端末装置20がデータの受信を行っているか否か、すなわち受信中か否かを判定する(S32)。
【0110】
データの受信中である場合、受信データ移動/複写部41はデータ書き込み処理を行わずに処理を終了する。一方、データの受信中ではない場合、USBメモリ有無確認部33は、通信I/F部13に、USBメモリ7の装着有無の確認を要求する(S33)。USBメモリ7が装着されているという報告を受けた場合、受信データ移動/複写部41は、通信I/F部13にデータ移動指示を送り、受信データ格納領域48aに格納されているファクシミリデータを、USBメモリ7に移動させる(S34)。一方、USBメモリ有無確認部33がUSBメモリ7の装着を確認できなかった場合、受信データ移動/複写部41はデータ書き込み処理を行わずに処理を終了する。
【0111】
電話端末装置20は、上記のプロセスによって、受信データ格納領域48aに格納したデータをUSBメモリ7に移動する。
【0112】
また、電話端末装置20は、受信データ格納領域48aに格納されているデータの中でUSBメモリ7に記録済みのデータにタイマーをセットし、タイマーが計測する所定の時間が経過した後に上記データを消去する機能を備えている。
【0113】
この機能の詳細について、図11のフローチャートに基づいて説明する。なお、同図において、USBメモリ7の装着有無の確認を要求する(S31〜S33)までの処理は、すでに示したデータ書き込み処理と共通であるから、その説明を省略する。
【0114】
S33でUSBメモリ7の装着が確認された場合、受信データ移動/複写部41は、通信I/F部13に指示を送り、受信データ格納領域48aに格納されているファクシミリデータをUSBメモリ7に複写させる(S34´)。なお、上記のS34では、ファクシミリデータを移動させているため、受信データ格納領域48aには、ファクシミリデータは残らないが、S34´では、ファクシミリデータを複写しているので、受信データ格納領域48a内に複写済みファクシミリデータが残ることになる。ここで、電話端末装置20にUSBメモリ7とはまた別のUSBメモリを装着した場合、別のUSBメモリにも同じデータを保存することができるので、受信したファクシミリのデータを複数人で閲覧したいような場合に便利である。また、本実施の形態では示していないが、電話端末装置20に、受信データ格納領域48a内のファクシミリデータを閲覧する機能を持たせた場合、USBメモリ7にファクシミリデータを記録した後でも、電話端末装置20でファクシミリデータを閲覧することができる。
【0115】
記憶期間設定部42は、USBメモリ7にデータが複写されたことを確認すると、クロック17にタイマーをセットする(S35)。このタイマーには、任意の時間(タイマー時間)を設定することができる。そして、クロック17は、上記タイマー時間が経過したか否かを第一記録済みデータ消去部43aに報告する(S36)。
【0116】
上記タイマー時間が経過したという報告を受けた第一記録済みデータ消去部43aは、受信データ格納領域48aから上記複写済み受信データを消去する(S37)。
【0117】
さらに、電話端末装置20は、受信データ格納領域48aに、USBメモリ7に複写済みのファクシミリデータが残っている状態でファクシミリを受信した場合に、上記複写済みファクシミリデータを自動的に消去する機能を備えている。
【0118】
この機能の詳細について、図12のフローチャートおよび図9に基づいて説明する。なお、S31〜S34´までの処理は、図11と同様であるから説明を省略する。
【0119】
第2記録済みデータ消去部43bは、ファクシミリ識別信号確認部31bに、ファクシミリ識別信号の検出の有無、すなわちデータ受信要求の有無を確認する(S38)。データ受信要求が有った場合、第2記録済みデータ消去部43bは、受信データ格納領域48aの複写済み受信データを消去する(S37)。
【0120】
また、電話端末装置20は、上述したタイマー時間が経過した後に上記記録済みデータを消去する機能と、上記記録済みデータが記憶部48内に存在している状態でファクシミリを受信したときに、上記記録済みファクシミリデータを消去する機能とを併用する構成とすることもできる。
【0121】
この構成における電話端末装置20の機能の詳細について図13のフローチャートおよび図9に基づいて説明する。なお、図13において、S31からS34´は、図11〜12のフローチャートで説明した処理と共通しているので説明を省略し、S34´以降の処理を説明する。
【0122】
USBメモリ7に受信データを複写(S34´)後、タイマーをセットし(S35)、タイマー時間が経過した場合は、受信データ格納領域48aの複写済み受信データを消去する(S37)。一方、タイマー時間が経過していない場合、データ受信要求の有無を確認する(S38)。データ受信要求があった場合、ファクシミリ識別信号確認部31bから記憶期間設定部42にその旨が報告され、記憶期間設定部42は、クロック17にセットされているタイマーを消去する(S39)。また、ファクシミリ識別信号確認部31bは、第2記録済みデータ消去部43bにもデータ受信要求を受信したことを報告し、該報告を受けた第2記録済みデータ消去部43bは、受信データ格納領域48aの複写済み受信データを消去する(S37)。一方、データ受信要求がなかった場合には、S36に戻ってタイマー時間が経過したか否かを再度確認する。
【0123】
以上のようにして、電話端末装置20は、受信したファクシミリデータを記憶部48の受信データ格納領域48aに格納することができる。そして、電話端末装置20は、上記ファクシミリデータをUSBメモリ7に記録することができる。また、電話端末装置20は、上記のように、受信データ格納領域48aに記録されているファクシミリデータの中で、USBメモリ7に記録済みのデータを自動的に消去することができる。
【0124】
なお、実施の形態2では、受信データ移動/複写部41が、受信データ格納領域48a内にファクシミリデータが格納されている状態を検知し、該ファクシミリデータをUSBメモリ7に移動または複写する構成を示したが、受信データ格納領域48a内に格納されているファクシミリデータを、操作部11への操作入力によって手動で移動または複写させる構成とすることもできる。
【0125】
また、上述の説明では、外部メモリとしてUSBメモリを使用し、電話端末装置にUSBスロットを設けた場合について説明したが、これに限るものではない。IrDAや、Bluetooth(登録商標)のような無線接続で、電話端末装置が受信したファクシミリデータを、外部メモリに渡す構成であってもよい。
【0126】
ただし、USBメモリは広く普及しているので、本実施の形態のように外部メモリがUSBメモリの場合は、多くのユーザにとって利便性が高い。
【0127】
最後に、電話端末装置10および電話端末装置20の各ブロック、特に通信I/F部13、制御部24、モデム部15、および制御部24は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0128】
すなわち、電話端末装置10および電話端末装置20は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである電話端末装置10および電話端末装置20の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記電話端末装置10および電話端末装置20に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0129】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0130】
また、電話端末装置10および電話端末装置20を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0131】
本発明は上述した各実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、ファクシミリデータを受信し、該ファクシミリデータを外部メモリに記憶する電話端末装置およびその制御方法、電話端末装置制御プログラム、ならびに該プログラムを記録した記録媒体に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の実施の形態を示すものであり、電話端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記電話端末装置の制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図3】上記電話端末装置の概観を示す斜視図である。
【図4】上記電話端末装置が行う着信制御における、着信制御処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】(a)(b)(c)(d)は、上記電話端末装置が再生するメッセージの例を示す図である。
【図6】上記電話端末装置が行う応答制御における、応答/録音中制御(その1)処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】上記電話端末装置が行う応答制御における、応答/録音中制御(その2)処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明の他の実施の形態を示すものであり、電話端末装置の要部構成を示すブロック図である。
【図9】上記電話端末装置の制御部の要部構成を示すブロック図である。
【図10】上記電話端末装置が行うデータ書き込みにおける処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】上記電話端末装置が行うデータ消去における処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】上記電話端末装置が行うデータ消去における他の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】上記電話端末装置が行うデータ消去におけるさらに他の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0134】
1 ハンドセット
2 液晶ディスプレイ
3 留守/再生ボタン
4 ダイヤルボタン
5 拡張カードスロット
6 USBスロット
7 USBメモリ(外部メモリ)
8 スピーカー
10 電話端末装置
11 操作部
12 スピーカー制御部
13 通信I/F部
15 モデム部(通信手段)
16 NCU(通信手段)
17 クロック
18 記憶部
19a 電話回線
19 電話網
20 電話端末装置
30 制御部
31 ファクシミリ受信確認部(ファクシミリ受信検知手段)
31a データ受信信号確認部
31b ファクシミリ識別信号確認部
32 電話端末制御部(電話端末制御手段)
32a USBメモリ有無通知部(外部メモリ有無通知手段)
32b 呼出音制御部(呼出音制御手段)
32c USBメモリ装着待機処理部(外部メモリ装着待機処理手段)
32d USBメモリ装着待機報知部(外部メモリ装着待機報知手段)
33 USBメモリ有無確認部(外部メモリ有無確認手段)
34 留守番電話機能制御部
40 制御部
41 受信データ移動/複写部(受信データ移動手段、受信データ複写手段)
42 記憶期間設定部(記憶期間設定手段)
43 記録済みデータ消去部
43a 第1記録済みデータ消去部(第1記録済みデータ消去手段)
43b 第2記録済みデータ消去部(第2記録済みデータ消去手段)
48 記憶部(内部記憶手段)
48a 受信データ格納領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信したファクシミリデータを記憶する着脱自在な外部メモリと、
電話網と接続し、ファクシミリデータの送受信を行う通信手段と、
上記通信手段を介して受信したファクシミリの信号を検知するファクシミリ受信検知手段と、
上記外部メモリの装着の有無を確認する外部メモリ有無確認手段と、
上記ファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検知した場合に、上記外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリが装着されている場合には、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させる電話端末制御手段とを備えていることを特徴とする電話端末装置。
【請求項2】
上記電話端末制御手段は、
ファクシミリの受信時に、外部メモリの有無に応じたメッセージをファクシミリの送信元に送信する外部メモリ有無通知手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項3】
上記電話端末制御手段は、
ファクシミリの受信時に外部メモリが装着されていない場合、上記電話端末装置が呼出音を鳴らし続けるように制御する呼出音制御手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項4】
上記電話端末制御手段は、
ファクシミリの受信時に外部メモリが装着されていない場合、外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間内に外部メモリが装着された場合、受信したデータを該外部メモリに記憶させる外部メモリ装着待機処理手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項5】
上記電話端末制御手段は、
ファクシミリの受信時に上記外部メモリが装着されていない場合、上記外部メモリが装着されるまで一定時間待ち、一定時間後に上記外部メモリが装着されていない場合、上記外部メモリが装着されていない旨を報知する外部メモリ装着待機報知手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項6】
受信したファクシミリデータを記憶する内部記憶手段と、
上記内部記憶手段に受信したファクシミリデータが格納されている状態にて外部メモリが装着された場合に、内部記憶手段内の上記ファクシミリデータを上記外部メモリに移動させる受信データ移動手段とをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項7】
受信したファクシミリデータを記憶する内部記憶手段と、
上記内部記憶手段に受信したファクシミリデータが格納されている状態にて外部メモリが装着された場合に、内部記憶手段内の上記ファクシミリデータを上記外部メモリに複写させる受信データ複写手段とをさらに備えていることを特徴とする、請求項1に記載の電話端末装置。
【請求項8】
上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータが残っている状態にて該記録済みデータに対して一定のデータ記憶期間を設定する記憶期間設定手段と、
上記記憶期間経過後に上記内部記憶手段内に存在する上記記憶期間が経過したファクシミリデータを消去する第1記録済みデータ消去手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の電話端末装置。
【請求項9】
上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータが残っている状態にて上記ファクシミリ受信検知手段がファクシミリの信号を検知した場合、上記内部記憶手段内に記録されているファクシミリデータの中ですでに外部メモリに記録された記録済みデータを自動的に消去する第2記録済みデータ消去手段を備えていることを特徴とする請求項7に記載の電話端末装置。
【請求項10】
受信したファクシミリデータを記憶する着脱自在な外部メモリと、電話網と接続し、ファクシミリデータの送受信を行う通信手段と、上記通信手段を介して受信したファクシミリの信号を検知するファクシミリ受信検知手段とを備えている電話端末装置の制御方法において、
上記外部メモリの装着の有無を確認するステップと、
上記ファクシミリの信号を検知した場合に、上記外部メモリの装着の有無に応じて予めプログラムされた処理を行うとともに、ファクシミリの信号が検知されかつ外部メモリが装着されている場合には、受信したファクシミリデータを上記外部メモリに記録させるステップとを備えていることを特徴とする制御方法。
【請求項11】
請求項1ないし9のいずれか一項に記載の電話端末装置における各手段として、コンピュータに機能させるための電話端末装置制御プログラム。
【請求項12】
請求項11に記載の電話端末装置制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−243721(P2007−243721A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−64658(P2006−64658)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】