電話装置
【課題】 電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる電話装置を提供すること。
【解決手段】 電話本体20は、複数の通話デバイス50,70,80のそれぞれについて、SIP URIとステータスとを対応づけて記憶している。電話本体20は、送信先のSIP URIを含むINVITEを受信する。電話本体20は、INVITEに含まれる送信先のSIP URIに対応づけて記憶されているステータスが「IDLE」以外であることを条件として、INVITEの送信元に向けて、他の通話デバイスに対するINVITEに変更することを許容するのか否かを選択するための情報を送信する。電話本体20は、肯定的な選択結果が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。
【解決手段】 電話本体20は、複数の通話デバイス50,70,80のそれぞれについて、SIP URIとステータスとを対応づけて記憶している。電話本体20は、送信先のSIP URIを含むINVITEを受信する。電話本体20は、INVITEに含まれる送信先のSIP URIに対応づけて記憶されているステータスが「IDLE」以外であることを条件として、INVITEの送信元に向けて、他の通話デバイスに対するINVITEに変更することを許容するのか否かを選択するための情報を送信する。電話本体20は、肯定的な選択結果が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の電話装置から送信された通話要求を受信すると、通話要求通知を行なう電話装置に関する。なお、「通話要求通知」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話要求が受信されたことをユーザに通知することが可能である様々な手法を含む概念である。例えば、「通話要求通知」の一例として、音を出力すること(鳴動させること)、振動させること、所定の表示を行なうこと、ランプの挙動を変えること等を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ファクシミリ装置と複数の子機が1つの内線網に存在するシステムが開示されている。ファクシミリ装置は、通話要求を受信すると、使用中以外の子機(待機中の子機)に通話要求通知指示を送信する。これにより、待機中の子機を鳴動させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−24813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザは、緊急の用事で電話をかける場合もあるし、そうでない場合もある。特許文献1のシステムは、電話をかけてくるユーザの意図にかかわらず、同じ挙動を示す(待機中の子機が鳴動する)。即ち、特許文献1の技術では、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができない。
【0005】
本明細書では、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる電話装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される電話装置は、識別情報−ステータス記憶手段と通話要求受信手段と第1選択情報送信手段と第1選択結果情報受信手段と通知指示送信手段とを備える。なお、この電話装置は、一般公衆回線網(PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network))を利用して電話通信を行なうものであってもよいし、IP網を利用して電話通信を行なうものであってもよい。即ち、電話装置は、一般電話であってもよいし、IP電話であってもよい。また、電話装置は、一般公衆回線網とIP網の両方を利用して電話通信を行なうものであってもよい。
【0007】
識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する。「識別情報」は、通話デバイスを識別することができるあらゆる情報を含む概念である。一般電話の場合、「識別情報」として電話番号が利用されてもよい。IP電話の場合、「識別情報」として電話番号、URI形式で記述されたアドレス等が利用されてもよい。例えば、識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、使用中ステータスと待機ステータスの二種類のステータスのいずれかを記憶してもよい。また、例えば、識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、三種類以上のステータス(例えば、電源OFFステータス、通話中ステータス、通話要求送信中ステータス、通話要求通知中ステータス、待機ステータス等)のいずれかを記憶してもよい。なお、電源OFFステータスが存在する場合、電源OFFステータスをどのように扱うのかは特に限定されない。即ち、電源OFFステータスは、待機ステータスであると言うこともできるし、使用中ステータスであると言うこともできるし、使用中ステータスでも待機ステータスでもないと言うこともできる。
【0008】
通話要求受信手段は、送信先の識別情報を含む通話要求を受信する。第1選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第1選択情報を送信する。この第1選択情報の形式は特に限定されない。例えば、第1選択情報は、音声データであってもよいし、テキストデータであってもよい。前者の場合、通話要求の送信元では、音声メッセージが音声出力されてもよい。この場合、通話要求の送信元のユーザ(電話をかけたユーザ)は、音声メッセージに従って選択することができる(例えばキー操作によって選択してもよい)。一方において、後者の場合、通話要求の送信元では、テキストデータが表示されてもよい。この場合、通話要求の送信元のユーザ(電話をかけたユーザ)は、テキストデータに従って選択することができる(例えばキー操作によって選択してもよい)。通話要求の送信元(選択情報の送信先)のユーザは、第1選択情報に従って選択することができる。
【0009】
第1選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第1選択結果情報を受信する。通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。この結果、上記の他の通話デバイスは、所定の通話要求通知を行なう。例えば、音による通知を行なってもよいし、所定の表示を行なってもよいし、振動させてもよい。なお、上記の他の通話デバイスが複数存在する場合、通知指示送信手段は、全ての通話デバイスに通話要求通知指示を送信してもよいし、いずれかの通話デバイス(少なくとも1つの通話デバイス)に通話要求通知指示を送信してもよい。また、通知指示送信手段は、識別情報−ステータス記憶手段の記憶内容に基づいて、通話要求通知指示の送信先を変えてもよい。例えば、通知指示送信手段は、待機ステータスに対応づけられている識別情報に対応する通話デバイスに通話要求通知指示を送信するようにしてもよい。なお、上記の待機ステータスは、通話デバイスが使用中(通話中、通話要求通知中、通話要求送信中)ではないことを示すステータスである。即ち、通知指示送信手段は、使用中ステータスに対応づけられている識別情報に対応する通話デバイスに通話要求通知指示を送信しないようにしてもよい。
【0010】
なお、例えば、電話装置は、親機と子機を有していてもよい。この場合、親機の通話デバイスは、コードレスタイプであってもよいし、親機本体に有線で接続されているタイプであってもよい。前者の場合、例えば、通知指示送信手段は、親機の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信してもよい。一方において、後者の場合、例えば、通知指示送信手段は、親機本体が有するスピーカから音を出力させる音出力回路に向けて通話要求通知指示を送信してもよい。この場合、上記の音出力回路は、親機の通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0011】
上記の電話装置によると、通話要求の送信先の通話デバイスが使用中ステータスであることを条件として、その通話要求の送信元に第1選択情報を送信することができる。通話要求の送信元のユーザは、第1選択情報に従って選択することができる。例えば、ユーザは、緊急の用事で電話をかける場合や、他のユーザでも電話をかけた用事が済ませられる場合には肯定的な選択を行なうことができ、そうでない場合には否定的な選択な行なうことができる。肯定的な選択結果が得られた場合、他の通話デバイスに通話要求通知指示が送信される。これにより、他の通話デバイスで通話要求通知が行なわれる。他の通話デバイスのユーザが通話開始操作を行なうと、通話要求の送信元のユーザは、他の通話デバイスのユーザと通話することができる。この電話装置によると、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる。
【0012】
電話装置は、第2選択情報送信手段と第2選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第2選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(以下で「送信先通話デバイス」と呼ぶことがある)に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第2選択情報を送信する。この第2選択情報の形式は特に限定されない。送信先通話デバイスのユーザは、第2選択情報に従って選択することができる。第2選択結果情報受信手段は、通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第2選択結果情報を受信する。第1選択情報送信手段は、第2選択結果情報受信手段によって肯定的な第2選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信してもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、自分にかかってきた
電話を他の者に代わりに出てもらうのか否かを選択することができる。
【0013】
電話装置は、待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する特定手段をさらに備えていてもよい。この場合、第2選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を含む第2選択情報を送信してもよい。これにより、送信先通話デバイスのユーザは、第2選択情報に従って少なくとも1つの識別情報を指定することができる。この結果、第2選択結果情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスで指定された少なくとも1つの識別情報を含む肯定的な第2選択結果情報を受信することが可能である。通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、第2選択結果情報に含まれる識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信してもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、自分にかかってきた電話を自分が指定する者に代わりに出てもらうことができる。
【0014】
電話装置は、第3選択情報送信手段と第3選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第3選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、緊急の通話要求であるのか否かを選択するための第3選択情報を送信する。この第3選択情報の形式は特に限定されない。送信先通話デバイスのユーザは、第3選択情報に従って選択することができる。第3選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第3選択結果情報を受信する。第1選択情報送信手段は、第3選択結果情報受信手段によって肯定的な第3選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信してもよい。
【0015】
電話装置は、第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、上記の通話要求の送信元の識別情報を含むコールバック要求情報を送信するコールバック要求情報送信手段をさらに備えていてもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、コールバック要求情報に含まれる送信元の識別情報に基づいて、コールバックを行なうことができる。
【0016】
電話装置は、第4選択情報送信手段と第4選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第4選択情報送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、コールバックを要求するのか否かを選択するための第4選択情報を送信する。この第4選択情報の形式は特に限定されない。上記の通話要求の送信元のユーザは、第4選択情報に従って選択することができる。第4選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第4選択結果情報を受信する。コールバック要求情報送信手段は、第4選択結果情報受信手段によって肯定的な第4選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けてコールバック要求情報を送信してもよい。このコールバック要求情報の形式は特に限定されない。この構成によると、電話をかけてくるユーザは、コールバックを要求するのか否かを選択することができる。
【0017】
コールバック要求情報は、上記の通話要求の送信元の識別情報と、コールバックするのか否かを選択するための第5選択情報とを含んでいてもよい。送信先通話デバイスのユーザは、第5選択情報に従って選択することができる。電話装置は、第5選択結果情報受信手段と通話要求送信手段とをさらに備えていてもよい。第5選択結果情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)から送信された第5選択結果情報を受信する。通話要求送信手段は、第5選択結果情報受信手段によって肯定的な第5選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて通話要求を送信する。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザの意図に応じてコールバックすることができる。
【0018】
送信先通話デバイスに対する通話要求が上記の他の通話デバイスに転送された場合、通話要求の送信元と上記の他の通話デバイスとの間で通話することができる。この通話が継続している間に、送信先通話デバイスのユーザが、通話要求の送信元と通話することを望むかもしれない。このような要望に応じるために、以下の構成を採用してもよい。即ち、電話装置は、上記の通話要求の送信元と上記の他の通話デバイスとの間の第1通話を、上記の通話要求の送信元と上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)との間の第2通話に切換える通話切換手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
電話装置は、第6選択情報送信手段と第6選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第6選択情報送信手段は、上記の他の通話デバイスに向けて、第1通話を第2通話に切換えることを許容するのか否かを選択するための第6選択情報を送信する。この第6選択情報の形式は特に限定されない。上記の他の通話デバイスのユーザは、第6選択情報に従って選択することができる。第6選択結果情報受信手段は、上記の他の通話デバイスから送信された第6選択結果情報を受信する。通話切換手段は、第6選択結果情報受信手段によって肯定的な第6選択結果情報が受信されたことを条件として、第1通話を第2通話に切換えてもよい。この構成によると、上記の他の通話デバイスのユーザの意図に応じて第1通話を第2通話に切換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部をまとめておく。
(形態1)電話装置は、IP網を利用して電話通信を行なってもよい。
(形態2)電話装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して電話通信を行なってもよい。他のプロトコルが利用されてもよい。例えば、「H.323」、「MGCP(Media Gateway Control Protocol)」、「H.248/MEGACO(Media Gateway Control)」等が利用されてもよい。
(形態3)形態2の場合、通話要求は、INVITEコマンドであってもよい。また、SIPのMESSAGEコマンドによって上記の様々な選択情報等が送信されてもよい。この場合、テキストデータの選択情報が送信されることになる。また、SIPのMESSAGEコマンドによって上記の様々な選択結果情報が送信されてもよい。この場合、テキストデータの選択結果情報が送信されることになる。
【0021】
(形態4)次の電話装置も有用である。即ち、この電話装置は、識別情報−ステータス記憶手段と通話要求受信手段と特定手段と識別情報送信手段と指定情報受信手段と通知指示送信手段とを備える。識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する。通話要求受信手段は、送信先の識別情報を含む通話要求を受信する。特定手段は、待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する。識別情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を送信する。指定情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)で指定された少なくとも1つの識別情報を受信する。通知指示送信手段は、指定情報受信手段によって受信された識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。
【実施例】
【0022】
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例の電話ネットワークシステム2を示す。電話ネットワークシステム2は、複数の内線網10,110とインターネット104とSIPサーバ106等を備える。図1では2つの内線網10,110しか示されていないが、実際には多数の内線網が存在する。
【0023】
内線網10は、電話本体20と複数の通話デバイス50,70,80を有する。通話デバイス50,70,80のそれぞれに異なるSIP URIが割り当てられている。電話本体20は、インターネット104(IP網)に接続されている。内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網10はIP電話である。
【0024】
内線網110は、電話本体120と複数の通話デバイス150,160を有する。通話デバイス150,160のそれぞれに異なるSIP URIが割り当てられている。電話本体120は、インターネット104に接続されている。内線網110を構成する各通話デバイス150,160は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はIP電話である。
【0025】
SIPサーバ106は、内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80のSIP URI(電話識別情報)を記憶している。これらのSIP URIのドメイン部分(@より後の部分)は共通している。SIPサーバ106は、内線網10を構成するいずれかの通話デバイス(例えば通話デバイス50)を送信先に指定しているコマンドを受信すると、そのコマンドを電話本体20に転送する。電話本体20は、各通話デバイス50,70,80の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス50,70,80は、電話本体20を介して外部と電話通信することができる。また、SIPサーバ106は、内線網110を構成する各通話デバイス150,160のSIP URIを記憶している。SIPサーバ106は、内線網110を構成するいずれかの通話デバイス(例えば通話デバイス150)を送信先に指定しているコマンドを受信すると、そのコマンドを電話本体120に転送する。電話本体120は、各通話デバイス150,160の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス150,160は、電話本体120を介して外部と電話通信することができる。
【0026】
(電話本体の構成)
電話本体20の構成について説明する。図2は、電話本体20の構成を示す。電話本体20は、本体側制御部22と無線通信インターフェイス24とネットワークインターフェイス26と記憶部28と操作部36と表示部38等を有する。本体側制御部22は、記憶部28に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。本体側制御部22が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。無線通信インターフェイス24は、各通話デバイス50,70,80と無線通信するためのインターフェイスである。ネットワークインターフェイス26には、LAN回線100が接続されている。LAN回線100は、インターネット104に接続されている。電話本体20は、ネットワークインターフェイス26とLAN回線100を介してインターネット104にアクセスすることができる。
【0027】
記憶部28は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部28は、ステータス記憶領域30とプログラム記憶領域32と履歴記憶領域33とその他の記憶領域34等を有する。ステータス記憶領域30は、複数の通話デバイス50,70,80のそれぞれのステータスを記憶することができる。図3は、ステータス記憶領域30の記憶内容の一例を示す。ステータス記憶領域30は、複数の組合せデータ210,212,214を記憶することができる。各組合せデータ210,212,214は、通話デバイスID200とステータス202とSIP URI204とが対応づけられたものである。通話デバイスID200は、通話デバイス50,70,80を特定するためのIDである。本実施例では、通話デバイス50の通話デバイスIDが「001」であり、通話デバイス70の通話デバイスIDが「002」であり、通話デバイス80の通話デバイスIDが「003」である。また、本実施例では、4種類のステータス(IDLE、RINGING、CALLING、TALKING)が利用される。「IDLE」は、使用されていない状態であることを示す。「RINGING」は、通話要求通知中であることを示す。「CALLING」は、通話要求送信中であることを示す。「TALKING」は、通話中であることを示す。本体側制御部22は、通話デバイス50,70,80のステータスを監視している。初期状態では通話デバイスのステータスは「IDLE」であり、ユーザが通話デバイスに対して操作等を加えることによってステータスが変更される。ステータス記憶領域30にどのようにしてステータスが記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。SIP URI204は、各通話デバイス50,70,80のSIP URIを示す。図3から明らかなように、各通話デバイス50,70,80は、共通のドメイン(domain.com)を有する。
【0028】
プログラム記憶領域32は、本体側制御部22によって実行されるべきプログラムを記憶している。例えば、プログラム記憶領域32は、SIPを利用して電話通信を行なうためのプログラムを記憶している。
【0029】
履歴記憶領域33は、様々な履歴情報を記憶することができる。図4は、履歴記憶領域33の記憶内容の一例を示す。履歴記憶領域33は、通話中通話要求情報230、コールバック要求情報240、転送情報250等を記憶することができる。通話中通話要求情報230は、使用中の通話デバイスを送信先とする通話要求(即ちINVITE)が受信されたことを示す情報である。通話中通話要求情報230は、通話要求の送信先のSIP URI232と、通話要求の送信元のSIP URI234とが対応づけられたものである。コールバック要求情報240は、コールバックが要求されたことを示す情報である。コールバック要求情報240は、通話要求の送信先のSIP URI242と、通話要求の送信元のSIP URI244とが対応づけられたものである。転送情報250は、通話要求の送信先以外の通話デバイスに通話要求通知指示が送信されたことを示す情報である。通話要求通知指示については、後で詳しく説明する。転送情報250は、通話要求が他の通話デバイスに転送されたことを示す情報であると言うこともできる。転送情報250は、通話要求の送信先のSIP URI252と、通話要求通知指示の送信先(通話要求の転送先)のSIP URI254とが対応づけられたものである。履歴記憶領域33にどのようにして履歴情報が記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。
【0030】
記憶領域34は、ステータス記憶領域30、プログラム記憶領域32、及び、履歴記憶領域33に記憶されるべき情報以外の情報を記憶することができる。操作部36は、複数のキーを有する。ユーザは、操作部36を操作することによって、様々な情報を電話本体20に入力することができる。表示部38は、様々な情報を表示することができる。
【0031】
(通話デバイスの構成)
続いて、通話デバイス50の構成について説明する。通話デバイス70,80は、通話デバイス50と同様の構成を有している。このために、通話デバイス70,80の詳しい説明は省略する。本実施例の通話デバイス50は、コードレスタイプである。図5は、通話デバイス50の構成を示す。通話デバイス50は、デバイス側制御部52と無線通信インターフェイス54と操作部56と表示部58とスピーカ60とマイク62と記憶部64等を有する。デバイス側制御部52は、記憶部64に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。デバイス側制御部52が実行する処理の内容については、必要に応じて後で説明する。無線通信インターフェイス54は、電話本体20と無線通信するためのインターフェイスである。
【0032】
操作部56は、複数のキーを有する。例えば、操作部56は、フックキーやテンキーを有する。通話デバイス50は、使用されていない状態ではオンフック状態になっている。ユーザは、通話デバイス50を利用して電話をかける際にフックキーを操作することができる。これにより、通話デバイス50は、オフフック状態になる。次いで、ユーザは、テンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、通話要求の送信先の電話識別情報(SIP URI)を通話デバイス50に入力する。これにより、ユーザは、電話をかけることができる。また、ユーザは、電話がかかってきている状態(通話要求通知中)でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオフフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話をとることができる。以下では、電話がかかってきている状態でオフフック状態にすることを「通話開始操作」と呼ぶ。また、ユーザは、通話中状態でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオンフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話を切断することができる。以下では、通話中状態でオンフック状態にすることを「通話終了操作」と呼ぶ。
【0033】
表示部58は、様々な情報を表示することができる。ユーザは、スピーカ60とマイク62を利用して通話を行なうことができる。記憶部64は、デバイス側制御部52によって実行されるべきプログラムを記憶している。また、記憶部64は、デバイス側制御部52が処理を実行する過程で生成されるデータ等を記憶することができる。
【0034】
なお、内線網110を構成する電話本体120は、電話本体20と同様の構成を有する。電話本体120は、LAN回線102を介してインターネット104にアクセスすることができる。また、内線網110を構成する通話デバイス150,160は、通話デバイス50と同様の構成を有する。
【0035】
(通話要求受信処理)
続いて、本体側制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、通話要求受信処理の内容について説明する。図6〜図8は、通話要求受信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、INVITEを受信することを監視している(S10)。例えば、通話デバイス150のユーザは、通話デバイス50のSIP URIを通話デバイス150に入力することによって通話デバイス50に電話をかけることができる。この場合、内線網110の電話本体120からSIPサーバ106にINVITEが送信される。このINVITEは、送信元である通話デバイス150のSIP URIと、送信先である通話デバイス50のSIP URIとを含んでいる。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを電話本体20に転送する。この場合、本体側制御部22は、S10でYESと判断する。なお、本実施例では、通話デバイス150から通話デバイス50に電話をかけることによってINVITEがS10で受信されるものとして以下の説明を続ける。
【0036】
S10でYESの場合、本体側制御部22は、INVITEに含まれる送信先の通話デバイス50のステータスを取得する(S12)。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、通話デバイス50のステータスを取得する。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスが「TALKING」、「RINGIGN」、又は、「CALLING」であるのか否かを判断する。ここでYESの場合、S18に進む。一方において、通話デバイス50のステータスが「IDLE」である場合、S14に進む。
【0037】
S14では、本体側制御部22は、通話デバイス50に通話要求通知指示を送信する。通話デバイス50(デバイス側制御部52)は、通話要求通知指示を受信すると、リング音をスピーカ60から出力する。これにより、通話デバイス50のユーザは、電話がかかってきたことを知ることができる。次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S16)。具体的に言うと、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「RINGING」に変更する。
【0038】
なお、フローチャートには示されていないが、本体側制御部22は、S14を実行した後に、S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する。なお、本実施例において「Xに対するレスポンスとしてYを送信する」と記載されている場合、Yは、Xに対するレスポンスであることを特定する情報と、Yの送信元(即ちXの送信先)の情報と、Yの送信先(即ちXの送信元)の情報とを含んでいることを意味する。例えば、「INVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する」と記載されている場合、180Ringingは、INVITEに対するレスポンスであることを特定する情報と、180Ringingの送信元(INVITEの送信先)である通話デバイス50のSIP URIと、180Ringingの送信先(INVITEの送信元)である通話デバイス150のSIP URIとを含んでいる。180Ringingは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、180Ringingを電話本体120に転送する。電話本体120は、180Ringingに対応する情報を通話デバイス150に送信する。この結果、通話デバイス150では、呼び出し中を示す音が出力されることになる。通話デバイス150のユーザは、呼び出し中であることを知ることができる。
【0039】
上記のS14を実行した場合、通話デバイス50のユーザは、通話開始操作を実行することができる。この場合、通話デバイス50は、通話開始操作が実行されたことを示す情報を電話本体20に送信する。この情報は、通話開始操作が実行された通話デバイス50のIDが含んでいる。このために、電話本体20(本体側制御部22)は、いずれの通話デバイスで通話開始操作が実行されたのかを知ることができる。本体側制御部22は、上記の情報が電話本体20で受信された場合に、S10で受信されたINVITEのレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。電話本体120は、200OKを受信すると、ACKを送信する。ACKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、ACKを電話本体20に転送する。これにより、通話用通信セッションRTP(Real−time Transport Protocol)が確立される。この結果、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話を行なうことができるようになる。なお、本体側制御部22は、通話用通信セッションRTPが確立されると、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する。即ち、本体側制御部22は、通話開始操作が実行された通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0040】
S18では、本体側制御部22は、通話中通話要求情報(図4の符号230参照)を履歴記憶領域33に記憶する。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS232参照)と、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URI(図4の符号234参照)とが対応づけられている通話中通話要求情報を記憶する。
【0041】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する(S20)。この処理では、本体側制御部22は、「Normal or Emergency」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、緊急であることを示す文字列と、通常であること(緊急でないこと)を示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S22)。
【0042】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Normal or Emergency」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S24)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S26)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0043】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Emergency」であるのか否かを判断する(S28)。ここでNOの場合(選択結果が「Normal」である場合)、図7のS30に進む。一方において、S28でYESの場合、図8のS50に進む。
【0044】
図7のS30では、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する。S30では、本体側制御部22は、「Call back OK or Call back NO」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、コールバックを要求することを示す文字列と、コールバックを要求しないことを示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S32)。
【0045】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Call back OK or Call back NO」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S34)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S36)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0046】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Call back OK」であるのか否かを判断する(S38)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、コールバック要求情報(図4の符号240参照)を履歴記憶領域33に記憶する(S40)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS242参照)と、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URI(図4の符号244参照)とが対応づけられているコールバック要求情報を記憶する。S40を終えた場合、又は、S38でNOの場合、通話要求受信処理が終了する。
【0047】
図8のS50では、本体側制御部22は、ステータス「IDLE」を有する通話デバイスが存在するのか否かを判断する。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、S50の判断を行なう。ここでNOの場合、図7のS30に進む。一方において、S50でYESの場合、本体側制御部22は、ステータス「IDLE」を有する全ての通話デバイスのSIP URIを特定する。本体側制御部22は、特定されたSIP URIのリスト(テキストデータ)を作成する。本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50に上記のリストを送信する(S52)。この結果、通話デバイス50の表示部58において上記のリストが表示される。なお、通話デバイス50において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話デバイス50を使用中であるユーザに注意を促すためである。また、S52で通話デバイス50に送信される情報の中にINVITEの送信元に関する情報(例えばSIP URI)が含まれていてもよい。この場合、INVITEの送信元に関する情報も表示部58に表示される。通話デバイス50のユーザは、誰から電話がかかってきたのかを知ることができる。通話デバイス50のユーザは、自分にかかってきた電話を他の者に代わりに出てもらうことを許容する場合、上記のリストから1つのSIP URIを選択する操作を行なうことができる。この場合、通話デバイス50は、ユーザによって選択されたSIP URIを含む選択結果を電話本体20に送信する。一方において、通話デバイス50のユーザは、他の者に代わりに出てもらうことを許容しない場合、いずれのSIP URIも選択しない操作(例えば許容しないことを示す文字列を選択する操作)を行なうことができる。この場合、通話デバイス50は、許容しないことを示す文字列を含む選択結果を電話本体20に送信する。
【0048】
電話本体20は、通話デバイス50から送信された選択結果(SIP URIを含む選択結果又は許容しないことを示す文字列を含む選択結果)を受信する。本体側制御部22は、どちらの選択結果を受信したのかを判断する(S54)。許容しないことを示す文字列を含む選択結果が受信された場合、図7のS30に進む。一方において、SIP URIを含む選択結果が受信された場合、S60に進む。
【0049】
S60では、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する。S60では、本体側制御部22は、「Transfer OK or Transfer NO」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、転送を要求することを示す文字列と、転送を要求しないことを示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S62)。
【0050】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Transfer OK or Transfer NO」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S64)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S66)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0051】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Transfer OK」であるのか否かを判断する(S68)。ここでNOの場合、図7のS30に進む。一方において、S68でYESの場合、本体側制御部22は、S54の選択結果に含まれるSIP URIに対応する通話デバイス(即ち通話デバイス50のユーザによって指定された通話デバイス)に通話要求通知指示を送信する(S70)。なお、本実施例では、S70において通話デバイス70に通話要求通知指示が送信されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス70(デバイス側制御部)は、通話要求通知指示を受信すると、リング音をスピーカから出力する。これにより、通話デバイス70のユーザは、電話がかかってきたことを知ることができる。次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S72)。具体的に言うと、本体側制御部22は、通話デバイス70のステータスを「RINGING」に変更する。
【0052】
通話デバイス70に通話要求通知指示が送信された場合、図6のS14等が実行された場合と同様に以下の各処理が実行される。
(1)S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する処理。このレスポンスの送信元は、通話デバイス70である。
(2)通話デバイス70で通話開始操作が実行された場合に、S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして200OKを送信する処理。このレスポンスの送信元は、通話デバイス70である。
(3)通話用通信セッションRTPが確立された場合に、通話デバイス70のステータスを「TALKING」に変更する処理。
【0053】
本体側制御部22は、転送情報(図4の符号250参照)を履歴記憶領域33に記憶する(S74)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS252参照)と、S70で送信された通話要求通知指示の送信先の通話デバイス70(転送先の通話デバイス70)のSIP URI(図4のS254参照)とが対応づけられている転送情報を記憶する。
【0054】
通話デバイス70のユーザは、通話デバイス150のユーザと通話することができる。この通話の内容に基づいて、通話デバイス70のユーザは、通話デバイス50のユーザが通話デバイス150にコールバックした方がよいのか否かを判断することができる。通話デバイス70のユーザは、所定の操作を通話デバイス70に加えることができる。この場合、通話デバイス70は、コールバックを要求することを示す情報を電話本体20に送信する。この場合、S76でYESと判断され、図7のS40に進む。このS40では、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URIと、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URIとが対応づけられているコールバック要求情報を記憶する。なお、図4の符号242,244以外の項目を新たに設けて、通話デバイス70のSIP URIもコールバック要求情報に含めるようにしてもよい。
【0055】
(通話要求送信処理)
続いて、通話要求送信処理について簡単に説明しておく。通話要求送信処理のフローチャートは省略している。例えば、通話デバイス50のユーザは、通話デバイス150のSIP URIを通話デバイス50に入力することによって通話デバイス150に電話をかけることができる。この場合、通話デバイス50は、通話デバイス150のSIP URIを含む情報を電話本体20に送信する。本体側制御部22は、電話本体20によって上記の情報が受信されると、SIPサーバ106にINVITEを送信する。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを電話本体120に転送する。この結果、通話デバイス150においてリング音が出力される(図6のS14参照)。なお、本体側制御部22は、上記のINVITEを送信すると、通話デバイス50のステータスを「CALLING」に変更する。
【0056】
通話デバイス150のユーザは、通話開始操作を実行することができる。この場合、電話本体120は、上記のINVITEに対するレスポンスとして200OKを送信する。SIPサーバ106は、200OKを受信すると、200OKを電話本体20に転送する。次いで、本体側制御部22は、ACKを送信する。ACKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、ACKを電話本体120に転送する。これにより、通話用通信セッションRTPが確立される。この結果、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話を行なうことができるようになる。なお、通話用通信セッションRTPが確立された場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0057】
(通話終了処理)
続いて、通話終了処理の内容について説明する。例えば、内線網10を構成する通話デバイスと内線網110を構成する通話デバイスとの間で通話が行なわれている場合、どちらのユーザも通話終了操作を実行することができる。例えば、内線網10を構成する通話デバイスで先に通話終了操作が実行された場合、内線網10を構成する電話本体20が主導して通話終了操作を実行する。図9は、この場合に実行される本体側制御部22の通話終了処理のフローチャートを示す。一方において、例えば、内線網110を構成する通話デバイスで先に通話終了操作が実行された場合、内線網110を構成する電話本体120が主導して通話終了操作を実行する。この場合、内線網10を構成する電話本体20は、従動的に通話終了操作を実行する。図10は、この場合に実行される本体側制御部22の通話終了処理のフローチャートを示す。
【0058】
まず、図9のフローチャートに示される通話終了処理の内容について説明する。なお、本実施例では、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話が行なわれており、通話デバイス50で通話終了操作が実行されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス50は、通話終了操作が実行されたことを示す情報を電話本体20に送信する。この場合、本体側制御部22は、S100でYESと判断する。S100でYESの場合、本体側制御部22は、BYEを送信する(S102)。BYEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、BYEを電話本体120に転送する。電話本体120は、BYEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S104)。これにより、通話用通信セッションRTPが切断される(S106)。
【0059】
次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S108)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S100で通話終了操作が実行された通話デバイス50のステータスを「IDLE」に変更する。続いて、本体側制御部22は、通話終了後処理を実行する(S110)。通話終了後処理の内容については、後で詳しく説明する。通話終了後処理を終えると、通話終了処理が終了する。
【0060】
続いて、図10のフローチャートに示される通話終了処理の内容について説明する。なお、本実施例では、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話が行なわれており、通話デバイス150で通話終了操作が実行されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス150で通話終了操作が実行された場合、電話本体120は、BYEを送信する。BYEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、BYEを電話本体20に転送する。この場合、S120でYESと判断される。本体側制御部22は、BYEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S122)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。これにより、通話用通信セッションRTPが切断される(S124)。
【0061】
次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S126)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S120で受信されたBYEの対象の通話デバイス50のステータスを「IDLE」に変更する。続いて、本体側制御部22は、通話終了後処理を実行する(S128)。通話終了後処理の内容については、後で詳しく説明する。通話終了後処理を終えると、通話終了処理が終了する。
【0062】
(通話終了後処理)
続いて、図9のS110又は図10のS128で実行される通話終了後処理について説明する。本実施例では、通話デバイス50について図9又は図10のフローチャートが実行されたものとして以下の説明を続ける。本体側制御部22は、図4の符号232に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる通話中通話要求情報(図4の符号230参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する(S140)。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、S12でYESと判断された場合、図4の符号232に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる通話中通話要求情報が存在する。この場合、S140でYESと判断され、S142に進む。
【0063】
S142では、S140でYESと判断された通話中通話要求情報を削除する。次いで、本体側制御部22は、図4の符号252に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる転送情報(図4の符号250参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する(S144)。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、図8のS74が実行された場合、図4の符号252に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる転送情報が存在する。この場合、S144でYESと判断され、S146に進む。一方において、S144でNOの場合、図12のS170に進む。
【0064】
S146では、S144でYESと判断された転送情報に含まれる転送先の通話デバイス(本実施例では通話デバイス70とする)のステータスが「TALKING」であるのか否かを判断する。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、S146の判断を行なう。ここでNOの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報を削除する(S156)。
【0065】
一方において、S146でYESの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報に含まれる転送先の通話デバイス70に向けて、通話を切換えることを許容するのか否かを選択するための情報を送信する(S148)。なお、本実施例では、通話デバイス70と通話デバイス150とが通話中であるものとして以下の説明を続ける。上記の情報は、例えば、通話を切換えることを許容することを示す文字列と、通話を切換えることを許容しないことを示す文字列とを含んでいる。通話デバイス70の表示部において上記の情報が表示される。なお、通話デバイス70において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話中であるユーザに注意を促すためである。通話デバイス70のユーザは、通話を切換えることを許容することを示す文字列、又は、通話を切換えることを許容しないことを示す文字列を選択することができる。通話デバイス70は、ユーザの選択結果を電話本体20に送信する。
【0066】
電話本体20は、通話デバイス70から送信された選択結果を受信する。本体側制御部22は、通話を切換えることを許容することを示す選択結果であるのか否かを判断する(S150)。ここでNOの場合、S156に進む。一方において、S150でYESの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報を削除し(S152)、転送処理を実行する(S154)。即ち、本体側制御部22は、通話デバイス70と通話デバイス150との間の通話を、通話デバイス50と通話デバイス150との間の通話に切換える処理を実行する。具体的に言うと、本体側制御部22は、まず、通話デバイス70と通話デバイス150との間の通話を切断する。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス70のステータスを「IDLE」に変更する。次いで、本体側制御部22は、通話デバイス50に通話要求通知指示を送信する。この結果、通話デバイス50のスピーカ60からリング音が出力される。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「RINGING」に変更する。通話デバイス50のユーザは、通話開始操作を実行することができる。これにより、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話することができるようになる。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0067】
続いて、図12のS170以降の処理について説明する。S170では、本体側制御部22は、図4の符号242に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいるコールバック要求情報(図4の符号240参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、図7のS40が実行された場合、図4の符号242に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいるコールバック要求情報が存在する。この場合、S170でYESと判断され、S172に進む。
【0068】
S172では、本体側制御部22は、コールバックするのか否かを選択するための情報を通話デバイス50に送信する。この情報は、S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイスのSIP URI(図4の符号244参照)を含んでいる。なお、本実施例では、S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイスが通話デバイス150であるものとして以下の説明を続ける。また、上記の情報は、例えば、コールバックすることを示す文字列と、コールバックしないことを示す文字列とを含んでいる。通話デバイス50の表示部において上記の情報が表示される。なお、通話デバイス50において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話デバイス50のユーザに注意を促すためである。通話デバイス50のユーザは、コールバックすることを示す文字列、又は、コールバックしないことを示す文字列を選択することができる。通話デバイス50は、ユーザの選択結果を電話本体20に送信する。S172を終えると、S174に進む。
【0069】
電話本体20は、通話デバイス50から送信された選択結果を受信する。本体側制御部22は、コールバックすることを示す選択結果であるのか否かを判断する(S174)。ここでNOの場合、S176をスキップしてS178に進む。一方において、S174でYESの場合、本体側制御部22は、コールバック処理を実行する(S176)。具体的に言うと、本体側制御部22は、INVITEを送信する。このINVITEでは、通話デバイス150(S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイス)が送信先であり、通話デバイス50(S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信先の通話デバイス)が送信元である。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「CALLING」に変更する。上記のINVITEが送信された場合、通話デバイス150においてリング音が出力される。通話デバイス150のユーザは、通話開始操作を実行することができる。これにより、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話することができるようになる。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。S176を終えると、本体側制御部22は、S170でYESと判断されたコールバック要求情報を削除する(S178)。これにより、通話終了後操作が終了する。
【0070】
上記の電話ネットワークシステム2によると、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中である場合に、そのINVITEの送信元に向けて、他の通話デバイス(例えば通話デバイス70)に対するINVITEに変更するのか否かを選択するための情報を送信することができる(図8のS60)。INVITEの送信元のユーザは、緊急の用事がある場合、他の通話デバイス70に対するINVITEに変更することを選択することができる。肯定的な選択結果が得られた場合、他の通話デバイス70に向けて通話要求通知指示が送信される(図8のS70)。これにより、他の通話デバイス70で通話要求通知が行なわれる。他の通話デバイス70のユーザが通話開始操作を行なうと、INVITEの送信元のユーザは、他の通話デバイス70のユーザと通話することができる。本実施例の構成によると、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる。
【0071】
また、本実施例では、INVITEの送信先の通話デバイス50に向けて、他の通話デバイスに対するINVITEに変更するのか否かを選択するための情報を送信することができる(図8のS52)。この情報は、ステータス「IDLE」を有する全ての通話デバイスのSIP URIのリストを含んでいる。通話デバイス50のユーザは、所望の通話デバイス(例えば通話デバイス70)を指定することができる。通話デバイス50のユーザによって指定された通話デバイス70に通話要求通知指示が送信される(図8のS70)。この構成によると、通話デバイス50のユーザは、自分にかかってきた電話を自分が指定する通話デバイス70のユーザに代わりに出てもらうことができる。
【0072】
また、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中である場合に、コールバック要求情報240(図4参照)が記憶されることがある(図7のS40)。この場合、通話デバイス50での通話が終了すると、INVITEの送信元のSIP URIを含む情報が通話デバイス50に送信される(図12のS172)。通話デバイス50のユーザは、この情報に基づいてコールバックを行なうことができる。
【0073】
また、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中であることに起因して他の通話デバイス70のユーザが代わりに電話に出る場合、通話デバイス50での通話が終了すると、通話デバイス70から通話デバイス50に通話を切換えることができる(図11のS154)。INVITEの送信元の通話デバイスのユーザは、通話することを望んでいた相手(通話デバイス50のユーザ)と通話することができる。
【0074】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0075】
(1)例えば、ステータス記憶領域30では、使用中ステータスと待機ステータス(IDLE)の二種類のステータスのどちらかが記憶されてもよい。また、例えば、ステータス記憶領域30で記憶されるステータスの中に電源OFFステータスが含まれてもよい。
【0076】
(2)上記の実施例では、内線網10を構成する全ての通話デバイス50,70,80がコードレスタイプである。しかしながら、電話本体20に有線で接続されている通話デバイス(以下では有線タイプ通話デバイスと呼ぶ)が付加されてもよい。有線タイプ通話デバイスが使用中ステータスを有する場合、「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、有線タイプ通話デバイスが有するスピーカからキャッチフォンタイプの音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、有線タイプ通話デバイスが有するスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。一方において、有線タイプ通話デバイスが待機ステータスを有する場合、「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、電話本体20に設けられているスピーカからリング音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、電話本体20に設けられているスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。これらの構成を採用する場合、「有線タイプ通話デバイスに通話要求通知指示を送信する」という用語は、上記の音出力回路に通話要求通知指示を送信することを意味している。即ち、上記の音出力回路は、有線タイプ通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0077】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】電話ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】電話本体の構成の一例を示す。
【図3】ステータス記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図4】履歴記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図5】通話デバイスの構成の一例を示す。
【図6】通話要求受信処理のフローチャートを示す。
【図7】図6の続きのフローチャートを示す。
【図8】図6の続きのフローチャートを示す。
【図9】通話終了処理のフローチャートを示す。
【図10】通話終了処理のフローチャートを示す。
【図11】通話終了後処理のフローチャートを示す。
【図12】図11の続きのフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0079】
2:電話ネットワークシステム
10,110:内線網
20:電話本体
22:本体側制御部
24:無線通信インターフェイス
26:ネットワークインターフェイス
28:記憶部
30:ステータス記憶領域
32:プログラム記憶領域
33:履歴記憶領域
36:操作部
38:表示部
50,70,80:通話デバイス
52:デバイス側制御部
54:無線通信インターフェイス
56:操作部
58:表示部
60:スピーカ
62:マイク
64:記憶部
104:インターネット
106:SIPサーバ
【技術分野】
【0001】
本発明は、他の電話装置から送信された通話要求を受信すると、通話要求通知を行なう電話装置に関する。なお、「通話要求通知」という用語は、最も広義に解釈されるべきものであり、通話要求が受信されたことをユーザに通知することが可能である様々な手法を含む概念である。例えば、「通話要求通知」の一例として、音を出力すること(鳴動させること)、振動させること、所定の表示を行なうこと、ランプの挙動を変えること等を挙げることができる。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1には、ファクシミリ装置と複数の子機が1つの内線網に存在するシステムが開示されている。ファクシミリ装置は、通話要求を受信すると、使用中以外の子機(待機中の子機)に通話要求通知指示を送信する。これにより、待機中の子機を鳴動させることができる。
【0003】
【特許文献1】特開2001−24813号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、ユーザは、緊急の用事で電話をかける場合もあるし、そうでない場合もある。特許文献1のシステムは、電話をかけてくるユーザの意図にかかわらず、同じ挙動を示す(待機中の子機が鳴動する)。即ち、特許文献1の技術では、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができない。
【0005】
本明細書では、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる電話装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示される電話装置は、識別情報−ステータス記憶手段と通話要求受信手段と第1選択情報送信手段と第1選択結果情報受信手段と通知指示送信手段とを備える。なお、この電話装置は、一般公衆回線網(PSTN(Public Switched Telephone Network)やISDN(Integrated Services Digital Network))を利用して電話通信を行なうものであってもよいし、IP網を利用して電話通信を行なうものであってもよい。即ち、電話装置は、一般電話であってもよいし、IP電話であってもよい。また、電話装置は、一般公衆回線網とIP網の両方を利用して電話通信を行なうものであってもよい。
【0007】
識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する。「識別情報」は、通話デバイスを識別することができるあらゆる情報を含む概念である。一般電話の場合、「識別情報」として電話番号が利用されてもよい。IP電話の場合、「識別情報」として電話番号、URI形式で記述されたアドレス等が利用されてもよい。例えば、識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、使用中ステータスと待機ステータスの二種類のステータスのいずれかを記憶してもよい。また、例えば、識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、三種類以上のステータス(例えば、電源OFFステータス、通話中ステータス、通話要求送信中ステータス、通話要求通知中ステータス、待機ステータス等)のいずれかを記憶してもよい。なお、電源OFFステータスが存在する場合、電源OFFステータスをどのように扱うのかは特に限定されない。即ち、電源OFFステータスは、待機ステータスであると言うこともできるし、使用中ステータスであると言うこともできるし、使用中ステータスでも待機ステータスでもないと言うこともできる。
【0008】
通話要求受信手段は、送信先の識別情報を含む通話要求を受信する。第1選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第1選択情報を送信する。この第1選択情報の形式は特に限定されない。例えば、第1選択情報は、音声データであってもよいし、テキストデータであってもよい。前者の場合、通話要求の送信元では、音声メッセージが音声出力されてもよい。この場合、通話要求の送信元のユーザ(電話をかけたユーザ)は、音声メッセージに従って選択することができる(例えばキー操作によって選択してもよい)。一方において、後者の場合、通話要求の送信元では、テキストデータが表示されてもよい。この場合、通話要求の送信元のユーザ(電話をかけたユーザ)は、テキストデータに従って選択することができる(例えばキー操作によって選択してもよい)。通話要求の送信元(選択情報の送信先)のユーザは、第1選択情報に従って選択することができる。
【0009】
第1選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第1選択結果情報を受信する。通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。この結果、上記の他の通話デバイスは、所定の通話要求通知を行なう。例えば、音による通知を行なってもよいし、所定の表示を行なってもよいし、振動させてもよい。なお、上記の他の通話デバイスが複数存在する場合、通知指示送信手段は、全ての通話デバイスに通話要求通知指示を送信してもよいし、いずれかの通話デバイス(少なくとも1つの通話デバイス)に通話要求通知指示を送信してもよい。また、通知指示送信手段は、識別情報−ステータス記憶手段の記憶内容に基づいて、通話要求通知指示の送信先を変えてもよい。例えば、通知指示送信手段は、待機ステータスに対応づけられている識別情報に対応する通話デバイスに通話要求通知指示を送信するようにしてもよい。なお、上記の待機ステータスは、通話デバイスが使用中(通話中、通話要求通知中、通話要求送信中)ではないことを示すステータスである。即ち、通知指示送信手段は、使用中ステータスに対応づけられている識別情報に対応する通話デバイスに通話要求通知指示を送信しないようにしてもよい。
【0010】
なお、例えば、電話装置は、親機と子機を有していてもよい。この場合、親機の通話デバイスは、コードレスタイプであってもよいし、親機本体に有線で接続されているタイプであってもよい。前者の場合、例えば、通知指示送信手段は、親機の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信してもよい。一方において、後者の場合、例えば、通知指示送信手段は、親機本体が有するスピーカから音を出力させる音出力回路に向けて通話要求通知指示を送信してもよい。この場合、上記の音出力回路は、親機の通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0011】
上記の電話装置によると、通話要求の送信先の通話デバイスが使用中ステータスであることを条件として、その通話要求の送信元に第1選択情報を送信することができる。通話要求の送信元のユーザは、第1選択情報に従って選択することができる。例えば、ユーザは、緊急の用事で電話をかける場合や、他のユーザでも電話をかけた用事が済ませられる場合には肯定的な選択を行なうことができ、そうでない場合には否定的な選択な行なうことができる。肯定的な選択結果が得られた場合、他の通話デバイスに通話要求通知指示が送信される。これにより、他の通話デバイスで通話要求通知が行なわれる。他の通話デバイスのユーザが通話開始操作を行なうと、通話要求の送信元のユーザは、他の通話デバイスのユーザと通話することができる。この電話装置によると、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる。
【0012】
電話装置は、第2選択情報送信手段と第2選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第2選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(以下で「送信先通話デバイス」と呼ぶことがある)に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第2選択情報を送信する。この第2選択情報の形式は特に限定されない。送信先通話デバイスのユーザは、第2選択情報に従って選択することができる。第2選択結果情報受信手段は、通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第2選択結果情報を受信する。第1選択情報送信手段は、第2選択結果情報受信手段によって肯定的な第2選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信してもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、自分にかかってきた
電話を他の者に代わりに出てもらうのか否かを選択することができる。
【0013】
電話装置は、待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する特定手段をさらに備えていてもよい。この場合、第2選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を含む第2選択情報を送信してもよい。これにより、送信先通話デバイスのユーザは、第2選択情報に従って少なくとも1つの識別情報を指定することができる。この結果、第2選択結果情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスで指定された少なくとも1つの識別情報を含む肯定的な第2選択結果情報を受信することが可能である。通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、第2選択結果情報に含まれる識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信してもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、自分にかかってきた電話を自分が指定する者に代わりに出てもらうことができる。
【0014】
電話装置は、第3選択情報送信手段と第3選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第3選択情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、緊急の通話要求であるのか否かを選択するための第3選択情報を送信する。この第3選択情報の形式は特に限定されない。送信先通話デバイスのユーザは、第3選択情報に従って選択することができる。第3選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第3選択結果情報を受信する。第1選択情報送信手段は、第3選択結果情報受信手段によって肯定的な第3選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信してもよい。
【0015】
電話装置は、第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、上記の通話要求の送信元の識別情報を含むコールバック要求情報を送信するコールバック要求情報送信手段をさらに備えていてもよい。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザは、コールバック要求情報に含まれる送信元の識別情報に基づいて、コールバックを行なうことができる。
【0016】
電話装置は、第4選択情報送信手段と第4選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第4選択情報送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて、コールバックを要求するのか否かを選択するための第4選択情報を送信する。この第4選択情報の形式は特に限定されない。上記の通話要求の送信元のユーザは、第4選択情報に従って選択することができる。第4選択結果情報受信手段は、上記の通話要求の送信元から送信された第4選択結果情報を受信する。コールバック要求情報送信手段は、第4選択結果情報受信手段によって肯定的な第4選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けてコールバック要求情報を送信してもよい。このコールバック要求情報の形式は特に限定されない。この構成によると、電話をかけてくるユーザは、コールバックを要求するのか否かを選択することができる。
【0017】
コールバック要求情報は、上記の通話要求の送信元の識別情報と、コールバックするのか否かを選択するための第5選択情報とを含んでいてもよい。送信先通話デバイスのユーザは、第5選択情報に従って選択することができる。電話装置は、第5選択結果情報受信手段と通話要求送信手段とをさらに備えていてもよい。第5選択結果情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)から送信された第5選択結果情報を受信する。通話要求送信手段は、第5選択結果情報受信手段によって肯定的な第5選択結果情報が受信されたことを条件として、上記の通話要求の送信元に向けて通話要求を送信する。この構成によると、送信先通話デバイスのユーザの意図に応じてコールバックすることができる。
【0018】
送信先通話デバイスに対する通話要求が上記の他の通話デバイスに転送された場合、通話要求の送信元と上記の他の通話デバイスとの間で通話することができる。この通話が継続している間に、送信先通話デバイスのユーザが、通話要求の送信元と通話することを望むかもしれない。このような要望に応じるために、以下の構成を採用してもよい。即ち、電話装置は、上記の通話要求の送信元と上記の他の通話デバイスとの間の第1通話を、上記の通話要求の送信元と上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)との間の第2通話に切換える通話切換手段をさらに備えていてもよい。
【0019】
電話装置は、第6選択情報送信手段と第6選択結果情報受信手段とをさらに備えていてもよい。第6選択情報送信手段は、上記の他の通話デバイスに向けて、第1通話を第2通話に切換えることを許容するのか否かを選択するための第6選択情報を送信する。この第6選択情報の形式は特に限定されない。上記の他の通話デバイスのユーザは、第6選択情報に従って選択することができる。第6選択結果情報受信手段は、上記の他の通話デバイスから送信された第6選択結果情報を受信する。通話切換手段は、第6選択結果情報受信手段によって肯定的な第6選択結果情報が受信されたことを条件として、第1通話を第2通話に切換えてもよい。この構成によると、上記の他の通話デバイスのユーザの意図に応じて第1通話を第2通話に切換えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ここでは、以下の実施例に記載の技術の特徴の一部をまとめておく。
(形態1)電話装置は、IP網を利用して電話通信を行なってもよい。
(形態2)電話装置は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用して電話通信を行なってもよい。他のプロトコルが利用されてもよい。例えば、「H.323」、「MGCP(Media Gateway Control Protocol)」、「H.248/MEGACO(Media Gateway Control)」等が利用されてもよい。
(形態3)形態2の場合、通話要求は、INVITEコマンドであってもよい。また、SIPのMESSAGEコマンドによって上記の様々な選択情報等が送信されてもよい。この場合、テキストデータの選択情報が送信されることになる。また、SIPのMESSAGEコマンドによって上記の様々な選択結果情報が送信されてもよい。この場合、テキストデータの選択結果情報が送信されることになる。
【0021】
(形態4)次の電話装置も有用である。即ち、この電話装置は、識別情報−ステータス記憶手段と通話要求受信手段と特定手段と識別情報送信手段と指定情報受信手段と通知指示送信手段とを備える。識別情報−ステータス記憶手段は、複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する。通話要求受信手段は、送信先の識別情報を含む通話要求を受信する。特定手段は、待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する。識別情報送信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)に向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を送信する。指定情報受信手段は、上記の通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイス(送信先通話デバイス)で指定された少なくとも1つの識別情報を受信する。通知指示送信手段は、指定情報受信手段によって受信された識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する。
【実施例】
【0022】
図面を参照して実施例を説明する。図1は、本実施例の電話ネットワークシステム2を示す。電話ネットワークシステム2は、複数の内線網10,110とインターネット104とSIPサーバ106等を備える。図1では2つの内線網10,110しか示されていないが、実際には多数の内線網が存在する。
【0023】
内線網10は、電話本体20と複数の通話デバイス50,70,80を有する。通話デバイス50,70,80のそれぞれに異なるSIP URIが割り当てられている。電話本体20は、インターネット104(IP網)に接続されている。内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網10はIP電話である。
【0024】
内線網110は、電話本体120と複数の通話デバイス150,160を有する。通話デバイス150,160のそれぞれに異なるSIP URIが割り当てられている。電話本体120は、インターネット104に接続されている。内線網110を構成する各通話デバイス150,160は、インターネット104を利用して電話通信を行なうことが可能である。即ち、内線網110はIP電話である。
【0025】
SIPサーバ106は、内線網10を構成する各通話デバイス50,70,80のSIP URI(電話識別情報)を記憶している。これらのSIP URIのドメイン部分(@より後の部分)は共通している。SIPサーバ106は、内線網10を構成するいずれかの通話デバイス(例えば通話デバイス50)を送信先に指定しているコマンドを受信すると、そのコマンドを電話本体20に転送する。電話本体20は、各通話デバイス50,70,80の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス50,70,80は、電話本体20を介して外部と電話通信することができる。また、SIPサーバ106は、内線網110を構成する各通話デバイス150,160のSIP URIを記憶している。SIPサーバ106は、内線網110を構成するいずれかの通話デバイス(例えば通話デバイス150)を送信先に指定しているコマンドを受信すると、そのコマンドを電話本体120に転送する。電話本体120は、各通話デバイス150,160の電話通信を統括的に制御する。即ち、各通話デバイス150,160は、電話本体120を介して外部と電話通信することができる。
【0026】
(電話本体の構成)
電話本体20の構成について説明する。図2は、電話本体20の構成を示す。電話本体20は、本体側制御部22と無線通信インターフェイス24とネットワークインターフェイス26と記憶部28と操作部36と表示部38等を有する。本体側制御部22は、記憶部28に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。本体側制御部22が実行する処理の内容については、後で詳しく説明する。無線通信インターフェイス24は、各通話デバイス50,70,80と無線通信するためのインターフェイスである。ネットワークインターフェイス26には、LAN回線100が接続されている。LAN回線100は、インターネット104に接続されている。電話本体20は、ネットワークインターフェイス26とLAN回線100を介してインターネット104にアクセスすることができる。
【0027】
記憶部28は、ROM、EEPROM、RAM等によって構成されている。記憶部28は、ステータス記憶領域30とプログラム記憶領域32と履歴記憶領域33とその他の記憶領域34等を有する。ステータス記憶領域30は、複数の通話デバイス50,70,80のそれぞれのステータスを記憶することができる。図3は、ステータス記憶領域30の記憶内容の一例を示す。ステータス記憶領域30は、複数の組合せデータ210,212,214を記憶することができる。各組合せデータ210,212,214は、通話デバイスID200とステータス202とSIP URI204とが対応づけられたものである。通話デバイスID200は、通話デバイス50,70,80を特定するためのIDである。本実施例では、通話デバイス50の通話デバイスIDが「001」であり、通話デバイス70の通話デバイスIDが「002」であり、通話デバイス80の通話デバイスIDが「003」である。また、本実施例では、4種類のステータス(IDLE、RINGING、CALLING、TALKING)が利用される。「IDLE」は、使用されていない状態であることを示す。「RINGING」は、通話要求通知中であることを示す。「CALLING」は、通話要求送信中であることを示す。「TALKING」は、通話中であることを示す。本体側制御部22は、通話デバイス50,70,80のステータスを監視している。初期状態では通話デバイスのステータスは「IDLE」であり、ユーザが通話デバイスに対して操作等を加えることによってステータスが変更される。ステータス記憶領域30にどのようにしてステータスが記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。SIP URI204は、各通話デバイス50,70,80のSIP URIを示す。図3から明らかなように、各通話デバイス50,70,80は、共通のドメイン(domain.com)を有する。
【0028】
プログラム記憶領域32は、本体側制御部22によって実行されるべきプログラムを記憶している。例えば、プログラム記憶領域32は、SIPを利用して電話通信を行なうためのプログラムを記憶している。
【0029】
履歴記憶領域33は、様々な履歴情報を記憶することができる。図4は、履歴記憶領域33の記憶内容の一例を示す。履歴記憶領域33は、通話中通話要求情報230、コールバック要求情報240、転送情報250等を記憶することができる。通話中通話要求情報230は、使用中の通話デバイスを送信先とする通話要求(即ちINVITE)が受信されたことを示す情報である。通話中通話要求情報230は、通話要求の送信先のSIP URI232と、通話要求の送信元のSIP URI234とが対応づけられたものである。コールバック要求情報240は、コールバックが要求されたことを示す情報である。コールバック要求情報240は、通話要求の送信先のSIP URI242と、通話要求の送信元のSIP URI244とが対応づけられたものである。転送情報250は、通話要求の送信先以外の通話デバイスに通話要求通知指示が送信されたことを示す情報である。通話要求通知指示については、後で詳しく説明する。転送情報250は、通話要求が他の通話デバイスに転送されたことを示す情報であると言うこともできる。転送情報250は、通話要求の送信先のSIP URI252と、通話要求通知指示の送信先(通話要求の転送先)のSIP URI254とが対応づけられたものである。履歴記憶領域33にどのようにして履歴情報が記憶されるのかについては、後で詳しく説明する。
【0030】
記憶領域34は、ステータス記憶領域30、プログラム記憶領域32、及び、履歴記憶領域33に記憶されるべき情報以外の情報を記憶することができる。操作部36は、複数のキーを有する。ユーザは、操作部36を操作することによって、様々な情報を電話本体20に入力することができる。表示部38は、様々な情報を表示することができる。
【0031】
(通話デバイスの構成)
続いて、通話デバイス50の構成について説明する。通話デバイス70,80は、通話デバイス50と同様の構成を有している。このために、通話デバイス70,80の詳しい説明は省略する。本実施例の通話デバイス50は、コードレスタイプである。図5は、通話デバイス50の構成を示す。通話デバイス50は、デバイス側制御部52と無線通信インターフェイス54と操作部56と表示部58とスピーカ60とマイク62と記憶部64等を有する。デバイス側制御部52は、記憶部64に記憶されているプログラムに従って、様々な処理を実行する。デバイス側制御部52が実行する処理の内容については、必要に応じて後で説明する。無線通信インターフェイス54は、電話本体20と無線通信するためのインターフェイスである。
【0032】
操作部56は、複数のキーを有する。例えば、操作部56は、フックキーやテンキーを有する。通話デバイス50は、使用されていない状態ではオンフック状態になっている。ユーザは、通話デバイス50を利用して電話をかける際にフックキーを操作することができる。これにより、通話デバイス50は、オフフック状態になる。次いで、ユーザは、テンキーを操作することによって(もしくは短縮ダイヤル等を操作することによって)、通話要求の送信先の電話識別情報(SIP URI)を通話デバイス50に入力する。これにより、ユーザは、電話をかけることができる。また、ユーザは、電話がかかってきている状態(通話要求通知中)でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオフフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話をとることができる。以下では、電話がかかってきている状態でオフフック状態にすることを「通話開始操作」と呼ぶ。また、ユーザは、通話中状態でフックキーを操作することによって、通話デバイス50をオンフック状態にすることができる。これにより、ユーザは、電話を切断することができる。以下では、通話中状態でオンフック状態にすることを「通話終了操作」と呼ぶ。
【0033】
表示部58は、様々な情報を表示することができる。ユーザは、スピーカ60とマイク62を利用して通話を行なうことができる。記憶部64は、デバイス側制御部52によって実行されるべきプログラムを記憶している。また、記憶部64は、デバイス側制御部52が処理を実行する過程で生成されるデータ等を記憶することができる。
【0034】
なお、内線網110を構成する電話本体120は、電話本体20と同様の構成を有する。電話本体120は、LAN回線102を介してインターネット104にアクセスすることができる。また、内線網110を構成する通話デバイス150,160は、通話デバイス50と同様の構成を有する。
【0035】
(通話要求受信処理)
続いて、本体側制御部22が実行する処理の内容について説明する。まず、通話要求受信処理の内容について説明する。図6〜図8は、通話要求受信処理のフローチャートを示す。本体側制御部22は、INVITEを受信することを監視している(S10)。例えば、通話デバイス150のユーザは、通話デバイス50のSIP URIを通話デバイス150に入力することによって通話デバイス50に電話をかけることができる。この場合、内線網110の電話本体120からSIPサーバ106にINVITEが送信される。このINVITEは、送信元である通話デバイス150のSIP URIと、送信先である通話デバイス50のSIP URIとを含んでいる。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを電話本体20に転送する。この場合、本体側制御部22は、S10でYESと判断する。なお、本実施例では、通話デバイス150から通話デバイス50に電話をかけることによってINVITEがS10で受信されるものとして以下の説明を続ける。
【0036】
S10でYESの場合、本体側制御部22は、INVITEに含まれる送信先の通話デバイス50のステータスを取得する(S12)。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、通話デバイス50のステータスを取得する。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスが「TALKING」、「RINGIGN」、又は、「CALLING」であるのか否かを判断する。ここでYESの場合、S18に進む。一方において、通話デバイス50のステータスが「IDLE」である場合、S14に進む。
【0037】
S14では、本体側制御部22は、通話デバイス50に通話要求通知指示を送信する。通話デバイス50(デバイス側制御部52)は、通話要求通知指示を受信すると、リング音をスピーカ60から出力する。これにより、通話デバイス50のユーザは、電話がかかってきたことを知ることができる。次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S16)。具体的に言うと、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「RINGING」に変更する。
【0038】
なお、フローチャートには示されていないが、本体側制御部22は、S14を実行した後に、S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する。なお、本実施例において「Xに対するレスポンスとしてYを送信する」と記載されている場合、Yは、Xに対するレスポンスであることを特定する情報と、Yの送信元(即ちXの送信先)の情報と、Yの送信先(即ちXの送信元)の情報とを含んでいることを意味する。例えば、「INVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する」と記載されている場合、180Ringingは、INVITEに対するレスポンスであることを特定する情報と、180Ringingの送信元(INVITEの送信先)である通話デバイス50のSIP URIと、180Ringingの送信先(INVITEの送信元)である通話デバイス150のSIP URIとを含んでいる。180Ringingは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、180Ringingを電話本体120に転送する。電話本体120は、180Ringingに対応する情報を通話デバイス150に送信する。この結果、通話デバイス150では、呼び出し中を示す音が出力されることになる。通話デバイス150のユーザは、呼び出し中であることを知ることができる。
【0039】
上記のS14を実行した場合、通話デバイス50のユーザは、通話開始操作を実行することができる。この場合、通話デバイス50は、通話開始操作が実行されたことを示す情報を電話本体20に送信する。この情報は、通話開始操作が実行された通話デバイス50のIDが含んでいる。このために、電話本体20(本体側制御部22)は、いずれの通話デバイスで通話開始操作が実行されたのかを知ることができる。本体側制御部22は、上記の情報が電話本体20で受信された場合に、S10で受信されたINVITEのレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。電話本体120は、200OKを受信すると、ACKを送信する。ACKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、ACKを電話本体20に転送する。これにより、通話用通信セッションRTP(Real−time Transport Protocol)が確立される。この結果、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話を行なうことができるようになる。なお、本体側制御部22は、通話用通信セッションRTPが確立されると、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する。即ち、本体側制御部22は、通話開始操作が実行された通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0040】
S18では、本体側制御部22は、通話中通話要求情報(図4の符号230参照)を履歴記憶領域33に記憶する。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS232参照)と、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URI(図4の符号234参照)とが対応づけられている通話中通話要求情報を記憶する。
【0041】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する(S20)。この処理では、本体側制御部22は、「Normal or Emergency」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、緊急であることを示す文字列と、通常であること(緊急でないこと)を示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S22)。
【0042】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Normal or Emergency」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S24)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S26)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0043】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Emergency」であるのか否かを判断する(S28)。ここでNOの場合(選択結果が「Normal」である場合)、図7のS30に進む。一方において、S28でYESの場合、図8のS50に進む。
【0044】
図7のS30では、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する。S30では、本体側制御部22は、「Call back OK or Call back NO」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、コールバックを要求することを示す文字列と、コールバックを要求しないことを示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S32)。
【0045】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Call back OK or Call back NO」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S34)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S36)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0046】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Call back OK」であるのか否かを判断する(S38)。ここでYESの場合、本体側制御部22は、コールバック要求情報(図4の符号240参照)を履歴記憶領域33に記憶する(S40)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS242参照)と、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URI(図4の符号244参照)とが対応づけられているコールバック要求情報を記憶する。S40を終えた場合、又は、S38でNOの場合、通話要求受信処理が終了する。
【0047】
図8のS50では、本体側制御部22は、ステータス「IDLE」を有する通話デバイスが存在するのか否かを判断する。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、S50の判断を行なう。ここでNOの場合、図7のS30に進む。一方において、S50でYESの場合、本体側制御部22は、ステータス「IDLE」を有する全ての通話デバイスのSIP URIを特定する。本体側制御部22は、特定されたSIP URIのリスト(テキストデータ)を作成する。本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50に上記のリストを送信する(S52)。この結果、通話デバイス50の表示部58において上記のリストが表示される。なお、通話デバイス50において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話デバイス50を使用中であるユーザに注意を促すためである。また、S52で通話デバイス50に送信される情報の中にINVITEの送信元に関する情報(例えばSIP URI)が含まれていてもよい。この場合、INVITEの送信元に関する情報も表示部58に表示される。通話デバイス50のユーザは、誰から電話がかかってきたのかを知ることができる。通話デバイス50のユーザは、自分にかかってきた電話を他の者に代わりに出てもらうことを許容する場合、上記のリストから1つのSIP URIを選択する操作を行なうことができる。この場合、通話デバイス50は、ユーザによって選択されたSIP URIを含む選択結果を電話本体20に送信する。一方において、通話デバイス50のユーザは、他の者に代わりに出てもらうことを許容しない場合、いずれのSIP URIも選択しない操作(例えば許容しないことを示す文字列を選択する操作)を行なうことができる。この場合、通話デバイス50は、許容しないことを示す文字列を含む選択結果を電話本体20に送信する。
【0048】
電話本体20は、通話デバイス50から送信された選択結果(SIP URIを含む選択結果又は許容しないことを示す文字列を含む選択結果)を受信する。本体側制御部22は、どちらの選択結果を受信したのかを判断する(S54)。許容しないことを示す文字列を含む選択結果が受信された場合、図7のS30に進む。一方において、SIP URIを含む選択結果が受信された場合、S60に進む。
【0049】
S60では、本体側制御部22は、MESSAGEを送信する。S60では、本体側制御部22は、「Transfer OK or Transfer NO」というテキストデータを含むMESSAGEを送信する。即ち、MESSAGEは、転送を要求することを示す文字列と、転送を要求しないことを示す文字列とを含んでいる。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体120に転送する。電話本体120は、上記のMESSAGEを受信すると、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S62)。
【0050】
一方において、電話本体120は、上記のMESSAGEに対応する情報を通話デバイス150に送信する。通話デバイス150では、MESSAGEに含まれるテキストデータが表示される。即ち、「Transfer OK or Transfer NO」が表示される。ユーザは、どちらかを選択する操作を行なうことができる。通話デバイス150は、ユーザの選択結果を電話本体120に送信する。この場合、電話本体120は、ユーザの選択結果を含むMESSAGEを送信する。MESSAGEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、MESSAGEを電話本体20に転送する。電話本体20によってMESSAGEが受信される(S64)。本体側制御部22は、MESSAGEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S66)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。
【0051】
次いで、本体側制御部22は、MESSAGEに含まれる選択結果が「Transfer OK」であるのか否かを判断する(S68)。ここでNOの場合、図7のS30に進む。一方において、S68でYESの場合、本体側制御部22は、S54の選択結果に含まれるSIP URIに対応する通話デバイス(即ち通話デバイス50のユーザによって指定された通話デバイス)に通話要求通知指示を送信する(S70)。なお、本実施例では、S70において通話デバイス70に通話要求通知指示が送信されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス70(デバイス側制御部)は、通話要求通知指示を受信すると、リング音をスピーカから出力する。これにより、通話デバイス70のユーザは、電話がかかってきたことを知ることができる。次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S72)。具体的に言うと、本体側制御部22は、通話デバイス70のステータスを「RINGING」に変更する。
【0052】
通話デバイス70に通話要求通知指示が送信された場合、図6のS14等が実行された場合と同様に以下の各処理が実行される。
(1)S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして180Ringingを送信する処理。このレスポンスの送信元は、通話デバイス70である。
(2)通話デバイス70で通話開始操作が実行された場合に、S10で受信されたINVITEに対するレスポンスとして200OKを送信する処理。このレスポンスの送信元は、通話デバイス70である。
(3)通話用通信セッションRTPが確立された場合に、通話デバイス70のステータスを「TALKING」に変更する処理。
【0053】
本体側制御部22は、転送情報(図4の符号250参照)を履歴記憶領域33に記憶する(S74)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URI(図4のS252参照)と、S70で送信された通話要求通知指示の送信先の通話デバイス70(転送先の通話デバイス70)のSIP URI(図4のS254参照)とが対応づけられている転送情報を記憶する。
【0054】
通話デバイス70のユーザは、通話デバイス150のユーザと通話することができる。この通話の内容に基づいて、通話デバイス70のユーザは、通話デバイス50のユーザが通話デバイス150にコールバックした方がよいのか否かを判断することができる。通話デバイス70のユーザは、所定の操作を通話デバイス70に加えることができる。この場合、通話デバイス70は、コールバックを要求することを示す情報を電話本体20に送信する。この場合、S76でYESと判断され、図7のS40に進む。このS40では、本体側制御部22は、S10で受信されたINVITEの送信先の通話デバイス50のSIP URIと、S10で受信されたINVITEの送信元の通話デバイス150のSIP URIとが対応づけられているコールバック要求情報を記憶する。なお、図4の符号242,244以外の項目を新たに設けて、通話デバイス70のSIP URIもコールバック要求情報に含めるようにしてもよい。
【0055】
(通話要求送信処理)
続いて、通話要求送信処理について簡単に説明しておく。通話要求送信処理のフローチャートは省略している。例えば、通話デバイス50のユーザは、通話デバイス150のSIP URIを通話デバイス50に入力することによって通話デバイス150に電話をかけることができる。この場合、通話デバイス50は、通話デバイス150のSIP URIを含む情報を電話本体20に送信する。本体側制御部22は、電話本体20によって上記の情報が受信されると、SIPサーバ106にINVITEを送信する。SIPサーバ106は、INVITEを受信すると、INVITEを電話本体120に転送する。この結果、通話デバイス150においてリング音が出力される(図6のS14参照)。なお、本体側制御部22は、上記のINVITEを送信すると、通話デバイス50のステータスを「CALLING」に変更する。
【0056】
通話デバイス150のユーザは、通話開始操作を実行することができる。この場合、電話本体120は、上記のINVITEに対するレスポンスとして200OKを送信する。SIPサーバ106は、200OKを受信すると、200OKを電話本体20に転送する。次いで、本体側制御部22は、ACKを送信する。ACKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、ACKを電話本体120に転送する。これにより、通話用通信セッションRTPが確立される。この結果、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話を行なうことができるようになる。なお、通話用通信セッションRTPが確立された場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0057】
(通話終了処理)
続いて、通話終了処理の内容について説明する。例えば、内線網10を構成する通話デバイスと内線網110を構成する通話デバイスとの間で通話が行なわれている場合、どちらのユーザも通話終了操作を実行することができる。例えば、内線網10を構成する通話デバイスで先に通話終了操作が実行された場合、内線網10を構成する電話本体20が主導して通話終了操作を実行する。図9は、この場合に実行される本体側制御部22の通話終了処理のフローチャートを示す。一方において、例えば、内線網110を構成する通話デバイスで先に通話終了操作が実行された場合、内線網110を構成する電話本体120が主導して通話終了操作を実行する。この場合、内線網10を構成する電話本体20は、従動的に通話終了操作を実行する。図10は、この場合に実行される本体側制御部22の通話終了処理のフローチャートを示す。
【0058】
まず、図9のフローチャートに示される通話終了処理の内容について説明する。なお、本実施例では、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話が行なわれており、通話デバイス50で通話終了操作が実行されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス50は、通話終了操作が実行されたことを示す情報を電話本体20に送信する。この場合、本体側制御部22は、S100でYESと判断する。S100でYESの場合、本体側制御部22は、BYEを送信する(S102)。BYEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、BYEを電話本体120に転送する。電話本体120は、BYEに対するレスポンスとして200OKを送信する。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体20に転送する。電話本体20によって200OKが受信される(S104)。これにより、通話用通信セッションRTPが切断される(S106)。
【0059】
次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S108)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S100で通話終了操作が実行された通話デバイス50のステータスを「IDLE」に変更する。続いて、本体側制御部22は、通話終了後処理を実行する(S110)。通話終了後処理の内容については、後で詳しく説明する。通話終了後処理を終えると、通話終了処理が終了する。
【0060】
続いて、図10のフローチャートに示される通話終了処理の内容について説明する。なお、本実施例では、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話が行なわれており、通話デバイス150で通話終了操作が実行されたものとして以下の説明を続ける。通話デバイス150で通話終了操作が実行された場合、電話本体120は、BYEを送信する。BYEは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、BYEを電話本体20に転送する。この場合、S120でYESと判断される。本体側制御部22は、BYEに対するレスポンスとして200OKを送信する(S122)。200OKは、SIPサーバ106によって受信される。SIPサーバ106は、200OKを電話本体120に転送する。これにより、通話用通信セッションRTPが切断される(S124)。
【0061】
次いで、本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を変更する(S126)。具体的に言うと、本体側制御部22は、S120で受信されたBYEの対象の通話デバイス50のステータスを「IDLE」に変更する。続いて、本体側制御部22は、通話終了後処理を実行する(S128)。通話終了後処理の内容については、後で詳しく説明する。通話終了後処理を終えると、通話終了処理が終了する。
【0062】
(通話終了後処理)
続いて、図9のS110又は図10のS128で実行される通話終了後処理について説明する。本実施例では、通話デバイス50について図9又は図10のフローチャートが実行されたものとして以下の説明を続ける。本体側制御部22は、図4の符号232に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる通話中通話要求情報(図4の符号230参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する(S140)。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、S12でYESと判断された場合、図4の符号232に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる通話中通話要求情報が存在する。この場合、S140でYESと判断され、S142に進む。
【0063】
S142では、S140でYESと判断された通話中通話要求情報を削除する。次いで、本体側制御部22は、図4の符号252に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる転送情報(図4の符号250参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する(S144)。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、図8のS74が実行された場合、図4の符号252に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいる転送情報が存在する。この場合、S144でYESと判断され、S146に進む。一方において、S144でNOの場合、図12のS170に進む。
【0064】
S146では、S144でYESと判断された転送情報に含まれる転送先の通話デバイス(本実施例では通話デバイス70とする)のステータスが「TALKING」であるのか否かを判断する。本体側制御部22は、ステータス記憶領域30の記憶内容を読み出すことによって、S146の判断を行なう。ここでNOの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報を削除する(S156)。
【0065】
一方において、S146でYESの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報に含まれる転送先の通話デバイス70に向けて、通話を切換えることを許容するのか否かを選択するための情報を送信する(S148)。なお、本実施例では、通話デバイス70と通話デバイス150とが通話中であるものとして以下の説明を続ける。上記の情報は、例えば、通話を切換えることを許容することを示す文字列と、通話を切換えることを許容しないことを示す文字列とを含んでいる。通話デバイス70の表示部において上記の情報が表示される。なお、通話デバイス70において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話中であるユーザに注意を促すためである。通話デバイス70のユーザは、通話を切換えることを許容することを示す文字列、又は、通話を切換えることを許容しないことを示す文字列を選択することができる。通話デバイス70は、ユーザの選択結果を電話本体20に送信する。
【0066】
電話本体20は、通話デバイス70から送信された選択結果を受信する。本体側制御部22は、通話を切換えることを許容することを示す選択結果であるのか否かを判断する(S150)。ここでNOの場合、S156に進む。一方において、S150でYESの場合、本体側制御部22は、S144でYESと判断された転送情報を削除し(S152)、転送処理を実行する(S154)。即ち、本体側制御部22は、通話デバイス70と通話デバイス150との間の通話を、通話デバイス50と通話デバイス150との間の通話に切換える処理を実行する。具体的に言うと、本体側制御部22は、まず、通話デバイス70と通話デバイス150との間の通話を切断する。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス70のステータスを「IDLE」に変更する。次いで、本体側制御部22は、通話デバイス50に通話要求通知指示を送信する。この結果、通話デバイス50のスピーカ60からリング音が出力される。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「RINGING」に変更する。通話デバイス50のユーザは、通話開始操作を実行することができる。これにより、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話することができるようになる。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。
【0067】
続いて、図12のS170以降の処理について説明する。S170では、本体側制御部22は、図4の符号242に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいるコールバック要求情報(図4の符号240参照)が履歴記憶領域33に存在するのか否かを判断する。例えば、図6のS10で受信されたINVITEの送信先が通話デバイス50であり、かつ、図7のS40が実行された場合、図4の符号242に示されるSIP URIとして通話デバイス50のSIP URIを含んでいるコールバック要求情報が存在する。この場合、S170でYESと判断され、S172に進む。
【0068】
S172では、本体側制御部22は、コールバックするのか否かを選択するための情報を通話デバイス50に送信する。この情報は、S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイスのSIP URI(図4の符号244参照)を含んでいる。なお、本実施例では、S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイスが通話デバイス150であるものとして以下の説明を続ける。また、上記の情報は、例えば、コールバックすることを示す文字列と、コールバックしないことを示す文字列とを含んでいる。通話デバイス50の表示部において上記の情報が表示される。なお、通話デバイス50において所定の音が出力されるようにしてもよい。通話デバイス50のユーザに注意を促すためである。通話デバイス50のユーザは、コールバックすることを示す文字列、又は、コールバックしないことを示す文字列を選択することができる。通話デバイス50は、ユーザの選択結果を電話本体20に送信する。S172を終えると、S174に進む。
【0069】
電話本体20は、通話デバイス50から送信された選択結果を受信する。本体側制御部22は、コールバックすることを示す選択結果であるのか否かを判断する(S174)。ここでNOの場合、S176をスキップしてS178に進む。一方において、S174でYESの場合、本体側制御部22は、コールバック処理を実行する(S176)。具体的に言うと、本体側制御部22は、INVITEを送信する。このINVITEでは、通話デバイス150(S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信元の通話デバイス)が送信先であり、通話デバイス50(S170でYESと判断されたコールバック要求情報に含まれる送信先の通話デバイス)が送信元である。本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「CALLING」に変更する。上記のINVITEが送信された場合、通話デバイス150においてリング音が出力される。通話デバイス150のユーザは、通話開始操作を実行することができる。これにより、通話デバイス50と通話デバイス150との間で通話することができるようになる。この場合、本体側制御部22は、通話デバイス50のステータスを「TALKING」に変更する。S176を終えると、本体側制御部22は、S170でYESと判断されたコールバック要求情報を削除する(S178)。これにより、通話終了後操作が終了する。
【0070】
上記の電話ネットワークシステム2によると、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中である場合に、そのINVITEの送信元に向けて、他の通話デバイス(例えば通話デバイス70)に対するINVITEに変更するのか否かを選択するための情報を送信することができる(図8のS60)。INVITEの送信元のユーザは、緊急の用事がある場合、他の通話デバイス70に対するINVITEに変更することを選択することができる。肯定的な選択結果が得られた場合、他の通話デバイス70に向けて通話要求通知指示が送信される(図8のS70)。これにより、他の通話デバイス70で通話要求通知が行なわれる。他の通話デバイス70のユーザが通話開始操作を行なうと、INVITEの送信元のユーザは、他の通話デバイス70のユーザと通話することができる。本実施例の構成によると、電話をかけてくるユーザの意図が反映された通話要求通知を行なうことができる。
【0071】
また、本実施例では、INVITEの送信先の通話デバイス50に向けて、他の通話デバイスに対するINVITEに変更するのか否かを選択するための情報を送信することができる(図8のS52)。この情報は、ステータス「IDLE」を有する全ての通話デバイスのSIP URIのリストを含んでいる。通話デバイス50のユーザは、所望の通話デバイス(例えば通話デバイス70)を指定することができる。通話デバイス50のユーザによって指定された通話デバイス70に通話要求通知指示が送信される(図8のS70)。この構成によると、通話デバイス50のユーザは、自分にかかってきた電話を自分が指定する通話デバイス70のユーザに代わりに出てもらうことができる。
【0072】
また、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中である場合に、コールバック要求情報240(図4参照)が記憶されることがある(図7のS40)。この場合、通話デバイス50での通話が終了すると、INVITEの送信元のSIP URIを含む情報が通話デバイス50に送信される(図12のS172)。通話デバイス50のユーザは、この情報に基づいてコールバックを行なうことができる。
【0073】
また、INVITEの送信先の通話デバイス50が使用中であることに起因して他の通話デバイス70のユーザが代わりに電話に出る場合、通話デバイス50での通話が終了すると、通話デバイス70から通話デバイス50に通話を切換えることができる(図11のS154)。INVITEの送信元の通話デバイスのユーザは、通話することを望んでいた相手(通話デバイス50のユーザ)と通話することができる。
【0074】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0075】
(1)例えば、ステータス記憶領域30では、使用中ステータスと待機ステータス(IDLE)の二種類のステータスのどちらかが記憶されてもよい。また、例えば、ステータス記憶領域30で記憶されるステータスの中に電源OFFステータスが含まれてもよい。
【0076】
(2)上記の実施例では、内線網10を構成する全ての通話デバイス50,70,80がコードレスタイプである。しかしながら、電話本体20に有線で接続されている通話デバイス(以下では有線タイプ通話デバイスと呼ぶ)が付加されてもよい。有線タイプ通話デバイスが使用中ステータスを有する場合、「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、有線タイプ通話デバイスが有するスピーカからキャッチフォンタイプの音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、有線タイプ通話デバイスが有するスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。一方において、有線タイプ通話デバイスが待機ステータスを有する場合、「有線タイプ通話デバイスが通話要求通知を実行する」とは、例えば、電話本体20に設けられているスピーカからリング音を出力することを意味する。これを実現するために、本体側制御部22は、電話本体20に設けられているスピーカから上記の音が出力されるように音出力回路に通話要求通知指示を送信してもよい。これらの構成を採用する場合、「有線タイプ通話デバイスに通話要求通知指示を送信する」という用語は、上記の音出力回路に通話要求通知指示を送信することを意味している。即ち、上記の音出力回路は、有線タイプ通話デバイスを構成する一つの要素として考えることができる。
【0077】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】電話ネットワークシステムの構成の一例を示す。
【図2】電話本体の構成の一例を示す。
【図3】ステータス記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図4】履歴記憶領域の記憶内容の一例を示す。
【図5】通話デバイスの構成の一例を示す。
【図6】通話要求受信処理のフローチャートを示す。
【図7】図6の続きのフローチャートを示す。
【図8】図6の続きのフローチャートを示す。
【図9】通話終了処理のフローチャートを示す。
【図10】通話終了処理のフローチャートを示す。
【図11】通話終了後処理のフローチャートを示す。
【図12】図11の続きのフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0079】
2:電話ネットワークシステム
10,110:内線網
20:電話本体
22:本体側制御部
24:無線通信インターフェイス
26:ネットワークインターフェイス
28:記憶部
30:ステータス記憶領域
32:プログラム記憶領域
33:履歴記憶領域
36:操作部
38:表示部
50,70,80:通話デバイス
52:デバイス側制御部
54:無線通信インターフェイス
56:操作部
58:表示部
60:スピーカ
62:マイク
64:記憶部
104:インターネット
106:SIPサーバ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する識別情報−ステータス記憶手段と、
送信先の識別情報を含む通話要求を受信する通話要求受信手段と、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第1選択情報を送信する第1選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第1選択結果情報を受信する第1選択結果情報受信手段と、
第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する通知指示送信手段と
を備える電話装置。
【請求項2】
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第2選択情報を送信する第2選択情報送信手段と、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第2選択結果情報を受信する第2選択結果情報受信手段とをさらに備え、
第1選択情報送信手段は、第2選択結果情報受信手段によって肯定的な第2選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する特定手段をさらに備え、
第2選択情報送信手段は、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を含む第2選択情報を送信し、
第2選択結果情報受信手段は、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスで指定された少なくとも1つの識別情報を含む肯定的な第2選択結果情報を受信することが可能であり、
通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、第2選択結果情報に含まれる識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、緊急の通話要求であるのか否かを選択するための第3選択情報を送信する第3選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第3選択結果情報を受信する第3選択結果情報受信手段とをさらに備え、
第1選択情報送信手段は、第3選択結果情報受信手段によって肯定的な第3選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電話装置。
【請求項5】
第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、前記通話要求の送信元の識別情報を含むコールバック要求情報を送信するコールバック要求情報送信手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電話装置。
【請求項6】
第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、コールバックを要求するのか否かを選択するための第4選択情報を送信する第4選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第4選択結果情報を受信する第4選択結果情報受信手段とをさらに備え、
コールバック要求情報送信手段は、第4選択結果情報受信手段によって肯定的な第4選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けてコールバック要求情報を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
コールバック要求情報は、前記通話要求の送信元の識別情報と、コールバックするのか否かを選択するための第5選択情報とを含んでおり、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第5選択結果情報を受信する第5選択結果情報受信手段と、
第5選択結果情報受信手段によって肯定的な第5選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて通話要求を送信する通話要求送信手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電話装置。
【請求項8】
前記通話要求の送信元と前記他の通話デバイスとの間の第1通話を、前記通話要求の送信元と前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスとの間の第2通話に切換える通話切換手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電話装置。
【請求項9】
前記他の通話デバイスに向けて、前記第1通話を前記第2通話に切換えることを許容するのか否かを選択するための第6選択情報を送信する第6選択情報送信手段と、
前記他の通話デバイスから送信された第6選択結果情報を受信する第6選択結果情報受信手段とをさらに備え、
通話切換手段は、第6選択結果情報受信手段によって肯定的な第6選択結果情報が受信されたことを条件として、前記第1通話を前記第2通話に切換える
ことを特徴とする請求項8に記載の電話装置。
【請求項1】
複数の通話デバイスのそれぞれについて、識別情報とステータスとを対応づけて記憶する識別情報−ステータス記憶手段と、
送信先の識別情報を含む通話要求を受信する通話要求受信手段と、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第1選択情報を送信する第1選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第1選択結果情報を受信する第1選択結果情報受信手段と、
第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、他の通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する通知指示送信手段と
を備える電話装置。
【請求項2】
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、他の通話デバイスに対する通話要求に変更することを許容するのか否かを選択するための第2選択情報を送信する第2選択情報送信手段と、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第2選択結果情報を受信する第2選択結果情報受信手段とをさらに備え、
第1選択情報送信手段は、第2選択結果情報受信手段によって肯定的な第2選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信する
ことを特徴とする請求項1に記載の電話装置。
【請求項3】
待機ステータスに対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されている全ての識別情報を特定する特定手段をさらに備え、
第2選択情報送信手段は、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、特定手段によって特定された全ての識別情報を含む第2選択情報を送信し、
第2選択結果情報受信手段は、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスで指定された少なくとも1つの識別情報を含む肯定的な第2選択結果情報を受信することが可能であり、
通知指示送信手段は、第1選択結果情報受信手段によって肯定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、第2選択結果情報に含まれる識別情報に対応する通話デバイスに向けて通話要求通知指示を送信する
ことを特徴とする請求項2に記載の電話装置。
【請求項4】
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応づけて識別情報−ステータス記憶手段に記憶されているステータスが使用中ステータスであることを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、緊急の通話要求であるのか否かを選択するための第3選択情報を送信する第3選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第3選択結果情報を受信する第3選択結果情報受信手段とをさらに備え、
第1選択情報送信手段は、第3選択結果情報受信手段によって肯定的な第3選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて第1選択情報を送信する
ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電話装置。
【請求項5】
第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けて、前記通話要求の送信元の識別情報を含むコールバック要求情報を送信するコールバック要求情報送信手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電話装置。
【請求項6】
第1選択結果情報受信手段によって否定的な第1選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて、コールバックを要求するのか否かを選択するための第4選択情報を送信する第4選択情報送信手段と、
前記通話要求の送信元から送信された第4選択結果情報を受信する第4選択結果情報受信手段とをさらに備え、
コールバック要求情報送信手段は、第4選択結果情報受信手段によって肯定的な第4選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスに向けてコールバック要求情報を送信する
ことを特徴とする請求項5に記載の電話装置。
【請求項7】
コールバック要求情報は、前記通話要求の送信元の識別情報と、コールバックするのか否かを選択するための第5選択情報とを含んでおり、
前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスから送信された第5選択結果情報を受信する第5選択結果情報受信手段と、
第5選択結果情報受信手段によって肯定的な第5選択結果情報が受信されたことを条件として、前記通話要求の送信元に向けて通話要求を送信する通話要求送信手段とをさらに備える
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の電話装置。
【請求項8】
前記通話要求の送信元と前記他の通話デバイスとの間の第1通話を、前記通話要求の送信元と前記通話要求に含まれる送信先の識別情報に対応する通話デバイスとの間の第2通話に切換える通話切換手段をさらに備える
ことを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の電話装置。
【請求項9】
前記他の通話デバイスに向けて、前記第1通話を前記第2通話に切換えることを許容するのか否かを選択するための第6選択情報を送信する第6選択情報送信手段と、
前記他の通話デバイスから送信された第6選択結果情報を受信する第6選択結果情報受信手段とをさらに備え、
通話切換手段は、第6選択結果情報受信手段によって肯定的な第6選択結果情報が受信されたことを条件として、前記第1通話を前記第2通話に切換える
ことを特徴とする請求項8に記載の電話装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−206981(P2009−206981A)
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−48501(P2008−48501)
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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