説明

露光装置

【課題】それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光の品位を評価する。
【解決手段】露光装置は、計測器6によって計測されたスペクトルに基づいて露光光の中心波長を導出する処理部21と、露光光の中心波長に基づいて露光光の品位を評価する主制御系(評価部)21とを備える。処理部21は、計測器6によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長に基づいて露光光の中心波長を導出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体に所定の回路パターンを形成する方法として、リソグラフィ法がよく知られている。リソグラフィ法は、感光剤(フォトレジスト)が塗布されている基板にレチクルを介して光を照射して該感光剤を感光させて潜像パターンを形成し、その後、該感光剤を現像する工程を含む。現像によってマスクパターンが形成され、これを使ってエッチング等がなされる。
【0003】
近年、LSI(Large Scale Integrated circuit)などの高集積化に伴って、回路パターンの更なる微細化が要求されている。リソグラフィ法において、加工精度を向上させるためには、露光装置の解像度を向上させる必要がある。
【0004】
露光装置の解像度(Resolution)は、(1)式に示すように、光源の波長λに比例し、また、レンズ(投影レンズ)の開口数NA(Numeric Aperture)に反比例することが知られている。なお、k1は、比例定数である。
【0005】
Resolution=k1・(λ/NA) ・・・(1)
したがって、露光装置の解像度を向上させるためには、光源の波長を短くするか、又は、レンズの開口数を増加させればよいことになる。
【0006】
ところで、露光装置に備えられた光学系の特性の1つとして焦点深度(DOF:Depth Of Focus)がある。この焦点深度は、投影される像のボケが許容される範囲をフォーカス点からの距離によって表したものである。このような焦点深度は、(2)式によって表すことができる。なお、k2は比例定数である。
【0007】
DOF=k2・ (λ/NA) ・・・(2)
したがって、露光装置の加工精度を向上させるために光源の波長を短くしたり、レンズの開口数を増加させたりすると、それに応じて焦点深度の値が著しく小さくなり、正確な加工が可能な光軸方向の距離が短くなってしまう。
【0008】
特に、回路パターンの微細化と立体化によって高集積化を図ろうとしている次世代のデバイスにおいては、このような焦点深度の減少は深刻な問題となっている。すなわち、回路パターンの立体化のためには光軸方向の加工寸法が長くなるため、シャープなフォーカスが広い範囲で必要であることと、回路の微細度に拘らず一定の焦点深度は常に必要であることがその理由である。
【0009】
上記課題を解決すべく、複数の波長よりなる露光光を用いてマスクパターンを基板上へ投影することにより、同一光軸上の異なる位置に結像させることで、焦点深度の拡大を図る試みがなされている。
【0010】
例えば、特許文献1には、第1波長を発振する光源と、第2波長を発振する光源とを備え、各発振光を合成した光を露光光として用いる手段が提案されている。
【0011】
特許文献2には、光源とウエハとの間の光路上に、複数の波長帯域の光を選択的に透過させるフィルタを設けることで、複数の波長よりなる露光光での露光方法を提案されている。
【0012】
ところで、現在の露光装置では、露光時、あるいは露光装置のキャリブレーション時は、光源の光品位を安定させる必要がある。
【0013】
図1に、光源から射出させる光(単一波長光)のスペクトル形状を示す。横軸は、光の波長λを示し、縦軸は、その波長における光の強度を示している。
【0014】
現在の露光装置では、図1に示すように、センター波長λ0や、FWHM(Full Width Half Maximum)、E95が光品位の評価指標として用いられている。FWHMは、スペクトル幅をピーク強度の1/2の強度のところで計測したスペクトル幅を意味する。E95は、スペクトル中の95%のエネルギが集中しているスペクトル幅を意味する。
【0015】
露光装置では、露光直前又は露光中に、λ0、FWHM、E95をモニタして、各計測値のばらつき(3σ)、エラー値(指令値との誤差)を算出し、光品位の安定性を確認している。
【特許文献1】特許第02619473号公報
【特許文献2】特開平11−162824号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
複数の波長を含む露光光を使った露光においても、露光時又は露光装置のキャリブレーション時には、光品位を安定させることが必要である。
【0017】
しかしながら、複数の波長を含む光は、例えば、図2に示すようなスペクトルを有する。したがって、複数の波長を含む光のスペクトルの全体を対象として従来の指標であるλ0、FWHM、E95を求めても、それらに基づいて光品位を十分に確認することはできない。
【0018】
例えば、図2に示すように2つのピークを含む光でウエハにレチクルパターンを投影した場合、像がぼやけるなどの悪影響が生じる。そこで、露光中は、ピーク強度の差分(Ediff)も制御/モニタすべきである。
【0019】
本発明は、上記の課題認識を契機としてなされたものであり、例えば、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光の品位を評価する新規の技術を提供すること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第1の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに基づいて前記光の中心波長を導出する処理部と、前記光の中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備え、前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長に基づいて前記光の中心波長を導出する。
【0021】
本発明の第2の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに基づいて前記光の中心波長を導出する処理部と、前記光の中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備え、前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルを短波長側又は長波長側から積算し、積算値が最大積算値の1/2となる波長を前記光の中心波長λ0とする。
【0022】
本発明の第3の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのピーク強度の間の相関を示す値を導出する処理部と、前記値に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0023】
本発明の第4の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長を導出する処理部と、前記複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0024】
本発明の第5の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長の間の差分を導出する処理部と、前記差分に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0025】
本発明の第6の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長の平均位置を導出する処理部と、前記平均位置に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0026】
本発明の第7の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのFWHMを導出する処理部と、前記複数のスペクトル要素のそれぞれのFWHMに基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0027】
本発明の第8の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのE95を導出する処理部と、前記複数のスペクトル要素のそれぞれのE95に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【0028】
本発明の第9の側面は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置に係り、前記露光装置は、前記光のスペクトルを計測する計測器と、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれについてエネルギの総和を導出する処理部と、前記複数のスペクトル要素のそれぞれについてのエネルギの総和に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備える。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、例えば、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光の品位を評価する新規の技術が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【0031】
図4は、本発明に係る露光装置の好適な実施形態の露光装置の概略構成図を示す図である。この実施形態では、露光装置は、走査型露光装置として構成されている。
【0032】
図4において、光源(レーザ)1は、それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を発生する。この明細書において、スペクトル要素とは、スペクトルを構成する個々の山形部分を意味するものとする。例えば、2つの波長にピークを有する光のスペクトルは、2つのスペクトル要素を含む。光源1は、典型的には、パルス光を発生する。
【0033】
光源(レーザ)1から放射された光は、ビーム整形光学系2を通過して所定の形状に整形され、オプティカルインテグレータ3の光入射面に入射する。オプティカルインテグレータ3は、複数の微小なレンズより構成されており、その光出射面近傍に多数の2次光源を形成する。
【0034】
オプティカルインテグレータ3の出射面側には、絞りターレット4が配置されている。絞りターレット4に埋設された絞りによって、オプティカルインテグレータ3により形成される2次光源面の大きさを制限する。絞りターレット4には、番号付け(照明モード番号)された複数の絞りが埋設されていて、照明光の入射光源の形状を変える際に必要な絞りが選択され、光路に挿入される。そのような絞りには、例えば、コヒーレンスファクタσ値を複数種設定するための円形開口面積が相異なる開口絞りや、輪帯照明用のリング形状絞り、4重極絞り等が含まれうる。
【0035】
第1計測器6は、ハーフミラー5によって反射されて光路から取り出された光のスペクトルを計測して、そのスペクトルを処理部21に提供する。
【0036】
コンデンサレンズ7は、オプティカルレンズ3の出射面近傍の2次光源からの光束でブラインド8をケーラー照明する。ブラインド8の近傍にはスリット9が配設されていて、ブラインド8を照明するスリット光のプロファイルを矩形または円弧形状に形成する。スリット光は、コンデンサレンズ10とミラー11を介してブラインド8の共役面であり、素子パターンが形成されたレチクル13対して、照度と入射角が均一化された状態で結像する。ブラインド8の開口域は、レチクル(原版)13のパターン露光領域と光学倍率比で相似形となっている。露光時には、ブラインド8は、レチクル13の露光域外を遮光しつつレチクルステージ14に対して光学倍率比で同期走査が行われる。
【0037】
レチクル13は、レチクルステージ(原版ステージ)14により保持される。レチクル13を通過したスリット光は投影光学系15を通り、レチクル13のパターン面と光学的共役面(像面)の露光画角領域にスリット光として再度結像される。フォーカス検出系16は、ウエハステージ(基板ステージ)17に保持されたウエハ18上の露光面の面高さや傾きを検出する。走査露光は、レチクルステージ17とウエハステージ17が同期して走行しながら、ウエハ(基板)18がスリット光により露光され、ウエハ18上の感光剤に潜像パターンが形成される。この際に、ウエハ18の露光面が像面と一致するようにフォーカス検出系16の情報に基づいてウエハステージ17がウエハを駆動する。
【0038】
ウエハステージ17上には、第2計測器19が配置されている。第2計測器19は、露光画角内のスリット光のスペクトルを計測して、そのスペクトルを処理部21に提供する。
【0039】
ステージ制御系20は、レチクルステージ14及びウエハステージ17を制御する。ステージ制御系20は、走査露光時は、露光面(ウエハ面)の位置を制御しながらレチクルステージ14とウエハステージ17とを同期して走行させる。
【0040】
処理部21は、第1計測器6、第2計測器19によって計測されたスペクトルに基づいて光量を導出する。ここで、第1計測器6は、ウエハの露光中においてスペクトルを計測することができる。第2計測器19は、露光工程前にウエハ18を照射されているスリット光のスペクトルを計測する。処理部21は、露光工程前に、第1計測器6によって計測されたスペクトルから得られる光量と第2計測器19によって計測されたスペクトルから得られる光量との相関を求める。処理部21は、この相関を用いて、露光工程中に、第1計測器6によって計測されたスペクトルから得られる光量をウエハ18上の光量に換算し、露光量制御用のモニタ光量として主制御系22に提供する。
【0041】
レーザ制御系23は、目標とするパルス光量に応じてトリガ信号、印加電圧信号をそれぞれ出力して光源1の発振周波数と出力エネルギを制御する。レーザ制御系23がトリガ信号、印加電圧信号を生成する際には、処理部21からのパルス光量信号、主制御系22からの露光パラメータを用いている。
【0042】
露光パラメータ(例えば、積算露光量、必要積算露光量精度、絞り形状等)は、マンマシンインターフェース又はメディアインターフェースとしての入力装置24より主制御系22に入力され、記憶部25に記憶される。また、第1計測器6、第2計測器19によってそれぞれ計測されるスペクトルから得られる光量の相関等は、表示部26に表示されうる。
【0043】
主制御系22は、入力装置24から与えられたデータ、露光装置固有のパラメータ、及び、第1計測器6、第2計測器19等の計測器から提供されるデータに基づいて、走査露光に必要なパラメータ群を算出する。算出されたパラメータ群は、レーザ制御系23やステージ駆動制御系20に提供される。
【0044】
図5は、主制御系22によって制御される光品位ロックシーケンス及び発振シーケンスの概略を示す図である。露光によってレチクルのパターンをウエハに転写する場合、又は、光源1に関連して露光装置をキャリブレーションする場合において、露光装置は、光品位のロックシーケンス101と発振シーケンス102とを繰り返し実行する。
【0045】
シーケンス101は、光品位のロックシーケンスであり、光源1が発生する光の品位(以下、光源の光品位)の状態を確認し、BAD状態(光品位の性能を保証できない状態)の場合には、光品位を要求精度に追い込む発振処理を実行する。シーケンス102は、発振シーケンスであり、ウエハの露光又は露光装置のキャリブレーションのための発振シーケンスである。
【0046】
ステップ103では、光源の光品位状態を確認して、光品位がGOOD(光品位の性能を保証できる状態)の場合には、処理を発振シーケンス102へ移行させる。一方、光品位がBAD(光品位の性能を保証できない状態)の場合には、処理を光品位のロックシーケンス104へ移行させる。
【0047】
ステップ104は、光品位のロックシーケンスであり、該ステップでは、ウエハ露光や装置キャリブレーションに寄与しない空発振を実行し、光品位の状態を安定化させる。
【0048】
ステップ105では、光源の光品位状態を確認し、光品位がGOOD(光品位の性能を保証できる状態)の場合には、処理を発振シーケンス102へ移行させる。一方、光品位がBAD(光品位の性能を保証できない状態)の場合には、処理をステップ106へ移行させる。
【0049】
ステップ106では、光品位ロックシーケンス104の実行回数が規定回数を超えたか否かを判断し、越えた場合には、処理をステップ108へ移行させる。一方、規定回数に満たない場合には、自動復帰処理107の後に光品位のロックシーケンス104を再度実行する。
【0050】
ステップ107は、自動復帰処理であり、該ステップでは、光源1の光品位の状態に応じて、光源1のチャンバーガス混合比、チャンバーガス圧、分光素子(グレーティング)を最調整し、悪化した光品位を改善する。例えば、光源1が発生する光の各スペクトル要素の幅(FWHM、E95)が仕様から外れた場合には、光源1のチャンバーのFガス濃度と、光源1のチャンバーのガス圧を調整し、所望のスペクトル幅へ調整することが有効である。
【0051】
あるいは、光源の中心波長(λ0、λ0−centerなど)が設定値よりずれた場合には、分光素子(グレーティング)を調整し、波長のずれ量を補正することが有効である。
【0052】
ステップ108は、Error終了ステップであり、規定回数にわたって自動復帰処理を試みても、光品位を改善できない場合に実行される。この場合、光品位の復帰には、ハード改修(例えば、光源のチャンバーの交換)が必要となる。よって、本処理では、ハード改修が必要であることをオペレータへ通知し、露光装置は停止(以降の処理は実行しない)状態となる。
【0053】
ステップ109は、発振条件設定シーケンスである。該ステップでは、設定された露光量などに応じて、ステージのスキャン速度、光源の発振周波数、ターゲットエネルギ、発光パルス数等を算出して、ステージ駆動制御系20や露光量制御部21への設定を実行する。
【0054】
ステップ110は、露光制御処理シーケンスであり、該ステップでは、光源1が発生した光の出力を第1計測器6で計測されるスペクトルに基づいて検出し、次の発光パルスに必要なターゲットエネルギの演算処理を実行する。
【0055】
ステップ111では、演算されたターゲットのエネルギ指令値を光源1へ設定し発光させる。
【0056】
ステップ112では、発光したパルス毎に光源の光品位をモニタする。
【0057】
ステップ113では、発振の終了条件(例えば、発光パルス数や発振したエネルギの積算値)を満たしているかどうかを確認する。そして、条件を満たしている場合には、処理をステップ114へ移行させ、条件を満たしていない場合には、処理をステップ110へ戻して発振処理を継続させる。
【0058】
ステップ114では、光源の光品位状態を確認し、光品位がGOOD(光品位の性能を保証できる状態)の場合には正常終了し、光品位がBAD(光品位の性能を保証できない状態)の場合には、処理をステップ115へ移行させる。
【0059】
ここで、判定ステップ114をステップ112とステップ113との間で実行するように一連のシーケンスを変更してもよい。つまり、判定ステップ114は、発光パルス毎に実行されてもよいし、発振が終了した後に実行されてもよい。ステップ115は、Error終了ステップである。
【0060】
本発明の好適な実施形態における光源の光品位の評価方法は、図5におけるステップ103、105、114の各処理に好適である。
【0061】
以下、光源1から射出された光(それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光)のスペクトルに基づいて当該光の光品位を評価する方法を例示的に説明する。
【0062】
(評価方法1)
評価方法1では、光源1が発生した光の中心波長に基づいて該光の品位を評価する。光の中心波長は、例えば、光源1が発生したパルス光のスペクトルにおける各スペクトル要素の光強度の重心を考慮して算出されるパラメータとして定義することができる。
【0063】
図6に示す2つのスペクトル要素(ピーク)を含むスペクトルの例を参照して説明する。短波長側のスペクトル要素において、中心波長をλ0−1、ピーク光強度をEnergy−1、エネルギの総和をΣenergy−1とする。長波長側のスペクトル要素において、中心波長をλ0−2、ピーク光強度をEnergy−2、エネルギの総和をΣenergy−2とする。
【0064】
Δλは、2つのスペクトル要素の中心波長の差分(λ0−2 ― λ0−1)で表され、Δλ_A、Δλ_Bは、(3)式に示すように、2つのスペクトル要素のピーク光強度の比、あるいは、2つのスペクトル要素のエネルギ総和の比により決定される。
【0065】
Δλ_A : Δλ_B = Energy−2 : Energy−1 (又は Σenergy−2 : Σenergy−1) ・・・(3)
この場合、光源1が発生した光の中心波長λ0は(4)式で定義されうる。
【0066】
λ0 = λ0−1 + Δλ × (Δλ_A/(Δλ_A + Δλ_B)) ・・・(4)
あるいは、図7に示すように、2つのスペクトル要素を含む光スペクトルを短波長側(もしくは、長波長側)から光強度を積算し、光強度積算値が最大値の1/2となる波長を中心波長λ0として定義してもよい。
【0067】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルに基づいてλ0を導出して主制御系22に提供する。ここで、処理部21は、λ0を発光パルス毎に導出することができる。
【0068】
主制御系(評価部)22は、例えば、λ0、及び/又は、複数パルスにおけるλ0のばらつき(例えば、3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するλ0の誤差)に基づいて光源の光品位状態を確認することができる。
【0069】
パラメータ(λ0)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、パラメータ(λ0、λ0のばらつき、指定値に対する誤差)を該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0070】
(評価方法2)
評価方法2では、光源1が発生した光のスペクトルにおける複数のスペクトル要素のそれぞれのピーク強度の間の相関を示す値に基づいて該光の品位を評価する。 図3に例示されるように2つのスペクトル要素(ピーク)を含む光のスペクトルにおいては、短波長側のスペクトル要素のピーク光強度(最大値)をEnergy−1、長波長側のスペクトル要素のピーク光強度(最大値)をEnergy−2とする。
【0071】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける複数のスペクトル要素のピーク光強度(光量或いはエネルギ)の間の差分Ediffを導出して主制御系22に提供する。差分Ediffは、(5)式で与えられる。
【0072】
Ediff = | Energy−1 ― Energy−2 | ・・・(5)
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける2つのスペクトル要素のピーク光強度の比REを導出して主制御系22に提供してもよい。比REは、(6)式で与えられる。
【0073】
RE = Energy−1 / Energy−2 ・・・(6)
ここで、処理部21は、Ediff又はREを発光パルス毎に導出することができる。
【0074】
主制御系22は、例えば、Ediff、及び/又は、複数パルスにおけるEdiffのばらつき(例えば、3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するEdiffの誤差)に基づいて光源の光品位状態を確認することができる。あるいは、主制御系22は、例えば、ER、及び/又は、複数パルスにおけるERのばらつき(例えば、3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するERの誤差)に基づいて光源の光品位状態を確認することができる。
【0075】
ここで、処理部21において、Ediff及びERの双方を導出し、主制御系22がEdiff及びERの双方に基づいて光源の光品位状態を確認してもよい。
【0076】
パラメータ(Ediff、ER)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、該パラメータを該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0077】
(評価方法3)
評価方法3では、光源1が発生した光の複数のスペクトル要素の中心波長の間の差分又は平均に基づいて該光の品位を評価する。
【0078】
図3に示す2つのスペクトル要素を含むスペクトルを例として参照して説明する。図3に示す例では、短波長側のスペクトル要素の中心波長はλ0−1であり、長波長側のスペクトル要素の中心波長はλ0−2である。
【0079】
ここで、各スペクトル要素の中心波長は、例えば、各スペクトル要素において最大光強度を示す波長と定義することができる。あるいは、各スペクトル要素の中心波長は、各スペクトル要素の光強度を短波長側又は長波長側から積算し、積算値が光強度積算値の最大値の1/2に達する波長であると定義してもよい。
【0080】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける複数のスペクトル要素の中心波長の差分Δλ(= |λ0−2 ―λ0−1 |)を導出して主制御系22に提供する。処理部21は、該スペクトルにおける2つの中心波長の間の中心位置λ0―cneter(=λ0−1 + ( Δλ / 2))とを導出して主制御系22に提供してもよい。ここで、処理部21は、Δλ又はλ0―cneterを発光パルス毎に導出することができる。
【0081】
主制御系22は、例えば、Δλ、及び/又は、複数パルスにおけるΔλのばらつき(例えば、3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するΔλの誤差)に基づいて光源の光品位状態を確認することができる。あるいは、主制御系22は、例えば、λ0―cneter、及び/又は、複数パルスにおけるそれのばらつき(例えば、3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するの誤差)に基づいて光源の光品位状態を確認することができる。
【0082】
ここで、処理部21において、Δλ及びλ0―cneterの双方を導出し、主制御系22がΔλ及びλ0―cneterの双方に基づいて光源の光品位状態を確認してもよい。
【0083】
パラメータ(Δλ、λ0―cneter)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、該パラメータを該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0084】
(評価方法4)
評価方法4では、光源1が発生した光の各スペクトル要素のFWHMに基づいて該光の品位を評価する。ここで、各スペクトル要素のFWHMとは、各スペクトル要素のピーク光強度の1/2の光強度における当該スペクトル要素の幅(スペクトル幅)として定義される。
【0085】
図3に例示されるような2つのスペクトル要素を含む光のスペクトルにおいては、短波長側のスペクトル要素のFWHMがFWHM−1であり、長波長側のスペクトル要素のFWHMがFWHM−2である。
【0086】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける複数のスペクトル要素のFWHMを導出して主制御系22に提供する。ここで、処理部21は、各スペクトル要素のFWHMを発光パルス毎に導出することができる。
【0087】
主制御系22は、各スペクトル要素について、FWHM、複数パルスにおけるFWHMのばらつき(3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するFWHMの誤差)を評価することにより、光源の光品位状態を確認することができる。
【0088】
パラメータ(FWHM)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、該パラメータを該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0089】
(評価方法5)
評価方法5では、光源1が発生した光のスペクトルにおける各スペクトル要素のE95に基づいて該光の品位を評価する。各スペクトル要素のE95とは、スペクトル要素中の95%のエネルギが集中しているスペクトル幅として定義される。
【0090】
図3に例示するように2つのスペクトル要素(ピーク)を含む光のスペクトルにおいては、短波長側のスペクトル要素のE95をE95−1、長波長側のスペクトル要素のE95をE95−2とする。
【0091】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける複数のスペクトル要素のE95を導出して主制御系22に提供する。ここで、処理部21は、各スペクトル要素のE95を発光パルス毎に導出することができる。
【0092】
主制御系22は、各スペクトル要素について、E95、複数パルスにおけるE95のばらつき(3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するE95の誤差)を評価することにより、光源の光品位状態を確認することができる。
【0093】
パラメータ(E95)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、該パラメータを該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0094】
(評価方法6)
評価方法6では、光源1が発生した光のスペクトルにおける各スペクトル要素のエネルギの総和に基づいて該光の品位を評価する。ここで、スペクトル要素のエネルギの総和とは、スペクトル要素の光強度を積算した値である。
【0095】
図3に例示されるような2つのスペクトル要素を含む光のスペクトルにおいては、短波長側のスペクトル要素のエネルギの総和ΣenergyをΣenergy−1、長波長側のスペクトル要素のエネルギの総和をΣenergy−2とする。
【0096】
処理部21は、第1計測器6及び/又は第2計測器19から提供されるスペクトルにおける複数のスペクトル要素のΣenergyを導出して主制御系22に提供する。ここで、処理部21は、各スペクトル要素のΣenergyを発光パルス毎に導出することができる。
【0097】
主制御系22は、各スペクトル要素について、Σenergy、複数パルスにおけるΣenergyのばらつき(3σ)、及び/又は、エラー値(指令値に対するΣenergyの誤差)を評価する。これにより、光源の光品位状態を確認することができる。
【0098】
パラメータ(Σenergy)を判定するための閾値は、露光装置の記憶部25に予め記録しておくことができる。主制御器(評価部)22は、判定ステップ103、105、113において、該パラメータを該判定閾値と比較する。光品位のモニタ結果が、露光装置に記録された要求精度を満たさない場合には、Error終了(図5中の108、115)又は自動復帰処理(図5中の107)、光品位のロックシーケンス(図5中の104)が実行される。
【0099】
上記の各パラメータのばらつき(3σ)とエラー値(指令値との誤差成分)の演算は、発光パルス毎(Windowサイズ=1)に処理することができる。或いは、実際の露光条件に合わせたWindowサイズで、移動平均処理を実施して、その結果からばらつき(3σ)とエラー値(指令値との誤差成分)を演算してもよい。
【0100】
走査露光時のWindowサイズは、光源の発振周波数Fとステージのスキャン速度Vより求められ、ウエハの一点当たりに照射される露光光のパルス数を意味する。
【0101】
Windowサイズ = F / V [pulse/mm] ・・・(7)
上記の評価方法1〜6のうちの少なくとも2つを併用して光源の光品位を確認してもよい。
【0102】
評価方法1〜6において挙げたパラメータ(評価指標)は、光のパルス毎に算出してもよいし、複数パルス分のスペクトルを積算してから算出してもよい。
【0103】
本発明の好適な実施形態によれば、複数のスペクトル要素を含む光である場合においても、基板露光又は装置キャリブレーションに必要な光品位を確認してから、露光又はキャリブレーションを実行することができる。
【0104】
更に、基板露光中又は装置キャリブレーション中に、光品位が悪化した場合であっても、露光/キャリブレーションに失敗したことを直ちに検知できるため、速やかに自動復帰処理を実行することが可能となる。よって、露光装置のダウンタイムを最小に抑えることが可能となる。
【0105】
次に上記の露光装置を利用したデバイスの製造プロセスを説明する。図8は、半導体デバイスの全体的な製造プロセスのフローを示す図である。ステップ1(回路設計)では半導体デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル作製)では設計した回路パターンに基づいてレチクル(原版またはマスクともいう)を作製する。一方、ステップ3(ウエハ製造)ではシリコン等の材料を用いてウエハ(基板ともいう)を製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は前工程と呼ばれ、上記のレチクルとウエハを用いて、リソグラフィ技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。次のステップ5(組み立て)は後工程と呼ばれ、ステップ4によって作製されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の組み立て工程を含む。ステップ6(検査)ではステップ5で作製された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テスト等の検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これを出荷(ステップ7)する。
【0106】
図9は、上記ウエハプロセスの詳細なフローを示す図である。ステップ11(酸化)ではウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)ではウエハ表面に絶縁膜を成膜する。ステップ13(電極形成)ではウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ14(イオン打込み)ではウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)ではウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では上記の露光装置を用いて、回路パターンが形成されたマスクを介し感光剤が塗布されたウエハを露光してレジストに潜像パターンを形成する。ステップ17(現像)ではウエハに転写されたレジストを現像してレジストパターンを形成する。ステップ18(エッチング)ではレジストパターンが開口した部分を通してレジストパターンの下にある層又は基板をエッチングする。ステップ19(レジスト剥離)ではエッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンを形成する。
【図面の簡単な説明】
【0107】
【図1】単一波長からなる光のスペクトルの一例を示す図である。
【図2】複数波長からなる光のスペクトルの一例を示す図である。
【図3】複数波長からなる光の光品位パラメータを説明する図である。
【図4】本発明の好適な実施形態の露光装置の概略構成を示す図である。
【図5】光品位ロックシーケンス及び発振シーケンスを示す図である。
【図6】複数波長からなる光の中心波長の定義例を示す図である。
【図7】複数波長からなる光の中心波長の定義例を示す図である。
【図8】デバイス製造方法を示す図である。
【図9】デバイス製造方法を示す図である。
【符号の説明】
【0108】
1:レーザ、2:ビーム整形光学系、3:インテグレータ、4:絞りターレット、5:ハーフミラー、6:第1計測器、7:コンデンサレンズ、8:ブラインド、9:スリット、10,12:コンデンサレンズ、11:ミラー、
13:レチクル、14:レチクルステージ、15:投影光学系、16:フォーカス検出系、17:ウエハステージ、18:ウエハ、19:第2計測器、20:ステージ駆動制御、21:露光量演算部、22:主制御系、
23:レーザ制御系、24:入力装置、25:記憶部、26:表示部、101:光品位のロックシーケンス、102:発振シーケンス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに基づいて前記光の中心波長を導出する処理部と、
前記光の中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備え、
前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長に基づいて前記光の中心波長を導出する、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記光のスペクトルは、第1、第2スペクトル要素を含み、
前記処理部は、前記第1スペクトル要素の中心波長をλ0−1、前記第2スペクトル要素の中心波長をλ0−2(λ0−2 > λ0−1)、前記第1スペクトル要素のピーク強度をEnergy−1、前記第2スペクトル要素のピーク強度をEnergy−2、Δλ= λ0−2 ― λ0−1、前記光の中心波長をλ0としたときに、
λ0 = λ0−1 + Δλ × (Δλ_A/(Δλ_A + Δλ_B))、
Δλ_A : Δλ_B = Energy−2 : Energy−1、
にしたがってλ0を導出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記光のスペクトルは、第1、第2スペクトル要素を含み、
前記処理部は、前記第1スペクトル要素の中心波長をλ0−1、前記第2スペクトル要素の中心波長をλ0−2(λ0−2 > λ0−1)、前記第1スペクトル要素のエネルギの総和をΣenergy−1、前記第2スペクトル要素のエネルギの総和をΣenergy−2、Δλ= λ0−2 ― λ0−1、前記光の中心波長をλ0としたときに、
λ0 = λ0−1 + Δλ × (Δλ_A/(Δλ_A + Δλ_B))、
Δλ_A : Δλ_B = Σenergy−2 : Σenergy−1)、
にしたがってλ0を導出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに基づいて前記光の中心波長を導出する処理部と、
前記光の中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備え、
前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルを短波長側又は長波長側から積算し、積算値が最大積算値の1/2となる波長を前記光の中心波長λ0とする、
ことを特徴とする露光装置。
【請求項5】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのピーク強度の間の相関を示す値を導出する処理部と、
前記値に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項6】
前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのピーク強度の間の差分を導出することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項7】
前記処理部は、前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのピーク強度の比を導出することを特徴とする請求項5に記載の露光装置。
【請求項8】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長を導出する処理部と、
前記複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項9】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長の間の差分を導出する処理部と、
前記差分に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項10】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれの中心波長の平均位置を導出する処理部と、
前記平均位置に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項11】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのFWHMを導出する処理部と、
前記複数のスペクトル要素のそれぞれのFWHMに基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項12】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれのE95を導出する処理部と、
前記複数のスペクトル要素のそれぞれのE95に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項13】
それぞれ異なる波長にピークを有する複数のスペクトル要素を含む光を用いて露光を行う露光装置であって、
前記光のスペクトルを計測する計測器と、
前記計測器によって計測されたスペクトルに含まれる複数のスペクトル要素のそれぞれについてエネルギの総和を導出する処理部と、
前記複数のスペクトル要素のそれぞれについてのエネルギの総和に基づいて前記光の品位を評価する評価部とを備えることを特徴とする露光装置。
【請求項14】
前記光を発生する光源を前記評価部による評価結果に基づいて制御する光源制御部を更に備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の露光装置。
【請求項15】
デバイス製造方法であって、
請求項1乃至14のいずれか1項に記載の露光装置を用いて、感光剤が塗布された基板を露光して前記感光剤に潜像パターンを形成する工程と、
前記感光剤を現像する工程と、
前記基板を処理する工程とを含むことを特徴とするデバイス製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−329432(P2007−329432A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−161640(P2006−161640)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】