説明

露光装置

【課題】露光の高能率化を図ると共に、装置コストの低減を図る。
【解決手段】被露光部材としての基板を保持する基板保持部を複数搭載する複数の移動テーブル3を案内軸で案内して個別に露光位置に配置すべく前記マスクに対して相対移動可能に構成し、複数の前記基板保持部の内のいずれかが前記露光配置に配置されたときに、該露光位置に配置されてない前記基板保持部に対して前記基板を搬入、搬出する基板搬送部を設け、前記露光位置にある前記基板保持部を前記マスクに対してステップ移動させるように前記移動テーブルを移動させるリニアモータ14を配置し、前記案内軸及び前記リニアモータ14のステータをベース7上に形成し、当該ベース7を前記移動テーブル3毎に分解して輸送可能とするように分割し、当該ベース7の分割に合わせて前記リニアモータのステータを分割する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上にマスクのパターンを露光転写する露光装置に関し、特に、例えば液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ等の大型のフラットパネルディスプレイ等の基板上にマスクのパターンを近接(プロキシミティ)露光転写するのに好適な近接露光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近接露光は、被露光材としての基板を近接露光装置の基板保持部に保持すると共に、該基板をマスクステージのマスク保持部に保持されたマスクに接近させて両者のすき間を例えば数10μm〜数100μmにし、次いで、マスクの基板から離間する側から照射装置によって露光用の光をマスクに向けて照射することにより該基板上に該マスクに描かれたパターンを露光転写するようにしたものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記従来の露光装置においては、一枚のマスクに対して一箇所の基板保持部で基板を保持して露光を行うことから、露光の効率化を図るためには、複数台の露光装置を設置する必要があるが、複数台の露光装置を設置すると、露光装置は高価なため、装置コストが高騰してしまう。
本発明はこのような不都合を解消するためになされたものであり、露光の高能率化を図ることができると共に、装置コストの低減を図ることができる露光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、被露光材としての基板を保持する基板保持部と、露光すべきパターンを有するマスクをマスク保持部を介して保持するマスクステージと、前記マスクのパターンを前記基板に露光転写すべく露光用の光を前記マスクに向けて照射する照射手段と備えた露光装置において、前記基板保持部を複数箇所配置すると共に、複数の前記基板保持部を個別に露光位置に配置すべく前記マスクに対して相対移動させる移動手段と、複数の前記基板保持部の内のいずれかが前記露光配置に配置されたときに、該露光位置に配置されてない前記基板保持部に対して前記基板を搬入、搬出する基板搬送部とを備え、前記移動手段は、複数の前記基板保持部を搭載する移動テーブルと、該移動テーブルを移動可能に支持する案内軸と、前記移動テーブルを前記案内軸に沿って移動させる駆動制御手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記露光位置にある前記基板保持部を前記マスクに対してステップ移動させるように前記移動テーブルを移動させるリニアモータを制御するように構成され、前記案内軸及び前記リニアモータのステータをベース上に形成し、当該ベースを前記移動テーブル毎に分解して輸送可能とするように分割し、当該ベースの分割に合わせて前記リニアモータのステータを分割することを特徴とする。
【0005】
また、請求項2に係る発明は、被露光材としての基板を保持する基板保持部と、露光すべきパターンを有するマスクをマスク保持部を介して保持するマスクステージと、前記マスクのパターンを前記基板に露光転写すべく露光用の光を前記マスクに向けて照射する照射手段と備えた露光装置において、前記基板保持部を複数箇所配置すると共に、複数の前記基板保持部を個別に露光位置に配置すべく前記マスクに対して相対移動させる移動手段と、複数の前記基板保持部の内のいずれかが前記露光配置に配置されたときに、該露光位置に配置されてない前記基板保持部に対して前記基板を搬入、搬出する基板搬送部とを備え、前記移動手段は、複数の前記基板保持部を搭載する移動テーブルと、該移動テーブルを移動可能に支持する案内軸と、前記移動テーブルを前記案内軸に沿って移動させる駆動制御手段とを有し、前記駆動制御手段は、前記露光位置にある前記基板保持部を前記マスクに対してステップ移動させるように前記移動テーブルを移動させるリニアモータを制御するように構成され、前記案内軸及び前記リニアモータのステータをベース上に形成し、当該ベースを前記移動テーブル毎に分解して輸送可能とするように分割するとともに、分割した前記ベースの組み立て時に上面の高さが一致するように平面度を調整し、当該ベースの分割に合わせて前記リニアモータのステータを分割することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、複数の基板保持部の内のいずれかが露光配置に配置されたときに、露光位置に配置されてない基板保持部に対して基板搬送部によって基板を搬入、搬出することで、従来の一台の露光装置で複数枚の基板に露光を行う場合に比べて、基板の搬入、搬出に要する時間が大幅に削減されて露光の高能率化を図ることができ、しかも、従来の露光装置を複数台設置する場合に比べて、高価な露光光学系やマスクステージ等が一台分で足りるため、装置コストの低減を図ることができる。しかも、移動テーブルをベースに対してリニアモータによって移動制御し、このリニアモータのステータをベースに設けることにより、複数の移動テーブルを駆動するリニアモータのステータを共通化することができると共に、ステータの分割も容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の実施の形態の一例を図を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図、図2は図1のY軸方向から見た図、図3は本発明の第2の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図、図4はリニアモータ部の詳細断面図、図5は分割位置での連結構造を示す一部を破断した図、図6は本発明の第3の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図である。
【0008】
本発明の第1の実施の形態である近接露光装置は、図1及び図2に示すように、被露光材としての基板Wを保持する基板保持部1を上面に有する基板ステージ2を搭載したX軸移動テーブル3と、露光すべきパターンを有するマスクMをマスク保持部4を介して保持するマスクステージ5と、マスクMのパターンを基板Wに露光転写すべく露光用の光をマスクMに向けて照射する照射装置6と備える。
【0009】
X軸移動テーブル3は、この実施の形態では、マスクステージ5のX軸方向の両側にそれぞれ1台ずつ、合計2台配置されており、それぞれ裏面にリニアガイド装置のスライダ(図示せず)が取り付けられ、該スライダはX軸方向に長い長方形状のベース7上にX軸方向に沿って平行に設置された2本の案内レール(案内軸)8に転動体(図示せず)を介して跨架されている。これにより、2台のX軸移動テーブル3が、2本の案内レール8にX軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0010】
また、X軸移動テーブル3と基板ステージ2との間には、基板ステージ2の単純な上下動作を行うことにより該基板ステージ2を予め設定した位置までマスクMと基板Wとのすき間の計測を行うことなく昇降させる上下粗動装置(図示せず)と、基板ステージ2を上下に微動させてマスクMと基板Wとの対向面間のすき間を所定量に微調整する上下微動装置(図示せず)が設置されている。
【0011】
ベース7の一方の長辺側には、マスクステージ5のマスク保持部4に対してマスクMを搬入、搬出するためのマスクローダ9が設置され、他方の長辺側には、各X軸移動テーブル3毎にそれぞれ基板ステージ2上の基板保持部1に対して基板Wを搬入、搬出するための2台の基板ローダ(基板搬送部)10が設置されている。また、基板ローダ10の隣接する位置には、基板Wのプリアライメント装置11が設置されている。
【0012】
なお、X軸移動テーブル3を案内レール8に沿って移動させる駆動制御手段としては、例えば、ボールねじ装置、該ボールねじ装置のねじ軸を回転駆動するモータ及び該モータを制御する制御装置の組合せや、リニアモータと該リニアモータを制御する制御装置の組合せ等を用いることができる。
ボールねじ装置を使用する場合、左右のX軸移動テーブル3のそれぞれに対応してモータ、ボールねじ装置等、X軸移動テーブル3の移動に必要な構成を設けることにより、それぞれ独立に駆動可能とする。リニアモータを使用する場合は、ベース7側に配設されるリニアモータのステータは両X軸移動テーブル3で共用することができ、リニアモータの可動子はそれぞれのX軸移動テーブル3の下面に一組ずつ設けることにより、それぞれ独立に駆動可能とするのが好ましい。
【0013】
ここで、駆動制御手段は、各X軸移動テーブル3の基板保持部1に保持された基板Wを個別に露光位置Pに配置すべく、各X軸移動テーブル3の案内レール8に沿ったX軸方向の移動を独立に制御すると共に、露光位置Pにある基板保持部1を前記マスクに対してX軸方向にステップ移動させるようにX軸移動テーブル3の移動を制御する。
そして、2台のX軸移動テーブル3の内の一方が露光配置Pに配置されたときに、該露光位置Pに配置されてない他方のX軸移動テーブル3の基板保持部1に対して基板ローダ10による基板Wの搬入又は搬出が行われる。
【0014】
次に、作動を説明する。なお、ここでは、X軸方向に2ステップ露光を行う場合を例に採る。また、左側のX軸移動テーブル3の基板保持部1には、プリアライメント装置11でプリアライメントがなされた基板Wが基板ローダ10によって搬入されて該基板保持部1の真空吸着部等に保持されているものとする。
まず、図1及び図2において、左側のX軸移動テーブル3を駆動制御手段によってマスクM下方の1ショット目の露光位置PまでX軸方向に沿って移動させて該X軸移動テーブル3上の基板保持部1に保持された基板WをマスクMに対向配置し、次に、露光制御装置(図示せず)が、図示しないアライメント調整機構、上下粗動装置及び上下微動装置等によりマスクMと基板Wとの位置合わせ(アライメント)及びマスクMの下面と基板Wの上面とのギャップ調整を行い、次に、前記位置合わせができ、且つすき間量が目標値になった状態で照射装置6から1ショット目の露光用の光をマスクMに向けて照射して該マスクMのパターンを基板に露光転写する。
【0015】
露光後、露光制御装置によって上下粗動装置を制御して基板ステージ2を下降させてマスクMの下面と基板Wの上面とのすき間量を一定量拡大し、この状態で、駆動制御手段によって左側のX軸移動テーブル3をマスクMに対して1ステップ量だけ送り、基板ステージ2上の基板Wを2ショット目の露光位置Pに配置する。
その後、露光制御装置が、上記1ショット目の場合と同様に、マスクMと基板Wとの位置合わせ(アライメント)及びギャップ調整を行い、次に、前記すき間量が目標値になった状態で照射装置6から2ショット目の露光用の光をマスクMに向けて照射して該マスクMのパターンを基板Wに露光転写する。
【0016】
このように、左側の基板保持部1に保持された基板Wの露光が行われている間に、右側のプリアライメント装置11によってプリアライメントされた次に露光を行う基板Wが、右側の基板ローダ10により右側の基板保持部1に搬入、保持される。
露光後、露光制御装置は基板ステージを下降させるように上下粗動装置を制御してマスクMの下面と基板Wの上面とのすき間量を一定量拡大し、この状態で、駆動制御手段によって左側のX軸移動テーブル3をX軸方向の左側に移動させて元の位置(搬入、搬出位置)に復帰させると共に、右側のX軸移動テーブル3をマスクM下方の1ショット目の露光位置PまでX軸方向に沿って移動させて該X軸移動テーブル3上の基板保持部1に保持された基板WをマスクMに対向配置し、上記同様の工程で右側の基板保持部1に保持された基板Wのステップ露光を行う。
【0017】
また、この右側の基板保持部1に保持された基板Wの露光が行われている間に、元の位置に復帰した左側のX軸移動テーブル3に保持された基板Wは左側の基板保持部1による保持が解除された後、左側の基板ローダ10によって例えば図示しない収納部へ搬出されると共に、左側のプリアライメント装置11によってプリアライメントされた新たな基板Wが左側の基板ローダ10によって左側の基板保持部1まで搬入されて該基板保持部1に吸着保持され、次の露光まで(右側のX軸移動テーブル3の基板Wの露光が終了するまで)待機する。
【0018】
以下、同様にして、左右の基板保持部1に保持された基板Wへの転写露光が交互に繰り返される。
このようにこの実施の形態では、各X軸移動テーブル3に搭載された二箇所の基板保持部1の内の一方がマスクM下方の露光配置Pに配置されて露光工程が実行されている間に、該露光位置Pに配置されてない基板保持部1に対して基板ローダ10によって基板Wを搬入、搬出するようにしているので、従来の一台の露光装置で複数枚の基板Wに露光を行う場合に比べて、基板Wの搬入、搬出に要する時間を大幅に削減することができ、露光の高能率化を図ることができると共に、従来の露光装置を複数台設置する場合に比べて、高価な露光光学系やマスクステージ等が一台分で足りるため、装置コストの低減を図ることができる。
【0019】
次に、図3〜図5を参照して、本発明の第2の実施の形態である近接露光装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態と重複或いは相当する部分については、各図に同一符号を付してその説明を省略する。
本発明の第2の実施の形態である近接露光装置は、図3に示すように、二台のX軸移動テーブル3の間でベース7を分割したものであり、この実施の形態では、案内レール8を各X軸移動テーブル3毎に専用に平行配置し、左側のX軸移動テーブル3専用の案内レール8をベース7上にX軸方向に沿って2本平行に設置すると共に、右側のX軸移動テーブル3専用の案内レール8を左側のX軸移動テーブル3専用の2本の案内レール8の外側に位置させてベース7上にX軸方向に沿って2本平行に設置し、各X軸移動テーブル3の専用の案内レール8の間でベース7を分割している。
【0020】
また、この実施の形態では、図5に示すように、ベース7の分割部分はボルト12によって連結されるが、この場合、両側のベース7の上面の高さが一致するようにスペーサ13等を介装して平面度を調整している。なお、ベース7の分割部分の連結は必ずしも必要ではなく、連結しないことで、各X軸移動テーブル3の動作によって各X軸移動テーブル3間で伝達される振動を抑制させるようにしてもよい。
【0021】
更に、この実施の形態では、図4に示すように、駆動制御手段として、リニアモータ14と該リニアモータ14を制御する制御装置(図示せず)の組合せを採用しており、このリニアモータ14は、ベース7の略中央部にX軸方向に沿って形成された溝15の両側壁に取り付けられたステータとしての複数の永久磁石16と、各X軸移動テーブル3の裏面にX軸方向に沿って設けられた凸条18の両側面に取り付けられた複数の電機子17とを備えており、電機子17への電流を適宜制御することで、各X軸移動テーブル3にX軸方向の推力が付与されるようになっている。なお、リニアモータ14の構成としては、これに限らず、例えば、ベース7側にステータとしての電機子を配し、各X軸移動テーブル3の側に永久磁石を配するようにしてもよい。
【0022】
このようにこの実施の形態では、各X軸移動テーブル3間でベース7を分割しているので、複数台のX軸移動テーブル3を設置して大型化した装置を各X軸移動テーブル3毎に分解して輸送することができる。例えば、図3に示すように組み込んだ場合での全長が輸送用のコンテナに収容不可能である場合も、分割した個々のX軸移動テーブル3の長さをコンテナに収容可能な長さに設定することにより、輸送可能とできる。
【0023】
また、案内レール8を各X軸移動テーブル3毎に専用に平行配置して、各X軸移動テーブル3の専用の案内レール8の間でベース7を分割しているので、案内レール8を切断しないで済むことになり、この結果、案内レール8の切断面同士の面倒な位置合わせ作業を不要にすることができる。リニアモータのステータ側は分割されることになるが、段差や水平方向のずれが極めて小さくなるように調整する必要のある案内レール8の場合と比べると、分割部分での段差等の影響は小さくて済む。即ち、リニアモータのステータは分割されても問題ない。その他の構成及び作用効果は上記第1の実施の形態と同様である。
【0024】
次に、図6を参照して、本発明の第3の実施の形態である近接露光装置について説明する。なお、上記第1の実施の形態と重複或いは相当する部分については、図に同一符号を付してその説明を省略する。
本発明の第3の実施の形態である近接露光装置は、図6に示すように、各X軸移動テーブル3の上にY軸移動テーブル20を配置し、該Y軸移動テーブル20上に被露光材としての基板Wを保持する基板保持部1を上面に有する基板ステージ2を搭載するようにしたものである。
【0025】
Y軸移動テーブル20の裏面にはリニアガイド装置のスライダ(図示せず)が取り付けられ、該スライダはX軸移動テーブル3上にY軸方向に沿って平行に設置された4本の案内レール(案内軸)8に転動体(図示せず)を介して跨架されている。これにより、Y軸移動テーブル20が、X軸移動テーブル3上の4本の案内レール8にY軸方向に沿って移動可能に支持されている。
【0026】
また、Y軸移動テーブル20と基板ステージ2との間には、基板ステージ2の単純な上下動作を行うことにより該基板ステージ2を予め設定した位置までマスクMと基板Wとのすき間の計測を行うことなく昇降させる上下粗動装置(図示せず)と、基板ステージ2を上下に微動させてマスクMと基板Wとの対向面間のすき間を所定量に微調整する上下微動装置(図示せず)が設置されている。
【0027】
ここで、この実施の形態では、Y軸移動テーブル20をステップ送り専用の駆動制御手段(例えば、ボールねじ装置、該ボールねじ装置のねじ軸を回転駆動するモータ及び該モータを制御する制御装置の組合せや、リニアモータと該リニアモータを制御する制御装置の組合せ等)によってY軸方向にステップ移動できるようにしており、これにより、基板ステージ2のX軸及びY軸の2軸のステップ移動を可能にしている。その他の構成及び作用効果は上記第1及び第2の実施の形態と同様である。
なお、本発明は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0028】
例えば、上記各実施の形態では、X軸移動テーブル3を複数台配置して各X軸移動テーブル3に基板保持部1を有する基板ステージ2を搭載した場合を例に採ったが、X軸方向のステップ送りを伴わない露光を行う場合や、X軸移動テーブル3上に、別途、それぞれの基板ステージ2のX軸方向ステップ送りのための駆動制御手段を個々に設けるようにした場合は、必ずしもこのようにする必要はなく、X軸方向に長い一台のX軸移動テーブル上に基板保持部1を有する2台の基板ステージ2を互いにX軸方向に離間配置して搭載するようにしてもよい。
【0029】
また、上記各実施の形態では、各X軸移動テーブル3毎に基板ローダ10とプリアライメント装置11を設置した場合を例に採ったが、これに代えて、基板ローダ10をX軸方向に沿って移動可能にして一台で済ませるようにしてもよく、この場合、プリアライメント装置11についても一台にしてもよい。
更に、上記各実施の形態では、基板ステージ2をマスクMに対してステップ移動させて各ステップ毎にパターン露光用の光をマスクMに向けて照射する場合を例に採ったが、これに限定されず、ステップ動作を伴わない一括露光方式の場合にも本発明を適用してもよいのは勿論である。
更に、X軸移動テーブル3等の案内を転がり式の案内装置により行うようにしているが、静圧案内等の他の方式でもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図である。
【図2】図1のY軸方向から見た図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図である。
【図4】リニアモータ部の詳細断面図である。
【図5】分割位置での連結構造を示す一部を破断した図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態である近接露光装置を説明するための平面図である。
【符号の説明】
【0031】
W…基板
M…マスク
1…基板保持部
3…X軸移動テーブル
4…マスク保持部
5…マスクステージ
6…照射装置(照射手段)
7…ベース
8…案内レール(案内軸)
10…基板ローダ(基板搬送部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被露光材としての基板を保持する基板保持部と、露光すべきパターンを有するマスクをマスク保持部を介して保持するマスクステージと、前記マスクのパターンを前記基板に露光転写すべく露光用の光を前記マスクに向けて照射する照射手段と備えた露光装置において、
前記基板保持部を複数箇所配置すると共に、複数の前記基板保持部を個別に露光位置に配置すべく前記マスクに対して相対移動させる移動手段と、複数の前記基板保持部の内のいずれかが前記露光配置に配置されたときに、該露光位置に配置されてない前記基板保持部に対して前記基板を搬入、搬出する基板搬送部とを備え、
前記移動手段は、複数の前記基板保持部を搭載する移動テーブルと、該移動テーブルを移動可能に支持する案内軸と、前記移動テーブルを前記案内軸に沿って移動させる駆動制御手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記露光位置にある前記基板保持部を前記マスクに対してステップ移動させるように前記移動テーブルを移動させるリニアモータを制御するように構成され、
前記案内軸及び前記リニアモータのステータをベース上に形成し、当該ベースを前記移動テーブル毎に分解して輸送可能とするように分割し、当該ベースの分割に合わせて前記リニアモータのステータを分割する
ことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
被露光材としての基板を保持する基板保持部と、露光すべきパターンを有するマスクをマスク保持部を介して保持するマスクステージと、前記マスクのパターンを前記基板に露光転写すべく露光用の光を前記マスクに向けて照射する照射手段と備えた露光装置において、
前記基板保持部を複数箇所配置すると共に、複数の前記基板保持部を個別に露光位置に配置すべく前記マスクに対して相対移動させる移動手段と、複数の前記基板保持部の内のいずれかが前記露光配置に配置されたときに、該露光位置に配置されてない前記基板保持部に対して前記基板を搬入、搬出する基板搬送部とを備え、
前記移動手段は、複数の前記基板保持部を搭載する移動テーブルと、該移動テーブルを移動可能に支持する案内軸と、前記移動テーブルを前記案内軸に沿って移動させる駆動制御手段とを有し、
前記駆動制御手段は、前記露光位置にある前記基板保持部を前記マスクに対してステップ移動させるように前記移動テーブルを移動させるリニアモータを制御するように構成され、
前記案内軸及び前記リニアモータのステータをベース上に形成し、当該ベースを前記移動テーブル毎に分解して輸送可能とするように分割するとともに、分割した前記ベースの組み立て時に上面の高さが一致するように平面度を調整し、当該ベースの分割に合わせて前記リニアモータのステータを分割する
ことを特徴とする露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−53703(P2009−53703A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−240061(P2008−240061)
【出願日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【分割の表示】特願2003−434694(P2003−434694)の分割
【原出願日】平成15年12月26日(2003.12.26)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】