説明

非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレーター

本発明は、一般式(I)の非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレーター類、それらの生成方法、医薬剤の生成のためへのプロゲステロン受容体モジュレーターの使用、及びそれらの化合物を含む医薬組成物に関する。本発明の化合物は、婦人科疾患、例えば子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血及び月経困難症の治療及び予防のために、及びホルモン依存性腫瘍の治療及び予防のために、並びに女性の出産調節への使用及びホルモン置換治療のために適切である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレーター類、それらの調製方法、薬物の生成のためへのプロゲステロン受容体モジュレーターの使用、及びそれらの化合物を含む医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ステロイドホルモンプロゲステロンは、決定的手段で女性身体における生殖工程を調節する。周期及び妊娠の間、プロゲステロンは、卵巣又は胎盤によりそれぞれ多量に分泌される。エストロゲンとの協同作用により、プロゲステロンは、月経周期の間、子宮粘膜(子宮内膜)の周期的変化を引起す。排卵の後、高められたプロゲステロンレベルは、胚(末文化胚芽細胞)の着床を可能にするために、子宮粘膜に影響を及ぼす。妊娠の間、プロゲステロンは、子宮筋層の弛緩を調節し、そして脱落膜組織の機能を保持する。
【0003】
さらに、プロゲステロンが子宮組織におけるエストロゲン介在性有糸分裂の抑制により子宮内膜増殖を阻害することは知られている(K. Chwalisz, R. M. Brenner, U. Fuhrmann, H. Hess-Stumpp, W. Elger, Steroids 65, 2000, 741-751)。
【0004】
プロゲステロン及びプロゲステロン受容体がまた、病態生理学的工程において有意な部分を演じていることも知られている。プロゲステロン受容体は、子宮内膜症の病巣において、また子宮、乳房及びCNSの腫瘍において検出される。さらに、子宮平滑筋腫がプロゲステロン依存的に増殖することは知られている。
【0005】
生殖器官の組織及び他の組織におけるプロゲステロンの効果は、細胞効果を担当できるプロゲステロン受容体との相互作用を通して生じる。
プロゲステロン受容体モジュレーターは、純粋なアゴニストであるか、又はプロゲステロンの効果を一部又は完全に阻害する。従って、物質は純粋なアゴニスト、部分的アゴニスト(SPRMS)及び純粋なアンタゴニストとして定義される。
【0006】
プロゲステロン受容体の効果に影響を与えるプロゲステロン受容体モジュレーターの能力によれば、それらの化合物は、婦人科及び腫瘍学的徴候、及び産科学及び受精能調節のための治療剤として相当の能力を有する。
【0007】
純粋なプロゲステロン受容体アンタゴニストは、プロゲステロン受容体に対するプロゲステロンの効果を完全に阻害する。それらは抗排卵性質、及び十分な萎縮まで子宮内膜におけるエストロゲン効果を阻害する能力を有する。従って、それらは、女性の生殖工程への介在のために、着床を妨げるために、女性生殖工程において、例えば後−排卵において;プロスタグランジン又はオキシトシンに対する子宮の反応性を高めるために、又は頸の開口及び硬化(“成熟”)を確保するために、及び収縮のために子宮筋層の高い準備を誘発するために、特に適切である。
【0008】
病理学的現象に対する有益な効果が、純粋なプロゲステロン受容体アンタゴニストの適用の後、プロゲステロン受容体を供給される子宮内膜症又は腫瘍組織の病巣において予測される。次に、病理学的状態、例えば子宮内膜症又は子宮平滑筋腫についての特定の利点が、さらに、排卵の阻害がプロゲステロン受容体アンタゴニストにより達成され得る場合、得られる。排卵阻害がまた、いくらかの卵巣ホルモン生成及び従って、病理学的に変更された組織に対する、この生成に由来する刺激的効果を不要にする。
【0009】
最初に記載されたプロゲステロン受容体アンタゴニストRU486(また、ミフェプリストン)に続いて、種々の強度のプロゲステロン受容体−アンタゴニスト活性を有する多数の類似体が存在する。プロゲステロン受容体−アンタゴニスト効果の他に、RU486はまた、抗グルチココルチコイド効果を示すが、後に合成された化合物は、プロゲステロン受容体アンタゴニストとしての一層の選択的効果のために特に注目される。
【0010】
文献からも知られている、プロゲステロン−受容体−アンタゴニスト効果及び抗グルココルチコイド効果の良好な解離について、RU486との比較により注目される、ステロイド化合物、例えばオナプリストン又はリロプリストンの他に、プロゲステロン受容体に対するアンタゴニスト効果が調べられる種々の非ステロイド構造体が存在する(また、S. A. Leonhardt and D. P. Edwards, Exp. Biol. Med. 227: 969-980 (2002) and R. Winneker, A. Fensome, J. E. Wrobel, Z. Zhang, P. Zhang, Seminars in Reproductive Medicine, Volume 23: 46-57 (2005)を参照のこと)。しかしながら、今日まで開示される化合物は、既知ステロイド構造体に比べて、わずかに適度なアンタゴニスト活性を有する。最も効果的な非ステロイド化合物は、RU486の活性の10%のインビトロ活性を有するものとして記載されている。
【0011】
抗グルココルチコイド活性は、プロゲステロン受容体の阻害が治療の主な焦点である治療用途のためには好都合でない。抗グルココルチコイド活性は、治療的に必要な投与の場合、所望しない副作用を引起す。これは、治療的に有用な用量の投与を妨げるか、又は処置の中断を導く。
【0012】
従って抗グルココルチコイド性質の部分的又は完全な低下は、プロゲステロン受容体アンタゴニストによる治療のためには、特に数週間又は数ヶ月続く処理を必要とするそれらの徴候のためには重要な必要条件である。
【0013】
純粋なアンタゴニストに比べて、部分的プロゲステロン受容体アゴニスト(SPRMs)は、強度的に変化することができる残留アゴニスト性質を示す。これは、それらの物質が特定の器官システムにおいてプロゲステロン受容体に対する実質的なアンタゴニスト効果を示す事実を導く(D. DeManno, W. Elger, R. Garg, R. Lee, B. Schneider, H. Hess-Stumpp, G. Schuber, K. Chwalisz, Steroids 68, 2003, 1019-1032)。そのような器官−特異的及び解離された作用は、記載される徴候のための治療的使用できる作用であり得る。
【0014】
従って、利用できる追加の非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレーターを製造することが、本発明の目的である。それらの化合物は、低められた抗グルココルチコイド効果を有するべきであり、そして従って、婦人科疾患、例えば子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血及び月経困難症の治療及び予防のために適切である。さらに、本発明の化合物は、ホルモン依存性腫瘍、例えば乳癌、子宮内膜癌、卵巣癌及び前立腺癌の治療及び予防のために適切である。さらに、前記化合物は、女性の受精能調節への使用のために及び女性のホルモン置換療法のために適切である。
【発明の開示】
【0015】
前記目的は、下記一般式I:
【化1】

【0016】
[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、直鎖又は非直鎖、枝分かれした又は枝分なしのC1-C5-アルキル基であり、また前記鎖のC原子と共に、合計3−7個の員を有する環を形成し、
R3は、基C≡C1-Raであり、ここで
Raは、水素、又はKにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるC1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C3-C10-シクロアルキル又はへテロシクロアルキル、又はLにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、
【0017】
Kは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、-C(O)Rb、CO2Rb、-O-Rb、-S-Rb、 SO2NRbRd、 -C(O)-NRcRd、 -OC(O)-NRcRd、-C=NORb -NRcRd又はC3-C10-シクロアルキル、Mにより、 1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるヘテロシクロアルキル、又はLにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、
【0018】
Lは、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C6-ペルフルオロアルキル、C1-C6-ペルフルオロアルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルコキシ、(CH2)p-C3-C10-シクロアルキル、 (CH2)p-ヘテロシクロアルキル、 (CH2)pCN、 (CH2)pHal、 (CH2)pNO2、 (CH2)p-C6-C12-アリール、 (CH2)p- ヘテロアリール、 -(CH2)pPO3(Rb)2、 -(CH2)pNRcRd、 -(CH2)pNReCORb、 -(CH2)pNReCSRb、 -(CH2)pNReS(O)Rb、 -(CH2)pNReS(O)2Rb、 -(CH2)pNReCONRcRd、 -(CH2)pNReCOORb、 -(CH2)pNReC(NH)NRcRd、 -(CH2)pNReCSNRcRd、 -(CH2)pNReS(O)NRcRd、 -(CH2)PNReS(O)2NRcRd、-(CH2)pCORb、 -(CH2)pCSRb、 -(CH2)pS(O)Rb、 -(CH2)pS(O)(NH)Rb、 -(CH2)pS(O)2Rb、 -(CH2)pS(O)2NRcRd、 -(CH2)pSO2ORb、 -(CH2)pCO2Rb、 -(CH2)pC0NRcRd、 -(CH2)pCSNRcRd、 -(CH2)pORb、 -(CH2)pSRb、 -(CH2)pCRb(OH)-Rc、 -(CH2)p-C=NORb、 -O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH- 又は-(CH2)n+2-であり、ここで、nは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子は、隣接する環−炭素原子に直接的に結合され、
【0019】
Mは、C1-C6-アルキル、又は基-CORb、 CO2Rb、 -O-Rb又は -NRcRdであり、ここで、
Rbは、水素、又はC1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C12-アリール又はC1-C3-ペルフルオロアルキルであり、そしてRc及びRdは、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C12-アリール、C(O)Rb又はヒドロキシ基であり、ここで
【0020】
Rcがヒドロキシ基である場合、Rdはわずか1つの水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、又はC6-C12-アリールであり得、そして逆もまた同じであり、そして
Reは、水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、又はC6-C12-アリールであり、そして
pは、0〜6の数であり得、又は
【0021】
R3は、基C=C-RgRhであり、ここで、
Rg及びRhは、お互い独立して、水素、又は1又は複数回、同じに又は異なって、Xにより任意に置換されるC1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル又はC2-C8-アルキニルであり、ここでXは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、-C(O)Rb、 CO2Rb、 -O-Rb、 -C(O)-NRcRd、-NRcRdであり、そしてRb、 Rc及びRdに関しては、すでに上記で言及された意味を有し、そして
R4は、水素原子、メチル又はエチル基、又は部分的に又は完全にフッ素化されたC1-C3-アルキル基であり、
【0022】
Aは、単環式又は二環式、炭素環式又は複素環式芳香族環であり、それらは1又は複数の位置で、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C3-アルキニル、C1-C6-ペルフルオロアルキル、C1-C6-ペルフルオロアルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルコキシ、(CH2)p-C3-C10-シクロアルキル、 (CH2)p-ヘテロシクロアルキル、 (CH2)pCN、 (CH2)pHal、 (CH2)pNO2、 (CH2)p-C6-C12-アリール、 (CH2)p- ヘテロアリール、 -(CH2)pPO3(Rb)2、 -(CH2)pNRcRd、 -(CH2)pNReCORb、 -(CH2)pNReCSRb、 -(CH2)pNReS(O)Rb、 -(CH2)pNReS(O)2Rb、 -(CH2)pNReCONRcRd、 -(CH2)pNReCOORb、 -(CH2)pNReC(NH)NRcRd、 -(CH2)pNReCSNRcRd、 -(CH2)pNReS(O)NRcRd、 -(CH2)PNReS(O)2NRcRd、-(CH2)pCORb、 -(CH2)pCSRb、 -(CH2)pS(O)Rb、 -(CH2)pS(O)(NH)Rb、 -(CH2)pS(O)2Rb、 -(CH2)pS(O)2NRcRd、 -(CH2)pSO2ORb、 -(CH2)pCO2Rb、 -(CH2)pC0NRcRd、 -(CH2)pCSNRcRd、 -(CH2)pORb、 -(CH2)pSRb、 -(CH2)pCRb(OH)-Rc、 -(CH2)p-C=NORb、 -O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH- 又は-(CH2)n+2-により任意に置換され得、ここでnは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子は、隣接する環−炭素原子に直接的に結合され、又は
【0023】
Aは、基-CO2Rb、C(O)NRcRd、CORbであり、又は
Aは、アルケニル基-CR5=CR6R7であり、ここで、
R5、 R6及びR7は、同じであっても又は異なっても良く、そしてお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、アリール基又は置換されていないか又は一部又は完全に弗素化されたC1-C5-アルキル基であり、又は
Aは、アルキル基-C≡CR5であり、R5に関しては、上記に引用される意味を有し、そして
Bは、カルボニル基又はCH2基である]
で表される非ステロイド化合物類、及び医薬的に許容できるそれらの塩の調製により、本発明に従って達成される。
【0024】
本発明の一般式Iの化合物は、不斉中心の存在のために、異なった立体異性体として存在することができる。ラセミ体及び別々の立体異性体の両者は、本発明の対象物質に属する。
さらに、本発明は、医薬活性成分としての新規化合物類、それらの調製、それらの治療使用、及び前記新規物質を含む医薬投与形を包含する。
【0025】
本発明の一般式(I)の化合物類又はそれらの医薬的許容できる塩類は、婦人科疾患、例えば子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血及び月経困難症の治療及び予防のための薬物の製造のために使用され得る。さらに、本発明の化合物は、ホルモン依存性腫瘍、例えば乳癌、前立腺癌及び子宮内膜癌の処理及び予防のために使用され得る。
【0026】
本発明の一般式(I)の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩類は、女性の受精能調節又は女性のホルモン置換療法への使用のために適切である。
さらに、本発明は、一般式(I)の化合物類の調製方法も関する。置換基R3は、有機金属化合物、例えばリチウムアルキニレン又はマグネシウムハロアルキニレンの選択的付加反応により、ケト基に導入される。これは、直接的に又は追加の修飾を実施した後、本発明の一般式(I)の化合物類を導く:
【0027】
【化2】

【0028】
本発明の化合物類の生成は、公開されたUS 2002/0077356号、US 6,323, 199B1号、WO 200375915号、及び WO 9854159号明細書に記載される、有機金属化合物のケトアミドへの選択的付加により調製される。前記有機金属化合物は例えば、リチウムアルキニル化合物又はマグネシウムハロアルキニル化合物であり得る。それらは、例えば適切なアルキンと、ブチルリチウム又はグリニャール化合物との反応により生成される。前記対応する有機金属アルケニル化合物もまた、これに類似して生成され得る。
【0029】
ケト基の反応性は、この場合、アミドカルボニル及びベンゾキサジノンに比較して、明確に高く、その結果、反応条件の適切な選択により、選択的付加が達成される。他方では、R3として導入されるアルキニル又はアルケニル基はまた、後で、さらに修飾され得る。それらの修飾のために適切な反応は、当業者に知られている反応、例えば酸化、還元、置換、アルキル化又はパラジウム−触媒された反応である。いずれかの存在する保護基は、適切な時点で排除される。
【0030】
本発明の一般式Iの非ステロイド化合物は、プロゲステロン受容体に対して強いアンタゴニスト又は強く部分的アゴニスト効果を有する。それらは、それらの結合強度に関して、プロゲステロン受容体及びグルココルチコイド受容体に対する効果の強い解離を示す。既知のプロゲステロン受容体アンタゴニスト、例えばMifepristone(RU486)は、プロゲステロン受容体に対する所望する高い結合親和性の他に、グルココルチコイド受容体に対する高い親和性を示すが、本発明の化合物は、同時に存在する高いプロゲステロン受容体親和性と共に、非常に低いグルココルチコイド受容体結合により区別される。
【0031】
基として定義される本発明の一般式Iの化合物の置換基は、個々の場合、下記意味を有する:
C1-C5−、C1-C6-又はC1-C8-アルキル基は、直鎖又は非直鎖、枝分かれ鎖又は枝なし鎖のアルキル基として定義される。それらの例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−、イソ−、tert−ブチル、n−ペンチル、2,2−ジメチルプロピル、3−メチルブチル、ヘキシル、ヘプチル又はオクチル基である。
【0032】
Raに関しては、これに関して、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチル基、及びn−ペンチル基が好ましい。
R1及びR2に関しては、メチル又はエチルが好ましい。
【0033】
アルケニルは、直鎖又は非直鎖、枝分かれ鎖又は枝なし鎖のアルケニル基を意味する。本発明に関しては、C2-C8-アルケニル基の意味の例は、例えば次のものである:ビニル、アリル、3−ブテン−1−イル−又は2,3−ジメチル−2−プロペニル。芳香族システムAがC2-C8-アルケニル基により置換される場合、それは好ましくは、ビニル基である。
【0034】
アルキニルは、直鎖又は非直鎖、枝分かれ鎖又は枝なし鎖のアルキニル基を意味する。C2-C8-アルキニル基は、例えばエチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル又はオクチニル基、好ましくはエチニル又はプロピニル基である。
言及され得るC3-C10-シクロルキルの例は、例えばシクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン及びシクロヘキサンである。シクロプロピル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが好ましい。
【0035】
Ra、 K又はLの意味におけるヘテロシクロアルキルは、3−〜8−員のヘテロシクロアルキル基を意味する。ヘテロシクロアルキルの例は、モリホリニル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピロリジニル、オキシラニル、オキセタニル、アジリジニル、ジオキソラニル及びジオキサニルである。これに関しては、結合の点に関してのへテロ原子の位置は、いずれかの化学的に可能な位置であり得る。
【0036】
C1-C6-アルコキシル-C1-C6-アルコキシ基の可能な例は、メトキシメトキシ、エトキシメトキシ又は2−メトキシエトキシである。
本発明に関しては、基ORbは、ヒドロキシ、メトキシ、エトキシ、n−プロピル、イソ−プロポキシ、n−、イソ−もしくはtert-ブトキシ基もしくはn−ペントキシ基、又は2,2−ジメチルプロポキシ又は3−メチルブトキシ基である。ヒドロキシ、メトキシ及びエトキシが好ましい。
【0037】
部分的に又は完全に弗素化されたC1-C5-アルキル基に関しては、上記に言及された過弗素化されたアルキル基が適切である。それらのうち、特にトリフルオロメチル基又はペンタフルオロエチル基、及び部分的に弗素化されたアルキル基、例えば5,5,5,4,4−ペンタフルオロペンチル基又は5,5,5,4,4,3,3−ヘプタフルオロペンチル基が好ましい。
【0038】
ハロゲン原子は、弗素、塩素、臭素又はヨウ素原子である。弗素、塩素又は臭素が好ましい。
R1及びR2が、鎖のC原子と共に、3−〜7−員の環を形成する場合、これは例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシル環である。シクロプロピル環及びシクロペンチル環が好ましい。
【0039】
1以上の位置で置換され得る、単環式又は二環式炭素環式芳香族環Aは、炭素環式又は複素環式アリール基である。
前者の場合、それは例えばフェニル又はナフチル基、好ましくはフェニル基である。
複素環式基として、例えば単環式複素環式基、例えばチェニル、フリル、ピラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、チアゾリル、オキサゾリル、フラザニル、ピロリニル、イミダゾリニル、ピラゾリニル、チアゾリニル、チアゾリル、又はテトラゾリル基、及び特に、ヘテロ原子の位置に対するすべての可能な異性体が使用され得る。
【0040】
R3は、アリール基の場合、任意に置換されたフェニル、1−又は2−ナフチル基を意味し、そして、前記フェニル基が好ましい。ヘテロアリール基の例は、2−、3−又は4−ピリジニル基、2−又は3−フリル基、2−又は3−チエニル基、2−又は3−ピロリル基、2−、4−又は5−イミダゾリル基、ピラジニル基、2−、4−又は5−ピリミジニル基、あるいは3−又は4−ピリダジニル基である。
【0041】
(CH2)p基に関するpは、0〜6、好ましくは0〜2の数であり得る。“基”とは、本発明によれば、(CH2)pに関して表されるすべての官能基として定義される。
一般式I(B=-CH2-)の化合物が塩として存在する場合、これは例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酒石酸、クエン酸塩、フマル酸塩、琥珀酸塩又は安息香酸塩の形で存在することができる。
【0042】
本発明の化合物がラセミ混合物の形で存在する場合、それらは、当業者に知られているラセミ体分解方法に従って、純粋な光学的活性形に分解され得る。例えば、ラセミ混合物は、工学的活性キャリヤー材料(CHIRALPAK AD(商標))に基づくクロマトグラフィー処理により、純粋な異性体に分離され得る。光学的活性酸により、一般式のラセミ化合物における遊離ヒドロキシ基をエステル化し、そして分別された結晶化により、又はクロマトグラフィー処理により得られるジアステレオマーエステルを分離し、そして光学的純粋な異性体を形成するために、個々の場合、前記分離されたエステルを鹸化することもまた可能である。光学的活性酸として、例えばマンデル酸、樟脳スルホン酸又は酒石酸が使用され得る。
【0043】
下記に言及される化合物及びその使用が、本発明に従って好ましい:
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
【表3】

【0046】
【表4】

【0047】
【表5】

【0048】
【表6】

【0049】
【表7】

【0050】
【表8】

【0051】
【表9】

【0052】
【表10】

【0053】
【表11】

【0054】
【表12】

【0055】
【表13】

【0056】
【表14】

【0057】
【表15】

【0058】
【表16】

【0059】
【表17】

【0060】
【表18】

【0061】
【表19】

【0062】
【表20】

【0063】
【表21】

【0064】
【表22】

【0065】
【表23】

【0066】
【表24】

【0067】
【表25】

【0068】
【表26】

【0069】
【表27】

【0070】
【表28】

【0071】
【表29】

【0072】
【表30】

【0073】
【表31】

【0074】
【表32】

【0075】
【表33】

【0076】
【表34】

【0077】
【表35】

【0078】
【表36】

【0079】
【表37】

【0080】
【表38】

【0081】
【表39】

【0082】
【表40】

【0083】
【表41】

【0084】
【表42】

【0085】
【表43】

【0086】
【表44】

【0087】
【表45】

【0088】
【表46】

【0089】
【表47】

【0090】
【表48】

【0091】
【表49】

【0092】
【表50】

【0093】
【表51】

【0094】
【表52】

【0095】
【表53】

【0096】
【表54】

【0097】
【表55】

【0098】
【表56】

【0099】
【表57】

【0100】
【表58】

【0101】
【表59】

【0102】
【表60】

【0103】
【表61】

【0104】
【表62】

【0105】
【表63】

【0106】
【表64】

【0107】
【表65】

【0108】
【表66】

【0109】
【表67】

【0110】
【表68】

【0111】
【表69】

【0112】
【表70】

【0113】
【表71】

【0114】
【表72】

【0115】
【表73】

【0116】
【表74】

【0117】
【表75】

【0118】
【表76】

【0119】
【表77】

【0120】
【表78】

【0121】
【表79】

【0122】
本発明の化合物の生物学的特徴化
プロゲステロン受容体モジュレーターを、当業者に知られている単純な方法、試験プログラムの助けにより同定することができる。このためには、例えば試験される化合物を、プロゲステロン受容体のための試験システムにおいてプロゲスタゲンと共にインキュベートし、そしてそれを、この試験システムにおけるプロゲステロン介在性効果がモジュレーターの存在下で変更されるかどうかを調べることが可能である。
【0123】
本発明の一般式Iの物質を、次のモデルにおいて試験した:
プロゲステロン受容体結合アッセイ:
受容体結合親和性の測定:
受容体結合親和性を、特異的に結合する3H−ラベルされたホルモン(トレーサー)、及び動物標的器官からのサイトゾルにおける受容体に対して試験される化合物の競争結合により決定した。この場合、助けは、受容体飽和及び反応平衡化である。
【0124】
トレーサー、及び高まる濃度の試験される化合物(競争体)を、受容体含有サイトゾル画分と共に、0〜4℃で18時間にわたって、同時インキュベートした。炭素−デキストラン懸濁液による末結合トレーサーの分離の後、受容体−結合されたトレーサー含有率を個々の濃度について測定し、そしてIC50を、その濃度順序から決定した。対照物質及び試験される化合物のIC50値の比率として(×100%)として相対的モル結合親和性(RBA)を計算した(対照物質のRBA=100%)。
【0125】
受容体タイプに関しては、次のインキュベーション条件を選択した:
プロゲステロン受容体:
TED緩衝液(20mモルのトリス/HCl、pH7.4;1mモルのエチレンジアミン四酢酸、2mモルのジチオトレイトール)において均質化された、エストラジオール−感作されたウサギの子宮サイトゾル、及び250mモルのサッカロースを-30℃で貯蔵した。トレーサー:3H-ORG2058, 5nモル;対照物質:プロゲステロン。
【0126】
グルココルチコイド受容体:
副腎摘出されたラットの胸腺サイトゾルを-30℃で貯蔵した;緩衝液:TED。トレーサー:3H-デキサメタゾン、20nモル;対照物質:デキサメタゾン。
プロゲステロン受容体に対する本発明の一般式(I)の化合物の相対的受容体結合親和性(RBA値)は、プロゲステロンに対して23〜100%である。グルココルチコイド受容体でのRBA値は、デキッサメタゾンに対して3〜30%の範囲である。
従って、本発明の化合物は、プロゲステロン受容体に対して高い親和性を有するが、しかしグルココルチコイド受容体に対する親和性は低い。
【0127】
PR−Bプロゲステロン受容体の拮抗性(アンタゴニスト性):
トランス活性化アッセイを、WO02/054064号に記載のようにして行う。
PR-Bプロゲステロン受容体の作用性(アゴニスト性):
トランス活性化アッセイを、Fuhrmannなど. (Fuhrmann ,U.; Hess-Stump, H.; Cleve, A.; Neef, G.; Schwede, W.; Hoffmann, J.; Fritzemeier, K.-H., Chwalisz, K.; Journal of Medicinal Chem., 43, 26, 2000, 5010- 5016に記載のようにして行う。
【0128】
【表80】

【0129】
用量
本発明に従っての使用のために、プロゲステロン受容体モジュレーターを、経口、腸内、非経口又は経皮投与することができる。
一般的に満足する結果が、毎日の用量が1μg〜500mgの本発明の化合物を含む場合、上記に言及された徴候の処理において予測され得る。
【0130】
子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血の処理のための、及び受精能調節への使用のための、並びにホルモン置換療法のためのヒトにおける本発明の化合物の適切な用量は、患者の年齢及び構成に依存して、1日当たり50μg〜500mgであり、それにより、必要な毎日の用量が1又は複数回、投与され得る。
乳癌の処理に関しては、本発明の化合物についての用量範囲は、1日あたり10mg〜100mgである。
【0131】
新規化合物に基づく医薬製品は、活性成分と、医薬技術に使用される、キャリヤー物質、充填剤、砕解に影響を与える物質、結合剤、湿潤剤、滑剤、吸収剤、希釈剤、マスキング風味剤、着色剤、等と共に加工し、そして所望される投与形に転換することにより、それ自体知られている態様で配合される。これに関しては、Remington's Pharmaceutical Science, 15<th> Ed. Mack Publishing Company, East Pennsylvania (1980)を参照のこと。
【0132】
経口投与に関しては、特に錠剤、フィルム被覆された錠剤、糖被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、顆粒、香剤、懸濁液、エマルジョン又は溶液が適切である。
非経口投与に関しては、注射用及び注入用製剤が可能である。
関節内注射に関しては、適切に調製された結晶性懸濁液が使用され得る。
筋肉内注射に関しては、水性及び油性注射溶液又は懸濁液及び対応するデポット製剤が使用され得る。
【0133】
直腸投与に関しては、新規化合物は、全身性及び局部治療のために坐薬、カプセル、溶液(例えば、浣腸の形)、及び軟膏の形で使用され得る。
さらに、膣使用のための組成物もまた、製剤として言及され得る。
新規化合物の肺投与に関しては、その新規化合物は、エアロゾル及び吸入剤の形で使用され得る。
【0134】
経皮投与に関しては、パッチが可能であり、又は局部適用に関しては、ゲル、軟膏、脂肪軟膏、クリーム、ペースト、ダスチング粉末、ミルク及びチンキ剤での配合物が可能である。一般式Iの化合物の用量は、適切な薬理学的効果を達成するために、それらの製剤において0.01〜20%であるべきである。
【0135】
対応する錠剤は、例えば活性成分と、既知賦形剤、例えば不活性希釈剤、例えばデキストロース、糖、ソルビトール、マンニトール、ポリビニルピロリドン、砕解剤、例えばトウモロコシ澱粉又はアルギン酸、結合剤、例えば澱粉又はゼラチン、滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム又はタルク、及び/又はデポット効果を達成するための剤、例えばカルボキシポリメチレン、カルボキシルメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート又はポリ酢酸ビニルとを混合することにより得られる。錠剤はまた、いくつかの層から成ることができる。
【0136】
従って、被覆された錠剤は、錠剤に類似して生成されたコアーを、通常、錠剤被覆に使用される組成物、例えばポリビニルピロリドン又はシェラック、アラビアガム、タルク、酸化チタン、又は糖により被覆することにより生成され得る。この場合、錠剤被覆はまた、多くの層から成り、これにより、錠剤において上記で言及された賦形剤が使用され得る。
【0137】
本発明の一般式Iの化合物の溶液又は懸濁液は、追加の味覚改質剤、例えばサッカリン、シクラメート又は糖、及び風味物質、例えばバニラ又は有機抽出物を含むことができる。さらに、それらは、懸濁賦形剤、例えばナトリウム、カルボキシメチルセルロース又は保存剤、例えばp-ヒドロキシベンゾエートを含むことができる。
【0138】
一般式Iの化合物を含んで成るカプセルは、一般式Iの化合物を、不活性キャリヤー、例えばラクトース又はソルビトールと共に混合し、そしてゼラチンカプセルに封入することにより生成され得る。
適切な坐薬は、例えばこの目的のために意図されるキャリヤー、例えば中性脂肪又はポリエチレングリコール、又はそれらの誘導体と共に混合することにより生成され得る。
【0139】
本発明の一般式(I)の化合物類又は医薬的に許容できるそれらの塩は、それらのアンタゴニスト、又は部分的アゴニスト活性のために、薬物の生成のために、特に婦人科疾患、例えば子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血及び月経困難症の治療及び予防のために使用され得る。さらに、それらは、ホルモン不規則性を中和するために、月経を誘発するために、及び単独で又はプロスタグランジン及び/又はオキシトシンと組合して、出産を誘発するために使用され得る。
【0140】
さらに、本発明の一般式(I)の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩は、女性の避妊のための製品の生成のために適切である(また、WO93/23020号、WO93/21927号を参照のこと。)
さらに、本発明の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩は、女性のホルモン置換療法のために、単独で又は選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)と組合して使用され得る。
【0141】
さらに、前記化合物は、ホルモン依存性腫瘍における抗増殖効果を有する。従って、それらは、ホルモン依存性癌、例えば乳癌、前立腺癌又は子宮内膜癌の治療のために適切である。
本発明の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩は、一次治療及び二次治療、特にタモキシフェン不全の後、ホルモン依存性癌の処理のために使用され得る。
【0142】
アンタゴニスト又は部分的アゴニスト作用を有する本発明の一般式(I)の化合物類又はそれらの医薬的に許容できる塩がまた、ホルモン依存性腫瘍を処理するための医薬製品の生成のために、抗エストロゲン活性(エストロゲン受容体アンタゴニスト又はアロマターゼインヒビター)を有する化合物、又は選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)と組合して使用され得る。子宮内膜症又は子宮の平滑筋腫の処理に関しては、本発明の化合物はまた、SERM又は抗エストロゲン(エストロゲン受容体アンタゴニスト又はアロマターゼインヒビター)と組合しても使用され得る。ホルモン依存性腫瘍の処理においては、プロゲステロン受容体モジュレーター及び抗エストロゲン(エストロゲン受容体アンタゴニスト又はアロマターゼインヒビター)又はSERMは、同時に又は連続的投与のために供給され得る。連続投与においては、好ましくは、最初に抗エストロゲン(エストロゲン受容体アンタゴニスト又はアロマターゼインヒビター)又はSERMが投与され、そして次にプロゲステロン受容体モジュレーターが投与される。
【0143】
これに関して、本発明の非ステロイド性プロゲステロン受容体モジュレーターとの組合せにおいては、例えば次の抗エストロゲン(エストロゲン受容体アンタゴニスト又はアロマターゼインヒビター)又はSERMが適切である:
【0144】
タモキシフェン、5-(4-{5-[(RS)-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]-ペンチルオキシ}フェニル)-6-フェニル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプタン-2-オール(WO 00/03979号)、 ICI 182 780 (7α-[9-(4,4,5,5-ペンタフルオロペンチルスルフィニル)ノニル]エストラ-l,3,5(10)-トリエン-3,17-β-ジオール)、1lβ-フルオロ-7α-[5-(メチル{3-[(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ- 1,3,5(10)-トリエン-3 , 17β-ジオール(WO98/07740号)、1 lβ-フルオロ-7α- {5-[メチル(7,7,8,8,9,9, 10,10,10- ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル} エストラ- 1,3,5(10)-トリエン-3 , 17β-ジオール(WO 99/33855号)、1 lβ-フルオロ- 17α- メチル-7α- {5-[メチル(8,8,9,9,9-ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル} エストラ- 1 ,3 ,5(10)-トリエン- 3,17β-ジオール(WO 03/045972号)、クロミフェン、ラロキシフェン及び抗エストロゲン活性を有する追加の化合物、及びアロマターゼインヒビター、例えばファドロゾール、ホルメスタン、レトロゾール、アナストロゾール又はアタメスタン。
【0145】
最後に、本発明はまた、薬物の生成のための、一般式Iの化合物、及び任意には、抗エストロゲン又はSERMの使用にも関する。
本発明はまた、医薬的に許容できる賦形剤及び/又はキャリヤーを伴わないで又はそれらを伴って、適切な場合、医薬的に/薬理学的に適合できる塩の形で、本発明の少なくとも1つの化合物を含む医薬組成物にも関する。
【0146】
それらの医薬組成物及び薬物は、経口、直腸、膣、皮下、経皮、静脈内又は筋肉内投与のために供給され得る。通常使用されるキャリヤー及び/又は希釈剤の他に、それらは少なくとも1つの本発明の化合物を含む。
本発明の薬物は、通常使用される固体又は液体キャリヤー又は希釈剤、及び適切な用量による所望する投与型のために適切な医薬技術に通常使用される賦形剤により、既知手段で生成される。好ましい製剤は、経口投与のために適切である用量から成る。そのような用量形の例は、錠剤、フィルム錠剤、糖被覆された錠剤、カプセル、ピル、粉末、溶液又は懸濁液、またはデポット形である。
【0147】
少なくとも1つの本発明の化合物を含む医薬組成物は好ましくは、経口投与される。
非経口製剤、例えば注射溶液もまた適切である。さらに、言及される製剤は、例えば坐薬及び膣使用のための組成物である。
【実施例】
【0148】
次の例は、本発明の対象を、より詳細に例示するものであり、それを制限するものではない。
【0149】
出発化合物6−[4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及び6−{3−[1−(2−クロロ−フェニル)シクロペンチル]−2−オキソプロピオニルアミノ}−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンは、US2002/0077356号に記載されており、化合物6−[4−(2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル)−4−メチル−2−オキソペンタノイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジノンはUS特許6,323,199B1号(そこにおける例87)に記載されており、化合物6−(4−メチル−4−フェニル−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンはWO1998/54159号記載されており、そして化合物6−[3−[1−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピル]−2−オキソプロピルオニル−アミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンはWO2003/75915号に記載されている。
【0150】
一般方法
1−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−1−メチルエタノール
57.2mlの塩化メチルマグネシウム(THF中、3M)を、375mlのTHF中、25.5gの4−アセチルベンゾ[1,3]ジオキソールに、RTでアルゴン下で添加した。その混合物をRTで16時間、撹拌し、そして氷/2Nの塩酸に添加した。次に、それを酢酸エチルにより抽出し、そして有機相を水及びブラインにより洗浄し、そして乾燥した(硫酸ナトリウム)。27.89gの1−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−1−メチルエタノールを、褐色の油状物として得た。
1H-NMR (CDCI3, ppm) = 1.6 (s, 6H), 5.95 (s, 2H), 6.76 (dd, 1 H), 6.82 (t, 1 H), 6.91 (dd,1 H)。
【0151】
4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソペンタン酸
47mlの塩化錫(IV)を、−70℃での200mlのジクロロメタン中、9.5gの1−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−1−メチルエタノール及び14.2gのエチル2−トリメチルシリルオキシアクリレートに添加した。15分後、その溶液を、炭酸カリウム溶液に添加した。ジエチルエーテルによる抽出の後、有機相を水により洗浄し、乾燥し、そして蒸発した。
【0152】
この手段で得られたエチル4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソペンタノエート酸14.4gを、150mlの1M水酸化ナトリウム及び300mlのメタノールと共にRTで10時間、撹拌した。次に、メタノールを真空下で除去し、そして残る溶液をジエチルエーテルにより抽出した。水性相を、1Mの塩酸により酸性化し、そしてジエチルエーテルにより抽出した。乾燥及び蒸発により、11.1gの4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソペンタン酸を、黄色の油状物として得た。MS(ei)m/e:M+=251。
【0153】
6−[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン
10gの4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソペンタン酸を、125mlのジメチルアセトアミドに溶解し、そしてアルゴン下で-0℃で、3.5mlの塩化チオニルを添加した。-3〜+3℃での20分間の撹拌の後、7.6gの6−アミノ−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(WO00/32584号)を添加した。その混合物を室温で96時間、撹拌し、そして水の添加の後、酢酸エチルにより抽出し、有機相を水により洗浄し、そして乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして溶媒の蒸発及びヘキサン/酢酸エチル(100:0→60:40)を用いてのシリカゲル上での粗生成物のクロマトグラフィー処理により、6.56gの6−[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンを、ベージュ色の固形物として得た。
m.p.=156-166℃、MS(ei)m/e:M+=409。
【0154】
実施例
合成例
(-)-6-{2-[2-(2,3-(メチレンジオキシ)フェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシオクト-3-イノイル}-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 1、及び
(+)-6-{2-[2-(2,3-(メチレンジオキシ)フェニル)-2- メチルプロピル]-2-ヒドロキシオクト-3-イノイル}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 2
【化3】

【0155】
nBuLi(0.7ml, ヘキサン中、1.6M)を、-78℃でのTHF(4ml)中、1−ヘキシン(0.5ml)の溶液に添加した。その混合物を-78℃で20分間、撹拌した。6−[4−(ベンゾ[1,3]ジオキソール−4−イル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(192mg)を添加し、そしてその混合物を-78℃で4時間、撹拌した。次に、水を添加し、そしてその混合物を室温にした。酢酸エチルによる抽出、飽和塩化ナトリウム溶液による洗浄、硫酸ナトリウムでの乾燥及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、82mgの白色発泡体を得、次にこれを、分離用キラルHPLC(Chiralpak AD 250×10mm、溶離剤:アセト二トリル/水 55/45v/v、流速4.7ml/分、40℃、保持時間:12.2分(+)−鏡像異性体、15.7分(−)−鏡像異性体)により、化合物(-)-6-{2-[2-(2,3-(メチレンジオキシ)フェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシオクト-3-イノイル}-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン(例1)及び (+)-6-{2-[2-(2,3-(メチレンジオキシ)フェニル)-2- メチルプロピル]-2-ヒドロキシオクト-3-イノイル}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン(例2)に転換した。
【0156】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.91 (t, J = 7.2 Hz, 3H, CH3), 1.32 - 1.49 (m, 4H), 1.55 (s, 3H), 1.58 (s, 3H), 2.17 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.56 (s, 3H, CH3), 2.59 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 2.74 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 2.80 (s, 1H, OH), 5.94 - 5.96 (m, 2H)1 6.46 - 6.49 (m, 1 H), 6.64 (t, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.47 - 7.49 (m, 1H), 8.25 - 8.28 (m, 1 H), 8.76 (s, 1 H, NH). C28H30N2O6 (490.6):。
【0157】
rac-6-{2-[2-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)-2-メチルプロピル]-2,7-ジヒドロキシヘプト-3-イノイル}- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 3
【化4】

【0158】
段階A:例1に記載のようにしての、−78℃での5−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ペント−1−イン(531mg)、nBuLi(0.7ml, ヘキサン中、1.5M)及び6−[4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(207mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理の後、無色の油状物(86mg)を得た。
段階B:前記得られる油状物を、アルゴン下で室温でTHF(3ml)において撹拌した(3時間)。水の添加、酢酸エチルによる抽出、及び飽和ブラインによる洗浄に続いて、硫酸ナトリウム上で乾燥した。シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、標記化合物を白色発泡体(43mg)として得た。
【0159】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.58 (s, 3H, Me), 1.59 (s, 3H, Me), 1.71 - 1.74 (m, 2H, CH2), 2.2 - 2.3 (m, 2H), 2.56 (s, 3H, CH3), 2.75 (d, J = 15.2 Hz, 1 H, CH), 2.92 (d, J = 14.8 Hz, 1 H, CH), 3.26 (s, 1 H, OH), 3.74 - 3.78 (m, 2H), 6.67 - 6.78 (m, 1 H), 7.09 - 7.19 (m, 2H), 7.66 - 7.69 (m, 2H), 8.20 - 8.21 (m, 1 H), 8.27 - 8.29 (m, 1 H), 8.99 (s, 1 H, NH). C26H26CIFN2O5(501.0):
【0160】
rac-6-{2-[2-(2-クロロ-5-フルオロフェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシオクト-3-イノイル}-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 4
【化5】

【0161】
例1に記載のようにしての、−78℃での1−ヘキシン(0.6ml)、nBuLi(0.7ml, ヘキサン中、1.5M)及び6−[4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(207mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理及び分離用薄-層クロマトグラフィー処理の後、粘性の油状物(12mg)を得た。
【0162】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.90 (t, J = 7.2 Hz, 3H, Me), 1.32 - 1.47 (m, 4H), 1.57 (S, 3H, Me), 1.62 (s, 3H, Me), 2.13 (t, J = 7.2 Hz, CH2C≡C), 2.56 (s, 3H, Me), 2.81 - 2.95 (m, 3H), 6.68 - 6.71 (m, 1 H), 7.11 - 7.17 (m, 2H), 7.56 - 7.58 (m, 1 H), 8.21 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.29 (d, J = 12.6 Hz, 1 H), 8.73 (br. s., 1H, NH). C27H28CIFN2O4 (499.0): LC- MS: m/z = 499 [M + H+]。
【0163】
rac-6-{2-[(2-クロロフェニル)シクロペンチル]メチル-2-ヒドロキシ-4-フェニルブト-3-イノイル- アミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 5
【化6】

【0164】
リチウムフェニルアセチリド(0.65ml、THF中、1M)を、-78℃で、6−{3−[1−(2−クロロ−フェニル)シクロペンチル]−2−オキソプロピオニルアミノ}−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンに添加し、そしてアルゴン下で一晩、室温にした。例1に記載のような作業及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理により、油ポンプ乾燥の後、標記化合物を、発泡体(54mg)として得た。1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.59 - 1.85 (m, 5H), 2.18 - 2.35 (m, 3H), 2.54 (s, 3H, Me), 2.7 - 3.09 (3H), 6.94 - 7.58 (m, 10H), 8.18 (d, J = 1.1 Hz), 8.25 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.81 (br. s., 1 H, NH). C31H27CIN2O4 (526.0): HPLCMS: m/z = 526 [M], 純度 97%。
【0165】
6-{2-[2-(2,3-ジヒドロ-7-ベンゾフラニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシ-3- オクチノイルアミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 6
【化7】

【0166】
例1に記載のようにしての、−78℃でのTHF(3ml)中、1−ヘキシン(0.4ml)、nBuLi(0.7ml, ヘキサン中、1.6M)及び6−[4−(2,3−ジヒドロ−7−ベンゾフラニル)−4−メチル−2−オキソペンタノイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(99.5mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理及び真空下での乾燥の後、固化された無色の油状物(42mg)を得た。
1H NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.89 (t, J =7.2 Hz, 3H, Me), 1.35 - 1.56 (m, 10H), 2.14 - 2.18 (m, 2H), 2.56 (s, 3H, Me), 2.66 (d, J =14.8 Hz, 1 H)1 2.73 (d, J = 14.8 Hz, 1H), 3.0 -3.2 (m, 2H), 3.27 (s, 1 H), 4.57 (t, J = 9.3 Hz, 2H), 6.75 (t, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.95 (d, J = 6.3 Hz, 1 H), 7.05 (d, J = 7.8 Hz, 1 H), 7.50 - 7.52 (m, 1 H), 8.23 - 8.29 (m, 2H), 8.78 (br. s., NH). C29H32CIN2O5 (488): LC-MS: m/z = 489 [M + H+]。
【0167】
rac-6-{4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-2-[(4-ヒドロキシフェニル)エチニル]-4- メチルペンタノイルアミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 7
【化8】

【0168】
段階A:THF(1ml)及びトリエチルアミン(3ml)中、例10の化合物(57.8mg)、トリフェニルホスフィン(6.8mg)、ヨウ化銅(5mg)、4−ヨードフェニルアセテート(51mg)、5mgの酢酸パラジウムの懸濁液を、アルゴン下で超音波槽において1時間、反応せしめた。飽和塩化アンモニウム水溶液の添加に続いて、酢酸エチルによる抽出及び水及びブラインによる洗浄を行った。硫酸ナトリウムによる乾燥に続いて、濃縮、及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製を行った。白色固形物(46.7mg)を得た。
【0169】
段階B:メタノール中、段階Aからの化合物(45.7mg)及び炭酸水素ナトリウム(128mg)の懸濁液を、アルゴン下で室温で6時間、撹拌した。次に、ヘラの先端により炭酸水素ナトリウムを添加し、そしてその混合物を一晩、撹拌した。それを酢酸エチルにより希釈し、水を添加し、そして相の分離に続いて、酢酸エチルによる抽出を行った。組合された有機相のブラインによる洗浄、硫酸ナトリウム上での乾燥、濃縮、及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理により、標記化合物を、粘性油状物(29mg)として得た。
【0170】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.63 (s, 3H, Me), 1.69 (s, 3H, Me), 2.56 (s, 3H, Me), 2.94 - 3.01 (m, 3H), 5.48 (br. s, 1 H1 OH), 6.74 - 6.77 (m, 2H), 6.84 - 6.93 (m, 2H), 7.21- 7.25 (m, 2H), 7.43 (dd, J = 9.0, 6.1 Hz, 1 H), 7.57 - 7.59 (dd, J = 8.6, 2.3 Hz, 1H), 8.22- 8.23 (m, 1H), 8.31 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.80 (br. s, 1 H, NH)。 C29H24CIFN2O5 (534.98): LC-MS: m/z = 535 [M + H+]。
【0171】
rac-6-{2-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシデク-3-イノイル- アミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 8
【化9】

【0172】
例1に記載のようにしての、−78℃でのTHF(3ml)中、1−オクチン(0.4ml)、nBuLi(0.6ml, ヘキサン中、1.6M)及び6−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(110mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理の後、白色の固形物(25mg)を得た。
【0173】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.87 (t, J = 7.0 Hz, 3H), 1.26 - 1.46 (m, 8H), 1.58 (s, 3H, Me), 1.63 (s, 3H, Me), 2.12 (t, J = 7.0 Hz, CH2C≡C), 2.56 (s, 3H, Me)2.79 - 2.91 (m, 3H), 6.92 - 6.95 (m, 2H), 7.40 (dd, J = 8.9, 6.3 Hz, 1 H), 7.53 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1 H), 8.21 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 8.30 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.71 (br. s., 1 H, NH); C29H32CIFN2O4 (527.0): LC-MS: m/z = 527 [M + H+]。
【0174】
rac-6-{2-[2-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシ-5-フェニルペント-3- イノイルアミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 9
【化10】

【0175】
例1に記載のようにしての、−78℃でのTHF(3ml)中、3−フェニル−1−プロピン(0.17ml)、nBuLi(0.51ml, ヘキサン中、1.6M)及び6−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(140mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理及び真空下での乾燥の後、白色の発泡体(116mg)を得た。
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.59 (s, 3H1 Me), 1.61 (s, 3H, Me), 2.55 (s, 3H, Me), 2.79 - 2.95 (m, 3H), 3.4 - 3.6 (m, 2H, CH2C≡C, 6.8 - 6.93 (m, 2H), 7.23 - 7.42 (m, 7H), 8.15 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.27 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.64 (br. s., 1 H, NH). C30H26CIFN2O4 (533.0): LC-MS: m/z = 533 [M + H+]。
【0176】
rac-6-{4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-エチニル-2-ヒドロキシ-4-メチルペンタノイルアミノ}- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 10
【化11】

【0177】
エチニルマグネシウムブロミド(2.2ml、THF中、0.5M)を、THF(4ml)中、6−[4−(2−クロロ−5−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(208mg)の氷冷却された溶液に添加した。アルゴン下で、反応溶液を、3時間にわたって室温にした。例1に記載のような作業及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理により、標記化合物を、油ポンプ乾燥の後、発泡体(84mg)として得た。
【0178】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.8 - 0.9 (m, 1 H), 1-58 (s, 3H, Me), 1.65 (s, 3H, Me), 2.56 - 2.96 (6H), 6.86 - 6.94 (m, 2H), 7.41 (dd, J = 9.0, 6.2 Hz, 1 H), 7.56 (dd, J = 8.6, 1.9 Hz, 1 H), 8.19 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 8.31 (d, J = 8.6 Hz, 1 H), 8.63 (br. s., 1 H1 NH). C23H20CIFN2O4 (542.9): LC-MS: m/z = 543 [M + H+]。
【0179】
rac-6-{4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-ビニル-ペンタノイルアミノ}-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 11
【化12】

【0180】
ビニルマグネシウムブロミド溶液(0.5ml、THF中、1M)を、-78℃でのTHF(3ml)中、6−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(103mg)に挿入し、そしてその混合物を、アルゴン下で一晩、室温にした。塩化アンモニウム二水溶液の添加に続いて、酢酸エチルによる抽出及び飽和塩化ナトリウム溶液による洗浄を行った。硫酸ナトリウム上での乾燥に続いて、回転蒸発器上での濃縮及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィーによる精製により、標記化合物を、固化された油状物(18mg)として得た。
【0181】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz, 選択されたシグナル): 1.53 (s, 3H, Me), 1.57 (s, 3H, Me), 2.35 (s, 1 H), 2.56 (s, 3H, Me), 2.74 (d, J = 15.3 Hz, 1H), 2.89 (d, J = 15.3 Hz, 1 H), 5.15 (d, J = 10.5 Hz, 1 H), 5.27 (d, J = 17.6 Hz, 1 H), 6.10 (dd, J = 17.2, 10.6 Hz, 1 H), 6.81 - 6.86 (m, 1 H)。
【0182】
rac-6-{4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)エチニル]-4- メチルペンタノイルアミノ}-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 12
【化13】

【0183】
例1に記載のようにしての、−78℃での、4−メトキシフェニルアセチレン(0.4ml)、nBuLi(0.6ml, ヘキサン中、1.6M)及び6−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(140mg)の反応により、シリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理の後、標記化合物を白色の固形物 (44mg) として得た。
【0184】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.63 (s, 3H, Me), 1.69 (s, 3H, Me), 2.91 - 3.01 (m, 3H), 3.81 (s, 3H, Me), 6.81 - 6.94 (m, 3H), 7.25 - 7.29 (m, 3H), 7.43 (dd, J = 8.4, 6.3 Hz, 1 H), 7.58 (dd, J = 8.6, 2.3 Hz1 1 H), 8.24 (d, J = 1.9 Hz, 1 H), 8.31 (d, J = 8.6 Hz, 1H), 8.79 (br. s., 1 H, NH). C30H26CIFN2O5 (549.0): LC-MS: m/z = 549 [M + H+]。
【0185】
rac-6-{4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-2-(フェニルエチニル)- ペンタノイルアミノ)-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 13
【化14】

【0186】
リチウムフェニルアセチリド(0.65ml、THF中、1M)を、-78℃で、6−[4−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−4−メチル−2−オキソバレロイルアミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン(136mg)に添加し、そしてその混合物をアルゴン下で2.5時間、−78℃で撹拌した。例1に記載のような作業及びシリカゲル上でのカラムクロマトグラフィー処理により、油ポンプ乾燥の後、標記化合物を、白色発泡体(102mg)として得た。
【0187】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.64 (s, 3H, Me), 1.70 (s, 3H, Me), 2.57 (s, 3H, Me), 2.92 - 3.03 (m, 3H), 6.82 - 6.86 (m, 1 H), 6.91 - 6.93 (m, 1 H), 7.30 - 7.36 (m, 5H), 7.44(dd, J = 9.0, 6.2 Hz, 1 H), 7.59 (dd, J = 8.6, 2.0 Hz, 1H), 8.23 (d, J = 2.0 Hz, 1 H), 8.31(d, J = 8.2 Hz, 1H), 8.79 (br. s., NH); C29H24CIFN2O4 (519.0): HPLC-MS: m/z = 518 [M]。
【0188】
化合物14及び15を、6−(4−メチル−4−フェニル−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及びハロゲン化アルキニルマグネシウムから、例10に類似して調製した:
rac-6-[2-エチニル-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3- ベンゾキサジン-1-オン 14
【化15】

【0189】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.42 (3H), 1.59 (3H), 2.57 (3H), 2.64 (4H), 7.15 (1H), 7.31 (2H), 7.46 (2H), 7.58 (1 H), 8.25 (1 H), 8.30 (1 H), 8.81 (1 H)。
【0190】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-プロピニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3- ベンゾキサジン-1-オン 15
【化16】

【0191】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.42 (3H)1 1.59 (3H), 2.50-2.65 (6H)1 7.11 (1 H), 7.30 (2H), 7.43 (2H), 7.58 (1 H), 8.29 (2H), 8.85 (1 H)。
【0192】
化合物15〜28を、6−(4−メチル−4−フェニル−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及びそれぞれのリチウムアリールアセチリドから、例1に類似して調製した:
【0193】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-(フェニルエチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル- 2,3-ベンゾキサジン-1-オン 16
【化17】

【0194】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.47 (3H), 1.65 (3H), 2.57 (3H), 2.62-2.78 (3H), 7.15 (1H), 7.27-7.37 (5H), 7.40 (2H), 7.50 (2H), 7.59 (1 H), 8.29 (2H), 8.90 (1 H)。
【0195】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-2-[(4-メチルフェニル)エチニル]-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 17a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-2-[(4-メチルフェニル)エチニル]-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 17b
【化18】

【0196】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.48 (3H), 1.64 (3H), 2.36 (3H), 2.57 (3H), 2.60-2.80 (3H), 7.08-7.20 (3H), 7.30 (4H), 7.49 (2H), 7.60 (1 H), 8.29 (2H), 8.90 (1 H)。
16a: [α]D20: +28.4°(CHCI3, 1.03 g/100 ml;λ=589 nm)
16b: [α]D20: -28.6°(CHCI3, 1.01 g/100 ml;λ=589 nm)
【0197】
rac-6-[2-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)エチニル]-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 18
【化19】

【0198】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.47 (3H), 1.63 (3H), 2.56 (3H), 2.60-2.78 (3H), 3.80 (3H), 6.81 (2H), 7.13 (1 H), 7.25-7.38 (4H), 7.48 (2H), 7.60 (1 H), 8.28 (2H), 8.89 (1 H)。
【0199】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)エチニル]-4-メチル-4- フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 18a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-2-[(4-メトキシフェニル)エチニル]-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2.3-ベンゾキサジン-1-オン 18b
18に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体18a及び18bに分離した。
18a : [α]D20: +29.3°(CHCI3, 1.12 g/100 ml; λ=589 nM)
18b : [α]D20: -30.0°(CHCI3, 1.14 g/100 ml; λ=589 nM)
【0200】
rac-6-[2-ヒドロキシ-2-[(4-(N,N-ジメチルアミノ)フェニル)エチニル]-4-メチル-4-フェニル- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン l9
【化20】

【0201】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.48 (3H), 1.62 (3H), 2.57 (3H), 2.60-2.75 (3H), 2.98 (6H), 6.58 (2H), 7.12 (1 H), 7.23-7.38 (4H), 7.48 (2H); 7.57 (1 H), 8.28 (2H), 8.90 (1 H)。
【0202】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]-ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 20
【化21】

【0203】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.48 (3H), 1.63 (3H), 2.57 (3H), 2.64-2.80 (3H), 7.17 (1 H), 7.33 (2H), 7.48 (4H), 7.56 (2H), 7.61 (1H), 8.30 (2H), 8.92 (1 H)。
【0204】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 20a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノl-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 20b
20に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体20a及び20bに分離した。
20a : [α]D20: +19.9°(CHCI3, 1.05 g/100 ml; λ=589 nM)
20b : [α]D20: -20.4°(CHCI3, 1.01 g/100 ml; λ=589 nM)
【0205】
rac-6-[2-[(4-シアノフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 21
【化22】

【0206】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.50 (3H), 1.62 (3H), 2.57 (3H), 2.63-2.82 (3H), 7.18 (1 H)1 7.35 (2H), 7.48 (4H), 7.55-7.68 (2H), 7.62 (1H), 8.30 (2H), 8.94 (1 H)。
【0207】
(+)-6-[2-[(4-シアノフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 21a、及び
(-)-6-[2-[(4-シアノフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 21b
21に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体21a及び21bに分離した。
21a : [α]D20: +26.6°(CHCI3, 1.12 g/100 ml; λ=589 nM)
21b : [α]D20: -26.8°(CHCI3, 1.02 g/100 ml; λ=589 nM)
【0208】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-フェニルフェニル)エチニル]ペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 22
【化23】

1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.50 (3H), 1.68 (3H), 2.58 (3H), 2.64-2.81 (3H),
7.18 (1H), 7.30-7.40 (3H), 7.41-7.61 (11 H), 8.30 (2H), 8.92 (1 H)。
【0209】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-フェニルフェニル)エチニル]ペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 22a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(4-フェニルフェニル)エチニル]ペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 22b
22に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体22a及び22bに分離した。
22a : [α]D20: +38.4°(CHCI3, 1.06 g/100 ml; λ=589 nM)
22b : [α]D20: -30.6°(CHCI3, 1.12 g/100 ml; λ=589 nM)
【0210】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(3-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 23
【化24】

【0211】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.52 (3H)1 1.68 (3H)1 2.60 (3H), 2.65-2.88 (3H), 7.21 (1 H), 7.49 (2H)1 7.42-7.70 (7H), 8.34 (2H), 8.96 (1 H)。
【0212】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(2-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 24
【化25】

【0213】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 600 MHz): 1.52 (3H), 1.65 (3H), 2.62 (3H), 2.69 (1H), 2.78 (1 H), 2.91 (1 H), 7.11 (1 H)1 7.32 (3H), 7.51 (3H), 7.57 (2H), 7.70 (1 H), 8.20 (1H), 8.45 (1 H), 8.75 (1 H)。
【0214】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(2-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 24a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニル-2-[(2-トリフルオロメチルフェニル)エチニル]- ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 24b
24に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体24a及び24bに分離した。
24a : [α]D20: +21.3°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
24b : [α]D20: -19.4°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
【0215】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-2-[(4-ニトロフェニル)エチニル]-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 25
【化26】

【0216】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 600 MHz): 1.47 (3H), 1.62 (3H), 2.55 (3H), 2.79 (1H), 2.81 (2H), 7.18 (1H), 7.34 (2H), 7.50 (4H), 7.63 (1 H), 8.17 (2H), 8.80 (2H), 8.94 (1 H)。
【0217】
rac-6-[2-[[4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル- 4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 26
【化27】

【0218】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.32 (9H), 1.51 (3H), 1.68 (3H), 2.62 (3H), 2.65-2.82 (3H), 7.18 (1H), 7.30-7.40 (6H), 7.52 (2H), 7.63 (1 H), 8.32 (2H), 8.93 (1 H)。
【0219】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-2-[(3-メチルフェニル)エチニル]-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 27
【化28】

【0220】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.47 (3H), 1.63 (3H), 2.30 (3H), 2.58 (3H), 2.62-2.80 (3H), 7.12-7.26 (5H), 7.32 (2H), 7.50 (2H), 7.60 (1 H), 8.30 (2H), 8.90 (1 H)。
【0221】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-2-[(2-メチルフェニル)エチニル]-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 28
【化29】

【0222】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.47 (3H), 1.65 (3H), 2.38 (3H), 2.58 (3H), 2.62-2.80 (3H), 7.08-7.42 (7H), 7.49 (2H), 7.60 (1H), 8.22-8.36 (2H), 8.90 (1 H)。
【0223】
rac-6-[2-(3,3-ジメチルブチニル)-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 29
【化30】

【0224】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.20 (9H), 1.43 (3H), 1.60 (3H), 2.46 (1 H), 2.50-2.63 (5H), 7.11 (1 H), 7.28 (2H), 7.43 (2H), 7.54 (1 H), 8.22 (1H), 8.29 (1H), 8.32 (1H)。
【0225】
rac-6-[2-[(4-アセチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 30
【化31】

【0226】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.48 (3H), 1.63 (3H), 2.56 (3H), 2.60 (3H), 2.63-2.82 (3H), 7.18 (1 H)1 7.33 (2H), 7.40-7.56 (4H), 7.62 (1 H), 7.90 (2H), 8.30 (2H), 8.93 (1 H)。
【0227】
(+)-6-[2-[(4-アセチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 30a、及び
(-)-6-[2-[(4-アセチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 30b
30に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体30a及び30bに分離した。
30a : [α]D20: +31.3°(CHCI3, 1.09 g/100 ml; λ=589 nM)
30b : [α]D20: -28.4°(CHCI3, 1.09 g/100 ml; λ=589 nM)
【0228】
化合物30及び31を、6−[3−[1−(2−フルオロ−5−トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピル]−2−オキソプロピルオニル−アミノ]−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンから、例1に類似して調製した:
rac-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- トリフルオロメチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 31
【化32】

【0229】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.90 (1H), 1.00-1.15 (3H), 2.51 (1H), 2.55 (3H), 2.68 (1H), 3.18 (1 H), 7.01 (1 H), 7.30 (1 H), 7.41 (2H), 7.56 (2H), 7.63 (1 H)1 7.68 (1 H), 8.19 (1 H), 8.31 (1 H), 8.98 (1H)。
【0230】
(+)-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- トリフルオロメチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 31a、及び
(-)-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- トリフルオロメチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ1-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 31b
31に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体31a及び31bに分離した。
31a : [α]D20: +2.3°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
31b : [α]D20: -1.9°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
【0231】
rac-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 32
【化33】

【0232】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.88 (1H), 0.98-1.13 (3H), 2.34 (3H), 2.44 (1 H), 2.55 (3H), 2.70 (1 H), 3.02 (1H), 7.01 (1 H), 7.10 (2H), 7.22 (2H), 7.30 (1 H), 7.64 (2H), 8.19 (1H), 8.31 (1 H), 8.98 (1 H)。
【0233】
(+)-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2.3-ベンゾキサジン-1 -オン 32a、及び
(-)-6-[2-[(2-フルオロ-5-トリフルオロメチルフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 32b
32に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体32a及び32bに分離した。
32a : [α]D20: +8.6°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
32b : [α]D20: -8.7°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
【0234】
次の化合物を、例14に記載される化合物及び3’−ロダセトフェノンから、例7に類似して調製した:
rac-6-[2-[(3-アセチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4-フェニルペンタノイルアミノ]- 4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 33
【化34】

【0235】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.49 (3H), 1.63 (3H), 2.57 (6H), 2.62-2.81 (3H),7.16 81 H), 7.28-7.70 (7H), 7.90-8.00 (2H), 8.30 (2H), 8.94 (1 H)。
【0236】
化合物34及び35を、6−(4−メチル−4−フェニル−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及びリチウムアリールアセチリドから、例1に類似して調製した:
【0237】
rac-6-[2-[(2,5-ジメチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4- フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 34
【化35】

【0238】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.49 (3H), 1.62 (3H), 2.27 (3H), 2.33 (3H), 2.57 (3H), 2.65-2.78 (3H), 7.03 (2H), 7.13 (2H), 7.30 (2H), 7.50 (2H), 7.61 (1H), 8.22 (1H), 8.30 (1H), 8.89 (1 H)。
【0239】
rac-6-[2-[(2,4,5-トリメチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4- フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 35
【化36】

【0240】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.47 (3H), 1.64 (3H), 2.18 (3H), 2.21 (3H), 2.30 (3H), 2.56 (3H), 2.65-2.77 (3H), 6.93 (1 H), 7.12 (2H), 7.30 (2H), 7.48 (2H), 7.59 (1 H), 8.22 (1 H), 8.29 (1 H), 8.90 (1 H)。
【0241】
(+)-6-[2-[(2,4,5-トリメチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4- フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 35a、及び
(-)-6-[2-[(2,4,5-トリメチルフェニル)エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル-4- フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 35b
35に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体35a及び35bに分離した。
35a : [α]D20: +30.6°(CHCI3, 0.97 g/100 ml; λ=589 nM)
35b : [α]D20: -28.0°(CHCI3, 0.96 g/100 ml; λ=589 nM)
【0242】
次の化合物を、3−フェニル−プロピン、nBuLi及び6−(4−メチル−4−フェニル−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オンから、例9に類似して調製した:
rac-6-{2-(2-フェニル)-2-メチルプロピル]-2-ヒドロキシ-5-フェニルペント-3-イノイルアミノ}-4- メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 36
【化37】

【0243】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.42 (3H), 1.53 (3H), 2.55-2.70 (6H), 3.58 (2H), 7.11 (1 H), 7.20-7.35 (7H), 7.41 (2H), 7.48 (1 H), 8.20 (1 H), 8.28 (1 H), 8.80 (1 H)。
【0244】
化合物37及び38を、6−(4−メチル−4−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及びリチウムアリールアセチリドから、例1に類似して調製した:
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-メチルフェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 37
【化38】

【0245】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.73 (3H), 1.82 (3H), 2.33 (3H), 2.57 (3H), 2.88-3.02 (3H), 6.75-6.96 (2H)1 7.01 (1 H), 7.09 (2H), 7.27 (2H), 7.60 (1 H), 8.22-8.35 (2H), 8.96 (1 H)。
【0246】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-メチルフェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 37a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-メチルフェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 37b
37に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体37a及び37bに分離した。
37a : [α]D20: +21.5°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
37b : [α]D20: -21.0°(CHCI3, 1.04 g/100 ml; λ=589 nM)
【0247】
rac-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 38
【化39】

【0248】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.60 (3H), 1.93 (3H), 2.36 (1 H), 2.56-2.72 (5H), 7.04 (1 H), 7.14 (2H), 7.45 (2H), 7.53 (2H), 7.80 (1 H), 8.35-8.45 (2H), 8.90 (1H)。
【0249】
(+)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 38a、及び
(-)-6-[2-ヒドロキシ-4-メチル-4-(2-クロロ-6-フルオロフェニル)-2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル- エチニル)ペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 38b
38に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体38a及び38bに分離した。
38a : [α]D20: +143.2°(CHCI3, 1.05 g/100 ml; λ=589 nM)
38b : [α]D20: -137.8°(CHCI3, 1.12 g/100 ml; λ=589 nM)
【0250】
化合物39及び40を、6−(4−メチル−4−(2−クロロフェニル)−2−オキソバレロイルアミノ)−4−メチル−2,3−ベンゾキサジン−1−オン及びリチウムアリールアセチリドから、例1に類似して調製した:
【0251】
rac-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-メチルフェニル)ブト-3- イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 39
【化40】

【0252】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 0.84 (1 H), 1.00 (1 H), 1.08-1.22 (2H), 2.36 (3H), 2.53 (3H), 2.90 (1 H), 7.03-7.18 (4H), 7.23-7.38 (3H), 7.50 (1 H), 7.60 (1 H), 8.22 (1 H), 8.29 (1H), 8.91 (1H)。
【0253】
(+)-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-メチルフェニル)ブト-3- イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 39a、及び
(-)-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-メチルフェニル)ブト-3- イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 39b
39に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体39a及び39bに分離した。
39a : [α]D20: +30.8°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
39b : [α]D20: -28.3°(CHCI3, 1.00 g/100 ml; λ=589 nM)
【0254】
rac-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-トリフルオロ- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 40
【化41】

【0255】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 0.91 (1H), 1.02 (1 H), 1.08-1.25 (2H), 2.53 (3H)1 3.00 (1H), 7.02-7.18 (2H), 7.28 (1H), 7.42-7.54 (3H), 7.55-7.67 (3H), 8.22 (1H), 8.32 (1H), 8.91 (1 H)。
【0256】
(+)-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-トリフルオロ- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ1-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 40a、及び
(-)-6-[2-(2-クロロフェニル)シクロプロピルメチル]-2-ヒドロキシ-4-(4-トリフルオロ- メチルフェニル)ブト-3-イノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 40b
40に記載されるラセミ混合物を、分離用キラルHPLC(カラムChiralpak AD250×10mm)により鏡像異性体40a及び40bに分離した。
40a : [α]D20: +20.9°(CHCI3, 1.06 g/100 ml; λ=589 nM)
40b : [α]D20: -20.6°(CHCI3, 1.05 g/100 ml; λ=589 nM)
【0257】
rac-6-[2-[[3-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル- 4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 41
【化42】

【0258】
塩化メチルマグネシウムの3M溶液59μlを、1mlの純粋なテトラヒドロフランにより希釈した。その溶液を−70℃に冷却し、そして0.5mlの純粋なテトラヒドロフラン中、例33に記載される化合物30mgの溶液を添加した。-70℃での2.5時間の撹拌の後、その混合物を、塩化アンモニウムの飽和溶液に添加した。酢酸エチルによる混合物の抽出の後、組合された有機相を、飽和塩化ナトリウムにより洗浄し、そして酢酸ナトリウム上で乾燥した。カラムクロマトグラフィー処理の後、16mgの生成物を得た。
【0259】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.46 (3H), 1.53 (6H), 1.62 (3H), 1.80 (1H), 2.55 (3H)1 2.65-2.90 (3H)1 7.12 (1 H), 7.30 (3H)1 7.40-7.52 (3H), 7.53 (1 H), 7.60 (1H), 8.27 (2H)1 8.95 (1 H)。
【0260】
次の化合物を、例14に記載される化合物及び4−ヨードベンジルアルコールから、例7に類似して調製した:
rac-6-[2-[[4-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル- 4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 42
【化43】

【0261】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 300 MHz): 1.47 (3H), 1.60 (3H), 1.80 (1 H), 2.57 (3H), 2.62-2.83 (3H), 4.68 (2H), 7.13 (1H), 7.25-7.43 (6H), 7.48 (2H), 7.59 (1 H), 8.25-8.32 (2H), 8.91 (1 H)。
【0262】
次の化合物を、例14に記載される化合物及び4−ヨードベンジルアルコールから、例7に類似して調製した:
rac-6-[2-[[3-(ヒドロキシメチル)フェニル]エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル- 4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1-オン 43
【化44】

【0263】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.48 (3H), 1.62 (3H), 1.79 (1 H), 2.57 (3H), 2.62-2.80 (3H), 4.68 (2H), 7.15 (1 H), 7.25-7.39 (5H), 7.40 (1 H), 7.49 (2H), 7.60 (1H), 8.29 (2H), 8.91 (1 H)。
【0264】
次の化合物を、例30に記載される化合物及び塩化メチルマグネシウムから、例41に類似して調製した:
rac-6-[2-[[4-(1-ヒドロキシ-1-メチルエチル)フェニル]エチニル]-2-ヒドロキシ-4-メチル- 4-フェニルペンタノイルアミノ]-4-メチル-2,3-ベンゾキサジン-1 -オン 44
【化45】

【0265】
1H-NMR (ppm, CDCI3, 400 MHz): 1.47 (3H), 1.55 (6H), 1.62 (3H), 1.70 (1H), 2.55 (3H), 2.60-2.80 (3H), 7.14 (1H), 7.28-7.40 (4H), 7.41 (2H), 7.48 (2H), 7.60 (1H), 8.25-8.32 (2H), 8.90 (1 H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式I:
【化1】

[式中、R1及びR2は、お互い独立して、水素原子、直鎖又は非直鎖、枝分かれした又は枝分なしのC1-C5-アルキル基であり、また前記鎖のC原子と共に、合計3−7個の員を有する環を形成し、
R3は、基C≡C1-Raであり、ここで
Raは、水素、又はKにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるC1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C3-C10-シクロアルキル又はへテロシクロアルキル、又はLにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、
Kは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、-C(O)Rb、CO2Rb、-O-Rb、-S-Rb、 SO2NRbRd、 -C(O)-NRcRd、 -OC(O)-NRcRd、-C=NORb -NRcRd又はC3-C10-シクロアルキル、Mにより、 1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるヘテロシクロアルキル、又はLにより、1又は複数回、同じに又は異なって、任意に置換されるアリール又はヘテロアリールであり、
Lは、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C8-アルキニル、C1-C6-ペルフルオロアルキル、C1-C6-ペルフルオロアルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルコキシ、(CH2)p-C3-C10-シクロアルキル、 (CH2)p-ヘテロシクロアルキル、 (CH2)pCN、 (CH2)pHal、 (CH2)pNO2、 (CH2)p-C6-C12-アリール、 (CH2)p- ヘテロアリール、 -(CH2)pPO3(Rb)2、 -(CH2)pNRcRd、 -(CH2)pNReCORb、 -(CH2)pNReCSRb、 -(CH2)pNReS(O)Rb、 -(CH2)pNReS(O)2Rb、 -(CH2)pNReCONRcRd、 -(CH2)pNReCOORb、 -(CH2)pNReC(NH)NRcRd、 -(CH2)pNReCSNRcRd、 -(CH2)pNReS(O)NRcRd、 -(CH2)PNReS(O)2NRcRd、-(CH2)pCORb、 -(CH2)pCSRb、 -(CH2)pS(O)Rb、 -(CH2)pS(O)(NH)Rb、 -(CH2)pS(O)2Rb、 -(CH2)pS(O)2NRcRd、 -(CH2)pSO2ORb、 -(CH2)pCO2Rb、 -(CH2)pC0NRcRd、 -(CH2)pCSNRcRd、 -(CH2)pORb、 -(CH2)pSRb、 -(CH2)pCRb(OH)-Rc、 -(CH2)p-C=NORb、 -O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH- 又は-(CH2)n+2-であり、ここで、nは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子は、隣接する環−炭素原子に直接的に結合され、
Mは、C1-C6-アルキル、又は基-CORb、 CO2Rb、 -O-Rb又は -NRcRdであり、ここで、
Rbは、水素、又はC1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C12-アリール又はC1-C3-ペルフルオロアルキルであり、そしてRc及びRdは、お互い独立して、水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、C6-C12-アリール、C(O)Rb又はヒドロキシ基であり、ここで
Rcがヒドロキシ基である場合、Rdはわずか1つの水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、又はC6-C12-アリールであり得、そして逆もまた同じであり、そして
Reは、水素、C1-C6−アルキル、C2-C8−アルケニル、C2-C8−アルキニル、C3-C10-シクロアルキル、又はC6-C12-アリールであり、そして
pは、0〜6の数であり得、又は
R3は、基C=C-RgRhであり、ここで、
Rg及びRhは、お互い独立して、水素、又は1又は複数回、同じに又は異なって、Xにより任意に置換されるC1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル又はC2-C8-アルキニルであり、ここでXは、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシ、ニトロ、-C(O)Rb、 CO2Rb、 -O-Rb、 -C(O)-NRcRd、-NRcRdであり、そしてRb、 Rc及びRdに関しては、すでに上記で言及された意味を有し、そして
R4は、水素原子、メチル又はエチル基、又は部分的にもしくは完全にフッ素化されたC1-C3-アルキル基であり、
Aは、単環式又は二環式、炭素環式又は複素環式芳香族環であり、それらは1又は複数の位置で、C1-C8-アルキル、C2-C8-アルケニル、C2-C3-アルキニル、C1-C6-ペルフルオロアルキル、C1-C6-ペルフルオロアルコキシ、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルキル、C1-C6-アルコキシ-C1-C6-アルコキシ、(CH2)p-C3-C10-シクロアルキル、 (CH2)p-ヘテロシクロアルキル、 (CH2)pCN、 (CH2)pHal、 (CH2)pNO2、 (CH2)p-C6-C12-アリール、 (CH2)p- ヘテロアリール、 -(CH2)pPO3(Rb)2、 -(CH2)pNRcRd、 -(CH2)pNReCORb、 -(CH2)pNReCSRb、 -(CH2)pNReS(O)Rb、 -(CH2)pNReS(O)2Rb、 -(CH2)pNReCONRcRd、 -(CH2)pNReCOORb、 -(CH2)pNReC(NH)NRcRd、 -(CH2)pNReCSNRcRd、 -(CH2)pNReS(O)NRcRd、 -(CH2)PNReS(O)2NRcRd、-(CH2)pCORb、 -(CH2)pCSRb、 -(CH2)pS(O)Rb、 -(CH2)pS(O)(NH)Rb、 -(CH2)pS(O)2Rb、 -(CH2)pS(O)2NRcRd、 -(CH2)pSO2ORb、 -(CH2)pCO2Rb、 -(CH2)pC0NRcRd、 -(CH2)pCSNRcRd、 -(CH2)pORb、 -(CH2)pSRb、 -(CH2)pCRb(OH)-Rc、 -(CH2)p-C=NORb、 -O-(CH2)n-O-、 -O-(CH2)n-CH2-、 -0-CH=CH- 又は-(CH2)n+2-により任意に置換され得、ここでnは1又は2であり、そして末端酸素原子及び/又は炭素原子は、隣接する環−炭素原子に直接的に結合され、又は
Aは、基-CO2Rb、C(O)NRcRd、CORbであり、あるいは
Aは、アルケニル基-CR5=CR6R7であり、ここで、
R5、 R6及びR7は、同じであっても又は異なっても良く、そしてお互い独立して、水素原子、ハロゲン原子、アリール基又は置換されていないか又は一部又は完全に弗素化されたC1-C5-アルキル基であり、あるいは
Aは、アルキル基-C≡CR5であり、R5に関しては、上記に引用される意味を有し、そして
Bは、カルボニル基又はCH2基である]
で表される化合物類、及び医薬的に許容できるそれらの塩。
【請求項2】
R1及びR2が好ましくは、水素原子、メチル基又はエチル基を意味する請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1及びR2が好ましくは、鎖のC原子と共に、合計3〜7個の員を有する環を形成する請求項1記載の化合物。
【請求項4】
R3が好ましくは、アルケニル、アルキニル、アリールアルキニル、ヘテロアリールアルキニル、シクロアルキルアルキニル又はヘテロシクロアルキルアルキニルを意味する請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物。
【請求項5】
R3が好ましくは、ビニル, エチニル, プロピニル, ブチニル, ペンチニル, ヘキシニル, ヘプチニル, オクチニル, ヒドロキシプロピニル, ヒドロキシブチニル, 3-ヒドロキシ-3-メチルブチニル, ヒドロキシペンチニル, カルボキシプロピニル, t- ブチルカルボキシプロピニル, フェニルエチニル, (ヒドロキシフェニル)エチニル, (メトキシフェニル)エチニル, (ジメチルアミノフェニル)エチニル, (メチルフェニル)エチニル, (シアノフェニル)エチニル, (トリフルオロメチル)エチニル, (ジフェニル)エチニル, (ニトロフェニル)エチニル, (tert-ブチルフェニル)エチニル, (アセチルフェニル)エチニル, (アセトキシフェニル)エチニル, (カルボキシフェニル)エチニル又はベンジルエチニル基を意味する請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項6】
Aが好ましくは、芳香族環である請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物。
【請求項7】
Aが好ましくは、フェニル又はナフチル基である請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物。
【請求項8】
Aが好ましくは、置換されていないか又は任意には、単−又は多置換されたフェニル基である請求項7記載の化合物。
【請求項9】
前記フェニル基が好ましくは、1又は2個のハロゲン原子、又はトリフルオロメチル基により置換される請求項8記載の化合物。
【請求項10】
前記ハロゲン原子が好ましくは、塩素及び/又は弗素である請求項9記載の化合物。
【請求項11】
Aが好ましくは、-0-(CH2)n-O-又は-O-(CH2)n-CH2-置換されたフェニル環であり、ここで前記それぞれの直接的隣接の環−炭素原子が結合される請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物。
【請求項12】
R4が、水素原子、メチル又はトリフルオロメチル基である請求項1〜11のいずれか1項記載の化合物。
【請求項13】
請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物類、すなわち下記式及び表により表される化合物類:
【表1】

【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

【表66】

【表67】

【表68】

【表69】

【表70】

【表71】

【表72】

【表73】

【表74】

【表75】

【表76】

【表77】

【表78】

【表79】

【請求項14】
少なくとも1つの請求項1〜13のいずれか1項記載の一般式Iの化合物及び適切な場合、少なくとも1つの追加の活性成分、並びに医薬的に適切な賦形剤及び/又はキャリアーを含む医薬組成物。
【請求項15】
前記追加の活性成分が、SERM(選択的エストロゲン受容体モジュレーター)、アロマターゼインヒビター、抗エストロゲン又はプロスタグランジンである請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記活性成分が、タモキシフェン、5-(4-{5-[(RS)-(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルフィニル]-ペンチルオキシ}フェニル)-6-フェニル-8,9-ジヒドロ-7H-ベンゾシクロヘプタン-2-オール、 ICI 182 780 (7α-[9-(4,4,5,5-ペンタフルオロペンチルスルフィニル)ノニル]エストラ-l,3,5(10)-トリエン-3,17-β-ジオール)、1lβ-フルオロ-7α-[5-(メチル{3-[(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピル}アミノ)ペンチル]エストラ- 1,3,5(10)-トリエン-3 , 17β-ジオール、1 lβ-フルオロ-7α- {5-[メチル(7,7,8,8,9,9, 10,10,10- ノナフルオロデシル)アミノ]ペンチル} エストラ- 1,3,5(10)-トリエン-3 , 17β-ジオール、1 lβ-フルオロ- 17α- メチル-7α- {5-[メチル(8,8,9,9,9-ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチル} エストラ- 1 ,3 ,5(10)-トリエン- 3,17β-ジオール、クロミフェン、ラロキシフェン、ファドロゾール、ホルメスタン、レトロゾール、アナストロゾール又はアタメスタンであり得る請求項14記載の組成物。
【請求項17】
薬物の製造のためへの請求項1〜13のいずれか1項記載の化合物の使用。
【請求項18】
婦人科疾患、例えば子宮内膜症、子宮平滑筋腫、機能不全出血及び月経困難症の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項19】
ホルモン−依存性腫瘍の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項20】
乳癌の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項21】
子宮内膜症の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項22】
卵巣癌の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項23】
前立腺癌の治療及び予防のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項24】
女性のホルモン置換療法のための薬物の製造のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項25】
女性の受胎能調節のためへの請求項17記載の化合物の使用。
【請求項26】
ケトアミドへのリチウムアルキニル化合物及びマグネシウムハロアルキニル化合物の選択的付加方法。

【公表番号】特表2008−543910(P2008−543910A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−517444(P2008−517444)
【出願日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006531
【国際公開番号】WO2006/136461
【国際公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】