説明

非ステロイド性抗炎症薬、充血除去薬および抗ヒスタミン薬の組成物

本発明は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、充血除去薬および抗ヒスタミン薬を包含する医薬組成物ならびに鼻炎および感冒様症状の治療方法に向けられる。NSAIDは、充血除去薬および抗ヒスタミン薬の活性を増強し、かくして、別個の投与形態の投与において、いずれか、または両方を減少させることが可能になることが見出された。同じ増強が鎮咳薬でも起こることができる。かくして、NSAIDの量が通常の強度の投与形態のNSAIDに含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量は、充血除去薬またはヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%未満である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本出願は、2002年12月18日に出願された米国仮出願番号第60/434,342号の利益を主張し、それは出典明示により、全体として本明細書の一部とされる。
【0002】
発明の分野
本発明は、アレルギーおよび感冒に関連する鼻炎の治療のための医薬の改善された投与形態に関する。
【0003】
発明の背景
充血除去薬および抗ヒスタミン薬
鼻炎とは、鼻腔の炎症性障害をいう。鼻炎の症状は、典型的に、くしゃみ、鼻漏、鼻詰まり、および鼻汁の増加からなる。未治療の鼻炎は、副鼻腔、耳および下気道の感染を包含する他の症状をもたらしうる。
鼻炎の治療には、2種類の経口薬物、すなわち、充血除去薬および抗ヒスタミン薬が一般に用いられる。充血除去薬および抗ヒスタミン薬は、作用機序、治療効果および副作用において相違する。これらの2つの使用を組み合わせて、どちらか一方を用いた場合に可能となるよりも完全な鼻炎症状軽減をもたらすことが一般的に行われている。
【0004】
鼻炎の治療に一般的に用いられる充血除去薬は、交感神経興奮剤、偽エフェドリンおよびフェニレフリンを包含する。これらの薬剤は、鼻粘膜中の管を収縮するように作用し、それにより、組織膨張および鼻詰まりを減少させる。充血除去薬は、抗ヒスタミン薬よりも、詰まった鼻気道の開通性を回復するのに良好であることが見出されている。鼻充血除去薬は、刺激性である。しかしながら、充血除去薬は、特に夜に服用すると、緊張、不安および不眠をもたらすことがある。
【0005】
ヒスタミンは、鼻粘膜の壁を覆う細胞(マスト細胞)から放出されるメディエーターである。ヒスタミンは放出されると、局所的受容体に結合し、それにより、くしゃみ、鼻の痒み、鼻の膜の膨張、および鼻汁の増加を引き起こすことが知られている。抗ヒスタミン薬は、充血除去薬と異なる機構によるが、これらの影響を軽減する。抗ヒスタミン薬は、鼻の膜にあるヒスタミン受容体へのヒスタミンの結合を阻害する。抗ヒスタミン薬の副作用は、知力障害および鎮静作用を包含する。
【0006】
充血除去薬および抗ヒスタミン薬の組み合わせは、2つの機序によるアプローチを用い、いずれかの成分を単独で用いた治療よりも完全な鼻炎症状軽減を提供することが知られている。現在、多くの感冒およびアレルギー軽減製品は、両方の薬物を含有している。充血除去薬および鎮静作用のある抗ヒスタミン薬の単一投与単位中への組み込みは、該成分の刺激と鎮静のバランスをとる。しかしながら、充血除去薬または抗ヒスタミン薬のいずれかに対するその感受性が異なる個体もいる。したがって、これらの組み合わせにより、興奮および/または鎮静を経験する個体もいる。
【0007】
充血除去薬および鎮静作用のある抗ヒスタミン薬を含有する市販の処方の例は、
1.CHLOR−TRIMETONTM(登録商標)4時間アレルギー/充血除去薬
4mgのクロルフェニラミン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および60mgの硫酸偽エフェドリン(刺激性充血除去薬)を含有し、4〜6時間毎の服用が推奨される(6歳〜12歳未満の子供の場合、この投与量の1/2);
2.CHLOR−TRIMETONTM12時間アレルギー/充血除去薬
8mgのクロルフェニラミン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および120mgの硫酸偽エフェドリン(刺激性充血除去薬)を含有し、12時間毎の服用が推奨される(成人および12歳より大きい子供のみ);
3.BROMFEDTM錠剤
4mgのブロムフェニラミン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および60mgの硫酸偽エフェドリン(刺激性充血除去薬)を含有し、4〜6時間毎の服用が推奨される(6歳〜12歳未満の子供の場合、この投与量の1/2);
4.BROMFEDTMカプセル
12mgのブロムフェニラミン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および120mgの硫酸偽エフェドリン(刺激性充血除去薬)を含有し、12時間毎の服用が推奨される(成人および12歳より大きい子供のみ);
5.BENADRYLTMアレルギー充血除去薬錠剤
25mgの塩酸ジフェンヒドラミン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および60mgの硫酸偽エフェドリン(刺激性充血除去薬)を含有し、成人および12歳より大きい子供による4〜6時間毎の服用(ただし、24時間で錠剤4個を越えない)が推奨される;
6.TAVIST−DTM錠剤
1.34mgのフマル酸クレマスチン(鎮静作用のある抗ヒスタミン薬)および75mgの塩酸フェニルプロパノールアミン(刺激性充血除去薬)を含有し、12時間毎の服用が推奨される(成人および12歳より大きい子供のみ)
を包含する。
【0008】
充血除去薬および鎮静作用のない抗ヒスタミン薬の両方を単一投与単位中に配合する処方は、商品化されている。かかる処方は鎮静作用がないという利点を有するが、その効力は、特に感冒による鼻炎の場合、鎮静作用のある抗ヒスタミン薬によって提供される効力に匹敵しない。
【0009】
非ステロイド性抗炎症薬
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)は、理論的に言えば、その鎮痛性、抗炎症性および解熱性活性ならびに不適当な副作用の低発生率のために、感冒処方における使用に適する。非ステロイド性抗炎症薬を含有する例示的な感冒処方は、Advil Cold and SinusTM、Motrin Cold and FluTM、Motrin IB SinusTM、およびDristan SinusTMを包含し、その各々が200mgのイブプロフェンおよび30mgの偽エフェドリンを含有する。
【0010】
米国特許第5,025,019号は、非ステロイド性抗炎症薬を、抗ヒスタミン薬、充血除去薬、咳止め薬または去痰薬から選択される少なくとも1つの他の活性成分と組み合わせて含有する医薬組成物および組成物の使用方法を教示する。
これらの組み合わせ生産物は、感冒およびアレルギーによる鼻炎の有効な症状治療を提供するが、それらは、感受性個体における充血除去薬および抗ヒスタミン薬の副作用を軽減しない。かくして、当該分野において、鼻炎の症状を治療するが、該治療に由来する副作用を減少させる必要性が依然としてある。
【0011】
発明の概要
本発明は、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、充血除去薬、および抗ヒスタミン薬の各々の有効量を含み、ここに、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量が、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%よりも少ない医薬組成物に向けられる。
本発明の具体例は、1投与単位あたり約10〜約60mgの塩酸偽エフェドリン、1投与単位あたり約1〜約4mgのクロルフェニラミン、および1投与単位あたり約200〜約400mgのイブプロフェンを含有する医薬組成物である。
【0012】
本発明は、さらに、哺乳動物において鼻炎の症状を軽減する方法に向けられる。該方法は、抗ヒスタミン有効量の抗ヒスタミン薬、充血除去有効量の充血除去薬、および抗炎症有効量の非ステロイド性抗炎症薬を投与することを特徴とし、ここに、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量は、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%よりも少ない。好ましくは、該方法にしたがって、抗ヒスタミン薬、充血除去薬および非ステロイド性抗炎症薬は、単一投与形態中に配合される。しかしながら、それらは、一緒に投与するための別個の投与形態、または本発明の有効投与量の達成方法の指示にしたがう別個の投与形態において提供されることもできる。
該3成分のほかに、本発明にしたがって鎮咳剤を加えることもできる。
【0013】
発明の詳細な記載
抗ヒスタミン薬および/または充血除去薬を含有する組成物への非ステロイド性抗炎症薬の添加は、抗ヒスタミン薬および充血除去薬の効力を増強し、かくして、いずれか、または両方の総投与量の減少を可能にすることが見出された。特に、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、抗ヒスタミン薬および/または充血除去薬の量は、充血除去薬または抗ヒスタミン薬の承認された投与量に含まれる量の約75%以下とすることができる。100%投与量のNSAIDと減少させた投与量の抗ヒスタミン薬または充血除去薬またはその両方からなるこの組み合わせは、充血除去薬および/または抗ヒスタミン薬の効力増強をもたらす。非ステロイド性抗炎症薬と減少させた量の抗ヒスタミン薬および/または充血除去薬からなるこの新規な組み合わせは、より大量の抗ヒスタミン薬および充血除去薬を含有する通常の製品と同様またはそれよりも大きいアレルギー、感冒、感冒様および流感症状を包含する鼻炎の症状軽減を提供する。抗ヒスタミン薬および充血除去薬の量の低下は、これらの各成分の望ましくない副作用、例えば、充血除去薬の刺激作用および抗ヒスタミン薬に不随する眠気を減らすようなので、該知見は特に有益である。
【0014】
本明細書中で使用される場合、「鼻炎」なる語は、感冒、流感またはアレルギーに起因しうる鼻粘膜の炎症をいう。鼻炎は、1以上の感冒様症状によって特徴付けられうる。
本明細書中で使用される場合、「感冒様症状」なる語は、鼻感冒、鼻詰まり、上気道感染、アレルギー性鼻炎、耳炎、副鼻腔炎などをいう。鼻水および鼻詰まりは、感冒症状でもある。
【0015】
本明細書中で提供される場合、活性薬剤の「有効量」または「治療上有効量」なる語は、少なくとも所望の治療効果を提供するのに十分な該薬剤の量として定義される。上記のように、本発明は、NSAIDの通常の投与量と共に投与する場合、充血除去薬および/または抗ヒスタミン薬の有効量を減少させることができるという知見に基づく。必要とされる正確な量は、対象の年齢、全体的な状態、治療している病態の重篤度、および投与される特定の活性薬剤などに依存して、対象によって変化するであろう。
【0016】
本明細書中で提供される場合、活性薬剤の「通常の承認された投与量」なる語は、特定の投与形態でヒトに投与するために、米国食品医薬品局(United States Food and Drug Administration)によって安全かつ効果的であると承認された薬剤の量として定義される。かくして、承認された投与量は、医薬品において見出される投与量、単位投与形態あたりの活性薬剤の量である。本発明において、承認された投与量の比率に対する言及は、同一患者集団(例えば、成人〜成人または小児〜小児)のために承認された投与量、および同一投与形態(例えば、エリキシル、錠剤、カプセル、カプレット、放出制御形態など)のために承認された投与量を意味する。
【0017】
本発明の実施において、当業者は、いずれかの市販(over-the-counter(OTC))または処方された充血除去薬および/または抗ヒスタミン薬の承認された投与形態を投与することができ、それを例えば、25%〜50%以上減らすことができ、NSAIDの承認された量(投与量)と共にそれを投与して副作用の少ない鼻炎の有効な軽減を達成することができる。1の具体例において、本発明は、NSAIDの通常の強度の投与形態に含まれる量の約100%に相当するNSAIDの量に対して、充血除去薬、鎮咳薬または抗ヒスタミン薬の1以上の承認された投与量に含まれる量の1%〜約75%の使用を意図する。別の範囲は、約10%〜約65%である。もう1つ別の範囲は、約30%〜約55%である。約35%〜約50%の範囲もまた可能である。
【0018】
本発明は、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方が市場にある通常のOTC充血除去薬および/または抗ヒスタミン薬製品と比べて低量で配合されるように3つの成分(すなわち、充血除去薬、抗ヒスタミン薬およびNSAID)の全てを含む組成物を意図するが、それらが通常の投与量のNSAIDを含有する製品と共に投与される場合、市場にある通常の抗ヒスタミン薬および/または充血除去薬製品の投与量を減らすことによって、本発明は容易に達成されることができる。かかる低減は、成人投与量を半分に減らすことによって、例えば、エリキシルの量の半分を投与することによって、または錠剤を半分に切断することによって、または承認された投与量の成人用処方NSAIDと共に、減少させた投与形態、例えば、子供用に処方された充血除去薬および/または抗ヒスタミン薬製品を用いることによって達成することができる。
【0019】
抗ヒスタミン薬
アレルギーまたは感冒に付随する鼻の症状の治療に関して用いられる「抗ヒスタミン薬」なる語は、一般に、ヒスタミンH受容体アンタゴニストをいう。ヒスタミンH受容体アンタゴニスト活性を有する多くの化学物質が知られている。多くの有用な化合物をエタノールアミン類、エチレンジアミン類、アルキルアミン類、フェノチアジン類またはピペリジン類として分類することができる。代表的なH受容体アンタゴニストは、限定するものではないが、アステミゾール(astemizole)、アザタジン(azatadine)、アゼラスチン(azelastine)、アクリバスチン(acrivastine)、ブロムフェニラミン(brompheniramine)、クロルフェニラミン(chlorpheniramine)、クレマスチン(clemastine)、シクリジン(cyclizine)、カレバスチン(carebastine)、サイプロヘプタジン(cyproheptadine)、カルビノキサミン(carbinoxamine)、デスカルボエトキシロラタジン(descarboethoxyloratadine)(SCH−34117としても知られている)、デスロラタジンドキシルアミン(desloratadine doxylamine)、ジメチンデン(dimethindene)、エバスチン(ebastine)、エピナスチン(epinastine)、エフレトリジン(efletrizine)、フェキソフェナジン(fexofenadine)、ヒドロキシジン(hydroxyzine)、ケトチフェン(ketotifen)、ロラタジン(loratadine)、レボカバスチン(levocabastine)、ミゾラスチン(mizolastine)、メキタジン(mequitazine)、ミアンセリン(mianserin)、ノベラスチン(noberastine)、メクリジン(meclizine)、ノラステミゾール(norastemizole)、ピクマスト(picumast)、ピリラミン(pyrilamine)、プロメタジン(promethazine)、テルフェナジン(terfenadine)、トリペレナミン(tripelennamine)、テメラスチン(temelastine)、トリメプラジン(trimeprazine)およびトリプロリジン(triprolidine)を包含する。単離モルモット回腸のヒスタミンに対する収縮応答の特異的遮断を包含する既知の方法によってH受容体での活性を決定するために、他の化合物を容易に評価できる。
【0020】
上記ヒスタミンH受容体アンタゴニストのうち、クロルフェニラミンを特に本明細書中で例示する。クロルフェニラミンの通常の成人投与量は、1日につき最大24mgまで、必要に応じて4−6時間毎に4mg経口投与するものである。クロルフェニラミンの通常の小児投与量は、1日につき最大12mgまで、必要に応じて4−6時間毎に2mg経口投与するものである。好ましい塩は、マレイン酸クロルフェニラミンである。本発明によると、通常の成人投与量は、1日につき最大12−18mgまで、必要に応じて4−6時間毎に経口投与される3mg、またはさらに2mgに減らされる。同様に、本発明の具体例において、小児投与量は、1日につき最大6−9mgまで、4−6時間毎に経口投与される1.5mgまたは1mgである。さらなる具体例において、本発明は、クロルフェニラミンの小児投与量をNSAID、例えば、イブプロフェンの成人投与量と組み合わせることを可能にする。
【0021】
充血除去薬
本発明の医薬組成物および使用方法において有用な充血除去薬は、限定するものではないが、偽エフェドリン、フェニルエフェドリン、フェニルプロパノールアミンを包含する。当業者は、多くの他の適当な充血除去薬およびそれらの承認された投与量を知っているであろう。
【0022】
例示される充血除去薬は、偽エフェドリンである。偽エフェドリンの通常の成人投与量は、1日につき最大240mgまで、4−6時間毎に60mgである。偽エフェドリンの通常の小児投与量は、2−5歳の場合、1日につき最大60mgまで、6時間毎に15mg、および6−12歳の場合、1日につき最大120mgまで、6時間毎に30mgである。かくして、本発明の実施の特定の具体例において、成人投与量を1日につき最大120〜180mgで、4−6時間毎に45または30mgに減らすことができ、小児投与量を1日につき最大30〜45mgまで、6時間毎に約11または7.5mgに減らすことができる。上記から、本発明がNSAIDの通常の成人投与量と共に、2つの小児投与量を成人に投与することを意図することは、明らかである。
【0023】
NSAIDs
本発明の医薬組成物および使用方法において有用な非ステロイド性抗炎症薬(NSAID’s)は、下記のカテゴリーのいずれかから選択されうる。
(1)プロピオン酸誘導体
(2)酢酸誘導体
(3)フェナム酸誘導体
(4)ビフェニルカルボン酸誘導体
(5)オキシカム類
(6)Cox−2阻害剤
【0024】
したがって、本明細書中で使用される場合、「NSAID」なる語は、上記の6個の構造上のカテゴリーの1つの中に含まれる、その医薬上許容される非毒性塩を包含するいずれかの非ステロイド性抗炎症性化合物を意味することが意図される。
【0025】
本発明において有用な非ステロイド性抗炎症薬の上記の定義内に含まれる特定の化合物は、当業者によく知られており、その化学構造、薬理学的活性、副作用、通常の投与量範囲などについての言及は、種々の参考文献において見出されうる。例えば、Physician's Desk ReferenceおよびThe Merek Indexを参照のこと。
【0026】
本明細書において有用なプロピオン酸誘導体のうち、イブプロフェン、ナクスプロキセン(naxproxen)、フルルビプロフェン(flurbiprofen)、フェノプロフェン(fenoprofen)、ケトプロフェン(ketoprofen)、スプロフェン(suprofen)、フェンブフェン(fenbufen)、およびフルプロフェン(fluprofen)が例示化合物として記載されうる。酢酸誘導体のうち、例示化合物は、トルメチンナトリウム(tolmetin sodium)、ゾメピラク(zomepirac)、スリンダク(sulindac)およびインドメタシンを包含する。フェナム酸誘導体のうち、例示化合物は、メフェナム酸(mefenamic acid)およびメクロフェナム酸ナトリウム(meclofenamate sodium)を包含する。本発明において有用な例示的ビフェニルカルボン酸誘導体は、ジフルニサル(diflunisal)およびフルフェニサル(flufenisal)を包含する。例示的オキシカムは、ピロキシカム(piroxicam)、スドキシカム(sudoxicam)およびイソキシカム(isoxicam)を包含する。例示的Cox−2阻害剤は、セレコキシブ(celecoxib)、ロフェコキシブ(rofecoxib)、メロキシカム(meloxicam)およびニメスリド(nimesulide)を包含する。本発明の具体例の実施において、上記非ステロイド性抗炎症薬のうちイブプロフェンが例示される。
【0027】
本発明の組成物中における非ステロイド性抗炎症薬の投与量に関し、特定の投与量は、患者の年齢および体重、症状の重篤度、副作用の発生率などによって変化するが、ヒトの場合、NSAID’sの典型的に有効な鎮痛量は、約100−500mgジフルニサル、約25−100mgゾメピラクナトリウム、約50−400mgイブプロフェン、より好ましくは100−200mgイブプロフェン、約125−500mgナプロキセン、約25−100mgフルルビプロフェン、約50−199mgフェノプロフェン、約10−20mgピロキシカム、約125−250mgメフェナム酸、約100−400mgフェンブフェンまたは約25−50mgケトプロフェンである。しかしながら、所望により、または必要に応じて、より大量またはより少量を使用してもよい。
【0028】
鎮咳薬
鎮咳薬は、脳に作用して咳反射を抑制する。かかる咳止めは、乾燥した持続性の咳を軽減するために使用される。最も一般的に使用される薬剤は、デキストロメトルファン(NMDA受容体アンタゴニスト)、オピオイドであるコデインおよびフォルコジン(pholcodine)である。しかしながら、当業者は、使用されうる多くの他のよく知られた一般的な鎮咳薬があることを理解するであろう。本発明は、所望により、鎮咳薬の使用に向けられる。鎮咳薬は、承認された投与量の75%以下の量で使用されうる。
【0029】
医薬組成物
本発明の組成物は単一投与形態に処方され、これらは、固体(例えば、錠剤、カプセル、サッシェ、トローチ(trochet)など)、液体(例えば、溶液または懸濁液)または吸入エーロゾルまたはパッチであってもよい。固体化合物は典型的に経口投与されるが、液体は経口または注射によって投与されうる。他の投与形態、例えば、座剤も有用である。
本発明の例示的組成物は、バルク粉末、錠剤、カプレット、ペレット、カプセル、サッシェ、顆粒などの固形投与形態、および経口投与に適当ないずれか他の投与形態に向けられている。本明細書および付随の請求の範囲の目的で、「錠剤」なる語は、錠剤、カプレット、経口投与に適当なまたはいずれか他の固体投与形態を等しく示す。
【0030】
結合剤は、粉末状原料に結合性を与えるために使用される薬剤である。結合剤は、錠剤処方に結合性を与え、それにより、錠剤が圧縮後も無傷であること、ならびに所望の硬度およびサイズの顆粒の処方によって流動性の改善を保証する。適当な結合剤原料は、限定するものではないが、デンプン(コーンスターチおよびアルファ化デンプンを包含する)、ゼラチン、糖類(シュークロース、グルコース、デキストロース、ラクトースおよびソルビトールを包含する)、ポリエチレングリコール、ワックス、天然および合成ゴム、例えば、アラビアゴム、トラガカントゴム、アルギン酸ナトリウム、セルロース、およびビーガム(Veegum)、および合成ポリマー、例えば、ポリメタクリレートおよびポリビニルピロリドンを包含する。
【0031】
滑沢剤は、錠剤製造において多くの機能を有する。それらは、ダイおよびパンチ表面への錠剤原料の付着を防止し、粒子間摩擦を減らし、ダイ・キャビティからの錠剤の射出を容易にする。また、それらは、錠剤造粒の流速を改善しうる。適当な滑沢剤の例は、限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリル、タルク、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、ポリエチレングリコールまたはその混合物を包含する。一般に、滑沢剤は、最終組成物の重量の約0.25%〜約5%の量で配合され、より詳細には、最終組成物の重量の約0.5〜約1.5%の量で配合される。
【0032】
崩壊剤は、投与後の分解または崩壊を容易にするために錠剤に加えられる物質または物質の混合物である。崩壊剤として作用する物質は、デンプン、粘土、セルロース、アルギン(align)、ゴムおよび架橋ポリマーとして化学的に分類される。適当な崩壊剤の例は、限定するものではないが、クロスカルメロースナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、ケイ酸アルミニウム・マグネシウム、コロイド状二酸化ケイ素、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、アルギン酸、グアールガム、シトラスパルプ、カルボキシメチルセルロース、微結晶セルロース、またはその混合物を包含する。一般に、崩壊剤は、最終組成物の重量の約0.5%〜約25%、より詳細には、最終組成物の重量の約1%〜約15%の量で配合される。
【0033】
潤滑剤(glidant)は、粉末混合物の流動性を改善する物質である。潤滑剤の例は、限定するものではないが、コロイド状二酸化ケイ素、タルクまたはその混合物を包含する。一般に、潤滑剤は、最終組成物の量の約0.1%〜約10%、より詳細には、最終組成物の量の約0.1%〜約5%の量で配合される。
【0034】
吸着剤は、例えば、コロイド状二酸化ケイ素、微結晶セルロース、ケイ酸カルシウムまたはその混合物であってもよい。一般に、吸着剤は最終組成物の量の約0.05%〜約42%、より詳細には、最終組成物の量の約0.05%〜約37%の量で配合される。
【0035】
所望により、医薬処方に従来から使用される他の材料、例えば、希釈剤、安定化剤および抗付着剤を本発明の処方に含ませてもよい。任意の材料は、当該分野でよく知られた着色料およびフレーバー剤を包含する。
【0036】
本発明において記載される医薬組成物は、活性成分を持続性放出するように処方されてもよい。エリキシル、懸濁液、錠剤、カプレット、カプセルなどを包含する種々の処方が、これらの成分の投与形態に意図される。
【0037】
本発明は、さらに、下記の実施例によって記載されるが、それらは、いかなる方法においても、請求される本発明の範囲を限定しようとするものではない。
【実施例1】
【0038】
本発明の医薬組成物投与形態は、下記の投与量の下記の活性成分から製造される。
【0039】
【表1】

【実施例2】
【0040】
錠剤中の偽エフェドリンおよびクロルフェニラミンの組み合わせに対し、イブプロフェン、偽エフェドリンHClおよびマレイン酸クロルフェニラミンの各有効量を含むカプレット組成物の鎮痛/充血除去/抗ヒスタミン効力を評価および比較するために、研究を行った。該研究は、多施設(マルチセンター)の、外来患者の、複数回投与の、プラシーボ対照を用いた、二盲式の、ダブルダミーの、平行群の、無作為な試験であった。
【0041】
患者の選択
該研究は、適当に選択された1070人(少なくとも12歳)の患者を登録し、男性および女性の両方を包含した。研究参加者は、(1)季節性アレルギー性鼻炎(1以上の下記の症状:鼻水、目の痒み/涙目/赤目、鼻詰まり、くしゃみ、鼻/喉/唇の痒み、アレルギー関連性の頭痛および顔面の痛み/圧迫感/不快感を包含した)の少なくとも2年の病歴および(2)少なくとも中程度の頭痛、および/またはアレルギーの季節の間に悪化し、市販(OTC)の鎮痛薬に応答した(自己報告に基づく)顔面の痛み/圧迫感/不快感を経験した病歴を有することが要求された。適任対象は、患者が十分に重篤なアレルギー症状を有することを確立するために、3−30日の導入段階(run-in phase)を行うことが要求され、その間、該対象は、朝(起床時に)および晩(就寝前に)に、下記の症状の重篤度を回顧的(reflectively)に評価した:鼻詰まり、くしゃみ、鼻漏、鼻/喉/唇の痒み;目の痒み/涙目/赤目および頭痛/顔面痛/圧迫感/不快感。各症状の重篤度は、0=なし(症状が存在しない)、1=軽度(症状の最小限の自覚、症状は容易に耐えられる)、2=中程度(症状は存在し、煩わしいが、耐えられる)および3=重篤(症状は耐え難い;日々の活動/睡眠に支障を来たしうる)の4点カテゴリースケールを用いて評価された。彼らはまた、痛みが頭痛であるか、または顔面痛/圧迫感/不快感であるかを尋ねられ、また、その痛みを0=なし(症状が存在しない)、1=軽度(症状の最小限の自覚、症状は容易に耐えられる)、2=中程度(症状は存在し、煩わしいが、耐えられる)および3=重篤(症状は耐え難い;日々の活動/睡眠に支障を来たしうる)で評価するように頼まれた。患者は、少なくとも中程度の強度でアレルギー関連疼痛を経験し、かつ、以前に行った6回の朝晩の症状の重さの評価の間、合計した回顧的(reflective)アレルギー症状スコアが少なくとも48であった場合に、研究薬物療法の最初の投与量を投与された(1日目)。患者は、また、アレルギー関連疼痛に関して評価され、痛みがあるか尋ねられた。
【0042】
該研究に登録され、安全分析に付された1070人の対象のうち、1044人がITT(intent-to treat)分析に適任であり、これら1044人の患者のうち256人が治療1を受け、265人が治療2を受け、266人が治療3を受け、257人が治療4を受けた。治療の記載については下記を参照のこと。さらに、1032人の患者が修飾されたITT分析に付された。
【0043】
投与組成
該研究における患者は、無作為に4つの治療群に入れられた。治療1は、6時間毎の1つのプラシーボ錠剤および2つのイブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミン(1カプレットあたり各々200/30/2mg)カプレット(イブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミンの全投与量が400/60/4mg)から構成された。治療2は、6時間毎の1つのプラシーボ錠剤、1つのプラシーボカプレットおよび1つのイブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミン(1カプレットあたり200/30/2mg)カプレットから構成された。治療3は、6時間毎の1つの偽エフェドリン/クロルフェニラミン(1錠剤あたり各々30/2mg)錠剤および2つのプラシーボカプレットから構成された。治療4は、6時間毎の1つのプラシーボ錠剤および2つのプラシーボカプレットから構成された。
【0044】
投与タイミングおよび症状のモニタリング
患者は、1日に3回(朝、昼および晩)およそ6時間毎に、7日にわたって合計で19−21回まで投与された。最初の投与の2および3時間後に、患者は、0=なし(症状が存在しない)、1=軽度(症状の最小限の自覚、症状は容易に耐えられる)、2=中程度(症状は存在し、煩わしいが、耐えられる)および3=重篤(症状は耐え難い;日々の活動/睡眠に支障を来たしうる)の4点スケールで、そのアレルギー関連疼痛の重篤度について評価した。その後の各投与前に、患者は、いずれかのアレルギー関連頭痛および/または顔面痛/圧迫感/不快感を経験しているか否かを示した(イエスまたはノーの答えが要求される)。1日目の晩(就寝前)および各日の朝(起床時)および2−7日目の晩において、患者自身が下記のアレルギー症状の重篤度を評価した:鼻詰まり、くしゃみ、鼻漏、鼻/喉/唇の痒み;目の痒み/涙目/赤目およびアレルギー関連頭痛/顔面痛/圧迫感/不快感。各症状の重篤度は、0=なし(症状が存在しない)、1=軽度(症状の最小限の自覚、症状は容易に耐えられる)、2=中程度(症状は存在し、煩わしいが、耐えられる)および3=重篤(症状は耐え難い;日々の活動/睡眠に支障を来たしうる)の4点カテゴリースケールを用いて評価された。7日目の晩に、アレルギー症状評価を完了した後、対象は、アレルギー症状の治療を0(乏しい)〜4(素晴らしい)のスケールで評価している該研究薬物療法の全ての評価を提供した。さらに、該患者は、彼らが7日間の研究薬物療法期間の間に経験したいずれかの有害事象を評価した。該患者は、該有害事象を軽度、中程度または重篤のいずれかで評価した。有害事象の例は、限定するものではないが、眠気、口の乾燥、眩暈、および不眠を包含する。
【0045】
評価の基準
第1の薬効パラメーターは、7日目の全体的な平均の回顧的総症状スコアにおけるベースラインからの変化量であった。第2の薬効パラメーターは、重要な変数:(1)該研究の最初の投与の2および3時間後における、疼痛強度差スコアの時間荷重合計;(2)[全体的な平均の回顧的総抗ヒスタミン症状スコア(くしゃみ、目の痒み/涙目/赤目、鼻/喉/唇の痒み)]−[全体的な平均の回顧的総症状スコア]におけるベースラインからの変化量;(3)投与前のアレルギー関連疼痛の発生率(ベースライン測定値を除く);(4)各治療日について、平均の回顧的総症状スコアにおけるベースラインからの変化量;(5)該研究薬物療法の全体的な評価を包含した。
【0046】
統計学的分析
全分析は、SAS(登録商標)バージョン6.12を用いて行われた。症状軽減の開始は、対象が総症状スコアにおいてベースラインから15%の減少を経験した最初の時点として定義付けられた。該研究の全過程の間、対象がベースラインからの15%の減少を経験しなかった場合、開始までの時間を打ち切り、7日のスコアを割り当てた。統計学的に有意な治療差は、治療群間での無作為な発生の確率が0.05であった場合に示された。統計学的傾向は、治療群間での無作為な発生の確率が0.05<p0.15であるか、または治療群間での観察された差が少なくとも10%であった場合に示された。適宜、該研究を有効にするための当該分野での技術内で、他の適当な統計学的測定を用いた。
【0047】
ベースラインからの変化に基づく全ての変数は、治療の効果について、対応するベースラインおよびセンターを包含するANOVAモデルによって分析された。さらに、治療 対 ベースラインおよび治療 対 センターの相互作用効果を評価した。投与前アレルギー関連疼痛(ベースラインを除く)の発生率は、反復測定ロジスティックスモデルによって分析した。該モデルは、交換可能な相関構造を用いて、一般化された評価等式によってフィットさせた。治療の効果およびベースライン疼痛の重篤度は、該モデルに包含された。研究薬物療法スコアの全体的評価は、センターについて調整し、修飾されたリジット(ridit)スコアを用いて、Cochran-Mantel-Haenszel試験によって分析された。さらに、治療 対 センター相互作用は、疑似−同質性(pseudo-homogeneity)試験を用いてコンピューター処理された。症状軽減の開始までの時間の分布は、Kaplan-Meier評価を用いて評価され、中央値時間およびその95%信頼限界がSimonおよびLeeの方法によって得られた。
【0048】
ANOVAモデルによって分析された各パラメーターについて、治療差のための955信頼区間が、最小二乗法における差および対応する標準誤差に基づいて得られた。アレルギー関連疼痛の発生率における各ペアワイズ(pair wise)治療差に関する95%信頼区間、および症状軽減の開始までの時間は、各々、対数−オッズ比および対数リスク比、および対応する標準誤差を基礎とした(Wald's試験に基づく)。該研究薬物療法の全体的評価における治療差に関する信頼区間は、Goodman-Kruskal Gamma統計値およびその標準誤差に基づいていた。
【0049】
薬効結果
全1044人の患者が登録され、薬物療法の少なくとも1つの投与研究に採用された。全957人の患者が該研究を完了した。全1044人の患者は、疼痛強度差の時間荷重合計を除き、全薬効変数の分析に付され、ここに、1032人の患者が評価された。
【0050】
薬効変数の分析において、治療 対 ベースラインおよび治療 対 部位の相互作用効果は、変数にわたって、一般に有意ではない(p>0.1)ことが見出された。個々の回顧的症状に関するベースライン平均は、各々、鼻詰まり2.3、くしゃみ1.7、鼻水2.0、鼻/喉/唇の痒み2.0、目の痒み/涙目/赤目2.0、および頭痛/顔面痛/圧迫感/不快感2.3であった。平均回顧的症状スコアおよび平均回顧的総抗ヒスタミンスコアは、ベースラインにて、各々、12.21および5.71であった。該研究薬物療法の最初の投与量が患者に与えられた場合、アレルギー関連疼痛は、疼痛強度差の時間加重合計について評価された1032人の患者の中で、対象の49%が中程度、51%が重篤であると評価された。該対象のほとんど全員(99.6%)が、研究薬物療法の最初の投与量が与えられたときにアレルギー関連疼痛を経験していた。治療群は、上記のベースライン変数ならびにベースラインの個々の回顧的症状に関して同程度であった。
【0051】
第1の薬効パラメーターおよび重要な第2のパラメーターの結果は、治療1および治療2(より低投与量)が治療3(イブプロフェンなし)および治療4(全てプラシーボ)より、有意に良好な結果をもたらしたことを強調した。
【0052】
患者について、3時間にわたる疼痛強度差の時間加重合計は、治療1および治療2群の場合、2.8であった。治療3および治療4は、各々、2.1および2.0のスコアを有した。治療1−4に関する全体的な平均の回顧的総症状スコアにおけるベースラインからの平均変化量は、各々、5.6、5.4、4.6および3.8であった。治療群に関する全体的な平均の回顧的総抗ヒスタミン症状スコアにおけるベースラインからの平均変化量は、各々、2.9、2.8、2.4および1.9であった。
【0053】
かくして、治療2群における患者は、治療3群(イブプロフェンなし)と比べて、3時間にわたる疼痛強度差の時間加重合計において33%の改善、および全体的な平均の回顧的総症状スコアにおけるベースラインからの平均変化量において17%の改善を経験した。治療群2における患者はまた、治療4群と比べて、全体的な平均の回顧的総抗ヒスタミン症状スコアにおけるベースラインからの平均変化量において、47%の改善を経験した。治療1群における患者は、アレルギー症状およびヒスタミン媒介性症状の全てに関して数字的に良好な集成スコアを示したが、統計学的傾向を確立することはできなかった。さらに、治療1および治療2群は、疼痛強度差の時間加重合計に関して、ほとんど同じスコアを有した。
【0054】
結果は、2mg投与量のクロルフェニラミンがヒスタミン媒介性症状の緩和において、プラシーボよりも効果的であるので、それが抗ヒスタミン薬として有効であることを示した。また、治療群1の患者は、治療群2と比べて、眠気の増加を明らかにした。
【0055】
結論
該研究の結果は、充血除去薬および抗ヒスタミン薬の単独投与と比べて、試験された症状の治療において所定の投与量にて、イブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミンの有意な鎮痛/充血除去/抗ヒスタミン効果があることを明らかにする。それは、驚くべきことに、イブプロフェンが、アレルギー関連疼痛を軽減するだけでなく、他の季節性アレルギー性鼻炎症状の重篤度を減少させることによって、該組み合わせの全体的な効果に寄与することが見出された。これは、治療3(イブプロフェンを含有しない)と比べて、治療2(イブプロフェンを含有する)の全体的なより大きな効果によって示される。また、驚くべきことに、イブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミンの両投与量(各々、全部で400/60/4および200/30/2mg)が、季節性アレルギー性鼻炎のヒスタミン媒介性症状の軽減において等しく効果的であることが見出された。さらに、治療1および治療2群の間に、明らかな用量応答は見られなかった。
【0056】
全ての治療は許容され、有害事象の発生率は、同じ投与量の偽エフェドリンおよびクロルフェニラミンを含有する類似の医薬に関する報告と矛盾しなかった。イブプロフェン/偽エフェドリン/クロルフェニラミンの提唱される投与量は、4ないし6時間毎に1カプレットであり、24時間に6カプレットを越えない。なぜならば、I/P/Cの両投与量は等しく効果的であり、2カプレットのI/P/C投与量は、1カプレット投与量と比べて、眠気、口の乾燥および無気力の発生率増加を示したからである。該投与は、就寝前および/または夜間(日中の投与のほかに)に該調製物の投与を可能にし、イブプロフェンの承認されたOTC1日量(1200mg)と矛盾せず、今だ、偽エフェドリン(240mg)およびクロルフェニラミン(24mg)のモノグラフ1日量を下回る。
【0057】
本発明は、本明細書に記載の特定の具体例によって範囲を限定されるものではない。実際、本明細書に記載のものの他に、本発明の種々の修飾が上記の記載および不随の図から、当業者に明らかであろう。かかる修飾は、添付の請求の範囲ないにあるものとする。
上記の全ての特許、出願、文献、出版物および試験方法は、出典明示により、本明細書の一部とされる。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、(b)充血除去薬、および(c)抗ヒスタミン薬の各々の有効量を含み、ここに、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の承認された投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量が、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%よりも少ない医薬組成物。
【請求項2】
充血除去薬および抗ヒスタミン薬が各々、承認された投与量の75%未満で配合される請求項1記載の医薬組成物。
【請求項3】
NSAID、充血除去薬および抗ヒスタミン薬の各々の承認された投与量が成人用の投与量である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項4】
充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量が承認された投与量に含まれる量の約50%である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項5】
NSAIDがイブプロフェンである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項6】
NSAIDの量が200mgである請求項5記載の医薬組成物。
【請求項7】
充血除去薬が偽エフェドリンである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項8】
抗ヒスタミン薬がヒスタミンH受容体アンタゴニストである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項9】
ヒスタミンH受容体アンタゴニストがクロルフェニラミンである請求項8記載の医薬組成物。
【請求項10】
非ステロイド性抗炎症薬がイブプロフェンである請求項1記載の医薬組成物。
【請求項11】
錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、エリキシル、カプセルまたはパッチの形態である請求項1記載の医薬組成物。
【請求項12】
さらに、滑沢剤、崩壊剤、潤滑剤、吸着剤、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの賦形剤を含む請求項1記載の医薬組成物。
【請求項13】
下記の活性成分の組み合わせ:
(a)HCl投与単位あたり約10〜約60mgの偽エフェドリン;
(b)投与単位あたり約1〜約4mgのクロルフェニラミン;および
(c)投与単位あたり約200〜約400mgのイブプロフェン
を含み、ここに、偽エフェドリンまたはクロルフェニラミンまたはその両方の量のイブプロフェンに対する比率が、各々の承認された投与量に関連して、約0.75:1以下である医薬組成物。
【請求項14】
偽エフェドリンの量が投与単位あたり約20〜約45mgの範囲にある請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
クロルフェニラミンの量が投与単位あたり約1〜約3mgの範囲にある請求項13記載の医薬組成物。
【請求項16】
イブプロフェンの量が投与単位あたり約200mgである請求項13記載の医薬組成物。
【請求項17】
偽エフェドリンおよびイブプロフェンの投与単位あたりの量が(i)30mg偽エフェドリン、200mgイブプロフェンおよび(ii)60mg偽エフェドリン、400mgイブプロフェンからなる群から選択され、クロルフェニラミンの投与量が2mgである請求項13記載の医薬組成物。
【請求項18】
クロルフェニラミンおよびイブプロフェンの投与単位あたりの量が(i)2mgクロルフェニラミン、200mgイブプロフェンおよび(ii)4mgクロルフェニラミン、400mgイブプロフェンからなる群から選択され、偽エフェドリンの投与量が30mgである請求項13記載の医薬組成物。
【請求項19】
偽エフェドリン、クロルフェニラミンおよびイブプロフェンの投与単位あたりの量が(i)30mg偽エフェドリン、2mgクロルフェニラミン、200mgイブプロフェンおよび(ii)30mg偽エフェドリン、2mgクロルフェニラミン、400mgイブプロフェンからなる群から選択される請求項13記載の医薬組成物。
【請求項20】
錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、エリキシル、カプセルまたはパッチの形態である請求項13記載の医薬組成物。
【請求項21】
錠剤の形態である請求項20記載の医薬組成物。
【請求項22】
カプセルの形態である請求項20記載の医薬組成物。
【請求項23】
エリキシルの形態である請求項20記載の医薬組成物。
【請求項24】
さらに、滑沢剤、崩壊剤、潤滑剤、吸着剤、およびその混合物からなる群から選択される少なくとも1つの賦形剤を含む請求項13記載の医薬組成物。
【請求項25】
哺乳動物において鼻炎の症状を軽減する方法であって、
(a)抗ヒスタミン有効量の抗ヒスタミン薬;
(b)充血除去有効量の充血除去薬;および
(c)抗炎症有効量の非ステロイド性抗炎症薬
を投与することを特徴とし、ここに、NSAIDの量が同一投与形態におけるNSAIDの通常の強度の承認された投与量に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量が、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%未満であり、ここに、抗ヒスタミン薬、充血除去薬および非ステロイド性抗炎症薬が単一投与形態に配合されている方法。
【請求項26】
抗ヒスタミン薬、充血除去薬、およびNSAIDが単位投与形態に配合されている請求項25記載の方法。
【請求項27】
(a)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、(b)充血除去薬、および(c)抗ヒスタミン薬および(d)鎮咳薬の有効量を含む医薬組成物であって、ここに、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の承認された投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または鎮咳薬または抗ヒスタミン薬の有効量の1以上が充血除去薬または鎮咳薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%未満である医薬組成物。
【請求項28】
(a)非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、(b)充血除去薬、および(c)抗ヒスタミン薬の各々の治療上有効量を混合することを特徴とし、ここに、NSAIDの量がNSAIDの通常の強度の承認された投与形態に含まれる量の約100%に相当するのに対して、充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の有効量が充血除去薬または抗ヒスタミン薬またはその両方の承認された投与量に含まれる量の約75%未満である医薬組成物の調製方法。

【公表番号】特表2006−515299(P2006−515299A)
【公表日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−562345(P2004−562345)
【出願日】平成15年12月18日(2003.12.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/040748
【国際公開番号】WO2004/056320
【国際公開日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】