説明

非接触通信媒体

【課題】使用する周波数帯が異なるときでも共通して使用することができる非接触通信媒体を提供する。
【解決手段】基板40に配設された平面アンテナ部材2と、平面アンテナ部材2に接続するICチップ50とを備える非接触通信媒体1であって、平面アンテナ部材2は、導体の板状導電板30と、板状導電板30の開口部31に離間して配設される導体の板状ロッド20と、板状導電板30と離間して配設され、板状ロッド20の上端21に接続している接続部22より下部14の外側輪郭15が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子10とを備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触で通信を行うICタグやICラベル等で代表される非接触通信媒体に関し、特に広帯域で異なる周波数の電波に対応可能な非接触通信媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
情報化社会の進展に伴い、商品等に貼付されるタグやラベル等に情報を記録し、このタグやラベル等を用いて商品管理が行われている。このようなタグやラベル等に関し、非接触にて情報の読み出しや書き込み等が行えるICチップを接続した非接触ICタグや非接触ICラベル等(以下「非接触ICタグ等」という。)が優れた利便性により急速に普及してきている。
【0003】
非接触にて情報の読み出しや書き込み等を行う非接触ICタグ等は、ICチップに導電性のアンテナを接続することで、ICチップに対し情報の読み出しや書き込み等を行っている。そして、近年使用する周波数の広帯域化の要求が高まり、従来からの13.56MHz帯若しくはマイクロ波帯(2.45GHz)の他に、法改正によりUHF帯(952MHz〜955MHz)での使用も可能となり、これらの個々の周波数帯に適した其々の非接触式ICタグ等が実用化されている。
【0004】
従って、使用する周波数帯が異なるときは、其々の周波数帯で使用できる非接触式ICタグ等を使用する必要があり、手続きが煩雑で、コストが上昇するとの問題点があった。尚、下記特許文献1には、複数の周波数帯で使用可能なアンテナが提案されているが、独立したアンテナ素子が二つ設けられているので設置面積が大きくなり、従って非接触式ICタグ等に使用するとサイズが大きくなるとの問題点を有していた。また、二つの周波数で使用可能となるが、使用する周波数を変える場合には異なるアンテナを用意する必要があるので、手続きが煩雑で全体のコストが上昇するとの問題点も有していた。
【0005】
また、地球規模での交易が頻繁に行われている昨今の状況において、航空手荷物や物流に非接触式ICタグ等が使用されているが、同じUHF帯で使用する場合であっても、日本は950MHz、米国は915MHz、欧州は889.5MHz、と周波数帯が異なるために、他国から搬入された荷物に貼付されている非接触式ICタグ等を自国で使用することが出来ず、自国において新たに非接触ICタグ等を貼付する必要があり、二重の手間と費用が掛るのとの不都合があった。
【0006】
更に、電源部を有しない非接触式ICタグ等は、データを読み書きする装置(以下「読取装置」という。)からの電波によりICチップが作動電源を得るために、読取装置と非接触式ICタグ等との通信距離は、一般には数十cm以下であり、長い距離の通信には不向きであった。そのため、通信距離を伸ばすために非接触ICタグ等に電源部を接続しICチップの通信距離を伸ばすアクティブタグが使用されているが、この場合、非接触ICタグ等が必要とされる携帯性の観点より、電源部には電池が一般的には使用される。しかし、電池を使用すると非接触ICタグ等の使用期間が限定され、また電池を交換するためには手間と費用が発生し、更に電池及び収納部を設ける必要からサイズが大きくなり、コストも上昇するとの問題点があった。
【0007】
更に、近年外出時に帰宅時間に合わせて遠隔操作にて、室内空調機・ビデオ・テレビ等を操作することが試みられているが、機器に直接接続されたアンテナに対し通信を行うので、機器とアンテナを接続する配線が複雑に絡み合い簡素化が望まれていた。また機器ごとの周波数に対応したアンテナを設置する必要もあるので、アンテナの本数が多くなり費用が掛るとの問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2001−267841号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、使用する周波数が異なるときでも共通して使用することができる非接触通信媒体を提供することである。
【0010】
また、電源部を有することなく小型化を図ることができ、通信距離を伸ばすことのでる非接触通信媒体を提供することである。
【0011】
また、遠隔から機器を操作する場合でも、機器に直接アンテナを接続することなく、しかも複数の機器を一つで操作することが可能な非接触通信媒体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る非接触通信媒体は、

基板に配設された平面アンテナ部材と、前記平面アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、前記平面アンテナ部材は、導体の板状導電板と、前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項2に係る非接触通信媒体は、基板に配設され接続されている複数の平面アンテナ部材と、接続されている前記複数の平面アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、前記複数の平面アンテナ部材は、導体の板状導電板と、前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の請求項3に係る非接触通信媒体は、基板に複数並列に配設されている平面アンテナ部材がICチップを介し接続している非接触通信媒体であって、前記複数の平面アンテナ部材は、導体の板状導電板と、前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備え、前記複数の平面アンテナ部材の内の少なくとも一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実効高さは、他の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実効高さと異なることを特徴とするものである。
【0015】
また、本発明の請求項4に係る非接触通信媒体は、基板に配設された第一の平面アンテナ部材と、前記第一の平面アンテナ部材に接続するICチップと、前記ICチップに接続し前記第一の平面アンテナ部材と交差角度を有して配設される第二の平面アンテナ部材とを備える非接触通信媒体であって、前記第一の平面アンテナ部材及び前記第二の平面アンテナ部材は、導体の板状導電板と、前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とするものである。
【0016】
また、本発明の請求項5に係る非接触通信媒体は、請求項4に記載の非接触通信媒体において、前記交差角度が15度乃至165度の範囲にあることを特徴とするものである。
【0017】
また、本発明の請求項6に係る非接触通信媒体は、請求項4または5に記載の非接触通信媒体において、前記第一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さと、前記第二の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さが同じであることを特徴とするものである。
【0018】
また、本発明の請求項7に係る非接触通信媒体は、請求項4または5に記載の非接触通信媒体において、前記第一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さと、前記第二の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さが異なることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明の請求項8に係る非接触通信媒体は、請求項1乃至7のいずれかに記載の非接触通信媒体において、前記板状ロッドは、前記板状導電板の開口部に配設される基端部と、前記基端部の上部に接続し前記板状導電板より上方に突設する突設部とを有することを特徴とするものである。
【0020】
また、本発明の請求項9に係る非接触通信媒体は、請求項8に記載の非接触通信媒体において、前記板状ロッドは、前記突設部の幅が前記基端部の幅より広いことを特徴とするものである。
【0021】
また、本発明の請求項10に係る非接触通信媒体は、立体アンテナ部材と、前記立体アンテナに接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、前記立体アンテナ部材は、導体の導電板と、基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備えていることを特徴とするものである。
【0022】
また、本発明の請求項11に係る非接触通信媒体は、接続されている複数の立体アンテナ部材と、接続されている前記複数の立体アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、前記複数の立体アンテナ部材は、導体の導電板と、基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備えていることを特徴とするものである。
【0023】
また、本発明の請求項12に係る非接触通信媒体は、複数の立体アンテナ部材がICチップを介して接続している非接触通信媒体であって、前記複数の立体アンテナ部材は、導体の導電板と、基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備え、前記複数の立体アンテナ部材の内の少なくとも一の立体アンテナ部材の立体アンテナ素子の実効高さは、他の立体アンテナ部材の立体アンテナ素子の実効高さと異なることを特徴とするものである。
【0024】
また、本発明の請求項13に係る非接触通信媒体は、請求項10乃至12のいずれかに記載の非接触通信媒体において、前記ロッドは、前記突設部の径が前記基端部の径より大きいことを特徴とするものである。
【0025】
また、本発明の請求項14に係る非接触通信媒体は、請求項1乃至13のいずれかに記載の非接触通信媒体において、前記アンテナ部材及び/またはICチップは、電源部に接続されていることを特徴とするものである。
【0026】
また、本発明の請求項15に係る非接触通信媒体は、請求項3,4,5,6,7,8,9,12,13,14のいずれかに記載の非接触通信媒体において、前記ICチップは、受信強度に応じて前記複数のアンテナ部材の内の一のアンテナ部材選択する機能を有するICチップであることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0027】
本発明は、以下の効果を奏する。
【0028】
すなわち、上記構成を備えた非接触通信媒体おいて、非接触通信媒体が備えるアンテナ部材(平面アンテナ部材及び立体アンテナ部材の両方を含む。以下同じ。)は、アンテナ素子が接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有するので、アンテナ部材が著しく広い周波数帯域の電波を受発信することができ、従って、異なる周波数を使用する複数の読取装置と通信しても非接触通信媒体が備えるICチップに対し情報の読み書き等を行うことができる。
【0029】
更に、アンテナ部材のロッドが導電板の開口部に配設される基端部と導電板より上方に突設している突設部とを有し、アンテナ素子と導電板との間に所定の距離を確保し、しかも突設部の幅を基端部の幅より広くしている場合には、アンテナ部材が更に広い周波数帯域の電波を受発信することができるので、より一層広い周波数帯の範囲で異なる周波数を使用する複数の読取装置と通信し、非接触通信媒体が備えるICチップに対し情報の読み書き等を行うことができる。
【0030】
また、アンテナ部材は、水平面指向性がないので、周囲360度の範囲の地上波を受発信することができ、地上のあらゆる方向の読取装置との通信が可能であり、読取装置と非接触通信媒体との位置関係に拘わらず良好な高感度の通信を行い、非接触通信媒体が備えるICチップに対し情報の読み書き等を行うことができる。
【0031】
更に、アンテナ素子の大きさが同じアンテナ部材を複数備えている場合には、複数のアンテナで受信するので、微弱な電波であっても受信でき、また、送信時には各アンテナの電波を合成し送信電力を増加することができるので、読取装置と非接触通信媒体との通信距離を伸ばすことができる。
【0032】
また、アンテナ素子の大きさが異なるアンテナ部材を複数備えている場合には、アンテナ素子の大きさが異なると異なる周波数帯の電波を送受信するので、アンテナ部材が1個の場合より更に広い周波数帯域で通信しても非接触通信媒体が備えるICチップに対し情報の読み書き等を行うことができる。
【0033】
更に、2個の平面アンテナ部材を交差角度を有して配設した場合には、電波の方向に影響されることがなく、従って、地上波と衛星波の両方の電波と受発信を行うことができるので、衛星波を使用した異なる周波数の複数の読取装置と、地上波を使用した異なる周波数の複数の読取装置との両方と通信することができ、非接触通信媒体が備えるICチップに対し情報の読み書き等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1実施形態の非接触通信媒体を示す説明図である。
【図2】本発明に係る非接触通信媒体が備える平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の他の形状を説明するための説明図である。
【図3】本発明に係る非接触通信媒体が備える平面アンテナ部材の板状ロッドの他の形状を説明するための説明図である。
【図4】本発明に係る非接触通信媒体が備えるアンテナ部材の放射特性を示すグラフである。
【図5】本発明に係る非接触通信媒体が備えるアンテナ部材において、板状アンテナ素子の実効高さと、定在波比との関係を示すグラフである。
【図6】本発明に係る非接触通信媒体が備えるアンテナ部材の水平面指向性を示すグラフである。
【図7】本発明に係る第2実施形態の非接触通信媒体を示す説明図である。
【図8】本発明に係る第3実施形態の非接触通信媒体を示す説明図である。
【図9】本発明に係る第4実施形態の非接触通信媒体を示す説明図である。
【図10】本発明に係る非接触通信媒体が備えるアンテナ部材の垂直面指向性を示すグラフである。
【図11】本発明に係る第5実施形態の非接触通信媒体を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る第5実施形態の非接触通信媒体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
第1実施形態:
以下に図面を参照して、この発明の実施の形態を例示して説明する。
第1実施形態は、非接触式通信媒体の中の代表的な例である非接触ICタグである。
【0036】
図1は、第1実施形態の非接触ICタグを示した説明図であり、図2は、それを構成する平面アンテナ部材が備える板状アンテナ素子の他の形状を説明するための説明図、図3は、同じく平面アンテナ部材が備える板状ロッドの他の形状を説明するための説明図である。
【0037】
第1実施形態の非接触ICタグ1は、矩形板状の基板40と、平面アンテナ部材2と、ICチップ50とを備えている。
非接触ICタグ1は、基板40の上に、平面アンテナ部材2が配設され、平面アンテナ部材2に電気的に接続されているICチップ50とで形成される。基板40の材料は、紙・布若しくはエポキシやセラミック等の樹脂等から成形される。
【0038】
平面アンテナ部材2は、板状アンテナ素子10、板状ロッド20、板状導電板30を備えている。この平面アンテナ部材2は、10GHz以上に亘る広帯域の周波数の電波を確実に受信することが可能なアンテナである。
【0039】
板状アンテナ素子10は、板状の導体であって、銅、真鍮等の金属により形成されていて、後述する板状導電板30とは電気的に絶縁されている。内部11も金属等の導体で形成されているが、図2(1)に示すように、内部11は中空で、周辺部12が太い枠体13で形成されている場合であっても良い。
【0040】
板状アンテナ素子10の形状は、下部14の外側輪郭15が後述する板状ロッド20の上端21と接続している接続部22より上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状となっていて、本実施形態では円形となっている。この外側輪郭15が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状としては、図2(2)に示すように、外側輪郭15が上方に向かうに従い外側方向に曲線的に漸次拡大していく形状であっても良く、また図2(3)に示すように、外側輪郭15が上方に向かうに従い外側方向に直線的に漸次拡大していく形状であっても良い。尚、板状アンテナ素子10の形状は、下部14の外側輪郭15が接続部22より上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状であることが重要であって、上部16の外側輪郭15は、図2(4)乃至(6)に示すように、平坦な形状、楕円形状、三角形状等の如何なる形状であっても良い。
【0041】
即ち、板状アンテナ素子10は、下部14の外側輪郭15が接続部22より上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状となっていることで、板状アンテナ素子10の下方に位置する給電部より電波が上方に向かって徐々に拡大するようになっていて、平面アンテナ部材10が広い周波数帯を確保することができるようになっている。
【0042】
板状ロッド20は、板状の導体であって、銅、真鍮等の金属により形成されていて、板状導電板30より上方に突設している突設部23と、板状導電板30の開口部31に配設されている基端部24とを有し、突設部23の幅w1が、基端部24の幅w2より広くなり、境界部25には、段付26が形成されている。尚、本実施形態では、突設部23が形成されている場合について説明したが、図3(1)に示すように突設部が形成されていないで、基端部24のみの場合であっても良い。また図3(2)に示すように突設部23が形成されているが、突設部23の幅w1が基端部24の幅w2と同じであっても良い。更に、本実施形態では、突設部23の幅w1が基端部24の幅w2より広く、境界部25に段付26が形成されている場合について説明したが、図3(3)に示すように突設部23の幅w1が徐々に狭くなり基端部24との境界部25に段付が形成されていない場合であっても良い。突設部23を形成し、しかも突設部23の幅w1を基端部24の幅w2より大きくすることで、平面アンテナ部材10が広い周波数帯を確保することができるようになっている。尚、w1/w2の比を最適化することで、更に広い周波数帯域を確保することが可能となる。
【0043】
板状ロッド20は、板状導電板30とは電気的に絶縁されているが、突設部23の上端21で板状アンテナ素子10と電気的に接続され、基端部24の下端27で後述するICチップ50に接続され、給電部となっている。突設部23と基端部24との境界部25が給電点となるが、突設部23は給電部としてもアンテナとしても機能している。
【0044】
板状導電板30は、板状の導体であって、銅、真鍮等の金属により形成されていて、中央には、板状ロッド20の基端部24を配設できるように開口部31が形成されている。板状導電板30はグランド板となる。板状導電板30は、板状アンテナ素子10及び板状ロッド20とは間隙を有して配設されているので、電気的に絶縁された状態となっている。
【0045】
図4に、以下の条件で平面アンテナ部材2の性能をシュミレーションモデルにより確認した周波数とリターンロスとの関係を示す。
図4に示す通り、反射によるリターンロスが−10dB以下の帯域は、上限周波数の領域で、周波数が高くなってもリターンロスの上昇が緩やかなため周波数の帯域幅が広くなっていて、平面アンテナ部材2が広帯域であることが分かる。
板状アンテナ素子10の実効高さh : 10mm
ロッド20の突設部23の長さL : 1mm
ロッド20の突設部23の幅w1 : 3.0mm
ロッド20の基端部24の幅w2 : 2.5mm
【0046】
また、図5には、以下の条件で板状アンテナ素子10の実効高さhを変化させた場合のシュミレーションモデルにより確認した周波数と定在波比との関係を示す。
(a)板状アンテナ素子10の実効高さhが120mmの場合
板状アンテナ素子10の実効高さh : 120mm
ロッド20の突設部23の長さL : 12mm
ロッド20の突設部23の幅w1 : 36mm
ロッド20の基端部24の幅w2 : 30mm
(b)板状アンテナ素子の実効高さhが60mmの場合
板状アンテナ素子10の実効高さh : 60mm
ロッド20の突設部23の長さL : 6mm
ロッド20の突設部23の幅w1 : 18mm
ロッド20の基端部24の幅w2 : 15mm
【0047】
図5は、板状アンテナ素子10の実効高さhが120mm(a)の場合と、板状アンテナ素子10の実効高さhが60mm(b)の場合の定在波比を示している。図5において、定在波比1.8以下の帯域は、板状アンテナ素子10の実効高さhが小さい(b)場合の方が、板状アンテナ素子10の実効高さhが大きい(a)場合より帯域幅が広がり、且つ高周波数帯域に移行していることが分かる。
【0048】
従って、使用する周波数帯に適応させて板状アンテナ素子10の実効高さhを変化させることで、使用する周波数帯に好適な非接触ICタグ1とすることが可能となる。
【0049】
ICチップ50は、広帯域の電波を確実に受信する平面アンテナ部材10に対応した広帯域の周波数に対応できるのが良い。例えば、株式会社エフ・イー・シーが設計・開発し、トッパン・フォームズ株式会社が販売する「マルチバンド対応の非接触式ICチップ」を用いることができる。
【0050】
以上の通り、第1実施形態の非接触ICタグ1は、広帯域の周波数に対応する平面アンテナ部材2を備えているので、異なる周波数を使用する複数の読取装置と通信し、非接触ICタグ1が備えるICチップ50に対し情報の読み書き等をすることが可能となり、例えば物流で使用する非接触ICタグ1として使用した場合に、日本と欧州と米国では読取装置の使用する周波数が異なっているが、同一の非接触ICタグ1に対して、情報の読み書きを行うことが可能となり、国ごとに装着する非接触ICタグ1を交換する必要がなくなる。
【0051】
更に、平面アンテナ部材2は、図6の水平面指向性のグラフのデータに示す通り、360度の範囲で水平面指向性を有するので、全ての範囲の地上波を受発信することができ、地上のあらゆる方向の読取装置との通信が可能であり、読取装置と非接触通信媒体1との位置関係に拘わらず良好な高感度の通信を行い、ICチップ50に対し情報の読み書き等を行うことができる。
【0052】
第2実施形態:
図7は、第2実施形態の非接触ICタグ1を示した説明図である。以下、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。尚、以下の説明および図面において、同一符号は、同一の機能を有する同一の構成である。また、番号の後に付く英文字が異なる場合は、機能・構成は同一で大きさのみが異なることを示し、番号の後に付く英文字が同じでその後の番号が異なる場合は、同一のものが複数あることを示している(以下の実施形態の説明についても同じ)。
【0053】
第2実施形態の非接触ICタグ1は、基板40と、第1実施形態と同じ構成である板状アンテナ素子10の実行高さhが同一の平面アンテナ部材(2A1,2A2)が2個と、ICチップ50を1個備えている。
非接触ICタグ1は、基板40の上に、2個の同一の平面アンテナ部材(2A1,2A2)が電気的に接続された状態で並行して配設され、その接続された平面アンテナ部材(2A1,2A2)に電気的に接続しているICチップ50とで形成される。
【0054】
以上の構成による第2実施形態の非接触ICタグ1は、第1実施形態の作用効果を奏する他に、同一の平面アンテナ部材2が2個(2A1,2A2)電気的に接続されているので、其々の平面アンテナ部材(2A1,2A2)の電波が集められ利得を上げることができるので、電源部に接続しないでも読取装置との通信距離を伸ばすことが可能となる。
【0055】
尚、第2実施形態では同一の平面アンテナ部材2を2個接続した場合について説明したが、同一の平面アンテナ部材2を3個以上接続することで、通信距離を更に伸ばすことが可能となる。
【0056】
第3実施形態:
図8は、第3実施形態の非接触ICタグ1を示した図である。以下、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0057】
第3実施形態の非接触ICタグ1は、基板40と、板状アンテナ素子10Aの実効高さh1が大きい第一の平面アンテナ部材2Aと、板状アンテナ素子10Bの実効高さh2が小さい第二の平面アンテナ部材2Bと、1個のICチップ50とを備えている。
非接触ICタグ1は、基板40の上に、第一の平面アンテナ部材2Aを配設し、第一の平面アンテナ部材2Aと電気的に接続したICチップ50と、ICチップ50と電気的に接続し、第一の平面アンテナ部材2Aと並行に配設された第二の平面アンテナ部材2Bとで形成される。
ICチップ50は、第一の平面アンテナ部材2Aと第二の平面アンテナ部材2Bの受信波を増幅してその強弱を判定し、スイッチ機構により何れか強い方の電波を自動的に選択するようになっている。
【0058】
以上の構成による第3実施形態の非接触ICタグ1は、第1実施形態の作用効果を奏する他に、第一の平面アンテナ部材2Aと第二の平面アンテナ部材2Bでは、板状アンテナ素子10の実行高さhが異なるので、図5に示す通り、第一の平面アンテナ部材2Aと第二の平面アンテナ部材2Bとは、受発信する電波の周波数帯域がずれるので、第1実施形態より更に広い周波数帯で使用する複数の読取装置と通信でき、ICチップ50に対し情報の読み書き等をすることが可能となる。
【0059】
尚、第3実施形態では、板状アンテナ素子10の実行高さhが異なる平面アンテナ部材2をICチップ50を介して2個接続した場合について説明したが、更に板状アンテナ素子10の実行高さhが異なる平面アンテナ部材2をICチップ50を介して接続させることで、より一層広い周波数帯の範囲で異なる周波数を使用する複数の読取装置と通信し、ICチップ50に対し情報の読み書き等を行うことが可能となる。
【0060】
第4実施形態:
図9は、第4実施形態の非接触ICタグを示した図である。以下、第1実施形態と異なる構成について主に説明する。
【0061】
第4実施形態の非接触ICタグ1は、基板40と、第1実施形態と同じ構成の2個の板状アンテナ素子10の実行高さhが同一の平面アンテナ部材(2A1,2A2)と、ICチップ50とを備えている。
非接触ICタグ1は、基板40の上に、第一の平面アンテナ部材2A1を配設し、第一の平面アンテナ部材2A1と電気的に接続したICチップ50と、ICチップ50と電気的に接続し、第一の平面アンテナ部材2A1と交差角度αを有して配設された第二の平面アンテナ部材2A2とで形成される。
交差角度αは、第一の平面アンテナ部材2A1の板状ロッド20A1の中心線C1と、第二の平面アンテナ部材2A2の板状ロッド20A2の中心線C2とで成す角度で、図10に示す本発明に用いるアンテナ部材の垂直面指向性を示すグラフの通り、天頂部より左右約15度の範囲の受信感度が著しく悪いため、交差角度αは、15度乃至165度の範囲が好適であり、更には30度乃至150度がより好適である。
ICチップ50は、第3実施形態と同じで、第一の平面アンテナ部材2A1と第二の平面アンテナ部材2A2の受信波を増幅してその強弱を判定し、スイッチ機構により何れか強い方の電波を自動的に選択できるのが良い。
【0062】
以上の構成による第4実施形態の非接触ICタグ1は、第1実施形態の作用効果を奏する他に、第一の平面アンテナ部材2A1と第二の平面アンテナ部材2A2とがICチップ50を介して電気的に接続され、しかも所定の交差角度αを有して配設されているので、電波の方向に影響されることがなく、従って、地上波と衛星波の両方の受信が可能となり、衛星波を使用する読取装置を含む複数の読取装置と通信し、ICチップ50に対し情報の読み書き等をすることが可能となる。
【0063】
尚、第4実施形態では、第一の平面アンテナ部材2A1の板状アンテナ素子10A1の実行高さh1と、第二の平面アンテナ部材2A2の板状アンテナ素子10A2の実行高さh2が同じ場合で説明したが、異なった場合であっても良いことは言うまでもない。
【0064】
第5実施形態
図11は、第5実施形態の立体形状の非接触通信媒体の斜視図であり、図12は、その断面図である。
第5実施形態の立体形状の非接触通信媒体101は、上述の第1乃至第4実施形態の非接触通信媒体1と異なり、立体アンテナ部材102を備えた非接触通信媒体101である。
【0065】
第5実施形態の非接触通信媒体101は、立体アンテナ部材102と、ICチップ50と、電源部としての電池60を備えている。
非接触通信媒体101は、立体アンテナ部材102に電気的に接続されているICチップ50と、ICチップが電気的に接続されている電池60とで形成される。
【0066】
立体アンテナ部材102は、立体アンテナ素子110、ロッド120、導電板130を備えている。この立体アンテナ部材102は平面アンテナ部材2と同じく10GHz以上に亘る広帯域の電波を確実に受信することが可能なアンテナである。
【0067】
立体アンテナ素子110は、導体であって、銅、真鍮等の金属により形成されていて、後述する導電板130とは電気的に絶縁されている。立体アンテナ素子110は、形状が後述するロッド120の上端121と接続している接続部122より下部114の外側輪郭115が上方に向かうに従い四方の外側方向に漸次拡大していく立体形状であり、本実施形態では球体としている。立体アンテナ素子110の内部111は中空とすることができ、周辺部112を金属等の導体で成形しても良い。更に、内部111を絶縁体で成形し、周面に金属薄膜メッキを施しても良い。アンテナ素子110の形状が、接続部122より下部114の外側輪郭115が上方に向かうに従い四方の外側方向に漸次拡大していく立体形状であるので、広い周波数帯域を確保することができるようになっている。
【0068】
ロッド120は、金属(例えば銅、真鍮)の導体で成形され、突設部123と基端部124とを有している。突設部123の径r1は基端部124の径r2より大きくなっていて、境界部125に段付126が形成されている。尚、突設部123の径r1が徐々に細くなり基端部124との境界部125に段付が形成されていない場合であっても良い。突設部123を形成し、しかも突設部123の径r1を基端部124の径r2より大きくすることで、立体アンテナ部材102が更に広い周波数帯を確保することができるようになっている。尚、r1/r2の比を最適化することで、更に広い周波数帯域を確保することが可能となる。
【0069】
ロッド120は、導電板130とは電気的に絶縁されているが、突設部123の上端121で立体アンテナ素子110と電気的に接続され、基端部124の下端127で後述するICチップ50に接続され、給電部となっている。突設部123と基端部124との境界部125が給電点となるが、突設部123は給電部としてもアンテナとしても機能している。
【0070】
導電板130は、導体から形成され、ロッド120を立設するための開口部131が開設されている。導電板130は、金属(例えば銅、真鍮)から成形されている。
【0071】
導電板130の開口部131にテフロン(登録商標)等の絶縁体140を介して、ロッド120の基端部124が立設されている。導電板130はグランド板となっている。
【0072】
ICチップ50は、広帯域の電波を確実に受信する立体アンテナ部材102に対応した広帯域の周波数に対応できるICチップが用いられている。さらに、ICチップ50は、電源部としての電池60に接続されている。
【0073】
立体アンテナ部材102も板状アンテナ部材2と同じく、使用する周波数帯に適応させて立体アンテナ素子110の実効高さhを変化させることで、使用する周波数帯に好適な非接触通信媒体101とすることが可能となる。
【0074】
以上の構成による第5実施形態に係る非接触通信媒体101は、第1実施形態と同様の作用効果を奏する。即ち、広帯域の周波数に対応する立体アンテナ部材102を備えているので、異なる周波数を使用する複数の読取装置と通信し、非接触通信媒体101が備えるICチップ50に対し情報の読み書き等をすることが可能となり、例えば室内に設置した場合、テレビ用のアンテナとして使用できると共に、室内に設置されている複数の機器を操作するリモコンとして作用させることができ、読取装置からの遠隔操作で、機器を操作するために設定されている周波数が其々異なる複数の機器を操作することが可能となる。
【0075】
更に、立体アンテナ部材102は、平面アンテナ部材と同様に、周囲360度の範囲の地上波を受発信することができるので、地上のあらゆる方向との通信が可能であり、読取装置がどこにあった場合でも操作することが可能となり、しかも電源部としての電池60に接続すると、電波が強力になるので、読取装置がはるか遠方であっても通信が可能となると共に、離れた距離にある機器を操作することが可能となる。
【符号の説明】
【0076】
1,101 非接触通信媒体(非接触ICタグ)
2(2A,2B含む。以下同じ) 平面アンテナ部材
10 板状アンテナ素子
11,111 内部
12,112 周辺部
13 枠体
14,114 下部
15,115 外側輪郭
16 上部
20 板状ロッド
21,121 上端
22,122 接続部
23,123 突設部
24,124 基端部
25,125 境界部
26,126 段付
27,127 下端
30 板状導電板
31,131 開口部
40 基板
50 ICチップ
60 電池(電源部)
102 立体アンテナ部材
110 立体アンテナ素子
120 ロッド
130 導電板
140 絶縁体
h(h1,h2を含む) アンテナ素子の実効高さ
w1(w11,w12を含む) 平面アンテナ部材の突設部の幅
w2(w21,w22を含む) 平面アンテナ部材の基端部の幅
r1 立体アンテナ部材の突設部の径
r2 立体アンテナ部材の基端部の径


【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に配設された平面アンテナ部材と、前記平面アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、
前記平面アンテナ部材は、
導体の板状導電板と、
前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、
前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項2】
基板に配設され接続されている複数の平面アンテナ部材と、接続されている前記複数の平面アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、
前記複数の平面アンテナ部材は、
導体の板状導電板と、
前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、
前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項3】
基板に複数並列に配設されている平面アンテナ部材がICチップを介し接続している非接触通信媒体であって、
前記複数の平面アンテナ部材は、
導体の板状導電板と、
前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、
前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備え、
前記複数の平面アンテナ部材の内の少なくとも一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実効高さは、他の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実効高さと異なることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項4】
基板に配設された第一の平面アンテナ部材と、前記第一の平面アンテナ部材に接続するICチップと、前記ICチップに接続し前記第一の平面アンテナ部材と交差角度を有して配設される第二の平面アンテナ部材とを備える非接触通信媒体であって、
前記第一の平面アンテナ部材及び前記第二の平面アンテナ部材は、
導体の板状導電板と、
前記板状導電板の開口部に離間して配設される導体の板状ロッドと、
前記板状導電板と離間して配設され、前記板状ロッドの上端に接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の板状アンテナ素子と、を備えていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項5】
請求項4に記載の非接触通信媒体において、
前記交差角度が15度乃至165度の範囲にあることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項6】
請求項4または5に記載の非接触通信媒体において、
前記第一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さと、前記第二の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さが同じであることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項7】
請求項4または5に記載の非接触通信媒体において、
前記第一の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さと、前記第二の平面アンテナ部材の板状アンテナ素子の実行高さが異なることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれかに記載の非接触通信媒体において、
前記板状ロッドは、前記板状導電板の開口部に配設される基端部と、前記基端部の上部に接続し前記板状導電板より上方に突設する突設部とを有することを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項9】
請求項8に記載の非接触通信媒体において、
前記板状ロッドは、前記突設部の幅が前記基端部の幅より広いことを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項10】
立体アンテナ部材と、前記立体アンテナに接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、
前記立体アンテナ部材は、
導体の導電板と、
基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、
前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備えていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項11】
接続されている複数の立体アンテナ部材と、接続されている前記複数の立体アンテナ部材に接続するICチップとを備える非接触通信媒体であって、
前記複数の立体アンテナ部材は、
導体の導電板と、
基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、
前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備えていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項12】
複数の立体アンテナ部材がICチップを介して接続している非接触通信媒体であって、
前記複数の立体アンテナ部材は、
導体の導電板と、
基端部と、前記基端部の上部に接続し前記導電板より上方に突設する突設部とを有し、前記導電板の開口部に絶縁体を介して前記基端部が立設される導体のロッドと、
前記突設部の上端と接続している接続部より下部の外側輪郭が上方に向かうに従い外側方向に漸次拡大していく形状を有する導体の立体アンテナ素子と、を備え、
前記複数の立体アンテナ部材の内の少なくとも一の立体アンテナ部材の立体アンテナ素子の実効高さは、他の立体アンテナ部材の立体アンテナ素子の実効高さと異なることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項13】
請求項10乃至12のいずれかに記載の非接触通信媒体において、
前記ロッドは、前記突設部の径が前記基端部の径より大きいことを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項14】
請求項1乃至13のいずれかに記載の非接触通信媒体において、
前記アンテナ部材及び/またはICチップは、電源部に接続されていることを特徴とする非接触通信媒体。
【請求項15】
請求項3,4,5,6,7,8,9,12,13,14のいずれかに記載の非接触通信媒体において、
前記ICチップは、受信強度に応じて前記複数のアンテナ部材の内の一のアンテナ部材を選択する機能を有するICチップであることを特徴とする非接触通信媒体。








【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−114753(P2011−114753A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271140(P2009−271140)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(596094500)新興産業株式會社 (7)
【Fターム(参考)】