説明

領域データ編集装置、領域データ編集方法、プログラム、及び、記録媒体

【課題】3次元画像から抽出した領域を表す領域データの編集を、再現性を低下させることなく、かつ、効率良く行なうことができる方法および装置を実現する。
【解決手段】
本発明の領域データ編集装置1は、領域Dの輪郭線Cを変形する輪郭線変形操作を受け付ける輪郭線変形部12と、輪郭線変形部12が変形した輪郭線に追随するように境界面∂Dを変形する境界面変形部13と、境界面変形部13が変形した境界面の内部を表すように領域データ22を更新する領域データ更新部14を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3次元画像から抽出された領域を表す領域データを編集する領域データ編集装置および領域データ編集方法に関する。また、コンピュータをそのような領域データ編集装置として動作させるためのプログラム、そのようなプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、共焦点レーザ顕微鏡などで撮影された3次元画像から様々な情報(形状、体積、トポロジー等)を取り出すためには、臓器や骨格などのまとまった領域、すなわち、観察対象物に対応する領域を画像から抽出する必要がある。このため、これらの領域を画像から自動的に抽出する様々な抽出方法が開発されている。しかしながら、画像から自動的に抽出された領域は、必ずしも観察対象物の形状を正確に表現するものではない。このため、画像から自動的に抽出された領域を、その画像を目視しながら、観察対象物の形状をより精度良く近似するように修正するといった作業が必要になる。
【0003】
このような作業を支援するための方法としては、例えば、特許文献1に記載の輪郭線修正方法や特許文献2に記載の領域修正方法などが挙げられる。特許文献1に記載の輪郭線修正方法は、2次元画像からオートトレースにより生成した輪郭線を、簡単な操作で編集するためのものである。また、特許文献2に記載の領域修正方法は、3次元画像から抽出した領域における欠け等を、ガイド領域を用いて簡便に修正するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平7−37107号公報(1995年2月7日公開)
【特許文献2】特開2008−173167号公報(2008年7月31日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
3次元画像から抽出した領域の編集を、抽出精度(抽出された領域が観察対象物の形状を近似する精度)を低下させることなく、かつ、効率良く行なうことは極めて困難であった。
【0006】
例えば、特許文献1に記載の方法を3次元領域の修正に適用する場合、3次元画像を構成する各2次元断層に対して当該方法を適用することになる。このため、各2次元断層における輪郭線の修正が簡単なものになっても、2次元断層の枚数に比例した作業量の増加は免れない。また、作業量を削減するために修正対象とする2次元断層の枚数を減らせば抽出精度の悪化を招くことになる。また、特許文献2に記載の方法は、適当なガイド領域が存在する場合に限って有効な技術であり、その適用範囲が極めて狭い。
【0007】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、3次元画像から抽出した領域を表す領域データの編集を、抽出精度を低下させることなく、かつ、効率良く行なうことができる方法および装置を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る領域データ編集装置は、3次元画像から抽出された仮想3次元空間内の領域を表す領域データを編集する領域データ編集装置において、上記3次元画像の断面を指定する断面指定操作を受け付ける操作受付部と、上記断面指定操作により指定された断面における上記領域の輪郭線を変形する輪郭線変形操作を受け付ける輪郭線変形部と、上記輪郭線変形部によって変形された上記輪郭線に追随するように上記領域の内外を隔てる境界面を変形する境界面変形部と、上記境界面変形部によって変形された境界面の内部を表すように上記領域データを更新する領域データ更新部と、を備えている、ことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、ユーザが、指定した断面における輪郭線の変形操作を行なうと、上記領域データ編集装置が、その輪郭線の変形に追随するように領域の境界を変形させる。すなわち、ユーザが、指定した断面における輪郭線の変形操作を行なうと、上記領域データ編集装置が、他の断面における輪郭線の変形操作を行なう。このため、所望の抽出精度を得るために、ユーザが自分で変形を行なわなくてはならない輪郭線の本数が少なくなる。すなわち、領域データの編集を、抽出精度を低下させることなく、かつ、効率良く行なうことが可能になる。
【0010】
ここで、上記領域の内外を隔てる境界面をポリゴンメッシュにより近似的に表現する場合、上記輪郭線は、ユーザが指定した上記断面とポリゴンメッシュの稜線との交点を頂点とするポリラインとして近似的に表現できる。なお、本明細書では、このようにポリラインによって近似される輪郭線を「曲線」と表現することがある。
【0011】
本発明の領域データ編集装置において、上記断面は、曲面である、ことが望ましい。
【0012】
上記の構成によれば、複雑な形状を有する領域を対象とする場合であっても、より効率的な修正が行なえるように、輪郭線の変形を行なう断面を設定することが可能になる。
【0013】
本発明の領域データ編集装置において、上記断面は、スクリーン上への投影が曲線になる曲面である、ことが望ましい。
【0014】
上記の構成によれば、スクリーン上の曲線を指定するだけの簡単な動作で、様々な形の断面を指定することができる。
【0015】
本発明の領域データ編集装置では、上記輪郭線変形部は、上記3次元画像の断面画像であって、上記断面指定操作により指定された断面における断面画像を、上記輪郭線と併せてディスプレイに表示することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、ディスプレイに表示された断面画像を目視しながら、その断面における輪郭線の修正を行なうことができる。これにより、より正確に、かつ、より容易に輪郭線の修正を行なうことが可能になる。
【0017】
本発明の領域データ編集装置では、上記輪郭線変形部は、上記輪郭線上の点を移動する第1の輪郭線変形操作と、上記輪郭線を平滑化する第2の輪郭線変形操作とを受け付ける、ことが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、輪郭線を簡便に所望の形状に変形することが可能である。
【0019】
本発明の領域データ編集装置において、上記境界面変形部による上記境界面の変形は、上記輪郭線を含む部分に対する局所的な変形である、ことが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、変形された輪郭線から離れたところでユーザの意図しない境界の変形が生じることを回避することができる。
【0021】
本発明の領域データ編集装置において、上記3次元画像は、生体を撮像することにより得られた3次元画像であり、上記領域は、上記3次元画像において塊状組織に対応する領域である、ことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、塊状組織である臓器や骨格などの形状を精度良く近似することが可能となる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の領域データ編集方法は、3次元画像から抽出された仮想3次元空間内の領域を表す領域データを、領域データ編集装置を用いて編集する領域データ編集方法において、上記3次元画像の断面を指定する断面指定操作を受け付ける操作受付ステップと、上記断面指定操作により指定される断面における上記領域の輪郭線を変形する輪郭線変形操作を受け付ける輪郭線変形ステップと、上記輪郭線変形ステップにて変形された上記輪郭線に追随するように上記領域の内外を隔てる境界面を変形する境界面変形ステップと、上記境界面変形ステップにて変形された境界面の内部を表すように上記領域データを更新する領域データ更新ステップと、を含んでいる、ことを特徴とする。
【0024】
上記の構成によれば、上記の領域データ編集装置の奏する効果と同様の効果を奏する。
【0025】
本発明の領域データ編集方法は、上記各ステップを含むサイクルを繰り返し実行するものであり、上記境界面変形ステップにおいて、現サイクルにて生成された輪郭線に追随するように上記境界面を変形する際に、前サイクルまでに生成された輪郭線を拘束条件として使用する、ことが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、上記サイクルを繰り返すことにより、領域データが表す領域Dの形状を所望の形状に収束させることができる。
【0027】
コンピュータを上記領域データ編集装置として動作させるためのプログラム、及び、そのプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に含まれる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、3次元画像から抽出された仮想3次元空間内の領域を表す領域データの編集を、抽出精度を低下させることなく、かつ、効率良く行なうことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態を示すものであり、領域データ編集装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態を示すものであり、(a)は、スクリーン上に投影された、境界面∂Dを表現するポリゴンメッシュM示す図であり、(b)は、スクリーン上に投影された、境界面∂Dを表現するポリゴンメッシュMと、カーソルの軌跡を表現する曲線γとの交点W0’,W1’,W2’を示す図であり、(c)は、交点W0’,W1’,W2’の逆像を示す図である。
【図3】本発明の実施形態を示すものであり、図1に示す領域データ編集装置として機能するコンピュータのブロック図である。
【図4】本発明の実施形態を示すものであり、図1に示す領域データ編集装置の領域表示部によってディスプレイに表示される画面の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態を示すものであり、図1に示す領域データ編集装置の断面画像表示部によってディスプレイに表示される画面の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態を示すものであり、図1に示す領域データ編集装置の断面画像表示部によってディスプレイに表示される画面の例を示す図である。(a)は、ドラッグ操作前の画面であり、(b)は、ドラッグ操作後の画面である。また、(c)は、スクラブジェスチャ前の画面であり、(d)は、スクラブジェスチャ後の画面である。
【図7】本発明の実施形態を示すものであり、(a)および(b)は、それぞれ、変形対象メッシュを示す図である。
【図8】本発明の実施形態を示すものであり、図1に示す領域データ編集装置における領域データ編集処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態を示すものであり、(a)は、CT画像から自動抽出された編集前の大腿骨骨頭領域を示す図であり、(b)は、図1に示す領域データ編集装置を用いて編集した編集後の大腿骨骨頭領域である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の一実施形態について、図面を用いて説明すれば以下のとおりである。
【0031】
〔領域データ編集装置〕
本実施形態に係る領域データ編集装置1の構成について、図1および図4〜6を参照して説明する。
【0032】
図1は、領域データ編集装置1の要部構成を示すブロック図である。領域データ編集装置1は、図1に示すように、輪郭線生成部11、輪郭線変形部12、境界面変形部13、領域データ更新部14、境界面生成部15、データ入出力部16、領域表示部17、断面画像表示部18、および、記憶部20を備えている。
【0033】
記憶部20には、3次元画像21、領域データ22、境界面データ23、および、輪郭線データ24が格納されている。領域データ編集装置1は、領域データ22を編集するための装置であり、3次元画像21、境界面データ23、および、輪郭線データ24を参照しながら動作する。これらのデータのうち、3次元画像21、および、領域データ22は、データ入出力部16が外部から取得した、領域データ編集装置1にとっての入力データである。
【0034】
(各種データについて)
3次元画像21は、仮想3次元空間を構成する各ボクセルに割り当てられた画素値の集合である。仮想3次元空間がI×J×K個のボクセルにより構成されている場合、すなわち、3次元画像21の解像度がI×J×Kボクセルである場合、3次元画像21は、3次元配列{v(i,j,k)|0≦i<I,0≦j<J,0≦k<K}により表すことができる。v(i,j,k)は、ボクセル(i,j,k)に割り当てられた画素値である。本実施形態においては、3次元画像21として、生体(例えば人体)を撮影して得られた3次元画像(例えばCT画像)を想定する。
【0035】
領域データ22は、仮想3次元空間内の領域Dを表すデータである。本実施形態においては、領域Dを、領域Dに属するボクセルからなるボクセル群Bにより表現する。この場合、例えば、仮想3次元空間を構成する各ボクセルが領域Dに属するか否かを示すフラグの集合(3次元配列){f(i,j,k)|0≦i<I,0≦j<J,0≦k<K}を領域データ22として用いることができる。f(i,j,k)は、ボクセル(i,j,k)が領域Dに属していないとき値0、ボクセル(i,j,k)が領域Dに属しているとき値1をとる。なお、領域Dは、各ボクセル(i,j,k)に割り当てられた画素値その他のボリュームデータに基づいて特定された仮想3次元空間内の3次元領域である。本実施形態においては、領域Dとして、3次元画像21において塊状組織(例えば骨格)に対応する領域を想定する。
【0036】
境界面データ23は、領域Dの内外を隔てる境界面∂Dを表すデータである。本実施形態においては、境界面∂Dを、境界面∂Dを近似するポリゴンメッシュMにより表現する。この場合、例えば、ポリゴンメッシュMの各頂点Vnの3次元座標の集合(2次元配列)、および、ポリゴンメッシュMのトポロジーを規定するトポロジー情報を、境界面データ23として用いることができる。トポロジー情報のデータ構造は任意であるが、ここでは公知のウイングドエッジデータ構造を用いる。なお、境界面データ23は、境界面生成部15によって領域データ22から生成される。境界面データ23の生成方法は任意であるが、ここでは公知のMarching Cubes法を用いる。
【0037】
輪郭線データ24は、境界面∂D上の曲線、特に、境界面∂Dと曲面Sとの交線Cを表すデータである。交線Cは、曲面Sにおける領域Dの輪郭に相当するので、以下ではこれを輪郭線Cと呼称する。曲面Sは、仮想3次元空間内にユーザが自由に設定することのできる曲面である。本実施形態においては、輪郭線Cを、ポリゴンメッシュMの稜線(エッジ)と曲面Sとの交点{W0,W1,…,WN}を頂点とするポリラインPにより表現する。この場合、例えば、ポリラインPの各頂点Wnの3次元座標の集合(2次元配列)を、輪郭線データ24として用いることができる。輪郭線データ24は、輪郭線生成部11によって生成され、輪郭線変形部12によって変形される。輪郭線データ24の生成方法および変形方法については後述する。
【0038】
(領域表示部および輪郭線生成部について)
領域表示部17は、領域Dをディスプレイ30に表示するための手段である。本実施形態において、領域Dの表示は、領域データ22を参照して領域Dを表現するボクセル群Bを仮想3次元空間内に配置されたスクリーン上に投影することによって、あるいは、3次元画像21をボリュームレンダリングすることによって実現される。なお、仮想3次元空間におけるスクリーンの配置は、ユーザが自由に設定することができる。
【0039】
輪郭線生成部11は、領域表示部17が領域Dを表示している際に、曲面Sを指定する曲面指定操作(断面指定操作)に応じて、境界面∂Dと曲面Sとの交線である輪郭線Cを表す輪郭線データ24を生成するための手段である。輪郭線生成部11によって生成された輪郭線データ24は、記憶部20に格納される。
【0040】
本実施形態において、輪郭線生成部11が受け付ける曲面指定操作は、マウスやトラックパッドなどのポインティングデバイス40を用いて、スクリーン上に曲線γを描くストローク操作である。輪郭線生成部11は、スクリーン上に曲線γを描くストローク操作を、スクリーン上への投影が曲線γに一致する曲面S=S(γ)を指定する曲面指定操作であると見做す。すなわち、ユーザは、表示対象の断面(曲面S)を求める位置を指定する曲面指定操作を、スクリーン上に曲線γを描くストローク操作によって行う。γが直線であれば、S(γ)は平面になる。この場合、輪郭線生成部11は、輪郭線C=C(γ)を表現するポリラインP=P(γ)を、例えば、以下のSTEP1〜STEP5により導出する。
【0041】
STEP1:ポリゴンメッシュMの各稜線をスクリーン上に投影する(図2(a)参照)。STEP2:カーソルがスクリーン上に描く曲線γを検出する。STEP3:STEP1にて検出した曲線γとSTEP1にて得た各稜線の像との交点{W0',W1',W2',…}を算出する(図2(b)参照)。STEP4:STEP3にて算出した各交点Wn'の逆像Wnを算出する。すなわち、スクリーン上への投影が交点Wn'に一致するポリゴンメッシュMの稜線上の点Wnを算出する(図2(c)参照)。STEP5:STEP4にて算出した逆像{W0,W1,W2,…}間の隣接関係をポリゴンメッシュMのトポロジー情報を参照して定める。これにより、逆像{W0,W1,W2,…}を頂点とするポリラインP(γ)が得られる。なお、トポロジー情報としてウイングドエッジデータ構造を採用しているのは、STEP5において逆像{W0,W1,W2,…}間の隣接関係を定める処理を容易にするためである。
【0042】
なお、上述した領域表示部17は、曲面Sを指定する曲面指定操作がなされると、境界面∂Dと曲面Sとの交線である輪郭線Cを領域Dと共にディスプレイ30上に表示する。本実施形態において、輪郭線Cの表示は、領域Dの表示と同様、輪郭線データ24を参照して輪郭線Cを表現するポリラインPの稜線をスクリーン上に投影することによって実現される。このとき領域表示部17によってディスプレイ30に表示される画面を図4に例示する。図4に示す画面においては、ポリラインPの稜線をヘアラインとしてではなく、ファイバ(一定の半径を有する円柱)として表現することによって、視認性の向上を図っている。
【0043】
なお、本実施形態においては、スクリーン上に曲線γを描くストローク操作によって、スクリーン上への投影が曲線γに一致する曲面S=S(γ)を指定する構成を採用している。したがって、本実施形態において指定可能な曲面Sは、スクリーン上への投影が曲線に一致するという条件を満足する特別な曲面に限られる。ただし、仮想3次元空間におけるスクリーン(および視点)の配置は、ユーザが自由に設定することができる。このため、スクリーン上に曲線を描くという極めてシンプルな操作で、極めてバリエーションに富んだ曲面を指定することが可能になっている。もちろん、指定操作が複雑になることが許容されるのであれば、このような特別な曲面を指定する構成に代えて、自由曲面を指定する構成等を採用してもよい。
【0044】
(断面画像表示部および輪郭線変形部について)
断面画像表示部18は、3次元画像21の断面画像であって、上述した曲面指定操作により指定された曲面Sにおける断面画像I(S)を生成し、生成した断面画像I(S)を輪郭線Cと共にディスプレイ30に表示するための手段である。輪郭線Cは、境界面∂Dと曲面Sとの交線であり、曲面Sにおける領域Dの輪郭に相当する点に留意されたい。断面画像I(S)の生成は、例えば、曲面Sと交わるボクセルに割り当てられた画素値を3次元画像21から抽出することにより実現することができる。このとき断面画像表示部18によってディスプレイ30に表示される画面を図5に例示する。
【0045】
輪郭線変形部12は、断面画像表示部18が断面画像I(S)を表示している際に、輪郭線Cを変形する輪郭線変形操作に応じて、輪郭線Cを表す輪郭線データ24を更新する(輪郭線Cを表現するポリラインPを変形する)ための手段である。輪郭線変形部12によって更新された輪郭線データ24は、更新前の輪郭線データ24と共に記憶部20に格納される。なお、輪郭線変形部12による輪郭線データ24の更新、および、断面画像表示部18により表示される輪郭線Cの更新は、輪郭線変形操作に即応してリアルタイムに実行される。
【0046】
本実施形態において、輪郭線変形部12が受け付ける第1の輪郭線変形操作は、輪郭線Cを表現するポリラインPの頂点Wmを、ポインティングデバイス40を用いて断面画像I(S)上の点P1から断面画像I(S)上の点P2に移動するドラッグ操作である。ここで点P1、点P2はスクリーン上の点である。このドラッグ操作を受け付けると、輪郭線変形部12は、移動された頂点Wmの3次元座標を、点P1に対応する曲面S上の点P1'の3次元座標から点P2に対応する曲面S上の点P2'の3次元座標へと更新する。
【0047】
ドラッグ操作前に断面画像表示部18によってディスプレイ30に表示される画面を図6(a)に例示し、ドラッグ操作後に断面画像表示部18によってディスプレイ30に表示される画面を図6(b)に例示する。図6(a)および図6(b)に示すように、断面画像I(S)が輪郭線Cと共にディスプレイ30に表示されているので、ユーザは、断面画像I(S)を目視しながら輪郭線Cを変形することができる。領域Dの境界に沿うように輪郭線Cを変形することも容易である。
【0048】
本実施形態において、輪郭線変形部12が受け付ける第2の輪郭線変形操作は、輪郭線Cを表現するポリラインPを平滑化するためのスクラブジェスチャである。スクラブジェスチャとは、広く用いられているジェスチャコマンドのひとつであり、ポインティングデバイス40を用いてカーソルをジグザグに(撫でるように)移動させる操作のことを指す。このスクラブジェスチャを受け付けると、輪郭線変形部12は、カーソルの軌跡が横断した各稜線の端点(頂点)の3次元座標を、曲線の曲率が小さくなるように更新する。
【0049】
スクラブジェスチャ前に断面画像表示部18によってディスプレイ30に表示される画面を図6(c)に例示し、スクラブジェスチャ後に断面画像表示部18によってディスプレイ30に表示される画面を図6(d)に例示する。断面画像I(S)が輪郭線Cと共にディスプレイ30に表示されているので、ユーザは、図6(c)に示す画面において、輪郭線Cのどこを平滑化すべきかを容易に特定することができ、また、図6(d)に示す画面において、平滑化された輪郭線Cが領域Dの境界に沿うものとなっているか否かを容易に確認することができる。
【0050】
(境界面変形部および領域データ更新部について)
境界面変形部13は、輪郭線Cを表す輪郭線データ24の更新(輪郭線Cを表示するポリラインPの変形)に応じて、境界面∂Dを表す境界面データ23を更新する(境界面∂Dを表現するポリゴンメッシュMを変形する)ための手段である。境界面変形部13による境界面データ23の更新は、ポリゴンメッシュMの頂点のうち、輪郭線Cの近傍にある頂点の3次元座標を、以下の条件を満たすように更新することによって実現される。
【0051】
条件1:変形前のポリラインPの頂点Wmを含む変形前のポリゴンメッシュMの稜線emについて、稜線emに対応する変形後のポリゴンメッシュM’の稜線em’(稜線emと同じIDを有する稜線)が、頂点Wmに対応する変形後のポリラインP’の頂点Wm’(頂点Wmと同じIDを有する頂点)を含んでいること。すなわち、ポリゴンメッシュMの変形が、ポリラインPの変形に追随すること。
【0052】
条件2:変形前のポリゴンメッシュMと変形後のポリゴンメッシュM’において、各頂点のグラフラプラシアン(曲率近似表現の一種)の変化がなるべく小さくなること。望ましくは、変形後のポリゴンメッシュM’が、条件1を満たすポリゴンメッシュのうちで、グラフラプラシアンのバラツキが最小となるポリゴンメッシュであること。
【0053】
境界面変形部13は、境界面∂Dを表現するポリゴンメッシュMを、例えば、以下のSTEP1〜STEP5により変形する。STEP1:変形前の輪郭線Cを表す更新前の輪郭線データ24を記憶部20から読み出す。STEP2:ポリゴンメッシュMを表す境界面データ23を記憶部20から読み出す。STEP3:STEP1にて読み出した輪郭線データ24およびSTEP2にて読み出した境界面データ23を参照し、ポリラインPの頂点Wmを含むポリゴンメッシュMの稜線emを特定する。STEP4:変形後の輪郭線C’を表す更新後の輪郭線データ24を記憶部20から読み出す。STEP5:ポリゴンメッシュMの頂点のうち、ポリラインPの近傍にある頂点の3次元座標を、上述した条件(1)および条件(2)を満たすように更新する。
【0054】
なお、境界面変形部13は、上述したとおり、ポリゴンメッシュMを局所的に変形するものであり、変形対象メッシュは、ポリゴンメッシュMの全体ではなく、ポリゴンメッシュMの一部(変形された輪郭線Cの近傍)である。図7(a)および図7(b)に、変形対象メッシュを例示する。図7(a)および図7(b)においては、ポリゴンメッシュMを構成する稜線うち、変形対象メッシュを構成する稜線のみをヘアラインで表示している。このように、変形対象メッシュを局所的なものに留めることによって、変形された輪郭線Cから離れたところでユーザの意図しないポリゴンメッシュMの変形が生じることを回避することができる。
【0055】
領域データ更新部14は、境界面∂Dを表す境界面データ23の更新(境界面∂Dを表現するポリゴンメッシュMを変形)に応じて、領域Dを表す領域データ22を更新するための手段である。具体的には、領域Dを表す領域データ22を、変形後のポリゴンメッシュM’の内部D’を表す領域データ22に更新する。例えば、仮想3次元空間を構成する各ボクセルが領域Dに属するか否かを示すフラグを領域データ22として用いている場合には、変形後のポリゴンメッシュM’の内部にある各ボクセルのフラグを1に設定し直し、変形後のポリゴンメッシュM’の外部にある各ボクセルのフラグを0に設定し直すことによって、境界面データ23を更新することができる。
【0056】
〔領域データ編集装置の構成例〕
領域データ編集装置1は、コンピュータ(電子計算機)を用いて構成することができる。図3は、領域データ編集装置1として利用可能なコンピュータ100の構成を例示したブロック図である。
【0057】
コンピュータ100は、図3に示したように、バス110を介して互いに接続された演算装置120と、主記憶装置130と、補助記憶装置140と、入出力インタフェース150とを備えている。演算装置120として利用可能なデバイスとしては、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、主記憶装置130として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(random access memory)を挙げることができる。また、補助記憶装置140として利用可能なデバイスとしては、例えば、ハードディスクドライブを挙げることができる。
【0058】
入出力インタフェース150には、図3に示したように、入力装置200及び出力装置300が接続される。曲面指定操作や輪郭線変形操作を行なうためのポインティングデバイス40(図1参照)は、この入出力インタフェース150に接続される入力装置200の一例である。また、領域Dや断面画像I(S)を表示するディスプレイ30(図1参照)は、この入出力インタフェース150に接続される出力装置300の一例である。
【0059】
補助記憶装置140には、コンピュータ100を領域データ編集装置1として動作させるための各種プログラムが格納されている。具体的には、輪郭線生成プログラム、輪郭線変形プログラム、境界面変形プログラム、領域変形プログラム、境界面生成プログラム、データ入出力プログラム、領域表示プログラム、および、断面画像表示プログラムが格納されている。
【0060】
演算装置120は、補助記憶装置140に格納された上記各プログラムを主記憶装置130上に展開し、主記憶装置130上に展開された上記各プログラムに含まれる命令を実行することによって、コンピュータ100を、図1に示す輪郭線生成部11、輪郭線変形部12、境界面変形部13、領域データ更新部14、境界面生成部15、データ入出力部16、領域表示部17、および、断面画像表示部18として機能させる。
【0061】
主記憶装置130は、演算装置120が参照する3次元画像21、領域データ22、境界面データ23、および、輪郭線データ24を格納する記憶部20(図1参照)として機能する。3次元画像21および領域データ22については、外部から取得したものを主記憶装置130に格納して利用する。
【0062】
なお、ここでは、内部記録媒体である補助記憶装置140に記録されているプログラムを用いてコンピュータ100を領域データ編集装置1として機能させる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、外部記録媒体に記録されているプログラムを用いてコンピュータ100を領域データ編集装置1として機能させる構成を採用してもよい。外部記録媒体は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であれば何でもよく、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクなどを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などにより実現することができる。
【0063】
また、コンピュータ100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上述した各プログラムコードを通信ネットワークを介してコンピュータ100に供給するようにしてもよい。この通信ネットワークとしては、とくに限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、とくに限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0064】
〔領域データ編集方法〕
次に、領域データ編集装置1による領域データ編集処理の流れについて、図8を参照して説明する。図8は、領域データ編集装置1による領域データ編集処理の流れを示したフローチャートである。領域データ編集装置1による領域データ編集処理に含まれる各ステップについて、順に説明すれば以下のとおりである。
【0065】
ステップS1:データ入出力部16が、3次元画像21および領域データ22を外部から取得し、取得した3次元画像21および領域データ22を記憶部20に格納する。また、境界面生成部15が、領域データ22から境界面データ23を生成し、生成した境界面データ23を記憶部20に格納する。
【0066】
ステップS2:領域表示部17が、記憶部20に格納されている領域データ22が表す領域Dをディスプレイ30に表示し、輪郭線生成部11が、曲面指定操作の入力を待ち受ける。領域Dがディスプレイ30に表示されているので、ユーザは、領域Dを目視しながら曲面指定操作を行なうことができる。曲面指定操作が入力されると、輪郭線生成部11が、曲面指定操作に応じた輪郭線Cを表す輪郭線データ24を生成し、生成した輪郭線データ24を記憶部20に格納する。ここで、曲面指定操作に応じた輪郭線Cとは、曲面指定操作により指定された曲面Sと境界面∂Dの交線のことを指す。
【0067】
ステップS3:断面画像表示部18が、曲面指定操作に応じた断面画像I(S)をディスプレイ30に表示し、輪郭線変形部12が、輪郭線変形操作の入力を待ち受ける。ここで、曲面指定操作に応じた断面画像I(S)とは、曲面指定操作により指定された曲面Sを断面における3次元画像21の断面画像のことを指す。断面画像I(S)が表示されているので、ユーザは、断面画像I(S)を目視しながら輪郭線変形操作を行なうことができる。輪郭線変形操作が入力されると、輪郭線変形部12が、記憶部20に格納されている輪郭線データ24を、輪郭線変形操作に従って変形された輪郭線C’に応じたものに更新する。また、断面画像表示部18が、ディスプレイ30に表示された輪郭線Cを、輪郭線変形操作に従って変形された輪郭線C’に更新する。
【0068】
ステップS4:このステップについては後述する。
【0069】
ステップS5:境界面変形部13が、記憶部20に格納されている境界面データ23を、ステップS3にて更新された輪郭線データ24に応じたものに更新する。
【0070】
ステップS6:領域データ更新部14が、記憶部20に格納されている領域データ22を、ステップS5にて更新された境界面データ23に応じたものに更新し、領域表示部17が、更新された領域データ22が表す領域D’をディスプレイ30に表示する。
【0071】
ステップS7:領域データ更新部14は、ステップS6にて更新された領域データ22を最終的な領域データとするか否かの選択をユーザに求めるダイアログをディスプレイ30に表示する。ユーザは、ディスプレイ30に表示された領域D’を見て、ステップS6にて更新された領域データ22を最終的な領域データとするか否かを選択する。
【0072】
ステップS8:ステップS6にて更新された領域データ22を最終的な領域データとすることをユーザが選択した場合(ステップS7:Yes)、データ入出力部16が、ステップS6にて更新された領域データ22を外部に出力する。一方、ステップS6にて更新された領域データ22を最終的な領域データとすることをユーザが選択しなかった場合(ステップS7:No)、領域データ編集装置1は、ステップS2以降の処理を繰り返す。
【0073】
図8に示すように、領域データ編集装置1は、ステップS2〜ステップS6からなるサイクルを繰り返し実行する。したがって、Aサイクル目の境界面データ更新処理(ステップS5)においては、前サイクルまでに作成されたA−1個の輪郭線C1,C2,…,CA-1と、現サイクルにて作成された1個の輪郭線CAを参照して境界面データ23(ポリゴンメッシュM)を更新することが可能になる。
【0074】
境界面変形部13は、前サイクルまでに作成されたA−1個の輪郭線C1,C2,…,CA-1を、現サイクルにおいてポリゴンメッシュMを更新する際の拘束条件として利用することが望ましい。すなわち、境界面変形部13は、ポリゴンメッシュMを構成する頂点のうち、輪郭線CAの近傍にある頂点の3次元座標を、上述した条件(1)〜(2)に加え、「輪郭線Caを表現するポリラインPaの頂点Wamを含むポリゴンメッシュMの稜線emは、ポリゴンメッシュの変形後においてもポリラインPaの頂点Wamを含む」(a=1,2,…,A−1)という拘束条件を満足するように更新することが望ましい。このような構成を採用すれば、図8に示すサイクルを繰り返すことにより、領域データ22が表す領域Dの形状を所望の形状に収束させることができる。
【0075】
ただし、前サイクルまでに作成された全ての輪郭線C1,C2,…,CA-1を拘束条件として利用する構成を採用した場合、前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1のなかに不適当な輪郭線がひとつでもあると、領域データ22が表す領域Dの形状を所望の形状に収束させることができなくなるケースが生じ得る。そこで、前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1のうち、どの輪郭線を拘束条件として利用するかをユーザに選択させることが望ましい。
【0076】
図8のフローチャートにおけるステップS4は、この選択をユーザに行なわせるためのステップである。すなわち、ステップS4において、境界面変形部13は、輪郭線選択操作の入力を受け付け、各輪郭線Caを拘束条件として利用するか否かを入力された輪郭線選択操作に応じて決定する(a=1,2,…,A−1)。これにより、前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1のなかに不適当な輪郭線が含まれている場合であっても、領域データ22が表す領域Dの形状を所望の形状に収束させることが可能になる。
【0077】
なお、前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1のうち、どの輪郭線を拘束条件として利用するかをユーザに選択させる構成に代えて、前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1の変形を許容する構成を採用してもよい。前サイクルまでに作成された輪郭線C1,C2,…,CA-1を変形する変形操作は、例えば、領域Dがディスプレイ30に表示されているステップS2で受け付けるようにすればよい。この場合、図8のフローチャートにおけるステップS4を、現サイクルにて生成/変形された輪郭線CA-1を変形可能な輪郭線とするか否か(ロックするか否か)をユーザに選択させるステップに置き換えるとよい。
【0078】
〔領域データ編集装置が奏する効果〕
最後に本実施形態に係る領域データ編集装置1が奏する効果について、図9を参照して説明する。図9(a)は、CT画像から自動抽出された編集前の大腿骨骨頭領域を示す図であり、図9(b)は、本実施形態に係る領域データ編集装置1を用いて編集した編集後の大腿骨骨頭領域である。
【0079】
大腿骨骨頭部は非常に薄い皮質骨で海面骨が覆われているため、図9(a)に示すように、自動抽出では大腿骨骨頭部の形状を正しく再現することができない。一方、本実施形態に係る領域データ編集装置1を用いた場合、図9(b)に示すように、7〜8本の輪郭線を編集するだけで大腿骨骨頭部の形状を正しく再現することができる。この作業に要する時間は、慣れたユーザであれば15分程度である。
【0080】
従来の手法を用いてこれと同程度の再現性を確保するためには、普通、30〜40枚程度のスライス(2次元断層)について輪郭修正を行なう必要がある。つまり、本実施形態に係る領域データ編集装置1を用いることによって、自動抽出された領域データの修正を従来よりも大幅に効率化することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
3次元画像における領域特定(領域抽出)に好適に利用することができる。特に、コンピュータ断層撮影(CT:Computed Tomography)により撮影されたCT画像などの医療用画像における領域特定に好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0082】
1 領域データ編集装置
11 輪郭線生成部(操作受付部)
12 輪郭線変形部
13 境界面変形部
14 領域データ更新部
15 境界面生成部
16 データ入出力部
17 領域表示部
18 断面画像表示部
20 記憶部
21 3次元画像
22 領域データ
23 境界面データ
24 輪郭線データ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像から抽出された仮想3次元空間内の領域を表す領域データを編集する領域データ編集装置において、
上記3次元画像の断面を指定する断面指定操作を受け付ける操作受付部と、
上記断面指定操作により指定された断面における上記領域の輪郭線を変形する輪郭線変形操作を受け付ける輪郭線変形部と、
上記輪郭線変形部によって変形された上記輪郭線に追随するように上記領域の内外を隔てる境界面を変形する境界面変形部と、
上記境界面変形部によって変形された境界面の内部を表すように上記領域データを更新する領域データ更新部と、を備えている、ことを特徴とする領域データ編集装置。
【請求項2】
上記断面は、曲面である、ことを特徴とする請求項1に記載の領域データ編集装置。
【請求項3】
上記断面は、スクリーン上への投影が曲線になる曲面である、ことを特徴とする請求項2に記載の領域データ編集装置。
【請求項4】
上記輪郭線変形部は、上記3次元画像の断面画像であって、上記断面指定操作により指定された断面における断面画像を、上記輪郭線と併せてディスプレイに表示することを特徴とする請求項1から3までの何れか1項に記載の領域データ編集装置。
【請求項5】
上記輪郭線変形部は、上記輪郭線上の点を移動する第1の輪郭線変形操作と、上記輪郭線を平滑化する第2の輪郭線変形操作とを受け付ける、ことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の領域データ編集装置。
【請求項6】
上記境界面変形部による上記境界面の変形は、上記輪郭線を含む部分に対する局所的な変形である、ことを特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の領域データ編集装置。
【請求項7】
上記3次元画像は、生体を撮像することにより得られた3次元画像であり、
上記領域は、上記3次元画像において塊状組織に対応する領域である、ことを特徴とする請求項1から6までの何れか1項に記載の領域データ編集装置。
【請求項8】
3次元画像から抽出された仮想3次元空間内の領域を表す領域データを、領域データ編集装置を用いて編集する領域データ編集方法において、
上記3次元画像の断面を指定する断面指定操作を受け付ける操作受付ステップと、
上記断面指定操作により指定される断面における上記領域の輪郭線を変形する輪郭線変形操作を受け付ける輪郭線変形ステップと、
上記輪郭線変形ステップにて変形された上記輪郭線に追随するように上記領域の内外を隔てる境界面を変形する境界面変形ステップと、
上記境界面変形ステップにて変形された境界面の内部を表すように上記領域データを更新する領域データ更新ステップと、を含んでいる、ことを特徴とする領域データ編集方法。
【請求項9】
当該領域データ編集方法は、上記各ステップを含むサイクルを繰り返し実行するものであり、
上記境界面変形ステップにおいて、現サイクルにて生成された輪郭線に追随するように上記境界面を変形する際に、前サイクルまでに生成された輪郭線を拘束条件として使用する、ことを特徴とする請求項8に記載の領域データ編集方法。
【請求項10】
コンピュータを請求項1から7までの何れか1項に記載の領域データ編集装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記領域データ編集装置の各部として機能させるプログラムが記録されているコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
コンピュータを請求項1から7までの何れか1項に記載の領域データ編集装置として動作させるためのプログラムであって、上記コンピュータを上記領域データ編集装置の各部として機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図6】
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【図8】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−14360(P2012−14360A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−149462(P2010−149462)
【出願日】平成22年6月30日(2010.6.30)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り ・研究集会名 VCADシステム研究会 第23回 定例研究会 主催者名 NPO法人VCADシステム研究会 共催者名 独立行政法人理化学研究所 開催日 平成22年2月5日 ・刊行物名「理研シンポジウム VCADシステム研究2009」 発行日 2010年3月1日 発行者 VCADシステム研究プログラム
【出願人】(503359821)独立行政法人理化学研究所 (1,056)
【Fターム(参考)】