説明

飼料製造装置及び飼料製造方法

【課題】 高いトレーサビリティーを有し、少量ずつの配合・加工等を行うことのできるとともに、設備の増設、縮小、改造、取替などを容易に行うことのできる飼料配合設備及び飼料配合方法を提供する。
【解決手段】 飼料製造装置1は、隣接して設けられた処理エリア10と倉庫エリア(自動立体倉庫)200を備える。処理エリア10は、原料、中間品及び製品の充填された小型コンテナCを搬送する搬送ライン21を収容する建屋20、該建屋20の両側方に接続された、配合・加工・包装等の処理ユニット群30を有する。小型コンテナCは建屋20と自動倉庫200間を移動可能である。処理ユニット群30は、配合・加工・包装等の処理を行うユニット31からなり、処理ユニット31の外形寸法は海上コンテナサイズに統一されている。また、建屋20には、処理ユニット31をユニット接続するための複数のデッキ(階)が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家畜や家禽、養殖魚、ペット動物に供する飼料を製造する装置及び方法に関する。特には、複数種類の原料(主原料、副原料、添加剤など)を受け入れ、これらを配合・加工して製品を製造する装置において、設備の融通性や生産効率、製品の安全性(衛生性)やトレーサビリティーを改良した飼料製造装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家畜等の飼料は、通常、飼料配合工場で製造されている。飼料配合工場では、トラック等で搬送されてきたとうもろこし、大豆粕、脱脂糠、糖蜜等のバラ原料を受け入れ、比較的大型のタンクにいったん貯蔵する。そして、各大型タンクから、製品の原料割合に応じた製造単位量(バッチ量)の原料を取り出して混合し、1バッチ量の製品を製造する。この処理を複数回繰り返して製造された製品を1製品ロットとし、その製品に割り当てられた製品タンクに貯蔵する。
【0003】
このような工場では、一般的に、各工程の作業設備が製造工程順に配置されて、建物と一体に設けられている場合が多い。これは、例えば、主原料、副原料、配合タンクなど大型の設備は強度的に建物で支持する必要があり、このためには、設備を建物と一体化する必要があるためである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような飼料配合方法は、以下のような問題を有する。
(1)原料を受け入れて大型タンクに搬入する際や、各原料を配合したり計量する際、各種原料は共通の搬送ラインで搬送される場合が多い。搬送ラインは、チェーンコンベアやバケットエレベータ等のバルク用搬送機が使用される。このような搬送機にはバラ状の原料が残留しやすいので、残留した原料が別の原料に混合して貯蔵や処理されてしまう場合があり得る。
【0005】
特に近年では、製品の安全性(衛生性)を考慮して、製品からさかのぼって原料を特定するトレーサビリティが厳しく要求されるようになってきている。そこで、上述のような原料の混合を避けるには、搬送ラインを、原料が変わる度に長時間の空運転をしたりクリーニングすることが必要になる。あるいは、原料毎に専用の搬送ラインを設ける場合もある。このため、ラインの稼働率が悪くなって生産性が低下したり、設備投資費が増大するという問題がある。
【0006】
なお、上述のバルク用搬送機に替えて空気輸送方式を用いたり、貯蔵タンクから原料を排出する際にテーブルフィーダー等の水平切り出し装置を導入し、サイクロンで回収された原料や製品をタンクに投入する際にディストリビューターを用いる方式も一部実用化されている。このような方法では、トレーサビリティーの信頼性は格段に向上するものの、設備の大型化や設備コスト並びにランニングコストの上昇という欠点を伴う。
【0007】
(2)飼料供給量の変化によっては、設備の増設や縮小などの生産量の増減が必要になる。上述の形態の工場においては、設備やラインを増設するためのスペースを確保しにくいという問題がある。また、予め増設スペースを確保しておく場合も、どの設備をどれだけ増設又は縮小するか予想できないため、無駄なスペースが生じたり、工場の設計に自由度がなくなる。
【0008】
(3)近年では、独自の配合設計の飼料の需要が増しており、小ロット多品種生産の必要性が高まっている。上述の工場は、大ロット大量生産を主に目的として設計されているため、小ロット多品種生産の対応は困難である。
【0009】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、高いトレーサビリティーを有し、少量ずつの配合・加工等も行うことのできる飼料配合設備及び飼料配合方法を提供することを目的とする。また、各処理設備をユニット化することにより、設備の増設、縮小、改造、取替などを容易に行うことのできる飼料配合設備等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の配合飼料製造装置は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、 原料、中間品及び製品の充填された小型コンテナを搬送する搬送ラインと、 該搬送ラインを収容する建屋と、 該搬送ラインに隣接しており、該ラインによって搬送された小型コンテナを収める自動立体倉庫と、 前記搬送ラインの側方に配置された、配合・加工・包装等の処理を行うユニットの群と、を具備し、 前記建屋が、該処理ユニットをユニット接続するための複数のデッキ(階)を有することを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、原料、中間品及び製品を小型コンテナ単位で搬送及び保管するので、搬送時や保管時に複数種・ロットの原料などが混じり合うことを防ぐことができる。そして、この小型コンテナの収容と出し入れに自動倉庫を用いることにより、原料や製品のロットや在庫を正確に管理できるため、トレーサビリティーを確保できる。
さらに、小型コンテナを用いることにより、少量の原料・製品を1単位としてハンドリング・処理することができるため、小ロット多品種生産にも適応できる。なお、小型コンテナの容量は1.5〜10.0m3とすることができる。
【0012】
本発明においては、 前記搬送ラインが、前記建屋を長手方向に延びるように設置されているとともに、前記自動立体倉庫の倉庫内搬送ラインに連結されており、 該搬送ラインの両側方に、前記処理ユニット群が配置されていることが好ましい。
【0013】
この場合、小型コンテナを処理ユニットと自動倉庫との間で自在に搬送できる。このため、小型コンテナを自動倉庫と処理ユニット群との間で効率的に搬送することができる。また、搬送ラインを収容する建屋の長手方向の両側方に処理ユニット群を配置するので、多数の処理ユニット群を搬送ラインに沿って配置できる。
【0014】
本発明においては、 前記搬送ラインは、前記建屋の複数の階に設置されていることが好ましい。例えば、原料搬送ラインと製品・中間品搬送ラインを分けて複数の階に配置するなどにより、物流を単純化し、物流量を拡大できる。
【0015】
本発明においては、 前記搬送ラインは、前記建屋の最上階と最下階に設置されており、 前記処理ユニット群が中間階に接続されていることとすれば、原料の処理や小型コンテナの搬送を効率的に行うことができる。例えば、自動倉庫から最上階に搬出された原料を、処理ユニットにおいて、原料の落下方向に沿って種々の処理を加え、最下階で収容し、再び自動倉庫に戻すことができる。
【0016】
本発明においては、 主原料が貯蔵される大型タンクと、 該タンクから前記ユニット群へ主原料を搬送する搬送ラインと、をさらに具備することもできる。
【0017】
この場合、ロットの大きい主原料を、小型コンテナを介してではなく、コンベアや空気流搬送で運ぶこともできる。
【0018】
本発明においては、 液体原料が貯蔵される液体原料タンクと、 該タンクから前記ユニット群に液体原料を供給する供給ラインと、をさらに具備することとすれば、油脂や糖蜜などの付加により多様な高付加価値配合飼料の製造に対応できる。
【0019】
本発明においては、 前記処理ユニットの外形寸法が、海上コンテナサイズに統一されていることが好ましい。
【0020】
配合・加工・包装等の処理設備をユニット化することにより、設備の増設や撤去を比較的容易に行うことができる。さらに、ユニット群の各ユニットを海上コンテナサイズに統一することにより、ユニットの互換性が高まるとともにユニットの搬送(陸上及び海上)が容易になる。
【0021】
本発明の他の配合飼料製造装置は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、 主原料を貯蔵し切り出すタンクと、 該主原料をバラで搬送する原料搬送ラインと、 副原料、中間品及び製品の充填される小型コンテナ群と、 該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、 前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、及び/又は、前記小型コンテナから取り出した副原料・中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、 前記コンテナを収める自動立体倉庫と、を具備することを特徴とする。
【0022】
主原料は、使用量や1ロットの量も多く、品種がほとんど変わらないので、小型コンテナでなくタンクに貯蔵してもよい。そして、副原料や中間品、製品は、小型コンテナに小分けして貯蔵・処理・出荷することとすれば、ロット管理の緻密化とトレーサビリティーの向上といった効果が期待できる。
【0023】
本発明の他の配合飼料製造装置は、 複数種類の主原料及び副原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、 各種原料を各々貯蔵し切り出す複数のタンクと、 該各種原料をバラで搬送する複数の原料搬送ラインと、 各種中間品のうちのマッシュ状のものを貯蔵し切り出すタンクと、 該マッシュ状の中間品をバラで搬送する中間品搬送ラインと、 各種中間品のうちのバルク状のもの及び製品の充填される小型コンテナ群と、 該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、 前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、副原料、前記中間品搬送ラインを通して供給されたマッシュ状の中間品、及び/又は、前記小型コンテナから取り出したバルク状の中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、 前記コンテナを収める自動立体倉庫と、を具備することを特徴とする。
【0024】
ここで、マッシュ状のものとは、粉粒状のもの(例えば、とうもろこしの粉末や大麦の粉末など)を指し、バルク状のものとは、粉粒状のものよりも嵩高いものや縦横比(厚いあるいは長い部分と薄いあるいは短い部分との比)の大きいもの(例えば、圧ペン、ペレット、ヘイキューブなどの成形品)を指す。
【0025】
バルク状のものや、バルク状のものとマッシュ状のものとの混合物は、構成単位粒の比重や形状の差が大きいので、タンクに貯蔵すると、上下に分離しやすい。つまり、比重の高い粒や細かい粒が下に集まりやすい。あるいは、高く積み上げると、構成単位粒の破壊(圧ペンの割れなど)も起こりやすい。そこで、中間品のうち、バルク状の中間品は、出荷とほぼ同じ単位の小型コンテナに収容して、ロット間の品質差を小さくすることが好ましい。一方、マッシュ状の中間品は、分離や粒破壊が起こり難いので、タンクに貯蔵することができる。
【0026】
本発明の他の配合飼料製造装置は、 複数種類の主原料及び副原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、 各種原料を各々貯蔵し切り出す複数のタンクと、 該各種原料をバラで搬送する複数の原料搬送ラインと、 各種中間品のうちのマッシュ状のものを貯蔵し切り出すのタンクと、 該マッシュ状の中間品をバラで搬送する中間品搬送ラインと、 各種中間品のうちのバルク状のもの及び製品のうちの小ロットマッシュ状のものの充填される小型コンテナ群と、 該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、 製品のうちの大ロットマッシュ状のものを貯蔵し切り出すタンクと、 該大ロットマッシュ状製品をバラで搬送する製品搬送ラインと、 前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、副原料、前記中間品搬送ラインを通して供給されたマッシュ状の中間品及び/又は、前記小型コンテナから取り出したバルク状の中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、 前記コンテナを収める自動立体倉庫と、を具備することを特徴とする。
【0027】
小ロットのマッシュ状製品は、ロットの管理を行いやすい小型コンテナに収容することが好ましいが、大ロットのマッシュ状製品はタンクに貯蔵することができる。
【0028】
本発明においては、 前記小型コンテナの容量が1〜2トンであることが好ましい。
製品の出荷量は最低1トンであり、1トン単位の出荷が多いので、コンテナを1トンサイズとすることにより、出荷作業やロットの管理をしやすい。
【0029】
本発明においては、 前記配合装置は、 各々計量された前記副原料、中間品又は製品が収容される配合コンテナを含むことが好ましい。
【0030】
本発明の配合飼料製造方法は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、 各種原料を小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 製品に応じた種類の原料が収容された小型コンテナを前記自動立体倉庫から取り出して、配合ユニットに搬送する工程と、 該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、 配合された製品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、を含むことを特徴とする。
【0031】
本発明の他の配合飼料製造方法は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、 各種原料を小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 製品に応じた種類の原料が収容された小型コンテナを前記自動立体倉庫から取り出して、配合ユニットに搬送する工程と、 該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、 配合された製品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 該小型コンテナを前記自動立体倉庫から加工ユニットに搬送する工程と、 該加工ユニットにおいて、配合された製品を加工する工程と、 加工された製品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、を含むことを特徴とする。
【0032】
本発明の他の配合飼料製造方法は、 複数種類の原料を受け入れて配合・処理し配合飼料を製造する方法であって、 主原料をタンクに受け入れる工程と、 該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、 該中間品加工された主原料中間品を小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナ自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 副原料を小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 前記中間品が受け入れられた小型コンテナと、前記副原料が受け入れられた小型コンテナと、を前記自動立体倉庫から取り出して配合ユニットに搬送する工程と、 該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、 配合品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、を含むことを特徴とする。
【0033】
本発明においては、 前記配合品を収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からペレット成形ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、 ペレット加工品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、をさらに含むことともできる。
【0034】
さらに、本発明においては、 前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ、及び、圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、ペレット加工品と圧ペンとをバルキー配合する工程と、 バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送し保管する工程と、をさらに含むこともできる。
【0035】
本発明の他の配合飼料製造方法は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、 主原料をタンクに受け入れる工程と、 該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、 中間品のうちマッシュ状のものをタンクに受け入れる工程と、 中間品のうちのバルク状のものを小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 副原料をタンクに受け入れる工程と、 マッシュ状の中間品が受け入れられたタンクと、副原料が受け入れられたタンクから、各々マッシュ状の中間品と副原料を切り出して配合ユニットに搬送する工程と、 該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、 配合品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、を含むことを特徴とする。
【0036】
本発明においては、 前記配合品を収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からペレット成形ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、 ペレット加工製品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、をさらに含むこともできる。
【0037】
さらに、本発明においては、 前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ及び圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、前記ペレット加工品及び圧ペンをバルキー配合する工程と、 バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、をさらに含むこともできる。
【0038】
本発明の他の配合飼料製造方法は、 複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、 主原料をタンクに受け入れる工程と、 該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、 中間品のうちマッシュ状のものタンクに受け入れる工程と、 中間品のうちバルク状のものを小型コンテナに受け入れる工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 副原料をタンクに受け入れる工程と、 マッシュ状の中間品が受け入れられたタンクと、副原料が受け入れられたタンクから、各々マッシュ状の中間品と副原料を切り出して配合ユニットに搬送する工程と、 該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、 配合品のうち、バルク状のもの及び小ロットのマッシュ状のものを小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、 配合品のうち、大ロットのマッシュ状のものを製品用タンク及びペレット加工用タンクに受け入れる工程と、を含むことを特徴とする。
【0039】
本発明においては、 前記ペレット加工用タンクから配合品を切り出してペレット成形ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、 ペレット加工品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送し保管する工程と、をさらに含むこともできる。
【0040】
さらに、本発明においては、 前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ及び圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、 該ユニットにおいて、前記ペレット加工品及び圧ペンをバルキー配合する工程と、 バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、 該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、をさらに含むこともできる。
【発明の効果】
【0041】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、トレーサビリティーを確保できる飼料製造装置及び方法を提供できる。さらに、設備の増設、改造、撤去を簡易に行うことができるとともに、小ロット多品種にも対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0042】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
最初に、配合飼料の製造方法の概要を説明する。
図7は、本発明の実施の形態に係る配合飼料製造方法を説明するフローチャートである。
まず、各種原料を前処理(ゴミの除去や粉砕など)した後小型コンテナに受け入れ(S1)、この小型コンテナを搬送ラインによって原料倉庫(自動立体倉庫)に搬送して保管する(S2)。生産計画によっては、小型コンテナの原料を精秤加工し再び原料、中間品倉庫に収納する。配合する際は、製品に応じた種類の原料を収容した小型コンテナを原料倉庫から取り出して、搬送ラインによって配合ユニットに搬送し、同ユニットにおいて配合して(S3)、製品コンテナ(小型コンテナ)に収容する。この小型コンテナを、搬送ラインによって製品倉庫(自動立体倉庫)へ搬送して保管し(S4)、必要時に製品を出荷する(S5)。
一方、二次加工(ペレット加工など)が必要な際は、必要な製品が収容された小型コンテナを製品倉庫から取り出して搬送ラインによって加工ユニットに搬送し、加工して(S6)、製品コンテナ(小型コンテナ)に収容する。この小型コンテナを搬送ラインによって再度、中間品、製品倉庫に搬送して保管し(S7)、必要時に出荷する(S8)。
【0043】
次に、上記飼料配合方法を実施する飼料製造装置を説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る飼料製造装置(工場)の1階の構造を模式的に説明する平面図である。
図2は、本発明の実施の形態に係る飼料製造装置(工場)の4階の構造を模式的に説明する平面図である。
図3は、図1、図2の飼料製造装置の建屋の構造を模式的に示す側面断面図である。
配合飼料製造装置1は、図1、図2に示すように、隣接して設けられた処理エリア10と倉庫エリア(自動立体倉庫)200を備える。処理エリア10は、原料、中間品及び製品の充填された小型コンテナCを搬送する搬送ライン21を収容する建屋20、該建屋20の両側方に接続された、配合・加工・包装等の処理ユニット群30を有する。小型コンテナCは建屋20と自動倉庫200間を移動可能である。
【0044】
まず、建屋20の構造を説明する。
建屋20は、この例では4階建てで、図3に示すように、1階1Fは原料又は製品が収容された小型コンテナCの一次保管及び搬送用、2階2Fと3階3Fは処理ユニット接続用、4階4Fは原料又は製品が収容された小型コンテナの一次保管及び搬送用に使用されている。このようにコンテナ搬送ライン21を複数の階に配置することにより、物流を効率化できる。
【0045】
1階1Fと4階4Fには、平面から見て、図1、図2に示すように、建屋20の長手方向に延びる搬送ライン21−1と21−4が敷設されている。そして、この搬送ライン21の両側方に処理ユニット群30が配置されている。
各搬送ライン21は、建屋20を長手方向に延びる2つの循環ラインからなる。各循環ラインは、建屋20から自動倉庫200への往きライン22と自動倉庫200から建屋20への戻りライン23a、23bからなる。往きライン22は、各循環ラインで共通である。2つの戻りライン23a、23bの外側に処理ユニット群30が配置されている。このような配置により、多数の処理ユニット群を配置することができる。小型コンテナCは、例えば、各ライン22、23に沿って誘導される無線誘導式自走台車Tに載せられて移動させることができる。
【0046】
自動倉庫200は、一般に使用されている立体自動倉庫を利用できる。図1、図2に示すように、自動倉庫200は複数の小型コンテナCを収容する収容部201と、収容部201内で小型コンテナCを移動する複数のリフト203を備える。さらに、1階と4階には、建屋10の搬送ライン21−1と21−4と連結されている搬送ライン210−1と210−4が備えられている。さらに、4階には(図2参照)搬送ライン210−4と連結する製品出荷ライン213が備えられている。
【0047】
また、1階には、製品を出荷するための複数の出荷口221が設けられている。出荷口は、バラ荷用、TB(トランスバック)用、コンテナ用、紙袋用等に分けられている。そして、4階には、出荷口221ごとに出荷用クレーン225が設けられている。このクレーン225によって、コンテナCに収容されているバラ製品や袋詰め製品が4階から1階の各出荷口221に移動される。
【0048】
次に、処理ユニット群30について説明する。
処理ユニット群は、配合・加工・包装等の各種の処理を行うための設備であり、上述のように、建屋20の2階と3階に接続されている。各ユニット群は、複数のユニット21がユニット化されて構成されている。そして、1つの階(デッキ)には、ユニット31が、建屋20の長手方向(X方向という)に1〜4個、上下方向(Z方向という)に3個接続される。一つのユニット31は横長の直方体状で、外形寸法は海上コンテナサイズ(2×2×10mあるいは2.4×2.4×12m)である。
【0049】
また、処理ユニット群30の1階と4階には、図3に示すように、この例では、20個のコンテナCを平面上(XY方向)に並べて配置するコンテナ置き場35−1、35−4が設けられている。そして、1階1Fの床面には、小型コンテナCをコンテナ置き場35−1内で図のXY方向に移動可能なチェーンコンベア37が敷設されている。また、4階には、小型コンテナCをコンテナ置き場内35−4内でXY方向に移動可能なキャッチャークレーン39やコンベアが設けられている。
また、各コンテナ置き場35には、コンテナ受け渡し口が設けられている。このコンテナ受け渡し口と各戻りライン23のコンテナ受け渡し口が、コンテナ受け渡し用バース41で連結しており、小型コンテナCは、各戻りライン23上の台車Tとコンテナ置き場35間で受け渡しされる。
【0050】
以下、主な処理工程である、原料受け入れユニット群50、配合ユニット群80、ペレット加工ユニット群100について説明する。
まず、原料受け入れユニット群50を説明する。なお、副原料受け入れユニット群(図1、図2の符号158)も同様の構造を有する。
図4は、原料受け入れユニット群の構造を模式的に説明する側面図である。
原料受け入れユニット群50では、ダンプトラックDにバラ積みされている原料(主原料は一般的にはとうもろこし、副原料の場合はグルテンフィード、脱脂糠、食品副産物など)が、異物の除去や計量後に小型コンテナCに空気輸送されて収容される。同群50は、処理順に、2階に設置された一次サイクロン51、3階に設置された二次サイクロン53、マグネット55、篩57、2階に設置された計量用ホッパー59、計量器61とから主に構成される。
【0051】
原料は、トラックDの荷台から原料受け入れ口63を通って荷揚げされて、一次サイクロン51に収集される。一次サイクロン51内では、吸引ブロアー65によって空気を含んだ粉体原料を高速旋回させ、遠心力によって内周壁に沿って沈降する原料を捕集する。これにより、バラ積みされてきた原料から空気が分離される。
なお、後述する大型タンク300に主原料を運び入れる場合は、サイクロン51から大型タンク300へ延びる搬送ライン73によって原料が運ばれる。
【0052】
サイクロン51で捕集された原料は、圧送装置67によって、二次サイクロン53に空気輸送される。同サイクロン53でも同様に空気が分離される。二次サイクロン53によって捕集された原料はコンベアスクリュー69によってマグネット55の上方に運ばれ、マグネット55上に落下する。マグネット55では、原料に混入している釘などの異物が除去される。その後、篩57に落下し、ゴミや木片が除去される。
【0053】
異物が除去された原料は計量用ホッパー59に収容されて、計量器61で計量される。計量後、ホッパー59のダンパーが開き、排出用シュート71を通して、1階の所定のコンテナ置き場35−1に置かれている小型コンテナCに収容される。
【0054】
小型コンテナCは、上開口が蓋で開閉され、下開口はダンパーで開閉される収容部を有する。同収容部の下部は円錐状であり、原料などが内部に残留しにくい構造となっている。小型コンテナCの容量は、例えば、1.5〜10.0m3とすることができる。原料の種類毎に小型コンテナを専用化するので、ロットの違う原料の混合を防ぐことができる。
【0055】
原料が収容された小型コンテナCは、1階のチェーンコンベア37で、コンテナ受け渡し口に移送され、受け渡し用バース41−1を介して搬送ラインの戻りライン23−1上の台車Tに移される。そして、戻りライン23−1から往きライン22−1を経由して自動倉庫200に送られて保管される。
このように、各原料は小型コンテナ単位で自動倉庫に保管されるので、ロット管理や在庫管理を正確に行うことができ、原料のトレーサビリティーを確保できる。
【0056】
次に、配合ユニット群80を説明する。
図5は、配合ユニット群の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は側面図、図5(B)は正面図である。
配合ユニット群80では、自動倉庫200に保管されている小型コンテナCに収容されている原料や副原料を、製品に応じた比率で配合し、製品を完成させる。同群80は、処理順に、3階に設置された原料又は副原料受け入れホッパー81、計量器83、シュート85、2階に設置された配合ミキサー87とから主に構成される。
【0057】
主原料コンテナと副原料コンテナは、まず、自動倉庫内で4階に移動させられ、戻りライン23−4を通って、配合ユニット群80へ移動される。配合ユニット群80に達すると、受け渡し用バース41−4を介してコンテナ置き場35−4に運ばれて一次保管される。
この際、必要量の主原料や副原料をコンテナ単位で自動倉庫から運び出せばよいので、大量生産にも少量生産にも対応できる。なお、ロットが大きい製品の主原料については、別途の搬送ライン(空気輸送、コンベアなど)から供給してもよい。
【0058】
原料及び副原料はコンテナCから原料用及び副原料ホッパー81に移し変えられる。各ホッパー81の下方には配合計量器83が備えられている。ホッパー81に移された原料及び副原料はテーブルフィーダ99により計量器83に送られ、計量後シュート85を通って配合ミキサー87に落下する。配合ミキサー87は2個設けられており、例えば、一方の配合ミキサー87aを無薬用、もう一方の配合ミキサー87bを有薬使用として使用できる。シュート85は途中で分岐し、一方が無薬用配合ミキサー87a延びており、もう一方が有薬用配合ミキサー87bに延びている。配合ミキサー87の選択は、シュート85の分岐部に設けられたダンパー89で制御される。
また、各配合ミキサー87には、微量原料(例えば、プレミックス等)を配合するためのホッパー91や計量器93も備えられている。さらに、糖蜜や油脂などをさらに配合するためのサービスタンク95も備えられている。
【0059】
各配合ミキサー87では、落下した主原料や副原料、微量原料が混合される。混合された原料は、製品受け入れシュート97を通って、1階の所定のコンテナ置き場35−1に置かれた製品用小型コンテナCに収容される。
【0060】
製品が収容された小型コンテナCは、1階のチェーンコンベア37で、コンテナ受け渡し口に移送され、受け渡し用バース41−1を介して戻りライン23−1上の台車Tに移される。そして、往きコンベア22−1を経由して自動倉庫200に送られて保管される。
【0061】
次に、ペレット加工処理ユニット群100を説明する。
図6は、ペレット加工処理ユニット群を説明する側面図である。
ペレット加工処理ユニット群100では、自動倉庫200に保管されている小型コンテナCに収容されている製品をペレット状に加工する。同群は、処理順に、3階に設置された製品受け入れ口101、受け入れホッパー103、蒸気添加ミキサー105、ペレットミル107、2階に設置されたクーラー109、3階に設置されたサイクロン111、篩113、2階に設置された計量ホッパー115、計量器117から主に構成される。
【0062】
製品コンテナCは、まず、自動倉庫200内で4階に移動させられ、戻りライン23−4を通って、ペレット加工ユニット群100へ移動される。ペレット加工ユニット群100に達すると、受け渡し用バース41−4を介してコンテナ置き場35−4に運ばれる。そして、各コンテナ置き場からコンベア(図示されず)によって、原料受け入れ口101に運ばれて、原料が同受け入れ口101を通ってホッパー103に移し変えられる。その後、製品原料は、フィーダ119により蒸気添加ミキサーに105送られて加熱調湿され、ペレットミル107で造粒される。ペレットはクーラー109に落下して冷却され、圧送装置121によって、サイクロン111へ空気輸送される。
【0063】
そして、サイクロン111で空気が分離された後、ペレットが篩113に落下する。篩113で篩分けられた後、計量用ホッパー115に落下して、計量器117で計量される。計量されたペレットは、加工製品受け入れシュート123を通って、1階の所定のコンテナ置き場35−1に置かれた加工製品用小型コンテナCに収容される。
【0064】
加工製品が収容された小型コンテナCは、受け渡し用バース41−1を介して、搬送ラインの戻りコンベア23に移される。そして、往きコンベア22に乗って自動倉庫200に送られ、保管される。
【0065】
次に、図2を参照して、製品の出荷方法を説明する。
製品を出荷する際は、自動倉庫200において、所定の製品をリフト203で運び出して搬送ライン210−4に移動させ、製品出荷ライン213で所定の出荷口221の上方に運ばれる。そして、クレーン225で1階の出荷口221に移され、出荷口221からトラックDに荷積みされる。
【0066】
処理ユニット群には、他の処理を行うユニット群も設けられている。主な処理ユニット群について、図1、図2を参照して簡単に説明する。
圧ペンユニット151では、配合済みの製品を熱加工した後、圧力をかけて平たく(フレーク状)に加工する。
ボイラーユニット152は、ペレット加工ユニット等で使用する蒸気を発生させるためのものである。
TB(トランスバック)包装ユニット153、紙袋包装ユニット154では、製品をTBや紙袋に梱包する。
二次配合ユニット155では、前記の配合以外の特殊な追加配合を行う。例えば、ペレット状に加工した製品とフレーク状に加工した製品を配合する。
クリーニングユニット156では、小型コンテナCを洗浄する。なお、洗浄タイミングは、収容する原料、製品を変更する際となる。
電源ユニット157には、各ユニットへの通電端末等がまとめられている。
主原料粉砕ユニット159や副原料粉砕ユニット160では、主原料や副原料を粉砕して篩分けする。
【0067】
これらのユニット群は、分割可能な複数のユニットから構成されているため、分解・組立が容易である。このため、設備の増設や撤去、配置換えを比較的自在に行うことができる。さらに、各ユニットは海上コンテナサイズの寸法であるため、海上や陸上での輸送も比較的容易に行うことができる。
【0068】
また、受け入れられた主原料のロットが大きい場合は、大型タンク300に貯蔵することもできる。
大型タンク300は、例えば、建屋10の側方に設置することができる。そして、各処理ユニット群30と大型タンク300との間に、小型コンテナを搬送する搬送ライン73あるいは空気搬送ラインなどを設ける。
【0069】
さらに、油脂や糖蜜などを受け入れる液体原料タンク400を備えることもできる。このような液体原料タンク400も、建屋10の側方に設置することができる。そして、各処理ユニット群30と液体原料タンク400との間に、液体原料供給ラインを設け、例えば、高付加価値配合飼料を製造する際などに、液体原料を処理ユニット群に供給する。
【0070】
上記の例では、配合・加工・包装等の各種の処理を行うための設備を、海上コンテナサイズに統一されたユニット31で構成しているが、これに限定されるものではない。また、上記の例では、主原料、副原料、中間品及び製品を、小型コンテナに収容して扱う方法について説明した。しかし、飼料のプラントの規模や製品品種構成によっては、全てを小型コンテナ単位で扱うことは設備や制御の点で不利な点もあるので、小型コンテナとタンクとを併用することで製造設備費を下げることができ、より効率的な飼料生産を実現できる。以下、小型コンテナとタンクとを併用する例の具体例を説明する。
【0071】
図8は、本発明の他の形態に係る飼料製造方法(小型コンテナとタンクを併用する方法)を説明するフローチャートである。
まず、主原料を受け入れ、中間品(マッシュ、圧ペン)に加工した後、小型コンテナ又はタンクに収容する。同時に、副原料を受け入れて、小型コンテナ又はタンクに収容する(S11)。そして、製品に応じた種類の原料(マッシュ中間品、副原料)が入った小型コンテナを配合部に搬送し、又は、同原料をタンクから配合部に搬送し、同部で配合・混合し(S12)、マッシュ配合品を製造する。このマッシュ配合品は、小型コンテナ又はタンクに収容される。この状態で出荷するものについては出荷する(S13)。一方、マッシュ配合品のうちペレット加工するものについては、ペレット加工部に搬送し、同部でペレット加工する(S14)。このペレット加工品は、小型コンテナに収容される。この状態で出荷するものについては出荷する(S15)。
一方、バルキー配合においては、ペレット加工品が収容された小型コンテナ及び圧ペン中間品が収容された小型コンテナをバルキー配合部に搬送し、同部で配合・混合し、バルキー配合品を製造する(S16)。このバルキー配合品は小型コンテナに収容・保管され、必要時に出荷する(S17)。
【0072】
この飼料製造方法においては、原料や中間品、製品を小型コンテナに収容するか、タンクに収容するかで、例えば、以下の3つのレベルの方法が挙げられる。
(1)レベル1:主原料のみをタンクに収容、中間品、副原料及び製品は小型コンテナに収容、
(2)レベル2:主原料及び副原料はタンクに収容、中間品のうちマッシュはタンク、バルクは小型コンテナに収容、製品は小型コンテナに収容、
(3)レベル3:主原料及び副原料はタンクに収容、中間品・製品のうちのマッシュのうち、大ロット品はタンク、小ロット品は小型コンテナ、バルクは小型コンテナに収容。
各レベルで使用する小型コンテナは、例えば1トン〜2トンの容量のものを使用する。
【0073】
以下、各レベルの主な物流工程について説明する。
図9は、図8のフローチャートの原料受け入れ・中間品加工工程(S11)を示すフローチャートである。
図10は、図8のフローチャートの原料配合工程(S12、レベル1)を示すフローチャートである。
図11は、図8のフローチャートの原料配合工程(S12、レベル2、3)を示すフローチャートである。
図12は、図8のフローチャートのペレット加工工程(S14、レベル1、2、3)を示すフローチャートである。
図13は、図8のフローチャートのバルキー配合工程(S16、レベル1、2、3)を示すフローチャートである。
これらのフローチャートにおいて、太実線は、レベル1、2、3で共通、細実線はレベル1、太点線はレベル2、3で共通、細点線はレベル2、一点鎖線はレベル3を示す。
【0074】
まず、図9を参照して原料受け入れ・中間品加工工程(S11)を説明する。
この工程のうち原料受け入れ工程はレベル1、2、3で共通である。まず、原料がダンプトラックなどで運び込まれ(S100)、いったん主原料タンクに収容される(S101)。そして、主原料タンクから主原料が切り出され、マグネットにより釘等の異物が除去された後(S102)、セパレータによりゴミなどが除去され(S103)、さらに、ストーナによりゴミ・石が除去される(S104)。その後、金属探知機によって金属片がないことを確認する(S105)。このように異物除去・検査された主原料は、次に粉砕処理(S106)、あるいは圧ペン処理(S113)が施される。
【0075】
S106で粉砕処理された原料はマグネットで釘等の異物が除去された後(S107)セパレータでゴミが除去される(S108)。なお、異物やゴミが除去されるのは、「これらのものがあれば」の話である。その後、レベル1においては、計量後(S109)、小型コンテナに収容され(S110)、自動倉庫に保管される(S111)。一方、レベル2、3においては、配合用中間品タンクに収容される(S112)。
【0076】
S113で圧ペン処理された原料は、レベル1、2、3とも、マグネットで釘等の異物が除去され(S114)、セパレータでゴミが除去される(S115)。そして、計量後(S116)、小型コンテナに収容され(S117)、自動倉庫に保管される(S118)。
【0077】
副原料受け入れ工程においては、途中の段階までレベル1、2、3に共通である。まず、副原料がダンプトラックなどで運び込まれ(S120)、マグネットにより釘等の異物が除去された後(S121)、シフターで篩にかけられて(S122)、サイズの大きいものが分離される。その後、金属探知機によって金属片がないことを確認する(S123)。そして、サイズの大きいものについては粉砕処理が施された後(S124)、マグネットで釘等の異物が除去され(S125)、セパレータでゴミが除去される(S126)。
【0078】
以降、レベル1においては、この副原料(粉砕処理されたものを含む)が計量されて(S127)小型コンテナに収容され(S128)、自動倉庫に保管される(S129)。一方、レベル2、3においては、副原料(粉砕処理されたものを含む)が副原料タンクに収容される(S130)。
【0079】
以上説明したように、いずれのレベルにおいても、主原料はいったんタンクに収容された後中間品加工される。そして、マッシュ中間品は、レベル1においては小型コンテナに収容され、レベル2、3においては配合用中間品タンクに収容される。一方、圧ペン中間品は、レベル1、2、3とも、小型コンテナに収容される。副原料は、レベル1においては小型コンテナに収容され、レベル2、3においては副原料タンクに収容される。
【0080】
次に、原料配合工程(S12)について説明する。
この工程においては、前述のように原料中間品(マッシュ中間品、圧ペン中間品)や副原料の保管方法が各レベルで異なるので、レベルごとに説明する。
【0081】
図10を参照して、レベル1における原料配合工程(S12)を説明する。
まず、図9のS111で自動倉庫に保管しておいた、マッシュ中間品が収容された小型コンテナを呼び出して(S200)、計量後(S201)、配合用コンテナに収容する(S201)。同時に、図9のS129で自動倉庫に保管しておいた、副原料が収容された小型コンテナを配合設備に呼び出して(S200´)、計量後(S201´)、配合用コンテナに収容する(S202)。そして、配合用コンテナの中身を混合する(S203)。この際、液体原料を添加して(S204)、マッシュ配合品を製造する。
【0082】
こうして製造されたマッシュ配合品は、計量後(S205)、小型コンテナに収容されて(S206)、自動倉庫に保管される(S207)。このうちの一部は出荷され(S208)、その他のものはペレット加工される。
【0083】
図11を参照して、レベル2、3における原料配合工程(S12)を説明する。
まず、図9のS112で配合用中間品タンクに貯蔵しておいたマッシュ中間品を切り出して(S220)、計量した後(S221)、配合設備に投入する(S223)。同時に、図9のS130で副原料タンクに貯蔵しておいた副原料を各々切り出して(S220´)計量した後(S221´)、配合設備に投入する(S222)。その後、マッシュ中間品と副原料を混合する(S223)。この際、液体原料を添加し(S241)、マッシュ配合品を製造する。こうして製造されたマッシュ配合品は、レベル2においては、計量後(S225)に小型コンテナに収容されて(S226)自動倉庫に保管される(S227)。このうちの一部は出荷され(S228)、他のものはペレット加工される。
【0084】
一方、レベル3においては、混合後(S223)、大ロット製品においては、出荷されるものと、ペレット加工されるものに分けられる。出荷されるものは、出荷用タンクに収容された後(S230)、出荷される(S231)。ペレット加工されるものは、ペレット加工用タンクに収容される(S232)。小ロット製品は計量後(S225)、小型コンテナに収容されて(S233)、自動倉庫に保管され(S234)、出荷される(S235)。
【0085】
以上説明したように、レベル1、2においては、マッシュ配合品は全て小型コンテナに収容される。レベル3においては、小ロットマッシュ配合品は小型コンテナに収容されるが、大ロットマッシュ配合品はタンクに収容される。
【0086】
次に、図12を参照して、ペレット加工工程(S14)を説明する。
レベル1においては、図10のS207で自動倉庫に保管しておいた、マッシュ配合品が収容された小型コンテナを、レベル2においては、図11のS227で自動倉庫に保管しておいた、マッシュ配合品が収容された小型コンテナを呼び出し(S400)、ペレットミルに供給する(S401)。レベル3においては、図11のS232でタンクに貯蔵しておいた大ロットのマッシュ製品を切り出して(S400´)、ペレットミルに供給する(S401)。ペレットミルでペレット成形加工後(S402)、マグネットにより釘等の異物を除去し(S403)、セパレータにより異物を除去し(S404)、ペレット加工品を製造する。こうして製造されたペレット加工品は、計量後(S405)小型コンテナに収容され(S406)、自動倉庫に保管する(S407)。このうち、一部は出荷され(S408)、他のものはバルキー配合される。
【0087】
次に、図13を参照して、バルキー配合工程(S16)を説明する。
この工程は、レベル1、2、3で共通である。まず、図9のS118で自動倉庫に保管しておいた、圧ペン中間品が収容された小型コンテナを呼び出し(S600)、計量後(S601)、中身を配合用コンテナに移す(S602)。一方、図12のS407で自動倉庫に保管しておいた、ペレット加工品が収容された小型コンテナを呼び出し(S600´)、計量後(S601´)、中身を配合用コンテナに移す(S602)。そして、配合用コンテナの中身を混合し(S603)、バルキー配合品を製造する。この際、液体原料を添加し(S604)、表面に液体を含ませた(アフターコーティング)バルキー配合品を製造する場合もある。こうして製造されたバルキー配合品は、計量後(S605)、小型コンテナに収容されて(S606)自動倉庫に保管され(S607)、必要時に出荷する(S608)。
なお、バルキー配合工程においては、別の処理工程で製造されたヘイキューブ等を配合・混合することもできる。
【0088】
以上説明したように、レベル1、2、3ともペレット加工品や、ペレット加工品と圧ペンを混合したものなどのバルキー配合品は、小型コンテナに収容される。
【0089】
次に、各レベルの配合飼料製造方法を実現するための装置の構成と、各種材料の動きを説明する。
図14は、本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル1)の構成を模式的に示す図である。
この配合飼料製造装置(プラント)は5階建てで、隣接して設けられた処理エリア500と自動立体倉庫600を備える。この例では、図の右側が処理エリア500、左側が立体自動倉庫600となっている。立体自動倉庫600は、一般に使用されている立体自動倉庫を使用できる。
【0090】
処理エリア500の1階と2階の間には、コンテナ用エレベータ501が設けられて、コンテナを自在に移動できる。また、各階には、自動倉庫600との間でコンテナを受け渡すコンテナ受け渡し部502が設けられている。処理エリアの1階から4階にかけては、原料タンク503が設けられている。
【0091】
処理エリア500の各階について説明する。
1階には、ダンプトラックなどから原料や副原料が受け入れられる原料受け入れ部511が設けられている。同部511と原料タンク503間には、バラ搬送ライン(コンベアや空気流送配管など、図示されず)が設けられている。また、自動倉庫600に搬入される前のコンテナがいったん保管されるコンテナ保管部512が設けられている。コンテナ保管部512は自動倉庫受け渡し部502と接続しており、コンテナの受け渡しが可能である。
【0092】
2階には、計量後のマッシュ中間品と計量後の副原料が収容される配合用コンテナが移動自在に配置されるコンテナ置き場521が設けられている。コンテナ置き場521は自動倉庫受け渡し部502と接続しており、小型コンテナの受け渡しが可能である。
【0093】
3階には、計量後のペレット加工品と計量後の圧ペン中間品が収容される配合用コンテナが移動自在に配置されるコンテナ置き場531が設けられている。コンテナ置き場531は自動倉庫受け渡し部502と接続しており、小型コンテナの受け渡しが可能である。さらに、マッシュ用計量器532、マッシュ用ミキサー533が配置されている。なお、計量器532は材料毎に設けられている。また、ハンマーミル534、ペレットミル535、圧ペンロール536などが配置されている。原料タンク503とハンマーミル534及び圧ペンロール536の間には、原料がバラで搬送されるバラ搬送ライン(図示されず)が設けられている。
【0094】
4階には、マッシュ中間品が収容された小型コンテナと副原料が収容された小型コンテナが移動自在に配置されるコンテナ置き場541が設けられている。コンテナ置き場541はコンテナ受け渡し部502と接続しており、小型コンテナの受け渡しが可能である。さらに、バルキー用計量器542、バルキー用ミキサー543が配置されている。計量器542は材料毎に設けられている。
【0095】
5階には、圧ペン中間品が収容された小型コンテナとペレット加工品が収容された小型コンテナが移動自在に配置されるコンテナ置き場551が設けられている。コンテナ置き場551は自動倉庫受け渡し部502と接続しており、小型コンテナの受け渡しが可能である。
【0096】
自動倉庫600には、製品をTB(トランスバック)や紙袋に梱包するTB包装器601や紙袋包装器602が配置されている。また、バラや梱包済みの製品の出荷部603やコンテナ洗浄室604が設けられている。
【0097】
図14とともに、図8、図9、図10、図12、図13を参照して、レベル1における各原料の主な流れを説明する。
まず、原料受け入れ・中間品加工工程(S11、図9参照)においては、主原料が原料受け入れ部511でダンプトラックなどから受け入れられて(S100)、バラ搬送ラインを通っていったん主原料タンク503に保管される(S101)。異物除去処理・検査後、主原料は主原料タンク505から切り出されて、バラ搬送ラインを通って、3階のハンマーミル534及び圧ペンロール536に送られ、各々粉砕処理(S106)もしくは圧ペン処理(S113)が施されて中間品(マッシュ中間品、圧ペン中間品)に加工される。加工後のマッシュ中間品、圧ペン中間品は、小型コンテナに収容されて(S110、S117)、自動倉庫600に保管される(S111、S118)。
一方、副原料は、原料受け入れ部511でダンプトラックなどから受け入れられ(S120)、異物除去、粉砕後、小型コンテナに収容されて(S128)、自動倉庫600に保管される(S129)。
【0098】
そして、原料配合工程(S12、図10参照)においては、マッシュ中間品が収容された小型コンテナ、副原料が収容された小型コンテナが自動倉庫600から呼び出され(S200、S200´)、コンテナ受け渡し部502を介して4階のコンテナ置き場541に搬送される。同置き場541内では、各コンテナは、3階に配置されている、材料別の計量器532の上方に位置するように移動する。そして、コンテナから中身が計量器532に落下して計量される(S201、S201´)。
【0099】
この計量器532の下方(2階)のコンテナ置き場521には、配合用コンテナが移動可能に配置されている。この配合用コンテナは、各計量器532で所定の配合割合に計量されたマッシュ中間品と副原料を拾うように、置き場521内を移動する。これにより、配合用コンテナには、所定の割合で配合されたマッシュ中間品と副原料が収容される(S202)。
【0100】
その後、この配合用コンテナは3階に搬送され、中身がミキサー533で混合されて(S203)、マッシュ配合品が製造される。このマッシュ配合品は、計量されて(S205)、小型コンテナに収容され(S206)、自動倉庫600に送られて保管される(S207)。その後、この状態で出荷するものについては、バラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷され(S208)、他のものについてはペレット加工される。
【0101】
ペレット加工工程(S14、図12参照)においては、自動倉庫600からマッシュ配合品が収容された小型コンテナが呼び出され(S400)、3階のペレットミル535に供給され(S401)、ペレット成形されて(S402)、ペレット加工品が製造される。製造されたペレット加工品は小型コンテナに収容され(S406)、自動倉庫600に保管される(S407)。その後、この状態で出荷されるものについては、バラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷され(S408)、他のものについてはバルキー配合される。
【0102】
バルキー配合工程(S6、図13参照)においては、自動倉庫600から、圧ペン中間品が収容された小型コンテナ及びペレット加工品が収容された小型コンテナが呼び出され(S600、S600´)、5階のコンテナ置き場551に搬送される。同置き場551内では、各小型コンテナは、4階に配置されている、材料別の計量器542の上方に位置するように移動する。そして、小型コンテナから中身が計量器542に落下して計量される(S601、S601´)。
【0103】
この計量器542の下方(3階)のコンテナ置き場531には、配合用コンテナが移動可能に配置されている。この配合用コンテナは、各計量器542で所定の配合割合に計量された圧ペン中間品とペレット加工品を拾うように、置き場531内を移動する。これにより、配合用コンテナには、所定の割合で配合された圧ペン中間品とペレット加工品が収容される(S602)。
【0104】
その後、この配合用コンテナは4階に送られて、中身がミキサー543で混合されて(S603)、バルキー配合品が製造される。製造されたバルキー配合品は計量された後(S605)、小型コンテナに収容され(S606)、自動倉庫600に送られて保管される(S607)。そして、バラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷される(S608)。
【0105】
図15は、本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル2)の構成を模式的に示す図である。
この配合飼料製造装置も5階建てで、隣接して設けられた処理エリア500と自動立体倉庫600を備える。処理エリアの各階について、図14の配合飼料製造装置と異なる点を主に説明する。図14と同じ構成・作用を有する部材については図14と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0106】
レベル1においては、副原料やマッシュ中間品を小型コンテナに収容していたが、レベル2においては、各々副原料タンク及び中間品タンクに収容する。このため、レベル2においては、マッシュ配合用のコンテナ置き場541、521の替わりに、処理エリアの2階から5階にかけて、副原料が貯蔵される副原料タンク504とマッシュ中間品が貯蔵される中間品タンク505が設けられている。
【0107】
2階の、副原料タンク504と中間品タンク505の下方には、計量器523が備えられている。この計量器523により、各タンク504、505から切り出されたマッシュ中間品、副原料が計量される。
【0108】
また、1階の原料受け入れ口511と副原料タンク504との間には、副原料をバラで搬送するバラ搬送ライン(コンベアや空気流送配管など、図示されず)が設けられている。さらに、3階のハンマーミル534と中間品タンク505の間には、原料がバラで搬送されるバラ搬送ライン(図示されず)が設けられている。
【0109】
図15とともに、図8、図9、図11、図12、図13を参照して、レベル2における各原料の流れを説明する。
まず、原料受け入れ・中間品加工工程(S1、図9参照)においては、主原料が原料受け入れ部511でダンプトラックなどから受け入れられて(S100)、バラ搬送ラインを通って主原料タンク503に保管される(S101)。異物除去処理・検査後、主原料は主原料タンク503から切り出されて、バラ搬送ラインを通って、3階のハンマーミル534及び圧ペンロール536に送られ、各々粉砕処理(S106)もしくは圧ペン処理(S107)が施されて中間品(マッシュ中間品、圧ペン中間品)に加工される。このうち、マッシュ中間品は、バラ搬送ラインを通って中間品タンク505に収容される(S112)。一方、圧ペン中間品は小型コンテナに収容されて(S117)、自動倉庫600に保管される(S118)。
【0110】
副原料は、原料受け入れ部511でダンプトラックなどから受け入れられ(S120)、異物除去、粉砕後、バラ搬送ラインを通って副原料タンク504に収容される(S130)。
【0111】
そして、原料配合工程(S12、図11参照)においては、中間品タンク505に収容されたマッシュ中間品及び副原料タンク504に収容された副原料が切り出されて(S220、S220´)各々2階の計量器523で計量された後(S221、S221´)、3階のミキサー533に送られて混合され(S223)、マッシュ配合品が製造される。製造されたマッシュ配合品は、計量後(S224)、小型コンテナに収容され(S226)、自動倉庫600に送られて保管される(S227)。その後、一部はバラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷される(S228)。
【0112】
ペレット加工工程(S4)、バルキー配合加工工程(S6)はレベル1と同じである。
【0113】
図16は、本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル3)の構成を模式的に示す図である。
この配合飼料製造装置も5階建てで、隣接して設けられた処理エリア500と自動立体倉庫600を備える。処理エリアの各階について、図15の配合飼料製造装置と異なる点を主に説明する。図15と同じ構成・作用を有する部材については図15と同じ符号を付し、説明を省略する。
【0114】
レベル2においては、マッシュ配合品を全て小型コンテナに収容していたが、レベル3においては、大ロットのマッシュ配合品をタンクに収容し、小ロットのマッシュ配合品は小型コンテナに収容する。このため、レベル3においては、自動倉庫600の2階から5階にかけて、大ロットのマッシュ配合品が収容されるペレット加工用タンク605と出荷用タンク606が設けられている。
さらに、ミキサー533とペレット加工用タンク605、出荷用タンク606との間、ペレット加工用タンク605とペレットミル535との間には、各々バラ搬送ラインが設けられている。
【0115】
図16とともに、図8、図9、図11、図12、図13を参照して、レベル2における各原料の流れを説明する。
原料受け入れ・中間品加工工程(S11)は、レベル2と同じである。
原料配合工程(S12、図11参照)においては、中間品タンク505に収容されたマッシュ中間品と副原料タンク504に収容された副原料が切り出されて(S220、S220´)各々2階の計量器523で計量されて(S221、S221´)、配合される(S222)。その後、3階のミキサー533に送られて混合されて(S223)、マッシュ配合品が製造される。マッシュ配合品のうち、大ロットのマッシュ配合品は、バラ搬送ラインを通って出荷用タンク606及びペレット加工用タンク605に搬送されて収容される(S230、S232)。出荷用タンク606に収容された大ロットマッシュ配合品は、出荷部603から出荷される(S231)。小ロットのマッシュ配合品は、計量後(S225)、小型コンテナに収容され(S234)自動倉庫600に送られて保管される(S235)。その後、バラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷される(S236)。
【0116】
ペレット加工工程(S4、図12参照)においては、ペレット加工用タンク605からマッシュ配合品が切り出され(400´)、バラ搬送ラインを通って3階のペレットミル535に供給されて(S401)、ペレット成形され(S402)、ペレット加工品が製造される。製造されたペレット加工品は、小型コンテナに収容されて(S406)、自動倉庫600に保管される(S407)。一部は、バラ又は梱包器601、602でTBや紙袋に梱包された後、出荷部603から出荷される(S408)。
【0117】
バルキー配合加工工程(S16)は、レベル1、レベル2と同じである。
【0118】
以上説明した例では、原料、中間品及び製品の一部を小型コンテナではなくタンクに貯蔵している。このように、タンクに貯蔵することのできるものはタンクに貯蔵する方が設備費低減の点で好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の実施の形態に係る飼料製造装置(工場)の1階の構造を模式的に説明する平面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る飼料製造装置(工場)の4階の構造を模式的に説明する平面図である。
【図3】図1、図2の飼料製造装置の建屋の構造を模式的に示す側面断面図である。
【図4】原料受け入れユニット群の構造を模式的に説明する側面図である。
【図5】配合ユニット群の構造を模式的に説明する図であり、図5(A)は側面図、図5(B)は正面図である。
【図6】ペレット加工処理ユニット群を説明する側面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る配合飼料製造方法を説明するフローチャートである。
【図8】本発明の他の形態に係る飼料製造方法(小型コンテナとタンクを併用する方法)を説明するフローチャートである。
【図9】図8のフローチャートの原料受け入れ・中間品加工工程(S11)を示すフローチャートである。
【図10】図8のフローチャートの原料配合工程(S12、レベル1)を示すフローチャートである。
【図11】図8のフローチャートの原料配合工程(S12、レベル2、3)を示すフローチャートである。
【図12】図8のフローチャートのペレット加工工程(S14、レベル1、2、3)を示すフローチャートである。
【図13】図8のフローチャートのバルキー配合工程(S16、レベル1、2、3)を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル1)の構成を模式的に示す図である。
【図15】本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル2)の構成を模式的に示す図である。
【図16】本発明の実施の形態に係る配合飼料製造装置(レベル3)の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
【0120】
1 配合飼料製造装置 10 処理エリア
20 建屋 21 搬送ライン
22 往きライン 23 戻りライン
30 処理ユニット群 31 ユニット
35 コンテナ置き場 37 チェーンコンベア
39 キャッチャークレーン 41 コンテナ受け渡し用バース
50 原料受け入れユニット群 51 一次サイクロン
53 二次サイクロン 55 マグネット
58 篩 59 計量用ホッパー
61 計量器 63 原料受け入れ口
65 吸引ブロアー 67 圧送装置
69 コンベアスクリュー 71 排出用シュート
73 搬送ライン
80 配合ユニット群 81 ホッパー
83 計量器 85 シュート
87 配合ミキサー 89 ダンパー
91 ホッパー 93 計量器
95 サービスタンク 97 製品受け入れシュート
99 テーブルフィーダ
100 ペレット加工処理ユニット群 101 製品受け入れ口
103 受け入れホッパー 105 蒸気添加ミキサー
107 ペレットミル 109 クーラー
111 サイクロン 113 篩
115 計量ホッパー 117 計量器
119 フィーダ 121 圧送装置
123 加工製品受け入れシュート
151 圧ペンユニット 152 ボイラーユニット
153 TB包装ユニット 154 紙袋包装ユニット
155 二次配合ユニット 156 クリーニングユニット
157 電源ユニット 158 副原料受け入れユニット
159 主原料粉砕ユニット 160 副原料粉砕ユニット
200 倉庫エリア(自動立体倉庫) 201 収容部
203 リフト 210 搬送ライン
213 製品出荷ライン 221 出荷口
225 クレーン
300 大型タンク 400液体原料タンク
500 処理エリア
501 コンテナ用エレベータ 502 コンテナ受け渡し部
503 原料タンク 504 副原料タンク
505 マッシュ中間品タンク 511 原料受け入れ部
512 コンテナ保管部 521 コンテナ置き場
523 計量器 531 コンテナ置き場
532 マッシュ用計量器 533 マッシュ用ミキサー
534 ハンマーミル 535 ペレットミル
536 圧ペンロール 541 コンテナ置き場
542 バルキー用計量器 543 バルキー用ミキサー
551 コンテナ置き場
600 自動立体倉庫 601 TB包装器
602 紙袋包装器 603 出荷部
604 コンテナ洗浄室 605 ペレット加工用タンク
606 出荷用タンク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、
原料、中間品及び製品の充填された小型コンテナを搬送する搬送ラインと、
該搬送ラインを収容する建屋と、
該搬送ラインに隣接しており、該ラインによって搬送された小型コンテナを収める自動立体倉庫と、
前記搬送ラインの側方に配置された、配合・加工・包装等の処理を行うユニットの群と、を具備し、
前記建屋が、該処理ユニットをユニット接続するための複数のデッキ(階)を有することを特徴とする飼料製造装置。
【請求項2】
前記搬送ラインが、前記建屋を長手方向に延びるように設置されているとともに、前記自動立体倉庫の倉庫内搬送ラインに連結されており、
該搬送ラインの両側方に、前記処理ユニット群が配置されていることを特徴とする請求項2記載の飼料製造装置。
【請求項3】
前記搬送ラインは、前記建屋の複数の階に設置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の飼料製造装置。
【請求項4】
前記搬送ラインは、前記建屋の最上階と最下階に設置されており、
前記処理ユニット群が中間階に接続されていることを特徴とする請求項3記載の飼料製造装置。
【請求項5】
主原料が貯蔵される大型タンクと、
該タンクから前記ユニット群へ主原料を搬送する搬送ラインと、をさらに具備することを特徴とする請求項1〜4いずれか1項記載の飼料製造装置。
【請求項6】
液体原料が貯蔵される液体原料タンクと、
該タンクから前記ユニット群に液体原料を供給する供給ラインと、をさらに具備することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の飼料製造装置。
【請求項7】
前記処理ユニットの外形寸法が、海上コンテナサイズに統一されていることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載の飼料製造装置。
【請求項8】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、
主原料を貯蔵し切り出すタンクと、
該主原料をバラで搬送する原料搬送ラインと、
副原料、中間品及び製品の充填される小型コンテナ群と、
該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、
前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、及び/又は、前記小型コンテナから取り出した副原料・中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、
前記コンテナを収める自動立体倉庫と、
を具備することを特徴とする飼料製造装置。
【請求項9】
複数種類の主原料及び副原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、
各種原料を各々貯蔵し切り出す複数のタンクと、
該各種原料をバラで搬送する複数の原料搬送ラインと、
各種中間品のうちのマッシュ状のものを貯蔵し切り出すタンクと、
該マッシュ状の中間品をバラで搬送する中間品搬送ラインと、
各種中間品のうちのバルク状のもの及び製品の充填される小型コンテナ群と、
該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、
前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、副原料、前記中間品搬送ラインを通して供給されたマッシュ状の中間品、及び/又は、前記小型コンテナから取り出したバルク状の中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、
前記コンテナを収める自動立体倉庫と、
を具備することを特徴とする飼料製造装置。
【請求項10】
複数種類の主原料及び副原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する装置であって、
各種原料を各々貯蔵し切り出す複数のタンクと、
該各種原料をバラで搬送する複数の原料搬送ラインと、
各種中間品のうちのマッシュ状のものを貯蔵し切り出すのタンクと、
該マッシュ状の中間品をバラで搬送する中間品搬送ラインと、
各種中間品のうちのバルク状のもの及び製品のうちの小ロットマッシュ状のものの充填される小型コンテナ群と、
該コンテナを搬送するコンテナ搬送ラインと、
製品のうちの大ロットマッシュ状のものを貯蔵し切り出すタンクと、
該大ロットマッシュ状製品をバラで搬送する製品搬送ラインと、
前記タンクから前記原料搬送ラインを通して供給された主原料、副原料、前記中間品搬送ラインを通して供給されたマッシュ状の中間品及び/又は、前記小型コンテナから取り出したバルク状の中間品を加工・配合・包装する処理装置群と、
前記コンテナを収める自動立体倉庫と、
を具備することを特徴とする飼料製造装置。
【請求項11】
前記小型コンテナの容量が1〜2トンであることを特徴とする請求項8〜10いずれか1項記載の飼料製造装置。
【請求項12】
前記配合装置は、
各々計量された前記副原料、中間品又は製品が収容される配合コンテナを含むことを特徴とする請求項8〜11いずれか1項記載の配合飼料製造装置。
【請求項13】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、
各種原料を小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
製品に応じた種類の原料が収容された小型コンテナを前記自動立体倉庫から取り出して、配合ユニットに搬送する工程と、
該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、
配合された製品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
を含むことを特徴とする飼料製造方法。
【請求項14】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、
各種原料を小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
製品に応じた種類の原料が収容された小型コンテナを前記自動立体倉庫から取り出して、配合ユニットに搬送する工程と、
該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、
配合された製品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
該小型コンテナを前記自動立体倉庫から加工ユニットに搬送する工程と、
該加工ユニットにおいて、配合された製品を加工する工程と、
加工された製品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
を含むことを特徴とする飼料製造方法。
【請求項15】
複数種類の原料を受け入れて配合・処理し配合飼料を製造する方法であって、
主原料をタンクに受け入れる工程と、
該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、
該中間品加工された主原料中間品を小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナ自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
副原料を小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
前記中間品が受け入れられた小型コンテナと、前記副原料が受け入れられた小型コンテナと、を前記自動立体倉庫から取り出して配合ユニットに搬送する工程と、
該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、
配合品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
を含むことを特徴とする配合飼料製造方法。
【請求項16】
前記配合品を収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からペレット成形ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、
ペレット加工品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項15記載の配合飼料製造方法。
【請求項17】
前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ、及び、圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、ペレット加工品と圧ペンとをバルキー配合する工程と、
バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送し保管する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項16記載の配合飼料製造方法。
【請求項18】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、
主原料をタンクに受け入れる工程と、
該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、
中間品のうちマッシュ状のものをタンクに受け入れる工程と、
中間品のうちのバルク状のものを小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
副原料をタンクに受け入れる工程と、
マッシュ状の中間品が受け入れられたタンクと、副原料が受け入れられたタンクから、各々マッシュ状の中間品と副原料を切り出して配合ユニットに搬送する工程と、
該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、
配合品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
を含むことを特徴とする配合飼料製造方法。
【請求項19】
前記配合品を収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からペレット成形ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、
ペレット加工製品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項18記載の配合飼料製造方法。
【請求項20】
前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ及び圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、前記ペレット加工品及び圧ペンをバルキー配合する工程と、
バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
を含むことを特徴とする請求項19記載の配合飼料製造方法。
【請求項21】
複数種類の原料を受け入れ配合・処理して配合飼料を製造する方法であって、
主原料をタンクに受け入れる工程と、
該タンクから主原料を切り出して中間品に加工する工程と、
中間品のうちマッシュ状のものタンクに受け入れる工程と、
中間品のうちバルク状のものを小型コンテナに受け入れる工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
副原料をタンクに受け入れる工程と、
マッシュ状の中間品が受け入れられたタンクと、副原料が受け入れられたタンクから、各々マッシュ状の中間品と副原料を切り出して配合ユニットに搬送する工程と、
該配合ユニットにおいて原料を配合する工程と、
配合品のうち、バルク状のもの及び小ロットのマッシュ状のものを小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
配合品のうち、大ロットのマッシュ状のものを製品用タンク及びペレット加工用タンクに受け入れる工程と、
を含むことを特徴とする配合飼料製造方法。
【請求項22】
前記ペレット加工用タンクから配合品を切り出してペレット成形ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、前記配合品をペレット加工する工程と、
ペレット加工品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送し保管する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項21記載の配合飼料製造方法。
【請求項23】
前記ペレット加工品を収容した小型コンテナ及び圧ペンを収容した小型コンテナを前記自動立体倉庫からバルキー配合ユニットに搬送する工程と、
該ユニットにおいて、前記ペレット加工品及び圧ペンをバルキー配合する工程と、
バルキー配合品を小型コンテナに収容する工程と、
該小型コンテナを自動立体倉庫に搬送して保管する工程と、
をさらに含むことを特徴とする請求項22記載の配合飼料製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−44038(P2007−44038A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−187481(P2006−187481)
【出願日】平成18年7月7日(2006.7.7)
【出願人】(000201641)全国農業協同組合連合会 (69)
【出願人】(503193568)JA東日本くみあい飼料株式会社 (2)
【出願人】(596013394)パシフィックサイエンス株式会社 (8)
【Fターム(参考)】