説明

駆動装置、及び画像形成装置

【課題】 駆動ギヤに容易にアクセスすることが可能で、駆動ギヤの破損を防止することができる駆動装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供する。
【解決手段】 2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって、感光体駆動ギヤの回転軸の軸方向両端をそれぞれ支持する感光体駆動装置300で、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との間の隙間を塞ぐカバー部材としての上側カバー310を、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との対向状態を維持したまま着脱可能に設けた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動源からの駆動を被駆動部材に伝達する駆動装置、及びこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、このような駆動装置として、像担持体としての感光体を備え、感光体上にトナー像を形成し、記録体上または中間転写体上に画像を形成する画像形成装置の被駆動部材としての感光体等を駆動する駆動装置がある。
また、駆動装置としては特許文献1に記載の駆動装置のように、モータや複数の駆動ギヤを一体的に組み上げて、駆動ユニットとして画像形成装置本体に取り付けるものがある。特許文献1では、2つのケーシング部材を合わせることで駆動ギヤの周囲全体を覆うように構成された、箱型形状のケーシングを用いた駆動装置が記載されている。駆動ギヤを固定する際はその回転軸を支持する必要があるが、特許文献1の駆動装置では、駆動ギヤの回転軸の両端を2つのケーシング部材によってそれぞれ支持するものであり、この2つのケーシング部材を合わせて箱型形状とすることで駆動ギヤの固定がなされる。
【0003】
特許文献1のように駆動ギヤの周囲全体が覆われた箱型形状のケーシングであると、ギヤの回転位相の調節等のために駆動ギヤにアクセスするためには、画像形成装置本体から駆動装置を取り外し、一方のケーシング部材を他方から取り外して、箱型形状のケーシングを開く必要がある。このように、駆動装置を画像形成装置本体から取り外し、箱型形状のケーシングを開くことは煩雑である。また、2つのケーシングによってそれぞれ駆動ギヤの回転軸の両端を支持しているため、箱型形状のケーシングを開いて作業を行うと、駆動ギヤの回転軸の一端が支持されないフリーの状態となり、駆動ギヤの組み付けが崩れるおそれがある。
【0004】
箱型状のケーシングを用いない構成としては、特許文献2に記載の駆動装置がある。この駆動装置は対向する2つの側板に挟まれる空間に駆動ギヤを配置する構成である。駆動ギヤを固定する際はその回転軸を支持する必要があるが、特許文献2の駆動装置では、駆動ギヤの回転軸の軸方向両端を2つの側板がそれぞれ支持するものである。対向する2つの側板で駆動ギヤの回転軸を支持しているため、駆動ギヤに対して2つの側板を配置した方向を前後とすると、駆動ギヤの上下左右の隙間は開放された状態である。この隙間から駆動ギヤを配置した空間にアクセスすることが可能であるため、箱型形状のケーシングを用いた駆動装置に比べて、容易に駆動ギヤの回転位相の調節などを行うことができる。
【0005】
【特許文献1】特許3407257号公報
【特許文献2】特開2005−10466号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の駆動装置では駆動ギヤの上下左右が開放された状態であるため、紙粉や飛散トナーなどの異物が駆動ギヤを配置した空間に侵入して、駆動ギヤに付着し、駆動ギヤを破損するおそれがあった。
【0007】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、駆動ギヤに容易にアクセスすることが可能で、駆動ギヤの破損を防止することができる駆動装置、及びこれを備えた画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、駆動源と、対向する2つの側板と、該駆動源からの駆動を被駆動部材に伝達する駆動ギヤとを有し、該駆動ギヤを該2つの側板に挟まれる空間内に配置し、該2つの側板で該駆動ギヤの回転軸の軸方向両端をそれぞれ支持する駆動装置において、該2つの側板間の隙間を塞ぐカバー部材を、該2つの側板の対向状態を維持したまま着脱可能に設けたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の駆動装置において、上記カバー部材を、少なくとも上記2つの側板間の上側の隙間を塞ぐように設けたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項1または2の駆動装置において、上記カバー部材は、電気配線を保持する配線保持部材を有することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項3の駆動装置において、上記カバー部材と上記配線保持部材とは一体成型であることを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1、2、3または4の駆動装置において、上記カバー部材を、少なくとも上記2つの側板間の下側の隙間を塞ぐように設けたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項1、2、3、4または5の駆動装置において、上記カバー部材は上記駆動ギヤよりも難燃性が高いことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項6の駆動装置において、上記カバー部材の材料は、金属であることを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項6の駆動装置において、上記カバー部材の材料は、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂であることを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7または8の駆動装置において、上記カバー部材は吸音材を備えていることを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の駆動装置において、上記被駆動部材を備える装置本体に該駆動装置を取り付けたまま、上記カバー部材を取り外すことが可能な構成にしたことを特徴とするものである。
また、請求項11の発明は、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の駆動装置において、上記2つの側板の材料は、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂であることを特徴とするものである。
また、請求項12の発明は、移動する表面にトナー像を形成する像担持体と、像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、該像担持体上に形成された該トナー像を転写体上に転写する転写手段と、該像担持体を駆動する像担持体駆動手段とを有する画像形成装置において、該像担持体駆動手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の駆動装置を用いることを特徴とするものである。
【0009】
上記請求項1乃至12の駆動装置においては、カバー部材は、2つの側板の対向状態を維持したまま着脱可能であるため、駆動ギヤを支持するように対向して配置する2つの側板を離すことなく、カバー部材を取り外すことができる。また、2つの側板間の隙間を塞ぐカバー部材によって、塞いでいる隙間から異物が進入することを防ぎ、異物が駆動ギヤに付着することを防止することができる。
【発明の効果】
【0010】
請求項1乃至12の発明によれば、カバー部材を取り外すことができるので、駆動ギヤに容易にアクセスすることでき、さらに、異物が駆動ギヤに付着することを防止することができるので駆動ギヤの破損を防止することができるという優れた効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を適用した画像形成装置の実施形態の一例として、電子写真方式の複写機(以下、単に複写機100という)について説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置としての複写機100全体の外観斜視図である。本実施形態の画像形成装置は、原稿読取部と画像形成部を備えた複写機の一例であるが、LANケーブルや電話回線と接続することにより、プリンタ、スキャナ、ファクシミリとしても用いることができる。
複写機100では、本体の略中央部に画像形成部としてのプリンタ部22が配置され、そのプリンタ部22の直下に2段の給紙装置23が配置されている。また、プリンタ部22の上部には胴内排紙型と呼ばれる排紙部24が設けられており、その上方に原稿読取部としてのスキャナ部25が配置されている。
また、このスキャナ部25の正面側には、複写機100の複数の機能を操作するための入力手段(スタートキー、テンキー、機能設定キー、リセットキー、クリア/ストップキー等の各種キー)と、各種入力情報や装置の状態を表示する表示手段(液晶表示パネル、あるいは入力手段を兼ねた液晶タッチパネル等)とを有する操作部26が設けられている。
【0012】
図2は、複写機100の概略構成図である。
プリンタ部22の上部のスキャナ部25は、原稿が載置される原稿台であるコンタクトガラス25a、原稿を照明する照明光源25bなどを備えている。さらに、原稿からの反射光を反射する第1ミラー25c、第2ミラー25d、第3ミラー25c、原稿からの反射光を結像する結像レンズ25f、その結像位置に配置され原稿画像を読み取るCCD等の読取手段であるイメージセンサ25g等を備えている。
このスキャナ部25の上には、コンタクトガラス25aに載置された原稿を押さえる圧板、コンタクトガラス25aに原稿を自動給紙する図示しない自動原稿給紙装置(ADF)などが設けられる。
【0013】
複写機100の中央部にはプリンタ部22が設けられており、このプリンタ部22には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための4つの画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kが設けられている。画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの上方には、無端ベルト状の中間転写体である中間転写ベルト37aを有する中間転写ユニット37が配置されており、画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの下側には光書込装置33が設置されている。
【0014】
画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの構成は同じであり、像担持体としての感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kをそれぞれ有している。そして、その回りにはそれぞれ各感光体専用の帯電装置32Y,32C,32M,32K、現像装置34Y,34C,34M,34K、一次転写ローラ35Y,35C,35M,35K、クリーニング装置36Y,36C,36M,36Kが配置されている。
【0015】
光書込装置33は4つの画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kに対して配置され、中央に1つの偏向器を有し、4つの光源からの光束を一つの偏向器で4系統に振り分けて偏向走査し、4つの感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kに潜像を書込むものである。そして、各色毎に用意されたレーザダイオード(LD)方式の4つの光源と、光源から出射されたレーザ光束をコリメートする光学系と、ポリゴンミラー(回転多面鏡)とポリゴンモータから構成される1つの偏向器(ポリゴンスキャナ)と、各光源の光路に配置されたfθレンズ等の走査・結像用のレンズや補正用レンズ、ミラー等からなる光学系とで構成されている。そして、各色の画像情報に応じてレーザダイオードから射出されたレーザ光はポリゴンスキャナにより偏向走査され、各色の感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kに照射される。
【0016】
また、プリンタ部22と排紙部24の間には、各画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kの現像装置34Y,34C,34M,34Kにトナーを補給するためのトナーボトル52Y,52C,52M,52Kが設けられている。各トナーボトル52Y,52C,52M,52Kには、図中左からイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(K)のトナーが充填されている。このトナーボトル52Y,52C,52M,52Kから図示しない搬送経路によって、所定の補給量だけ各色の現像装置34Y,34C,34M,34Kに各色のトナーが補給される。
【0017】
中間転写ユニット37の中間転写ベルト37aは、駆動ローラと従動ローラ及び一次転写ローラに支持されており、図中の矢印の向きに回動される。この中間転写ベルト37aの右側には二次転写ローラ42が設けられている。また、中間転写ベルト37aの左側には、中間転写ベルトクリーニング装置38が設けられている。
【0018】
複写機100の下部の給紙装置23には、記録体としての転写紙Pが収納された2段の第一給紙カセット23a及び第二給紙カセット23bが設置されている。
いずれか一方の給紙カセットから第一給紙部39aまたは第二給紙部39bにより転写紙Pが給紙され、第一搬送ローラ40aまたは第二搬送ローラ40bを介してレジストローラ41に向けて給紙されるようになっている。また、レジストローラ41に給紙された転写紙Pは、所定のタイミングで二次転写ローラ42に向けて送り出される。
【0019】
二次転写ローラ42の上方には、定着ユニット90が設置されている。この定着ユニット90内には、例えば定着ローラ90aと加熱ローラ90bに支持された定着ベルト90cと、定着ベルト90cに圧接する加圧ローラ90dが設けられている。また、定着ユニット90の上方には、排紙部24へ向けて用紙を搬送し排紙する搬送ローラ43や排紙ローラ44が設けられている。さらにその上には、両面プリント時に搬送路を切換える切換え爪45や、スイッチバック式に用紙の向きを反転するための反転搬送ローラ46及び反転搬送路47が設けられている。この反転搬送路47に一時的にスタックされた用紙は、反転搬送ローラ46で向きを反転されて、両面用搬送路を第一両面搬送ローラ48、及び第二両面搬送ローラ49により搬送され、レジストローラ41に再給紙される。
【0020】
次にこの画像形成装置の動作について説明する。コピーを行うときは、圧版を開いてスキャナ部25のコンタクトガラス25a上に原稿をセットするか、あるいは図示しないADFの原稿台に原稿をセットする。
そして、操作部26のスタートスイッチを押すと、ADFに原稿をセットしたときは、原稿を搬送してコンタクトガラス25a上へと移動した後にスキャナ部25を駆動する。他方、コンタクトガラス25a上に原稿をセットしたときは、直ちにスキャナ部25を駆動する。そして、光源25bと第1ミラー25cを有する第1走行体、および第2ミラー25dと第3ミラー25eを保持する第2走行体を走行する。そして、光源25bから光を放射し、原稿面からの反射光を第1ミラー25cで反射して第2走行体に向け、第2走行体の第2ミラー25d、第3ミラー25eで反射して結像レンズ25fを通してイメージセンサ25gに入れ、イメージセンサ25gで原稿内容を読み取る。その後、操作部26でのモード設定、あるいは操作部で自動モード選択が設定されている場合には原稿の読み取り結果に従い、フルカラーモードまたは白黒モードで画像形成動作を開始する。
【0021】
プリンタ部22では、まず、帯電装置32Y,32C,32M,32Kによって各感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kが一様に帯電される。その後、感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kは、4つのレーザ光源と共通の偏向器と4系統の走査光学系を有する光書込装置33によりレーザ光にて露光走査され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上に静電潜像が作られる。
各静電潜像は、それぞれ各色の現像装置34Y,34C,34M,34Kにより現像され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kの表面にイエロー、シアン、マゼンタ、ブラックのトナー像がそれぞれ形成される。
【0022】
次に一次転写ローラ35Y,35C,35M,35Kに一次転写電圧が印加され、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上のトナーが、中間転写ベルト37a上に順次転写されていく。この時、各色の作像動作は、そのトナー像が中間転写ベルト37aの同じ位置に重ねて転写されるように、上流側から下流側に向けてタイミングをずらして実行される。
【0023】
上述の一次転写動作にタイミングを合わせて、給紙装置23の第一給紙カセット23a、第二給紙カセット23bいずれかから記録材としての転写紙Pが第一給紙部39a、第二給紙部39bで給紙される。または、手差し用テーブル29から給紙ローラ50で給紙される。転写紙Pの先端がレジストローラ41まで到達すると図示しなセンサによって検知され、この検出信号でタイミングを取りながら、レジストローラ41によって転写紙Pが二次転写ローラ42と中間転写ベルト37aの間の2次転写ニップ部に搬送される。
そして中間転写ベルト37a上に形成された画像は、二次転写ローラ42の位置まで搬送され、転写紙Pに一括して二次転写される。画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット90に搬送されて熱と圧力により画像が定着され、搬送ローラ43で排紙部24に向けて搬送され、排紙ローラ44で排紙される。これにより転写紙P上にカラー画像を得ることができる。
【0024】
また、操作部26で両面モードが選択され、両面コピーを行うときには、切換え爪45で搬送路を切換え、定着済みの転写紙Pを反転搬送路47に一時的にスタックした後、反転搬送ローラ46でスイッチバック式に進行方向を反転する。そして、画像形成動作にタイミングを合わせて、両面用搬送路を第一両面搬送ローラ48及び第二両面搬送ローラ49により搬送し、レジストローラ41に再給紙する。そして、レジストローラ41で再び二次転写部に給紙し、転写紙Pの裏面側に画像を転写する。裏面側にも画像が転写された転写紙Pは、定着ユニット90に搬送されて熱と圧力により画像が定着され、搬送ローラ43で排紙部24に向けて搬送され、排紙ローラ44で排紙される。これにより転写紙Pの両面にカラー画像を得ることができる。
【0025】
なお、感光体ドラム31Y,31C,31M,31K上の残留トナーは、それぞれのクリーニング装置36Y,36C,36M,36Kでクリーニングされる。その後、直流に交流成分のバイアスが重畳印加された帯電装置32Y,32C,32M,32Kによって除電と同時に帯電され、次の作像に備える。
また、中間転写ベルト37a上の残留トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置38によってクリーニングされ、次の作像工程に備える。
【0026】
以上、画像形成装置の内部構成の一例を示したが、本発明に係る画像形成装置は上記の構成に限るものではない。すなわち、図2の例ではタンデム方式の画像形成部を示したが、これに代えて、1つの感光体と複数の現像装置及び中間転写体を備える構成(所謂1ドラム−中間転写方式)のカラー画像形成部としてもよい。また、単色画像のみを形成するモノクロ式の画像形成部としてもよい。
また、図1の示す複写機100ではスキャナ部25を備えた構成を例示したが、スキャナ部25を外せば、プリンタの構成となる。
【0027】
次に、複写機100の組み付けについて説明する。
図1に示す複写機100では、プリンタ部22と給紙装置23が設置される装置本体には、外装の内部に図3に示すような構造からなる本体フレーム200を備えている。なお、図1及び図3において、図中の矢印Aの側が装置前側、矢印Bの側が装置後側、矢印Cの側が装置左側、矢印Dの側が装置右側である。
本体フレーム200は、金属製のベース203や鋼板製の本体前側板201、本体後側板202、フレーム、締結部材(ネジ、ボルト、ナット、等)などで構成されている。また、装置の外装は、外装カバーや前開閉扉27、横開閉扉28等の部材で構成されており、外装カバーや前開閉扉27、横開閉扉28等の部材は、プラスチックを用いた樹脂成型によって形成されている。この外装の前開閉扉27は外装カバーに対して開閉可能に設けられ、トナーボトルの交換や画像形成部の保守、メンテンナンス時に作業が容易になるようになっている。また、外装の右側の横開閉扉28は、定着ユニット90の着脱や、転写紙Pの紙詰まり時の除去処理等の作業がし易いように設けられている。なお、横開閉扉28には、手差し用の給紙テーブル29が開閉可能に設けられている。
【0028】
次に、回転体駆動装置としての感光体駆動装置300の本体フレーム200に対する組み付けについて説明する。
図4は、感光体駆動装置300の本体フレーム200に対する組付けの説明図である。図4(a)は、感光体駆動装置300を組み付ける前の感光体駆動装置300と本体フレーム200との斜視図であり図4(b)は、感光体駆動装置300を組み付けた状態の感光体駆動装置300と本体フレーム200との斜視図である。
図4(a)に示すように、感光体駆動装置300は、本体フレーム200の対して図中矢印B方向から組み付けられ、図4(b)に示すように本体後側板202に固定される。
【0029】
次に感光体駆動装置300について説明する。
図5は、感光体駆動装置300の斜視図である。図6は、感光体駆動装置300を画像形成ユニット30Y,30M,30C,30Kに接続した状態の斜視図である。
感光体駆動装置300は各色の回転体である感光体ドラム31Y,31C,31M,31Kに駆動を伝達する回転体駆動ギヤとしての感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを備えている。この感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを挟むようにして転体駆動軸支持板としての駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを備えている。感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kの回転軸である駆動ギヤ回転軸6Y,6C,6M,6Kの駆動装置後側板302側の端部は駆動装置後側板302を貫通し、駆動装置後側板302の外側から視認することができる。また、駆動ギヤ回転軸6Y,6C,6M,6Kを駆動装置後側板302に対して回転可能に支持する駆動ギヤ軸受けとしての軸受け7Y,7C,7M,7Kや、軸受け7Y,7C,7M,7Kを保持し、駆動装置後側板302に対する位置を固定する軸受け保持部材8Y,8C,8M,8Kを備えている。
駆動装置後側板302の外側には、ブラック(K)の画像を担持する感光体ドラム31Yの感光体駆動ギヤ1Kに駆動を伝達する駆動源としての第一感光体駆動モータ3を備えている。さらに、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)のそれぞれ画像を担持する感光体ドラム31Y,31C,31Mの感光体駆動ギヤ1Y,1C,1Mに駆動を伝達する駆動源としての第二感光体駆動モータ4を備えている。
【0030】
図7は、感光体駆動装置300の上面図である。
図5及び図7に示すように、感光体駆動装置300は、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを含む、駆動ギヤ列を挟み込んで構成されている。
この感光体駆動装置300の特徴として以下のことが挙げられる。
まず、感光体駆動装置300を駆動ユニットとして、複写機100本体とは独立して扱うことが可能であり、駆動ユニットとしての評価を容易に行うことができる。ここで、駆動ユニットとしての評価とは、単体にて行う評価はモータの回転ムラの評価である。駆動ユニットを複写機に取り付けた状態であると駆動ユニットを一度組んで測定を行いもう一度取り外すという作業が入ってしまい、実際の測定以外の時間が余分にかかってしまう。
さらに、感光体駆動装置300が備える感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを含める駆動ギヤ列の上下左右の駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との隙間は、何も覆われておらず、開放された状態である。この隙間から感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを配置した空間にアクセスすることが可能であるため、箱型形状のケーシングを用いた駆動装置に比べて、容易に感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kの回転位相の調節などを行うことができる。
【0031】
しかし、複写機100に感光体駆動装置300を取り付け、複写機100で画像形成動作を行うため、感光体駆動装置300を駆動させるときに、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kの上下左右が開放された状態であると、次のような問題が生じる。すなわち、画像形成動作で生じる紙粉や飛散トナーなどの異物が感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを配置した空間に侵入して、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kに付着し、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを破損するおそれがある。
【0032】
また、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kとしては、色ズレを防止するために高い加工精度と高い耐久性とが求められる。その材料としては、POM(ポリオキシメチレン)、PBS(ポリブチレンサクシネート)、ABS(アクリロニトリル ブタジエン スチレン)等の樹脂を用いることができる。これらの樹脂の中でも製造コストの面から、UL燃焼試験法でUL94規格のHBの条件を満たす程度の樹脂(以下、HB材と呼ぶ。)を使用する。本実施形態の感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kとしては、POM(ポリオキシメチレン)樹脂のHB材を使用している。
駆動ギヤ列の上下左右が開放された駆動装置では、画像形成装置内で発火が起こった際に駆動ギヤ列を配置した空間に火が入り込んでしまう場合がある。そして、比較的難燃性の低いHB材からなる駆動ギヤを用いていると、入り込んだ火が、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kに簡単に伝わって、燃えてしまうおそれがある。
【0033】
図8は、感光体駆動装置300を取り付けた状態の本体後側板202の拡大説明図である。
図8に示すように感光体駆動装置300の上方には、火元となる可能性があるクラッチ220とモータ210とが配置されている。この火元となり得る部材から発火が起こった際に、駆動ギヤ列の上下左右が開放されていると、感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを配置した空間に火が入り込みギヤに燃え移ってしまう危険性がある。さらに、感光体駆動装置300の下に燃え広がる恐れもある。
【0034】
本実施形態の感光体駆動装置300では、異物が駆動ギヤ列を配置した空間に侵入することを防止し、且つ、万一の火災の際に火が駆動ギヤ列に燃え広がることを防止するために、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との対抗状態を維持したまま着脱可能なカバー部材を備えている。なお、特許文献1の従来技術として2つの側板に挟まれる空間に駆動ギヤを配置する構成が記載されており、駆動ギヤにハーネスなどが噛み込むことを防止する保護カバーなどを必要とする旨の記載があるが、具体的にどのような保護カバーを設けるかについては記載されていない。
【0035】
図9は、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との上側の隙間を塞ぐカバー部材を設ける感光体駆動装置300の説明図である。図9(a)は、カバー部材である上側カバー310と感光体駆動装置300とがばらばらの状態の説明図であり、図9(b)は、上側カバー310を感光体駆動装置300に固定した状態の説明図である。
図9(a)に示す状態から、図中矢印E方向に上側カバー310を垂直に降ろしていき、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とに取り付け、ネジで締結することで、図9(b)の状態になる。
【0036】
図9(a)に示すように、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを組み立てた状態で、2つの側板の上端部の隙間を塞ぐように上側カバー310を取り付けるものである。よって、感光体駆動ギヤ1を支持するように対向して配置する駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを離すことなく、上側カバー310を容易に取り外すことができ、駆動ギヤ列に容易にアクセスすることできる。
また、図9(b)に示すように、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって構成される感光体駆動装置300の上側の隙間を上側カバー310で覆っている。これにより、感光体駆動装置300の上側から異物が進入することを防止することができ、異物が感光体駆動ギヤ1を含む駆動ギヤ列に付着することを防止することができる。よって、駆動ギヤ列の破損を防止することができる。
さらに、感光体駆動装置300の上側の隙間を上側カバー310で覆っていることにより、万一の火災が発生したときに、感光体駆動装置300の上方から内部に火が入り込み、駆動ギヤ列に火が燃え移ることを防止することができる。
【0037】
また、上側カバー310のネジ止め部310aは、感光体駆動装置300に対して駆動装置後側板302側にのみ設けるようにする。感光体駆動装置300の正面、すなわち図5中矢印B方向からのみネジ止めすることにより、感光体駆動装置300を複写機100本体に取り付けた状態でも感光体駆動装置300をはずすことなく、上側カバー310の取り付け取り外しすることが可能となる。これにより、より簡単に駆動ギヤ列にアクセスすることができる。
【0038】
図10は、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との下端部の隙間を塞ぐカバー部材を設ける感光体駆動装置300の説明図である。図10(a)は、カバー部材である下側カバー311と感光体駆動装置300とがばらばらの状態の説明図であり、図10(b)は、下側カバー311を感光体駆動装置300に固定した状態の説明図である。
図10(a)に示す状態から、図中矢印F方向に下側カバー311を垂直に上げていき、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とに取り付け、ネジで締結することで、図10(b)の状態になる。
【0039】
図10(a)に示すように、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを組み立てた状態で、2つの側板の下端部の隙間を塞ぐように下側カバー311を取り付けるものである。よって、駆動ギヤ列を支持するように対向して配置する駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを離すことなく、下側カバー311を容易に取り外すことができ、駆動ギヤ列に容易にアクセスすることできる。
また、図10(b)に示すように、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって構成される感光体駆動装置300の下側の隙間を下側カバー311で覆っている。これにより、感光体駆動装置300の下側から異物が進入することを防止することができ、異物が駆動ギヤ列に付着することを防止することができる。よって、駆動ギヤ列の破損を防止することができる。
さらに、感光体駆動装置300の下側の隙間を下側カバー311で覆っていることにより、万一の火災が発生し、駆動ギヤ列に火が燃え移ったとしても、さらに感光体駆動装置300の下方に燃え広がることのを防ぐことができる。
【0040】
図9及び図10を用いて説明した感光体駆動装置300のカバー部材として、難燃性の高い材料からなるカバーを用いることにより、複写機100内で発火が起こった際に感光体駆動装置300へ与える被害を最小限に押さえることができる。
【0041】
難燃性の高い材料としては、金属を用いることができる。カバー部材の材質を金属にすることで、複写機100内で発火が起こった際の火が入り込むのを防ぐことができる。さらに、もし火が入り込み感光体駆動装置300内の駆動ギヤ列に燃え移ったとしても、さらに感光体駆動装置300の下に燃え広がるのを防ぐことが可能となる。このように、感光体駆動装置300内に燃えやすいものがあったとしても、金属製のカバー部材により、火が広がることを抑制することができるので、駆動ギヤ列の材質として、精度はでやすいが難燃性の弱いHB材を使用することができる。
【0042】
また、難燃性の高い材料としては、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂を用いることができる。カバー部材の材質をV−1の条件を満たす樹脂にすることで、複写機100内で発火が起こった際の火が入り込むのを防ぐことができる。さらに、もし火が入り込み感光体駆動装置300内の駆動ギヤ列に燃え移ったとしても、さらに感光体駆動装置300の下に燃え広がるのを防ぐことが可能となる。このように、感光体駆動装置300内に燃えやすいものがあったとしても、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂製のカバー部材により、火が広がることを抑制することができる。よって、駆動ギヤ列の材質として、精度はでやすいが難燃性の弱いHB材を使用することができる。
【0043】
また、感光体駆動装置300において駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との両方の材質を難燃性の高い材料を用いるようにしてもよい。具体的には、金属やUL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂を用いることができる。これにより、複写機100内で発火が起こった際の火が感光体駆動装置300に燃え移ることを防ぐことが可能になるので、駆動ギヤ列の材質に精度はでやすいが難燃性の低いHB材を使用することができる。
【0044】
なお、2つの側板構成の感光体駆動装置300では感光体駆動ギヤ1Y,1C,1M,1Kを含むギヤ列を駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とで挟んでいるために、複写機100本体に取り付けた際の上下左右はなにも覆われていない状態である。これにより、複写機100本体に対して、感光体駆動装置300よりも上方に配置されているトナー補給ユニットなどから出ている電気配線を束ねたハーネスが感光体駆動装置300のギヤに接触してしまう危険性があった。
【0045】
このような不具合の発生を防止するために、感光体駆動装置300では、感光体駆動装置300が備える駆動源としての第一感光体駆動モータ3と第二感光体駆動モータ4とに複写機100本体側から電流を供給する配線等を束ねたハーネスを保持する機能をカバー部材に持たせている。
図11は、上側カバー310が電気配線を保持する配線保持部材を備える構成の説明図である。図11の上側カバー310の挿入口部317にハーネスクランプ315を取り付けたり、上側カバー310の凹み部318にサドルエッジ316を取り付けたりすることことで上側カバー310に電気配線を束ねたハーネスを保持する機能を持たせることができる。ここで、ハーネスクランプ315とサドルエッジ316とは、配線保持部材としてのハーネス保持部材である。上側カバー310にハーネス保持機能を持たせることで、感光体駆動装置300内から外に出すハーネスや感光体駆動装置300の外にあるハーネスを保持することができ、ハーネスが感光体駆動ギヤ1やモータに接触することを防ぐことができる。
【0046】
また、複数のハーネスをバインドでまとめて、サドルエッジ316やハーネスクランプ315等のハーネス保持部材に固定することにより、ハーネスの差込口が近い場合の誤挿入を防止するための長さ規制も同時に行うことができる。これは以下の理由による。ハーネス保持部材がない場合は、差込口までの位置にあわせてハーネス毎に長さを異ならせても、ハーネスの経路が定まらないため、短いハーネスが長いハーネス用の差込口まで届いてしまい誤挿入となるおそれがあった。一方、ハーネス保持部材を備え、ハーネス保持部材からの距離と差込口までの距離にあわせてハーネス毎の長さを異ならせることで、短いハーネスが長いハーネス用の差込口まで届くことがなく、誤挿入を防止することができる。
なお、ハーネス保持機能は上側カバー310に持たせるものに限らず、下側カバー311に持たせても良い。
【0047】
なお、ハーネス保持機能を備えた上側カバー310としては、図11のように、上側カバー310とハーネス保持部材とを別部材として用いるものに限らず、上側カバー310とハーネス保持部材とを一体で形成しても良い。
図12は、ハーネス保持部材を一体的に形成した上側カバー310の説明図である。図12に示す上側カバー310は、ハーネス保持部材であるハーネスガイド320を一体的に備えている。このように上側カバー310にハーネスガイド320を直接つけることでハーネスが感光体駆動装置300内の感光体駆動ギヤ1やモータにふれることを防ぐことができる。また、ハーネス保持部材とガイド部材とを一体的に形成しているので、部品点数を削減することができる。
【0048】
また、カバー部材に吸音部材を設けても良い。
図13は、上側カバー310に吸音材を設ける構成の説明図である。図13(a)上側カバー310と吸音材319とがばらばらの状態の説明図であり、図13(b)は、上側カバー310に吸音材319を固定した状態の正面説明図であり、図13(c)は、上側カバー310に吸音材319を固定した状態の側面説明図である。
図13(a)に示す状態から、上側カバー310に対して、矢印Gの向きに吸音材319を垂直に上げていき、両面テープやネジなどを使って締結した状態が図13(b)や図13(c)である。
駆動ユニット内には様々なギヤが存在しておりそれぞれ駆動中に騒音を発生する。図13に示すように上側カバー310に吸音材319を取り付けることで、感光体駆動装置300内で発生する騒音を外に漏れにくくすることができる。
なお、上側カバー310に吸音材を設けるものに限らず下側カバー311に吸音材を持たせても良く、また上側カバー310と下側カバー311との両方に吸音材を持たせても良い。
また、本実施形態では、駆動装置として感光体駆動装置300について説明した。2つの側板に挟まれる空間内に駆動ギヤ列を配置する駆動装置であれば、感光体以外の回転体を駆動する駆動装置にも側板の端部の隙間を塞ぐようにカバー部材を設けることができる。
【0049】
以上、本実施形態によれば、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって、感光体駆動ギヤ1の回転軸の軸方向両端をそれぞれ支持する感光体駆動装置300で、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との上側の隙間を塞ぐカバー部材としての上側カバー310を、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301との対向状態を維持したまま着脱可能に設けている。そして、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを組み立てた状態で、2つの側板の上端部の隙間を覆うように上側カバー310を取り付けるものである。これにより、感光体駆動ギヤ1を支持するように対向して配置する駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを離すことなく、上側カバー310を容易に取り外すことができ、駆動ギヤ列に容易にアクセスすることできる。なお、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって構成される感光体駆動装置300の上側の隙間を上側カバー310で覆っている。これにより、感光体駆動装置300の上側から異物が進入することを防止することができ、異物が駆動ギヤ列に付着することを防止することができる。よって、駆動ギヤ列の破損を防止することができる。さらに、感光体駆動装置300の上側の隙間を上側カバー310で覆っていることにより、万一の火災が発生したときに、感光体駆動装置300の上方から内部に火が入り込み、駆動ギヤ列に火が燃え移ることを防止することができる。
また、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを組み立てた状態で、2つの側板の下端部の隙間を覆うように下側カバー311を取り付けている。よって、感光体駆動ギヤ1を支持するように対向して配置する駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とを離すことなく、下側カバー311を容易に取り外すことができ、駆動ギヤ列に容易にアクセスすることできる。なお、2つの側板である駆動装置後側板302と駆動装置前側板301とによって構成される感光体駆動装置300の下側の隙間を下側カバー311で覆っている。これにより、感光体駆動装置300の下側から異物が進入することを防止することができ、異物が駆動ギヤ列に付着することを防止することができる。よって、駆動ギヤ列の破損を防止することができる。さらに、感光体駆動装置300の下側の隙間を下側カバー311で覆っていることにより、万一の火災が発生し、駆動ギヤ列に火が燃え移ったとしても、さらに感光体駆動装置300の下方に燃え広がることのを防ぐことができる。
また、感光体駆動装置300の上側カバー310にハーネスクランプ315やサドルエッジ316といったハーネス保持部材を設けることで、ハーネス保持を行いハーネスが感光体駆動ギヤ1やモータに接触することを防ぐことを可能にしている。さらにハーネスにバインドを付けることでハーネスの差込口が近い時に起こる誤挿入の防止のための長さ規制も同時に行うことができる。
また、感光体駆動装置300のカバー部材の材質を、駆動ギヤ列よりも難燃性が高い金属にすることで、複写機100内で発火が起こった際の火が感光体駆動装置300に入り込むのを防ぐことができる。さらに、もし火が感光体駆動装置300に入り込み駆動ギヤ列に燃え移ったとしても、感光体駆動装置300のさらに下に燃え広がるのを防ぐことが可能になる。これにより、感光体駆動装置300の外側で、駆動ギヤ列に火が燃え移りにくく、さらに、駆動ギヤ列に火がついたとしても、その火が他の部材に燃え移りにくくしているので、駆動ギヤ列の材質に精度はでやすいが難燃性の低いHB材を使用することができる。
また、感光体駆動装置300のカバー部材の材質を、駆動ギヤ列よりも難燃性がUL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂にすることで、複写機100内で発火が起こった際の火が感光体駆動装置300に入り込むのを防ぐことができる。さらに、もし火が感光体駆動装置300に入り込み、駆動ギヤ列に燃え移ったとしても、感光体駆動装置300のさらに下に燃え広がるのを防ぐことが可能になる。これにより、感光体駆動装置300の外側で、駆動ギヤ列に火が燃え移りにくく、さらに、駆動ギヤ列に火がついたとしても、その火が他の部材に燃え移りにくくしているので、駆動ギヤ列の材質に精度はでやすいが難燃性の低いHB材を使用することができる。
また、上側カバー310を設けることで外に音を漏れにくくしており、さらに上側カバー310の内側に吸音材319を取り付けることでさらに効果をあげることが可能になる。これにより、複写機100を動かした際の騒音を低下することができ複写機100の使用者がより快適に使用できるようになる。
また、感光体駆動装置300の正面側にのみネジ止め部310aを設け、ネジ止めすることにより、感光体駆動装置300を複写機100本体に取り付けた状態でも、感光体駆動装置300を本体後側板202からはずすことなく、上側カバー310の取り付け取り外しすることが可能となる。これにより、より簡単に駆動ギヤ列にアクセスすることができるようになる。
また、感光体駆動装置300の上側カバー310の材質をモールドとし、ハーネス保持部材であるハーネスガイド320を一体的に備え、直接ハーネスガイドの機能を持たせることで、ハーネスがギヤやモータに接触することを防ぐとともに、部品点数を削減することができる。さらにハーネスにバインドを付けることでハーネスの差込口が近い時に起こる誤挿入の防止のための長さ規制も同時に行うことができる。
また、駆動装置後側板302と駆動装置前側板301の材料として、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1を満たす樹脂を用いることにより、複写機100内で発火が起こった際の火が感光体駆動装置300に燃え移ることを防ぐことが可能になり、駆動ギヤ列の材質に精度はでやすいが難燃性の低いHB材を使用することができる。
また、画像形成装置としての複写機100の感光体駆動手段として、感光体駆動装置300を用いることにより、駆動ギヤ列に容易にアクセスができることで駆動手段の調節が容易であり、駆動ギヤの破損を防止することにより色ずれのない安定した画像形成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】実施形態にかかる複写機の外観斜視図。
【図2】同複写機の概略構成図。
【図3】同複写機の構造体の斜視図。
【図4】感光体駆動装置の本体フレームに対する組付けの説明図、(a)は、感光体駆動装置を組み付ける前の感光体駆動装置と本体フレームとの斜視図、(b)は、感光体駆動装置を組み付けた状態の感光体駆動装置と本体フレームとの斜視図。
【図5】感光体駆動装置の斜視図。
【図6】感光体駆動装置を画像形成ユニットに接続した状態の斜視図。
【図7】感光体駆動装置の上面図。
【図8】感光体駆動装置を取り付けた状態の本体後側板の拡大説明図。
【図9】駆動装置後側板と駆動装置前側板との上端部の隙間を覆う上側カバーを設ける感光体駆動装置の説明図、(a)は、上側カバーと感光体駆動装置とがばらばらの状態の説明図、(b)は、上側カバーを感光体駆動装置に固定した状態の説明図。
【図10】駆動装置後側板と駆動装置前側板との下端部の隙間を覆う下側カバーを設ける感光体駆動装置の説明図、(a)は、下側カバーと感光体駆動装置とがばらばらの状態の説明図、(b)は、下側カバーを感光体駆動装置に固定した状態の説明図。
【図11】上側カバーにハーネス保持機能を持たせる構成の説明図。
【図12】ハーネス保持部材を一体的に形成した上側カバーの説明図。
【図13】上側カバーに吸音材を設ける構成の説明図。
【符号の説明】
【0051】
1 感光体駆動ギヤ
3 第一感光体駆動モータ
4 第二感光体駆動モータ
6 駆動ギヤ回転軸
7 軸受け
8 軸受け保持部材
22 プリンタ部
23 給紙装置
24 排紙部
30 画像形成ユニット
31 感光体ドラム
32 帯電装置
33 光書込装置
34 現像装置
37a 中間転写ベルト
100 複写機
200 本体フレーム
201 本体前側板
202 本体後側板
300 感光体駆動装置
301 駆動装置前側板
302 駆動装置後側板
310 上側カバー
311 下側カバー
315 ハーネスクランプ
316 サドルエッジ
317 挿入口部
318 凹み部
319 吸音材
320 ハーネスガイド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、
対向する2つの側板と、
該駆動源からの駆動を被駆動部材に伝達する駆動ギヤとを有し、
該駆動ギヤを該2つの側板に挟まれる空間内に配置し、該2つの側板で該駆動ギヤの回転軸の軸方向両端をそれぞれ支持する駆動装置において、
該2つの側板間の隙間を塞ぐカバー部材を、該2つの側板の対向状態を維持したまま着脱可能に設けたことを特徴とする駆動装置。
【請求項2】
請求項1の駆動装置において、
上記カバー部材を、少なくとも上記2つの側板間の上側の隙間を塞ぐように設けたことを特徴とする駆動装置。
【請求項3】
請求項1または2の駆動装置において、
上記カバー部材は、電気配線を保持する配線保持部材を有することを特徴とする駆動装置。
【請求項4】
請求項3の駆動装置において、
上記カバー部材と上記配線保持部材とは一体成型であることを特徴とする駆動装置。
【請求項5】
請求項1、2、3または4の駆動装置において、
上記カバー部材を、少なくとも上記2つの側板間の下側の隙間を塞ぐように設けたことを特徴とする駆動装置。
【請求項6】
請求項1、2、3、4または5の駆動装置において、
上記カバー部材は上記駆動ギヤよりも難燃性が高いことを特徴とする駆動装置。
【請求項7】
請求項6の駆動装置において、
上記カバー部材の材料は、金属であることを特徴とする駆動装置。
【請求項8】
請求項6の駆動装置において、
上記カバー部材の材料は、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂であることを特徴とする駆動装置。
【請求項9】
請求項1、2、3、4、5、6、7または8の駆動装置において、
上記カバー部材は吸音材を備えていることを特徴とする駆動装置。
【請求項10】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9の駆動装置において、
上記被駆動部材を備える装置本体に該駆動装置を取り付けたまま、上記カバー部材を取り外すことが可能な構成にしたことを特徴とする駆動装置。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9または10の駆動装置において、
上記2つの側板の材料は、UL燃焼試験法でUL94規格のV−1の条件を満たす樹脂であることを特徴とする駆動装置。
【請求項12】
移動する表面にトナー像を形成する像担持体と、
像担持体上にトナー像を形成する画像形成手段と、
該像担持体上に形成された該トナー像を転写体上に転写する転写手段と、
該像担持体を駆動する像担持体駆動手段とを有する画像形成装置において、
該像担持体駆動手段として、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11の駆動装置を用いることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図4】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−155072(P2007−155072A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354148(P2005−354148)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】