説明

駐車場情報提供装置

【課題】電気自動車に対する充電料金をも加味した駐車場の選択支援を行い得る「駐車場情報提供装置」を提供することである。
【解決手段】検索条件に従って駐車場を検索する駐車場検索手段(S3)と、該検索にて得られた各駐車場に対応づけられ、当該駐車場での駐車料金についての情報及び車両充電料金についての情報を含む駐車場付加情報を取得する付加情報取得手段(S6)と、前記駐車場付加情報に基づいて前記駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金とその経過時間にてなされ得る車両充電に対する充電料金とに関する料金情報を生成する料金情報生成手段(S9、S20)と、前記料金情報を前記表示部に表示させる表示制御手段(S20)とを有する構成となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車場に関する情報を車両乗員などの利用者に提供するための駐車場情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車載カーナビゲーションの機能として実現される駐車場検索システムが提案されている。例えば、特許文献1に記載される駐車場検索システムは、目的地が指定されると、その目的地の周辺に存在する空きスペースのある(検索条件)駐車場を検索し、その検索にて得られた駐車場についての情報を乗員に提供するようになっている。また、例えば、特許文献2に記載される駐車場検索システムは、検索エリア(検索条件)が指定されると、その検索エリア内に存在する駐車場を検索する。そして、その検索にて得られた各駐車場を表すマーク「P」が表示画面の地図上に表示されるとともに、各駐車場に対応して駐車料金(料金/単位時間)や目的地からの距離などを表す駐車場データが表示される。
【0003】
このような駐車場検索システムを利用する車両の乗員は、駐車料金、目的地からの距離、空きスペースの状態等の当該駐車場検索システムから提供される駐車場に関する種々の情報に基づいて、自車を駐車させるべき駐車場を決めることができる。例えば、料金のできるだけ安い駐車場を求める乗員は、提供される各駐車場の駐車料金についての情報に基づいて自車を駐車させるべき駐車場を決めることができる。また、雨の日などで、目的地から最も近い駐車場を求める乗員は、提供される各駐車場の目的地からの距離に基づいて自車を駐車させるべき駐車場を決めることができる。
【0004】
ところで、電気自動車の普及により必要となる充電設備を備えた駐車場が提案されている(特許文献3、特許文献4参照)。このような駐車場では、駐車中に充電した場合には、その充電料金が課金される。電気自動車を運転する乗員にとって、自車を駐車させるべき駐車場を決める場合に、駐車料金とともに車両充電料金についても考慮することができることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−92586号公報
【特許文献2】特開2002−310685号公報
【特許文献3】特開2001−312772号公報
【特許文献4】特開2001−359203号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述した駐車場に関する情報を提供して利用者に対する駐車場の選択支援を行う駐車場検索システムは、駐車場の位置や駐車料金についての情報は利用者に提供することができるものの、充電料金については全く考慮されていない。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、電気自動車に対する充電料金をも加味した駐車場の選択支援を行い得る駐車場情報提供装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る駐車場情報提供装置は、表示部と処理部とを有する駐車場情報提供装置であって、前記処理部は、検索条件に従って駐車場を検索する駐車場検索手段と、該検索にて得られた各駐車場に対応づけられ、当該駐車場での駐車料金についての情報及び車両充電料金についての情報を含む駐車場付加情報を取得する付加情報取得手段と、前記駐車場付加情報に基づいて前記駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金とその経過時間にてなされ得る車両充電に対する充電料金とに関する料金情報を生成する料金情報生成手段と、前記料金情報を前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する構成となる。
【0009】
このような構成により、検索により得られた各駐車場について、当該駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金とその経過時間にてなされ得る車両充電に対する充電料金とに関する料金情報が表示部に表示されるようになるので、表示部に表示される料金情報を見た利用者は、検索により得られた駐車場における電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対応する駐車料金と充電料金とに関する情報を知ることができるようになる。
【0010】
前記駐車料金と充電料金とに関する料金情報は、駐車料金と充電料金とを個別に表す情報であっても、それらの料金から得られる他の料金の情報であってもよい。例えば、前記料金情報は、当該電気自動車が駐車場に入庫してからの経過時間に対応する駐車料金及び充電料金の総和を表す情報を含むことができる。この場合、表示部に表示される料金情報を見た利用者は、検索により得られた駐車場における電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対応する駐車料金及び充電料金の総和を自分で加算演算することなく知ることができる。これにより、利用者は、手間をかけることなく駐車料金及び充電料金の総合的な料金に基づいて自車を駐車させるべき駐車場を判断することができるようになる。
【0011】
また、本発明に係る駐車場情報提供装置において、前記料金情報は、当該電気自動車が駐車場に入庫してからの経過時間に応じた前記駐車料金及び前記充電料金の推移を表す情報を含むことができる。
【0012】
このような構成により、表示部に表示される料金情報を見た利用者は、電気自動車が駐車場に入庫してからの経過時間に応じた駐車料金及び充電料金の推移を知ることができる。これにより、電気自動車を駐車場に入庫してからの経過時間に従って推移する駐車料金及び充電料金に基づいて、検索された各駐車場の料金的に有利な駐車時間(入庫からの経過時間)を判断することができるようになる。
【0013】
更に、本発明に係る駐車場情報提供装置において、経過時間を設定するための経過時間設定手段を有し、前記料金情報生成手段は、前記設定された設定時間に対応する前記駐車料金と前記充電料金とに関する料金情報を生成するように構成することができる。
【0014】
このような構成により、設定された経過時間に対応する駐車料金と充電料金とに関する料金情報が表示部に表示されるようになるので、利用者は、希望する駐車時間(入庫からの経過時間)を設定することにより、表示部に表示される料金情報から、検索にて得られた駐車場における前記設定された駐車時間に対応する駐車料金と充電料金とに関する情報を知ることができるようになる。これにより、利用者は、自分の希望する駐車時間に対応した駐車料金と充電料金とに関する情報に基づいて駐車すべき駐車場を判断することができるようになる。
【0015】
また、本発明に係る駐車場情報提供装置において、前記処理部は、電気自動車が入庫してからの経過時間にてなされ得る車両充電により当該電気自動車で利用可能な電気量を表す電気量情報を生成する電気量情報生成手段を有し、前記表示制御手段は、前記電気量情報を前記料金情報とともに前記表示部に表示させるように構成することができる。
【0016】
このような構成により、検索により得られた各駐車場について、当該駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金とその経過時間にてなされ得る車両充電に対する充電料金とに関する料金情報とともに、その経過時間にてなされる車両充電により当該電気自動車で利用可能な電気量を表す電気量情報が表示部に表示されるようになるので、表示部に表示される料金情報及び電気量情報を見た利用者は、検索により得られた駐車場における電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対応する駐車料金と充電料金とに関する情報とともに、その経過時間後(例えば、電気自動車の出庫時)における当該電気自動車で利用可能な電気量を知ることができる。これにより、利用者は、電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対応する駐車料金と充電料金とに関する情報とともにその駐車時間の経過後における電気自動車で利用可能な電気量に基づいて駐車すべき駐車場を判断することができるようになる。
【0017】
前記電気量情報は、電気自動車の入庫からの経過時間にてなされ得る車両充電により当該電気自動車で利用可能な電気量を表す情報であれば、どのような情報でもよく、例えば、当該電気自動車にて蓄えられている電気の量そのものを表す情報であっても、蓄えられている電気量の蓄積可能な最大電気量に対する比率であってもよい。また、前記電気量情報は、前記利用可能な電気量にて当該電気自動車が走行可能な距離を表す走行可能距離情報を含むものであってもよい。この場合、表示部に表示される走行可能距離情報を見た利用者は、当該電気自動車の充電により利用可能となった電気量によって走行可能となる距離を知ることができる。これにより、利用者は、駐車時間の経過後(電気自動車の出庫時)における当該電気自動車の走行可能な距離に基づいて駐車すべき駐車場を判断することができるようになる。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る駐車場情報提供装置によれば、表示部に表示される料金情報を見た利用者は、検索により得られた駐車場における電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対応する駐車料金と充電料金とに関する情報を知ることができるので、駐車料金と充電料金とに関する情報に基づいて駐車すべき駐車場を判断することができるようになる。即ち、本発明に係る駐車場情報提供装置によれば、電気自動車に対する充電料金をも加味した駐車場の選択支援を行い得るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の一形態に係る駐車場情報提供装置を含む車載ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2A】図1に示す車載ナビゲーション装置の処理ユニットにてなされる処理の手順を示すフローチャート(その1)である。
【図2B】図1に示す車載ナビゲーション装置の処理ユニットにてなされる処理手の順を示すフローチャート(その2)である。
【図3】駐車時間(入庫からの経過時間)とともに推移する料金情報の表示例を示す図である。
【図4】駐車時間の設定を可能にした場合の料金情報の表示例(その1)を示す図である。
【図5】駐車時間の設定を可能にした場合の料金情報の表示例(その2)を示す図である。
【図6】駐車時間の設定を可能にした場合の料金情報の表示例(その3)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。
【0021】
本発明の実施の一形態に係る駐車場情報提供装置を含む車載ナビゲーション装置は、図1に示すように構成される。
【0022】
図1において、車載ナビゲーション装置100は、コンピュータユニット(CPUを含む)にて構成される処理ユニット10(処理部)を有している。処理ユニット10には、車両ナビゲーションに必要な位置情報を提供するためのGPSユニット16、センサ類17(ジャイロセンサ、加速度センサ等)及び地図情報及び各種情報を記憶する記憶部13(例えば、ハードディスクユニット)が接続されている。また、処理ユニット10には、車室内に設けられ、LCD等により構成される表示部12、操作ボタンや表示部12内に構成されるタッチパネル等からなる操作部11、車室内に設けられたスピーカ15に音声信号を供給する出力回路14が接続されている。
【0023】
処理ユニット10は、GPSユニット16及びセンサ類17からの各種情報及び記憶部13から読み出した地図情報に基づいて車両ナビゲーションに係る処理を実行し、表示部12にナビゲーションに係る地図ともに車両位置マーク及び案内経路等を表示させるようになっている。また、処理ユニット10は、経路案内に係る種々のメッセージをスピーカ15から出力させるようにそのメッセージを表す音声信号を出力回路14に供給する。
【0024】
この車載ナビゲーション装置100は、検索条件に従って駐車場を検索し、その検索にて得られた駐車場に関する情報を表示部12に表示させて乗員に提供する駐車場情報提供装置としての機能を有している。この駐車場情報提供装置としての機能を実現するため、処理ユニット10は、図2A及び図2Bに示す手順に従って処理を実行する。
【0025】
図2Aにおいて、処理ユニット10は、駐車場検索処理のための操作が操作部11にてなされたか否かを判定している(S1)。乗員が操作部11にて駐車場検索処理のための操作を行うと、処理ユニット10は、その操作が操作部11にてなされたと判定し(S1でYES)、駐車場検索のために操作部11により入力された目的地を取得する(S2)。なお、目的地の入力は、車載ナビゲーション装置100における経路探索での目的地設定に係る操作と同様であり、表示部12に表示させた地図上の地点を指定することにより、また、地点に対応した住所、電話番号や施設名を入力することによりなされ得る。
【0026】
処理ユニット10は、目的地を取得すると、その目的地周囲の所定範囲に存在するという検索条件に従って駐車場の検索処理を実行する(S3)。この駐車場の検索処理は、既知の手法に従ってなされ得るものであり、例えば、記憶部13に地図情報ともに記憶された駐車場の設置位置に関する情報に基づいてなされる。処理ユニット10は、駐車場の検索処理を終了すると、表示部12に料金表示を行うか否かの確認メッセージを表示させ、料金表示を行うための操作が操作部11にてなされたか否かの判定を行う(S4)。利用者が料金表示を指定するための操作を行うと、処理ユニット10は、料金表示の操作がなされたと判定し(S4でYES)、次の処理(S5〜S12)を実行する。
【0027】
処理ユニット10は、検索処理にて得られた駐車場から1つの駐車場を選択し(S5)、その選択された駐車場に対応して、記憶部13に予め記憶された駐車場付加情報を取得する(S6)。駐車場付加情報は、駐車場に関する情報であって、少なくとも、該駐車場における単位時間あたりの駐車料金である駐車基礎料金と、単位電気量あたりの充電料金である充電基礎料金とを表す情報を含む。なお、この駐車場付加情報は、所定の無線通信網を利用してホストシステムからダウンロードすることもできる。次いで、処理ユニット10は、自車(電気自動車)の蓄電池に現時点で溜まっている電気量を取得し(S7)、その現時点の電気量、駆動源であるモータの動力性能、現在位置から前記駐車場までの距離等に基づいて自車を前記駐車場に入庫させたときに蓄電池に残っている電気量(以下、初期残存電気量という)の予測演算を行う(S8)。
【0028】
そして、処理ユニット10は、取得した前記駐車場付加情報に含まれる駐車基礎料金を表す情報に基づいて自車を当該駐車場に入庫させてからの経過時間に対する駐車料金を演算し、自車に搭載された蓄電池の充電性能(例えば、単位時間あたりの充電量等)及び前記駐車場付加情報に含まれる充電基礎料金を表す情報に基づいて自車を当該駐車場に入庫させてからの経過時間に対する充電料金を演算する(S9)。処理ユニット10は、駐車料金及び充電料金を得ると、更に、それらを加算して総和料金を得る(S9)。また、処理ユニット10は、前記予測演算(S8)にて得られた駐車場入庫時点の前記初期残存電気量と自車の充電性能とに基づいて駐車場入庫時からの経過時間に対応する蓄電池の電気量を利用可能な電気量として演算し、その利用可能な電気量と自車の走行特性(例えば、単位電気量あたりの走行距離)とに基づいて、経過時間に対応する前記利用可能な電気量を表し得る情報として、その経過時間に対応する走行可能距離を演算する(S10)。なお、前記駐車料金、前記充電料金、前記総和料金及び前記走行可能距離は、入庫からの経過時間を複数設定し、その設定された複数の経過時間それぞれに対して演算される。
【0029】
処理ユニット10は、前記演算により得られた複数の経過時間それぞれに対応する前記駐車場料金、充電料金、総和料金及び走行可能距離を内部メモリ(図示略)に保存し(S11)、検索により得られた全ての駐車場についての処理が終了したか否かを判定する(S12)。その全ての駐車場についての処理が終了していなければ(S12でNO)、次の駐車場が選択され(S5)、その駐車場について前述した処理(S6〜S11)が実行される。そして、全ての駐車場について前述した処理(S6〜S11)が繰り返し実行され、それが終了すると(S12でYES)、処理ユニット10での処理は、図2Bに示す処理に移行する。
【0030】
図2Bにおいて、処理ユニット10は、操作部11にて他の処理を実行するための操作がなされたか否かを判定しつつ(S21)、表示処理を実行する(S20)。表示処理では、例えば、次のような処理がなされる。
【0031】
前記駐車場の検索結果、前記内部メモリに複数の経過時間のそれぞれに対応させて保存された各駐車場における駐車場料金、充電料金、総和料金及び走行可能距離に基づいて、利用者に提供すべき駐車場の選択支援に有用な情報が生成される。例えば、前記駐車場の検索結果に基づいて、各駐車場の位置を目的地の位置とともに地図上で表す駐車場位置情報MPが生成される。また、各駐車場についての各経過時間に対応する総和料金(駐車料金と充電料金との加算額)に基づいて、各駐車場における入庫してからの経過時間に応じた総和料金の推移を表す料金情報CGが生成される。また、各駐車場についての各経過時間に対応する走行可能距離に基づいて、各駐車場における入庫からの経過時間に応じた走行可能距離の推移を表す走行可能距離情報DSが生成される。
【0032】
これら、駐車場位置情報MP、料金情報CG及び走行可能距離情報DSは、例えば、図3に示すように、表示部12の画面に表示される。駐車場位置情報MPは、目的地(×印)とともに前記検索にて得られた4つの駐車場A、B、C、Dが表された地図として表示され、料金情報CGは、各駐車場A、B、C、Dにおける入庫から経過時間に応じた総和料金の推移が折れ線グラフとして表示される。また、走行可能距離情報DSは、各駐車場A、B、C、Dの総和料金のグラフ線の充電完了までの部分(入庫から1時間50分経過時点まで)が走行可能距離を表し得るようなスケールとして表示される。このスケールでは、予測演算(図2AのS8参照)にて得られた初期残存電気量(入庫時における電気量)にて走行可能な距離(260km)からフル充電の状態にて走行可能な距離(500km)までが各グラフ線の傾斜している部分(入庫から1時間50分経過時点まで)に割り振られている。
【0033】
表示部12に表示された駐車場位置情報MPを見た利用者は、目的地(×印)に近い順に駐車場C、A、D、Bがあることを知ることができる。また、表示部12に表示された料金情報CGを見た利用者は、各駐車場A、B、C、Dにおける入庫から経過時間(駐車時間)に対応する駐車料金と充電料金との総和料金の推移を知ることができる。なお、料金情報CGからは、駐車場Aの駐車料金は500円の/日の定額であること、駐車場Dの駐車料金は1000円/日の定額であること、駐車場Dには充電設備が無いこと、更に、各駐車場A、B、Cにおいて入庫してから1時間50分経過後に充電が完了する(フル充電状態)ことも把握することができる。
【0034】
前記駐車場位置情報MP及び料金情報CGから、雨の日など、目的地に近いことを優先させる場合には、目的地(×印)に最も近い駐車場Cを自車の駐車すべき駐車場として決めることができる。また、料金が安いことを優先させる場合には、常に最も料金の安い充電設備の整った駐車場Bを自車の駐車すべき駐車場として決めることができる。なお、この場合、充電する必要がない場合には、駐車場Dを自車の駐車すべき駐車場として決めることができる。更に、目的地(×印)からの距離と料金の双方を考慮しつつ、駐車時間が5時間未満であれば、駐車場Cより料金の安い駐車場Aを自車の駐車すべき駐車場として決めることができ、駐車時間が5時間を越えるのであれば、駐車場Aより料金の安い駐車場Cを自車の駐車すべき駐車場として決めることができる。
【0035】
また、表示部12に表示された走行可能距離情報DSを見た利用者は、経過時間後、即ち、自車の出庫時における走行可能距離を知ることができ、その後の運転計画においても不足のない走行可能距離を充電によって得ることのできる駐車場を選ぶことができるようになる。図3に示す例では、走行可能距離情報DSは、フル充電される前、即ち、駐車時間が1時間50分より短い時間の場合に、駐車場を選ぶための情報として特に有効である。
【0036】
なお、図2Aに示す処理において、処理ユニット10は、料金表示のための操作がなされないとの判定を行うと(S4でNO)、各駐車場についての各種の演算(S5〜S12参照)を行うことなく、図2Bに示す表示処理(S20)を行う。この場合、処理ユニット10は、駐車料金、充電料金及び走行可能距離に関する情報を取得していないので、前記駐車場の検索結果に基づいて、各駐車場の位置を目的地の位置とともに地図上で表す駐車場位置情報MPだけを生成する。そして、その駐車場位置情報MPだけが表示部12の画面に表示される。この場合、利用者は、目的地からの距離に基づいて自車の駐車すべき駐車場を決めることができる。
【0037】
前述した表示処理(S20)を実行する処理ユニット10は、操作ユニット11にて他の処理がなされたと判定すると(S21でYES)、前記表示処理を終了させて指定された他の処理を実行する(S22)。例えば、ナビゲーション処理の開始操作がなされれば、前記設定された目的地への経路案内のための処理を行う。また、終了操作がなされれば、駐車場の検索処理を終了させて車載ナビゲーション装置100を所定の状態(例えば、初期状態)に戻す。
【0038】
前述したような駐車場情報提供装置としての機能を有する車載ナビゲーション装置100によれば、検索により得られた各駐車場について、当該駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金と充電料金とを加算した総和料金の推移を表す料金情報CGが表示部12に表示されるようになるので、その料金情報CGを見た利用者は、検索により得られた駐車場における電気自動車の駐車時間(入庫からの経過時間)に対する駐車料金と充電料金との総和料金の推移を知ることができるようになる。その結果、利用者は、その駐車料金と充電料金との総和料金に基づいて自車の駐車すべき駐車場を判断することができるようになる。即ち、車載ナビゲーション装置100(駐車場情報提供装置)は、電気自動車に対する充電料金をも加味した駐車場の選択支援を行い得るようになる。
【0039】
前述した例では、料金情報CGとして、駐車料金と充電料金とを加算した総和料金を表すものであったが、駐車料金と充電料金とをそれぞれ別個に表すものであっても、それぞれの表現形式を異ならせるものであってもよい。また、前述した例では、電気自動車が入庫してからの経過時間にてなされ得る車両充電により当該電気自動車で利用可能な電気量を表す電気量情報として、その利用可能な電気量によって走行可能な距離を表す走行可能距離情報DSが用いられたが、前記電気量情報そのものを表示させるようにすることもできる。また、充電により利用可能となる電気量の最大電気量(フル充電状態)に対する割合を表す情報であってもよい。
【0040】
また、前述した例では、料金情報CGは、駐車料金と充電料金とを加算した総和料金の経過時間に応じた推移を表すものであったが、ある経過時間を設定したときの料金を表すものであってもよい。この場合、例えば、図4、図5及び図6に示すように、表示部12には、入庫からの経過時間、即ち、駐車時間を可変設定することのできる駐車時間設定ウィンドウ12aが形成される。
【0041】
例えば、図4に示すように、駐車時間設定ウィンドウ12aにおいて1時間(1hour)が設定されると、処理ユニット10は、各駐車場A、B、C、Dについて、1時間分の駐車料金と充電料金とを加算した総和料金を料金情報CGとして生成するとともに、1時間分の充電によって走行可能となる距離を表す走行可能距離情報DSを生成する。そして、処理ユニット10は、図4に示すように、前述したのと同様に地図形式の駐車場位置情報MPとともに、それぞれ1時間の駐車時間に対応した料金情報CGと走行可能距離情報DSとを表形式にて表示部12に表示させる。
【0042】
例えば、図5に示すように、駐車時間設定ウィンドウ12aにおいて1.5時間(1.5hour)が設定されると、駐車場位置情報MPとともに、各駐車場A、B、C、Dに対する、1.5時間分の駐車料金と充電料金とを加算した総和料金を表す料金情報CGと、1.5時間分の充電によって走行可能となる距離を表す走行可能情報DSとが、表示部12に表示される。また、図6に示すように、駐車時間設定ウィンドウ12aにおいて7時間(7hour)が設定されると、駐車場位置情報MPとともに、各駐車場A、B、C、Dに対する、7時間分の駐車料金と充電料金とを加算した総和料金を表す料金情報CGと、7時間分の充電によって走行可能となる距離を表す走行可能情報DSとが、表示部12に表示される。
【0043】
このような駐車場情報提供装置の機能を有する車載ナビゲーション装置100では、ある程度の駐車時間が予めわかっている場合に、利用者は、その駐車時間を設定することにより、駐車場選択の判断材料となる料金情報CG及び走行可能距離情報DSを得ることができるようになる。例えば、目的地(×印)に比較的近い駐車場Aと駐車場Bとのいずれを選択すべきかを検討する場合、駐車時間が比較的短い、例えば、1時間以内であれば、図4に示す料金情報CGから、駐車料金と充電料金とを加算した総和料金は、駐車場Cより駐車場Aのほうが安いことがわかるので、自車の駐車すべき駐車場として駐車場Aを選択することができる。一方、駐車時間が比較的長い、例えば、7時間以上であれば、図6に示す料金情報CGから、前記総和料金は、駐車場Aより駐車場Cのほうが安いことがわかるので、自車の駐車すべき駐車場として駐車場Cを選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上、説明したように、本発明に係る駐車場情報提供装置は、電気自動車に対する充電料金をも加味した駐車場の選択支援を行い得るという効果を有し、駐車場に関する情報を車両乗員などの利用者に提供するための駐車場情報提供装置として有用である。
【符号の説明】
【0045】
10 処理ユニット(処理部)
11 操作部
12 表示部
13 記憶部
14 出力回路
15 スピーカ
16 GPSユニット
17 センサ類(ジャイロセンサ・加速度センサ)
100 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と処理部とを有する駐車場情報提供装置であって、
前記処理部は、
検索条件に従って駐車場を検索する駐車場検索手段と、
該検索にて得られた各駐車場に対応づけられ、当該駐車場での駐車料金についての情報及び車両充電料金についての情報を含む駐車場付加情報を取得する付加情報取得手段と、
前記駐車場付加情報に基づいて前記駐車場に電気自動車が入庫してからの経過時間に対する駐車料金とその経過時間にてなされ得る車両充電に対する充電料金とに関する料金情報を生成する料金情報生成手段と、
前記料金情報を前記表示部に表示させる表示制御手段とを有する駐車場情報提供装置。
【請求項2】
前記料金情報は、当該電気自動車が駐車場に入庫してからの経過時間に対応する駐車料金及び充電料金の総和を表す情報を含む請求項1記載の駐車場情報提供装置。
【請求項3】
前記料金情報は、当該電気自動車が駐車場に入庫してからの経過時間に応じた前記駐車料金及び前記充電料金の推移を表す情報を含む請求項1または2記載の駐車場情報提供装置。
【請求項4】
経過時間を設定するための経過時間設定手段を有し、
前記料金情報生成手段は、前記設定された設定時間に対応する前記駐車料金と前記充電料金とに関する料金情報を生成する請求項1または2記載の駐車場情報提供装置。
【請求項5】
前記処理部は、電気自動車が入庫してからの経過時間にてなされ得る車両充電により当該電気自動車で利用可能な電気量を表す電気量情報を生成する電気量情報生成手段を有し、
前記表示制御手段は、前記電気量情報を前記料金情報とともに前記表示部に表示させる請求項1乃至4のいずれかに記載の駐車場情報提供装置。
【請求項6】
前記電気量情報は、前記利用可能な電気量にて当該電気自動車が走行可能な距離を表す走行可能距離情報を含む請求項5記載の駐車場情報提供装置。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−2318(P2011−2318A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−144958(P2009−144958)
【出願日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】