説明

高制振膨張材料

本発明は膨張材料を提供し、該材料は、一度膨張すると、−10から+40℃の間の温度で、振動数が0から500Hzの範囲で、0.1MPaから1000MPaの間のヤング貯蔵弾性率E’、少なくとも0.3である損失係数(好ましくは少なくとも1)、および好ましくは0.1MPaから500MPaの間のせん断貯蔵弾性率G’を有する。そのような材料は車両内に存在するような、振動生成器からの振動の伝播を低減するのに有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は接着剤、シーリングおよびコーティングの目的において有効な熱膨張材料に関し、膨張するとき、振動生成器によって生成される振動の伝播を低減するのに特に有効である。
【背景技術】
【0002】
車両において、動力生成器、例えばエンジン、モーター、ポンプまたはギアボックスなど、によって生成される振動が、構造要素を通じてパネルなどの発生表面に移動して、固体伝播ノイズ(structure borne noise)の発生につながる。
【0003】
異なる解決方法が、そのような固体伝播ノイズを少なくとも低減するために提案されてきた。車両の構造において、振動ダンパーまたは制振マットを用いるような消極的措置が提案されてきた。そのような制振マットは振動するパネル、例えば車両のドアの内部または床、の上に付着されることが多い。これらの方法による音の低減の量は不十分であることが多い。
【0004】
従来法において、ビチューメン(bitumen)またはアスファルトの混合物および高い比重量を有するフィラーは、シート内部に押し出され、そこから適切な形状がパンチされ、または切断される。これらのシートは、その後、適切な金属シート部品に結合され、時には加熱によってシートの形状に適合されなくてはならない。これらのビチューメンシートは材料コストが低いためしばしば使用されるが、それらは非常に脆く、特に低温において金属シートからはがれる傾向がある。同様に、しばしば提案されてきた添加剤の混合は、多くの用途において不十分な、わずかな改良をもたらすのみである。さらに、予め形成されたビチューメン部品を複雑な形状を有する、または機械または車両の殆ど接近できない金属シート部品、例えば車両ドアの空洞の内部表面、に付着することは完全に不可能である。加えて、多くの場合において、ただ一つの車両または取り付け具に関して幾つかのパンチされた部品が必要とされ、それによってコストのかかる倉庫保管が必要とされるというさらなる不利な点がある。
【0005】
したがって、他のポリマー系を使用して、ビチューメンシートの欠点を排除する試みは多くなされてきた。例えば、金属シート部品の上へ必要なコーティング厚さで噴霧することができる、フィラーを含むポリ酢酸ビニルまたはエチレン酢酸ビニル共重合体の水性ポリマー分散系が開発された。しかしながら、特にこのコーティングがかなり厚い場合、噴霧されるコーティングから水を十分に迅速に取り除くことができないため、製造が高速である場合、これらのシステムは工業的用途には不利である。
【0006】
この温度範囲におけるポリマーの粘弾性により、振動プロセスの機械的エネルギーが分子流現象(molecular flow phenomena)によって熱に変換されるので、ポリマー・コーティングの制音特性は、ポリマー系のガラス転移温度の範囲において最も高い。例えば自動車構造において下部コーティングとして広く使用される、PVCプラスチゾルに基づく従来の噴霧可能なコーティング材料は、実用温度範囲である−20から+60℃において特に制音効果を持たない。なぜなら、ガラス転移温度の最大値は、可塑剤の比率に依存して、約−20℃から−50℃であるためである。したがって、実用温度範囲である−20から+60℃においてより良好な制音特性を有するように、これらの従来のPVCプラスチゾルを改良することが試みられた。コーティングは、従来のPVCプラスチゾルの中に複数の不飽和化合物、例えばジ−またはトリアクリレート、ペルオキシド架橋剤および無機フィラー、を含む独国特許出願公開第3514753号明細書から知られる。硬化された状態において、これらのプラスチゾルは、しかしながら、ガラスのように硬く(glass−hard)および脆く、したがって本当は自動車構造には適さない。なぜなら、それらは特に低温において十分な柔軟性を持たないためである。これとは別に、これらの処方は非常に低い損失係数タンデルタ(tan δ)を有し、したがって制音効果はそれほど高くはない。
【0007】
独国特許出願公開第3444863号明細書において組成物が記述され、それはPVCまたは塩化ビニル/酢酸ビニルコポリマー、任意にメチルメタクリレートホモポリマー若しくはコポリマー、可塑剤混合物および無機フィラーを含む。可塑剤混合物はメチルメタクリレートポリマーと相溶性を有する可塑剤、および存在する可能性があるメチルメタクリレートポリマーと非相溶性の塩化ビニルポリマーのための可塑剤を含む。したがって得られるプラスチゾルは従来のPVCプラスチゾルと比較して改良された制音特性を有する。しかしながら、特に約30℃を超える温度において、制音効果は再度低下する。個々の成分の相対的な量を変えることによって最大の損失係数タンデルタの範囲を高温に変える試みがなされる場合、寒冷下におけるコーティングの柔軟性は非常に大きく低下する。しかしながら、寒冷下における柔軟性の低下は、まさに車両の構造において不利である。さらに、損失係数はこれらの処方において低い温度で非常に大きく低下する。したがって、これらのプラスチゾル組成物は非常に狭い温度範囲でのみ十分に高い損失係数を有する。
【0008】
さらに、固体伝播ノイズを低減する能動的制御手段が開発されてきた。これらの手段はセンサー、信号処理、アクチュエータ、および対応する力または歪を生成することによって振動を相殺するか、または振動の散逸を効果的に増加する動力源を通常使用する。
【0009】
能動的制御手段は固体伝播ノイズを効率的に低減することが示されてきたけれども、それらは、特に信号処理およびセンサーに関して、高性能の技術装置を必要とする。これはコストを増加させるのみではなく、故障のリスクを高めることにもつながる。
【特許文献1】独国特許出願公開第3514753号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第3444863号明細書
【特許文献3】米国特許第4,987,194号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
したがって、特に車両において、システム内の固体伝播ノイを有効に低減するための経済的手段に対する必要性がある。
【0011】
したがって、本発明の目的は従来技術の欠点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は膨張材料を提供し、該材料は、一度膨張すると、−10から+40℃の間の温度で、振動数が0から500Hzの範囲で、0.1MPaから1000MPaの間のヤング貯蔵弾性率E’、少なくとも0.3である損失係数(好ましくは少なくとも1)、および好ましくは0.1MPaから500MPaの間のせん断貯蔵弾性率G’を有する。この膨張材料は、2005年10月6日に出願された欧州特許出願第05292082.4号明細書(その全ては参照としてここに組み込まれる)に記述されるように、散逸振動波バリア(dissipative vibratory wave barriers)の製造において有効である。そのようなバリアは内部表面および外部表面を有するキャリア、特に長方形、任意にU−形状の多面体セクションを有し、その外部表面上に上述の膨張材料のコーティングを備えるキャリアを備える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
膨張するとき、−10から+40℃の間の温度で、振動数が0から500Hzの範囲で、ヤング貯蔵弾性率(E’)、損失係数、および好ましくはせん断貯蔵弾性率G’がある要求を満たす膨張材料が固体伝播振動の制御において、非常に、思いがけなく有効であることを見出した。
【0014】
ヤング貯蔵弾性率(E’)は材料の比例限度よりも下での引張歪みに対する引張応力の比で定義される。せん断貯蔵弾性率G’は比例限度内でのせん断歪みに対するせん断応力の比で定義され、材料内で弾性的に貯蔵される等価エネルギーの値であるとみなされる。損失係数(同様に、構造固有ダンピングまたはタンデルタともよばれる)は、引張圧縮におけるダンピングに関してはヤング貯蔵弾性率E’に対するヤング損失弾性率E”の比である。せん断のダンピングに関しては、損失係数はせん断貯蔵弾性率G’に対するせん断損失弾性率G”の比である。これらの値は、材料の動的機械的解析(DMA)によって容易に決定されてよく、本発明の中で材料とは膨張後の熱膨張材料である。従来技術で周知であるように、動的機械的解析は、材料の特性がキャリア上で決定される(Oberstビーム試験)間接的方法によって、または試験されるサンプルが特性を決定される材料からのみ作られる直接的方法(ビスコアナライザー)によって、のどちらかで実行され得る。熱的に膨張可能な材料は、加熱で発泡し、膨張する材料であるが、典型的には室温(例えば、15〜30℃)で固体(および好ましくは寸法安定性)である。ある実施形態では、膨張材料は乾燥し、非粘着性であるが、他の実施形態では粘着性であるだろう。熱的に膨張性の材料は、好ましくは、使用時に所望される形態に形状を付与され、または成形される(射出成形、または押出によって)ことができるように処方され、そのような形状付与または成形は、膨張材料が柔軟になり、または溶融するのに十分な、室温より高い温度で実行され、その温度は、材料は容易に加工されることができるが、膨張材料の膨張が引き起こされる温度よりも低い。形状付与された、または成形された膨張材料の室温への冷却は、所望の形状または形態を有する固体を生じる。活性化されると、すなわち、約130℃から240℃の間の温度(使用される膨張材料の正確な処方に依存して)にされると、膨張材料は典型的には少なくとも元の体積の約100%に、または少なくとも約150℃に、または代わりに少なくとも約200%に膨張されるだろう。所望の最終用途によって高い膨張率(例えば、少なくとも約1000%)が選択されてもよい。車体に使用されるとき、例えば、膨張材料は典型的にはプライマーまたは塗装が製造の間車体上で焼結される温度よりも低い活性化温度を有する。
【0015】
特に有利な実施形態において、熱膨張材料は以下を含む。
【0016】
−25〜70重量%、好ましくは35〜55重量%、の少なくとも一つの熱可塑性エラストマー(好ましくは、スチレン/ブタジエン、またはスチレン/イソプレンブロックコポリマー、または少なくとも部分的に水素化されたそれらの誘導体)、
−15〜40重量%、好ましくは20〜35重量%、の少なくとも一つの非エラストマー熱可塑性樹脂(好ましくは、エチレン/酢酸ビニルまたはエチレン/メチルアクリレートコポリマー)、
−0.01から2重量%、好ましくは0.05から1重量%の少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、
−2〜15重量%の少なくとも一つの発泡剤、好ましくは膨張材料が150℃の温度で加熱されるとき体積にして少なくとも100%膨張する有効量、
−0.5〜4重量%の一つ以上の硬化剤、任意に0.5から2重量%の少なくとも一つのオレフィン性不飽和モノマーまたはオリゴマー、
および任意に、
−最高10重量%(例えば0.1から10重量%)の少なくとも一つの粘着性樹脂
−最高5重量%(例えば0.1から5重量%)の少なくとも一つの可塑剤、
−最高10重量%(例えば0.1から10重量%)の少なくとも一つのワックス、
−最高3重量%(例えば0.05から3重量%)の少なくとも一つの発泡剤のための活性化剤、
並びに任意に少なくとも一つのフィラー(フィラーの量は好ましくは10重量%未満、より好ましくは5重量%未満である)、割合は熱膨張材料の全重量の重量割合で表現される。
【0017】
一般的に、発泡剤が活性化される温度以下の、好ましくは膨張材料が膨張されるときさらされるであろう温度よりも少なくとも約30℃低い、軟化点を有する熱可塑性エラストマーを使用することが望ましいだろう。熱可塑性エラストマーは、好ましくは熱可塑性ポリウレタン(TPU)およびA−B、A−B−A、A−(B−A)n−2−B、A−(B−A)n−1および(A−B)−Yタイプのブロックコポリマー(直鎖状、並びに放射状ブロックコポリマー)からなる群の中から選択され、Aは芳香族ポリビニル(「ハード」)ブロック、およびBブロックはポリブタジエン、ポリイソプレン、または類似物であるゴム状(「ソフト」)ブロックであって部分的または完全に水素化されており、Yはポリ官能性化合物であり、nは少なくとも3の整数である。ブロックは特性において漸減され、または勾配を有し、または重合されたモノマーの完全に一つのタイプで構成されてよい。
【0018】
Bブロックの水素化は元々存在する二重結合を除去し、ブロックコポリマーの熱的安定性を増加する。そのようなコポリマーは、本発明のある実施形態において好ましい可能性がある。
【0019】
適切なブロックコポリマーは、SBS(スチレン/ブタジエン/スチレン)コポリマー、SIS(スチレン/イソプレン/スチレン)コポリマー、SEPS(スチレン/エチレン/プロピレン/スチレン)コポリマー、SEEPS(スチレン/エチレン/エチレン/プロピレン/スチレン)またはSEBS(スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレン)コポリマーを含むが、これらに制限されない。特に適切なブロックコポリマーは、スチレン/イソプレン/スチレントリブロックコポリマー、並びに完全にまたは部分的に水素化されたそれらの誘導体であり、それらにおいてポリイソプレンブロックは1、2および/または3、4配置のイソプレンから誘導されるモノマー部分の比率が相対的に高い。好ましくは、少なくとも約50%の重合されるイソプレンのモノマー部分は1、2および/または3、4配置を有し、イソプレン部分の残りが1、4配置を有する。そのようなブロックコポリマーはKuraray Co.,Ltd.から、HYBRARという商品名で入手可能であり、その全体が参照としてここに組み込まれる米国特許第4,987,194号明細書に記述される方法を用いて調製されてもよい。
【0020】
本発明の好ましい実施形態において、「ハード」ブロックはブロックコポリマーの約15から約30重量パーセントであり、「ソフト」ブロックはブロックコポリマーの約70から約85重量パーセントである。「ソフト」ブロックのガラス転移温度は、好ましくは約−35℃から約10℃であるのに対して、「ハード」ブロックのガラス転移温度は好ましくは約90℃から約110℃である。ブロックコポリマーのメルトフローインデックスは好ましくは約0.5から約6である(ASTM D1238、190℃、2.16Kgで測定)。典型的には、ブロックコポリマーは数平均分子量が約30,000から約300,000であるだろう。
【0021】
適切な熱可塑性ポリウレタン(TPU)の例は、ジイソシアネートを、一分子あたり少なくとも二つのイソシアネート反応性基を有する組成物、好ましくは二官能性アルコール、と反応させることによって従来法に従って作られたものである。使用される適切な有機ジイソシアネートは、例えば、脂肪族、環状脂肪族、アリール脂肪族、複素環式および芳香族ジイソシアネートを含む。
【0022】
ジイソシアネートの具体的な例は、例えば、ヘキサメチレン−ジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;例えばイソフォロン−ジイソシアネート、1,4−シクロヘキサン−ジイソシアネート、1−メチル−2,4−および−2,6−シクロヘキサン−ジイソシアネートおよび対応する異性体混合物、4,4’−、2,4’−、および2,2’−ジシクロヘキシルメタン−ジイソシアネートおよび対応する異性体混合物などの、環状脂肪族ジイソシアネート;および例えば2,4−トルイレン−ジイソシアネート、2,4−および2,6−トルイレン−ジイソシアネートの混合物、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび2,2’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートの混合物、ウレタン−修飾液体4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび/または2,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナト−l,2−ジフェニル−エタンおよび1,5−ナフチレン−ジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートを含む。4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネート含量が96重量%よりも大きなジフェニルメタン−ジイソシアネート異性体混合物が使用されることが好ましく、4,4’−ジフェニルメタン−ジイソシアネートおよび1,5−ナフチレン−ジイソシアネートが特に使用される。上述のジイソシアネートは個々に使用されてよく、あるものと他のものとの混合物の形態であってよい。
【0023】
イソシアネート基と反応する化合物は、ポリエステルポリオールなどのポリヒドロキシ化合物、ポリエーテルポリオールまたはポリカーボネートポリオールまたはポリオール(これらは窒素、リン、硫黄および/または珪素原子を含んでよい)、またはこれらの混合物を含むが、しかしこれらに制限されない。一分子あたり平均約1.8から約3.0のツェレウィチノフ活性水素原子(Zerewitinoff− active hydrogen atoms)を、好ましくは一分子あたり平均約1.8から約2.2のツェレウィチノフ活性水素原子を有し、数平均分子量は400から20,000g/molの直鎖状1−ヒドロキシ末端ポリオールがポリオールとして使用されることが好ましい。これらの直鎖状ポリオールはそれらの製造工程でもたらされる少量の非直鎖状化合物をしばしば含む。したがって、それらは「実質的に直鎖状のポリオール」とよばれることもある。
【0024】
一分子あたり二つまたは三つのヒドロキシ基を有し、数平均分子量が400から20,000の範囲、好ましくは1000から6000の範囲であり、室温において液体、ガラス状固体/アモルファスまたは結晶質であるポリヒドロキシ化合物がポリオールとして好ましく適する。例としては、二および/または三官能性ポリプロピレングリコールである;エチレンオキシドのランダムおよび/またはブロックコポリマー、プロピレンオキシドが使用されてもよい。好ましく使用され得る他のポリエーテル類は、ポリテトラメチレングリコール(ポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、ポリ−THF)を含み、それは例えばテトラヒドロフランの酸重合によって製造され、これらのポリテトラメチレングリコールの数平均分子量は典型的には600から6000の間にあり、好ましくは800から5000の範囲である。
【0025】
例えば、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、スベリン酸、ウンデカンジ酸、ドデカンジ酸、3,3−ジメチルグルタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、二量化脂肪酸、またはそれらと、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール、二量化脂肪族アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパンまたはそれらの混合物など、低分子量ジオールまたはトリオールとの混合物などの、ジ−またはトリカルボン酸の縮合によって製造され得る液体、ガラス状アモルファス、または結晶質ポリエステルもポリオールとして適切である。
【0026】
TPUを作るために使用される他のポリオール類は、「ポリカプロラクトン」としても知られる、ε−カプロラクトンに基づくポリエステルである。
【0027】
しかしながら、油脂化学に由来するポリエステルポリオールが使用されてもよい。これらのポリエステルポリオールは、例えば少なくとも部分的にオレフィン性不飽和脂肪酸を含む脂肪族と1〜12個の炭素原子を有する一つ以上のアルコールとの混合物のエポキシ化トリグリセリドの完全な開環、およびその後のトリグリセリド誘導体のアルキルラジカル中1〜12個の炭素原子のアルキルエステルポリオールへの部分的なエステル交換反応によって製造されてよい。他の適切なポリオールはポリカーボネートポリオールおよび二量化ジオール(ヘンケル)、並びにキャスターオイルおよびその誘導体である。ヒドロキシ官能性ポリブタジエン、得られるものとしては、例えば、「Poly−bd」という商品名、が本発明により使用されるTPUを作るのにポリオールとして使用されてよい。
【0028】
好ましくは、ポリエーテルポリオールおよびガラス状アモルファスまたは結晶質のポリエステルポリオールの混合物がTPUを作るのに使用される。
【0029】
好ましくは、ポリオールはイソシアネートに関する平均官能価が約1.8から2.3、好ましくは1.9から2.2、特に約2.0である。
【0030】
熱可塑性ポリウレタンは、エチレングリコール、プロピレングリコール若しくはブタジエングリコールなどの低分子量ポリオール、または1,2−ジアミノエチレン、1,3−ジアミノプロピレン若しくは1,4−ジアミノブタン若しくは1,6−ジアミノヘキサンなどの低分子量ジアミンのような鎖延長化合物をさらに用いることによって作られてもよい。
【0031】
好ましい実施形態において、熱可塑性ポリウレタンのソフトドメインはポリ(エチレンアジペート)、ポリ(1,4−ブテンアジペート)、ポリ(エチレン 1,4−ブテンアジペート)、ポリ(ヘキサメチレン 2,2−ジメチルプロピレンアジペート)、ポリカプロラクトン、ポリ(ジエチレングリコールアジペート)、ポリ(1,6−ヘキサンジオールカーボネート)およびポリ(オキシテトラメチレン)からなる群から選択される。本発明で使用するのに適切な他の熱可塑性エラストマーは、例えばポリスチレン/ポリジメチルシロキサンブロックコポリマー、ポリスルホン/ポリジメチルシロキサンブロックコポリマー、ポリエステル/ポリエーテルブロックコポリマー(例えば、ジメチルテレフタレート、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコール、およびテトラメチレングリコールなどから合成されるものなどのコポリエステル)、ポリカーボネート/ポリジメチルシロキサンブロックコポリマー、ポリカーボネート/ポリエーテルブロックコポリマー、コポリエーテルアミド、コポリエーテルエステルアミドおよび類似物など、ハードセグメントおよびソフトセグメントを両方含む他のタイプのブロックコポリマーを含む。ブロックコポリマーではないが、一般的に微細に内部分散された多相系またはアロイである熱可塑性エラストマーも使用されてよく、ポリプロピレンとエチレン−プロピレンゴム(EPR)またはエチレン−プロピレン−ジエンモノマー(EPDM)ゴムとのブレンドを含む(そのようなブレンドはグラフト化されるか、または架橋されることが多い)。
【0032】
一つ以上の熱可塑性エラストマーに加えて、膨張材料が一つ以上の非エラストマー性熱可塑性樹脂を含むことも好ましい。好ましくは、非エラストマー性熱可塑性樹脂は膨張材料の接着性および成形性を改良するように選択される。一般的には、発泡剤が活性化され始める温度以下の、好ましくはそのような材料が膨張されるとき膨張材料がさらされるであろう温度よりも少なくとも約30℃低い、軟化点を有する非エラストマー性熱可塑性樹脂を使用することが好ましいであろう。特に好ましい非エラストマー性熱可塑性樹脂はオレフィンポリマー、特にオレフィン(例えばエチレン)と非オレフィン性モノマー(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル、アクリル酸のC1からC6のアルキルエステルなどの(メタ)アクリレートエステル、およびメタクリル酸)とのコポリマー、を含む。本発明に特に適する例示的な非エラストマー性熱可塑性樹脂はエチレン/酢酸ビニルコポリマー(特に約20から約35重量%の酢酸ビニルを含むコポリマー)およびエチレン/メチルアクリレートコポリマー(特に約15から約35重量%のメチルアクリレートを含み、および/またはビカット軟化点が50℃未満であり、および/または融点が60から80℃の範囲内であり、および/またはASTM D1238、190℃、2.16Kgで測定したメルトフローインデックスが3から25g/10分である)を含む。
【0033】
本発明のある実施形態において、熱可塑性エラストマー:非エラストマー性熱可塑性樹脂の重量比は少なくとも0.5:1または少なくとも1:1および/または5:1以下または2.5:1以下である。粘着性樹脂はロジン樹脂、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、クラッキングされた石油製品から誘導された炭化水素樹脂、芳香族粘着性樹脂、トールオイル樹脂、ケトン樹脂およびアルデヒド樹脂からなる群から選択されてよい。
【0034】
適切なロジン樹脂は、アビエチン酸、レボピマル酸、ネオアビエチン酸、デキストロピマル酸、パルストリン酸、前述のロジン樹脂のアルキルエステルおよびロジン酸誘導体の水素化製品である。
【0035】
適切な可塑剤の例は二塩基酸(例えばフタレートエステル)のC1−10アルキルエステル、ジアリールエーテル、ポリアルキレングリコールのベンゾエート、有機リン酸塩、およびフェノールまたはクレゾールのアルキルスルホン酸エステルを含む。
【0036】
適切なワックスは、融点の範囲が45から70℃であるパラフィンワックス、融点の範囲が60から95℃であるミクロ結晶ワックス、融点の範囲が100から115℃であるフィッシャー−トロプシュワックス、並びに融点の範囲が85から140℃であるポリエチレンワックスを含む。
【0037】
適切な抗酸化剤および安定化剤は立体的ヒンダードフェノールおよび/またはチオエーテル、立体的ヒンダード芳香族アミンおよび類似物を含む。
【0038】
全ての周知の発泡剤、例えば分解によってガスを放出する「化学発泡剤」または「物理発泡剤」、すなわち膨張中空ビーズ(膨張可能なマイクロスフェアとよばれることもある)、は本発明における発泡剤として適する。異なる発泡剤の混合物が有利に使用されてよく、例えば相対的に低い活性化温度を有する発泡剤が相対的に高い活性化温度を有する発泡剤と組み合わせて使用されてよい。
【0039】
「化学発泡剤」の例は、アゾ、ヒドラジド、ニトロソおよびカルバジド化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾジカルボンアミド、ジ−ニトロソ−ペンタメチレンテトラアミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、ジフェニル−スルホン−3,3’−ジスルホヒドラジド、ベンゼン−1,3−ジスルホヒドラジドおよびp−トルエンスルホニルセミカルバジドを含む。「化学発泡剤」は亜鉛化合物(例えば酸化亜鉛)、(変性)尿素および類似物などの、さらなる活性化剤の存在の利益を受けてもよい。
【0040】
しかしながら、「物理発泡剤」および特に膨張中空マイクロビーズ(マイクロスフェアともよばれる)も使用できる。有利には、中空マイクロビーズは塩化ポリビニリデンコポリマーまたはアクリロニトリル/(メタ)アクリレートコポリマーに基づき、軽い炭化水素またはハロゲン化炭化水素などのカプセル化された揮発性物質を含む。
【0041】
適切な膨張中空マイクロビーズは、例えばPierce&Stevens(現在はHenkel Corporationの一部)またはAkzo Nobelから各々「Dualite」および「Expancel」との商品名で、商業的に入手可能である。
【0042】
適切な硬化剤はフリーラジカル反応を起こすことができる物質、特にケトンペルオキシド、ジアシルペルオキシド、パーエステル、パーケタール、ヒドロペルオキシドおよび他に、例えばクメンヒドロペルオキシド、ビス(tert−ブチルペルオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジ(−2−tert−ブチルペルオキシイソプロピルベンゼン)、1,1−ジ−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシベンゾエート、ジ−アルキルペルオキシジカーボネート、ジ−ペルオキシケタール(1,1−ジ−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン)、ケトンペルオキシド(例えばメチルエチルケトンペルオキシド)および4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシ n−ブチル吉草酸塩など、を含む有機ペルオキシドを含む。硬化剤は好ましくは潜在性硬化剤であり、好ましくは、室温で本質的に不活性または非反応性であるが、高温に加熱することにより活性化される(例えば、約130から約240℃の範囲内の温度)。
【0043】
特に望ましい実施形態では、熱膨張性組成物は一つ以上のオレフィン性不飽和モノマーおよび/またはオリゴマーを少量(例えば、0.1から5重量%または0.5から2重量%)含み、該オリゴマーは例えばCからCアルキル(メタ)アクリレート(例えばメチルアクリレート)、メタアクリル酸などの不飽和カルボン酸、無水マレイン酸などの不飽和無水物、例えばグリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパントリメタクリレート(TMPTMA)およびそれらの類似物などのポリオールの(メタ)アクリレートおよびアルコキシル化ポリオール、トリアリルトリメセート、トリアリルトリメリテート(TATM)、テトラアリルピロメリテート、1,1,3,−トリメチル−5−カルボキシ−3−(4−カルボキシフェニル)インデンのジアリルエステル、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート、トリメチルプロパントリメリテート(TMPTM)、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、フェニレン−ジマレイミド、トリ(2−アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)、トリアリルシアヌレート(TAC)、トリ(2−メタクリロキシエチル)トリメリテート、メタ(アクリロニトリル)、ビニル化合物(スチレンなどのビニル芳香族化合物を含む)などの不飽和ニトリル、アリル化合物、およびその類似物、およびそれらの混合物などを含む。一つの実施形態において、使用されるオレフィン性不飽和モノマーおよび/またはオリゴマーは1分子あたり炭素−炭素二重結合をただ一つ含む(すなわち、モノマーまたはオリゴマーはオレフィン性不飽和官能基に関して一官能性である)。好ましくは、モノマーおよび/またはオリゴマーは、膨張材料が硬化剤を活性化する(例えば、ペルオキシドの熱分解によって)のに有効な温度に加熱されるとき、膨張材料内に存在する硬化剤によって開始されるフリーラジカル反応(例えば、オリゴマー化または重合)を起こすことができるように選択される。
【0044】
適切なフィラーの例は、粉砕されたおよび沈殿されたチョーク、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック、炭酸カルシウムマグネシウム、およびバライトおよびアルミニウム−マグネシウム−カルシウムタイプのシリケートフィラー、珪灰石および亜塩素酸塩など、を含む。好ましくは、しかしながら、フィラーの全量は10重量%未満、より好ましくは5重量%未満に制限される。一つの実施形態において、膨張材料は(上述の材料の粒子など、ここで実質的に無機粒子として定義される)フィラーを含まない。
【0045】
本発明のある実施形態において、熱膨張材料の成分は膨張材料がエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂を含まない、または実質的に含まないように選択される(例えば、膨張材料は5重量%未満、または1重量%未満のエポキシ樹脂を含む)。
【0046】
熱膨張材料の膨張は加熱段階によって達成され、熱膨張材料は発泡剤および存在する可能性がある硬化剤を活性化するのに有効な温度でおよび有効な時間加熱される。
【0047】
熱膨張材料の性質およびアセンブリラインのライン状態に依存して、加熱段階は典型的には130℃から240℃、好ましくは150℃から200℃、の温度で、オーブン内における滞留時間約10分から約30分で実行される。一般的に使用されるエレクトロコーティングバス(E−コートバス)内を車両部品が通過した後に熱膨張材料の膨張を引き起こして加熱段階の利益を得る(この加熱段階の間の温度は一般的に期待される膨張を引き起こすのに十分である)ことは有利である
【0048】
選択された実施形態は本発明を説明するためにのみ選択されたものであって、添付されたクレームに規定される本発明の範囲を逸脱することなく様々な変形および修正が可能であることはこの開示から当業者には明確であるだろう。さらに、本発明の実施形態の先の記載は説明のためだけに提供されたものであり、添付されたクレームおよびそれらの均等物によって定義される発明を制限する目的のために提供されるものではない。
【0049】

本発明による熱膨張材料は以下の成分を混合することによって調製される。
SISブロックコポリマー45重量部、スチレン含量20%
芳香族炭化水素樹脂粘着剤5重量部
ジイソノニルフタレート2.5重量部
マイクロ結晶質ワックス4.5重量部
熱可塑性エチレン/酢酸ビニルコポリマー(28%酢酸ビニル)27.5重量部
フェノール抗酸化剤0.1重量部
発泡剤(アゾジカルボンアミド)8.8重量部
1,1−ジ−tert−ブチルペルオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン1.0重量部
メチルアクリレート0.5重量部
酸化亜鉛処理尿素1.5重量部
【0050】
それによって得られる熱膨張材料は180℃の温度で20分間加熱することによって膨張されてよく、振動生成器によって生成される振動の伝播を低減する膨張(発泡)材料を提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
膨張したとき、−10から+40℃の間の温度で、振動数が0から500Hzの範囲で、ヤング貯蔵弾性率E’が0.1MPaから1000MPaの間であり、損失係数が0.3を超える、熱膨張材料。
【請求項2】
前記熱膨張材料が、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー、少なくとも一つの非エラストマー性熱可塑性樹脂、少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、少なくとも一つの発泡剤、および少なくとも一つの硬化剤を含む、請求項1に記載の熱膨張材料。
【請求項3】
前記熱膨張材料は少なくとも一つのペルオキシド硬化剤を含む、請求項1または2に記載の熱膨張材料。
【請求項4】
前記熱膨張材料が、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマー、および水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性エラストマーを含む、請求項1から3の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項5】
前記熱膨張材料が、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される少なくとも一つの非エラストマー性熱可塑性樹脂を含む、請求項1から4の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項6】
前記熱膨張材料が、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される少なくとも一つの非エラストマー性熱可塑性樹脂と、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマー、および水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも一つの熱可塑性エラストマーとを含む、請求項1から5の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項7】
前記熱膨張材料が10重量%未満のフィラーを含む、請求項1から6の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項8】
前記熱膨張材料が少なくとも一つのオレフィン性不飽和モノマーまたはオリゴマーを含む、請求項1から7の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項9】
前記熱膨張材料が少なくとも一つのCからCアルキル(メタ)アクリレートを含む、請求項1から8の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項10】
前記熱膨張材料が少なくとも一つの可塑剤を含む、請求項1から9の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項11】
前記熱膨張材料が少なくとも一つのワックスを含む、請求項1から10の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項12】
前記熱膨張材料が少なくとも一つの潜在性化学発泡剤を含む、請求項1から11の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項13】
前記熱膨張材料が少なくとも一つの粘着性樹脂を含む、請求項1から12の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項14】
前記熱膨張材料が少なくとも一つの発泡剤活性剤を含む、請求項1から13の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項15】
前記熱膨張材料が、1分子あたりただ一つの炭素−炭素二重結合を有するオレフィン性不飽和モノマーまたはオリゴマーを少なくとも一つ含む、請求項1から14の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項16】
前記熱膨張材料が、少なくとも一つのスチレン/イソプレン/スチレントリブロックポリマー、または完全に若しくは部分的に水素化されたその誘導体であって、少なくとも約50%の重合されるイソプレンのモノマー部分が1、2および/または3、4配置を有するものを含む、請求項1から15の何れか一項に記載の熱膨張材料。
【請求項17】
前記熱膨張材料が、
a)25〜70重量%の少なくとも一つの熱可塑性エラストマー、
b)15〜40重量%の少なくとも一つの非エラストマー熱可塑性樹脂、
c)0.01から2重量%の少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、
d)2〜15重量%の少なくとも一つの発泡剤、
e)0.5〜4重量%の少なくとも一つの硬化剤、
を含む、請求項1に記載の熱膨張材料。
【請求項18】
前記熱膨張材料が、
a)35〜55重量%の、熱可塑性ポリウレタン、スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、水素化スチレン/ブタジエンブロックコポリマー、スチレン/イソプレンブロックコポリマー、および水素化スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される、少なくとも一つの熱可塑性エラストマー、
b)20〜35重量%の、エチレン/酢酸ビニルコポリマーおよびエチレン/メチルアクリレートコポリマーからなる群から選択される、少なくとも一つの非エラストマー熱可塑性樹脂、
c)0.05から1重量%の少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、
d)前記膨張材料が150℃の温度で少なくとも20分間加熱されるとき体積にして少なくとも100%膨張する有効量の少なくとも一つの潜在性化学発泡剤、
e)0.5〜4重量%の少なくとも一つのペルオキシド、
f)0.5から2重量%の少なくとも一つのオレフィン性不飽和モノマーまたはオリゴマー、を含み、
前記熱膨張材料が10重量%未満のフィラーを含む、請求項1に記載の熱膨張材料。
【請求項19】
前記熱膨張材料が、
a)25〜70重量%の少なくとも一つの熱可塑性エラストマー、
b)15〜40重量%の少なくとも一つの非エラストマー熱可塑性樹脂、
c)0.01から2重量%の少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、
d)2〜15重量%の少なくとも一つの発泡剤、
e)0.5〜4重量%の少なくとも一つの硬化剤、
f)最高10重量%の量の少なくとも一つの粘着性樹脂、
g)最高10重量%の量の少なくとも一つのワックス、
h)最高5重量%の量の少なくとも一つの可塑剤、
を含む、請求項1に記載の熱膨張材料。
【請求項20】
前記熱膨張材料が、
a)35〜55重量%の、スチレン/イソプレンブロックコポリマーからなる群から選択される少なくとも一つのスチレン/イソプレンブロックコポリマー熱可塑性エラストマー、
b)20〜35重量%の、エチレン/酢酸ビニルコポリマーからなる群から選択される、少なくとも一つの非エラストマー熱可塑性樹脂、
c)0.05から1重量%の少なくとも一つの安定剤または抗酸化剤、
d)前記膨張材料が150℃の温度で少なくとも20分間加熱されるとき体積にして少なくとも100%膨張する有効量の少なくとも一つの潜在性化学発泡剤、
e)0.5〜4重量%の少なくとも一つの有機ペルオキシド、
f)0.5から2重量%の少なくとも一つのCからCアルキル(メタ)アクリレート、
g)最高10重量%の量の少なくとも一つの粘着性樹脂、
h)最高5重量%の量の少なくとも一つの可塑剤、
i)最高10重量%の量の少なくとも一つのワックス、
を含み、
前記熱膨張材料が10重量%未満のフィラーを含む、請求項1に記載の熱膨張材料。

【公表番号】特表2009−510241(P2009−510241A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533942(P2008−533942)
【出願日】平成18年10月6日(2006.10.6)
【国際出願番号】PCT/EP2006/009666
【国際公開番号】WO2007/039309
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(500382211)
【出願人】(508104743)プジョー・シトロエン・オートモバイルズ・エス・エー (1)
【Fターム(参考)】