説明

高周波増幅器

【課題】 伝送線路長の違いによって生じる高周波信号の位相変化を低減し、複数のトランジスタにおける均一動作を確保して増幅効率の改善を図った高周波増幅器を提供する。
【解決手段】 直流電流DCは、抵抗21〜2nを介してトランジスタ11〜1nのベースBにそれぞれ入力される。増幅される高周波信号RFは、容量30を介してトランジスタ11〜1nのベースBにそれぞれ入力される。位相器41〜4mは、電気長を有する伝送線路であり、隣接するトランジスタのベースB間をそれぞれ接続する。この位相器41〜4mを接続することによって、分岐点aから各トランジスタのベースBへ高周波信号RFが流れる経路を複数並列に設けることになり、経由する伝送線路51及び52の長さの違いによって生じるベースB入力での高周波信号RF間の位相差を、低減させることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波増幅器に関し、より特定的には、高周波信号を増幅するトランジスタが複数接続されたマルチフィンガ構造を有する高周波増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、高周波信号を取り扱う電力増幅器では、高出力を得るために、高周波特性に優れた複数のトランジスタ(例えば、ヘテロ接合バイポーラトランジスタ)を並列接続させて、各トランジスタの出力を合成させる構成(マルチフィンガ構造)が用いられる。図9は、この構成による従来の高周波増幅器101の構成例を示す図である(特許文献1及び2を参照)。図9の高周波増幅器101は、複数のトランジスタ111〜11n、複数の抵抗121〜12n、及び複数の容量131〜13nで構成される。nは、2以上の整数である(以下同じ)。
【0003】
図9において、入力された高周波信号RFは、トランジスタ111〜11nの数、すなわちn個に分岐され、容量131〜13nを介して各トランジスタ111〜11nのベースBにそれぞれ入力される。また、バイアス回路(図示せず)から与えられる直流電流DCも、トランジスタ111〜11nの数、すなわちn個に分岐され、抵抗121〜12nを介して各トランジスタ111〜11nのベースBにそれぞれ入力される。
【0004】
しかしながら、この従来の高周波増幅器101は、直流電流DCの入力配線と高周波信号RFの入力配線とが、交点bで直接接続された構成である。このため、従来の高周波増幅器101では、高周波信号RFの一部がバイアス回路側へ回り込んでしまい、DCバイアス信号と高周波信号RFとの干渉により雑音を発生させる恐れ、及びバイアス回路の不安定動作により高周波増幅器101の発振を誘発する恐れがある。また、従来の高周波増幅器101では、トランジスタ111〜11n毎に、高周波信号RFを入力するための容量131〜13nを設ける必要があるので、半導体集積基板の面積を増大させるという課題がある。
【0005】
そこで、この課題を解決させるために、図10に示すような直流電流DCの入力配線と高周波信号RFの入力配線とを直接接続しない構成が提案されている(特許文献3を参照)。図10に示す高周波増幅器102は、複数のトランジスタ111〜11n、複数の抵抗121〜12n、及び1つの容量230で構成される。
【特許文献1】米国特許第5321279号明細書
【特許文献2】特開平8−279561号公報
【特許文献3】米国特許第5608353号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
周知のように、トランジスタや抵抗や容量等の素子間を接続する金属配線は、高周波的には伝送線路151及び152として捉えられ、高周波信号RFの位相に影響を及ぼす。上述した高周波増幅器102のようなマルチフィンガ構造は、典型的には、複数のトランジスタが横並びに配列され、その集団が単列又は複数列接続されて構成される。このため、高周波信号RFの分岐点aから各トランジスタ111〜11nのベースに至るまでの金属配線の長さが、それぞれ異なることになる。例えば、トランジスタ111については伝送線路151だけの長さ、トランジスタ112は伝送線路152+伝送線路151の長さ、トランジスタ113は伝送線路152+伝送線路152+伝送線路151の長さという具合である。
【0007】
よって、従来の高周波増幅器102の構成では、各トランジスタ111〜11nは、伝送線路の電気長によって定まるそれぞれ異なった位相の高周波信号RFを増幅することになり、トランジスタ111〜11nの動作が不均一となる。この不均一動作により、各トランジスタ111〜11nの合成出力電力が劣化するという問題がある。
【0008】
例えば、10個のトランジスタが並列接続され、各トランジスタが16dBmの電力を出力した場合を考える。この場合、各トランジスタから出力される高周波信号の位相が全て一致していれば、合成出力電力は26dBmとなるが、各トランジスタから出力される高周波信号の位相が0.5度ずつずれていれば、合成出力電力は25.84dBmとなる。この合成出力電力の差を効率で換算すると、高周波増幅器の動作電流が230mA及び電源電圧が3.5Vである場合、それぞれ49.5%及び47.6%となり、2%程度の劣化となる。この2%の劣化は、携帯電話で使用される送信用高周波増幅器等においては大きく影響する。なお、この例における出力電力、動作電流及び電源電圧は、実際に携帯電話で使用されている送信用高周波増幅器に近いものであり、また電気長の位相0.5度は周波数2GHzにおいて幅5μm及び長さ50μm程度の金属配線に相当し、実際の半導体集積基板上に形成されている構成を想定したものである。
【0009】
なお、トランジスタ111〜11nのコレクタC側についても同様のことが言えるが、一般に電流密度の関係上、ベースB側の伝送線路よりもコレクタC側の伝送線路の幅の方が大きい。このため、合成される高周波信号RFの位相変化は、各トランジスタ111〜11nのベースB側の伝送線路長に大きく依存する。
【0010】
それ故に、本発明の目的は、伝送線路長の違いによって生じる高周波信号の位相変化を低減し、複数のトランジスタにおける均一動作を確保して増幅効率の改善を図った高周波増幅器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、高周波信号を増幅する高周波増幅器に向けられている。そして、上記目的を達成させるために、本発明の高周波増幅器は、第1〜第nのトランジスタ、第1〜第nの抵抗、1つの容量、及び第1〜第(n−1)の位相器を備えている(nは2以上の整数)。第1〜第nのトランジスタは、コレクタが並列接続される。第1〜第nの抵抗は、一方の端子が共通接続されており、その一方の端子に直流電流が入力され、かつ、他方の端子が第1〜第nのトランジスタのベースにそれぞれ接続される。容量は、一方の電極に高周波信号が入力され、かつ、他方の電極が第1〜第nの伝送線路をそれぞれ経由して第1〜第nのトランジスタのベースに接続される。第1〜第(n−1)の位相器は、第(i−1)のトランジスタのベースと第iのトランジスタのベースとを、それぞれ接続する(i=2〜n)。
【0012】
この第1〜第(n−1)の位相器は、伝送線路よりも高い抵抗値を有する金属配線で構成してもよいし、容量特性を有する金属配線又は素子で構成してもよいし、容量特性を有する金属配線又は素子とインダクタンス特性を有する金属配線又は素子とを直列接続した回路で構成してもよい。また、第1〜第nのトランジスタは、ヘテロ接合バイポーラトランジスタであることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
上記のように、本発明によれば、各トランジスタのベースを位相器を介して並列に接続しているので、分岐点に対する各トランジスタのベースでの高周波信号の位相変化を低減させることが可能となる。これにより、各トランジスタをより均一に動作させ、高周波増幅器の効率を改善することができる。また、本発明によれば、直流電流供給配線と高周波信号入力配線との間に抵抗を介しているので、高周波信号のバイアス回路側への回り込みを抑制でき、高周波増幅器の雑音低減及びバイアス回路の安定性向上を実現することができる。さらに、本発明によれば、高周波信号を入力するための容量が1つでよいので、半導体集積基板の面積を縮小させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅器1の回路構成を示す図である。図1において、第1の実施形態に係る高周波増幅器1は、複数のトランジスタ11〜1n、複数の抵抗21〜2n、容量30、及び複数の位相器41〜4m(m=n−1)、の各素子によって構成される。また、各素子を接続する金属配線は、高周波信号の位相に影響を与える伝送線路51及び52を構成する。
【0015】
バイアス回路(図示せず)から与えられる直流電流DCは、トランジスタ11〜1nの数、すなわちn個に分岐され、抵抗21〜2nを介してトランジスタ11〜1nのベースBにそれぞれ入力される。増幅される高周波信号RFは、容量30の一方電極に入力され、不要な直流成分が除去されて他方電極から出力される。容量30の他方電極から出力される高周波信号RFは、トランジスタ11〜1nの数、すなわちn個に分岐され、トランジスタ11〜1nのベースBにそれぞれ入力される。この高周波信号RFがn個に分岐される点を、分岐点aと称する。増幅された高周波信号RFは、共通接続された各トランジスタ11〜1nのコレクタCから出力される。トランジスタ11〜1nのエミッタEは、接地されている。
【0016】
位相器41〜4mは、電気長を有する伝送線路であり、隣接するトランジスタのベースB間をそれぞれ接続する。この隣接するトランジスタとは、典型的には分岐点aからベースBまでの伝送線路51及び52による長さが前後するトランジスタのペアを意味し、具体的には半導体集積基板上に形成された位置が隣同士となるトランジスタのペアである。例えば、図1のトランジスタ12について言えば、トランジスタ11及び13が隣接するトランジスタに該当する。よって、トランジスタ11のベースBとトランジスタ12のベースBとの間、及びトランジスタ12のベースBとトランジスタ13のベースBとの間が、それぞれ位相器41及び42で接続される。この位相器41〜4mを接続することによって、分岐点aから各トランジスタのベースBへ高周波信号RFが流れる経路を、複数並列に設けることになる。よって、この位相器41〜4mに所定の電気長を持たせれば、経由する伝送線路51及び52の長さの違いによって生じるベースB入力での高周波信号RF間の位相差を、低減させることが可能となる。以下に、実験によって確認できた高周波信号RFの位相差の低減効果を、説明する。
【0017】
図2は、高周波増幅器1のトランジスタが8個である場合に、分岐点aに対する各トランジスタ11〜18のベースでの高周波信号RFの位相変化の一例を示す図である。図2の例では、高周波信号RFの周波数を2GHzに、伝送線路51及び52の電気長を位相1.0度として、位相器41〜47の電気長を位相0.1度、0.2度、0.5度、1.0度及び1.5度と変化させている。なお、図2では、トランジスタ11が分岐点aから最も近く、トランジスタ12からトランジスタ18になるにつれて分岐点aから遠くなる例を示している。
【0018】
図2に示すように、従来の構成では、分岐点aから最も近いトランジスタのベースBで+29.7度の位相変化が、最も遠いトランジスタのベースBで−26.8度の位相変化があり、その位相差は56.5度であった。これに対して、第1の実施形態の構成では、位相器41〜47の電気長が位相0.5度である場合、分岐点aから最も近いトランジスタ11のベースBで+16.3度の位相変化が、最も遠いトランジスタ18のベースBで−13.4度の位相変化があり、その位相差は29.7度と低減されている。また、位相器41〜47の電気長が位相0.1度である場合、分岐点aから最も近いトランジスタ11のベースBで+5.2度の位相変化が、最も遠いトランジスタ18のベースBで−4.6度の位相変化があり、その位相差は9.8度とかなり低減されている。
【0019】
また、この図2の位相器41〜47の電気長が位相0.5度である場合において、各トランジスタ11〜18の位相変化の低減による合成された出力電力の効果を、図3に示す。図3で分かるように、第1の実施形態の構成では、従来の構成と比べ、飽和出力で0.5dB、また一般に携帯電話で使用される26dBm出力付近で0.8dB、の利得改善が得られている。
【0020】
なお、位相器41〜47の電気長は、上述した位相0.1度、0.2度、0.5度、1.0度及び1.5度に限ったものではない。但し、携帯電話等で用いられる周波数2GHzで位相0.5度の電気長に相当する半導体集積基板上の金属配線は、幅5μmで長さ50μm程度であり、実使用上において妥当な検討である。
【0021】
以上のように、本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅器1によれば、各トランジスタ11〜1nのベースBを位相器41〜4mを介して並列に接続しているので、分岐点aに対する各トランジスタ11〜1nのベースBでの高周波信号RFの位相変化を低減させることが可能となる。これにより、各トランジスタ11〜1nをより均一に動作させ、高周波増幅器1の効率を改善することができる。また、この第1の実施形態に係る高周波増幅器1によれば、直流電流供給配線と高周波信号入力配線との間に抵抗21〜2nを介しているので、高周波信号RFのバイアス回路側への回り込みを抑制でき、高周波増幅器1の雑音低減及びバイアス回路の安定性向上を実現することができる。さらに、この第1の実施形態に係る高周波増幅器1によれば、高周波信号RFを入力するための容量30が1つでよいので、半導体集積基板の面積を縮小させることができる。
【0022】
(第2の実施形態)
図4は、本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅器2の回路構成を示す図である。図4において、第2の実施形態に係る高周波増幅器2は、複数のトランジスタ11〜1n、複数の抵抗21〜2n、容量30、及び複数の抵抗61〜6m、の各素子によって構成される。また、各素子を接続する金属配線は、高周波信号の位相に影響を与える伝送線路51及び52を構成する。
【0023】
図4に示す第2の実施形態に係る高周波増幅器2の特徴は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅器1の位相器41〜4mに、伝送線路51及び52よりも高抵抗な金属配線で形成された抵抗61〜6mを用いたものである。この構成により、各トランジスタ11〜1nのベースBから入力端子側を見た時のインピーダンスを調整することが可能となる。よって、第2の実施形態に係る高周波増幅器2は、上記第1の実施形態による効果に加えて、トランジスタ11〜1n間のベースインピーダンスの整合性を簡単に調整できるという効果を有する。
【0024】
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態に係る高周波増幅器3の回路構成を示す図である。図5において、第3の実施形態に係る高周波増幅器3は、複数のトランジスタ11〜1n、複数の抵抗21〜2n、容量30、及び複数の容量71〜7m、の各素子によって構成される。また、各素子を接続する金属配線は、高周波信号の位相に影響を与える伝送線路51及び52を構成する。
【0025】
図5に示す第3の実施形態に係る高周波増幅器3の特徴は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅器1の位相器41〜4mに、容量特性を有する金属配線又は素子で形成された容量71〜7mを用いたものである。この構成により、第3の実施形態に係る高周波増幅器3では、上記第1の実施形態に係る高周波増幅器1に比べて、高周波信号RFの位相差の低減効果が以下のように向上する。
【0026】
図6は、高周波増幅器3のトランジスタが8個である場合に、分岐点aに対する各トランジスタ11〜18のベースでの高周波信号RFの位相変化の一例を示す図である。図6の例では、高周波信号RFの周波数を2GHzに、伝送線路51及び52の電気長を位相0.5度に、容量71〜77を150pF(電気長を位相0.5度)にしている。なお、分岐点aから各トランジスタ11〜18までの距離は、図2の場合と同様である。図6では、従来の構成による位相差が56.5度であるのに対して、第3の実施形態の構成による位相差が約2度と、大幅に低減されている。なお、高周波信号RFの周波数が高ければ高いほど、容量71〜77は小さくて済み、例えば高周波信号RFが10GHzであれば5pFの容量71〜77で同様の効果が得られる。
【0027】
(第4の実施形態)
図7は、本発明の第4の実施形態に係る高周波増幅器4の回路構成を示す図である。図7において、第4の実施形態に係る高周波増幅器4は、複数のトランジスタ11〜1n、複数の抵抗21〜2n、容量30、複数の容量71〜7m、及び複数のインダクタ81〜8m、の各素子によって構成される。また、各素子を接続する金属配線は、高周波信号の位相に影響を与える伝送線路51及び52を構成する。
【0028】
図7に示す第4の実施形態に係る高周波増幅器4の特徴は、上記第1の実施形態に係る高周波増幅器1の位相器41〜4mに、容量特性を有する金属配線又は素子で形成された容量71〜7mと、インダクタンス特性を有する金属配線又は素子で形成されたインダクタ81〜8mとを、それぞれ直列に接続した回路を用いたものである。この構成により、第4の実施形態に係る高周波増幅器4では、上記第1の実施形態に係る高周波増幅器1に比べて、高周波信号RFの位相差の低減効果が以下のように向上する。また、第4の実施形態に係る高周波増幅器4では、インダクタ81〜8mを使用している分だけ容量71〜7mの容量値を小さくできるので、上記第3の実施形態に係る高周波増幅器3に比べて、半導体集積基板の面積を縮小させることができる。
【0029】
図8は、高周波増幅器4のトランジスタが8個である場合に、分岐点aに対する各トランジスタ11〜18のベースでの高周波信号RFの位相変化の一例を示す図である。図8の例では、高周波信号RFの周波数を2GHzに、伝送線路51及び52の電気長を位相0.5度に、容量71〜77を12pF及びインダクタ81〜87を0.5nH(電気長を位相0.5度)にしている。なお、分岐点aから各トランジスタ11〜18までの距離は、図2の場合と同様である。図8では、従来の構成による位相差が56.5度であるのに対して、第4の実施形態の構成による位相差が約2度と、大幅に低減されている。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明は、高周波信号を増幅するトランジスタが複数接続された高周波増幅器等に利用可能であり、特に伝送線路長の違いによって生じる高周波信号の位相変化を低減し、複数のトランジスタにおける均一動作を確保して増幅効率を改善させたい場合等に適している。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅器1の回路構成を示す図
【図2】高周波増幅器1における高周波信号の位相変化の一例を示す図
【図3】高周波増幅器1における高周波信号の入出力電力比の一例を示す図
【図4】本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅器2の回路構成を示す図
【図5】本発明の第3の実施形態に係る高周波増幅器3の回路構成を示す図
【図6】高周波増幅器3における高周波信号の位相変化の一例を示す図
【図7】本発明の第4の実施形態に係る高周波増幅器4の回路構成を示す図
【図8】高周波増幅器4における高周波信号の位相変化の一例を示す図
【図9】従来の高周波増幅器101の回路構成を示す図
【図10】従来の他の高周波増幅器102の回路構成を示す図
【符号の説明】
【0032】
1〜4、101、102 高周波増幅器
11〜1n、111〜11n トランジスタ
21〜2n、61〜6m、121〜12n 抵抗
30、71〜7m、131〜13n、230 容量
41〜4m 位相器
51、52、151、152 伝送線路
81〜8m インダクタ
DC 直流電流
RF 高周波信号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
高周波信号を増幅する高周波増幅器であって、
コレクタが並列接続された第1〜第nのトランジスタ(nは2以上の整数)と、
共通接続された一方の端子に直流電流が入力され、かつ、他方の端子が前記第1〜第nのトランジスタのベースにそれぞれ接続された第1〜第nの抵抗と、
一方の電極に高周波信号が入力され、かつ、他方の電極が第1〜第nの伝送線路をそれぞれ経由して前記第1〜第nのトランジスタのベースに接続された容量と、
第(i−1)のトランジスタのベースと第iのトランジスタのベースとを(i=2〜n)、それぞれ接続する第1〜第(n−1)の位相器とを備える、高周波増幅器。
【請求項2】
前記第1〜第(n−1)の位相器を、前記伝送線路よりも高い抵抗値を有する金属配線で構成したことを特徴とする、請求項1に記載の高周波増幅器。
【請求項3】
前記第1〜第(n−1)の位相器を、容量特性を有する金属配線又は素子で構成したことを特徴とする、請求項1に記載の高周波増幅器。
【請求項4】
前記第1〜第(n−1)の位相器を、容量特性を有する金属配線又は素子とインダクタンス特性を有する金属配線又は素子とを直列接続した回路で構成したことを特徴とする、請求項1に記載の高周波増幅器。
【請求項5】
前記第1〜第nのトランジスタが、ヘテロ接合バイポーラトランジスタであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の高周波増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−229574(P2006−229574A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40586(P2005−40586)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】