説明

高周波電力増幅器

【課題】従来よりも高効率で消費電力を抑えることが可能な高周波電力増幅器を提供する。
【解決手段】ソース接地され、ゲート端子が、信号が入力される入力ノードに接続された入力側トランジスタ10と、ゲート接地され、ソース端子が、入力側トランジスタ10のドレイン端子に共通に接続され、且つドレイン端子が、出力信号が出力される出力ノードに接続された複数の出力側トランジスタ20,30とを備え、各出力側トランジスタ20,30は、それぞれが異なるゲート・ソース間電圧によりバイアスされている構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主に無線通信機に使用される高周波電力増幅器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電力増幅器は、トランジスタ(FET(Field effect Transistor)やバイポーラ・トランジスタ等)を用いて、そのトランジスタのコモン端子を接地し、さらにトランジスタにバイアス電圧を印加し、直流電流を流すことで、トランジスタに利得を持たせ、入力端子から入力される交流信号を増幅している。
【0003】
図5は、トランジスタとしてFETを用いた従来の電力増幅器の回路例である。図5において、FET 120のソース端子は接地されており、ゲート端子が入力端子、ドレイン端子が出力端子である。また、キャパシタ101,102とインダクタ103とで構成される回路100が、入力インピーダンス整合回路である。キャパシタ112,113とインダクタ111とで構成される回路110は、出力インピーダンス整合回路である。
【0004】
インダクタ130は、FET 120にドレイン電圧を印加し、同時に出力整合回路の一部として働く。また、インダクタ105は、FET 120のゲート電圧を印加し、同時に入力整合回路の一部として働く。端子140及び端子160は直流電圧端子である。
【0005】
例えば、無線通信システムがASK(Amplitude Shift Keying)等の変調方式を採用している場合、電力増幅器の利得に線形性が求められる。従って、利得の線形性を重視する場合、FET 120はA級にバイアスされる。しかし、一般的に、電力増幅器は無線通信機器のなかで最も消費電力が大きいため、消費電力を抑える(効率を向上させる)ことが求められる。従って、FET 120はAB級にバイアスされることが多い。
【0006】
図6は、従来の電力増幅器の他の回路例である。この回路例では、FET 200,210が2段積みされている。このように、2段積みした構造のトランジスタをカスコード接続トランジスタと呼んでいる。FETのドレイン・ソース耐圧が高い場合には、図5においてドレイン電圧を高くできるので、十分な電力を取り出すことができる。しかし、FETのドレイン・ソース耐圧が低い場合には、図6の回路例のように、FETを2段積みにし、FET 200,210のドレイン・ソース間に印加される直流電圧を低下させる手法が一般的に採用されている。ここで、図6において、インダクタ220及びキャパシタ221からなる回路は、出力側FET 210にゲート電圧を印加するための回路であり、図5と同符号を付した回路構成部分は、図5と同目的のために備えられたものである。
【0007】
図6の回路において、FETとして0.13μm nMOSFETを用い、動作周波数が5.8GHz、電源電圧として、端子140には2.0V、端子160には入力側FET 200をAB級にバイアスするのに適切な電圧、端子230には出力側FET 210をAB級にバイアスするのに適切な電圧を印加する。このバイアス電圧の条件に於ける図6の回路の入出力特性を図7に示す。電流増幅器の利得線形性を評価する一般的な性能指数として、利得が小信号時よりも1dB低下するときの出力電力を用いる。この出力電力はP1dBと呼ばれている。図7において、横軸は電力増幅器への入力電力、特性301は出力電力、特性302は電力付加効率である。本回路では、点AがP1dBの出力値で15dBm、点BはP1dB出力時の電力付加効率で17%である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2004−194063号公報
【特許文献2】特開2002−335135号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Michele Vaiana, Giuseppe Gramegna and Mario Paparo, "A Wideband Fully Integrated 0.25μm BiCMOS 5GHz Medium Power Amplifier", IEEE Bipolar/BiCMOS Circuits and Technology, 2004. Proceedings of the 2004 Meeting, 2004年9月, pp.314-317.
【非特許文献2】Jie Weng; Hella, M., "A 5-GHz SiGe RF-Driven Cascode Power Amplifier", Circuits and Systems, 2006. MWSCAS '06. 49th IEEE International Midwest Symposium on, 2006年8月, pp.285-288.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、図6の回路では、FET 200,201はAB級にバイアスされているため、電力付加効率は低い。従って、無線通信機器全体の消費電力を抑えることは困難である。
ここで、電力付加効率は次式により計算される。
【0011】
【数1】

【0012】
無線通信機器の低消費電力化のためには、電力増幅器の高効率化は不可欠である。そこで、本発明の目的は、従来よりも高効率で消費電力を抑えることが可能な高周波電力増幅器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る高周波電力増幅器の第1の構成は、ソース接地又はエミッタ接地され、ゲート端子又はベース端子が、入力信号が入力される入力ノードに接続された入力側トランジスタと、
ゲート接地又はベース接地され、前記入力側トランジスタのドレイン端子又はコレクタ端子と出力信号が出力される出力ノードとの間に、チャネルが並列となるように接続された複数の出力側トランジスタと、を備え、
前記各出力側トランジスタは、それぞれが異なるゲート・ソース間電圧又はベース・エミッタ間電圧によりバイアスされていることを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、出力側トランジスタを、チャネルが並列となるように複数個接続し、それぞれの出力側トランジスタに異なるゲート・ソース間電圧を印加してバイアスしたことにより、各出力側トランジスタは、ソース端子(又はエミッタ端子)に入力される電圧に対してオンする電圧が、それぞれ異なることになる。従って、入力側トランジスタから各出力側トランジスタのソース端子(又はエミッタ端子)に入力される入力電圧が増加するにつれて、各出力側トランジスタは、バイアス電圧が低い順に順次オンしていくため、入力電圧の広範囲の領域に渡って利得の線型性が確保される。また、入力電圧が低いときには、バイアス電圧が低いトランジスタのみがオンされ、他のトランジスタはオフとなるため、全貫通電流が小さくなり、消費電力を抑えることが可能となる。
【0015】
ここで、入力側トランジスタ及び各出力側トランジスタとしては、電界効果トランジスタ、バイポーラ・トランジスタ、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ等の各種トランジスタを使用することができる。また、出力側トランジスタの個数は、複数個(2個以上)であれば、特にその数は限定するものではない。
【0016】
本発明に係る高周波電力増幅器の第1の構成は、前記第1の構成において、前記各出力側トランジスタのそれぞれに対し、当該出力側トランジスタのゲート端子又はベース端子にバイアス電圧を印加する抵抗分圧回路を備え、前記各抵抗分圧回路には、共通の電源電圧が印加されていることを特徴とする。
【0017】
この構成により、各出力側トランジスタのゲート又はベースのバイアスを同一の電源により行うことができるので、高周波電力増幅器の小型化が可能となり、また、制御も容易となる。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、トランジスタをカスコード接続する構造において、後段のトランジスタを複数個のトランジスタに分け、それら後段トランジスタがオンする入力電圧が異なる電圧となるように各後段トランジスタをバイアスすることで、高周波電力増幅器の利得の線形性と電力付加効率の向上を同時に実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係る高周波電力増幅器の回路図である。
【図2】図1の高周波電力増幅器の入出力特性の一例を示す図である。
【図3】本発明の実施例2に係る高周波電力増幅器の回路図である。
【図4】本発明の実施例3に係る高周波電力増幅器の回路図である。
【図5】トランジスタとしてFETを用いた従来の電力増幅器の回路例である。
【図6】従来の電力増幅器の他の回路例である。
【図7】図6の電力増幅器の入出力特性を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明の実施例1に係る高周波電力増幅器の回路図である。
【0022】
図1において、本実施例の高周波電力増幅器は、入力端子1、出力端子2、電源端子62,63,64,160、入力側トランジスタ10、出力側トランジスタ20,30、キャパシタ41,42,52,53,61,81、及びインダクタ43,51,60,70,80,150を備えている。尚、本実施例では入力側トランジスタ10及び出力側トランジスタ20,30としてn型FETを使用した例を示すが、これらのトランジスタは、バイポーラ・トランジスタ、絶縁ゲート・バイポーラ・トランジスタ(IGBT, Insulated gate bipolar transistor)等であってもよいし、p型を用いて構成してもよい。
【0023】
キャパシタ41,42及びインダクタ43はT字型に接続され入力インピーダンス整合回路40を構成する。また、インダクタ51及びキャパシタ52,53はT字型に接続され出力インピーダンス整合回路50を構成する。
【0024】
出力側トランジスタ20,30は、チャネルが並列接続されており、入力側トランジスタ10と出力側トランジスタ20,30の並列回路とは、それらのチャネルが接地面と電源端子63との間に直列に接続されている。
【0025】
入力側トランジスタ10は、ソース端子が接地され、ドレイン端子が出力側トランジスタ20,30のソース端子に接続され、ゲート端子がインダクタ150を介してゲートバイアス用の電源端子160に接続されている。また、インダクタ150と入力側トランジスタ10のゲート端子との共通接続ノードである入力ノードは、入力インピーダンス整合回路40を介して、入力端子1に接続されている。この入力側トランジスタ10は、ソース接地増幅回路を構成する。
【0026】
出力側トランジスタ20は、ドレイン端子がインダクタ70を介してドレインバイアス用の電源端子63に接続され、ゲート端子がインダクタ60を介してゲートバイアス用の電源端子62に接続されている。出力側トランジスタ20のゲート端子とインダクタ60との共通接続ノードは、交流バイパス用(ノイズ除去用)のキャパシタ61を介して接地されている。この出力側トランジスタ20は、ゲート接地増幅回路を構成する。
【0027】
出力側トランジスタ30は、ドレイン端子がインダクタ70を介してドレインバイアス用の電源端子63に接続され、ゲート端子がインダクタ80を介してゲートバイアス用の電源端子64に接続されている。出力側トランジスタ30のゲート端子とインダクタ80との共通接続ノードは、交流バイパス用(ノイズ除去用)のキャパシタ81を介して接地されている。この出力側トランジスタ30は、ゲート接地増幅回路を構成する。
【0028】
また、出力側トランジスタ20,30のドレイン端子の共通接続ノードである出力ノードは、出力インピーダンス整合回路50を介して、出力端子2に接続されている。
【0029】
入力側トランジスタ10及び出力側トランジスタ20は、それぞれAB級にバイアスされており、出力側トランジスタ30はB級にバイアスされているものとする。
【0030】
尚、インダクタ70は出力インピーダンス整合回路50の一部としても機能し、インダクタ150は入力インピーダンス整合回路40の一部としても機能する。
【0031】
図1において、図6に示した従来の電力増幅器と異なる点は、カスコード接続された2つのトランジスタのうち、後段の出力側トランジスタが、チャネルが並列接続された2つの出力側トランジスタで置き換えられた点である。ここで、図1の前段の入力側トランジスタ10が図6の入力側FET 200に対応し、図1の後段の出力側トランジスタ20,30が図6の出力側FET 210に対応する。また、図1の入力インピーダンス整合回路40は、図6の入力インピーダンス整合回路100に対応し、図1の出力インピーダンス整合回路50は、図6の出力インピーダンス整合回路110に対応し、図1のバイアス電源側のインダクタ150,60,80は、図6のインダクタ150,220に対応し、図1のノイズ除去用のキャパシタ61,81は、図6のキャパシタ221に対応している。
【0032】
以上のように構成された本実施例の高周波電力増幅器について、以下その動作を説明する。
【0033】
入力端子1から入力された信号は、入力インピーダンス整合回路40を通過して入力側トランジスタ10のゲート端子に入力される。入力側トランジスタ10は、AB級にバイアスされているので、利得を有する。入力側トランジスタ10で増幅された信号は、出力側トランジスタ20,30のソース端子に入力される。出力側トランジスタ20,30は、ともにゲート接地増幅回路として動作する。
【0034】
ここで、入力側トランジスタ10からの出力信号が小さい場合(小電力の場合)、その出力信号の大半は出力側トランジスタ20に入力される。何故ならば、出力側トランジスタ30はB級にバイアスされているので、大信号が入力されない限りオンせず、直流電流も殆ど流れず、その入力インピーダンスが非常に高いからである。従って、この場合には、出力側トランジスタ30は利得を有さない。一方、出力側トランジスタ20はAB級にバイアスされているので、直流電流が流れ、オンしており、その入力インピーダンスは出力側トランジスタ30に比べて遙かに小さく、利得を有する。
【0035】
こうして、入力側トランジスタ10で増幅された信号は、さらに出力側トランジスタ20で増幅され、出力インピーダンス整合回路50を通過して、出力端子2から出力される。
【0036】
一方、入力端子1へ入力される信号の電力が十分に増加した場合、入力側トランジスタ10の出力電力も大きくなる。従って、B級バイアスの出力側トランジスタ30もオンされ、出力側トランジスタ20と出力側トランジスタ30の両方から増幅された入力信号が出力されるようになる。
【0037】
従って、入力電力が小さいときはカスコード接続された入力側トランジスタ10及び出力側トランジスタ20が動作しており、入力電力が大きくなると出力側トランジスタ30もオンするためカスコード接続された入力側トランジスタ10及び出力側トランジスタ20,30の全てが動作する。この場合、カスコード接続の後段の出力側トランジスタのチャネルサイズが増加するため、出力電力を高めることが可能となる。
【0038】
さらに、カスコード接続の後段の出力側トランジスタ20,30のうち、一方の出力側トランジスタ20はAB級にバイアスされているので効率は高くないが、もう一方の出力側トランジスタ30はB級にバイアスされているので効率は高くなる。従って、高周波電力増幅器全体の効率は、従来の回路(図5,図6)よりも高くすることが可能となる。
【0039】
図2は、図1の高周波電力増幅器の入出力特性の一例を示す図である。ここで、入力側トランジスタ10及び出力側トランジスタ20,30としては、設計ルール0.13μmのnMOSFETを使用し、その動作周波数は5.8GHzとした。また、各直流バイアス電圧は、電源端子63の電圧は2.0V、電源端子160の電圧は入力側トランジスタ10をAB級にバイアスするのに適切な電圧、電源端子62の電圧は出力側トランジスタ20をAB級にバイアスするのに適切な電圧、電源端子64の電圧は出力側トランジスタ30をB級にバイアスするのに適切な電圧とした。
【0040】
図2において、横軸は高周波電力増幅器への入力電力(dBm)を表し、左縦軸は高周波電力増幅器の出力電力(dBm)、右縦軸は高周波電力増幅器の電流億付加効率(%)を表す。特性401は、入力電力に対する出力電力の変化特性、特性402は、入力電力に対する電力付加効率の変化特性である。本回路では、点CがP1dBの出力値であり17dBmである。また、点DはP1dBm出力時の電力付加効率であり33%である。
【0041】
図2の特性を従来例の図6の特性と比較すると、出力電力、電力付加効率がともに向上しているのを確認することができる。従って、図1に示した本実施例の高周波電力増幅器によれば、従来の電力増幅器よりも高出力で高効率の電力増幅器を実現することができ、無線通信機器の低消費電力化に有効であることが分かる。
【0042】
尚、本実施例において、入力側トランジスタ10はAB級にバイスすることとしたが、入力側トランジスタ10はA級にバイアスするように構成してもよい。
【実施例2】
【0043】
図3は、本発明の実施例2に係る高周波電力増幅器の回路図である。図3において、図1と同様の構成部分については、同符号を付している。
【0044】
本実施例の高周波電力増幅器は、入力端子1、出力端子2、入力側トランジスタ10、出力側トランジスタ20,30,35、キャパシタ41,42,52,53,61,81,82、インダクタ43,51,70、抵抗66,83,84,85及び電源端子62,63,64,65,160を備えている。図3の回路は図1の回路と異なる点は、インダクタ60,80,150をそれぞれ抵抗66,83,85で置き換えた点、及び、2段積みのカスコード接続されたトランジスタにおいてその後段の出力側トランジスタを3個とし、カスコード接続の後段に新たなベース接地増幅回路(出力側トランジスタ35,抵抗84及びキャパシタ82)を備えた点である。
【0045】
ここで、出力側トランジスタ20はAB級、出力側トランジスタ30はB級、出力側トランジスタ35はC級にバイアスされており、出力側トランジスタ30よりもさらに高い入力電圧においてオンするものとする。
【0046】
このように、本実施例においては、カスコード接続の後段の並列接続した出力側トランジスタを2個よりも増やし、各出力側トランジスタのバイアス条件を、ノーマリーオン(A級又はAB級)からノーマリーオフ(B級、C級)に分けることで、後段の出力側トランジスタが入力電力の増加とともに順々にオンしていくため、利得の線型性領域をさらに拡大し、さらに高出力で高効率を図ることが可能である。
【0047】
また、各出力側トランジスタのベースバイアス電圧印加回路に、抵抗85,66,83,84を使用することができる。
【0048】
尚、本実施例では、カスコード接続の後段の出力側トランジスタが3個の場合の例を示したが、本発明では、同様の構成により、後段の出力側トランジスタの個数を4個以上とすることもできる。
【実施例3】
【0049】
図4は、本発明の実施例3に係る高周波電力増幅器の回路図である。図4において、図3と同様の構成部分については、同符号を付している。
【0050】
本実施例の高周波電力増幅器は、入力端子1、出力端子2、入力側トランジスタ10、出力側トランジスタ20,30,35、キャパシタ41,42,52,53,61,81,82、インダクタ43,51,70、抵抗66,83,84,85,91,92,93及び電源端子63,90,160を備えている。図4の回路は図3の回路と異なる点は、
カスコード接続の後段の出力側トランジスタ20,30,35の各ゲート端子に接続された抵抗66,83,84の電源側端子が共通の電源端子90に接続された点である。出力側トランジスタ20,30,35の各ゲート電圧は、それぞれ分圧抵抗99,91、分圧抵抗83,92、分圧抵抗84,93によって定まる。従って、後段の出力側トランジスタ20,30,35の各ゲート端子を単一の電源端子90によりバイアスすることができるので、高周波電力増幅器の小型化が可能となり、また、制御も容易となる。
【符号の説明】
【0051】
1 入力端子
2 出力端子
10 入力側トランジスタ(FET)
20,30,35 出力側トランジスタ(FET)
40 入力インピーダンス整合回路
50 出力インピーダンス整合回路
41,42,52,53,61,81 キャパシタ
43,51,60,70,80,85 インダクタ
62,63,64,90,160 電源端子
66,83,84,85,91,92,93 抵抗
200,210 トランジスタ(FET)
100 入力インピーダンス整合回路
110 出力インピーダンス整合回路
101,102,112,113,221 キャパシタ
103,111,130,150,220 インダクタ
140,160,230 電源端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソース接地又はエミッタ接地され、ゲート端子又はベース端子が、入力信号が入力される入力ノードに接続された入力側トランジスタと、
ゲート接地又はベース接地され、前記入力側トランジスタのドレイン端子又はコレクタ端子と出力信号が出力される出力ノードとの間に、チャネルが並列となるように接続された複数の出力側トランジスタと、を備え、
前記各出力側トランジスタは、それぞれが異なるゲート・ソース間電圧又はベース・エミッタ間電圧によりバイアスされていることを特徴とする高周波電力増幅器。
【請求項2】
前記各出力側トランジスタのそれぞれに対し、当該出力側トランジスタのゲート端子又はベース端子にバイアス電圧を印加する抵抗分圧回路を備え、前記各抵抗分圧回路には、共通の電源電圧が印加されていることを特徴とする請求項1記載の高周波電力増幅器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−147307(P2012−147307A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−4854(P2011−4854)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(899000068)学校法人早稲田大学 (602)
【Fターム(参考)】