説明

300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物、これを利用したカラーフィルターおよびこれを含む固体撮像素子

本発明は着色剤、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤および溶媒を含む着色感光性樹脂組成物において、前記光重合開始剤が300nm以下で反応する化合物を含むことを特徴とする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物を提供する。前記着色感光性樹脂組成物は、超微細化された着色パターンが具現されたカラーフィルターを製造でき、前記カラーフィルターは固体撮像素子に有用に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物、これを利用したカラーフィルターおよびこれを含む固体撮像素子に関する。
【背景技術】
【0002】
よく知られたように、カラーイメージを実現するための撮像素子は、外部からの光を受けて光電荷を生成および蓄積する光感知部分の上部にカラーフィルターが備えられている。前記カラーフィルターはレッド(Red)、グリーン(Green)およびブルー(Blue)の三つのカラーの着色パターンからなるか、イエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)およびシアン(Cyan)の三つのカラーの着色パターンからなる。
【0003】
前記カラーフィルターそれぞれの着色パターンは、顔料または染料を含む着色感光性樹脂組成物を利用して形成される。前記着色感光性樹脂組成物を利用した着色パターン加工は、通常、リソグラフィ工程で行われる。前記着色パターンの製造に使用されるリソグラフィ工程用光源の波長は、一般に、g線(波長436nm)やi線(波長365nm)波長が使用される。
【0004】
一方、最近、デジタルカメラなどの固体撮像素子は、高画素化および画質の改善のために画素サイズが既存の4〜5μmから2μm以下に小さくなることが要求され、これによって、着色パターンも超微細化および正四角形を持つことが要求されている。
【0005】
前記要求を解消するために、染料を含む着色感光性樹脂組成物を利用して着色パターンを形成するか、予め形成されたパターンに染料を着色させて着色パターンを形成するなどの研究が行われてきた。しかしながら、染料は耐熱性、耐光性などが弱いから信頼性において問題が発生している。また、既存の着色パターン形成に使用される工程用光源の波長である463〜365nmでは実現できるパターンのサイズが限界解像度に到達したともいえる。
【0006】
これによって、本発明者らは300nm以下の超短波長の露光器を利用して、固体撮像素子用カラーフィルターの着色パターンサイズを超微細化させようとする研究が進行していたが、通常の着色感光性樹脂組成物は300nm以下の超短波長で硬化がよく行われないという問題点があった。さらに、300nm以下の超短波長で硬化が行われるとしても感度および解像度が低下するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、300nm以下の超短波長露光器を利用して固体撮像素子用カラーフィルターの製造の際、高解像度の超微細化された着色パターンを形成可能にする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0008】
本発明は、さらに、少量の光重合開始剤を使用しても高感度特性を表して少ない露光量でも高解像度の超微細化された着色パターンを形成可能にする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0009】
本発明は、さらに、高感度特性を表して少ない露光量でもライン特性に優れた高解像度の超微細化された着色パターンを形成可能にする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
【0010】
本発明は、さらに、前記着色感光性樹脂組成物を利用して形成された高解像度の超微細化された着色パターンを有するカラーフィルターを提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、さらに、前記カラーフィルターを含む固体撮像素子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した目的を達成するために本発明は、着色剤、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤および溶媒を含む着色感光性樹脂組成物において、前記光重合開始剤は300nm以下で反応する化合物を含むことを特徴とする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物を提供する。
【0013】
前記光重合開始剤はアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。より好ましくは、前記光重合開始剤は、アセトフェノン系およびベンゾフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。前記光重合開始剤がアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つである場合、前記光重合開始剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で5〜20重量%を含むことが望ましい。
【0014】
前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤であることができる。
【0015】
前記光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤である場合、前記光重合開始剤は着色感光性樹脂組成物中の固形分に対し、重量分率で1〜20重量%を含むことが望ましい。
【0016】
前記光重合開始剤はオキシムエステル系光重合開始剤を含み、前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤をさらに含んでなることができる。
【0017】
前記他の光重合開始剤はアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、トリアジン系またはベンゾイン系光重合開始剤から選択される活性ラジカル発生剤、増感剤および酸発生剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0018】
このとき、前記オキシムエステル系光重合開始剤は、それを含む光重合開始剤の全体量に対して重量分率で1〜99重量%を含むことが好ましく、前記光重合開始剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で1〜50重量%を含むことが好ましい。
【0019】
前記300nm以下の超短波長露光器は、KrFスキャナー露光器(248nm)であることが好ましい。
【0020】
また、本発明の目的を達成するために、本発明は、基板上に前記本発明による着色感光性樹脂組成物をコーティングした後、300nm以下の超短波長露光器を使用して所定のパターンに露光および現像して形成される着色パターンを含むことを特徴とするカラーフィルターを提供する。
【0021】
このとき、前記露光器は、KrFスキャナー露光器(248nm)であることが好ましい。
【0022】
前記露光時の露光量は、200mJ/cm以下であることが好ましい。
【0023】
また、本発明の他の目的を達成するために、本発明は、前記カラーフィルターを含むことを特徴とする固体撮像素子を提供する。
【発明の効果】
【0024】
前記本発明による着色感光性樹脂組成物は、300nm以下の超短波長で反応する光重合開始剤を含んでなることによって、カラーフィルターの製造過程の際、300nm以下の超短波長露光器を使用して露光時に高解像度の微細な着色パターンを実現することができる。
【0025】
特に、前記光重合開始剤として、300nm以下の超短波長で反応するアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つを含む場合、既存の着色感光性樹脂組成物の含有量に比べて過剰使用してカラーフィルターを製造する過程で300nm以下の超短波長露光器を使用することによって、露光時に高解像度の微細な着色パターンを実現することができる。
【0026】
また、前記光重合開始剤として、300nm以下の超短波長で反応するオキシムエステル系光重合開始剤を含む場合、少量の光重合開始剤を使用しても高感度特性を表して少ない露光量でも高解像度の超微細化された着色パターンが形成可能になる。
【0027】
また、前記光重合開始剤として、300nm以下の超短波長で反応するオキシムエステル系光重合開始剤とその他の光重合開始剤を含む場合、極小の露光量でもライン特性に優れた高解像度の超微細化された着色パターンが形成可能になる。
【0028】
前記着色パターンは1.4μm以下、特に1.0μm以下の微細な大きさを有することができる。これによって、前記カラーフィルターは固体撮像素子に有用に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】実施例1において製造された着色パターンのSEM写真である。
【図2】実施例2において製造された着色パターンのSEM写真である。
【図3】実施例3において製造された着色パターンのSEM写真である。
【図4】実施例4において製造された着色パターンのSEM写真である。
【図5】実施例5において製造された着色パターンのSEM写真である。
【図6】本発明の実施例6乃至9によるオキシムエステル系光重合開始剤の含有量別に適正露光量を示すグラフである。
【図7】実施例10における着色感光性樹脂組成物を利用して、限界解像度を実験した結果を示す着色パターンのSEM写真である。
【図8】実施例11における着色感光性樹脂組成物を利用して、限界解像度を実験した結果を示す着色パターンのSEM写真である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明をより詳しく説明する。
【0031】
本発明による300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物(以下、“着色感光性樹脂組成物”という)は、着色剤(A)、バインダー樹脂(B)、光重合性化合物(C)、光重合開始剤(D)および溶媒(E)を含んでなる。
【0032】
着色剤(A)
前記着色剤としては有機または無機顔料が用いることができ、好ましくは、耐熱性および発生性を考慮して有機顔料が用いることができる。顔料は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0033】
必要な場合、有機顔料はロジン処理、酸性基または塩基性基が導入されている顔料誘導体を使用する表面処理、重合体化合物などを使用する顔料の表面に対するグラフト処理、硫酸微細粒子化方法などによる微細粒子化処理、または不純物を除去するために有機溶剤または水などによる洗浄処理を実施できる。
【0034】
前記顔料として具体的には、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている化合物が挙げられる。前記顔料として具体的には、カラーインデックス(Color Index:The Society of Dyers and Colourists出版)で顔料として分類された化合物を使用することができる。
【0035】
使用できる顔料の具体的な例としては、
C.I.ピグメントイエロー1号、C.I.ピグメントイエロー12号、C.I.ピグメントイエロー13号、C.I.ピグメントイエロー14号、C.I.ピグメントイエロー15号、C.I.ピグメントイエロー16号、C.I.ピグメントイエロー17号、C.I.ピグメントイエロー20号、C.I.ピグメントイエロー24号、C.I.ピグメントイエロー31号、C.I.ピグメントイエロー53号、C.I.ピグメントイエロー83号、C.I.ピグメントイエロー86号、C.I.ピグメントイエロー93号、C.I.ピグメントイエロー94号、C.I.ピグメントイエロー109号、C.I.ピグメントイエロー110号、C.I.ピグメントイエロー117号、C.I.ピグメントイエロー125号、C.I.ピグメントイエロー128号、C.I.ピグメントイエロー137号、C.I.ピグメントイエロー138号、C.I.ピグメントイエロー139号、C.I.ピグメントイエロー147号、C.I.ピグメントイエロー148号、C.I.ピグメントイエロー150号、C.I.ピグメントイエロー153号、C.I.ピグメントイエロー154号、C.I.ピグメントイエロー166号、C.I.ピグメントイエロー173号、
C.I.ピグメントオレンジ13号、C.I.ピグメントオレンジ31号、C.I.ピグメントオレンジ36号、C.I.ピグメントオレンジ38号、C.I.ピグメントオレンジ40号、C.I.ピグメントオレンジ42号、C.I.ピグメントオレンジ43号、C.I.ピグメントオレンジ51号、C.I.ピグメントオレンジ55号、C.I.ピグメントオレンジ59号、C.I.ピグメントオレンジ61号、C.I.ピグメントオレンジ64号、C.I.ピグメントオレンジ65号、C.I.ピグメントオレンジ71号、C.I.ピグメントオレンジ73号、
C.I.ピグメントレッド9号、C.I.ピグメントレッド97号、C.I.ピグメントレッド105号、C.I.ピグメントレッド122号、C.I.ピグメントレッド123号、C.I.ピグメントレッド144号、C.I.ピグメントレッド149号、C.I.ピグメントレッド166号、C.I.ピグメントレッド168号、C.I.ピグメントレッド176号、C.I.ピグメントレッド177号、C.I.ピグメントレッド180号、C.I.ピグメントレッド192号、C.I.ピグメントレッド215号、C.I.ピグメントレッド216号、C.I.ピグメントレッド224号、C.I.ピグメントレッド242号、C.I.ピグメントレッド254号、C.I.ピグメントレッド264号、C.I.ピグメントレッド265号、
C.I.ピグメントブルー15号、C.I.ピグメントブルー15:3号、C.I.ピグメントブルー15:4号、C.I.ピグメントブルー15:6号、C.I.ピグメントブルー60号、
C.I.ピグメントバイオレット1号、C.I.ピグメントバイオレット19号、C.I.ピグメントバイオレット23号、C.I.ピグメントバイオレット29号、C.I.ピグメントバイオレット32号、C.I.ピグメントバイオレット36号、C.I.ピグメントバイオレット38号、
C.I.ピグメントグリーン7号、C.I.ピグメントグリーン36号、
C.I.ピグメントブラウン23号、C.I.ピグメントブラウン25号などが挙げられる。
【0036】
前記着色剤の使用量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で5重量%乃至60重量%、好ましくは10重量%乃至50重量%である。前記着色剤の使用量が前記基準にして、前記範囲内であればカラーフィルターが製造されたとき、着色パターンのカラー濃度が十分であり、機械的強度も十分な着色パターンを形成することができる。
【0037】
このとき、前記着色剤は、予め溶剤と混合して着色剤の平均粒径が0.2μm以下になるまでビードミルなどを利用して分散させた分散液(以下、ミルベースともいう)の形態で使用することができる。前記分散液には分散過程で顔料分散剤を追加添加して分散したり、バインダー樹脂の一部または全部を配合して分散することができる。
【0038】
前記分散液が着色剤および溶剤からなる場合、前記着色剤は、分散液全体100重量部に対して通常5乃至60重量部、好ましくは10重量部乃至40重量で含まれることである。
【0039】
また、前記分散液に顔料分散剤が追加添加される場合、前記顔料分散剤としては、例えばポリエステル系重合体分散剤、アクリル系重合体分散剤、ポリウレタン系重合体分散剤、陽イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤などを用いることができ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0040】
特に、前記顔料分散剤としては市販の界面活性剤を使用することができ、前記の界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリエチレングリコールジエステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、脂肪酸変性ポリエステル類、3級アミン変性ポリウレタン類、ポリエチレンイミン類などがあり、その他、商品名としては、KP(信越化学工業(株)製)、ポリフロー(POLYFLOW)(共栄化学(株)製)、エフトップ(EFTOP)(トーケムプロダクツ社製)、メガファック(MEGAFAC)(大日本インキ化学工業(株)製)、フロラード(Flourad)(住友スリエム(株)製)、アサヒガード(Asahi guard)、サーフロン(Surflon)(以上、旭硝子(株)製)、ソルスパース(SOLSPERSE)(ゼネカ(株)製)、EFKA(EFKAケミカルス社製)、PB821(味の素(株)製)などが挙げられる。
【0041】
前記顔料分散剤は、着色剤1重量部を基準にして0.01乃至1重量部、好ましくは0.05重量部乃至0.5重量部で含まれるのが着色剤の分散を考慮するとき、望ましい。
【0042】
本発明において着色感光性組成物中の固形分とは、溶剤を除去した成分の合計を意味する。
【0043】
バインダー樹脂(B)
前記バインダー樹脂は着色剤に対する結合剤樹脂としての作用をするものであって、現像段階で使用されるアルカリ性現像液に溶解可能な重合体であれば、全てが使用できる。
【0044】
前記バインダー樹脂は、例えばカルボキシル基含有単量体および前記カルボキシル基含有単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体が挙げられる。
【0045】
前記カルボキシル基含有単量体としては、例えば不飽和モノカルボン酸、不飽和ジカルボン酸、不飽和トリカルボン酸などの分子中に1個以上のカルボキシル基を有する不飽和多価カルボン酸などの不飽和カルボン酸などが挙げられる。
【0046】
ここで、不飽和モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロロアクリル酸およびシンナム酸などが挙げられる。
【0047】
前記不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸およびメサコン酸などが挙げられる。
【0048】
前記不飽和多価カルボン酸は酸無水物であり、具体的にはマレイン酸無水物、イタコン酸無水物、シトラコン酸無水物などが挙げられる。
【0049】
また、前記不飽和多価カルボン酸はそのモノ(2−メタクリロイルオキシアルキル)エステルであり、例えばコハク酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、コハク酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイルオキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)などが挙げられる。
【0050】
前記不飽和多価カルボン酸は、その両末端ジカルボキシ重合体のモノ(メタ)アクリレートであり、例えばω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノメタクリレートなどが挙げられる。
【0051】
これらカルボキシル基含有単量体はそれぞれ単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0052】
前記カルボキシル基含有単量体と共重合が可能な他の単量体としては炭素−炭素不飽和結合を有する単量体であって、その具体的な例としては、
芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど、不飽和カルボキシレート化合物、例えばメチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレートなど、不飽和アミノアルキルカルボキシレート化合物、例えばアミノエチルアクリレートなど、不飽和グリシジルカルボキシレート化合物、例えばメタクリル酸グリシジルなど、ビニルカルボキシレート化合物、例えばビニルアセテート、ビニルプロピオン酸塩など、シアン化ビニール化合物、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリルなど、不飽和オキセタンカルボキシレート化合物、例えば3−メチル−3−アクリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−アクリルオキシメチルオキセタン、3−エチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン、3−メチル−3−アクリルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−メタクリルオキシエチルオキセタン、3−メチル−3−アクリルオキシエチルオキセタンおよび3−メチル−3−メタクリルオキシエチルオキセタンなどが挙げられる。これら単量体はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】
前記共重合体の例としては、3−エチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体、3−エチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、3−エチル−3−メタクリルオキシメチルオキセタン/メチルメタクリレート/メタクリル酸/スチレン共重合体などが挙げられる。
【0054】
前記共重合体からなるバインダー樹脂でカルボキシル基を有する単量体単位の含有量は重量分率で5重量%乃至50重量%であることが好ましく、10重量%乃至40重量%であることがより好ましい。前記カルボキシル基含有単量体単位の含有量が前記範囲内であれば現像液に対する溶解性が良好であり、現像時の着色パターンが正確に形成されるので、好ましい。
【0055】
また、前記バインダー樹脂は酸価が20乃至200(mgKOH/g)の範囲であることが好ましい。酸価が前記範囲内であれば現像液中の溶解性が向上して非露光部が容易に溶解することになる。ここで酸価とは、アクリル系重合体1gを中和するのに必要な水酸化カリウムの量(mg)で測定される値であり、通常、水酸化カリウム水溶液を用いて適正することによって求められる。
【0056】
前記バインダー樹脂は標準物質としてポリスチレンを使用してゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定した重量平均分子量(MW)が5000乃至400000、または10000乃至300000であることが好ましい。分子量が前記範囲内であれば着色パターンの表面硬度が向上し、非露光部の溶解性が卓越し、解像度が向上するので望ましい。
【0057】
前記バインダー樹脂は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で5重量%乃至85重量%、好ましくは20重量%乃至70重量%で含まれる。バインダー樹脂が前記基準に前記範囲内であればパターンの形成が可能になり、解像度および残膜率が向上する。
【0058】
光重合性化合物(C)
前記光重合性化合物は光照射によって、光重合開始剤から発生する活性ラジカルや酸などによって重合できる化合物であり、例えば重合可能な炭素−炭素不飽和結合を有する化合物などが挙げられる。このような化合物は単官能光重合性化合物、2官能光重合性化合物または3官能以上の多官能光重合性化合物であることができる。
【0059】
前記単官能の光重合性化合物の例としては、ノニルフェニルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0060】
前記2官能性の光重合性化合物の例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ビスフェノールAのビス(アクリロイルオキシエチル)エーテル、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジメタクリレートなどが挙げられる。
【0061】
3官能以上の多官能光重合性化合物の例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレートなどが挙げられる。
【0062】
前記で例示した光重合性化合物はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。前記光重合性化合物中で2官能以上の光重合性化合物を使用することが好ましい。
【0063】
前記光重合性化合物の使用量は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で0.1乃至70重量%、好ましくは1乃至60重量%である。前記光重合性化合物が前記基準にして前記範囲内で含まれる場合、着色パターンの強度や平滑性が良好になる。
【0064】
光重合開始剤(D)
前記光重合開始剤は、その使用されるものによって超微細化された着色パターンを実現するための含有量が異なるようになり、かつ、具現される超微細化された着色パターンの物理的特性を改善することができる。以下、これについてより詳しく説明する。
【0065】
前記光重合開始剤としては、300nm以下の超短波長に反応して活性ラジカルを発生させたり酸を発生せしめて、バインダー樹脂と光重合性化合物とを重合させることができるものであれば限らずに用いることができる。
【0066】
好ましくは、前記光重合開始剤はアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。より好ましくは、前記光重合開始剤はアセトフェノン系およびベンゾフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであることができる。
【0067】
前記アセトフェノン系光重合開始剤の例としては、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オンおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパン−1−オンのオリゴマなどが挙げられる。
【0068】
前記ベンゾフェノン系光重合開始剤の例としては、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0069】
前記チオキサントン光重合開始剤の例としては、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0070】
前記トリアジン系光重合開始剤の例としては、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(フラン−2−イル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル]−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0071】
光重合開始剤として前記のようにアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つを使用する場合、前記光重合開始剤は通常の着色感光性樹脂組成物に使用される含有量より過剰に使用しなければ十分に微細化された着色パターンを得ることができない。好ましくは、前記光重合開始剤は着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で5〜20重量%、より好ましくは10〜20重量%で含まれる。前記光重合開始剤が前記基準に5重量%未満の場合、300nm以下の波長での感度が落ちて優れた解像度の超微細化された着色パターンを得られないという問題点があり、20重量%を超過する場合、解像度が落ちる問題があるので、前記範囲内で光重合開始剤を使用するのが好ましい。
【0072】
前記光重合開始剤は、オキシムエステル系光重合開始剤であることができる。
【0073】
前記オキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的に1−(4−フェニルチオフェニル)−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム))、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1,2−ブタン−2−オキシム−O−アセテート、1−(4−メチルスルファニル−フェニル)−ブタン−1−オンオキシム−O−アセテート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−アセテート、ヒドロキシイミノ−(4−メチルスルファニル−フェニル)−酢酸エチルエステル−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4テトラハイドロピラニルオキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)などが挙げられる。
【0074】
前記例示したオキシムエステル系光重合開始剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0075】
前記光重合開始剤としてオキシムエステル系光重合開始剤を使用すると、少量でも300nm以下の超短波長に高感度に反応することになり、これによって少ない露光量でも超微細化された着色パターンの実現が可能になる。
【0076】
前記光重合開始剤がオキシムエステル系光重合開始剤である場合、前記光重合開始剤は着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して、重量分率で1〜20重量%で含まれるのが好ましい。前記オキシムエステル系光重合開始剤が前記基準にして1重量%未満である場合、300nm以下の波長での感度が落ちて、優れた解像度の超微細化された着色パターンを得られないという問題点があり、20重量%を超過する場合、それ以上改善される高感度特性を得られないという問題点があるので、前記範囲内で光重合開始剤を使用するのが好ましい。
【0077】
前記光重合開始剤はオキシムエステル系光重合開始剤を含み、前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤をさらに含んでなることができる。
【0078】
その他、光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、トリアジン系またはベンゾイン系光重合開始剤から選択される活性ラジカル発生剤、増感剤および酸発生剤からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
【0079】
前記においてオキシムエステル系、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤は上述したようなものを使用することができる。
【0080】
前記ベンゾイン系光重合開始剤の例としては、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0081】
前記増感剤の例としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナントレンキノン、カムフォキノン、メチルフェニルグリオキシレート、チタノセン化合物などが挙げられる。
【0082】
前記酸発生剤の例としては、オニウム塩、例えば4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホン酸塩、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムp−トルエンスルホン酸塩、4−アセトキシフェニル・メチル・ベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムp−トルエンスルホン酸塩、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジフェニルヨードニウムp−トルエンスルホン酸塩、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネートなど、ニトロベンジルトシレート、ベンゾイントシレートなどが挙げられる。
【0083】
前記で言及した化合物中には、活性ラジカル発生剤として活性ラジカルを発生させると共に酸を発生させる化合物もある。例えば、トリアジン系光重合開始剤は酸発生剤として使用される。
【0084】
前記で例示した光重合開始剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0085】
前記光重合開始剤としてオキシムエステル系光重合開始剤と前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤を混合して使用する場合、ライン特性に優れた超微細化された着色パターンが形成可能になる。
【0086】
前記光重合開始剤としてオキシムエステル系光重合開始剤と前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤を混合して使用する場合、前記オキシムエステル系光重合開始剤はそれを含む光重合開始剤の全体量に対して重量分率で1〜99重量%で含まれるのが望ましい。前記オキシムエステル系光重合開始剤が前記基準にして1重量%未満の場合、感度が落ちて優れた解像度の超微細化された着色パターンを得られないという問題点があり、99重量%を超過する場合、解像度が落ちるという問題点があるので、前記範囲内でオキシムエステル系光重合開始剤を使用するのが好ましい。さらに、前記光重合開始剤は着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で1〜50重量%で含まれる。光重合開始剤が前記基準にして1重量%未満の場合、300nm以下の波長における感度が落ちて優れた解像度の超微細化された着色パターンを得られないという問題点があり、50重量%を超過する場合、解像度が落ちるという問題点があるので、前記範囲内で光重合開始剤を使用するのが好ましい。
【0087】
本発明による光重合開始剤は光重合性化合物の重合を増進させるために、光重合開始補助剤と共に使用することができる。
【0088】
前記光重合開始補助剤として、例えばアミン系光重合開始補助剤、アルコキシアントラセン系光重合開始補助剤などが挙げられる。
【0089】
前記アミン系光重合開始補助剤の例としては、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、メチル4−ジメチルアミノベンゾエート、エチル4−ジメチルアミノベンゾエート、イソアミル4−ジメチルアミノベンゾエート、2−ジメチルアミノエチルベンゾエート、2−エチルヘキシル4−ジメチルアミノベンゾエート、N、N−ジメチルp−トルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称:ミヒラーズ(Michler’s)ケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(エチルメチルアミノ)ベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0090】
前記アルコキシアントラセン系光重合開始補助剤の例としては、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。
【0091】
このような光重合開始補助剤を使用する場合、その使用量は、光重合開始剤1モル当たり通常10モル以下、好ましくは0.01モル乃至5モルである。前記光重合開始補助剤の使用量が前記範囲内であれば、着色感光性樹脂組成物の感度がさらに高くなり、カラーフィルターの生産性が向上するので、好ましい。
【0092】
溶剤(E)
前記溶剤は特に制限されず、着色感光性樹脂組成物の分野で使用されている各種有機溶剤を使用することができる。
【0093】
前記溶剤の具体的な例としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなど、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなど、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなど、アルキレングリコールアルキルエーテルアセテート、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、メトキシブチルアセテート、メトキシペンチルアセテートなど、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど、ケトン、例えばメチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど、アルコール、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなど、環状エステル、例えばγ−ブチロラクトンなどが挙げられる。これらの溶剤はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0094】
前記溶剤は、それを含む着色感光性樹脂組成物全体量に対して、重量分率で50重量%乃至90重量%、好ましくは60重量%乃至85重量%で含まれることである。溶剤の含有量が前記基準にして50重量%乃至90重量%で含まれる場合、塗布性が良好になるので、好ましい。
【0095】
添加剤(F)
前記着色感光性樹脂組成物は必要に応じて添加剤をさらに含むことができる。
【0096】
前記添加剤としては、例えば充填剤、バインダー樹脂以外の他の高分子、密着促進剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、有機酸、有機アミノ化合物および硬化剤などが挙げられる。
【0097】
前記充填剤の例として具体的には、ガラス、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
【0098】
前記他の高分子の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフルオロアルキルアクリレートなどが挙げられる。
【0099】
前記密着促進剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
【0100】
前記抗酸化剤の例としては、2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノールなどが挙げられる。
【0101】
前記紫外線吸収剤の例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0102】
前記凝集防止剤の例としては、ナトリウムポリアクリレートなどが挙げられる。
【0103】
前記有機酸の例としては、脂肪族モノカルボン酸、例えばホルム酸、酢酸、プロピオン酸、ブチル酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸など、脂肪族ジカルボン酸、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シクロヘキサンジカルボン酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸など、脂肪族トリカルボン酸、例えばトリカルボン酸、アコニット酸、カンフル酸など、芳香族モノカルボン酸、例えば安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸など芳香族ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸など芳香族ポリカルボン酸、例えばトリメリット酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリット酸など、および他の酸が挙げられる。
【0104】
前記有機アミノ化合物の例としては、モノ(シクロ)アルキルアミン、例えばn−プロピルアミン、i−プロピルアミン、n−ブチルアミン、i−ブチルアミン、s−ブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン、2−メチルシクロヘキシルアミン、3−メチルシクロヘキシルアミン、4−メチルシクロヘキシルアミンなど、ジ(シクロ)アルキルアミン、例えばメチルエチルアミン、ジエチルアミン、メチルn−プロピルアミン、エチルn−プロピルアミン、ジn−プロピルアミン、ジi−プロピルアミン、ジn−ブチルアミン、ジi−ブチルアミン、ジs−ブチルアミン、ジt−ブチルアミン、ジn−ペンチルアミン、ジn−ヘキシルアミン、メチルシクロヘキシルアミン、エチルシクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンなど、トリ(シクロ)アルキルアミン、例えばジメチルエチルアミン、メチルジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルn−プロピルアミン、ジエチルn−プロピルアミン、メチルジn−プロピルアミン、エチルジn−プロピルアミン、トリn−プロピルアミン、トリi−プロピルアミン、トリn−ブチルアミン、トリi−ブチルアミン、トリs−ブチルアミン、トリt−ブチルアミン、トリn−ペンチルアミン、トリn−ヘキシルアミン、ジメチルシクロヘキシルアミン、ジエチルシクロヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、エチルジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミンなど、モノ(シクロ)アルカノールアミン、例えば2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタンオール、6−アミノ−1−ヘキサノール、4−アミノ−1−シクロヘキサンオールなど、ジ(シクロ)アルカノールアミン、例えばジエタノールアミン、ジn−プロパノールアミン、ジi−プロパノールアミン、ジn−ブタノールアミン、ジi−ブタノールアミン、ジn−ペンタンオールアミン、ジn−ヘキサノールアミン、ジ(4−シクロヘキサンオール)アミンなど、トリ(シクロ)アルカノ−ルアミン、例えばトリエタノールアミン、トリn−プロパノールアミン、トリi−プロパノールアミン、トリn−ブタノールアミン、トリi−ブタノールアミン、トリn−ペンタンオールアミン、トリn−ヘキサノールアミン、トリ(4−シクロヘキサンオール)アミンなど、アミノ(シクロ)アルカンジオール、例えば3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオ−ル、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオ−ル、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオ−ルなど、アミノ基含有シクロアルカンメタノール、例えば1−アミノシクロペンタンオンメタノール、4−アミノシクロペンタンオンメタノール、1−アミノシクロヘキサンオンメタノール、4−アミノシクロヘキサンオンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノールなど、アミノカルボン酸、例えばβ−アラニン、2−アミノブチル酸、3−アミノブチル酸、4−アミノブチル酸、2−アミノイソブチル酸、3−アミノイソブチル酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6−アミノカプロン酸、1−アミノシクロプロパンカルボン酸、1−アミノシクロヘキサンカルボン酸、4−アミノシクロヘキサンカルボン酸など、芳香族アミン、例えばアニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−i−プロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N、N−ジメチルアニリン、N、N−ジエチルアニリン、p−メチル−N、N−ジメチルアニリンなど、アミノベンジルアルコール、例えばo−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコールなど、アミノフェノール、例えばo−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノールなど、アミノ安息香酸、例えばm−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸など、および他の酸が挙げられる。
【0105】
前記硬化剤はパターン化において現像後、加熱処理によって着色パターンを硬化して、その機械的強度を向上させる目的に用いることができる。
【0106】
前記硬化剤としては、例えば加熱によってバインダー重合体内のカルボキシル基と反応してバインダー樹脂を架橋結合できる化合物が挙げられ、着色パターンはバインダー重合体を架橋結合させることによって硬化する。また、加熱によって単独重合できる化合物も使用することができ、色画素などは単独重合によって硬化する。このような化合物としては、例えばエポキシ化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
【0107】
前記エポキシ化合物の例としては、エポキシ樹脂、例えばビスフェノールA系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA系エポキシ樹脂、ビスフェノールF系エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールF系エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、その他芳香族系エポキシ樹脂、脂環族系エポキシ樹脂、複素環族系エポキシ樹脂、グリシジルエステル系樹脂、グリシジルアミン系樹脂、エポキシ化油など、このエポキシ樹脂のブロム化誘導体、エポキシ樹脂およびそのブロム化誘導体以外の他の脂肪族系、脂環族または芳香族エポキシ化合物、ブタジエン(共)重合体エポキシ化物、イソプレン(共)重合体エポキシ化物、グリシジル(メタ)アクリレート(共)重合体、トリグリシジルイソシアヌレートなどが挙げられる。
【0108】
前記オキセタン化合物の例としては、カーボネートビスオキセタン、キシレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタンなどが挙げられる。
【0109】
前記硬化剤を着色感光性樹脂組成物に含む場合、エポキシ化合物内のエポキシ基およびオキセタン化合物内のオキセタン骨格を開環重合可能にする化合物を共に使用することができる。このような化合物としては、例えば、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、酸発生剤などが挙げられ、これらはそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0110】
前記多価カルボン酸の例としては、芳香族系多価カルボン酸、例えばフタル酸、3,4−ジメチルフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸、トリメリット酸、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸など、脂肪族系多価カルボン酸、例えばコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸など、脂環族系多価カルボン酸、例えばヘキサハイドロフタル酸、3,4−ジメチルテトラハイドロフタル酸、ヘキサハイドロイソフタル酸、ヘキサハイドロテレフタル酸、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸などが挙げられる。
【0111】
前記多価カルボン酸無水物の例としては、芳香族系多価カルボン酸無水物、例えばフタル酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物など、脂肪族系多価カルボン酸無水物、例えばイタコン酸無水物、コハク酸無水物、シトラコン酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、トリカルバリル酸無水物、マレイン酸無水物、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物など、脂環族系多価カルボン酸無水物、例えばヘキサハイドロフタル酸無水物、3,4−ジメチルテトラハイドロフタル酸無水物、1,2,4−シクロペンタントリカルボン酸無水物、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物、ハイミック酸無水物(hymic anhydride)、ナジック酸無水物など、エステル基含有カルボン酸無水物、例えばエチレングリコールビストリメリット酸、グリセリントリストリメリット酸無水物などが挙げられる。
【0112】
前記組成を有する本発明の着色感光性樹脂組成物は、例えば、以下のような方法に基づき製造することができる。着色剤Aを溶剤Eと混合して着色材料の平均粒径が0.2μm以下程度となるまでビーズミルなどを用いて分散させる。このとき、必要に応じて顔料分散剤が使われ、またバインダー樹脂Bの一部または全部が配合されることもある。得られた分散液(以下、ミルベースともいう)に、バインダー樹脂Bの残量、光重合性化合物Cおよび光重合開始剤D、必要に応じて使われるその他の成分、必要に応じて追加の溶剤Eを添加して十分に混合すれば、本発明による着色感光性樹脂組成物を得られる。
【0113】
本発明による上述した組成を有する着色感光性樹脂組成物を利用して製造されるカラーフィルターを提供する。
【0114】
以下、前記着色感光性樹脂組成物を利用してカラーフィルターを製造する方法について説明する。
【0115】
本発明によるカラーフィルターの製造方法は、前記本発明による着色感光性樹脂組成物を基板上にコーティングして塗膜を形成する塗膜形成段階と、マスクを利用して前記塗膜の着色パターンが形成される領域に超短波長露光器をもって300nm以下の超短波長レーザーを照射して露光する露光段階および前記露光段階における非露光の塗膜領域を除去して着色パターンを形成させる現像段階を含む。
【0116】
前記塗膜形成段階は着色感光性樹脂組成物を基板上にコーティングして塗膜を形成することであって、前記基板はガラス板、シリコンウエハーおよびポリエーテルスルホン(polyethersulfone、PES)やポリカーボネート(polycarbonate、PC)等のプラスチック基材の板などであることができ、その種類は特に制限されない。
【0117】
前記コーティングはロールコーター、スピンコーター、スリットアンドスピンコーター、スリットコータ(‘ダイコーター’とも言う)、インクジェットなどの塗布装置を利用して実施できる。
【0118】
前記コーティングの際、厚さに制限なしに多様な厚さで形成できるが、0.5〜1.0μmでコーティングするのが好ましく、前記コーティング厚さは全面にかけて均一な厚さになるようにするのが重要である。前記コーティング時の厚さが前記の範囲である場合、塗膜の表面平滑性が優れることになり、硬化が速くて生産速度の向上をはかることができる。
【0119】
着色感光性樹脂組成物のコーティングが完了すると予備乾燥を通して、溶剤などの揮発性分を除去して塗膜が得られる。前記予備乾燥は、100乃至120℃で1分乃至30分間実施できる。前記範囲内で予備乾燥が行われる場合、溶剤などの揮発性分が急速に除去されて良好な乾燥塗膜が得られる。
【0120】
前記露光段階はマスクを利用して前記塗膜の着色パターンが形成される領域に超短波長露光器をもって300nm以下の超短波長レーザーを照射して露光する段階である。
【0121】
300nm以下の波長を有するレーザーは公知のKrF(248nm)スキャナーを利用することができる。KrFスキャナーは、フッ化クリプトンソースを使用して発振されたレーザーが248nmの波長帯を有する露光器である。
【0122】
マスクを利用して、前述した塗膜形成段階で形成された塗膜の着色パターンが形成される領域に露光が行われると、マスクによって光が透過した部分にだけ光重合開始剤によって架橋および光硬化が起こることになる。
【0123】
前記露光は特に制限はないが、露光量は300mJ/cm以下、好ましくは200mJ/cm以下、さらに好ましくは50〜150mJ/cmである。前記露光量が300mJ/cmを超過する場合、露光工程上の遅延による全体工程時間の増加および露光器内部のレンズの変形(distortion)による露光器の寿命を短縮させることができるという短所がある。
【0124】
前記現像段階は、前記露光段階における非露光の塗膜領域を除去して着色パターンを形成させる段階である。
【0125】
前記現像段階で非露光の塗膜領域を除去するために使用される現像液は当該分野で一般に使用されるのを適用でき、通常、アルカリ性化合物と界面活性剤を含む水溶液である。
【0126】
前記現像液に含まれるアルカリ性化合物は、無機および有機アルカリ性化合物のいずれでもよい。無機アルカリ性化合物の具体的な例としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウムおよびアンモニアなどが挙げられる。また、有機アルカリ性化合物の具体的な例としては、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。これら無機および有機アルカリ性化合物はそれぞれ単独で、または2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0127】
前記現像液中のアルカリ性化合物の好ましい濃度は0.01乃至10重量%であり、より好ましくは0.03乃至5重量%である。
【0128】
前記現像液に含まれる界面活性剤としては、非イオン系界面活性剤、陰イオン系界面活性剤または陽イオン系界面活性剤のいずれでも使用可能である。非イオン系界面活性剤の具体的な例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、その他のポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。陰イオン系界面活性剤の具体的な例としては、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウムやオレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラウリル硫酸ナトリウムやラウリル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムやドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが挙げられる。陽イオン系界面活性剤の具体的な例としては、ステアリルアミン塩酸塩やラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどのアミン塩または4級アンモニウム塩などが挙げられる。これらの界面活性剤はそれぞれ単独で、または2種以上組み合わせて使用することができる。
【0129】
前記現像液中の界面活性剤の濃度は、0.01乃至10重量%、好ましくは0.05乃至8重量%、より好ましくは0.1乃至5重量%である。
【0130】
現像段階以降、必要に応じて着色パターンが形成されたカラーフィルターは150乃至230℃で1分乃至60分程度後熱処理を実施することもできる。前記後熱処理はパターン上の残留ソルベントを完全に除去すると共に、具現されたパターンを固く硬化するためである。
【0131】
本発明では前述した固体撮像素子用カラーフィルターの製造方法によって製造されるカラーフィルターを提供する。
【0132】
前記カラーフィルターは、その製造過程において超短波長露光器を用いることによって微細化された着色パターンを有する。特に、本発明によって得られる着色パターンは現在商用化される2.2μmよりも顕著に微細な1.5μm以下、特に1.0μm以下に可能であり、これによって前記微細化された着色パターンを有するカラーフィルターは固体撮像素子に有用に適用できる。
【0133】
本発明では前記カラーフィルターを含む固体撮像素子を提供する。前記固体撮像素子は、本発明によるカラーフィルターを備えているのを除いては、本発明の技術分野で当業者に知られた構成を採択することができる。
【0134】
以下、本発明の実施例および実験例について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。また、以下で、含有量を示す“%”および“部”は別に言及しない限り、重量%または重量部を意味する。
【0135】
<実施例1>
感光性樹脂組成物は溶剤を除いた成分の全体固形分の含有量100%を基準に着色剤C.I.ピグメントレッド254 28.5%およびC.I.ピグメントイエロー139 9.5%、ポリエステル系分散剤6.44%からなるミルベースを収得した後、23℃で攪拌下に前記ミルベースにバインダー樹脂(重量平均分子量が22,000、酸価が80mgKOH/g、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体)25.15%、光重合性化合物(ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本化薬(株)製))12.58%とペンタエリスリトールトリアクリレート(味元商社(株)製)12.58%、光開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184;Ciba Specialty Chemical社製)5%、密着促進剤の2−(3,4エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン0.25%に溶剤のプロピレングリコールメチルエーテルアセテートを添加(固形分:溶剤の重量比率が2:8になるように)した後、混合して着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0136】
<実施例2乃至4>
各成分の含有量を表1の記載通りにしたのを除いては、実施例1と同様に実施して着色感光性樹脂組成物を得た。
【0137】
<実施例5>
実施例3の光開始剤を2−ベンジル−1−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン(Irgacure 369;Ciba Specialty Chemical社製)にしたのを除いては、実施例3と同様に実施して着色感光性樹脂組成物を得た。
【0138】
【表1】

【0139】
上記表1で使用されたそれぞれの成分は、
(A−4)C.I.ピグメントレッド254
(A−2)C.I.ピグメントイエロー139
(A−3)ポリエステル系分散剤
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体
(C−1)ジペンタエリトリトルヘキサアクリレート
(C−2)ペンタエリスリトールトリアクリレート
(D)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン
(F−1)2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシランを示す。
【0140】
<実験例1>
23℃の清浄室で4インチ大きさのSi−waferの表面上に、前記実施例1乃至5で得た着色感光性組成物をスピンコーティング法によって塗布した後、90℃で90秒間乾燥して揮発成分を揮発させて着色感光性組成物層を形成した。23℃で冷却した後、形成された着色感光性組成物層にKrFスキャナー露光器(248nm)を利用して露光を実施した。フォトマスクとしては、ドット(dot)状に色画素を形成するためのフォトマスク(マスクサイズ1.5μm)を使った。次いで、現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム0.2重量部を含む水溶液)に23℃でパドルを利用して60秒間現像し、純水で洗浄した後、220℃で180秒間後加熱して着色画素を形成した。
【0141】
このように得られた着色パターンをSEM(Scanning Electron Microscopy)を通じて1.5μmサイズのパターンを確認し、その結果をそれぞれ図1乃至図5に示した。このとき、図1は実施例1、図2は実施例2、図3は実施例3、図4は実施例4および図5は実施例5の結果を示す。
【0142】
図1乃至図5に示すように、光重合開始剤としてアセトフェノン系またはベンゾフェノン系を使用し、その含有量を本発明の望ましい範囲内で添加した着色感光性樹脂組成物を利用して着色パターンを形成した実施例1乃至5の場合、それぞれの着色パターンはLER(ラインエッジ粗さ)が殆どないし、現像残留物性スカムおよびパターンのトップロスが殆どない優れた正四角形のパターンが形成されることがわかる。但し、前記のアセトフェノン系またはベンゾフェノン系を使用する場合、200mJ/cm以上の露光量を必要とする。
【0143】
<実施例6>
感光性樹脂組成物は溶剤を除いた成分の全体固形分100%を基準として、着色剤C.I.ピグメントグリーン36 23.8%およびC.I.ピグメントイエロー139 10.2%、ポリエステル系分散剤5.14%からなるミルベースを収得した後、23℃で攪拌下に前記ミルベースにバインダー樹脂(重量平均分子量が30,000、酸価が70mgKOH/g、メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体)35.55%、光重合性化合物(ジペンタエリトリトルヘキサアクリレート(KAYARAD DPHA;日本火薬(株)製))17.77%とペンタエリスリトールトリアクリレート(味元商社(株)製)5.92%、光開始剤として、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(Irgacure OXE02;Ciba Specialty Chemical社製)1%、密着促進剤の2−(3,4エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン0.31%、酸化防止剤のハイドロキノンモノメチルエーテル0.31%に溶剤のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート添加(固形分:溶剤の重量比率が2:8になるように)した後、混合して着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0144】
<実施例7乃至9>
各成分の含有量を表2の記載通りにしたのを除いては、実施例6と同様に実施して着色感光性樹脂組成物を得た。
【0145】
【表2】

【0146】
上記表2で使用されたそれぞれの成分は、
(A−1)C.I.ピグメントグリーン36
(A−2)C.I.ピグメントイエロー139
(A−3)ポリエステル系分散剤
(B)メタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体
(C−2)ジペンタエリトリトルヘキサアクリレート
(C−2)ペンタエリスリトールトリアクリレート
(D)エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)
(F−1)2−(3,4エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン
(F−2)ハイドロキノンモノメチルエーテルを示す。
【0147】
<実験例2>
23℃の清浄室で4インチ大きさのSi−waferの表面上に、前記実施例6乃至9で得た着色感光性組成物をスピンコーティング法により塗布した後、90℃で90秒間乾燥し、揮発成分を揮発させて着色感光性組成物層を形成した。23℃で冷却した後、形成された着色感光性組成物層にKrFスキャナー露光器(248nm)を利用して露光を実施した。フォトマスクとしては、ドット状に色画素を形成するためのフォトマスクを使用した。
【0148】
次いで、現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム0.2重量部を含む水溶液)に23℃でパドルを使用して60秒間現像し、純水で洗浄した後、220℃で180秒間後加熱して着色画素を形成した。
【0149】
前記で得られた着色パターンをSEM(Scanning Electron Microscopy)を通じて、マスクサイズ1.5μmで実際に具現されたパターンサイズが1.5μmになるときの露光量(Eop−Energy of Optimization)を測定し、その結果を表3および図6に示した。
【0150】
【表3】

【0151】
上記表3および図6でのように、光重合開始剤として、オキシムエステル系光重合開始剤を用いた実施例6乃至9の着色感光性樹脂組成物は、少量でも架橋時間および露光量を減らして高感度化ができることがわかる。但し、オキシムエステル系光重合開始剤だけを使用する場合、300nm以下の波長でも微細化されたパターンが得られるが、1.4μmピクセルサイズを基準にして見るとき、1.3μmから各ピクセルの整列が多少乱れることができる。
【0152】
<実施例10>
着色感光性樹脂組成物は溶剤を除いた成分の全体固形分100%を基準として、着色剤C.I.ピグメントレッド254 28.5%およびC.I.ピグメントイエロー139 9.5%、ポリエステル系分散剤6.44%からなるミルベースを収得した後、23℃で攪拌下に前記ミルベースにバインダー樹脂(重量平均分子量が20,000、酸価が120mgKOH/gのメタクリル酸とベンジルメタクリレートとの共重合体)26%、光重合性化合物(ジペンタエリトリトルペンタアクリレート(東亞合成(株)製))8.67%とペンタエリスリトールトリアクリレート(味元商社(株)製)8.67%、光重合開始剤としてエタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4テトラヒドロピラニルオキシベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(Irgacure OXE02;Ciba Specialty Chemical社製)10%、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184;Ciba Specialty Chemical社製)2%、密着促進剤の2−(3、4エポキシシクロヘキシル)−エチルトリメトキシシラン0.22%に溶剤のプロピレングリコールメチルエーテルアセテート添加(固形分:溶剤の重量比率が2:8になるように)した後、混合して着色感光性樹脂組成物を製造した。
【0153】
<実施例11>
光重合開始剤を1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(Irgacure 184;Ciba Specialty Chemical社製)の代わりに2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン(TAZ−TMS;みどり化学(株)製)2%を添加したのを除いては、実施例10と同様にして着色感光性樹脂組成物を得た。
【0154】
<実験例3>
23℃の清浄室で4インチ大きさのSi−waferの表面上に、前記実施例10および11で得た着色感光性組成物をスピンコーティング法により塗布した後、90℃で90秒間乾燥し、揮発成分を揮発させて着色感光性組成物層を形成した。23℃で冷却した後、形成された着色感光性組成物層にKrFスキャナー露光器(248nm)を利用して露光を実施した。フォトマスクとしては、ドット状に色画素を形成するためのフォトマスクを使用した。次いで、現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム0.2重量部を含む水溶液)に23℃でパドルを利用して60秒間現像し、純水で洗浄した後、220℃で180秒間後加熱して着色画素を形成した。
【0155】
前記で得られた着色パターンをSEM(Scanning Electron Microscopy)を通じて、マスクサイズと実際に具現されたパターンサイズが同じであるときの露光量(Eop−Energy of Optimization)を適正露光量にして1.4μmから1.0μmまでの結果を、それぞれ図7乃至図8に示した。ここで、図7は実施例10、図8は実施例11の結果を示す。
【0156】
図7および図8でのように、光重合開始剤としてオキシムエステル系光重合開始剤と他の光重合開始剤とを混合用いた実施例10および11の場合、それぞれの着色パターンはLER(ラインエッジ粗さ)が殆どないし、現像残留物性スカムおよびパターンのトップロスが殆どない優れた正四角形のパターンを形成でき、そのときの適正露光量(Eop)は、90mJ/cmであった。特に、実施例10の場合、1.0μmでも良好な着色パターンを実現することができた。
【0157】
したがって、光重合開始剤として、オキシムエステル系とその他の光重合開始剤とを混合して使用する場合、200mJ/cm以下の極小露光量でもライン特性に優れた高解像度の超微細化された着色パターンの形成が可能であることがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
着色剤、バインダー樹脂、光重合性化合物、光重合開始剤および溶媒を含む着色感光性樹脂組成物において、
前記光重合開始剤は300nm以下で反応する化合物を含むことを特徴とする300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項2】
前記光重合開始剤はアセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系およびトリアジン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであり、前記光重合開始剤は着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で5〜20重量%で含まれることを特徴とする、請求項1に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項3】
前記光重合開始剤はアセトフェノン系およびベンゾフェノン系光重合開始剤からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項2に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項4】
前記光重合開始剤は、オキシムエステル系であることを特徴とする、請求項1に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項5】
前記光重合開始剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で1〜20重量%で含まれることを特徴とする、請求項4に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項6】
前記光重合開始剤はオキシムエステル系光重合開始剤を含み、前記オキシムエステル系光重合開始剤以外の他の光重合開始剤をさらに含んでなることを特徴とする、請求項1に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項7】
前記他の光重合開始剤としては、アセトフェノン系、ベンゾフェノン系、チオキサントン系、トリアジン系またはベンゾイン系光重合開始剤から選択される活性ラジカル発生剤、増感剤および酸発生剤からなる群から選択される少なくとも一つであることを特徴とする、請求項6に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項8】
前記オキシムエステル系光重合開始剤は、それを含む光重合開始剤全体量に対して重量分率で1〜99重量%で含まれることを特徴とする、請求項6に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項9】
前記光重合開始剤は、着色感光性樹脂組成物中の固形分に対して重量分率で1〜50重量%で含まれることを特徴とする、請求項6に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項10】
前記300nm以下の超短波長露光器は、KrFスキャナー露光器(248nm)であることを特徴とする、請求項1に記載の300nm以下の超短波長露光器を利用した固体撮像素子のカラーフィルター製造用着色感光性樹脂組成物。
【請求項11】
請求項1乃至10のいずれか1項の着色感光性樹脂組成物を基板上にコーティングした後、300nm以下の超短波長露光器を使って所定のパターンに露光および現像してなる着色パターンを含むことを特徴とする、カラーフィルター。
【請求項12】
前記露光器はKrFスキャナー露光器(248nm)であることを特徴とする、請求項11に記載のカラーフィルター。
【請求項13】
請求項11のカラーフィルターを含むことを特徴とする、固体撮像素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−532334(P2012−532334A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−517414(P2012−517414)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/KR2010/004288
【国際公開番号】WO2011/002247
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(503454506)東友ファインケム株式会社 (42)
【Fターム(参考)】