説明

4分の1検出器オフセットを使用する高解像度ニューテートスライス再構成の方法及びシステム

高解像度CT画像を生成する方法及びシステムが提示される。NSR#法は、CTスキャナの面内画像解像度を向上させることによって、ヘリカルスキャンモードでAMPR法に改良を加える。提供される方法は、4分の1検出器オフセット及びインタリービングを利用する高解像度アキシャルスキャンモードとほぼ同等の面内画像解像度を得るために、4分の1検出器オフセット及び相補データのインタリービングを使用する。この方法は、2平面によるNSR#、3平面によるNSR#、複数の平面によるNSR#のような、インタリーブされるべきデータの幾つかの選択法を含む。インタリーブされたデータは、高解像度傾斜スライスを作成するために使用される。NSR#法では、撮像タスクで必要とされる所望の面内解像度と画像アーチファクトのバランスを得るために、傾斜を除くフィルタを最適化して高解像度傾斜スライスと低解像度傾斜スライスを混合したものを作成する。傾斜を除く処理の一実施形態では、最大解像度の利益を得るのに高解像傾斜スライスだけを使用することができる。別の実施形態では、高解像度傾斜スライスを、インタリービングを行わなかったデータから得られた標準解像度傾斜スライスと混合することができる。これにより解像度が標準よりも高くアーチファクトが少ない、傾斜していないスライスが作成される。ピッチが2/3未満であるスキャンの別の実施形態では、コリメーションを低減して患者への線量を低減することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、一般にコンピュータ断層撮影法に関し、より具体的には、4分の1検出器オフセットを使用して高解像度ニューテート(nutated)スライス再構成を実現する方法及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]ニューテートスライス再構成(NSR)型アルゴリズムは、Larsonらの米国特許第5,802,134号「Nutating slice CT image reconstruction apparatus and method(ニューテートスライスCT画像再構成装置及び方法)」、1999年(「Larson」)、Bruderらの米国特許第7,215,805B2号「Method and apparatus for spiral scan computed tomography(らせんスキャンコンピュータ断層撮影法の方法及び装置)」、2007年(「Bruder」)、S.Schaller、K.Stierstorfer、H.Bruder、M.Kachelriess及びT.Flohrの「Novel approximate approach for high−quality image reconstruction in helical cone beam CT at arbitrary pitch(任意ピッチのヘリカルコーンビームCTにおける高品質画像再構成のための新規の近似手法)」、Proc.SPIE vol.4322、113〜127頁、2001年(「Schaller」)、並びに米国特許第7,027,552B2号「High resolution CT scanner(高解像度CTスキャナ)」、2006年(「Shechter」)に記載されている。記載されているように、これらのニューテートスライス型アルゴリズムは、多列CTスキャナからのヘリカルスキャンデータを再構成するために使用される近似アルゴリズムである。このアルゴリズムは、ガントリ回転軸に対して傾斜した垂直軸を有するスライス(平面)の中に多列データを補間する。傾斜平面の角度は、アーチファクトを低減するために、X線源のヘリカル経路に合うように選択される。これらの傾斜スライスは次に、二次元フィルタリング逆投影法を使用して再構成され、その後に回転軸(傾斜を除いている)の方向の補間が続いて、回転軸に対して垂直の画像が生成される。
【0003】
[0003]各傾斜スライスは、X線源のヘリカル軌道に「接続点」と呼ばれる位置で接触する。Larsonによって記述された最初のNSRアルゴリズムでは、各接続点で単一の傾斜平面を使用するが、これは高ヘリカルピッチ応用例に適していた。この概念は、Bruder及びSchallerに記載されている適応型多平面再構成(「AMPR」)アルゴリズムで拡張された。AMPRアルゴリズムでは、低ピッチでの線量利用を改善するために各接続点で複数の傾斜平面を使用する。回転する検出器アレイに対して固定されたX線焦点を有するCTスキャナでは、ハーフスキャン再構成手法のNSRアルゴリズム及びAMPRアルゴリズム使用により、アイソセンタ近くで面内サンプリングレートが1/wdisoになる。ここでwdisoはアイソセンタにおける検出器の面内ピッチである。このサンプリングレートは、再構成画像の解像度を制限する。このタイプの焦点は、今後「固定焦点」と呼ばれる。アキシャルスキャンモードのCTスキャナの解像度を改善する1つの手法は、Zacher,Jr.の米国特許第4,051,379号「Axial tomography apparatus and detector(断層撮影装置及び検出器)」、1977年(「Zacher,Jr.」)に記載されているように、4分の1検出器によって180度離してオフセットされたX線のインタリービングを使用することである。ヘリカルモード及びアキシャルスキャンモードのCTスキャナの解像度を改善するもう1つの手法は、Laiの米国特許第6,256,369号「Computerized tomography scanner with longitudinal flying focal spot(軸方向フライング焦点を用いたコンピュータ断層撮影スキャナ)」、2001年(「Lai」)に記載されているように、「フライング焦点」を用いたX線源を使用することによって面内サンプリングレートを引き上げることであるが、これは固定焦点X線源よりも費用がかかりうる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
[0004]「フライング焦点」ハードウェアを必要とせずに面内サンプリングレートを引き上げ、且つ、再構成画像の解像度を改善するために代替再構成技法が用いられる、改善されたシステム及び方法が提示される。
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]一実施形態では、対象をスキャンするヘリカルCTスキャナが提示される。このスキャナは、焦点を定めるように構築されたX線源及び検出器アレイであって、この検出器アレイは、上記X線源と共に回転軸で回転するように配置された複数の検出器含み、これらX線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成された、X線源及び検出器アレイと、上記回転軸に対して再構成傾斜スライスを表すように、ヘリカルスキャン中に検出器アレイで取得されたデータを処理するように構築され構成されたプロセッサとを備え、上記傾斜スライスを表すデータは、傾斜していない画像を上記回転軸に対して垂直の平面において補間するために使用される。上記X線源は、ヘリカルスキャン中に固定焦点を定めるように構築され、上記アレイのうちの検出器は、回転中に上記X線源及び回転中心(スキャナの「アイソセンタ」)に対して相対的に4分の1検出器オフセットを提供するように配置され、それにより、回転中に180°離れた線をインタリーブできるようになる。
【0006】
[0006]別の実施形態では、対象の高解像度ニューテートスライス再構成画像をCTスキャナを用いて生成する方法が提示され、このCTスキャナは、固定焦点を定めるように構築されたX線源及び検出器アレイを備え、この検出器アレイは、上記X線源と共に回転軸で回転するように配置され、4分の1検出器オフセットを提供するように構成された複数の検出器を含み、上記X線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成されている。この例示的な方法は、固定焦点を用いて上記対象をスキャンしてこの対象のヘリカルコーンビームスキャン投影データを生成するステップと、このコーンビーム投影データを補間して、インタリーブされるべき相補傾斜平面投影データを表すデータを作成するステップと、相補平面セット及び4分の1検出器によるオフセットにより得られる相補傾斜平面投影データをインタリーブするステップと、平面のそれぞれに対するインタリーブされた投影データを、カーネルを用いてフィルタリングし再構成して高解像度傾斜画像を作成するステップと、傾斜画像からのデータを補間して、傾斜していない画像を回転軸に対して垂直の平面において表すデータを作成するステップとを含む。
【0007】
[0007]更に別の実施形態では、対象の高解像度ニューテートスライス再構成画像をCTスキャナを用いて生成する方法が提示され、このCTスキャナは、固定焦点を定めるように構築されたX線源及び検出器アレイを備え、この検出器アレイは、上記X線源と共に回転軸で回転するように配置され、4分の1検出器オフセットを提供するように構成された複数の検出器を含み、上記X線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成されている。この方法は、固定焦点を用いて対象を上記スキャンしてこの対象のヘリカルコーンビームスキャン投影データを生成するステップと、このコーンビーム投影データを補間して、インタリーブされるべき相補傾斜平面投影データを表すデータを作成するステップと、相補平面セット及び4分の1検出器によるオフセットにより得られる相補傾斜平面投影をインタリーブするステップと、平面のそれぞれに対するインタリーブされた投影データを、カーネルを用いてフィルタリングし再構成して高解像度傾斜画像を作成するステップと、コーンビーム投影データを補間して、非インタリービング標準解像度平面に対する傾斜平面投影データを表すデータを作成するステップと、特定の平面に対するインタリーブされていない投影データを、別のカーネルを用いてフィルタリングし再構成してより低いアーチファクト傾斜画像を作成するステップと、高解像度傾斜画像及び標準解像度傾斜画像からのデータを補間して、回転軸に対して垂直の画像平面を表すデータを作成するステップとを含む。
【0008】
[0008]図面は、好ましい諸実施形態を限定的ではなく例示的に描写する。図で、同様の参照数字は、同じ又は類似の要素を指す。
[0009]図面を参照すると、
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】[0010]典型的な手荷物スキャンシステムの斜視図である。
【図2】[0011]図1のシステムの断面端面図である。
【図3】[0012]図1のシステムの断面径方向図である。
【図4】[0013]典型的な医療用スキャナの断面端面図である。
【図5】[0014]関連した傾斜平面の展開の一例を示す斜視空間図である。
【図6】関連した傾斜平面の展開の一例を示す斜視空間図である。
【図7】[0015]NSR#法の一実施形態により進められる諸ステップの流れ図である。
【図8A】[0016]アイソセンタから10mm離れたところにある点でシミュレーションされた、17lp/cm光遮断を用いたスキャナでの径方向MTFに関して生成されたデータを示すグラフである。
【図8B】アイソセンタから40mm離れたところにある点でシミュレーションされた、17lp/cm光遮断を用いたスキャナでの径方向MTFに関して生成されたデータを示すグラフである。
【図8C】アイソセンタから80mm離れたところにある点でシミュレーションされた、17lp/cm光遮断を用いたスキャナでの径方向MTFに関して生成されたデータを示すグラフである。
【図9A】[0017]本明細書に記載のNSR/AMPR処理アルゴリズを使用する、米国Phantom Laboratory of Salem New Yorkから商標Catphan及び品名CTP446で販売されているファントム部分の画像である。
【図9B】本明細書に記載のNSR/AMPR処理アルゴリズを使用する、米国Phantom Laboratory of Salem New Yorkから商標Catphan及び品名CTP446で販売されているファントム部分の画像である。
【図9C】[0018]本明細書に記載のNSR#処理を用いて各部分ごとに3つの平面に生成された同じCatphan CTP446ファントム部分の画像である。
【図9D】本明細書に記載のNSR#処理を用いて各部分ごとに3つの平面に生成された同じCatphan CTP446ファントム部分の画像である。
【図9E】[0019]NSR#処理をそれぞれ用いて各部分ごとに2つの平面に生成された同じ画像の像である。
【図9F】NSR#処理をそれぞれ用いて各部分ごとに2つの平面に生成された同じ画像の像である。
【図10】一実施形態を示す図である。
【図11】一実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[0020]「x内のフライング焦点」X線源を使用しないでヘリカル多列CTスキャナの面内画像解像度を向上するシステム及び方法が開示される。これは、4分の1検出器オフセット(QDO)形態を利用することによって実現され、この形態では、180°の回転ごとの各観察中、X線源からのX線に対して検出器幅の2分の1だけずれている検出器からデータが収集される。このように、再構成の前にインタリーブされる投影データは、x方向のサンプリングが増加されることになり、結果として高い面内解像度の画像が得られる。
【0011】
[0021]ヘリカル多列CTスキャナの一例が図1〜3に示されている。システム120はX線管128及び検出器アレイ130を含み、これらは正反対にプラットフォーム124の両側に配置されている。検出器アレイ130は、後でより完全に説明されるように、好ましくは任意の形態の二次元アレイである。システム120は更に、検出器アレイ130で生成された信号を受け取り処理するデータ取得システム(DAS)134と、X線管128に電力を供給し、また別にその動作を制御するX線管制御システム136とを含む。システム120にはまた、好ましくは、データ取得システム134の出力を処理し、システム120を動作させ制御するのに必要な信号を生成するコンピュータシステム(図1に140で示す)が備えられる。コンピュータシステム140はまた、生成された画像を含んだ情報を表示するモニタを含むこともできる。システム120はまた、放射がガントリ125を越えて広がることを防止するシールド138を含み、これは、例えば鉛で製作することができる。
【0012】
[0022]X線管128は、少なくとも1つの独立した焦点を生成する少なくとも1つの陰極及び1つの陽極を含み、この焦点からX線ビームを作り出し生成することができる。図1〜3で全体的に132で示されたビームは、三次元撮像場を通過し、この撮像場を通して搬送システム110が手荷物112を輸送する。撮像場内に置かれた手荷物を透過した後、各ビーム132を検出器アレイ130で受け取ることができる。次に、検出器アレイは、手荷物112の露光された部分の密度を表す信号を生成する。従って、ビーム132は、空間のスキャン体積を定める。プラットフォーム124は、その回転軸127を中心に回転し、それによって、搬送システム110が手荷物を中心開口126に通して連続して輸送するときに、複数の投影像を対応する複数の投影角度で生成するように、X線源128及び検出器アレイ130が手荷物112のまわりの環状軌道内で移送される。データ取得システム134は、本明細書で説明されるデータ処理を実行するシステム140の中にプロセッササブシステムを含む。
【0013】
[0023]図1〜3は、手荷物スキャナとして使用されるヘリカルCTスキャナを示すが、目下説明しているシステム及び方法は、図4に示されたような医療用スキャンを含むあらゆる用途のあらゆるヘリカルCTスキャナに適用することができ、図4においては、患者パレット150が使用されて、X線源156及び検出器アレイ158が回転軸160を中心に回転する間に患者152を開口154を通して軸方向に移動させる。
【0014】
[0024]説明の目的で、右回りの固定基準フレームX、Y、Zがスキャナに接続され、右回りの回転基準フレームX、Y、Zは、回転Y軸が回転X線焦点に接続されるようにZを中心に回転し、Z軸は固定Z軸と同じであり、X軸は、それが右回りの基準フレームを形成するようにYとZの両方に垂直である。
【0015】
[0025]データを処理するために、このシステム及び方法は、今後「NSR#」(「NSRシャープ」と発音)と呼ばれるアルゴリズムを利用する。NSR#アルゴリズムは多列ヘリカルデータを補間して、軸X及びYを有する回転基準フレームに対しX軸を基準にして角度ガンマ(γ)だけ、且つY軸を基準にして角度デルタ(δ)だけ傾斜した平面内にあるデータを作成する。角度γ及びδは、図5に例示的に最もよく示されている。δ及びγの値は、各傾斜スライスに対してあらかじめ決められる。角度γは、スキャンピッチによって決まり、ある特定の実施では全ての傾斜平面で同じになる。角度δは、スライスの位相と、ある接続点を通過し含む平面の数とによって決まる。ある接続点を通過し含む平面の数は、スキャンできる可能なスキャンピッチごとにあらかじめ決められる。説明の目的で、1つの傾斜スライスを再構成するのに必要な扇状視野の数は「N」であり、「α」は、1つの傾斜平面を再構成するのに必要な視野のセットの中心視野に対して定義される扇状視野角度である。この中心視野は、固定基準フレームに対して角度θに置かれる。
【0016】
[0026]図6は、半回転だけ隔てられた接続点でX線源軌道に接続された二組の二重に傾斜した平面の一例を示す。図5及び図6の渦巻き線200は、スキャンされる対象(図示せず)に対するX線源の典型的な軌道である。ヘリカルスキャンピッチpは、X線源の単一回転時のz軸に沿った変位をz軸の検出器のコリメーション(collimation)サイズ(アイソセンタに投影)で割った比と定義される。
【0017】
[0027]AMPRにおけるような本発明の一態様によれば、第1の傾斜角度γは、スライスを再構成するために使用される視野全てにわたる中心の線について、X線源から傾斜平面までの距離を最少にするように選択される。一実施形態では、NSR#は、以下の条件を満たす2つの相補傾斜平面から来るサンプルのインタリービングを可能にするように第2の傾斜角度δを調整することによって、AMPRアルゴリズムフレームワークを拡張する。
(1)これらの傾斜平面の接続点(図6に例示的に202及び204で示される)は、X線源の半回転だけ隔てられている。
(2)各平面は、2つの接続点を結ぶ線に沿って交わる。
【0018】
[0028]図6で例示的に示されるように、傾斜平面a、b及びcは、傾斜平面a’、b’及びc’の接続点204から半回転離れて位置202でX線源軌道200に接続する。全ての平面が、回転基準フレームのX軸に対して角度γだけ傾斜しており、回転基準フレームのY軸に対して変化する傾斜角度δを有する。図5に示されるように、傾斜面210は、まずz軸に対し垂直の平面206から出発し、この平面を208まで角度γだけY軸を中心に回転させ、その後にX軸を中心に角度δだけ回転させることによって得られる。
【0019】
[0029]インタリーブされたサンプルは、アイソセンタ近くで1/(2×wdiso)の面内データサンプリングレートを有する「組み合わされた」スライスを形成する。ここで「wdiso」はアイソセンタにおける面内検出器ピッチである。組み合わされたスライスは次に、二次元フィルタリング逆投影技法を使用して再構成され、軸に沿って補間することによって、回転軸に対して垂直の画像へと「傾斜が除かれる」。
【0020】
[0030]本発明の一実施形態では、1つの接続点当たり2つの平面を使用し、1つが傾斜角度δ=0であり、1つが非ゼロの傾斜角度δである。この構成は、低ヘリカルピッチ(例えば、p<2/3)スキャンで使用することができる。図6に示された符号を使用すると、この手法では、平面b’及びcからのサンプルをインタリーブする。一実施形態では、平面b’及びcの傾斜角度γは以下の通りに選択される。
【0021】
[0031]c平面は、焦点から傾斜平面までの距離を低減するように最適化された傾斜角度γを有し(AMPRにおけるように)、δ=0である。b’平面は同じ角度γを有するが、δは、アイソセンタにおけるb’平面及びc平面のz座標が同じになるように修正される。この実施形態では、検出器アレイの片側の列の幾つかが利用されなくてもよい。従って、過剰照射を避けるために、コリメーションが低減されることがある(これにより、同じテーブル速度に対してヘリカルピッチの値が増加することになる)。
【0022】
[0032]高ヘリカルスキャンピッチでは(示された例では、これはピッチp≧2/3のときに生じる)、少なくとも2つの代替実施形態を利用することができる。具体的に、一実施形態では、δ角度が非ゼロの傾斜平面だけを使用する。この実施形態は「2平面によるNSR#」と呼ばれる。図6に示された符号を用いると、この手法では、平面c及びa’からのサンプルをインタリーブするが、平面b及びb’は使用しない。「3平面によるNSR#」と呼ばれる別の実施形態では、ゼロのδ角度を有する平面が、非ゼロのδ角度を有する2つの傾斜平面に加えて使用される。図6に示された符号を用いると、この手法では、平面c及びa’からのサンプルをインタリーブし、平面b及びb’をインタリービングなしで使用する。δ角度ゼロの平面(b及びb’)がインタリーブされないので、これらの平面内のデータは、アイソセンタ近くで1/wdisoの面内サンプリングレートを有する。
【0023】
[0033]傾斜平面内で再構成された画像は次に、回転軸127に対し垂直の平面内の画像へと補間される(傾斜が除かれる)。2平面によるNSR#も3平面によるNSR#も、従来技術のNSR及びAMPRアルゴリズムと比較して、より高い画像解像度を有する。
【0024】
[0034]NSR#アルゴリズムの実施の一実施形態が図7に示されている。図7の流れ図は、多スライスヘリカル形態(図1〜3及び図4に示されているもの等)で4分の1検出器オフセットを含むように設計されたCTヘリカルスキャナに対し実施されるように設定され構成された方法の諸ステップを示す。一実施形態では、NSR#アルゴリズムは、より高い面内サンプリングレートを得るためにインタリーブされる相補サンプルを得る特定の方法で、二次元再構成に使用される傾斜平面の傾斜角度を調整するようにNSR及びAMPRアルゴリズムフレームワークを修正することによって導出される。
【0025】
[0035]おおまかには、NSR/AMPRアルゴリズムは、NSR/AMPR再構成アルゴリズムの面内解像度を向上するように修正されて、NSR#アルゴリズムが作り出される。本明細書で説明されるNSR#は、NSR/AMPRアルゴリズムとは以下のように異なる。
(A)データが、傾斜平面の中への再構成の前にインタリーブされる。
(B)インタリーブされるべく選択されるデータは、従来のNSR/AMPRアルゴリズムで使用されるものと異なる(角度δが異なる)。
(C)アーチファクトを低減するために、インタリーブされていない(標準的解像度)傾斜画像は、傾斜を除く処理時にインタリーブされた(高解像度)傾斜画像と混合することができる。
(D)傾斜を除く処理時に使用されるフィルタリングは、NSR/AMPR法と異なる。
【0026】
[0036]NSR#アルゴリズムでは、インタリービングのための相補データ(角度δ)を選択する際に独自の技法を利用する。NSR#技法の一実施形態は、図7に300で示された以下のステップを含む。
【0027】
[0037]まず、ステップ302で所与のピッチによるヘリカルスキャンデータが収集される。ステップ304で、データは、オフセット、ログ、空気、モニタ、スペクトル及び手順によって与えられる他の必要な補正に関して補正される。次のステップ306が実施され、傾斜画像面内にあるデータを計算するためのNSR#補間及びインタリービングが、NSR#アルゴリズムに従って相補データを用いて実行される。ステップ308で、データを扇状のものから並行領域に変換するように再ビニング補間が実行される。ステップ310でフィルタリングが実行され、その後にステップ312で傾斜スライスを逆投影する。ステップ314は、必要な全ての傾斜スライスが作成されるまでステップ306〜312を繰り返すために次に進む。それが行われた後、処理は、傾斜していない補間手続きを実行するためのステップ316に進み、傾斜スライスの傾斜を除いて軸方向スライスが得られる。次に処理は、画像後処理を実行するステップ318に進むことができる。
【0028】
[0038]上述のように、ステップ302、304、308、310、312、314及び318は、NSR/AMPR処理で実行されるステップとほぼ同じである。しかし、ステップ306及び316は異なる。
【0029】
[0039]図5に関連して上で述べたように、傾斜平面は、z軸に対し垂直の平面206から出発して、この平面を角度γだけY軸を中心に平面208まで回転させ(平面208はY軸を含み、X軸に対して角度γを形成する)、平面208を角度δだけX’軸を中心に回転させて平面210にすることによって得ることができる(平面210はX’軸を含み、Y軸に対し角度δをなす)。NSRアルゴリズム及びNSR#アルゴリズムでは、角度γ及びδの値は、各傾斜スライスに対してあらかじめ決められる。角度γはスキャンピッチによって決まり、全ての傾斜平面に対して同じであるが、角度δはスライスの位相、及び接続点における平面の数によって決まる。接続点の平面の数は、スキャンできる可能なスキャンピッチごとにあらかじめ決められる。Nは、1つの傾斜スライスを再構成するのに必要な扇状視野の数であり、αは、視野の傾斜平面セットの中心に対して定義される扇状視野角度であり、その中心視野はθiにある。
【0030】
[0040]新規のステップ306を参照すると、所与のピッチのヘリカルスキャンでは、このステップは以下のステップを含む。
(a)角度γ#及びδ#に基づいて固有の傾斜平面データを選択するステップ(これにより、各傾斜画像に使用されるべきNSRラインが決まる)、
(b)角度γ#及びδ#に基づいて固有の相補傾斜平面データを選択するステップ(これにより、各傾斜画像に使用されるべきNSRラインが決まる)、
(c)NSR補間を実行するステップ、及び
(d)相補データをインタリーブするステップ。
【0031】
[0041]このステップで使用される角度γ#は、スキャンピッチによって単独で決定され、全ての傾斜平面で同じである。γ#=γ#=γであることに留意されたい(後者はNSR/AMPRアルゴリズムで使用される)。しかし、角度δ#は、スライスの位相及び接続点における平面の数によって決まる。この例では、δ#≠δ(NSR/AMPR)且つδ#=−δ#であるか又はこれらの一方がゼロであり他方が±δ#であることに留意されたい。接続点における平面の数は、スキャンできる可能なスキャンピッチごとにあらかじめ決められる。
【0032】
[0042]標準的NSR/AMPRアルゴリズムでは、傾斜平面iに対する各ステップは以下の通りである。
(a)傾斜平面(θi)の中心に対して扇状投影角度αを計算し、
(b)NSR/AMPR補間式を以下のように計算する。
【0033】
θi=RSCsinρ(cosαtanγsecδ+tanδsinα)−cosρ(RSCtanδ+Sα) (1)
ここで、
SCはX線源からアイソセンタまでの距離、
ρは扇角度、及び
Sは、スキャナの1回転当たりの相対的テーブル変位
である。
【0034】
[0043]次の傾斜平面(i+1)は、上式を用いて計算される。しかし、入力データは視野方向にオフセットされる。従って、次のスライスの傾斜平面の番号はi+1になり、中心視野が角度θi+Δθにある。
【0035】
[0044]NSR#処理のステップ3は、前記から以下のように修正される。中心視野が角度θiにあるN個の視野のセットからのデータを使用する傾斜平面iでは、
(a)扇状投影角度αは、傾斜平面(θi)の中心視野に対して計算され、
(b)NSR#補間式は以下のように計算され、2つのデータセットが得られる。
【0036】
θi=RSCsinρ(cosαtanγsecδ+tanδsinα)−cosρ(RSCtanδ+Sα) (2)
θi,−1=RSCsinρ(cosαtanγsec(−δ)+tan(−δ)sinα)−cosρ(RSCtan(−δ)+Sα) (3)
θi,+1=RSCsinρ(cosαtanγsecδ+tanδsinα)−cosρ(RSCtanδ+Sα) (4)
[0045]計算された後、アルゴリズムは視野方向に180°移動し、NSR#式(4)が、(θi+π)及び(θi−π)に中心が置かれた傾斜平面に適用される。
【0037】
[0046]検出器アレイの検出器が4分の1検出器オフセットで構成されているので、180°離れて取得された相補データセットは、以下で示されるデータセットを次のステップでインタリーブするように空間的にインタリーブされる。
【0038】
θi,−1及びVθi+π,1 (これら2つのデータセットは同じz位置を有する) (5)
θi,+1及びVθiーπ,−1 (これら2つのデータセットは同じz位置を有する) (6)
[0047]図7のステップ316に関して、所与のピッチ及び所与の軸方向スライス厚さに対するNSR/AMPRアルゴリズム中の相当するステップで、以下を確認することができる:幾つかの傾斜平面画像が、所定の重み及び幅の台形フィルタを用いてz方向にフィルタリングされること、傾斜していない(軸方向の)1つの画像を作成するための、傾斜を除く処理時に使用される傾斜画像の数は、フィルタの内部にある画像の部分から決定されること、及び、傾斜を除くフィルタの重みは、軸方向画像点(x、y)からの傾斜画像点(x’、y’)のz距離に逆比例すること。
【0039】
[0048]NSR#処理のための図7のステップ316は、以下を除いて、このNSR/AMPRの相当するステップと類似している。ユーザは、NSR#アルゴリズムを使用して再構成される高解像度平面に加えて、NSR/AMPRアルゴリズムを使用して通常解像度の平面を再構成することができ、通常の解像度の平面に対し使用されるべき重みは、撮像手順又は必要なアーチファクト−解像度バランスで必要とされる、高解像度(NSR#)傾斜平面に対し使用されるものと異なりうる。
【0040】
[0049]図8A、8B及び8Cは、標準的NSRアルゴリズムと比較した、3平面によるNSR#及び2平面によるNSR#の変調伝達関数を示す。ヘリカルピッチp=0.75である。NSRは従来技術の方法であり、NSR#は本発明である。
【0041】
[0050]図9A〜9Fは、Catphan画像品質ファントムの高解像度コム部分のヘリカルスキャンから再構成された画像の例を示す。2平面によるNSR#処理を用いて生成された画像(図9E及び図9F)が、3平面によるNSR#処理を用いて生成された画像(図9C及び図9D)よりも解像度が高く、3平面によるNSR#処理を用いて生成された画像(図9C及び図9D)が、標準的NSRアルゴリズム(図9A及び図9B)よりも解像度が高いことが分かる。3平面によるNSR#処理は、アーチファクトの度合いが低いことにより、手順によっては2平面によるNSR#処理よりも好ましいことがある。
【0042】
[0051]4分の1検出器オフセットを用いて相補データセットをインタリーブすることが面内解像度を向上させることになる一方で、スキャナにおいて提供されるX線コリメーションは、利用されない検出器アレイの部分において、スキャンに必要なX線量を減少させて患者への線量を低減するように設定できることが明らかなはずである。更に、インタリーブされた(高解像度)データは、カーネルを用いてフィルタリングし、次に、回転軸に対して高解像度傾斜スライスに再構成することができ、低解像度平面からのインタリーブされていないデータは、別のカーネルを用いてフィルタリングし、次に、低アーチファクト傾斜スライスに再構成することができる。インタリーブされていないデータのフィルタリングに使用されるカーネルは、インタリーブされたデータのフィルタリングに使用されるカーネルから独立したものとすることができる。高解像度傾斜スライス及び低解像度傾斜スライスは、傾斜していない高解像度画像を回転軸に対して垂直の平面内で補間するのに使用することができる。
【0043】
[0052]一実施形態では、傾斜した各平面は、3つの平面のセットにおいて定められ、平面のうち2つは180°離れた接続点に対して相補関係にあり、セットの相補平面のδは非ゼロであり、3つめの平面は、ゼロに等しい角度δを有する。相補対からのデータは、面内解像度を向上させるために傾斜平面内のデータをインタリーブするのに使用することができる。ゼロに等しい角度δを有する3つめの平面のデータはインタリーブされない。インタリーブされたデータは、カーネルを用いてフィルタリングされ、次に、回転軸に対して高解像度傾斜スライスに再構成され、3つめの平面からのデータは、上記のものから独立したカーネルを用いてフィルタリングされ、次に、低アーチファクト傾斜スライスに再構成される。高解像度傾斜スライス及び低アーチファクト傾斜スライスは、傾斜していない高解像度画像を回転軸に対して垂直の平面内で補間するのに使用される。
【0044】
[0053]最後に、4分の1検出器オフセットになるように検出器が設定されているCTスキャナを使用して、対象の高解像度ニューテートスライス再構成画像を生成する方法の2つの好ましい実施形態を説明する。
【0045】
図10を参照すると、一実施形態は次のステップを含む。まず、ステップ400で、固定焦点を使用して対象がスキャンされて、対象のヘリカルコーンビーム投影データが生成される。ステップ402で、相補関係にある高解像度傾斜平面投影データが、コーンビーム投影データから補間される。次にステップ404で、傾斜平面相補投影データが、4分の1検出器オフセットを利用してインタリーブされる。ステップ406で、インタリーブされた傾斜平面投影データがカーネルを用いてフィルタリングされ、次に、それぞれの平面に対して再構成されて高解像度傾斜画像が作成される。ステップ408で、傾斜画像からのデータが補間されて、回転軸に対して垂直の平面に傾斜していない画像を表すデータが作成される。
【0046】
[0054]図11を参照すると、第2の実施形態は次のステップを含む。まず、ステップ450で、固定焦点を使用して対象がスキャンされて、対象のヘリカルコーンビーム投影データが生成される。ステップ452で、高解像度傾斜画像の再構成時に使用されるべきコーンビーム投影データが、インタリーブされるべき相補傾斜平面上にある投影像を表すデータの中に補間される。ステップ454で、相補平面からの傾斜平面相補投影データが、4分の1検出器オフセットを利用してインタリーブされる。ステップ456で、インタリーブされたデータは次に、カーネルを用いてフィルタリングされ、それぞれの平面のインタリーブされた投影データが再構成されて高解像度傾斜画像が作成される。並行して、ステップ458で、標準解像度傾斜画像の再構成時に使用されるべきコーンビーム投影データが、傾斜平面投影データの中に補間される。ステップ460で、標準解像度傾斜平面のインタリーブされていない投影データが、別のカーネルを用いてフィルタリングされ、再構成されてより低いアーチファクト標準解像度傾斜画像が作成される。ステップ462で、次に、高解像度傾斜画像及び標準解像度傾斜画像からのデータが補間されて、回転軸に対して垂直の画像平面に表すデータが作成される。
【0047】
[0055]本開示を、その好ましい実施形態を参照して具体的に図示し説明したが、当業者には、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の趣旨及び範囲から逸脱することなく、本開示に形状及び細部の様々な変更を加えられることが理解されよう。特に、低ピッチスキャンでは、より傾斜した平面を接続点ごとに使用することができる。例えば、接続点ごとに5つの傾斜平面が決められる場合では、傾斜角デルタは−2δ、−δ、0、+δ、及び+2δになる。NSR#では、傾斜角δ−2#、δ−1#、0、δ+1#、及びδ+2#を有する平面を決める。これらの平面は、180度離れた平面のセットからの相補平面により高解像度をもたらすためにインタリーブすることができる。上述の、傾斜を除く処理は、高解像度でインタリーブされた傾斜平面だけを使用することも、低アーチファクトでインタリーブされていない平面を高解像度傾斜平面と混合したものを使用することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象をスキャンするヘリカルCTスキャナであって、
焦点を定めるように構築されたX線源及び検出器アレイであって、前記検出器アレイは、前記X線源と共に回転軸で回転するように配置された複数の検出器を含み、前記X線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、前記対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成された、X線源及び検出器アレイと、
前記回転軸に対して再構成された傾斜スライスを表すように、前記ヘリカルスキャン中に前記検出器アレイによって取得されたデータを処理するように構築され構成されたプロセッサであって、前記傾斜スライスを表すデータは、傾斜していない画像を前記回転軸に対して垂直の平面において補間するために使用される、プロセッサと
を備え、前記X線源は、前記ヘリカルスキャン中に前記検出器アレイに対して固定焦点を定めるように構築され、前記アレイのうちの検出器は、回転中に前記X線源及び回転軸に対して相対的に4分の1検出器オフセットを提供するように配置され、それにより、回転中に180°離れた線をインタリーブできるようになる、ヘリカルCTスキャナ。
【請求項2】
前記検出器アレイが複数の列の検出器を含む、請求項1に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項3】
右回りの固定基準フレームX、Y、Zが定められ前記スキャナと関連付けられ、右回りの回転基準フレームX、Y、Zが定められZで回転し、それにより回転Y軸が回転X線焦点に接続されるようになり、前記Z軸は前記固定Z軸と同じであり、前記X軸はYとZの両方に垂直であり、それにより、それは右回りの基準フレームを形成する、請求項1に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項4】
複数の傾斜スライスが再構成され、前記傾斜スライスのそれぞれは、回転X軸に対して角度γによって定められ、前記回転Y軸に対して角度δによって定められ、
前記角度γは、前記ヘリカルスキャンのピッチの関数として選択され、それにより、傾斜スライスを再構成するために使用される全ての視野にわたる中心の線について、前記焦点から前記傾斜スライスまでの距離が最小となる、請求項3に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項5】
同じグループのスライスの全てが共通接続点を有するように複数のグループ内で複数のスライスが定められ、該共通接続点は、前記スキャナの前記回転Y軸上の前記焦点に空間的に接続し、
前記同じグループの全てのスライスは同じ角度γを有し、
前記同じグループの全てのスライスは異なる角度δを有する、
請求項4に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項6】
180°離れたそれぞれの接続点を有する相補対のセットにおいて前記傾斜スライスが定められ、面内解像度を向上させるために、各相補対からのデータを使用して前記傾斜面内のデータをインタリーブする、請求項5に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項7】
前記相補スライスは、2つの前記接続点を結ぶ線に沿って交わる、請求項6に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項8】
インタリーブされた前記データは、前記回転軸に対して高解像度傾斜スライスに再構成され、前記高解像度傾斜スライスを表すデータは、傾斜していない高解像度画像を前記回転軸に対して垂直の平面において補間するのに使用される、請求項6に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項9】
前記相補対の前記傾斜平面両方の角度δが非ゼロである、請求項6に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項10】
前記相補対の前記傾斜平面の両方の角度δが反対の符号を有する、請求項6に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項11】
各相補対の前記傾斜面の一方の角度δがゼロであり、各相補対の前記傾斜面のもう一方の角度δが非ゼロである、請求項6に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項12】
前記ヘリカルスキャンのピッチが2/3未満である、請求項5に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項13】
前記X線源はX線ビームを供給し、前記スキャナは、更に、前記X線ビームをコリメートするように設定されたコリメータを含み、前記コリメータは、スキャン中に前記対象が曝される線量を低減するように設定された、請求項12に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項14】
前記傾斜平面は3つ以上の平面において定められ、
前記傾斜平面のうちの2つは180°離れた接続点に対して相補関係にあり、前記相補平面の角度δは非ゼロであり、
前記平面のうちの残りはインタリーブされず、ゼロでも非ゼロでもありうる角度δを有する、請求項5に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項15】
前記面内解像度を向上させるために、前記相補対からのデータを使用して前記傾斜平面において前記データをインタリーブするためのプロセッサを更に含む、請求項14に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項16】
前記残りの平面のデータはインタリーブされない、請求項15に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項17】
前記プロセッサは、更に、インタリーブされた前記データをフィルタリングして、フィルタリングされたデータを前記回転軸に対して高解像度傾斜スライスに再構成できるように設定され構成された第1のカーネルと、前記残りの平面からのデータをフィルタリングするように設定され構成された第2のカーネルとを含み、それにより、前記第2のカーネルによって得られるフィルタリングされた前記データをより低いアーチファクト傾斜スライスに再構成できるようになる、請求項16に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項18】
前記第1及び第2のカーネルは互いに独立している、請求項17に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項19】
前記高解像度傾斜スライス及び低アーチファクト傾斜スライスは、傾斜していない高解像度画像を前記回転軸に対して垂直の平面において補間するのに使用される、請求項18に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項20】
前記傾斜平面は3つの平面のセットにおいて定められ、
前記平面のうちの2つは180°離れた接続点に対して相補関係にあり、前記セットの前記相補平面の角度δは非ゼロであり、
3つめの前記平面はゼロに等しい角度δを有する、請求項5に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項21】
面内解像度を向上させるために、前記相補対からのデータを使用して前記傾斜平面におけるデータをインタリーブするように設定され構成されたプロセッサを更に含む、請求項20に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項22】
ゼロに等しい角度δを有する3つめの前記傾斜平面のデータはインタリーブされない、請求項21に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項23】
インタリーブされた前記データは、前記カーネルを用いてフィルタリングされ、次に、前記回転軸に対して高解像度傾斜スライスに再構成され、3つめの前記傾斜平面からの前記データは、別のカーネルを用いてフィルタリングされ、次に、より低いアーチファクト傾斜スライスに再構成される、請求項22に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項24】
高解像度のインタリーブされたデータを得るために使用される前記カーネルと、インタリーブされていないデータを得るために使用される前記カーネルとは独立しており、異なることがある、請求項23に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項25】
前記プロセッサは、前記高解像度傾斜スライス及び前記低アーチファクト傾斜スライスを使用して傾斜していない高解像度画像を前記回転軸に対して垂直の平面において補間するように設定された、請求項24に記載のヘリカルCTスキャナ。
【請求項26】
対象の高解像度のニューテートスライス再構成画像をCTスキャナを用いて生成する方法であって、前記CTスキャナは、固定焦点を定めるように構築されたX線源と、検出器アレイとを備え、該検出器アレイは、前記X線源と共に回転軸で回転するように配置され、4分の1検出器オフセットを提供するように構成された複数の検出器を含み、前記X線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、前記対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成され、前記方法は、
固定焦点を用いて前記対象をスキャンして前記対象のヘリカルスキャン投影データを生成するステップと、
インタリーブされるべき選択された傾斜平面に対する投影データを選択するステップと、
前記4分の1検出器オフセットにより得られるそれぞれの選択された傾斜平面に対する投影データをインタリーブするステップと、
前記傾斜平面のそれぞれに対するインタリーブされた前記投影データを、カーネルを用いてフィルタリングし再構成して高解像度傾斜画像を作成するステップと、
前記傾斜画像からのデータを補間して、前記回転軸に対して垂直の平面における傾斜していない画像を表すデータを作成するステップと
を含む、方法。
【請求項27】
対象の高解像度ニューテートスライス再構成画像をCTスキャナを用いて生成する方法であって、前記CTスキャナは、焦点を定めるように構築されたX線源と、検出器アレイとを備え、該検出器アレイは、前記X線源と共に回転軸で回転するように配置され、4分の1検出器オフセットを提供するように構成された複数の検出器を含み、前記X線源及び検出器アレイは、ヘリカルスキャン中に、前記対象が該X線源及び検出器アレイに対して相対的に該X線源及び検出器アレイの間を回転軸と平行な方向に移動しながら、該回転軸で回転するように構成され、前記方法は、
固定焦点を用いて前記対象をスキャンして前記対象のヘリカルスキャン投影データを生成するステップと、
インタリーブされるべき選択された傾斜平面に対する投影データ及びインタリーブしない傾斜平面に対する投影データを選択するステップと、
前記4分の1検出器オフセットにより得られるそれぞれの選択された傾斜平面に対する投影データをインタリーブするステップと、
前記傾斜平面のそれぞれに対するインタリーブされた前記投影データを、カーネルを用いてフィルタリングし再構成して高解像度傾斜画像を作成するステップと、
特定の傾斜平面に対するインタリーブされていない投影データを、別のカーネルを用いてフィルタリングし再構成してより低いアーチファクト傾斜画像を作成するステップと、
前記傾斜画像からのデータを補間して、前記回転軸に対して垂直の画像平面を表すデータを作成するステップと
を含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−512725(P2013−512725A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541986(P2012−541986)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/066760
【国際公開番号】WO2011/068515
【国際公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【出願人】(591200896)アナロジック コーポレーション (5)
【Fターム(参考)】