説明

CNGH0010特異的ポリヌクレオチド、ポリペプチド、抗体、組成物、方法および使用

新規ポリペプチド(CNGH0010)および抗体(少なくとも1つのそのようなCNGH0010ポリペプチド、そのバリアントまたはフラグメントに特異的なその特定した部分またはバリアントを含む)、ならびにそのようなCNGH0010ポリペプチドおよび抗体をコードする核酸、相補的核酸、ベクター、宿主細胞およびそれらの作成および使用法は、治療用、診断用製剤、投与およびデバイスに有用である。前述のポリペプチドはヒト、霊長類、齧歯類、哺乳動物、キメラ、ヒト化および/またはCDR−移植化抗−CNGH0010抗体を生成するために使用することができる。CNGH0010ポリペプチドおよび抗体は、細胞、組織、臓器、動物または患者中の少なくとも1つのCNGH0010−関連疾患のモジュレートまたは処置に使用される。そのような疾患には限定するわけではないが、乾癬、慢性関節リウマチ、気腫、喘息、糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎を含む種々の皮膚炎、紫外線角膜炎、損傷治癒、瘢痕形成、種々の腎臓疾患、種々の呼吸疾患、子宮内膜炎のような種々の生殖器疾患、黒色腫、偏平上皮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、腎臓細胞癌、グレーヴズ病および他の炎症性および過剰増殖性疾患を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
A.発明の分野
本発明は、CNGH0010ポリペプチド、そのバリアントおよびフラグメント、およびそれに特異的な抗体および抗−イディオタイプ抗体、ならびにそのようなCNGH0010ポリペプチドをコードする核酸、バリアント、フラグメント、抗体、相補的核酸、ベクター、宿主細胞、ならびに診断および治療用製剤、投与およびデバイスを含むそれらの作成および使用法に関する。
【背景技術】
【0002】
B.背景および関連技術
乾癬は遺伝性、多因子性の慢性炎症皮膚疾患であり、米国では人口の2.6%が罹患している。この疾患はケラチン生成細胞の著しい過剰増殖(hyperproliferation)を特徴とし、これは急速な表皮の代謝回転および肥厚化した鱗状の赤斑の臨床的所見をもたらす。この疾患の他の顕著な組織生理学的特徴は、真皮および表皮でのサイトカイン生産の改変、繊維芽細胞の活性化、血管拡張、および白血球の浸潤である。真皮における活性化細胞および免疫細胞の両方からのサイトカイン生産の調節障害(dysregulation)は、乾癬に関係する炎症反応(event)の媒介に重要な役割を果たすようである。このため、遺伝子および/タンパク質発現における多数の変化が乾癬においてこれまでに記載され、そしてこれらの遺伝子および/またはタンパク質の幾つかは他の炎症疾患と関連することも見い出された。これらにはIL−1およびTNFαのような前炎症性サイトカイン、細胞内接着分子1(ICAM1)および血管接着分子1(VCAM1)のような接着分子、ケモカインおよびディフェンシンを含む。最近、遺伝子発現マイクロアレイ技術が正常 対 乾癬病変皮膚において遺伝子発現パターンをより包括的規模でプロファイルリングするために応用され、そして乾癬の病因について新たな洞察が提供された。
【0003】
cDNAマイクロアレイ技法は、1回のハイブリダイゼーションアッセイで数千の遺伝子の発現レベルを同時に測定するための形式を提供する。また自動化された高処理量の形式にも対応可能である。さらに重要なことは、マイクロアレイ技術は新たな遺伝子を発見し、遺伝子発現を定量そして分析し、そして機能が未知な遺伝子に機能性を割り当てるために使用することができる点である。ヒトゲノムの完全なシークエンシングにより、新たな遺伝子の同定およびクローニングを今では迅速に達成することができる。しかしこれらの遺伝子が新規タンパク質をコードするのかどうかを解明すること、およびこれらの新規タンパク質の機能のさらなる同定は迅速には進まなかった。この障害が、新規なタンパク質をコードする遺伝子、または後に種々のヒトの疾患に有望な治療的標的となり得る新規機能を持つ遺伝子を発見するために十分に計画された実験の設定において、高処理量のcDNAマイクロアレイ技術を使用する主な理由の1つとなった。
【0004】
したがって疾患および状態に関連する新規ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体またはそれらのフラグメントおよびそれらの使用、ならびに既知のポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体またはそれらのフラグメントに対する改善を提供することが必要である。
【発明の開示】
【0005】
発明の要約
本発明は、配列番号3、5、7、9および11の1つに示される配列を有する単離されたCNGH0010ポリペプチド、バリアント、例えば、以下の表2に記載するような示
差的エキソンスプライシング(differential exon splicing)に基づくもの、およびそれらのフラグメントに関する。本発明の別の観点は、配列番号2、4、6、8および10の1つに示される配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、バリアント(例えば、以下の表2に記載するような示差的エキソンスプライシングに基づくもの)、およびそれらのフラグメントおよび相補的配列である。本発明の別の観点は、配列番号3、5、7、9および11の1つに示されるアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチド、バリアント(例えば、以下の表2に記載するような示差的エキソンスプライシングに基づくもの)、およびそれらのフラグメントおよび相補的配列である。
【0006】
また本発明は配列番号3、5、7、9および11のアミノ酸配列のいずれかに対して少なくとも70%、好ましくは75%、80%、90%、95%、99%もしくは100%のアミノ酸配列同一性を有する単離されたポリペプチド、そのバリアントまたはフラグメント;配列番号2、4、6、8および10のポリヌクレオチド配列のいずれかに対して少なくとも70%、好ましくは75%、80%、90%、95%、99%もしくは100%の核酸配列同一性を有する単離されたポリヌクレオチド、そのバリアント、相補配列またはフラグメント;ならびに配列番号3、5、7、9および11のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドのいずれかに対して少なくとも70%、好ましくは75%、80%、90%、95%、99%もしくは100%の核酸配列同一性を有する単離されたポリヌクレオチド、そのバリアント、相補配列またはフラグメントに関する。
【0007】
また本発明は、(a)配列番号3、5、7、9および11の1つのアミノ酸配列に対して少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子、そのバリアントおよびフラグメント、あるいは(b)配列番号2、4、6、8および10のポリヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸配列、そのバリアントおよびフラグメントおよび相補的核酸にハイブリダイズする単離された核酸分子を提供する。本発明はさらにポリペプチドをコードする核酸分子を含んでなる組換えベクター、そのような核酸および/または組換えベクターを含有する宿主細胞、ならびにそのような核酸、ベクターおよび/または宿主細胞の作成法を提供する。
【0008】
別の観点では本発明は、(a)配列番号3、5、7、9および11の1つのアミノ酸配列の全部もしくは一部に対して少なくとも70%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチド、またはバリアント、あるいは(b)配列番号2、4、6、8および10のポリヌクレオチド配列のいずれかの全部もしくは一部に対して少なくとも70%の核酸同一性を有するポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチド、またはバリアントに結合することができる抗体および抗体フラグメントに関する。加えて本発明は抗体組成物、製剤、デバイスおよびトランスジェニックマウスおよび植物を含んでなる。また本発明はヒト、霊長類、齧歯類、哺乳動物、キメラ、単鎖、ヒト化および/またはCDR移植化抗−CNGH0010抗体、免疫グロブリン、分解産物および他の特定部分およびそのバリアントを生成し、そして特徴付ける方法を提供する。本発明はさらに本発明の少なくとも1つのCNGH0010抗体に対する少なくとも1つのCNGH0010抗−イディオタイプ抗体を提供する。
【0009】
CNGH0010ポリペプチドをコードする核酸またはそのフラグメントは、異種アミノ酸配列をコードする核酸配列に連結されて、融合タンパク質を形成することができる。さらなる態様は、免疫グロブリン領域の少なくとも一部に融合されたCNGH0010ポリペプチドの少なくとも1つのフラグメントを含んでなるミメティボディである。好適なミメティボディは、少なくとも1つのCH領域を含んでなり、これは少なくとも1つのCH領域に直接連結され、これは少なくとも1つのヒンジ領域またはそのフラグメントに直接連結され、これは場合により少なくとも1つの部分的V領域に直接連結され、これ
は任意のリンカー配列に直接連結され、これはCNGH0010ポリペプチドの少なくともフラグメントに直接連結され、場合によりこれは少なくとも1つの可変抗体配列の少なくとも一部に直接連結されている。さらに好適な態様では、免疫グロブリンはIgG1またはIgG4である。
【0010】
本発明の別の観点は、CNGH0010ポリペプチドを含んでなる組換え発現ベクターを提供する。別の態様では、本発明は単離された宿主細胞、例えば、そのようなベクターおよび/またはCNGH0010ポリヌクレオチドを含む哺乳動物および非哺乳動物細胞を提供する。また本発明はCNGH0010ポリペプチドが生産されるように、適当な培地中で、CNGH0010ポリペプチドをコードする組換え発現ベクターを含む本発明の宿主細胞を培養することによりCNGH0010ポリペプチドの生産法も提供する。
【0011】
また本発明は、CNGH0010ポリペプチド、抗−CNGH0010抗体またはCNGH0010抗−イディオタイプ抗体の少なくとも1つが検出可能な量および/または回収可能な量で発現される条件下で、本明細書に記載する宿主細胞を培養することを含んでなる、そのようなCNGH0010ポリペプチド、抗−CNGH0010抗体またはCNGH0010抗−イディオタイプ抗体を宿主細胞中で発現させるための少なくとも1つの方法も提供する。
【0012】
さらに別の観点では、本発明は異種(heterologous)アミノ酸配列に融合した配列番号3、5、7、9および11の1つのアミノ酸配列に対して少なくとも70%、好ましくは75%、80%、90%、95%、99%または100%のアミノ酸配列同一性を有するポリペプチドを含んでなる融合タンパク質を提供する。
【0013】
また本発明は、(a)本明細書に記載する単離されたCNGH0010ポリヌクレオチド、ポリペプチド、ポリペプチドアゴニストもしくはアンタゴニスト、抗体および/または抗イディオタイプ抗体:ならびに(b)適切な担体または希釈剤を含んでなる少なくとも1つの組成物を提供する。担体または希釈剤は、既知の担体または希釈剤に従い製薬学的に許容され得るものであることができる。組成物は場合によりさらに、少なくとも1つの化合物、タンパク質または組成物を含んでなることができる。
【0014】
また本発明は、限定するわけではないが乾癬、慢性関節リウマチ、気腫、喘息、糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎を含む種々の皮膚炎、紫外線角膜炎、損傷治癒、瘢痕形成、種々の腎臓疾患、種々の呼吸疾患、子宮内膜炎のような種々の生殖器疾患、黒色腫、偏平上皮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、腎臓細胞癌、グレーヴズ病および他の炎症性および過剰増殖性疾患のようなCNGH0010関連疾患の処置および/または診断方法に関する。好適な態様では、CNGH0010関連疾患は、疾患または状態が限定するわけではないが乾癬、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、種々の皮膚炎(アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎)、紫外線角膜炎、損傷治癒、瘢痕形成、種々の腎臓疾患、種々の呼吸疾患、子宮内膜炎のような種々の生殖器疾患、黒色腫、偏平上皮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、腎臓細胞癌、気腫、グレーヴズ病、糖尿病、天疱瘡、水疱性天疱瘡、ヘルペス、線状IgA疾患、薬剤発疹、表皮水疱症、胃炎、アフタ性潰瘍、消化性潰瘍、胃のポリープ、慢性閉塞性肺疾患、気管支拡張症、嚢胞性繊維症、腎嚢胞性疾患、膀胱炎および他の炎症性および過剰増殖性疾患を含む上皮細胞または関連する細胞に影響を及ぼすような上皮関連疾患または状態である。この方法は(1)配列番号3、5、7、9および11から選択される少なくとも1つの配列を含んでなる単離されたポリペプチド、そのバリアント、誘導体およびフラグメント、(2)配列番号2、4、6、8および10の少なくとも1つの配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、そのバリアント、誘導体およびフラグメント、および相補配列、(3)配列番号2、4、6、8
および10の少なくとも1つの配列を含んでなるポリヌクレオチドによりコードされる単離されたポリペプチド、そのバリアントおよびフラグメント、ならびに(4)炎症性および過剰増殖性疾患および状態を診断および/または処置するためのそのようなポリペプチドおよびヌクレオチドのアゴニストおよびアンタゴニストを利用する。また本発明はCNGH0010アゴニストもしくはアンダゴニスト、抗−CNGH0010抗体および/またはCNGH0010抗−イディオタイプ抗体を利用するCNGH0010関連疾患の処置および/または診断法も提供する。
【0015】
本発明は、さらに本明細書に記載する本発明を提供する。
発明の記載
本明細書で使用する「CNGH0010ポリペプチド(1もしくは複数)またはタンパク質(1もしくは複数)」または「本発明のポリペプチド(1もしくは複数)またはタンパク質(1もしくは複数)」は、配列番号3、5、7、9および11から選択される少なくとも1つの配列を含んでなる単離されたポリペプチド、そのバリアント、誘導体およびフラグメントを包含する。「CNGH0010核酸、ポリヌクレオチド(1もしくは複数)または遺伝子(1もしくは複数)」または「本発明の核酸、ポリヌクレオチド(1もしくは複数)または遺伝子(1もしくは複数)」は、配列番号2、4、6、8および10の少なくとも1つの配列を含んでなる単離されたポリヌクレオチド、そのバリアント、誘導体およびフラグメント、および相補的配列を指す。
【0016】
CNGH0010タンパク質のスプライスバリアントおよびこれらのバリアントをコードする核酸は、RACE、RT−PCRおよびノーザンブロット技法の使用を介して上皮細胞型で同定されてきた。ゲノムのCNGH0010 DNA配列(配列番号1)のエキソンおよび非翻訳領域が同定された(表1)。表2に示すように、CNGH0010遺伝子は示差的翻訳開始および終止部位の結果として、多数のバイリアトの可能性がある(すなわち選択的スプライシング)。主要なバリアントはCNGH0010.1、CNGH0010.2、CNGH0010.3、CNGH0010.4およびCNGH0010.5(それぞれ配列番号2、4、6、8および10(核酸)、およびそれぞれ配列番号3、5、7、9および11(アミノ酸))と表される。本発明のさらなるバリアントはゲノム配列およびRT−PCR産物の分析により見られるエキソンの種々の組み合わせにより包含される。これは表2に表すようにコード配列に加えられるか、または削除されてもよいエキソンにより示される。
【0017】
A431細胞に存在するCNGH0010転写産物のRT−PCR分析は、CNGH0010.1転写産物が少なくともエキソン11および20の存在または不存在に関して異種成分からなり、一方、CNGH0010.2転写産物はエキソン9に対して異種成分を有すことを示す。またCNGH0010.4転写産物はエキソン9、10、11および12の存在または不存在に関して異種成分からなる。
【0018】
細胞外マトリックス分子(コラーゲン)およびサイトカイン(アジポネクチン)に対するCNGH0010分子の類似性は、それらが細胞−細胞または細胞−マトリックス相互作用の調節に参加し得るか、またはサイトカインを受容体へ結合させるか、または結合に影響を及ぼす可能性を示唆する。両方の活性は最終的に細胞および組織の増殖、移動および分化状態に影響する。したがって本発明のタンパク質およびポリヌクレオチドは、モノクローナル抗体、合成ポリペプチド、低分子薬剤または他の天然もしくは合成薬剤を使用して、治療的介入の理想的な標的を表す。
【0019】
したがって本発明は、CNGH0010タンパク質および遺伝子として同定された新規アミノ酸および核酸配列を提供する。配列は、配列番号3、5、7、9および11の1つに示される配列を有するポリペプチドを含んでなる単離されたポリペプチド、またはその
バリアント;配列番号2、4、6、8および10の1つに示す配列を有するポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチド、または相補的配列;配列番号3、5、7、9および11の1つに示すアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドを含んでなる単離されたポリヌクレオチド、または相補的配列;配列番号3、5、7、9および11のいずれかのアミノ酸配列に対して少なくとも70%のアミノ酸配列の同一性を有するポリペプチドを含んでなる単離されたポリペプチド、またはそのバリアント;配列番号2、4、6、8および10のいずれかのポリヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の核酸配列の同一性を有する単離されたポリヌクレオチド、その相補的配列またはバリアント;配列番号3、5、7、9および11のいずれかのアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチドに対して少なくとも70%の核酸配列の同一性を有する単離されたポリヌクレオチド、その相補的配列またはバリアント;ならびに配列番号3、5、7、9および11の1つのアミノ酸配列に対して少なくとも70%のアミノ酸配列の同一性を有するポリペプチドをコードする核酸分子にハイブリダイズする単離された核酸分子、配列番号2、4、6、8および10のいずれかのポリヌクレオチド配列に対して少なくとも70%の配列同一性を有する核酸分子、または相補的核酸分子;およびこれらポリペプチドおよびポリヌクレオチド配列のフラグメントを含んでなる。
【0020】
本明細書で使用するように、当該技術分野で知られている「同一性」は配列を比較することにより決定される2以上のポリペプチド配列間または2以上のポリヌクレオチド配列間の関係である。また当該技術分野では、「同一性」はポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列のような連なり(strings)の間の対合により定められるポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列間の配列関連性の程度も意味する。「同一性」および「類似性」は、限定するわけではないが(コンピューターによる分子生物学(Computional Molecular Biology),Lesk,A.M.編集、オックスフォード大学出版(Oxford University Press)、ニューヨーク、1988;バイオコンピューティング:インフォーマティックスおよびゲノムプロジェクト(Biocomputing:Informatics and Genome Project),Smth,D.W.編集、アカデミック出版(Academic Press)、1993;および配列データのコンピューター分析(Computer Analysis of Sequence Data)、第1部、Griffin,A.M.,and Griffin,H.G.編集、ヒューマナ出版(Humana Press)、ニュージャージー、1994;分子生物学における配列分析(Sequence Analysis in Molecular Biology)、von Heinje,G.、アカデミック出版、1987;および配列分析プライマー(Sequence Analysis Primer)、Gribskov,M.and Devereux,J.編集、M.ストックトン出版(Stockton Press)、ニューヨーク、1991;およびCarillo,H.,and Lipman,D.,Siam J.Applied Math.,48:1073(1988)に記載されている既知の方法により容易に算出することができる。加えて、同一性パーセントの値は、VectorNTI Suite8.0(インフォマックス(Informax)、フレデリック、メリーランド州)のAlignX構成要素に関するデフォルト設定を使用して、アミノ酸配列およびヌクレオチド配列から得ることができる。
【0021】
同一性を決定するための好適な方法は、試験する配列間に最大の対合を与えるように設計する。同一性および類似性を決定する方法は、公的に利用することができるコンピュータープログラムに体系化されている。2つの配列間の同一性および類似性を決定するための好適なコンピュータープログラム法には、限定するわけではないがGCGプログラムパッケージ(Devereux,J.,et al.,Nucleic Acids Research 12(1):387(1984))、BLASTP、BLASTINおよびFASTA(Atshul,S.F.et al.,J.Molec.Biol.21
5:403−410(1990)がある。BLASTXプログラムは、NCBIおよび他の供給元から公的に利用可能である(BLASTIマニュアル、Altschul,S.et al.,NCBINLM NIH ベセスダ、メリーランド州、20894;Altschul,S.et al.,J.Mol.Biol.215:403−410(1990)から公的に利用可能である。周知のSmith Watermanアルゴリズムも同一性を決定するために使用できる。
【0022】
ポリペプチド配列の比較に好適なパラメーターには以下を含む:
(1)アルゴリズム:Needelman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443−453(1970)比較マトリックス:Hentikoff and
Hentikoff,Proc.Natl.Acad.Sci.USA.89:10915−10919(1992)からのBLOSSUM62
ギャップ ペナルティ:12
ギャップ長 ペナルティ: 4
これらのパラメーターに有用なプログラムは、ウィスコンシン州、マジソンのジェネティックス コンピューター グループ(Genetics Computor Group)からの「ギャップ」プログラムとして公的に利用可能である。前述のパラメーターは、(エンドギャップについてはペナルティ無しで一緒に)ポリペプチドを比較するためのデフォルトパラメーターである。
【0023】
ポリヌクレオチド比較のための好適なパラメーターには以下を含む:
(1)アルゴリズム:Needelman and Wunsch,J.Mol.Biol.48:443−453(1970)
比較マトリックス:マッチ=+10、ミスマッチ=0
ギャップ ペナルティ:50
ギャップ長 ペナルティ: 3
入手先:ウィスコンシン州、マジソンのジェネティックス コンピューター グループ からの「ギャップ」プログラム。これらは、核酸比較のためのデフォルトパラメーターである。
【0024】
例えば、本発明のポリヌクレオチド配列は、配列番号2の配列と同一であることができ、すなわち100%同一であるか、または参照配列に比べて特定の整数値の数までのヌクレオチド改変を含んでもよい。そのような改変は、少なくとも1つのヌクレオチド欠失、トランジッションおよびトランスバージョンを含む置換、または挿入からなる群から選択され、そしてここで改変は、参照ヌクレオチド配列の5’もしくは3’末端位置に、またはこれら末端位置の間の任意の場所に、参照配列のヌクレオチド間で個々に、または参照配列内の1もしくは複数の連続する群で散在して起こることができる。ヌクレオチド改変の数は、配列番号2中の総ヌクレオチド数に各配列同一性のパーセントの数値を掛け、そして配列番号2の総ヌクレオチド数からその結果を引くか、あるいは:
n.sub.n.ltorism.x.sub.n−(x.sub.n.y)
ここでn.sub.nはヌクレオチド改変の数であり、x.sub.nは配列番号2中の総ヌクレオチド数であり、そしてyは例えば、70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85、90%については0.90、95%については0.95等であり、ここでx.sub.nおよびyの任意の整数ではない結果は最も近い整数の概数とした後にx.sub.nから引く。
【0025】
配列番号3のポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の改変は、このコード配列中にナンセンス、ミスセンスまたはフレームシフト変異を作成し、そしてこれによりそのような改変後のポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドを改変する。同様に本発明のポリペプチド配列は、配列番号3の参照配列と同一であることができ、すなわち
100%同一であるか、または同一性のパーセントが100%未満となるように参照配列に比べて特定の整数値の数までのアミノ酸改変を含んでもよい。そのような改変は、少なくとも1つのアミノ酸欠失、保存的および非保存的置換を含む置換、または挿入のからなる群から選択され、そしてここで改変は、参照ポリペプチド配列のアミノ−もしくはカルボキシ−末端位置に、またはこれら末端位置の間のいずれかの場所に、参照配列間のアミノ酸間で個々に、または参照配列内の1もしくは複数の連続する群で散在して起こることができる。与えられた%同一性に関するアミノ酸改変の数は、配列番号3のアミノ酸の総数に各配列の同一性パーセント数(100で割った)を掛け、そして配列番号3の総アミノ酸数からその結果を引くか、あるいは
n.sub.a.ltorsim.x.sub.a−(x.sub.a.y)
ここでn.sub.aはアミノ酸改変の数であり、x.sub.aは配列番号3中の総アミノ酸数であり、そしてyは例えば、70%については0.70、80%については0.80、85%については0.85等であり、ここでx.sub.aおよびyの任意の整数ではない結果は最も近い整数の概数とした後にx.sub.aから引く。
【0026】
本明細書で使用する「フラグメント」は、本発明の任意のポリペプチドのアミノ酸配列のすべてではないが一部と全く同じアミノ酸配列を有するバリアントポリペプチドであるか、あるいは本発明の任意のポリヌクレオチドの核酸配列のすべてではないが一部と全く同じ核酸配列を有するバリアントポリヌクレオチドである。フラグメントは、例えば、異種のアミノ−および/またはカルボキシ−末端アミノ酸配列を含む連続する残基のシリーズのような、配列番号3、5、7、9もしくは11のアミノ酸配列で示すような短縮化ポリペプチドまたはそのバリアントを含むことができる。宿主細胞により、またはその中で生産される本発明のポリペプチドの分解形も含まれる。他の例示的フラグメントは、アルファ−ヘリックスまたはアルファ−ヘリックス形成領域、ベーター−シートまたはベータシート形成領域、回転または回転形成領域、コイル−またはコイル−形成領域、親水性領域、疎水性領域、アルファ−両親媒性領域、ベータ−両親媒性領域、柔軟性領域、表面−形成領域、基質結合領域、細胞外領域および高抗原性指数領域のような構造的または機能的寄与を特徴とする。
【0027】
さらなる例示フラグメントには、配列番号3、5、7、9もしくは11に説明するアミノ酸配列に由来する少なくとも15、20、30、40、50もしくは100の連続するアミノ酸を有するアミノ酸配列含んでなる単離されたポリペプチドおよびそのバリアント、あるいは配列番号3、5、7、9もしくは11に示すアミノ酸配列に説明するアミノ酸配列から短縮化または削除された少なくとも15、20、30、40、50もしくは100の連続するアミノ酸を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチドおよびそのバリアントを含む。またフラグメントは類似するサイズおよび特性を有する単離されたポリヌクレオチドを含む。
【0028】
本発明のポリペプチドおよび誘導体は、CNGH0010ポリペプチドのそのリガンドへの結合を阻害し、そして後のシグナル伝達を低下または遮断するために有用である。ポリペプチドおよびポリペプチド構築物は、ヒト、霊長類、齧歯類、哺乳動物、キメラ、単鎖、ヒト化および/またはCDR−移植化抗−CNGH0010抗体、免疫グロブリン、分解産物および他の特定化部分およびそれらのバリアントに有用な免疫原または結合パートナーとして使用することができる。さらに抗体のアミノ酸配列、およびCNGH0010抗体もしくは抗−イディオタイプ抗体の少なくとも1つをコードする少なくとも1つのポリヌクレオチドを含んでなるコード核酸分子は、当該技術分野で周知で、しかも本明細書に記載する方法により決定することができる。
【0029】
本明細書に記載する少なくとも1つのヒトCNGH0010ポリペプチド配列は抗原性であり、そして抗−CNGH0010抗体の生成法を提供する。本明細書に記載するポリ
ペプチドは、診断および治療用のCNGH0010抗体について重要なエピトープを含む新たな種類のCNGH0010抗原を含んでなる。このポリペプチドは、本発明のヒトCNGH0010ポリペプチド配列のアミノ酸配列に基づき、本明細書に記載するように合成することができる。
【0030】
CNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体は、当該技術分野で既知かつ/または本明細書に記載するように、細胞、組織、臓器、動物もしくは患者の少なくとも1つのCNGH0010関連状態をモジュレートまたは処置するために治療もしくは予防に有効な量を、かつ/または関連状態の前、後もしくは最中に投与するための方法または組成物に包含することができる。CNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体は、当該技術分野で既知かつ/または本明細書に記載するように、細胞、組織、臓器、動物もしくは患者の少なくとも1つのCNGH0010関連状態を診断するための方法または組成物に、関連状態の前、後もしくは最中に包含することができる。
【0031】
CNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体は、本発明の有効量の少なくとも1つの単離されたCNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体を含んでなる組成物を、細胞、組織、臓器または動物と接触させるか、またはそれらに投与することを含んでなる、細胞、組織、臓器または動物のCNGH0010関連状態を診断または処置する方法に包含される。この方法は任意にさらに有効量の0.001〜50mg/キログラムのポリペプチドまたは抗体を使用することを含んでなる。この方法はさらに、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、網内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内または経皮から選択される少なくとも1つの様式によりポリペプチドまたは抗体を投与することにより、ポリペプチドまたは抗体でCNGH0010−関連状態を処置することを含んでなる。
【0032】
本発明は、抗−CNGH0010抗体およびそのフラグメントを生成するために使用できるCNGH0010の受容体結合領域に由来する新規タンパク質およびポリペプチドを提供する。第1に新規ポリペプチドを同定し、単離し、そして作成する方法を以下に検討する。次いで抗体の生成、応用、製剤および治療的処置を提示する。
【0033】
本明細書に引用するすべての刊行物は引用により全部、それらが本発明のこの時点の技術の状況を示し、かつ/または本発明の説明および可能性を提供するので参考により本明細書に編入する。刊行物とは任意の科学的もしくは特許公報、またはすべての記録された、電子的または印刷形式を含む任意の媒体形式で入手できる任意の他の情報を称する。以下の参考文献は引用により全部、本明細書に編入する:Ausubel,et al.編集、分子生物学の現在のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)、ジョン ウィリー&サンズ社(John Wiley & Sons,Inc.)、ニューヨーク、ニューヨーク州(1987−2001):Sambrook,et al.、モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、第2版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州(1989);Harlow and Lane、抗体(antibodies)、ア ラボラトリーマニュアル、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク州(1989);Colligan,et
al.編集、免疫学の現在のプロトコール(Current Protocols in Immunology)、ジョン ウィリー&サンズ社、ニューヨーク州(1994−2002);Colligan,et al.,タンパク質科学の現在のプロトコール(Current Protocols in Protein Science)、ジ
ョン ウィリー&サンズ社、ニューヨーク、ニューヨーク州、(1997−2001)。
【0034】
本発明のヒトCNGH0010ポリペプチドは、配列番号3、5、7、9および11のもの、ならびに限定するわけではないが選択的スプライシングバリアントを含むそれらのバリアントを含み、そして本明細書に特定するような天然の突然変異およびヒトの操作に由来する1もしくは複数のアミノ酸置換、欠失もしくは付加を含むことができる。そのような突然変異または置換は、ヒトCNGH0010のそのリガンドへの結合を阻害するために、突然変異がポリペプチドの生物学的活性を改変することなくポリペプチドの性質を改変するために有意に十分で有り得るムテインを含むことができる。本発明に含まれるのは、配列番号3、5、7、9および11のもの、およびそれらのバリアントに加えてアミノ酸配列を有するCNGH0010ポリペプチドである。
【0035】
もちろん当業者は上に記載したものを含め多くの因子に依存して多数のアミノ酸置換を作成するだろう。一般に、任意に与えたCNGH0010ポリペプチド、フラグメントまたはバリアントのアミノ酸置換、挿入または欠失の数は、1〜5以下であり、あるいは本明細書に特定するその中の数である。
【0036】
機能に必須である本発明のCNGH0010ポリペプチド中のアミノ酸は、位置指定突然変異誘発法またはアラニン−スキャンニング突然変異誘発法のような当該技術分野で知られている方法により同定することができる(例えば、Ausubel、同上、第8章、15;Cunningham and Wells,Science 244:1081−1085(1989))。後者の手順は1つのアラニン変異を分子の各残基に導入する。次いで生じる変異分子は、限定するわけではないが少なくとも1つのCNGH0010中和活性のような生物学的活性について試験される。
CNGH0010ポリペプチドの合成
説明し、そして上に記載したアミノ酸配列を有するポリペプチドは、標準的なBocまたはFMOC化学を使用して合成することができる。生じたポリペプチドはそのまま注入され、架橋結合され、または担体分子に連結することができる。担体への結合を促進するために、N−末端N−アセチル−システインまたはC−末端アミドを形成し、そしてC−末端アミノ酸をアミド化することができる。種々の連結基はポリペプチドと担体分子の間に間を空けて、正しい立体的フォールディングおよび抗原性ポリペプチドの提示を可能にすることができる。
【0037】
本発明のCNGH0010ポリペプチドは、細菌、酵母、昆虫または哺乳動物に由来する細胞株からも生産することができる。新規ポリペプチドをコードする核酸を含んでなる組換え発現カセットは、少なくとも1つの宿主細胞に導入することができる。CNGH0010核酸配列および必要なプロモーター要素を含有するベクターは、CNGH0010ポリペプチドを発現させるために使用することができる。シグナルペプチドに結合したCNGH0010ポリペプチドをコードする核酸配列は、所望のポリペプチドの分泌および精製を容易にするために含めることができる。当業者は、本発明のポリペプチドをコードする核酸配列の発現に利用可能な多くの発現系を知っている。無細胞翻訳系も本発明のDNA構築物に由来するRNAを使用してそのようなポリペプチドを生成するために使用できる。
核酸分子
本発明のヒトCNGH0010ポリペプチドをコードする核酸配列は、例えば、RNAサンプルのRT−PCR増幅によるクローニングにより得ることができる。あるいはCNGH0010ポリペプチドをコードするDNAは、CNGH0010 mRNAを保有すると考えられる組織から、またはゲノムDNAライブラリーから調製することができる。核酸配列はPCR増幅により、またはDNAハイブリダイゼーションおよび発現クローニングの従来の方法によりクローン化することができる。
【0038】
本明細書に記載する情報(本明細書に記載する方法または従来技術の方法)を使用して、配列番号3、5、7、9および11の少なくとも1つの連続するアミノ酸配列の少なくとも70〜100%をコードするヌクレオチド配列、またはその特定のフラグメント、バリアントまたはコンセンサス配列、これらの配列の少なくとも1つを含んでなるベクター、少なくとも1つのCNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体をコードする本発明の核酸分子を得ることができる。
【0039】
本発明の核酸分子は、mRNA、hnRNAもしくは他の任意の形態のようなRNAの形態、あるいは限定するわけではないがクローニングにより得た、または合成的に生成されたcDNAおよびゲノムDNAを含むDNAの形態、またはそれらの任意の組み合わせであることができる。DNAは3本鎖、2本鎖もしくは1本鎖、またはそれらの組み合わせであることができる。DNAまたはRNAの少なくとも1つの鎖の部分はコード鎖(センス鎖としても知られている)であることができ、またはそれは非コード鎖(アンチ−センス鎖とも言われる)であることができる。
【0040】
本明細書に示すように、CNGH0010ポリペプチドまたは抗−CNGH0010抗体をコードする核酸を含んで成る本発明の核酸分子は、限定するわけではないが自身によりポリペプチドまたは抗体フラグメントのアミノ酸配列をコードするもの;全ポリペプチドまたは抗体またはそれらの部分のコード配列;ポリペプチドまたは抗体、フラグメントまたは部分のコード配列、ならびにスプライシングおよびポリアデニル化シグナルを含む(例えば、リボソーム結合およびmRNAの安定性)転写、mRNAプロセッシングに役割を果たす、転写された、非翻訳配列のような限定するわけではない非コード5’および3’配列を含むさらなる非コード配列と一緒に、少なくとも1つのイントロンのような前記のさらなるコード配列を含むか、または含まない少なくとも1つのシグナルリーダーまたは融合ペプチドのコード配列のようなさらなる配列;ならびにさらなる機能性を提供する配列のようなさらなるアミノ酸をコードするさらなるコード配列を含むことができる。すなわちポリペプチドまたは抗体をコードする配列は、抗体フラグメントまたはその部分を含んで成る融合抗体の精製を容易にするペプチドをコードする配列のようなマーカー配列と融合させることができる。
核酸の構築およびポリペプチドの発現および精製
本発明の単離された核酸は、当該技術分野で周知な(a)組換え法、(b)合成技術、(c)精製技術、またはそれらの組み合わせを使用して作成することができる。
【0041】
核酸は本発明のポリヌクレオチドに加えた配列を都合よく含んで成ることができる。例えば、ポリヌクレオチドの単離を補助するために、1以上のエンドヌクレアーゼ制限部位を含んで成るマルチクローニング部位を核酸に挿入することができる。また翻訳可能な配列を、本発明の翻訳されたポリヌクレオチドの単離を補助するために挿入することができる。例えば、ヘキサ−ヒスチジンマーカー配列は、本発明のタンパク質を精製するための便利な手段を提供する。本発明の核酸(コード配列を除く)は場合により、本発明のポリヌクレオチドのクローニングおよび/または発現のためのベクター、アダプターまたはリンカーである。
【0042】
クローニングおよび/または発現における機能を至適化するために、ポリヌクレオチドの単離を補助するために、またはポリヌクレオチドの細胞への導入を向上させるために、そのようなクローニングおよび/発現配列にさらなる配列を加えることができる。クローニングベクター、発現ベクター、アダプターおよびリンカーの使用は、当該技術分野では周知である。例えば、Ausubel、同上;またはSambrook、同上を参照にされたい。
【0043】
大変様々な発現系を使用して、本発明のポリペプチドを生成することができる。そのような系には、細菌プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、酵母エピソーム、挿入要素、酵母染色体要素、バキュロウイルス、SV40のようなパポバウイルス、ワクシニアウイルス、アデノウイルス、トリポックスウイルス、仮性狂犬病ウイルス、ピコルナウイルスおよびレトロウイルスのような染色体−、エピソーム−およびウイルスに由来するベクター、ならびにコスミドおよびファジェミドのようなそれらの組み合わせに由来するベクターを含む。発現系構築物は、発現を調節し、そして引き起こす制御領域を含むことができる。一般に宿主中でポリヌクレオチドを維持し、または増殖させ、かつ/またはポリペプチドを発現するために適する任意の系またはベクターを、発現に使用することができる。適切なDNA配列を、例えば、Sambrook、同上に記載されているように当業者に周知な様々な技術により発現系に挿入することができる。
【0044】
真核発現系では、本発明のポリペプチドは、シグナルペプチドまたはリーダー配列のような適切な分泌シグナルを包含することにより、小胞のルーメンに、または細胞外の環境に分泌され得る。
【0045】
本発明のポリペプチドは、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿、酸抽出、高性能液体クロマトグラフィー、アニオンもしくはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフェニティクロマトグラフィー、ハイドロキシアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知の方法により組換え細胞カルチャーから回収し、そして精製することができる。タンパク質が単離および/または精製中に変性する場合、タンパク質をリフォールディングするための周知技法を使用して、活性な立体配置を再生することができる。
【0046】
CNGH0010ポリペプチドをコードする本発明の核酸を得るための別の方法では、cDNAまたはゲノムライブラリーを、本明細書に開示するような本発明のポリヌクレオチド配列に基づくプローブを使用してスクリーニングすることができる。プローブは同じか、または異なる生物中のホモロガスな遺伝子を単離するために、ゲノムDNAまたはcDNA配列とハイブリダイズさせるために使用することができる。当業者は種々の程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーションをこのアッセイに使用することができると考えるだろう;そしてハイブリダイゼーションまたは洗浄媒質のいずれかがストリンジェントであることができる。ハイブリダイゼーションの条件が、よりストリンジェントになれば、二本鎖の形成が起こるためのプローブと標的との間に、より程度が大きい相補性が存在するはずである。ストリンジェンシーの程度は温度、イオン強度、pHおよびホルムアミドのような部分的な変性溶媒の存在の1もしくは複数により制御することができる。
【0047】
例えば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、例えば、0%〜50%の範囲内でホルムアミドの濃度の操作を介して反応物溶液の極性を変えることにより都合よく変動させる。検出可能な結合に必要な相補性(配列同一性)の程度は、ハイブリダイゼーション媒質および/または洗浄媒質のストリンジェンシーに従い変動する。相補性の程度は最適には100%、または80〜100%、またはその中の任意の範囲である。しかしプローブおよびプライマー中のわずかな配列の変化は、ハイブリダイゼーションおよび/または洗浄媒質のストリンジェンシーを下げることにより補うことができると理解すべきである。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例には、50%ホルムアミド、5xSSC(150mM NaCl、15mM クエン酸三ナトリウム)、50mM リン酸ナトリウム(pH7.6)、5xデンハーツ溶液、10%硫酸デキストランおよび20マイクログラム/mlの変性剪断サケ精子DNAを含んでなる溶液中で42℃にて一晩のインキュベーション、続いてフィルターを約65℃で0.1xSSC中にて洗浄することを含む。
【0048】
RNAまたはDNAの増幅は当該技術分野では周知であり、そして本明細書に記載する教示およびガイダンスに基づき、過度な実験無しに本発明に従い使用することができる。DNAまたはRNA増幅の既知の方法には限定するわけではないが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)および関連する増幅法を含む(例えば、Mullis,et alへの米国特許第4,683,195号,同第4,683,202号、同第4,800,159号、同第4,965,188号明細書;Tabor,et alへの米国特許第4,795,699号および同4,921,794号明細書;Innisへの米国特許第5,142,033号明細書;Wilson,et alへの米国特許第5,122,464号明細書;Innisへの米国特許第5,091,310号明細書;Gyllensten,et alへの米国特許第5,066,584号明細書;Gelfand,et alへの米国特許第4,889,818号明細書;Silverへの米国特許第4,994,370号明細書;Biswasへの米国特許第4,766,067号明細書;Ringoldへの米国特許第4,656,134号明細書を参照にされたい)ならびに二重鎖DNA合成のための鋳型として標的配列に対してアンチ−センスRNAを使用するRNAが媒介する増幅(Malek et alへの米国特許第5,130,238号明細書、登録名NASBAを参照にされたい:この技術文献の内容は引用により全部、本明細書に編入する)を含む(例えば、Ausubel、同上;およびSambrook、同上を参照にされたい)。
【0049】
例えば、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術を使用して、ゲノムDNAまたはcDNAライブラリーから直接、本発明のポリヌクレオチドの配列および関連する遺伝子を増幅することができる。PCRおよび他のインビトロ増幅法も、例えば、発現するタンパク質をコードする核酸配列をクローン化するために、サンプル中に所望のmRNAの存在を検出するためのプローブとして使用する核酸を作成するために、核酸シークエンシングに、または他の目的に有用となり得る。インビトロ増幅法を通して当業者を指導するために十分な技術の例は、Berger、同上;Sambrook、同上;Ausubel、同上、ならびにMullis,et al.,米国特許第4,683,202号明細書(1987);およびInnis,et al、PCRプロトコール 方法および応用に対する指針(PCR Protocols A Guide to Methods and Applications)、編集、アカデミック出版社、サンディエゴ、カリフォルニア州(1990)に見いだされる。ゲノムPCR増幅に関して市販されているキットが当該技術分野では知られている。例えば、アドバンテイジ−GC ゲノムPCRキット(クロンテック:Clontech)を参照にされたい。さらに例えば、T4 遺伝子32タンパク質(ベーリンガーマンハイム:Boehringer Mannheim)を使用して、長いPCR産物の収量を向上させることができる。
【0050】
また本発明の単離された核酸は、既知の方法の使用により直接的な化学合成で調製することもできる(例えば、Ausubel、同上を参照にされたい)。化学合成は一般に1本鎖オリゴヌクレオチドを生成し、これを相補的配列とのハイブリダイゼーションにより、または1本鎖を鋳型として使用したDNAポリメラーゼによる重合化により2本鎖に転換することができる。当業者はDNAの化学合成は約100余りの塩基の配列に限定されるが、より長い配列は短い配列の連結により得ることができると認識するだろう。
記載するポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするポリヌクレオチド
上記のように、本発明は選択的なハイブリダイゼーション条件下で本明細書に開示するポリヌクレオチドにハイブリダイズする単離された核酸を提供する。すなわちこの態様のポリヌクレオチドは、そのようなポリヌクレオチドを含んでなる核酸を単離、検出、および/または定量するために使用することができる。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、寄託されたライブラリー中の一部もしくは完全長クローンを同定し、単離し、または増幅するために使用することができる。幾つかの態様では、ポリヌクレオチドは単離されたゲノムまたはcDNA配列であり、あるいはヒトまたは哺乳動物の核酸ライブラリーに由来するcDNAに相補的である。
【0051】
好ましくはcDNAライブラリーは少なくとも80%完全長の配列、好ましくは少なくとも85または90%完全長の配列、そしてより好ましくは少なくとも95%完全長の配列を含んでなる。cDNAライブラリーは稀な配列の提示を増すために標準化することができる。低または中程度のストリンジェンシーハイブリダイゼーション条件が典型的であるが、排他的ではなく、相補的配列に対して配列同一性が低い配列で使用する。中程度および高ストリンジェンシー条件は、任意により大きな同一性の配列のために使用することができる。低いストリンジェンシー条件は、約70%の配列同一性を有する配列の選択的ハイブリダイゼーションを可能とし、そしてオルソロガスまたはパラロガス配列を同定するために使用することができる。
【0052】
場合により本発明のポリヌクレオチドは、本明細書に記載するポリヌクレオチドによりコードされるタンパク質または抗体の少なくとも一部をコードする。本発明のポリヌクレオチドは、本明細書にタンパク質または抗体をコードするポリヌクレオチドに選択的にハイブリダイズするために使用できる核酸配列を包含する。例えば、引用により本明細書に編入するAusubel、同上;Colligan、同上を参照にされたい。
CNGH0010ポリペプチドおよびポリヌクレオチド
本発明のポリヌクレオチドおよびポリペプチドは、CNGH0010アナログタンパク質のCNGH0010受容体のような細胞結合パートナーへの結合に影響を及ぼすことにより、CNGH0010タンパク質機能をモジュレートする物質の存在について、媒質をアッセイするためにも有用である。モジュレーターの例は、ポリペプチドまたは低有機分子がある。
【0053】
また本発明のポリペプチドは、薬剤開発のリード化合物を同定するために使用することもできる。本明細書に記載するポリペプチドの構造は、NMRおよびX−線結晶学のような多くの方法により容易に決定することができる。配列が類似するが、目的とする分子に誘導する生物学的活性が異なるポリヌクレオチドの構造の比較は、目的の構造−活性関係についての情報を提供することができる。構造−活性関係の調査から得た情報は、目的分子に関連して予測される特性を試験することができる修飾されたポリペプチドまたは他の低分子もしくはリード化合物のいずれかを設計するために使用することができる。リード化合物の活性は、本明細書に記載するものに類似するアッセイを使用して評価することができる。
【0054】
また構造−活性関係についての情報は、共結晶化実験からも得ることができる。これらの実験では、所望する活性をもつポリペプチドを目的分子と一緒に結晶化し、そして複合体のX−線構造を決定する。次いで構造は天然状態の目的分子の構造と比較することができ、そしてそのような比較からの情報を使用して所望の活性を保有することが期待される化合物を設計することができる。
【0055】
また本発明は、本発明のポリペプチドに結合し、これによりCNGH0010シグナル伝達に影響を及ぼす新規化合物を同定する方法も企図する。タンパク質−タンパク質相互作用は、共免疫沈降、架橋化および勾配もしくはクロマトグラフィーカラムを通す同時精製(co−purification)のような通例の方法を使用して同定することができる。また分子と相互作用するタンパク質をコードする遺伝子の同時同定をもたらす方法も使用することができる。これらの方法には標識した分子で発現ライブラリーをプロービングすること(probing)を含む。さらにx−線結晶学実験を、基質および分子との相互作用を評価する手段として使用することができる。
【0056】
融合タンパク質および組換えタンパク質は、上記方法に使用することができると考えら
れる。CNGH0010シグナル伝達経路に影響する、またはモジュレートする物質および化合物を評価するために、本発明の方法を応用するために適する試薬を、都合の良いキットに包装し、適当な容器に包装された必要な材料を提供することができる。このキットは、本発明の方法を行うために有用な適切な支持体を含むことができる。
【0057】
成熟CNGH0010またはそのアナログはモジュレート、すなわち増殖および活性化のような真核細胞の活性および/または数を上げたり、または下げたりするために使用することができる。さらに成熟CNGH0010またはそのアナログは、細胞分化および移動を調節するために使用することができる。CNGH0010は分泌され得るので、成熟CNGH0010またはそのアナログは、限定するわけではないが乾癬、慢性関節リウマチ、気腫、喘息、糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎を含む種々の皮膚炎、紫外線角膜炎、損傷治癒、瘢痕形成、種々の腎臓疾患、種々の呼吸疾患、子宮内膜炎のような種々の生殖器疾患、黒色腫、偏平上皮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、腎臓細胞癌、グレーヴズ病および他の炎症性および過剰増殖性疾患のような細胞の増殖、分化および移動に依存する種々の免疫媒介型炎症疾患を処置するために使用することができる。加えて、成熟CNGH0010またはそのアナログは、感染性疾患に応答する免疫を強化するために使用することができる。成熟CNGH0010またはそのアナログは種々の感染性、過剰増殖性および炎症性疾患を処置するために、単独で、あるいはアジュバントとして抗原と組み合わせて使用することができる。
【0058】
本発明の治療的使用のための投与様式は、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、網内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内または経皮のような、宿主へ作用物質を速達する任意の適当な経路であることができる。
【0059】
本発明のペプチドは、製薬学的に許容され得る担体中に有効成分として有効量の結合剤を含有する製薬学的組成物として調製することができる。好ましくは生理学的pHで緩衝化された即注入状態の結合剤を含有する水性懸濁液または溶液が好ましい。非経口投与用の組成物は、共通して本発明の結合剤の溶液、または製薬学的に許容され得る担体、好ましくは水性担体に溶解されたそれらのカクテルを含んでなる。種々の水性担体、例えば、0.4%塩溶液、0.3%グリセリン等を使用することができる。これらの溶液は滅菌されており、そして一般に粒状物質を含まない。これらの溶液は通例の周知な滅菌法(例えば、濾過)により滅菌され得る。組成物は、pH調節および緩衝化剤のような適切な生理学的条件に必要な製薬学的に許容される補助物質を含むことができる。そのような製剤中の本発明のポリペプチドの濃度は広く変動することができ、すなわち重量で約0.5%未満から、通常は1%で、もしくは少なくとも約1%から最大15もしくは20%で変動し、そして選択した特定の投与様式に従い主に流体容積、粘稠度等に基づき選択される。
【0060】
このように筋肉内注射用の本発明の製薬学的組成物は、1mLの滅菌された緩衝化水、および約1ng〜約100mg、例えば、約50ng〜約30mg以上、好ましくは約5mg〜約25mgの間の本発明のポリペプチドを含有するように調製することができる。同様に、静脈内注入用の製薬学的組成物は、最高約250mlの滅菌リンゲル溶液、および約1mg〜約30mg、そして好ましくは約5mg〜約25mgの本発明のポリペプチドを含有するように作成することができる。非経口的に投与可能な組成物を調製するための実際の方法は周知であり、または当業者には明白であり、そして例えば、レミングトンの製薬の科学および実践(Remington,the Science and Practice of Pharmacy)、第19版、マック出版社(Mack Publishing Company)、イーストン、ペンシルバニア州(1995)にさらに詳細に記載されている。
【0061】
本発明のポリペプチドは製薬学的調製物中にある場合、単位剤形で存在することができる。適切な治療に有効な用量は、当業者により容易に決定することができる。定めた用量は必要ならば医師により処置中に適切に選択された適切な時間間隔で反復してよい。
【0062】
本発明のポリペプチドは保存のために凍結乾燥し、そして使用前に適当な担体中で再構成することができる。この技法は通常のタンパク質調製で効果的であることが示され、そして当該技術分野で知られている凍結乾燥および再構成技術を使用することができる。
【0063】
本発明のポリペプチドをスクリーニングアッセイで使用するために発現させる場合、一般にポリペプチドは細胞の表面に生産されることが好ましい。この出来事では、細胞はスクリーニングアッセイで使用する前に回収することができる。ポリペプチドが培地に分泌される場合、ポリペプチドを回収し、そして精製するために培地を回収することができる。細胞内で生産される場合、細胞は最初にポリペプチドを回収する前に溶解しなければならない。
【0064】
また本発明は、診断薬として本発明のポリヌクレオチドの使用に関する。機能不全に関連する配列番号2のポリヌクレオチドを特徴とする遺伝子の変異した形態の検出は、遺伝子の過小発現、過剰発現または改変された発現をもたらす疾患の診断または疾患に対する素因に加えて、またはそれらを定める診断用の道具を提供する。遺伝子に変異を持つ個体は、種々の技術によりDNAレベルで検出することができる。
【0065】
診断用の核酸は、血液、尿、唾液、組織生検または剖検材料のような個体の細胞から得ることができる。ゲノムDNAは検出用に直接使用することができ、または分析前にPCRもしくは他の増幅技術を使用することにより酵素的に増幅することができる。RNAまたはDNAも同様の様式で使用することができる。欠失および挿入は、標準的な遺伝子型に比べて増幅生成物のサイズの変化により検出することができる。点突然変異は、増幅したDNAを標識したCNGH0010ヌクレオチド配列にハイブリダイズさせることにより同定することができる。好ましくは対合配列は、RNase消化により、または融解温度の差異により誤対合二本鎖から識別することができる。またDNA配列の差異も変性剤を含むか、もしくは含まないゲル中でのDNAフラグメントの電気泳動的移動度における変化により、または直接的なDNAシークエンシング(例えば、Myers et al.,Science(1985)230:1242)により検出することができる。また特別な位置での配列の変化は、RNaseおよびS1保護または化学的分解法のようなヌクレアーゼ保護アッセイにより明らかにすることができる(Cotton et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA(1985)85:4397−4401を参照にされたい)。別の態様では、CNGH0010ヌクレオチド配列またはそのフラグメントを含んでなるオリゴヌクレオチドプローブのアレイを構築して、例えば、遺伝子変異の効率的なスクリーニングを行うことができる。アレイ技法は周知であり、そして一般的な応用性を有し、しかも遺伝子発現、遺伝子連鎖および遺伝子変異性を含む分子遺伝学における様々な問題に取り組むために使用することができる(例えば、M.Chee
et al.,Science,Vol274,pp610−613(1996)を参照にされたい)。
【0066】
診断アッセイは、記載する方法によりCNGH0010遺伝子中の変異の検出を通して、関連する疾患に対する感受性を診断または決定する方法を提供する。さらにそのような疾患は、ポリペプチドまたはmRNAのレベルが異常に低下または増加した個体に由来す
るサンプルの測定を含んでなる方法により診断することができる。低下または増加した発現は、例えば、核酸増幅、例えば、PCR、RT−PCR、RNase保護、ノーザンブロッティングおよび他のハイブリダイゼーション法のようなポリヌクレオチドの定量に関して当該技術分野で周知な任意の方法を使用して、RNAレベルで測定することができる。宿主に由来するサンプル中の本発明のポリペプチドのようなタンパク質のレベルを測定するために使用できるアッセイ技術は、当業者に周知である。そのようなアッセイ法には、ラジオイムノアッセイ、競合的結合アッセイ、ウエスタンブロット分析およびELISAがある。
【0067】
このように別の観点では、本発明は
(a)本発明のポリヌクレオチド、好ましくは配列番号2、4、6、8および10のヌクレオチド配列およびバリアント、任意の配列番号2、4、6、8および10のヌクレオチド配列またはバリアントと少なくとも70%の同一性を有するポリヌクレオチド、またはそのフラグメントの1つ;
(b)(a)のヌクレオチド配列に相補的なヌクレオチド配列;
(c)本発明のポリペプチド、好ましくは配列番号3、5、7、9および11のポリペプチドおよびバリアント、任意の配列番号3、5、7、9および11のポリペプチドおよびバリアントと少なくとも70%の同一性を有するポリペプチド、またはそのフラグメントの1つ;あるいは
(d)本発明のポリペプチド、そのバリアントおよびフラグメント、好ましくは配列番号3、5、7、9および11およびバリアントの1つに対する抗体
を含んでなるキットに関する。
【0068】
そのようなキットでは、上記の成分(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な成分を構成することができると考えられる。そのようなキットは、限定するわけではないが、乾癬、慢性関節リウマチ、気腫、喘息、糖尿病、自己免疫性甲状腺炎、クローン病および潰瘍性大腸炎を含む炎症性腸疾患、アレルギー性皮膚炎、接触皮膚炎を含む種々の皮膚炎、紫外線角膜炎、損傷治癒、瘢痕形成、種々の腎臓疾患、種々の呼吸疾患、子宮内膜炎のような種々の生殖器疾患、黒色腫、偏平上皮癌、卵巣癌、乳癌、肺癌、結腸癌、前立腺癌、腎臓細胞癌、グレーヴズ病および他の炎症性および過剰増殖性疾患のような疾患または疾患に対する感受性の診断に使用される。
【0069】
本発明のヌクレオチド配列は、染色体同定に関しても価値がある。各ゲノム配列は、個々のヒト染色体上の特定の位置を特異的に標的とし、そしてハイブリダイズすることができる。本発明による染色体に対する関連配列のマッピングは、それらの配列と遺伝子関連疾患および状態とを相関させるために有用となり得る。いったん配列が正確な染色体位置にマップされれば、染色体上の配列の物理的位置は、遺伝子地図データと相関させることができる。そのようなデータは例えば、V.McKusick、ヒトにおけるメンデルの遺伝(Mendelian Inheritance in Men)(ジョンスホプキンス大学ウェルチメディカルライブラリーを通して、オンラインで利用することができる)に見いだされる。同じ染色体領域にマップされた遺伝子と疾患との間の関係は、連鎖分析を通して同定することができる(すなわち物理的に隣接する遺伝子の同時遺伝(coinheritance))。
【0070】
影響を受けた、または受けていない個体間のcDNAまたはゲノム配列における差異も測定することができる。影響を受けた個体の幾らか、またはすべてに変異が観察されるが、正常個体には観察されない場合、変異は疾患の原因である可能性がある。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドおよび抗体は、細胞中のmRNAおよびポリペプチドの生産について、加えた化合物の効果を検出するスクリーニング法を形成するためにも使用することができる。例えば、ELISAアッセイは、当該技術分野で既知の標準法によりモノ
クローナルおよびポリクローナル抗体を使用して、ポリペプチドの分泌または細胞に結合したレベルを測定するために構築することができる。これは適当に操作された細胞または組織に由来するポリペプチドの生産を阻害または強化できる作用物質(それぞれアンタゴニストまたはアゴニストと呼ぶ)を発見するために使用することができる。
【0071】
ポリペプチドは存在するならば膜結合型または溶解性受容体を、当該技術分野で知られている標準的な受容体結合技術を介して同定するためにも使用することができる。これらには限定するわけではないが、リガンド結合および架橋結合アッセイを含み、ここでポリペプチドは検出または精製するために、放射性同位体(例えば、125I)で標識され、化学的に修飾され(例えば、ビオチン化)、またはペプチド配列に融合され、そして推定上の受容体の供給源(細胞、細胞膜、細胞上清、組織抽出物、体液)とインキュベーションされる。他の方法には表面プラスモン共鳴および分光法のような生物物理学的技法がある。これらのスクリーニング法は、ポリペプチドのその受容体への結合と競合するポリペプチドのアゴニストまたはアンタゴニストが存在するならば、それらを同定するためにも使用することができる。これらのアッセイを行うための標準法は、当該技術分野では周知である。
【0072】
有力なポリペプチドアンタゴニストの例には、抗体または場合によりオリゴヌクレオチドまたはポリペプチドと緊密に関連したリガンド、基質、受容体、酵素等であるタンパク質を含む。例えば、リガンド、基質、受容体、酵素等のフラグメント;また本発明のポリペプチドには結合できるが、応答、すなわちポリペプチドの活性に対しては応答を誘導できない低分子。
【0073】
このように別の観点では、本発明は本発明のポリペプチドに関するアゴニスト、アンタゴニスト、リガンド、受容体、基質、酵素等;あるいはそのようなポリペプチドの生産を低下または強化する化合物を同定するスクリーニングキットに関し、これは:
(a)本発明のポリヌクレオチド;
(b)本発明のポリペプチドを発現する組換え細胞;
(c)本発明のポリペプチドを発現する細胞膜;または
(d)本発明のポリペプチドに対する抗体、このポリペプチドは好ましくは配列番号3、5、7、9、および11またはスプライスバリアントの1つ
を含んでなる。
【0074】
そのようなキットでは、成分(a)、(b)、(c)または(d)が実質的な成分を構成することができると考えられる。
【0075】
当業者は、本発明のポリペプチドが;
(a)第1例ではポリペプチドの3次元的構造を決定することにより
(b)アゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの反応性または結合部位(1もしくは複数)の可能性について3次元的構造を推定し;
(c)推定される結合または反応部位に結合または反応することが予測される候補化合物を合成し;そして
(d)候補化合物が真にアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターであるかどうかについて試験する
ことにより、本発明のアゴニスト、アンタゴニストまたはインヒビターの構造に基づく設計法にも使用できると容易に考えるだろう。
【0076】
さらにこれは通常、対話式(interactive)のプロセスになるだろう。
【0077】
処置に使用するポリペプチドも、個体中で内的に生成することができ、治療的なモダリ
ティーでは上記のように「遺伝子治療」と呼ばれることが多い。このように例えば、個体に由来する細胞は、生体外でポリペプチドをコードするためにDNAまたはRNAのようなポリヌクレオチドを用いて、例えば、レトロウイルスプラスミドベクターの使用により、
工作することができる。次いで細胞を個体に導入する。
抗−CNG0010抗体
本発明の抗体は、本発明のCNGH0010タンパク質、サブユニット、フラグメント、部分に対して特異的な少なくとも1つの特定したエピトープまたはそれらの組み合わせに結合する。エピトープは配列番号3、5、7、9および11のアミノ酸配列の少なくとも一部またはそのバリアント(例えば、以下に記載するスプライスバリアント)を含んでなる抗体結合領域を含んでなることができ、このエピトープは好ましくは配列の少なくとも1〜5個のアミノ酸を含んでなる。抗体は限定するわけではないがヒト、マウス、ウサギ、ラット、齧歯類、霊長類またはそれらの任意の組み合わせ等を含むか、またはそれらに由来することができる。
【0078】
本明細書に記載する抗−CNGH0010抗体は、限定するわけではないがCNGH0010依存的受容体のリン酸化、受容体のインターナリゼーション、細胞接着、移動および浸潤を中和すること、および細胞マーカーのシグナル分子または適合(adaptation)の誘導といった少なくとも1つの活性を有する。このように抗−CNGH0010抗体は、限定するわけではないがヒトCNGH0010の少なくとも1つの生物学的活性のような対応する活性に関して、既知の方法に従いスクリーニングすることができる。抗体は、細胞、組織、臓器または動物(哺乳動物およびヒトを含む)を測定または作用するために、限定するわけではないが少なくとも1つの免疫障害もしくは疾患、心血管障害もしくは疾患、感染性、悪性、および/または神経的障害もしくは疾患、あるいは他の既知の、または特定されたCNGH0010関連状態の少なくとも1つから選択される少なくとも1つのCNGH0010関連疾患または状態で、症状を診断し、監視し、モジュレートし、処置し、緩和し、発症の防止を助けるために使用することができる。
抗−CNGH0010抗体の定義および特性決定
本明細書で使用するように、「抗−CNGH0010抗体」、「抗−CNGH0010抗体部分」または「抗−CNGH0010抗体フラグメント」および/または「抗−CNGH0010抗体バリアント」等は、限定するわけではないが重もしくは軽鎖の少なくとも1つの相補性決定領域(CDR)またはそのリガンド結合部分、重鎖もしくは軽鎖可変領域、重鎖もしくは軽鎖定常領域、骨格領域、または任意のそれらの部分のような免疫グロブリン分子の少なくとも1つの部分、あるいは本発明の抗体に挿入することができる本発明のCNGH0010タンパク質またはポリペプチドに由来するCNGH0010受容体または結合タンパク質の少なくとも1つの部分を含んでなる分子を含有するタンパク質またはポリペプチドを含む。そのような抗体は場合により、限定するわけではないがそのような抗体が少なくとも1つのCNGH0010活性もしくは結合を、またはCNGH0010リガンド活性もしくは結合を、in vitro、in situおよび/またはin vivoでモジュレートし、減少させ、増加させ、弱め(antagonize)、強め(angonize)、和らげ、緩和し、遮断し、阻害し、排除し、かつ/または妨害する場合のように、さらに特異的リガンドに影響を及ぼす。非限定的な例として、本発明の適当な抗−CNGH0010抗体、特定部分またはバリアントは、本発明のCNGH0010タンパク質またはポリペプチド、またはその特定部分、バリアントまたはドメインの少なくとも1つで結合することができる。また適当な抗−CNGH0010抗体、特定部分またはバリアントは、限定するわけではないがRNA、DNAまたはタンパク質合成、CNGH0010放出、CNGH0010受容体シグナル発信、CNGH0010活性、CNGH0010生産および/または合成のようなCNGH0010活性または機能の少なくとも1つに場合により影響を及ぼすこともできる。
【0079】
用語「抗体」は、さらに単鎖抗体およびそのフラグメントを含め抗体またはその特定フラグメントまたは部分の構造および/または機能を模する抗体模造物または抗体の部分を含む抗体、その消化フラグメント、特定部分およびバリアントを包含することを意図する。機能的フラグメントには、哺乳動物のCNGH0010に結合する抗原結合フラグメントを含む。例えば、限定するわけではないがFab(例えば、パパイン消化による)、Fab’(例えば、ペプシン消化および部分的還元による)、およびF(ab’)2(例えば、ペプシン消化による)、facb(例えば、プラスミン消化による)、pFc’(例えば、ペプシンまたはプラスミン消化による)、Fd(例えば、ペプシン消化、部分的還元および再凝集による)、FvまたはscFv(例えば、分子生物学的技術による)フラグメントを含むCNGH0010またはその部分に結合することができる抗体フラグメントは、本発明により包含される(例えば、Colligan,Immunology、同上)を参照にされたい。
【0080】
そのようなフラグメントは、当該技術分野で知られ、かつ/または本明細書に記載するような酵素的分解、合成または組換え技法により生産することができる。抗体は1もしくは複数の終止コドンが天然の終止コドンの上流に導入された抗体遺伝子を使用して、種々の短縮化された形態で生産することもできる。例えば、F(ab’)2重鎖部分をコードする遺伝子の組み合わせは、重鎖のCHドメインおよび/またはヒンジ領域をコードするDNA配列を含むように設計することができる。抗体の種々の部分を通例の技法によりキメラ的に一緒に連結するか、または遺伝子工学的技法を使用して連続するタンパク質として調製することができる。
【0081】
本明細書で使用する「ヒト抗体」という用語は、実質的にタンパク質の各部分(例えば、CDR、骨格、CL、CHドメイン(例えば、CH、CH、CH)、ヒンジ(VL、VH))がヒトでは実質的に非免疫原性であり、わずかな配列の変化(change)または変更(variation)を含む抗体を指す。同様に、霊長類(サル、ヒヒ、チンパンジー等)、齧歯類(マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター等)を指定する抗体、および他の哺乳動物はそのような種、亜属、属、亜科、科に特異的な抗体を指す。さらに本発明のキメラ抗体は、上記の任意の組み合わせを含むことができる。そのような変化または変更は、任意に、そして非修飾抗体に比べてヒトまたは他の種で免疫原性を保持し、または下げることが好ましい。このようにヒト抗体はキメラまたはヒト化抗体とは異なる。ヒト抗体は機能的に再配列されたヒトの免疫グロブリン(例えば、重鎖および/または軽鎖)遺伝子を発現することができる非ヒト動物または原核もしくは真核細胞により生産されることができると指摘される。さらにヒト抗体が単鎖抗体である時、これは天然のヒト抗体では見られないリンカーペプチドを含んでなることができる。例えば、Fvは、重鎖の可変領域と軽鎖の可変領域とを連結する2〜約8個のグリシンまたは他のアミノ酸残基のようなリンカーペプチドを含んでなることができる。そのようなリンカーペプチドはヒト起源であると考えられる。
【0082】
本発明の単離された抗体は、本明細書に記載する単離された、または調製された抗体を含んでなる。好ましくはヒト抗体または抗原結合フラグメントはヒトCNGH0010に結合し、これにより部分的または実質的にタンパク質の少なくとも1つの生物学的活性を中和する。少なくとも1つのCNGH0010タンパク質またはフラグメントの少なくとも1つの生物学的活性を部分的に、または好ましくは実質的に中和する抗体またはその特定部分またはバリアントは、タンパク質またはフラグメントに結合し、これによりCNGH0010のCNGH0010受容体への結合を介して、あるいは他のCNGH0010依存的もしくは媒介型メカニズムを介して媒介される活性を阻害することができる。本明細書で使用する「中和抗体」という用語は、CNGH0010依存的活性をアッセイに依存して、約20〜120%、好ましくは少なくとも約10、20、30、40、50、55、60、65、70、75、80、85、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、100%以上まで阻害できる抗体を指す。CNGH0010依存的活性を阻害する抗−CNGH0010抗体の能力は、本明細書に記載され、かつ/または当該技術分野で知られているように少なくとも1つの適切なCNGH0010タンパク質または受容体アッセイにより評価されることが好ましい。本発明のヒト抗体は任意のクラス(IgG、IgA、IgM、IgE、IgD等)またはアイソタイプであることができ、そしてカッパまたはラムダ軽鎖を含んでなることができる。1つの態様では、ヒト抗体はIgG重鎖または定めたフラグメント、例えば、少なくとも1つのアイソタイプ、IgG1、IgG2、IgG3もしくはIgG4を含んでなる。この型の抗体は、本明細書に記載され、かつ/または当該技術分野で知られているように少なくとも1つのヒト軽鎖(例えば、IgG、IgAおよびIgM(例えば、γ1、γ2、γ3、γ4)導入遺伝子を含んでなるトランスジェニックマウスまたは他のトランスジェニック非ヒト哺乳動物を使用することにより調製することができる。別の態様では、抗−ヒトCNGH0010ヒト抗体は、IgG1重鎖およびIgG1軽鎖を含んでなる。
【0083】
本発明の少なくとも1つの抗体は、本明細書に記載する少なくとも1つのCNGH0010タンパク質、サブユニット、フラグメント、部分または任意のそれらの組み合わせに特異的な少なくとも1つの特定したエピトープに結合する。少なくとも1つのエピトープは、本明細書に記載するヒトCNGH0010の受容体結合領域に由来するペプチド配列に対応するタンパク質配列の少なくとも1つの部分を含んでなる少なくとも1つの抗体結合領域を含んでなることができ、このエピトープは好ましくはタンパク質の少なくとも1つの細胞外の、可溶性の、親水性の、外部の、また細胞質部分を含んでなる。
【0084】
一般に本発明のヒト抗体または抗原結合フラグメントは、少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)または少なくとも1つの重鎖可変領域のバリアント、および少なくとも1つのヒト相補性決定領域(CDR1、CDR2およびCDR3)または少なくとも1つの軽鎖可変領域のバリアントを含んでなる抗原結合領域を含んでなる。
【0085】
少なくとも2つの異なる抗原に関して結合特異性を有するモノクローナル、好ましくはヒトもしくはヒト化された抗体である二重特異性の、ヘテロ特異性ヘテロ結合体および類似の抗体も使用することができる。この場合では、結合特異性の1つが本発明の少なくとも1つのCNGH0010タンパク質に関し、そしてもう1つが任意の他の抗原に関する。二重特異的抗体の作成法は、当該技術分野で知られている。従来は二重特異性抗体の組換え生産は、2種の免疫グロブリン重鎖−軽鎖対の同時発現に基づき、ここで2種の重鎖は異なる特異性を有する(Milstein and Cuello,Nature 305:537(1983))。免疫グロブリン重鎖および軽鎖のランダムな取り合わせにより、これらハイブリドーマ(クワドローマ)は、10種の異なる抗体分子の潜在的混合物を生産し、その中の1つだけが正しい二重特異性構造を有する。通常はアフィニティクロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は幾分繁雑で、そして生成物の収量は低い。同様の手法が例えば、国際公開第93/08829号パンフレット、明細書米国特許第6210668号、同第6193967号、同第6132992号、同第6106833号、同第6060285号、同第6037453号、同第6010902号、同第5989530号、同第5959084号、同第5959083号、同第5932448号、同第5833985号、同第5821333号、同第5807706号、同第5643759号、同第5601819号、同第5582996号、同第5496549号および同第4676980号明細書、国際公開第91/00360号、同第92/00373号パンフレット、欧州特許第03089号明細書、Trauneker et al.,EMBO J.10:3655(1991)およびSuresh et al.,Methods in Enzymology 121:210(1986)に開示され、これらは引用により全部、本明細書に編入する。
【0086】
本発明の方法および組成物に有用な抗−CNGH0010抗体は、任意にCNGH0010に結合する高い親和性を特徴とし、そして場合により、そして好ましくは低い毒性を有する。特に本発明の抗体、特定したフラグメントまたはバリアントは、可変領域、定常領域および骨格のような個々の成分が個別に、かつ/または集合して場合により、そして好ましくは低い免疫原性を保有する場合に本発明に適している。本発明に使用することができる抗体は場合により、見通しのきく(measurable)症状の緩和、および低い、および/または許容し得る低毒性で長期間、患者を処置するそれらの能力により特徴付けられる。低い、または許容し得る免疫原性および/または高い親和性、ならびに他の適切な性質は、達成できる治療的結果に貢献することができる。本明細書では「低い免疫原性とは」、処置した患者の約75%未満、または好ましくは約50%未満に有意なHAMA、HACAまたはHAHA応答を生じ、かつ/または処置した患者に低い力価を生じる(二重抗原酵素イムノアッセイで測定した時、約300未満、好ましくは約100未満)と定める(例えば、Elliott et al.,Lancet 344:1125−1127(1994)、各々、引用により全部編入する)。
【0087】
抗−CNGH0010抗体の応用は、少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体を含んでなる有効量の組成物または製薬学的組成物を、症状、効果もしくはメカニズムにおいてそのようなモジュレーション、処置、緩和、防止または低減が必要な細胞、組織、臓器、動物または患者に投与することを含んでなることができる。有効量は単回(例えば、ボーラス)、多回投与もしくは連続投与あたり約0.001〜500mg/kgの量、または単回、多回もしくは連続投与あたり約0.01〜5000μg/mlの血清濃度を達成する量、あるいは本明細書に記載する、または関連する技術分野で知られている既知の方法を使用してなされ、そして決定された任意の有効範囲またはその中の値の量を含んでなることができる。
【0088】
当業者は、本発明が少なくとも1つの生物学的に活性な本発明の抗体を含むと考えるだろう。生物学的に活性な抗体は、天然(非合成)の、内因性の、または関連する、および既知の抗体の少なくとも20%、30%または40%、そして好ましくは少なくとも50%、60%または70%、そして最も好ましくは少なくとも80%、90%または95%〜100%の特異的活性を有する。酵素的活性および基質特異性を測定するアッセイおよび定量法は、当該技術分野で周知である。
【0089】
別の観点では、本発明はヒト抗体および抗原−結合フラグメントに関し、これは本明細書に記載するように有機部分の共有結合により修飾される。そのような修飾は、改善された薬物動態学的特性(例えば、インビボ血清半減期の上昇)を持つ抗体または抗原結合フラグメントを生じることができる。この有機部分は直鎖または分岐した親水性のポリマー性基、脂肪酸基、または脂肪酸エステル基であることができる。単独または共有的に親水性ポリマーに結合しているジステロイルホスファチジルエタノールアミン部分のような脂質分子が有用である。特定の態様では親水性のポリマー性基は約800〜約120,000ダルトンの分子量を有することができ、そしてポリアルカングリコール(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリプロピレングリコール(PPG))、炭水化物ポリマー、アミノ酸ポリマーまたはポリビニルピロリドンであることができ、そして脂肪酸または脂肪酸エステル基は約8〜約40個の炭素原子を含んで成ることができる。
【0090】
本発明の修飾された抗体および抗原結合フラグメントは、直接的または間接的に抗体に共有的に結合した1もしくは複数の有機部分を含んで成ることができる。本発明の抗体または抗原結合フラグメントに結合する各有機部分は、独立して親水性ポリマー性基、脂肪酸基または脂肪酸エステル基であることができる。本明細書で使用する用語「脂肪酸」は、モノ−カルボン酸およびジ−カルボン酸を包含する。本明細書で使用する用語「親水性のポリマー性基」とは、水中でオクタンよりも溶解性の有機ポリマーを指す。例えば、ポリリシンは水中でオクタンより可溶性である。すなわちポリリシンの共有結合により修飾された抗体は、本発明に包含される。本発明の抗体を修飾するために適する親水性ポリマーは直鎖または分岐であることができ、そして例えば、ポリアルカングリコール(例えば、PEG、モノメトキシ−ポリエチレングリコール(mPEG)、PPG等)、炭水化物(例えば、デキストラン、セルロース、オリゴ糖、多糖等)、親水性アミノ酸のポリマー(例えば、ポリリシン、ポリアルギニン、ポリアスパルテート等)、ポリアルカンオキシド(例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等)、およびポリビニルピロリドンを含む。好ましくは本発明の抗体を修飾する親水性ポリマーは、別の分子量の物体として約800〜約150,000ダルトンの分子量を有する。例えば、PEG5000およびPEG20,000(ここで下付文字は、ダルトンでのポリマーの平均分子量である)を使用することができる。親水性のポリマー性基は1〜約6個のアルキル、脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換することができ。脂肪酸または脂肪酸エステル基で置換される親水性ポリマーは、適当な方法を使用することにより調製することができる。例えば、アミン基を含んで成るポリマーは、脂肪酸または脂肪酸エステルのカルボキシレートにカップリングすることができ、そして脂肪酸または脂肪酸エステル上で活性化されたカルボキシレート(例えば、N,N−カルボニルジイミダゾールにより活性化される)を、ポリマー上のヒドロキシル基にカップリングすることができる。
【0091】
本発明の抗体を修飾するために適切な脂肪酸および脂肪酸エステルは飽和であることができ、あるいは1以上の不飽和単位を含むことができる。本発明の抗体を修飾するために適切な脂肪酸には、例えば、n−ドデカノエート(C12、ラウレート)、n−テトラデカノエート(C14、ミリステート)、n−オクタデカノエート(C18、ステアレート)、n−エイコサノエート(C20、アラキデート)、n−ドコサノエート(C22、ベヘネート)、n−トリアコンタノエート(C30)、n−テトラコンタノエート(C40)、シスΔ9−オクタデカノエート(C18、オレート)、オールシス−Δ5,8,11,14−エイコサテトラエノエート(C20、アラキドネート)、オクタン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、ドコサン二酸等を含む。適当な脂肪酸エステルには、直鎖もしくは分枝低級アルキル基を含んで成るジカルボン酸のモノ−エステルを含む。低級アルキル基は、1から約12、好ましくは1から約6個の炭素原子を含んで成ることができる。
【0092】
修飾されたヒト抗体および抗原結合フラグメントは、1以上の修飾剤を用いた反応によるような適当な方法を使用して調製することができる。本明細書で使用する用語「修飾剤」は、活性化基を含んで成る適当な有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)を指す。「活性基」は、適当な条件下で第2の化学基と反応し、これにより修飾剤と第2の化学基との間に共有結合を形成することができる化学的部分または官能基である。例えば、アミン反応性の活性基には、トシラート、メシラート、ハロ(クロロ、ブロモ、フルオロ、ヨード)、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(NHS)等のような求電子性基を含む。チオールと反応することができる活性基には、マレイミド、ヨードアセチル、アクリロリル、ピリジルジスルフィド、5−チオール−2−ニトロ安息香酸チオール(TNB−チオール)等を含む。アルデヒド官能基をアミンまたはヒドラジドを含有する分子にカップリングさせることができ、そしてアジド基を三価のリン基と反応させてホスホルアミデートまたはホスホルイミド結合を形成することができる。活性基を分子に導入する適当な方法は、当該技術分野で既知である(例えば、Hermanson,G.T.生物結合法(Bioconjugate Techniques)、アカデミック出版;サンディエゴ、カリフォルニア州、1996を参照にされたい)。活性化基は有機基(例えば、親水性ポリマー、脂肪酸、脂肪酸エステル)に直接、またはリンカー部分、例えば、二価のC−C12基(ここで1以上の炭素原子が酸素、窒素または硫黄のようなヘテロ原子に置き換わることができる)を介して結合させることができる。適当なリンカー部分には、例えば、テトラエチレングリコール、−(CH−、−NH−(CH−NH−、−(CH−NH−および−CH−O−CH−CH−O−CH−CH−O−CH−NH−を含む。リンカー部分を含んで成る修飾剤は、例えば、モノ−Boc−アルキルジアミン(例えば、モノ−Boc−エチレンジアミン、モノ−Boc−ジアミノヘキサン)を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)の存在下で脂肪酸と反応させて、遊離アミンと脂肪酸カルボキシレートとの間にアミド結合を形成することにより生成することができる。Boc保護基はトリフルオロ酢酸(TFA)を用いた処理により生成物から除去し、記載した別のカルボキシレートにカップリングすることができる1級アミンを露出することができるか、または無水マレイン酸と反応させ、そして生じた生成物を環化して脂肪酸の活性化マレイミド誘導体を生成することができる(例えば、Thompson,et al.,国際公開第92/16221号パンフレットを参照にされたい(この教示は引用により本明細書に編入する))。
【0093】
本発明の修飾した抗体は、ヒト抗体または抗原結合フラグメントを修飾剤と反応させることにより生成することができる。例えば、有機部分を、アミン−反応性修飾剤(例えば、PEGのNHSエステル)を使用することにより非−部位特異的様式で抗体に結合することができる。修飾したヒト抗体または抗原結合フラグメントは、抗体または抗原結合フラグメントのジスルフィド結合(例えば、鎖内ジスルフィド結合)を還元することにより調製することもできる。還元された抗体または抗原結合フラグメントは、次いでチオール−反応性の修飾剤と反応させて、本発明の修飾された抗体を生成することができる。本発明の抗体の特異的部位に結合する有機部分を含んで成る修飾されたヒト抗体および抗原結合フラグメントは、逆タンパク質溶解(Fisch et al.,Bioconjugate Chem.,3:147−153 1992;Werlen et al.,Bioconjugate Chem.,5:411−417 1994;Kumaran et al.,Protein Sci.6(10):2233−2241 1997;Itoh et al.,Bioorg.Chem.,24(1);59−68 1996;Capellas et al.,Biotechnol.Bioeng.,56(4):456−463 1997のような適当な方法、およびHermanson,G.T.,生物結合法(Bioconjugate Techniques)、アカデミック出版;サンディエゴ、カリフォルニア州1996)のような適当な方法を使用して調製することができる。
モノクローナル抗体の生成
本発明のモノクローナル抗体は、従来の免疫感作およびハイブリドーマ技術により生成することができる。マウスを本発明のポリペプチドを含んでなるヒトCNGH0010抗原性組成物で免疫感作した後、脾臓細胞またはリンパ節組織に由来するリンパ球を免疫感作した動物から取り出し、そしてミエローマ細胞との融合により、またはエプスタインバー(EB)ウイルスの形質転換により不死化する。モノクローナル抗体は所望の抗体を発現するクローンについてスクリーニングすることにより得られる。マウスは試験モデルとしてよく使用されるが、ヒト個体または抗体生産細胞を含む任意の哺乳動物個体を本発明の方法に従い操作して、ヒトおよびバブリッド細胞株を含む哺乳動物の生産の基礎として役立てることができる。抗体発現B細胞から抗体分子の組換えDNAを直接クローニングするための技術は、本発明の範囲内である。そのようなB細胞は蛍光活性化セルソーターにより単離することができる。
【0094】
日常的にマウスモノクローナル抗体が生成されているが、本発明はそのように限定されない。治療的応用には、ヒトまたはヒト化抗体が望まれる。そのような抗体はヒトのハイブリドーマを使用することにより、またはヒト化抗体を作成することにより得ることができる。ヒト化抗体は非ヒト抗体の特異的セグメントを対応するヒト抗体遺伝子のセグメントに置き換えることにより開発することができる。この方法は元の抗体の軽および重鎖可
変領域のほとんどまたはすべてのCDR領域を保持し、そして骨格領域をほとんどヒト配列に置き換える[欧州特許第184187号;同第171496号;同第173494号明細書および国際公開第86/01533号パンフレット]。またヒトモノクローナル抗体は、ゲノム中にヒト抗体をコードする遺伝子または遺伝子セグメントを含むトランスジェニックマウスでも生成される[米国特許第6,162,963号明細書;国際公開第93/12227号明細書;米国特許第5,877,5397号;同第5,874,299号;同第5,814,318号;同第5,789,650号;同第5,770,429号;同第5,661,016号;同第5,625,126号;同第5,569,825号;同第5,545,806号明細書;および国際公開第91/10741号パンフレット]。
【0095】
ヒトモノクローナル抗体は、ファージディスプレイ、リボソームディスプレイ、または関連するスクリーニングもしくは選択技術を使用して、インビトロまたはインビボで生成した組換え抗体ライブラリーからも得られる。主にヒト起源の抗体ライブラリーを生成するための手順の例は、A.Knappikおよびその他により開示されている[65][米国特許第6,291,158号;同第6,291,159号;同第6,291,160号および同第6,291,161号明細書]。そのようなライブラリーから特異的抗原標的に対するヒト抗体の選択法の例は、B,Krebsおよびその他に開示されている[66][米国特許第5,955,341号;同第5,759,817号;同第5,658,727号;同第6,235,469号;同第5,969,108号;同第5,886,793号明細書]。
抗−CNGH0010抗体を生成するための方法の詳細な説明
本発明の少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体は、当該技術分野で周知であるように場合により細胞株、混合細胞株、不死化細胞または不死化細胞のクローン群により生産することができる。例えば、Ausubel et al.編集、分子生物学の現在のプロトコール、ジョン ウィリー&サンズ社、ニューヨーク、ニューヨーク州(1987−2001);Sambrook,et al.,モレキュラークローニング:ア ラボラトリーマニュアル、第2版、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(1989);Harlow and Lane、抗体、ア ラボラトリーマニュアル、コールドスプリングハーバー、ニューヨーク(1989);Colligan et al.編集、免疫学の現在のプロトコール、ジョン ウィリー&サンズ社、ニューヨーク(1994−2001):Colligan et al.編集、タンパク質科学の現在のプロトコール(Current Protocol in Immunology)、ジョン ウィリー&サンズ社、ニューヨーク、ニューヨーク州(1997−2001)を参照にされたい(それぞれ引用により全部、本明細書に編入する)。
【0096】
ヒトCNGH0010タンパク質(本明細書に記載するような)に特異的であるヒト抗体、そのバリアントまたはフラグメントは、本明細書に記載する単離および/またはCNGH0010タンパク質、そのバリアントまたは部分(合成ポリペプチドのような合成分子を含む)のような、本明細書に記載する適切な免疫原性抗原に対して生成することができる。他の特異的または一般的な哺乳動物抗体も同様に生成することができる。免疫原性抗原の調製およびモノクローナル抗体生産は、適当な技法を使用して行うことができる。
【0097】
1つの取り組みでは、ハイブリドーマは適当な不死化細胞株(例えば、限定するわけではないがSp2/0、Sp2/0−AG14、NSO、NS1、NS2、AE−1、L.5、>243、P3X63Ag8.653、SP2 SA3、Sp2 MAI、Sp2 SSI、Sp2 SA5、U937、MLA 144、ACT IV、MOLT4、DA−1、JURKAT、WEHI、K−562、COS、RAJI、NIH 3T3、HL−60、MLA 144、NAMAIWA、NEURO 2A等のミエローマ細胞株、ヘテロミエローマ、それらの融合産物、またはそれらから派生する任意の細胞もしくは融合細胞、または当該技術分野で周知な他の適当な細胞系)(例えば、www.atcc.org.、www.lifetech.com.等)を、限定するわけではないが、単離またはクローン化された脾臓、末梢血、リンパ節、扁桃または他の免疫もしくはB細胞を含む細胞のような抗体生産細胞、あるいは内因性もしくは異種の核酸のいずれかとして、組換えもしくは内因性のウイルス、細菌、藻類、原核生物、両生類、昆虫、爬虫類、魚類、哺乳類、齧歯類、ウマ、ヒツジ(ovine)、ヤギ、ヒツジ(sheep)、霊長類、真核生物、ゲノムDNA、cDNA、rDNA、ミトコンドリアDNAもしくはRNA、クロロプラストDNAもしくはRNA、hnRNA、mRNA、tRNA、1本鎖、2本鎖もしくは3本鎖、ハイブリダイズしたもの等、あるいはそれらの任意の組み合わせのような、重鎖または軽鎖定常または可変または骨格またはCDR配列を発現している任意の他の細胞と融合させることにより生産される。例えば、Ausubel,同上およびColligan、免疫学、第2章を参照にされたい(引用により全部、本明細書に編入する)。
【0098】
抗体生産細胞は、末梢血、または好ましくは目的の抗原で免疫感作されたヒトもしくは他の適切な動物の脾臓もしくはリンパ節からも得ることができる。任意の他の適当な宿主細胞も、本発明の抗体、その特定したフラグメントまたはバリアントをコードする異種の、または内因性の核酸を発現するために使用することができる。融合(ハイブリドーマ)または組換え細胞は、選択的な培養条件または他の適当な既知の方法を使用して単離し、そして限界希釈法、セルソーティングまたは他の既知の方法によりクローン化することができる。所望の特異性をもつ抗体を生産する細胞を、適当なアッセイにより選択することができる(例えば、ELISA)。
【0099】
必要な特異性の抗体を生産または単離する他の適当な方法を使用することができ、これらには限定するわけではないが、当該技術分野で既知であり、かつ/または本明細書に記載するようにヒト抗体のレパートリーを生産することができるポリペプチドまたはタンパク質ディスプレイライブラリーから組換え抗体を選択する方法(例えば、限定するわけではないが、バクテリオファージ、リボゾーム、オリゴヌクレオチド、RNA、cDNA等のディスプレイライブラリーを含み、例えば、ケンブリッジアンチボディテクノロジー(Cambridge antibody Technologies)、ケンブリッジシャー、英国;モルホシス(MorphoSys)、マーチンスレイド/プラネグ、ドイツ;バイオバーション(Biovation)、アベルデン、スコットランド、英国;バイオインベント(BioInvent)、ランド、スウェーデン;ダイアックス社(Dyax Corp.)、エンゾン(Enzon)、アフィマックス/バイオサイト(Affymax/Biosite);キソーマ(Xoma)、バークレー、カリフォルニア州;イクシス(Ixsys)から販売されている。例えば、欧州特許第368,684号明細書;PCT/GB第91/01134号;同第92/01775号;同第92/002240号;同第92/00883号;同第93/00605号明細書;米国特許出願第08/350260(5/12/94)号明細書;PCT/GB第94/01422号;同第94/02662号;同第97/01835号;(CAT/MRC)明細書;国際公開第90/14443号;同第90/14424号;同第90/14430号パンフレット;PCT/US94/1234号パンフット;国際公開第92/18619号;同第96/07754号;(手書き);同第96/13583号、同第97/08320号(モルホシス);同第95/16027号(バイオインベント);同第88/06630号;同第90/3809号パンフレット(ダイアックス);米国特許第4,704,692号明細書(エンゾン);PCT/US91/02989号パンフレット(アフィマックス);国際公開第89/06283号パンフレット;欧州特許第371998号;同第550400号明細書;(キソーマ);同第229046号明細書;PCT/US91/07149号パンフレット(イクシス);または確立論的に生成されたペプチドもしくはタンパク質−米国特許第5723323号、同第5763192号;同第5814476号、同第5817483号、同第5824514号;同第5976862号明細書;国際公開第86/05803号パンフレット;欧州特許第590689号明細書(イクシス、現在はアプライドモレキュラーレボリューション(Applied Molecular Evolution(AME)、それぞれ引用により本明細書に編入する)、あるいはトランスジェニック動物の免疫感作に依存する方法(例えば、SCIDマウス、Nguyen et al.,Microbiol.Immunol.41:901−907(1997);Sandhu et al.,Crit.Rev.Biotechnol.16:95−118(1996);Eren et al.Immunol.93:154−161(1998)(それぞれ引用により本明細書に編入する)、ならびに関連する特許および出願)を含むことができる。そのような技法には限定するわけではないが、リボゾームディスプレイ(Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,94:4937−4942(1997年5月);Hanes et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,95:14130−14135(1998年11月);単一細胞抗体生産技法(例えば、選択したリンパ球抗体法(”SLAN”)(米国特許第5,627,052号明細書、Wen et al.,J.Immunol.17:887−892(1987);Babcook et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA93:7843−7848(1996));ゲル微小滴およびフローサイトメトリー(Powell et al.,Biotechnol.8:333−337(1990);1細胞系、ケンブリッジ、マサチューセッツ州;Gray et al.,J.Imm.Meth.182:155−163(1995);Kenny et al.,Bio/Technol.13:787−790(1995));B−細胞選択(Steenbakkers et al.,Molec.Biol.Reports 19:125−134(1994);Jonak et al.,Progress Biotech,Vol.5,ハイブリドーマ技術におけるインビトロ免疫感作(In Vitro Immunization in Hybridoma Technology),Borrebaeck編集、エルセビアサイエス出版B.V.(Elsevir Science Publishers)、アムステルダム、オランダ(1988))を含む。
【0100】
非−ヒトまたはヒト抗体を操作またはヒト化する方法も使用することができ、そして当該技術分野では周知である。一般にヒト化または操作した抗体は、限定するわけではないが非ヒトが起源、例えば、限定するわけではないがマウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類または他の哺乳動物の1もしくは複数のアミノ酸残基を有する。これらのヒトアミノ酸残基はしばしば「輸入」残基と呼ばれるが、典型的には「輸入」可変、定常または既知のヒト配列の他のドメインから取られている。既知のヒトIg配列開示は、例えば、
【0101】
【表1】

【0102】
Kabat et al.,免疫学的に興味深いタンパク質の配列、米国衛生局(1983)(各々は引用により全部、本明細書に編入する)に開示されている。
【0103】
そのような輸入された配列を使用して、免疫原性を下げ、または結合、親和性、オン−レイト(on−rate)、オフ−レイト(off−rate)、アビディティー、特異性、半減期または当該技術分野で知られている他の適当な特性を下げ、強化し、またはモディファイすることができる。一般に、非ヒトまたはヒトCDR配列の一部または全部が維持されると同時に、可変および定常領域の非ヒト配列はヒトまたは他のアミノ酸に置き換えられる。また抗体はヒト化され、抗原に対する高い親和性および他の好ましい生物学的特性を保持する。この目的を達成するために、ヒト化抗体は場合により元のおよびヒト化配列の3次元モデルを使用して、元の配列および種々の概念のヒト化産物の分析プロセスにより調製することもできる。3次元の免疫グロブリンモデルは一般に入手可能であり、そして当業者にはよく知られている。選択された候補の免疫グロブリン配列の見込みがある3次元立体構造を具体的に説明し、そして表すコンピュータープログラムを利用することができる。これらのディスプレイの推測から、候補の免疫グロブリン配列の機能における残基の役割の見込みが分析できるようになり、すなわち候補の免疫グロブリンがその抗原に結合する能力に影響を与える残基の分析が可能となる。このように、標的抗原(1もしくは複数)に対する親和性の上昇のような所望の抗体の特性を達成するように、コンセンサスおよび輸入配列からFR残基を選択し、そして合わせることができる。一般にCDR残基は抗原結合の影響に直接的かつ最も実質的に関与している。本発明の抗体のヒト化または操作は、限定するわけではないが、Winter(Jones et al.,Nature 321:522(1986);Riechmann et al.,Nature 332:323(1988);Verhoeyen et al.,Science 239:1534(1988)、Sims et al.,J.Immunol.151:2296(1993);Chothia and Lesk,J.Mol.Biol.196:901(1987);Carter et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:4285(1992);Presta et
al.,J.Immunol.151:2623(1993);米国特許第5723323号、同第5976862号、同第5824514号、同第5817483号、同第5814476号、同第5763192号、同第5723323号、同第5,766886号、同第5714352号、同第6204023号、同第6180370号、同第5693762号、同第5530101号、同第5585089号、同第5225539号および同第4816567号明細書、PCT/US98/16280号、US96/18978号、US91/09630号、US91/05939号、US94/01234号、GB89/01334号、GB91/01134号、GB92/01755号明細書;国際公開第90/14443号、同第90/14424号、同第90/14430号パンフレット、および欧州特許第229246号明細書(各々は引用により全部、本明細書に編入する))に記載されているような既知の方法を使用して行うことができる。
【0104】
本発明の抗−CNGH0010抗体は、場合により本明細書に記載し、かつ/または当該技術分野で知られているように、場合によりヒト抗体のレパートリーを生産することができるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、非ヒト霊長類等)の免疫感作により生成することができる。ヒト抗−CNGH0010抗体を生産する細胞をそのような動物から単離し、そして本明細書に記載するような適切な方法を使用して不死化することができる。
【0105】
ヒト抗原に結合するヒト抗体を生産できるトランスジェニック動物は、既知の方法により作出することができる(例えば、限定するわけではないが、Lonberg et alに発効された米国特許第5,770,428号、同第5,569,825、5,545,806、同第5,625,825、同第5,633,425、同第5,661,016号および同第5,789,650号明細書;Jakobovits et al.,国際公開第98/24893号明細書、Lonberg et al.,国際公開第98/24884号パンフレット、Lonberg et al.,国際公開第97/138524号パンフレット、Lonberg et al.,国際公開第94/25585号パンフレット、Kucherlapate et al.,国際公開第96/34096号パンフレット、Kucherlapate et al.欧州特許出願公開第0463 151号明細書、Kucherlapate et al.欧州特許出願公開第0710 719号明細書、Surani et al.米国特許第5,545,807号明細書、Bruggemmann et al.国際公開第90/04036号明細書、Bruggemmann et al.国際公開第0438 474号明細書、Lonberg et al.欧州特許出願公開第0814 259号明細書、Lonberg et al.独国特許出願第2 272 440号明細書、Lonberg et al.Nature 368:856−859(1994)、Taylor et al.Int.Immunol.6(4)579−591(1994)、Green et al.Nature Genetics 7:13−21(1994)、Mendez et al.,Nature Genetics 15:146−156(1997)、 Taylor et al.Nucleic Acids Research 20(23):6287−6295(1992)、Tuaillon et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90(8)3720−3724(1993)、Lonberg et al.,Int Rev Immunol 13(1):65−93(1995)およびFishwald et al.,Nat.Biotechnol 14(7
):845−851(1996)、これらは引用により本明細書に編入する)。一般にこれらのマウスは機能的に再配列されたか、または機能的再配列を受けることができる少なくとも1つのヒト免疫グロブリン座に由来するDNAを含んでなる少なくとも1つの導入遺伝子を含んでなる。そのようなマウスの内因性の免疫グロブリン座は破壊され、または削除されて、内因性遺伝子によりコードされる抗体を生産するための動物の能力を排除することができる。
【0106】
類似のタンパク質またはフラグメントに対する特異的結合について抗体をスクリーニングすることは通常、ペプチドディスプレイライブラリーを使用して行うことができる。この方法には所望の機能または構造を有する個々のメンバーについて、ペプチドの大きなコレクションをスクリーニングすることが含まれる。ペプチドディスプレイライブラリーの抗体スクリーニングは、当該技術分野では周知である。このディスプレイペプチド配列は、3〜5000以上のアミノ酸長、頻繁には5〜100アミノ酸長であり、そしてしばしば約8〜25アミノ酸長であることができる。ペプチドライブラリーを作成するための直鉄的な化学合成法に加えて、幾つかの組換えDNA法が記載された。1つの種類は、バクテリオファージまたは細胞の表面上にペプチド配列のディスプレイを含む。各バクテリオファージまたは細胞は、特定のディスプレイされたペプチド配列をコードするヌクレオチド配列を含む。そのような方法は、PCT特許出願第91/17271号、同第91/18980号、同第91/19818号および93/08278号明細書に記載されている。ペプチドのライブラリーを作成するための他の系は、インビトロ化学合成および組換え法の両観点を有する。PCT特許出願第92/05258号、同第92/14843号および同第96/19256号明細書を参照にされたい。また米国特許第5,658,754号および同5.643,768号明細書も参照にされたい。ペプチドディスプレイライブラリー、ベクターおよびスクリーニングキットは、インビトロジェン(Invitrogen)(カールスバット、カリフォルニア州)、およびケンブリッジアンチボディテクノロジーズ(ケンブリッジシャー、英国)のような供給元から市販されている。例えば、エンゾンに割り当てられた米国特許第4704692号、同第4939666号、同第4946778号、同第5260203号、同第5455030号、同第5518889号、同第5534621号、同第5656730号、同第5763733号、同第5767260号、同第5856456号明細書;ダイアックスに割り当てられた米国特許第5223409号、同第5403484号、同第5571698号、同第5837500号明細書;アフィマックスに割り当てられた米国特許第5427908号、同第5580717号明細書;ケンブリッジアンチボディテクノロジーズに割り当てられた米国特許第5885793号明細書;ジェネンティックに割り当てられた米国特許第5750373号明細書;キソーマに割り当てられた米国特許第5618920号、同第5595898号、同第5576195号、同第5698435号、同第5693493号および同第5698417号明細書、Colligan、同上;Ausbel、同上;またはSambrook、同上を参照にされたい(これらの各々は引用により全部、本明細書に編入する)。
【0107】
本発明の抗体は、その抗体を乳の中に生産するヤギ、ウシ、ウマ、ヒツジ等のようなトランスジェニック動物または哺乳動物に、少なくとも1つの抗−CNGH00101抗体をコードする核酸を投与することにより乳の中に調製することもできる。そのような動物は既知の方法を使用して提供することができる。例えば、限定するわけではないが、米国特許第5,827,690号;同第5,849,992号;同第4,873,316号;同第5,849,992号;同第5,994,616号;同第5,565,362号;同第5,304,489号明細書等(これらの各々は引用により全部、本明細書に編入する)を参照にされたい。
【0108】
さらに本発明の抗体は、そのような抗体、特定した部分またはバリアントを、植物の一部またはそれらから培養した細胞中に生産するトランスジェニック植物および培養植物細
胞(例えば、限定するわけではないが、タバコおよびトウモロコシ)を提供するために、少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体をコードする核酸を使用して調製することができる。非限定的な例として、組換えタンパク質を発現するトランスジェニックタバコの葉が、例えば、誘導性プロモーターを使用して大量の組換えタンパク質を成功裏に提供するために使用された。例えば、Cramer et al.,Curr.Top.Microbol.Immunol.240:95−118(1999)およびそこに引用されている技術文献を参照にされたい。またトランスジェニックトウモロコシは、他の組換え系で生産されたものに、または天然の起源から精製されたものに等しい生物学的活性を持つ哺乳動物のタンパク質を、工業的生産レベルで発現するために使用された。例えば、Hood et al.,Adv.Exp.Med.Biol.464:127−147(1999)およびそこに引用されている技術文献を参照にされたい。1本鎖抗体(scFv’s)のような抗体フラグメントを含め抗体は、タバコ種子およびジャガイモの塊茎を含むトランスジェニック植物の種子からも大量に生産された。例えば、Conrad et al.,Plant Mol.Biol.38:101−109 1998およびそこに引用されている技術文献を参照にされたい。すなわち本発明の抗体は、既知の方法に従いトランスジェニック植物を使用して生産することもできる。また例えば、Fischer et al.,Biotechnol.Appl.Biochem.30:99−108(Oct.,1999);Ma et al.,Trends Biotechnol.13:522−7(1995);Ma et al.,Plant Physiol.109:341−6(1995);Whitelam et al.,Biochem.Soc.Trans.22:940−944(1994);およびそこに引用されている技術文献を参照にされたい(これらの各々は引用により全部、本明細書に編入する)。
【0109】
本発明の抗体は、広い範囲の親和性(KD)でヒトCNGH0010に結合することができる。好適な態様では、本発明の少なくとも1つのヒトmAbが任意に高い親和性でヒトCNGH0010に結合することができる。例えば、ヒトmAbはヒトCNGH0010に、限定するわけではないが0.1−9.9(またはこの中の任意の範囲)×10−7、10−8、10−9、10−10、10−11、10−12、10−13またはその中の範囲のような約10−7M以下のKDで結合することができる。
【0110】
抗原に関する抗体の親和性またはアビディティーは、適当な方法を使用して実験的に定めることができる。(例えば、Berzofsky,et al.,「抗体−抗原相互作用(Antibody−Antigen Interactions)」、基本免疫学(Fundamental Immunology)で、Paul,W.E.編集、ラベン出版:ニューヨーク、ニューヨーク州(1984);Kuby,Janis 免疫学(Immunology)、W.H.フリーマン アンド カンパニー(Freeman and Company):ニューヨーク、ニューヨーク州(1992);およびそこに記載されている方法を参照にされたい)。測定された特定の抗体−抗原相互作用の親和性は、異なる条件下(例えば、塩濃度、pH)で測定すれば変動し得る。すなわち親和性および他の抗原−結合パラメーター(例えば、K、K、K)の測定は、好ましくは抗体および抗原の標準化された溶液、および本明細書に記載するバッファーのような標準化バッファーを用いて作成される。
抗体の精製
抗−CNGH00101抗体は、限定するわけではないがプロテインA精製、硫酸アンモニウムもしくはエタノール沈殿、酸抽出、アニオンもしくはカチオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー、ハイドロキシルアパタイトクロマトグラフィーおよびレクチンクロマトグラフィーを含む周知な方法により、組換え細胞培養物から回収し、そして精製することができる。高性能液体クロマトグラフィー(“HPLC”)も精製に使用
することができる。例えば、Colligan、免疫学における現在のプロトコール、またはタンパク質科学における現在のプロトコール、ジョン ウィリー & サンズ(John Wiley & Sons)、NY、NY、(1997−2001)、例えば、第1、4、6、8、910章を参照にされたい(各々が全部、引用により本明細書に編入される)。
【0111】
本発明の抗体には、自然に精製された生成物、化学合成法の生成物、および例えば、酵母、高等植物、昆虫および哺乳動物細胞を含む真核細胞宿主から組換え技術により生産される産物を含む。組換え生産法で使用する宿主に依存して、本発明の抗体はグリコシル化されることができ、または非グリコシル化であることができるが、グリコシル化が好適である。そのような方法は多くの標準的な研究室マニュアルに記載されている:Sambrook、同上、第17.37〜17.42;Ausubel,et al.、同上、第10、12、13、16、18および20章、Colligan、タンパク質科学(Protein Science)、同上、第12〜14(すべて引用により本明細書に編入する)。
哺乳動物細胞中での抗−CNGH0010抗体のクローニングおよび発現
典型的な哺乳動物発現ベクターは、mRNAの転写の開始を媒介する少なくとも1つのプロモーター要素、抗体コード配列および転写の終結および転写物のポリアデニル化に必要なシグナルを含む。さらなる要素にはエンハンサー、Kozak配列およびRNAスプライシングのための供与および受容部位により挟まれた介在配列を含む。高度に効率的な転写はSV40に由来する初期および後期プロモーター、レトロウイルス、例えば、GAS−6、HTLVI、HIVIに由来する長い末端反復配列(LTRS)、およびサイトメガロウイルス(CMV)の初期プロモーターにより達成され得る。しかし細胞要素(例えば、ヒトアクチンプロモーター)も使用することができる。本発明の実施に使用するために適当な発現ベクターには、例えば、pIRES1neo、pRetro−Off、pRetro−On、PLXSNまたはpLNCX(クロンテック ラボズ(Clonetech Labos)、パロアルト、カリフォルニア州)、pcDNA3.1(+/−)、pcDNA/Zeo(+/−)またはpcDNA3.1/Hygro(+/−)(インビトロジェン(Invitrogen))、PSVLおよびPMSG(ファルマシア(Pharmacia)、ウプサラ、スウェーデン)、pGAS−6cat(ATCC37152)、pSV2dhfr(ATCC37146)およびpBC12MI(ATCC67109)を含む。使用できた哺乳動物宿主細胞には、ヒトHela 293、H9およびJurkat細胞、マウスNIH3T3およびC127細胞、Cos1、Cos7およびCV1、quailQC1−3細胞、マウスL細胞およびチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞を含む。
【0112】
あるいは遺伝子は染色体に組み込まれた遺伝子を含む安定な細胞株で発現させることができる。dhfr、gpt、ネオマイシンまたはハイグロマイシンのような選択可能なマーカーを用いたコートランスフェクションにより、トランスフェクトした細胞の同定および単離が可能となる。
【0113】
トランスフェクトした遺伝子は、大量のコードされた抗体を発現させるために増幅することもできる。DHFR(ジヒドロ葉酸レダクターゼ)マーカーは、数百またはさらに数千の目的遺伝子のコピーを持つ細胞株を開発するために有用である。別の有用な選択マーカーは、酵素グルタミンシンターゼ(GS)(Murphy,et al.,Biochem.J.227:277−279 1991;Bebbington,et al.,Bio/Technology 10:169−175 1992)である。これらのマーカーを使用して、哺乳動物細胞を選択培地で成長させ、そして最高の耐性を持つ細胞を選択する。これらの細胞株は、染色体に組み込まれた増幅した遺伝子(1もしくは複数)を含む。チャイニーズハムスター卵巣(CHO)およびNSO細胞は、抗体の生産によく
使用される。
【0114】
発現ベクターpC1およびpC4は、ラウス肉腫ウイルスの強力なプロモーター(LTR)(Cullen et al.,Molec.Cell.Biol.5:438−447 (1985))に加えてCMV−エンハンサーのフラグメント(Boshart,et al.,Cell 41:521−530 (1985))を含む。多クローニング部位、例えば、制限酵素分解部位であるBamHI、XbaIおよびAsp718は、目的遺伝子のクローニングを容易にする。ベクターは3’イントロンに加えて、ラットのプレプロインスリン遺伝子のポリアデニル化および終結シグナルを含む。
抗CNGH0010抗体組成物に対する抗−イディオタイプ抗体
モノクローナルまたはキメラ抗−CNGH0010抗体に加えて、本発明は本発明のそのような抗体に特異的な抗−イディオタイプ(抗−Id)抗体も対象とする。抗−Id抗体は別の抗体の抗原結合領域と一般的に関連する独自の決定基を認識する抗体である。抗−IdはId抗体の供給源として同じ種および遺伝型(例えば、マウス種)の動物をその抗体またはそのCDR含有領域で免疫感作することにより調製することができる。免疫感作した動物は免疫感作抗体のイディオタイプ決定基を認識し、そして応答し、そして抗−Id抗体を生産する。抗−Id抗体はさらに別の動物に免疫応答を誘導し、いわゆる抗−抗−Id抗体を生産するために「免疫原」として使用することもできる。
CNGH0010ポリペプチドまたは抗体組成物
また本発明は、自然には存在しない組成物、混合物または形態で提供される本明細書に記載する少なくとも1つのCNGH0010ポリペプチドまたはCNGH0010抗体を含んでなるCNGH0010ポリペプチドまたはCNGH0010抗体組成物も提供する。そのような組成物は、配列番号3、5、7、9および11の80〜100%連続するアミノ酸からなる群から選択されるCNGH0010ポリペプチドアミノ酸配列の少なくとも1もしくは2つの完全長、C−および/またはN−末端が各失したバリアント、ドメイン、フラグメントまたは特定したバリアント、あるいはCNGH0010抗体またはその特定したフラグメント、ドメインまたはバリアントを含んでなる自然には存在しない組成物を、場合により製薬学的に許容され得る担体または希釈剤と組み合わせて含んでなる。
【0115】
本発明のCNGH0010ポリペプチドまたは抗体化合物、組成物または組み合わせは、さらに限定するわけではないが希釈剤、結合剤、安定化剤、バッファー、塩、親油性溶媒、保存剤、アジュバント等のような少なくとも1つの任意の適切な補助剤を含んで成ることができる。製薬学的に許容され得る補助剤が好適である。そのような滅菌溶液の非限定的な例および調製法は限定するわけではないが、Gennaro、編集、レミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Science)、第18版、マック出版社、イーストン、ペンシルバニア州(1990)のように当該技術分野では周知である。製薬学的に許容され得る担体は、当該技術分野で周知であるか、または本明細書に記載するように抗−CNGH0010抗体の投与様式、溶解性および/または安定性に適するように日常的に選択され得る。
【0116】
本組成物に有用な製薬学的賦形剤および添加剤は、限定するわけではないがタンパク質、ポリペプチド、アミノ酸、脂質および炭水化物(例えば、単糖、二−、三−、四−およびオリゴ糖を含む糖;アルジトール、アルドン酸、エステル化糖等のような誘導化等;および多糖または糖ポリマー)を含み、これは単独または組み合わせて存在することができ、単独または組み合わせて1〜99.99重量もしくは容量%で含んでなる。タンパク質賦形剤の例には、ヒト血清アルブミン(HSA)、組換えヒト血清アルブミン(rHA)、ゼラチン、カゼイン等を含む。緩衝能においても機能することもできる代表的なアミノ酸/抗体組成物には、アラニン、グリシン、アルギニン、ベタイン、ヒスチジン、グルタミン酸、アスパラギン酸、システイン、リシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、フェニルアラニン、アスパルテーム等を含む。1つの好適なアミノ酸はグリシン
である。
【0117】
本発明の使用に適する炭水化物賦形剤には、例えば、フルクトース、マルトース、ガラクトース、グルコース、D−マンノース、ソルボース等のような単糖;ラクトース、シュクロース、トレハロース、セルビオース等の二糖;ラフィノース、メレジトース、マルトデキストリン、デキストラン、澱粉等の多糖;マンニトール、キシリトール、マルチトール、ラクチトール、キシリトール、ソルビトール(グルシトール)、ミオイノシトール等のアルジトールを含む。本発明に使用するための好適な炭水化物賦形剤は、マンニトール、トレハロースおよびラフィノースである。
【0118】
抗−CNGH0010ポリペプチドまたは抗体組成物は、バッファーまたはpH調整剤を含むこともできる;典型的にはバッファーは有機酸または塩基から調製される塩である。代表的なバッファーには、クエン酸、アスコルビン酸、グルコン酸、カルボン酸、酒石酸、コハク酸、酢酸またはフタル酸の塩のような有機酸塩;Tris、トロメタミン塩酸塩またはリン酸バッファーを含む。本組成物の使用に好適なバッファーはクエン酸塩のような有機酸塩である。
【0119】
さらに本発明の抗体−CNGH0010抗体組成物は、ポリビニルピロリドン、フィコール(ポリマー性糖)、デキストレート(例えば、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンのようなシクロデキストリン)、ポリエチレングリコールのようなポリマー性賦形剤/添加剤、風味剤、抗微生物剤、甘味剤、酸化防止剤、帯電防止剤、表面活性剤(例えば、“TWEEN 20”および“TWEEN 80”のようなポリソルベート)、脂質(例えば、リン脂質、脂肪酸)、ステロイド(例えば、コレステロール)およびキレート化剤(例えば、EDTA)を含むことができる。
【0120】
本発明による抗−CNGH0010抗体、部分またはバリアント組成物で使用するために適するこれらのおよびさらに知られている製薬学的賦形剤および/または添加剤は当該技術分野では既知であり、例えば、「レミングトン:薬学の科学&実践(Remington:The Science & Practice of Pharmacy)」、第19版、ウィリアムス&ウィリアムス(Williams & Williams)(1995)および「医師の卓上レファレンス(Physician’s Desk Reference)」、第52版、メディカル エコノミックス(Medical Economics)、モントバレー、ニュージャージー州(1998)に列挙され、この開示は引用により全部、本明細書に編入する。好適な担体または賦形剤材料は炭水化物(例えば、サッカリドおよびアルジトール)およびバッファー(例えば、クエン酸塩)またはポリマー性剤である。
【0121】
本発明の抗−CNGH0010抗体組成物は、少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体を含んで成る少なくとも1つの適切かつ有効量の組成物または製薬学的組成物を、そのようなモジュレーション、処置または治療が必要な細胞、組織、臓器、動物または患者に接触または投与することを含んで成ることができ、場合よりさらに少なくとも1つのTNFアンタゴニスト(例えば、限定するわけではないが、TNF抗体もしくはフラグメント、可溶性TNF受容体もしくはフラグメント、それらの融合タンパク質、または低分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキセート、オーラノフィン、オーロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト(etanercept)、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド(leflunomide)、スイファサラジン)、筋弛緩剤、麻薬、非−ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、鎮痛剤、麻酔薬、鎮静剤、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌剤(例えば、アミノグルコシド、抗菌・カビ剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン、フルオロルキノロン(flurorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗微生物剤)、止痒剤、コルチコステロイド、同化性ステロイド、糖尿病関連薬、無機類、栄養、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止冩薬、鎮咳剤、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝血剤、エリスロポエチン(例えば、エポエチン アルファ)、フィルグラスチム(filgrastim)(例えば、G−CSF、Neupogen)、サルグラモスチン(GM−CSF、Leukine)、免疫感作、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン代用薬、エストロゲン受容体モジュレーター、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗物質、有糸分裂インヒビター、放射性薬品、抗鬱薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交換神経作用薬、刺激物質、ドネゼピル、タクリン、喘息薬物療法、ベータアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエンインヒビター、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリンもしくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインもしくはサイトカインアンタゴニストから選択される少なくとも1つを含んでなる。そのようなサイトカインの非限定的例には、限定するわけではないがIL−1からIL−29の任意のインターロイキンを含む。適切な投薬用量は、当該技術分野では周知である。例えば、Wells et al.、編集、薬理療法ハンドブック(Pharmacotherapy Handbook)、第2版、アペルトン アンド ランジ(Appleton and Lange)、スタムフォード、コネチカット州(2000):PDR薬局方、タラスコンポケット薬局方(Tarascon Pocket Pharmacopoeia)2000、豪華版、タラスコン出版社、ローマ リンダ、カリフォルニア州(2000)を参照にされたい(それぞれ引用により全部、本明細書に編入する)。
【0122】
そのような抗−ガンまたは抗−感染剤は、本発明の少なくとも1つの抗体に会合した、結合した、同時に配合(co−formulated)される、または一緒に投与される毒素分子を含むことができる。毒素は場合により病原性細胞または組織を選択的に殺すように作用することができる。病原性細胞はガン細胞または他の細胞であり得る。そのような毒素は限定するわけではないが、例えば、少なくとも1つリシン、ジフテリア毒素、蛇毒または細菌の毒素から選択される毒素の少なくとも1つの機能的な細胞傷害性ドメインを含んで成る精製された、または組換え毒素または毒素フラグメントであることができる。毒素という用語はまた、死を引き起こし得る毒素ショックを含む任意の病理的状態をヒトまたは他の哺乳動物に引き起こす可能性がある自然に存在する変異体または組換え細菌またはウイルスにより生産されるエンドトキシンおよびエキソトキシンの両方を含む。そのような毒素は限定するわけではないが、腸内毒素生産性大腸菌(E.coli)の熱不安定エンテロトキシン(LT)、熱安定性エンテロトキシン(ST)、シゲラ(Shigella)のサイトトキシン、アエロモナス(Aeromonas)のエンテロトキシン、毒素性ショック症候群毒素−1(TSST−1)、ブドウ球菌のエンテロトキシンA(SEA)、B(SEB)またはC(SEC)、ブドウ球菌のエンテロトキシン等を含むことができる。そのような細菌には限定するわけではないが、エンテロトキシン生産性の大腸菌(E.coli)株(ETEC)、腸内出血性大腸菌(E.coli)(例えば、血清型0157;H7)、ブトウ球菌(Staphylococcus)種(例えば、黄色ブトウ球菌(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス ピロゲネス(Staphylococcus pyogenes)、シゲラ(Shigella)種(例えば、シゲラ ジセンテリア(Shigella dysenteriae)、シゲラ フレキシネリ(Shigella flexneri)、シゲラ ボイディ(Shigella boydii)およびシゲラ ソンネイ(Shigella sonnei))、サルモネラ(Salmonella)種(例えば、チフス菌(Salmonella typhi)、サルモネラ コレラ−スイス(Salmonella cholera−suis)、腸炎菌(Salmonella enteritidis)、クロストリジウム(Clostridium)種(例えば、クロストリジウム パーフリンゲンス(Clostridium perfringens)、クロストリジウム ディフィシル(Clostridium dificile)、クロストリジウム ボツリナム(Clostridium botulinum))、カンピロバクター種(Camphlobacter)種(例えば、カンピロバクター ジェジュニ(Camphlobacter jejuni)、カンピロバクター フェタス(Camphlobacter fetus))、ヘリオバクター(Heliobacter)種(例えば、、ヘリオバクター ピロリ(Heliobactor pylori)、アエロモナス(Aeromonas)種(例えば、アエロモナス ソブリア(Aeromonas sobria)、アエロモナス ヒドロフィーラ(Aeromonas hydrophila)、アエロモナス カビエ(Aeromonas caviae)、プレイソモナス シゲロイデス(Pleisomonas shigelloides)、エルシナ エンテロコリティカ(Yersina enterocolitica)、ビブリオス(Vibrios)種(コレラ菌(Vibrios cholerae)、ビブリオス パラヘモリチカス(Vibrios parahemolyticus)、クレブシエーラ(Klebsiella)種、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)およびストレプトコッカイ(Streptococci)を含む。例えば、Stein、編集、INTERNATIONAL MEDICINE、第3版、第1〜13頁、リトル、ブラウン(Little,Brown)社、ボストン(1990):Evans et al.、編集、ヒトの細菌感染:疫学および防御(Bacterial Infections of Humans:Epidemiology and Control)、第2版、第239〜254、プレナム(Plenum)医学誌社、ニューヨーク(1990);Mandell et al,感染性疾患の原理および実際(Principles and Practice of Infectious Disease)、第3版、チャーチルリビングストン(Churchill Livingstone)、ニューヨーク(1990);Berkow et al.、編集、メルクマニュアル(The Merk Mianual)、第16版、メルク社、ラースウェイ、ニュージャージー州、1992;Wood et al,FEMS Microbiology Immunology,76:121−134(1991);Marrack et al.,Science,248:705−711(1990)を参照にされたい(この内容は引用により全部、本明細書に編入する)。
応用
本発明は、当該技術分野で既知であるか、または本明細書に記載するような細胞、組織、臓器、動物または患者の少なくとも1つのCNGH0010関連疾患を、本発明の少なくとも1つのCNGH0010ポリペプチドまたはCNGH0010抗体を使用してモジュレートまたは処置するための方法も提供する。
【0123】
CNGH0010結合ポリペプチドまたはCNGH0010抗体またはポリペプチドアンタゴニストの組成物は、癌、または肺線維症、肝炎、骨粗鬆症、慢性関節リューマチおよび喘息を含む脱調節マトリックス生産およびリモデリングを伴う他のヒト疾患の使用に治療的用途を見いだすことができる。潜在的な疾患の兆候には、細胞機構(cell−mechanics)、組織構造に欠失があるか、またはマトリックスの病変により引き起こされるメカノケミカル転換の脱調節がある疾患も含むことができる(Ingber D.,Mechanolbiology and diseases of mechanotransduction),Annals of Medicine、印刷中)。
【0124】
また本発明は、細胞、組織、臓器、動物または患者の、限定するわけではないが少なくとも1つの慢性関節リウマチ、若年性関節リウマチ、若年性関節リウマチの全身的発症、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、胃潰瘍、セロネガティブ関節症、変形性関節症、炎症性腸疾患、潰瘍性大腸炎、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質症候群、虹彩毛様体炎/ブドウ膜炎/視神経炎、特発性肺線維症、全身性脈管炎/ヴェーゲナー肉芽腫症、類肉腫症、精巣炎/精管除去反転法、アレルギー/アトピー性疾患、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹
、アレルギー性接触皮膚炎、アレルギー性結膜炎、過敏性肺炎、移植、臓器移植拒絶、対宿主性移植片病、全身性炎症応答症候群、敗血症症候群、グラム陽性敗血症、グラム陰性敗血症、培養陰性敗血症、真菌性敗血症、好中球減少熱、尿路性敗血症、髄膜炎菌血症、外傷/出血、火傷、電離照射線暴露、急性膵炎、成人呼吸促進症候群、ジストレス症候群、慢性関節リウマチ、アルコール誘導型肝炎、慢性炎症病、類肉腫症、クローン病、鎌状赤血球貧血、糖尿病、ネフローゼ、アトピー性疾患、過敏症反応、アレルギー性鼻炎、枯草熱、通年性鼻炎、結膜炎、子宮内膜症、喘息、蕁麻疹、全身性アナフラキシー、皮膚炎、悪性貧血、溶血性疾患、血小板減少症、任意の臓器または組織の移植片拒絶、腎臓移植拒絶、心臓移植拒絶、肝臓移植拒絶、膵臓移植拒絶、肺移植拒絶、骨髄移植(BMT)拒絶、皮膚同種移植拒絶、関節移植拒絶、骨移植拒絶、小腸移植拒絶、胎児胸腺移植拒絶、副甲状腺移植拒絶、任意の臓器または組織の異種移植拒絶、同種移植拒絶、抗−受容体過敏症反応、グレーブス病、レーノー病、B型インスリン耐性糖尿病、喘息、重症筋無力症、抗体媒介型細胞傷害、III型過敏症反応、全身性エリテマトーデス、POEMS症候群(多発性神経障害、臓器巨大、内分泌障害、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、および皮膚変化症候群)、ポリニューロパシー、臓器巨大、内分泌障害、モノクローナル高ガンマグロブリン血症、皮膚変化症候群、抗リン脂質症候群、天疱瘡、強皮症、混合結合組織病、特発性アディソン病、糖尿病、慢性活動性肝炎、原発性胆汁性肝硬変、白斑、脈管炎、MI−後心臓切開症候群、IV型過敏症、接触皮膚炎、過敏性肺炎、同種移植拒絶、細胞内生物による肉芽腫、薬剤感受性、代謝性/特発性ウィルソン病、ヘマクロマトーシス、アルファ−1−アンチトリプシン欠損、糖尿病網膜炎、橋本甲状腺炎、骨粗鬆症、視床下部−下垂体−副腎皮質系評価、原発性胆汁性肝硬変、甲状腺炎、脳脊髄炎、悪液質、嚢胞性線維症、新生児慢性肺疾患、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、家族性血球貧食性リンパ組織球増多症、皮膚学的状態、乾癬、脱毛、ネフローゼ症候群、腎炎、糸状体腎炎、急性腎不全、血液透析、尿毒症、毒性、子かん前症、okt3療法、抗−cd3療法、サイトカイン療法、化学療法、放射線療法(例えば、限定するわけではないが、喘息、貧血、悪液質等)、慢性サリチル酸中毒等を含む少なくとも1つの免疫関連疾患を、モジュレートまたは処置するための方法も提供する。例えば、メルクマニュアル(Merck Manual)、第12〜17版、メルク&カンパニー、ラーウェイ、ニュージャージー州(1972、1977、1982、1987、1992、1999);Wells et al.編集、薬物療法ハンドブック(Pharmacotherapy Handbook)、第2版、Appleton and Lange、スタムフォード、コネチカット州(1998、2000)(各々引用により全部、本明細書に編入する)を参照にされたい。
【0125】
本発明はまた、細胞、組織、臓器、動物または患者の少なくとも1つの悪性疾患をモジュレートまたは処置する方法を提供し、そのような悪性疾患には限定するわけではないが少なくとも1つの:白血病、急性白血病、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、B−細胞、T−細胞またはFAB ALL、急性骨髄性白血病(AML)、慢性骨髄性白血病(CML)、慢性リンパ芽球性白血病(CLL)、ヘアリーセル白血病、骨髄異形性症候群(MDS)、リンパ腫、ホジキン病、悪性リンパ腫、非ホジキンリンパ腫、バーキットリンパ腫、多発性骨髄腫、カポジ肉腫、結腸直腸癌、膵臓癌、鼻咽頭癌、悪性組織球症、悪性の新生物随伴症候群/高カルシウム血症、充実性腫瘍、腺癌、肉腫、悪性黒色腫、血管腫、転移性疾患、癌に関連する骨の再吸収、癌に関連する骨痛(bone pain)等を含む。
【0126】
本発明の方法は、少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体を含んで成る有効量の組成物または製薬学的組成物を、そのようなモジュレーション、処置または治療が必要な細胞、組織、臓器、動物または患者に投与することを含んで成ることができる。そのような方法は場合よりさらにそのような免疫疾患を処置するための同時投与または併用療法を含んでなることができ、ここでCNGH0010ポリペプチドまたはCNGH0010抗体
、その特定した部分またはバリントはさらに少なくとも1つのTNFアンタゴニスト(例えば、限定するわけではないが、TNF抗体もしくはフラグメント、可溶性TNF受容体もしくはフラグメント、それらの融合タンパク質、または低分子TNFアンタゴニスト)、抗リウマチ薬(例えば、メトトレキセート、オーラノフィン、オーロチオグルコース、アザチオプリン、エタネルセプト(etanercept)、金チオリンゴ酸ナトリウム、硫酸ヒドロキシクロロキン、レフルノミド(leflunomide)、スイファサラジン)、筋弛緩剤、麻薬、非−ステロイド系抗炎症剤(NSAID)、鎮痛剤、麻酔薬、鎮静剤、局所麻酔薬、神経筋遮断剤、抗菌剤(例えば、アミノグルコシド、抗菌・カビ剤、駆虫剤、抗ウイルス剤、カルバペネム(carbapenem)、セファロスポリン、フルオロルキノロン(flurorquinolone)、マクロライド、ペニシリン、スルホンアミド、テトラサイクリン、他の抗微生物剤)、止痒剤、コルチコステロイド、同化性ステロイド、糖尿病関連薬、無機類、栄養、甲状腺剤、ビタミン、カルシウム関連ホルモン、止冩薬、鎮咳剤、制吐剤、抗潰瘍剤、緩下剤、抗凝血剤、エリスロポエチン(例えば、エポエチン アルファ)、フィルグラスチム(filgrastim)(例えば、G−CSF、Neupogen)、サルグラモスチン(GM−CSF、Leukine)、免疫感作、免疫グロブリン、免疫抑制薬(例えば、バシリキシマブ、シクロスポリン、ダクリズマブ)、成長ホルモン、ホルモン代用薬、エストロゲン受容体モジュレーター、散瞳薬、毛様体筋麻痺薬、アルキル化薬、代謝拮抗物質、有糸分裂インヒビター、放射性薬品、抗鬱薬、抗躁薬、抗精神病薬、抗不安薬、催眠薬、交換神経作用薬、刺激物質、ドネゼピル、タクリン、喘息薬物療法、ベータアゴニスト、吸入ステロイド、ロイコトリエンインヒビター、メチルキサンチン、クロモリン、エピネフリンもしくは類似体、ドルナーゼアルファ(Pulmozyme)、サイトカインもしくはサイトカインアンタゴニストから選択される少なくとも1つを前に、同時に、かつ/または後に投与することを含んでなる。適切な投薬用量は当該技術分野で周知である。例えば、Wells et al.、編集、薬理療法ハンドブック(Pharmacotherapy Handbook)、第2版、アペルトン アンド ランジ(Appleton and Lange)、スタムフォード、コネチカット州(2000):PDR薬局方、タラスコンポケット薬局方(Tarascon Pocket Pharmacopoeia)2000、豪華版、タラスコン出版社、ローマ リンダ、カリフォルニア州(2000)を参照にされたい(それぞれ引用により全部、本明細書に編入する)。
【0127】
典型的には病的状態の処置は少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体組成物の有効量または投薬用量(これは組成物中に含まれる特異的活性に依存して全部で、平均して、範囲で少なくとも約0.01から500ミリグラムの少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体(患者1キログラムの用量あたり)、そして好ましくは単回または多回投与あたり少なくとも約0.1〜100ミリグラム抗体/患者体重である)を投与することにより行われる。あるいは有効な血清濃度は、単回または多回投与あたり0.1〜5000μg/mlの血清濃度を含んで成ることができる。適当な投薬用量は医師が知っており、そしてもちろん特定の疾患状態、投与する組成物の特異的活性、および処置を受ける特定の患者に依存する。場合により所望する治療的量を達成するために、繰り返し投与、すなわち特定の監視され、または計量された用量の反復個別投与を提供することが必要となり、ここで個別投与は所望の毎日の用量または効果が達成されるまで繰り返される。
【0128】
好適な用量は任意に、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82
、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99および/または100〜500mg/kg/投与、あるいはそれらの任意の範囲、値または画分を含むことができ、あるいは単回または多回投与あたり0.1、0.5、0.9、1.0、1.1、1.2、1.5、1.9、2.0、2.5、2.9、3.0、3.5、3.9、4.0、4.5、4.9、5.5、5.9、6.0、6.5,6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、20、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14.0、14.5、4.9、5.0、5.5、5.9、6.0、6.5、6.9、7.0、7.5、7.9、8.0、8.5、8.9、9.0、9.5、9.9、10、10.5、10.9、11、11.5、11.9、12、12.5、12.9、13.0、13.5、13.9、14、14.5、15、15.5、15.9、16、16.5、16.9、17、17.5、17.9、18、18.5、18.9、19、19.5、19.9、20、20.5、20.9、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500および/または5000μg/ml血清濃度あるいはそれらの任意の範囲、値または画分の血清濃度を達するために含むことができる。
【0129】
あるいは投薬用量は、特定の薬剤の薬物動態学的特性、およびその投与の様式および経路;受容者の年齢、健康および体重;症状の性質および程度、現行処置の種類、処置の頻度、および所望する効果のような既知の因子に大変依存して変動し得る。通常、有効成分の投薬用量は、体重1キログラムあたり約0.1〜100ミリグラムとなり得る。多くは投与あたり1キログラムにつき0.1〜50、そして好ましくは0.1〜10ミリグラム、あるいは徐放性形態が所望の効果を得るために効果的である。
【0130】
非限定的な例として、ヒトまたは動物の処置は、1日あたり0.5、0.9、1.0、1.1、1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、40、45、50、60、70、80、90または100mg/kgのような0.1〜100mg/kgの本発明の少なくとも1つの抗体を1回に、または周期的用量として、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39または40日に少なくとも1回、あるいはまたは加えて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51または52週に少なくとも1回、あるいはまたは加えて1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20年に少なくとも1回、あるいはそれらの組み合わせで、単回、注入または反復投与を使用して提供することができる。
【0131】
内部投与に適する剤形(組成物)は、一般に単位または容器あたり約0.1ミリグラム〜約500ミリグラムの有効成分を含む。これらの製薬学的組成物では、有効成分は通常、組成物の総重量に基づき約0.5〜99.999重量%の量で存在するだろう。
【0132】
非経口投与には、抗体は溶液、懸濁液、乳液または凍結乾燥粉末として製剤することができ、一緒にまたは別に製薬学的に許容される非経口賦形剤が提供される。そのような賦形剤の例は、水、塩水、リンゲル溶液、デキストロース溶液および1〜10%ヒト血清ア
ルブミンである。リポソームおよび固定油のような非水性賦形剤を使用することもできる。賦形剤または凍結乾燥粉末は、等張性(例えば、塩化ナトリウム、マンニトール)および化学的安定性(例えば、バッファーおよび保存剤)を維持するための添加剤を含むことができる。製剤は既知のまたは適当な技術で滅菌される。
【0133】
適当な製薬学的担体は、この分野の標準的な参考書である最新版のレミングトンの製薬科学(Remington’s Pharmaceutical Sciences)、A.Osolに記載されている。
製剤
上記のように本発明は安定な製剤を提供し、これは好ましくは食水または選択した塩を含むリン酸バッファー、ならびに保存剤を含有する任意選択の保存溶液および製剤、ならびに製薬学的または獣医学的用途に適する多用途保存製剤であり、少なくとも1つの抗CNGH0010抗体を製薬学的に許容される製剤中に含んで成る。保存製剤は少なくとも1つの既知の保存剤または任意に少なくとも1つのフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、亜硝酸フェニル水銀、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド、クロロブタノール、塩化マンガン(例えば、ヘキサヒドレート)、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール、またはそれらの混合物から成る群から選択される保存剤を水性希釈剤中に含む。適当な濃度または混合物は、0.001〜5%のような、または限定するわけではないが0.001、0.003、0.005、0.009、0.01、0.02、0.03、0.05、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.1、3.2、3.3、3.4、3.5、3.6、3.7、3.8、3.9、4.0、4.3、4.5、4.6、4.7、4.8、4.9またはこの中の任意の範囲または値のような、当該技術分野で知られているように使用することができる。非限定的な例には、保存剤なし、0.1〜2% m−クレゾール(例えば、0.2、0.3、0.4、0.5、0.9、1.0%)、0.1〜3%ベンジルアルコール(例えば、0.5、0.9、1.1、1.5、1.9、2.0、2.5%)、0.001〜0.5%チメロサール(例えば、0.005、0.01)、0.001〜2.0%フェノール(例えば、0.05、0.25、0.28、0.5、0.9、1.0%)、0.0005〜1.0%アルキルパラベン(1もしくは複数)(例えば、0.00075、0.0009、0.001、0.002、0.005、0.0075、0.009、0.01、0.02、0.05、0.075、0.09、0.1、0.2、0.3、0.5、0.75、0.9、1.0%)等を含む。
【0134】
上記のように、本発明は包装材料および場合により水性希釈剤中に処方されたバッファーおよび/または保存剤を含む少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体の溶液を含んで成る少なくとも1つのバイアルを含んで成る製品を提供し、ここで該包装材料は、そのような溶液が1、2、3、4、5、6、9、12、18、20、24、30、36、40、48、54、60、66、72時間以上保持できることを示すラベルを含んで成る。本発明はさらに、包装材料、凍結乾燥した少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体を含んで成る第1バイアル、および処方されたバッファーまたは保存剤の水性希釈剤を含んで成る第2バイアルを含んで成る製品を含んで成り、ここで該包装材料は患者が少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体を水性希釈剤中に再構成して、24時間以上の期間にわたり保持できる溶液を形成することを指導するラベルを含んで成る。
【0135】
本発明に従い使用する少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体は、哺乳動物細胞またはトランスジェニック調製物を含む組換え手段により生産できるか、または本明細書に
記載し、または当該技術分野で既知の他の生物起源から精製することができる。
【0136】
本発明の生成物中の少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体の範囲は、湿潤/乾燥系である場合、構成時に約1.0μg/ml〜約1000mg/mlの濃度を生じる量を含むが、より低および高濃度も操作可能であり、そして意図する送達賦形剤に依存し、例えば、溶液組成は経皮用パッチ、肺、経粘膜または浸透圧もしくはミクロポンプ法とは異なるだろう。
【0137】
好ましくは水性希釈剤は場合によりさらに製薬学的に許容できる保存剤を含んで成る。好適な保存剤には、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサール、またはそれらの混合物から成る群から選択されるものを含む。製剤中に使用する保存剤の濃度は、抗−微生物効果を生じるために十分な濃度である。そのような濃度は選択した保存剤に依存し、そして当業者により容易に決定される。
【0138】
他の賦形剤、例えば、張性調整剤、バッファー、酸化防止剤、保存強化剤を場合により、そして好ましくは希釈剤に加えることができる。グリセリンのような張性調整剤は既知の濃度で通常に使用される。生理学的に耐容されるバッファーは好ましくはpH制御の改善を提供するために加える。製剤は約pH4〜約pH10のような広いpH範囲を網羅することができ、そして好ましい範囲は約pH5〜約pH9、そして最も好ましくは約6.0〜約8.0の範囲である。好ましくは本発明の製剤は約6.8から約7.8の間のpHを有する。好適なバッファーにはリン酸バッファー、最も好ましくはリン酸ナトリウム、特にリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)を含む。
【0139】
Tween 20(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート)、Tween 40(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノパルミテート)、Tween 80(ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレート)、Pluronic F68(ポリオキシエチレン ポリオキシプロピレン ブロック コポリマー)およびPEG(ポリエチレングリコール)、あるいはポリソルベート20もしくは80、またはポリオキサマー184もしくは188、Pluronic(商標)ポリリス(polyls)、他のブロック コポリマーのような非イオン性表面活性剤のような製薬学的に許容される可溶化剤、およびEDTAおよびEGTAのようなキレーターのような他の添加剤を、凝集を減らすために製剤または組成物に場合により加えることができる。これらの添加剤は製剤を投与するためにポンプまたはプラスチック容器が使用される場合に特に有用である。製薬学的に許容される表面活性剤の存在は、タンパク質が凝集する傾向を緩和する。
【0140】
本発明の製剤は、少なくとも1つの抗CNGH0010抗体およびフェノール、m−クレゾール、p−クレゾール、o−クレゾール、クロロクレゾール、ベンジルアルコール、アルキルパラベン(メチル、エチル、プロピル、ブチル等)、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンズエトニウム、デヒドロ酢酸ナトリウムおよびチメロサールまたはそれらの混合物から成る群から選択される保存剤を水性希釈剤中で混合することを含んで成る方法により調製することができる。少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体および保存剤を水性希釈剤中で混合することは、通例の溶解および混合手順を使用して行う。適切な製剤を調製するためには、例えば、所望の濃度のタンパク質および保存剤を提供するために十分な量で、バッファー溶液中の計測した量の少なくとも1つの抗CNGH0010抗体を、バッファー溶液中の所望の保存剤と合わせる。この方法の変法は当業者により認識されているだろう。例えば、加える成分の順序、さらなる添加剤を使用するのかどうか、製剤が調製される温度およびpHは、濃度および使用する投与手段のために至適化されるすべての因子であり得る。
【0141】
特許請求する製剤は、透明溶液として、または水、保存剤および/または賦形剤、好ましくはリン酸バッファーおよび/または食塩および選択した塩を水性希釈剤中に含む第2バイアルで再構成する凍結乾燥した少なくとも1つの抗CNGH0010抗体のバイアルを含んで成る2個のバイアルとして患者に提供することができる。単一溶液のバイアルまたは再構成が必要な2個のバイアルのいずれも複数回、再使用でき、そして患者処置の単回または多回サイクルを満たし、そしてこれにより現在利用できるものより都合よい処置法を提供することができる。
【0142】
特許請求する製品は、すぐに、そして24時間以上の期間にわたり投与するために有用である。したがってここで特許請求する製品は、患者に重要な利点を提供する。本発明の製剤は場合により約2〜約40℃の温度で安全に保存され、そして長期間にわたりタンパク質の生物活性を保持することができ、すなわちその溶液が6、12、18、24、36、48、72または96時間以上の期間にわたり保持でき、かつ/または使用できることを示す包装ラベルを付すことを可能とする。保存希釈剤を使用する場合、そのようなラベルは1〜12カ月、半年、および1年半および/または2年までの少なくとも1つの使用を含むことができる。
【0143】
本発明の少なくとも1つの抗CNGH0010抗体の溶液は、少なくとも1つの抗体を水性希釈剤中で混合することを含んで成る方法により調製することができる。混合は通例の溶解および混合手順を使用して行う。適当な希釈剤を調製するためには、例えば、所望の濃度のタンパク質および場合により保存剤またはバッファーを提供するために十分な量で、水またはバッファー中の計測した少なくとも1つの抗体量を合わせる。この方法の変法は当業者により認識されているだろう。例えば、加える成分の順序、さらなる添加剤を使用するかどうか、製剤が調製される温度およびpHは、濃度および使用する投与の手段のために至適化されるすべての因子である。
【0144】
特許請求する製品は、透明溶液として、または水性希釈剤を含む第2バイアルで再構成する凍結乾燥した(少なくとも1つの)抗CNGH0010抗体のバイアルを含んで成る2個のバイアルとして患者に提供することができる。単一溶液のバイアルまたは再構成が必要な2個のバイアルのどちらも多数回再使用することができ、そして患者処置の単回または多回サイクルを満たし、そしてこれにより現在利用できるものより都合よい処置法を提供する。
【0145】
特許請求する製品は、薬局、医院または他のそのような研究所および施設に、透明溶液または水性希釈剤を含む第2バイアルで再構成する凍結乾燥した少なくとも1つの抗CNGH0010抗体の第1バイアルを含んで成る2個のバイアルを提供することより、患者に間接的に提供することができる。この場合、透明溶液は1リットルまで、またはそれより大きなサイズであることができ、大きなリザーバーを提供して、そこからより小さいバイアルに移すために、より少量の少なくとも1つの抗CNGH0010抗体溶液は1または多数回引き出され、そして薬局または医院から使用者および/または患者に提供され得る。
【0146】
これらの単一バイアル系を含んで成る認識されているデバイスには、例えば、ベクトンデッキンソン(Becton Dickensen)(フランクリンレイク、ニュージャージー州、www.bectondickenson.com)、ディスエトロニック(Disetronic)(バーグドルフ、スイス、www.disetronic.com;バイオジェクト(Bioject)ポートランド、オレゴン州(www.bioject.com);ナショナルメディカルプロダクツ(National Medical Products)、ウェストン メディカル(Weston Medical)(ピーターバラ、英国、www.weston−medical.com)、メディ−ジェクト社(Medi−Ject Corp)(ミネアポリス、ミネソタ州、www.mediject.com)により作成または開発されたBD Pen、BD Autojector(商標)、Humaject(商標)、NovoPen(商標)、B−D(商標)Pen、AutoPen(商標)およびOptiPen(商標)、GenotropinPen(商標)、Genotronorm Pen(商標)、Humatro Pen(商標)、Reco−Pen(商標)、Roferon Pen(商標)、Biojector(商標)、Iject(商標)、J−tip Needle−Free Injector(商標)、Intraject(商標)、Medi−Ject(商標)のような溶液送達用のペン型注入デバイスを含む。2個のバイアル系を含んで成る認識されているデバイスは、HumatroPen(商標)のような再構成された溶液を送達するためのカートリッジ中で、凍結乾燥された薬剤を再構成するためのこれらペン−注入系がある。
【0147】
ここで特許請求する製品には包装材料を含む。包装材料は管理会社が必要とする情報に加えて、製品を使用できる条件を提供する。本発明の包装材料は、2つのバイアルの湿潤/乾燥製品について、患者が水性希釈剤中で(少なくとも1つの)抗CNGH0010抗体を再構成して溶液を形成し、そして2〜24時間以上の期間にわたり溶液を使用するための使用説明を提供する。単一バイアルの溶液製品については、ラベルはそのような溶液が2〜24時間以上にわたり使用できることを示す。ここで特許請求する製品は、ヒトの医薬品としての使用に有用である。
【0148】
本発明の製剤は少なくとも1つの抗CNGH0010抗体および選択されたバッファー、好ましくは食塩または選択した塩を含むリン酸バッファーを混合することを含んで成る方法により調製することができる。(少なくとも1つの)抗体CNGH0010抗体およびバッファーを水性希釈剤中で混合することは、通例の溶解および混合法を使用して行う。適当な製剤を調製するためには、例えば、所望の濃度のタンパク質およびバッファーを提供するために十分な量で、水またはバッファー中の計測した量の少なくとも1つ抗体を、水中の所望の緩衝剤と合わせる。この方法の変法は当業者により認識されているだろう。例えば、加える成分の順序、さらなる添加剤を使用するかどうか、製剤が調製される温度およびpHは、濃度および使用する投与手段のために至適化され得るすべての因子である。
【0149】
特許請求する安定な、または保存された製剤は、透明溶液として、または水性希釈剤中に保存剤またはバッファーおよび賦形剤を含む第2バイアルで再構成する凍結乾燥した(少なくとも1つの)抗−CNGH0010抗体を含んで成る2個のバイアルとして患者に提供することができる。単一溶液のバイアルまたは再構成が必要な2個のバイアルのいずれも多数回、再使用することができ、そして単回または複数のサイクルで患者を処置するために十分であり、すなわち現在利用できるものよりも都合良い処置法を提供することができる。
【0150】
抗−CNGH0010抗体を安定化する他の製剤または方法は、抗体を含有する凍結乾燥粉末の透明溶液ではないものを生じるかもしれない。非透明溶液の中では、粒状懸濁液を含んでなる組成物があり、粒状物は変動する寸法の構造の、そして微小球、微粒子、ナノ粒子、ナノスフェア(nanosphere)、またはリポソームとして様々に知られている抗−CNGH0010抗体を含有する組成物である。活性剤を含有するそのような比較的均質な本質的に球状の粒子製剤は、米国特許第4,589,330号明細書に教示されているように、活性物質およびポリマーを含有する水性相および非水性相を接触させ、続いて非水性相を蒸発させて水性相から粒子の合体を生じることにより形成することができる。
多孔性の微粒子は、米国特許第4,818,542号明細書に教示されているように、連
続溶媒中に分散した活性物質およびポリマーを含有する第1相を使用し、そして凍結乾燥または希釈−抽出−沈殿により懸濁液から溶媒を除去することにより調製することができる。そのような調製物に好適なポリマーは、ゼラチン寒天、澱粉、アラビノガラクタン、アルブミン、コラーゲン、ポリグルコール酸、ポリ乳酸、グリコライド−L(−)ラクチドポリ(イプシロン−カプロラクトン、ポリ(イプシロン−カプロラクトン−CO−乳酸)、ポリ(イプシロン−カプロラクトン−CO−グリコール酸)、ポリ(β−ヒドロキシ酪酸)、ポリエチレンオキシド、ポリエチレン、ポリ(アルキル−2−シアノアクリレート)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリアミド、ポリ(アミノ酸)、ポリ(2−ヒドロキシエチル DL−アスパルタミド)、ポリ(エステルウレア)、ポリ(L−フェニルアラニン/エチレングリコール/1,6−ジイソシアナトヘキサン)およびポリ(メチルメタクリレート)からなる群から選択される天然または合成のコポリマーまたはポリマーである。特に好適なポリマーは、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、グリコライドL(−)ラクチドポリ(イプシロン−カプロラクトン、ポリ(イプシロン−カプロラクトン−CO−乳酸)およびポリ(イプシロン−カプロラクトン−CO−グリコール酸のようなポリエステルである。ポリマーおよび/または活性物質を溶解するために有用な溶媒には、水、ヘキサフルオロイソプロパノール、メチレンクロライド、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ベンゼンまたはヘキサフルオロアセトンセスキヒドレートを含む。活性物質を含有する相を第2相で分散する方法には、液滴を形成するために第1相をノズルのオリフィスに通すことを含む。
【0151】
乾燥粉末製剤は、噴霧乾燥または蒸発による溶媒抽出、または結晶組成物の沈殿により、続いて水性もしくは非水性溶媒を除去するための1もしくは複数の工程によるような凍結乾燥以外の方法から得ることができる。噴霧乾燥した抗体調製物の調製は、米国特許第6,019,968号明細書に教示されている。抗体に基づく乾燥粉末組成物は、抗体の溶液もしくはスラリーおよび場合により賦形剤を、吸引可能な乾燥粉末を提供するための条件下で溶媒中にて噴霧乾燥することにより生成する。溶媒は容易に乾燥できる水およびエタノールのような極性化合物を含むことができる。抗体の安定性は、窒素ブランケット下または乾燥ガスとして窒素を使用することによるような、酸素の不存在下で噴霧乾燥する手順を行うことにより強化することができる。別の比較的乾燥している製剤は、典型的には国際公開第99/16419号パンフレットに教示されているような、ヒドロフルオロアルカン推進剤を含んでなる懸濁媒質中に分散された複数の穴を空けたミクロ構造の分散物である。安定化された分散物は、定量吸入器を使用して肺へ投与することができる。噴霧乾燥した薬剤の工業的製造に有用な装置は、ブッチ社(Buchi Ltd.)またはニトロ社(Nitro Corp.)により製造されている。
【0152】
本明細書に記載した安定な、または保護された製剤または溶液中のいずれかの少なくとも1つの抗−CNGH0010抗体は、SCもしくはIM注入;経皮、肺、経粘膜、移植、浸透圧ポンプ、薬包、マイクロポンプ、または当該技術分野で周知であるような当業者が考えられる他の手段を含む種々の送達法を介して、本発明に従い患者に投与することができる。
【実施例】
【0153】
発明の実施例
本発明を一般的に記載してきたが、本発明は以下の実施例を参照にしてより容易に理解され、これらの実施例は具体的説明の目的で提供され、そして限定することを意図しない。
【0154】
本発明は前述の説明および実施例で具体的に記載される以外を実施することができるのは明らかである。
【0155】
本発明の多数の修飾および変更が上記の教示に照らして可能であり、したがって添付する特許請求の範囲の中にある。
実施例1
CNGH0010配列データ
CNGH0010のゲノムヌクレオチド配列(配列番号1)は、16356bpに広がる。GeneScan、Fgenesh(http://genome.ucsc.edu/)およびAcemblyプログラム(http://www.acedb.org/Cornell/acembly/)のような幾つかの遺伝子予測アルゴリズムに基づき、CNGH0010は25エキソン(図1、表1)を含んでなることが予想される。エキソン1、7および18はそれぞれ開始コドンを含み、そしてプロモーター、エンハンサーおよび他の調節モチーフの下流である;これらのエキソンは開始エキソン(initiation exon)として利用することができる。エキソン15および23は、終結コドンを含み、そして終結エキソン(termination exon)として利用できる。選択的スプライシング転写産物の5つの種類が同定され、そしてCNGH0010.1、CNGH0010.2、CNGH0010.3、CNGH0010.4およびCNGH0010.5(それぞれ配列番号2、4、6、8および10、表2)に例示される。
【0156】
【表2】

【0157】
表2は種々のCNGH0010転写産物および各転写産物中に含まれるエキソンを示す
。太字で示すエキソンは各転写産物で不変であるが、各転写産物に関して列挙した他のエキソンは選択的にスプライシングされ、そして場合により種々の転写産物の一部である。表2に示すように、各転写産物に関するヌクレオチドおよびアミノ酸配列は存在するエキソンのまさにその組み合わせに依存して変動する。
【0158】
【表3】

【0159】
CNGH0010.1は、エキソン7、15および18を除き、エキソン1で始まり、そしてエキソン25で終わる任意の転写産物である。これはわずか15エキソン(すなわちエキソン1−5、8、13、14、16、17、19、21−23および25)しかないか、または22ものエキソン(すなわちエキソン1−6、8−14、16、17および19−25)を有することができる。エキソン6、9−12、20および24は、個別に、または組合わさって示差的にスプライシングされ得る。したがってCNGH0010.1転写産物は1809−2132bpの範囲である。それらはエキソン組成に依存して459−555アミノ酸の範囲にあるペプチドをコードする。
【0160】
CNGH0010.2は、エキソン6および7を除き、エキソン1で始まり、そしてエキソン15で終わる任意の転写産物である。これはわずか9エキソン(すなわちエキソン1−5、8および13−15)しかないか、または13ものエキソン(すなわちエキソン1−6および8−15)を有することができる。エキソン9−12は、個別に、または組合わさって示差的にスプライシングされ得る。したがってCNGH0010.2転写産物は1533−1734bpの範囲であり、エキソン組成に依存して373−440アミノ酸の範囲にあるペプチドをコードする。
【0161】
CNGH0010.3は、エキソン15および18を除き、エキソン7で始まり、そしてエキソン25で終わる任意の転写産物である。これはわずか11エキソン(すなわちエキソン7、8、13、14、16、17、19、21−23および25)しかないか、または17ものエキソン(すなわちエキソン7−14、16、17および19−25)を有することができる。エキソン9−12、20および24は、個別に、または組合わさって示差的にスプライシングされ得る。したがってCNGH0010.3転写産物は881−1159bpの範囲であり、エキソン組成に依存して172−253アミノ酸の範囲にあるペプチドをコードする。
【0162】
CNGH0010.4は、エキソン7で始まり、そしてエキソン15で終わる任意の転写産物である。これはわずか5エキソン(すなわちエキソン7、8および13−15)しかないか、または9ものエキソン(すなわちエキソン7−15)を有する。エキソン9−12は、個別に、または組合わさって示差的にスプライスシングされ得る。したがってCNGH0010.4転写産物は445−646bpの範囲であり、エキソン組成に依存して82−149アミノ酸の範囲にあるペプチドをコードする。
【0163】
CNGH0010.5は、エキソン20および24を除き、エキソン18で始まり、そしてエキソン25で終わる任意の転写産物である。これは6エキソン、すなわちエキソン18、19、21−23および25を有する。CNGH0010.5転写産物は、88アミノ酸のペプチドをコードする600bpを含む。
【0164】
これらの5種類に加えて、エキソン5a、5b、7aまたは8aを含む転写産物は、これらのエキソンが対応する転写産物で始まる部位でフレーム外のスプライシング(out−of−frame−splicing)を有し;これはエキソンの部位で、またはエキソンの下流で短縮化されたタンパク質を生じ得る。しばしば、短縮化タンパク質はエキソン13中のヌクレオチド7611位で選択的な開始ATGコドンを使用する。
【0165】
配列番号3のCNGH0010.1アミノ酸配列は、GenBank寄託番号AY358412(国際公開第200061623号パンフレット)に対して449残基にわたり94%の同一性を有する;配列番号5のCNGH0010.2アミノ酸配列は、Dgen No.AAF54238(国際公開第200078961号パンフレット)に対して440残基にわたり100%の同一性を有する;配列番号7のCNGH0010.3アミノ酸配列は、Dgen No.AAH23810(国際公開第200132888号パンフレット)に対して127残基にわたり99%の同一性を有する;配列番号9のCNGH0010.4アミノ酸配列は、Dgen No.ADE28278(国際公開第2003046152号パンフレット)に対して93残基にわたり98%の同一性を有する;そして配列番号11のCNGH0010.5アミノ酸配列は、Dgen No.AAF97894(国際公開第200121658号パンフレット)に対して102残基にわたり85%の同一性を有する。
実施例2
CNGH0010転写産物
5’および3’−RACE(cDNA末端の迅速な分析)は、製造元のプロトコール(カタログ番号L1502−01、インビトロジェン社、カールスバッド、カリフォルニア州)に従い、A431細胞および正常なヒト成人の男性皮膚組織に由来する全RNAについて行った。簡単に説明すると、5μgの全RNAをウシ腸アルカリホスファターゼで脱リン酸化して、非mRNAまたは短縮化mRNAからリン酸基を除去した。次いでRNAはタバコの酸性ピロホスファターゼで処理して成熟mRNAから5’キャップ構造を除去した。次いで既知の配列のRNAオリゴヌクレオチドは、成熟mRNAの5’末端に連結し、次いでSuperscriptRT酵素で逆転写するための鋳型として使用し、独自な既知の配列も含むオリゴdTプライマーでプライムした(primed)。RTは42℃で1.5時間行った。生成したcDNAはそれらの5’末端および3’末端に共通の配列を含み、そしてCNGH0010遺伝子(配列番号12−21、表3)に特異的なネスティッドオリゴヌクレオチドを用いてPCRを介してcDNAのすべてまたは一部を増幅するために使用することができた。
【0166】
【表4】

【0167】
エキソン1中の配列番号12または13とエキソン25中の配列番号18または19(3’UTR−2)は、CNGH0010.1転写産物を増幅するために使用した。エキソン15中の配列番号12または13と配列番号20または21は、CNGH0010.2転写産物を増幅するために使用した。エキソン7中の配列番号14または15とエキソン25中の配列番号18または19は、CNGH0010.3転写産物を増幅するために使用した。エキソン7中の配列番号14または15とエキソン15中の配列番号20または21は、CNGH0010.4転写産物を増幅するために使用した。エキソン18中の配列番号16または17とエキソン25中の配列番号18または19は、CNGH0010.5転写産物を増幅するために使用した。図2に示すRT−PCRデータは、CNGH0010.1(配列番号2)、10.2(配列番号4)が最高レベルであり、次いで10.5(配列番号10)が低いレベルにあり、10.4(配列番号8)が有意に低いレベルであり、そして10.3(配列番号6)がすべての転写産物中で最低であることを示した。
【0168】
図4に示すように、5組のフォーワード/リバースプライマーおよびプローブを設計して、リアルタイムPCRを適用することにより5個のドミナントスプライスバリアントを同定した。各スプライスバリアントについて、フォーワードおよびリバースプライマーおよびTaqmanプローブを示す。種々の濃度のTNFα、LSPおよびIL−2で処理したA431およびHCT116細胞から抽出した全RNAを、cDNA鋳型に逆転写し、これは次いでこれら5組のプライマー/プローブを使用してリアルタイムPCRにより増幅した。CNGH0010.2およびCNGH0010.5は種々の濃度のTNFα、LSPおよびIL−2によりアップレギュレートされた。
【0169】
【表5】

【0170】
実施例3
予想されるCNGH0010タンパク質ドメイン
CNGH0010.1およびCNGH0010.2ポリペプチドは、それぞれ最高555および440アミノ酸を有することができる(それぞれ配列番号3および5)。最初の21アミノ酸はシグナルペプチドを、続いて5個の主要ドメインをコードする(図3)。シグナルペプチドを含む第1ドメインはエキソン1によりコードされ、そして既知のいかなるタンパク質またはタンパク質ドメインにも有意な相同性がない。このドメインはNNPredictプログラムに基づき、アルファ−ヘリックス2次構造の少なくとも6個のサブドメインを形成すると予想される。エキソン2にコードされる第2ドメインは、コラーゲン−およびコラーゲン様分子に見られるようなコイルド−コイルド(coiled−coiled)構造を形成することが知られている19個のグリシン−X−Y反復を有する。このドメインには次いでエキソン4−8によりコードされる示差的にスプライシングされたセリン−グリシンリッチドメインが続く(最高42%のセリン、37%のグリシン)。示差的スプライシングは、セリン−グリシン残基のサイズおよび量を改変すると思われる。
【0171】
示差的にスプライシングされたスペーサードメインはエキソン9−17によりコードされる。この領域をコードするエキソンは、大変小さく36から60ヌクレオチドのサイズの範囲である。この領域はNNPredictプログラムを使用して、もしあるならば最小の2次構造を有することが予想される。この領域に生じる示差的スプライシングは、セリン−グリシンリッチドメインとC−末端ドメインとの間の距離を調節すると思われる。CNGH0010.1(配列番号3)は、既知のタンパク質とは相同性がないエキソン19−23によりコードされる別のドメイン中で終結する。このドメインは予測されるアルファ−ヘリックスの少なくとも2つの領域を有することが予想される。CNGH0010.2(配列番号5)ポリペプチドは、エキソン19−23によりコードされるC−末端ドメインを除き、10.1(配列番号3)ポリペプチド中に含まれるすべてのドメインを含む。CNGH0010.3(配列番号7)ポリペプチドは最高253個のアミノ酸を含むことができ、そして示差的にスプライシングされたセリン−グリシンリッチドメインの一部および示差的にスプライシングされたスペーサードメインおよびC−末端ドメインを含む。CNGH0010.4(配列番号9)ポリペプチドは最高約149個のアミノ酸を含み、そして示差的にスプライシングされたセリン−グリシンリッチドメインの一部および示差的にスプライシングされたスペーサードメインを含む。最後にCNGH0010.5(配列番号11)ポリペプチドは88アミノ酸を有し、そしてエキソン18によりコードされるシグナルペプチドに先行するC−末端ドメインを本質的に含む。
【0172】
CNGH0010のドメインは、コラーゲン様のコイルド−コイル構造を介してコラーゲンまたはアジポネクチンのようなホモ(すべてCNGH0010.1(配列番号3))またはすべてCNGH0010.2(配列番号5))またはヘテロ(CNGH0010.1(配列番号3)およびCNGH0010.2(配列番号5)の混合)−三量体の集成を可能とする。Gly−X−Y反復の幾つかのX−Y位でのプロリンの存在は、未知のメカニズムによりこれら三量体を安定化し、そして分子がコラーゲン様構造を形成するさらなる証拠を提供すると考えられる。組換え的に発現したCNGH0010.2(配列番号5)ポリペプチドの予備的な生化学的特性決定では、この分子がまさにオリゴマーを形成することを示す。SDS−PAGE分析(図4に示す)では、還元および非還元サンプルの両方に存在する一本鎖の2、3および4倍の分子量を持つ分子が示され、オリゴマーの幾つかが共有結合していることを示す。この結果はSELDI質量分析およびゲル濾過HPLCにより確認された。コラーゲン分子に見られるように、三量体鎖間の共有架橋結合は、ポリペプチド中に存在するリシン残基の翻訳後修飾により見ることができる。この修飾はポリペプチドの共有二量体、三量体および多量体(フィブリル)を生じる。CNGH001010.5(配列番号11)分子は本質的にC−末端ドメインであり、そして独自の機能的活性を有することができる。
実施例4
CNGH0010ポリペプチドの分泌
CNGH0010.1および10.2ポリペプチドは、同じ予想されるシグナル配列を有する(配列番号3および5のアミノ酸1−21)。予想されるCNGH0010.5ポリペプチド配列は、異なるシグナル配列を有する(配列番号11のアミノ酸1−24)。His標識CNGH0010融合タンパク質のインビトロでの一過性発現、ならびにCNGH0010.5ミメティボディ(その詳細は実施例6に記載する)は、シグナル配列が細胞外分泌のためにこれらのペプチドを標的としていることが確認された。したがってCNGH0010.1(配列番号4)、10.2(配列番号5)および10.5(配列番号11)ポリペプチドは、恐らく細胞外空間に分泌され、ここでそれらの効果を発揮するのかもしれない。CNGH0010.3およびCNGH0010れ4(配列番号7および9)は、シグナル配列を含まない。
実施例5
選択した疾患組織中の相対的CNGH0010転写産物レベル
CNGH0010プライマーおよびプローブ、プライマー:CNGH0010ss1−GGC GGA GGA AAT GGA CAT AA(配列番号23)、CNGH0010as1−GCT TGG ATT TAA AAT TCT TCC AGA AA(配列番号24)、TaqMan MGBプローブ:CNGH0010p1−6FAM−GCT TTT CAC ACC CGG GT−MGBNFQ(配列番号22)は、Primer Expressソフトウェアを使用して設計し、そしてアプライドバイオシステムズ(Applied Biosystems)(フォスターシティ、カリフォルニア州)により合成した。全RNAを種々の組織から単離し、逆転写し、そしてこれらプライマー/プローブを使用してPCRにより増幅した。CNGH0010の相対的転写産物レベルを以下の表5に示す。
【0173】
【表6】

【0174】
カリブレーション組織である正常なヒト脳RNAと比較した時、上昇したCNGH0010 mRNAレべルが気腫肺組織、グレーヴス病患者または炎症性甲状腺炎の甲状腺組織、炎症性扁桃、子宮内膜症患者の卵巣、糖尿病性膵臓および変形性関節症の関節で検出された。
実施例6
タンパク質発現
CNGH0010.2(配列番号)タンパク質の発現は、ヘキサ−Hisタグのインフレイムにエキソン1−5、8、9、12および13の一部を含有するCNGH0010.2の転写産物の大部分を、CMVプロモーターにより駆動される発現ベクター中にクローニングすることにより行った。この構築物をHEK293細胞にトランスフェクトし、そしてHisタグで精製した。発現し、そして精製した物質のN−末端配列は、精製されたタンパク質の同一性を確認し、そしてシグナルヘプチド分解を示した。発現し、そして精製されたタンパク質のSDS−PAGE分析は、分子がオリゴマーを形成することを示し(図4)、これは非還元MS−SELDI(表面強化レーザー脱着/イオン化)およびゲル濾過HPLCにより確認された。このデータは、CNGH0010.2およびCNGH0010.1転写産物が、エキソン1によりコードされる同じシグナル配列を含むので、細胞外に分泌される能力を有することを示す。加えて、SDS−PAGE、SELDI−MSおよびゲル濾過HPLCは、この分子がオリゴマーを形成する能力を有することを示す。
【0175】
CNGH0010.5(配列番号11)はHEK293細胞中で単独では発現できなか
ったが、ミメティボディとして工作された。アミノ酸1−86を含有するCNGH0010.5コード領域のほとんどは、ヒトIgG1ヒンジ、CHおよびCHに融合したヒトIgHJ2セグメントを含む発現プラスミド中に工作された。プラスミドは組換え遺伝子の転写のためにCMVプロモーターを含み、そしてアミノ酸1−24をコードするCNGH0010.5内因性シグナル配列を利用した。この構築物はHEK293細胞に一時的にトランスフェクトされ、そして生成した分泌された分子をプロテインAアフィニティビーズにより精製した。SDS−PAGE分析では、CNGH0010.5成熟アミノ酸配列、続いてヒトIgG1のJ2、ヒンジ、CHおよびCHを含有する予想された分子量のタンパク質が発現したにとを確認した。
【0176】
CNGH0010.2(配列番号5)およびCNGH0010.5(配列番号11)タンパク質のA431およびHCT116細胞中での発現レベルを、TNF−αおよびLPSによる刺激に応答して測定した。TNF−αおよびLPSによる刺激は、CNGH0010.2(配列番号5)およびCNGH0010.5(配列番号11)の発現の増加を引き起こした。同様に、CNGH0010.2(配列番号5)およびCNGH0010.5(配列番号11)は、IL−2の存在下で増加した。加えて、IL−6、IL−8およびGMCSFレベルは、A431細胞においてTNF−α処理によっても増大し、そしてそれらはキメラ、抗−TNF−α抗体の存在下で減少した。IL−6は重要な炎症性サイトカインであり、TNF−α処理でのCNGH0010.2および10.5の増加に伴うこのサイトカインの増加は、CNGH0010のメカニズムおよび炎症性応答の可能性を示す。
IL−8は炎症に重要な役割を果たすケモカインである。これは炎症部位にリンパ球および白血球を集め、そして他のサイトカイン生産を刺激する。GMCSFはマクロファージ/単球ならびに他のリンパ球の刺激物質であり、これらも炎症応答に役割を果たす。この証拠は、CNGH0010が炎症の調節に役割を有し、したがって治療的展開の良い標的となり得ることを示唆する。
【0177】
本発明を特定の具体的態様を参照にして説明し、そして記載してきたが、本発明は詳細に示した態様に限定されることを意図していない。むしろ本発明は本明細書に開示するCNGH0010ポリペプチド、ポリヌクレオチド、抗体、装置およびキットならびにそれらの使用を対象とし、そして種々の修飾が特許請求の均等物の観点および範囲で、しかも本発明の精神から逸脱することなく詳細になされ得る。
【図面の簡単な説明】
【0178】
【図1】垂直線により表すエキソンおよび曲がった矢印で表す転写開始部位を含むCNGH0010遺伝子のゲノム構造を表す。
【図2】A431細胞からRNAを使用してRT−PCRにより定めた相対的転写産物レベルを示す。
【図3】CNGH0010転写産物によりコードされるアミノ酸の発現データおよび分析に基づき予想されるタンパク質ドメインを示す。
【図4】HEK293細胞中で発現したCNGH0010.2の還元型および非還元型サンプルのSDS−PAGEを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配列番号2、4、6、8および10からなる群から選択されるヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項2】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項3】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの自然に存在する対立遺伝子バリアントをコードする単離された核酸分子。
【請求項4】
配列番号2、4、6、8および10のいずれかの1つに対して少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項5】
配列番号2、4、6、8および10のいずれかの1つに対して少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項6】
配列番号2、4、6、8および10のいずれかの1つの部分に対して少なくとも90%の同一性を有する少なくとも45ヌクレオチド残基のヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項7】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメントをコードする単離された核酸分子であって、フラグメントが配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも15個の連続するアミノ酸残基を含んでなるアミノ酸配列を有する、上記の単離された核酸分子。
【請求項8】
ヌクレオチド配列がさらに異種ポリペプチドをコードする部分を含んでなる、請求項1に記載の核酸分子。
【請求項9】
さらにベクター核酸残基を含んでなる、請求項1ないし8のいずれかに記載の核酸分子。
【請求項10】
請求項9に記載の核酸分子を含んでなるベクター。
【請求項11】
請求項9に記載の核酸分子を含む宿主細胞。
【請求項12】
宿主細胞が哺乳動物、細菌、酵母または昆虫起源である、請求項11に記載の宿主細胞。
【請求項13】
(i)配列番号1、2、4、6、8および10のいずれかに対して少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸分子と、約45℃で6×SSC中でハイブリダイズし、続いて約65℃で0.2×SSC、0.1%SDS中で洗浄する化合物、ならびに(ii)使用説明書、を含んでなるキット。
【請求項14】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項15】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列を有するポリペプチドの自然に存在する対立遺伝子バリアントを含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項16】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項17】
配列番号3、5、7、9および11からなる群から選択されるアミノ酸配列の少なくとも15個の連続するアミノ酸を含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項18】
異種ポリペプチドに操作可能に連結された請求項14に記載のポリペプチドを含んでなる融合ポリペプチド。
【請求項19】
異種ポリペプチドが免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーまたは該メンバーのフラグメントである、請求項18に記載の融合ポリペプチド。
【請求項20】
上記ポリペプチドがCNGH0010ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、請求項14ないし19のいずれかに記載のポリペプチド。
【請求項21】
請求項14ないし19のいずれかに記載のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナルもしくはポリクローナル抗体、融合タンパク質またはそれらのフラグメントを含んでなる抗体。
【請求項22】
請求項21の抗体をコードする単離された核酸分子。
【請求項23】
CNGH0010抗体が検出可能または回収可能な量で発現される、請求項22に記載の核酸分子をin vitro、in vivoまたはin situの条件下で翻訳することを含んでなる、少なくとも1つのCNGH0010抗体の生産法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法により生産される抗体。
【請求項25】
請求項22に記載の単離された核酸分子を含んでなるベクター。
【請求項26】
宿主細胞が原核細胞または真核細胞である、請求項22に記載の単離された核酸分子を含んでなる宿主細胞。
【請求項27】
宿主細胞が、COS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、HepG2、653、SP2/0、293、HeLa、ミエローマ細胞およびリンパ腫細胞、またはそれらの任意の誘導体、不死化または形質転換した細胞から選択される1もしくは複数である請求項26に記載の宿主細胞。
【請求項28】
CNGH0010ポリペプチドが検出可能または回収可能な量で発現される、請求項1に記載の核酸分子をイン ビトロ(in vitro)、イン ビボ(in vivo)またはイン サイチュ(in situ)の条件下で翻訳することを含んでなる、少なくとも1つのCNGH0010ポリペプチドの生産法。
【請求項29】
請求項28に記載の方法により生産されるポリペプチド。
【請求項30】
組換え抗体を請求項14ないし19のいずれか1項に記載のポリペプチドで免疫感作またはスクリーニングすることを含んでなる、ポリペプチドに対する抗体の生成法。
【請求項31】
請求項1に記載の核酸分子、請求項14に記載のポリペプチドまたはポリペプチドに対する抗体を含んでなる組成物。
【請求項32】
請求項1に記載の核酸分子、請求項14に記載のポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体の1もしくは複数のアゴニストまたはアンタゴニストを含んでなる組成物。
【請求項33】
上記組成物がさらに製薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含んでなる、請求項32に記載の組成物。
【請求項34】
検出可能な標識またはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸(GI)管薬、ホルモン薬、流体または電解質バランスのための薬、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、目、耳または鼻薬、局所用薬、栄養補助剤、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される化合物、組成物またはポリペプチドの1もしくは複数を含んで成る組成物と組み合わせて投与される請求項32に記載の組成物。
【請求項35】
液体またはガス溶液、混合物、懸濁液、エマルジョンまたはコロイド、凍結乾燥調製物および粉末からなる群から選択される1もしくは複数の状態の請求項32に記載の組成物。
【請求項36】
細胞、組織、臓器または動物中の請求項1に記載の核酸分子、請求項14に記載のポリペプチドおよびポリペプチドに対する抗体の1もしくは複数を検出する手段を含んでなる組成物を接触または投与することを含んでなる、該細胞、組織、臓器または動物のCNGH0010関連状態の診断法。
【請求項37】
有効量の請求項31に記載の組成物またはその組成物に対するアゴニストもしくはアンタゴニストの1もしくは複数を含んでなる組成物を、細胞、組織、臓器または動物に接触または投与することを含んでなる、該細胞、組織、臓器または動物のCNGH0010関連状態の処置法。
【請求項38】
上記有効量が上記細胞、組織、臓器または動物1キログラムあたり約0.001−50mgの抗体;約0.000001−500mgのポリペプチド;または約0.0001−100μgの核酸分子である請求項37に記載の方法。
【請求項39】
上記接触または投与が、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、網内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内および経皮からなる群から選択される1もしくは複数の様式による、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
検出可能な標識もしくはレポーター、TNFアンタゴニスト、抗感染薬、心血管(CV)系薬、中枢神経系(CNS)薬、自律神経系(ANS)薬、気道薬、胃腸管(GI)薬、ホルモン薬、流体もしくは電解質バランスのための薬剤、血液製剤、抗腫瘍薬、免疫調節薬、目、耳もしくは鼻の薬、局所用薬、栄養補助剤、サイトカインおよびサイトカインアンタゴニストからなる群から選択される有効量の化合物またはポリペプチドの1もしくは複数を含んで成る少なくとも1つの組成物を、上記接触または投与工程の前、それと同時または後に投与することをさらに含んでなる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
細胞、組織、臓器または動物中で、有効量のCNGH0010核酸分子またはCNGH0010ポリペプチドレベルまたはCNGH0010活性のモジュレーターの1もしくは複数を含んでなる組成物を患者に接触または投与することを含んでなる、該細胞、組織、臓器または動物のCNGH0010関連状態の処置法。
【請求項42】
有効量の請求項31に記載の組成物または組成物に対するアゴニストもしくはアンタゴニストを含んでなる組成物を、細胞、組織、臓器または動物に接触または投与することを含んでなる、該細胞、組織、臓器または動物の上皮関連状態の処置法。
【請求項43】
細胞、組織、臓器または動物中で有効量のCNGH0010核酸分子またはCNGH0010ポリペプチドレベルまたはCNGH0010活性のモジュレーターの少なくとも1つを含んでなる組成物を患者に接触または投与することを含んでなる、該細胞、組織、臓器または動物の上皮関連状態の処置法。
【請求項44】
請求項1に記載の核酸分子、請求項14に記載のポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体のアゴニストもしくはアンタゴニストの1もしくは複数を含んでなるデバイスであって、該デバイスが該ポリペプチド、抗体、アゴニスト、アンタゴニストまたは核酸の1もしくは複数を、非経口、皮下、筋肉内、静脈内、網内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内および経皮からなる群から選択される1もしくは複数の様式により接触または投与するために適する上記デバイス。
【請求項45】
包装材料および請求項1に記載の核酸分子、請求項14に記載のポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体、アゴニストもしくはアゴニストの1もしくは複数を含んでなる容器を含んでなる、ヒトの製薬学的または診断的使用のための製品。
【請求項46】
上記容器が非経口、皮下、筋肉内、静脈内、網内、気管支内、腹内、嚢内、軟骨内、洞内、腔内、小脳内、脳室内、結腸内、頸管内、胃内、肝臓内、心筋内、骨内、骨盤内、心膜内、腹腔内、胸膜腔内、前立腺内、肺内、直腸内、腎臓内、網膜内、脊椎内、滑液包内、胸内、子宮内、膀胱内、病変内局所、ボーラス、膣、直腸、頬内、舌下、鼻内または経皮送達デバイスまたはシステムの構成要素である、請求項45に記載の製品。
【請求項47】
請求項1に記載の核酸、請求項14に記載のポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体、アゴニストもしくはアゴニストの1もしくは複数を生産する方法であって、該核酸を転写し、かつ/または検出可能または回収可能な量の該ポリペプチドまたは抗体を発現することができるベクター、宿主細胞、トランスジェニック動物、トランスジェニック植物または植物細胞の1もしくは複数を提供することを含んでなる上記方法。
【請求項48】
請求項47に記載の方法により生産されるポリペプチド、抗体、アゴニスト、アンタゴニストまたは核酸分子。
【請求項49】
生物学的サンプル中の請求項1ないし8のいずれかに記載の核酸分子、または請求項14ないし19のいずれかに記載のポリペプチドの存在または不存在を検出する方法であって、被検体から生物学的サンプルを得、そして生物学的サンプルを該ポリペプチドを検出することができる化合物または作用物質と接触させることを含んでなり、生物学的サンプル中のポリペプチドまたは核酸分子の存在が検出される、上記方法。
【請求項50】
配列番号1のヌクレオチド101−526(エキソン1)、786−986(エキソン
2)、1099−1155(エキソン3)、1763−1813(エキソン4)、1983−2165(エキソン5)、3324−3392(エキソン8)、7590−7637(エキソン13)、7811−7858(エキソン14)、10690−10746(エキソン16)、11393−11440(エキソン17)、12996−13043(エキソン19)、13547−13618(エキソン21)、14679−14702(エキソン22)、14813−14860(エキソン23)および16038−16356(エキソン25)のヌクレオチド配列、および任意に配列番号1のヌクレオチド2936−2980(エキソン6)、3615−3665(エキソン9)、5336−5371(エキソン10)、6065−6118(エキソン11)、7391−7450(エキソン12)、13157−13198(エキソン20)および15895−15929(エキソン24)からなる群からの1もしくは複数、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項51】
配列番号1のヌクレオチド101−526(エキソン1)、786−986(エキソン2)、1099−1155(エキソン3)、1763−1813(エキソン4)、1983−2165(エキソン5)、3324−3392(エキソン8)、7590−7637(エキソン13)、7811−7858(エキソン14)および10129−10155(エキソン15)のヌクレオチド配列、および任意に配列番号1のヌクレオチド3615−3665(エキソン9)、5336−5371(エキソン10)、6065−6118(エキソン11)および7391−7450(エキソン12)からなる群からの1もしくは複数、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項52】
配列番号1のヌクレオチド3149−3205(エキソン7)、3324−3392(エキソン8)、7590−7637(エキソン13)、7811−7858(エキソン14)、10690−10746(エキソン16)、11393−11440(エキソン17)、12996−13043(エキソン19)、13547−13618(エキソン21)、14679−14702(エキソン22)、14813−14860(エキソン23)および16038−16356(エキソン25)のヌクレオチド配列、および任意に配列番号1のヌクレオチド3615−3665(エキソン9)、5336−5371(エキソン10)、6065−6118(エキソン11)、7391−7450(エキソン12)、13157−13198(エキソン20)および15895−15929(エキソン24)からなる群からの1もしくは複数、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項53】
配列番号1のヌクレオチド3149−3205(エキソン7)、3324−3392(エキソン8)、7590−7637(エキソン13)、7811−7858(エキソン14)および10129−10155(エキソン15)のヌクレオチド配列、および任意に配列番号1のヌクレオチド3615−3665(エキソン9)、5336−5371(エキソン10)、6065−6118(エキソン11)および7391−7450(エキソン12)からなる群からの1もしくは複数、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項54】
請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有するヌクレオチド配列、または該ヌクレオチド配列の正確な相補鎖を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項55】
請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列にコードされるアミノ酸配列を有するポリペプチドのフラグメントをコードする単離された核酸分子であって、フラグメントが請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列の少なくとも15個の連続するアミノ酸残基を含んでなるアミノ酸配列を有する、
上記の単離された核酸分子。
【請求項56】
ヌクレオチド配列がさらに異種ポリペプチドをコードする部分を含んでなる、請求項50ないし53のいずれかに記載の核酸分子。
【請求項57】
さらにベクター核酸残基を含んでなる、請求項50ないし53のいずれかに記載の核酸分子。
【請求項58】
請求項57に記載の核酸分子を含んでなるベクター。
【請求項59】
請求項57に記載の核酸分子を含む宿主細胞。
【請求項60】
宿主細胞が哺乳動物、細菌、酵母または昆虫起源である、請求項59に記載の宿主細胞。
【請求項61】
(i)請求項50ないし53のいずれかに記載のヌクレオチド配列と少なくとも95%の同一性を有するヌクレオチド配列を有する核酸分子と、約45℃で6×SSC中でハイブリダイズし、続いて約65℃で0.2×SSC、0.1%SDS中で洗浄する化合物、ならびに(ii)使用説明書、を含んでなるキット。
【請求項62】
請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列によりコードされる単離されたポリペプチド。
【請求項63】
請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列と少なくとも90%の同一性を有するアミノ酸配列を含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項64】
請求項50ないし53に記載の任意のヌクレオチド配列によりコードされるアミノ酸配列の少なくとも15個の連続するアミノ酸を含んでなる単離されたポリペプチド。
【請求項65】
異種ポリペプチドに操作可能に連結された請求項62に記載のポリペプチドを含んでなる融合ポリペプチド。
【請求項66】
異種ポリペプチドが免疫グロブリンタンパク質ファミリーのメンバーまたは該メンバーのフラグメントである、請求項65に記載の融合ポリペプチド。
【請求項67】
上記ポリペプチドがCNGH0010ポリペプチドの少なくとも1つの活性を有する、請求項62に記載のポリペプチド。
【請求項68】
請求項62に記載のポリペプチドに特異的に結合するモノクローナルもしくはポリクローナル抗体、融合タンパク質またはそれらのフラグメントを含んでなる抗体。
【請求項69】
請求項68の抗体をコードする単離された核酸分子。
【請求項70】
抗体が検出可能または回収可能な量で発現される、請求項69に記載の核酸分子をイン
ビトロ(in vitro)、イン ビボ(in vivo)またはイン サイチュ(in situ)の条件下で翻訳することを含んでなる抗体の生産法。
【請求項71】
請求項70に記載の方法により生産される抗体。
【請求項72】
請求項69に記載の単離された核酸分子を含んでなるベクター。
【請求項73】
宿主細胞が原核細胞または真核細胞である、請求項69に記載の単離された核酸分子を含んでなる宿主細胞。
【請求項74】
宿主細胞が、COS−1、COS−7、HEK293、BHK21、CHO、BSC−1、HepG2、653、SP2/0、293、HeLa、ミエローマ細胞およびリンパ腫細胞、またはそれらの任意の誘導体、不死化または形質転換した細胞から選択される1もしくは複数である請求項73に記載の宿主細胞。
【請求項75】
CNGH0010ポリペプチドが検出可能または回収可能な量で発現される、請求項50ないし53のいずれかに記載の核酸分子をin vitro、in vivoまたはin situの条件下で翻訳することを含んでなるCNGH0010ポリペプチドの生産法。
【請求項76】
請求項75に記載の方法により生産されるポリペプチド。
【請求項77】
組換え抗体を請求項62に記載のポリペプチドで免疫感作またはスクリーニングすることを含んでなる、ポリペプチドの抗体の生成法。
【請求項78】
請求項50ないし53のいずれかに記載の核酸分子、核酸分子にコードされるポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体の1もしくは複数を含んでなる組成物。
【請求項79】
請求項50ないし53のいずれかに記載の核酸分子、核酸分子にコードされるポリペプチド、およびポリペプチドに対する抗体の1もしくは複数のアゴニストもしくはアンタゴニストを含んでなる組成物。
【請求項80】
上記組成物がさらに少なくとも1つの製薬学的に許容され得る担体または希釈剤を含んでなる、請求項79に記載の組成物。
【請求項81】
配列番号1のヌクレオチド1983−2076(エキソン5a)、2117−2165(エキソン5b)、3168−3197(エキソン7a)および3189−3393(エキソン8a)からなる群からの1もしくは複数を含有する短縮化CNGH0010ヌクレオチド配列を含んでなる単離された核酸分子。
【請求項82】
本明細書に記載する任意の発明。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2007−525946(P2007−525946A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513428(P2006−513428)
【出願日】平成16年4月30日(2004.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2004/013211
【国際公開番号】WO2004/098502
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(503054122)セントカー・インコーポレーテツド (74)
【Fターム(参考)】