説明

Cu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲット

【課題】高品質なCu−Ga合金粉末を容易に製造することができるCu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供する。
【解決手段】Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化することにより、Cu−Ga合金粉末を得る。また、このCu−Ga合金粉末を成型し、焼結することにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)太陽電池の光吸収層の形成に使用されるCu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、クリーンエネルギーの一つとして、太陽光発電が注目され、結晶系Siの太陽電池が主に使用されているが、供給面やコストの問題から、変換効率の高いCIGS(Cu−In−Ga−Se四元系合金)系の太陽電池が注目されている。
【0003】
CIGS太陽電池は、基本構造として、ソーダライムガラス基板の上に形成された裏面電極となるMo電極層と、このMo電極層の上に形成された光吸収層となるCu−In−Ga−Se四元系合金膜と、このCu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の上に形成されたZnS、CdSなどからなるバッファ層と、このバッファ層の上に形成された透明電極とを備える。
【0004】
Cu−In−Ga−Se四元系合金膜からなる光吸収層の形成方法としては、蒸着法が知られているが、より広い面積での均一な膜を得るためにスパッタ法によって形成する方法が提案されている。スパッタ法は、先ず、Inターゲットを使用してスパッタによりIn膜を成膜し、このIn膜の上にCu−Ga合金スパッタリングターゲットを使用してスパッタすることによりCu−Ga合金膜を成膜し、得られたIn膜及びCu−Ga合金膜からなる積層膜をSe雰囲気中で熱処理してCu−In−Ga−Se四元系合金膜を形成する方法である。このスパッタ法により形成されたCu−In−Ga−Se四元系合金膜の品質は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの品質に大きく依存するため、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットが望まれている。
【0005】
Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法としては、溶解法と粉末焼結法が知られている。溶解法は、溶解鋳造したCIGS系太陽電池用途の組成のCu−Ga合金が脆くて割れやすいという問題がある。一方、粉末焼結法は、均一な組成が得られることからスパッタリングターゲットの製造方法として有望視されている。
【0006】
粉末焼結法としては、例えば、特許文献1には、高Ga含有Cu−Ga合金粉末と、純Cu又は低Ga含有Cu−Ga合金粉末とを配合してホットプレスにてスパッタリングターゲットを製造することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−138232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
Gaは融点が29.78℃と極めて低融点であるため、Cu粉とGaから直接焼結体を得ることはできないので、粉末焼結法の原料にはCu−Ga合金粉末が用いられる。一般には、Cu−Ga合金が脆性材であることを利用して、一旦CuとGaを溶解して合金化し、これを粉砕してCu−Ga合金粉末を得ている。すなわち、Cu−Ga合金粉末を得るために、CuとGaを高温にて溶解させるプロセス及びCu−Ga合金インゴットを粉砕させる等の粉末化のプロセスが必要である。
【0009】
本発明は、前記実情に鑑みて提案されたものであり、高品質なCu−Ga合金粉末を容易に製造することができるCu−Ga合金粉末の製造方法及びCu−Ga合金粉末、並びにCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法及びCu−Ga合金スパッタリングターゲットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、Cu粉末とGaとを所定の割合で配合し、所定の温度範囲で合金化することにより、高品質なCu−Ga合金粉末が容易に得られ、また、高品質なCu−Ga合金スパッタリングターゲットが得られることが分かった。
【0011】
すなわち、本発明に係るCu−Ga合金粉末の製造方法は、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係るCu−Ga合金粉末は、上述した製造方法により製造されることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法は、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化し、Cu−Ga合金粉末を作製する作製工程と、Cu−Ga合金粉末を成型し、焼結する焼結工程とを有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係るCu−Ga合金スパッタリングターゲットは、上述した製造方法により製造されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、高品質なCu−Ga合金粉末が容易に得られ、均一性、加工性に優れたCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】Cu−Ga合金粉末を模式的に示す断面図である。
【図2】本実施の一実施の形態におけるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法の概要を説明するための図である。
【図3】EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金粉末の断面写真である。
【図4】EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金焼結体の断面写真である。
【図5】EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金粉末の断面写真である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
<1.Cu−Ga合金粉末の製造方法>
(原料)
Cu−Ga合金粉末の原料として、Cu粉末及びGaが用いられる。Cu粉末及びGaの純度は、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットから形成されるCIGS光吸収層の特性に影響を与えないように適宜選択される。
【0019】
Cu粉末は、例えば、電解法又はアトマイズ法により製造される電解Cu粉又はアトマイズCu粉を使用することができる。電解Cu粉は、硫酸銅溶液などの電解液中で電気分解により陰極に海綿状又は樹枝状の形状のCuを析出させて製造される。アトマイズCu粉は、ガスアトマイズ法、水アトマイズ法、遠心アトマイズ法、メルトエクストラクション法などにより球状又は不定形の形状のCu粉末が製造される。なお、Cu粉末は、これらの方法以外で製造されたものを使用してもよい。
【0020】
Cu粉末の平均粒径は、1〜300μmであることが好ましい。Cu粉末の平均粒径が1μm以上であることにより、Cu粉末の飛散を防止して特別な取り扱いが不要となるとともに、Cu粉末のかさ容量の増加により合金粉末製造装置が大型化し、高額な装置が必要となるのを防ぐことができる。また、Cu粉末の平均粒径が300μm以下であることにより、Gaが被覆しなければならないCu粉末の表面積(BET)が不足して、余剰となった未反応の液相Gaが残り易くなるのを防止することができる。
【0021】
なお、Cu粉末の平均粒径は、Cu粉末の粒度分布をレーザー回折法で測定し、小径側から積算して、その値が全粒径に渡った積算値の半分になる粒径(D50)である。
【0022】
Gaは、融点が低い金属(融点:29.78℃)であり、加熱により容易に融解する。融解したGaはCu粉末を被覆して二元系合金化する。Gaの形状には、制限はないが、小片であると秤量が容易である。小片はGaを室温近傍で溶解して鋳造し、鋳造物を砕いて得ることができる。
【0023】
(配合)
Cu粉末とGaとは、質量比で85:15〜55:45の割合で配合する。Gaは、融点が低い金属(融点:29.78℃)であるため、加熱することにより容易に融解し、融解したGaがCu粉末を被覆する。Ga量が15質量%以上であることにより、Gaによる均一被覆が可能となると共に、得られた粉末を焼結した際に均一な合金組織にすることが可能となる。また、Ga量が45質量%以下であることにより、Cu粉末の間に存在する多量のGaによって粉末同士が結合して塊状になるのを防ぎ、合金粉末の収率を向上させることができる。
【0024】
また、Ga量のさらに望ましい範囲は25〜41質量%である。Gaが25質量%以上であることにより、短時間で均一被覆にすることができ、また、Gaが41質量%以下であることにより、短時間で被覆したGaを合金化することができる。
【0025】
(合金化)
上述した質量比でCu粉末とGaとが配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化し、Cu−Ga合金粉を作製する。具体的には、上述した質量比で秤量したCu粉末とGa小片を、Gaの融点よりも高くCuの融点よりも低い温度、すなわち、30〜700℃の範囲で温度を制御し、Cu粉末の表面又は内部にCu−Ga二元系合金を形成する。
【0026】
例えば、混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で攪拌することにより、Cu粉末の表面にCu−Ga二元系合金層を形成し、強度、成形性に優れたCu−Ga合金粉末を得ることができる。また、例えば、混合粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で攪拌することにより、Cu粉末の内部にCu−Ga二元系合金を形成し、均一組成のCu−Ga合金粉末を得ることができる。また、混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で攪拌して合金化し、さらに、この合金化粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で熱処理してもよい。
【0027】
このように合金化の際、混合粉末を30℃以上の温度で加熱することにより、Gaを融解させ、合金化反応を進行させることができる。また、混合粉末を700℃以下の温度で加熱することにより、高温に対応する高価な設備を不要とし、また、加熱に要する電力を削減することができる。
【0028】
Cu−Ga合金粉末は、次のような過程を経て形成されるものと考えられる。融点を超えて液体となったGaは、混合のせん断運動によって小さな液滴になりながらCu粉末間に均一に分散する。分散したGa液滴は、Cu粉末の周囲に付着し、Cu粉末とGa液滴が接触するとCu粉末にGaの拡散が始まり、Ga濃度が高まるともにCu−Ga金属間化合物を生成しながら合金化反応が進行する。このとき、粉末の表面はGa濃度の高いCu−Ga金属間化合物層であって、中心部は純Cu又はGaを固溶したCu相となる。
【0029】
このCu粉末とGaとの混合は、均一な合金化反応の進行に有効である。また、混合のせん断運動は、粉同士の固着による塊状物の生成も抑制していると思われる。塊状物が生成してしまうと、ホットプレスなどの焼結工程において、焼結体中に空孔が生成したりし、密度が不均一なってしまう。
【0030】
加熱・混合には、容器内を攪拌羽根や攪拌ブレードが運動する混合装置を使用することができる。また、円筒、ダブルコーン、ツインシェルなどの回転容器型の混合装置を使用してもよい。また、容器の内部にボールを投入して混合を強化してもよい。
【0031】
容器材質は、加熱に対する耐熱性と、Ga及びCu−Ga合金の付着抑制の観点から選ばれる。例えば、ホウケイ酸ガラス、石英ガラスなどのガラス容器、アルミナやジルコニアなどのセラミックス容器、テフロン樹脂容器、テフロン被覆容器、ホーロー容器などが使用できる。
【0032】
加熱・混合は、アルゴンガスや窒素ガスといった不活性雰ガス囲気中で行うのが好ましい。不活性雰ガス囲気中で加熱・混合することにより、合金粉の酸素含有量の増加を抑制することができる。
【0033】
(Cu−Ga合金粉末)
図1は、上述した製法によって得られるCu−Ga合金粉末を模式的に示す断面図である。このCu−Ga合金粉末は、Gaを15〜45質量%含み、残部がCuと不可避不純物からなる。
【0034】
図1(A)に示すCu−Ga合金粉末は、Cu粉末とGaとが配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で合金化したものである。このCu−Ga合金粉末は、表面のCu−Ga二元系合金層11と、中心部のCu12とを備えている。このような構成のCu−Ga合金粉末によれば、中心部のCu12により、強度が増し、優れた成形性を得ることができる。また、このCu−Ga合金粉末を焼結することにより、均一組成のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
【0035】
また、図1(B)に示すCu−Ga合金粉末は、Cu粉末とGaとが配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で攪拌して合金化したものである。又は、混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で攪拌して合金化し、さらに、この合金化粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で熱処理したものである。このCu−Ga合金粉末は、均一組成のCu−Ga二元系合金21からなるため、このCu−Ga合金粉末を焼結することにより、均一組成のCu−Ga合金スパッタリングターゲットを容易に得ることができる。
【0036】
<2.Cu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法>
次に、上述したCu−Ga合金粉末を用いたCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法について説明する。
【0037】
図2は、本実施の一実施の形態におけるCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法の概要を説明するための図である。Cu−Ga合金粉末を作製する作製工程(A)と、Cu−Ga合金粉末を焼結する焼結工程(B)と、仕上げ工程(C)とを有する。
【0038】
作製工程(A)では、上述したCu−Ga合金粉末の製造方法と同様であり、Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化し、Cu−Ga合金粉末を得る。このCu−Ga合金粉末は、例えば、図2(A)に示すように攪拌羽根が回転し、容器の外周にヒータが設置された混合装置により得ることができる。
【0039】
次の焼結工程(B)では、Cu−Ga合金粉末を、例えばプレスにて成形し、この成形体を真空中で、400〜800℃で焼結する粉末焼結法を用いることができる。400〜800℃で焼結することにより、CuやGaが拡散するため、均一に合金化したCu−Ga合金焼結体が得られる。焼結方法は、不活性ガス雰囲気中での焼結でもよく、また、原料粉末を高温で耐熱性の型に入れて加圧するホットプレス法(HP法)、加圧媒体であるガスを用いて、高温高圧下で被処理物を等方的に加圧する熱間静水圧加圧焼結法(HIP法)などで作製してもよい。この中でもホットプレス法によれば、高密度の焼結体を安価に得ることができる。
【0040】
仕上げ工程(C)では、Cu−Ga合金焼結体の表面を研削により平面に仕上げ、Cu製のバッキングプレートにボンディングすることにより、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを得ることができる。
【0041】
このようにCu粉末とGaとを所定の割合で配合し、所定の温度範囲で合金化することにより、従来のようにCuとGaを一旦高温で溶解鋳造した後、Cu−Ga合金インゴットを粉砕するような工程が無いため、高品質なCu−Ga合金粉末を容易に得ることができる。また、組成が均一なCu−Ga合金スパッタリングターゲットを容易且つ安価に得ることができる。
【実施例】
【0042】
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0043】
(実施例1)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした容量300mLの磁器製ビーカーと、この磁器製ビーカーにガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。
【0044】
アトマイズCu粉末(平均粒径106μm、酸素:0.04wt%)を68.0g、Gaの小片を32.0g秤量し、ビーカーに投入して攪拌しながら300℃、45分間、アルゴンガス雰囲気中で加熱混合を実施した。その結果、得られた粉末は、Cu粉の色ではなく灰白色の粉であった。
【0045】
また、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)(JXA−8100:日本電子株式会社製)により、得られた粉末の断面を、加速電圧15kVでマッピング分析を行った。図3は、EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金粉末の断面写真である。この図3において、(A)はCu−Ga合金粉末の二次電子像、(B)はCuマッピング像、(C)はGaマッピング像である。このマッピング像は、Cu濃度又はGa濃度が青〜赤で示され、濃度が高いほど赤色で示される。Cuマッピング像では、粉末内部が赤色、粉末表面が水色であり、Gaマッピング像では、粉末内部が黒色、粉末表面が橙色であることから、Cu−Ga合金粉末は、Cu粉末の表面にCu−Ga二元系合金層が形成されていることが分かった。
【0046】
次に、プレス機、及び100mm×100mm角のプレス型を用い、Cu−Ga合金粉末を196MPaの圧力にてプレス成形した。この成形体を真空焼結炉(島津メクテム株式会社製)で真空度が2×10−2Pa、温度が700℃の条件で、1時間、焼結を行い、長さ100mm、幅100mm、厚さ5mmのCu−Ga合金焼結体を作製した。
【0047】
このようにして得られたCu−Ga合金焼結体の組成の均一性を評価するために、焼結体の一部を切断し、断面のEPMAマッピング分析を行った。図4は、EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金焼結体の断面写真である。この図4において、(A)はCu−Ga合金焼結体の二次電子像、(B)はCuマッピング像、(C)はGaマッピング像である。マッピング像は、図3と同様に、濃度が青〜赤で示され、濃度が高いほど赤色で示される。この図4に示す結果より、Cu−Ga合金焼結体のCuとGaとが均一に合金化されていることが分かった。
【0048】
また、Cu−Ga合金焼結体を、平面研削を行い、機械加工により長さ100mm、幅100mm、厚さ4mmのサイズに仕上げ、Cu製バッキングプレートにボンディングしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットとした。
【0049】
(実施例2)
原料のCu粉末を、アトマイズCu粉末(平均粒径37μm、酸素:0.03wt%)としたこと、及び加熱温度を400℃、加熱時間を2時間としたこと以外は実施例1と同様にして、Cu−Ga合金粉末を作製した。得られたCu−Ga合金粉末は、灰白色の粉であった。
【0050】
また、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)(JXA−8100:日本電子株式会社製)により、得られた粉末の断面を、加速電圧15kVでマッピング分析を行った。図5は、EPMAマッピング分析によるCu−Ga合金粉末の断面写真である。この図5において、(A)はCu−Ga合金粉末の二次電子像、(B)はCuマッピング像、(C)はGaマッピング像である。マッピング像は、図3と同様に、濃度が青〜赤で示され、濃度が高いほど赤色で示される。図5に示す結果よりCu−Ga合金粉末は、Cu粉末の内部にもCu−Ga二元系合金が形成された均一組成であることが分かった。
【0051】
また、このCu−Ga合金粉末を用い、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
【0052】
(実施例3〜11、比較例1〜3)
実施例3〜9、比較例1〜3では、原料のCu粉末とGaの混合割合を表1に示すものにした以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金粉末を得た。また、実施例10では、Cu粉末を電解粉(平均粒径37μm)とした以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金粉末を得た。また、実施例11では、平均粒径45μmのアトマイズCu粉末を用いた以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金粉末を得た。また、実施例8の焼結温度を500℃、実施例9及び比較例3の焼結温度を400℃とした以外は、実施例1と同様にしてCu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
【0053】
表1に、実施例1〜11、及び比較例1〜3の評価結果を示す。ここで、収率は、原料の投入総重量に対する得られる粉末重量の割合で評価を行った。収率が97%以上であれば優良、90〜97%であれば良、90%以下であれば不良と判断した。また、焼結体の組成の均一性評価は、焼結体の厚み方向における中心部の断面における10mm角の領域を、任意に10箇所選択し、EPMAマッピング分析により求めたGa濃度のバラツキが、±5%以内なら良、±5%を超えたら不良と判断した。また、焼結体の加工性評価は、平面研削後の焼結体のエッジ長さ10cm当たりの欠けの個数を調べ、1個未満なら優良、1個以上、3個未満なら良、3個以上は不良と評価した。
【0054】
【表1】

【0055】
また、実施例12〜実施例17では、合金化温度、熱処理温度等の条件を変えて、Cu−Ga合金スパッタリングターゲットを作製した。
【0056】
(実施例12)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内で、テフロン樹脂製の300mLボールミル用円筒容器内に、アトマイズCu粉末(平均粒径5μm、酸素:0.12wt%)を68.0g、Ga小片を32.0g、及び直径10mmのジルコニア製ボール40個を投入し、テフロン容器蓋で密閉してアルゴンガスを封入した。70℃に加熱したオーブン内にボールミル架台を設置し、円筒容器をセットして回転数30rpm、1時間のアルゴンガス雰囲気中の加熱混合を行った。円筒容器を取り出して室温まで冷却した後に、容器蓋を開けて内容物を取り出したところ、灰白色の粉が得られた。
【0057】
この粉をArガス雰囲気中、480℃、1時間の条件で熱処理した。熱処理粉の断面をEPMA観察した結果、粉の中心部はCu又はGaが固溶したCu−Ga合金相、外周部はGa濃度30〜70質量%のCu−Ga合金相から構成されたCu−Ga合金粉末であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.1質量%、酸素含有量が0.10質量%であった。すなわち、Cu−Ga合金粉末の組成は、Cu−Ga合金粉末作製のために配合した原料組成と同じであることが確認された。また、原料のCu粉と得られたCu−Ga合金粉末の酸素量の比較により、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0058】
また、このCu−Ga合金粉末を内径60mmの黒鉛型に投入し、ホットプレス装置(大亜真空株式会社製)にて、真空度5×10−3Pa、圧力25MPa、温度700℃、1時間の条件でホットプレスを実施して、直径60mm、厚み3mmの焼結体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.32g/cmであった。また、ターゲット体の一部を切断サンプリングして断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。また、EPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であることが分かった。
【0059】
また、このターゲット体をCu製バッキングプレートにボンディングしてCu−Ga合金ターゲットを作製した。そして、このターゲットをスパッタ装置(SH−450、アルバック社製)に取り付けて、アルゴンガス圧0.7Pa中でDC100Wの直流電力をターゲットに投入した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0060】
(実施例13)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした300mLのパイレックスビーカーと、ガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。電解Cu粉末(平均粒径97μm、酸素:0.04wt%)68g、Ga小片32gをビーカーに投入して攪拌しながら250℃、1時間のアルゴンガス雰囲気中の加熱混合を実施した。その結果、灰白色の粉が得られた。
【0061】
実施例12と同様に、このCu−Ga合金粉末をArガス雰囲気中、480℃、1時間の条件で熱処理した。熱処理粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が31.9質量%、酸素含有量が0.04質量%であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0062】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.41g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0063】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0064】
(実施例14)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした300mLの磁器製ビーカーと、ガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。アトマイズCu粉末(平均粒径38μm、酸素:0.03wt%)68.0g、Ga小片32.0gをビーカーに投入して攪拌しながら550℃、1時間のアルゴンガス雰囲気中の加熱混合を実施した。その結果、灰白色の粉が得られた。この粉の熱処理は行わなかった。
【0065】
この粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.1質量%、酸素含有量が0.03質量%であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0066】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.36g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0067】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0068】
(実施例15)
アトマイズCu粉末(平均粒径38μm、酸素:0.03wt%)80.0g、Ga小片20.0gとした以外は実施例14と同様にして加熱混合を実施した。その結果、灰白色の粉が得られた。この粉の熱処理は行わなかった。
【0069】
この粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が19.9質量%、酸素含有量が0.03質量%であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0070】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.31g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0071】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0072】
(実施例16)
アトマイズCu粉末(平均粒径38μm、酸素:0.03wt%)60.0g、Ga小片40.0gとした以外は実施例14と同様にして加熱混合を実施した。その結果、灰白色の粉が得られた。この粉の熱処理は行わなかった。
【0073】
この粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が40.0質量%、酸素含有量が0.03質量%であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0074】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、ホットプレスの温度を400℃とした以外は実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.43g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0075】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0076】
(実施例17)
平均粒径178μmのアトマイズCu粉末(酸素:0.01wt%以下)を用いた以外は、実施例14と同様にして加熱混合を実施した。その結果、灰白色の粉が得られた。この粉の熱処理は行わなかった。
【0077】
この粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.0質量%、酸素含有量が0.01質量%以下であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0078】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.29g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0079】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0080】
(実施例18)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内に、マントルヒーターにセットした300mLの磁器製ビーカーと、ガラス製攪拌羽根を取り付けた攪拌装置とを設置した。電解Cu粉末(平均粒径300μm、酸素:0.04wt%)68.0g、Ga小片32.0gをビーカーに投入して攪拌しながら700℃、2時間のアルゴンガス雰囲気中の加熱混合を実施した。その結果、灰色の粉が得られた。この粉の熱処理は行わなかった。この粉のEPMA断面観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.0質量%、酸素含有量が0.05%以下であった。
【0081】
また、実施例12と同様にして、このCu−Ga合金粉末を内径60mmの黒鉛型に投入し、ホットプレス装置にて、真空度5×10−3Pa、圧力25MPa、温度700℃、2時間の条件でホットプレスを実施して、直径60mm、厚み3mmの焼結体を作製した。
【0082】
ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.30g/cmであった。また、ターゲット体の一部の断面観察をした結果、空孔は認められず、緻密で均一な組織であった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0083】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0084】
(実施例19)
アルゴンガス雰囲気にしたグローブボックス内で、テフロン樹脂製の300mLボールミル用円筒容器内に、電解Cu粉末(平均粒径97μm、酸素:0.013wt%)を68.0g、Ga小片を32.0g、及び直径10mmのジルコニア製ボール40個を投入し、テフロン容器蓋で密閉してアルゴンガスを封入した。30℃に加熱したオーブン内にボールミル架台を設置し、円筒容器をセットして回転数30rpm、1時間のアルゴンガス雰囲気中の加熱混合を行った。円筒容器を取り出して室温まで冷却した後に、容器蓋を開けて内容物を取り出したところ、灰色の粉が得られた。
【0085】
この粉をArガス雰囲気中、480℃、1時間の条件で熱処理した。熱処理粉の断面をEPMA観察した結果、粉の中心部はCu又はGaが固溶したCu−Ga合金相、外周部はGa濃度30〜70質量%のCu−Ga合金相から構成されたCu−Ga合金粉末であった。熱処理粉の断面をEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.1質量%、酸素含有量が0.02質量%であった。すなわち、実施例12同様、Cu−Ga合金粉末の組成は、原料の配合組成と同じであり、Cu−Ga合金粉末作製中に酸化が防止されていることが確認された。
【0086】
また、このCu−Ga合金粉末を用いて、実施例12と同様にしてターゲット体を作製した。ターゲット体の寸法と重量から求めた密度は、8.41g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0087】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0088】
(実施例20)
アトマイズCu粉末(平均粒径1μm、酸素:0.18wt%)を用いた以外は実施例12と同様にして加熱混合を行った結果、灰色の粉が得られた。この粉を実施例12と同様に熱処理してEPMA観察した結果、実施例12と同様のCu−Ga合金粉であった。また、このCu−Ga合金粉末のGa濃度及び酸素含有量を分析したところ、Ga濃度が32.2質量%、酸素含有量が0.19%であった。
【0089】
また、実施例12と同様にこのCu−Ga合金粉末を用いてターゲット体を作製し、寸法と重量から求めた密度は、8.34g/cmであった。また、実施例12と同様にしてターゲット体の断面をSEM観察した結果、空孔は認められず、緻密であった。またEPMA観察した結果、Ga濃度の偏析はなく、ばらつきは±5%以内であり、均一なCu−Ga合金組織であった。
【0090】
また、実施例12と同様にしてCu−Ga合金ターゲットを作製した結果、異常な放電やスプラッシュなどがなく、良好にスパッタすることができることが分かった。
【0091】
表2、3に、実施例12〜20の評価結果を示す。
【0092】
【表2】

【0093】
【表3】

【0094】
以上の結果より、Cu粉末、Gaをそれぞれ加熱しながら攪拌することにより、Cu−Ga合金粉末が得られ、これを用いて焼結することにより組成が均一なCu−Ga合金スパッタリングターゲットが容易に得られることが分かった。したがって、本発明によれば、従来のようにCuとGaを一旦高温で溶解鋳造した後、Cu−Ga合金インゴットを粉砕するような工程を必要としないため、安価にCu−Ga合金粉末を得ることができる。
【符号の説明】
【0095】
11 Cu−Ga二元系合金層、 12 Cu、 21 Cu−Ga二元系合金

【特許請求の範囲】
【請求項1】
Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化することを特徴とするCu−Ga合金粉末の製造方法。
【請求項2】
前記混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で攪拌し、
前記Cu粉末の表面にCu−Ga二元系合金層を形成することを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金粉末の製造方法。
【請求項3】
前記混合粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で攪拌し、
前記Cu粉末の内部にCu−Ga二元系合金を形成することを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金粉末の製造方法。
【請求項4】
前記混合粉末を、不活性雰囲気中で30℃以上400℃未満の温度で攪拌して合金化し、該合金化粉末を、不活性雰囲気中で400℃以上700℃以下の温度で熱処理することを特徴とする請求項1記載のCu−Ga合金粉末の製造方法。
【請求項5】
前記Cu粉末の平均粒径が1〜300μmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のCu−Ga合金粉末の製造方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とするCu−Ga合金粉末。
【請求項7】
Cu粉末とGaとが質量比で85:15〜55:45の割合で配合された混合粉末を、不活性雰囲気中で30〜700℃の温度で攪拌して合金化し、Cu−Ga合金粉末を作製する作製工程と、
前記Cu−Ga合金粉末を成型し、焼結する焼結工程と
を有することを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項8】
前記焼結工程では、ホットプレス法を用いることを特徴とする請求項7記載のCu−Ga合金スパッタリングターゲットの製造方法。
【請求項9】
請求項7又は8のいずれかに記載の製造方法により製造されることを特徴とするCu−Ga合金スパッタリングターゲット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−231396(P2011−231396A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187160(P2010−187160)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【特許番号】特許第4720949号(P4720949)
【特許公報発行日】平成23年7月13日(2011.7.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
2.パイレックス
【出願人】(000183303)住友金属鉱山株式会社 (2,015)
【Fターム(参考)】