説明

DNA修復促進剤及び皮膚外用剤

【課題】紫外線によるDNAの損傷の修復を効果的に促進し、さらに人体に対して安全性の高いDNA修復促進剤を提供する。
【解決手段】スギノリ(Gigartina tenella)から得られる抽出物を含有することを特徴とするDNA修復促進剤及び皮膚外用剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、紫外線等による皮膚のDNA損傷の修復を効果的に促進し、優れた皮膚の老化防止作用、すなわち皮膚のシミ、シワ、弾力性の低下、乾燥の予防効果を有するDNA修復促進剤及び皮膚外用剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現代社会は高齢化を迎え、病気に対するQOL向上だけでなく、健康な人にとってのQOL向上が望まれ始めている。生命への危惧という側面において、皮膚は軽視されがちな臓器であるが、皮膚は外見として身体的特徴を映し出すことから、その状態は、その人に対し社会心理学的に大きな影響を与える。WHOが開発したQOL調査表中に容貌・外見に関する質問項目が設けられている等、皮膚を健康に美しく保つことは皮膚疾患患者、健常人を問わずそのQOL向上にとって極めて重要な課題である。
【0003】
このように皮膚老化に対しての意識が高まりつつある中近年、オゾン層破壊による紫外線の増加が問題視されており、紫外線の皮膚に対する悪影響に注目が集まっている。人体への紫外線の最も有害な作用は遺伝子(DNA)に損傷を与えることにあり、長年紫外線を浴びつづけると、このDNA損傷が元となり遺伝情報にエラーが生じる(非特許文献1参照)。この間違った情報は細胞の機能異常を引き起こし、皮膚がんを誘発するばかりでなく、シワやシミ等、老化の原因になると考えられている(非特許文献2参照)。
【0004】
一方、生体にはDNA損傷を修復する様々な機構が備わっており、ダメージは発生後速やかに取り除かれる(非特許文献3参照)。紫外線によるDNA損傷については主にヌクレオチド除去修復機構が働いている(非特許文献4参照)。ところが、長い間又は大量の紫外線を浴びることで修復機構によっても除ききれないダメージが生じてしまうのである(非特許文献5参照)。また、最近では本来生体が持つ紫外線によるDNA損傷に対する修復能力が加齢に伴って衰えることが報告されており(非特許文献6参照)、DNAのエラー発生頻度が加齢で増加することで、更に皮膚老化が促進されると考えられている。
【0005】
紫外線による皮膚老化を防ぐには当然のことながら紫外線を浴びないことが重要となる。従来の日焼け対策として、サンスクリーン剤やファンデーション等による紫外線の遮断が実施されているが、これらの方法にも防御の限界があり完全な遮断を望むことは困難であった。したがって、紫外線を遮断しても発生するDNA損傷に対し、どう対処するかが課題となっている。
【0006】
これまでに生体が有するDNA修復機構の働きを促進させる薬剤としてはインターロイキン−12(非特許文献7参照)やオリゴDNA(非特許文献8)等が知られているが、いずれも化粧品や入浴剤、また医薬品として安心して使用できるものではなかった。
【0007】
【非特許文献1】Photochem. Photobiol., 61, p163, 1995
【非特許文献2】J. Invest. Dermatol. Symp. Proc., 3, p47, 1998
【非特許文献3】Science, 291, p1284, 2001
【非特許文献4】Genes. Dev., 13, p768, 1999
【非特許文献5】Am. J. Contact. Dermat., 11, p19, 2000
【非特許文献6】FASEB J., 14, p1325, 2000, J. Invest. Dermatol., 124, p435, 2005
【非特許文献7】FASEB J., 16, 754, 2002
【非特許文献8】Nat. Cell. Biol., 4, p26, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
斯かる状況下、本発明の目的は、薬剤ではなく天然物の中で、生体の有するDNA修復促進作用のあるものを見出し、皮膚の老化防止に使用でき、安全で優れたDNA修復促進剤を提供するにある。
【0009】
また本発明は、生体が元来持つDNA修復能を高めることにより皮膚のシミ、シワ、弾力性の低下、乾燥を予防することのできる皮膚外用剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者等は、鋭意検討した結果、スギノリ(Gigartina tenella)から得られる抽出物が細胞の紫外線によるDNA損傷の修復を促進することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち本発明は、スギノリ(Gigartina tenella)抽出物を有効成分として含有することを特徴するとDNA修復促進剤、及び該剤を含有する皮膚外用剤にある。
【発明の効果】
【0012】
本発明により、生体の有するDNA修復機構の働きを促進し、紫外線によるDNA損傷が元となり惹き起こされる皮膚老化を予防するのに優れた、人体に対して安全性の高いDNA修復促進剤を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明の構成について詳説する。
【0014】
本発明に用いられるスギノリ(Gigartina tenella)は、寒海域を除く日本各地に生育するスギノリ目スギノリ科の紅藻類で、寒天の副原料やゲル化剤のカラギーナンを抽出するために使われる。
【0015】
本発明のDNA修復を促進する作用を示す成分本体がスギノリに含まれる如何なる物質であるかは、未だ究明されてはいないが、それによって本発明の効果が否定されるものではなく、また本発明の技術範囲が限定されるものでもない。
【0016】
スギノリからスギノリ抽出物を得るための溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール類、アセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル類、及びベンゼン等の芳香族化合物を用いることができ、これらの中より二種以上を組み合せて用いることもできる。
【0017】
抽出は、低温抽出、常温抽出、又は加熱抽出法が用いられ、抽出時間に制限はないが、一般的に30分から1週間が好ましい。また、加熱温度も制限はないが、一般的に60℃から90℃の範囲内が好ましい。スギノリは、一般的には海藻全体を乾燥、もしくは生植物をそのまま、又は裁断して抽出に供する。そして、一般的には、原料海藻の乾物換算1質量部に対し上記抽出溶媒2〜100質量部が用いられる。
【0018】
これらの抽出物は、抽出液を濾過しその濾液をそのまま使用してもよいが、通常、濾液を常圧、もしくは減圧下で濃縮した濃縮液か、又は更に溶媒を蒸発させ乾固させて固形物を使用するのが一般的である。また、抽出物中の有効成分の濃度を高めるために、吸着クロマトグラフィー等の精製手段を付すことも可能である。
【0019】
本発明のスギノリ抽出物の配合量は、製剤総量を基準として、乾固物換算で、全組成の0.0001〜5.0質量%(以下、%で示す)が好ましく、特に0.003〜0.1%が好ましい。また、配合する組成物の色や匂いと調和するという点では5.0%以下が好ましい。
【0020】
本発明のDNA修復促進剤は医薬品として、あるいは医薬部外品や化粧料等の皮膚外用剤組成物に配合して用いることができる。また本発明のDNA修復促進剤を医薬品や化粧料に配合する場合は、通常医薬品や医薬部外品、化粧料に用いられる他の成分を同時に配合することができる。
【0021】
本発明において皮膚外用剤とは、医薬品、医薬部外品、化粧品の区別なく、皮膚に外用されるものを全て指し、入浴剤をも包含するものである。本発明に係る皮膚外用剤の形態は特に限定されるものではないが、例えば、水溶液、アルコール水溶液、エマルジョン、軟膏、錠剤、パウダー、乳液、又はローション等の一般的な皮膚外用剤の形態とすることができる。
【実施例】
【0022】
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明する。尚、実施例に先立ち、皮膚線維芽細胞を用いたスギノリ抽出物の紫外線によるDNA損傷の修復促進作用の評価方法について述べる。
【0023】
・紫外線によるDNA損傷の修復能の測定方法(宿主細胞回復法)
本評価方法はあらかじめ紫外線を照射してDNAに一定の損傷を起こしたルシフェラーゼ遺伝子を含むプラスミドを細胞に導入した際に、タンパク質として発現するルシフェラーゼ活性の回復程度が細胞の持つDNA修復能の差により異なるという原理に基づく。
【0024】
(a)培養皮膚線維芽細胞
日本人75才成人由来の皮膚断片より得た線維芽細胞のプライマリーカルチャーを用いた。
【0025】
(b)細胞培養用培地
DMEM(シグマ社製)にFBS(ウシ胎児血清)を15%加えたものを用いた。
【0026】
(c)細胞培養
DMEM培地を用いて線維芽細胞を24穴のプラスチックプレートに1穴あたり2.5×10個の割合で播き、95%(V/V)空気−5%(V/V)炭酸ガスの雰囲気下、37℃で6時間静置培養した(以下の培養も同条件で行った)。
【0027】
培養上清を吸引除去し、培地で希釈したスギノリ抽出物を添加し、18時間静置培養した。
【0028】
(d)トランスフェクション
プラスミドpCMVluc(Mut. Res., 509, p165, 2002)に溶液状態であらかじめ150J/mの紫外線(UVC)を照射し、その0.2μgをQIAGEN社のEffecteneを用いて線維芽細胞へトランスフェクションし、6時間静置した後、培養上清を吸引除去し、培地で希釈したスギノリ抽出物を添加し、さらに42時間静置培養した。
【0029】
(e)細胞抽出液の調製
培養上清を吸引除去し、市販の細胞溶解剤(PicaGene Cell Culture Lysis Reagent LC
β、東洋インキ社製)を添加し、細胞を溶解した。
【0030】
(f)ルシフェラーゼ活性測定
細胞溶解液を回収し、市販の発光基質液(PicaGene Luminescence Kit、東洋インキ社製)を加え、ルミノメーターで発光強度を測定した。
【0031】
(g)DNA修復能の算出
DNA修復能は紫外線照射しなかった未損傷プラスミドのルシフェラーゼ活性を100%として次のように算出した。
(DNA修復能)=(損傷DNAに由来するルシフェラーゼ活性)/(未損傷DNAに由来するルシフェラーゼ活性)×100
【0032】
・試験例1
下記製造例1で得られた抽出物を終濃度0、0.03、0.1、0.3%のいずれかになるように線維芽細胞培養系に添加し、DNA修復能を調べた。その結果、スギノリ抽出物添加群ではDNA修復能が促進されることがわかった(下記表1参照)。
【0033】
(表1)
試料:スギノリ熱水抽出物 DNA修復能(相対値)
濃度(%)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
0 25.5±2
0.03 39.2±4
0.1 45.8±9
0.3 45.2±5
【0034】
・製造例1
スギノリ熱水抽出物を以下のごとく製造した。
スギノリ乾燥物100gをミルにて粉砕し、水2000mLを加え、80℃で3時間抽出を行った。冷却後これを濾紙に通して濾過した。ついで凍結乾燥して5gの粉末を得た。
【0035】
・製造例2
スギノリ30%エタノール抽出物を以下のごとく製造した。
スギノリ乾燥物100gをミルにて粉砕し、30%エタノール2000mLにて一晩抽出を行った。これを濾紙に通し、更に濾過孔径0.22μmの膜(ミリポア社製)で濾過した。ついで凍結乾燥して1gの粉末を得た。
【0036】
・実施例1(クリーム)
下記親水性成分を湯浴で80℃に加温し、混合した下記親油性成分に攪拌しながら徐々に加えた。これを、ホモゲナイザーで攪拌して、各成分を充分乳化分散させた後、攪拌しながら徐々に冷却し、スギノリ熱水抽出物配合クリームを得た。
「親水性成分」 (単位;質量%)
パラオキシ安息香酸メチル 0.1
プロピレングリコール 6.7
精製水 to 100.0
「親油性成分」
スクワラン 4.7
白色スクワラン 24.1
ステアリルアルコール 8.7
ミリスチン酸イソプロピル 6.0
モノステアリン酸イソプロピル 1.3
ポリオキシ(12〜16)エチレン
アルキルエーテルリン酸 2.3
モノステアリン酸グリセリン 2.0
パラオキシ安息香酸 0.1
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
【0037】
・実施例2(ローション)
製造例1のスギノリ熱水エタノール抽出物0.1質量%を以下の組成物に加えて常法によりローションを得た。
(単位;質量%)
エタノール 10.0
乳酸 0.3
クエン酸ナトリウム 0.1
グリセリン 2.0
防腐剤、香料及び界面活性剤 適 量
精製水 to 100.0
【0038】
・実施例3〜4(入浴剤)
下記に示す組成で常法により入浴剤を調製した。
実施例(質量%)
3 4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
硫酸ナトリウム 85.0 85.0
香料及び界面活性剤 適量 適量
有機色素 適量 適量
製造例1のスギノリ 0.01 −
熱水抽出物
製造例2のスギノリ30% − 0.01
エタノール抽出物
炭酸水素ナトリウム to 100.0 to 100.0
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0039】
調製法:各成分を混合し、入浴剤を調製した。尚、この入浴剤は使用時に約3000倍に希釈される。
【0040】
・実施例5(化粧水)
下記処方に従い常法により化粧水を調製した。
(単位;質量%)
エタノール 10.0
モノラウリン酸ポリオキシエチレン
ソルビタン(20E.O.) 3.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
メチルパラベン 0.05
フェノキシエタノール 0.3
製造例2のスギノリ30%エタノール抽出物 0.1
N−ラウロイルサルコシンイソプロピル 0.1
オランダカラシエキス 0.1
ニンジンエキス 0.1
スイカズラエキス 0.1
ナイアシンアミド 0.1
乳酸菌ホエイ 0.1
精製水 to 100.0
【0041】
・実施例6(乳液)
下記処方に従い常法により乳液を調製した。
(単位;質量%)
エタノール 10.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(2E.O.) 0.2
ポリオキシエチレンセチルエーテル(2E.O.) 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.3
メチルフェニルポリシロキサン 1.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
N−ラウロイルサルコシンイソプロピル 5.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 1.0
製造例1のスギノリ熱水抽出物 2.0
ラウロイル−L−グルタミン酸ナトリウム 1.0
ジプロピレングリコール 1.0
濃グリセリン 2.0
カルボキシビニルポリマー 0.3
水酸化カリウム 0.15
エデト酸二ナトリウム 0.01
精製水 to 100.0
【0042】
・実施例7(乳液)
下記処方に従い常法により乳液を調製した。
(単位;質量%)
エタノール 10.0
大豆リン脂質 1.0
コレステロール 0.1
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
N−ラウロイルサルコシンイソプロピル 3.0
L−セリン 2.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 2.0
ポリグリセリン 1.0
流動パラフィン 1.0
シクロペンタポリシロキサン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
トリエタノールアミン 1.0
キサンタンガム 0.1
メチルパラベン 0.1
精製水 to 100.0
【0043】
・実施例8(O/W型クリーム)
下記処方に従い常法によりO/W型クリームを調製した。
(単位;質量%)
セタノール 5.0
親油型モノステアリン酸グリセリン 1.0
ポリオキシエチレンセチルエーテル 0.1
製造例1のスギノリ熱水抽出物 5.0
N−ラウロイルサルコシンイソプロピル 5.0
ブチルパラベン 0.1
メチルフェニルポリシロキサン 2.0
スクワラン 2.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.5
メチルパラベン 0.1
L−ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
水酸化ナトリウム 0.05
メチルパラベン 0.1
精製水 to 100.0
【0044】
・実施例9(W/O型クリーム)
下記処方に従い常法によりW/O型クリームを調製した。
(単位;質量%)
モノイソステアリン酸ソルビタン 1.0
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
製造例2のスギノリ30%エタノール抽出物 0.1
2,2’−ジヒドロキシ−5,5’−
ジ−n−プロピルビフェニル 1.0
N−ラウロイルサルコシンイソプロピル 5.0
ポリ(オキシエチレン・オキシプロピレン)
メチルポリシロキサン共重合体 1.0
シクロペンタポリシロキサン 8.0
塩化ナトリウム 1.0
塩化マグネシウム 1.0
ジプロピレングリコール 7.0
メチルパラベン 0.1
微粒子酸化チタン 2.0
精製水 to 100.0
【0045】
・実施例10(サンスクリーン)
下記処方に従い常法によりサンスクリーンを調製した。
(単位;質量%)
メチルフェニルポリシロキサン 1.0
トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル 2.0
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル 3.0
4−tert−ブチル−4’−メトキシ
ベンゾイルメタン 1.0
ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジン
プロピオン酸2−エチルヘキシル 1.0
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸
ナトリウム 3.0
親油型モノステアリン酸グリセリル 1.0
ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸
ナトリウム(2E.O.) 0.3
ブチルパラベン 0.1
ステアロイル−L−グルタミン酸カリウム 0.3
微粒子酸化チタン 3.0
微粒子酸化亜鉛 7.0
メチルパラベン 0.1
精製水 to 100.0
【0046】
・実施例11(化粧水)
下記の処方に従い、常法により化粧水を調製した。
(単位;質量%)
エタノール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.0
グリセリン 3.0
1,3−ブチレングリコール 2.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
リン酸二水素カリウム 0.07
リン酸一水素カリウム 0.03
メチルパラベン 0.1
製造例1のスギノリ熱水抽出物 0.5
精製水 to 100.0
【0047】
・実施例12(乳液)
下記の処方に従い、成分Bを成分Aに添加し攪拌することにより、常法により乳液を調製した。
(単位;質量%)
A成分
ステアリン酸 1.0
ステアリン酸グリセリンエステル 2.0
セタノール 1.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワレン 5.0
流動パラフィン 5.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
(シリコンKF−96;100cs、信越化学工業社製)
ブチルパラベン 0.1
B成分
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
アシルグルタミン酸塩 1.0
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2
(PEMULEN TR−1、BF.Goodrich社製)
グリセリン 2.0
ジプロピレングリコール 3.0
精製水 to 100.0
【0048】
・実施例13(スキンクリーム)
下記処方に従い常法によりスキンクリームを調製した。
(単位;質量%)
A成分
ステアリン酸 2.0
ステアリン酸グリセリンエステル 2.0
セタノール 3.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワレン 5.0
流動パラフィン 10.0
ジメチルポリシロキサン 1.0
(シリコンKF−96;100cs、信越化学工業社製)
ブチルパラベン 0.1
B成分
製造例1のスギノリ熱水抽出物 1.0
製造例2のスギノリ30%エタノール抽出物 0.1
オトギリソウ抽出物 0.5
アシルグルタミン酸塩 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.15
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15
(PEMULEN TR−1、BF.Goodrich社製)
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
N−メチル−L−セリン 1.0
精製水 to 100.0

【特許請求の範囲】
【請求項1】
スギノリ(Gigartina tenella)から得られる抽出物を含有することを特徴とするDNA修復促進剤。
【請求項2】
請求項1に記載のDNA修復促進剤を含有することを特徴とする皮膚外用剤。

【公開番号】特開2006−273761(P2006−273761A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−96491(P2005−96491)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成17年3月30日に日本薬学会第125年会にて発表
【出願人】(504180206)株式会社カネボウ化粧品 (125)
【Fターム(参考)】