説明

DPP−IV阻害剤および抗肥満剤または食欲調節剤の組合せ剤

本発明は、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および抗肥満剤または食欲調節剤もしくはその薬学的に許容される塩をそれぞれ含む、合わせた製剤または医薬組成物などの組合せ剤に関する。本発明はさらに、高血圧、うっ血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病、とりわけ2型糖尿病、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、X症候群、月経前症候群、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖症、抗インスリン血症抗インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝異常、耐糖能異常の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、勃起障害、皮膚および結合組織障害、足の壊疽および潰瘍性大腸炎、血管内皮機能障害ならびに血管コンプライアンスの低下からなる群から選択される疾患および障害の予防、進行の遅延または処置のための、かかる組合せ剤の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
肥満は、有病率が先進国で次第に増加しつつある一般的かつ慢性的な状態である。エネルギー平衡を制御する分子経路が脚光を浴び始めているが、肥満の原因は依然として不明である。一つには、これは、肥満が異種疾患の群であるという事実を示す。あるレベルでは、肥満の病態生理は、単純にエネルギー消費レベルと比べて慢性的に過剰な栄養摂取であると思われる。しかしながら、エネルギー摂取、貯蔵、および消費を制御する神経内分泌系および代謝系の複雑さのために、ヒト対象で経時的にすべての関連パラメーター(例えば、食物摂取量およびエネルギー消費量)を定量することは困難である。肥満は、2型糖尿病、高血圧、うっ血性心不全、脂質障害、関節炎、およびいくつかの癌を含む、数え切れない程の健康上の問題の原因となっている。肥満および関連状態は、米国で年間30万人近くの死亡の原因となっている。残念ながら、肥満は十分に理解されていない。
【0002】
肥満は、衛生的および美容的観点から生活習慣病(geriatric disease)に代表される疾患の発症の危険因子として重要である。肥満の有害な影響が、先進国において長い間認識されている。現在までに開発されている肥満を予防および/または処置するための薬剤は、副作用を有するか、または効果が満足でない。短期間の利益にもかかわらず、投薬により誘導される体重減少がしばしば、薬剤の使用中止後の反動的な体重増加、投薬による副作用、および薬物乱用の可能性と関連する。有効な治療の必要性から、多くの可能性のある化合物および組合せが検討されている。例えば、フェンフルラミンが、“フェン−フェン(fen−phen)”としてフェンテルミンと共に投与されたとき、その組合せは、わずかであるが明らかな効果が証明された対照試験に基づき広く用いられた。しかしながら、原発性肺高血圧の危険が、この処置に伴い20倍まで増加した。FDAは、調査報告が右側および左側心臓弁膜症に関係すると示唆した1997年に、フェン−フェン組合せ剤の承認を取り下げた。
【0003】
故に、本明細書に記載のような副作用がほとんどないかまたは全くなく、かつ低い毒性の、より有効な抗肥満組合せ剤の必要性が未だに存在する。
【0004】
肥満は、遺伝的素因以外の、2型糖尿病の発症の最も重要な危険因子である。わずかな体重減少でさえ、肥満対象で血糖コントロールを改善することができる。故に、副作用、例えば本明細書に記載のような体重増加がほとんどないかまたは全くなく、かつ低い毒性の、糖尿病(または耐糖能異常(IGT))を処置または予防するためにも有効である組合せ剤の必要がさらにある。
【0005】
特に、糖尿病、IGTまたは肥満の処置および/または予防のための新規の組合せ剤であって、糖尿病または肥満と関連する疾患および状態にさらに有益な効果を示すものが必要である。
【0006】
故に、本発明の目的は、肥満および/または糖尿病により有効な組成物、および肥満または糖尿病もしくはIGT、ならびにそれらと関連する状態を処置または予防するための、副作用がほとんどないかまたは全くなく、かつ低い毒性の新しい治療法を提供することである。
【0007】
本発明は、DPP−IV阻害剤もしくはその薬学的に許容される塩、および抗肥満剤または食欲調節剤もしくその薬学的に許容される塩を含む組合せ剤に関する。
【0008】
好ましくは、本発明は、DPP−IV阻害剤もしくその薬学的に許容される塩、および
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩、
ならびに、少なくとも1個の追加の薬学的許容される担体
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤を含む、各々合せた製剤または医薬組成物のような組合せ剤に関する。
【0009】
好ましくは、前記組合せ剤は、医薬組成物または合わせた医薬製剤である。
この医薬組成物において、前記組合せパートナー(i)および(ii)を、1個の合わせた単位剤形または2個の分割単位剤形で、共に、交互に、または別々に投与することができる。前記単位剤形はまた、固定した組合せ剤であってもよい。
【0010】
用語“少なくとも1個の治療剤”は、DPP−IV阻害剤に加えて、1個またはそれ以上、例えば2個、さらには3個の、本発明で明記した活性成分を合わせることができることを意味するものとする。
【0011】
本明細書で用いた用語“DPP−IV”は、ジペプチジルペプチダーゼIV(CD26としても公知)を意味することを意図される。DPP−IV(プロリン/アラニンの後ろを切断するアミノジペプチダーゼの群に属するセリンプロテアーゼ)は、2位にプロリンまたはアラニンを有するタンパク質から2個のN末端アミノ酸を特異的に除去する。DPP−IVは、その基質がインスリン分泌促進ホルモンであるグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)および胃抑制ペプチド(GIP)を含むため、グルコース代謝の制御に用いられ得る。GLP−1およびGIPは、それらの無傷の形態でのみ活性である;それらの2個のN末端アミノ酸の除去は、それらを不活性にする。
【0012】
DPP−IVの合成阻害剤のインビボ投与は、GLP−1およびGIPのN末端分解を防ぎ、その結果、これらのホルモンのより高い血漿濃度をもたらし、インスリン分泌を増加させ、故にグルコース耐性を改善する。
【0013】
用語“DPP−IV阻害剤”は、DPP−IVおよび機能的に関係する酵素の酵素活性の、例えば1から100%阻害のような阻害を示し、特にGLP−1、GIP、ペプチドヒスチジンメチオニン、サブスタンスP、神経ペプチドY、および典型的に第二のアミノ末端部位にアラニンまたはプロリン残基を含む他の分子を含むが、それらに限定されない基質分子の作用を保持する分子を示すことが意図される。DPP−IV阻害剤を用いる処置は、ペプチド基質の作用期間を延長し、それらの、開示された本発明に関連する広範囲の生物学的活性をもたらす無傷の、非分解型のレベルを増加させる。
【0014】
本目的に関して、化合物を、純粋なCD26/DPP−IVの酵素活性を阻害するそれらの能力について試験する。簡単には、CD26/DPP−IVの活性を、合成基質Gly−Pro−p−ニトロアニリド(Gly−Pro−pNA)を切断するその能力によりインビトロで測定する。DPP−IVによるGly−Pro−pNAの切断は、産物p−ニトロアニリド(pNA)を遊離させ、その出現割合は、酵素活性に直接比例する。特定の酵素阻害剤による酵素活性の阻害は、pNA産生速度を低下させる。阻害剤と酵素との強力な相互作用は、結果としてよりpNAの産生をより遅くする。故に、pNAの蓄積速度の阻害の程度は、酵素阻害の強さの直接の測定である。pNAの蓄積を、分光光度法で測定する。各化合物についての阻害定数Kiを、固定量の酵素をいくつかの異なる濃度の阻害剤および基質と共にインキュベートすることにより測定する。
【0015】
本明細書中、“DPP−IV阻害剤”はまた、DPP−IV阻害剤の活性代謝産物およびプロドラッグなどのその活性代謝産物およびプロドラッグを含むことを意図される。活性“代謝産物”は、DPP−IV阻害剤が代謝されるとき産生されるDPP−IV阻害剤の活性誘導体である。“プロドラッグ”は、DPP−IV阻害剤に代謝されるかまたはDPP−IV阻害剤と同じ代謝産物(複数可)に代謝されるどちらかの化合物である。
【0016】
DPP−IV阻害剤は、当技術分野で公知である。例えば、DPP−IV阻害剤は、それぞれの場合に、例えばWO98/19998、DE19616486A1、WO00/34241、WO95/15309、WO01/72290、WO01/52825、WO9310127、WO9925719、WO9938501、WO9946272、WO9967278およびWO9967279に一般的かつ具体的に開示される。それぞれの場合に、特に化合物の請求項および実施例の最終産物における、その最終産物、医薬品および特許請求の範囲の対象は、これらの刊行物を参照することにより本出願に包含される。
【0017】
好ましいDPP−IV阻害剤は、下記の特許出願に記載される;WO02053548、とりわけ化合物1001から1293および実施例1から124、WO02067918、とりわけ化合物1000から1278および2001から2159、WO02066627、とりわけ記載される実施例、WO02/068420、とりわけ実施例IからLXIIIに具体的に列記されるすべての化合物および記載される対応する類似体であり、さらに好ましい化合物は、報告されるIC50の表に記載される2(28)、2(88)、2(119)、2(136)であり、WO02083128、とりわけ実施例1から13、米国特許第2003096846号、とりわけ具体的に記載される化合物、WO2004/037181、とりわけ実施例1から33、WO0168603、とりわけ実施例の化合物1から109、EP1258480、とりわけ実施例の化合物1から60、WO0181337、とりわけ実施例1から118、WO02083109、とりわけ実施例1Aから1D、WO030003250、とりわけ実施例1から166、最も好ましくは1から8の化合物、WO03035067、とりわけ実施例に記載の化合物、WO03/035057、とりわけ実施例に記載の化合物、米国特許第2003216450号、とりわけ実施例1から450、WO99/46272、とりわけ請求項12、14、15および17の化合物、WO0197808、とりわけ請求項2の化合物、WO03002553、とりわけ実施例1から33の化合物、WO01/34594、とりわけ実施例1から4に記載の化合物、WO02051836、とりわけ実施例1から712、EP1245568、とりわけ実施例1から7、EP1258476、とりわけ実施例1から32、米国特許第2003087950号、とりわけ記載される実施例、WO02/076450、とりわけ実施例1から128、WO03000180、とりわけ実施例1から162、WO03000181、とりわけ実施例1から66、WO03004498、とりわけ実施例1から33、WO0302942、とりわけ実施例1から68、米国特許第6482844、とりわけ記載される実施例、WO0155105、とりわけ実施例1および2に列記される化合物、WO0202560、とりわけ実施例1から166、WO03004496、とりわけ実施例1から103、WO03/024965、とりわけ実施例1から54、WO0303727、とりわけ実施例1から209、WO0368757、とりわけ実施例1から88、WO03074500、とりわけ実施例1から72、実施例4.1から4.23、実施例5.1から5.10、実施例6.1から6.30、実施例7.1から7.23、実施例8.1から8.10、実施例9.1から9.30、WO02038541、とりわけ実施例1から53、WO02062764、とりわけ実施例1から293、好ましくは実施例95の化合物、(2−{{3−(アミノメチル)−4−ブトキシ−2−ネオペンチル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリニル}オキシ}アセトアミド塩酸塩)、WO02308090、とりわけ実施例1−1から1−109、実施例2−1から2−9、実施例3、実施例4−1から4−19、実施例5−1から5−39、実施例6−1から6−4、実施例7−1から7−10、実施例8−1から8−8、90頁の実施例7−1から7−7、91から95頁の実施例8−1から8−59、実施例9−1から9−33、実施例10−1から10−20、米国特許第2003225102号、とりわけ化合物1から115、実施例1から121の化合物、好ましくは化合物a)からz)、aa)からaz)、ba)からbz)、ca)からcz)およびda)からdk)、WO0214271、とりわけ実施例1から320、ならびに米国特許第2003096857号、WO2004/052850、とりわけ例えば実施例1から42に具体的に記載される化合物および請求項1の化合物、DE10256264A1、とりわけ例えば実施例1から181に記載される化合物および請求項5の化合物、WO04/076433、とりわけ表Aに列記されるような具体的に記載される化合物、好ましくは表Bに列記される化合物、好ましくは化合物IからXXXXVII、または請求項6から49の化合物、WO04/071454、とりわけ例えば化合物1から53などの具体的に記載される化合物もしくは表IaからIfの化合物、または請求項2から55の化合物、WO02/068420、とりわけ例えば化合物IからLXIIIの化合物などの具体的に記載される化合物または実施例Iおよび類似体1から140または実施例2および類似体1から174または実施例3および類似体1、または実施例4から5、または実施例6および類似体1から5、または実施例7および類似体1−3、または実施例8および類似体1、または実施例9、または実施例10および類似体1から531、さらに好ましくは、請求項13の化合物、WO03/000250、とりわけ化合物1から166などの具体的に記載される化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/024942、とりわけ化合物1から59などの具体的に記載される化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、WO03024965024942、とりわけ化合物1から54などの具体的に記載される化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の化合物などの具体的に記載される化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から209の化合物などの具体的に記載される化合物、WO03/000250、とりわけ化合物1から166などの具体的に記載される化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/024942、とりわけ化合物1から59などの具体的に記載される化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、WO03024965024942、とりわけ化合物1から54などの具体的に記載される化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の化合物などの具体的に記載される化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から209の化合物などの具体的に記載される化合物、WO0238541、WO0230890、WO03/000250、とりわけ化合物1から166などの具体的に記載される化合物、好ましくは実施例1から9の化合物、WO03/024942、とりわけ化合物1から59などの具体的に記載される化合物、表1の化合物(1から68)、請求項6、7、8、9の化合物、WO03024965、とりわけ化合物1から54などの具体的に記載される化合物、WO03002593、とりわけ表1または請求項2から15の化合物などの具体的に記載される化合物、WO03037327、とりわけ実施例1から209の化合物などの具体的に記載される化合物、WO0238541、とりわけ実施例1から53の化合物などの具体的に記載される化合物、WO03/002531、とりわけ具体的に記載される化合物、好ましくは9頁から13頁に具体的に列記される化合物、最も好ましくは実施例1から46の化合物およびさらに好ましくは実施例9の化合物、米国特許番号第6,395,767号、好ましくは実施例1から109の化合物、最も好ましくは実施例60の化合物。
【0018】
公開された特許出願WO9819998は、N−(N’置換グリシル)−2−シアノピロリジン、特に1−[2−[5−シアノピリジン−2−イル]アミノ]−エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジン(NVP−DPP728)を開示する。
【0019】
DE19616486A1は、val−pyr、val−チアゾリジド、イソロイシル−チアゾリジド、イソロイシル−ピロリジドおよびイソロイシル−チアゾリジドおよびイソロイシル−ピロリジドのフマル酸塩を開示する。
【0020】
公表された特許出願WO0034241および公表された米国特許第6110949号は、N−置換アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジンおよびN−(置換グリシル)−4−シアノピロリジンをそれぞれ開示する。興味のあるDPP−IV阻害剤は、請求項1から4に具体的に記載される。特に、これらの出願は、化合物、1−[[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル]−2−シアノ−(S)−ピロリジン(LAF237としても公知)を記載する。
【0021】
公開された特許出願WO9515309は、DPP−IVの阻害剤としてアミノ酸、2−シアノピロリジンアミドを開示する。公開された特許出願WO9529691は、α−アミノアルキルホスホン酸の、特にプロリンまたは関連する構造物とのジエステルのペプチジル誘導体を開示する。興味のあるDPP−IV阻害剤は、表1から8に具体的に記載される。
【0022】
WO01/72290では、興味のあるDPP−IV阻害剤が、実施例1ならびに請求項1、4および6に具体的に記載される。
【0023】
WO01/52825は、(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンを具体的に開示する。
【0024】
公開された特許出願WO9310127は、DPP−IV阻害剤として有用なプロリンボロン酸エステルを開示する。興味のあるDPP−IV阻害剤は、実施例1から19に具体的に記載される。
【0025】
公開された特許出願WO9925719は、ストレプトマイセス微生物の培養により調整されたDPP−IV阻害剤であるスルホスチンを開示する。
【0026】
公開された特許出願WO9938501は、N−置換4から8員ヘテロ環式環を開示する。興味のあるDPP−IV阻害剤は、請求項15から20に具体的に記載される。
公開された特許出願WO9946272は、DPP−IVの阻害剤としてリン酸化合物を開示する。興味のあるDPP−IV阻害剤は、請求項1から23に具体的に記載されるものである。
【0027】
公開された特許出願WO9967278およびWO9967279は、DPP−IVプロドラッグおよびA−B−C形態の阻害剤(ここで、Cは、DPP−IVの安定または不安定な阻害剤のどちらかである)を開示する。
参照により本明細書中に包含される上記の特許文献に開示されるすべての物質は、本発明の実施に用いられるDPP−IV阻害剤として有用である可能性を有すると考えられる。
【0028】
さらなる好ましい態様にて、前記DPP−IV阻害剤は、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンまたはその薬学的に許容される塩である。アロイルは、例えばナフチルカルボニル;または、非置換もしくは例えば低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲン、または好ましくはニトロによりモノあるいはジ置換されるベンゾイルである。ペプチジル基には、好ましくは2個のα−アミノ酸、例えばグリシン、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン、リジンまたはプロリンが含まれ、ヒドロキシルアミン窒素原子に直接結合するそれらのうち1個が、好ましくはプロリンである。
【0029】
好ましくは、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VII
【化1】

[式中、
jは、0、1または2であり;
Rεは、天然アミノ酸の側鎖を示し;そして、
Rεは、低級アルコキシ、低級アルキル、ハロゲンまたはニトロを示す]
で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0030】
本発明の非常に好ましい態様にて、前記N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミンは、式VIIa
【化2】

で示される化合物またはその薬学的に許容される塩である。
【0031】
例えば式VIIまたはVIIaの、N−ペプチジル−O−アロイルヒドロキシルアミン、およびそれらの製造は、H.U. Demuthらの、J. Enzyme Inhibition 1988, Vol. 2, 129−142頁、とりわけ130−132頁に記載される。
【0032】
好ましいDPP−IV阻害剤は、N−置換−アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン、N−(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−トレオ−イソロイシルピロリジン、ならびにL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよびそれらの薬学的な塩である。
【0033】
好ましいDPP−IV阻害剤は、Mona Patelらの(Expert Opinion Investig Drugs. 2003 Apr;12(4):623−33)、第5段落、とりわけP32/98、K−364、FE−999011、BDPX、NVP−DDP−728などが記載され、その刊行物、とりわけ記載されるDPP−IV阻害剤は参照により本明細書中に包含される。
【0034】
FE−999011は、化合物18として特許出願WO95/15309の14頁に開示される。
【0035】
他の好ましい阻害剤は、特許出願WO2004/052850の2頁の式Mで示される(1S,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシトリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル、安息香酸エステル(1:1)、および対応する遊離塩基、特許出願WO2004/052850の3頁の式Mで示される(lS,3S,5S)−2−[(2S)−2−アミノ−2−(3−ヒドロキシ−トリシクロ[3.3.1.13,7]デク−1−イル)−1−オキソエチル]−2−アザビシクロ−[3.1.0]ヘキサン−3−カルボニトリル(M’)およびその一水和物(M”)としても公知の、米国特許第6,395,767号(実施例60の化合物)に開示される化合物BMS−477118である。
【0036】
他の好ましい阻害剤は、(2S,4S)−1−((2R)−2−アミノ−3−[(4−メトキシベンジル)スルホニル]−3−メチルブタノイル)−4−フルオロピロリジン−2−カルボニトリル塩酸塩としても公知の、WO03/002531(実施例9)に開示される化合物GSK23Aである。
【0037】
本発明の他の非常に好ましいDPP−IV阻害剤は、国際特許出願WO02/076450(とりわけ実施例1から128)に記載され、かつWallace T. Ashtonの(Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 14 (2004) 859−863)に記載の、とりわけ化合物1ならびに表1および2に列記される化合物である。好ましい化合物は、式
【化3】

である化合物21e(表1)である。
【0038】
3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンとしても公知のP32/98またはP3298(CAS番号:251572−86−8)は、下記
【化4】

で示される3−[(2S,3S)−2−アミノ−3−メチル−1−オキソペンチル]チアゾリジンおよび(2E)−2−ブテン二酸塩(2:1)混合物として用いられ得、そして商品名プロビオドラッグおよびまた化合物P93/01としてWO99/61431に記載される。
【0039】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO02/083128の請求項1から5などに開示される化合物である。最も好ましいDPP−IV阻害剤は、実施例1から13および請求項6から10に具体的に記載される化合物である。
【0040】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO2004/037169、とりわけ記載される実施例1から48、およびWO02/062764、とりわけ記載される実施例1から293に開示され、さらに好ましくは、7頁に記載される化合物3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド、また特許出願WO2004/024184、とりわけ参考例1から4である。
【0041】
他の好ましいDPP−IV阻害剤は、特許出願WO03/004498、とりわけ実施例1から33に記載され、そして実施例7に記載され、MK−0431としても公知の式
【化5】

の化合物が最も好ましい。
【0042】
好ましいDPP−IV阻害剤はまた、特許出願WO2004/037181、とりわけ実施例1から33に記載され、請求項3から5に記載される化合物が最も好ましい。
【0043】
好ましいDPP−IV阻害剤は、N−置換−アダマンチル−アミノ−アセチル−2−シアノピロリジン、N−(置換グリシル)−4−シアノピロリジン、N−(N’−置換グリシル)−2−シアノピロリジン、N−アミノアシルチアゾリジン、N−アミノアシルピロリジン、L−アロ−イソロイシルチアゾリジン、L−トレオ−イソロイシルピロリジン、ならびにL−アロ−イソロイシルピロリジン、1−[2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ]アセチル−2−シアノ−(S)−ピロリジンおよびその薬学的な塩である。
【0044】

【化6】

で示される、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩(DPP728)、とりわけその二塩酸塩、
【0045】
そして、式
【化7】

で示される(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)、
および、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン(プロビオドラッグによる化合物コード:上記のようにP32/98)、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド、および所望によりいずれの場合でもその薬学的な塩がとりわけ好ましい。
【0046】
DPP728およびLAF237は、非常に好ましい化合物であり、WO98/19998の実施例3およびWO00/34241の実施例1にそれぞれ具体的に記載される。DPP−IV阻害剤P32/98(上記を参照のこと)は、Diabetes 1998, 47, 1253−1258に具体的に記載される。DPP728およびLAF237は、WO98/19998の20頁またはWO00/34241に記載のとおりに製剤され得る。LAF237の投与に好ましい剤形は、米国仮特許出願第60/604274号に記載される。
【0047】
経口で活性なDPP−IV阻害剤がとりわけ好ましい。さらなる態様にて、好ましいDPP−IV阻害剤は、好ましくはジペプチド性化合物および誘導体ではない。
【0048】
抗肥満剤または食欲調節剤を下記に示す。
かかる薬剤は、CART(コカインアンフェタミン制御転写物)アゴニスト、カテコールアミン作動薬(例えば、ジエチルプロピオン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、マジンドール)、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、MC4(メラノコルチン4)アゴニスト、MC3(メラノコルチン3)アゴニスト、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)アゴニスト、CRF(副腎皮質刺激ホルモン放出因子)アゴニスト、CRF BP(副腎皮質刺激ホルモン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチンアゴニスト、メラニン凝集ホルモンアンタゴニスト、β3アドレナリン受容体アゴニスト、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)アゴニストまたは模倣体、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、甲状腺ホルモン様作動薬、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、毛様体神経栄養因子、ヒト痛風関連タンパク質アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)アゴニスト、モノアミン再取り込み阻害剤、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合型セロトニンおよびノルアドレナリン化合物、5HT(セロトニン)アゴニスト、ドーパミンアゴニスト、ボンベシンアゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、プロラクチンまたは胎盤性ラクトゲンなどの成長因子、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)アゴニスト、UCP2または3(脱共役タンパク質2または3)モジュレーター、レプチンアゴニスト、DAアゴニスト(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)モジュレーター、TR βアゴニスト、AGRP(アグチ関連タンパク質)阻害剤、オピオイドアンタゴニスト(例えばナルトレキソン)、エキセンジン−4、PACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)、カンナビノイド受容体アンタゴニスト、GLP−1および毛様体神経成長因子からなる群から選択され得る。
【0049】
投与される抗肥満剤または食欲調節剤の用量はまた、一般的に、処置される対象の健康状態、所望の肥満処置の程度、行っているとすれば、併用療法の特性および種類、および、処置の頻度および所望の効果の性質に依存して変わるだろう。一般に、抗肥満剤の用量は、1日当たり約0.001から約50mg/対象の体重1kg、好ましくは1日当たり約0.1から約10mg/対象の体重1kgの範囲で、単回または分割投与量で投与される。しかしながら、一般的用量範囲中の変化はまた、年齢、体重、および患者の種、投与の所定の経路、ならびに処置される肥満の進行度および程度により必要とされ得る。
【0050】
β3−アドレナリン受容体アゴニストの好ましい例は、{4−[2−(2−[6−アミノピリジン−3−イル]−2(R)−ヒドロキシエチルアミノ)エトキシ]フェニル}酢酸、{4−[2−(2−[6−アミノピリジン−3−イル]−2(R)−ヒドロキシエチルアミノ)エトキシ]フェニル}安息香酸、{4−[2−(2−[6−アミノピリジン−3−イル]−2(R)−ヒドロキシエチルアミノ)エトキシ]フェニル}プロピオン酸、および{4−[2−(2−[6−アミノピリジン−3−イル]−2(R)−ヒドロキシエチルアミノ)エトキシ]フェノキシ}酢酸からなる群から選択される。
【0051】
本発明の第一の態様において、食欲調節剤(アンフェタミン関連食欲抑制剤)は、フェンテルミンまたはフェンテルミン塩酸塩である。フェンテルミンは、米国特許第2,408,345号に記載の通りに製造され得、その開示内容は参照により本明細書に包含される。抗肥満剤がフェンテルミンであるとき、フェンテルミンの投与量は、1日当たり約0.01から約10mg/対象の体重1kg、好ましくは1日当たり約0.1から約1mg/対象の体重1kgである。フェンテルミンは、好ましくは1日当たり15から100mg、好ましくは1日当たり30から50mg、最も好ましくは1日当たり37.5mgを、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で投与される。
【0052】
他の食欲調節剤は、消化管ホルモンペプチドYY(PYY)(Batterham RL、Bloom SR“The gut hormone peptide YY regulates appetite”−Ann N Y Acad Sci. (2003 Jun); 994:162−8)である。消化管ホルモン断片ペプチドYY3−36ペプチド(YY3−36)が好ましい。
【0053】
本発明の1つの態様において、抗肥満剤はレプチンである。
他の態様において、抗肥満剤は、デキサンフェタミンまたはアンフェタミンである。
【0054】
他の態様において、抗肥満剤(セロトニンアゴニスト)は、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミン塩酸塩である。特に好ましいセロトニン作動薬であるフェンフルラミンおよびデクスフェンフルラミンは、米国特許第3,198,834号に開示の通りに製造され得、その開示内容は参照により本明細書中に包含される。抗肥満剤がフェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンであるとき、フェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミンの投与量範囲は、1日当たり約0.01から約30mg/対象の体重1kg、好ましくは1日当たり約0.1から約1mg/対象の体重1kgである。フェンフルラミンは、好ましくは1日当たり20から120mg、好ましくは1日当たり40から80mg、最も好ましくは1日当たり60mgを、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で投与される。デクスフェンフルラミンまたはデクスフェンフルラミン塩酸塩は、好ましくは1日当たり10から120mg、好ましくは1日当たり20から60mgを、最も好ましくは1日当たり30mg、所望により1日当たり2回から3回の分割用量、例えば、1日に15mgを2回で投与される。
【0055】
さらに他の態様において、抗肥満剤(セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤)は、シブトラミンまたはその塩酸塩である。特に好ましいモノアミン再取り込み阻害剤であるシブトラミンは、米国特許第4,929,629号に記載の通りに製造され得、その開示内容は参照により本明細書中に包含される。抗肥満剤がシブトラミンであるとき、シブトラミンの投与量は、1日当たり約0.01から約30mg/対象の体重1kg、好ましくは1日当たり約0.1から約1mg/対象の体重1kgである。
【0056】
シブトラミンまたはその塩酸塩は、好ましくは1日当たり2から60mg、好ましくは1日当たり5から25mg、または10から20mg、最も好ましくは1日当たり15mgを、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で登用される。好ましくはシブトラミンは、Meridia(登録商標)の形態で用いられる。
【0057】
特に好ましいドーパミンアゴニストであるブロモクリプチンは、米国特許第3,752,814号および第3,752,888号に記載の通りに製造され得、その開示内容は参照により本明細書中に包含される。抗肥満剤がブロモクリプチンであるとき、ブロモクリプチンの投与量範囲は、1日当たり約0.01から約10mg/対象の体重1kg、好ましくは1日当たり約0.1から約10mg/対象の体重1kgである。
【0058】
さらなる態様において、抗肥満剤(リパーゼ阻害剤)は、デクスフェンフルラミン塩酸塩またはオーリスタットである。オーリスタットは、肥満および高脂血症の制御または予防に有用な公知の化合物である。1986年7月1日発行の米国特許第4,598,089号(それはまた、オーリスタットを製造するための方法を開示する)および米国特許第6,004,996号(それは、適当な医薬組成物を開示する)を参照のこと。オーリスタットは、好ましくは1日当たり60から720mgを1日当たり2回から3回の分割用量で経口投与される。1日当たり好ましくは180から360mg、最も好ましくは360mgのリパーゼ阻害剤を、対象に、好ましくは1日当たり2回、または特に3回の分割用量で、例えば、1日当たり120mgを3回で投与する。オーリスタットは、商品名Xenical(登録商標)の下に市販されている。好ましくはオーリスタットは、Xenical(登録商標)の形態で用いられる。
【0059】
他の態様において、抗肥満剤は、マジンドールまたはフェンテルミンである。マジンドールは、好ましくは1日当たり0.5から5mg、好ましくは1日当たり1mgを、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で投与される。フェンテルミンは、好ましくは1日当たり10から50mg、好ましくは1日当たり15から37.5mg、最も好ましくは1日当たり30mgを、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で投与される。好ましくはフェンテルミンは、Ionamin(登録商標)の形態で用いられる。
【0060】
好ましい態様において、抗肥満剤はフェン−フェンであり、それはフェンフルラミンまたはその塩酸塩およびフェンタルミンの組合せである。
【0061】
さらに他の態様において、抗肥満剤は、フェンジメトラジンもしくはその酒石酸塩、ジエチルプロピオンもしくはその塩酸塩、フルオキセチン、セルタリンもしくはその塩酸塩、エフェドリンもしくはその硫酸塩、ブプロピオン、トピラメート、ベンズフェタミンもしくはその塩酸塩、フェニルプロパノールアミンもしくはその塩酸塩、またはエコピパン(ecopipam)である。フルオキセチンまたはジエチルプロピオンは、好ましくは1日当たり20から120mg、好ましくは1日当たり40から80mg、最も好ましくは1日当たり60mg(フルオキセチン)または75mg(ジエチルプロピオン)を、所望により1日当たり2回から3回の分割用量で投与される。故に、ジエチルプロピオンは、好ましくは1日3回(3×25mg)摂取される。好ましくはジエチルプロピオンは、Tenuate(登録商標)の形態で用いられる。
【0062】
式(I)のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩、ならびに第二の活性剤としての、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリン、プソイドエフェドリンおよびその薬学的な塩からなる群から選択される活性剤をそれぞれ含む合わせた製剤または医薬組成物などの組合せ剤が好ましい。
【0063】
式(I)のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩、ならびにオーリスタット、シブトラミン、ジエチルプロピオン、フェン−フェンおびフェンテルミンからなる群から選択される1個の活性剤をそれぞれ含む、合わせた製剤または医薬組成物などの組合せ剤がさらに好ましい。
【0064】
対応する活性成分またはその薬学的に許容される塩はまた、水和物、または結晶化に用いられる他の溶媒を含むような溶媒和物の形態で用いられ得る。
【0065】
合わせられる化合物は、薬学的に許容される塩として存在し得る。これらの化合物が、例えば少なくとも1個の塩基性中心を有する場合、それらは酸付加塩を形成し得る。対応する酸付加塩はまた、所望によりさらに塩基性中心を有するとすれば形成され得る。酸性基(例えばCOOH)を有する化合物はまた、塩基と共に塩を形成し得る。
これらの市販品のすべては、本発明による併用療法にそれ自体利用され得る。
【0066】
一般名または商品名により同定される活性剤の構造は、標準概論である“The Merck Index”の現行版、またはデータベース、例えば、Patents International(例えば、IMS world Publications)から得られる。その対応する内容は参照により本明細書中に包含される。すべての当業者は、これらの参考文献に基づき、活性剤の同定が十分に可能であり、同様に製造し、インビボおよびインビトロの両方で標準的試験モデルにおいて薬学的適応症および特性を試験することができる。
【0067】
DPP−IV阻害剤またはその塩、および(i)から(ii)からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤の併用投与は、結果として有益な、とりわけ相乗的な治療効果が得られるだけでなく、併用療法がもたらすさらなる有益性ももたらし、本明細書中に開示の組合せ剤に用いられる薬学的に活性な化合物のうち1個だけを適用する単剤療法と比較してさらなる驚くべき有益な効果をもたらすという実験的な発見は、ことさら驚きである。
【0068】
確立された試験モデル、とりわけ本明細書に記載される試験モデルにより、式(I)のDPP−IV阻害剤と(i)から(ii)からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤との組合せ剤が、下記に具体的に示す疾患のより効果的な予防、または好ましくは処置をもたらすことを示すことができる。特に、試験モデル、とりわけ本明細書に記載される試験モデルを確立することにより、本発明の組合せ剤が、結果として下記に具体的に示す疾患のより効果的な予防、または好ましくは処置をもたらすということを示すことができる。
【0069】
同時に摂取する場合、このことは、本明細書に記載の様々な組合せ剤について、さらに有益性を高める、とりわけ相乗的な治療効果が得られるだけでなく、同時処置によりもたらされるさらなる有益性、例えば驚くべき効果の延長、広く様々な治療処置および糖尿病、IGTまたは肥満と関係する疾患および状態への驚くべき有益な効果などの結果をもたらす。
【0070】
用語“増強”は、対応する薬理学的活性または治療効果それぞれの増大を意味するものとする。本発明の一方の成分の本発明の組合せ剤の他方の成分の共投与による増強とは、一方の成分単独で達成されるよりも優れた効果が達成されることを意味するものとする。
【0071】
用語“相乗作用”は、前記薬剤を一緒に服用するとき、単独で服用するときのそれぞれの薬剤の効果の和よりも優れた総併用効果を生ずることを意味するものとする。
【0072】
さらに、ヒト患者、とりわけより高齢の患者に関しては、2個の錠剤を時間をずらして、すなわち、より複雑な処置計画に従い摂取するよりも、同時に、例えば食事前に摂取することのほうがより簡便でかつ容易に記憶できる。より好ましくは、両活性成分を、本明細書に記載のすべての場合において、固定した組合せ剤、すなわち単一の錠剤として投与する。単一の錠剤を服用することは、さらに、同時に2個の錠剤を摂取するよりも扱いが容易である。さらに、パッケージングをより少ない労力で達成することができる。
【0073】
関連技術における当業者は、上記および下記に示される治療的適応症および有益な効果を証明するための関連および標準動物試験モデルを選択することが十分可能である。
【0074】
本発明により用いられる活性剤の組合せ剤の投与による効果としての薬学的な活性は、例えば、関連技術において公知の対応する薬理学的モデルを用いることにより証明され得る。
【0075】
単独または組合せで摂取する薬剤の、心臓血管、とりわけ糖尿病における有益な効果の評価を、NawanoらのMetabolism 48: 1248−1255, 1999の刊行物に記載のズッカー脂肪過多ラットなどのモデルを用いて行うことができる。また、糖尿病性の自然発症高血圧ラットを用いる研究が、Satoらの、Metabolism 45:457−462, 1996の刊行物に記載される。
【0076】
本発明の組合せ剤の降圧活性を評価するために、例えば、Lovenberg Wによる: Animal models for hypertension research. Prog. Clin. Biol. Res. 1987, 229, 225−240に記載の方法を用いることができる。本発明の組合せ剤を、うっ血性心不全の処置に用いることができるという評価について、例えば、Smith HJ, Nuttall A:Experimental models of heart failure. Cardiovasc Res 1985, 19, 181−186により記載の方法を用いることができる。遺伝子組み換え法などの分子的手法はまた、例えば、Luftらによる:Hypertension−induced end−organ damage. “A new transgemic approach for an old problem”−Hypertension 1999, 33, 212−218に記載される。
【0077】
本発明の組合せ剤の抗肥満活性、すなわち、体重減少、血漿トリアシルグリセロールレベルの減少、マウスの糞便中の脂肪排泄、全身、肝臓および子宮傍脂肪組織の重量減少、エネルギー摂取量、ならびに肝臓トリアシルグリセロールおよび総コレステロール濃度の減少を評価するために、例えば、Han LKの(J Nutr. 2002 Aug;132(8):2241−5.)により記載の方法を用いることができる。
【0078】
本発明の組合せ剤をうっ血性心不全の処置に用い得ることを評価するために、例えば、Smith HJ, Nuttall A: Experimental models of heart failureに記載の方法を用いることができる。Cardiovasc Res 1985, 19, 181−186を用いることができる。また、Doggrell SAおよびBrown Lの(Cardiovasc Res 1998, 39: 89−105)に記載の高血圧および心不全のラットモデルを、前記組合せ剤の薬理学的評価のために用いることができる。また、先行文献に記載のラットモデルを、前記組合せ剤の薬理学的評価のために用いることができる遺伝子組み換え法などの分子的手法もまた、先行技術に記載される。
【0079】
インスリン分泌を増強する本発明の組合せ剤の特性を、例えば、T.Ikenoue et al. Biol.Pharm.Bull. 29(4), 354−359 (1997)の刊行物に開示の方法に従い測定することができる。
【0080】
単独または組合せで摂取される薬剤の体重作用、心臓血管作用およびグルコース利用作用効果のより少ない増加の同時評価を、Nawano et al., Metabolism 48: 1248−1255, 1999の刊行物に記載のズッカー脂肪過多ラットなどのモデルを用いて行うことができる。また、糖尿病性の自然発症高血圧ラットを用いる研究が、Satoらの、Metabolism 45:457−462, 1996に記載される。さらに、コーエン−ローゼンタールの糖尿病性高血圧ラット(Rosenthal et al., Hypertension. 1997;29:1260−1264)などのラットモデルもまた、血圧、体重の増加およびグルコース代謝への組合せ剤の効果の同時評価に用いることができる。
【0081】
これらの文献の対応する主題は、本明細書中に参照により包含される。
【0082】
従って、本発明の組合せ剤を、例えば、DPP−IV阻害剤により阻害され得、インスリン分泌の増大により阻害され得、かつインスリン感作により阻害され得る疾患および障害の予防、進行の遅延または処置に用いることができる。
【0083】
とりわけ、本発明の組合せ剤を、例えば、高血圧(収縮期高血圧および家族性脂質代謝異常性高血圧を含むがこれらに限定されない)、うっ血性心不全、左心室肥大、末梢動脈疾患、糖尿病、とりわけ2型糖尿病、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、慢性腎不全、糖尿病性ニューロパシー、X症候群、月経前症候群、冠動脈心疾患、狭心症、血栓症、アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、一過性脳虚血発作、卒中、血管再狭窄、高血糖症、抗インスリン血症、高脂血症、高トリグリセリド血症、インスリン抵抗性、グルコース代謝異常、耐糖能異常(IGT)の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、肥満と関連する状態、勃起障害、皮膚および結合組織障害、足の壊疽および潰瘍性大腸炎、血管内皮機能障害および血管コンプライアンスの低下からなる群から選択される疾患および障害の予防、進行の遅延または処置に用いることができる。好ましくは、該組合せ剤を、高血圧、とりわけ収縮期高血圧(ISH)、うっ血性心不全、血管内皮機能障害、血管コンプライアンスの低下、耐糖能異常ならびに2型糖尿病の処置に用いることができる。
【0084】
本明細書で記載した“DPP−IV阻害剤により阻害され得る疾患または状態”には、インスリン抵抗性、グルコース代謝異常、耐糖能異常の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、糖尿病性網膜症、黄斑変性症、白内障、糖尿病性腎症、糸球体硬化症、糖尿病性ニューロパシー、勃起障害、月経前症候群、冠動脈心疾患、高血圧、狭心症、心筋梗塞、卒中、血管再狭窄、皮膚および結合組織障害、足の壊疽および潰瘍性大腸炎、血管内皮機能障害ならびに血管コンプライアンスの低下が含まれるが、それらに限定されない。好ましくは、“DPP−IV阻害剤により阻害され得る疾患または状態”は、グルコース代謝異常、耐糖能異常の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性ニューロパシーおよび足の壊疽から選択される。
【0085】
驚くべき事に、本発明に記載の、DPP−IV阻害剤および抗肥満剤の組合せ剤が、2型糖尿病を有する高血圧患者および2型糖尿病を有しない糖尿病患者の両方において、ISH(50歳以上の人々に最も一般的な高血圧)および脈拍数の低下をもたらすことが発見されている。
【0086】
本明細書中、用語“処置”には、疾患を有する危険性のある患者または疾患もしくは障害を有することが予期される患者、ならびに罹患患者の処置を含む、予防的処置または防止的処置の両方、ならびに治療的または疾患抑制的処置が含まれる。この用語はさらに、疾患の進行の遅延のための処置を含む。
【0087】
本明細書で用いた用語“治療的”は、進行中の疾患、障害または状態の治療における有効性を意味する。
【0088】
用語“予防的”は、処置されるべき疾患、障害または状態の発症または再発の予防を意味する。
【0089】
本明細書で用いた用語“進行の遅延”は、処置すべき疾患の前段階または初期にある患者への組合せ剤の投与を意味し、ここで患者は、例えば対応する疾患の前形態にあると診断されるか、または、例えば、医学的処置中または事故に起因する状態で、対応する疾患を発症しそうである状況下にある。
【0090】
好ましくは、合して治療的に有効量の本発明の組合せ剤の活性剤を、同時投与、または任意の順で逐次投与、例えば個別にまたは固定された組合せ剤で投与し得る。
【0091】
ある条件下では、作用機序の異なる薬剤を合わせることができる。しかしながら、異なる作用機構を有するが同様のフィールドで作用する薬剤の何らかの組合せを単に考慮するだけでは、必ずしも有利な効果を有する組合せ剤をもたらさない。
【0092】
本発明のDPP−IV阻害剤、またはそれぞれの場合に、その薬学的に許容される形態の併用投与が、有益なだけでなく、とりわけ増強的または相乗的な治療効果もたらすという実験的発見は、一層驚くべき事である。併用治療によりもたらされるその独立した付加的な有益性は、驚くべき効果の延長、治療的処置の広範な多様性、ならびに糖尿病と関連する疾患および状態における驚くべき有益な効果(例えば、より少ない体重増加またはより少ない心臓血管副作用)、さらに肥満と関連する状態における驚くべき有益な効果(例えば、より少ない心臓血管副作用、改善された血糖コントロールおよび本明細書に記載の他の副作用)などが得られることである。さらなる本発明の好ましい局面は、収縮期高血圧および血管コンプライアンスの低下(それは血管の弾力性の低下を意味する)の状態の予防、進行の遅延または処置である。
【0093】
疾患、障害または状態は、糖尿病、特に、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーを含むが、それらに限定されない2型糖尿病、黄斑変性症、冠動脈心疾患、心筋梗塞、糖尿病性心筋症、心筋細胞死、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、卒中、肢虚血、血管再狭窄、足の壊疽、血管内皮機能障害および/またはアテローム性動脈硬化症に関する。
【0094】
肥満は、健康に対する主な悪影響を有する。病的肥満の個体は、死亡率が12倍程度上昇する。死亡率は、特に肥満が、増加した内臓脂肪と関係するとき、肥満の増加とともに上昇する。肥満が特定の器官系に影響を与える程度は、集団によって異なる感受性遺伝子により影響を受けることもまた明らかである。
【0095】
肥満と関係する疾患、障害または状態には、インスリン抵抗性および2型糖尿病;生殖器障害、例えば、男性の性機能低下症、多嚢胞卵巣症候群、過小月経または女性化乳房;冠状動脈疾患、卒中、およびうっ血性心不全(CHF)を含む循環器疾患;胸壁コンプライアンスの低下、呼吸仕事量の増加、増加した代謝率による換気量の増加、ならびに総肺気量および機能残気量の減少、閉塞型睡眠時無呼吸症、および“肥満性低換気症候群”などの肺疾患;胆石および空腹時に誘導される胆嚢炎;癌、とりわけ結腸癌、直腸癌および前立腺癌、胆嚢癌、胆管癌、乳癌、子宮内膜癌、頸癌および卵巣癌;骨、結合組織および皮膚の疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、低血糖症、頭蓋咽頭腫および視床下部の他の疾患が含まれるが、これらに限定されない。さらに、長期にわたるDPP−IV阻害剤の共投与が、血管の形態および機能に有益な効果を与え、その結果血管の剛性の低下をもたらし、これに対応して血管コンプライアンスの維持および改善がもたらされることを発見した。
【0096】
従って、DPP−IV阻害剤の添加と抗肥満剤の添加は、収縮期血圧に影響し、さらに血管の剛性/コンプライアンスを改善するのを可能とし得ることを発見した。これらの組合せ剤の利点はまた、血管内皮機能への付加または相乗効果を与え、そして腎臓、心臓、眼および脳を含む様々な器官/組織の血管機能および構造を改善し得る。グルコースレベルが低下することにより、抗血栓効果および抗アテローム性動脈硬化効果もまた証明され得る。グルコースの低下は、心腎臓系内での任意の構造的または機能的タンパク質のグリコシル化を防止または最小化し得る。この効果は、前記組合せ剤が投与されるとき、血管機能/構造への付加または相乗効果がもたらされることにより有益性が高められることを証明する。
【0097】
加えて、インスリン抵抗性は、一つには、糖尿病、高血圧およびアテローム性動脈硬化症の進行に貢献し得る(Fukuda et al., 2001)。本発明に記載の組合せ剤の投与は、さらに降圧作用を誘発し、単独で与えられたどちらかの薬剤の投与後よりも優れた程度に高血圧患者の血管ダイナミクスを改善する。興味深いことに、組合せ剤の投与は、同時に、インスリンレベルを上昇し、そしてグルコース利用を改善すると同時に、レニンアンジオテンシン系によりもたらされるインスリンシグナル伝達経路の障害を防止することによりインスリン感受性を部分的に回復し得る。その結果、併用投与は、患者にしばしば共存する2つの状態である代謝異常および心臓血管異常の両方を同時に改善する。
【0098】
その結果は、プラゼボと比較したとき、特許請求の範囲の組合せ剤が、結果として体重のより大きな減少をもたらし、血糖降下薬の大幅な減少にもかかわらず、糖尿病患者でHbA1cレベル、空腹時グルコース濃度およびトリグリセリドレベルを低下させることから期待できる。本発明者らの組合せ剤は、耐糖能異常を有する肥満対象、ならびに食餌、経口薬剤またはインスリンにより処置されるIGT患者または2型糖尿病患者の血糖コントロールを改善する(例えば、空腹時血漿グルコースの高度な減少)。
【0099】
さらなる利点は、本発明により合わせられる低用量の個々の薬剤を、例えば、必要な投与が、より少量であるだけでなくより低頻度であるように、投与量を減少して用いることができるか、または副作用の発生を低下させるために用いることができることである。これは、処置されるべき患者の要望および要求に合う。
【0100】
例えば、とりわけ糖尿病患者および肥満患者の処置における、例えば、負の心臓血管事象の危険を減ずる、副作用の危険を減ずる、(糖尿病患者における)体重の増加を制御するなどの利点を提供することが分かっている。本発明者らの組合せ剤は、特に心臓弁膜疾患、例えば、弁閉鎖不全または弁膜症を減らす。
【0101】
本発明のDPP−IV阻害剤は、2型糖尿病の処置に有用であることが証明され、同様に、例えば微量アルブミン尿の改善において血圧の低下のために用いられ得る。本発明の組合せ剤は、単に糖尿病、とりわけ2型糖尿病、IGTおよび肥満の処置に用いられ得る。本発明で用いたDPP−IV阻害剤または抗肥満剤の少ない用量を考慮すると、一次治療に適するようにかなりの安全性プロファイルの組合せである。
【0102】
本発明の組成物を適用するとき、さらなる利点は、本発明により合わせられる低用量の個々の薬剤を、例えば、必要な投与が、より少量であるだけでなくより低頻度であるように、投与量を減少して用いることができるか、または副作用の発生を低下させるために用いることができることである。これは、処置されるべき患者の要望および要求に合う。
【0103】
好ましくは、合して治療的に有効量の本発明の組合せの活性剤を、個別または固定した組合せを、同時にまたは任意の順で連続して、投与することができる。
【0104】
上記および下記の本発明の医薬組成物を、個別使用のためにまたは固定した組合せとして、同時にまたは任意の順で連続して用いるために使用することができる。
【0105】
従って、本発明はさらに、
DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤
および、少なくとも1個の追加の薬学的に許容される担体との合して有効な量の組合せ剤を、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、
(a)2型糖尿病および関連する疾患、障害または状態(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーを含むがそれらに限定されない);
(b)インスリン抵抗性およびX症候群、肥満および関連する疾患、障害または状態(インスリン抵抗性、2型糖尿病、生殖器障害、循環器疾患、肺疾患、胆石および絶食により誘導される胆嚢炎、癌および皮膚疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、低血糖症(Insulinoma)、頭蓋咽頭腫および視床下部の他の疾患を含むがそれらに限定されない);
(c)高齢者の高血圧、家族性脂質代謝異常性高血圧、および収縮期高血圧(ISH)を含む高血圧;コラーゲン形成の増加、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の増殖抑制作用);勃起障害、血管コンプライアンスの低下、卒中;高血圧を伴うまたは伴わないすべてのこれらの疾患または状態;
(d)うっ血性心不全、左心室肥大、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、狭心症、血栓症;
(e)腎不全、とりわけ慢性腎不全、糸球体硬化症、腎症;
(f)甲状腺機能低下症;
(g)高血圧を伴うまたは伴わない血管内皮機能障害;
(h)高脂血症、高リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症;
(i)黄斑変性症、白内障、緑内障;
(j)皮膚および結合組織障害、ならびに
(k)経皮的血管形成術後の再狭窄、および経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;末梢血管疾患;
からなる群から選択される疾患または状態の予防、進行の遅延、または処置のための方法に関する。
【0106】
さらに、本発明は、医薬品としての使用のための本発明の組合せ剤に関する。
さらに、本発明は、(a)2型糖尿病および関連する疾患、障害または状態(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーを含むがそれらに限定されない);
(b)インスリン抵抗性およびX症候群、肥満および関連する疾患、障害または状態(インスリン抵抗性、2型糖尿病、生殖器障害、循環器疾患、肺疾患、胆石および絶食により誘導される胆嚢炎、癌および皮膚疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、低血糖症、頭蓋咽頭腫および視床下部の他の疾患を含むがそれらに限定されない);
(c)高齢者の高血圧、家族性脂質代謝異常性高血圧、および収縮期高血圧(ISH)を含む高血圧;コラーゲン形成の増加、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の増殖抑制作用);勃起障害、血管コンプライアンスの低下、卒中;高血圧を伴うまたは伴わないすべてのこれらの疾患または状態;
(d)うっ血性心不全、左心室肥大、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、狭心症、血栓症;
(e)腎不全、とりわけ慢性腎不全、糸球体硬化症、腎症;
(f)甲状腺機能低下症;
(g)高血圧を伴うまたは伴わない血管内皮機能障害;
(h)高脂血症、高リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症;
(i)黄斑変性症、白内障、緑内障;
(j)皮膚および結合組織障害、ならびに
(k)経皮的血管形成術後の再狭窄、および経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;末梢血管疾患;
からなる群から選択される疾患または状態の予防、進行の遅延、または処置のための医薬の製造を目的とした、
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤と併用する、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用に関する。
【0107】
本発明はさらに、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤
および、少なくとも1個の追加の薬学的に許容される担体の組合せを含む、
(a)2型糖尿病および関連する疾患、障害または状態(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーを含むがそれらに限定されない);
(b)インスリン抵抗性およびX症候群、肥満および関連する疾患、障害または状態(インスリン抵抗性、2型糖尿病、生殖器障害、循環器疾患、肺疾患、胆石および絶食により誘導される胆嚢炎、癌および皮膚疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、低血糖症、頭蓋咽頭腫および視床下部の他の疾患を含むがそれらに限定されない);
(c)高齢者の高血圧、家族性脂質代謝異常性高血圧、および収縮期高血圧(ISH)を含む高血圧;コラーゲン形成の増加、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の増殖抑制作用);勃起障害、血管コンプライアンスの低下、卒中;高血圧を伴うまたは伴わないすべてのこれらの疾患または状態;
(d)うっ血性心不全、左心室肥大、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、狭心症、血栓症;
(e)腎不全、とりわけ慢性腎不全、糸球体硬化症、腎症;
(f)甲状腺機能低下症;
(g)高血圧を伴うまたは伴わない血管内皮機能障害;
(h)高脂血症、高リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症;
(i)黄斑変性症、白内障、緑内障;
(j)皮膚および結合組織障害、ならびに
(k)経皮的血管形成術後の再狭窄、および経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;末梢血管疾患;
からなる群から選択される疾患または状態の予防、進行の遅延、または処置のための医薬組成物に関する。
【0108】
疾患または状態が、グルコース代謝異常、耐糖能異常の状態、空腹時血糖異常の状態、肥満、糖尿病性網膜症、糖尿病性ニューロパシーおよび足の壊疽から選択される、上記の方法または使用。
【0109】
疾患または状態が、糖尿病、好ましくは2型糖尿病、IGTまたは肥満、および糖尿病もしく肥満と関連する疾患または状態から選択される、上記の方法または使用。
【0110】
糖尿病、特に2型糖尿病に関連する前記疾患または状態が、糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシー、黄斑変性症、冠動脈心疾患、心筋梗塞、糖尿病性心筋症、心筋細胞死、冠動脈疾患、末梢動脈疾患、卒中、肢虚血、血管再狭窄、足の壊疽、血管内皮機能障害および/またはアテローム性動脈硬化症から選択される、上記の方法または使用。
【0111】
DPP−IV阻害剤が、抗肥満剤または食欲調節剤と同時に、または抗肥満剤または食欲調節剤とある時間内に逐次に投与される、上記の方法または使用。
【0112】
DPP−IV阻害剤および抗肥満剤または食欲調節剤が、固定した組合せまたは合わせた組合せまたは複数部分のキットなどの本発明の組合せの形態で投与される、上記の方法または使用。
【0113】
DPP−IV阻害剤が、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンであり、抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン、またはそれぞれの場合にその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、本明細書に記載の組合せ剤、方法または使用。
【0114】
DPP−IV阻害剤が、(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンであり、抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンあるいはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン、またはそれぞれの場合にその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、本明細書に記載の組合せ剤、方法または使用。
【0115】
本発明に従い、DPP−IV阻害剤および抗肥満剤が一緒に投与されるとき、かかる投与は、ある時間内に連続してまたは同時に行われ、一般的に同時の方法が好まれる。連続投与について、前記DPP−IV阻害剤、および抗肥満剤は、任意の順で投与され得る。一般に、かかる投与が経口であることが好まれる。とりわけ、前記投与が、経口で、かつ同時であることが好まれる。しかしながら、処置される対象が飲み込めない場合、または経口吸収が他に障害されるかまたは望ましくない場合、非経腸投与または経皮投与が適当であり得る。DPP−IV阻害剤、および抗肥満剤を連続して投与するとき、それぞれの投与を同じ方法によるかまたは異なる方法により行うことができる。
【0116】
本発明のさらなる局面は、体重の美容上有益な減少を効果的にするための、哺乳動物の美容的処置について本明細書に記載の組合せ剤の使用に関する。
本発明はまた、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩;
からなる群から選択される少なくとも1個の薬剤、ならびに少なくとも1個の追加の薬学的に許容される担体との組合せ剤の合して有効な量を、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、温血動物の身体的外見を改善する方法に関する。
【0117】
本発明のさらなる局面は、
(a)第一の単位剤形のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩の一定量;
(b)第二などの単位剤形の、成分(i)から(ii)、またはそれぞれの場合に、適当であるとき、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤の一定量、および
(c)該第一、第二などの単位剤形を包含するための容器、
を含む、本発明の疾患または状態の予防、進行の遅延、処置のためのキットである。
【0118】
その変形において、本発明は同様に、本発明により合わせられる成分が、独立して投与され得るか、または成分の異なる量を有する異なる固定した組合せ剤の、すなわち同時にまたは異なる時間点で使用により投与され得るという意味で“複数部分のキット”に関する。複数部分のキットの一部を、例えば同時にまたは、複数部分のキットの任意の一部を、異なる時間点で、等しいかまたは異なる時間間隔で、時差をつけて順番に投与することができる。好ましくは、時間間隔は、複数部分の合わせた使用での処置された疾患または状態への効果が、成分の任意の1個のみの使用により得られ得る効果より大きいように選択される。
【0119】
故に、本発明はまた、
(a)第一の単位剤形中のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩の一定量;
(b)成分(i)から(ii)、またはそれぞれの場合に、適当であるとき、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤の一定量、
を、成分(a)から(b)の2個または3個またはそれ以上の分割単位の形態で含む、複数部分のキットに関する。
【0120】
本発明はさらに、本発明の組合せ剤を、同時、個別または逐次使用するための取扱説明書を含む商業的パッケージに関する。
【0121】
好ましい態様において、(商業的な)製品は、本明細書に記載の疾患(a)から(k)進行の遅延または処置において、その同時、個別または逐次的使用のための取扱説明書と共に、(成分(a)または(b)の2個または3個またはそれ以上の形態で)本発明の組合せ剤、または任意の組合せ剤を活性成分として含む商業的パッケージである。
【0122】
本明細書中に記載の好適な例のすべてを、本発明の組合せ剤、組成物、使用、処置法、“複数部分のキット”および商業的パッケージに適用する。
【0123】
これらの医薬製剤は、単独または慣習的な薬学的な補助剤と共のどちらかで薬理学的に活性な化合物を含む製剤と共に、恒温動物への経口などの経腸投与、およびまた経直腸または非経腸投与のためのものである。例えば、前記医薬製剤は、約0.1%から90%、好ましくは約1%から約80%の活性化合物からなる。経腸または非経腸投与のため、およびまた眼への投与ための医薬は、例えば、被覆錠、錠剤、カプセルまたは坐剤およびまたアンプルなどの単位用量形態である。これらは、それ自体公知の方法、例えば常套的な混合法、造粒法、コーティング法、可溶化法または凍結乾燥法を用いて製造される。故に、経口使用のための医薬品を、活性化合物(複数可)を固体の賦形剤と共に合わせることにより得ることができ、所望であれば、得られた混合物を造粒し、そして要するかまたは必要であれば、適する補助剤を加えた後、混合物または顆粒を錠剤または被覆錠コアに加工する工程により得ることができる。
【0124】
活性化合物の投与量は、投与方法、恒温動物種、年齢および/または個体の状態などの様々な因子に依存して変化し得る。
本発明の薬学的組合せ剤の活性成分についての好ましい投与量は、治療的に有効な投与量、とりわけ商業的に利用可能な量である。
【0125】
通常、経口投与の場合、約1mgから約360mgの適当な1日用量が、例えば、約75kgの体重の患者について見積もられる。
【0126】
活性化合物の投与量は、投与方法、恒温動物種、年齢および/または個体の状態などの様々な因子に依存して変化し得る。
前記医薬品は、適する投与単位形態、例えばカプセルまたは錠剤の形態で供給され得、さらなる成分(複数可)と共に、合わせて有効量の、例えば、50mgのLAF237を含む。
【0127】
上記の本発明の医薬組成物を、同時使用または任意の順での逐次使用、個別使用に、または固定した組合せ剤として用いることができる。
【0128】
故に、さらなる態様に従い、DPP−IV阻害剤は、抗肥満剤と共に投与され、好ましくは薬学的に許容される担体、ビヒクルまたは希釈剤を含む固定した医薬組成物の形態で投与される。従って、本発明のDPP−IV阻害剤は、慣用の経口、非経腸または経皮投与形態のどれかで、固定した組合せ剤として抗肥満剤と共に投与され得る。
【0129】
例えば、体重約70kgの温血動物、例えばヒトに投与されるべき式(I)のDPP−IV阻害剤の用量、とりわけ、例えば血圧を低下し、および/または緑内障の症状を改善するDPP−IV酵素の阻害に有効な用量は、1日に1人当たり約3mgから約3g、好ましくは約10mgから約1g、例えば約20mgから200mgの、分割された、好ましくは1から4回の単一用量(それは、例えば同じサイズであり得る)である。通常、小児は、成人用量の約半分を受ける。各個体に必要な用量は、例えば活性成分の血清濃度を測定することにより観察し、最適なレベルに合わすことができる。単一用量には、成人患者1人当たり例えば、10、40または100mgが含まれる。
【0130】
(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンの用量は、好ましくは1日に10から150mg、最も好ましくは1日に25から100mgまたは25から50mgである。日用量の好ましい例は、25、30、35、45、50、55または60mgである。活性成分の適用は、1日に3回まで、好ましくは1日に1回または2回行われ得る。
【0131】
本明細書に記載の好ましい抗肥満剤は、適する用量単位形態、例えば、カプセルまたは錠剤の形態で供給され、治療的有効量、本明細書および先行技術に既に記載のとおり、例えば約2から約120mgを含む。活性成分の適用は、1日に3回まで、好ましくは1日に1回または2回まで行われ得る。同様の好ましい用量が、固定した組合せについて選択される。
【0132】
対応する用量を、例えば、朝、昼または晩に投与することができる。
【0133】
さらに、本出願人らは、糖尿病、とりわけ2型糖尿病、IGTまたは肥満および糖尿病または肥満と関連する状態の処置および/または予防を改善するための特定の処方計画を発見した。驚くべき事に、本発明の組合せ剤の場合、DPP−IV阻害剤を、食事と共に、好ましくは食事の直前または食事の開始時、所望により食事中またはなお食事直後に摂取するのが好ましい。本発明の食事と関係する処方計画は、特に糖尿病例えば、2型糖尿病、または高血圧の患者で、糖尿病または肥満と関連する状態の予期せぬ低下をもたらす。
【0134】
本発明の食事と関係する処方計画は、特に、糖尿病、特に2型糖尿病または肥満を有する患者の、循環器疾患の予期せぬ低下をもたらす。
【0135】
故に、さらなる局面において、本発明は、糖尿病、とりわけ2型糖尿病、IGTまたは肥満および糖尿病または肥満と関係する状態の予防、進行の遅延または処置のための医薬の製造を目的とした、本発明の組合せ剤の使用に関し、ここで前記DPP−IV阻害剤、好ましくは式(I)の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)は、食事と関連させて投与されるべきである。
【0136】
本発明は、さらに、本発明の組合せ剤の治療的有効量を、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む、糖尿病、とりわけ2型糖尿病、IGTまたは肥満および糖尿病または肥満と関係する状態の予防、進行の遅延または処置のための方法、食事と関係して投与されるDPP−IV阻害剤、好ましくは式(I)の(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)の投与方法に関する。
【0137】
糖尿病、特に2型糖尿病を有する患者の処置のための、上記の使用または方法に関する。
【0138】
本明細書で用いた表現“食事”は、朝食、昼食、夕食または夜食の食事を意図する。
【0139】
表現“食事と関係して”を、DPP−IV阻害剤の投与に関連して本明細書で用いるとき、それは好ましくは、DPP−IV阻害剤が、食事の直前または食事開始時に投与されることを示す。しかしながら、その投与は、明らかに、食事中または本発明の意図から逸しない範囲で食事直後にも行うことができる。故に、表現“食事と関係して”は、好ましくは食事から約30、好ましくは食事開始10分前から食事終了10分後まで、より好ましくは食事開始約5分前から食事終了まで、最も好ましくは食事開始時を意味する。
【0140】
本発明の組合せ剤、使用、方法、複数部分のキットについて好ましいDPP−IV阻害剤は、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩(DPP728)、とりわけその二塩酸塩
および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン(LAF237)、
ならびにL−トレオ−イソロイシルチアゾリジン(Probiodrug社の化合物コード番号:上記のP32/98)、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド、および所望によりいずれの場合でもその薬学的な塩である。
【0141】
好ましくは、自由な組合せの場合、承認され、市販されている発売された製品の用量であることが好ましい。
【0142】
低用量の組合せ剤が、とりわけ好ましい。
【0143】
下記の実施例は、特許請求の範囲の組合せ剤を用いて、その請求項の活性および予期せぬ効果を示すために行い得る。
【0144】
実施例1:
動物および外科手術
動物に関するすべての方法は、米国のDepartment of Health and Human Servicesの標準法に従って行われ、Novartis Animal Care and Use Committeeに承認される。オスの肥満ズッカーラット(Charles River, Wilmington, MA)を、逆の明暗周期下(20時から08時まで点灯)で、水および標準的な齧歯類の食餌(Purina Labs, Richmond, IN)に自由に到達できる状態で個別に飼育する。11週齢で、その動物に、ケタミン/ロンプン(Rompun)/アセプロマジン麻酔下で右頸静脈にシラスティックカテーテルを無菌で移植する。そのカテーテルを首筋から外に出し、ヘパリンおよびポリビニルピロリドンの溶液で満たす。ラットは実験前に手術から回復させる。
【0145】
実験プロトコルおよび測定
12週齢で、その動物にビヒクル(0.5%CMC)かまたは試験化合物を3週間経口投与する。22日目に、経口グルコース耐性試験を行う。簡単には、前記ラットを約16時間絶食させる。実験日における実験の30分前に、前記動物にビヒクル、試験化合物のみ(DPP−IV阻害剤、例えば、LAF237を10μモル/kg、または抗肥満剤を、例えば10mg/kg)または組合せ剤を経口投与する。その後、カニューレ管を試料採取管と接続する。2種の基礎となる試料(500μl)を、10分前および0分に回収する。グルコース(1g/kg)を、第二の試料を回収後に強制的に与える。さらなる試料を、5、10、15、20、30、45、60、75、90、および120分に回収する。すべての試料を、抗凝固剤としてクエン酸塩およびクエン酸ナトリウムを含む非処理ラットからの供与血液に置き換える。血液試料を、EDTAおよび血液1mlにつき100KIUのトラジロール(trasylol)を含む冷却したエッペンドルフ管中に集める。その後、試料を遠心し、血漿を分析まで−20℃で保存する。29日目に、脂肪内負荷試験を行う。簡単には、ラットを約2時間絶食させる。実験日における実験の30分前に、動物にビヒクル、試験化合物のみ(LAF237を10μモル/kg、または抗肥満化合物を、例えば、10mg/kg)または組合せ剤を経口投与する。その後、カニューレ管を試料採取管と接続する。2種の基礎となる試料(500μl)を、10分前および0分に回収する。イントラリピッド脂肪乳剤(Fisher Scientific Inc, Pittsburg, PA)を、第二の試料を回収後に強制的に与える。さらなる試料を、5、10、15、20、30、45、60、75、90、および120分に回収する。すべての試料を、抗凝固剤としてクエン酸塩およびクエン酸ナトリウムを含む非処理ラットからの供与血液に置き換える。血液試料を、EDTAおよび血液1mlにつき100KIUのトラジロールを含む冷却したエッペンドルフ管中に集める。試料を遠心し、血漿を分析まで−20℃で保存する。
【0146】
血漿グルコースを、修飾したSigmaのグルコースオキシダーゼ診断キット(Sigma Chemical Co, St. Louis, MO)を用いて分析する。血漿免疫反応性インスリン(IRI)濃度を、Linco Research(St. Louis, MO)により提供される二重抗体により分析する。その分析は30pmol/lの検出限界であり、分析内および分析間で5%以下の変動を有する。血漿試料中の血漿DPP−IV活性を、既報のように測定する[(Balken, et al 1999)]。GLP−1(7−36)アミドの血漿レベルを、GLP−1(活性)Elisaキット(Linco Research カタログ番号 EGLP−35K, St. Louis, MO)を用いて測定する[(Balkan, et al 1999)]。血漿全コレステロール、トリグリセリドおよび遊離脂肪酸レベルを、Sigma Chemical社により提供される分析キットを用いて酵素学的に測定する(St. Louis, MO)。
【0147】
結果:
ズッカーfa/faラットの体重増加におけるLAF237および抗肥満剤の併用治療の効果
DPP−IV阻害剤および抗肥満剤で処理したラットは、どちらかの薬剤を単独で処理したラットと比較して、予期せぬ相乗的な重量減少を示し得る。
【0148】
ズッカーfa/faラットのOGTTグルコースまたはインスリン変動幅におけるLAF237および抗肥満剤の併用治療の効果
予期せぬ相乗効果が、本発明者らの組合せで観察され得る。
【0149】
ズッカーfa/faラットの血漿フィブリノゲンにおけるLAF237および抗肥満剤の併用治療の効果
予期せぬ相乗効果が、本発明者らの組合せで観察され得る。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤を含む組合せ剤。
【請求項2】
DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩、および
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤;
ならびに、少なくとも1個の追加の薬学的に許容される担体を含む組合せ剤。
【請求項3】
合わせた製剤または固定した組合せ剤の形態の請求項1または2に記載の組合せ剤。
【請求項4】
前記DPP−IV阻害剤が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、
および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド、ならびに所望によりいずれの場合でもその薬学的な塩から選択される、請求項1から3のいずれか1項に記載の組合せ剤。
【請求項5】
前記DPP−IV阻害剤が、(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンである、請求項1から3のいずれか1項に記載の組合せ剤。
【請求項6】
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン;
または、それぞれの場合にその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項1から5のいずれか1項に記載の組合せ剤。
【請求項7】
(a)2型糖尿病および関連する疾患、障害または状態;
(b)インスリン抵抗性およびX症候群、肥満および関連する疾患、障害または状態;
(c)高齢者の高血圧、家族性脂質代謝異常性高血圧、および収縮期高血圧(ISH)を含む高血圧;コラーゲン形成の増加、線維症、および高血圧後のリモデリング;勃起障害、血管コンプライアンスの低下、卒中;高血圧を伴うまたは伴わないすべてのこれらの疾患または状態;
(d)うっ血性心不全、左心室肥大、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、狭心症、血栓症;
(e)腎不全、とりわけ慢性腎不全、糸球体硬化症、腎症;
(f)甲状腺機能低下症;
(g)高血圧を伴うまたは伴わない血管内皮機能障害;
(h)高脂血症、高リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症;
(i)黄斑変性症、白内障、緑内障;
(j)皮膚および結合組織障害、ならびに
(k)経皮的血管形成術後の再狭窄、および経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;末梢血管疾患;
からなる群から選択される疾患または状態の予防、進行の遅延、処置の方法であって、
合わせて有効量の、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩と、
(i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
(ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩、
(iii)レニン阻害剤またはその薬学的に許容される塩
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤との組合せ剤を、それを必要とするヒトを含む温血動物に投与することを含む方法。
【請求項8】
(a)2型糖尿病および関連する疾患、障害または状態(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症および糖尿病性ニューロパシーを含むがそれらに限定されない);
(b)インスリン抵抗性およびX症候群、肥満および関連する疾患、障害または状態(インスリン抵抗性、2型糖尿病、生殖器障害、循環器疾患、肺疾患、胆石および絶食により誘導される胆嚢炎、癌および皮膚疾患、クッシング症候群、甲状腺機能低下症、低血糖症、頭蓋咽頭腫および視床下部の他の疾患を含むがそれらに限定されない);
(c)高齢者の高血圧、家族性脂質代謝異常性高血圧、および収縮期高血圧(ISH)を含む高血圧;コラーゲン形成の増加、線維症、および高血圧後のリモデリング(組合せ剤の増殖抑制作用);勃起障害、血管コンプライアンスの低下、卒中;高血圧を伴うまたは伴わないすべてのこれらの疾患または状態;
(d)うっ血性心不全、左心室肥大、心筋梗塞(MI)後の生存、冠動脈疾患、アテローム性動脈硬化症、狭心症、血栓症;
(e)腎不全、とりわけ慢性腎不全、糸球体硬化症、腎症;
(f)甲状腺機能低下症;
(g)高血圧を伴うまたは伴わない血管内皮機能障害;
(h)高脂血症、高リポタンパク血症、高トリグリセリド血症、および高コレステロール血症;
(i)黄斑変性症、白内障、緑内障;
(j)皮膚および結合組織障害、ならびに
(k)経皮的血管形成術後の再狭窄、および経皮的冠動脈形成術後の再狭窄;末梢血管疾患;
からなる群から選択される疾患または状態の予防、進行の遅延、または処置のための医薬の製造を目的とした、
i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩、
からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤を有する組合せ剤における、DPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩の使用。
【請求項9】
(a)第一の単位剤形のDPP−IV阻害剤またはその薬学的に許容される塩の一定量;
(b)(i)抗肥満剤またはその薬学的に許容される塩、
(ii)食欲調節剤またはその薬学的に許容される塩、または、
いずれの場合でも、適当なとき、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される少なくとも1個の治療剤の一定量を、成分(a)または(b)の2個もしくは3個またはそれ以上の分割単位の形態で含む複数部分のキット。
【請求項10】
前記DPP−IV阻害剤が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、
および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミド、ならびに所望によりいずれの場合でもその薬学的な塩から選択される、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項11】
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラ、ブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン;
または、いずれの場合でも、その薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項12】
前記DPP−IV阻害剤が、1−{2−[(5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチルアミノ}アセチル−2(S)−シアノ−ピロリジン二塩酸塩、
および(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジン、L−トレオ−イソロイシルチアゾリジン、MK−0431、GSK23A、BMS−477118、3−(アミノメチル)−2−イソブチル−1−オキソ−4−フェニル−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリンカルボキサミドおよび2−{[3−(アミノメチル)−2−イソブチル−4−フェニル−1−オキソ−1,2−ジヒドロ−6−イソキノリル]オキシ}アセトアミドから選択され、
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン;
または、いずれの場合でもその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項13】
前記DPP−IV阻害剤が、(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンであり、
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン;
または、いずれの場合でもその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項2に記載の組合せ剤、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項14】
前記DPP−IV阻害剤が、(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンであり、
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、フェンテルミン、レプチン、ブロモクリプチン、デキサンフェタミン、アンフェタミン、フェンフルラミン、デクスフェンフルラミン、シブトラミン、オーリスタット、デクスフェンフルラミン、マジンドール、フェンテルミン、フェンジメトラジン、ジエチルプロピオン、フルオキセチン、ブプロピオン、トピラメート、ジエチルプロピオン、ベンズフェタミン、フェニルプロパノールアミンまたはエコピパン、エフェドリンもしくはプソイドエフェドリン;
または、いずれの場合でもその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項2または3に記載の組合せ剤、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項15】
前記DPP−IV阻害剤が、(S)−1−{2−[5−シアノピリジン−2−イル)アミノ]エチル−アミノアセチル)−2−シアノ−ピロリジンまたは(S)−1−[(3−ヒドロキシ−1−アダマンチル)アミノ]アセチル−2−シアノ−ピロリジンであり、
前記抗肥満剤または食欲調節剤が、オーリスタット、シブトラミン、ジエチルプロピオン、フェン−フェンおよびフェンテルミン、またはその薬学的に許容される塩からなる群から選択される、請求項2または3に記載の組合せ剤、請求項7に記載の方法、請求項8に記載の使用、請求項9に記載の複数部分のキット。
【請求項16】
前記疾患または状態が、糖尿病、好ましくは2型糖尿病、IGTまたは肥満および糖尿病または肥満に関係する疾患または状態から選択される、請求項7、10から15のいずれか一項に記載の方法、請求項8、10から14のいずれか一項に記載の使用。

【公表番号】特表2007−511486(P2007−511486A)
【公表日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538824(P2006−538824)
【出願日】平成16年11月16日(2004.11.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012989
【国際公開番号】WO2005/049088
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】