説明

FM信号のノイズキャンセラ回路

【課題】FM信号に含まれるノイズを適切に低減する。
【解決手段】処理対象となるFM信号の復調前の信号の振幅と閾値とを比較してFM信号の欠落を検出する検出回路102と、FM信号の復調後の信号に基づいて閾値を設定する閾値設定回路104と、を備えるFM信号のノイズ検出回路とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、FM変調された信号に含まれる過変調によるノイズを低減するノイズキャンセラ回路に関する。
【背景技術】
【0002】
FM変調回路において生成されたFM信号にはノイズが重畳される場合がある。例えば、FM変調回路における変調度を上げると一般的に信号のS/N比が良くなるので変調度を高く設定することがある。しかし、限度を超えて変調させた場合には高周波成分が大きくなり過ぎ、FM変調回路を含む送信機器が高周波信号の生成に対応できず、変調信号が減衰してしまう。それによって、本来は図5の破線で示される信号の一部が欠落し、図5の実線で示される信号として変調される場合がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような信号の欠落が生じた場合、そのFM信号を復調しても本来の信号に復元することができなくなる問題が生ずる。
【0004】
そこで、本発明は、上記問題を鑑み、FM信号に含まれる過変調によるノイズを低減することを可能とするノイズキャンセラ回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の1つの態様は、処理対象となるFM信号の復調前の信号の振幅と閾値とを比較して前記FM信号の欠落を検出する検出回路と、前記FM信号の復調後の信号に基づいて前記閾値を設定する閾値設定回路と、を備えることを特徴とするFM信号のノイズ検出回路である。
【0006】
ここで、前記検出回路は、前記FM信号の復調前の信号の振幅が第1の閾値より低くなった場合に前記検出信号の出力を開始し、前記FM信号の復調前の信号の振幅が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上となった場合に前記検出信号の出力を停止させることが好適である。
【0007】
また、前記閾値設定回路は、前記FM信号の復調後の信号における所定の周波数帯域以上の信号のみを出力するハイパスフィルタと、前記ハイパスフィルタから出力された信号に基づいて前記第1の閾値又は前記第2の閾値を設定する閾値設定部と、を備えることが好適である。
【0008】
例えば、前記閾値設定部は、前記ハイパスフィルタから出力された信号を所定の増幅率で増幅するアンプと、前記アンプから出力された信号に最小値を加算する加算器と、前記加算器から出力された信号と最大値とを比較し、前記加算器から出力された信号が前記最大値より小さい場合には前記加算器から出力された信号を選択し、前記加算器から出力された信号が前記最大値以上である場合には前記最大値を選択し、前記第1の閾値又は前記第2の閾値として出力することが好適である。
【0009】
また、前記FM信号の欠落が検出された場合、前記閾値設定回路による前記閾値の更新を停止させることが好適である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、FM信号に含まれるノイズを適切に低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施の形態におけるノイズキャンセラ回路100は、図1の構成図に示すように、振幅低下検出部102、閾値設定部104、ノイズキャンセラ部106を含んで構成される。ノイズキャンセラ回路100は、FM変調された入力信号の過変調によるノイズを低減する機能を有する。
【0012】
振幅低下検出部102は、ローパスフィルタ10、コンパレータ12、第1出力調整部14,第2出力調整部16、位相調整部18及びセレクタ20を含んで構成される。振幅低下検出部102は、復調前のFM信号の振幅値の信号S1を受けて、その信号S1からFM信号が信号の欠落を含むか否かを判定し、欠落を含めば振幅低下検出信号を出力する。復調前のFM信号の振幅値の信号S1は、例えば、振幅値をデジタル化した16ビットの信号とすることができる。
【0013】
閾値設定部104は、スイッチ22、ハイパスフィルタ24、絶対値出力部26、ローパスフィルタ28、第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32を含んで構成される。閾値設定部104は、FM信号の復調後の信号S2を受けて、信号S2の高周波成分に基づいて振幅低下検出部102で変調信号の振幅低下の判定に用いられる閾値を設定して出力する。復調後の信号S2は、例えば、復調後の信号をデジタル化した16ビットの信号とすることができる。
【0014】
ノイズキャンセラ部106は、第1位相調整部34、ローパスフィルタ36、第2位相調整部38、ホールド部40及びセレクタ42を含んで構成される。ノイズキャンセラ部106は、FM信号の復調後の信号S2を受けて、振幅低下検出部102からの振幅低下検出信号が入力されていない場合には信号S2をホールドすることなく出力する。一方、振幅低下検出部102からの振幅低下検出信号が入力されている間は信号S2をホールドして出力することによって、FM信号のノイズをホールド信号に置き換える。
【0015】
振幅低下検出部102、閾値設定部104、ノイズキャンセラ部106は、それぞれ所定のサンプリング周波数でサンプリングされた復調前のFM信号の振幅値の信号S1及びFM信号の復調後の信号S2を受けて、信号S1及びS2が入力される度に下記の処理を繰り返し行う。信号S1及びS2のサンプリング周波数は、FM復調信号に要求されるサンプリング周波数よりも高く設定することが好適である。
【0016】
まず、閾値設定部104について説明する。閾値設定部104のスイッチ22には、FM信号を復調した信号S2が入力される。スイッチ22は、振幅低下検出部102から振幅低下検出信号が出力されていない間は接続状態となって信号S2をハイパスフィルタ24へ入力させ、振幅低下検出信号が出力されている間は遮断状態となって信号S2をハイパスフィルタ24へ入力させないように機能する。スイッチ22が遮断状態となっている間、閾値設定部104は処理動作を一時的に停止する。
【0017】
ハイパスフィルタ24は、入力された信号S2について所定の遮断周波数以上の信号成分を抽出して出力する。ハイパスフィルタ24は、例えば、タップフィルタ等のデジタルフィルタで構成することができる。FM信号には、弱電界等の理由で変調信号にノイズが重畳されると、復調後のFM信号にもノイズが重畳する。その際、復調後のFM信号の高周波領域に三角雑音と呼ばれるノイズが重畳される。そこで、ノイズ成分が重畳する復調後の信号S2の高周波成分をハイパスフィルタ24で抽出する。
【0018】
絶対値出力部26は、ハイパスフィルタ24を透過した信号S2の高周波成分の絶対値を出力する。絶対値出力部26の出力信号はローパスフィルタ28に入力される。ローパスフィルタ28は、信号S2の高周波成分の時間平均値を出力する。ローパスフィルタ28の出力信号は第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32へ入力される。
【0019】
第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32の基本構成は等しく、図2の回路構成図に示すように、アンプ48、加算器50、比較器44、セレクタ46を含んで構成される。第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32は、復調されたFM信号S2の高周波成分から求められたFM信号のノイズの大きさに応じた第1閾値及び第2閾値を生成して出力する。
【0020】
アンプ48は、ローパスフィルタ28から出力されたノイズ成分を所定のゲインで増幅して出力する。加算器50は、アンプ48で増幅された信号に予め設定された最小値を加算する。最小値は、第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32においてそれぞれ生成される第1閾値及び第2閾値の最小値に設定する。比較器44は、加算器50からの出力信号を予め設定された最大値と比較し、加算器50からの出力が最大値より大きければ出力を“1”とし、最大値以下であれば出力を“0”とする。最大値は、第1閾値制御部30及び第2閾値制御部32においてそれぞれ生成される第1閾値及び第2閾値の最大値に設定する。セレクタ46は、比較器44の出力信号を受けて、その出力信号の値に応じて加算器50からの出力と最大値とのいずれか一方を排他的に選択して出力する。すなわち、比較器44の出力値が“0”であれば加算器50からの出力を選択し、出力値が“1”であれば最大値を選択して出力する。
【0021】
以上の処理によって、第1閾値制御部30では、FM信号のノイズ成分に所定のゲインを掛けて増幅し、その値を所定の最小値と最大値との間に収まるように調整して第1閾値として出力する。同様に、第2閾値制御部32では、FM信号のノイズ成分に所定のゲインを掛けて増幅し、その値を所定の最小値と最大値との間に収まるように調整して第2閾値として出力する。
【0022】
ここで、第1閾値制御部30におけるアンプ48のゲインを第2閾値制御部32においてアンプ48のゲインよりも大きい値とすることによって、図3に示すように、第1閾値が第2閾値よりも大きくなるように設定することができる。また、FM信号の高周波ノイズが小さいとき(図3(a))より、大きいとき(図3(b))の方が第1閾値と第2閾値の差が大きくなるようにすることができる。また、総ての範囲において第1閾値が第2閾値よりも大きい値となるように設定するには、加算器50で加算される最小値、比較器44で比較対象とされる最大値も第1閾値制御部30における値を第2閾値制御部32のおける値よりも大きく設定することが好適である。
【0023】
このように、本実施の形態におけるノイズキャンセラ回路100は、復調されたFM信号S2の高周波成分に含まれるノイズの大きさに基づいて第1閾値及び第2閾値を設定する。
【0024】
振幅低下検出部102は、閾値設定部104から第1閾値及び第2閾値を受けて、復調前のFM信号の振幅値の信号S1の振幅と第1閾値及び第2閾値とを比較してFM信号S1の減衰部分を検出する処理を行う。
【0025】
ローパスフィルタ10は、復調前のFM信号の振幅値の信号S1を受けて、所定の周波数以下の成分のみを透過させて出力する。ローパスフィルタ10を用いることによって、振幅低下検出部102において高い周波数成分の信号を取り除き、信号S1の低周波成分の振幅を抽出して出力する。
【0026】
コンパレータ12は、ローパスフィルタ10からの出力信号S1とセレクタ20で選択された閾値とを比較し、信号S1がセレクタ20から出力される閾値より低くなった場合に“1”を出力し、信号S1がセレクタ20から出力される閾値以上となった場合に“0”を出力する。
【0027】
コンパレータ12の出力信号は第1出力調整部14へ入力される。第1出力調整部14は、ローパスフィルタとしての機能を有する。例えば、第1出力調整部14は、コンパレータ12の出力を複数のサンプリング数に亘って蓄積し、コンパレータ12の出力が所定数以上連続して一定であった場合にコンパレータ12の出力値を出力する。
【0028】
より具体的な例としては、第1出力調整部14は、コンパレータ12の出力値を8サンプル蓄積し、コンパレータ12の出力値が8サンプル連続して“1”となった場合に出力を“1”とし、コンパレータ12の出力値が8サンプル連続して“0”となった場合に出力を“0”とする。すなわち、第1出力調整部14の出力が一旦“1”となると、コンパレータ12の出力値が8回連続して“0”となる状態となるまで第1出力調整部14の出力は“1”を維持する。同様に、第1出力調整部14の出力が一旦“0”となると、コンパレータ12の出力値が8回連続して“1”となる状態となるまで第1出力調整部14の出力は“0”を維持する。
【0029】
セレクタ20は、第1出力調整部14の出力値が“1”であれば閾値設定部104の第1閾値制御部30からの第1閾値を選択して出力し、第1出力調整部14の出力値が“0”であれば閾値設定部104の第2閾値制御部32からの第2閾値を選択して出力する。
【0030】
初期状態では第1出力調整部14の出力は“0”であるので、セレクタ20では第2閾値が選択されて閾値として出力される。このとき、コンパレータ12において信号S1の振幅が第2閾値よりも小さくなった場合にコンパレータ12の出力は“0”から“1”に変更される。この状態が連続して続くと第1出力調整部14の出力も“1”となり、これに伴って、セレクタ20では第1閾値が選択されて閾値として出力される。第1閾値は第2閾値よりも大きくなるように設定されているので、次に信号S1が第1閾値以上となるまでコンパレータ12の出力は“1”のままに維持される。信号S1が第1閾値以上となるとコンパレータ12の出力は“1”から“0”に変更される。この状態が連続して続くと第1出力調整部14の出力も“0”となり、これに伴って、セレクタ20では再び第2閾値が選択されて閾値として出力される。
【0031】
すなわち、信号S1がセレクタ20からの第2閾値より小さくなった状態が続いた場合には、第1出力調整部14の出力が“1”となって過変調によって信号S1が低下したことが示され、信号S1がセレクタ20からの第1閾値以上となった状態が続いた場合には、第1出力調整部14の出力が“0”となって過変調による信号S1の振幅の低下が解消されたことが示される。
【0032】
このとき、比較のための閾値を過変調による信号S1の低下が無い状態から信号S1の低下が有る状態への遷移を判断するときには第2閾値とし、信号S1の低下が有る状態から信号S1の低下が無い状態への遷移を判断するときには第1閾値とすることによって、振幅低下の検出にヒステリシス特性を持たせることができ、ノイズの影響等によって信号S1が閾値付近で細かく振動している状態であってもコンパレータ12からの出力が“0”と“1”との間で細かく振動することを防ぐことができる。これにより、過変調による信号S1の低下の検出を安定に行うことができる。
【0033】
また、上記のように、第1閾値及び第2閾値は、FM信号を復調した後の信号S2のノイズの大きさに基づいて変更される。信号S2のノイズの値が大きい場合には第1閾値及び第2閾値も共に大きくなり、ノイズによる信号S1の低下の誤検出を回避できる。信号S2のノイズの値が小さい場合には第1閾値及び第2閾値も共に小さくなり、高い精度で信号S1の低下を検出できる。
【0034】
第2出力調整部16は、フィルタとしての機能を有する。第2出力調整部16は、第1出力調整部14からの出力信号を受けて、第1出力調整部14の出力を複数のサンプリング数に亘って蓄積し、そのサンプリング数分の値の論理和を出力する。すなわち、そのサンプリング数に亘って、第1出力調整部14の出力が少なくとも1回は“1”である場合に第2出力調整部16は“1”を出力し、第1出力調整部14の出力が総て“0”である場合に第2出力調整部16は“0”を出力する。第2出力調整部16の出力信号は振幅低下検出信号として、位相調整部18及び閾値設定部104のスイッチ22へ入力される。
【0035】
より具体的な例としては、第2出力調整部16は、第1出力調整部14の出力値を8サンプル蓄積し、第1出力調整部14の出力値が8サンプル内で少なくとも1回は“1”となった場合に出力を“1”とし、第1出力調整部14の出力値が8サンプル連続して“0”となった場合に出力を“0”とする。
【0036】
位相調整部18は、第2出力調整部16からの振幅低下検出信号を遅延させて位相を調整する。位相調整部18は、第2出力調整部16からの振幅低下検出信号を所定数だけ蓄積するシフトレジスタを含んで構成することができ、シフトレジスタに蓄積されている信号のいずれかを選択して出力する。蓄積された信号のうちいずれを選択するかによって第2出力調整部16から出力される振幅低下検出信号の位相を調整することができる。
【0037】
なお、上記のように、閾値設定部104のスイッチ22を第2出力調整部16の出力信号によって制御することによって、振幅低下検出部102から振幅低下検出信号が出力されていない間は接続状態となってFM信号S2をハイパスフィルタ24へ入力させ、振幅低下検出信号が出力されている間は遮断状態となる。これによって、信号S1の振幅低下が検出されている間は閾値設定部104における第1閾値及び第2閾値の更新が中止され、その間は信号S1の振幅低下検出前の第1閾値及び第2閾値が維持される。すなわち、信号S1の振幅低下の影響を受けた信号S2に基づいて第1閾値及び第2閾値が設定されることがなくなり、信号S1の低下検出への信号S1低下による信号S2に重畳したノイズの悪影響を避けることができる。
【0038】
次にノイズキャンセラ部106について説明する。ノイズキャンセラ部106は、FM信号の復調後の信号S2及び振幅低下検出部102からの振幅低下検出信号を受けて、振幅低下検出信号に応じて出力する信号を調整する処理を行う。
【0039】
第1位相調整部34は、信号S2を遅延させて位相を調整する。第1位相調整部34は、信号S2を所定のサンプリング数だけ蓄積して、蓄積した順に出力するFIFO型のシフトレジスタを含んで構成することができる。第1位相調整部34により信号S2の位相が調整される。
【0040】
ローパスフィルタ36は、第1位相調整部34からの出力信号の所定の周波数以下の成分のみを透過させるフィルタである。ローパスフィルタ36は、例えば、直線位相特性を有するタップフィルタを含んで構成することができる。
【0041】
第2位相調整部38は、第1位相調整部34の出力信号の位相を調整する。第2位相調整部38は、ローパスフィルタ36を通過してセレクタ42に入力される信号と、ローパスフィルタ36を通過せずセレクタ42に入力される信号の位相を一致させるために設けられ、ローパスフィルタ36において発生する遅延時間分だけ入力信号を遅延させる。第2位相調整部38は、例えば、シフトレジスタを含んで構成することができる。
【0042】
ホールド部40は、位相調整部18から出力される振幅低下検出信号を受けて、振幅低下検出信号が“0”から“1”へと変更されたタイミングでローパスフィルタ36からの出力信号を保持して出力する。すなわち、ホールド部40は、振幅低下検出部102において信号S1が低下している期間が開始するタイミングでローパスフィルタ36を通過した復調後の信号S2をラッチし、信号S1の低下が解消されるまでその値をホールドして出力し続ける。ホールド部40は、例えば、フリップ・フロップ回路を含んで構成することができる。
【0043】
セレクタ42は、ホールド部40からの出力信号及び第2位相調整部38からの出力信号を受けて、位相調整部18から出力される振幅低下検出信号が“1”であればホールド部40からの出力信号を選択して出力し、位相調整部18から出力される振幅低下検出信号が“0”であれば第2位相調整部38からの出力信号を選択して出力する。
【0044】
以上のように、ノイズキャンセラ部106は、信号S1が低下が検出されておらず振幅低下検出信号が出力されていないときには復調されたFM信号の位相調整だけを行って出力し、FM信号の振幅低下が検出されて振幅低下検出信号が出力されているときには、振幅低下期間の開始時の復調されたFM信号をホールドして振幅低下期間はその信号を出力し続ける。これによって、図4に示すように、振幅低下期間中はノイズキャンセラ部106からの出力はホールド部40においてホールドされている値に維持され、信号におけるノイズを補償した出力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態におけるノイズキャンセラ回路の構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態における第1閾値制御部及び第2閾値制御部の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態における第1閾値及び第2閾値の設定例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態におけるFM信号に対するノイズ補償処理の例を示す図である。
【図5】FM信号に重畳されるノイズの例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
10 ローパスフィルタ、12 コンパレータ、14 第1出力調整部、16 第2出力調整部、18 位相調整部、20 セレクタ、22 スイッチ、24 ハイパスフィルタ、26 絶対値出力部、28 ローパスフィルタ、30 第1閾値制御部、32 第2閾値制御部、34 第1位相調整部、36 ローパスフィルタ、38 第2位相調整部、40 ホールド部(ホールド回路)、42 セレクタ(セレクタ回路)、50 加算器、44 比較器、46 セレクタ、48 アンプ、100 ノイズキャンセラ回路、102 振幅低下検出部、104 閾値設定部、106 ノイズキャンセラ部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理対象となるFM信号の復調前の信号の振幅と閾値とを比較して前記FM信号の欠落を検出する検出回路と、
前記FM信号の復調後の信号に基づいて前記閾値を設定する閾値設定回路と、
を備えることを特徴とするFM信号のノイズ検出回路。
【請求項2】
請求項1に記載のノイズ検出回路であって、
前記検出回路は、
前記FM信号の復調前の信号の振幅が第1の閾値より低くなった場合に前記検出信号の出力を開始し、
前記FM信号の復調前の信号の振幅が前記第1の閾値よりも大きい第2の閾値以上となった場合に前記検出信号の出力を停止させることを特徴とするノイズ検出回路。
【請求項3】
請求項2に記載のノイズ検出回路であって、
前記閾値設定回路は、
前記FM信号の復調後の信号における所定の周波数帯域以上の信号のみを出力するハイパスフィルタと、
前記ハイパスフィルタから出力された信号に基づいて前記第1の閾値又は前記第2の閾値を設定する閾値設定部と、
を備えることを特徴とするノイズ検出回路。
【請求項4】
請求項3に記載のノイズ検出回路であって、
前記閾値設定部は、
前記ハイパスフィルタから出力された信号を所定の増幅率で増幅するアンプと、
前記アンプから出力された信号に最小値を加算する加算器と、
前記加算器から出力された信号と最大値とを比較し、前記加算器から出力された信号が前記最大値より小さい場合には前記加算器から出力された信号を選択し、前記加算器から出力された信号が前記最大値以上である場合には前記最大値を選択し、前記第1の閾値又は前記第2の閾値として出力することを特徴とするノイズ検出回路。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のノイズ検出回路であって、
前記FM信号の欠落が検出された場合、前記閾値設定回路による前記閾値の更新を停止させることを特徴とするノイズ検出回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−81389(P2010−81389A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−248764(P2008−248764)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】