説明

GI(とりわけGERD)におけるmGluR5(とりわけAFQ056)の使用

本発明は胃腸管の障害、尿路の障害および/または術後障害の処置、予防および/または進行の遅延におけるmGluR5アンタゴニストとして作用する化合物の使用ならびにこれらの適応症に付随する疼痛の処置、予防および/または進行の遅延に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、代謝型グルタミン酸5型受容体のアンタゴニスト(“mGluR5アンタゴニスト”)として作用する化合物の新規医薬の使用に関する。医薬の使用は胃腸(GI)管の障害、尿路の障害および/または術後障害の処置、予防および/または進行の遅延ならびにこれらの適応症が関与する不快感/疼痛の処置、予防および/または進行の遅延を含む。
【背景技術】
【0002】
WO 03/047581は、mGluR5アンタゴニストおよびとりわけ神経系障害の処置における医薬としてのそれらの使用を記載している。WO05/044265、WO05/044266、WO05/044267は、mGluR5アンタゴニストおよびとりわけ胃食道逆流性疾患(GERD)の処置または予防における医薬としてのそれらの使用を記載している。
【0003】
胃腸管および尿路の障害の処置のための既知の薬剤は限られた有効性、耐用性、利便性、および安全性の点からいくつかの欠点を有する。
【発明の開示】
【0004】
驚くべきことに、胃腸管および尿路の障害の処置、予防および/または進行の遅延において、遊離塩基または酸付加塩形の式(I)
【化1】

〔式中、
mは0または1であり、
nは0または1であり、そして
Aはヒドロキシであり
Xは水素であり、そして
Yは水素であるか、または
AはXまたはYと単結合を形成し;
は水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COOR(ここでRは(C1−4)アルキルである)または−COR(ここでRは水素または(C1−4)アルキルである)であり、そして
Rは−COR、−COOR、−CONRまたは−SO(ここでRは(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてもよいフェニル、2−ピリジルまたは2−チエニルであり、RおよびRは独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、そしてRは(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてもよいフェニルである)であり、
R’は水素または(C1−4)アルキルであり、そして
R”は水素または(C1−4)アルキルであるか、または
R’およびR”は一緒に基−CH−(CH−(ここでmは0、1または2であり、この場合nおよびmの一方が0以外である)を
形成する。
ただしnが0であり、Aがヒドロキシであり、XおよびYの両方が水素であり、RがCOOEtであり、そしてR’およびR”が一緒に基−(CH−を形成するとき、Rは水素、トリフルオロメチルおよびメトキシと異なる〕
で示される化合物が非常に有用であることを見いだした。
【0005】
本発明の好ましい式(I)の化合物は下記実施例から選択される:
実施例1:(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸メチルエステル
実施例1a:(−)−(3aR,4S,7aR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例1b:(−)−(3aR,4S,7aR)−フラン−2−イル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドル−1−イル)−メタノン
実施例1c:(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−クロロフェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例1d:(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例1e:(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸(S)(テトラヒドロフラン−3−イル)エステル
実施例1f:(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸(R)(テトラヒドロフラン−3−イル)エステル
実施例1g:(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−(3−クロロフェニルエチニル)−オクタヒドロ−インドル−1−カルボン酸−(S)(テトラヒドロフラン−3イル)エステル
実施例1h:(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例1i:(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(4−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例1j:(±)−(3aRS,4SR,7aRS)−4−(3−クロロフェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−1−メタンスルホニル−オクタヒドロ−インドール
【0006】
実施例2:(±)−(3aRS,7aRS)−4−フェニルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステルおよび(±)−(RS)−4−フェニルエチニル−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2a:(±)−(3RS,7aRS)−2,2,2−トリフルオロ−1−(4−フェニルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドル−1−イル)−エタノン
実施例2b:(±)−(RS)−4−m−トリルエチニル−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2c:(±)−(3RS,7aRS)−4−m−トリルエチニル−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2d:(±)−(3RS,7aRS)−4−(4−クロロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2e:(±)−(3RS,7aRS)−4−(2−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2f:(±)−(3RS,7aRS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2g:(±)−(RS)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2h:(±)−(3RS,7aRS)−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−2,3,3a,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
実施例2i:(±)−(RS)−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−2,3,5,6,7,7a−ヘキサヒドロ−インドール−1−カルボン酸エチルエステル
【0007】
実施例3:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例3a:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例3b:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−p−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例3c:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−(3−シアノ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例3d:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
実施例3e:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−4−ヒドロキシ−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸エチルエステル
【0008】
実施例4:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−フェニルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例4a:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例5:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドール−2−カルボン酸メチルエステル
実施例5a:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−フラン−2−イル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドル−2−イル)−メタノン
実施例5b:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−シクロプロピル−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドル−2−イル)−メタノン
実施例5c:(±)−(3aRS,4RS,7aSR)−(4−ヒドロキシ−4−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−イソインドル−2−イル)−ピリジン−3−イル−メタノン
【0009】
実施例6:(±)−((1SR,3SR)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステルおよび(±)−((1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6a:(±)−(1RS,3SR)−((3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸エチルエステル
実施例6b:(±)−(1RS,3RS)−((3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−(4−メトキシ−ベンジル)−カルバミン酸エチルエステル
実施例6c:(±)−[(1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−5,5−ジメチル−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6d:(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6e:(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−5,5−ジメチル−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6f:(±)−[(1RS,3RS)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6g:(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6h:(±)−[(1RS,3RS)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6i:(±)−[(1RS,3SR)−3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6j:(±)−[(1RS,3RS)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6k:(±)−[(1RS,3SR)−3−(3−クロロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−メチル−カルバミン酸メチルエステル
実施例6l:(±)−(1RS,3RS)−N−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アセトアミド
実施例6m:(±)−(1RS,3SR)−N−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−アセトアミド
実施例6n:(±)−(1RS,3RS)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸エチルエステル
実施例6o:(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸エチルエステル
実施例6p:(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
実施例6q:(±)−(1RS,3SR)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
実施例6r:(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
実施例6s:(±)−(1RS,3RS)−N−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
実施例6t:(±)−(1RS,3SR)−N−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−アセトアミド
実施例6u:(±)−(1RS,3SR)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸エチルエステル
実施例6v:(±)−(1RS,3RS)−N−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−アセトアミド
実施例6w:(±)−(1RS,3SR)−N−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−アセトアミド
実施例6x:(±)−(1RS,3RS)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例6y:(±)−(1RS,3SR)−[3−ヒドロキシ−3−(3−メトキシ−フェニルエチニル)−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例6z:(±)−(1RS,3RS)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
【0010】
実施例6aa:(±)−(1RS,3SR)−(3−ヒドロキシ−3−m−トリルエチニル−シクロヘキシル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例6ab:(±)−(1RS,3RS)−(3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例6ac:(±)−(1RS,3SR)−(3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル
実施例6ad:(±)−(1RS,3RS)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸メチルエステル
実施例6ae:(±)−(1RS,3SR)−[3−(3−フルオロ−フェニルエチニル)−3−ヒドロキシ−シクロヘキシル]−カルバミン酸メチルエステル
実施例7:(±)−(3−フェニルエチニル−シクロヒキサ−2−エニル)−カルバミン酸エチルエステルおよび(±)−3−フェニルエチニル−シクロヒキサ−3−エニル)−カルバミン酸エチルエステル
実施例8:(±)−メチル−(3−フェニルエチニル−シクロヒキサ−3−エニル)−カルバミン酸エチルエステル
【0011】
実施例9:(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−フェニルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
実施例9a:(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−フラン−2−イル−メタノン
実施例9b:(±)−[(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−フラン−2−イル−メタノン
実施例9c:(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル
実施例9d:(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−モルホリン−4−イル−メタノン
実施例9e:(±)−[(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−イル]−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン
実施例10:(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステルおよび(±)−(4aRS,5SR,8aSR)−5−(3−クロロ−フェニルエチニル)−5−ヒドロキシ−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
実施例10a:(±)−(4aRS,5SR,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル
実施例10b:(±)−(4aRS,5RS,8aSR)−5−ヒドロキシ−5−m−トリルエチニル−オクタヒドロ−キノリン−1−カルボン酸エチルエステル。
【0012】
方法の記載において、活性成分の言及はまた薬学的に許容される塩を含むことは理解されよう。これらの活性成分が、例えば、少なくとも一つの塩基性中心を有するとき、それらは酸付加塩を形成できる。対応する酸付加塩は、所望により、さらに塩基性中心が存在するように形成できる。酸性基(例えば、COOH)を有する活性成分はまた塩基と塩を形成できる。活性成分またはそれらの薬学的に許容される塩は、水和物の形で使用し得、または、結晶化に使用した他の溶媒を含み得る。式(I)の化合物およびそれらの製造は、例えば、WO03/047581から既知である。
【0013】
本発明にしたがって、今回驚くべきことに式(I)の化合物が胃腸管および尿路の障害の処置に有用であることを見いだした。
【0014】
特に式(I)の化合物は内臓過敏、不快感/疼痛および/または運動機能障害の変化が関与する状態の処置に有用である。
【0015】
GI管の障害は専門家に既知である。これらの障害は胃食道逆流性疾患(GERD)、機能性消化管障害および術後イレウスを含む。
【0016】
機能性消化管障害(FGID)は慣用の診断法を使用して器質的原因のない腹部症状が関与する慢性または再発性状態として定義される。多数のFGIDに存在している主症状は内臓痛および/または不快感である。FGIDは機能性消化不良(FD)、機能性胸やけ(GERDの一部)、過敏性腸症候群(IBS)、機能性腹部膨満、機能性下痢、慢性の便秘、胆道の機能不全ならびにGut 1999; Vol. 45 Suppl. IIに記載の他の状態を含む。
【0017】
術後イレウスは腹部手術後のGI運動性の一過性機能障害による腸の内容物の反口通過の機能不全と定義される。
【0018】
尿路の障害は尿路の機能不全および/または不快感/疼痛が関与する状態を含む。尿路の障害の例は、限定はしないが、失禁、良性前立腺肥大、前立腺炎、排尿筋過反射、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱(OAB)、骨盤過敏症、急迫性尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、特発性膀胱過敏症などを含む。OABは切迫、尿失禁を伴うまたは伴わない、そして通常、排尿頻度の増加および夜間頻尿であることにより特徴付けられる症候群である。
【0019】
胃食道逆流性疾患(GERD)は食道への胃の内容物の逆流によって起こる。それは上部胃腸管の最も一般的な病気である;その主要な特徴および症状は“胸やけ”として一般に既知である。GERDについて考慮される主な要因は、一過性に開き、物質(例えば、食料、胃酸または胆汁)の胃から食道への通過を可能にする下部食道括約筋の機能不全である。一過性下部食道括約部弛緩(TLESR)と命名されたこの運動性事象は健康な対象よりもGERDに罹患している患者でより頻繁に起こり、逆流症の幼児においてより頻繁に起こる。GERDの現在の標準治療は、食道の酸性の胃内容物への暴露を制限するための胃酸分泌の抑制または消化器運動性の増強を目的とする。食道粘膜の酸への頻繁な暴露は疼痛(しばしば胸やけとして気づく)を引き起こし、糜爛をもたらし得る。それはまた食道外障害、例えば、喘息、咳および喉頭炎をもたらし得る。今日までに、TLESRの発症を、そしてそれにより、GERDまたは幼児の逆流症が関与する症状を低下させる利用できる処置はない。
【0020】
機能性消化不良(FD)は不快感、疼痛、痛み、膨満、げっぷ、膨満、早期の満腹感、吐き気および嘔吐、しゃく熱感および消化不良を含む異種のパターンの上腹部症状と関連のある状態として定義される。機能性消化不良を有するおよそ80%の患者が2種またはそれ以上の上部GI管の上記症状を有する。FDで観察される病態生理学的異常は下記のとおりである:食事摂取の際の胃の調節障害、過敏症から胃拡張、胃内容物排出遅延、自律神経および/または中枢神経障害、過度の相動性収縮活動、胃電位リズムの異常、脂肪または酸に対する十二指腸過敏症、小腸運動障害。75%以上のFD患者で食事が症状を引き起こし、そして90%以上の患者で症状は食物摂取に伴って増加する。したがって、食事摂取に対して胃を準備させる処置が食事誘発症状を減少する可能性を有する。事実、小さい空腹時の容量(食後の容量ではない)がFD患者の減少した食事量および食後の症状の独立予測因子であることを見いだした(Delgado-Aros et al., Gastroenterology, 2004; 127:1685-1694)。
【0021】
過敏性腸症候群(IBS)は下痢もしくは便秘のいずれかまたは両方の特徴を有する排便習慣であり得る、腹部疼痛および/または不快感、膨満および腸障害を含む症状により特徴付けられる慢性または弛張性消化器障害である。
【0022】
疼痛および/または不快感はしばしばFGID、尿路の障害および術後イレウスが関与する;それはGERDの症状だけではない。過敏性腸症候群(IBS)、消化不良、胆道、膵臓、膀胱の障害および術後状態を患う患者は疼痛および不快感を報告する。内臓過敏はIBS、消化不良、GERD、機能性胸やけおよび上記の他の状態のような状態を患う多数の患者の重要な現象として発見された。今日までに、具体的に内臓過敏を処置し、それにより、GERD、機能性胸やけ、IBS、消化不良、胆道、膵臓、膀胱の障害および術後状態を患う患者の疼痛/不快感の症状を減少する、使用できる薬物はない。本明細書で使用される疼痛は内臓痛および/または内臓不快感を含む。
【0023】
本発明のさらなる局面はFGID(例えば、機能性胸やけ、FD、IBS)の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0024】
本発明のさらなる局面は尿路の障害の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0025】
本発明のさらなる局面は術後イレウスの処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0026】
本発明のさらなる局面は胃腸管および尿路の障害が関与する疼痛の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0027】
本発明のさらなる局面は胃腸管および尿路の障害が関与する運動機能障害の変化の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0028】
本発明のさらなる局面は術後イレウスが関与する疼痛の処置のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0029】
本発明は、したがって上記状態および障害の処置のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0030】
本発明は、したがって上記状態および障害の予防のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0031】
本発明は、したがって上記状態および障害の進行の遅延のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0032】
本発明のさらなる局面は上記状態および障害の進行の遅延の処置用薬剤の製造のための式(I)の化合物の使用に関する。
【0033】
本発明のさらなる局面は治療有効量の遊離塩基または薬学的に許容される塩形の上記の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、処置を必要とする対象の上記状態および障害の処置、予防および/または進行の遅延のための方法に関する。
【0034】
本発明のさらなる局面は上記状態および障害の処置、予防および/または進行の遅延のための遊離塩基または薬学的に許容される塩形の上記の式(I)の化合物を含む医薬組成物に関する。
【0035】
上記適応症(状態および障害)において、適当な用量は、例えば、使用される化合物、宿主、投与経路ならびに処置される状態の性質および重症度に依存して変化し得る。しかし、一般的に、動物において満足のいく結果は約0.01から約100mg/kg体重、好ましくは約0.1から約10mg/kg体重、例えば1mg/kgの1日用量で得られることが示唆される。大型哺乳動物、例えば、ヒトにおいて、示唆される1日用量は、例えば、1日に4回までの分割用量で都合良く投与される、式(I)の化合物の約0.1から約1000mg、好ましくは約1から約400mg、より好ましくは約10から約100mgの範囲である。
【0036】
本発明の使用において、式(I)の化合物は、なんらかの通常の方法で、例えば、経口的に、例えば、錠剤もしくはカプセル形で、または非経腸的に、例えば、注射溶液もしくは懸濁液形で、単独の活性剤としてまたは他の活性剤と組み合わせて投与され得る。
【0037】
さらに、本発明は、上記疾患のいずれかの処置における使用のための式(I)の化合物を少なくとも1種の医薬担体または希釈剤と含む医薬組成物を提供する。このような組成物は慣用の方法で製造され得る。単位用量形は、例えば、約2.5から約25mgの式(I)の化合物を含み得る。
【0038】
本発明はまた、上記疾患/状態のいずれかの処置のための医薬組成物の製造のための式(I)の化合物の使用を提供する。
【0039】
本発明はさらに治療有効量の式(I)の化合物を対象に投与することを含む上記疾患/状態のいずれかの処置のための方法を提供する。
【0040】
化合物の有効性は多くの確立された試験/モデルで、制限すべきでないが、イヌのGERDモデル、イヌの食事に対する空腹時の胃の状態および胃の調節モデル、ラットの内臓痛覚過敏症モデル、マウスの内臓感覚/疼痛(膀胱)モデルおよびラットの膀胱における容積誘発収縮のモデルにより示すことができる。
【実施例】
【0041】
イヌのGERDモデル:
ビーグル犬は食道および胃に沿ってマノメーターカテーテルおよびpHプローブの挿入を可能にする慢性食道瘻を備えている。下部食道括約筋および胃の基準圧力の記録後、WO03/047581 A1に記載されている新規の式(I)の化合物の1種を0.03、0.1、0.3および1mg/kgの用量で静脈内投与する。Stakeberg, J. and Lehmann, A. Neurogastroenterol. Mot. (1999) 11: 125-132の変法にしたがって、一過性下部食道括約部弛緩(TLESR)および酸の逆流を、酸性の食料の注入、その後、40ml/分で空気を注入する蠕動ポンプを使用する胃膨張により誘発する。選択した式(I)の化合物は用量依存的にTLESRおよび酸の逆流が付随するTLESRの頻度を減少させる。ビヒクルコントロールと比較してTLESRに対して得られる阻害の程度は0.3および1mg/kgの用量の静脈内投与で、各々37%(4.0±0.5、n=6対ビヒクルコントロール6.4±0.6、n=10、P<0.05)および62%(2.4±0.2、n=5対ビヒクルコントロール6.4±0.6、n=10、P<0.01)であった。酸の逆流を伴うTLESRにおいて、ビヒクルコントロールと比較して阻害の程度は0.3および1mg/kgの用量の静脈内投与で、各々85%(0.3±0.2、n=6対ビヒクルコントロール2.1±0.3、n=10、P<0.05)および70%(0.6±0.4、n=5対ビヒクルコントロール2.1±0.3、n=10、P>0.05)であった。
【0042】
イヌにおける空腹時の胃の緊張および食事に対する胃の調節モデル:
ビーグル犬は胃へのバルーン(10cm長、最大容量950ml)の挿入を可能にする慢性食道瘻を備えている。バルーンを広げるために約200mlの空気をゆっくり注入し、カテーテルを胃近位にバルーンを適切に配置するために収縮させる。バルーンの脱気後、胃を空腹時の容量に戻すためイヌを30分間平静にする。次いでバルーンをバルーンの圧力および容積の両方を制御するbarostatデバイスに接続する。最小膨張圧力(MDP)を測定し、次いでバルーン圧力を60分間MDP+2mmHgに設定する。その後圧力を0mmHgに低下させ、その間液体栄養食品(20ml/kg体重)を胃内に100ml/分のスピードで注入する。バルーンをMDP+2mmHgの圧力で60分間再膨張させ、その間食事が誘発する胃の調節が起こる。3mg/kgの用量の式(I)の化合物またはそのビヒクルを空腹状態における最初のバルーン膨張10分後に経口投与する。投与前の基準空腹時の胃の容積を100%とした。ビヒクル投与後10分ごと(0から50分)に平均した空腹時の胃の容積は、各々85%、81%、79%、69%および68%に達した。比較として、選択された式(I)の化合物は空腹時の容量を増加させた;平均容量(0から50分)は各々97%、97%、159%、188%および197%に達した。胃の容積はビヒクル投与後、有意に減少する(n=5、P<0.01)が、しかし、選択された式(I)の化合物の投与後、有意に増加する(n=5、P<0.01)ことを一方向反復測定ANOVAが示した。食料投与後、胃の容積はビヒクルおよび選択した式(I)の化合物でそれぞれ基準の胃の容積の427%(P<0.05)および338%(P<0.05)に有意に増加した。この試験の結果は選択した式(I)の化合物が食事摂取の結果として胃の調節に影響せずに空腹時の胃(食事摂取前)を弛緩することを示す。結論として、選択した式(I)の化合物は機能性消化不良、GERD、機能性胸やけおよびIBSを患う患者における消化不良の症状の処置のために有用であるはずである。
【0043】
ラットの内臓痛覚過敏症(モデル1):
トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS、エタノール25%中の30mg/kg)をTarrerias, A. et al., Pain (2002) 100: 91-97の変法にしたがって段階的結腸直腸膨張を適用する実験の7日前に内臓痛覚過敏症を誘発するためにマウスの結腸直腸に注入する。段階的結腸直腸膨張(10−60mmHg、10mmHg増加、barostatを使用して3分持続の持続時間と1分脱気)により誘発される腹部の横紋筋収縮は内臓の痛覚の程度を示す。選択した式(I)の化合物は0.1−10mg/kgの用量(経口または非経口投与)で過度の腹部の横紋筋収縮を減少させ、内臓の抗侵害受容活性を示す。
【0044】
ラットの内臓痛覚過敏症(モデル2):
Schwetz, I. et al., Am. J. Physiol. (2005) 286: G683-G691の変法にしたがった水回避ストレスモデルにおいて、選択した式(I)の化合物は0.1−10mg/kgの用量(経口または非経口投与)で段階的結腸直腸膨張(10−60mmHg、10mmHg増加、barostatを使用して1分脱気し3分持続)への応答、例えば、腹部の横紋筋収縮を減少させ、内臓の抗侵害受容活性を示す。
【0045】
ラットの内臓痛覚過敏症(モデル3):
La, J. et al., World J. Gastroenterol. (2003) 9: 2791-2795の変法にしたがった結腸内に酢酸(1.5%、結腸直腸膨張3日前)を有するモデルにおいて、選択した式(I)の化合物は0.1−10mg/kgの用量(経口または非経口投与)で段階的結腸直腸膨張(10−60mmHg、10mmHg増加、barostatを使用して3分持続し、1分脱気)への応答、例えば、腹部の横紋筋収縮を減少させ、内臓の抗侵害受容活性を示す。
【0046】
マウスの内臓感覚/疼痛(膀胱):
血管カテーテルを麻酔マウスの尿道を介して膀胱内に置き、そしてそこに固定する。膀胱膨張(UBD;例えば、60mmHg)するための再現可能な応答を確立後、漸増刺激(10から80mmHg)に対する応答をNess TJ and Elhefni H. J Urol. (2004) 171:1704-8にしたがって測定した。
UBD(腹部の上斜筋において挿入された電極)に対する筋電図反応を定量する。選択した式(I)の化合物は0.1−10mg/kgの用量(経口または非経口投与)でEMG(内臓運動)応答を減少させ、内臓の抗侵害受容活性および/または低感受性活性を示す。
【0047】
ラットの膀胱の膨張誘発収縮:
麻酔ラットにおいて、膀胱に生理食塩水で満たしたPE50ポリエチレンチューブを使用してカテーテルを挿入した。膀胱内圧力を圧トランスデューサにより測定した。膀胱内圧測定法を膀胱収縮を誘発させるために膀胱に塩水を持続注入(0.06ml/分)している間行った(Tagaki-Matzumoto et al J. Pharmacol. Sci. (2004) 95 : 458-465)。選択した式(I)の化合物は0.1−10mg/kgの用量(経口または非経口投与)で膀胱収縮を引き起こす閾値を増加させ、膀胱機能障害(上記)、例えば、過活動膀胱、急迫性尿失禁、排尿筋過反射を有する状態における治療可能性を示唆した。
【0048】
式(I)の化合物でのこれらの発見はとりわけ、逆流、IBS、消化不良、機能性腹部膨満、OABおよび内臓の不快感および/または疼痛が関与する状態の処置における治療的使用のための指標である。
【0049】
術後イレウスモデル:
さらに、WO03/047581 A1に記載されている式(I)の化合物が0.01−100mg/kg、好ましくは0.1−10mg/kg、例えば、1mg/kgの用量(非経口投与)で、ビヒクル/プラセボ処置と比較して速い消化器運動性の修復により証明されるとおり、Huge, A. et al., J. Surg. Res (1998) 74: 112-118の術後イレウスモデルにおいて活性を示すことを見いだした。
【0050】
したがって、式(I)の化合物が術後不定愁訴、例えば、内臓痛および/または不快感、ならびにイレウスの処置に有用であることになる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
胃腸管および尿路の障害の処置、予防および/または進行の遅延のための医薬組成物の製造のための、遊離塩基または酸付加塩形の式(I)
【化1】

〔式中、
mは0または1であり、
nは0または1であり、そして
Aはヒドロキシであり
Xは水素であり、そして
Yは水素であるか、または
AはXまたはYと単結合を形成し;
は水素、(C1−4)アルキル、(C1−4)アルコキシ、トリフルオロメチル、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−COOR(ここでRは(C1−4)アルキルである)または−COR(ここでRは水素または(C1−4)アルキルである)であり、そして
Rは−COR、−COOR、−CONRまたは−SO(ここでRは(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてもよいフェニル、2−ピリジルまたは2−チエニルであり、RおよびRは独立して、水素または(C1−4)アルキルであり、そしてRは(C1−4)アルキル、(C3−7)シクロアルキルまたは所望により置換されていてもよいフェニルである)であり、
R’は水素または(C1−4)アルキルであり、そして
R”は水素または(C1−4)アルキルであるか、または
R’およびR”は一緒に基−CH−(CH−(ここでmは0、1または2であり、この場合nおよびmの一方が0以外である)を形成する。
ただしnが0であり、Aがヒドロキシであり、XおよびYの両方が水素であり、RがCOOEtであり、そしてR’およびR”が一緒に基−(CH−を形成するとき、Rは水素、トリフルオロメチルおよびメトキシと異なる〕
で示される化合物の使用。
【請求項2】
術後障害の処置、予防および/または進行の遅延のための請求項1に記載の使用。
【請求項3】
胃腸管および尿路の障害の処置のための請求項1に記載の使用。
【請求項4】
障害が胃食道逆流性疾患、逆流症、機能性胃腸障害、機能性消化不良、機能性胸やけ、過敏性腸症候群、機能性腹部膨満、機能性下痢、慢性の便秘、胆道の機能不全、失禁、良性前立腺肥大、前立腺炎、排尿筋過反射、排尿開口部閉塞、頻尿、夜間頻尿、尿意逼迫、過活動膀胱(OAB)、骨盤過敏症、急迫性尿失禁、尿道炎、前立腺痛、膀胱炎、および特発性膀胱過敏症からなる群から選択される、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
術後イレウスまたは内臓痛および/または不快感の処置のための請求項1に記載の使用。
【請求項6】
胃腸管および尿路の障害が関与する疼痛の処置のための請求項1に記載の使用。
【請求項7】
術後イレウスが関与する疼痛の処置のための請求項1に記載の使用。
【請求項8】
内臓過敏、不快感/疼痛および/または運動機能障害の変化が関与する状態の処置のための請求項1に記載の使用。
【請求項9】
治療有効量の遊離塩基または薬学的に許容される塩形の請求項1に記載の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、処置を必要とする対象の胃腸管の障害、尿路の障害および/または術後障害の処置、予防および/または進行の遅延のための方法。
【請求項10】
治療有効量の遊離塩基または薬学的に許容される塩形の請求項1に記載の式(I)の化合物を対象に投与することを含む、処置を必要とする対象の胃腸管の障害、尿路の障害および/または術後障害が関与する疼痛の処置、予防および/または進行の遅延のための方法。
【請求項11】
胃腸管の障害、尿路の障害および/または術後障害の処置、予防および/または進行の遅延のための遊離塩基または薬学的に許容される塩形の請求項1に記載の式(I)の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
胃腸管の障害、尿路の障害および/または術後障害が関与する疼痛の処置、予防および/または進行の遅延のための遊離塩基または薬学的に許容される塩形の請求項1に記載の式(I)の化合物を含む医薬組成物。

【公表番号】特表2009−501171(P2009−501171A)
【公表日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520769(P2008−520769)
【出願日】平成18年7月10日(2006.7.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/006729
【国際公開番号】WO2007/006530
【国際公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】