説明

HSP90阻害剤に対する感受性

本発明は、HSP90阻害剤に対する感受性を有する細胞(1つ又はそれ以上)、組織(1つ又はそれ以上)又は細胞培養物(1つ又はそれ以上)を選択する方法に関する。また、HSP90阻害剤での治療に対する哺乳動物腫瘍細胞又は癌細胞の応答性を判定するための方法を本明細書に記載する。詳細には、本発明は、HSP90阻害剤に対する応答者又は感度の高い患者を同定するためのインビトロ法に備えるものであり、及びKRAS遺伝子の活性化突然変異(1つ又はそれ以上)を検出することができるオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの使用を提供する。本発明は、KARS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR遺伝子及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の治療の効力を監視する方法にも関する。加えて、癌治療の効力を予測する方法を、特に、KARS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR遺伝子及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌に関して記載する。また、前記癌の治療のための医薬品のスクリーニング及び/又はバリデーションのための、KARS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR遺伝子及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異を有する(トランスジェニック)非ヒト動物又は(トランスジェニック)細胞の使用を記載し、並びに本明細書に記載する方法を実施するために有用なキットを提供する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
HSP90阻害剤に対する感受性を有する細胞(1つ又はそれ以上)、組織(1つ又はそれ以上)又は細胞培養物(1つ又はそれ以上)を選択する方法であって、
(a)前記細胞、組織又は細胞培養物中のKRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を判定する段階;及び
(b)KRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異を有する細胞(1つ又はそれ以上)、組織(1つ又はそれ以上)又は細胞培養物(1つ又はそれ以上)を選択する段階
を含む方法。
【請求項2】
(i)前記細胞(1つ又はそれ以上)、組織(1つ又はそれ以上)又は細胞培養物(1つ又はそれ以上)とHSP90阻害剤を接触させる段階;及び
(ii)HSP90阻害剤と接触させた前記細胞(1つ又はそれ以上)、組織(1つ又はそれ以上)又は細胞培養物(1つ又はそれ以上)の生存度を評価する段階
をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
HSP90阻害剤を用いた治療に対する哺乳動物腫瘍細胞又は癌細胞の応答性を判定するための方法であって、前記腫瘍細胞中のKRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を判定することを含み、前記活性化突然変異が、その細胞がその治療に対して応答する可能性が高いかどうか、又は応答するかどうかを示すことを特徴とする方法。
【請求項4】
加えて、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の活性化突然変異を判定する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
HSP90阻害剤に対する応答者又は感度の高い患者を同定するためのインビトロ法であって、該方法は、次の段階:
(a)KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌に罹患している疑いのある又は罹患しやすい患者からサンプルを得る段階;及び
(b)KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を評価する段階
を含み;
単独での、又はEGFR及び/若しくはBRAF遺伝子の活性化突然変異に加えての、KRAS遺伝子の活性化突然変異が、HSP90阻害剤に対し応答する患者を示唆する又はHSP90阻害剤に対する前記患者の感度を示唆することを特徴とする方法。
【請求項6】
前記HSP90阻害剤が、ゲルダナマイシン又はその誘導体である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ゲルダナマイシン誘導体が、17−AAG又はIPI−504である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記HSP90阻害剤が、NVP−AUY922である、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
KRAS遺伝子の前記突然変異が、KRAS_G12C、KRAS_G12R、KRAS_G12D、KRAS_G12A、KRAS_G12S、KRAS_G12V、KRAS_G13D、KRAS_G13S、KRAS_G13C、KRAS_G13V、KRAS_Q61H、KRAS_Q61R、KRAS_Q61P、KRAS_Q61L、KRAS_Q61K、KRAS_Q61E、KRAS_A59T及びKRAS_G12Fからなる群より選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
EGFR遺伝子の前記突然変異が、EGFR_D770_N771>AGG;EGFR_D770_N771insG;EGFR_D770_N771insG;EGFR_D770_N771insN;EGFR_E709A;EGFR_E709G;EGFR_E709H;EGFR_E709K;EGFR_E709V;EGFR_E746_A750del;EGFR_E746_A750del,T751A;EGFR_E746_A750del,V ins;EGFR_E746_T751del,I ins;EGFR_E746_T751del,S752A;EGFR_E746_T751del,S752D;EGFR_E746_T751del,V ins;EGFR_G719A;EGFR_G719C;EGFR_G7I9S;EGFR_H773_V774insH;EGFR_H773_V774insNPH;EGFR_H773_V774insPH;EGFR_H773>NPY;EGFR_L747_E749del;EGFR_L747_E749del,A750P;EGFR_L747_S752del;EGFR_L747_S752del,P753S;EGFR_L747_S752del,Q ins;EGFR_L747_T750del,P ins;EGFR_L747_T751del;EGFR_L858R;EGFR_L861Q;EGFR_M766_A767insAI;EGFR_P772_H773insV;EGFR_S752_I759del;EGFR_S768I;EGFR_T790M;EGFR_V769_D770insASV;EGFR_V769_D770insASV;及びEGFR_V774_C775insHVからなる群より選択される、請求項4から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
BRAF遺伝子の前記突然変異が、BRAF_D594G、BRAF_D594V、BRAF_F468C、BRAF_F595L、BRAF_G464E、BRAF_G464R、BRAF_G464V、BRAF_G466A、BRAF_G466E、BRAF_G466R、BRAF_G466V、BRAF_G469A、BRAF_G469E、BRAF_G469R、BRAF_G469R、BRAF_G469S、BRAF_G469V、BRAF_G596R、BRAF_K601E、BRAF_K601N、BRAF_L597Q、BRAF_L597R、BRAF_L597S、BRAF_L597V、BRAF_T599I、BRAF_V600E、BRAF_V600K、BRAF_V600L、及びBRAF_V600Rからなる群より選択される、請求項4から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
KRAS遺伝子、EGFR及び/又はBFAR遺伝子の前記突然変異が、SSP、PCR−RFLPアッセイ、リアルタイムPCR、シークエンシング、HPLC又は質量分析遺伝子型判定法によって検出される、請求項4から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記サンプルが、癌に罹患している疑いのある又は癌に罹患しやすい患者から得られる、請求項5から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項6から8のいずれか一項に記載のHSP90阻害剤に対する感度を診断するための、KRAS遺伝子の並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異のうちの活性化突然変異(1つ又はそれ以上)を検出することができるオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの使用。
【請求項15】
前記オレゴヌクレオチドが、約15から100ヌクレオチドの長さである、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の治療の効力を、該疾患に罹患している又は該疾患に罹患しやすい被験者/患者において監視する方法であって、
a)前記被験者/患者から得た細胞又は組織において、KRASの発現又は活性、並びに、場合によっては、EGFRの活性化若しくは発現レベル及び/又はBRAFの発現若しくは活性化を判定する段階;及び
b)a)において判定した前記少なくとも1つのマーカー遺伝子の活性を、KRASの基準若しくは対照発現レベル又は基準若しくは対照活性と、並びに、場合によってはEGFRの基準若しくは対照発現レベルと、及び/又はBRAFの基準若しくは対照発現レベルと、比較する段階
を含み、a)において判定した前記活性又は発現レベルと前記基準発現レベル又は基準活性との差の程度が、前記癌の治療の前記効力を示唆することを特徴とする方法。
【請求項17】
KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の治療の、該疾患に罹患している又は該疾患に罹患しやすい被験者/患者に対する、効力を予測する方法であって、
a)前記被験者/患者から得た細胞又は組織サンプルにおいて、KRAS、EGFR及び/又はBRAFからなる群より選択される少なくとも1つのマーカー遺伝子の活性化又は発現レベルを判定する段階;及び
b)a)において判定した前記少なくとも1つのマーカー遺伝子の活性を、対照被験者/患者(応答者及び/又は非応答者)から得た細胞又は組織サンプルにおいて場合によっては判定した、前記少なくとも1つのマーカー遺伝子の基準活性又は基準発現レベルと比較する段階
を含み、
a)において判定した前記活性又は発現レベルと、前記基準若しくは対照活性又は前記基準若しくは対照発現レベルとの差の程度が、癌の治療の予測効力を示唆することを特徴とする方法。
【請求項18】
KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の前記治療が、請求項6から8のいずれか一項に記載のHSP90阻害剤の投与を含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
KRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌を治療するための医薬品をスクリーニング及び/又はバリデーションするための、KRAS遺伝子の、並びに、場合によっては、EGFR及び/又はBRAF遺伝子の、少なくとも1つの活性化突然変異を有する(トランスジェニック)細胞又は(トランスジェニック)非ヒト動物の使用。
【請求項20】
前記癌が、小細胞肺癌、肺腺癌、膵臓癌、結腸直腸癌、乳癌、頭頸部癌、卵巣癌、子宮内膜癌、胃腸癌(胃及び食道癌を含む)、腎細胞癌、尿路癌腫、白血病、前立腺癌、リンパ腫、黒色腫、脳腫瘍、小児腫瘍及び肉腫からなる群より選択される、請求項5から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
KRAS遺伝子、並びに、場合によっては、EGFR遺伝子及び/又はBRAF遺伝子、の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を判定することができるオレゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドを含む、請求項1から12、16、17及び20のいずれか一項に記載の方法を行うために有用なキット。
【請求項22】
KRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の治療、治療の改善及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための、請求項6から8のいずれか一項に記載のHSP90阻害剤の使用。
【請求項23】
KRAS遺伝子の少なくとも1つの活性化突然変異の存在を特徴とする癌の治療、改善及び/又は予防に使用するための、請求項6から8のいずれか一項に記載のHSP90阻害剤。
【請求項24】
A427、A549、Calu−1、Calu−3、Calu−6、H1299、H1355、H1395、H1437、H1563、H1568、H1648、H1650、H1666、H1734、H1755、H1770、H1781、H1792、H1819、H1838、H1915、H1944、H1975、H1993、H2009、H2030、H2052、H2087、H2110、H2122、H2126、H2172、H2228、H23、H2347、H2444、H28、H358、H441、H460、H520、H522、H596、H647、H661、H820、HCC2935、HCC4006、HCC827、SK−LU−1、EKVX、H322M、HOP−62、HOP−92、Colo699、DV−90、HCC15、HCC366、HCC44、HCC78、LCLC103H、LCLC97TM1及びLouNH91からなる群より選択される細胞株の組み合わせ。
【請求項25】
薬物に対する感受性を予測するための、請求項24に記載の細胞株の組み合わせの使用。
【請求項26】
前記薬物が、HSP90阻害剤である、請求項25に記載の使用。

【図1−1】
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【図1−2】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5】
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【図6】
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【図7−1】
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【図7−2】
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【図8−1】
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【図8−2】
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【図8−3】
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【図8−4】
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【図9−1】
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【図9−2】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13−1】
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【図13−2】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19−1】
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【図19−2】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−500013(P2012−500013A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523410(P2011−523410)
【出願日】平成21年8月17日(2009.8.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/060640
【国際公開番号】WO2010/020618
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(500449363)マックス−プランク−ゲゼルシャフト ツール フェルデルンク デル ヴィッセンシャフテン エー.ファウ. (5)
【出願人】(509327851)ユニバーシタット ツ ケルン (2)
【Fターム(参考)】