説明

ICタグ位置特定装置およびICタグ位置特定方法

【目的】本発明は、ICタグの貼付された物品の位置を特定するICタグ位置特定装置およびICタグ位置特定方法に関し、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品にICタグを貼付し、空間内の物品の位置を簡易に検出すると共に、ゲートのない物品の盗難防止や無断移動防止を図ることを目的とする。
【構成】 ICタグから無線で情報を読み出すICタグリーダと、ICタグリーダからICタグの情報を読み出す信号の強度を変えてその情報が読み取りできるようになったときあるいは読み取りできなくなったときの強度を測定する手段と、測定した強度をもとにICタグまでの距離を算出する手段と、算出した距離とICタグリーダの位置の、少なくとも2つ以上をもとに、物品の位置を算出する手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ICタグの貼付された物品の位置を特定するICタグ位置特定装置およびICタグ位置特定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ICタグの貼付された物品の位置を検出する方法として、ICタグリーダをその通路などに複数配置し、物品が移動して当該物品に添付されたICタグがいずれかのICタグリーダで読み取られたときに当該読み取ったICタグリーダの位置(所定範囲内)に当該物品があるとして検出することが行われている。
【0003】
また、ICタグの貼付された商品を店内で探す場合、ICタグリーダを携帯した店員が店内を歩き回って目的とするICタグが読み取られたときに該当商品があるとして目視でその商品を見つけるようにしていた。
【0004】
また、ICタグに位置情報(あるいはブロック情報)を予め書き込んで店内の陳列棚などに配置し、ICタグリーダでその商品のICタグの情報を読み出して当該読み出した情報中の予め書き込んでおいた位置情報をもとに、レイアウトイメージ上にその商品イメージを表示するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した第1の技術では、多数のICタグリーダを物品の移動通路などに配置し、いずれのICタグリーダで所望のICタグを貼付した物品を検出したときに当該ICタグリーダの位置に物品があるとしていたのでは、多数のICタグリーダをその通路などに配置する必要があり大変であるという問題がある。
【0006】
また、上述した第2の技術では、ICタグリーダを携帯した店員が店内を歩き回って商品に貼付されたICタグから所定の情報が得られたときに、その商品が近傍に有ると認識し、後は目視でその商品を探す必要があり、店内を歩き回る必要があると共に、近くにきたときに目視でその商品を探す手間が必要となってしまう問題がある。
【0007】
また、上述した第3の技術では、商品に貼付したICタグにその位置情報を予め書き込む必要があると共に、商品が移動したときに当該ICタグの位置情報を書き換える手間が必要になってしまうと共に、移動時にその位置情報を書き換えないと正確な位置情報を得られないという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、これらの問題を解決するため、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品に貼付されたICタグからの情報が読み取られる強度をもとにそれぞれの距離を算出して当該多数のICタグリーダの位置をもとに物品の位置を算出し、当該空間内のいずれの位置に物品があるか検出すると共に、当該空間内から外に出たときなどにアラームを発することを目的としている。
【0009】
従って、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品にICタグを貼付し、当該空間内の物品の位置を簡易に検出することが可能となると共に、ゲートのない物品の盗難防止や無断移動防止を図ることが可能となる。
【発明の効果】
【0010】
本願発明は、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品に貼付されたICタグからの情報が読み取られる強度をもとにそれぞれの距離を算出して当該多数のICタグリーダの位置をもとに物品の位置を算出し、当該空間内のいずれの位置に物品があるか検出すると共に、当該空間内から外に出たときなどにアラームを発することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明は、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品にICタグを貼付し、当該空間内の物品の位置を簡易に検出すると共に、ゲートのない物品の盗難防止や無断移動防止を実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明のシステム構成図を示す。
図1において、ICタグ位置特定装置1は、物品4に貼付されたICタグ5(無線で読み書き可能なICタグ)の位置を特定するものであって、ここでは、処理装置2,多数のタグリーダ3などから構成されるものである。
【0013】
処理装置2は、プログラムに従い各種処理、ここでは、物品4に貼付されたICタグ5の位置を特定するものであって、距離測定部21、位置情報取得部22、位置計算処理部23、距離変換テーブル24、および位置情報記憶テーブル25などから構成されるものである。
【0014】
距離測定部21は、タグリーダ3を制御して物品4に貼付されているICタグ5から情報を読み取るために送信する信号の強度を変えて(最低強度から最高強度へ変えて、最高強度から最低強度へ変えて、あるいは2分木法で中間強度から変えて)当該ICタグ5から情報が読み取れた、あるいは読み取れなくなったときの強度をもとに、距離変換テーブル24を参照してタグリーダ3からICタグ5までの距離を測定するものである(図2から図15参照)。
【0015】
位置情報取得部22は、タグリーダ3の位置情報(予め設定した3次元空間あるいは2次元空間内の位置情報)を取得(例えば予めタグリーダ3の位置情報を設定した位置情報記憶テーブル25を参照して取得、あるいは図示外のGPS受信機からタグリーダ3の位置情報を取得)するものである(図2から図15参照)。
【0016】
位置計算処理部23は、距離測定部21が測定したタグリーダ3からICタグ5までの距離、および位置情報取得部22が取得したタグリーダ3の位置情報をもとに、物品4に添付されたICタグ5の位置情報(予め設定した3次元空間、2次元空間の位置情報)を計算して取得するものである(図2から図15参照)。
【0017】
距離変換テーブル24は、タグリーダ3が物品4に貼付したICタグ5に向けて送信する信号の強度を変えた(最低強度から最高強度へ変えた、最高強度から最低強度へ変え、あるいは2分木法で中間強度から変え)ときに、IDタグ5から情報が読み取れた、あるいは読み取れなくなったときの強度を予め測定して設定したテーブルである(図14の(a)など参照)。
【0018】
位置情報記憶テーブル25は、タグリーダ3の位置情報(予め設定した3次元空間、2次元空間内の位置情報)を予め測定して設定したテーブルである(図14の(b)など参照)。
【0019】
タグリーダ3は、読取電波強度可変型ICタグリーダであって、物品4に貼付したICタグから無線で情報を読み取る信号の強度を変えることができるタグリーダである(図2から図15参照)。
【0020】
物品4は、ICタグ5を貼付してその位置情報を特定する対象の物品である。
ICタグ5は、無線で情報を読み書きできるICタグである。
【0021】
次に、図2のフローチャートの順番に従い、図1の構成の動作を詳細に説明する。
図2は、本発明の動作説明フローチャート(その1)を示す。
【0022】
図2において、S1は、タグリーダ3の読取電波強度を制御して3地点のICタグリーダから目的タグまでの距離を求める。これは、図1の構成で、空間内に配置した多数のタグリーダ3から物品4に貼付された所定IDのICタグ5に向けて送信する信号の強度を変えて情報が読み取れたあるいは読み取れなくなったときの強度を測定し、当該強度をもとに図14の(a)の距離変換テーブル24を参照して距離(タグリーダ3からICタグ5までの距離)を算出し、ここでは、3つの距離d1,d2,d3をメモリ作業領域に記憶する。尚、3つ以上のタグリーダ3でICタグ5からの信号の読み取れなくなったあるいは読み取れたときの強度が測定できたときは、その中から3つを選択(例えば強度の強い順に3つを選択、あるいは後述する位置情報記憶テーブル25に記憶されているタグリーダ3の位置情報ができるだけ異なる(必要に応じて更に、強度の強い)位置情報のタグリーダ3の強度を3つ選択)する。
【0023】
S2は、3つのICタグリーダ3の位置情報を取得する。これは、3つのICタグリーダ3の位置情報を、予め設定した位置情報記憶テーブル25を参照してそれぞれ取得する(右側に記載した位置情報記憶テーブル25に示すように取得する)。
【0024】
S3は、物品4のICタグ5の位置を計算する。これは、右側に記載したように、S1で測定したタグリーダ3とICタグ5との距離d1,d2,d3,更に、S2で取得したタグリーダ3の位置情報(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3、y3、z3)、更に、ICタグ5の位置を(x,y,z)として、図2の右下の式に代入し、当該ICタグ5の位置(x,y,z)を算出する。
【0025】
S4は、その位置に物品IDに対応するイメージを表示する。これは、S4で算出したICタグ5の位置(x,y,z)について、検索対象の物品のIDに対応する物品イメージを予め登録した物品イメージマスタ26から取り出し、予め登録した空間(例えば店舗)のレイアウトイメージマスタ27から取り出し、これら取り出したレイアウトイメージ上の位置に物品イメージを表示する(図15で詳細に説明する)。
【0026】
以上によって、検索対象の物品(物品ID)(あるいはICタグ5のID)が指定されると、物品4に貼付されているICタグ5から情報を読み出すための信号が図1の全てのタグリーダ3から一斉あるいは順次、信号の強度を変えて送信され、該当ICタグ5からその応答があって情報が読み取れたときあるいは読み取れなくなったときの当該信号の強度を求め、求めた強度をもとに距離変換テーブル24を参照して距離を算出し、当該距離およびタグリーダ3の位置情報をもとに物品4に添付されたICタグ5の位置を算出し、空間のレイアウト上にその物品のイメージを、算出した位置に表示することが可能となる。
【0027】
図3は、本発明の説明図(その1)を示す。これは、例えば3つのICタグリーダ1,2,3から1つの物品4に貼付されたICタグ5に向けて信号の強度を変えてその情報の読み取りを行い、ICタグ5から情報が読み取れたときの信号の強度あるいはICタグ5から情報が読み取れなくなったときの信号の強度をそれぞれ測定し、当該強度から物品4に貼付されたICタグ5の位置を特定する様子を模式的に分かり易く記載したものである。
【0028】
図3の(a)は構成模式図を示し、図3の(b)はICタグ5の位置を算出する例を示す。
【0029】
図3の(a)において、ICタグリーダ3の位置認識手段61は、ここでは、3つのICタグリーダ1,2,3の位置(空間内の位置)を認識するものであって、例えば後述する図14の(b)の予め測定して設定した位置情報記憶テーブル25から読み出して認識、あるいは後述する図示外のGPS受信機を当該ICタグリーダ1,2,3にそれぞれ取り付けてGPS受信機で測定した位置情報を取得して認識するものである。これにより、3つのICタグリーダ1,2,3の空間内の位置情報が(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)、(x1,y2,z3)として取得されたこととなる。
【0030】
ICタグリーダ3とICタグ5との間の距離測定手段62は、ICタグリーダ1,2,3から物品4に貼付されたICタグ5に向けて信号の強度を変えてその情報の読み取りを行い、ICタグ5から情報が読み取れたときの信号の強度あるいはICタグ5から情報が読み取れなくなったときの信号の強度をそれぞれ測定し、測定した強度をもとに図14の(a)の距離変換テーブル24を参照してICタグリーダ1,2,3からICタグ5までの距離d1,d2,d3をそれぞれ算出するものである。
【0031】
ICタグ位置特定手段63は、ICタグ5の位置を(x,y,z)とし、位置認識手段61で認識したICタグリーダ1,2,3のそれぞれの位置(x1,y1,z1),(x2,y2,z2)、(x1,y2,z3)、および距離測定手段62で測定したICタグリーダ1,2,3と物品4に貼付されたICタグ5との距離d1,d2,d3を図3の(b)の式に示すように代入し、ICタグ位置(x,y,z)を算出して特定するものである。
【0032】
図3の(b)は、ICタグ5の位置を算出する例を示す。
以上によって、3つのICタグリーダが1つの物品4(検索対象の物品4)に貼付したICタグ5に送信する信号の強度を変えて、ICタグ5から情報が読み取れたときの信号の強度あるいは情報が読み取れなくなったときの信号の強度をもとに3つのICタグリーダと1つのICタグ5との距離d1,d2,d3をそれぞれ求め、3つのICタグリーダの位置情報から物品4に貼付されたICタグ5の位置を算出して特定することが可能となる。尚、図1で既述したように、タグリーダ3は多数配置してあり、検索対象の物品4に貼付したICタグ5から多数のタグリーダ3で送信する信号の強度を変えてその情報が読み取れた(あるいは読み取れなくなった)ときは、強度の強い3つのタグリーダ3を選択(あるいは図14の(b)の位置情報記憶テーブル25を参照して距離のできるだけ離れた位置のタグリーダ3を3つ選択(更に、強度の強いものを選択))する。
【0033】
図4は、本発明の説明図(その2)を示す。これは、予め設定(指定)した空間内(P1、P2,P3,P4,P11,P12,P13,P14で設定された空間内)の周囲(壁)に複数のICタグリーダ1,2,3・・・を取り付け、当該空間内に、ICタグ5を貼付した物品4を配置し、当該物品4を検索する様子を模式的に表したものである。ここでは、空間の左下を基準地点(0.0.0)としている。
【0034】
図4において、処理装置2は、図1の処理装置2であって、LANまたは無線LANで多数のICタグリーダ1,2,3・・・と接続したものである。
【0035】
以上のように空間(例えば店舗、倉庫など)を設定してその中にICタグ5を貼付した物品4を配置することにより、既述したように、多数のICタグリーダ1,2,3・・・から強度を変えた信号を送信し、検索対象のICタグ5から情報が読み取れた(あるいは読み取れなくなった)ときの強度を測定し、当該強度をもとに図14の(a)の距離変換テーブル24を参照して距離d1,d2,d3をそれぞれ求め(図3参照)、これら距離d1,d2,d3から物品4に貼付したICタグ5の位置を算出し、レイアウト上のその位置に物品イメージを表示することが可能となる(図2参照)。
【0036】
図5は、本発明のシステム構成図(その2)を示す。これは、図1の構成に加えて、各タグリーダ3にGPS受信機7をそれぞれ取り付けて当該タグリーダ3の位置をそれぞれ測定可能にしたものであって、他は同じであるので、構成の説明を省略する。
【0037】
GPS受信機7は、公知のGPS受信機であって、ここでは、タグリーダ3にそれぞれ取り付けて当該タグリーダ3の位置を自動的に測定可能にしたものである。
【0038】
基準地点のGPS受信機28は、図5の空間の基準地点(図4参照)に設置したGPS受信機であって、当該基準地点の位置情報を自動的に測定するものである。
【0039】
以上のような構成にすることで、空間内に配置するタグリーダ3の位置情報を予め測定して図14の(b)の位置情報記憶テーブル25に登録する作業が不要となると共に、タグリーダ3を移動して物品4に貼付したICタグ5から情報を読み取りやすくして当該物品4の位置の特定精度を向上させたりすることが簡易に可能となる。
【0040】
次に、図6のフローチャートの順番に従い、図5の構成の動作を詳細に説明する。
図6は、本発明の動作説明フローチャート(その2)を示す。
【0041】
図6において、S11は、タグリーダ3の読取電波強度を制御して3地点のICタグリーダから目的タグまでの距離を求める。これは、図5の構成で、空間内に配置した多数のタグリーダ3から物品4に貼付された所定IDのICタグ5に向けて送信する信号の強度を変えて情報が読み取れたあるいは読み取れなくなったときの強度を測定し、当該強度をもとに図14の(a)の距離変換テーブル24を参照して距離(タグリーダ3からICタグ5までの距離)を算出し、ここでは、3つの距離d1,d2,d3をメモリ作業領域に記憶する。尚、3つ以上のタグリーダ3でICタグ5からの信号の読み取れなくなったあるいは読み取れたときの強度が測定できたときは、その中から3つを選択(例えば強度の強い順に3つを選択、あるいは後述する位置情報記憶テーブル25に記憶されているタグリーダ3の位置情報ができるだけ異なる(必要に応じて更に、強度の強い)位置情報のタグリーダ3の強度を3つ選択)する。
【0042】
S12は、3地点のICタグリーダ3と基準地点のGPS情報を取得する。これは、3つのICタグリーダ3の位置情報を、それぞれに取り付けたGPS受信機7で測定したその位置情報を取得、および空間の基準点に設置したGPS受信機28で測定したその位置情報を取得する。
【0043】
S13は、基準地点を基準とした3地点のICタグリーダ3の位置を計算する。これは、S12で取得した基準地点のGPS受信機で受信した位置情報を基準点(0.0.0)として、3つのICタグリーダ3の位置をそれぞれ計算する(基準地点を基準に3つのタグリーダ3の位置の座標変換する)。
【0044】
S14は、物品4のICタグ5の位置を計算する。これは、S11で測定したタグリーダ3とICタグ5との距離d1,d2,d3,更に、S13で計算したタグリーダ3の位置情報(x1,y1,z1),(x2,y2,z2),(x3、y3、z3)、更に、ICタグ5の位置を(x,y,z)として既述した図2の右下の式に代入し、当該ICタグ5の位置(x,y,z)を算出する。
【0045】
S15は、その位置に物品IDに対応するイメージを表示する。これは、S14で算出したICタグ5の位置(x,y,z)について、検索対象の物品のIDに対応する物品イメージを予め登録した物品イメージマスタ26から取り出し、予め登録した空間(例えば店舗)のレイアウトイメージマスタ27から取り出し、これら取り出したレイアウトイメージ上の位置に物品イメージを表示する(図15で詳細に説明する)。
【0046】
以上によって、検索対象の物品(物品ID)(あるいはICタグ5のID)が指定されると、物品に貼付されているICタグ5から情報を読み出すための信号が図5の全てのタグリーダ3から一斉あるいは順次、信号の強度を変えて送信され、該当ICタグ5からその応答があって情報が読み取れたときあるいは読み取れなくなったときの当該信号の強度を求め、求めた強度をもとに距離変換テーブル24を参照して距離を算出し、当該距離およびタグリーダ3に取り付けたGPS受信機7の位置情報をもとに物品4に添付されたICタグ5の位置を算出し、空間のレイアウト上にその物品のイメージを、算出した位置に表示することが可能となる。
【0047】
図7は、本発明の動作説明フローチャート(その3)を示す。これは、タグリーダ3と物品4に貼付したICタグ5との距離を算出するフローチャートである。
【0048】
図7において、S21は、変数i=1,カウンタ=1に初期設定する。
S22は、ICタグリーダ(i)に対して最高強度の読取電波を発信する。
【0049】
S23は、目的ICタグ5が読み取れたか判別する。これは、S22でICタグリーダ(i)が目的とするICタグ5を指定した最高強度の読取電波(読取信号)を発信し、これに対して、該等するICタグ5から返答の情報が検出されたか判別する。YESの場合には、目的とするICタグ5からの返答の情報が検出され、読み取れたと判別されたので、S27に以降に進む。一方、読み取れなかったときは、S24でi=i+1して現在のICタグリーダでは目的のICタグ5を読取不可であったので、次のICタグリーダにiを+1し、S25でi=n(最終のICタグリーダ)か判断し、YESのときは3つのICタグリーで目的とするICタグ5からの情報が読み取れないと判明したのでS26で位置特定不能通知し終了し、NOのときはS22に戻り繰り返す。
【0050】
S27は、S23のYESで目的とするICタグ5から情報が読み取れたと判明したので、読取電波強度を可変しながら読取可否の境界強度を求める。これは、ICタグリーダ3が目的とするICタグ5から情報を読み取れたので、送信する電波強度を段階的に弱くして読み取れなくなったときの電界強度を求め、作業領域に記憶する。
【0051】
S28は、求めた強度を距離に変換する。これは、S27で求めた強度をもとに、後述する図14の(a)の予め作成した距離変換テーブル24を参照し、ICタグリーダ3と目的とするICタグ5との距離に変換する(図8参照)。
【0052】
S29は、カウンタ=3か判別する。これは、ICタグ5を読み取れたICタグリーダ3が3つか判別する。YESの場合には、3つのICタグリーダ3が1つのICタグ5からの情報を読み取れ、その強度を測定して距離がそれぞれ算出できたので、ここでは、終了する。一方、S29のNOの場合には、ICタグ5から情報を読み取れ、その強度を測定して距離の算出が未だ、3つに到達していないので、S30でカウンタを+1し、S24でi=i+1して次のICタグリーダ3に設定し、S25でi=n(最終のICタグリーダ3)か判別し、NOのときにS22以降を繰り返す。
【0053】
以上によって、ICタグリーダ3から最高強度の信号を目的とするICタグ5の貼付された物品4に向けて送信し、その情報を読み取れたときは段階的に強度を弱めて読み取れ無くなったときの強度(あるいはその直前の強度)をもとに距離変換テーブル24を参照して距離(ICタグリーダ3とICタグ5との距離)を求めることを繰り返し、3つの距離を求めることが可能となる。尚、既述したように、多数のICタグリーダ3と目的とするICタグ5との距離が求まったときは、距離の小さい(強度の強い)ものを先頭から3つ選択する(あるいはICタグリーダ3の位置情報ができるだけ異なりかつ距離が小さい(強度が強い)ものを選択して精度を向上させる)。
【0054】
図8は、本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(1))を示す。
図8において、S31は、最高の読取強度を設定する。
【0055】
S32は、設定した読取電波強度でICタグ5を読み取る。これは、S31で初期設定された最高強度あるいはS34で前回の強度について1段階さげて設定された強度で目的とするICタグ5の読取を行う。
【0056】
S33は、目的ICタグが読み取れたか判別する。これは、S32で読み取りを行った結果、目的とするICタグ5から情報が読み取れたか判別する。YESの場合には、S34で強度を1段階さげて設定し、S32を繰り返す。一方、NOの場合には、S35でひとつ前の強度を境界強度とする(これは、最高強度から段階的に読み取り強度を1段階づつ弱めて、読み取れなくなった直前の読み取り強度を境界強度とする)。
【0057】
以上によって、ICタグリーダ3から目的とする物品4に貼付されたICタグ5に向けて電波強度を最高から段階的にさげて、読み取れなくなったときにその1段階前の電波強度を境界強度として検出することが可能となる。
【0058】
図9は、本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(2))を示す。
図9において、S41は、最低の読取強度を設定する。
【0059】
S42は、設定した読取電波強度でICタグ5を読み取る。これは、S41で初期設定された最低強度あるいはS44で前回の強度について1段階あげて設定された強度で目的とするICタグ5の読取を行う。
【0060】
S43は、目的ICタグが読み取れたか判別する。これは、S42で読み取りを行った結果、目的とするICタグ5から情報が読み取れたか判別する。NOの場合には、S44で強度を1段階あげて設定し、S42を繰り返す。一方、YESの場合には、S45で現電界を境界強度とする。
【0061】
以上によって、ICタグリーダ3から目的とする物品4に貼付されたICタグ5に向けて電波強度を最低から段階的にあげて、読み取れたときにその電波強度を境界強度として検出することが可能となる。
【0062】
図10は、本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(3))を示す。
図10において、S51は、中間強度を設定する。
【0063】
S52は、設定した読取電波強度でICタグ5を読み取る。これは、S51で初期設定された中間強度で目的とするICタグ5の読取を行う。
【0064】
S53は、目的ICタグが読み取れたか判別する。これは、S52で読み取りを行った結果、目的とするICタグ5から情報が読み取れたか判別する。YESの場合には、中間強度を初期値としてS54で図8の境界強度の求めた方(1)の処理を行い、境界強度を求める。NOの場合には、中間強度を初期値としてS55で図9の境界強度の求めた方(2)の処理を行い、境界強度を求める。
【0065】
以上によって、ICタグリーダ3から目的とする物品4に貼付されたICタグ5に向けて電波強度を中間強度で最初発信し、目的とするICタグ5から読み取れたときは図8のフローチャートに従い境界強度を求め(最高の電界強度(=中間の境界強度)から段階的に強度をさげて境界強度を求め)、読み取れなかったときは図9のフローチャートに従い境界強度を求め(最低の電界強度(=中間の境界強度)から段階的に強度をあげて境界強度を求め)ることで、迅速に境界強度を測定することが可能となる。
【0066】
図11は、システム構成図(その3)を示す。これは、人あるいは移動体(例えば倉庫内の物品搬送用車)が携帯型のICタグ位置特定装置1を持って移動しつつ、3箇所で物品4に貼付されたICタグ5との距離をそれぞれ測定し、これら測定した例えば3つの距離から物品4に貼付されたICタグ5の位置を特定するものである。ここで、距離変換テーブル24、タグリーダ3は、既述した図1の距離変換テーブル24、タグリーダ3と同じであるので、説明を省略する。
【0067】
図11において、携帯型ICタグ位置特定装置1は、携帯型のICタグ位置特定装置であって、GPS受信機を持ち自己の現在位置を測定可能なものであり、距離測定部21、GPS情報取得部91、測定地点座標計算部92、位置計算処理部23、表示部93、距離変換テーブル24、タグリーダ3、およびGPS受信機7などから構成されるものである。
【0068】
距離測定部21は、タグリーダ3を制御して物品4に貼付されているICタグ5から情報を読み取るために送信する信号の強度を変えて(最低強度から最高強度へ変えて、最高強度から最低強度へ変えて、あるいは2分木法で中間強度から変えて)当該IDタグ5から情報が読み取れた、あるいは読み取れなくなったときの強度をもとに、距離変換テーブル24を参照してタグリーダ3からICタグ5までの距離を測定するものである(図2から図15参照)。
【0069】
GPS情報取得部91は、距離測定部21が物品4に貼付されたICタグ5との距離を測定したときの現位置情報をGPS受信機7から取得するものである(図12参照)。
【0070】
測定地点座標計算部92は、GPS情報取得部91が取得した現位置情報をもとに、距離測定部21が物品4に添付されたICタグ5との距離を測定した時点の座標(予め設定された空間内の座標に変換、あるいはGPS受信機で受信して測定した位置の座標と同じであれば変換することなくその位置情報のままとする)を計算するものである。
【0071】
位置計算処理部23は、測定地点座標計算部92で計算された位置(ここでは、3回測定するので3つの位置のうちのいずれかの位置)を基準点(通常は、最後に測定した位置を基準点)にし、物品4に貼付されたICタグ5の位置を計算するものである(既述した図2のS3など参照)。
【0072】
表示部93は、位置計算処理部23で計算して算出した物品4に貼付されたICタグ5の位置を、画面上に表示した空間のレイアウト上で当該物品のイメージで表示するものである。
【0073】
GPS受信機7は、現在の位置を測定するものである。
物品4は、検索対象の物品である。
【0074】
ICタグ5は、物品4に貼付した、無線で書込みおよび読み取り可能なICタグである。
【0075】
次に、図12をもとに、図11の構成の動作を詳細2説明する。
図12は、本発明の説明図(野外でのICタグ位置特定方法)を示す。
【0076】
図12の(a)は、1回目を示す。これは、図11の携帯型のICタグ位置特定装置1を人が持参あるいは移動体に搭載して移動し、1回目の測定を行う。ここで、測定は、
・距離測定:
・GPS情報測定:
を行う。距離測定は、既述したように、携帯型のICタグ位置特定装置1を構成するタグリーダ3が電波強度を変えて目的とする物品4に貼付されたICタグ5から情報を読み取れたあるいは読み取れなくなったときの強度を測定して距離変換テーブル24を参照し、タグリーダ3とICタグ5との間の距離を算出する。GPS情報測定は、距離測定したときに、GPS受信機7に指示してこのときの位置情報(GPS情報)を測定する。
【0077】
以上によって、携帯型のICタグ位置特定装置1は、1回目の目的とする物品4に貼付されたICタグ5との距離、およびこのときのタグリーダ3のGPS情報を測定できたこととなる。
【0078】
図12の(b)は、2回目を示す。これは、1回目で測定した後、所定距離移動した後、同様に、
・距離測定:
・GPS情報測定:
を繰り返す。
【0079】
図12の(c)は、3回目を示す。これは、2回目で測定した後、所定距離移動した後、同様に、
・距離測定:
・GPS情報測定:
を繰り返す。
【0080】
図12の(d)は、目的ICタグの位置特定する。検索対象(目的)とする物品4に貼付されたICタグ5の位置は、
(1)基準地点は最後の測定地点として、位置を特定通知する。これは、基準地点を1回目、2回目、3回目の3つの測定地点のうち最後の3回目の測定地点とし、当該最後の測定地点(基準地点)を原点とした物品4に貼付されたICタグ5の位置を通知する(位置の算出は、既述した図2のS3参照)。
【0081】
(2)基準地点は測定地点から選択して、位置を特定通知する。これは、基準地点を1回目、2回目、3回目の3つの測定地点のうちから1つを選択させ、選択された測定地点(基準地点)を原点とした物品4に貼付されたICタグ5の位置を通知する(位置の算出は、既述した図2のS3参照)。
【0082】
(3)3回測定した場所とは異なる地点のGPS情報を測定し、そこを基準地点として、位置を特定通知する(位置の算出は、既述した図2のS3参照)。
【0083】
以上のように、1台の携帯型のGPS受信機を取り付けたICタグ位置特定装置1で、移動しつつ3回、タグリーダ3と検索対象の物品4に貼付されたICタグ5との距離を測定およびそのときの位置をGPS受信機で測定して記憶することを繰り返した後、任意の位置を基準地点(最後の測定地点、選択した測定地点、あるいはGPS受信機で測定した任意の地点)として検索対象の物品4に貼付されたICタグ5の位置を算出してレイアウト上に表示することが可能となる。
【0084】
次に、図13のフローチャートの順番に従い、図11の構成のもとで、図12で説明したときの1回目、2回目、3回目の測定を繰り返し、検索対象の物品4に貼付されたICタグ5の位置を表示する手順を詳細に説明する。
【0085】
図13は、本発明の動作説明フローチャートを示す。
図13において、S61は、測定場所選択(場所移動)を表す。これは、測定場所を選択、例えば最初は既述した図12の(a)、2回目は図12の(b),3回目は図12の(c)の場所をそれぞれ選択(あるいは移動中に任意の場所で選択)する。
【0086】
S62は、最強電波を発信する。
S63は、読み取れたか判別する。これは、図11のタグリーダ3が最強電波の信号を物品4に貼付されたICタグ5に向けて発信し、検索対象のICタグ5から情報を読み取れたか判別する。YESの場合には、S64で測定可能地点を判定し、S65に進む。一方、NOの場合には、S69で測定不可地点と判定し、S61に戻り、他の測定場所の選択を促す。
【0087】
S65は、S631のYES,S64で測定可能地点と判明したので、発信電波強度を変えてICタグ5までの距離を測定する。これは、既述したように、発信電波強度を変えてICタグ5から情報が読み取れなくなったときの強度(あるいは直前の強度)をもとに距離変換テーブル24を参照し、タグリーダ3とICタグ5との距離を測定する。
【0088】
S66は、その位置のGPS情報を収集する。これは、S65でICタグまでの距離を測定したときの、現位置をGPS受信機7から取得する。
【0089】
S67は、カウンタ+1する。これは、S61で選択された測定場所で、タグリーダ3と検索対象の物品4に添付されたICタグ5までの距離およびそのときのGPS受信機で測定した現位置情報が測定できたので、測定できた数をカウントするカウンタを+1する。
【0090】
S68は、カウンタ=3か判別する。これは、タグリーダ3と検索対象の物品4に添付されたICタグ5までの距離およびそのときのGPS受信機で測定した現位置情報について、3つ(3組)が測定できたか判別する。YESの場合には、3つの選択場所でICタグ5までの距離とそのときの位置情報が測定できたので、S70に進む。NOの場合には、未だ3つの距離とそのときの位置情報が測定できていないので、S61に戻り、次の選択場所についてS62以降を繰り返す。
【0091】
S70は、物品4のICタグ5の位置を計算する。これは、S65で測定した距離(タグリーダ3とICタグ5との距離)およびS66で収集した位置情報(現在の位置情報)の3組をもとに、物品4に貼付されたICタグ5の位置を計算する(既述した図1のS3参照)。
【0092】
S71は、ICタグ位置を表示する。これは、画面上に表示したレイアウト上に、S70で計算した位置に物品4のイメージ画像を表示する(検索した目的とする物品4の位置を分かり易く表示する)。
【0093】
以上によって、図11の携帯型のICタグ位置特定装置1を人が持参あるいは移動体に載せて移動し、任意の場所で測定指示することを繰り返してそのときのタグリーダ3と検索対象の物品4に貼付されたICタグ5との距離と、そのときのGPS受信機7で測定した位置をそれぞれ測定し、これら3組の距離と位置をもとに物品4に貼付されたICタグ5の位置を算出してレイアウト上(あるいは地図上)に表示することが可能となる。
【0094】
図14は、本発明のテーブル/情報例を示す。
図14の(a)は距離変換テーブルの例を示す。距離変換テーブル24は、タグリーダ3が物品4に貼付されたICタグ5に向けて信号の強度を変えて送信し、ICタグ5から情報が読み取れたとき、あるいは読み取れなくなったときの強度をもとにタグリーダ3とICタグとの間の距離を予め測定して登録したものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて予め登録したものである。
【0095】
・読取電波強度:
・読取最大距離:
ここで、読取電波強度はタグリーダ3がICタグ5に向けて送信し、ICタグ5から情報を読み取る信号の強度であって、ここでは、最小強度と最大強度とをn段階のステップにしたものである。読取最大距離は、nステップの読取電波強度のうち最初に読み取れたとき(あるいは読み取れなくなったときの直前)の最大距離である。
【0096】
以上のように、読取電波強度と読取最大距離とを予め実験で測定して登録しておくことにより、タグリーダ3がICタグ5に向けて信号の強度を変えて送信し、ICタグ5から最初に読み取れたときの強度あるいは読み取れ無くなった直前の強度をもとに、タグリーダ3とICタグ5との距離を算出することが可能となる。
【0097】
図14の(b)は、位置情報記憶テーブルの例を示す。位置情報記憶テーブル25は、タグリーダ(ICタグリーダ)3の位置情報を予め測定して登録したものであって、ここでは、図示の下記の情報を対応づけて予め登録したものである。
【0098】
・ICタグリーダ名:
・位置情報(x、y、z):
ここで、ICタグリーダ名は、タグリーダ3を一意に特定する名前(ID)である。位置情報(x,y,z)は、タグリーダ3を配置した位置(場所)情報を予め測定して登録したものである。尚、タグリーダ3にGPS受信機7をそれぞれ取り付けた場合には、当該位置情報記憶テーブル25は不要である。
【0099】
図14の(c)は、ICタグに記憶する情報例を示す。ここでは、物品4に貼付するICタグ5は、無線で情報を読み書きできるものであって、図示の下記の情報を記憶するものである。
【0100】
・タグID:
・物品特定情報:
・その他:
ここで、タグIDは、ICタグ5に一意に付与したIDである。物品特定情報はICタグ5を貼付する対象の物品4の情報(物品名、単価、物品コード、作成日付、最終更新日付、販売/出荷済を表すフラグなど)である。その他として、最終アクセス日時などの管理情報を記録する。
【0101】
図14の(d)は、GPS情報の例を示す。GPS情報は、既述した公知のGPS受信機7から取得した現在の場所情報(位置情報)であって、ここでは、GPS受信機7を取り付けたICタグリーダ毎に図示の下記の情報を登録して管理するものである。
【0102】
・抽出ICタグリーダID:
・緯度:
・経度:
・高度:
・その他:
ここで、抽出ICタグリーダIDは検索対象の物品4に貼付されたICタグ5を検出したタグリーダ3のIDである。緯度、経度、高度は、タグリーダ3に取り付けたGPS受信機7から取得した位置情報である。
【0103】
図14の(e)は、読取境界強度情報の例を示す。これは、タグリーダ3がICタグ5から情報を読み取れたときの信号の強度であって、図示の下記の情報を対応づけて登録したものである。
【0104】
・抽出ICタグリーダID:
・読取境界強度:
ここで、抽出ICタグリーダIDは検索対象の物品4に貼付されたICタグ5を検出したタグリーダ3のIDである。読取境界強度は、タグリーダ3が検索対象の物品4に貼付されたICタグ5から情報を読み取れたときの信号の強度(図8から図10参照)である。
【0105】
図15は、本発明の動作説明フローチャートを示す。
図15において、S81は、読み取ったIDをもとに物品イメージを取り出す。これは、タグリーダ3が無線で物品4に貼付されたICタグ5から読み取ったIDをもとに、予めIDに対応づけて物品イメージを登録した物品イメージマスタ26から当該IDの物品の物品イメージを取り出す。
【0106】
S82は、レイアウト上の検出した位置に物品イメージを重ねて表示する。これは、予め登録したレイアウトイメージマスタ27からレイアウトを取り出して画面上に表示し、このレイアウト上に、検出した物品4に貼付したICタグ5の位置に、S81で取り出した物品イメージを重ねて表示する。これにより、検索対象の物品4の位置が、レイアウト上で当該物品の物品イメージで判り易く表示されることとなる。
【0107】
S83は、指定領域の外か判別する。これは、レイアウト上で指定された指定領域の外に、物品の物品イメージ(位置)が表示されたか判別する。YESの場合には、検索対象の物品が指定領域外と判明したので、S84に進む。一方、NOの場合には、検索対象の物品が指定領域内と判明したので、S86に進む。
【0108】
S84は、S83のYESで物品が指定領域外と判明したので、更に、販売済フラグがONか判別する。YESの場合には、販売済みと判明したので、終了する。NOの場合には、販売済みでないと判明し、当該ICタグ5の貼付された物品4が指定領域外に出たと判明かつ販売済みでないと判明したので、盗品の疑いがあるとして、S85でアラーム(音声で販売フラグがONでない物品が指定領域外に出た旨のアナウンス、あるいは管理者の画面のレイアウトの指定領域外のその位置の物品イメージを赤色点滅)を発する。これにより、予め指定領域をX,Yの2次元空間として指定(あるいはX,Y,Zの3次元空間として指定)するのみで、ゲートなしの物品4の当該空間外の移動を簡易に検出してアラームを発することが可能となる。
【0109】
S86は、商品をレジに持参か判別する。YESの場合には、S87でICタグの販売フラグをOFFに書込み、終了する。NOの場合には、ここでは、終了する。そして、所定時間毎にS81以降を繰り返す。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は、空間内に多数のICタグリーダを配置して物品にICタグを貼付し、当該空間内の物品の位置を簡易に検出すると共に、ゲートのない物品の盗難防止や無断移動防止が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】本発明のシステム構成図である。
【図2】本発明の動作説明フローチャート(その1)である。
【図3】本発明の説明図(その1)である。
【図4】本発明の説明図(その2)ある。
【図5】本発明のシステム構成図(その2)である。
【図6】本発明の動作説明フローチャート(その2)である。
【図7】本発明の動作説明フローチャート(その3)である。
【図8】本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(1))である。
【図9】本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(2))である。
【図10】本発明の動作説明フローチャート(境界強度の求め方(3))である。
【図11】本発明のシステム構成図(その3)である。
【図12】本発明の説明図(野外でのICタグ1特定方法)である。
【図13】本発明の動作説明フローチャートである。
【図14】本発明のテーブル/情報例である。
【図15】本発明の動作説明フローチャートである。
【符号の説明】
【0112】
1:ICタグ位置特定装置
2:処理装置
21:距離測定部
22:位置情報取得部
23:位置計算処理部
24:距離変換テーブル
25:位置情報記憶テーブル
26:物品イメージマスタ
27:レイアウトイメージマスタ
3:タグリーダ
4:物品
5:ICタグ
6:メモリ作業領域
7,28:GPS受信機
81:強度測定部
82:距離取得部
91:GPS情報取得部
92:測定地点座標計算部
93:表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICタグの貼付された物品の位置を特定するICタグ位置特定装置において、
物品に貼付する、無線で情報の少なくとも読み出しができるICタグと、
前記ICタグから無線で情報を少なくとも読み出すICタグリーダと、
前記ICタグリーダから前記ICタグの情報を読み出す信号の強度を変えてその情報が読み取りできるようになったときあるいは読み取りできなくなったときの強度を測定する手段と、
前記測定した強度をもとに前記ICタグリーダから情報の読み取られたあるいは情報の読み取られなくなった前記ICタグまでの距離を算出する手段と、
前記算出した距離と当該距離を算出した前記ICタグリーダの位置の、少なくとも2つ以上をもとに、ICタグの貼付された物品の位置を算出する手段と
を備えたことを特徴とするICタグ位置特定装置。
【請求項2】
予め空間の位置情報を設定し、前記算出した物品の位置が当該空間内から外に出たときあるいは外から空間内に入ったときにアラームを発することを特徴とする請求項1記載のICタグ位置特定装置。
【請求項3】
前記測定した強度をもとに予め作成したテーブルを参照して前記ICタグリーダから情報の読み取られたあるいは情報の読み取られなくなった前記ICタグまでの距離を算出することを特徴とする請求項1あるいは請求項2記載のICタグ位置特定装置。
【請求項4】
前記強度は、信号の強度を最低強度から順次最高強度に変えてICタグから情報が読み取られたとき、あるいは信号の強度を最高強度から順次最低強度に変えてICタグから情報が読み取られなくなったとき、あるいは信号の強度を最高強度と最低強度との間を2分木法で変えてICタグから情報が読み取られたときあるいは読み取られなくなったとき、の強度としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のICタグ位置特定装置。
【請求項5】
前記ICタグリーダの位置情報を予め設定したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のICタグ位置特定装置。
【請求項6】
前記ICタグリーダの位置情報を、GPS装置から取得したことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のICタグ位置特定装置。
【請求項7】
前記ICタグリーダに装着されたGPS装置でICタグリーダの位置を検出する手段と、
前記GPS装置を装着したICタグリーダを移動させ、前記物品に貼付されたICタグまでの距離およびGPS装置で当該ICタグリーダの位置をそれぞれ算出し、これらをもとに物品の位置を算出することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載のICタグ位置特定装置。
【請求項8】
請求項7で、最後に算出したGPSの位置を基準点として、物品の位置あるいは当該物品の位置をもとに物品までの距離と方向を算出して提示することを特徴とするICタグ位置特定装置。
【請求項9】
ICタグの貼付された物品の位置を特定するICタグ位置特定方法において、
物品に貼付する、無線で情報の少なくとも読み出しができるICタグと、
前記ICタグから無線で情報を少なくとも読み出すICタグリーダとを設け、
前記ICタグリーダから前記ICタグの情報を読み出す信号の強度を変えてその情報が読み取りできるようになったときあるいは読み取りできなくなったときの強度を測定するステップと、
前記測定した強度をもとに前記ICタグリーダから情報の読み取られたあるいは情報の読み取られなくなった前記ICタグまでの距離を算出するステップと、
前記算出した距離と当該距離を算出した前記ICタグリーダの位置の、少なくとも2つ以上をもとに、ICタグの貼付された物品の位置を算出するステップと
を有するICタグ位置特定方法。
【請求項10】
予め空間の位置情報を設定し、前記算出した物品の位置が当該空間内から外に出たときあるいは外から空間内に入ったときにアラームを発することを特徴とする請求項9記載のICタグ位置特定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2006−71516(P2006−71516A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−256551(P2004−256551)
【出願日】平成16年9月3日(2004.9.3)
【出願人】(598057291)富士通サポートアンドサービス株式会社 (147)
【Fターム(参考)】