説明

ICタグ

【課題】 容易に破壊することがなく、人体に危険を及ぼすこともなく、極力廃棄量を削減して、情報データの抹消に要する時間、環境衛生上の問題を最小化し、再利用を可能として、管理システムにかかる費用を大幅に削減できるICタグを提供する。
【解決手段】 金属製アンテナ3にICチップ4を接合して一体化したICチップ装着体2を構成する。ICチップ装着体2にセラミック製外装材5,6を被覆してICタグ1を構成する。金属製アンテナ3は、金属製線材をコイル状に巻き回して構成する。セラミック製外装材5,6同士を結合すると共に、ICチップ装着体2をセラミック製外装材5,6内に確実に固定するため、セラミック系充填材7を使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛、豚、鶏等の家畜、犬、猫、鳥等の愛玩動物、パチンコ遊技機、複写機等の機器、物品等に関する各種情報データを管理するために使用されるICタグ(RFIDタグ)に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、牛、豚、鶏等の家畜、犬、猫、鳥等の愛玩動物、パチンコ遊技機、複写機等の機器、物品等に関する各種情報データを管理するために、超小型のICチップと無線通信用のアンテナとを一体化し、外装材によって被覆したICタグ(RFID(Radio Frequency Identification )タグ)が使用されるようになってきた。
【0003】
例えば、ICタグを使用した畜産管理システムにおいては、家畜の各個体の適宜部所にICタグを装着し、生年月日、体重、給餌情報、病歴情報等の情報データをICタグに記録させ、それら情報データを適時リーダライタで読み取ることによって、家畜の各個体の誕生から、飼育、屠殺に至るまでを管理するようになっている。
【0004】
ICタグは、取り扱いを容易とし、かつ、外力による損傷を防止するため、従来、図8(C)に示すように、合成樹脂製シート53上に銅、アルミニウム等の導電性を有する金属膜パターンから成るアンテナ54を形成し、このアンテナ54にICチップ55を接合し、一体化してフィルム状のICチップ装着体52を構成し、次いで、図8(B)に示すように、このICチップ装着体52に合成樹脂製外装材56,57を被覆して、図9に示すように、ICタグ51を構成していた(例えば、特許文献1参照)。
又、合成樹脂製外装材56,57同士を結合すると共に、ICチップ装着体52を合成樹脂製外装材56,57内に確実に固定するために、合成樹脂系充填材58を使用していた。
【0005】
かかるICタグ51を、例えば、豚の畜産管理システムに使用する場合には、ICタグ51を豚の各個体の耳部等に装着して、豚の各個体の管理をしていた。
【0006】
【特許文献1】特開2002−7991号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のICタグ51は、合成樹脂製外装材56,57を被覆したものであるから、比較的に強度が低く、豚がこれを噛むと容易に破壊してしまい、以後の各個体の管理に支障を来たすという問題が発生した。又、豚が破壊した破片を食べてしまうと、食肉中に破片が混在することになって、人体に危険を及ぼすという問題も発生した。
【0008】
又、豚を屠殺して食肉とした後、ICタグ51から情報データを抹消し、廃棄する必要があるが、大量のICタグ51から情報データを抹消するには時間を要した。又、ICチップ55、銅又はアルミニウム製アンテナ54、合成樹脂製外装材56,57、合成樹脂系充填材58等から成り、有機材料を含むICタグ51を大量に廃棄するのは、地球環境保護の観点でも改善の必要性が叫ばれていた。
【0009】
ICタグ51を再利用することも考えられるが、合成樹脂製外装材56,57内には細菌が発生し易く、豚に疾病をもたらす等、衛生面にも問題があった。又、ICタグ51を煮沸又は薬品によって殺菌しようとしても、合成樹脂製外装材56,57は耐熱性、耐薬品性に問題があり、結局、再利用することは困難であった。
さらに、成育するまで5年もかかる牛に対しては、合成樹脂製外装材56,57によって被覆したICタグ51では、屠殺して食肉とする前に寿命が来てしまい、耐久性に問題があり、再利用することは困難であった。
【0010】
外装材を金属等の強度が高い材料から形成することも検討されたが、導電性を有する部材がICチップ装着体52の近傍に存在すると、ICタグに電力を供給し、又、データを送受信するために使用する電波を遮蔽してしまうため、ICタグが機能しなくなってしまうという問題があった。そのため、従来から、ICタグは、できるだけ導電性を有する部材から遠ざけて設置するのが一般的であった。
【0011】
又、ICタグの保管、運搬及び使用時において、外部からの応力や衝撃等から保護するために、その周囲を容器等で被覆することが多いが、容器の外部からリードライト端末機等によってICタグと通信を行なうためには、容器の材料として通信のバリアとなる導電性材料を使用することはできず、プラスチック等の非導電性材料より製作された容器にICタグを収容した状態で使用するのが一般的であった。
【0012】
以上のことから、従来のICタグ51は、再利用することは困難であり、使い捨てのものでしかなかったから、ICタグ51による畜産管理システムには、莫大な費用がかかっていた。
又、従来のICタグ51は、機械的強度が低く、高温や低温という温度環境にも弱く、
さらに、湿度が高い環境においては、ICチップ55が水分により劣化するため、利用できない用途が多く存在した。
【0013】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、容易に破壊して管理に支障を来たしたり、人体に危険を及ぼすようなこともなく、極力廃棄量を削減して地球環境への影響を最小限にし、情報データの抹消に要する時間、環境衛生上の問題を最小化し、再利用を可能として、管理システムにかかる費用を大幅に削減できるICタグを提供することにある。
【0014】
又、ICタグの機械的強度を向上させることにより、落としても、踏みつけても損傷しないという特性を生かし、物品に貼り付けて情報を管理する用途以外に、ゲームのプレー可能回数や得点等をICチップ55に読み書きすることができるゲームコイン等の用途に最適なICタグを提供することにある。
【0015】
又、従来のICタグでは損傷を受けるため使用できなかった低温や高温という環境においても、十分に使用可能なICタグを提供することにある。
加えて、吸湿性や水分透過性が極めて低く、又、耐薬品性が高いセラミック材料及びセラミック系充填材を使用することによって、高湿度という環境や水中にICタグが没するような用途、又、アルカリ、酸、溶剤、腐食性ガスが存在する環境等の、合成樹脂製外装材を被覆した従来のICタグでは使用不可能な環境又は用途においても、性能が劣化することなく十分に使用可能なICタグを提供することにある。
さらに、高温雰囲気においても使用可能とするために、熱に弱いICチップ55の周囲を、例えば、雲母、ガラスファイバー等の断熱材で囲って封止する構成を採用することにより、よれ耐熱性に優れたICタグを提供することにある。
【0016】
又、上記の数々の特性を生かして、高温や殺菌剤を使用して殺菌処理可能な、又、洗浄剤、酸化・還元剤等を使用して表面に付着した汚れを洗浄可能なICタグを提供することにある。
【0017】
又、ICタグに記録された情報が読み出せなくなった場合に備えて、ICタグを特定可能な情報を、例えば、識別記号(ID)等を外装材の表面に文字、バーコード又は2次元コード等で表示することにより、ICタグに記録されていた情報を復元可能なICタグを提供することにある。
【0018】
さらに、外形寸法の小さいICタグが要求される用途では、内部のアンテナ54の寸法が小さくなるために、標準サイズのICタグに比べて通信可能距離が短くなるという欠点があったが、特定の外装材の材料とアンテナの材料とを組み合わせることによって、通常のICタグよりも通信可能距離が長くなるICタグを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明は、合成樹脂製シート上に導電性を有する金属膜パターンから成るアンテナを形成し、このアンテナにICチップを接合して一体化したICチップ装着体に、又は、導電性を有する金属製線材を巻き回して成るアンテナにICチップを接合して一体化したICチップ装着体に、セラミック製外装材を被覆して、ICタグを構成したことを特徴とする。
【0020】
封入するICチップ装着体としては、一般的な合成樹脂製シート上に金属製アンテナを形成したものを採用してもよいが、上記目的に最適なものとしては、金属製アンテナとICチップとを一体化して取り扱い易く、封入する体積を最小にでき、かつ、高温や低温環境での耐性を向上するべく熱抵抗を大きくできる、金属製線材をコイル状に巻き回して金属製アンテナを構成したものである。
【0021】
又、金属製アンテナとICチップとを一体化したICチップ装着体をセラミック製外装材内に確実に固定するため、セラミック系充填材を使用するのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のICタグの好適な実施形態について、図面を参照して説明する。
【0023】
本発明の一実施例のICタグ1は、図1及び図2に示すように、導電性を有する金属製線材を巻き回して形成したアンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2と、セラミック製外装材5,6と、セラミック系充填材7と、から構成される。
【0024】
アンテナ3は、銅、アルミニウム等の導電性を有する金属製線材をコイル状に巻き回して形成してある。
これによって、金属製アンテナ54とICチップ55とを合成樹脂製シート53上に配置したICチップ装着体52に比べて投影面積が小さくなり、金属製アンテナ3とICチップ4とのみによって一体化し、形状を保持させておくことができる。
【0025】
セラミック製外装材5,6は、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO・SiO)、窒化珪素(Si)等のセラミック材料を焼成したものであり、図1に示すように、上下の外装材5,6は、互いに嵌合するようになっている。そして、下側の外装材5には、ICチップ装着体2を収納するための陥没部5aを形成してあり、上側の外装材6には、この陥没部5aと嵌合する突出部6aを形成してある。
【0026】
セラミック系充填材7としては、アルミナセメント、ポルトランドセメント等のセラミックセメント材料が使用される。
これによって、セラミック製外装材5,6同士を確実に接着すると共に、金属製アンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2をセラミック製外装材5,6内に確実に固定することができる。
【0027】
本発明のICタグ1は、以上のような構成であり、以下のようにして製造する。
【0028】
先ず、図1(C)に示すように、金属製線材をコイル状に巻き回した金属製アンテナ3の両端にICチップ4を接合し、金属製アンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2を構成する。
【0029】
次に、図1(B)に示すように、金属製アンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2を下側のセラミック製外装材5の陥没部5aに位置させる。
【0030】
一方、上側のセラミック製外装材6の下面全体にセラミック系充填材7を十分に塗布させ、付着させておく。
【0031】
次に、上方からセラミック製外装材6を載置させ、図2に示すように、セラミック製外装材6の突出部6aをセラミック製外装材5の陥没部5aに嵌合させ、両者を完全に結合させて、ICタグ1を構成する。
【0032】
本発明の他実施例のICタグ21は、図3及び図4に示すように、導電性を有する金属製線材を巻き回して形成したアンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2と、セラミック製外装材25と、セラミック系充填材7と、から構成される。
【0033】
ICチップ装着体2及びセラミック系充填材7は、本発明の一実施例のICタグ1におけると同様の材料及び構成である。
セラミック製外装材25は、ICタグ1におけるセラミック製外装材5,6と同様、アルミナ(Al)、ジルコニア(ZrO・SiO)、窒化珪素(Si)等のセラミック材料を焼成したものであり、図3に示すように、外装材25には、ICチップ装着体2を収納するための陥没部25aを形成してある。
【0034】
本発明のICタグ21は、以上のような構成であり、先ず、図3(B)に示すように、金属製アンテナ3とICチップ4とを接合して一体化したICチップ装着体2をセラミック製外装材25の陥没部25aに位置させる。
【0035】
次に、図4に示すように、セラミック製外装材25の陥没部25aにセラミック系充填材7を充填し、ICチップ装着体2をセラミック系充填材7内に完全に封入して、ICタグ21を構成する。
【0036】
かかる構成のICタグ21によれば、ICタグ1に比較して薄肉かつ安価なICタグを提供することができる。
【0037】
本発明の他実施例のICタグ31は、図5に示すように、合成樹脂製シート33上に導電性を有する金属膜パターンから成るアンテナ34を形成し、このアンテナ34にICチップ35を接合して一体化したフィルム状のICチップ装着体32と、セラミック製外装材5,6と、セラミック系充填材7と、から構成される。
【0038】
フィルム状のICチップ装着体32は、従来のICタグ51におけるフィルム状のICチップ装着体52と同様の構成である。
又、セラミック製外装材5,6及びセラミック系充填材7は、本発明の一実施例のICタグ1におけると同様の材料及び構成である。
【0039】
本発明のICタグ31は、以上のような構成であり、従来のICタグ51におけると同様にして構成することができる。
【0040】
[試験例1]
次に、セラミック製外装材5,6の材料としてアルミナ(Al)を採用したICタグ1の特性について説明する。
アルミナ(Al)の物性は、表1に示す通りである。
【0041】
【表1】

【0042】
セラミック製外装材5,6によってICチップ装着体2を封止した構成を採用することによって、ICタグ1全体の熱容量は増大する。又、アルミナの熱伝導率は約20[W/m・K]であって、鉄の1/5程度であるため、高温の雰囲気中にICタグ1を設置した場合に、内部のICチップ4の温度上昇率は従来のICタグ51に比べて低くなる。
この結果、短時間であれば、ICチップ4の許容温度を超える高温に曝されても、ICタグ1は故障することなく、正常に動作することが可能となる。実際に行なった耐熱試験の結果を、表2に示す。
【0043】
【表2】

【0044】
尚、使用したICチップ4の許容温度範囲は、動作時が−40〜+85℃、非動作時が
−65〜+150℃であった。
このような高温の雰囲気中で使用されるICタグ1にあっては、アンテナ3とICチップ4とを接合するのに、溶着又は融点が+250℃以上の高温ハンダを用いる。
しかし、通常の融点温度のハンダを用いて接合したICタグ1であっても、結合部の周囲をセラミック系充填材7で被覆しているため、ハンダの融点温度以上に接合部の温度が上昇し、ハンダが溶融してしまっても、接合部相互がずれることはなく、又、ハンダが外部に漏れ出すこともないため、正常な接合状態が維持され、ICタグ1が正常に機能することが確認された。
【0045】
又、高温雰囲気中で使用するICタグとしては、金属製線材を巻き回したアンテナ3を使用したICタグ1が適当である。
しかし、通常の合成樹脂シート33上に金属製アンテナ34を形成し、ICチップ35を接合したフィルム状のICチップ装着体32から成るICタグ31であっても、上記と同様の理由により、内部のICチップ35の温度上昇が抑制されるため、ICチップ35の使用温度範囲を超える雰囲気中であっても、ICタグ31は正常に動作することができる。
特に、ICチップ装着体32を構成する合成樹脂シート33が熱によって変形してしまうという現象は、セラミック製外装材5,6及びセラミック系充填材7によって確実に包囲されているため、確実に抑制することができる。
【0046】
[試験例2]
又、セラミック製外装材5,6,25を被覆したICタグ1,21,31にあっては、図7に示すように、ICタグ1,21,31とリーダライタ11との最大通信可能距離Lは、従来のICタグ51に比べて伸びることが確認できた。
合成樹脂製シート33上にアンテナ34を形成したICチップ装着体32から成るICタグ31において、アンテナ34の材料としてアルミニウムを採用し、セラミック外装材5,6としてアルミナ系材料を採用した場合に、最もその効果が顕著に現れた。
表3に示すように、アンテナ34のサイズが14mm(内径)×40mm(外径)のICタグ31が、最もその効果が大きく、最大通信可能距離Lは従来のICタグ51に比べて約30%も伸びている。
【0047】
【表3】

【0048】
本発明のICタグ1,21,31は、無機材料であるセラミックにより外装材5,6,25を構成しているため、ICタグ1,21,31の表面に細菌等が付着しても増殖することはない。
表面が汚れて細菌等の温床になることは考えられるが、表面に酸化チタン(TiO)を塗布する等の抗菌処理を施すことにより、細菌等の繁殖を防ぐことが可能である。
又、外装材のセラミックは高温、殺菌剤等によって影響を受けないため、各種の殺菌、滅菌処理を施すことによって、表面を衛生的な状態に保持することが可能である。
【0049】
本発明のICタグ1,21,31は、内部に情報を記録しており、読み出しには電波を利用しているため、万一ICタグ1,21,31が故障して読み出しができなくなると、内部の情報を取り出す手段が全くなくなる。
そのような場合に備えて、図6に示すように、ICタグ1,21,31の表面に、記録した情報に対応する識別記号(ID)41を予め表示しておくのが好ましい。
識別記号(ID)41としては、英数字、バーコード又は2次元コード等どのようなものでもよく、又、表示方式としても、インクを使用する等、種々方式が考えられるが、耐摩耗性、耐薬品性を考慮すると、セラミック外装材5,6,25の表面に直接レーザーで表示する方式が最も優れている。
【0050】
ICタグ1,21,31が故障した場合には、表面に表示された識別記号(ID)41を目視又は読取装置で読み取り、読み取った情報を基にICタグ1,21,31の内部に記録されていた情報をサーバー上にあるデータベースに問い合わせて確認し、又は、管理台帳を検索して確認する。
そして、確認した情報を使用して、新しいICタグ1,21,31に情報を書き込み復元し、この新しいICタグ1,21,31の識別記号(ID)41をセラミック製外装材5,6,25の表面に表示すると同時に、データベース又は管理台帳を更新して、復旧作業を完了する。
【0051】
以上の如く、本発明のICタグ1,21,31は、金属製アンテナ3,34とICチップ4,35とを一体化したICチップ装着体2,32にセラミック製外装材5,6,25を被覆したものであって、外装材5,6,25の硬度が非常に高いから、豚が噛んでも容易に破壊することはなく、管理に支障を来たすという問題は発生しない。又、破壊した破片を食べて、人体に危険を及ぼすという問題も発生しない。
【0052】
このように、本発明のICタグ1,21,31は、容易に破壊することはないから、再利用によって極力廃棄量を削減することができ、情報データの抹消に要する時間、地球環境への影響を最小化することができる。
【0053】
又、セラミック製外装材5,6,25は抗菌性を有し、豚に疾病をもたらす等、衛生面に問題もなく、耐熱性、耐薬品性にも優れるから、ICタグ1,21,31を煮沸又は薬品等によって殺菌して、容易に再利用を図ることができる。
【0054】
そして、本発明のICタグ1,21,31は、多数回に亘って再利用することができるから、従来の使い捨てのICタグ51に比較して、ICタグによる畜産管理システムに要する費用を大幅に削減することができる。
【0055】
又、本発明のICタグ1,21,31は、最終的に廃棄することになっても、セラミック製外装材5,6,25、セラミック系充填材7及び金属製アンテナ3,34も無機材料から成り、有機材料から成る部分が極めて少ないから、地球環境への影響を最小化することができる。
【0056】
尚、本発明のICタグ1,21,31は、牛、豚、鶏等の家畜を飼育する畜産管理システム、パチンコ遊技機、複写機等の機器、物品等に関する各種情報データを管理するために使用されるのみならず、耐熱性、耐薬品性が要求される用途、例えば、ドライクリーニングする衣服等を管理するためにも使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施例のICタグを構成する部材であって、(A)は下側外装材の平面図、(B)は各部材を分離した状態の側断面図、(C)はコイル状のアンテナとICチップとを一体化したICチップ装着体の平面図である。
【図2】図1に示すICタグの(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【図3】本発明の他実施例のICタグを構成する部材であって、(A)はセラミック製外装材の平面図、(B)は各部材を分離した状態の側断面図、(C)はコイル状のアンテナとICチップとを一体化したICチップ装着体の平面図である。
【図4】図3に示すICタグの(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【図5】本発明の他実施例のICタグを構成する部材であって、(A)は下側外装材の平面図、(B)は各部材を分離した状態の側断面図、(C)は合成樹脂製シート上にアンテナとICチップとを一体化したICチップ装着体の平面図である。
【図6】図5に示すICタグの(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【図7】本発明のICタグに記録した情報をリーダライタによって読み取る状態を示す説明図である。
【図8】従来のICタグを構成する部材であって、(A)は下側外装材の平面図、(B)は各部材を分離した状態の側断面図、(C)は合成樹脂製シート上にアンテナとICチップとを一体化したICチップ装着体の平面図である。
【図9】図8に示すICタグの(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ICタグ
2 ICチップ装着体
3 アンテナ
4 ICチップ
5,6 セラミック製外装材
7 セラミック系充填材
21 ICタグ
25 セラミック製外装材
31 ICタグ
32 ICチップ装着体
33 合成樹脂性シート
34 アンテナ
35 ICチップ
41 識別記号

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属製アンテナにICチップを接合して一体化したICチップ装着体をセラミック製外装材によって被覆したことを特徴とするICタグ。
【請求項2】
前記金属製アンテナは、金属製線材をコイル状に巻き回して構成したことを特徴とする請求項1に記載のICタグ。
【請求項3】
前記ICチップ装着体をセラミック系充填材によって前記セラミック製外装材内に固定したことを特徴とする請求項1又は2に記載のICタグ。
【請求項4】
前記ICチップ装着体の周囲をさらに断熱材によって包囲したことを特徴とする請求項1乃至3に記載のICタグ。
【請求項5】
前記金属製アンテナの材料としてアルミニウムを採用し、前記セラミック製外装材の材料としてアルミナを採用したことを特徴とする請求項1乃至4に記載のICタグ。
【請求項6】
前記セラミック製外装材の表面を抗菌処理したことを特徴とする請求項1乃至5に記載のICタグ。
【請求項7】
前記セラミック製外装材の表面に酸化チタンを塗布することによって抗菌処理したことを特徴とする請求項6に記載のICタグ。
【請求項8】
前記セラミック製外装材の表面に、ICチップに記録された情報を特定できる識別記号(ID)を表示したことを特徴とする請求項1乃至7に記載のICタグ。
【請求項9】
前記識別記号(ID)は、英数字、バーコード又は2次元コードであることを特徴とする請求項8に記載のICタグ。
【請求項10】
前記識別記号(ID)は、レーザーによって表示されたものであることを特徴とする請求項8又は9に記載のICタグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−236279(P2006−236279A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−53987(P2005−53987)
【出願日】平成17年2月28日(2005.2.28)
【出願人】(391035902)ケイ・アール・ディコーポレーション株式会社 (9)
【Fターム(参考)】