説明

IGSF9およびLIV−1を使用して癌を処置するための組成物および方法

ヒトIGSF9およびLIV−1ポリペプチド、およびこうしたポリペプチドをコードするDNA(RNA)を開示する。開示するポリペプチドおよび/またはポリヌクレオチドは、IGSF9またはLIV−1と結合する、改変された抗体と天然の抗体の両方を産生するのに特に有用である。また、本発明の抗体、ポリペプチド、およびポリヌクレオチドを含む薬剤組成物およびワクチンを開示する。また、前記ポリペプチドに対するリガンド、アンタゴニスト、およびアゴニストを同定するための、こうしたポリペプチドを利用する方法を開示する。最後に、腫瘍性疾患の治療、診断、および/または予後のための、上述の組成物を含む方法を開示する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGSF9またはLIV−1のどちらかと結合する単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
配列番号2に示す通りのアミノ酸21から718の間、配列番号8に示す通りのアミノ酸21から734の間、配列番号22〜27に示す通りのアミノ酸配列のIGSF9と結合するか、または配列番号29に示す通りの、アミノ酸28から317、373から417、674から678または742から749間でLIV−1と結合する単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
前記抗体または抗原結合フラグメントはドメイン欠損抗体を含む、請求項2に記載の単離された抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項4】
細胞傷害性薬剤をさらに含む、請求項3に記載のドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記細胞傷害性薬剤は、放射性核種である、請求項4に記載のドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記抗体は、ヒト化されている、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
前記抗体は、霊長類化されている、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項8】
IGSF9またはLIV−1と結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、ここで該抗体またはその抗原結合フラグメントは、IGSF9またはLIV−1と結合する、1つまたは複数の機能を妨げる、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
IGSF9またはLIV−1と結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項10】
1種または複数の二官能性キレート剤に共有結合的に連結させたドメイン欠損抗IGSF9または抗LIV−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、腫瘍性疾患の治療のための組成物。
【請求項11】
前記二官能性キレート剤は、MX−DTPAおよびCHX−DTPAからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
IGSF9またはLIV−1と結合する治療上有効量の抗体またはその抗原結合フラグメントを投与するステップを包含する、腫瘍性疾患を呈している哺乳類を治療する方法。
【請求項13】
前記哺乳類に治療上有効量の少なくとも1種の化学療法剤を投与するステップをさらに包含し、ここで該化学療法剤および前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、任意の順序で、あるいは並行して投与できる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記抗IGSF9または抗LIV−1抗体あるいはその抗原結合フラグメントは、ドメイン欠損抗体である、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメントは、C2ドメインを欠いている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されている、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、細胞傷害性薬剤と結合されている、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、前記化学療法剤の2週間以内に投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項19】
IGSF9またはLIV−1ポリペプチドあるいはそのフラグメントおよび生理的に許容される担体を含む、癌を治療するためのワクチン。
【請求項20】
前記ポリペプチドは、配列番号2に示す通りのIGSF9のアミノ酸1から1163もしくはアミノ酸21から718、または配列番号29に示す通りのLIV−1のアミノ酸1から749、アミノ酸28から317、もしくはアミノ酸373から417を含む、請求項19に記載のワクチン。
【請求項21】
前記生理的に許容される担体は、アジュバントまたは免疫賦活剤を含む、請求項19に記載のワクチン。
【請求項22】
前記アジュバントはPROVAX(商標)である、請求項21に記載のワクチン。
【請求項23】
前記ポリペプチドは、ヘルパーTペプチドに融合される、請求項19に記載のワクチン。
【請求項24】
前記患者に請求項19に記載のワクチンを投与することを包含する、癌の治療または予防を必要とする患者において、免疫応答を誘発する方法。
【請求項25】
IGSF9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの過剰発現を検出することによって癌を診断する方法であって、
e.癌の診断を必要とする個体からサンプルを得ること;
f.該サンプルにおいて、IGSF−9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;
g.正常な個体からの対照サンプルまたは診断される個体からの正常組織に由来するIGSF−9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;および
h.IGSF−9またはLIV−1の発現レベルを、対照サンプルにおいて得られるものと比較し、その比較の結果が癌の診断となること、
を含む方法。
【請求項26】
前記IGSF9フラグメントは、エキソン5〜10を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記過剰発現は、核酸増幅またはハイブリダイゼーションにより検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記過剰発現が、IGSF9またはLIV−1に対する抗体、あるいはその抗原結合フラグメントを使用して検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
癌治療を受けている個体の予後を判定する方法であって、
e.癌治療の予後を必要とする該個体からサンプルを得ること;
f.該サンプルにおけるIGSF9またはLIV−1、あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;
g.正常な個体からの対照サンプルまたは診断される個体からの正常組織に由来するIGSF9またはLIV−1、あるいはそのフラグメントの発現を検出すること、および;
h.IGSF−9またはLIV−1の発現レベルを、対照サンプルにおいて得られるものと比較し、その比較の結果が癌の予後となること、
を含む方法。
【請求項30】
前記IGSF9フラグメントは、エキソン5〜10を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
免疫学的にIGSF9またはLIV−1抗原あるいはそのフラグメントに似ている抗イディオタイプ抗体を活性成分として含む、ワクチン。
【請求項32】
癌を治療または発見するのに使用するための、請求項9に記載の組成物を説明書と共に含む、キット。
【請求項33】
腫瘍細胞がIGSF9またはLIV−1抗原を発現している哺乳類において、腫瘍性疾患を治療する方法であって、薬学的に有効な量のIGSF9またはLIV−1に対する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む組成物を前記哺乳類に投与することを含む、方法。
【請求項34】
薬学的に許容される担体と、IGSF9またはLIV−1を含む、抗腫瘍免疫応答を誘発するのに有効な量の免疫原性調製物とを含むワクチンであって、該免疫原性調製物は抗腫瘍免疫応答を誘発可能である、ワクチン。
【請求項35】
IGSF9またはLIV−1の少なくとも8ヌクレオチドの部分を含む、長さが最高50ヌクレオチド長までの、IGSF9またはLIV−1の発現を妨げる、アンチセンス核酸。
【請求項36】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの改変されたインターヌクレオチド結合を含む請求項35に記載の核酸。
【請求項37】
細胞または組織において、IGSF9またはLIV−1の発現を妨げる方法であって、IGSF9またはLIV−1の発現が妨げられるように、請求項34に記載の核酸と、該細胞または組織を接触させることを包含する、方法。
【請求項38】
配列番号3;
配列番号5;
配列番号12;
配列番号13;
配列番号14;
配列番号15;
配列番号16;
配列番号17;
配列番号18;
配列番号19;
配列番号20;および
配列番号21
からなる群から選択される、単離された核酸。
【請求項39】
請求項38の核酸を含む、ベクター。
【請求項40】
請求項38の核酸を含む、宿主細胞。
【請求項41】
配列番号4;
配列番号6;
配列番号22;
配列番号23;
配列番号24;
配列番号25;
配列番号26;および
配列番号27
からなる群から選択される、単離されたポリペプチド。
【請求項42】
請求項41に記載のポリペプチドを含む、組成物。
【請求項43】
請求項41に記載のポリペプチドと生理的に許容される担体とを含む、癌を治療するためのワクチン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGSF9またはLIV−1のどちらかと結合する単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項2】
配列番号2に示す通りのアミノ酸21から718の間、配列番号8に示す通りのアミノ酸21から734の間、配列番号22〜27に示す通りのアミノ酸配列のIGSF9と結合するか、または配列番号29に示す通りの、アミノ酸28から317、373から417、674から678または742から749間でLIV−1と結合する単離された抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項3】
前記抗体または抗原結合フラグメントはドメイン欠損抗体を含む、請求項2に記載の単離された抗体または抗原結合フラグメント。
【請求項4】
細胞傷害性薬剤をさらに含む、請求項3に記載のドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項5】
前記細胞傷害性薬剤は、放射性核種である、請求項4に記載のドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項6】
前記抗体は、ヒト化されている、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項7】
前記抗体は、霊長類化されている、請求項1に記載の抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項8】
IGSF9またはLIV−1と結合する抗体またはその抗原結合フラグメントであって、ここで該抗体またはその抗原結合フラグメントは、IGSF9またはLIV−1と結合する、1つまたは複数の機能を妨げる、抗体またはその抗原結合フラグメント。
【請求項9】
IGSF9またはLIV−1と結合する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、組成物。
【請求項10】
1種または複数の二官能性キレート剤に共有結合的に連結させたドメイン欠損抗IGSF9または抗LIV−1抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、腫瘍性疾患の治療のための組成物。
【請求項11】
前記二官能性キレート剤は、MX−DTPAおよびCHX−DTPAからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
IGSF9またはLIV−1と結合する治療上有効量の抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、腫瘍性疾患を呈している哺乳類を治療するための薬学的組成物
【請求項13】
療上有効量の少なくとも1種の化学療法剤をさらに含み、ここで該化学療法剤および前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、任意の順序で、あるいは並行して投与できる、請求項12に記載の薬学的組成物
【請求項14】
前記抗IGSF9または抗LIV−1抗体あるいはその抗原結合フラグメントは、ドメイン欠損抗体である、請求項12に記載の薬学的組成物
【請求項15】
前記ドメイン欠損抗体またはその抗原結合フラグメントは、C2ドメインを欠いている、請求項14に記載の薬学的組成物
【請求項16】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、ヒト化されている、請求項12に記載の薬学的組成物
【請求項17】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、細胞傷害性薬剤と結合されている、請求項12に記載の薬学的組成物
【請求項18】
前記抗体またはその抗原結合フラグメントは、前記化学療法剤の2週間以内の投与のために処方されている、請求項12に記載の薬学的組成物
【請求項19】
IGSF9またはLIV−1ポリペプチドあるいはそのフラグメントおよび生理的に許容される担体を含む、癌を治療するためのワクチン。
【請求項20】
前記ポリペプチドは、配列番号2に示す通りのIGSF9のアミノ酸1から1163もしくはアミノ酸21から718、または配列番号29に示す通りのLIV−1のアミノ酸1から749、アミノ酸28から317、もしくはアミノ酸373から417を含む、請求項19に記載のワクチン。
【請求項21】
前記生理的に許容される担体は、アジュバントまたは免疫賦活剤を含む、請求項19に記載のワクチン。
【請求項22】
前記アジュバントはPROVAX(商標)である、請求項21に記載のワクチン。
【請求項23】
前記ポリペプチドは、ヘルパーTペプチドに融合される、請求項19に記載のワクチン。
【請求項24】
求項19に記載のワクチンを含む、癌の治療または予防を必要とする患者において、免疫応答を誘発するための薬学的組成物
【請求項25】
IGSF9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの過剰発現を検出する方法であって、
f.個体から得られたサンプルにおいて、IGSF−9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;
g.正常な個体から得られた対照サンプルまたは該サンプルを提供した個体からの正常組織に由来するIGSF−9またはLIV−1あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;および
h.IGSF−9またはLIV−1の発現レベルを、対照サンプルにおいて検出されるものと比較すること、
を含む方法。
【請求項26】
前記IGSF9フラグメントは、エキソン5〜10を含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記過剰発現は、核酸増幅またはハイブリダイゼーションにより検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記過剰発現が、IGSF9またはLIV−1に対する抗体、あるいはその抗原結合フラグメントを使用して検出される、請求項25に記載の方法。
【請求項29】
癌治療を受けている個体からIGSF9もしくはLIV−1、またはこれらのフラグメントを検出する方法であって、
f.該個体から得られたサンプルにおけるIGSF9またはLIV−1、あるいはそのフラグメントの発現を検出すること;
g.正常な個体から得られた対照サンプルまたは該サンプルを提供した癌治療を受けている個体から得られた正常組織に由来するIGSF9またはLIV−1、あるいはそのフラグメントの発現を検出すること、および;
h.IGSF−9またはLIV−1の発現レベルを、対照サンプルにおいて検出されるものと比較すること、
を含む方法。
【請求項30】
前記IGSF9フラグメントは、エキソン5〜10を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
免疫学的にIGSF9またはLIV−1抗原あるいはそのフラグメントに似ている抗イディオタイプ抗体を活性成分として含む、ワクチン。
【請求項32】
癌を治療または発見するのに使用するための、請求項9に記載の組成物を説明書と共に含む、キット。
【請求項33】
腫瘍細胞がIGSF9またはLIV−1抗原を発現している哺乳類において、腫瘍性疾患を治療するための薬学的組成物であって、薬学的に有効な量のIGSF9またはLIV−1に対する抗体またはその抗原結合フラグメントを含む、薬学的組成物
【請求項34】
薬学的に許容される担体と、IGSF9またはLIV−1を含む、抗腫瘍免疫応答を誘発するのに有効な量の免疫原性調製物とを含むワクチンであって、該免疫原性調製物は抗腫瘍免疫応答を誘発可能である、ワクチン。
【請求項35】
IGSF9またはLIV−1の少なくとも8ヌクレオチドの部分を含む、長さが最高50ヌクレオチド長までの、IGSF9またはLIV−1の発現を妨げる、アンチセンス核酸。
【請求項36】
前記アンチセンスオリゴヌクレオチドが、少なくとも1つの改変されたインターヌクレオチド結合を含む請求項35に記載の核酸。
【請求項37】
細胞または組織において、IGSF9またはLIV−1の発現を妨げるための薬学的組成物であって、請求項34に記載の核酸を含む、薬学的組成物
【請求項38】
配列番号3;
配列番号5;
配列番号12;
配列番号13;
配列番号14;
配列番号15;
配列番号16;
配列番号17;
配列番号18;
配列番号19;
配列番号20;および
配列番号21
からなる群から選択される、単離された核酸。
【請求項39】
請求項38の核酸を含む、ベクター。
【請求項40】
請求項38の核酸を含む、宿主細胞。
【請求項41】
配列番号4;
配列番号6;
配列番号22;
配列番号23;
配列番号24;
配列番号25;
配列番号26;および
配列番号27
からなる群から選択される、単離されたポリペプチド。
【請求項42】
請求項41に記載のポリペプチドを含む、組成物。
【請求項43】
請求項41に記載のポリペプチドと生理的に許容される担体とを含む、癌を治療するためのワクチン。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図9E】
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【図9F】
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【図9G】
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【図9H−1】
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【図9H−2】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公表番号】特表2006−520194(P2006−520194A)
【公表日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−503002(P2006−503002)
【出願日】平成16年1月27日(2004.1.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/002044
【国際公開番号】WO2004/066933
【国際公開日】平成16年8月12日(2004.8.12)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】